説明

ポンプ用フタの改良とこのポンプ用フタを有する容器

【課題】容器内部に圧力を加える又は真空にするポンプ用フタを提供する。
【解決手段】 本発明のポンプ用フタは、(a)回転可能なポンプ・シリンダ50と、(b)前記ポンプ・シリンダに機械的に連携されるポンプ・ピストン10と、を有する。前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積100を形成しする。前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁12を具備する。前記ピストン壁は、内表面14と外表面16とを有する。前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成し、前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用する。前記前記ポンプ・シリンダ50とポンプ・ピストン10との機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器と共に使用されるポンプ用フタに関し、特に、この様なポンプ用フタの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者が出願した特許文献1,2は、ポンプ構造を有する容器のフタの様々な実施例を開示する。この様な容器において、ポンプ用フタの構成要素の回転運動が、ポンプ用フタのピストン又はシリンダの上部部品のいずれかの直線運動に変換される。この様なポンプ用フタの目的は、空気を容器内にポンプで入れ、容器内を圧力がかかった状態にすることである。別の構成としては、空気を容器の内からポンプで排気し、容器内に真空状態を作り出すことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6973945号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2005/0274734号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ポンプ用フタの全体サイズを小さくし、ポンプ用フタの製造及びその組立を簡単にする改良を提供する。
【0005】
本発明の目的は、容器と共に使用されるポンプ用フタを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によれば、
(a)回転可能なポンプ・シリンダと、(b)前記ポンプ・シリンダに機械的に連携されるポンプ・ピストンとを有するポンプ用フタにおいて、
前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積を形成し、
前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁を具備し、
前記ピストン壁は、内表面と外表面とを有し、
前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成し、
前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用し、
前記前記ポンプ・シリンダとポンプ・ピストンとの機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こす。
本発明の一実施例によれば、前記ピストン壁の外表面は、側面方向に伸びるピン(20)を有する。
本発明の一実施例によれば、前記ポンプ・シリンダは、前記ポンプ・シリンダ領域を形成するシリンダ壁を有し、前記ポンプ・シリンダ内に、前記ポンプ・ピストンが留置され、前記シリンダ壁は、前記ピンが入る波形溝を具備する。
本発明の一実施例によれば、前記ポンプ・シリンダは、複数の構成要素を有し、前記構成要素は、組み立てられた時に、それらの間に波形溝を形成する。
本発明の一実施例によれば、前記複数の構成要素は、第1構成要素と第2構成要素とを含み、前記第1構成要素は、前記波形溝の上部壁と側面壁を形成し、前記第2構成要素は、前記波形溝の底壁を形成する。
本発明の一実施例によれば、前記ピストン壁の外表面は、リップを有し、前記リップは、前記円筒壁の周囲に伸びて、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間で、膨張行程の間、気密性を提供し、圧縮行程の圧力下においては、空気が、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間から、漏れる。
【0007】
本発明の一実施例によれば、(a)容器本体と、(b)ポンプ用フタと、(c)解放制御装置と、(d)出口ノズルと、を有する流体に圧力をかけながら放出する容器において、前記ポンプ用フタは、前記容器本体上に配置され、前記容器の内容積に圧力を加える。
前記ポンプ用フタは、(i)回転可能なポンプ・シリンダと、(ii)前記ポンプ・シリンダに機械的に連携されるポンプ・ピストンと、を有する。
