説明

ポータブルパーソナルSIMカード

デバイスおよび方法は、1つまたは複数のモバイルデバイスで使用するプロビジョニングデータを、腕時計または宝飾品などの個人物品内に収容されたSIMカード内に記憶する。個人物品から1つまたは複数のモバイルデバイスにプロビジョニングデータを送信するために、近接場通信(NFC)プロトコルリンクなどの近距離通信リンクが使用される。近距離通信リンクは、セルラ通信ネットワークリンクを介するオーバザエア更新手順においてモバイルデバイスが受信した更新されたプロビジョニングデータを、個人物品に送信するために使用することもでき、更新されたプロビジョニングデータは、個人物品内に収容されたSIMカードに記憶される。モバイルデバイスは、デバイス間でのプロビジョニングデータの送信に先立って、それ自身を個人物品に対して認証することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、セルラ電話技術に関し、より詳細には、ポータブル個人物品(personal article)から複数のデバイスへの通信プロビジョニングデータ(provisioning data)をワイヤレスで提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の技術発達は、ワイヤレスデジタル通信をますます一般的なものにしている。ユビキタスセルラ電話に加えて、他のパーソナルモバイルデバイスも、様々なワイヤレスネットワークとデジタル通信を行う。携帯情報端末(PDA)、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワイヤレス電子メールレシーバ(例えばBlackberry(登録商標)デバイスおよびTreo(登録商標)デバイス)、マルチメディアインターネット対応セルラ電話(例えばiPhone (登録商標))、ならびにワイヤレスネットワークとの音声通信および/またはデータ通信を可能にする同様のパーソナル電子デバイスのうちの2つ以上をユーザが持ち運ぶことは、一般的になりつつある。
【0003】
一般に、モバイル通信デバイスは、ワイヤレス通信を構成するために、それ自身のプロビジョニングデータを利用し、プロビジョニングデータは、一般にSIMカードとして知られる個々の加入者識別モジュール(SIM: Subscriber Identity Module)に記憶される。プロビジョニングデータは、モバイルデバイスが特定のセルラ電話ネットワークまたはワイヤレスネットワークとの通信リンクを確立することを可能にする、必要な設定および情報のすべてを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各モバイルデバイスがそれ自身のSIMカードを含む場合、セルラ電話ネットワークにアクセスするモバイルデバイス毎に、異なるサービスプロバイダアカウントが必要とされる。この要件は、デバイス毎にサービスプロバイダ請求書がもたらされ、異なる電話番号をもつことになるので、ユーザのフラストレーションの原因となり得る。同じSIMカードを複数のモバイルデバイスで使用することもできるが、これには、物理的に、1つのモバイルデバイスからSIMカードを取り外し、それを別のモバイルデバイスに差し込むことが必要である。この行為は、面倒な、時間を浪費する、不便なことであり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
単一のSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを複数のモバイルデバイスに提供するための方法および装置が開示される。プロビジョニングデータは、宝飾品または腕時計などの個人物品内に格納されたSIMカードに記憶される。個人物品は、近距離通信リンク(close range communications link)の有効範囲内のモバイルデバイスと近距離通信リンクを確立し、SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを送信する。モバイルデバイスは、送信および受信されたプロビジョニングデータを使用して、セルラまたは他のワイヤレス通信ネットワークと接続するために、近距離通信リンクとは異なる第2の通信リンクを使用する。プロビジョニングデータが交換されたならば、近距離通信リンクは終了することができ、モバイルデバイスは、第2の通信リンクを使用して、ワイヤレスデジタル通信呼を確立すること、または受信することができる。
【0006】
本明細書に含まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を図説しており、上で与えられた概略の説明および以下で与えられる詳細な説明と一緒に、本発明の特徴を説明するのに役立てられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】多くのモバイルデバイスを含むワイヤレスネットワークのシステムブロック図である。
【図2】様々な実施形態とともに使用するのに適した例示的なモバイルデバイスについての回路ブロック図である。
【図3】様々な実施形態とともに使用するのに適した例示的な個人物品についての回路ブロック図である。
【図4A】個人物品からプロビジョニングデータを受信するためにモバイルデバイスによって実行され得る例示的な方法ステップについてのプロセスフロー図である。
【図4B】個人物品からプロビジョニングデータを受信するためにモバイルデバイスによって実行され得る例示的な方法ステップについてのプロセスフロー図である。
【図5】個人物品からプロビジョニングデータを送信するためにモバイルデバイスおよび個人物品によって実行され得る代替的な方法ステップについてのプロセスフロー図である。
【図6】図4で説明された方法の実施形態についてのメッセージフロー図である。
【図7】図5で説明された方法の実施形態についてのメッセージフロー図である。
【図8】プロビジョニングデータをモバイルデバイスに送信するために個人物品によって実行され得る例示的な方法ステップについてのプロセスフロー図である。
【図9】プロビジョニングデータをモバイルデバイスに送信するために個人物品によって実行され得る代替的な方法ステップについてのプロセスフロー図である。
【図10】個人物品に収容されたSIMカードのプロビジョニングデータを更新するのに適した方法の実施形態についてのプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
様々な実施形態が、添付の図面を参照しながら、詳細に説明される。可能である場合は、図面全体にわたって、同じまたは類似の部分を参照するために同じ参照番号が使用される。特定の例および実施に対して行われる言及は、説明を目的としたものであり、本発明の範囲または特許請求の範囲を限定する意図はない。
【0009】
本明細書では、「例示的」という語は、「例、事例、または実例として役立つ」という意味で使用される。本明細書で「例示的」として説明される実施はいずれも、他の実施よりも好ましいまたは有利なものであると解釈される必要はない。
【0010】
本明細書で使用される場合、「モバイルデバイス」および「ハンドヘルドデバイス」という用語は、ワイヤレスゲームコントローラ、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、パームトップコンピュータ、ワイヤレス電子メールレシーバ(例えばBlackberry(登録商標)デバイスおよびTreo(登録商標)デバイス)、マルチメディアインターネット対応セルラ電話(例えばiPhone (登録商標))、全地球測位システム(GPS)受信機、プログラム可能プロセッサおよびメモリを含む類似のパーソナル電子デバイス、ならびに有線または無線ネットワークに接続可能な通信トランシーバのうちのいずれか1つまたはすべてを指している。本明細書で使用される場合、「個人物品」、「腕時計」、および「宝飾品」という用語は、少なくとも1つのサービスプロバイダについての少なくともプロビジョニングデータが記憶されたSIMカードを収容する個人物品を指すために交換可能に使用される。いくつかの実施形態は、セルラ電話ネットワークのセル塔を含むセルラ電話ネットワークシステムに言及するが、しかし、本発明の範囲および特許請求の範囲は、例えば、イーサネット(登録商標)、WiFi、WiMax、および他のワイヤレスデータネットワーク通信技術を含む、任意の有線または無線通信システムを包含する。
【0011】
様々な実施形態は、個人物品と1つまたは複数のモバイルデバイスとの間でプロビジョニングデータを交換するために、近接間限定の(proximity-limited)ワイヤレス通信技術を使用する。この目的のために、近接間限定の様々なワイヤレス通信技術を使用することができる。例えば、近接場通信(NFC: near-field communication)プロトコル技術を使用することができる。NFCプロトコル技術デバイスは、無規制の13.56MHzのRF帯域で動作し、FeliCaおよびMifareなどの既存の無接触スマートカード技術、規格、およびプロトコルに完全に準拠する。NFC対応デバイスは、これらのプロトコルに従った無接触スマートカードおよびスマートカードリーダと相互運用可能である。NFCプロトコル通信の有効距離は、約0〜20cm(最大で8インチ)であり、データ通信は、リンクを使用したアプリケーションからのコマンドによって、または通信デバイスが範囲の外に移動したときに終了する。
【0012】
NFCプロトコルは、無接触技術、識別技術、およびネットワーク技術の組み合わせから進化した、短距離ワイヤレス接続性規格である。例えば、ISO/IEC 14443、ISO/IEC 15693、ISO/IEC 18092、ISO/IEC 21481、ISO/IEC 22536、ISO/IEC 23917、ISO/IEC DIS 28361、NFCIP-1と呼ばれるECMA-340、NFCIP-2と呼ばれるECMA-352、ECMA-356、ECMA-362、ECMA-373、ECMA/TC32-TG19/2006/057、NFC-WI、およびNFC-FECを含む多くの国際規格が、NFCプロトコルのために制定された。
【0013】
しかし、実施形態および特許請求の範囲は、NFCプロトコルのうちのいずれか1つまたはすべてに必ずしも限定されず、代わりに、任意の近距離(すなわち近接間限定の)ワイヤレス通信リンク(本明細書では一括して近距離通信リンクと呼ばれる)を包含することができる。実施形態のいくつかでは、近接間限定の任意のワイヤレス通信技術を使用することができる。上で列挙されたNFCプロトコルに加えて、例えば、無線周波識別(RFID: radiofrequency identification)タグプロトコルおよびIRDA(赤外線データ協会(Infrared Data Association))プロトコルを含む、他の近距離通信媒体を使用して、近接間限定のワイヤレス通信リンクを確立することができる。また、他の近距離ワイヤレスプロトコルおよび規格を開発することができ、様々な実施形態において、NFCプロトコルデバイスと同様に使用することができる。さらに、個人物品からモバイルデバイスにプロビジョニングデータを送信する目的で、より長距離のワイヤレス技術およびプロトコルを使用することができる。そのような技術の有効範囲は、NFCプロトコルよりも大きいが、開示される実施形態の目的からみて近距離通信技術と見なすのに十分な短さをもつことができる。例えば、WiFi、(2.4GHz周波数帯を使用して通信する)Bluetooth(登録商標)、UWB(超広帯域)、IEEE 802.15.4、およびZigbee(登録商標)などのワイヤレス通信プロトコルおよび規格も、様々な実施形態とともに実施することができる。必要であれば、そのようなより長距離のワイヤレス技術を可能にする回路にある変更を施して、有効距離を短くすることができる。例えば、通信を送信および受信するには、2つのデバイスが互いに相対的に近くなければならないように(例えば互いに数フィート以内)、プロビジョニングデータ伝送通信のための送信機の電力を制限することができる。別の例として、認証およびプロビジョニングデータの通信を、そのような信号のラウンドトリップが閾値未満である場合にのみ行うことができるように、ラウンドトリップ通信遅延限界が課されることがあり、閾値は、2から3フィートほどの短い間隔とすることができ、約10数フィートを超える場所から送信された信号を拒否するように設定される。
