マイクロスケール熱または熱および質量移動システム
マイクロスケールの単体熱または熱および質量移動システム。組み合わされると、マイクロスケールの単体吸収冷却および/加熱システム、または他の熱または熱および質量移動システムを構成する、離散的であるが統合した熱および質量移動システム構成要素を形成する、2つの外板(110、111)の間に組み立てられた複数のシム(102、104)。シムは、概してシステムの全体を通した規定の構成要素の間で必要に応じて加熱および冷却源およびシンクを往復してシステムの内外へ流体を移動させるための複数のマイクロチャネル(702)、空隙、流体通路および他の特徴を含む。概して各シムの対の中のマイクロチャネル内を流れる流体間の熱的接触を可能にするように2つの異なるシムの種類が使用され、複数のシムの対としてともに組み合わせられ、各シムの対の中の各シムは、相互と比較してわずかに異なるマイクロチャネルおよび流体通路配設を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/085,192号(名称「Thermally Activated Cooling System」、2008年7月31日出願)の米国特許法第119条第(e)項の優先権の利益を主張し、この出願は、その全体が本明細書に提示されるが如く参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本システムは、概して、マイクロスケールの熱移動システムまたは熱および質量移動システムに関し、より具体的には、複数のシムまたは層を備え、各シムは、熱および/または質量交換機能を果たす複数のマイクロチャネルを含む、単体(monolithic)または統合(integrated)のマイクロスケールの熱または熱および質量移動システムまたは装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、蒸気圧縮システムが、住宅および商業用空調装置、冷凍機、および熱ポンプ等の種々の加熱および冷却用途で使用されてきた。これらのシステムは概して、蒸発器、圧縮器、凝縮器、および膨張デバイスといった、4つの基本構成要素を備える。蒸発器および凝縮器は、熱を吸収および排除しながら、冷媒を蒸発させ、凝縮する、熱交換器を備える。圧縮器は、蒸発器から冷媒蒸気を採取し、凝縮器の中で蒸気を凝縮するためにその圧力を十分に上昇させる。凝縮器から退出した後に、より高い圧力における凝縮冷媒の流動は、膨張デバイスによって蒸発器の中へ戻るように制御され、サイクルは、連続加熱または冷却効果を生じるように繰り返す。
【0004】
しかしながら、従来の蒸気圧縮システムには、いくつかの不利点がある。例えば、ほとんどの蒸気圧縮システムは、環境に悪影響を与える合成冷媒に依存する。また、ほとんどの蒸気圧縮システムは、電力に高価な高級電気エネルギーを利用する。さらに、蒸気圧縮システムはしばしば、圧縮器の使用により、騒々しく信頼性が低く、しばしば、小規模または携帯用利用を妨げる、かさばる全体システム設計を採用する。
【0005】
吸収熱ポンプ(本明細書では「吸収冷却および/または加熱システム」とも呼ばれる)は、従来の蒸気圧縮システムの環境的に優しい代替品と考えることができる。原則として、従来の蒸気圧縮システムの圧縮器は、吸収熱ポンプを形成するように、脱着器、吸収体、溶液ポンプ、および回復溶解熱交換器の組み合わせに代替される。吸収熱ポンプの便益は、主要な可動部、すなわち、圧縮器の欠如による、信頼性に関する低減した懸念である。吸収熱ポンプにおける圧縮器の欠如はまた、蒸気圧縮システムと比較して、はるかに静かな動作も示唆する。さらに、システムを駆動する入力として高級電気エネルギーを利用する蒸気圧縮システムと違って、吸収熱ポンプは、典型的に、生物燃料および化石燃料の燃焼から、大部分は未開発の廃熱源(例えば、自動車排出ガス、過剰製造熱等)から、太陽熱エネルギーから、および他の同様のエネルギー源から取得されてもよい、より容易に入手可能な低級熱エネルギーで作動する。冷却モード動作では、この熱エネルギー入力が、冷却および/または除湿を提供するために使用される一方で、加熱モードでは、周囲熱をより高い温度に引き上げるために熱入力が使用される。
【0006】
蒸気圧縮システムの圧縮器が、脱着器、吸収体、溶液ポンプ、および回復溶解熱交換器の組み合わせによって、吸収熱ポンプに代替されるため、吸収熱ポンプは、概して、蒸気圧縮システムよりも熱および質量交換集中型であり、それにより、付加的な熱移動表面積を必要とする。この比較的大きい表面積の要求により、吸収熱ポンプは、典型的に、非常に大型の商業および工業用冷凍機用途に回されており、高い性能係数(COP)を実現しながら小型設計を達成することは、主要な課題となっている。加えて、COPを改善するように開発された、二重効果、三重効果、および発生器−吸収体−熱交換サイクル等の、いくつかの先進的吸収サイクルは、性能を改善するのに付加的な内部回復に依存し、容量あたりの高い熱および質量移動速度の必要性をさらに強調する。実際、これらのサイクルは、主に、実用的に実行可能な小型熱および質量交換デバイスの欠如により、広く実装されていない。
【0007】
したがって、より大型のシステムに匹敵する出力を送達する、小型吸収冷却および/または加熱システムを達成することが望ましい。しかしながら、2対の最も一般的な作業流体(すなわち、臭化リチウム−水、およびアンモニア−水)を使用する吸収システムでは、吸収および脱着等の過程は、二成分流体における連動した熱および質量移動を自然に伴い、システム設計の複雑性および課題につながる。特に、アンモニア−水システムでは、システムの全体を通した液相および蒸気相中の吸収剤(すなわち、水)および冷媒(すなわち、アンモニア)の両方の存在により、そのような2成分流体の過程が、システムの中の全ての構成要素(凝縮器、蒸発器、精留器、および回復熱交換を含む)において発生する。その他では、あまり一般的ではない作業流体(例えば、多構成要素流体)、多構成要素の熱および質量移動過程が必要とされる。工業規模よりも小さい容量で、廃熱、太陽熱エネルギー、または他のエネルギーの分散可用性を活用することができる、小型高流束構成での吸収システムの実装のために、熱および質量交換器設計は、同時に達成することが困難である、いくつかの特徴を提供するべきである。例えば、システムは、いくつかある同様のシステム特性の中でも、作業流体に対する低い熱および質量移動抵抗と、作業流体および少量で外部熱源およびヒートシンクにこれらの作業流体を結合する流体のための必要移動表面積と、結合流体に対する低い抵抗とを含むべきである。
【0008】
利用可能な吸収構成要素の概念の大部分は、小型高流束設計を達成するために不可欠である、これらの特徴のうちの1つ以上を満たさない。例えば、商業用吸収冷凍機で現在採用されている主要構成(すなわち、冷却液を運ぶ管群に垂れかかる溶液フィルムへの蒸気の吸収)は、高い冷却剤側の抵抗および液体フィルムによる移動表面の不良な湿潤という問題を抱えている。加えて、いくつかの従来技術の設計は、吸収/脱着過程を強化するが、反対側(すなわち、結合流体側)の単相抵抗を低減することができず、それにより、大型のシステム構成要素を必要とし、高い作業流体および結合流体の圧力降下をもたらし、それは、高い寄生電力消費をもたらし、また、システム構成要素内の圧力降下によって引き起こされる飽和温度の減少による、駆動温度差の損失ももたらす。
【0009】
吸収冷却および/または加熱システムに加えて、関連冷却または加熱機能、基礎熱移動、蒸留、および当業者に思い付くような他の同様の機能性等の、他の機能を果たすための種々の他の熱移動または熱および質量移動システムを提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、現在使用されている構成の弱点を克服しながら、個々のシステム構成要素および全体的なシステムアセンブリの両方において、高流束の熱および質量移動に適用することができる、小型のモジュール式万能設計を提供する、マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムまたは装置の長年にわたるが未解決の必要性が存在する。携帯用統合システムから有意な加熱および冷却出力を提供する、マイクロスケールの単体吸収熱ポンプのさらなる必要性がある。本システムおよびその変化例の主な実施形態は、種々の設計条件に、また、2成分、3成分、および他の多構成要素流体の熱および質量移動におけるいくつかのシステムにも極めて適応可能である、小型化技術を表す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
簡潔に説明すると、一実施形態によれば、本開示の側面は、概して、吸収冷却および/または加熱のため、または他の熱および/または質量移動機能を果たすためのシステムおよび装置に関する。より具体的には、一側面によれば、カバー板の間で取り囲まれた、一体マイクロスケール通路および空隙、流体入口および出口通路、および蒸気−液体空間を必要に応じて伴う、平行な整合した交互シムの配列は、熱活性化吸収熱ポンプの熱および質量移動システム構成要素を画定する。マイクロスケールの特徴を伴う平行シムのアセンブリは、単一効果吸収熱ポンプの熱および質量移動システム構成要素をともに備える、規定の吸収体、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器(揮発性吸収剤とともに作業流体を使用する用途において)、凝縮器、回復冷媒熱交換器、および蒸発器を通して、流体流動を方向付ける。本明細書でさらに詳細に説明されるように、特定の実施形態では、熱および質量移動構成要素は、複数の交互シムの対を介して、マイクロスケールの単体装置またはアセンブリ内で画定される。二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクル、または他の先進的吸収サイクルが所望される実施形態では、付加的な規定の熱および質量移動システム構成要素の中に配設される、付加的なマイクロスケール特徴が、必要な回復熱および質量移動を達成するように装置に組み込まれる。
【0012】
一側面によれば、吸収サイクル作業流体が、マイクロスケールの通路およびシムの片側に組み込まれた他の通路に流入する一方で、高温(熱源)、中温(熱遮断)、および低温(冷蔵流)結合流体は、初期側面上の各作業流体流と熱的接触しているシムの反対側で流れる。したがって、多少差別化したマイクロスケール特徴幾何学形状を伴う、2つのシムの複数組(「シムの対」)は、所望の全体的冷却または加熱負荷を達成するために必要とされる、多数に複製される吸収熱ポンプまたは他の熱または熱および質量移動システム全体の構造要素を備える。各シムに組み込まれる特徴は、グループで配列され、各グループは、熱ポンプの中の各熱または熱および質量移動システム構成要素(例えば、吸収体、脱着器等)の対応する通路を表す。各々の規定の熱および質量移動システム構成要素の間の流体接続は、システム外部の接続流体ラインを通して、または、シムまたはカバー板の異なる部分の間の特異的に設計された経路指定通路を通して、または、何らかの他の同様な接続機構を介して達成される。概して、作業流体は、大部分がシムのアセンブリの中に含有され、したがって、同様の容量を送達する従来の熱ポンプと比べて流体在庫量を数倍低減する。
【0013】
付加的な側面によれば、冷却、熱遮断、および熱源流体流は、適切な入口および出口接続を通して、熱または熱および質量移動装置に進入および退出し、熱または熱および質量移動装置の物理的位置にかかわらず、加熱または冷却負荷の万能配備を可能にする。一側面では、熱および質量移動構成要素と、アセンブリの中の各シムにわたって配列されたマイクロチャネルとを通して、作業流体を送出するように、作業溶液ポンプがシステムアセンブリの外部に提供される。熱ポンプサイクル中に、さらなる側面によれば、低い側から高い側の圧力(および、先進的吸収サイクルについては必要に応じて中間圧力)からの冷媒流および冷媒吸収溶液の膨張は、シム内の一体調整収縮を通して、または外部接続された弁を通して達成される。
【0014】
種々の側面によれば、シムの中のマイクロチャネルおよび他のマイクロスケール通路は、必要に応じて、単相または二相状態の流体流動を可能にするように、正方形、長方形、半円形、半楕円形、三角形、または他の単独で接続された断面を備え、マイクロスケールの断面形状および寸法は、熱および質量移動要件、動作圧力、組み立てられた装置の構造強度、寸法交差ならびにシムおよびカバー板の接合に対する製造制約、および他の要因に基づいて決定される。概して、シムの中のマイクロスケールチャネルは、全体的なアセンブリの寸法ならびにマイクロスケールチャネルの寸法に基づいて、リソグラフィ、エッチング、機械加工、型打、または他の適切な過程等の過程を通して形成される。マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムの実施形態を形成するように、複数のシムの対およびカバー板の連結および組立は、最も一般的に利用されている金属アセンブリについては、拡散接合およびろう付け等の過程を通して、ならびに、作業流体、動作条件、および所望の負荷によって許容または指定される場合、プラスチック、セラミック、または他の非金属装置部品については接着によって達成される。熱負荷におけるモジュール性は、マイクロスケールチャネルの寸法、チャネルの数、シムの長さおよび幅、およびシムの対の数によって達成される。
【0015】
別の側面によれば、本明細書で説明されるマイクロスケールの熱または熱および質量移動アセンブリの大規模実装について、複数の接続された熱または熱および質量移動アセンブリを形成するように、複数のアセンブリが、外部配管を通した直列および/または並列配設で接続される。種々の側面によれば、より大きい容量のために、シムは、接続の融通性、および送達された負荷の大部分は制約されていない増加を促進するように、単体熱または熱および質量移動アセンブリよりもむしろ、熱または熱および質量移動アセンブリの各熱および質量移動システム構成要素を表す、個々のアセンブリに細分される。
【0016】
請求された発明のこれらおよび他の側面、特徴、および便益は、以下の図面と併せて解釈される好ましい実施形態および側面の以下の詳細な書面説明から明白となるものの、それらの変化例および修正が、本開示の新規概念の精神および範囲から逸脱することなく達成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面は、本開示の1つ以上の実施形態および/または側面を図示し、書面説明とともに、本開示の原則を説明する働きをする。可能な限り、実施形態の同一または類似要素を指すために、同じ参照番号が図面の全体を通して使用される。
【図1】図1は、請求された発明の種々の側面にしたがって構築および操作された、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の実施形態を図示する。
【図2】図2は、シムを介して形成された熱および質量移動システム構成要素の一部分を表示するように装置から除去されたカバー板の一部を図示する切断域を伴う、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置の実施形態を示す。
【図3】図3は、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置の例示的な完全に組み立てられた実施形態を示す。
【図4A】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図4B】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図4C】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図4D】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図5】図5は、熱または熱および質量移動装置の一実施形態による、内部熱および質量移動システム構成要素ならびに構成要素間の流体流動の概略機能図を図示する。
【図6A】図6Aおよび6Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する斜視図である。
【図6B】図6Aおよび6Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する斜視図である。
【図7A】図7Aおよび7Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する正面図である。
【図7B】図7Aおよび7Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する正面図である。
【図8A】図8Aおよび8Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ示す。
【図8B】図8Aおよび8Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ示す。
【図9A】図9Aおよび9Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図をそれぞれ示す(すなわち、これらの図は図8Aおよび8Bの拡大図である)。
【図9B】図9Aおよび9Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図をそれぞれ示す(すなわち、これらの図は図8Aおよび8Bの拡大図である)。
【図10A】図10Aおよび10Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、複数の積層シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図を図示する。
【図10B】図10Aおよび10Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、複数の積層シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図を図示する。
【図11A】図11Aおよび11Bは、本装置の実施形態による、脱着器および精留器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図11B】図11Aおよび11Bは、本装置の実施形態による、脱着器および精留器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図12A】図12Aおよび12Bは、本装置の実施形態による、凝縮器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図12B】図12Aおよび12Bは、本装置の実施形態による、凝縮器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図13A】図13Aおよび13Bは、本装置の実施形態による、回復冷媒熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図13B】図13Aおよび13Bは、本装置の実施形態による、回復冷媒熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図14A】図14Aおよび14Bは、本装置の実施形態による、蒸発器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図14B】図14Aおよび14Bは、本装置の実施形態による、蒸発器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図15A】図15Aおよび15Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図15B】図15Aおよび15Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図16A】図16Aおよび16Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分それぞれの拡大斜視図であり、シムAおよびシムBにおける蒸気入口穴および通路の位置を具体的に図示する。
【図16B】図16Aおよび16Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分それぞれの拡大斜視図であり、シムAおよびシムBにおける蒸気入口穴および通路の位置を具体的に図示する。
【図17】図17は、吸収冷却および/または加熱システムと関連付けられた、離散熱および質量移動システム構成要素を備える、本システムのモジュール式実施形態を図示する。
【図18】図18は、本明細書で説明されるような例示的マイクロチャネルを製造するための光化学エッチング過程の一実施形態と関連するステップを図示する。
【図19】図19は、本システムの一実施形態による、種々のシム、カバー板、および他のシステム構成要素をともに拡散接合するための加熱圧搾真空炉の表現を図示する。
【図20】図20は、本システムの例示的実施形態による、シム内のマイクロチャネルの代表的な配設を示す、複数の積層シムAおよびBの一部分の断面を図示する。
【図21】図21は、本システムの例示的実施形態による、特定の例示的なシムおよびマイクロチャネル寸法の接写図を図示する、シムAおよびBの拡大断面を図示する。
【図22】図22は、本システムの実施形態による、熱および質量移動システム構成要素で使用されるヘッダの拡大平面図を示す。
【図23】図23は、本システムの一実施形態による、図22のヘッダの断面XXから得られた交互シムAおよびBの代表的な断面を示す。
【図24】図24は、本システムの実施形態を試験するための例示的な流体接続および外部配管配設の正面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の詳細な説明の前に、本システムおよび方法の側面の主題および用語は、例示的であり、必ずしも請求項で表現されるシステムおよび方法の側面を限定しないという理解の補助として、以下の定義を提供する。用語が大文字で書かれるか否かは、用語の意味を決定または限定すると見なされない。本書で使用されるように、大文字で書かれた用語は、大文字で書かれた用語のより制限的な意味が意図されることを用法の文脈が特に指示しない限り、小文字で書かれた用語と同じ意味を持つものとする。しかしながら、残りの本書内の大文字化またはその欠如は、そのような限定が意図されることを文脈が明確に指示しない限り、必ずしも限定的となることを目的としない。
【0019】
(定義/用語集)
吸収剤:本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動システム(例えば、吸収熱ポンプ)の熱および質量移動機能を果たすための作業流体または作業流体の一部分を含む、単独であるか、あるいはアンモニアまたは別の冷媒と組み合わせられた多構成要素形態である、材料または流体。実施例は、(アンモニア−水混合物中の)水、(臭化リチウム−水混合物中の)臭化リチウム、および他の同様の材料を含むが、それらに限定されない。
【0020】
性能係数(COP):入力エネルギーと比較した、システム実施形態からの所望の出力(すなわち、冷却または加熱)の比。
【0021】
結合流体:本システムの実施形態に、およびそこから、加熱および/または冷却を移動させるために使用される流体。概して、本システムの実施形態を、概して、温水結合部を介して、1つ以上の熱源、ヒートシンク、周囲空間、調節空間等に接続する。実施形態は、エチレングリコール水溶液、プロピレングリコール水溶液、塩化カルシウム水溶液、高温熱移動流体(例えば、合成油)、および他の同様の流体を含むが、それらに限定されない。本明細書では冷却剤と呼ばれることもある。
【0022】
カバー板:カバー板の間に含有されるシムに、構造、支持、およびいくつかの実施形態では流体移動チャネルを提供する、本システムの実施形態の外側にある剛体外層。カバー板は概して、システムの実施形態に進入および退出する結合流体および作業流体流を移動させるための、穴または入口および出口開口部を含む。
【0023】
流体分配通路:積層シム(すなわち、ヘッダ)によって形成された空隙から、本システムの実施形態における熱および質量移動システム構成要素または熱交換構成要素内のマイクロチャネルに流体を輸送する、チャネルまたは通路。概して、分配通路、流体通路、通路、または通行路と同義である。
【0024】
ヘッダ:流体を受容または消去する開口部またはポートを提供する、熱および質量移動システム構成要素内の要素。概して、組み合わせられると、流体流動のための通行路を形成する、個々のシムと関連付けられる複数の積層空隙によって形成される。種類は概して、入口ヘッダおよび出口ヘッダを含む。
【0025】
熱または熱および質量移動システム:本明細書で説明されるような特性、特徴、寸法、構成要素等を備える、熱または熱および質量を移動させるためのシステム。理解および認識されるように、概して、本明細書で説明されるような1つ以上の熱および質量移動システム構成要素によって形成される、熱移動システムまたは熱および質量移動システムを表す。概して、熱または熱および質量移動装置、熱または熱および質量移動アセンブリ、あるいは熱および/または質量移動システムと同義である。
【0026】
熱および質量移動システム構成要素:(必ずしもではないが)概して、より大型の熱または熱および質量移動システム内で、熱および/または質量移動を行うことが可能な任意の構成要素を表すために使用される、一般用語。実施例は、吸収体、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器、または他の同様の構成要素を含むが、それらに限定されない。(必ずしもではないが)概して、少なくとも1つの熱交換構成要素を含むか、または備える。概して、熱および質量移動構成要素と同義である。時には熱交換器と同義である。
【0027】
熱交換構成要素:熱移動を行うことが可能な任意の構成要素を表すために使用される、一般用語。熱および質量移動システム構成要素、またはその従属構成要素を備えてもよい。概して、熱交換器と同義である。
【0028】
マイクロチャネル:単相または多相状態の流体を移動させて、熱および/または質量移動機能性を達成するための、本明細書で説明されるようなシムに形成される、マイクロスケール寸法のチャネルまたは通路。概して、1mm未満の水力直径を伴う円形(または非円形)断面によって特徴付けられる(しかし、理解されるように、所与の流体特性および動作条件に応じて、1mmより大きいチャネルが、多少大きい水力直径におけるマイクロチャネルと同様の流体流動ならびに熱および質量移動現象を示してもよい)。概して、マイクロスケール通路またはマイクロスケールチャネルと同義である。
【0029】
マイクロスケール:同様の機能性および/または出力の他のシステムまたは構成要素と比較して、サイズが相対的に小さい。概して、当技術分野で理解されるように小型である。
【0030】
単体:1つの差別化されていない全体または単位を構成する。概して、統合と同義である。
【0031】
多構成要素流体:2つ以上の別個の物質(すなわち、2つ以上の種)を含む流体。実施例は、アンモニア−水混合物、および臭化リチウム−水混合物を含むが、それらに限定されない。概して、多成分流体、2成分流体、3成分流体、4成分流体、流体対等と同義である。
【0032】
冷媒:本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動システム(例えば、吸収熱ポンプ)の熱および質量移動機能を果たすための作業流体または作業流体の一部分を含む、単独である、あるいは水または別の吸収剤と組み合わせられた多構成要素形態である、材料または流体。実施例は、(アンモニア−水混合物中の)アンモニア、(臭化リチウム−水混合物中の)水、および他の同様の材料を含むが、それらに限定されない。概して、本明細書で使用されるようなアンモニアと同義である。
【0033】
シム:本明細書で説明されるような1つ以上の熱または熱および質量移動構成要素と関連付けられる特徴を画定する、薄い剛体層。概して、シムを横断して作業流体および/または結合流体を移動させるための複数のマイクロチャネル、流体分配通路、および空隙を含む。概して、層または積層板と同義である。
【0034】
シム群:1つ以上の熱または熱および質量移動システム構成要素を画定するように、ともに接合された、または別様に組み合わされた、複数のシムの対の組み合わせ。
【0035】
シムの対:シムの中のマイクロチャネル、空隙、および他の通路を流れる流体の間で熱および/または質量移動を可能にするように、ともに接合された、または別様に組み合わされた、2つの別個のシムの種類(例えば、本明細書で説明されるAおよびB)の組み合わせ。
【0036】
空隙:熱または熱および質量移動システム構成要素の中または外への流体流動を可能にする、複数の積層シムによって画定される穴または空間。概して、ヘッダ内にある、またはヘッダによって形成される空間に関する。概して、積層空隙または蒸気−液体空間と同義である。
【0037】
作業流体:熱および/または質量移動機能を達成するように、本システムの実施形態の全体を通して移動させられる流体。吸収サイクル過程または他の同様の熱サイクルにおける種々の段階で、液体状態、蒸気状態、または液体−蒸気混合物となり得る。実施例は、アンモニア−水混合物および臭化リチウム混合物を含むが、それらに限定されない。概して、多構成要素流体を含むが、必要に応じて、単構成要素流体も含む。
【0038】
(概説)
本開示の原理の理解を推進する目的で、図面に図示された実施形態を参照し、同実施形態を説明するために特定の用語を使用する。それでもなお、それにより、本開示の範囲の限定が意図されず、通常、本開示が関係する当業者に思い付くように、説明および例示された実施形態のあらゆる改変およびさらなる修正、ならびに本明細書で例示されるような本開示の原則のさらなる用途が検討されることが理解されるであろう。範囲の全ての限定は、請求項に従い、かつ請求項で表現されるように決定されるべきである。
【0039】
本開示の側面は、概して、熱または熱および質量移動システムまたは装置に関する。特に、本装置の一実施形態は、組み合わせられると、マイクロスケールの単体吸収冷却および/加熱システムまたは吸収熱ポンプ、あるいは他の熱または熱および質量移動システムを構成する、離散的であるが統合した熱および質量移動システム構成要素を形成する、2つの外板の間に組み立てられた、または圧搾された複数のシムを備える。シムは、概して、装置の全体を通した規定の熱および質量移動システム構成要素の間で、かつ必要に応じて加熱および冷却源およびシンクを往復して装置の内外へ、流体を移動させるための複数のマイクロチャネル、空隙、および他の熱移動特徴を含む。一実施形態によれば、2つの異なるシムの種類が使用され(すなわち、以下でより詳細に説明されるシムAおよびB)、シムは複数のシムの対として組み合わせられ(例えば、ともに接合される)、各対の中の2つの異なるシムは、各シムの対の中のマイクロチャネル内を流れる流体間の熱的接触を可能にするように、相互と比較して、わずかに異なるマイクロチャネルおよび流体通路配設を備える。
【0040】
一側面によれば、各シムは、吸収冷却および/または加熱システムを備える、必要な熱および質量移動システム構成要素のうちの全て、すなわち、吸収体、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、および蒸発器の幾何学形状を含む。理解されるように、これらの熱および質量移動構成要素は、当業者によって理解されるような従来の機能を果たす。したがって、一実施形態では、複数のシムの対が組み合わせられると、マイクロスケールの吸収加熱および/または冷却システムが形成される。さらに、複数のシムの対が積層され、ともに組み合わせられるにつれて、各熱および質量移動構成要素のマイクロチャネルの数(したがって、全体的な熱交換表面積)が増加し、それにより、各構成要素および全体的なシステムの熱交換容量が増加する。このように、本装置の実施形態は、所望に応じて個々の用途要件を満たすように縮小拡大することができる、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動システムを備える。
【0041】
本明細書でさらに詳細に説明されるように、本発明の実施形態は、同等の冷却および/加熱負荷に対する従来のシステムと比較してシステム体積が数倍低減した、吸収熱ポンプならびに他の熱または熱および質量移動装置に対するコンパクトな全体的幾何学形状を生じる。前述のように、従来の吸収熱ポンプは、蒸気圧縮システムと比較して、付加的な熱および質量移動構成要素を必要とし、より大型の全体的システムサイズにつながる。したがって、以前は、小さい幾何学形状で熱駆動吸収熱ポンプを実装することが可能ではなかった。しかしながら、本発明の実施形態は、相対的に小さいシステムパッケージで高い冷却および加熱容量のシステムを可能にするように、マイクロスケールで流体流動ならびに熱および質量移動現象の固有かつ新規の利点を利用する。したがって、本システムの実施形態は、a)小型水力直径マイクロスケール通路の中の高い熱および質量移動係数、b)小型水力直径における大きい表面積対体積比、c)低い圧力降下で高い熱および/または質量移動率を達成するための、複数の並列シムアセンブリの中の複数のマイクロチャネルの中の並行流の融通性、およびd)システムサイズを所望の負荷に正確に合わせるように、マイクロチャネルの寸法、各熱および質量移動構成要素で使用されるマイクロチャネルの数、システムで使用されるシムの数、および全体的なシステムエンベロープの幅および長さを修正する嚢力を利用することができる。さらに、以下でさらに詳細に説明されるように、温水結合、ならびに(システム実施形態の相対的に小さいサイズによる)熱および質量移動システム構成要素間の長い相互接続ラインの欠如は、作業流体在庫量、全体的なシステムサイズおよび質量、流体圧力降下、寄生所要電力、ならびに周囲を往復する望ましくない熱損失および利得を最小化する。
【0042】
概して、本システムの実施形態は、廃熱、太陽エネルギー、一次燃料燃焼からのエネルギー等の入力エネルギー源として、熱エネルギーを利用する。広範囲の供給源エネルギー温度が、冷却および/または加熱を提供するために利用され、広範囲の加熱および冷却負荷が、本システムを使用して供給される。したがって、システムの実施形態は、本質的に、数ワットからメガワットに及ぶ加熱または冷却容量のモジュール式設計を可能にする。概して、マイクロスケールの流体流動および熱および質量移動の原則の利用は、従来または以前のシステムと比較して、同等のシステム体積において大幅に高い冷却および加熱容量を送達する、コンパクトなシステムアセンブリの実現を可能にする。システムの実施形態は、作業流体を送出するために、電気エネルギーの相対的に最小の使用を必要とする。好ましくは、システムがオゾン破壊および地球温暖化の可能性がある合成流体を使用する必要がないように、多構成要素流体混合物が作業流体として使用され、したがって、システムは、環境に最小の悪影響を及ぼす。
【0043】
説明されるように、本システムの実施形態は、種々の商業的用途に有用である。概して、本システムの実施形態は、特に、小規模用途が必要とされる時に、ほとんどの用途において、従来の蒸気圧縮システムまたは吸収熱ポンプの代替品として実装することができる。しかしながら、理解されるように、本装置の実施形態は、廃熱回収および向上用途、熱駆動冷凍機ならびに暖房および空調システム、熱変換器、統合冷却、加熱、および電力システム、自動車用、船舶用、海軍用、および静止温度制御システム、食品、薬物、ワクチン、および他の腐敗しやすいアイテムの加工および冷蔵輸送、熱エネルギー入力、マイクロリアクタ、および燃焼器を使用した、携帯用水のための周囲湿度の獲得、および当業者に思い付くような種々の他の用途を含むがそれらに限定されない、種々の用途で利用することができる。
【0044】
開示されたシステムおよび装置の基本的機能および構成要素の実施例および説明の目的で、請求された発明の種々の側面に従って構築および操作される、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置10の実施形態を図示する、図1を参照する。図1に示された(および本開示の全体を通して参照された)特定の実施形態は、本明細書で説明されるような種々の熱および質量移動システム構成要素を含む、単体でマイクロスケールの吸収冷却および/または加熱システム(すなわち、吸収熱ポンプ)を備える。しかしながら、理解および認識されるように、図1に示された例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動システム10は、本システムの1つのアプローチまたは実施形態を表すにすぎず、本明細書で説明されるように、かつ当業者によって理解されるように、他の側面が使用および検討される。
【0045】
示されるように、熱または熱および質量移動装置10は、2つのカバー板110、111と、カバー板の間で挟持されるシム群108(概して、以下でさらに詳細に説明される複数のシム102、104を備える)と、装置10の中および外に結合流体を移動させるための複数の結合流体ライン120とを含む。示されるように、カバー板は、特定の実施形態に応じて、装置10に、および装置10から流体を輸送するための種々の穴122を含む、2つのカバー板の種類、すなわち、前カバー板110および後カバー板111を備える。理解されるように、穴122の配設、およびカバー板110、111の全体的構造は、特定のシステム実施形態に応じて、各カバー板110、111の間で変化してもしなくてもよい。
【0046】
本明細書で説明されるように、シム群108は、概して、複数のシム102、104を含む。図10Aを簡潔に参照すると、本装置の実施形態による、例示的な熱および質量移動システム構成要素内のシム群108と関連付けられた、複数の積層シム102、104の一部分の拡大斜視図が示されている。図10Aの詳細および明細は、以下でさらに説明に論議するが、該図は、ここでは、本装置10の一実施形態によるシム群108の中のシムの積層配設を図示するために論議されている。シム102、104は、シムの間ならびに熱および質量移動構成要素の間で流体移動を達成するための(したがって、アセンブリ10の全体を通して熱および質量移動を達成するための)複数のマイクロチャネル、空隙、および他の熱移動特徴(以下でさらに詳細に説明される)を含む。
【0047】
一実施形態によれば、複数のシムの対(各対は各シムの種類AおよびBの1つを含む)を形成するよう、シムが熱移動装置10内で交互に積層および整合されるように、シムは、2つのシムの種類(すなわち、以下でさらに詳細に説明される、シムA102およびB104)を備える。図10Aに示された実施形態では、シムは、2つの説明されたシムの種類、102a、104a、102b、104b、102c、104c、・・・102n、104nの交互様式で配設され、「n」は、所望の熱および/または質量移動機能性を果たすために使用される、シム群の中のシムの対の総数を表す。本明細書で詳細に説明されるように、2つの異種のシムの種類は、装置10の全体を通して交互流体流動ならびに熱および質量移動機能性を可能にするように、異なるマイクロチャネル配設を含む。
【0048】
図1を再び参照すると、切断域112は、シム群108(およびシム102、104)を介して形成された熱および質量移動システム構成要素の一部分を表示するように装置10から除去されたカバー板110、111の一部を図示する。切断域112で示されるように、複数の組み合わされたシムによって画定されるような例示的な熱ポンプの熱および質量移動システム構成要素のうちの1つ(具体的には凝縮器)が、その全体で示されている。各熱および質量移動システム構成要素の設計および側面、ならびに例示的な全体的吸収冷却および/または加熱アセンブリに関するその動作を、以下でさらに詳細に説明する。
【0049】
種々の実施形態によれば、シム102、104は、鋼鉄または他の熱伝導性金属、セラミック、プラスチック(低温用途において)、および当業者に思い付くような他の同様な材料から製造される。カバー板110、111は、結果として生じるカバー板が、動作中にアセンブリ10をともに担持するのに適切な強度および剛性特徴を有する限り、シムの材料と同様または異種の材料から製造される。シム102、104の中のマイクロチャネル(以下で論議される)は、概して、光化学エッチング過程または他のエッチング過程、リソグラフィ、シム製造中の型打または機械加工、または他の同様な微細切断技法を介して形成される。いったん製造されると、シム102、104およびカバー板110、111は、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動システム10を形成するように、拡散接合、ろう付け、または接着(低温用途において)を介してともに接合され、あるいは、ボルト締めまたは締め付けアセンブリを介して組み合わされ、あるいは、同様の接合または組立技法を介して別様に組み立てられる。
【0050】
図1に示されるように、熱または熱および質量移動システム10(吸収熱ポンプとして図1で示される)は、結合流体ライン120を通る従来の流体結合を介して、熱源130から入力熱を受容する。結合流体ラインは、熱または熱および質量移動装置の中または外に結合流体を輸送するように、カバー板110、111の穴122を介して装置10に取り付けられる。種々の実施形態によれば、穴122はまた、外部作業流体ライン(図示せず)を介して、1つの内部熱および質量移動構成要素から別の構成要素に作業流体を輸送するために使用することもできる。しかしながら、理解されるように、作業流体はまた、カバー板110、111またはシム102、104自体に組み込まれた接続部を介して、アセンブリ10内の熱および質量移動構成要素の間で移動させられてもよい。理解されるように、外部加熱および冷却は、全ての実施形態において、必ずしも温水結合を介して供給されるわけではなく、特定の実施形態に応じて、高温ガス流、例えば、煙道ガス流、凝縮蒸気、または他の高温凝縮流体、または外部加熱された固体伝導性ヒータ、または何らかの他の同様の技法を介して供給されてもよい。加えて、図1に示された装置10の実施形態は、熱源130から熱を受容し、加熱出力140および/または冷却出力150を消去し、本システムの実施形態は、当業者に思い付くような種々の加熱および/または冷却機能を果たすように設計することができる。
【0051】
図1に記載されるように、熱源130の実施例は、燃料の燃焼、自動車排出ガス、エンジン冷却剤、船舶用機関熱、軍艦用ガスタービン熱、ディーゼル機関熱、または、化学過程、金属加工、食品加工、および種々の他の製造過程からの熱を含む。前述のように、熱源は、熱エネルギーに由来する。加熱出力140の実施例(すなわち、システムによって排出される熱の用途および利用)は、暖房(例えば、家庭またはオフィス暖房)、水の加熱、および乾燥を含む。冷却出力150の実施例(すなわち、システムによって排出される冷却の用途および利用)は、建物または自動車の空調、除湿、水の冷蔵、冷凍、電子機器の冷却、装着型冷却用途(例えば、消防士のユニフォームにおける冷却システム)、薬物保管、および食品保存を含む。理解および認識されるように、潜在的な加熱源、ならびに加熱および冷却出力(用途)の一覧は、例示的な目的のみで提供され、本開示または本明細書で説明される実施形態の範囲を限定することを目的としない。
【0052】
図2は、シム群108の中のシム102、104を介して形成された熱および質量移動システム構成要素の一部分を表示するように装置10から除去されたカバー板110、111の一部を図示する切断域202を伴う、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置10の実施形態を示す。シム群108の複数部分も、本システムの例示的な実施形態の内部動作および幾何学形状をさらに図示するように除去されたものとして示されている。示されるように、図2の実施形態は、図示されたシステム実施形態のより容易な視認を促進するように、結合流体ライン120を含まない。
【0053】
図2に示されるように、例示的な装置10は、概して、長方形の角柱形状を備え、L×H×W(すなわち、長さ×高さ×幅)の寸法を有する。しかしながら、理解されるように、他の実施形態によれば、必要に応じて他のシステム形状が使用される。前述のように、本システムの実施形態は、概して、従来の熱および質量移動システム(例えば、従来の吸収熱ポンプおよび他の関連システム)と比較して、サイズがはるかに小さいマイクロスケールのシステムを備える。しかしながら、理解されるように、本装置10の実施形態は、事実上あらゆる用途に適するように縮小拡大することができる。例えば、1つの具体的な例示的実施形態(以下でさらに詳細に説明される)は、それぞれ200×200×34mm3のL×H×W寸法を含む。しかしながら、特定の用途の必要冷却および加熱負荷に応じて、さらに小さい実施形態(例えば、120×120×25mm3以下)が使用される。加えて、個別シムの厚さ(すなわち、幅)も可変であるが、0.5mmの例示的な厚さが、本明細書で説明される例示的実施形態と関連付けられる。
【0054】
代替として、サイズが相対的に重要でない要因であり、より大きい加熱および冷却負荷および容量が必要とされる用途では、本システムの実施形態は、利用可能な保管空間および製造制約のみによって限定される、大規模装置に拡大することができる。さらに、種々の実施形態によれば、個々の熱および質量移動システム構成要素は、全体的なシステム設計におけるモジュール性(図17と併せて以下でより詳細に説明される)を可能にするように、全体的なアセンブリ10から除去される(すなわち、シムが、複数の構成要素の代わりに、単数の熱および質量移動構成要素を画定する)。
【0055】