前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積を形成する。前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁を具備する。前記ピストン壁は、内表面と外表面とを有する。前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成する。前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用する。前記前記ポンプ・シリンダとポンプ・ピストンとの機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こす。
本発明の一実施例によれば、(e)バリアを更に有し、前記バリアは、前記容器内に配置され、圧縮された空気と容器内に含まれる流体とを分離する。
【0008】
本発明の一実施例によれば、本発明の流体に圧力をかけながら放出する方法は、(a)容器本体を用意するステップと、(b)ポンプ用フタを前記容器本体上に配置するステップと、(c)前記容器の内容積に圧力を加える為に、前記ポンプ用フタを駆動するステップと、(d)出口ノズルから流体を放出するために、解放制御装置を駆動するステップと、を有する。
前記ポンプ用フタは、(i)回転可能なポンプ・シリンダと、(ii)前記ポンプ・シリンダに機械的に連結されるポンプ・ピストンと、を有する。前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積を形成する。前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁を具備する。前記ピストン壁は、内表面と外表面とを有する。前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成する。前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用する。前記前記ポンプ・シリンダとポンプ・ピストンとの機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こす。
【0009】
本発明の一実施例によれば、本発明の容器と共に使用されるポンプ用フタ組立体は、(a)回転可能なポンプ・シリンダと、(b)前記ポンプ・シリンダに機械的に連携されるポンプ・ピストンと、(c)一方向性バルブとを有する。
前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積を形成する。前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁を具備する。前記ピストン壁は、内表面と外表面とを有する。前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成する。前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用する。前記前記ポンプ・シリンダとポンプ・ピストンとの機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こす。前記一方向性バルブは、バルブ構成要素を有する。前記バルブ構成要素は、空気が前記直線運動により強制的に通るスリットを有する。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記ピストン壁の外表面は、側面方向に伸びるピンを有する。
本発明の一実施例によれば、前記ポンプ・シリンダは、前記ポンプ・シリンダ領域を形成するシリンダ壁を有し、前記ポンプ・シリンダ内に、前記ポンプ・ピストンが留置され、前記シリンダ壁は、前記ピンが入る波形溝を具備する。
本発明の一実施例によれば、前記ポンプ・シリンダは、複数の構成要素を有する。前記構成要素は、組み立てられた時に、それらの間に波形溝を形成する。
本発明の一実施例によれば、前記複数の構成要素は、第1構成要素と第2構成要素とを含む。前記第1構成要素は、前記波形溝の上部壁と側面壁を形成する。前記第2構成要素は、前記波形溝の底壁を形成する。
本発明の一実施例によれば、前記ピストン壁の外表面は、リップを有し、前記リップは、前記円筒壁の周囲に伸びて、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間で、膨張行程の間、気密性を提供し、圧縮行程の圧力下においては、空気が、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間から、漏れる。
本発明の一実施例によれば、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こし、これにより、前記容器内に部分真空を作り出す。
本発明の一実施例によれば、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こし、これにより、前記容器内に加圧状態を作り出す。
本発明の一実施例によれば、前記バルブ構成要素は、複数のバルブ構成要素から構成され、前記複数のバルブ構成要素は、スリットを有し、前記スリットは、互いに直行して交差するよう形成される。
本発明の一実施例によれば、前記スリットは、互いに直行して交差するよう整合する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】容器に嵌められる本発明のポンプ用フタの主要部品を表す縦断面図。