【0014】
言及を簡潔にするため、様々な実施形態および特許請求の範囲は、近接間限定のあらゆるワイヤレス通信技術を包含するために、「近距離通信」および「近接場通信」に言及する。本明細書における「近距離通信リンク」および「近接場通信」(NFC)に対する言及は、通信技術が約3メートル(約12フィート)を超えてプロビジョニングデータを交換しないということを除いて、説明の範囲または特許請求の範囲を限定する意図はない。好ましい実施形態では、通信距離は、約1メートル(約3フィート)未満に制限される。さらに好ましい実施形態では、通信距離は、約1フィート未満に制限され、いくつかの実施形態では、通信距離は、約0〜20cm(最大で8インチ)に制限される。この区別を反映させるため、通信距離が約0〜20cm(最大で8インチ)のリンクを使用する実施形態の種類は、「NFCプロトコル」リンクと呼ばれる。したがって、「近接場通信プロトコル」および「NFCプロトコル」通信に対する言及は、上で列挙された様々なNFCプロトコルおよび規格によって提供される範囲を有する通信トランシーバおよび技術に限定する意図を有しているが、同様の限定された通信範囲を有するRFIDトランシーバおよび技術も含むことができる。
【0015】
NFCプロトコルなどの近距離通信技術を用いると、CRCトランシーバを備える個人物品を1つまたは複数のモバイルデバイスにワイヤレスで接続して、プロビジョニングデータを容易かつ安全に交換することが可能になる。ソリューションベンダは、NFCプロトコルシステムの直感的な操作が、この技術を消費者にとって非常に使い易い(「ほとんど手間のかからない(just touch and go)」)ものにすると主張している。NFCプロトコル技術のよく知られたアプリケーションは、ビルのセキュリティシステムで使用される電子パスキー(electronic pass key)、大量輸送機関の運賃カードシステム、および店頭のリーダに近づけて取引を完了させることができるスマートクレジットカードである。非常に短い通信距離からもたらされる特有の安全性が、この技術を、モバイル支払いおよび金融取引アプリケーションにとって理想的なものにしているが、同じ特徴が、モバイルデバイスのプロビジョニングデータの送信にも、ある程度の安全性を提供する。
【0016】
従来のモバイルデバイスは、サービスプロバイダのワイヤレスデジタル通信ネットワークへのアクセスを許可するプロビジョニングデータを記憶するために、SIMカードの使用を必要とする。SIMカードは、サービス加入者キーなどのプロビジョニングデータを記憶するために、GSM(登録商標)およびUMTSモバイルデバイスで使用される着脱可能なメモリチップまたはスマートカードであり、プロビジョニングデータは、ワイヤレス通信ネットワークに対してモバイルデバイスを識別するために使用され、モバイルデバイスが特定の通信ネットワークにアクセスすることを可能にする。ユーザは、単純に1つのモバイルデバイスからSIMカードを取り外し、それを別のモバイルデバイスに差し込むことによって、異なるモバイルデバイス間でプロビジョニングデータを移動させることができる。典型的な低価格SIMカードは、プロビジョニングデータとおそらくは個人電話帳だけであれば十分に格納できる、2〜3KBの小さなメモリを有する。SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータは、モバイルデバイスによって直接的に使用される。記憶サイズが大きければ、追加のアプリケーションを有するSIMカードも利用可能であり、最大のものは、最大で1ギガバイトの情報を記憶することが可能である。GSM(登録商標)ネットワークが開発途上の地域では、最大で32KBまたは16KBを記憶可能な、より小さなサイズのSIMカードが、最も普及している。
【0017】
SIMカードの使用は、GSM(登録商標)セルラ電話ネットワークでは義務的なものである。SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータは、加入者をネットワークに対して認証し、識別するために使用される、ネットワーク固有の情報を含み、なかでも最も重要なのは、ICCID、IMSI、認証キー(Ki)、およびローカルエリア識別情報(LAI: Local Area Identity)である。SIMカードのプロビジョニングデータは、SMSC(ショートメッセージサービスセンタ)番号、サービスプロバイダ名(SPN)、サービスダイアリング番号(SDN)、および付加価値サービス(VAS)アプリケーションなど、通信事業者固有の他のデータも含む。UMTSセルラ電話ネットワークにおけるSIMカードの等価物は、汎用集積回路カード(UICC: Universal Integrated Circuit Card)と呼ばれる。CDMA電話は、類似のリムーバブルユーザ識別情報モジュール(RUIM: Removable User Identity Module)を含むことができる。
【0018】
SIMカードの可搬性は、SIMカードを、プロビジョニングデータを分配するのに有用なものにするが、使用上、不都合がないわけではない。例えば、SIMカードはどのモバイルデバイスにも差し込むことができるので、SIMカード自体が紛失した場合、またはSIMカードを格納したモバイルデバイスが紛失した場合、他のユーザは、正規の所有者から権限を与えられることなく、SIMカードを利用することができる。紛失がサービス契約プロバイダに通知されておらず、SIMカードに関連するサービス契約が終了していない場合、SIMカードを見つけた不正行為者は、利用料はSIMカードの所有者に請求され続けるので、利用料を支払わずに、SIMカード上に見出されるプロビジョニングデータを利用し続けることができる。加えて、SIMカードは交換可能であるが、実際に1つのモバイルデバイスからSIMカードを取り外し、それを別のモバイルデバイスに差し込むのは不便であるので、ユーザはしばしば、携帯するモバイルデバイス毎に1つ、複数のSIMカードを所有することになる。モバイルデバイスが専用のSIMカードを備える場合、複数のSIMカードの各々は、異なるサービスプロバイダ契約用のプロビジョニングデータと係わりをもつ。複数のSIMカードのうちのすべてまたはいくつかが、同じサービスプロバイダによってサービスされる場合でも、ユーザは依然として、複数のサービスプロバイダ契約を管理する仕事から免れることはできない。多くの場合、ユーザは、所有するモバイルデバイスと同数のサービスプロバイダ契約を管理しなければならない。
【0019】
これらの不都合を克服するため、様々な実施形態は、ユーザの物品から取り外されることが、万一あるとしても、まれにしかない、個人物品内に収容されたSIMカードを提供する。例えば、SIMカードは、ほとんどの時間着用されている腕時計または宝飾品(例えばネックレス)内に収容することができる。SIMカードを様々な近距離通信技術のいずれかのトランシーバに結合することによって、個人物品内に収容されたSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを、ユーザが携帯する様々なモバイルデバイスのいずれにも送信することができる。このようにして、単一のSIMカードによって、様々なモバイルデバイスの各々におけるワイヤレスデジタル通信をサポートすることができ、それによって、ワイヤレスデジタル通信は、単一のサービスプロバイダ契約に関連するプロビジョニングデータを利用することができる。
【0020】
様々な実施形態は、個人物品内に含まれたSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを、個人物品のごく近くにある1つまたは複数のモバイルデバイスと交換することを開示する。簡潔にするため、様々な実施形態は、SIMカードを個人物品内に実装するものとして説明される。しかし、本明細書で説明される方法および装置が、様々なメモリチップ、プロセッサ、およびスマートカードのいずれを使用しても実施できることは、当業者であれば理解されよう。
【0021】
概要を述べると、様々な実施形態は、同じSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを使用する、1つまたは複数のモバイルデバイスにおけるワイヤレスデジタル通信をサポートするために、近距離通信を利用する。近距離通信技術の使用は、ユーザが、1つまたは複数のモバイルデバイスとSIMカードを収容する個人物品との間で行われる通信を意識することを可能にする。NFCプロトコル技術は、通信リンクを確立するためには、ユーザがモバイルデバイスと個人物品とに同時に触れなければならない、またはほぼ触れなければならない短距離に限定される。本明細書では、この物理的な行為は、「近接イベント(proximity event)」と呼ばれる。類似の近接イベントは、より長い距離の通信プロトコルでも起こすことができ、通信リンクを生成するためには、個人物品とモバイルデバイスが互いに物理的に認知し合うようになることを求める。そのような類似の近接イベントは、通信リンクのセキュリティ確保のため、各デバイスを認証するようユーザに求めることができる。様々な実施形態では、この近接イベントは、様々なモバイルデバイスのいずれか、およびSIMカードを収容する個人物品を用いて行うことができる。そのような近接イベントの際、個人物品は、SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータをモバイルデバイスに送信するために、近距離ワイヤレスプロトコルの近距離通信トランシーバ(CRCトランシーバ)を使用する。その後、以降のワイヤレスデジタル通信は、個人物品内に収容されたSIMカードからダウンロードされたプロビジョニングデータを使用して、モバイルデバイス上で、セルラ通信ネットワークを介して行うことができる。そのような近距離通信リンクを可能にするため、個人物品と、1つまたは複数のモバイルデバイスの各々との両方に、互換性のあるCRCトランシーバが含まれる。
【0022】
図1は、この例では腕時計である個人物品105と通信する複数のモバイルデバイス130、140、150、160を含む、通信ネットワーク100のシステム図である。SIMカード180(図3を参照)は、個人物品105内に収容される。SIMカード180は、複数のモバイルデバイス130、140、150、160のいずれかが、セルラ通信ネットワーク180などのワイヤレスデジタル通信ネットワークを介して通信することを可能にする、必要な設定および情報を含んだプロビジョニングデータを記憶する。個人物品105は、近距離通信リンクを確立することができ、内部SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを複数のモバイルデバイス130、140、150、および/または160のいずれかに送信することが可能な、近距離ワイヤレストランシーバ189(図3を参照)をさらに含む。説明の目的で、複数のモバイルデバイスは、限定することなく、インターネット対応セルラ電話130、PDA 140、セルラ電話150、および/またはラップトップコンピュータ160を含むことができる。複数のモバイルデバイス130、140、150、160の各々は、個人物品105からプロビジョニングデータを受信するための、アンテナ194およびCRCトランシーバ193(図2を参照)を備えるように構成される。
