説明

マイクロコンピュータおよびフィールド機器

【課題】マイクロコンピュータの回路規模の単純化を図りつつ、消費電力を低減させることを目的とする。
【解決手段】本発明のマイクロコンピュータは、信号処理を行う複数の機能ブロック4を有するマイクロコンピュータ1であって、クロックCLKを生成するクロック生成部3と、機能ブロック4のうち1つの機能ブロック4−1に備えられ、他の機能ブロック4が使用可能な共通レジスタ13に入力または出力されるデータをクロックCLKの供給が停止されたときにも保持する出力データ保持部14および入力データ保持部15と、各機能ブロック4のうち動作を行う機能ブロック4のみにクロックCLKを供給するようにスイッチ制御を行うコントロールブロック2と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の信号処理を行うマイクロコンピュータおよびこのマイクロコンピュータを適用したフィールド機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発電プラントや石油化学プラントその他の各種プラントにはフィールド機器が設置されている。フィールド機器は圧力計や流量計、濃度計といった測定装置(センサ)を用いており、各センサが測定したデータ(測定データ)に対して所定の処理を行う。当該処理を行う部位がフィールド機器に備えられるマイクロコンピュータとなる。
【0003】
図3はこの種のマイクロコンピュータ101の一例を示しており、このマイクロコンピュータ101はコントロールブロック102とクロック生成部103と機能ブロック104−1〜104−N(総称して機能ブロック104)とスイッチ105−1〜105−N(総称してスイッチ105)とを備えている。
【0004】
コントロールブロック102はマイクロコンピュータ101の全体の制御を行っている。ここでは、コントロールブロック102は各スイッチ105のスイッチ制御を行っている。クロック生成部103はマイクロコンピュータ101の内部で動作するクロックCLKを生成して出力する。
【0005】
N(Nは2以上の整数)個の機能ブロック(#1〜#N)104はそれぞれ所定の信号処理を行う。各機能ブロック104は動作部111と個別レジスタ112と共通レジスタ113とを備えている。クロック生成部103から各機能ブロック104にクロックCLKが供給可能になっており、クロックCLKが供給される経路にスイッチ105が設けられている。
【0006】
動作部111は機能ブロック104の信号処理を行う。個別レジスタ112は機能ブロック104の中で使用されるデータを記憶している。共通レジスタ113はN個の各機能ブロック104で共通的に使用されるデータを記憶している。従って、共通レジスタ113が記憶しているデータは他の機能ブロック104が読み出すことができ、且つ他の機能ブロック104により書き換えが可能になっている。
【0007】
クロック生成部103はクロックCLKを生成して各機能ブロック104に供給する。ただし、全ての機能ブロック104ではなく必要な機能ブロック104に対してクロックCLKを供給する。このために、コントロールブロック102は各スイッチ105の制御を行う。
【0008】
N個の機能ブロック104は全てが同時に動作するのではなく、一部の機能ブロック104が動作を行い、一部の機能ブロック104は動作を行わない。従って、動作を行わない機能ブロック104にクロックCLKを供給すると、消費電力の増大を招来する。このために、コントロールブロック102が各スイッチ105のオンとオフとを制御している。この種の技術が、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−150870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図3に示したマイクロコンピュータ101は各機能ブロック104に共通レジスタ113を有している。各共通レジスタ104は同じデータを記憶しており、同じ機能を持つ共通レジスタ104を重複して配置していることから、マイクロコンピュータ101の全体の回路規模が複雑になる。
【0011】
この点、N個の機能ブロック104のうち1つに共通レジスタ113を設けて、他の機能ブロック104から当該共通レジスタ113に対してデータの入出力を可能にすれば、共通レジスタ113の個数を削減することができる。これにより、回路規模を単純化できる。ただし、当該共通レジスタ113を設けた機能ブロック104に対しては常にクロックCLKを供給し続ける必要がある。