【図2】本発明のポンプ用フタの第1実施例で、圧縮行程の最終状態にあるシリンダの上部部品を表す横断面図。
【図3】図2の実施例で、膨張行程の最終段階にあるシリンダの上部部品の縦断面図。
【図4】波形溝とポンプ駆動ピンとの関連を表す図2の実施例の一部切り欠き断面図。
【図5】図3のポンプ・ピストンの切り欠き断面斜視図。
【図6】図2のポンプ用フタの回転可能なシリンダの上部部品の断面斜視図。
【図7】本発明により組み立てられ動作するリップ・バルブの底面図。
【図8】本発明により組み立てられ動作する圧縮行程の最終段階にある別のバルブを表す断面斜視図。
【図9】圧縮行程の最終段階にある図8のポンプ用フタの断面斜視図。
【図10】本発明により構成され動作するチィルド・プルーフ装置の斜視図。
【図11】本発明によるポンプ用フタで圧力表示装置を示す断面斜視図。
【図11A】図11のポンプ用フタのピストンの上面図。
【図12】本発明のポンプ用フタのフィルター装置を表す断面斜視図。
【図13】本発明のポンプ用フタで圧力ポンプを表す断面斜視図。
【図13A】図13のポンプ用フタのバルブの構成要素の一実施例の上面図。
【図13B】図13のポンプ用フタのバルブの構成要素の他の実施例の上面図。
【図13C】図13のポンプ用フタのバルブの構成要素の他の実施例の上面図。
【図13D】シリンダの上部部品が持ち上がった位置にある図13のポンプ用フタの断面斜視図。
【図14】ポンプ用フタがスプレー容器に配置され、圧力空気がスプレー容器の液体内容物と自由に接触する状態にある本発明のポンプ用フタの断面図。
【図15】ポンプ用フタがスプレー容器に配置され、圧力空気がスプレー容器の液体内容物と分離している状態にある本発明のポンプ用フタの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は特許文献1,2に開示された従来技術のポンプ用フタを改良することである。この改良点は、容器を短くし、ピストンの直径を大きくし、これによりポンプの吸引能力と圧縮能力を上げて、かつ製造を容易にすることである。
【0013】
容器を短くすることは、容器の取付装置を、ピストン内の中空領域に構成することにより達成される。即ち本発明のポンプ用フタは、容器に配置され、その結果、ポンプ用フタが容器に取付られると、ピストンの少なくとも一部が容器の一部を取り囲む。従来のポンプ用フタにおいては、ポンプは、容器の取付部分に構築されたシート部分上に配置されていた。ピストンが容器の周囲を囲む結果、ピストンの直径が増加していた。
【0014】
本発明のポンプ用フタの製造は、いくつかの方法で、例えば回転可能なシリンダのを2つの部品で構成することにより実現できる。その結果、波形溝は2つの部品を一体化にすることにより形成される。バルブは、図7に示すリップ・バルブ(スティッカ・バルブとも称する)で構成される。リップ・バルブは、バルブ開口を覆うように搭載される。
【0015】
従来のポンプ用フタと同様に、ポンプ用フタの一構成要素の回転運動が、ポンプ用フタの別の構成要素の線形(直線)運動に変換される。一実施例では、本発明のポンプ用フタは、容器内の空気をポンプで排出し、容器内に部分的な真空状態を作り出す。別の実施例では、空気を容器内にポンプで吸引し、容器内に加圧状態を作り出す。
【0016】
図1において、本発明のポンプ用フタ2は、ボトルである容器4上に配置される。ポンプ用ピストン10はシリンダ壁12と共に構成される。シリンダ壁12は、内表面14と外表面16とを有する。内表面14の一部は、容器4から取り外し可能な構造物として構成される。外表面16の一部は、回転可能なシリンダ50と相互作用(係合する)する。ピストン10が容器4に配置されると、ピストン壁12の一部が容器の一部を包囲する。ポンプ用フタ2の外側は、回転可能なポンプ用シリンダ50である。このシリンダ50はシリンダ壁52を有する。このシリンダ壁52がシリンダ領域54を規定し、その中にポンプ用ピストンが配置される。それらが組立られると、ピストン10はシリンダ50内に配置され、この2つの部品が、それらの間に可変のポンプ容積100を規定する。この構造により、ポンプ用フタ2が取付られる容器4の高さを低くする。
【0017】
図2−6において、本発明のポンプ用フタ2の完全な組立状態を表すが、ピストン10の容器に対する取り外し可能な構造物は、ねじ溝18である。このねじ溝18は、シリンダ壁12の内表面14の上に形成される。ねじ溝18は、容器内の溝に噛み合い、ピストンが容器内にねじ込まれて、容器の一部を包囲する。
【0018】
シリンダ壁12の外表面16は、横方向に伸びる1個又は複数個のポンプ駆動ピン20を有する。シリンダ壁52のシリンダ領域54に波形溝60が形成される。この波形溝60は、シリンダ領域54の周囲360°に伸びる。
【0019】
回転可能なポンプ用のシリンダ50が、ピストン10を覆うように配置される。その際、ポンプ駆動ピン20は波形溝60内に伸びる。
【0020】
ポンプ動作を実行するために、ピストン10とシリンダ50との間の相対的直線運動は、シリンダ50をピストン10の周りに回転させる回転運動により、行われる。波形溝60とポンプ駆動ピン20との相互作用(噛み合い)により、シリンダ50の回転運動がシリンダ50の直線運動に変換される。
【0021】