【0023】
個人物品105の内部のSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを受信し、モバイルデバイス(例えば130、140)のプロビジョニングデータバッファ/メモリ192などのメモリに記憶すると、モバイルデバイス130、140は、基地局170とのセルラ通信リンク175を確立することができる。基地局170とのセルラ通信リンク175が確立されると、従来の方法で、セルラ通信ネットワーク180を介して、ワイヤレスデジタル通信呼を伝達することができる。
【0024】
個人物品105ならびにモバイルデバイス130、140、150、および/または160の近距離通信トランシーバは、上で列挙したNFCプロトコルおよび規格で定義されるような、多くの異なる近距離技法のいずれかに従って、データを送信および/または受信することが可能な、(例えばRFIDタグを含む)多くの異なる知られたトランシーバのいずれともすることができる。例えば、近距離通信トランシーバは、NFCIP-1もしくはNFCIP-2トランシーバ、RFIDトランシーバもしくはRFIDタグとすることができ、またはBluetooth(登録商標)(すなわち2.4GHz周波数帯での通信)、赤外線、IrDA(赤外線データ協会)、UWB(超広帯域)を使用することができる。Bluetooth(登録商標)トランシーバなどの、より長距離の通信プロトコルトランシーバも、近くにいる人々が所有するモバイルデバイスとの無許可通信を防止するために提供される保護とともに、使用することができる。
【0025】
様々な実施形態とともに使用するのに適した典型的なモバイルデバイスは、通常、図2に示されるコンポーネントを有する。例えば、例示的なモバイルデバイス130は、内部メモリ192に結合されたプロセッサ191と、ディスプレイ11とを含むことができる。加えて、モバイルデバイス130は、ワイヤレスデータリンクに接続される電磁放射を送信および受信するためのアンテナ194、ならびに/またはプロセッサ191に結合されたセルラ電話トランシーバ195を有する。いくつかの実施では、セルラ電話通信のために使用される、トランシーバ195と、プロセッサ191およびメモリ192の部分とは、ワイヤレスデータリンクを介したデータインタフェースを提供するので、一括してエアインタフェースと呼ばれる。加えて、モバイルデバイス130は、近距離通信リンクを確立でき、近距離通信リンクを介して通信できる、アンテナ194に接続する(または専用のアンテナを含む)ことができる、近距離通信(CRC)トランシーバ193(例えばNFCプロトコルトランシーバ)を含む。例えば、CRCトランシーバ193は、近接場通信プロトコルのうちの1つまたは複数をサポートする、NFCプロトコルトランシーバとすることができる。代替として、CRCトランシーバ193は、限定することなく、WiFi、(2.4GHz周波数帯を使用して通信する)Bluetooth(登録商標)、UWB(超広帯域)、IEEE 802.15.4、およびZigbee(登録商標)を含む、様々な近距離ワイヤレス通信プロトコルトランシーバのいずれかとすることができる。
【0026】
プロセッサ191は、本明細書で説明される様々な実施形態の機能を含む様々な機能を実行するように、ソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成できる、任意のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、または1つもしくは複数のプロセッサチップとすることができる。いくつかのモバイルデバイスでは、ワイヤレス通信機能に専門に携わる1つのプロセッサと、他のアプリケーションの実行に専門に携わる1つのプロセッサなど、複数のプロセッサ191が提供されることがある。一般に、ソフトウェアアプリケーションは、それらがアクセスされ、プロセッサ191にロードされる前に、内部メモリ192に記憶することができる。いくつかのモバイルデバイスでは、プロセッサ191は、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを含むことができる。いくつかのモバイルデバイスでは、追加のメモリチップ(例えばセキュアデータ(SD)カード)をデバイス130に差し込んで、プロセッサ191に結合することができる。この説明の目的では、メモリという用語は、内部メモリ192、モバイルデバイスに差し込まれる着脱可能なメモリ、およびプロセッサ191自体の内部のメモリを含む、プロセッサ191によってアクセス可能なすべてのメモリを指す。多くのモバイルデバイスでは、メモリ192は、揮発性メモリもしくはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、または両方の混合とすることができる。モバイルデバイスは一般に、ユーザ入力を受け取るための、キーパッド13またはミニチュアキーボード、およびメニュー選択ボタンまたはロッカスイッチ12を含む。加えて、モバイルデバイスは、可聴音を発生させるスピーカ18と、ユーザの音声を受け取るなど、音を感知するためのマイクロフォン19も含むことができる。マイクロフォン19およびスピーカ18はともに、ボコーダ(vocoder)199を介して、プロセッサ191に接続することができ、ボコーダは、マイクロフォン19から受け取ったアナログ電気信号をデジタル符号に変換し、プロセッサ191から受け取ったデジタル符号を、スピーカ18が音波に変換できるアナログ電気信号に変換する。いくつかの実施では、ボコーダ199は、プロセッサ191の回路およびプログラミングの一部として含むことができる。
【0027】
実施形態は、プロビジョニングデータを記憶したSIMカード180と、プロビジョニングデータを1つまたは複数のモバイルデバイスに送信するためのCRCトランシーバ189とを収容する、個人物品105を含む。個人物品105は、様々な形態をとることができる。例えば、個人物品は、図1に示されるような、腕時計の形態をとることができる。代替として、個人物品105は、ブレスレット、ネックレス、ブローチ、指輪、またはベルトのバックルなどの、装身用宝飾品に含まれることができる。
【0028】
一般に、個人物品105は、通常、図3に示されるコンポーネントを有する。個人物品105は、SIMカード180に結合されたプロセッサ188を含むことができる。上で何度も述べたように、SIMカードは、サービスプロバイダの通信ネットワークを介したワイヤレスデジタル通信呼をサポートするために、モバイルデバイス130、140、150、160によって必要とされる、プロビジョニングデータを記憶している。プロセッサ188は、近距離通信リンクを確立でき、近距離通信リンクを介して通信できる、アンテナ184に接続することができる、CRCトランシーバ189(例えばNFCプロトコルトランシーバ)に結合される。例えば、CRCトランシーバ189は、近接場通信プロトコルのうちの1つまたは複数をサポートする、NFCプロトコルトランシーバとすることができる。代替として、CRCトランシーバ189は、限定することなく、WiFi、(2.4GHz周波数帯を使用して通信する)Bluetooth(登録商標)、UWB(超広帯域)、IEEE 802.15.4、およびZigbee(登録商標)を含む、様々な近距離ワイヤレス通信プロトコルトランシーバのいずれかとすることができる。アンテナ184は、個人物品105が装身用宝飾品の形態をとる実施形態において隠れて見えないように、個人物品105の内部に収容することができる。個人物品105は、CRCトランシーバ189および(別個のプロセッサが含まれる場合は)プロセッサ188に給電するためのバッテリ21も含むことができる。RFID技術を利用する実施では、RFID技術分野においてよく知られているように、モバイルデバイスのCRCトランシーバ193から送信されたRFID問い合わせ信号(RFID interrogation signal)から電力を獲得するために、アンテナ184に結合された整流器(図示されず)を、バッテリ21の代わりに提供することができる。デジタル腕時計などの、いくつかの個人物品105では、ディスプレイ(図示されず)をプロセッサ188に結合することができる。個人物品105が宝飾品の形態をとる実施形態では、ディスプレイは実装されない。加えて、個人物品105は、プロセッサ188に結合された内部メモリ185を含むことができる。内部メモリ185は、モバイルデバイス130、140、150、160から受信した認証証明書と比較される認証証明書テンプレートなどのデータを格納することができる。この比較に基づいて、個人物品のプロセッサ188は、SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータをダウンロードするか、それともダウンロードしないかを選択することができる。内部メモリ185は、オプションであり、プロセッサ188によって使用されるメモリのすべてを、SIMカード180が提供してもよい。
【0029】
モバイルデバイス130のプロセッサと同じように、プロセッサ188は、本明細書で説明される様々な実施形態の機能を含む様々な機能を実行するように、ソフトウェア命令(アプリケーション)によって構成できる、任意のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、または1つもしくは複数のプロセッサチップとすることができる。加えて、プロセッサ188は、CRCトランシーバ189内に、またはCRCトランシーバ189の部分として含まれることができる。そのような実施形態では、CRCトランシーバ189は、モバイルデバイス130、140、150、160とのCRCリンクを確立し、その後、SIMカード180内に記憶されたプロビジョニングデータをダウンロードするように構成される。したがって、一実施形態では、個人物品105は、CRCトランシーバ189に結合されたSIMカード180のみを含み、CRCトランシーバ189は、アンテナ184と、小型バッテリまたはアンテナ184に結合された整流器回路のどちらかとに結合される。そのように構成される場合、個人物品105内の電子部品は、個人物品105が指輪またはネックレスなどの小さな宝飾品内に存在できるように、きわめて小さなものとすることができる。
【0030】
SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを使用して、モバイルデバイス130、140、150、160および基地局170への/からのワイヤレスデジタル通信を行うためのプロトコルおよび方法はよく知られているが、様々な実施形態は、単一のSIMカードに記憶された必要なプロビジョニングデータを複数のモバイルデバイスに提供するための新しいメカニズムを提供する。個人物品105内に収容されたSIMカードにプロビジョニングデータを記憶し、モバイルデバイス130、140、150、160に近距離通信トランシーバを追加することによって、そのようなトランシーバの近接間限定性(proximity limitation)が、ユーザに保持されたモバイルデバイスのみに必要なプロビジョニングデータを提供するために利用される。
【0031】