図3は、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置10の例示的な完全に組み立てられた実施形態を示す。図3に示された装置は、シム群108の中の全ての含まれたシム102、104と、カバー板110、111とが、ともに接合されている(例えば、拡散接合、ろう付け等を介して)、または別様に組み合わせられている、システムを表す。示されるように、装置の中または外へ熱および冷却を移動させる結合流体のみが、結合流体ライン120を介して装置10に進入または退出しているように、示された特定の実施形態に対する全ての随意的な穴122が、カバー板110、111から除去されている。図3に示された装置10は、全ての作業流体を内部に移動させる(すなわち、カバー板110、111、またはシム102、104自体の中の接続部またはチャネルを介して)、前述のような本システムの実施形態を表す。したがって、外部作業流体ラインを接続して、内部熱および質量移動システム構成要素の間で作業流体を移動させるための穴は、示された実施形態では不必要である。
【0056】
図3の結合流体ライン120は、装置10の中および外への例示的な結合流体流動を図示する。結合流体ライン120は、装置10に熱を供給するように熱源130を往復し、外部用途に熱を放出するように熱遮断(出力)140を往復し、および空調空間に冷却を移動させるように冷却出力150を往復して、結合流体を移動させる。しかしながら、前述のように、いくつかの実施形態では、熱入力は、結合流体ラインおよび結合流体介さずに、高温ガス流、伝導性ヒータ、または他の同様の技法を介して提供される。
【0057】
図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置10の分解斜視図を示す。図4Aは、カバー板110が装置の残りの部分から(すなわち、シム群108の中の組み合わされた複数のシム102、104ならびに装置の交互側のカバー板111から)除去されている、装置10の実施形態の斜視図を示す。示されるように、複数のシムの対(各シムの対はシムBに接合されたシムAを備え、各シムの詳細は以下でさらに詳細に説明される)が、シム群108を形成するように組み合わせられる。装置内に含まれるシムの対の数は、装置が使用される特定の用途に応じて(例えば、必要とされる加熱および冷却負荷、サイズ、および重量制約等に基づいて)変化する。
【0058】
理解されるように、より多くのシム(およびシムの対)がシム群108の中で組み合わせられにつれて、マイクロチャネルの対応する数が増加し、装置10内の各熱および質量移動システム構成要素の中のマイクロチャネルと関連付けられた熱的接触のための結果として生じる表面積も増加する(以下でより詳細に説明される)。したがって、より大きい冷却および/または加熱出力を必要とする用途には、より多数の(および/またはより大型の)シムの対が必要とされる。例えば、その最も基本的な実装では、1つのシムA102および1つのシムB104を備える、単一シムの対が、シム群108を形成して、所与の用途の必要な熱および質量移動機能を果たすのに適切であってもよい。他の実施形態では、数十、数百、またはより多くのシムの対が使用されてもよい。理解されるように、使用されるシムの数および全体的なシムおよび装置のサイズは、各特定システム実施形態の特定の使用および用途に依存する。
【0059】
依然として図4Aを参照すると、例示的なシム群108は、吸収冷却および/または加熱システムの熱および質量移動システム構成要素を画定する。示されるように、各熱および質量移動システム構成要素は、シム群108の中の各構成要素の特徴および幾何学形状を画定する、複数の積層された、または組み合わされたシムの対によって形成される。これらの熱および質量移動構成要素ならびに各構成要素の内側および間の流体移動の詳細は、以下でさらに詳細に説明する。
【0060】
図4Bは、カバー板110、111がシム群108から分離されている、装置10の実施形態の斜視分解図を示す。示された実施形態では、穴122の配設は、2つのカバー板110、111のそれぞれについて異なる。この穴配設の違いは、装置10の両側の種々の結合流体ラインおよび作業流体ラインに対する取付点の違いに起因する。前述のように、本装置の種々の実施形態は、作業流体が内部熱および質量移動構成要素の間で(例えば、カバー板の中の接続部またはチャネルを通して、または外部作業流体ライン等を介して)移動させられる方式に応じて、また、装置を往復して加熱および冷却を提供および受容するために、結合がどのように使用されるか、および結合が使用されるかどうかに等に応じて、穴122の様々な数および位置を含む。
【0061】
図4Cは、カバー板110、111がシム群108’から分離され、単一のシムA102がシム群108’から分離されている、装置10の実施形態の斜視分解図を示す。複数のシムAのうちの1つがシム群から分離されていることを除いて、シム群108’は、図4Aおよび4Bで以前に示されたシム群108と同様である。図4Dは、カバー板110、111がシム群108”から分離され、単一のシムA102および単一のシムB104シム群108”から分離されている、装置10の実施形態の斜視分解図を示す。複数のシムBのうちの1つがシム群から分離されていることを除いて、シム群108”は、図4Cで以前に示されたシム群108’と同様である。前述のように、シムAおよびBはともに、シムの対を形成する。したがって、シム群108”は、複数のシムの対を備えるが、シム群108(図4Aおよび4Bに示される)と比較して、シムの対が1つ少ない。また、前述のように、装置10が完全に組み立てられると、シム102、104およびカバー板110、111は、吸収冷却および/または加熱システム、または何らかの他の同様な熱および/または質量移動デバイスの必要な熱および質量移動構成要素を画定するように、ともに接合されるか、または別様に組み合わせられる。
【0062】
図5は、本熱または熱および質量移動装置10の一実施形態による、内部熱および質量移動システム構成要素ならびに構成要素間の流体流動の概略機能図500を図示する。例示的な装置10の中の熱および質量移動構成要素の基本的機能および過程が、図5に関して示され、説明されている一方で、シム102、104によって画定されるような、これらの構成要素の例示的な構造および幾何学形状は、以下で後続の図に関してより詳細に示され、説明される。示された例示的な実施形態では、システムは、冷却モードで単一効果のアンモニア−水(すなわち、作業流体)吸収熱ポンプとして動作するために配設される。しかしながら、理解されるように、種々の実施形態によれば、以下でより詳細に説明されるように、種々の種類の作業流体および多構成要素流体(例えば、臭化リチウム−水)を利用した、二重効果、三重効果、および他の多重効果システム等の他の配設が使用される。加えて、図5に示されたシステムの軽微な修正が、加熱モード動作を可能にする(同様に以下でより詳細に説明される)。
【0063】
図5の概略図500を参照すると、熱源130、熱遮断のための外気140、および空調空間150を、作業流体対(例えば、アンモニア−水)を運ぶ装置10内の内部熱および質量移動構成要素に接続するために、流体結合が使用される。示されるように、システムの高い側の圧力で溶液ポンプ502から退出する濃縮アンモニア水溶液(すなわち、作業流体)は、流体ライン504によって回復溶解熱交換器800に運ばれる。回復溶解熱交換器800の中の回復加熱時に、アンモニア水溶液はさらに、流体ライン506を介して脱着器構成要素1100へ進み、そこで、アンモニア−水蒸気混合物がアンモニア水溶液から脱着させられる。アンモニア水溶液(すなわち、希釈溶液)は、流体ライン508によって脱着器から退出し、前述の回復溶解熱交換器800へと流れる。希釈溶液は、回復溶解熱交換器800の中で冷却され、後に、溶液膨張弁512に運ぶ流体ライン510を通って退出する。
【0064】
システムの低い側の圧力へと膨張弁512の中で膨張すると、ライン514から退出する希釈溶液は、吸収体構成要素1500に進入し、そこで構成要素は、ライン516を通って回復冷媒熱交換器1300に到着する冷媒(すなわち、アンモニア)蒸気を吸収する(以下でさらに詳細に説明される)。示されるように、鎖線(例えば、線516)が作業流体の蒸気相を表す一方で、実線(例えば、線510)は液相を表す。本明細書で参照されるように、および当技術分野で理解されるように、アンモニア−水作業流体を説明する時、「アンモニア」は、「冷媒」と略同義であり、「水」は、「吸収剤」と略同義である(しかし、理解されるように、相対的に最小量または微量の水が存在する場合があるため、冷媒は純アンモニアを含まない場合があり、逆もまた同様である)。代替として、臭化リチウム−水作業流体を説明する時、「臭化リチウム」は、「吸収剤」と略同義であり、「水」は、「冷媒」と再び略同義である。これらの用語は、任意の冷媒−吸収剤作業流体対に適用可能であるものとして、当技術分野で理解される。
【0065】
依然として図5を参照すると、吸収体1500の中で希釈溶液によって排除された吸収熱は、最終的に外気(例えば、加熱出力140)へと熱を排除する、中温結合流体ライン518によって除去される。吸収体1500の中での希釈溶液への冷媒蒸気の吸収時に、結果として生じる濃縮アンモニア水溶液は、吸収体から出て流体ライン520を通って前述の溶液ポンプ502に進み、そこで再び(前述の)回復溶解熱交換器800に送出される。
【0066】
脱着器1100の論議に戻ると、脱着熱は、システムを駆動する熱源130に接続される高温熱移動流体ライン522(すなわち、熱源との流体結合)によって、脱着器に伝えられる。(前述の)脱着器構成要素1100から出て行くアンモニア水蒸気は、精留器構成要素1150に進入し、冷却流体ライン524が、アンモニア水蒸気をより高濃度のアンモニアに精留するために採用される。示されるように、精留器1150および脱着器1100は、単一の構成要素に組み合わせられるが、理解されるように、これらの構成要素は、種々の実施形態によれば、所望に応じて分離されてもよい。特定の実施形態に応じて、冷却流体ライン524で採用される冷却流体は、中温温水流体、または溶液ポンプ502から退出する濃縮溶液、または特定のシステムおよび条件に応じた何らかの他の流体である。
【0067】
精留器1150からの還流アンモニア水溶液は、脱着器1100に戻り、そこで(前述の)流体ライン508を通して消去される。精留器1150から退出する高濃度アンモニア(すなわち、冷媒)蒸気は、流体ライン526を介して凝縮器構成要素1200に伝えられる。凝縮器1200では、濃縮アンモニア蒸気が凝縮され、最終的に凝縮熱を外気(例えば、熱遮断140)に排除する中温温水流体ライン528によって液体冷媒(すなわち、アンモニア)に補助冷却される。例えば、流体ライン530を通って凝縮器1200から出て行く液体冷媒が前述の回復冷媒熱交換器1300に進入し、そこで、(以下で説明される)蒸発器構成要素1400から退出する蒸気相冷媒によってさらに冷却される。冷却された液体冷媒は、冷媒膨張弁534に冷媒を運ぶ流体ライン532を通って回復冷媒熱交換器1300から退出する。システムの低い側の圧力への膨張時に、結果として生じる二相冷媒混合物は、流体ライン536によって蒸発器構成要素1400に伝えられる。
【0068】
蒸発器構成要素1400では、二相冷媒混合物の蒸発が、ライン538を通る低温結合流体の冷却を達成する。流体ライン538は最終的に、所望の冷却(例えば、空間調整150)が達成される空調空間に(温水結合を介して)接続される。蒸気した冷媒は、ライン540を通って蒸発器1400から退出し、前述の回復冷媒熱交換器1300へと流れ、そこで、凝縮器1200から退出し、ライン530を通って回復冷媒熱交換器1300に進入する液体(高圧)冷媒用の冷却剤としての機能を果たす。加熱した冷媒蒸気は、ライン516を通って回復冷媒熱交換器1300から退出し、(前述のような)吸収体構成要素1500へと流れてサイクルを完了する。
【0069】
前述のように、図5に示されたシステムの軽微な修正が、(示されるような冷却モードとは対照的に)加熱モード動作を可能にする。例えば、蒸発器1400の低温流体ライン538を空調空間とは対照的な屋外の外気に結合し、凝縮器1200および吸収体1500の中温流体ライン528、518を熱遮断のための屋外の外気とは対照的な空調空間に結合することにより、装置10のアセンブリまたは構成要素を変更することなく、加熱モード動作を可能にする。理解および認識されるように、熱および質量移動システム構成要素と外部加熱および冷却源との間の接続部の種々の配設は、本システムの実施形態の種々の動作モードを可能にする。
【0070】
また、前述のように、図5は、本発明の一実施形態による、単一効果システムを図示する。しかしながら、種々の他の実施形態によれば、他の種々の種類の作業流体および多構成要素流体(例えば、臭化リチウム−水)を利用した、二重効果、三重効果、および他の多重効果システム等の、(単一効果配設とは対照的な)他の配設が使用される。図5に示されたものと同様に構成される付加的な回復構成要素は、多重効果および他の先進的熱ポンプの熱力学サイクル動作を達成する。したがって、例えば、二重効果動作は、精留器1150および凝縮器1200を通って流れる前に、本実施形態で示された脱着器1100から退出する蒸気から熱を回復回収することによって付加的な冷媒を生成する、第2効果脱着器を含むことによって、高温熱源を伴う用途のために達成される。付加的な実施例は、図5の単一効果実施形態に示された、専ら温水で冷却された吸収体の代わりに、溶液で冷却された吸収体および温水で冷却された吸収体の組み合わせを含む。他の同様な回復熱交換構成要素を備える、さらなる実施形態は、発生器−吸収体−熱交換(GAX)熱ポンプ構成を生じる。理解されるように、相対的に高い熱源入力温度が使用される実施形態では、付加的な回復熱交換構成要素または熱および質量移動構成要素の包含を通して、(同じ入力温度を使用する単一効果システムと比較して)より優れた加熱または冷却効果が達成される。
【0071】
図6Aおよび6Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムA102およびシムB104の例示的表現を図示する斜視図である。シム102、104は、本明細書で説明されるような例示的な吸収熱ポンプの特定の熱および質量移動機能を果たす、熱および質量移動システム構成要素の配設を図示する。前述のように、一実施形態によれば、シムAおよびBは、シムの対を形成するように組み合わされ、複数のシムの対は、シム群108を形成するようにさらに組み合わされる。シム群108を備えるために使用されるシムの対の数は、概して、各特定用途の所望の冷却または加熱負荷に依存している。さらに、以下でさらに詳細に説明されるように、シムA102およびB104のある特徴(例えば、マイクロチャネル、マイクロスケール通路、および他の流体接続ラインの数および配設)が同様または同一である一方で、他の特徴は異なる。この違いは、概して、一方の種類のシム(例えば、シムA)が装置10の実施形態の全体を通して作業流体を伝える一方で、他方の種類のシム(例えば、シムB)は装置の全体を通して結合流体を伝えるという概念に対応する(しかし、これは、本システムの各実施形態、または特定の実施形態内の各熱および質量移動構成要素にとって必ずしもそうではない)。例示的なシムAおよびBを通る具体的な流体流動は、以下でさらに詳細に説明する。
【0072】
依然として図6Aおよび6Bを参照すると、図5で示され、以前に論議された例示的な熱および質量移動システム構成要素が、例示的なシム102、104の中で配設されて示されている(または具体的には、シムAおよびBによって画定される熱交換構成要素の個々の層が示されている)。示されるように、例示的な吸収冷却および/または加熱システムを構成する、各離散熱および質量移動システム構成要素は、各シム102、104によって形成され、かつ各シム102、104の一部である。具体的には、図5(および本明細書の他の部分)と併せて以前に説明された個々の機能を果たすための、回復溶解熱交換器800、脱着器1100、精留器1150、凝縮器1200、回復冷媒熱交換器1300、蒸発器1400、および吸収体1500の個々の層が、それぞれ、図6Aおよび6Bで、シムA102およびB104の各々の中で表されている。
【0073】
前述のように、いくつかの熱および質量移動構成要素について、シムB104と比較したシムA102の特徴(例えば、マイクロチャネル配設等)は、各個別熱および質量移動構成要素内で変化する。一実施形態によれば、これらの違いは、所望の流体流動と、その中で熱を交換する作業流体と結合流体との間の熱移動機能とを可能にする(例えば、一方のシムの種類が作業流体を運ぶ一方で、他方のシムの種類は結合流体を運ぶ)。これらの違いは、以下および後続の図でさらに詳細に示され、説明される。具体的には、必要な熱移動機能を達成するように内部シムの違いを含む、熱および質量移動構成要素は、回復溶解熱交換器800a、800b、凝縮器1200a、1200b、回復冷媒熱交換器1300a、1300b、蒸発器1400a、1400b、および吸収体1500a、1500bである。
【0074】
代替として、脱着器1100および精留器1150に対するシムAおよびBの各々の内側の特徴は、相互と比較して同じである(例えば、マイクロチャネルおよび他のマイクロスケールの通路の配設が同様である)。これらの熱交換構成要素の機能、内部シム特徴の配設、およびシム内の流体流動に基づいて、シム特徴の異種配設は、(一実施形態では)これらのシムの種類にとって必要ではない。したがって、シムA102およびB104は、シムの脱着器1100a、1100b、および精留器1150a、1150b部分について示された例示的な実施形態にとって同一である。
【0075】
加えて、各シムA102およびB104の中の整合切り欠き602および604が、シムの穴を提供して、各熱移動装置内で所望に応じて、複数のシムの対およびカバー板110、111の正確な整合、組立、および連結を促進する。示されるように、例示的な切り欠き602および604は、全体的なアセンブリ内でシムの容易な連結および整合を可能にするように(例えば、シムがシステム組立中に偶発的に反転されないように)、相互と比較して様々な断面を有する(すなわち、切り欠き602が円形である一方で、切り欠き604は正方形である)。理解されるように、特定の実施形態に応じて、切り欠き602、604は、事実上あらゆる断面形状を画定し、いくつかの実施形態では、完全に不必要であり、したがって含まれない。
【0076】
図7Aおよび7Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムA102およびシムB104の例示的表現を図示する正面図である。図7Aおよび7Bは、本質的に、図6Aおよび6Bと併せて以前に示され、説明されているような複数のシムAおよびBによって画定される、熱および質量移動システム構成要素の層の正面図を図示する。したがって、例示的なマイクロスケールの吸収熱ポンプの中の熱および質量移動システム構成要素のそれぞれ、具体的には、回復溶解熱交換器800a、800b、脱着器1100a、1100b、精留器1150a、1150b、凝縮器1200a、1200b、回復冷媒熱交換器1300a、1300b、蒸発器1400a、1400b、および吸収体1500a、1500bが示されている。
【0077】
また、図7Aおよび7Bでは、システム内の個々の熱および質量移動構成要素内で、流体流動および結果として生じる熱移動を可能にする、マイクロチャネル702も示されている。理解および認識されるように、これらのマイクロチャネル702は、本装置の種々の実施形態によれば、様々な寸法を備え、様々な数で含まれる。本明細書で説明される1つの例示的な実施形態によれば、これらのマイクロチャネルは、シムの厚さ(例えば、0.25mm)の約半分のチャネルエッチ深度、約0.5mmのチャネル幅、および約306μmの公称チャネル水力直径を備える、寸法を有する。しかしながら、再度、これらのマイクロチャネル寸法は、例示目的のみで提供され、決して本発明の範囲を限定することを目的としない。代表的な寸法およびマイクロチャネル断面は、例示的なシステム実施形態と関連する図20および21と併せて以下でさらに詳細に示され、説明される。
【0078】
用語集に記載のように、例えば、たとえ例示的な実施形態が306μmの水力直径を備えるマイクロチャネルを利用しても、マイクロチャネル流体流動、ならびに熱および質量移動現象は、1μm乃至約1mm(以上)に及ぶ水力直径を伴うチャネルで利用されてもよい。実際に、異なる流体および流体混合物に対する異なる圧力および温度で、これらのチャネルの中での、流体特性および動作条件、対応する蒸気泡形成現象および臨界気泡直径、ならびに、表面張力、重力、および慣性力の様々な効果に応じて、チャネルは、最大約3mmさえもある、多少大きい水力直径で、マイクロチャネルに特有の流体流動および熱移動現象を示してもよい。
【0079】
さらに、一実施形態では、マイクロチャネルサイズは、システムの中の各熱および質量移動システム構成要素の全体を通して同じである(例えば、306μmの水力直径)。他の実施形態では、マイクロチャネル寸法は、構成要素ごとに変化する(例えば、吸収体1500の中のマイクロチャネルは、凝縮器1200の中のマイクロチャネルとは異なる寸法を備えてもよい)。加えて、さらに他の実施形態では、マイクロチャネル寸法は、同じ熱および質量移動構成要素内でさえも、シムB104と比較してシムA102について変化してもよい。理解および認識されるように、種々のシステム実施形態によれば、種々のマイクロチャネル寸法が、必要に応じて使用される。
【0080】
加えて、種々の実施形態によれば、マイクロチャネルは、光化学エッチング、型打、切断、または他の機械加工技法を介して形成される。さらに、シムの中のマイクロチャネルの断面形状は、必要に応じて、単相または二相状態の流体流動を可能にするように、実施形態に応じて、正方形、長方形、半円形、半楕円形、三角形、または他の単独で接続された断面を備え、マイクロスケールの断面形状および寸法は、熱および質量移動要件、動作圧力、組み立てられた装置の構造強度、寸法交差ならびにシムおよびカバー板の接合に対する製造制約、および他の用途特有の要因に基づいて決定される。
【0081】
(離散した例示的な熱および質量移動システム構成要素の考察)
説明されるように、本システムの実施形態は、概して、マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムあるいは熱駆動サイクル装置を備える。より具体的には、例示的な実施形態は、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器、吸収体、および他の同様の構成要素等の、離散的であるが統合した熱および質量移動システム構成要素を含む、単体でマイクロスケールの吸収加熱および/または冷却装置を備える。これらの離散構成要素の特定の構造および機能、ならびに本システムの例示的な実施形態(例えば、吸収熱ポンプ)によって表されるような構成要素間の動作接続は、以下でさらに詳細に説明される。
【0082】
(回復溶解熱交換器)
図8Aおよび8Bは、本装置10の実施形態による、回復溶解熱交換器800と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ示す。示されるように、希釈アンモニア水溶液は、ともに組み合わせられた複数のシム(図10Aおよび10Bと併せてより詳細に示され、説明される)によって形成される空隙802(本明細書では「積層空隙」とも呼ばれる)を通って、入口ヘッダにおいて装置(具体的には回復溶解熱交換器800)に進入する。以下で説明されるように、空隙802(およびシステム空隙)は、システム内の個々の熱および質量移動構成要素またはマイクロチャネルの中または外への流体流動を可能にし、また、特定のシムの中または外への流動も許容または制限する。
【0083】
希釈アンモニア水溶液は、溶液ポンプ502から外部管類(図示せず)を介して回復溶解熱交換器800に進入する(概して吸収体1500から開始される)。図8Aに示された例示的な実施形態では、シムA102の平面内で、空隙802aは、流体がシムを横断して流れることを可能にしない止まり穴を備える。しかしながら、図8Bに示されたシムB104の平面内で、空隙802bは、シムA102の中の同様のマイクロチャネル(希釈アンモニア水溶液とは逆流の配向で脱着器1100から受容される濃縮アンモニア水溶液を運ぶ)と熱的接触している複数のマイクロチャネル702の中へ、希釈アンモニア水溶液が分配されることを可能にする、流体分配通路804への入口を含む。シムBの中の複数のマイクロスケールチャネル702を通って流れると、希釈溶液は、入口における分配通路804と構造が同様である出口通路806を通って退出する。通路806は、積層シムA102およびB104のアセンブリによって形成される空隙808a、808bに希釈溶液を運び、この空隙は、希釈溶液のための出口ヘッダとしての機能を果たす(希釈溶液は、後に溶液膨張弁512に伝えられる)。
【0084】
依然として図8Aおよび8Bを参照すると、濃縮アンモニア水溶液は、それぞれ、シムA102およびB104の中の交互空隙810aおよび810bの積層アセンブリを通して、回復溶解熱交換器800に進入する。示された実施形態によれば、希釈溶液を受容する空隙802a、802bを補完する配設において、シムB上の空隙810bは、流体がシムを横断して流れることを可能にしない止まり穴を備える。しかしながら、シムA上の対応する空隙810aは、分配された濃縮溶液が、空隙810aからマイクロスケール通路702の中へ流れることを可能にする。マイクロスケール通路702から退出すると、濃縮溶液は、空隙812aに進入し、交互積層空隙812a、812bによって形成される出口ヘッダを通って溶解熱交換器から退出し、そこで後に脱着器1100へと伝えられる。
【0085】
図9Aおよび9Bは、本装置10の実施形態による、回復溶解熱交換器800と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の拡大斜視図をそれぞれ示す(すなわち、これらの図は図8Aおよび8Bの拡大図である)。図9Aおよび9Bは、それぞれ、希釈溶液のためのシムAおよびB上の入口空隙802aおよび802bの配設、ならびに空隙802bからシムBの中の複数のマイクロスケールチャネル702に希釈溶液を運ぶための流体通路804をさらに詳細に図示する。また、濃縮(アンモニア−水)溶液を運ぶためのシムAの中の対応する複数のマイクロスケールチャネル702、および回復溶解熱交換器800の外へ濃縮溶液を移動させるための出口空隙812aおよび812bも示されている。
【0086】
図9Bに示されるように、分配通路804は、長方形の均一な断面を含む。しかしながら、他の実施形態では、シムB104の中のマイクロチャネル702を通る均一な流動分配を確保することが必要な場合、この断面は、分配通路804の中ならびにマイクロチャネル702の中で流圧降下をより良好に管理するように、流体が流れる方向に対して先細りであり、これは改善した流体分配につながる。種々の実施形態によれば、シムA102およびB104の中のマイクロチャネル702の断面は、それぞれ、各特定用途に対する所望の流速および熱移動速度に基づいて、正方形、長方形、半円形、半楕円形、三角形、または他の同様な単独で接続された形状を備える。さらに、シムAおよびB上のマイクロチャネル702の断面は、必ずしも同じではなく、(それぞれシムAおよびB上の)2組の通路が、その中を流れる希釈および濃縮溶液流の異なる流速および熱容量に適応するために、異なるマイクロスケール通路の幾何学形状を採用することができ、熱抵抗のより良好な合致をもたらす。
【0087】
本システムの種々の実施形態によれば、回復溶解熱交換器800、ならびに本明細書で説明される装置の他の熱および質量移動システム構成要素と関連付けられる、空隙802a、802b、812a、812b、および他の空隙は、特定の実施形態による所望または必要に応じて、様々な断面を備える。例えば、空隙812が、正方形の断面を備える一方で、空隙802は、図9Aおよび9Bに示された実施形態については円形の断面を備える。しかしながら、他の実施形態によれば、長方形および他の同様な断面等の、他の形状が利用される。一実施形態では、圧力抵抗を低減する(しかし同時にマイクロチャネルが同一の流動長を有することを確実にする)よう、「D」の直線部分がマイクロチャネルの入口に沿って整合されるように、D字型空隙が使用される。
【0088】
以前に簡潔に論議されているように、図10Aおよび10Bは、本装置10の実施形態による、回復溶解熱交換器800と関連付けられた、複数の積層シムA102およびシムB104の複数部分の拡大斜視図を図示する。示されるように、図10Aの最上シムが代表的なシムA102である一方で、図10Bの最上シムは代表的なシムB104である。図10Aおよび10Bに示された複数の積層シムは、空隙802と分配通路804との間、ならびに空隙812とマイクロチャネル702との間の動作接続を詳細に図示する。前述のように、シムB上の通路804の幾何学形状は、溶液が空隙802からシムBの中へ入ることを可能にする。加えて、シムA上のマイクロチャネル702は、溶液がマイクロチャネルから空隙812に移ることを可能にする。また、示されるように、シムAが分配通路804を含まないため、溶液は空隙802からシムAに流入することを制限される。さらに、シムBが空隙812へのマイクロチャネル接続を含まないため、溶液はシムBからこの空隙812の中または外へ移ることを制限される。理解および認識されるように、他の同様な通路、空隙、およびマイクロチャネル配設が、以下でさらに詳細に説明されるように、本システムの実施形態内の他の熱および質量移動構成要素で利用される。
【0089】
(脱着器/精留器)
図11Aおよび11Bは、本装置10の実施形態による、脱着器1100および精留器1150と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。前述のように、脱着器1100に対する特徴、通路の配設等は、シムBと比較して、シムAについて同じである。同様に、精留器1150に対する特徴、通路の配設等は、シムBと比較して、シムAについて同じである。したがって、図11Aおよび11Bに示された実施形態の表現は同一である。しかしながら、理解および認識されるように、本システムの代替実施形態は、シムAおよびBの中のマイクロスケール特徴の配設が同じである必要がないように、(本明細書で説明される他の熱および質量移動構成要素と同様に)交互または逆流マイクロスケール通路を利用する。
【0090】
図11Aおよび11Bに示された脱着器1100の実施形態を参照すると、濃縮アンモニア水溶液は、複数のシムの対AおよびBによって画定される積層空隙によって形成される入口ヘッダ1102を介して、回復溶解熱交換器800から脱着器に進入する。次いで、濃縮溶液は、シムAおよびB上の複数の通路1104に進入し、溶液がこれらの通路を通って流れるにつれて、(空隙1106を介して)外部熱源によって加熱され、したがって、アンモニア−水冷媒蒸気および希釈アンモニア水溶液を産生する。示されるように、外部熱源は、それぞれ、シムAおよびBの中の複数の空隙1106を通して、濃縮溶液に提供される。種々の実施形態によれば、熱源からの熱は、高温ガス流、例えば、煙道ガス流、凝縮蒸気、または他の高圧凝縮流体、または外部加熱された固体伝導性ヒータ、または外部熱源に結合された熱移動結合流体、または他の同様の技法によって、空隙1106を通して提供される。図11Aおよび11Bの実施形態に示された、通路1104の中の濃縮アンモニア水溶液と空隙1106の中の外部熱源との間の交流配向は、この流れに対する1つの可能な構成にすぎない。例えば、代替実施形態では、図11Aおよび11Bに示されるようなシムの垂直配向とは対照的に、対応する溶液通路1104と平行にシムAおよびBの中の空隙1106を配向させることによって、アンモニア水溶液と外部熱源との間の逆流配向が提供される。
【0091】
入口ヘッダ1102付近のシムAおよびBの中のスロット空隙1110は、外部熱が濃縮溶液に最大限に適用されるように、回復溶解熱交換器構成要素800と脱着器熱源空隙1106との間に熱的隔離を提供する。他の実施形態および側面によれば、高温および低温で維持されるべき熱交換構成要素の間で熱的分離を達成するために、本システムの全体を通した種々の位置で同様の空隙が使用される。脱着器通路1104から退出する希釈アンモニア水溶液およびアンモニア−水蒸気混合物は、複数のシムの対AおよびBによって画定される積層空隙によって形成される脱着器出口ヘッダ1108の中に集合し、後に、精留器1150に流入する。
【0092】
概して、脱着器出口ヘッダ1108からのアンモニア水蒸気は、シムAおよびB上の精留器トレイ1112によって形成される精留器蒸気空間1122に流入する。蒸気が精留器1150に沿って進むにつれて、蒸気空間チャンバ1122の側壁に沿った通路1116を通ってアンモニア−水蒸気へと逆流配向で流れる結合流体による冷却は、蒸気の精留を達成する。特定の実施形態に応じて、この結合流体は、(前述の)溶液ポンプ502から退出する中温結合流体または濃縮アンモニア水溶液を含む。結合流体は、シムAおよびBの中の積層空隙1118によって形成される入口ヘッダにおいてアセンブリ10に進入し、シムAおよびBの中の積層空隙1120によって形成される出口ヘッダから退出する。精留過程中、還流液体(すなわち、希釈アンモニア水溶液)は、トレイ1112の中に集合し、脱着器出口ヘッダ1108の中へ再び流入し、そこで、脱着器から退出する前に、その中で希釈アンモニア水溶液と混合する。一実施形態によれば、希釈アンモニア水溶液は、カバー板の穴(図示せず)を通って脱着器出口ヘッダ1108から退出する。精留された高濃度アンモニア水蒸気は、シムAおよびBの中の積層空隙1114によって形成される蒸気出口ヘッダを通って、精留器蒸気空間1122から退出し、後に、凝縮器1200に移動させられる。
【0093】
一実施形態によれば、シムAおよびBの中の通路1116を介して積層空隙1118および1120の間を流れる結合流体は、強制対流である。一方で、アンモニア−水蒸気が精留器1150を通過して精留されるにつれて、還流液体は、精留器に戻り、出口ヘッダ1108において集合する。精留器1150内のこの蒸気および還流液体の逆流は、希釈アンモニア水溶液からの蒸気の精留をさらに向上させる、(結合流体側の強制対流とは違った)重力/浮力駆動流を含む。本システムの種々の実施形態に組み込まれるシム、通路、およびマイクロチャネルの幾何学形状により可能である、様々な幾何学形状は、熱または熱および質量移動システムの実施形態において、精留器1150および脱着器1100等の種々の熱および質量移動システム構成要素の中で、所望に応じて、異なる流体流について共流および逆流の強制対流および重力/浮力駆動流の組み合わせを可能にする。理解および認識されるように、この流れが発生するために、全体的なシステム10は、精留器1150が脱着器1100より上側で垂直に整合されるように配向されるべきである。したがって、例えば、使用中に、本明細書で説明されるシステムの実施形態は、相対的に平坦な配設(図4A−4D等に示されるような)ではなく、図1、2等に示されたものと同様に配向されるべきである。
【0094】
(凝縮器)
図12Aおよび12Bは、本装置10の実施形態による、凝縮器1200と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。凝縮器の構造および幾何学形状は、図8Aおよび8Bと併せて以前に論議されている回復溶解熱交換器800と相対的に同様である。示された実施形態では、中温結合流体は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1202a、1202bによって形成される入口ヘッダを通って、凝縮器1200に進入する。シムBの中の空隙1202bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への結合流体の分配流動を可能にする、通路1204につながる。結合流体は、これらのマイクロチャネル702を通過するにつれて、シムAの中のマイクロチャネルを通過する作業流体によって加熱される。次いで、加熱された結合流体は、それぞれシムAおよびB上の積層空隙1208a、1208bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1206へと流れ、中温温水流体ライン(例えば、外気に結合される)に戻される。
【0095】
示されるように、精留器1150からのアンモニア−水蒸気は、それぞれシムA102およびB104の中の積層空隙1210a、1210bによって形成される入口ヘッダを通って、凝縮器構成要素1200に進入する。シムAの中の空隙1210aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる結合流体に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、凝縮蒸気の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。凝縮および補助冷却された冷媒液体は、シムAの中のマイクロスケールチャネル702から退出し、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1212a、1212bによって形成される出口ヘッダに流入する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、結合流体入口および出口通路1204、1206、および凝縮器1200に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0096】
(回復冷媒熱交換器)
図13Aおよび13Bは、本装置10の実施形態による、回復冷媒熱交換器1300と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。回復冷媒熱交換器の構造および幾何学形状は、図8Aおよび8Bと併せて以前に論議されている回復溶解熱交換器800と相対的に同様である。示された実施形態では、凝縮器1200からの高圧液体冷媒(すなわち、アンモニア)は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1302a、1302bによって形成される入口ヘッダを通って、回復冷媒熱交換器に進入する。示されるように、シムBの中の空隙1302bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への液体冷媒の分配流動を可能にする、通路1304につながる。液体冷媒がシムB上のマイクロチャネルを通って流れるにつれて、液体冷媒は、シムAの中のマイクロチャネル702を通って同時に流れる低圧冷媒蒸気によって冷却される。後に、冷却された冷媒流体は、それぞれシムAおよびB上の積層空隙1308a、1308bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1306へと流れる。
【0097】
蒸発器1400からの低圧蒸気は、それぞれシムA102およびB104の中の積層空隙1310a、1310bによって形成される入口ヘッダを通って、回復冷媒熱交換器1300に進入する。シムAの中の空隙1310aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる高圧冷媒液に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、冷却剤としての低圧冷媒蒸気の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。冷媒蒸気は、マイクロスケール通路702から退出し、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1312a、1312bによって形成される出口ヘッダに流入する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、高圧冷媒液入口および出口通路1304、1306、および回復冷媒熱交換器1300に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0098】
(蒸発器)
図14Aおよび14Bは、本装置10の実施形態による、蒸発器1400と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。蒸発器の構造および幾何学形状は、図12Aおよび12Bと併せて以前に論議されている凝縮器1200と相対的に同様である。示された実施形態では、低温結合流体は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1402a、1402bによって形成される入口ヘッダを通って、蒸発器に進入する。シムBの中の空隙1402bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への液体冷媒の分配流動を可能にする、通路1404につながる。結合流体は、シムB上のマイクロチャネルを通って流れるにつれて、シムAの中のマイクロチャネル702を通って流れる(膨張弁534を介して回復冷媒熱交換器1300からの)アンモニア−水二相混合物によって冷却される。次いで、冷却された結合流体は、それぞれシムAおよびB上の積層空隙1408a、108bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1406へと流れ、後に、空調空間を冷却するため、または他の同様の用途に使用される。
【0099】
示されるように、膨張弁534から出て行く流体ライン536(図5および関連考察を参照)からのアンモニア−水二相混合物は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1410a、1410bによって形成される入口ヘッダを通って、蒸発器構成要素1400に進入する。シムAの中の空隙1410aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる結合流体に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、蒸発蒸気の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。蒸発した冷媒蒸気は、シムAの中のマイクロチャネルから退出し、それぞれシムAおよびBの中の空隙1412a、1412bによって形成される出口ヘッダに流入する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、結合流体入口および出口通路1404、1406、および蒸発器1400に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0100】
(吸収体)
図15Aおよび15Bは、本装置10の実施形態による、吸収体1500と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。示された実施形態では、中温結合流体は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1502a、1502bによって形成される入口ヘッダを通って、吸収体1500に進入する。シムBの中の空隙1502bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への結合流体の分配流動を可能にする、通路1504につながる。結合流体は、シムA上のマイクロチャネル702を通過する希釈アンモニア水溶液および冷媒蒸気との熱的接触を介して加熱される。次いで、加熱された結合流体は、それぞれシムAおよびB上の空隙1508a、1508bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1506へと流れる。
【0101】
示された実施形態では、溶液膨張弁512から出て行く流体ライン514(図5および関連考察を参照)からの希釈アンモニア水溶液は、それぞれシムAおよびBの中の空隙1510a、1510bによって形成される入口ヘッダを通って、吸収体構成要素1500に進入する。シムAの中の空隙1510aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる結合流体に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、希釈溶液および冷媒蒸気(以下で説明される混合物)の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。中温結合流体は、希釈溶液および冷媒蒸気混合物から吸収熱を除去し、それにより、シムAの中のマイクロチャネルの中で濃縮アンモニア水溶液を形成する。濃縮アンモニア水溶液は、マイクロチャネル702から退出し、それぞれシムAおよびBの中の空隙1512a、1512bによって形成される出口ヘッダに流入する。
【0102】
一実施形態によれば、回復冷媒熱交換器1300から出て行く流体ライン516(図5および関連考察を参照)からのアンモニア−水蒸気は、それぞれシムAおよびBの中の空隙1514a、1514bによって形成される入口ヘッダを通って、吸収体1500に進入する。シムBの中の空隙1514bは、シムAの蒸気入口穴1518を通して、シムAの中のマイクロチャネル702にアンモニア−水蒸気を供給する、通路1516につながる。入口穴1518の位置は、図15Aに示されており、図16Aでさらに詳細に示されている。
【0103】
示された実施形態によれば、蒸気入口穴1518を通して、シムA上のマイクロチャネルの中への流入アンモニア−水蒸気の進入を可能にする目的で、シムA上のマイクロチャネル702は、シムB上のマイクロチャネル702よりも、さらに入口ヘッダ1510aに向かって長く延在する。ヘッダ1510aを通ってシムA上のマイクロチャネル702に進入する希釈アンモニア水溶液と、入口穴1518を通ってこれらの同じマイクロチャネルに進入するアンモニア−水蒸気との混合二相流は、吸収時に、それぞれシムAおよびBの中の空隙1512a、1512bによって形成される出口ヘッダの中へ、濃縮溶液としてマイクロチャネルから退出する。理解されるように、蒸気は、強制対流に基づいて、入口穴1518を介してマイクロチャネル702に進入し、これはまた、希釈溶液が入口穴1518に流入することも防止する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、結合流体入口および出口通路1504、1506、1516、および吸収体1500に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0104】