図2−6の実施例は、3本のポンプ駆動ピン20を有する。これらのポンプ駆動ピン20はシリンダ壁12の外表面16の周囲に等間隔で配置されている。シリンダ壁52のシリンダ領域54上の波形溝60は、対応する3本の波形から構成される。即ち各ポンプ駆動ピン20に対し、3組の波形の凸部62と凹部64である。ポンプ駆動ピン20の数と波形62、64の数は、いくつでもよい。又シリンダ50の1回転当たりのポンプ行程の数(拡張行程と圧縮行程の組み合わせ)は、波形溝に形成された波(凸部62と凹部64)の数に等しい。その為図2−6の実施例は、シリンダ50の1回転に対し3回の直線ポンプ行程を行う。
【0022】
シリンダ壁12の個々の部品は、プラスチックの注入モールドで形成される。製造を容易にするため、シリンダ50は2つのモールド部分(即ちシリンダ上部部品50aとシリンダ下部部品50b)から形成される。これらを組み立てると、それらの間に波形溝60が形成される。図2−4,図6から明らかなように、シリンダ上部部品50aは波形溝60の上壁66と側壁68を有し、シリンダ下部部品50bは底壁70を有する。
【0023】
次に動作について説明する。シリンダ50は回転すると直線状(上下)に動く。シリンダ50がピストン10から離れる方向(上)に移動すると、ポンプ容積100が増加し、空気が、容器内にピストン10に形成された一方向バルブ22から吸引される。シリンダ50がピストン10の方向に移動する(近づくと)と、ポンプ容積100が減少し、空気が、ポンプ容積100からシリンダ50の上部に形成された一方向バルブ90から排出される。オーリング30は、シリンダ50とピストン10との間に気密性を提供する。
【0024】
一方向バルブは従来公知のものが使用される。一例として、一方向バルブ90は開口カバーするリップバルブ120で形成される。このリップバルブ120は、スティッカバルブとも称する。これを図7に示す。
【0025】
別の構成として、図8,9に示すように、一方向バルブ90とオーリング30は、柔軟性のあるリップ150を有するシリンダ壁12の外部表面16で置換できる。このリップ150は、シリンダ50とピストン10との間に、膨張行程の際、気密を提供する。しかし圧縮行程で圧力がかかっている場合は、空気は、シリンダ50とピストン10の壁の間を通って抜ける。これを矢印152で示す。
【0026】
2つのチャイルドプルーフの構成を次に説明する。図2,3,5,6のチャイルドプルーフの構成は、円周上に離間して配置された歯42を有する。この歯42はピストン10の上部表面に形成される(図3)。その歯42に対応する歯82は、シリンダ50の上部壁の内側表面に形成される(図6)。
通常のポンプ動作においては、ピストン10の上部表面に構成されたスプリング44が、歯42と歯82が噛み合うのを阻止する。
フタ2を容器4から外す為には、シリンダ50は、歯42と歯82を噛み合わせる為に、ピストン10の方向に向かって押され、2つの歯が噛み合った時点(図2)で、シリンダ50を回転するとピストン10が回転する。その結果、フタ2が容器4から外れる。波形溝60は、上壁62と底壁66の間のスペースがシリンダ50の移動が可能となるよう、構成される。
【0027】
図10に別の構成のチャイルドプルーフ装置を示す。同図において、波形溝60の各凹部にはスロット170が形成される。このスロット170内にポンプ駆動ピン20が押し込まれる。ポンプ駆動ピン20がスロット170内にあると、シリンダ50の回転は、ピストン10を回転させ、その結果、フタ2が容器4から外れる。
【0028】
図11,11Aに、ポンプ用フタ200のピストン210内に形成されたフレキシブルな圧力表示領域202を示す。回転可能なポンプ・シリンダ250あるいはその一部は、透明な材料で形成され、その結果、圧力表示領域202が、ポンプ・シリンダ250を通して見える。
【0029】
次に動作について説明すると、圧力表示領域202は、ポンプ用フタが配置された容器内の圧力状態に応じて曲がる。容器内が真空状態の時は、圧力表示領域202は、容器の内側に引かれ、圧力表示領域202のパターンは変形して見える。同様に容器内の圧力が高い場合には、圧力表示領域202は、外側に押され、グリッド・ライン204のパターンも変形して見える。
【0030】
図12において、ポンプ用フタ300は、フィルタ302を備えたピストンを有する。フィルタ302はフィルタ領域304を有する。このフィルタ領域304は、ポンプ用フタ300が取付られる容器内の内容物が通過するのを制限しながら、空気だけが通るようにする。フィルタ領域304は取付リング306により保持される。この取付リング306は、剛性あるいは半剛性であり、フィルタ領域304と一体に形成されるかあるいは別の部品である。取付リング306は、シリコン、テフロン(登録商標)、天然ゴム、合成ゴムあるいは他の適宜のプラスチック材料から形成される。
【0031】
図13−13Dによれば、一方向バルブ(図13A−13C)が、本発明のポンプ用フタ400内に配置される。ポンプ用フタ400は、容器に圧力をかけるよう構成される。
【0032】
本発明のポンプ用フタの他の実施例と同様に、ポンプ・シリンダ450がポンプ・ピストン410の周りで回転すると、ポンプ・シリンダ450は、縦軸方向外側(図では上方向)に移動し(図13D)、空気は、一方向バルブ464と入口462を通り、シリンダ450の内容積460内に、吸引される。
【0033】