図4Aは、ワイヤレス通信ネットワークにアクセスするためのプロビジョニングデータを受信するために、モバイルデバイスによって実行され得る、例示的な方法ステップを説明するプロセスフロー図である。この実施形態では、ワイヤレスデータ呼または電話呼が発呼されるたびに、プロビジョニングデータが、モバイルデバイス130、140、150、160によって、個人物品105内のSIMカード180からダウンロードされる。この実施形態は、プロセッサ191のメインループルーチン200の一部として実施することができる。メインループルーチン200は、モバイルデバイス130、140、150、160の様々なアプリケーションおよび機能を制御するために使用することができる。メインループ200の実行中のいつでも、モバイルデバイスのプロセッサ191は、ステップ202において、ワイヤレスデジタル通信呼を開始するよう求める要求を受け取ることができる。ワイヤレスデジタル通信を開始するよう求める要求を受け取った場合、モバイルデバイスのプロセッサ191は、SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータをダウンロードするために、ステップ205において、個人物品105との近距離通信リンクを確立しようと試みる。近距離通信リンクは、モバイルデバイス130を個人物品105のごく近くに近づけることによって、CRCトランシーバ193を使用して確立することができる。NFCプロトコルに準拠した2つのCRCトランシーバ193、189が通信範囲内(約8インチ以内)に入れられた場合、図6を参照して以下でより詳細に説明されるように、トランシーバがハンドシェイクメッセージを交換することによって、ワイヤレスデータリンクが自動的に確立される。モバイルデバイス130と個人物品105との間で近距離通信リンクが確立されると、個人物品のCRCトランシーバ189は、ステップ211において、リンクを介して、SIMカード180に記憶されたプロビジョニングデータを、モバイルデバイスのプロセッサ191に送信し始め、モバイルデバイスのプロセッサ191は、一時メモリバッファなどのメモリにプロビジョニングデータを記憶する。プロビジョニングデータが正常にダウンロードされると、モバイルデバイス130、140、150、160は、ステップ215において、要求されたワイヤレスデジタル通信呼を開始することができる。この実施形態では、モバイルデバイス130、140、150、160は、ダウンロードしたプロビジョニングデータを一時的に記憶する。呼が開始したならば、または呼が完了したならば、プロビジョニングデータは、ステップ217において、メモリから削除することができる。呼が完了した後、モバイルデバイスのプロセッサ191は、次の呼要求を待つために、メインループ200に復帰する。
【0032】
このようにして、モバイルデバイス130、140、150、160は、ユーザの個人物品105の範囲内にいる場合にのみ、ワイヤレスデジタル通信呼を伝達することができる。したがって、ユーザが自分のモバイルデバイス130、140、150、160を紛失した場合、または盗まれた場合、ユーザは、SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータに関連するサービスプロバイダ契約を終了する必要がない。モバイルデバイス130、140、150、160が見つからずにいる場合も、ユーザは、ユーザのサービスアカウント上で権限のない請求または通信呼が開始されることを心配する必要がない。加えて、権限のないダウンロードからプロビジョニングデータを保護するため、限定された範囲内のデバイスのみが個人物品105との近距離通信リンクを確立できるように、近距離通信プロトコルの有効範囲を管理することができる。権限を有するモバイルデバイス130、140、150、160のみが近距離通信プロトコルの有効範囲内に入ることを保証することによって、ユーザは、個人物品105内に収容されたSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータの不正なダウンロードを予防することができる。個人物品105はユーザの身体に着用することができるので、ユーザは、権限を有するモバイルデバイス130、140、150、160のみがユーザの身体の近くに来ることを保証しさえすればよい。
【0033】
図4Bは、プロビジョニングデータをモバイルデバイス130に伝えるために、モバイルデバイス130と個人物品105によって実行され得る、例示的な方法ステップについての代替的なプロセスフローを示している。代替実施形態では、モバイルデバイス130は、所定の期間にわたって、プロビジョニングデータをメモリ192に記憶することができる。その期間が経過したとき、モバイルデバイスは、プロビジョニングデータをリフレッシュしなければならない。このようにすることで、個人物品105は、モバイルデバイス(例えば130)が通信呼を発呼しようと試みるたびに、動作を促されることはない。そのようにすることによって、個人物品105のバッテリ寿命を大幅に引き延ばすことができる。加えて、モバイルデバイスが紛失した場合、または盗まれた場合に、ユーザは、不正な通信呼に対する請求が際限なく続くことを防止することができる。リフレッシュ期間を十分に短く設定することによって(例えば1時間または1日)、ユーザは、ユーザのサービスアカウント上で権限のない通信呼が際限なく実行されることを予防することができる。
【0034】
図4Aを参照して上で説明したように、メインループ200の実行中のいつでも、モバイルデバイスのプロセッサ191は、ワイヤレスデジタル通信呼を開始するよう求める要求を受け取ることができる。代替として、モバイルデバイス130は、判定201において、メモリに記憶されたプロビジョニングデータを有するかどうかを判定するチェックを定期的に行うことができる。メモリに記憶されたプロビジョニングデータが存在しない場合(すなわち判定201=「No」)、プロセッサ191は、図4Aを参照して上で説明したように、ステップ205において、個人物品105との通信リンクを確立し、ステップ211において、プロビジョニングデータをダウンロードすることによって、ユーザの個人物品からプロビジョニングデータを獲得しようと試みる。メモリに記憶されたプロビジョニングデータが存在する場合(すなわち判定201=「Yes」)、プロセッサ191は、判定203において、メモリ192に記憶されたプロビジョニングデータがまだ有効かどうかを判定する。メモリ192に記憶されたプロビジョニングデータがまだ有効であり、有効期限切れになっていない場合(すなわち判定203=「No」)、プロセッサ191は、メインループ200に復帰するか、またはデータ呼の開始に進む。ワイヤレスデジタル通信を発呼するよう求める要求に応答して、プロビジョニングデータが評価された場合、モバイルデバイス130は、ステップ215において、メモリ192に記憶されたプロビジョニングデータを使用して、ワイヤレスデジタル通信呼を伝達することができる。定期的評価としてプロビジョニングデータが評価された場合、プロセッサ191は、単にメインループ200に復帰することができる。しかし、メモリ192に記憶されたプロビジョニングデータが有効期限切れになっていた場合(すなわち判定203=「Yes」)、プロセッサ191は、権限のない使用のリスクを最小化するために、ステップ217において、メモリからプロビジョニングデータを削除し、ステップ205において、個人物品105内に収容されたSIMカードとの通信リンクを確立しようと試みる。モバイルデバイス130と個人物品105との間で近距離通信リンクが確立されると、モバイルデバイス130は、図4Aを参照して上で説明したように、ステップ211において、SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを受信し、それをメモリに記憶する。上で説明したように、プロビジョニングデータがダウンロードされると、ステップ215において、ワイヤレスデジタル通信呼を開始することができる。ワイヤレスデジタル通信呼が開始したならば、プロセッサ191は、メインループ200に復帰することができる。
【0035】
図5は、証明書チェックによってさらにセキュリティを強化して、プロビジョニングデータをモバイルデバイス130に伝えるために、モバイルデバイス130と個人物品105によって実行され得る、例示的な方法ステップについての代替的なプロセスフローを示している。プロビジョニングデータの有効性を時間によって制限するのに加えて、図5に示される代替実施形態は、個人物品105との近距離通信リンクを確立しようと試みるすべてのモバイルデバイスに対して認証ステップを求めることによって、プロビジョニングデータの権限のないダウンロードを防止するさらなるレベルのセキュリティを提供する。プロセスは、番号が同じステップについては、図4Aおよび図4Bを参照して上で説明したように進行する。モバイルデバイスのプロセッサ191は、新しいプロビジョニングデータが必要であることを決定した場合、ステップ205において、個人物品105との通信リンクを確立しようと試みる。モバイルデバイス130、140、150、160とユーザの個人物品105との間で近距離通信リンクが確立されると、モバイルデバイスのプロセッサ191は、自らを個人物品105に対して認証するために、ステップ207において、確立されたリンクを介して個人物品105に認証証明書を送信することができる。個人物品のプロセッサ188は、認証証明書を受信し、判定209において、それを記憶された認証証明書と比較して、近距離通信リンクを確立したモバイルデバイス130がSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを受信する権限を有するかどうかを判定することができる。個人物品のプロセッサ188が、モバイルデバイス130、140、150、160はプロビジョニングデータのダウンロードを受信する権限を有すると判定した場合(すなわち判定209=「Yes」)、プロセッサ188は、その結果についての信号を送信することができ、モバイルデバイスは、その信号を受信することができる。その後、個人物品のプロセッサ188は、近距離通信リンクを介して、モバイルデバイス130、140、150、160にプロビジョニングデータを送信し、モバイルデバイス130、140、150、160は、ステップ211において、そのデータを受信し、メモリに記憶する。しかし、個人物品のプロセッサ188が、モバイルデバイス130、140、150、160はプロビジョニングデータを受信する権限をもたないと判定した場合(すなわち判定209=「No」)、モバイルデバイス130は、その旨の通知を個人物品105から受信することができ、ステップ213において、近距離通信リンクを終了することができる。リンクが終了したならば、モバイルデバイスのプロセッサ191は、メインループ200に復帰する。
【0036】
図6は、図4A、図4B、および図5に示された実施形態の方法において、個人物品105、モバイルデバイス130、140、150、160、およびセルラ通信ネットワーク180の間で行われ得る、基本的な通信の概要を提供する。モバイルデバイス(例えば130)は、個人物品のCRCトランシーバ189が認識できる、実施されるプロトコルによって定義されたメッセージである、メッセージ301を送信することによって、近距離通信リンクを開始することができる。近距離通信リンクは、様々なNFCに属することができ、ユーザは、モバイルデバイス(例えば130)を個人物品105のごく近くに近づけるか、または2つのデバイスを実際に接触させる。代替として、近距離通信リンクは、限定することなく、WiFi、(2.4GHz周波数帯を使用して通信する)Bluetooth(登録商標)、UWB(超広帯域)、IEEE 802.15.4、およびZigbee(登録商標)を含む、様々なプロトコルのいずれかを使用して、確立することができる。図6に示されるように、近距離通信リンクは、NFCプロトコルにおいて定義されたハンドシェイクメッセージ302を交換することによって確立することができる。NFCハンドシェイク手順が完了したならば、個人物品105は、SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを、メッセージ303として、モバイルデバイス130に送信することができる。プロビジョニングデータがモバイルデバイスにダウンロードされると、NFC通信リンクは、リンクプロトコルにおいて定義された一連のメッセージであるメッセージ304を交換することによって、切断することができる。モバイルデバイス130が近距離通信リンクを切断すると、プロビジョニングデータに含まれるデータを送信することによって、モバイルデバイス130とセルラ通信ネットワーク180との間で基地局170を介して、ワイヤレスデジタル通信呼であるメッセージ305を伝達することができる。