図16Aおよび16Bは、本装置10の実施形態による、吸収体1500と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分それぞれの拡大斜視図である。具体的には、図16Aおよび16Bは、シムA102の中のマイクロチャネル702における蒸気入口穴1518の位置の一実施形態を図示する。示されるように、シムAの入口穴1518は、シムB通路1516に位置して、通路1516から流れる蒸気が、シムAの中のマイクロチャネル702に流入し、マイクロチャネルの中で希釈アンモニア水溶液と混合することを可能にする。理解および認識されるように、蒸気入口穴1518は、本システムの種々の実施形態によれば、種々の断面形状、面積、配設等を備える。
【0105】
(モジュール式構成要素を備える代替実施形態)
図17は、例示的な吸収冷却および/または加熱システムと関連付けられた、離散熱および質量移動システム構成要素を備える、本システムのモジュール式実施形態を図示する。図17に示された離散熱および質量移動構成要素は、以前に論議されている好ましい単体装置と典型的に関連するものよりも大きい冷却および/または加熱容量を伴う、吸収熱ポンプ(および/または他の熱または熱および質量移動システム)のモジュール式で万能な組立を促進する、離散構成要素ごとの組立において、例示的な吸収熱ポンプを画定する。回復溶解熱交換器800、脱着器1100、精留器1150、凝縮器1200、回復冷媒熱交換器1300、蒸発器1400、および吸収体1500を備える、熱および質量移動構成要素は、システム組立のための1つのレイアウトに従って配設された個々の熱および/または質量交換器として示されている。概して、これらの熱および質量移動構成要素のうちの各々のシステム構造、特徴、および機能は、前述のものと同様である。例えば、図17に示された各構成要素は、複数のシムの対を含むが、各シムは、各々の構成要素の個々の熱および質量移動機能を果たすために必要なマイクロスケール特徴しか含まない。
【0106】
不必要な散乱を回避するために、結合流体への流体ラインおよび接続等は、図17で示されていない。しかしながら、理解されるように、適宜に、構成要素内および/または間で作業流体および結合流体を移動させるように、流体接続ラインまたは他の通路がシステム実施形態に含まれるべきである。一実施形態によれば、個々の熱および質量移動構成要素が離散構成要素として形成されるが、全体的な加熱および/または冷却アセンブリは、必要であれば、一体パッケージに含有されてもよいように、図17に示された離散構成要素は、大型の絶縁ユニット等の統合構造に組み込まれる。
【0107】
(特定の例示的な実施形態の説明)
以下の考察は、本明細書で説明される本システムの特定の例示的な実施形態の詳細に関する。具体的には、以下では、説明された例示的な実施形態および同実施形態を作製する方法と関連する、計算、製造過程、設計詳細、寸法、特徴配設、例示的な作業流体および結合流体、および他の同様な詳細が説明される。理解および認識されるように、以下で説明される具体的実施形態および用途は、本システムの一実施形態にすぎず、決して、本開示の範囲、または本明細書で説明される本発明およびシステムを限定することを目的としない。
【0108】
具体的には、以下の考察は、マイクロチャネル熱および質量移動システム構成要素を利用する、小型化(すなわち、マイクロスケールの)単体吸収熱ポンプシステムの設計および製造を説明する。本システムの例示的な実施形態は、以下で概説される、仕様、パラメータ等に従って構築され、特定パラメータ下での例示的な実施形態について達成された性能結果を、以下に提供する。
【0109】
(製造技法)
例示的な装置を構築するために使用される製造技法は、複数のマイクロチャネル熱および質量移動構成要素または熱交換構成要素(すなわち、熱交換器)が、単一の単体構造で同時に製造されることを可能にするこの例示的な実施形態について、マイクロチャネル702が、最初に、湿式化学エッチング過程によって、ステンレス鋼シム102、104上に形成される。次いで、シムは、全体的な装置10を形成するように、ともに拡散接合される。交互パターンで、異なるマイクロチャネル構成を伴うシムを配置することによって、各熱および質量移動構成要素の流体流は、密接に熱的接触できるようになる。マイクロチャネル製造過程の一実施形態によるステップは、以下でさらに詳細に概説される。
【0110】
(光化学エッチング)
図18は、本明細書で説明されるような例示的実施形態による、マイクロチャネル702を製造するための光化学エッチング過程の一実施形態と関連するステップを図示する。理解および認識されるように、他の過程および製造技法が、以前に説明されているようなマイクロチャネルを製造するために使用されてもよい。光化学エッチング過程は、表面上のあらゆる油、油脂、金属作業流体、または他の汚染物質を除去するように、ステンレス鋼シム102、104を清浄することから始まる。次いで、シムは、金属の表面上のあらゆる薄い酸化膜または酸化物を除去するように、塩酸で清浄される。
【0111】
次いで、感光性材料(フォトレジスト)が、所与のシム102、104の両側に塗布される。例示的な装置の生産で使用されるフォトレジスト材料は、ドライフィルムネガレジストである。紫外線光に曝露されるレジストの複数部分は、硬化し、エッチング過程中に下層の鋼鉄を保護する。
【0112】
必要な流路(すなわち、マイクロチャネル)の像を含有するマスクが、2つのシム設計(すなわち、シムA102およびB104)の各々の両側に対して作成される。マスクは、エッチングされる領域を表す不透明部、およびフォトレジストがエッチング化学物質から基部を依然として保護するべきである領域を表す透明部を伴う、フィルムである。マスクは、シムの両側に載置され、鋼鉄の両側で特徴の合致を確保するように整合される。
【0113】
次いで、鋼鉄、フォトレジスト、およびマスクの配設は、フォトレジストを硬化するように紫外線光に曝露される。次いで、未硬化フォトレジストが発生過程で除去される。次いで、硬化フォトレジストを伴う金属がエッチング過程を通過させられ、塩化鉄溶液(すなわち、酸性溶液)がエッチング液として使用される。この酸性溶液は、露出した金属を除去し、鋼鉄にマイクロチャネルおよび穴を形成する。
【0114】
いったんシムがエッチング過程から除去されると、残りのフォトレジスト材料が同様に除去される。エッチング過程中、シムは、いくつかのタブによって過程シートに接続されたままである。シムをシートにタブで取り付けられたままにすることにより、一貫性のあるエッチングを確保する。フォトレジスト材料が除去された後、個々のシムが過程シートから除去される。フォトレジスト塗布およびエッチング過程は、概して、エッチング過程中に製造欠陥を引き起こし得る粉塵汚染の危険性を低減するように、清潔な部屋の中で行われる。
【0115】
(拡散接合)
本明細書で説明される例示的な実施形態では、拡散接合過程を使用してシムが連結される。理解されるように、シムは、前述のような種々の実施形態による他の接合または組み合わせ過程を介して、組み合わせられてもよい。拡散接合過程は、シム102、104の清浄および点検から始まり、シム材料上にバリまたは異物がないことを確実にする。シムは、無電解ニッケルめっき処理において、ニッケルめっきで被覆される。ニッケルめっきは、拡散接合過程中に気密シールを作成するのに役立つように塗布される。
【0116】
次いで、シム102、104およびカバー板110、111が、正しい順番で配設され(例えば、交互シムAおよびB)、シムの適正な整合が、慎重に監視される(例えば、前述の整合切り欠き602、604を介して)。それぞれ、前板110、終板111、およびシム群108の整合切り欠きに、2つのピンが挿入される。この特定の実施形態では、全てのシムおよび終板カバー板111はそれぞれ、少なくとも1つの整合切り欠きを有する。この整合スキームは、たとえ整合切り欠きの位置に軽微な不整合性があっても、鋼鉄シムが平坦に位置することを可能にする。それはまた、±0.05mmの整合公差を達成しながら座屈または限界を引き起こすことなく、接合過程中に熱膨張により鋼鉄が膨張および接触することを可能にする。
【0117】
次いで、組み立てられたシステム10は、図19によって図示および表現された加熱圧搾真空炉1900に入れられる。加熱圧搾炉1900の中での排気は、シム(すなわち、積層板)の間から、ならびに組み立てられたシム内の空隙から、空気を除去する。次いで、システムを真空条件で高温(例えば、約1000℃)に上昇させ、隣接する構成要素間の界面応力を必要値(例えば、約10MPa)に上昇させるように、負荷がシステムに印加される。システムは、接合過程が発生するために十分な期間(例えば、約5時間)にわたって、これらの条件にとどまる。
【0118】
接合過程中、接触面上の表面凹凸が塑性的に変形し始める。変形は、表面間の細孔が排除されるまで継続する。次いで、隣接する表面からの原子が、界面を横断して拡散することができ、粒界が界面領域中で再編成することを可能にする。この過程は、バルク材料の降伏強度に近い強度で接合を形成する。
【0119】
(サイクル設計計算)
冷却モードで単一効果吸収サイクルを操作するための代表的な設計条件を選択することによって、例示的なシステムの熱力学的モデルを作成した。この項の全体を通して、参照を容易にするために、以前に提示された参照番号が、種々のシステム構成要素を識別するために使用される。具体的には、図5を参照すると、本システムの一実施形態による、内部熱および質量移動システム構成要素ならびに構成要素間の流体流動の概略機能図が参照される。主に、サイクル設計を可能にするように、外部熱源入力、所望の冷却、および周囲条件が確立される。37℃の代表的なヒートシンク(すなわち、熱遮断140)温度、800Wの火力入力(すなわち、熱源130)、および300Wの特定所望冷却150により、システム設計計算が開始される。既述のように、これらの選択されたパラメータは、純粋に例示的なシステム実施形態を説明する目的で選択され、決してシステムパラメータ、容量等を限定することを目的としない。
【0120】
熱源およびヒートシンクのこれらの特定の代表的な外部条件は、合理的な構成要素の表面積要件を生じる、外部条件と作業流体との間の温度差の許容差と組み合わせて、それぞれ、約1600および400kPaの高い側および低い側の動作圧力をもたらす。したがって、高い側の圧力は、凝縮器1200の中の凝縮冷媒(すなわち、アンモニア)と周囲シンクとの間の駆動温度差の選択によって確立される。脱着器構成要素1100における駆動温度差、およびすでに確立された高い側の圧力の同様の考慮は、希釈溶液の流出温度および濃度、すなわち、アンモニア水溶液中のアンモニアの分画を生じる。脱着器1100における対応する濃縮溶液の流入温度、高い側の圧力、およびアンモニア−水混合物の平衡特性を使用して、溶液の流入エンタルピーが取得される。脱着器1100における希釈溶液の流出エンタルピーと併せて、熱流力が、熱源と作業流体との間のエネルギーバランスを通して、濃縮溶液流速と関係付けられる。代表的な設計点計算のために、結果とて生じる濃縮溶液の質量流速およびアンモニアの質量分画は、それぞれ、2.7×10−3kg/sおよび0.37である。エネルギーバランス計算および平衡関係はまた、脱着器1100の出口における蒸気の質(アンモニア−水蒸気対総アンモニア−水二相流速の比)および濃度ももたらす。この代表的な例示的サイクルの主要動作条件の概要を、表1に提供する。
【0121】
【表1】
【0122】
脱着器1100から退出する低蒸気濃度は、蒸発器1400の中で重度の温度降下の不利益を引き起こし、必要以上に冷却を制限する冷媒の温度上昇をもたらす。適切に純粋なアンモニア冷媒流を確保するために、蒸気流は、過剰な水蒸気を取り除くように精留器1150の中で冷却されるべきである。したがって、精留器から出て行く飽和蒸気流の設計流出温度は、この例示的実施形態については、98%の最小アンモニア濃度を提供するように設定される。
【0123】
概して、精留器1150の中の冷媒流から凝縮される還流液体は、分離チャンバの中へ逆流し、そこで、脱着器1100から退出する前に希釈溶液と混合する。精留器の蒸気流入および流出ならびに液体流のエネルギーバランスは、精留器の冷却負荷を生じる。この実施形態では、必要な冷却を提供する設計計算のために、溶液ポンプ502(例えば、図5)から出て行く濃縮溶液流は、精留器1150のための冷却源であると仮定される(すなわち、冷却流体ライン524を介する)。前述のエネルギーバランスはまた、精留器の中で蒸気流を冷却すると、濃縮溶液の流出エンタルピーおよび温度を生じる。加えて、精留器における質量および種のバランスは、冷媒および還流の質量流速を生じる。還流は、精留器の底部の分離チャンバの中で残りの溶液と混合し、回復溶解熱交換器800に向かって退出する。この混合過程における質量および種のバランスは、希釈溶液の流速および濃度を生じる。
【0124】
精留器1150から出て行く冷媒蒸気は、凝縮器1200へと流れる。凝縮器からの補助冷却された液体冷媒の流出を仮定して、冷媒の濃度および高い側の圧力、ならびに凝縮器冷媒の流出温度が確立される。凝縮器の熱負荷も、エネルギーバランスを使用して計算される。加えて、この凝縮器の熱負荷は、凝縮器からの(すなわち、中温流体ライン528を介した)冷却液の流出温度を決定するために、指定の冷却液(すなわち、結合流体)の流速と組み合わせて使用される。凝縮器1200から出た後、冷媒は回復冷媒熱交換器1300を通って流れ、そこで、蒸発器から出て行く冷媒によってさらに冷却される。
【0125】
膨張弁534(図5参照)を通って回復冷媒熱交換器1300から退出する冷媒の膨張は、蒸発器1400の流入温度を生じる、この例示的実施形態については、等エンタルピーであると仮定される。固定された蒸発器温度降下要求により、蒸発器の流出温度が決定され、それはまた、蒸発器の冷却負荷も生じる。計算された冷却負荷は、指定の冷蔵水(すなわち、結合流体)の流速および流入温度と併せて、エネルギーバランスから冷蔵水の流出温度(すなわち、所望の冷却150に対して)を生じる。同様のエネルギーバランスが、この熱交換器の出口における低圧蒸気状態を取得するように回復冷媒熱交換器1300上で行われ、これはまた、この例示的実施形態の吸収体冷媒の流入条件でもある。
【0126】
溶液回路を再び参照して、所望の例示的実施形態によれば、回復溶解熱交換器800への濃縮溶液入口は、精留器1150の出口によって決定される。回復溶解熱交換器におけるエネルギーバランスは、この熱交換器からの希釈溶液および濃縮溶液の流出常建、ならびにその熱負荷を生じる。溶液膨張弁534は、等エンタルピーであると仮定される。吸収体1500に関して、(上記で説明されるように)吸収体への流入条件が固定されている状態で、吸収体出口における仮定された溶液補助冷却により、吸収体の熱負荷がエネルギーバランスから計算される。
【0127】
いったん状態点が、各例示的熱および質量移動システム構成要素に対する質量、種、およびエンタルピーのバランスを使用して、(上記で説明されるように)固定されると、所望の冷却負荷を生じるために必要な各構成要素の熱移動率も固定される。これらの所望の熱負荷ならびに関連熱および質量移動モデルおよび相関に基づいて、必要な熱および質量移動構成要素の表面積要求を取得するように、後続の計算が行われる。様々なレベルの詳細が、そのような構成要素設計計算に組み込まれてもよいが、この特定の例示的実施形態の製造のためには、各構成要素を単一の統合構成要素として取り扱うことによって、構成要素の熱および質量移動計算が行われ、流体特性は構成要素に対して平均化される。したがって、熱および質量移動構成要素のサイズは、構成要素の熱負荷、結合した熱および質量移動抵抗、および駆動対数平均温度差に基づいて取得される。この技法は、2つの流体流(例えば、作業流体および結合流体)の熱容量率が熱交換器の長さに沿って一定である、熱交換器に有効である。アンモニア−水システムについては、いくつかの構成要素では、熱容量は長さに沿って変化するが、駆動温度差の適正な計算とともに、構成要素のサイズの合理的な推定値を取得するように、この技法が適用されてもよい。熱および質量移動構成要素の幾何学的形状は、概して、必要な熱負荷を満たす、これらの熱および質量移動計算に基づいて、ならびに、本明細書で論議される製造技法に基づく寸法要求に基づいて、決定される。
【0128】
(構成要素設計計算)
上記で説明されるように、説明された例示的実施形態によれば、各熱移動構成要素の必要なサイズ(全体的な熱移動伝導性、UA)が、サイクルモデルから決定される。各熱および質量移動構成要素の特定の流体チャネル構成(すなわち、マイクロチャネル、空隙、および分配通路)は、各個別構成要素の全体的な熱移動抵抗を推定することによって決定される。
【0129】
図20は、本システムの例示的実施形態による、シム内のマイクロチャネル702の代表的な配設を示す、複数の積層シムA102およびB104の一部分の断面2000を図示する。断面2000は、具体的には、本明細書で説明される所与の熱交換構成要素に対する、組み合わせられたシムAおよびBの中のマイクロチャネル702の相対的位置付け、サイズ決定、熱的接触等を図示する。理解および認識されるように、図20で図示された断面配設2000は、例示目的のみで示されており、本システムの他の実施形態は、当業者に思い付くような他のマイクロチャネル配設を利用する。
【0130】
図20に示されるように、熱交換流体(例えば、結合流体および作業流体)は、逆流配設における交互シムA102およびB104上のマイクロチャネルを通って流れる(しかし、理解されるように、具体的実施形態に応じて、流動は必ずしも逆流である必要はない)。各熱交換構成要素の分析は、種々のマイクロチャネルおよびシム寸法(以下でさらに詳細に説明される)を図示する、抽出された拡大断面2002を考慮することによって始まる。
【0131】
説明された実施形態によれば、かつ図20に示されるように、マイクロチャネルを作成する湿式化学エッチング過程は、丸みを帯びた長方形のチャネル断面を作成する。エッチング過程中に、エッチング液は、横方向ならびに垂直に作用し、硬化フォトレジストの縁の下の材料を除去し、図20に示されるような丸みを帯びた特徴を作成する。
【0132】
説明された例示的な実施形態によれば、システムの中の各熱および質量移動構成要素は、(twallとして図20に図示されるような)シムの間の介在金属壁によって提示される伝導性熱抵抗に加えて、シムA102およびB104の中の各々のマイクロチャネルを通って流れる各流体によって提示される熱抵抗を計算することによってモデル化される。さらに、マイクロチャネルの総表面積は、壁の反対側の流体と直接および間接的に熱的接触している表面の組み合わせとして取り扱われる。マイクロチャネル側壁によって提示される間接熱的接触は、適切なフィン効率に基づいて有効熱移動面積を計算することによって説明される。(この設計過程で遭遇する熱移動係数の範囲(380〜38,000W/m2−K)、および関心のチャネルおよびシムの幾何学形状の範囲について、フィン効率アプロ−チ統一、およびマイクロチャネル壁の全面積を、主要面積として取り扱うことができる。)流体流のそれぞれに対する熱移動係数は、適用可能な相関から決定される。
【0133】
上記で概説される熱交換構成要素の熱および質量移動設計アプローチに基づいて、各構成要素に対するマイクロチャネルの幅、マイクロチャネルの長さ、およびマイクロチャネルの数は、熱力学的サイクル分析から計算された適切な動作条件で設計熱負荷を満たすように決定される。しかしながら、理解されるように、上記で概説されるアプローチは、適切なマイクロチャネル寸法を決定する1つのアプローチにすぎず、当業者に思い付くように、他のアプローチが他の実施形態で使用される。
【0134】
図21は、本システムの例示的実施形態による、特定の例示的なシムおよびマイクロチャネル寸法の接写図を図示する、シムA102およびB104の拡大断面2100を図示する。この例示的実施形態に対する設計手順を単純化するために、図21に示されるように、単一のマイクロチャネルサイズが、上述の全ての熱交換構成要素および/または熱および質量移動システム構成要素に使用される。示されるように、0.5mm(すなわち、約0.02in)のシムの厚さが、部分的には、シム上に製造することができるマイクロチャネルのサイズの範囲に基づいて選択される。シムの厚さの半分のマイクロチャネルエッチング深さおよび0.5mmのマイクロチャネル幅では、この例示的実施形態に対する公称チャネル水力直径は306μmであり、1mmのチャネル水平横断ピッチおよび0.5mmの垂直ピッチを伴う。これらの寸法は、図21に図示されている。理解されるように、これらの寸法は、例示目的のみで提示されており、本システムの実施形態は、示され、説明された指示寸法によって、決して限定されない。
【0135】
説明された例示的な実施形態では、全ての結合流体の流動は、単相層流の液体流動である。同様に、回復溶解熱交換器800および回復冷媒熱交換器1300の中の作業流体流動は、単相層流である。説明された実施形態によれば、例示的なマイクロチャネル形状(図21に示される)および他の同様の形状(精留器1150の中の冷却液用の長方形チャネル等)の中のそのような単相流動に対する熱移動係数および摩擦因数は、Kakac et al.,Handbook of Single−Phase Convective Heat Transfer,New York,Wiley(1987)で報告されている相関を使用して推定される。
【0136】
一実施形態によれば、凝縮等の蒸気から液体への相変化について、Shah,M.M.,A General Correlation for Heat Transfer During Film Condensation Inside Pipes, International Journal of Heat and Mass Transfer,Vol.22(4),pp.547−556 (1979)、およびKandlikar,S.,Garimella,S.,Li,D.,Colin,S.and King,M.R., Heat Transfer and Fluid Flow in Minichannels and Microchannels,Elsevier Science(2005)で説明されている相関が、各特定相変化過程に対して、規定通りに使用される。凝縮器、吸収体、蒸発器、脱着器、および精留器の中の単構成要素および多構成要素の相変化熱および質量移動に対処するための他のガイダンスは、Carey,V.P.,Liquid−Vapor Phase−Change Phenomena: An Introduction to the Thermophysics of Vaporization and Condensation Processes in Heat Transfer Equipment,Washington,D.C.,Taylor & Francis Series,Hemisphere Pub.Corp.(1992)、およびHewitt,G.F., Shires,G.L.and Bott,T.R.,Process Heat Transfer,Boca Raton,CRC Press,Begell House (1994)で概説されているモデル、相関、および技法から得られる。二相圧力降下は、Mishima et al.,Some Characteristics of Air−Water Two−Phase Flow in Small Diameter Vertical Tubes,International Journal of Multiphase Flow,Vol.22(4),pp.703−712(1996)の二相圧力降下乗数アプローチを使用して推定される。熱交換器の長さに伴う蒸気の質の非線形変化は、これらの統合分析でさえも、構成要素の長さに沿った統合平均特性において、これらの相関を評価することによって説明される。二相圧力降下の控えめな推定値は、蒸気の質または構成要素の長さの関数として、熱および質量移動構成要素の最大圧力勾配を計算し、それを熱および質量移動構成要素の全長に適用することによって取得される。
【0137】
概して、蒸発熱移動係数は、Kandlikar et al.,Predicting Heat Transfer During Flow Boiling in Minichannels and Microchannels,Chicago, IL,Soc.Heating,Ref.Air−Conditioning Eng.Inc.,pp.667−676 (2003)、およびKandlikar et al., An Extension of the Flow Boiling Correlation to Transition,Laminar,and Deep Laminar Flows and Microchannels,Heat Transfer Engineering, Vol.25(3),pp.86−93 (2004)からの相関を使用して計算される。蒸発流の平均熱移動係数は、蒸発器の長さに伴う蒸気の質の非線形変化を説明するように、蒸発器の長さに沿った、代表的な統合平均蒸気品質において計算される。
【0138】
説明された例示的実施形態によれば、脱着(濃縮溶液からの蒸気発生)は、1200Wの最大熱入力のために8個の150W電気カートリッジヒータを使用して、脱着器1100の中で達成される。800Wの設計脱着器の熱入力率においてヒータによって供給される熱流束は、Qu et al.,Measurement and Correlation of Critical Heat Flux in Two−Phase Micro−Channel Heat Sinks,International Journal of Heat and Mass Transfer,Vol.47(10−11),pp.2045−2059 2004)からの並列ミニ/マイクロチャネルの相関を使用して推定される、臨界熱流束限界をはるかに下回ることが分かった。
【0139】
例示的精留器1150の設計のために、液体還流および蒸気流は、精留器から出て行く還流の温度が、精留器に進入する蒸気の温度と等しくなるように、熱平衡状態にあると仮定される。この平衡へのアプローチを促進するために、液体還流を保持し、逆流蒸気との熱および質量移動相互作用を可能にするように、4つのトレイが例示的精留器に含まれる。冷媒側の熱移動係数は、Sadasivan et al.,Sensible Heat Correction in Laminar Film Boiling and Condensation,Journal of Heat Transfer,Transactions ASME,Vol.109(2),pp.545−547(1987)からの層流フィルム凝縮相関を使用して推定される。濃縮溶液と熱的接触している単一の壁の面積のみが、本システムの特定の例示的実施形態に対する精留器における熱移動推定に使用される。トレイと関連する熱および質量移動面積は、より控えめな結果を生じるために、この計算に含まれない。トレイの追加面積は、この熱および質量移動構成要素の性能をさらに強化する。
【0140】
種々の論文および文章を参照して上記で記述される相関のさらなる詳細は、引用された文献で見出すことができる。上記で説明される計算に起因する例示的な熱および質量移動システム構成要素の代表的な寸法が、表2に提示されている。理解および認識されるように、表2に示された寸法および幾何学的詳細は、例示目的のみで提示され、単一効果吸収サイクルの具体的な説明された例示的実施形態に関し、本システムの他の実施形態で使用される、システムの幾何学形状、種々の熱交換構成要素または熱および質量移動構成要素の配設、チャネル水力直径、チャネルの数、シムの厚さ、シムの数等の他の組み合わせを限定または除外することを決して目的としてない。
【0141】
【表2】
【0142】
(包装および接合の考慮事項)
図22は、本システムの実施形態による、熱および質量移動構成要素で使用されるヘッダ(例えば、回復溶解熱交換器800の中の積層空隙808a、808bによって作成されるヘッダ)の拡大平面図を示す。示された実施形態では、頸部領域2202内の流体分配通路(例えば、回復溶解熱交換器800の中の通路806)は、拡散接合過程中に接合圧力が積層シムを通して直接伝達されない領域を作成する。同様の領域が、ヘッダから熱交換器に進入する際にマイクロチャネル702より下側に存在する(例えば、回復溶解熱交換器の中の空隙810aからのマイクロチャネル入口)が、流体分配通路(例えば、806)は、概して、個々のマイクロチャネルよりもはるかに幅が広く、したがって、流体分配通路は、臨界接合点を表す。
【0143】
図23は、本システムの一実施形態による、図22のヘッダの断面XXから得られた交互シムA102およびB104の一部分の代表的な断面2300を示す。例示的な説明された実施形態によれば、接合圧力は、臨界接合点2302において気密シールを確保するように、シムB104上の流体分配通路の下で横方向に伝達されるべきである。十分な接合を確保するために、この例示的実施形態では2mmの通路幅が使用されるが、他のシステム実施形態によれば、より広いまたは狭い幅が使用される。
【0144】
前述のように、本システムの好ましい実施形態は、マイクロスケールの単体熱または熱および質量移動システムを備える。特定の実施形態に応じて、統合単体構造内に2つ以上の熱および質量移動システム構成要素を含むことがしばしば望ましいため、システム実施形態は、内部熱および質量移動システム構成要素間で移動させられる外部からの熱に対処するべきである。この外部からの熱移動に対処するために、マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムの全体的サイズ、システム内の熱および質量移動構成要素間の間隔、種々のシステム構成要素間の流体接続の配設および種類、および当業者に思い付くような他の同様の要因等の、ある要因が、種々の実施形態において考慮される。
【0145】
理解されるように、かつ前述のように、本明細書で説明される例示的実施形態、およびその関連動作パラメータ、温度範囲等は、例示目的のみで提供され、決して本システムまたは装置の範囲を限定することを目的としない。概して、種々の動作温度および圧力範囲は、検討中の用途に応じて構想される。したがって、例えば、自動車の排出ガス等の高温燃焼過程からの廃熱回収のために適用されると、熱源温度は300℃から900℃に及ぶことができる一方で、低温廃熱回収については、熱源温度は40℃ほども低くなり得る。同様に、冷凍機用途については、冷却された流体の温度は、典型的には約5〜15℃である一方で、温度は、0℃をはるかに下回り得る。空調用途における熱遮断温度については、20〜55℃の周囲温度が検討される。しかしながら、理解されるように、これらの個々の外部温度の具体的な値は、熱源、ヒートシンク、および冷却温度の間の関係ほど重要ではない。熱活性化熱ポンプが、概して3温度(すなわち、低温冷却、中温熱遮断、および高温入力熱源)システムとして知られているため、本熱および質量移動システムが適用されてもよい温度は、所望の出力を達成するように低温と中温との間で、かつ所望の出力を達成するために必要な駆動力を提供するように中温と高温との間で、少なくとも最小の上昇、すなわち、温度差を提供するべきである。
【0146】
(例示的な実施形態の形状因子比較および代表的なパラメータ)
前述のように、本システムの1つの例示的な実施形態は、マイクロスケールの単体吸収冷却および/または加熱システムを備える。以下の項は、住宅冷房に使用される従来の蒸気圧縮システムに対する、そのような吸収冷却および/または加熱システムの形態である本システムの説明された例示的実施形態の比較を提供する。この項はまた、本明細書で説明される例示的実施形態と関連する代表的なパラメータも提供する。理解および認識されるように、以下の考察は、例示目的のみで提供され、本開示の範囲、または本明細書で説明される発明およびシステムを限定することを決して目的としない。
【0147】
上記で説明される本システムの例示的実施形態(すなわち、マイクロスケールの単体吸収熱ポンプ)を製造し、実験用回路板設備上の現実的な周囲冷蔵流体および熱源条件下で試験した。図24は、本システムの実施形態を試験するための例示的な流体接続および外部配管配設の正面図を図示する。製造した例示的なシステム実施形態は、306μmの水力直径の前述のマイクロチャネルとともに、20対の厚さ0.5mmのシムAおよびB(すなわち、合計40個のシム)を含む、200×200×34mm3の全体的寸法を備えた。例示的な製造されたシステムは、上記で説明されるように、他の寸法、システム配設等を備えた。
【0148】
例示的実施形態の試験中に、代表的な周囲および冷蔵流体条件において800Wの熱入力のために、公称300Wの冷却を送達した。さらに、広範囲の周囲温度(すなわち、20〜35℃)にわたって、かつ異なる熱入力率(すなわち、500〜800W)において、冷却モードで動作するように、例示的なシステムを実演した。0.375の公称性能係数(COP)が、200×200×34mm3のシステム体積において達成され、221kW/m3の体積冷却容量を表した。7kgのシステム質量では、対応する比冷却容量は、0.043kW/kgである。例示的実施形態は、故意に装置の外部(すなわち、外側)に全ての熱および質量移動システム構成要素の流体入口および出口を伴って設計され、広い間隔が各要素の入口および/出口における温度および圧力器具類の設置を可能にした。内部流体通路を伴い、器具類のための余分の空間が排除された代替実施形態は、3kgの質量とともに120×120×25mm3の予測寸法を伴う。そのような実施形態の対応する体積冷却容量が833kW/m3を備える一方で、比冷却容量は0.10kW/kgである。
【0149】
比較すると、従来の10.55kW冷却容量の住宅用電気蒸気圧縮システムは、約0.91×0.91×0.91m3で約225kgの重さがあり、わずか約13.8kW/m3の体積冷却容量および0.047kW/kgの比冷却容量を表す。したがって、体積および質量の両方に基づいて、本例示的システム実施形態は、はるかに大型の従来の蒸気圧縮システムに同様の冷却容量を提供する一方で、冷却システムのサイズの大幅な低減を表す。
【0150】
(蒸気圧縮システムとは対照的な)従来の吸収冷却システムと比較すると、上記で説明される例示的なシステム実施形態は、さらに明白となる。前述のように、吸収冷却システムは、概して、吸収システムにおいて必要とされる付加的な熱および質量移動構成要素により、蒸気圧縮システムよりもはるかに大型である。したがって、理解されるように、従来の10.55kW冷却容量の吸収冷却システムとの例示的な説明された実施形態の比較は、(上記で論議される蒸気圧縮システムと比較した、不変の冷却容量を示す従来の吸収冷却システムの大型サイズおよび重量による)例示的実施形態の先進的な体積または比冷却容量を示す。加えて、熱および質量移動システム構成要素間の多くの流体接続が、システム実施形態の単体マイクロスケール構造内に含まれるため、漏出低減が強化され、必要な流体在庫量は、従来のシステムよりも大幅に低い。
【0151】
例示的な実施形態の先述の説明は、例示および説明の目的のみで提示されており、包括的となること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを目的としない。上記の教示を踏まえて、多くの修正および変化例が可能である。
【0152】
当業者が、本発明および種々の実施形態を、検討される特定の使用に適するような種々の修正とともに利用することを可能にするよう、本発明の原則およびそれらの実用的用途を説明するために、実施形態を選択および説明した。代替実施形態は、それらの精神および範囲から逸脱することなく、本発明が関連する当業者に明白となるであろう。したがって、本発明の範囲は、先述の説明およびそこで説明される例示的実施形態よりもむしろ添付の請求項によって定義される。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/085,192号(名称「Thermally Activated Cooling System」、2008年7月31日出願)の米国特許法第119条第(e)項の優先権の利益を主張し、この出願は、その全体が本明細書に提示されるが如く参考として援用される。
【0002】
(技術分野)
本システムは、概して、マイクロスケールの熱移動システムまたは熱および質量移動システムに関し、より具体的には、複数のシムまたは層を備え、各シムは、熱および/または質量交換機能を果たす複数のマイクロチャネルを含む、単体(monolithic)または統合(integrated)のマイクロスケールの熱または熱および質量移動システムまたは装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、蒸気圧縮システムが、住宅および商業用空調装置、冷凍機、および熱ポンプ等の種々の加熱および冷却用途で使用されてきた。これらのシステムは概して、蒸発器、圧縮器、凝縮器、および膨張デバイスといった、4つの基本構成要素を備える。蒸発器および凝縮器は、熱を吸収および排除しながら、冷媒を蒸発させ、凝縮する、熱交換器を備える。圧縮器は、蒸発器から冷媒蒸気を採取し、凝縮器の中で蒸気を凝縮するためにその圧力を十分に上昇させる。凝縮器から退出した後に、より高い圧力における凝縮冷媒の流動は、膨張デバイスによって蒸発器の中へ戻るように制御され、サイクルは、連続加熱または冷却効果を生じるように繰り返す。
【0004】
しかしながら、従来の蒸気圧縮システムには、いくつかの不利点がある。例えば、ほとんどの蒸気圧縮システムは、環境に悪影響を与える合成冷媒に依存する。また、ほとんどの蒸気圧縮システムは、電力に高価な高級電気エネルギーを利用する。さらに、蒸気圧縮システムはしばしば、圧縮器の使用により、騒々しく信頼性が低く、しばしば、小規模または携帯用利用を妨げる、かさばる全体システム設計を採用する。
【0005】
吸収熱ポンプ(本明細書では「吸収冷却および/または加熱システム」とも呼ばれる)は、従来の蒸気圧縮システムの環境的に優しい代替品と考えることができる。原則として、従来の蒸気圧縮システムの圧縮器は、吸収熱ポンプを形成するように、脱着器、吸収体、溶液ポンプ、および回復溶解熱交換器の組み合わせに代替される。吸収熱ポンプの便益は、主要な可動部、すなわち、圧縮器の欠如による、信頼性に関する低減した懸念である。吸収熱ポンプにおける圧縮器の欠如はまた、蒸気圧縮システムと比較して、はるかに静かな動作も示唆する。さらに、システムを駆動する入力として高級電気エネルギーを利用する蒸気圧縮システムと違って、吸収熱ポンプは、典型的に、生物燃料および化石燃料の燃焼から、大部分は未開発の廃熱源(例えば、自動車排出ガス、過剰製造熱等)から、太陽熱エネルギーから、および他の同様のエネルギー源から取得されてもよい、より容易に入手可能な低級熱エネルギーで作動する。冷却モード動作では、この熱エネルギー入力が、冷却および/または除湿を提供するために使用される一方で、加熱モードでは、周囲熱をより高い温度に引き上げるために熱入力が使用される。
【0006】
蒸気圧縮システムの圧縮器が、脱着器、吸収体、溶液ポンプ、および回復溶解熱交換器の組み合わせによって、吸収熱ポンプに代替されるため、吸収熱ポンプは、概して、蒸気圧縮システムよりも熱および質量交換集中型であり、それにより、付加的な熱移動表面積を必要とする。この比較的大きい表面積の要求により、吸収熱ポンプは、典型的に、非常に大型の商業および工業用冷凍機用途に回されており、高い性能係数(COP)を実現しながら小型設計を達成することは、主要な課題となっている。加えて、COPを改善するように開発された、二重効果、三重効果、および発生器−吸収体−熱交換サイクル等の、いくつかの先進的吸収サイクルは、性能を改善するのに付加的な内部回復に依存し、容量あたりの高い熱および質量移動速度の必要性をさらに強調する。実際、これらのサイクルは、主に、実用的に実行可能な小型熱および質量交換デバイスの欠如により、広く実装されていない。
【0007】
したがって、より大型のシステムに匹敵する出力を送達する、小型吸収冷却および/または加熱システムを達成することが望ましい。しかしながら、2対の最も一般的な作業流体(すなわち、臭化リチウム−水、およびアンモニア−水)を使用する吸収システムでは、吸収および脱着等の過程は、二成分流体における連動した熱および質量移動を自然に伴い、システム設計の複雑性および課題につながる。特に、アンモニア−水システムでは、システムの全体を通した液相および蒸気相中の吸収剤(すなわち、水)および冷媒(すなわち、アンモニア)の両方の存在により、そのような2成分流体の過程が、システムの中の全ての構成要素(凝縮器、蒸発器、精留器、および回復熱交換を含む)において発生する。その他では、あまり一般的ではない作業流体(例えば、多構成要素流体)、多構成要素の熱および質量移動過程が必要とされる。工業規模よりも小さい容量で、廃熱、太陽熱エネルギー、または他のエネルギーの分散可用性を活用することができる、小型高流束構成での吸収システムの実装のために、熱および質量交換器設計は、同時に達成することが困難である、いくつかの特徴を提供するべきである。例えば、システムは、いくつかある同様のシステム特性の中でも、作業流体に対する低い熱および質量移動抵抗と、作業流体および少量で外部熱源およびヒートシンクにこれらの作業流体を結合する流体のための必要移動表面積と、結合流体に対する低い抵抗とを含むべきである。
【0008】
利用可能な吸収構成要素の概念の大部分は、小型高流束設計を達成するために不可欠である、これらの特徴のうちの1つ以上を満たさない。例えば、商業用吸収冷凍機で現在採用されている主要構成(すなわち、冷却液を運ぶ管群に垂れかかる溶液フィルムへの蒸気の吸収)は、高い冷却剤側の抵抗および液体フィルムによる移動表面の不良な湿潤という問題を抱えている。加えて、いくつかの従来技術の設計は、吸収/脱着過程を強化するが、反対側(すなわち、結合流体側)の単相抵抗を低減することができず、それにより、大型のシステム構成要素を必要とし、高い作業流体および結合流体の圧力降下をもたらし、それは、高い寄生電力消費をもたらし、また、システム構成要素内の圧力降下によって引き起こされる飽和温度の減少による、駆動温度差の損失ももたらす。
【0009】
吸収冷却および/または加熱システムに加えて、関連冷却または加熱機能、基礎熱移動、蒸留、および当業者に思い付くような他の同様の機能性等の、他の機能を果たすための種々の他の熱移動または熱および質量移動システムを提供することがさらに望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、現在使用されている構成の弱点を克服しながら、個々のシステム構成要素および全体的なシステムアセンブリの両方において、高流束の熱および質量移動に適用することができる、小型のモジュール式万能設計を提供する、マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムまたは装置の長年にわたるが未解決の必要性が存在する。携帯用統合システムから有意な加熱および冷却出力を提供する、マイクロスケールの単体吸収熱ポンプのさらなる必要性がある。本システムおよびその変化例の主な実施形態は、種々の設計条件に、また、2成分、3成分、および他の多構成要素流体の熱および質量移動におけるいくつかのシステムにも極めて適応可能である、小型化技術を表す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
簡潔に説明すると、一実施形態によれば、本開示の側面は、概して、吸収冷却および/または加熱のため、または他の熱および/または質量移動機能を果たすためのシステムおよび装置に関する。より具体的には、一側面によれば、カバー板の間で取り囲まれた、一体マイクロスケール通路および空隙、流体入口および出口通路、および蒸気−液体空間を必要に応じて伴う、平行な整合した交互シムの配列は、熱活性化吸収熱ポンプの熱および質量移動システム構成要素を画定する。マイクロスケールの特徴を伴う平行シムのアセンブリは、単一効果吸収熱ポンプの熱および質量移動システム構成要素をともに備える、規定の吸収体、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器(揮発性吸収剤とともに作業流体を使用する用途において)、凝縮器、回復冷媒熱交換器、および蒸発器を通して、流体流動を方向付ける。本明細書でさらに詳細に説明されるように、特定の実施形態では、熱および質量移動構成要素は、複数の交互シムの対を介して、マイクロスケールの単体装置またはアセンブリ内で画定される。二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクル、または他の先進的吸収サイクルが所望される実施形態では、付加的な規定の熱および質量移動システム構成要素の中に配設される、付加的なマイクロスケール特徴が、必要な回復熱および質量移動を達成するように装置に組み込まれる。
【0012】
一側面によれば、吸収サイクル作業流体が、マイクロスケールの通路およびシムの片側に組み込まれた他の通路に流入する一方で、高温(熱源)、中温(熱遮断)、および低温(冷蔵流)結合流体は、初期側面上の各作業流体流と熱的接触しているシムの反対側で流れる。したがって、多少差別化したマイクロスケール特徴幾何学形状を伴う、2つのシムの複数組(「シムの対」)は、所望の全体的冷却または加熱負荷を達成するために必要とされる、多数に複製される吸収熱ポンプまたは他の熱または熱および質量移動システム全体の構造要素を備える。各シムに組み込まれる特徴は、グループで配列され、各グループは、熱ポンプの中の各熱または熱および質量移動システム構成要素(例えば、吸収体、脱着器等)の対応する通路を表す。各々の規定の熱および質量移動システム構成要素の間の流体接続は、システム外部の接続流体ラインを通して、または、シムまたはカバー板の異なる部分の間の特異的に設計された経路指定通路を通して、または、何らかの他の同様な接続機構を介して達成される。概して、作業流体は、大部分がシムのアセンブリの中に含有され、したがって、同様の容量を送達する従来の熱ポンプと比べて流体在庫量を数倍低減する。