更に、ポンプ・シリンダ450をポンプ・ピストン410の周りに回転させると、ポンプ・シリンダ450は縦軸方向内側(図13では下方向)に移動し、空気は、一方向バルブ要素402/404を通り、出口開口406を介して容器内に入る。
【0034】
図13A−13Cに示すように、一方向バルブ要素402/404は、2つのバルブ要素を有する。バルブ要素402には、バルブ要素402の垂直センターラインに沿って配置された貫通スリット402aが形成される。同様にバルブ要素404は、バルブ要素404の水平センターラインに沿って配置された貫通スリット404aが形成される。ポンプ用フタ400の直線方向の動きにより、空気がスリット404a,404bを通る。
【0035】
図13Cに示すように、バルブ要素402,404は、ポンプ・ピストン410内に、スリット402a,404aが互いに直交するように配置される。一方向バルブ要素402/404は、スリット402a,404aが、重なる中心点で交差するよう、配置されているが、本発明の一方向バルブ要素402/404の配列と順番は、必ずしも、これに限定されない。バルブ構成要素の外形は、適宜のもので、必ずしも同一である必要はない。更にスリットは、2つのバルブ構成要素の中心点で直交して交差する必要もない。その為、直角以外あるいは中心点以外で交差するスリットを有する実施例も本発明に含まれる。上記の説明では、バルブ要素402又はバルブ要素404のいずれか一方のみを使用するのが、あるアプリケーションにおいては、内容積内の有効な差圧を維持するのに効果的である。
【0036】
バルブ要素402,404は一体に形成された部品でもよい。別の構成としては、2つのバルブ要素402,404を、別部品の保持要素でもって保持してもよい。この場合は、全部で3つの部品となる。
【0037】
更にバルブ要素402,404は、適宜の材料、例えば、シリコン、テフロン(登録商標)、天然ゴム、合成ゴム、シリコン、軟性柔軟プラスチックから形成することもできる。
【0038】
図14,15は、ポンプ用フタ400を、流体を入れた容器に配置した状態を示す。これにより、容器から圧力による放出を可能とする。
【0039】
図14の容器500は、空気と直接接触して何ら問題のない流体用である。その為空気は、ポンプ用フタ400を用いて直接容器500内にポンプで入れられる。容器500は、解放制御装置504を具備する。この解放制御装置504は、出口ノズル502を解放する従来公知のものである。
【0040】
次に動作について説明すると、ポンプ用フタ400が駆動されると、圧力は、容器500内の空気圧縮領域520で上がり、その結果流体510を圧縮する。解放制御装置504が活性化されると、流体510は、出口チューブ506内に入り、出口ノズル502を介して放出される。流体510のこの様な放出は、スプレー、連続流、ミスト、発泡に限定されない。
【0041】
図15の容器600は、空気と直接接触させることのできない流体用である。この場合には、空気は、ポンプ用フタ400を用いて、容器600の領域620内に直接入れられる。領域620は、流体610と直接接触しないようバリア622により分離されている。バリア622は、容器600内で領域620内に圧力を掛けることにより、移動する。バリア622は、適宜の分離要素あるいは適宜の形状をしているが、これに限定されるものではない。容器600は解放制御装置604を具備する。この解放制御装置604は従来公知のもので、出口ノズル602を通して流体を放出する。
【0042】
次に動作について説明する。ポンプ用フタ400が駆動されると、空気圧力が容器600内の領域620内に形成される。これにより、バリア622に圧力を加えて、更に流体610に圧力を加える。解放制御装置604が駆動されると、流体610は出口ノズル602を介して放出される。流体610のこの様な放出は、スプレー、連続流、ミスト、発泡に限定されない。
【0043】
容器500と容器600内の圧力流体の放出は、圧力を掛けた後直ちに行う必要はなく、流体は容器内で長期に渡り加圧状態に維持することも可能である。
【0044】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0045】
10 ピストン
12 シリンダ壁
14 内表面
16 外表面
18 ねじ溝
20 ポンプ駆動ピン
22 一方向バルブ
30 オーリング
42 歯
50 シリンダ
50a シリンダ上部部品
50b シリンダ下部部品
52 シリンダ壁
54 シリンダ領域
60 波形溝
66 上壁
68 側壁
82 歯
70 底壁
90 一方向バルブ
100 ポンプ容積
120 リップバルブ
170 スロット
210 ピストン
200 ポンプ用フタ
202 圧力表示領域
204 グリッド・ライン
300 ポンプ用フタ
302 フィルタ
304 フィルタ領域
306 取付リング
400 ポンプ用フタ
402 バルブ要素
404 バルブ要素
402/404 一方向バルブ要素
402a スリット
404a,404b スリット
404b スリット
406 出口開口
410 ピストン
450 シリンダ
460 内容積
462 入口開口
464 一方向バルブ
500 容器
502 出口ノズル
504 解放制御装置
510 流体
520 空気圧縮領域
600 容器
602 出口ノズル
610 流体
620 領域