【0037】
図7は、図5に示された代替実施形態の方法において、個人物品105、モバイルデバイス(例えば130)、およびセルラ通信ネットワーク180の間で行われ得る、基本的な通信の概要を提供する。図7に示されるメッセージフローは、図6に示されたメッセージフローと実質的に類似している。図7のメッセージフローは、図6を参照して上で説明したメッセージ301〜305のすべてを含む。加えて、個人物品105からモバイルデバイス130へのプロビジョニングデータのダウンロードの前に、個人物品105は、モバイルデバイス130が個人物品105内に収容されたSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータをダウンロードする権限を有することを保証するために、認証証明書を送信するよう、メッセージ306によって、モバイルデバイス130に要求することができる。認証証明書を求める要求に応答して、モバイルデバイス130は、メッセージ307によって、個人物品105に認証証明書を送信することができる。
【0038】
図8は、SIMカード180に記憶されたプロビジョニングデータを1つまたは複数のモバイルデバイスに送信するために、個人物品105のプロセッサ188またはCRCトランシーバ189によって実行され得る、例示的な方法ステップを示すプロセスフロー図である。いつでも、個人物品のプロセッサ188は、ステップ402において、モバイルデバイス130、140、150、160との近距離通信リンクを開始するよう求める要求を、CRCトランシーバ189から受け取ることができる。例えば、CRCトランシーバ189、194がNFCプロトコルトランシーバとして構成されている場合、NFCプロトコルを利用するために、モバイルデバイス130と個人物品105を互いに接触させることによって、CRCリンクを確立することができる。その場合、近距離通信リンクを確立するよう求める要求は、近隣NFCトランシーバからのNFC信号の受信とすることができる(すなわち、ユーザが2つのデバイスを互いに約8インチ以内に近づける)。代替として、近距離通信リンクを要求または開始または確立するために、WiFi、(2.4GHz周波数帯を使用して通信する)Bluetooth(登録商標)、UWB(超広帯域)、IEEE 802.15.4、およびZigbee(登録商標)などの他のよく知られたCRCプロトコルを実施することもできる。近距離通信リンクを確立するよう求める要求または信号に応答して、個人物品105とモバイルデバイス130、140、150、160は、ステップ403において、近距離通信リンクを確立するために、それぞれのCRCトランシーバ189、193の間で適切なハンドシェイクメッセージ302を交換し始める。やはり、ハンドシェイクメッセージ302の特質は、CRCトランシーバ189、193によって利用される通信プロトコルに依存する。モバイルデバイス130と個人物品105との間で近距離通信リンクが確立されると、個人物品のプロセッサ188(またはCRCトランシーバ189)は、ステップ404において、個人物品105内に収容されたSIMカード180からモバイルデバイス130、140、150、160にCRCトランシーバを介して、プロビジョニングデータを送信し始める。データ送信が完了したならば、個人物品のプロセッサ188またはCRCトランシーバ189は、ステップ408において、近距離通信リンクを終了することができる。別のモバイルデバイス130、140、150、160も個人物品105と通信している(すなわち、やはりCRCトランシーバ189の通信範囲内にいる)場合、近距離通信リンクを確立し、プロビジョニングデータを他のモバイルデバイスに送信するために、その後、方法ステップ402〜408を繰り返すことができる。
【0039】
図9は、図5に示された実施形態に従って、SIMカード180に記憶されたプロビジョニングデータを1つまたは複数のモバイルデバイス130、140、150、160に送信するために、個人物品105のプロセッサ188またはCRCトランシーバ189によって実行され得る、例示的な方法ステップを示すプロセスフロー図である。この実施形態は、図8に示されたプロセスフロー図を参照して上で説明した例示的な方法ステップ401〜403を含む。ステップ403において、近距離通信リンクが確立されると、個人物品105のプロセッサ188またはCRCトランシーバ189は、ステップ405において、リンクが張られたモバイルデバイス130、140、150、160に認証証明書を要求することができる。その後、プロセッサ188は、ステップ406において、モバイルデバイスから近距離通信リンクを介して認証証明書を受信することができ、判定407において、受信した証明書を内部メモリ185または180に記憶された認証証明書と比較して、モバイルデバイスがSIMカード180に記憶されたプロビジョニングデータを受信する権限を有するかどうかを判定することができる。モバイルデバイス130、140、150、160から受信した認証証明書が、個人物品のメモリ185または180に記憶された認証証明書と一致する場合(すなわち判定407=「Yes」)、モバイルデバイスは、権限を有すると見なされ、ステップ404において、近距離通信リンクを介したモバイルデバイスへのプロビジョニングデータの送信を開始することができる。プロビジョニングデータの送信が完了したならば、ステップ408において、近距離通信リンクを終了することができる。しかし、モバイルデバイス130、140、150、160から受信した認証証明書が、メモリ180または185に記憶された認証証明書と一致しない場合(すなわち判定407=「No」)、モバイルデバイスは、権限を有するとは見なされず、近距離通信リンクは、データを送信することなく、ステップ408において終了する。別のモバイルデバイス130、140、150、160も個人物品105と通信している(すなわち、やはりCRCトランシーバ189の通信範囲内にいる)場合、近距離通信リンクを確立し、プロビジョニングデータを他のモバイルデバイスに送信するために、その後、方法ステップ402〜408を繰り返すことができる。
【0040】
ときには、サービスプロバイダは、顧客の各々に提供するプロビジョニングデータを更新したいと望むことがある。例えば、新しいネットワーク機器の設置は、サービスプロバイダのネットワークを拡大することができ、したがって、あるエリアでは、他のサービスプロバイダとのローミング協定が必要でなくなることがある。代替として、新しいローミング協定が、プロビジョニングデータの一部として含まれる優先ローミングリスト(PRL: preferred roaming list)に影響を与えることがある。一般に、これらの更新は、ハードワイヤド更新を通して、またはオーバジエア(OTA: over-the-air)手順を通して、モバイル通信デバイスに対して実行することができ、OTA手順では、サービスプロバイダのセルラ通信ネットワークとのデータ接続を開始するために、ユーザはコード(例えば*228)をダイアルするよう求められることがある。個人物品105は、セルラネットワークトランシーバを含まないことがあるので、OTAプロビジョニング更新を実行できないことがある。プロビジョニングデータに対する更新を個人物品105に提供するため、ユーザのモバイルデバイス130、140、150、160の1つは、インターネット(図示されず)への有線接続を介してサービスプロバイダのサーバから更新を受信し記憶すること、またはセルラ通信ネットワーク180から受信したOTA更新を記憶することができる。更新は、個人物品105との近距離通信リンクが次に確立されるまで、モバイルデバイス130、140、150、160の内部メモリ192に記憶することができる。近距離通信リンクが確立されたならば、更新されたプロビジョニングデータをSIMカードに記憶することができる。
【0041】
図10は、個人物品105内に収容されたSIMカード180に記憶されたプロビジョニングデータを更新するために、モバイルデバイス130、140、150、160によって実行され得る、例示的な方法ステップを示すプロセスフロー図である。プロビジョニングデータ更新ルーチンには、モバイルデバイスのプロセッサ191のメインループルーチン201から入ることができる。メインループ201中のいつでも、モバイルデバイスのプロセッサ191は、ステップ220において、サービスプロバイダのサーバからOTA更新メッセージを受信することができる。そのようなOTA更新メッセージは、従来のモバイルデバイスとセルラ通信サービスプロバイダによって現在実施されている方法で、セルラ通信ネットワーク180を介して受信することができる。OTA更新メッセージが受信されると、更新されたプロビジョニングデータが、ステップ222において、モバイルデバイス130、140、150、160のメモリ192に記憶される。ステップ205において、近距離通信リンクが次に確立されたとき、更新されたプロビジョニングデータは、ステップ226において、SIMカード180に記憶するために個人物品105に送信される。一実施形態では、モバイルデバイス130、140、150、160は、更新されたプロビジョニングデータを受信した後すぐに、ステップ205において、個人物品105との近距離通信リンクを確立しようと試みることができる。図5に示されたステップ207およびステップ209を参照して上で説明したように、モバイルデバイス130は、場合によっては、個人物品105に認証証明書を送信するよう求める要求を受信することがある。そのような認証証明書は、モバイルデバイス130、140、150、160が個人物品105内に収容されたSIMカード180に記憶されたプロビジョニングデータを変更する権限を有することを保証するために、個人物品のプロセッサ188またはCRCトランシーバ189によって使用することができる。認証証明書を求める要求を受信したのに応答して、モバイルデバイス130、140、150、160は、ステップ207において、近距離通信リンクを介して認証証明書を送信することができる。認証証明書を受信すると、個人物品のプロセッサ188またはCRCトランシーバ189は、受信した証明書をメモリ180または185に記憶された証明書テンプレートと比較して、モバイルデバイスが権限を有するかどうかを判定することができる。送信された認証証明書が個人物品105のメモリ180または185に記憶された認証証明書テンプレートの認証証明書と一致した場合、モバイルデバイスは権限を有すると見なされ、個人物品のプロセッサ188またはCRCトランシーバ189は、モバイルデバイスのプロセッサ191が判定209において受信するのを待っている、更新されたプロビジョニングデータの送信を求める要求を、モバイルデバイス130、140、150、160に送信することができる。モバイルデバイス130、140、150、160が更新されたプロビジョニングデータを求める要求を受信した場合(すなわち判定209=「Yes」)、ステップ226において、モバイルデバイスのメモリ192に記憶されたプロビジョニングデータを、近距離通信リンクを介して個人物品105に送信することができ、プロビジョニングデータは、個人物品105においてSIMカード180に記憶される。更新されたプロビジョニングデータが送信されたならば、ステップ213において、近距離通信リンクを終了することができ、プロセッサ191は、メインループルーチン201に復帰することができる。しかし、モバイルデバイス130が更新されたプロビジョニングデータを求める要求を受信しない場合(すなわち判定209=「No」)、ステップ213において、近距離通信リンクが終了し、プロセッサ191は、メインループルーチン201に復帰することができる。このようにして、個人物品105は、OTAプロビジョニングデータ更新動作を実行するために、モバイルデバイス130、140、150、160の1つのセルラトランシーバ195を利用することができる。