【0013】
付加的な側面によれば、冷却、熱遮断、および熱源流体流は、適切な入口および出口接続を通して、熱または熱および質量移動装置に進入および退出し、熱または熱および質量移動装置の物理的位置にかかわらず、加熱または冷却負荷の万能配備を可能にする。一側面では、熱および質量移動構成要素と、アセンブリの中の各シムにわたって配列されたマイクロチャネルとを通して、作業流体を送出するように、作業溶液ポンプがシステムアセンブリの外部に提供される。熱ポンプサイクル中に、さらなる側面によれば、低い側から高い側の圧力(および、先進的吸収サイクルについては必要に応じて中間圧力)からの冷媒流および冷媒吸収溶液の膨張は、シム内の一体調整収縮を通して、または外部接続された弁を通して達成される。
【0014】
種々の側面によれば、シムの中のマイクロチャネルおよび他のマイクロスケール通路は、必要に応じて、単相または二相状態の流体流動を可能にするように、正方形、長方形、半円形、半楕円形、三角形、または他の単独で接続された断面を備え、マイクロスケールの断面形状および寸法は、熱および質量移動要件、動作圧力、組み立てられた装置の構造強度、寸法交差ならびにシムおよびカバー板の接合に対する製造制約、および他の要因に基づいて決定される。概して、シムの中のマイクロスケールチャネルは、全体的なアセンブリの寸法ならびにマイクロスケールチャネルの寸法に基づいて、リソグラフィ、エッチング、機械加工、型打、または他の適切な過程等の過程を通して形成される。マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムの実施形態を形成するように、複数のシムの対およびカバー板の連結および組立は、最も一般的に利用されている金属アセンブリについては、拡散接合およびろう付け等の過程を通して、ならびに、作業流体、動作条件、および所望の負荷によって許容または指定される場合、プラスチック、セラミック、または他の非金属装置部品については接着によって達成される。熱負荷におけるモジュール性は、マイクロスケールチャネルの寸法、チャネルの数、シムの長さおよび幅、およびシムの対の数によって達成される。
【0015】
別の側面によれば、本明細書で説明されるマイクロスケールの熱または熱および質量移動アセンブリの大規模実装について、複数の接続された熱または熱および質量移動アセンブリを形成するように、複数のアセンブリが、外部配管を通した直列および/または並列配設で接続される。種々の側面によれば、より大きい容量のために、シムは、接続の融通性、および送達された負荷の大部分は制約されていない増加を促進するように、単体熱または熱および質量移動アセンブリよりもむしろ、熱または熱および質量移動アセンブリの各熱および質量移動システム構成要素を表す、個々のアセンブリに細分される。
【0016】
請求された発明のこれらおよび他の側面、特徴、および便益は、以下の図面と併せて解釈される好ましい実施形態および側面の以下の詳細な書面説明から明白となるものの、それらの変化例および修正が、本開示の新規概念の精神および範囲から逸脱することなく達成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
添付図面は、本開示の1つ以上の実施形態および/または側面を図示し、書面説明とともに、本開示の原則を説明する働きをする。可能な限り、実施形態の同一または類似要素を指すために、同じ参照番号が図面の全体を通して使用される。
【図1】図1は、請求された発明の種々の側面にしたがって構築および操作された、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の実施形態を図示する。
【図2】図2は、シムを介して形成された熱および質量移動システム構成要素の一部分を表示するように装置から除去されたカバー板の一部を図示する切断域を伴う、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置の実施形態を示す。
【図3】図3は、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置の例示的な完全に組み立てられた実施形態を示す。
【図4A】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図4B】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図4C】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図4D】図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置の分解斜視図を示す。
【図5】図5は、熱または熱および質量移動装置の一実施形態による、内部熱および質量移動システム構成要素ならびに構成要素間の流体流動の概略機能図を図示する。
【図6A】図6Aおよび6Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する斜視図である。
【図6B】図6Aおよび6Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する斜視図である。
【図7A】図7Aおよび7Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する正面図である。
【図7B】図7Aおよび7Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムAおよびシムBの例示的表現を図示する正面図である。
【図8A】図8Aおよび8Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ示す。
【図8B】図8Aおよび8Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ示す。
【図9A】図9Aおよび9Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図をそれぞれ示す(すなわち、これらの図は図8Aおよび8Bの拡大図である)。
【図9B】図9Aおよび9Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図をそれぞれ示す(すなわち、これらの図は図8Aおよび8Bの拡大図である)。
【図10A】図10Aおよび10Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、複数の積層シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図を図示する。
【図10B】図10Aおよび10Bは、本装置の実施形態による、回復溶解熱交換器と関連付けられた、複数の積層シムAおよびシムBの複数部分の拡大斜視図を図示する。
【図11A】図11Aおよび11Bは、本装置の実施形態による、脱着器および精留器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図11B】図11Aおよび11Bは、本装置の実施形態による、脱着器および精留器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図12A】図12Aおよび12Bは、本装置の実施形態による、凝縮器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図12B】図12Aおよび12Bは、本装置の実施形態による、凝縮器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図13A】図13Aおよび13Bは、本装置の実施形態による、回復冷媒熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図13B】図13Aおよび13Bは、本装置の実施形態による、回復冷媒熱交換器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図14A】図14Aおよび14Bは、本装置の実施形態による、蒸発器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図14B】図14Aおよび14Bは、本装置の実施形態による、蒸発器と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図15A】図15Aおよび15Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図15B】図15Aおよび15Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。
【図16A】図16Aおよび16Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分それぞれの拡大斜視図であり、シムAおよびシムBにおける蒸気入口穴および通路の位置を具体的に図示する。
【図16B】図16Aおよび16Bは、本装置の実施形態による、吸収体と関連付けられた、シムAおよびシムBの複数部分それぞれの拡大斜視図であり、シムAおよびシムBにおける蒸気入口穴および通路の位置を具体的に図示する。
【図17】図17は、吸収冷却および/または加熱システムと関連付けられた、離散熱および質量移動システム構成要素を備える、本システムのモジュール式実施形態を図示する。
【図18】図18は、本明細書で説明されるような例示的マイクロチャネルを製造するための光化学エッチング過程の一実施形態と関連するステップを図示する。
【図19】図19は、本システムの一実施形態による、種々のシム、カバー板、および他のシステム構成要素をともに拡散接合するための加熱圧搾真空炉の表現を図示する。
【図20】図20は、本システムの例示的実施形態による、シム内のマイクロチャネルの代表的な配設を示す、複数の積層シムAおよびBの一部分の断面を図示する。
【図21】図21は、本システムの例示的実施形態による、特定の例示的なシムおよびマイクロチャネル寸法の接写図を図示する、シムAおよびBの拡大断面を図示する。
【図22】図22は、本システムの実施形態による、熱および質量移動システム構成要素で使用されるヘッダの拡大平面図を示す。
【図23】図23は、本システムの一実施形態による、図22のヘッダの断面XXから得られた交互シムAおよびBの代表的な断面を示す。
【図24】図24は、本システムの実施形態を試験するための例示的な流体接続および外部配管配設の正面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の詳細な説明の前に、本システムおよび方法の側面の主題および用語は、例示的であり、必ずしも請求項で表現されるシステムおよび方法の側面を限定しないという理解の補助として、以下の定義を提供する。用語が大文字で書かれるか否かは、用語の意味を決定または限定すると見なされない。本書で使用されるように、大文字で書かれた用語は、大文字で書かれた用語のより制限的な意味が意図されることを用法の文脈が特に指示しない限り、小文字で書かれた用語と同じ意味を持つものとする。しかしながら、残りの本書内の大文字化またはその欠如は、そのような限定が意図されることを文脈が明確に指示しない限り、必ずしも限定的となることを目的としない。
【0019】
(定義/用語集)
吸収剤:本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動システム(例えば、吸収熱ポンプ)の熱および質量移動機能を果たすための作業流体または作業流体の一部分を含む、単独であるか、あるいはアンモニアまたは別の冷媒と組み合わせられた多構成要素形態である、材料または流体。実施例は、(アンモニア−水混合物中の)水、(臭化リチウム−水混合物中の)臭化リチウム、および他の同様の材料を含むが、それらに限定されない。
【0020】
性能係数(COP):入力エネルギーと比較した、システム実施形態からの所望の出力(すなわち、冷却または加熱)の比。
【0021】
結合流体:本システムの実施形態に、およびそこから、加熱および/または冷却を移動させるために使用される流体。概して、本システムの実施形態を、概して、温水結合部を介して、1つ以上の熱源、ヒートシンク、周囲空間、調節空間等に接続する。実施形態は、エチレングリコール水溶液、プロピレングリコール水溶液、塩化カルシウム水溶液、高温熱移動流体(例えば、合成油)、および他の同様の流体を含むが、それらに限定されない。本明細書では冷却剤と呼ばれることもある。
【0022】
カバー板:カバー板の間に含有されるシムに、構造、支持、およびいくつかの実施形態では流体移動チャネルを提供する、本システムの実施形態の外側にある剛体外層。カバー板は概して、システムの実施形態に進入および退出する結合流体および作業流体流を移動させるための、穴または入口および出口開口部を含む。
【0023】
流体分配通路:積層シム(すなわち、ヘッダ)によって形成された空隙から、本システムの実施形態における熱および質量移動システム構成要素または熱交換構成要素内のマイクロチャネルに流体を輸送する、チャネルまたは通路。概して、分配通路、流体通路、通路、または通行路と同義である。
【0024】
ヘッダ:流体を受容または消去する開口部またはポートを提供する、熱および質量移動システム構成要素内の要素。概して、組み合わせられると、流体流動のための通行路を形成する、個々のシムと関連付けられる複数の積層空隙によって形成される。種類は概して、入口ヘッダおよび出口ヘッダを含む。
【0025】
熱または熱および質量移動システム:本明細書で説明されるような特性、特徴、寸法、構成要素等を備える、熱または熱および質量を移動させるためのシステム。理解および認識されるように、概して、本明細書で説明されるような1つ以上の熱および質量移動システム構成要素によって形成される、熱移動システムまたは熱および質量移動システムを表す。概して、熱または熱および質量移動装置、熱または熱および質量移動アセンブリ、あるいは熱および/または質量移動システムと同義である。
【0026】
熱および質量移動システム構成要素:(必ずしもではないが)概して、より大型の熱または熱および質量移動システム内で、熱および/または質量移動を行うことが可能な任意の構成要素を表すために使用される、一般用語。実施例は、吸収体、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器、または他の同様の構成要素を含むが、それらに限定されない。(必ずしもではないが)概して、少なくとも1つの熱交換構成要素を含むか、または備える。概して、熱および質量移動構成要素と同義である。時には熱交換器と同義である。
【0027】
熱交換構成要素:熱移動を行うことが可能な任意の構成要素を表すために使用される、一般用語。熱および質量移動システム構成要素、またはその従属構成要素を備えてもよい。概して、熱交換器と同義である。
【0028】
マイクロチャネル:単相または多相状態の流体を移動させて、熱および/または質量移動機能性を達成するための、本明細書で説明されるようなシムに形成される、マイクロスケール寸法のチャネルまたは通路。概して、1mm未満の水力直径を伴う円形(または非円形)断面によって特徴付けられる(しかし、理解されるように、所与の流体特性および動作条件に応じて、1mmより大きいチャネルが、多少大きい水力直径におけるマイクロチャネルと同様の流体流動ならびに熱および質量移動現象を示してもよい)。概して、マイクロスケール通路またはマイクロスケールチャネルと同義である。
【0029】
マイクロスケール:同様の機能性および/または出力の他のシステムまたは構成要素と比較して、サイズが相対的に小さい。概して、当技術分野で理解されるように小型である。
【0030】
単体:1つの差別化されていない全体または単位を構成する。概して、統合と同義である。
【0031】
多構成要素流体:2つ以上の別個の物質(すなわち、2つ以上の種)を含む流体。実施例は、アンモニア−水混合物、および臭化リチウム−水混合物を含むが、それらに限定されない。概して、多成分流体、2成分流体、3成分流体、4成分流体、流体対等と同義である。
【0032】
冷媒:本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動システム(例えば、吸収熱ポンプ)の熱および質量移動機能を果たすための作業流体または作業流体の一部分を含む、単独である、あるいは水または別の吸収剤と組み合わせられた多構成要素形態である、材料または流体。実施例は、(アンモニア−水混合物中の)アンモニア、(臭化リチウム−水混合物中の)水、および他の同様の材料を含むが、それらに限定されない。概して、本明細書で使用されるようなアンモニアと同義である。
【0033】
シム:本明細書で説明されるような1つ以上の熱または熱および質量移動構成要素と関連付けられる特徴を画定する、薄い剛体層。概して、シムを横断して作業流体および/または結合流体を移動させるための複数のマイクロチャネル、流体分配通路、および空隙を含む。概して、層または積層板と同義である。
【0034】
シム群:1つ以上の熱または熱および質量移動システム構成要素を画定するように、ともに接合された、または別様に組み合わされた、複数のシムの対の組み合わせ。
【0035】
シムの対:シムの中のマイクロチャネル、空隙、および他の通路を流れる流体の間で熱および/または質量移動を可能にするように、ともに接合された、または別様に組み合わされた、2つの別個のシムの種類(例えば、本明細書で説明されるAおよびB)の組み合わせ。
【0036】
空隙:熱または熱および質量移動システム構成要素の中または外への流体流動を可能にする、複数の積層シムによって画定される穴または空間。概して、ヘッダ内にある、またはヘッダによって形成される空間に関する。概して、積層空隙または蒸気−液体空間と同義である。
【0037】
作業流体:熱および/または質量移動機能を達成するように、本システムの実施形態の全体を通して移動させられる流体。吸収サイクル過程または他の同様の熱サイクルにおける種々の段階で、液体状態、蒸気状態、または液体−蒸気混合物となり得る。実施例は、アンモニア−水混合物および臭化リチウム混合物を含むが、それらに限定されない。概して、多構成要素流体を含むが、必要に応じて、単構成要素流体も含む。
【0038】
(概説)
本開示の原理の理解を推進する目的で、図面に図示された実施形態を参照し、同実施形態を説明するために特定の用語を使用する。それでもなお、それにより、本開示の範囲の限定が意図されず、通常、本開示が関係する当業者に思い付くように、説明および例示された実施形態のあらゆる改変およびさらなる修正、ならびに本明細書で例示されるような本開示の原則のさらなる用途が検討されることが理解されるであろう。範囲の全ての限定は、請求項に従い、かつ請求項で表現されるように決定されるべきである。
【0039】
本開示の側面は、概して、熱または熱および質量移動システムまたは装置に関する。特に、本装置の一実施形態は、組み合わせられると、マイクロスケールの単体吸収冷却および/加熱システムまたは吸収熱ポンプ、あるいは他の熱または熱および質量移動システムを構成する、離散的であるが統合した熱および質量移動システム構成要素を形成する、2つの外板の間に組み立てられた、または圧搾された複数のシムを備える。シムは、概して、装置の全体を通した規定の熱および質量移動システム構成要素の間で、かつ必要に応じて加熱および冷却源およびシンクを往復して装置の内外へ、流体を移動させるための複数のマイクロチャネル、空隙、および他の熱移動特徴を含む。一実施形態によれば、2つの異なるシムの種類が使用され(すなわち、以下でより詳細に説明されるシムAおよびB)、シムは複数のシムの対として組み合わせられ(例えば、ともに接合される)、各対の中の2つの異なるシムは、各シムの対の中のマイクロチャネル内を流れる流体間の熱的接触を可能にするように、相互と比較して、わずかに異なるマイクロチャネルおよび流体通路配設を備える。
【0040】
一側面によれば、各シムは、吸収冷却および/または加熱システムを備える、必要な熱および質量移動システム構成要素のうちの全て、すなわち、吸収体、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、および蒸発器の幾何学形状を含む。理解されるように、これらの熱および質量移動構成要素は、当業者によって理解されるような従来の機能を果たす。したがって、一実施形態では、複数のシムの対が組み合わせられると、マイクロスケールの吸収加熱および/または冷却システムが形成される。さらに、複数のシムの対が積層され、ともに組み合わせられるにつれて、各熱および質量移動構成要素のマイクロチャネルの数(したがって、全体的な熱交換表面積)が増加し、それにより、各構成要素および全体的なシステムの熱交換容量が増加する。このように、本装置の実施形態は、所望に応じて個々の用途要件を満たすように縮小拡大することができる、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動システムを備える。
【0041】
本明細書でさらに詳細に説明されるように、本発明の実施形態は、同等の冷却および/加熱負荷に対する従来のシステムと比較してシステム体積が数倍低減した、吸収熱ポンプならびに他の熱または熱および質量移動装置に対するコンパクトな全体的幾何学形状を生じる。前述のように、従来の吸収熱ポンプは、蒸気圧縮システムと比較して、付加的な熱および質量移動構成要素を必要とし、より大型の全体的システムサイズにつながる。したがって、以前は、小さい幾何学形状で熱駆動吸収熱ポンプを実装することが可能ではなかった。しかしながら、本発明の実施形態は、相対的に小さいシステムパッケージで高い冷却および加熱容量のシステムを可能にするように、マイクロスケールで流体流動ならびに熱および質量移動現象の固有かつ新規の利点を利用する。したがって、本システムの実施形態は、a)小型水力直径マイクロスケール通路の中の高い熱および質量移動係数、b)小型水力直径における大きい表面積対体積比、c)低い圧力降下で高い熱および/または質量移動率を達成するための、複数の並列シムアセンブリの中の複数のマイクロチャネルの中の並行流の融通性、およびd)システムサイズを所望の負荷に正確に合わせるように、マイクロチャネルの寸法、各熱および質量移動構成要素で使用されるマイクロチャネルの数、システムで使用されるシムの数、および全体的なシステムエンベロープの幅および長さを修正する嚢力を利用することができる。さらに、以下でさらに詳細に説明されるように、温水結合、ならびに(システム実施形態の相対的に小さいサイズによる)熱および質量移動システム構成要素間の長い相互接続ラインの欠如は、作業流体在庫量、全体的なシステムサイズおよび質量、流体圧力降下、寄生所要電力、ならびに周囲を往復する望ましくない熱損失および利得を最小化する。
【0042】
概して、本システムの実施形態は、廃熱、太陽エネルギー、一次燃料燃焼からのエネルギー等の入力エネルギー源として、熱エネルギーを利用する。広範囲の供給源エネルギー温度が、冷却および/または加熱を提供するために利用され、広範囲の加熱および冷却負荷が、本システムを使用して供給される。したがって、システムの実施形態は、本質的に、数ワットからメガワットに及ぶ加熱または冷却容量のモジュール式設計を可能にする。概して、マイクロスケールの流体流動および熱および質量移動の原則の利用は、従来または以前のシステムと比較して、同等のシステム体積において大幅に高い冷却および加熱容量を送達する、コンパクトなシステムアセンブリの実現を可能にする。システムの実施形態は、作業流体を送出するために、電気エネルギーの相対的に最小の使用を必要とする。好ましくは、システムがオゾン破壊および地球温暖化の可能性がある合成流体を使用する必要がないように、多構成要素流体混合物が作業流体として使用され、したがって、システムは、環境に最小の悪影響を及ぼす。
【0043】
説明されるように、本システムの実施形態は、種々の商業的用途に有用である。概して、本システムの実施形態は、特に、小規模用途が必要とされる時に、ほとんどの用途において、従来の蒸気圧縮システムまたは吸収熱ポンプの代替品として実装することができる。しかしながら、理解されるように、本装置の実施形態は、廃熱回収および向上用途、熱駆動冷凍機ならびに暖房および空調システム、熱変換器、統合冷却、加熱、および電力システム、自動車用、船舶用、海軍用、および静止温度制御システム、食品、薬物、ワクチン、および他の腐敗しやすいアイテムの加工および冷蔵輸送、熱エネルギー入力、マイクロリアクタ、および燃焼器を使用した、携帯用水のための周囲湿度の獲得、および当業者に思い付くような種々の他の用途を含むがそれらに限定されない、種々の用途で利用することができる。
【0044】
開示されたシステムおよび装置の基本的機能および構成要素の実施例および説明の目的で、請求された発明の種々の側面に従って構築および操作される、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置10の実施形態を図示する、図1を参照する。図1に示された(および本開示の全体を通して参照された)特定の実施形態は、本明細書で説明されるような種々の熱および質量移動システム構成要素を含む、単体でマイクロスケールの吸収冷却および/または加熱システム(すなわち、吸収熱ポンプ)を備える。しかしながら、理解および認識されるように、図1に示された例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動システム10は、本システムの1つのアプローチまたは実施形態を表すにすぎず、本明細書で説明されるように、かつ当業者によって理解されるように、他の側面が使用および検討される。
【0045】
示されるように、熱または熱および質量移動装置10は、2つのカバー板110、111と、カバー板の間で挟持されるシム群108(概して、以下でさらに詳細に説明される複数のシム102、104を備える)と、装置10の中および外に結合流体を移動させるための複数の結合流体ライン120とを含む。示されるように、カバー板は、特定の実施形態に応じて、装置10に、および装置10から流体を輸送するための種々の穴122を含む、2つのカバー板の種類、すなわち、前カバー板110および後カバー板111を備える。理解されるように、穴122の配設、およびカバー板110、111の全体的構造は、特定のシステム実施形態に応じて、各カバー板110、111の間で変化してもしなくてもよい。
【0046】
本明細書で説明されるように、シム群108は、概して、複数のシム102、104を含む。図10Aを簡潔に参照すると、本装置の実施形態による、例示的な熱および質量移動システム構成要素内のシム群108と関連付けられた、複数の積層シム102、104の一部分の拡大斜視図が示されている。図10Aの詳細および明細は、以下でさらに説明に論議するが、該図は、ここでは、本装置10の一実施形態によるシム群108の中のシムの積層配設を図示するために論議されている。シム102、104は、シムの間ならびに熱および質量移動構成要素の間で流体移動を達成するための(したがって、アセンブリ10の全体を通して熱および質量移動を達成するための)複数のマイクロチャネル、空隙、および他の熱移動特徴(以下でさらに詳細に説明される)を含む。
【0047】
一実施形態によれば、複数のシムの対(各対は各シムの種類AおよびBの1つを含む)を形成するよう、シムが熱移動装置10内で交互に積層および整合されるように、シムは、2つのシムの種類(すなわち、以下でさらに詳細に説明される、シムA102およびB104)を備える。図10Aに示された実施形態では、シムは、2つの説明されたシムの種類、102a、104a、102b、104b、102c、104c、・・・102n、104nの交互様式で配設され、「n」は、所望の熱および/または質量移動機能性を果たすために使用される、シム群の中のシムの対の総数を表す。本明細書で詳細に説明されるように、2つの異種のシムの種類は、装置10の全体を通して交互流体流動ならびに熱および質量移動機能性を可能にするように、異なるマイクロチャネル配設を含む。
【0048】
図1を再び参照すると、切断域112は、シム群108(およびシム102、104)を介して形成された熱および質量移動システム構成要素の一部分を表示するように装置10から除去されたカバー板110、111の一部を図示する。切断域112で示されるように、複数の組み合わされたシムによって画定されるような例示的な熱ポンプの熱および質量移動システム構成要素のうちの1つ(具体的には凝縮器)が、その全体で示されている。各熱および質量移動システム構成要素の設計および側面、ならびに例示的な全体的吸収冷却および/または加熱アセンブリに関するその動作を、以下でさらに詳細に説明する。
【0049】
種々の実施形態によれば、シム102、104は、鋼鉄または他の熱伝導性金属、セラミック、プラスチック(低温用途において)、および当業者に思い付くような他の同様な材料から製造される。カバー板110、111は、結果として生じるカバー板が、動作中にアセンブリ10をともに担持するのに適切な強度および剛性特徴を有する限り、シムの材料と同様または異種の材料から製造される。シム102、104の中のマイクロチャネル(以下で論議される)は、概して、光化学エッチング過程または他のエッチング過程、リソグラフィ、シム製造中の型打または機械加工、または他の同様な微細切断技法を介して形成される。いったん製造されると、シム102、104およびカバー板110、111は、単体でマイクロスケールの熱または熱および質量移動システム10を形成するように、拡散接合、ろう付け、または接着(低温用途において)を介してともに接合され、あるいは、ボルト締めまたは締め付けアセンブリを介して組み合わされ、あるいは、同様の接合または組立技法を介して別様に組み立てられる。
【0050】
図1に示されるように、熱または熱および質量移動システム10(吸収熱ポンプとして図1で示される)は、結合流体ライン120を通る従来の流体結合を介して、熱源130から入力熱を受容する。結合流体ラインは、熱または熱および質量移動装置の中または外に結合流体を輸送するように、カバー板110、111の穴122を介して装置10に取り付けられる。種々の実施形態によれば、穴122はまた、外部作業流体ライン(図示せず)を介して、1つの内部熱および質量移動構成要素から別の構成要素に作業流体を輸送するために使用することもできる。しかしながら、理解されるように、作業流体はまた、カバー板110、111またはシム102、104自体に組み込まれた接続部を介して、アセンブリ10内の熱および質量移動構成要素の間で移動させられてもよい。理解されるように、外部加熱および冷却は、全ての実施形態において、必ずしも温水結合を介して供給されるわけではなく、特定の実施形態に応じて、高温ガス流、例えば、煙道ガス流、凝縮蒸気、または他の高温凝縮流体、または外部加熱された固体伝導性ヒータ、または何らかの他の同様の技法を介して供給されてもよい。加えて、図1に示された装置10の実施形態は、熱源130から熱を受容し、加熱出力140および/または冷却出力150を消去し、本システムの実施形態は、当業者に思い付くような種々の加熱および/または冷却機能を果たすように設計することができる。
【0051】
図1に記載されるように、熱源130の実施例は、燃料の燃焼、自動車排出ガス、エンジン冷却剤、船舶用機関熱、軍艦用ガスタービン熱、ディーゼル機関熱、または、化学過程、金属加工、食品加工、および種々の他の製造過程からの熱を含む。前述のように、熱源は、熱エネルギーに由来する。加熱出力140の実施例(すなわち、システムによって排出される熱の用途および利用)は、暖房(例えば、家庭またはオフィス暖房)、水の加熱、および乾燥を含む。冷却出力150の実施例(すなわち、システムによって排出される冷却の用途および利用)は、建物または自動車の空調、除湿、水の冷蔵、冷凍、電子機器の冷却、装着型冷却用途(例えば、消防士のユニフォームにおける冷却システム)、薬物保管、および食品保存を含む。理解および認識されるように、潜在的な加熱源、ならびに加熱および冷却出力(用途)の一覧は、例示的な目的のみで提供され、本開示または本明細書で説明される実施形態の範囲を限定することを目的としない。
【0052】
図2は、シム群108の中のシム102、104を介して形成された熱および質量移動システム構成要素の一部分を表示するように装置10から除去されたカバー板110、111の一部を図示する切断域202を伴う、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置10の実施形態を示す。シム群108の複数部分も、本システムの例示的な実施形態の内部動作および幾何学形状をさらに図示するように除去されたものとして示されている。示されるように、図2の実施形態は、図示されたシステム実施形態のより容易な視認を促進するように、結合流体ライン120を含まない。
【0053】
図2に示されるように、例示的な装置10は、概して、長方形の角柱形状を備え、L×H×W(すなわち、長さ×高さ×幅)の寸法を有する。しかしながら、理解されるように、他の実施形態によれば、必要に応じて他のシステム形状が使用される。前述のように、本システムの実施形態は、概して、従来の熱および質量移動システム(例えば、従来の吸収熱ポンプおよび他の関連システム)と比較して、サイズがはるかに小さいマイクロスケールのシステムを備える。しかしながら、理解されるように、本装置10の実施形態は、事実上あらゆる用途に適するように縮小拡大することができる。例えば、1つの具体的な例示的実施形態(以下でさらに詳細に説明される)は、それぞれ200×200×34mm3のL×H×W寸法を含む。しかしながら、特定の用途の必要冷却および加熱負荷に応じて、さらに小さい実施形態(例えば、120×120×25mm3以下)が使用される。加えて、個別シムの厚さ(すなわち、幅)も可変であるが、0.5mmの例示的な厚さが、本明細書で説明される例示的実施形態と関連付けられる。
【0054】
代替として、サイズが相対的に重要でない要因であり、より大きい加熱および冷却負荷および容量が必要とされる用途では、本システムの実施形態は、利用可能な保管空間および製造制約のみによって限定される、大規模装置に拡大することができる。さらに、種々の実施形態によれば、個々の熱および質量移動システム構成要素は、全体的なシステム設計におけるモジュール性(図17と併せて以下でより詳細に説明される)を可能にするように、全体的なアセンブリ10から除去される(すなわち、シムが、複数の構成要素の代わりに、単数の熱および質量移動構成要素を画定する)。
【0055】
図3は、本明細書で説明されるような熱または熱および質量移動装置10の例示的な完全に組み立てられた実施形態を示す。図3に示された装置は、シム群108の中の全ての含まれたシム102、104と、カバー板110、111とが、ともに接合されている(例えば、拡散接合、ろう付け等を介して)、または別様に組み合わせられている、システムを表す。示されるように、装置の中または外へ熱および冷却を移動させる結合流体のみが、結合流体ライン120を介して装置10に進入または退出しているように、示された特定の実施形態に対する全ての随意的な穴122が、カバー板110、111から除去されている。図3に示された装置10は、全ての作業流体を内部に移動させる(すなわち、カバー板110、111、またはシム102、104自体の中の接続部またはチャネルを介して)、前述のような本システムの実施形態を表す。したがって、外部作業流体ラインを接続して、内部熱および質量移動システム構成要素の間で作業流体を移動させるための穴は、示された実施形態では不必要である。
【0056】
図3の結合流体ライン120は、装置10の中および外への例示的な結合流体流動を図示する。結合流体ライン120は、装置10に熱を供給するように熱源130を往復し、外部用途に熱を放出するように熱遮断(出力)140を往復し、および空調空間に冷却を移動させるように冷却出力150を往復して、結合流体を移動させる。しかしながら、前述のように、いくつかの実施形態では、熱入力は、結合流体ラインおよび結合流体介さずに、高温ガス流、伝導性ヒータ、または他の同様の技法を介して提供される。
【0057】
図4A−4Dは、本システムの実施形態による、例示的なマイクロスケールの熱または熱および質量移動装置10の分解斜視図を示す。図4Aは、カバー板110が装置の残りの部分から(すなわち、シム群108の中の組み合わされた複数のシム102、104ならびに装置の交互側のカバー板111から)除去されている、装置10の実施形態の斜視図を示す。示されるように、複数のシムの対(各シムの対はシムBに接合されたシムAを備え、各シムの詳細は以下でさらに詳細に説明される)が、シム群108を形成するように組み合わせられる。装置内に含まれるシムの対の数は、装置が使用される特定の用途に応じて(例えば、必要とされる加熱および冷却負荷、サイズ、および重量制約等に基づいて)変化する。
【0058】
理解されるように、より多くのシム(およびシムの対)がシム群108の中で組み合わせられにつれて、マイクロチャネルの対応する数が増加し、装置10内の各熱および質量移動システム構成要素の中のマイクロチャネルと関連付けられた熱的接触のための結果として生じる表面積も増加する(以下でより詳細に説明される)。したがって、より大きい冷却および/または加熱出力を必要とする用途には、より多数の(および/またはより大型の)シムの対が必要とされる。例えば、その最も基本的な実装では、1つのシムA102および1つのシムB104を備える、単一シムの対が、シム群108を形成して、所与の用途の必要な熱および質量移動機能を果たすのに適切であってもよい。他の実施形態では、数十、数百、またはより多くのシムの対が使用されてもよい。理解されるように、使用されるシムの数および全体的なシムおよび装置のサイズは、各特定システム実施形態の特定の使用および用途に依存する。
【0059】
依然として図4Aを参照すると、例示的なシム群108は、吸収冷却および/または加熱システムの熱および質量移動システム構成要素を画定する。示されるように、各熱および質量移動システム構成要素は、シム群108の中の各構成要素の特徴および幾何学形状を画定する、複数の積層された、または組み合わされたシムの対によって形成される。これらの熱および質量移動構成要素ならびに各構成要素の内側および間の流体移動の詳細は、以下でさらに詳細に説明する。
【0060】
図4Bは、カバー板110、111がシム群108から分離されている、装置10の実施形態の斜視分解図を示す。示された実施形態では、穴122の配設は、2つのカバー板110、111のそれぞれについて異なる。この穴配設の違いは、装置10の両側の種々の結合流体ラインおよび作業流体ラインに対する取付点の違いに起因する。前述のように、本装置の種々の実施形態は、作業流体が内部熱および質量移動構成要素の間で(例えば、カバー板の中の接続部またはチャネルを通して、または外部作業流体ライン等を介して)移動させられる方式に応じて、また、装置を往復して加熱および冷却を提供および受容するために、結合がどのように使用されるか、および結合が使用されるかどうかに等に応じて、穴122の様々な数および位置を含む。
【0061】
図4Cは、カバー板110、111がシム群108’から分離され、単一のシムA102がシム群108’から分離されている、装置10の実施形態の斜視分解図を示す。複数のシムAのうちの1つがシム群から分離されていることを除いて、シム群108’は、図4Aおよび4Bで以前に示されたシム群108と同様である。図4Dは、カバー板110、111がシム群108”から分離され、単一のシムA102および単一のシムB104シム群108”から分離されている、装置10の実施形態の斜視分解図を示す。複数のシムBのうちの1つがシム群から分離されていることを除いて、シム群108”は、図4Cで以前に示されたシム群108’と同様である。前述のように、シムAおよびBはともに、シムの対を形成する。したがって、シム群108”は、複数のシムの対を備えるが、シム群108(図4Aおよび4Bに示される)と比較して、シムの対が1つ少ない。また、前述のように、装置10が完全に組み立てられると、シム102、104およびカバー板110、111は、吸収冷却および/または加熱システム、または何らかの他の同様な熱および/または質量移動デバイスの必要な熱および質量移動構成要素を画定するように、ともに接合されるか、または別様に組み合わせられる。
【0062】
図5は、本熱または熱および質量移動装置10の一実施形態による、内部熱および質量移動システム構成要素ならびに構成要素間の流体流動の概略機能図500を図示する。例示的な装置10の中の熱および質量移動構成要素の基本的機能および過程が、図5に関して示され、説明されている一方で、シム102、104によって画定されるような、これらの構成要素の例示的な構造および幾何学形状は、以下で後続の図に関してより詳細に示され、説明される。示された例示的な実施形態では、システムは、冷却モードで単一効果のアンモニア−水(すなわち、作業流体)吸収熱ポンプとして動作するために配設される。しかしながら、理解されるように、種々の実施形態によれば、以下でより詳細に説明されるように、種々の種類の作業流体および多構成要素流体(例えば、臭化リチウム−水)を利用した、二重効果、三重効果、および他の多重効果システム等の他の配設が使用される。加えて、図5に示されたシステムの軽微な修正が、加熱モード動作を可能にする(同様に以下でより詳細に説明される)。
【0063】
図5の概略図500を参照すると、熱源130、熱遮断のための外気140、および空調空間150を、作業流体対(例えば、アンモニア−水)を運ぶ装置10内の内部熱および質量移動構成要素に接続するために、流体結合が使用される。示されるように、システムの高い側の圧力で溶液ポンプ502から退出する濃縮アンモニア水溶液(すなわち、作業流体)は、流体ライン504によって回復溶解熱交換器800に運ばれる。回復溶解熱交換器800の中の回復加熱時に、アンモニア水溶液はさらに、流体ライン506を介して脱着器構成要素1100へ進み、そこで、アンモニア−水蒸気混合物がアンモニア水溶液から脱着させられる。アンモニア水溶液(すなわち、希釈溶液)は、流体ライン508によって脱着器から退出し、前述の回復溶解熱交換器800へと流れる。希釈溶液は、回復溶解熱交換器800の中で冷却され、後に、溶液膨張弁512に運ぶ流体ライン510を通って退出する。
【0064】
システムの低い側の圧力へと膨張弁512の中で膨張すると、ライン514から退出する希釈溶液は、吸収体構成要素1500に進入し、そこで構成要素は、ライン516を通って回復冷媒熱交換器1300に到着する冷媒(すなわち、アンモニア)蒸気を吸収する(以下でさらに詳細に説明される)。示されるように、鎖線(例えば、線516)が作業流体の蒸気相を表す一方で、実線(例えば、線510)は液相を表す。本明細書で参照されるように、および当技術分野で理解されるように、アンモニア−水作業流体を説明する時、「アンモニア」は、「冷媒」と略同義であり、「水」は、「吸収剤」と略同義である(しかし、理解されるように、相対的に最小量または微量の水が存在する場合があるため、冷媒は純アンモニアを含まない場合があり、逆もまた同様である)。代替として、臭化リチウム−水作業流体を説明する時、「臭化リチウム」は、「吸収剤」と略同義であり、「水」は、「冷媒」と再び略同義である。これらの用語は、任意の冷媒−吸収剤作業流体対に適用可能であるものとして、当技術分野で理解される。
【0065】
依然として図5を参照すると、吸収体1500の中で希釈溶液によって排除された吸収熱は、最終的に外気(例えば、加熱出力140)へと熱を排除する、中温結合流体ライン518によって除去される。吸収体1500の中での希釈溶液への冷媒蒸気の吸収時に、結果として生じる濃縮アンモニア水溶液は、吸収体から出て流体ライン520を通って前述の溶液ポンプ502に進み、そこで再び(前述の)回復溶解熱交換器800に送出される。
【0066】
脱着器1100の論議に戻ると、脱着熱は、システムを駆動する熱源130に接続される高温熱移動流体ライン522(すなわち、熱源との流体結合)によって、脱着器に伝えられる。(前述の)脱着器構成要素1100から出て行くアンモニア水蒸気は、精留器構成要素1150に進入し、冷却流体ライン524が、アンモニア水蒸気をより高濃度のアンモニアに精留するために採用される。示されるように、精留器1150および脱着器1100は、単一の構成要素に組み合わせられるが、理解されるように、これらの構成要素は、種々の実施形態によれば、所望に応じて分離されてもよい。特定の実施形態に応じて、冷却流体ライン524で採用される冷却流体は、中温温水流体、または溶液ポンプ502から退出する濃縮溶液、または特定のシステムおよび条件に応じた何らかの他の流体である。
【0067】
精留器1150からの還流アンモニア水溶液は、脱着器1100に戻り、そこで(前述の)流体ライン508を通して消去される。精留器1150から退出する高濃度アンモニア(すなわち、冷媒)蒸気は、流体ライン526を介して凝縮器構成要素1200に伝えられる。凝縮器1200では、濃縮アンモニア蒸気が凝縮され、最終的に凝縮熱を外気(例えば、熱遮断140)に排除する中温温水流体ライン528によって液体冷媒(すなわち、アンモニア)に補助冷却される。例えば、流体ライン530を通って凝縮器1200から出て行く液体冷媒が前述の回復冷媒熱交換器1300に進入し、そこで、(以下で説明される)蒸発器構成要素1400から退出する蒸気相冷媒によってさらに冷却される。冷却された液体冷媒は、冷媒膨張弁534に冷媒を運ぶ流体ライン532を通って回復冷媒熱交換器1300から退出する。システムの低い側の圧力への膨張時に、結果として生じる二相冷媒混合物は、流体ライン536によって蒸発器構成要素1400に伝えられる。
【0068】
蒸発器構成要素1400では、二相冷媒混合物の蒸発が、ライン538を通る低温結合流体の冷却を達成する。流体ライン538は最終的に、所望の冷却(例えば、空間調整150)が達成される空調空間に(温水結合を介して)接続される。蒸気した冷媒は、ライン540を通って蒸発器1400から退出し、前述の回復冷媒熱交換器1300へと流れ、そこで、凝縮器1200から退出し、ライン530を通って回復冷媒熱交換器1300に進入する液体(高圧)冷媒用の冷却剤としての機能を果たす。加熱した冷媒蒸気は、ライン516を通って回復冷媒熱交換器1300から退出し、(前述のような)吸収体構成要素1500へと流れてサイクルを完了する。