622 バリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)回転可能なポンプ・シリンダ(50)と、
(b)前記ポンプ・シリンダに機械的に連携されるポンプ・ピストン(10)と、
を有するポンプ用フタにおいて、
前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積(100)を形成し、
前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁(12)を具備し、
前記ピストン壁は、内表面(14)と外表面(16)とを有し、
前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成し、
前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用し、
前記前記ポンプ・シリンダ(50)とポンプ・ピストン(10)との機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こす
ことを特徴とするポンプ用フタ。
【請求項2】
前記ピストン壁の外表面は、側面方向に伸びるピン(20)を有する
ことを特徴とする請求項1記載のポンプ用フタ。
【請求項3】
前記ポンプ・シリンダは、前記ポンプ・シリンダ領域を形成するシリンダ壁を有し、
前記ポンプ・シリンダ内に、前記ポンプ・ピストンが留置され、
前記シリンダ壁は、前記ピンが入る波形溝(60)を具備する
ことを特徴とする請求項1記載のポンプ用フタ。
【請求項4】
前記ポンプ・シリンダは、複数の構成要素(50a,50b)を有し、
前記構成要素は、組み立てられた時に、それらの間に波形溝を形成する
ことを特徴とする請求項1記載のポンプ用フタ。
【請求項5】
前記複数の構成要素は、第1構成要素(50a)と第2構成要素(50b)とを含み、
前記第1構成要素(50a)は、前記波形溝の上部壁と側面壁を形成し、
前記第2構成要素(50b)は、前記波形溝の底壁を形成する
ことを特徴とする請求項4記載のポンプ用フタ。
【請求項6】
前記ピストン壁の外表面は、リップを有し、
前記リップは、前記円筒壁の周囲に伸びて、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間で、膨張行程の間、気密性を提供し、
圧縮行程の圧力下においては、空気が、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間から、漏れる
ことを特徴とする請求項1記載のポンプ用フタ。
【請求項7】
(a)容器本体(600)と、
(b)ポンプ用フタ(400)と、
(c)解放制御装置(604)と、
(d)出口ノズル(602)と、
を有する流体に圧力をかけながら放出する容器において、
前記ポンプ用フタは、前記容器本体上に配置され、前記容器の内容積に圧力を加え、
前記ポンプ用フタ(400)は、
(i)回転可能なポンプ・シリンダ(50)と、
(ii)前記ポンプ・シリンダに機械的に連携されるポンプ・ピストン(10)と、を有し、
前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積(100)を形成し、
前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁(12)を具備し、
前記ピストン壁は、内表面(14)と外表面(16)とを有し、
前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成し、
前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用し、
前記前記ポンプ・シリンダ(50)とポンプ・ピストン(10)との機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こし、
ことを特徴とする流体に圧力をかけながら放出する容器。
【請求項8】
(e)バリア(622)を更に有し、
前記バリアは、前記容器内に配置され、圧縮された空気(600)と容器内に含まれる流体(610)とを分離する
ことを特徴とする請求項7記載の容器。
【請求項9】
(a)容器本体(600)を用意するステップと、
(b)ポンプ用フタ(400)を前記容器本体上に配置するステップと、
(c)前記容器の内容積に圧力を加える為に、前記ポンプ用フタ(400)を駆動するステップと、
(d)出口ノズル(602)から流体を放出するために、解放制御装置(604)を駆動するステップと、
を有する流体に圧力をかけながら放出する方法において、
前記ポンプ用フタは、
(i)回転可能なポンプ・シリンダ(50)と、
(ii)前記ポンプ・シリンダに機械的に連結されるポンプ・ピストン(10)と、
前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積(100)を形成し、
前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁(12)を具備し、
前記ピストン壁は、内表面(14)と外表面(16)とを有し、
前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成し、
前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用し、