【0012】
つまり、共通レジスタ113は共通的に使用されるデータを記憶しており、他の機能ブロック104から読み出し或いは書き込みが要求される。このため、他の機能ブロック104からの要求時に共通レジスタ113のデータを読み出し或いは書き込みができるようにしなければならない。
【0013】
このために、共通レジスタ113を設けた機能ブロック104は常にクロックCLKを供給して動作可能な状態にしておく必要がある。従って、当該機能ブロック104は信号処理を行わない場合でも、他の機能ブロック104からの読み出し或いは書き込みのためだけに常にクロックCLKを供給しなければならない。これにより、クロックCLKを供給するための消費電力が増大する。
【0014】
そこで、本発明は、マイクロコンピュータの回路規模の単純化を図りつつ、消費電力を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上の課題を解決するため、本発明のマイクロコンピュータは、信号処理を行う複数の機能ブロックを有するマイクロコンピュータであって、クロックを生成するクロック生成部と、前記機能ブロックのうち1つの機能ブロックに備えられ、他の機能ブロックが使用可能な共通データ記憶部に入力または出力されるデータを前記クロックの供給が停止されたときにも保持するデータ保持部と、各機能ブロックのうち動作を行う機能ブロックのみに前記クロックを供給するようにスイッチ制御を行うスイッチ制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
このマイクロコンピュータによれば、共通データ記憶部を1つの機能ブロックのみに配置していることから、全体の回路規模を単純化できる。且つ、スイッチ制御部は動作を行う機能ブロックのみにクロックを供給するようにスイッチ制御を行っていることから、消費電力を低減できる。
【0017】
また、本発明のマイクロコンピュータは、信号処理を行う複数の機能ブロックを有するマイクロコンピュータであって、クロックを生成するクロック生成部と、各機能ブロックに備えられ、前記信号処理を行う動作部と、各機能ブロックに備えられ、前記動作部が動作を行うために使用するデータを記憶するレジスタ部と、前記レジスタ部のうち1つのレジスタ部に備えられ、各動作部で使用可能な共通データ記憶部に入力または出力される共通データを前記クロックの供給が停止されたときにも保持する共通データ保持部と、各動作部および各レジスタ部のうち動作を行う回路のみに前記クロックを供給するようにスイッチ制御を行うスイッチ制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
このマイクロコンピュータによれば、機能ブロックを動作部とレジスタ部とに細分化しており、動作する回路のみにクロックを供給していることから、消費電力の低減効果がさらに向上する。
【0019】
また、前記レジスタ部は、このレジスタ部と同じ機能ブロックに設けられる動作部が個別的に使用する個別データ記憶部に入力または出力される個別データを前記クロックの供給が停止されたときにも保持する個別データ保持部を備えていることを特徴とする。
【0020】
これにより、同じ機能ブロックのレジスタ部の個別データ記憶部を動作部が使用するときに、個別データを保持させることができる。よって、個別データの使用時にも細かなクロックの供給制御ができることから、消費電力の低減効果が向上する。
【0021】
また、本発明のフィールド機器は、前述したマイクロコンピュータを備えている。フィールド機器には信号処理を行うマイクロコンピュータが備えられており、当該フィールド機器に前述したマイクロコンピュータを使用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、各機能ブロックで使用される共通データ記憶部を1つの機能ブロックに設けていることから、マイクロコンピュータの回路構成を単純化できる。また、クロックを供給することなくデータ保持部がデータを保持していることから、動作を行う機能ブロックにのみクロックを供給して、消費電力の低減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態におけるマイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図2】変形例におけるマイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】従来におけるマイクロコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明するマイクロコンピュータはフィールド機器に適用した場合について説明する。