【0069】
前述のように、図5に示されたシステムの軽微な修正が、(示されるような冷却モードとは対照的に)加熱モード動作を可能にする。例えば、蒸発器1400の低温流体ライン538を空調空間とは対照的な屋外の外気に結合し、凝縮器1200および吸収体1500の中温流体ライン528、518を熱遮断のための屋外の外気とは対照的な空調空間に結合することにより、装置10のアセンブリまたは構成要素を変更することなく、加熱モード動作を可能にする。理解および認識されるように、熱および質量移動システム構成要素と外部加熱および冷却源との間の接続部の種々の配設は、本システムの実施形態の種々の動作モードを可能にする。
【0070】
また、前述のように、図5は、本発明の一実施形態による、単一効果システムを図示する。しかしながら、種々の他の実施形態によれば、他の種々の種類の作業流体および多構成要素流体(例えば、臭化リチウム−水)を利用した、二重効果、三重効果、および他の多重効果システム等の、(単一効果配設とは対照的な)他の配設が使用される。図5に示されたものと同様に構成される付加的な回復構成要素は、多重効果および他の先進的熱ポンプの熱力学サイクル動作を達成する。したがって、例えば、二重効果動作は、精留器1150および凝縮器1200を通って流れる前に、本実施形態で示された脱着器1100から退出する蒸気から熱を回復回収することによって付加的な冷媒を生成する、第2効果脱着器を含むことによって、高温熱源を伴う用途のために達成される。付加的な実施例は、図5の単一効果実施形態に示された、専ら温水で冷却された吸収体の代わりに、溶液で冷却された吸収体および温水で冷却された吸収体の組み合わせを含む。他の同様な回復熱交換構成要素を備える、さらなる実施形態は、発生器−吸収体−熱交換(GAX)熱ポンプ構成を生じる。理解されるように、相対的に高い熱源入力温度が使用される実施形態では、付加的な回復熱交換構成要素または熱および質量移動構成要素の包含を通して、(同じ入力温度を使用する単一効果システムと比較して)より優れた加熱または冷却効果が達成される。
【0071】
図6Aおよび6Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムA102およびシムB104の例示的表現を図示する斜視図である。シム102、104は、本明細書で説明されるような例示的な吸収熱ポンプの特定の熱および質量移動機能を果たす、熱および質量移動システム構成要素の配設を図示する。前述のように、一実施形態によれば、シムAおよびBは、シムの対を形成するように組み合わされ、複数のシムの対は、シム群108を形成するようにさらに組み合わされる。シム群108を備えるために使用されるシムの対の数は、概して、各特定用途の所望の冷却または加熱負荷に依存している。さらに、以下でさらに詳細に説明されるように、シムA102およびB104のある特徴(例えば、マイクロチャネル、マイクロスケール通路、および他の流体接続ラインの数および配設)が同様または同一である一方で、他の特徴は異なる。この違いは、概して、一方の種類のシム(例えば、シムA)が装置10の実施形態の全体を通して作業流体を伝える一方で、他方の種類のシム(例えば、シムB)は装置の全体を通して結合流体を伝えるという概念に対応する(しかし、これは、本システムの各実施形態、または特定の実施形態内の各熱および質量移動構成要素にとって必ずしもそうではない)。例示的なシムAおよびBを通る具体的な流体流動は、以下でさらに詳細に説明する。
【0072】
依然として図6Aおよび6Bを参照すると、図5で示され、以前に論議された例示的な熱および質量移動システム構成要素が、例示的なシム102、104の中で配設されて示されている(または具体的には、シムAおよびBによって画定される熱交換構成要素の個々の層が示されている)。示されるように、例示的な吸収冷却および/または加熱システムを構成する、各離散熱および質量移動システム構成要素は、各シム102、104によって形成され、かつ各シム102、104の一部である。具体的には、図5(および本明細書の他の部分)と併せて以前に説明された個々の機能を果たすための、回復溶解熱交換器800、脱着器1100、精留器1150、凝縮器1200、回復冷媒熱交換器1300、蒸発器1400、および吸収体1500の個々の層が、それぞれ、図6Aおよび6Bで、シムA102およびB104の各々の中で表されている。
【0073】
前述のように、いくつかの熱および質量移動構成要素について、シムB104と比較したシムA102の特徴(例えば、マイクロチャネル配設等)は、各個別熱および質量移動構成要素内で変化する。一実施形態によれば、これらの違いは、所望の流体流動と、その中で熱を交換する作業流体と結合流体との間の熱移動機能とを可能にする(例えば、一方のシムの種類が作業流体を運ぶ一方で、他方のシムの種類は結合流体を運ぶ)。これらの違いは、以下および後続の図でさらに詳細に示され、説明される。具体的には、必要な熱移動機能を達成するように内部シムの違いを含む、熱および質量移動構成要素は、回復溶解熱交換器800a、800b、凝縮器1200a、1200b、回復冷媒熱交換器1300a、1300b、蒸発器1400a、1400b、および吸収体1500a、1500bである。
【0074】
代替として、脱着器1100および精留器1150に対するシムAおよびBの各々の内側の特徴は、相互と比較して同じである(例えば、マイクロチャネルおよび他のマイクロスケールの通路の配設が同様である)。これらの熱交換構成要素の機能、内部シム特徴の配設、およびシム内の流体流動に基づいて、シム特徴の異種配設は、(一実施形態では)これらのシムの種類にとって必要ではない。したがって、シムA102およびB104は、シムの脱着器1100a、1100b、および精留器1150a、1150b部分について示された例示的な実施形態にとって同一である。
【0075】
加えて、各シムA102およびB104の中の整合切り欠き602および604が、シムの穴を提供して、各熱移動装置内で所望に応じて、複数のシムの対およびカバー板110、111の正確な整合、組立、および連結を促進する。示されるように、例示的な切り欠き602および604は、全体的なアセンブリ内でシムの容易な連結および整合を可能にするように(例えば、シムがシステム組立中に偶発的に反転されないように)、相互と比較して様々な断面を有する(すなわち、切り欠き602が円形である一方で、切り欠き604は正方形である)。理解されるように、特定の実施形態に応じて、切り欠き602、604は、事実上あらゆる断面形状を画定し、いくつかの実施形態では、完全に不必要であり、したがって含まれない。
【0076】
図7Aおよび7Bは、本システムの一実施形態による、それぞれシムA102およびシムB104の例示的表現を図示する正面図である。図7Aおよび7Bは、本質的に、図6Aおよび6Bと併せて以前に示され、説明されているような複数のシムAおよびBによって画定される、熱および質量移動システム構成要素の層の正面図を図示する。したがって、例示的なマイクロスケールの吸収熱ポンプの中の熱および質量移動システム構成要素のそれぞれ、具体的には、回復溶解熱交換器800a、800b、脱着器1100a、1100b、精留器1150a、1150b、凝縮器1200a、1200b、回復冷媒熱交換器1300a、1300b、蒸発器1400a、1400b、および吸収体1500a、1500bが示されている。
【0077】
また、図7Aおよび7Bでは、システム内の個々の熱および質量移動構成要素内で、流体流動および結果として生じる熱移動を可能にする、マイクロチャネル702も示されている。理解および認識されるように、これらのマイクロチャネル702は、本装置の種々の実施形態によれば、様々な寸法を備え、様々な数で含まれる。本明細書で説明される1つの例示的な実施形態によれば、これらのマイクロチャネルは、シムの厚さ(例えば、0.25mm)の約半分のチャネルエッチ深度、約0.5mmのチャネル幅、および約306μmの公称チャネル水力直径を備える、寸法を有する。しかしながら、再度、これらのマイクロチャネル寸法は、例示目的のみで提供され、決して本発明の範囲を限定することを目的としない。代表的な寸法およびマイクロチャネル断面は、例示的なシステム実施形態と関連する図20および21と併せて以下でさらに詳細に示され、説明される。
【0078】
用語集に記載のように、例えば、たとえ例示的な実施形態が306μmの水力直径を備えるマイクロチャネルを利用しても、マイクロチャネル流体流動、ならびに熱および質量移動現象は、1μm乃至約1mm(以上)に及ぶ水力直径を伴うチャネルで利用されてもよい。実際に、異なる流体および流体混合物に対する異なる圧力および温度で、これらのチャネルの中での、流体特性および動作条件、対応する蒸気泡形成現象および臨界気泡直径、ならびに、表面張力、重力、および慣性力の様々な効果に応じて、チャネルは、最大約3mmさえもある、多少大きい水力直径で、マイクロチャネルに特有の流体流動および熱移動現象を示してもよい。
【0079】
さらに、一実施形態では、マイクロチャネルサイズは、システムの中の各熱および質量移動システム構成要素の全体を通して同じである(例えば、306μmの水力直径)。他の実施形態では、マイクロチャネル寸法は、構成要素ごとに変化する(例えば、吸収体1500の中のマイクロチャネルは、凝縮器1200の中のマイクロチャネルとは異なる寸法を備えてもよい)。加えて、さらに他の実施形態では、マイクロチャネル寸法は、同じ熱および質量移動構成要素内でさえも、シムB104と比較してシムA102について変化してもよい。理解および認識されるように、種々のシステム実施形態によれば、種々のマイクロチャネル寸法が、必要に応じて使用される。
【0080】
加えて、種々の実施形態によれば、マイクロチャネルは、光化学エッチング、型打、切断、または他の機械加工技法を介して形成される。さらに、シムの中のマイクロチャネルの断面形状は、必要に応じて、単相または二相状態の流体流動を可能にするように、実施形態に応じて、正方形、長方形、半円形、半楕円形、三角形、または他の単独で接続された断面を備え、マイクロスケールの断面形状および寸法は、熱および質量移動要件、動作圧力、組み立てられた装置の構造強度、寸法交差ならびにシムおよびカバー板の接合に対する製造制約、および他の用途特有の要因に基づいて決定される。
【0081】
(離散した例示的な熱および質量移動システム構成要素の考察)
説明されるように、本システムの実施形態は、概して、マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムあるいは熱駆動サイクル装置を備える。より具体的には、例示的な実施形態は、回復溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器、吸収体、および他の同様の構成要素等の、離散的であるが統合した熱および質量移動システム構成要素を含む、単体でマイクロスケールの吸収加熱および/または冷却装置を備える。これらの離散構成要素の特定の構造および機能、ならびに本システムの例示的な実施形態(例えば、吸収熱ポンプ)によって表されるような構成要素間の動作接続は、以下でさらに詳細に説明される。
【0082】
(回復溶解熱交換器)
図8Aおよび8Bは、本装置10の実施形態による、回復溶解熱交換器800と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ示す。示されるように、希釈アンモニア水溶液は、ともに組み合わせられた複数のシム(図10Aおよび10Bと併せてより詳細に示され、説明される)によって形成される空隙802(本明細書では「積層空隙」とも呼ばれる)を通って、入口ヘッダにおいて装置(具体的には回復溶解熱交換器800)に進入する。以下で説明されるように、空隙802(およびシステム空隙)は、システム内の個々の熱および質量移動構成要素またはマイクロチャネルの中または外への流体流動を可能にし、また、特定のシムの中または外への流動も許容または制限する。
【0083】
希釈アンモニア水溶液は、溶液ポンプ502から外部管類(図示せず)を介して回復溶解熱交換器800に進入する(概して吸収体1500から開始される)。図8Aに示された例示的な実施形態では、シムA102の平面内で、空隙802aは、流体がシムを横断して流れることを可能にしない止まり穴を備える。しかしながら、図8Bに示されたシムB104の平面内で、空隙802bは、シムA102の中の同様のマイクロチャネル(希釈アンモニア水溶液とは逆流の配向で脱着器1100から受容される濃縮アンモニア水溶液を運ぶ)と熱的接触している複数のマイクロチャネル702の中へ、希釈アンモニア水溶液が分配されることを可能にする、流体分配通路804への入口を含む。シムBの中の複数のマイクロスケールチャネル702を通って流れると、希釈溶液は、入口における分配通路804と構造が同様である出口通路806を通って退出する。通路806は、積層シムA102およびB104のアセンブリによって形成される空隙808a、808bに希釈溶液を運び、この空隙は、希釈溶液のための出口ヘッダとしての機能を果たす(希釈溶液は、後に溶液膨張弁512に伝えられる)。
【0084】
依然として図8Aおよび8Bを参照すると、濃縮アンモニア水溶液は、それぞれ、シムA102およびB104の中の交互空隙810aおよび810bの積層アセンブリを通して、回復溶解熱交換器800に進入する。示された実施形態によれば、希釈溶液を受容する空隙802a、802bを補完する配設において、シムB上の空隙810bは、流体がシムを横断して流れることを可能にしない止まり穴を備える。しかしながら、シムA上の対応する空隙810aは、分配された濃縮溶液が、空隙810aからマイクロスケール通路702の中へ流れることを可能にする。マイクロスケール通路702から退出すると、濃縮溶液は、空隙812aに進入し、交互積層空隙812a、812bによって形成される出口ヘッダを通って溶解熱交換器から退出し、そこで後に脱着器1100へと伝えられる。
【0085】
図9Aおよび9Bは、本装置10の実施形態による、回復溶解熱交換器800と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の拡大斜視図をそれぞれ示す(すなわち、これらの図は図8Aおよび8Bの拡大図である)。図9Aおよび9Bは、それぞれ、希釈溶液のためのシムAおよびB上の入口空隙802aおよび802bの配設、ならびに空隙802bからシムBの中の複数のマイクロスケールチャネル702に希釈溶液を運ぶための流体通路804をさらに詳細に図示する。また、濃縮(アンモニア−水)溶液を運ぶためのシムAの中の対応する複数のマイクロスケールチャネル702、および回復溶解熱交換器800の外へ濃縮溶液を移動させるための出口空隙812aおよび812bも示されている。
【0086】
図9Bに示されるように、分配通路804は、長方形の均一な断面を含む。しかしながら、他の実施形態では、シムB104の中のマイクロチャネル702を通る均一な流動分配を確保することが必要な場合、この断面は、分配通路804の中ならびにマイクロチャネル702の中で流圧降下をより良好に管理するように、流体が流れる方向に対して先細りであり、これは改善した流体分配につながる。種々の実施形態によれば、シムA102およびB104の中のマイクロチャネル702の断面は、それぞれ、各特定用途に対する所望の流速および熱移動速度に基づいて、正方形、長方形、半円形、半楕円形、三角形、または他の同様な単独で接続された形状を備える。さらに、シムAおよびB上のマイクロチャネル702の断面は、必ずしも同じではなく、(それぞれシムAおよびB上の)2組の通路が、その中を流れる希釈および濃縮溶液流の異なる流速および熱容量に適応するために、異なるマイクロスケール通路の幾何学形状を採用することができ、熱抵抗のより良好な合致をもたらす。
【0087】
本システムの種々の実施形態によれば、回復溶解熱交換器800、ならびに本明細書で説明される装置の他の熱および質量移動システム構成要素と関連付けられる、空隙802a、802b、812a、812b、および他の空隙は、特定の実施形態による所望または必要に応じて、様々な断面を備える。例えば、空隙812が、正方形の断面を備える一方で、空隙802は、図9Aおよび9Bに示された実施形態については円形の断面を備える。しかしながら、他の実施形態によれば、長方形および他の同様な断面等の、他の形状が利用される。一実施形態では、圧力抵抗を低減する(しかし同時にマイクロチャネルが同一の流動長を有することを確実にする)よう、「D」の直線部分がマイクロチャネルの入口に沿って整合されるように、D字型空隙が使用される。
【0088】
以前に簡潔に論議されているように、図10Aおよび10Bは、本装置10の実施形態による、回復溶解熱交換器800と関連付けられた、複数の積層シムA102およびシムB104の複数部分の拡大斜視図を図示する。示されるように、図10Aの最上シムが代表的なシムA102である一方で、図10Bの最上シムは代表的なシムB104である。図10Aおよび10Bに示された複数の積層シムは、空隙802と分配通路804との間、ならびに空隙812とマイクロチャネル702との間の動作接続を詳細に図示する。前述のように、シムB上の通路804の幾何学形状は、溶液が空隙802からシムBの中へ入ることを可能にする。加えて、シムA上のマイクロチャネル702は、溶液がマイクロチャネルから空隙812に移ることを可能にする。また、示されるように、シムAが分配通路804を含まないため、溶液は空隙802からシムAに流入することを制限される。さらに、シムBが空隙812へのマイクロチャネル接続を含まないため、溶液はシムBからこの空隙812の中または外へ移ることを制限される。理解および認識されるように、他の同様な通路、空隙、およびマイクロチャネル配設が、以下でさらに詳細に説明されるように、本システムの実施形態内の他の熱および質量移動構成要素で利用される。
【0089】
(脱着器/精留器)
図11Aおよび11Bは、本装置10の実施形態による、脱着器1100および精留器1150と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。前述のように、脱着器1100に対する特徴、通路の配設等は、シムBと比較して、シムAについて同じである。同様に、精留器1150に対する特徴、通路の配設等は、シムBと比較して、シムAについて同じである。したがって、図11Aおよび11Bに示された実施形態の表現は同一である。しかしながら、理解および認識されるように、本システムの代替実施形態は、シムAおよびBの中のマイクロスケール特徴の配設が同じである必要がないように、(本明細書で説明される他の熱および質量移動構成要素と同様に)交互または逆流マイクロスケール通路を利用する。
【0090】
図11Aおよび11Bに示された脱着器1100の実施形態を参照すると、濃縮アンモニア水溶液は、複数のシムの対AおよびBによって画定される積層空隙によって形成される入口ヘッダ1102を介して、回復溶解熱交換器800から脱着器に進入する。次いで、濃縮溶液は、シムAおよびB上の複数の通路1104に進入し、溶液がこれらの通路を通って流れるにつれて、(空隙1106を介して)外部熱源によって加熱され、したがって、アンモニア−水冷媒蒸気および希釈アンモニア水溶液を産生する。示されるように、外部熱源は、それぞれ、シムAおよびBの中の複数の空隙1106を通して、濃縮溶液に提供される。種々の実施形態によれば、熱源からの熱は、高温ガス流、例えば、煙道ガス流、凝縮蒸気、または他の高圧凝縮流体、または外部加熱された固体伝導性ヒータ、または外部熱源に結合された熱移動結合流体、または他の同様の技法によって、空隙1106を通して提供される。図11Aおよび11Bの実施形態に示された、通路1104の中の濃縮アンモニア水溶液と空隙1106の中の外部熱源との間の交流配向は、この流れに対する1つの可能な構成にすぎない。例えば、代替実施形態では、図11Aおよび11Bに示されるようなシムの垂直配向とは対照的に、対応する溶液通路1104と平行にシムAおよびBの中の空隙1106を配向させることによって、アンモニア水溶液と外部熱源との間の逆流配向が提供される。
【0091】
入口ヘッダ1102付近のシムAおよびBの中のスロット空隙1110は、外部熱が濃縮溶液に最大限に適用されるように、回復溶解熱交換器構成要素800と脱着器熱源空隙1106との間に熱的隔離を提供する。他の実施形態および側面によれば、高温および低温で維持されるべき熱交換構成要素の間で熱的分離を達成するために、本システムの全体を通した種々の位置で同様の空隙が使用される。脱着器通路1104から退出する希釈アンモニア水溶液およびアンモニア−水蒸気混合物は、複数のシムの対AおよびBによって画定される積層空隙によって形成される脱着器出口ヘッダ1108の中に集合し、後に、精留器1150に流入する。
【0092】
概して、脱着器出口ヘッダ1108からのアンモニア水蒸気は、シムAおよびB上の精留器トレイ1112によって形成される精留器蒸気空間1122に流入する。蒸気が精留器1150に沿って進むにつれて、蒸気空間チャンバ1122の側壁に沿った通路1116を通ってアンモニア−水蒸気へと逆流配向で流れる結合流体による冷却は、蒸気の精留を達成する。特定の実施形態に応じて、この結合流体は、(前述の)溶液ポンプ502から退出する中温結合流体または濃縮アンモニア水溶液を含む。結合流体は、シムAおよびBの中の積層空隙1118によって形成される入口ヘッダにおいてアセンブリ10に進入し、シムAおよびBの中の積層空隙1120によって形成される出口ヘッダから退出する。精留過程中、還流液体(すなわち、希釈アンモニア水溶液)は、トレイ1112の中に集合し、脱着器出口ヘッダ1108の中へ再び流入し、そこで、脱着器から退出する前に、その中で希釈アンモニア水溶液と混合する。一実施形態によれば、希釈アンモニア水溶液は、カバー板の穴(図示せず)を通って脱着器出口ヘッダ1108から退出する。精留された高濃度アンモニア水蒸気は、シムAおよびBの中の積層空隙1114によって形成される蒸気出口ヘッダを通って、精留器蒸気空間1122から退出し、後に、凝縮器1200に移動させられる。
【0093】
一実施形態によれば、シムAおよびBの中の通路1116を介して積層空隙1118および1120の間を流れる結合流体は、強制対流である。一方で、アンモニア−水蒸気が精留器1150を通過して精留されるにつれて、還流液体は、精留器に戻り、出口ヘッダ1108において集合する。精留器1150内のこの蒸気および還流液体の逆流は、希釈アンモニア水溶液からの蒸気の精留をさらに向上させる、(結合流体側の強制対流とは違った)重力/浮力駆動流を含む。本システムの種々の実施形態に組み込まれるシム、通路、およびマイクロチャネルの幾何学形状により可能である、様々な幾何学形状は、熱または熱および質量移動システムの実施形態において、精留器1150および脱着器1100等の種々の熱および質量移動システム構成要素の中で、所望に応じて、異なる流体流について共流および逆流の強制対流および重力/浮力駆動流の組み合わせを可能にする。理解および認識されるように、この流れが発生するために、全体的なシステム10は、精留器1150が脱着器1100より上側で垂直に整合されるように配向されるべきである。したがって、例えば、使用中に、本明細書で説明されるシステムの実施形態は、相対的に平坦な配設(図4A−4D等に示されるような)ではなく、図1、2等に示されたものと同様に配向されるべきである。
【0094】
(凝縮器)
図12Aおよび12Bは、本装置10の実施形態による、凝縮器1200と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。凝縮器の構造および幾何学形状は、図8Aおよび8Bと併せて以前に論議されている回復溶解熱交換器800と相対的に同様である。示された実施形態では、中温結合流体は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1202a、1202bによって形成される入口ヘッダを通って、凝縮器1200に進入する。シムBの中の空隙1202bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への結合流体の分配流動を可能にする、通路1204につながる。結合流体は、これらのマイクロチャネル702を通過するにつれて、シムAの中のマイクロチャネルを通過する作業流体によって加熱される。次いで、加熱された結合流体は、それぞれシムAおよびB上の積層空隙1208a、1208bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1206へと流れ、中温温水流体ライン(例えば、外気に結合される)に戻される。
【0095】
示されるように、精留器1150からのアンモニア−水蒸気は、それぞれシムA102およびB104の中の積層空隙1210a、1210bによって形成される入口ヘッダを通って、凝縮器構成要素1200に進入する。シムAの中の空隙1210aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる結合流体に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、凝縮蒸気の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。凝縮および補助冷却された冷媒液体は、シムAの中のマイクロスケールチャネル702から退出し、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1212a、1212bによって形成される出口ヘッダに流入する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、結合流体入口および出口通路1204、1206、および凝縮器1200に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0096】
(回復冷媒熱交換器)
図13Aおよび13Bは、本装置10の実施形態による、回復冷媒熱交換器1300と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。回復冷媒熱交換器の構造および幾何学形状は、図8Aおよび8Bと併せて以前に論議されている回復溶解熱交換器800と相対的に同様である。示された実施形態では、凝縮器1200からの高圧液体冷媒(すなわち、アンモニア)は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1302a、1302bによって形成される入口ヘッダを通って、回復冷媒熱交換器に進入する。示されるように、シムBの中の空隙1302bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への液体冷媒の分配流動を可能にする、通路1304につながる。液体冷媒がシムB上のマイクロチャネルを通って流れるにつれて、液体冷媒は、シムAの中のマイクロチャネル702を通って同時に流れる低圧冷媒蒸気によって冷却される。後に、冷却された冷媒流体は、それぞれシムAおよびB上の積層空隙1308a、1308bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1306へと流れる。
【0097】
蒸発器1400からの低圧蒸気は、それぞれシムA102およびB104の中の積層空隙1310a、1310bによって形成される入口ヘッダを通って、回復冷媒熱交換器1300に進入する。シムAの中の空隙1310aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる高圧冷媒液に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、冷却剤としての低圧冷媒蒸気の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。冷媒蒸気は、マイクロスケール通路702から退出し、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1312a、1312bによって形成される出口ヘッダに流入する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、高圧冷媒液入口および出口通路1304、1306、および回復冷媒熱交換器1300に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0098】
(蒸発器)
図14Aおよび14Bは、本装置10の実施形態による、蒸発器1400と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。蒸発器の構造および幾何学形状は、図12Aおよび12Bと併せて以前に論議されている凝縮器1200と相対的に同様である。示された実施形態では、低温結合流体は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1402a、1402bによって形成される入口ヘッダを通って、蒸発器に進入する。シムBの中の空隙1402bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への液体冷媒の分配流動を可能にする、通路1404につながる。結合流体は、シムB上のマイクロチャネルを通って流れるにつれて、シムAの中のマイクロチャネル702を通って流れる(膨張弁534を介して回復冷媒熱交換器1300からの)アンモニア−水二相混合物によって冷却される。次いで、冷却された結合流体は、それぞれシムAおよびB上の積層空隙1408a、108bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1406へと流れ、後に、空調空間を冷却するため、または他の同様の用途に使用される。
【0099】
示されるように、膨張弁534から出て行く流体ライン536(図5および関連考察を参照)からのアンモニア−水二相混合物は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1410a、1410bによって形成される入口ヘッダを通って、蒸発器構成要素1400に進入する。シムAの中の空隙1410aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる結合流体に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、蒸発蒸気の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。蒸発した冷媒蒸気は、シムAの中のマイクロチャネルから退出し、それぞれシムAおよびBの中の空隙1412a、1412bによって形成される出口ヘッダに流入する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、結合流体入口および出口通路1404、1406、および蒸発器1400に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0100】
(吸収体)
図15Aおよび15Bは、本装置10の実施形態による、吸収体1500と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分の斜視図をそれぞれ図示する。示された実施形態では、中温結合流体は、それぞれシムAおよびBの中の積層空隙1502a、1502bによって形成される入口ヘッダを通って、吸収体1500に進入する。シムBの中の空隙1502bは、シムB上の複数のマイクロチャネル702の中への結合流体の分配流動を可能にする、通路1504につながる。結合流体は、シムA上のマイクロチャネル702を通過する希釈アンモニア水溶液および冷媒蒸気との熱的接触を介して加熱される。次いで、加熱された結合流体は、それぞれシムAおよびB上の空隙1508a、1508bによって形成される出口ヘッダにつながる、シムB上の出口通路1506へと流れる。
【0101】
示された実施形態では、溶液膨張弁512から出て行く流体ライン514(図5および関連考察を参照)からの希釈アンモニア水溶液は、それぞれシムAおよびBの中の空隙1510a、1510bによって形成される入口ヘッダを通って、吸収体構成要素1500に進入する。シムAの中の空隙1510aは、シムB上の同様のマイクロチャネル702を通って流れる結合流体に対して逆流配向であり、かつ熱的接触している、希釈溶液および冷媒蒸気(以下で説明される混合物)の流動を可能にする、複数のマイクロチャネル702につながる。中温結合流体は、希釈溶液および冷媒蒸気混合物から吸収熱を除去し、それにより、シムAの中のマイクロチャネルの中で濃縮アンモニア水溶液を形成する。濃縮アンモニア水溶液は、マイクロチャネル702から退出し、それぞれシムAおよびBの中の空隙1512a、1512bによって形成される出口ヘッダに流入する。
【0102】
一実施形態によれば、回復冷媒熱交換器1300から出て行く流体ライン516(図5および関連考察を参照)からのアンモニア−水蒸気は、それぞれシムAおよびBの中の空隙1514a、1514bによって形成される入口ヘッダを通って、吸収体1500に進入する。シムBの中の空隙1514bは、シムAの蒸気入口穴1518を通して、シムAの中のマイクロチャネル702にアンモニア−水蒸気を供給する、通路1516につながる。入口穴1518の位置は、図15Aに示されており、図16Aでさらに詳細に示されている。
【0103】
示された実施形態によれば、蒸気入口穴1518を通して、シムA上のマイクロチャネルの中への流入アンモニア−水蒸気の進入を可能にする目的で、シムA上のマイクロチャネル702は、シムB上のマイクロチャネル702よりも、さらに入口ヘッダ1510aに向かって長く延在する。ヘッダ1510aを通ってシムA上のマイクロチャネル702に進入する希釈アンモニア水溶液と、入口穴1518を通ってこれらの同じマイクロチャネルに進入するアンモニア−水蒸気との混合二相流は、吸収時に、それぞれシムAおよびBの中の空隙1512a、1512bによって形成される出口ヘッダの中へ、濃縮溶液としてマイクロチャネルから退出する。理解されるように、蒸気は、強制対流に基づいて、入口穴1518を介してマイクロチャネル702に進入し、これはまた、希釈溶液が入口穴1518に流入することも防止する。形状、断面、および寸法を含む、マイクロチャネルの幾何学形状、結合流体入口および出口通路1504、1506、1516、および吸収体1500に対する空隙と関連する、変化例、オプション、および他の詳細は、平等に適用され、回復溶解熱交換器800と併せて以前に説明されているものと同様である。
【0104】
図16Aおよび16Bは、本装置10の実施形態による、吸収体1500と関連付けられた、シムA102およびシムB104の複数部分それぞれの拡大斜視図である。具体的には、図16Aおよび16Bは、シムA102の中のマイクロチャネル702における蒸気入口穴1518の位置の一実施形態を図示する。示されるように、シムAの入口穴1518は、シムB通路1516に位置して、通路1516から流れる蒸気が、シムAの中のマイクロチャネル702に流入し、マイクロチャネルの中で希釈アンモニア水溶液と混合することを可能にする。理解および認識されるように、蒸気入口穴1518は、本システムの種々の実施形態によれば、種々の断面形状、面積、配設等を備える。
【0105】
(モジュール式構成要素を備える代替実施形態)
図17は、例示的な吸収冷却および/または加熱システムと関連付けられた、離散熱および質量移動システム構成要素を備える、本システムのモジュール式実施形態を図示する。図17に示された離散熱および質量移動構成要素は、以前に論議されている好ましい単体装置と典型的に関連するものよりも大きい冷却および/または加熱容量を伴う、吸収熱ポンプ(および/または他の熱または熱および質量移動システム)のモジュール式で万能な組立を促進する、離散構成要素ごとの組立において、例示的な吸収熱ポンプを画定する。回復溶解熱交換器800、脱着器1100、精留器1150、凝縮器1200、回復冷媒熱交換器1300、蒸発器1400、および吸収体1500を備える、熱および質量移動構成要素は、システム組立のための1つのレイアウトに従って配設された個々の熱および/または質量交換器として示されている。概して、これらの熱および質量移動構成要素のうちの各々のシステム構造、特徴、および機能は、前述のものと同様である。例えば、図17に示された各構成要素は、複数のシムの対を含むが、各シムは、各々の構成要素の個々の熱および質量移動機能を果たすために必要なマイクロスケール特徴しか含まない。
【0106】
不必要な散乱を回避するために、結合流体への流体ラインおよび接続等は、図17で示されていない。しかしながら、理解されるように、適宜に、構成要素内および/または間で作業流体および結合流体を移動させるように、流体接続ラインまたは他の通路がシステム実施形態に含まれるべきである。一実施形態によれば、個々の熱および質量移動構成要素が離散構成要素として形成されるが、全体的な加熱および/または冷却アセンブリは、必要であれば、一体パッケージに含有されてもよいように、図17に示された離散構成要素は、大型の絶縁ユニット等の統合構造に組み込まれる。
【0107】
(特定の例示的な実施形態の説明)
以下の考察は、本明細書で説明される本システムの特定の例示的な実施形態の詳細に関する。具体的には、以下では、説明された例示的な実施形態および同実施形態を作製する方法と関連する、計算、製造過程、設計詳細、寸法、特徴配設、例示的な作業流体および結合流体、および他の同様な詳細が説明される。理解および認識されるように、以下で説明される具体的実施形態および用途は、本システムの一実施形態にすぎず、決して、本開示の範囲、または本明細書で説明される本発明およびシステムを限定することを目的としない。
【0108】
具体的には、以下の考察は、マイクロチャネル熱および質量移動システム構成要素を利用する、小型化(すなわち、マイクロスケールの)単体吸収熱ポンプシステムの設計および製造を説明する。本システムの例示的な実施形態は、以下で概説される、仕様、パラメータ等に従って構築され、特定パラメータ下での例示的な実施形態について達成された性能結果を、以下に提供する。
【0109】
(製造技法)
例示的な装置を構築するために使用される製造技法は、複数のマイクロチャネル熱および質量移動構成要素または熱交換構成要素(すなわち、熱交換器)が、単一の単体構造で同時に製造されることを可能にするこの例示的な実施形態について、マイクロチャネル702が、最初に、湿式化学エッチング過程によって、ステンレス鋼シム102、104上に形成される。次いで、シムは、全体的な装置10を形成するように、ともに拡散接合される。交互パターンで、異なるマイクロチャネル構成を伴うシムを配置することによって、各熱および質量移動構成要素の流体流は、密接に熱的接触できるようになる。マイクロチャネル製造過程の一実施形態によるステップは、以下でさらに詳細に概説される。
【0110】
(光化学エッチング)
図18は、本明細書で説明されるような例示的実施形態による、マイクロチャネル702を製造するための光化学エッチング過程の一実施形態と関連するステップを図示する。理解および認識されるように、他の過程および製造技法が、以前に説明されているようなマイクロチャネルを製造するために使用されてもよい。光化学エッチング過程は、表面上のあらゆる油、油脂、金属作業流体、または他の汚染物質を除去するように、ステンレス鋼シム102、104を清浄することから始まる。次いで、シムは、金属の表面上のあらゆる薄い酸化膜または酸化物を除去するように、塩酸で清浄される。
【0111】
次いで、感光性材料(フォトレジスト)が、所与のシム102、104の両側に塗布される。例示的な装置の生産で使用されるフォトレジスト材料は、ドライフィルムネガレジストである。紫外線光に曝露されるレジストの複数部分は、硬化し、エッチング過程中に下層の鋼鉄を保護する。
【0112】
必要な流路(すなわち、マイクロチャネル)の像を含有するマスクが、2つのシム設計(すなわち、シムA102およびB104)の各々の両側に対して作成される。マスクは、エッチングされる領域を表す不透明部、およびフォトレジストがエッチング化学物質から基部を依然として保護するべきである領域を表す透明部を伴う、フィルムである。マスクは、シムの両側に載置され、鋼鉄の両側で特徴の合致を確保するように整合される。
【0113】
次いで、鋼鉄、フォトレジスト、およびマスクの配設は、フォトレジストを硬化するように紫外線光に曝露される。次いで、未硬化フォトレジストが発生過程で除去される。次いで、硬化フォトレジストを伴う金属がエッチング過程を通過させられ、塩化鉄溶液(すなわち、酸性溶液)がエッチング液として使用される。この酸性溶液は、露出した金属を除去し、鋼鉄にマイクロチャネルおよび穴を形成する。
【0114】
いったんシムがエッチング過程から除去されると、残りのフォトレジスト材料が同様に除去される。エッチング過程中、シムは、いくつかのタブによって過程シートに接続されたままである。シムをシートにタブで取り付けられたままにすることにより、一貫性のあるエッチングを確保する。フォトレジスト材料が除去された後、個々のシムが過程シートから除去される。フォトレジスト塗布およびエッチング過程は、概して、エッチング過程中に製造欠陥を引き起こし得る粉塵汚染の危険性を低減するように、清潔な部屋の中で行われる。
【0115】
(拡散接合)
本明細書で説明される例示的な実施形態では、拡散接合過程を使用してシムが連結される。理解されるように、シムは、前述のような種々の実施形態による他の接合または組み合わせ過程を介して、組み合わせられてもよい。拡散接合過程は、シム102、104の清浄および点検から始まり、シム材料上にバリまたは異物がないことを確実にする。シムは、無電解ニッケルめっき処理において、ニッケルめっきで被覆される。ニッケルめっきは、拡散接合過程中に気密シールを作成するのに役立つように塗布される。
【0116】
次いで、シム102、104およびカバー板110、111が、正しい順番で配設され(例えば、交互シムAおよびB)、シムの適正な整合が、慎重に監視される(例えば、前述の整合切り欠き602、604を介して)。それぞれ、前板110、終板111、およびシム群108の整合切り欠きに、2つのピンが挿入される。この特定の実施形態では、全てのシムおよび終板カバー板111はそれぞれ、少なくとも1つの整合切り欠きを有する。この整合スキームは、たとえ整合切り欠きの位置に軽微な不整合性があっても、鋼鉄シムが平坦に位置することを可能にする。それはまた、±0.05mmの整合公差を達成しながら座屈または限界を引き起こすことなく、接合過程中に熱膨張により鋼鉄が膨張および接触することを可能にする。
【0117】
次いで、組み立てられたシステム10は、図19によって図示および表現された加熱圧搾真空炉1900に入れられる。加熱圧搾炉1900の中での排気は、シム(すなわち、積層板)の間から、ならびに組み立てられたシム内の空隙から、空気を除去する。次いで、システムを真空条件で高温(例えば、約1000℃)に上昇させ、隣接する構成要素間の界面応力を必要値(例えば、約10MPa)に上昇させるように、負荷がシステムに印加される。システムは、接合過程が発生するために十分な期間(例えば、約5時間)にわたって、これらの条件にとどまる。
【0118】
接合過程中、接触面上の表面凹凸が塑性的に変形し始める。変形は、表面間の細孔が排除されるまで継続する。次いで、隣接する表面からの原子が、界面を横断して拡散することができ、粒界が界面領域中で再編成することを可能にする。この過程は、バルク材料の降伏強度に近い強度で接合を形成する。
【0119】
(サイクル設計計算)
冷却モードで単一効果吸収サイクルを操作するための代表的な設計条件を選択することによって、例示的なシステムの熱力学的モデルを作成した。この項の全体を通して、参照を容易にするために、以前に提示された参照番号が、種々のシステム構成要素を識別するために使用される。具体的には、図5を参照すると、本システムの一実施形態による、内部熱および質量移動システム構成要素ならびに構成要素間の流体流動の概略機能図が参照される。主に、サイクル設計を可能にするように、外部熱源入力、所望の冷却、および周囲条件が確立される。37℃の代表的なヒートシンク(すなわち、熱遮断140)温度、800Wの火力入力(すなわち、熱源130)、および300Wの特定所望冷却150により、システム設計計算が開始される。既述のように、これらの選択されたパラメータは、純粋に例示的なシステム実施形態を説明する目的で選択され、決してシステムパラメータ、容量等を限定することを目的としない。
【0120】
熱源およびヒートシンクのこれらの特定の代表的な外部条件は、合理的な構成要素の表面積要件を生じる、外部条件と作業流体との間の温度差の許容差と組み合わせて、それぞれ、約1600および400kPaの高い側および低い側の動作圧力をもたらす。したがって、高い側の圧力は、凝縮器1200の中の凝縮冷媒(すなわち、アンモニア)と周囲シンクとの間の駆動温度差の選択によって確立される。脱着器構成要素1100における駆動温度差、およびすでに確立された高い側の圧力の同様の考慮は、希釈溶液の流出温度および濃度、すなわち、アンモニア水溶液中のアンモニアの分画を生じる。脱着器1100における対応する濃縮溶液の流入温度、高い側の圧力、およびアンモニア−水混合物の平衡特性を使用して、溶液の流入エンタルピーが取得される。脱着器1100における希釈溶液の流出エンタルピーと併せて、熱流力が、熱源と作業流体との間のエネルギーバランスを通して、濃縮溶液流速と関係付けられる。代表的な設計点計算のために、結果とて生じる濃縮溶液の質量流速およびアンモニアの質量分画は、それぞれ、2.7×10−3kg/sおよび0.37である。エネルギーバランス計算および平衡関係はまた、脱着器1100の出口における蒸気の質(アンモニア−水蒸気対総アンモニア−水二相流速の比)および濃度ももたらす。この代表的な例示的サイクルの主要動作条件の概要を、表1に提供する。
【0121】
【表1】
【0122】