【0042】
一実施形態では、認証証明書を送信し、モバイルデバイスを認証するオプションのステップ(ステップ207およびステップ209)は、権限を有するデバイスしか個人物品のCRCトランシーバ189の有効範囲内に入らないことを単純に保証するほうが好ましいとして、省略することができる。
【0043】
本明細書で開示された様々な実施形態は、単一のSIMカードに記憶された単一設定のプロビジョニングデータを複数のモバイルデバイス上で実施するための便利な方法および装置を、ユーザに提供する。様々な実施形態は、ユーザが、単一のサービスプロバイダアカウントを維持しながら、SIMカードを1つのデバイスから別のデバイスに物理的に差し換えることを必要とせずに、複数のモバイルデバイスに必要なプロビジョニングデータを提供することを可能にする。加えて、実施形態は、ユーザが、任意のモバイルデバイスを利用しながら、ユーザ自身のアカウントを用いてワイヤレスデジタル通信を完了することを可能にする。例えば、ユーザのモバイルデバイスが紛失したか、または盗まれた場合、ユーザは、別のモバイルデバイスを借り、ユーザの個人物品105のCRCトランシーバ189を介して借りたモバイルデバイスのプロビジョニングを行うことによって、ワイヤレスデジタル通信呼を伝達することができる。モバイルデバイス130、140、150、160はCRCトランシーバ189の有効通信範囲内になければならないので、ユーザは、紛失したまたは盗まれたモバイルデバイス上のユーザのサービスアカウントを使用して権限のない呼が発呼されることを予防することができる。
【0044】
上記の方法の説明およびプロセスフロー図は、説明的な例として提供されたにすぎず、様々な実施形態のステップが提示された順序で実行されなければならないことを求める意図または示唆する意図はない。当業者であれば理解するように、上記の実施形態におけるステップの順序は、任意の順序で実行することができる。
【0045】
上記の実施形態を実施するのに使用されるハードウェアは、1組の命令を実行するように構成された処理要素およびメモリ要素とすることができ、当業者であれば理解するように、マイクロプロセッサユニット、マイクロコンピュータユニット、プログラム可能な浮動小数点ゲートアレイ(FPGA: floating point gate array)、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含み、1組の命令は、上記の方法に対応する方法ステップを実行するためのものである。代替として、いくつかのステップまたは方法は、与えられた機能に特化された回路によって実行することもできる。
【0046】
本明細書で開示された実施形態に関連して説明された様々な説明的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムを、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実施できることは、当業者であれば理解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの交換可能性を明白に示すため、様々な説明的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、上では一般にそれらの機能の観点から説明された。そのような機能がハードウェアで実施されるか、それともソフトウェアで実施されるかは、特定のアプリケーションに、またシステム全体に課される設計制約に依存する。当業者であれば、説明された機能を特定のアプリケーション毎に様々な方法で実施することができるが、そのような実施の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
【0047】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実施することができる。ソフトウェアで実施される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶することができ、またはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と、コンピュータプログラムを1つの場所から別の場所に移送することを容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体とすることができる。限定することなく、例を挙げると、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令の形をとる所望のプログラムコードもしくはデータ構造を伝送もしくは記憶するのに使用でき、コンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含むことができる。また、任意の接続も、コンピュータ可読媒体と呼ばれるのにふさわしい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(diskおよびdisc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびblu-rayディスクを含み、diskは通常、磁気的にデータを再生するのに対し、discは、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0048】
開示された実施形態についてのこれまでの説明は、当業者が本発明を作成または使用することを可能にするために提供された。これらの実施形態に施される様々な変更は、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義された一般的な原理は、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明を本明細書で示された実施形態に限定する意図はなく、本発明には本明細書で開示された原理および新規な特徴に矛盾しない最も広い範囲が与えられるべきである。
【符号の説明】
【0049】
11 ディスプレイ
12 ロッカスイッチ
13 キーパッド
21 バッテリ
100 通信ネットワーク
105 個人物品
130 モバイルデバイス(インターネット対応セルラ電話)
140 モバイルデバイス(PDA)
150 モバイルデバイス(セルラ電話)
160 モバイルデバイス(ラップトップコンピュータ)
170 基地局
175 セルラ通信リンク
180 SIMカード
180 セルラ通信ネットワーク
184 アンテナ
185 内部メモリ
188 プロセッサ
189 CRCトランシーバ
191 プロセッサ
192 内部メモリ、プロビジョニングデータバッファ/メモリ
193 CRCトランシーバ
194 アンテナ
195 セルラ電話トランシーバ
199 ボコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイスのプロビジョニングを行うための方法であって、
前記モバイルデバイスとSIMカードを格納する個人物品との間の近距離通信リンクを確立するステップと、
確立された前記近距離通信リンクを介して、前記SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを受信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記受信したプロビジョニングデータを使用して、前記モバイルデバイスとワイヤレス通信ネットワークとの間の通信リンクを確立するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記確立された近距離通信を介して、前記モバイルデバイスから前記個人物品に認証証明書を送信するステップであって、前記認証証明書は、前記個人物品が、前記モバイルデバイスを、前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを受信する権限を有するモバイルデバイスとして認証することを可能にする内容を有する、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記近距離通信リンクが、近接場通信(NFC)プロトコルを利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記近距離通信リンクが、BlueTooth(登録商標)通信プロトコルを利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記受信したプロビジョニングデータをメモリに記憶するステップと、ワイヤレスデータ通信呼が完了したならば、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するステップとをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記受信したプロビジョニングデータをメモリに記憶するステップと、
メモリに記憶されたプロビジョニングデータが有効期限切れになったかどうかを判定するステップと、
メモリに記憶された前記プロビジョニングデータが有効期限切れになったと判定された場合、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
個人物品内に収容されたSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを更新するための方法であって、
セルラ通信ネットワークを介して、更新されたプロビジョニングデータをモバイルデバイスで受信するステップと、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータをメモリに記憶するステップと、
前記モバイルデバイスと前記個人物品との間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記SIMカードに記憶するために、前記近距離通信リンクを介して、前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品に送信するステップと
を含む方法。
【請求項9】
前記モバイルデバイスから前記個人物品に認証証明書を送信するステップであって、前記認証証明書は、前記個人物品が、前記モバイルデバイスを、前記更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品に送信する権限を有するモバイルデバイスとして認証することを可能にする内容を有する、ステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記近距離通信リンクが、近接場通信(NFC)プロトコルを利用する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記近距離通信リンクが、BlueTooth(登録商標)通信プロトコルを利用する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
個人物品内のSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータをモバイルデバイスに提供するための方法であって、
前記個人物品と前記モバイルデバイスとの間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを前記モバイルデバイスに送信するステップと
を含む方法。
【請求項13】
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するステップと、
前記受信した認証証明書を使用して、前記モバイルデバイスを認証するステップと
をさらに含み、