フィールド機器は、圧力計や流量計、電流計、濃度計といった測定装置(センサ)が測定したデータ(測定データ)に対して所定の信号処理を行っており、この信号処理をマイクロコンピュータが行っている。勿論、本実施形態のマイクロコンピュータはフィールド機器以外の任意の信号処理を行う装置に適用することができる。
【0025】
図1は本実施形態のマイクロコンピュータ1を示している。マイクロコンピュータ1はコントロールブロック2とクロック生成部3とN(Nは2以上の整数)個の機能ブロック4−1〜4−N(総称して機能ブロック4)とN個のスイッチ5−1〜5−N(総称してスイッチ5)とを備えて構成した集積回路である。
【0026】
コントロールブロック2はマイクロコンピュータ1の全体の制御を行っている。ここでは、各スイッチ5のスイッチ制御を行うスイッチ制御部として機能している。勿論、コントロールブロック2は他の制御を行うこともできる。クロック生成部3は各機能ブロック4が動作を行うためのクロックCLKを生成している。生成したクロックCLKは各機能ブロック4に対して供給可能になっている。
【0027】
機能ブロック4−1(#1)〜4−N(#N)はそれぞれ所定の信号処理を行う回路である。このうち、機能ブロック4−1は他の機能ブロック4とは異なり、共通的な機能ブロック(共通機能ブロック)になっており、機能ブロック4−1以外の他の機能ブロック4は個別的な機能ブロック(個別機能ブロック)になっている。共通機能ブロックはN個の機能ブロック4のうち1つになっており、残りの機能ブロック4は個別機能ブロックになる。なお、共通機能ブロックは機能ブロック4−1〜4−Nのうち何れであってもよい。
【0028】
機能ブロック4−1(共通機能ブロック)は動作部11と個別レジスタ12と共通レジスタ13と出力データ保持部14と入力データ保持部15とを備えている。このうち、動作部11と個別レジスタ12と共通レジスタ13とはクロックCLKが供給されて動作を行う。一方、出力データ保持部14と入力データ保持部15とはクロックCLKが供給されなくてもデータを保持する。
【0029】
動作部11は機能ブロック4−1の信号処理を行う。例えば、圧力計が検出した圧力データに基づいて所定の信号処理を行う。個別レジスタ12は動作部11が信号処理を行うときに使用されるデータを個別データとして記憶する素子(個別データ記憶部)になる。この個別レジスタ12に記憶される個別データは機能ブロック4−1の内部でのみ使用される。
【0030】
共通レジスタ13は他の機能ブロック4−2〜4−N(個別機能ブロック)が使用可能な共通データを記憶する素子(共通データ記憶部)である。例えば、測定データに対して各機能ブロック4が同じ時間の信号処理を行うような場合に、当該時間を共通レジスタ13に共通データとして記憶する。従って、共通レジスタ13が記憶する共通データは他の機能ブロック4が読み出すことができ、また書き換えることが可能になっている。
【0031】
出力データ保持部14は共通レジスタ13から出力された共通データを他の機能ブロック4に出力するために設けている。入力データ保持部15は他の機能ブロック4が出力した共通データを共通レジスタ13に入力するために設けている。これら出力データ保持部14と入力データ保持部15とによりデータ保持部が構成される。
【0032】
出力データ保持部14および入力データ保持部15はクロックCLKを供給しなくとも共通データを保持することが可能な素子であり、例えばフリップフロップを適用することができる。勿論、クロックCLKを供給することなくデータを保持できればフリップフロップ以外の素子を使用することもできる。
【0033】
個別機能ブロックとしての機能ブロック4−2〜4−Nは動作部21と個別レジスタ22とを備えて構成している。動作部21は、機能ブロック4−1と同様に信号処理を行う。また、個別レジスタ22は、機能ブロック4−1の個別レジスタ12と同様に、動作部21が信号処理を行うときに使用される記憶素子である。この個別レジスタ22に記憶されるデータは個別データであり、機能ブロック4−2〜4−Nの内部でのみ使用される。
【0034】