前記前記ポンプ・シリンダ(50)とポンプ・ピストン(10)との機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こし、
ことを特徴とする流体に圧力をかけながら放出する方法。
【請求項10】
(a)回転可能なポンプ・シリンダ(50)と、
(b)前記ポンプ・シリンダに機械的に連携されるポンプ・ピストン(10)と、
前記ポンプ・ピストンの一部が、前記ポンプ・シリンダ内に配置され、これによりそれらの間に、可変のポンプ容積(100)を形成し、
前記ポンプ・ピストンは、円筒状のピストン壁(12)を具備し、
前記ピストン壁は、内表面(14)と外表面(16)とを有し、
前記内表面の一部は、前記容器に対する取り外し可能な構成部品を構成し、
前記外表面の一部は、前記ポンプ・シリンダと相互作用し、
前記前記ポンプ・シリンダ(50)とポンプ・ピストン(10)との機械的な連結により、前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こす
(c)一方向性バルブと、
前記一方向性バルブは、バルブ構成要素を有し、
前記バルブ構成要素は、空気が前記直線運動により強制的に通るスリットを有する
ことを特徴とする容器と共に使用されるポンプ用フタ組立体。
【請求項11】
前記ピストン壁の外表面は、側面方向に伸びるピン(20)を有する
ことを特徴とする請求項10記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項12】
前記ポンプ・シリンダは、前記ポンプ・シリンダ領域を形成するシリンダ壁を有し、
前記ポンプ・シリンダ内に、前記ポンプ・ピストンが留置され、
前記シリンダ壁は、前記ピンが入る波形溝(60)を具備する
ことを特徴とする請求項11記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項13】
前記ポンプ・シリンダは、複数の構成要素(50a,50b)を有し、
前記構成要素は、組み立てられた時に、それらの間に波形溝を形成する
ことを特徴とする請求項12記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項14】
前記複数の構成要素は、第1構成要素(50a)と第2構成要素(50b)とを含み、
前記第1構成要素(50a)は、前記波形溝の上部壁と側面壁を形成し、
前記第2構成要素(50b)は、前記波形溝の底壁を形成する
ことを特徴とする請求項13記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項15】
前記ピストン壁の外表面は、リップを有し、
前記リップは、前記円筒壁の周囲に伸びて、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間で、膨張行程の間、気密性を提供し、
圧縮行程の圧力下においては、空気が、前記ポンプ・シリンダと前記ポンプ・ピストンとの間から、漏れる
ことを特徴とする請求項10記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項16】
前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こし、これにより、前記容器内に部分真空を作り出す
ことを特徴とする請求項10記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項17】
前記ポンプ・シリンダの回転が前記ポンプ・シリンダの直線運動を引き起こし、これにより、前記容器内に加圧状態を作り出す
ことを特徴とする請求項10記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項18】
前記バルブ構成要素は、複数のバルブ構成要素から構成され、
前記複数のバルブ構成要素は、スリットを有し、
前記スリットは、互いに直行して交差するよう形成される
ことを特徴とする請求項10記載のポンプ用フタ組立体。
【請求項19】
前記スリットは、互いに直行して交差するよう整合する
ことを特徴とする請求項18記載のポンプ用フタ組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−11A】
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【図12】
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【図13】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−513346(P2012−513346A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541641(P2011−541641)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054256
【国際公開番号】WO2010/073132
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(511149728)キャプテク エルティディ. (1)
【Fターム(参考)】