前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを前記モバイルデバイスに送信する前記ステップが、前記モバイルデバイスが認証された場合にのみ実行される、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記認証証明書を前記モバイルデバイスに要求するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
個人物品内のSIMカードに記憶された提供されたプロビジョニングデータを更新するための方法であって、
前記個人物品とモバイルデバイスとの間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記モバイルデバイスから更新されたプロビジョニングデータを受信するステップと、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品内の前記SIMカードに記憶するステップと
を含む方法。
【請求項16】
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するステップと、
前記受信した認証証明書を使用して、前記モバイルデバイスを認証するステップと
をさらに含み、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記SIMカードに記憶する前記ステップが、前記モバイルデバイスが認証された場合にのみ実行される、
請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記認証証明書を前記モバイルデバイスに要求するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合された第1のトランシーバと、
前記プロセッサに結合された第2のトランシーバであって、近距離通信トランシーバである第2のトランシーバと、
前記プロセッサに結合されたメモリと
を備え、
前記プロセッサが、
前記第2のトランシーバを介して、個人物品との近距離通信リンクを確立するステップと、
前記近距離通信リンクを介して、前記個人物品からプロビジョニングデータを受信するステップと
を含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、
モバイルデバイス。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記受信したプロビジョニングデータを使用して、前記第1のトランシーバを介して、ワイヤレスデジタル通信呼を伝達するステップをさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項20】
前記モバイルデバイスプロセッサが、前記個人物品に認証証明書を送信するステップをさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項21】
前記第2のトランシーバが、近接場通信(NFC)プロトコルトランシーバである、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項22】
前記第2のトランシーバが、BlueTooth(登録商標)プロトコルトランシーバである、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項23】
前記モバイルデバイスプロセッサが、
前記第1のトランシーバを介して、更新されたプロビジョニングデータを受信するステップと、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記メモリに記憶するステップと、
前記個人物品との間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記近距離通信リンクを介して、前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品に送信するステップと
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項24】
前記モバイルデバイスプロセッサが、
前記更新されたプロビジョニングデータを送信する前に、前記近距離通信リンクを介して、前記個人物品に認証証明書を送信するステップ
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項23に記載のモバイルデバイス。
【請求項25】
前記プロセッサが、前記ワイヤレスデータ通信呼が完了したならば、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するステップをさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項26】
前記プロセッサが、
前記受信したプロビジョニングデータを前記メモリに記憶するステップと、
前記メモリに記憶された前記プロビジョニングデータが有効期限切れになったかどうかを判定するステップと、
メモリに記憶された前記プロビジョニングデータが有効期限切れになったと判定された場合、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するステップと
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項18に記載のモバイルデバイス。
【請求項27】
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたSIMカードであって、セルラ通信ネットワークのためのプロビジョニングデータを記憶するSIMカードと、
前記プロセッサに結合された近距離通信トランシーバと
を備え、
前記プロセッサが、
モバイルデバイスとの近距離通信リンクを確立するステップと、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを前記モバイルデバイスに送信するステップと
を含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、
個人物品。
【請求項28】
認証証明書テンプレートを記憶した、前記プロセッサに結合されたメモリをさらに備え、
前記プロセッサが、
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するステップと、
前記受信した認証証明書をメモリに記憶された前記認証証明書テンプレートと比較して、前記モバイルデバイスを認証するステップと
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成され、
前記SIMカード内に記憶された前記プロビジョニングデータを前記モバイルデバイスに送信する前記ステップが、前記モバイルデバイスが認証された場合にのみ実行される、
請求項27に記載の個人物品。
【請求項29】
前記個人物品が、腕時計である、請求項27に記載の個人物品。
【請求項30】
前記個人物品が、装身用宝飾品である、請求項27に記載の個人物品。
【請求項31】
前記プロセッサが、
前記モバイルデバイスが認証されない場合、前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを送信する前に、前記近距離通信リンクを終了するステップ
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項28に記載の個人物品。
【請求項32】
前記近距離通信トランシーバが、近接場通信プロトコルトランシーバである、請求項27に記載の個人物品。
【請求項33】
前記近距離通信トランシーバが、BlueTooth(登録商標)トランシーバである、請求項27に記載の個人物品。
【請求項34】
前記プロセッサが、
前記近距離通信リンクを介して、前記モバイルデバイスから更新されたプロビジョニングデータを受信するステップと、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記SIMカードに記憶するステップと
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、
請求項27に記載の個人物品。
【請求項35】
認証証明書テンプレートを記憶した、前記プロセッサに結合されたメモリをさらに備え、前記プロセッサが、
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するステップと、
前記受信した認証証明書をメモリに記憶された前記認証証明書テンプレートと比較して、前記モバイルデバイスを認証するステップであって、前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記SIMカードに記憶する前記ステップが、前記モバイルデバイスが認証された場合にのみ実行される、ステップと
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項34に記載の個人物品。
【請求項36】
前記プロセッサが、
前記モバイルデバイスが認証されない場合、前記更新されたプロビジョニングデータを受信する前に、前記近距離通信リンクを終了するステップ
をさらに含むステップを実行するようにソフトウェア命令を用いて構成される、請求項35に記載の個人物品。
【請求項37】
モバイルデバイスであって、
前記モバイルデバイスとSIMカードを格納する個人物品との間の近距離通信リンクを確立するための手段と、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを受信するための手段と
を備えるモバイルデバイス。
【請求項38】
前記受信したプロビジョニングデータを使用して、前記モバイルデバイスとワイヤレス通信ネットワークとの間の通信リンクを確立するための手段をさらに備える、請求項37に記載のモバイルデバイス。
【請求項39】
前記確立された近距離通信を介して、前記モバイルデバイスから前記個人物品に認証証明書を送信するための手段であって、前記認証証明書は、前記個人物品が、前記モバイルデバイスを、前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを受信する権限を有するモバイルデバイスとして認証することを可能にする内容を有する、手段
をさらに備える、請求項37に記載のモバイルデバイス。
【請求項40】
近距離通信リンクを確立するための前記手段が、近接場通信(NFC)プロトコルを利用する、請求項37に記載のモバイルデバイス。
【請求項41】
近距離通信リンクを確立するための前記手段が、BlueTooth(登録商標)通信プロトコルを利用する、請求項37に記載のモバイルデバイス。
【請求項42】
前記受信したプロビジョニングデータをメモリに記憶するための手段と、ワイヤレスデータ通信呼が完了したならば、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するための手段とをさらに含む、請求項38に記載のモバイルデバイス。
【請求項43】
前記受信したプロビジョニングデータをメモリに記憶するための手段と、
メモリに記憶されたプロビジョニングデータが有効期限切れになったかどうかを判定するための手段と、
メモリに記憶された前記プロビジョニングデータが有効期限切れになったと判定された場合、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するための手段と
をさらに備える、請求項37に記載のモバイルデバイス。
【請求項44】
モバイルデバイスであって、
セルラ通信ネットワークを介して、更新されたプロビジョニングデータを受信するための手段と、
前記更新されたプロビジョニングデータをメモリに記憶するための手段と、
前記モバイルデバイスと個人物品との間の近距離通信リンクを確立するための手段と、