スイッチ5−1〜5−Nは、クロック生成部3から各機能ブロック4にクロックCLKを供給する経路上に設けられており、コントロールブロック2によりスイッチ制御がされる。これにより、各機能ブロック4にクロックCLKを供給するか否かが制御される。このとき、コントロールブロック2は、動作を行う機能ブロック4のみにクロックCLKを供給するように制御し、それ以外の機能ブロック4にはクロックCLKを供給しないように制御する。
【0035】
次に、動作について説明する。最初に、機能ブロック4−1に共通データを設定し、この設定された共通データを機能ブロック4−2が読み出して処理を行う場合について説明する。まず、コントロールブロック2はスイッチ5−1をオンにして、クロック生成部3が生成するクロックCLKを機能ブロック4−1に供給する。このとき、他の機能ブロック4−2〜4−NにはクロックCLKは供給されない。
【0036】
機能ブロック4−1にクロックCLKが供給されることにより、共通レジスタ13が動作する。そして、共通レジスタ13に共通データを記憶させる。このときに、出力データ保持部14はクロックCLKのエッジタイミングで共通レジスタ13に記憶された共通データを取り込んで保持する。
【0037】
そして、コントロールブロック2は機能ブロック4−1に対するクロックCLKの供給を停止するようにスイッチ5−1をオフに切り替える。これと共に、機能ブロック4−2にクロックCLKを供給するためにスイッチ5−2をオンに切り替える。これにより、クロックCLKは機能ブロック4−2のみに供給されるようになる。
【0038】
機能ブロック4−2の動作部21は個別レジスタ22に必要な個別データを設定し、次に出力データ保持部14が保持している共通データを読み出す。このときには、機能ブロック4−1にはクロックCLKが供給されていないが、クロックCLKが供給されていなくとも出力データ保持部14から共通データを読み出すことができる。
【0039】
これにより、動作部21は出力データ保持部14から共通データを読み出して、個別レジスタ22に設定された個別データおよび読み出した共通データに基づいて、所定の信号処理を行う。従って、機能ブロック4−1に設定された共通データに基づいて、機能ブロック4−2が処理を行うことができる。
【0040】
次に、機能ブロック4−2の動作部21が機能ブロック4−1の共通レジスタ13に共通データを記憶させる場合について説明する。まず、コントロールブロック2は機能ブロック4−2のみにクロックCLKを供給して、動作部21を動作させる。そして、動作部21は入力データ保持部15に共通データを出力し、入力データ保持部15は共通データを保持する。
【0041】
動作部21が共通データの出力動作のみを行うのであれば、この時点で機能ブロック4−2に対するクロックCLKの供給を停止してもよい。一方、動作部21が共通データの出力以外の動作を行うのであれば、当該動作を終了した後に機能ブロック4−2に対するクロックCLKの供給を停止するようにする。
【0042】
動作部21が入力データ保持部15に共通データを保持させた時点では、スイッチ5−1はオフになっており、機能ブロック4−1にはクロックCLKは供給されていない。ただし、入力データ保持部15はクロックCLKを供給することなく機能ブロック4−2から出力された共通データを保持する。例えば、動作部21から入力データ保持部15に共通データと書き込み信号とを出力し、フリップフロップのQ端子に共通データ、CLK端子に書き込み信号を入力させて共通データを保持させるようにする。
【0043】
そして、コントロールブロック2がスイッチ5−1をオンにすることで、機能ブロック4−1にクロックCLKが供給される。これにより、動作部11は動作を開始する。このとき、クロックCLKのエッジタイミングで入力データ保持部15が保持している共通データが共通レジスタ13に取り込まれる。これにより、共通レジスタ13に機能ブロック4−2が出力した共通データが記憶されて、各機能ブロック4で共通データを使用することができるようになる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態のマイクロコンピュータ1は共通レジスタ13をN個の機能ブロック4のうち1つに設けている。このため、各機能ブロック4に共通レジスタ13を設けなくてよいことから、全体の回路構成を単純化できる。このときに、クロックCLKは動作を行う機能ブロックのみに供給されるように制御している。
【0045】