脱着器1100から退出する低蒸気濃度は、蒸発器1400の中で重度の温度降下の不利益を引き起こし、必要以上に冷却を制限する冷媒の温度上昇をもたらす。適切に純粋なアンモニア冷媒流を確保するために、蒸気流は、過剰な水蒸気を取り除くように精留器1150の中で冷却されるべきである。したがって、精留器から出て行く飽和蒸気流の設計流出温度は、この例示的実施形態については、98%の最小アンモニア濃度を提供するように設定される。
【0123】
概して、精留器1150の中の冷媒流から凝縮される還流液体は、分離チャンバの中へ逆流し、そこで、脱着器1100から退出する前に希釈溶液と混合する。精留器の蒸気流入および流出ならびに液体流のエネルギーバランスは、精留器の冷却負荷を生じる。この実施形態では、必要な冷却を提供する設計計算のために、溶液ポンプ502(例えば、図5)から出て行く濃縮溶液流は、精留器1150のための冷却源であると仮定される(すなわち、冷却流体ライン524を介する)。前述のエネルギーバランスはまた、精留器の中で蒸気流を冷却すると、濃縮溶液の流出エンタルピーおよび温度を生じる。加えて、精留器における質量および種のバランスは、冷媒および還流の質量流速を生じる。還流は、精留器の底部の分離チャンバの中で残りの溶液と混合し、回復溶解熱交換器800に向かって退出する。この混合過程における質量および種のバランスは、希釈溶液の流速および濃度を生じる。
【0124】
精留器1150から出て行く冷媒蒸気は、凝縮器1200へと流れる。凝縮器からの補助冷却された液体冷媒の流出を仮定して、冷媒の濃度および高い側の圧力、ならびに凝縮器冷媒の流出温度が確立される。凝縮器の熱負荷も、エネルギーバランスを使用して計算される。加えて、この凝縮器の熱負荷は、凝縮器からの(すなわち、中温流体ライン528を介した)冷却液の流出温度を決定するために、指定の冷却液(すなわち、結合流体)の流速と組み合わせて使用される。凝縮器1200から出た後、冷媒は回復冷媒熱交換器1300を通って流れ、そこで、蒸発器から出て行く冷媒によってさらに冷却される。
【0125】
膨張弁534(図5参照)を通って回復冷媒熱交換器1300から退出する冷媒の膨張は、蒸発器1400の流入温度を生じる、この例示的実施形態については、等エンタルピーであると仮定される。固定された蒸発器温度降下要求により、蒸発器の流出温度が決定され、それはまた、蒸発器の冷却負荷も生じる。計算された冷却負荷は、指定の冷蔵水(すなわち、結合流体)の流速および流入温度と併せて、エネルギーバランスから冷蔵水の流出温度(すなわち、所望の冷却150に対して)を生じる。同様のエネルギーバランスが、この熱交換器の出口における低圧蒸気状態を取得するように回復冷媒熱交換器1300上で行われ、これはまた、この例示的実施形態の吸収体冷媒の流入条件でもある。
【0126】
溶液回路を再び参照して、所望の例示的実施形態によれば、回復溶解熱交換器800への濃縮溶液入口は、精留器1150の出口によって決定される。回復溶解熱交換器におけるエネルギーバランスは、この熱交換器からの希釈溶液および濃縮溶液の流出常建、ならびにその熱負荷を生じる。溶液膨張弁534は、等エンタルピーであると仮定される。吸収体1500に関して、(上記で説明されるように)吸収体への流入条件が固定されている状態で、吸収体出口における仮定された溶液補助冷却により、吸収体の熱負荷がエネルギーバランスから計算される。
【0127】
いったん状態点が、各例示的熱および質量移動システム構成要素に対する質量、種、およびエンタルピーのバランスを使用して、(上記で説明されるように)固定されると、所望の冷却負荷を生じるために必要な各構成要素の熱移動率も固定される。これらの所望の熱負荷ならびに関連熱および質量移動モデルおよび相関に基づいて、必要な熱および質量移動構成要素の表面積要求を取得するように、後続の計算が行われる。様々なレベルの詳細が、そのような構成要素設計計算に組み込まれてもよいが、この特定の例示的実施形態の製造のためには、各構成要素を単一の統合構成要素として取り扱うことによって、構成要素の熱および質量移動計算が行われ、流体特性は構成要素に対して平均化される。したがって、熱および質量移動構成要素のサイズは、構成要素の熱負荷、結合した熱および質量移動抵抗、および駆動対数平均温度差に基づいて取得される。この技法は、2つの流体流(例えば、作業流体および結合流体)の熱容量率が熱交換器の長さに沿って一定である、熱交換器に有効である。アンモニア−水システムについては、いくつかの構成要素では、熱容量は長さに沿って変化するが、駆動温度差の適正な計算とともに、構成要素のサイズの合理的な推定値を取得するように、この技法が適用されてもよい。熱および質量移動構成要素の幾何学的形状は、概して、必要な熱負荷を満たす、これらの熱および質量移動計算に基づいて、ならびに、本明細書で論議される製造技法に基づく寸法要求に基づいて、決定される。
【0128】
(構成要素設計計算)
上記で説明されるように、説明された例示的実施形態によれば、各熱移動構成要素の必要なサイズ(全体的な熱移動伝導性、UA)が、サイクルモデルから決定される。各熱および質量移動構成要素の特定の流体チャネル構成(すなわち、マイクロチャネル、空隙、および分配通路)は、各個別構成要素の全体的な熱移動抵抗を推定することによって決定される。
【0129】
図20は、本システムの例示的実施形態による、シム内のマイクロチャネル702の代表的な配設を示す、複数の積層シムA102およびB104の一部分の断面2000を図示する。断面2000は、具体的には、本明細書で説明される所与の熱交換構成要素に対する、組み合わせられたシムAおよびBの中のマイクロチャネル702の相対的位置付け、サイズ決定、熱的接触等を図示する。理解および認識されるように、図20で図示された断面配設2000は、例示目的のみで示されており、本システムの他の実施形態は、当業者に思い付くような他のマイクロチャネル配設を利用する。
【0130】
図20に示されるように、熱交換流体(例えば、結合流体および作業流体)は、逆流配設における交互シムA102およびB104上のマイクロチャネルを通って流れる(しかし、理解されるように、具体的実施形態に応じて、流動は必ずしも逆流である必要はない)。各熱交換構成要素の分析は、種々のマイクロチャネルおよびシム寸法(以下でさらに詳細に説明される)を図示する、抽出された拡大断面2002を考慮することによって始まる。
【0131】
説明された実施形態によれば、かつ図20に示されるように、マイクロチャネルを作成する湿式化学エッチング過程は、丸みを帯びた長方形のチャネル断面を作成する。エッチング過程中に、エッチング液は、横方向ならびに垂直に作用し、硬化フォトレジストの縁の下の材料を除去し、図20に示されるような丸みを帯びた特徴を作成する。
【0132】
説明された例示的な実施形態によれば、システムの中の各熱および質量移動構成要素は、(twallとして図20に図示されるような)シムの間の介在金属壁によって提示される伝導性熱抵抗に加えて、シムA102およびB104の中の各々のマイクロチャネルを通って流れる各流体によって提示される熱抵抗を計算することによってモデル化される。さらに、マイクロチャネルの総表面積は、壁の反対側の流体と直接および間接的に熱的接触している表面の組み合わせとして取り扱われる。マイクロチャネル側壁によって提示される間接熱的接触は、適切なフィン効率に基づいて有効熱移動面積を計算することによって説明される。(この設計過程で遭遇する熱移動係数の範囲(380〜38,000W/m2−K)、および関心のチャネルおよびシムの幾何学形状の範囲について、フィン効率アプロ−チ統一、およびマイクロチャネル壁の全面積を、主要面積として取り扱うことができる。)流体流のそれぞれに対する熱移動係数は、適用可能な相関から決定される。
【0133】
上記で概説される熱交換構成要素の熱および質量移動設計アプローチに基づいて、各構成要素に対するマイクロチャネルの幅、マイクロチャネルの長さ、およびマイクロチャネルの数は、熱力学的サイクル分析から計算された適切な動作条件で設計熱負荷を満たすように決定される。しかしながら、理解されるように、上記で概説されるアプローチは、適切なマイクロチャネル寸法を決定する1つのアプローチにすぎず、当業者に思い付くように、他のアプローチが他の実施形態で使用される。
【0134】
図21は、本システムの例示的実施形態による、特定の例示的なシムおよびマイクロチャネル寸法の接写図を図示する、シムA102およびB104の拡大断面2100を図示する。この例示的実施形態に対する設計手順を単純化するために、図21に示されるように、単一のマイクロチャネルサイズが、上述の全ての熱交換構成要素および/または熱および質量移動システム構成要素に使用される。示されるように、0.5mm(すなわち、約0.02in)のシムの厚さが、部分的には、シム上に製造することができるマイクロチャネルのサイズの範囲に基づいて選択される。シムの厚さの半分のマイクロチャネルエッチング深さおよび0.5mmのマイクロチャネル幅では、この例示的実施形態に対する公称チャネル水力直径は306μmであり、1mmのチャネル水平横断ピッチおよび0.5mmの垂直ピッチを伴う。これらの寸法は、図21に図示されている。理解されるように、これらの寸法は、例示目的のみで提示されており、本システムの実施形態は、示され、説明された指示寸法によって、決して限定されない。
【0135】
説明された例示的な実施形態では、全ての結合流体の流動は、単相層流の液体流動である。同様に、回復溶解熱交換器800および回復冷媒熱交換器1300の中の作業流体流動は、単相層流である。説明された実施形態によれば、例示的なマイクロチャネル形状(図21に示される)および他の同様の形状(精留器1150の中の冷却液用の長方形チャネル等)の中のそのような単相流動に対する熱移動係数および摩擦因数は、Kakac et al.,Handbook of Single−Phase Convective Heat Transfer,New York,Wiley(1987)で報告されている相関を使用して推定される。
【0136】
一実施形態によれば、凝縮等の蒸気から液体への相変化について、Shah,M.M.,A General Correlation for Heat Transfer During Film Condensation Inside Pipes, International Journal of Heat and Mass Transfer,Vol.22(4),pp.547−556 (1979)、およびKandlikar,S.,Garimella,S.,Li,D.,Colin,S.and King,M.R., Heat Transfer and Fluid Flow in Minichannels and Microchannels,Elsevier Science(2005)で説明されている相関が、各特定相変化過程に対して、規定通りに使用される。凝縮器、吸収体、蒸発器、脱着器、および精留器の中の単構成要素および多構成要素の相変化熱および質量移動に対処するための他のガイダンスは、Carey,V.P.,Liquid−Vapor Phase−Change Phenomena: An Introduction to the Thermophysics of Vaporization and Condensation Processes in Heat Transfer Equipment,Washington,D.C.,Taylor & Francis Series,Hemisphere Pub.Corp.(1992)、およびHewitt,G.F., Shires,G.L.and Bott,T.R.,Process Heat Transfer,Boca Raton,CRC Press,Begell House (1994)で概説されているモデル、相関、および技法から得られる。二相圧力降下は、Mishima et al.,Some Characteristics of Air−Water Two−Phase Flow in Small Diameter Vertical Tubes,International Journal of Multiphase Flow,Vol.22(4),pp.703−712(1996)の二相圧力降下乗数アプローチを使用して推定される。熱交換器の長さに伴う蒸気の質の非線形変化は、これらの統合分析でさえも、構成要素の長さに沿った統合平均特性において、これらの相関を評価することによって説明される。二相圧力降下の控えめな推定値は、蒸気の質または構成要素の長さの関数として、熱および質量移動構成要素の最大圧力勾配を計算し、それを熱および質量移動構成要素の全長に適用することによって取得される。
【0137】
概して、蒸発熱移動係数は、Kandlikar et al.,Predicting Heat Transfer During Flow Boiling in Minichannels and Microchannels,Chicago, IL,Soc.Heating,Ref.Air−Conditioning Eng.Inc.,pp.667−676 (2003)、およびKandlikar et al., An Extension of the Flow Boiling Correlation to Transition,Laminar,and Deep Laminar Flows and Microchannels,Heat Transfer Engineering, Vol.25(3),pp.86−93 (2004)からの相関を使用して計算される。蒸発流の平均熱移動係数は、蒸発器の長さに伴う蒸気の質の非線形変化を説明するように、蒸発器の長さに沿った、代表的な統合平均蒸気品質において計算される。
【0138】
説明された例示的実施形態によれば、脱着(濃縮溶液からの蒸気発生)は、1200Wの最大熱入力のために8個の150W電気カートリッジヒータを使用して、脱着器1100の中で達成される。800Wの設計脱着器の熱入力率においてヒータによって供給される熱流束は、Qu et al.,Measurement and Correlation of Critical Heat Flux in Two−Phase Micro−Channel Heat Sinks,International Journal of Heat and Mass Transfer,Vol.47(10−11),pp.2045−2059 2004)からの並列ミニ/マイクロチャネルの相関を使用して推定される、臨界熱流束限界をはるかに下回ることが分かった。
【0139】
例示的精留器1150の設計のために、液体還流および蒸気流は、精留器から出て行く還流の温度が、精留器に進入する蒸気の温度と等しくなるように、熱平衡状態にあると仮定される。この平衡へのアプローチを促進するために、液体還流を保持し、逆流蒸気との熱および質量移動相互作用を可能にするように、4つのトレイが例示的精留器に含まれる。冷媒側の熱移動係数は、Sadasivan et al.,Sensible Heat Correction in Laminar Film Boiling and Condensation,Journal of Heat Transfer,Transactions ASME,Vol.109(2),pp.545−547(1987)からの層流フィルム凝縮相関を使用して推定される。濃縮溶液と熱的接触している単一の壁の面積のみが、本システムの特定の例示的実施形態に対する精留器における熱移動推定に使用される。トレイと関連する熱および質量移動面積は、より控えめな結果を生じるために、この計算に含まれない。トレイの追加面積は、この熱および質量移動構成要素の性能をさらに強化する。
【0140】
種々の論文および文章を参照して上記で記述される相関のさらなる詳細は、引用された文献で見出すことができる。上記で説明される計算に起因する例示的な熱および質量移動システム構成要素の代表的な寸法が、表2に提示されている。理解および認識されるように、表2に示された寸法および幾何学的詳細は、例示目的のみで提示され、単一効果吸収サイクルの具体的な説明された例示的実施形態に関し、本システムの他の実施形態で使用される、システムの幾何学形状、種々の熱交換構成要素または熱および質量移動構成要素の配設、チャネル水力直径、チャネルの数、シムの厚さ、シムの数等の他の組み合わせを限定または除外することを決して目的としてない。
【0141】
【表2】
【0142】
(包装および接合の考慮事項)
図22は、本システムの実施形態による、熱および質量移動構成要素で使用されるヘッダ(例えば、回復溶解熱交換器800の中の積層空隙808a、808bによって作成されるヘッダ)の拡大平面図を示す。示された実施形態では、頸部領域2202内の流体分配通路(例えば、回復溶解熱交換器800の中の通路806)は、拡散接合過程中に接合圧力が積層シムを通して直接伝達されない領域を作成する。同様の領域が、ヘッダから熱交換器に進入する際にマイクロチャネル702より下側に存在する(例えば、回復溶解熱交換器の中の空隙810aからのマイクロチャネル入口)が、流体分配通路(例えば、806)は、概して、個々のマイクロチャネルよりもはるかに幅が広く、したがって、流体分配通路は、臨界接合点を表す。
【0143】
図23は、本システムの一実施形態による、図22のヘッダの断面XXから得られた交互シムA102およびB104の一部分の代表的な断面2300を示す。例示的な説明された実施形態によれば、接合圧力は、臨界接合点2302において気密シールを確保するように、シムB104上の流体分配通路の下で横方向に伝達されるべきである。十分な接合を確保するために、この例示的実施形態では2mmの通路幅が使用されるが、他のシステム実施形態によれば、より広いまたは狭い幅が使用される。
【0144】
前述のように、本システムの好ましい実施形態は、マイクロスケールの単体熱または熱および質量移動システムを備える。特定の実施形態に応じて、統合単体構造内に2つ以上の熱および質量移動システム構成要素を含むことがしばしば望ましいため、システム実施形態は、内部熱および質量移動システム構成要素間で移動させられる外部からの熱に対処するべきである。この外部からの熱移動に対処するために、マイクロスケールの熱または熱および質量移動システムの全体的サイズ、システム内の熱および質量移動構成要素間の間隔、種々のシステム構成要素間の流体接続の配設および種類、および当業者に思い付くような他の同様の要因等の、ある要因が、種々の実施形態において考慮される。
【0145】
理解されるように、かつ前述のように、本明細書で説明される例示的実施形態、およびその関連動作パラメータ、温度範囲等は、例示目的のみで提供され、決して本システムまたは装置の範囲を限定することを目的としない。概して、種々の動作温度および圧力範囲は、検討中の用途に応じて構想される。したがって、例えば、自動車の排出ガス等の高温燃焼過程からの廃熱回収のために適用されると、熱源温度は300℃から900℃に及ぶことができる一方で、低温廃熱回収については、熱源温度は40℃ほども低くなり得る。同様に、冷凍機用途については、冷却された流体の温度は、典型的には約5〜15℃である一方で、温度は、0℃をはるかに下回り得る。空調用途における熱遮断温度については、20〜55℃の周囲温度が検討される。しかしながら、理解されるように、これらの個々の外部温度の具体的な値は、熱源、ヒートシンク、および冷却温度の間の関係ほど重要ではない。熱活性化熱ポンプが、概して3温度(すなわち、低温冷却、中温熱遮断、および高温入力熱源)システムとして知られているため、本熱および質量移動システムが適用されてもよい温度は、所望の出力を達成するように低温と中温との間で、かつ所望の出力を達成するために必要な駆動力を提供するように中温と高温との間で、少なくとも最小の上昇、すなわち、温度差を提供するべきである。
【0146】
(例示的な実施形態の形状因子比較および代表的なパラメータ)
前述のように、本システムの1つの例示的な実施形態は、マイクロスケールの単体吸収冷却および/または加熱システムを備える。以下の項は、住宅冷房に使用される従来の蒸気圧縮システムに対する、そのような吸収冷却および/または加熱システムの形態である本システムの説明された例示的実施形態の比較を提供する。この項はまた、本明細書で説明される例示的実施形態と関連する代表的なパラメータも提供する。理解および認識されるように、以下の考察は、例示目的のみで提供され、本開示の範囲、または本明細書で説明される発明およびシステムを限定することを決して目的としない。
【0147】
上記で説明される本システムの例示的実施形態(すなわち、マイクロスケールの単体吸収熱ポンプ)を製造し、実験用回路板設備上の現実的な周囲冷蔵流体および熱源条件下で試験した。図24は、本システムの実施形態を試験するための例示的な流体接続および外部配管配設の正面図を図示する。製造した例示的なシステム実施形態は、306μmの水力直径の前述のマイクロチャネルとともに、20対の厚さ0.5mmのシムAおよびB(すなわち、合計40個のシム)を含む、200×200×34mm3の全体的寸法を備えた。例示的な製造されたシステムは、上記で説明されるように、他の寸法、システム配設等を備えた。
【0148】
例示的実施形態の試験中に、代表的な周囲および冷蔵流体条件において800Wの熱入力のために、公称300Wの冷却を送達した。さらに、広範囲の周囲温度(すなわち、20〜35℃)にわたって、かつ異なる熱入力率(すなわち、500〜800W)において、冷却モードで動作するように、例示的なシステムを実演した。0.375の公称性能係数(COP)が、200×200×34mm3のシステム体積において達成され、221kW/m3の体積冷却容量を表した。7kgのシステム質量では、対応する比冷却容量は、0.043kW/kgである。例示的実施形態は、故意に装置の外部(すなわち、外側)に全ての熱および質量移動システム構成要素の流体入口および出口を伴って設計され、広い間隔が各要素の入口および/出口における温度および圧力器具類の設置を可能にした。内部流体通路を伴い、器具類のための余分の空間が排除された代替実施形態は、3kgの質量とともに120×120×25mm3の予測寸法を伴う。そのような実施形態の対応する体積冷却容量が833kW/m3を備える一方で、比冷却容量は0.10kW/kgである。
【0149】
比較すると、従来の10.55kW冷却容量の住宅用電気蒸気圧縮システムは、約0.91×0.91×0.91m3で約225kgの重さがあり、わずか約13.8kW/m3の体積冷却容量および0.047kW/kgの比冷却容量を表す。したがって、体積および質量の両方に基づいて、本例示的システム実施形態は、はるかに大型の従来の蒸気圧縮システムに同様の冷却容量を提供する一方で、冷却システムのサイズの大幅な低減を表す。
【0150】
(蒸気圧縮システムとは対照的な)従来の吸収冷却システムと比較すると、上記で説明される例示的なシステム実施形態は、さらに明白となる。前述のように、吸収冷却システムは、概して、吸収システムにおいて必要とされる付加的な熱および質量移動構成要素により、蒸気圧縮システムよりもはるかに大型である。したがって、理解されるように、従来の10.55kW冷却容量の吸収冷却システムとの例示的な説明された実施形態の比較は、(上記で論議される蒸気圧縮システムと比較した、不変の冷却容量を示す従来の吸収冷却システムの大型サイズおよび重量による)例示的実施形態の先進的な体積または比冷却容量を示す。加えて、熱および質量移動システム構成要素間の多くの流体接続が、システム実施形態の単体マイクロスケール構造内に含まれるため、漏出低減が強化され、必要な流体在庫量は、従来のシステムよりも大幅に低い。
【0151】
例示的な実施形態の先述の説明は、例示および説明の目的のみで提示されており、包括的となること、または開示された正確な形態に本発明を限定することを目的としない。上記の教示を踏まえて、多くの修正および変化例が可能である。
【0152】
当業者が、本発明および種々の実施形態を、検討される特定の使用に適するような種々の修正とともに利用することを可能にするよう、本発明の原則およびそれらの実用的用途を説明するために、実施形態を選択および説明した。代替実施形態は、それらの精神および範囲から逸脱することなく、本発明が関連する当業者に明白となるであろう。したがって、本発明の範囲は、先述の説明およびそこで説明される例示的実施形態よりもむしろ添付の請求項によって定義される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合熱および質量移動システムであって、
所定域の中において熱伝導材料から少なくとも部分的に製造される単体支持構造であって、該所定域は熱および質量移動システムの特定の実装の熱交換領域を画定する、単体支持構造と、
該支持構造の中に画定される複数の流体空隙であって、該複数の流体空隙は、(a)該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素において採用される作業流体、および(b)該特定の熱および質量移動システムの動作の結果として該支持構造の中または外へ熱エネルギーを伝えるために採用される、少なくとも1つの結合流体を含有する、複数の流体空隙と、
該支持構造の中に画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、該熱交換領域は、該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成し、各熱交換領域は、(a)該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列であって、該マイクロチャネルの第1列は、該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達する、マイクロチャネルの第1列と、(b)該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列であって、該マイクロチャネルの第2列は、該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、(a)該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達する、マイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該熱交換領域の該特定の熱移動機能に対して適切であるように、該マイクロチャネルの第1列の中の該作業流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の(a)該作業流体の第2の流動、または(b)該結合流体の流動のいずれかとの間で熱を伝導するように、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
流体結合手段であって、該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された流動を結合する、流体結合手段と
を備えており、
それにより、該システムは、該特定の熱および質量移動システムに対して適切であるように、該結合流体の熱的に変質された流動を介して、加熱または冷却機能を提供する、統合熱および質量移動システム。
【請求項2】
前記システムは、熱ポンプであり、前記流体結合手段は、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための前記特定の熱および質量移動システムの初期段階を画定する熱交換領域を通して、加熱した結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該特定の熱および質量移動システムの後続段階を画定する熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための第2の流体結合手段と、
該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱遮断流動を結合するための第3の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該システムは、該特定の熱および質量移動システムに適切であるような、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介した加熱または冷却機能、および該結合流体の熱遮断流動を介した熱遮断機能を提供する、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項3】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項4】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、
該第1の種類のシムは、前記特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該第2の種類のシムは、該特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該特定の熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項5】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項4に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項6】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱および質量移動システム構成要素を備える、請求項4に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項7】
シムの多要素配列の複数の要素は、次に熱および質量移動システムの一部を形成する、熱および質量移動システム構成要素の一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項4に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項8】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、冷媒吸収体を備え、さらに、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴を備える、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項9】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項10】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項9に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項11】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、略直角に位置付けられる、請求項10に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項12】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するよう前記くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項13】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項14】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項15】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項14に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項16】
前記熱および質量移動システムは、該熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素を備え、該特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙は、該特定の熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項17】
前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と該特定の熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項18】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記単体支持構造は、該アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項19】
熱および質量移動システムの前記特定の実装は、吸収熱ポンプを備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項20】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項19に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項21】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項19に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項22】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの最終段階を通る結合流体の流動を含み、該特定の熱および質量移動システムの熱遮断構成要素を画定する熱交換領域を通して熱遮断結合流体の流動を結合するための熱遮断流体結合手段をさらに備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項23】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの中間熱遮断構成要素を含む、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項24】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項25】
前記特定の熱および質量移動システムの前記熱移動機能は、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において提供される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項26】
前記システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項27】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項28】
前記廃熱は、自動車排出ガス、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガスから取得される、請求項27に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項29】
前記結合流体は、前記システムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項30】
前記結合流体は、前記システムからの加熱された熱出力として、前記システムから熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項31】
構成要素間で作業流体または結合流体を移動させるための1つ以上の流体ポンプをさらに備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項32】
前記単体支持構造は、前記支持構造内の種々の機能的構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、前記カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項33】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項34】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項35】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、反対方向への蒸気および液体の流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、該流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項36】
前記特定の熱および質量移動システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムであり、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路をさらに備え、それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項37】
統合熱および質量移動システムを作製するための方法であって、
熱伝導材料から少なくとも部分的に製造される単体支持構造を提供するステップと、
(a)特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の中において採用される作業流体、および(b)該特定の熱および質量移動システムの動作の結果として、該支持構造の中へまたは外へ熱エネルギーを伝えるために採用される少なくとも1つの結合流体を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙を形成するステップと、
該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成するための、該支持構造内に含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域を提供するステップであって、各熱交換領域は、(a)該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、(a)該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、ステップと、
該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、該マイクロチャネルの第1列の中の該作業流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の(a)該作業流体の第2の流動または(b)該結合流体の流動との間において熱を伝導するように、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された流動を結合するための流体結合手段を提供するステップと
を含み、
それにより、そのように作製されたシステムは、該特定の熱および質量移動システムに適切であるように、該結合流体の熱的に変質された流動を介して、加熱または冷却機能を提供する、方法。
【請求項38】
前記システムは、熱ポンプであり、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための前記特定の熱および質量移動システムの初期段階を画定する熱交換領域を通して、加熱した結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段を提供するステップと、
該特定の熱および質量移動システムの後続段階を画定する熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための第2の流体結合手段を提供するステップと、
該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱遮断流動を結合するための第3の流体結合手段を提供するステップと
をさらに含み、
それにより、そのように作製されたシステムは、該特定の熱および質量移動システムに適切であるような、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介した、加熱または冷却機能、および該結合流体の熱遮断流動を介した熱遮断機能を提供する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムから、前記単体支持構造を形成するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として、前記シムを配設するステップをさらに含み、
該第1の種類のシムは、前記特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該第2の種類のシムは、該特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該特定の熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱および質量移動システム構成要素を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
シムの多要素配列の複数の要素は、順に熱および質量移動システムの一部を形成する、熱および質量移動システム構成要素の一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、冷媒吸収体を備え、さらに、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、前記第1のシムの前記マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、前記第1のシム上の前記マイクロチャネルの列の中の複数の蒸気入口穴を提供するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、前記流体ヘッダ内の前記積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に、前記流体ヘッダを位置付けるステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記マイクロチャネルを形成するよう前記くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面上の形状で、前記マイクロスケールのくぼみを形成するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記マイクロスケールのくぼみは、スロットまたは溝の機械加工、切断、フォトエッチング、化学的エッチング、レーザエッチング、成形、型打ち、粒子ブラスト、または他の同様の過程によって形成される、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
単一構造を形成するように、前記複数の積層シムを物理的に接合するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項51】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記熱および質量移動システムは、前記熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素を備え、前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙を、前記特定の熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項53】
前記単体支持構造内で、前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と前記特定の熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続を画定し、含有するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項54】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、前記アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して複数の前記単体支持構造を接続するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項55】
熱および質量移動システムの前記特定の実装は、吸収熱ポンプを備える、請求項37に記載の方法。
【請求項56】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、前記特定の熱および質量移動システムの最終段階を通る結合流体の流動を含み、前記特定の熱および質量移動システムの熱遮断構成要素を画定する熱交換領域を通して、熱遮断結合流体の流動を結合するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項59】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、前記特定の熱および質量移動システムの中間熱遮断構成要素を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項60】
前記熱交換領域の中で実質的に平行となるように、前記マイクロチャネルの列を形成するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項61】
前記特定の熱および質量移動システムの前記熱移動機能は、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において提供される、請求項37に記載の方法。
【請求項62】
前記システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項37に記載の方法。
【請求項63】
廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上から、入力熱エネルギーを提供するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項64】
前記廃熱は、自動車排出ガス、化学処理、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガス、および他のそのような供給源から取得される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記結合流体は、前記システムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項66】
前記結合流体は、前記システムからの加熱された熱出力として、前記システムから熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項67】
構成要素間で作業流体または結合流体を移動させるための1つ以上の流体ポンプを提供するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項68】
前記支持構造内の種々の機能的構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および前記支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む1対のカバー板内で、前記単体支持構造を載置するステップをさらに含み、前記カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項37に記載の方法。
【請求項69】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動が、前記マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流であることを配設するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項70】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、反対方向への蒸気および液体の流動を可能にする、前記単体支持構造内の複数の流体保持リブを形成するステップをさらに含み、前記流体および蒸気は、前記トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項37に記載の方法。
【請求項71】
前記特定の熱および質量移動システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムであり、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を可能にする、前記単体構造内の通路を提供するステップをさらに含み、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項37に記載の方法。
【請求項72】
熱または熱および質量移動システムにおいて使用するための統合単体熱交換デバイスであって、
熱および/または熱および質量移動システムの構成要素の熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
(a)熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素において採用される第1の作業流体、および(b)該熱または熱および質量移動システムの第2の構成要素において採用される第2の作業流体であって、該支持構造の中へまたは外へ熱エネルギーを伝えるための作業流体を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙と、
該熱または熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成するための、該支持構造内に画定および含有される、熱交換領域であって、
(a)該熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該熱または熱および質量移動システムの該第1の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、第1の作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、
(b)該熱または熱および質量移動システムの第2の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該熱または熱および質量移動システムの該第2の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、第2の作業流体の第2の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とであって、該作業流体の第1の流動と該作業流体の第2の流動との間において熱を伝導するように、該支持構造内において相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列を備える、熱交換領域と、
該特定の熱または熱および質量移動システムの該第1の構成要素と関連付けられた該流体空隙の中へおよび外へ、該第1の作業流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
第2の作業流体の熱的に変質された流動を提供するように、該特定の熱または熱および質量移動システムの該第2の構成要素と関連付けられた該流体空隙の中へおよび外へ、該第2の作業流体の第2の流動を結合するための第2の流体結合手段と
を備える、統合単体熱交換デバイス。
【請求項73】
前記第1の作業流体は、前記デバイスの中へ熱エネルギーを結合するための結合流体であり、前記第2の作業流体は、該デバイスの外へ第2の作業流体の熱的に変質された流動を結合するための結合流体である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項74】
前記第1の作業流体または前記第2の作業流体のうちの1つは、冷媒である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項75】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、かつ前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項76】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、熱または熱および質量移動システムの前記第1の構成要素の流体空隙間で第1の作業流体の第1の流動を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該熱または熱および質量移動システムの前記第2の構成要素の流体空隙間で第1の作業流体の第2の流動を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該熱または熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項77】
前記熱または熱および質量移動システムの前記構成要素は、冷媒吸収体を備え、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴をさらに備える、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項78】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、作業流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項79】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項78に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項80】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項78に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項81】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項82】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項83】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項84】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項83に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項85】
前記熱または熱および質量移動システムは、複数の相互接続された機能的構成要素を備え、該熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙は、前記単体構造内で該熱または熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項86】
前記熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素と前記熱または熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項87】
前記熱または熱および質量移動システムの前記第1の構成要素は、多構成要素の熱または熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記熱交換デバイスは、該アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項88】
前記熱または熱および質量移動システムは、吸収熱ポンプである、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項89】
前記吸収熱ポンプの前記第1の作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項88に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項90】
前記吸収熱ポンプの前記第1の作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項88に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項91】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項92】
前記デバイスは、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、前記熱または熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において利用される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項93】
前記熱または熱および質量移動システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項94】
前記作業流体のうちの1つは、構成要素として前記デバイスを含むシステムの熱出力として、前記デバイスの中へ熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項95】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項94に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項96】
前記作業流体のうちの1つは、構成要素として前記デバイスを含むシステムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項97】
前記単体支持構造は、該支持構造に作業流体を導入するため、および該支持構造の外へ作業流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、およびマイクロチャネルを画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項98】
前記支持構造内に画定され、該支持構造と一体である、前記熱または熱および質量移動システムの所定の構成要素の流体空隙の間の流体流動接続を備える、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項99】
前記支持構造の外部の流体ラインによる、前記特定の熱または熱および質量移動システムの所定の構成要素の流体空隙の間の流体流動接続をさらに備える、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項100】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項101】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項102】
前記デバイスは、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、蒸気および液体の反対方向への流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項103】
前記デバイスは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムの構成要素を備え、さらに、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路を備え、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項104】
2成分、3成分、4成分、または同様の多成分流体等の、多構成要素流体を処理するためのシステムであって、
流体処理システムの熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
(a)該システム内で処理するための多構成要素作業流体、および(b)該多構成要素作業流体を処理するために該支持構造の中および外へ熱エネルギーを伝えるために採用される、結合流体を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙と、
該流体処理システムの熱移動機能を達成するための、該支持構造内で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、各熱交換領域は、(a)該流体処理システムの第1の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該流体処理システムの該第1の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、結合流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該多構成要素流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該結合流体の第1の流動と該多構成要素流体の流動との間で熱を伝導するように、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための該流体処理システムの所定の段階を画定する熱交換領域を通して、該結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該流体処理システムの該所定の段階を画定する該熱交換領域を通して、該多構成要素流体の熱的に変質された流動を結合するための第2の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該システムは、該流体処理システムに適切であるように、該多構成要素流体の流動の処理を提供する、システム。
【請求項105】
前記システムは、ボイラ、凝縮器、蒸留器、吸収体、脱着器、蒸発器、回復熱交換器、精留器を含む群のうちの1つにおいて、過程を達成するために利用される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項106】
前記システムは、分画用デバイス、流体分離、精留、または剥離デバイスで利用される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項107】
前記流体処理システムは、複数の段階を有する、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項108】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する該シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項109】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記流体処理システムの構成要素の入口流体空隙と出口流体空隙との間で結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該流体処理システムの該構成要素の流体空隙間で前記多構成要素流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、前記多構成要素流体処理システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項110】
前記流体処理システムは、吸収体を備え、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の多構成要素流体と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴をさらに備える、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項111】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、適宜に、結合流体または多構成要素流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項112】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、流体分配通路を伴う、請求項111に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項113】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項112に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項114】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項115】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または別の同様の過程によって作製される、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項116】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項117】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項116に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項118】
前記システムは、熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的構成要素のうちの1つを備え、該熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙は、該熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項119】
前記熱および質量移動システムの第1の構成要素と該熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項118に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項120】
前記熱および質量移動システムの前記構成要素は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記単体支持構造は、該アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項118に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項121】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項122】
前記単体支持構造は、該支持構造内の種々の機能的構成要素に結合流体および多構成要素流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ結合流体および多構成要素流体を輸送するためのポートを含む1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項123】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記結合流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の多構成要素流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項124】
冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、反対方向への前記多構成要素の蒸気および液体の流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ前記結合流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように集合し、略下向きに該精留器から退出する、該多構成要素流体の液体の逆流を伴う、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項125】
前記システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、前記システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、および前記システムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプの構成要素であり、さらに、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路を備え、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項126】
熱および質量移動システムであって、
熱および質量移動システムの特定の実装の特定の構成要素の熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に各々製造される、複数の離散単体支持構造と、
(a)該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素で採用される作業流体、および(b)該特定の熱および質量移動システムの動作の結果として、該支持構造の中および外へ熱エネルギーを伝えるために採用される結合流体を含有するための、該離散支持構造の各々の内側に画定される複数の流体空隙と、
該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成するための、該離散支持構造の各々の内側で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、各熱交換領域は、(a)該特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該特定の熱および質量移動システムの該第1の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該熱交換領域の前記特定の熱移動機能に適切であるように、(a)作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、該作業流体の第1の流動と、(a)該作業流体の第2の流動または(b)該結合流体の流動との間において熱を伝導するように、該支持構造内に相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための該特定の熱および質量移動システムの所定の段階を画定する熱交換領域を通して、結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該特定の熱および質量移動システムの該所定の段階を画定する該熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための、少なくとも1つの第2の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該離散支持構造の各々は、該特定の熱および質量移動システムの段階を達成するのに適切であるように、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介して加熱または冷却機能を提供する、熱および質量移動システム。
【請求項127】
前記離散単体支持構造の各々は、前記複数の離散単体支持構造を含有する上部構造内に収納され、前記特定の熱および質量移動システムの特定の段階に適切であるように、結合流体または作業流体の流動を結合するために、該単体支持構造のうちの種々の構造の間に流体結合部をさらに備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項128】
前記上部構造配設は、前記離散単体支持構造のうちの種々の構造の間に熱的隔離を提供する、請求項127に記載の熱および質量移動システム。
【請求項129】
前記単体支持構造の各々は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項130】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該特定の熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項131】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、冷媒吸収体を備え、さらに、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴を備える、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項132】
前記単体支持構造のうちの1つの中の流体空隙は、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、該支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項133】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項132に記載の熱および質量移動システム。
【請求項134】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項133に記載の熱および質量移動システム。
【請求項135】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項136】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項137】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項138】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項137に記載の熱および質量移動システム。
【請求項139】
前記熱および質量移動システムは、該熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素を備え、
前記離散機能的構成要素のうちの1つは、前記単体支持構造のうちの1つを備え、
該単体支持構造の出口流体空隙は、該特定の熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項140】
前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と該特定の熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造のうちの1つの内側で画定および含有される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項141】
前記単体支持構造のうちの1つは、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記単体支持構造は、前記アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項142】
熱および質量移動システムの前記特定の実装は、吸収熱ポンプを備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項143】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項142に記載の熱および質量移動システム。
【請求項144】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項142に記載の熱および質量移動システム。
【請求項145】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの最終段階を通る結合流体の流動を含み、該特定の熱および質量移動システムの熱遮断構成要素を画定する熱交換領域を通して、熱遮断結合流体の流動を結合するための熱遮断流体結合手段をさらに備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項146】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの中間熱遮断構成要素を含む、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項147】
前記マイクロチャネルの列は、前記単体支持構造の前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項148】
前記特定の熱および質量移動システムの前記熱移動機能は、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において提供される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項149】
前記システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項150】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項151】
前記廃熱は、自動車排出ガス、化学処理、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガス、および他の供給源から取得される、請求項150に記載の熱および質量移動システム。
【請求項152】
前記結合流体は、前記システムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項153】
前記結合流体は、前記システムからの加熱された熱出力として、該システムから熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項154】
構成要素間で作業流体または結合流体を移動させるための1つ以上の流体ポンプをさらに備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項155】
前記単体支持構造は、前記支持構造内の種々の機能的構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項156】
単体支持構造内の前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項157】
単体支持構造内の前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項158】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、蒸気および液体の反対方向への流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに該精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項159】
前記特定の熱および質量移動システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムであり、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路をさらに備え、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項160】
多構成要素流体を伴う熱移動過程において使用するための吸収体であって、
吸収体の熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
(a)該多構成要素流体の液体単相または二相冷媒吸収性構成要素の希釈量、(b)該支持構造の中へまたは外へ熱エネルギーを伝えるために採用される結合流体、および(c)該多構成要素流体の蒸気相構成要素を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙と、
該吸収体の熱移動機能を達成するための、該支持構造内で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、各熱交換領域は、(a)該吸収体の入口流体空隙から、該吸収体の出口流体空隙の中へ、多構成要素流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該結合流体用の入口流体空隙から出口流体空隙へ前記結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該マイクロチャネルの第1列の中の該多構成要素流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の前記結合流体の流動との間において熱を伝導するために、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該多構成要素流体の蒸気相構成要素を含有する流体空隙に結合された通路から、該マイクロチャネルの第1列の中へ流れる蒸気を提供して、該マイクロチャネルの第1列の中を流れる該多構成要素流体の液体と混合するように、該マイクロチャネルの該第1列に形成された複数の蒸気入口穴と、
該吸収体の熱交換領域を通して、該結合流体の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該吸収体の熱交換領域を通して、該多構成要素流体の流動を結合するための第2の流体結合手段と、
該多構成要素流体の液体の流動と流体連通している該通路の中へ、該多構成要素流体の蒸気の流動を結合するための第3の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該吸収体は、該多構成要素流体への該蒸気の吸収を促進する、吸収体。
【請求項161】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する該シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項160に記載の吸収体。
【請求項162】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記吸収体の流体空隙間で多構成要素流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該吸収体の流体空隙間で結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該吸収体の入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項161に記載の吸収体。
【請求項163】
シムの多要素配列の複数の要素は、前記吸収体の一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項162に記載の吸収体。
【請求項164】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する吸収体構成要素を備える、請求項162に記載の吸収体。
【請求項165】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、適宜に、多構成要素流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項161に記載の吸収体。
【請求項166】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項165に記載の吸収体。
【請求項167】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項166に記載の吸収体。
【請求項168】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項161に記載の吸収体。
【請求項169】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項161に記載の吸収体。
【請求項170】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項161に記載の吸収体。
【請求項171】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項170に記載の吸収体。
【請求項172】
前記吸収体は、熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素のうちの1つであり、前記吸収体の出口流体空隙は、該熱および質量移動システムの後続構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項173】
前記吸収体と熱および質量移動システムの別の構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項174】
前記吸収体は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、該熱および質量移動システムアセンブリの他の構成要素を備える、複数の前記単体支持構造は、前記アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項175】
前記吸収体は、吸収熱ポンプで利用される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項176】
前記吸収熱ポンプの前記多構成要素流体は、アンモニア−水混合物である、請求項175に記載の吸収体。
【請求項177】
前記吸収熱ポンプの前記多構成要素流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項175に記載の吸収体。
【請求項178】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項160に記載の吸収体。
【請求項179】
前記単体支持構造は、該支持構造内の領域に多構成要素流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的領域の外へ多構成要素流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項160に記載の吸収体。
【請求項180】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記多構成要素流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の結合流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項160に記載の吸収体。
【請求項181】
冷却モードで動作する統合単体単一効果吸収サイクル熱ポンプであって、
該熱ポンプの熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
該熱ポンプ用の熱源から高温結合流体を受容し、冷媒作業流体を蒸気に脱着させるための、該単体支持構造内に形成される脱着器/精留器構成要素と、
該脱着器/精留器から蒸気を受容するための凝縮器構成要素であって、該蒸気から熱を除去するための熱遮断媒体中温温水流体ラインに結合される、凝縮器であって、該冷媒蒸気を液体冷媒の流動に変換する、凝縮器と、
該凝縮器から該液体冷媒を受容し、該液体冷媒の流動を蒸発器に結合するための膨張弁と、
該液体冷媒の流動を蒸気に蒸発させ、それにより、蒸発器内に冷却機能を提供するための、該単体支持構造内に形成される蒸発器構成要素と、
該蒸発器から冷蔵結合流体の流動を提供するための、該蒸発器に結合される低温温水結合流体ラインと、
該蒸発器から該蒸気冷媒を受容し、液体冷媒の流動への該冷媒蒸気の吸収を達成するための、該単体支持構造内に形成される吸収体構成要素であって、後続の再加熱および再利用のために、該脱着器への吸収後に該液体冷媒を提供する、吸収体と
を備えており、
該脱着器/精留器、凝縮器、蒸発器、および吸収体構成要素の各々は、それぞれの構成要素の熱移動機能を達成するための、該支持構造内で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域を備え、各熱交換領域は、(a)それぞれの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、それぞれの該構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)それぞれの構成要素の特定の熱移動機能のために、それぞれの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、それぞれの構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、適宜に、(a)作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備え、
該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列は、それぞれの構成要素の該熱移動機能に適切であるように、該マイクロチャネルの第1列の中の該作業流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の(a)該作業流体の第2の流動または(b)該結合流体の流動との間で、熱を伝導するように、該支持構造内において相互に熱的接触して配設され、
それにより、外部利用のために、該低温温水結合流体によって冷却機能が提供される、吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項182】
前記凝縮器から退出する冷媒液体から熱を回復し、抽出した熱を別の構成要素に提供するための、前記単体支持構造内に形成される回復冷媒熱交換器をさらに備える、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項183】
前記脱着器/精留器構成要素から退出する作業流体から熱を回復し、抽出した熱を別の構成要素に提供するための、前記単体支持構造内に形成される回復溶解熱交換器をさらに備える、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項184】
前記システムの中へ熱エネルギーを受容するための前記脱着器/精留器の熱交換領域を通して、加熱した結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
前記蒸発器の熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための第2の流体結合手段と、
前記凝縮器および/または吸収体の熱交換領域を通して、結合流体の熱遮断流動を結合するための第3の流体結合手段と
をさらに備えており、