前記個人物品内に収容されたSIMカードに記憶するために、前記近距離通信リンクを介して、前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品に送信するための手段と
を備えるモバイルデバイス。
【請求項45】
前記モバイルデバイスから前記個人物品に認証証明書を送信するための手段であって、前記認証証明書は、前記個人物品が、前記モバイルデバイスを、前記更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品に送信する権限を有するモバイルデバイスとして認証することを可能にする内容を有する、手段
をさらに備える、請求項44に記載のモバイルデバイス。
【請求項46】
近距離通信リンクを確立するための前記手段が、近接場通信(NFC)プロトコルを利用する、請求項44に記載のモバイルデバイス。
【請求項47】
近距離通信リンクを確立するための前記手段が、BlueTooth(登録商標)通信プロトコルを利用する、請求項44に記載のモバイルデバイス。
【請求項48】
個人物品であって、
前記個人物品とモバイルデバイスとの間の近距離通信リンクを確立するための手段と、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記個人物品内に収容されたSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを前記モバイルデバイスに送信するための手段と
を備える個人物品。
【請求項49】
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するための手段と、
前記受信した認証証明書を使用して、前記モバイルデバイスを認証するための手段と、
前記モバイルデバイスが認証されない場合、前記個人物品とモバイルデバイスとの間の前記近距離通信リンクを終了するための手段と
をさらに備える、請求項48に記載の個人物品。
【請求項50】
前記認証証明書を前記モバイルデバイスに要求するための手段をさらに備える、請求項49に記載の個人物品。
【請求項51】
個人物品であって、
前記個人物品とモバイルデバイスとの間の近距離通信リンクを確立するための手段と、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記モバイルデバイスから更新されたプロビジョニングデータを受信するための手段と、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品内に収容されたSIMカードに記憶するための手段と
を備える個人物品。
【請求項52】
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するための手段と、
前記受信した認証証明書を使用して、前記モバイルデバイスを認証するための手段と、
前記モバイルデバイスが認証されない場合、前記個人物品と前記モバイルデバイスとの間の前記近距離通信リンクを終了するための手段と
をさらに備える、請求項51に記載の個人物品。
【請求項53】
前記認証証明書を前記モバイルデバイスに要求するための手段をさらに備える、請求項52に記載の個人物品。
【請求項54】
モバイルデバイスとSIMカードを格納する個人物品との間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記SIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを受信するステップと
を含むステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を記憶した有形の記憶媒体。
【請求項55】
前記有形の記憶媒体が、前記受信したプロビジョニングデータを使用して、前記モバイルデバイスとワイヤレス通信ネットワークとの間の通信リンクを確立するステップを含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項54に記載の有形の記憶媒体。
【請求項56】
前記有形の記憶媒体が、
前記確立された近距離通信を介して、前記モバイルデバイスから前記個人物品に認証証明書を送信するステップであって、前記認証証明書は、前記個人物品が、前記モバイルデバイスを、前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを受信する権限を有するモバイルデバイスとして認証することを可能にする内容を有する、ステップ
を含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項54に記載の有形の記憶媒体。
【請求項57】
前記有形の記憶媒体が、近接場通信(NFC)プロトコルを使用して前記近距離通信リンクを確立するステップを含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項54に記載の有形の記憶媒体。
【請求項58】
前記有形の記憶媒体が、BlueTooth(登録商標)通信プロトコルを使用して前記近距離通信リンクを確立するステップを含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項54に記載の有形の記憶媒体。
【請求項59】
前記有形の記憶媒体が、
前記受信したプロビジョニングデータをメモリに記憶するステップと、
ワイヤレスデータ通信呼が完了したならば、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するステップと
を含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項54に記載の有形の記憶媒体。
【請求項60】
前記有形の記憶媒体が、
前記受信したプロビジョニングデータをメモリに記憶するステップと、
メモリに記憶されたプロビジョニングデータが有効期限切れになったかどうかを判定するステップと、
メモリに記憶された前記プロビジョニングデータが有効期限切れになったと判定された場合、前記プロビジョニングデータをメモリから削除するステップと
を含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項54に記載の有形の記憶媒体。
【請求項61】
セルラ通信ネットワークを介して、更新されたプロビジョニングデータをモバイルデバイスで受信するステップと、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータをメモリに記憶するステップと、
前記モバイルデバイスと個人物品との間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記個人物品内に収容されたSIMカードに記憶するために、前記近距離通信リンクを介して、前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品に送信するステップと
を含むステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を記憶した有形の記憶媒体。
【請求項62】
前記有形の記憶媒体が、
前記モバイルデバイスから前記個人物品に認証証明書を送信するステップであって、前記認証証明書は、前記個人物品が、前記モバイルデバイスを、前記更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品に送信する権限を有するモバイルデバイスとして認証することを可能にする内容を有する、ステップ
を含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項61に記載の有形の記憶媒体。
【請求項63】
前記有形の記憶媒体が、近接場通信(NFC)プロトコルを使用して前記近距離通信リンクを確立するステップを含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項61に記載の有形の記憶媒体。
【請求項64】
前記有形の記憶媒体が、BlueTooth(登録商標)通信プロトコルを使用して前記近距離通信リンクを確立するステップを含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項61に記載の有形の記憶媒体。
【請求項65】
個人物品とモバイルデバイスとの間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記個人物品内に収容されたSIMカードに記憶されたプロビジョニングデータを前記モバイルデバイスに送信するステップと
を含むステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を記憶した有形の記憶媒体。
【請求項66】
前記有形の記憶媒体が、
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するステップと、
前記受信した認証証明書を使用して、前記モバイルデバイスを認証するステップと、
前記モバイルデバイスが認証されない場合、前記SIMカードに記憶された前記プロビジョニングデータを前記モバイルデバイスに送信する前に、前記近距離通信リンクを終了するステップと
を含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項65に記載の有形の記憶媒体。
【請求項67】
前記有形の記憶媒体が、前記認証証明書を前記モバイルデバイスに要求するステップを含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項66に記載の有形の記憶媒体。
【請求項68】
SIMカードを収容する個人物品とモバイルデバイスとの間の近距離通信リンクを確立するステップと、
前記確立された近距離通信リンクを介して、前記モバイルデバイスから更新されたプロビジョニングデータを受信するステップと、
前記受信した更新されたプロビジョニングデータを前記個人物品内に収容された前記SIMカードに記憶するステップと
を含むステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を記憶した有形の記憶媒体。
【請求項69】
前記有形の記憶媒体が、
前記モバイルデバイスから認証証明書を受信するステップと、
前記受信した認証証明書を使用して、前記モバイルデバイスを認証するステップと、
前記モバイルデバイスが認証されない場合、前記受信した更新されたプロビジョニングデータを受信する前に、前記近距離通信リンクを終了するステップと
を含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項68に記載の有形の記憶媒体。
【請求項70】
前記有形の記憶媒体が、前記認証証明書を前記モバイルデバイスから要求するステップを含むさらなるステップをプロセッサに実行させるように構成されたプロセッサ実行可能ソフトウェア命令を有する、請求項69に記載の有形の記憶媒体。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図1】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2012−528534(P2012−528534A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513211(P2012−513211)
【出願日】平成22年5月26日(2010.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/036203
【国際公開番号】WO2010/138592
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】