つまり、出力データ保持部14および入力データ保持部15に共通データを保持させていることから、機能ブロック4−1にクロックCLKを供給しなくても共通データの入出力が可能になる。これにより、機能ブロック4−1が動作を行っていないときにはクロックCLKを供給しなくてもよい。従って、動作を行う機能ブロック4のみにクロックCLKを供給することができることから、消費電力を低減することができる。
【0046】
次に、図2を参照して変形例について説明する。この変形例では、各機能ブロック4をレジスタ部と動作部とに分けている。共通機能ブロックとしての機能ブロック4−1は動作部11とレジスタ部30とを備えている。動作部11とレジスタ部30とにはそれぞれクロックCLKが供給可能になっている。レジスタ部30に供給されるクロックCLKの経路にはスイッチ6−1が設けられており、動作部11に供給されるクロックCLKの経路にはスイッチ7−1が設けられている。
【0047】
レジスタ部30(#1)は、個別レジスタ12と共通レジスタ13と個別出力データ保持部31と個別入力データ保持部32と共通出力データ保持部33と共通入力データ保持部34とを備えている。個別出力データ保持部31と個別入力データ保持部32とにより個別データ保持部が構成され、共通出力データ保持部33と共通入力データ保持部34とにより共通データ保持部が構成される。
【0048】
個別出力データ保持部31は個別レジスタ12が出力した個別データを保持し、動作部11に出力する。個別入力データ保持部32は動作部11が出力した個別データを保持し、個別レジスタ12に入力する。共通出力データ保持部33は共通レジスタ13が出力した共通データを保持し、他の機能ブロック4に出力する。共通入力データ保持部34は他の機能ブロック4が出力した共通データを保持し、共通レジスタ13に入力する。
【0049】
個別機能ブロックとしての機能ブロック4−2〜4−Nは動作部21とレジスタ部40(#2〜#N)とを備えている。動作部21とレジスタ部40とにはそれぞれクロックCLKが供給可能になっている。レジスタ部40に供給されるクロックCLKの経路にはスイッチ6−2〜6−Nが設けられており、動作部21に供給されるクロックCLKの経路にはスイッチ7−2〜7−Nが設けられている。
【0050】
レジスタ部40は個別レジスタ22と個別出力データ保持部41と個別入力データ保持部42とを備えている。個別出力データ保持部41は機能ブロック4−1の個別出力データ保持部31と同じであり、個別入力データ保持部42は個別入力データ保持部32と同じである。
【0051】
次に、本変形例の動作について説明する。最初に、機能ブロック4−1の共通レジスタ13に記憶されている共通データを用いて機能ブロック4−2の動作部21が動作を行う場合について説明する。コントロールブロック2はスイッチ6−1〜6−Nおよびスイッチ7−1〜7−Nのオンとオフとを制御している。そして、コントロールブロック2はスイッチ6−1をオンに制御する。
【0052】
これにより、レジスタ部30のみにクロックCLKが供給される。そして、共通レジスタ13に共通データが設定され、設定された共通データが共通出力データ保持部33に保持される。次に、コントロールブロック2はスイッチ6−1をオフにして、スイッチ6−2をオンにする。これにより、レジスタ部40にクロックCLKが供給される。そして、個別レジスタ22に個別データが設定され、設定された個別データが個別出力データ保持部41に保持される。
【0053】
次に、コントロールブロック2はスイッチ6−2をオフにして、スイッチ7−2をオンにする。これにより、動作部21にクロックCLKが供給されて動作を行う。動作部21は共通出力データ保持部33に保持されている共通データおよび個別出力データ保持部41に保持されている個別データを読み出す。共通出力データ保持部33および個別出力データ保持部41からはクロックCLKが供給されなくてもデータを読み出すことは可能である。これにより、動作部21は共通データおよび個別データを用いて所定の信号処理を行うことが可能になる。
【0054】
また、機能ブロック4−2の動作部21が出力する共通データを機能ブロック4−1の共通レジスタ13に記憶させることもできる。この場合には、コントロールブロック2は、まずスイッチ7−2をオンにする。そして、動作部21から共通データを共通入力データ保持部34に入力して保持させる。
【0055】
次に、コントロールブロック2はスイッチ7−2をオフにすると共にスイッチ6−1をオンにする。これにより、レジスタ部30にクロックCLKが供給される。そして、共通レジスタ13は共通入力データ保持部34に保持された共通データを取り込んで記憶する。従って、動作部21が出力した共通データを共通レジスタ13に記憶させることができる。
【0056】
同様に、機能ブロック4−2の動作部21が出力する個別データを、同じ機能ブロック4−2の個別レジスタ22に記憶させることもできる。この場合には、コントロールブロック2は、まずスイッチ7−2をオンにする。そして、動作部21から個別データを個別入力データ保持部42に入力して保持させる。
【0057】
次に、コントロールブロック2はスイッチ7−2をオフにすると共にスイッチ6−2をオンにする。これにより、機能ブロック4−2のレジスタ部40にクロックCLKが供給される。そして、個別レジスタ22は個別入力データ保持部42に保持された個別データを取り込んで記憶する。従って、動作部21が出力した個別データを個別レジスタ22に記憶させることができる。
【0058】
本変形例では、機能ブロック4ごとに細分化してクロックCLKの供給制御を行っているだけでなく、機能ブロック4を動作部とレジスタ部とに分けて、必要な回路(動作部またはレジスタ部)のみにクロックCLKを供給するように制御している。これにより、機能ブロック4の単位ではなく、さらに細かなクロックCLKの供給制御を行うことができる。よって、前述した実施形態よりもさらに消費電力を低減させることができるようになる。
【符号の説明】
【0059】
1 マイクロコンピュータ
2 コントロールブロック
3 クロック生成部
4 機能ブロック
5−1〜5−N スイッチ
6−1〜6−N スイッチ
7−1〜7−N スイッチ
11 動作部
12 個別レジスタ
13 共通レジスタ
14 出力データ保持部
15 入力データ保持部
21 動作部
22 個別レジスタ
30 レジスタ部
31 個別出力データ保持部
32 個別入力データ保持部
33 共通出力データ保持部
34 共通入力データ保持部
40 レジスタ部
41 個別出力データ保持部
42 個別入力データ保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理を行う複数の機能ブロックを有するマイクロコンピュータであって、
クロックを生成するクロック生成部と、
前記機能ブロックのうち1つの機能ブロックに備えられ、他の機能ブロックが使用可能な共通データ記憶部に入力または出力されるデータを前記クロックの供給が停止されたときにも保持するデータ保持部と、
各機能ブロックのうち動作を行う機能ブロックのみに前記クロックを供給するようにスイッチ制御を行うスイッチ制御部と、
を備えたことを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項2】
信号処理を行う複数の機能ブロックを有するマイクロコンピュータであって、
クロックを生成するクロック生成部と、
各機能ブロックに備えられ、前記信号処理を行う動作部と、
各機能ブロックに備えられ、前記動作部が動作を行うために使用するデータを記憶するレジスタ部と、
前記レジスタ部のうち1つのレジスタ部に備えられ、各動作部で使用可能な共通データ記憶部に入力または出力される共通データを前記クロックの供給が停止されたときにも保持する共通データ保持部と、
各動作部および各レジスタ部のうち動作を行う回路のみに前記クロックを供給するようにスイッチ制御を行うスイッチ制御部と、
を備えたことを特徴とするマイクロコンピュータ。
【請求項3】
前記レジスタ部は、このレジスタ部と同じ機能ブロックに設けられる動作部が個別的に使用する個別データ記憶部に入力または出力される個別データを前記クロックの供給が停止されたときにも保持する個別データ保持部を備えていること
を特徴とする請求項2記載のマイクロコンピュータ。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のマイクロコンピュータを備えたフィールド機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−8132(P2013−8132A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139380(P2011−139380)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】