それにより、該システムは、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介した冷却機能、および該結合流体の熱遮断流動を介した熱遮断または加熱機能を提供する、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項185】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する該シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項186】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記熱ポンプの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該熱ポンプの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該熱ポンプの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項187】
シムの多要素配列の複数の要素は、前記熱ポンプの一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項186に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項188】
前記吸収体構成要素は、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴をさらに備える、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項189】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項190】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項189に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項191】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項189に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項192】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項193】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項194】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項195】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項194に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項196】
前記熱ポンプの1つの構成要素の出口流体空隙は、該熱ポンプの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項197】
前記熱ポンプの第1の構成要素と該熱ポンプの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項198】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項199】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項200】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項201】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項202】
前記廃熱は、自動車排出ガス、化学処理、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガス、および他のそのような供給源から取得される、請求項201に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項203】
前記単体支持構造は、該支持構造内の種々の構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項204】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項205】
前記冷媒脱着器/精留器はさらに、液体量を含有するためのトレイを形成し、蒸気および液体の反対方向への流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブを備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項206】
前記熱ポンプは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、該熱ポンプ内のいくつかの領域中の流体の強制対流、および該熱ポンプの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含み、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路をさらに備えており、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項207】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項208】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動が、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流であることを配設するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項209】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項210】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記結合流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の多構成要素流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項211】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記結合流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の多構成要素流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項212】
単体支持構造内の前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、前記マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項213】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項181に記載の吸収熱ポンプ。
【請求項214】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項181に記載の吸収熱ポンプ。
【請求項1】
統合熱および質量移動システムであって、
所定域の中において熱伝導材料から少なくとも部分的に製造される単体支持構造であって、該所定域は熱および質量移動システムの特定の実装の熱交換領域を画定する、単体支持構造と、
該支持構造の中に画定される複数の流体空隙であって、該複数の流体空隙は、(a)該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素において採用される作業流体、および(b)該特定の熱および質量移動システムの動作の結果として該支持構造の中または外へ熱エネルギーを伝えるために採用される、少なくとも1つの結合流体を含有する、複数の流体空隙と、
該支持構造の中に画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、該熱交換領域は、該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成し、各熱交換領域は、(a)該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列であって、該マイクロチャネルの第1列は、該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達する、マイクロチャネルの第1列と、(b)該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列であって、該マイクロチャネルの第2列は、該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、(a)該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達する、マイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該熱交換領域の該特定の熱移動機能に対して適切であるように、該マイクロチャネルの第1列の中の該作業流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の(a)該作業流体の第2の流動、または(b)該結合流体の流動のいずれかとの間で熱を伝導するように、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
流体結合手段であって、該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された流動を結合する、流体結合手段と
を備えており、
それにより、該システムは、該特定の熱および質量移動システムに対して適切であるように、該結合流体の熱的に変質された流動を介して、加熱または冷却機能を提供する、統合熱および質量移動システム。
【請求項2】
前記システムは、熱ポンプであり、前記流体結合手段は、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための前記特定の熱および質量移動システムの初期段階を画定する熱交換領域を通して、加熱した結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該特定の熱および質量移動システムの後続段階を画定する熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための第2の流体結合手段と、
該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱遮断流動を結合するための第3の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該システムは、該特定の熱および質量移動システムに適切であるような、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介した加熱または冷却機能、および該結合流体の熱遮断流動を介した熱遮断機能を提供する、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項3】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項4】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、
該第1の種類のシムは、前記特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該第2の種類のシムは、該特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該特定の熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項5】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項4に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項6】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱および質量移動システム構成要素を備える、請求項4に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項7】
シムの多要素配列の複数の要素は、次に熱および質量移動システムの一部を形成する、熱および質量移動システム構成要素の一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項4に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項8】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、冷媒吸収体を備え、さらに、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴を備える、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項9】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項10】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項9に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項11】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、略直角に位置付けられる、請求項10に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項12】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するよう前記くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項13】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項14】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項3に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項15】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項14に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項16】
前記熱および質量移動システムは、該熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素を備え、該特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙は、該特定の熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項17】
前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と該特定の熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項18】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記単体支持構造は、該アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項19】
熱および質量移動システムの前記特定の実装は、吸収熱ポンプを備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項20】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項19に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項21】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項19に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項22】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの最終段階を通る結合流体の流動を含み、該特定の熱および質量移動システムの熱遮断構成要素を画定する熱交換領域を通して熱遮断結合流体の流動を結合するための熱遮断流体結合手段をさらに備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項23】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの中間熱遮断構成要素を含む、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項24】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項25】
前記特定の熱および質量移動システムの前記熱移動機能は、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において提供される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項26】
前記システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項27】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項28】
前記廃熱は、自動車排出ガス、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガスから取得される、請求項27に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項29】
前記結合流体は、前記システムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項30】
前記結合流体は、前記システムからの加熱された熱出力として、前記システムから熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項31】
構成要素間で作業流体または結合流体を移動させるための1つ以上の流体ポンプをさらに備える、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項32】
前記単体支持構造は、前記支持構造内の種々の機能的構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、前記カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項33】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項34】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項35】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、反対方向への蒸気および液体の流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、該流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項36】
前記特定の熱および質量移動システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムであり、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路をさらに備え、それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項37】
統合熱および質量移動システムを作製するための方法であって、
熱伝導材料から少なくとも部分的に製造される単体支持構造を提供するステップと、
(a)特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の中において採用される作業流体、および(b)該特定の熱および質量移動システムの動作の結果として、該支持構造の中へまたは外へ熱エネルギーを伝えるために採用される少なくとも1つの結合流体を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙を形成するステップと、
該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成するための、該支持構造内に含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域を提供するステップであって、各熱交換領域は、(a)該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、(a)該特定の熱および質量移動システムの構成要素と関連付けられた作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、ステップと、
該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、該マイクロチャネルの第1列の中の該作業流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の(a)該作業流体の第2の流動または(b)該結合流体の流動との間において熱を伝導するように、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された流動を結合するための流体結合手段を提供するステップと
を含み、
それにより、そのように作製されたシステムは、該特定の熱および質量移動システムに適切であるように、該結合流体の熱的に変質された流動を介して、加熱または冷却機能を提供する、方法。
【請求項38】
前記システムは、熱ポンプであり、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための前記特定の熱および質量移動システムの初期段階を画定する熱交換領域を通して、加熱した結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段を提供するステップと、
該特定の熱および質量移動システムの後続段階を画定する熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための第2の流体結合手段を提供するステップと、
該特定の熱および質量移動システムの段階の熱交換領域を通して、結合流体の熱遮断流動を結合するための第3の流体結合手段を提供するステップと
をさらに含み、
それにより、そのように作製されたシステムは、該特定の熱および質量移動システムに適切であるような、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介した、加熱または冷却機能、および該結合流体の熱遮断流動を介した熱遮断機能を提供する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムから、前記単体支持構造を形成するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として、前記シムを配設するステップをさらに含み、
該第1の種類のシムは、前記特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該第2の種類のシムは、該特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、
該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該特定の熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する熱および質量移動システム構成要素を備える、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
シムの多要素配列の複数の要素は、順に熱および質量移動システムの一部を形成する、熱および質量移動システム構成要素の一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、冷媒吸収体を備え、さらに、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、前記第1のシムの前記マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、前記第1のシム上の前記マイクロチャネルの列の中の複数の蒸気入口穴を提供するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、前記流体ヘッダ内の前記積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に、前記流体ヘッダを位置付けるステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記マイクロチャネルを形成するよう前記くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面上の形状で、前記マイクロスケールのくぼみを形成するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記マイクロスケールのくぼみは、スロットまたは溝の機械加工、切断、フォトエッチング、化学的エッチング、レーザエッチング、成形、型打ち、粒子ブラスト、または他の同様の過程によって形成される、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
単一構造を形成するように、前記複数の積層シムを物理的に接合するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項51】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記熱および質量移動システムは、前記熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素を備え、前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙を、前記特定の熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項53】
前記単体支持構造内で、前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と前記特定の熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続を画定し、含有するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項54】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、前記アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して複数の前記単体支持構造を接続するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項55】
熱および質量移動システムの前記特定の実装は、吸収熱ポンプを備える、請求項37に記載の方法。
【請求項56】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、前記特定の熱および質量移動システムの最終段階を通る結合流体の流動を含み、前記特定の熱および質量移動システムの熱遮断構成要素を画定する熱交換領域を通して、熱遮断結合流体の流動を結合するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項59】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、前記特定の熱および質量移動システムの中間熱遮断構成要素を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項60】
前記熱交換領域の中で実質的に平行となるように、前記マイクロチャネルの列を形成するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項61】
前記特定の熱および質量移動システムの前記熱移動機能は、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において提供される、請求項37に記載の方法。
【請求項62】
前記システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項37に記載の方法。
【請求項63】
廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上から、入力熱エネルギーを提供するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項64】
前記廃熱は、自動車排出ガス、化学処理、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガス、および他のそのような供給源から取得される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記結合流体は、前記システムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項66】
前記結合流体は、前記システムからの加熱された熱出力として、前記システムから熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項67】
構成要素間で作業流体または結合流体を移動させるための1つ以上の流体ポンプを提供するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項68】
前記支持構造内の種々の機能的構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および前記支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む1対のカバー板内で、前記単体支持構造を載置するステップをさらに含み、前記カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項37に記載の方法。
【請求項69】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動が、前記マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流であることを配設するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項70】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、反対方向への蒸気および液体の流動を可能にする、前記単体支持構造内の複数の流体保持リブを形成するステップをさらに含み、前記流体および蒸気は、前記トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項37に記載の方法。
【請求項71】
前記特定の熱および質量移動システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムであり、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を可能にする、前記単体構造内の通路を提供するステップをさらに含み、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項37に記載の方法。
【請求項72】
熱または熱および質量移動システムにおいて使用するための統合単体熱交換デバイスであって、
熱および/または熱および質量移動システムの構成要素の熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
(a)熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素において採用される第1の作業流体、および(b)該熱または熱および質量移動システムの第2の構成要素において採用される第2の作業流体であって、該支持構造の中へまたは外へ熱エネルギーを伝えるための作業流体を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙と、
該熱または熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成するための、該支持構造内に画定および含有される、熱交換領域であって、
(a)該熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該熱または熱および質量移動システムの該第1の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、第1の作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、
(b)該熱または熱および質量移動システムの第2の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該熱または熱および質量移動システムの該第2の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、第2の作業流体の第2の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とであって、該作業流体の第1の流動と該作業流体の第2の流動との間において熱を伝導するように、該支持構造内において相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列を備える、熱交換領域と、
該特定の熱または熱および質量移動システムの該第1の構成要素と関連付けられた該流体空隙の中へおよび外へ、該第1の作業流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
第2の作業流体の熱的に変質された流動を提供するように、該特定の熱または熱および質量移動システムの該第2の構成要素と関連付けられた該流体空隙の中へおよび外へ、該第2の作業流体の第2の流動を結合するための第2の流体結合手段と
を備える、統合単体熱交換デバイス。
【請求項73】
前記第1の作業流体は、前記デバイスの中へ熱エネルギーを結合するための結合流体であり、前記第2の作業流体は、該デバイスの外へ第2の作業流体の熱的に変質された流動を結合するための結合流体である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項74】
前記第1の作業流体または前記第2の作業流体のうちの1つは、冷媒である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項75】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、かつ前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項76】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、熱または熱および質量移動システムの前記第1の構成要素の流体空隙間で第1の作業流体の第1の流動を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該熱または熱および質量移動システムの前記第2の構成要素の流体空隙間で第1の作業流体の第2の流動を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該熱または熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項77】
前記熱または熱および質量移動システムの前記構成要素は、冷媒吸収体を備え、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴をさらに備える、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項78】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、作業流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項79】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項78に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項80】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項78に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項81】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項82】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項83】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項75に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項84】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項83に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項85】
前記熱または熱および質量移動システムは、複数の相互接続された機能的構成要素を備え、該熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙は、前記単体構造内で該熱または熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項86】
前記熱または熱および質量移動システムの第1の構成要素と前記熱または熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項87】
前記熱または熱および質量移動システムの前記第1の構成要素は、多構成要素の熱または熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記熱交換デバイスは、該アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項88】
前記熱または熱および質量移動システムは、吸収熱ポンプである、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項89】
前記吸収熱ポンプの前記第1の作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項88に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項90】
前記吸収熱ポンプの前記第1の作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項88に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項91】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項92】
前記デバイスは、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、前記熱または熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において利用される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項93】
前記熱または熱および質量移動システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項94】
前記作業流体のうちの1つは、構成要素として前記デバイスを含むシステムの熱出力として、前記デバイスの中へ熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項95】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項94に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項96】
前記作業流体のうちの1つは、構成要素として前記デバイスを含むシステムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項97】
前記単体支持構造は、該支持構造に作業流体を導入するため、および該支持構造の外へ作業流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、およびマイクロチャネルを画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項98】
前記支持構造内に画定され、該支持構造と一体である、前記熱または熱および質量移動システムの所定の構成要素の流体空隙の間の流体流動接続を備える、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項99】
前記支持構造の外部の流体ラインによる、前記特定の熱または熱および質量移動システムの所定の構成要素の流体空隙の間の流体流動接続をさらに備える、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項100】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項101】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項102】
前記デバイスは、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、蒸気および液体の反対方向への流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項103】
前記デバイスは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムの構成要素を備え、さらに、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路を備え、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項104】
2成分、3成分、4成分、または同様の多成分流体等の、多構成要素流体を処理するためのシステムであって、
流体処理システムの熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
(a)該システム内で処理するための多構成要素作業流体、および(b)該多構成要素作業流体を処理するために該支持構造の中および外へ熱エネルギーを伝えるために採用される、結合流体を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙と、
該流体処理システムの熱移動機能を達成するための、該支持構造内で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、各熱交換領域は、(a)該流体処理システムの第1の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該流体処理システムの該第1の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、結合流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該多構成要素流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該結合流体の第1の流動と該多構成要素流体の流動との間で熱を伝導するように、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための該流体処理システムの所定の段階を画定する熱交換領域を通して、該結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該流体処理システムの該所定の段階を画定する該熱交換領域を通して、該多構成要素流体の熱的に変質された流動を結合するための第2の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該システムは、該流体処理システムに適切であるように、該多構成要素流体の流動の処理を提供する、システム。
【請求項105】
前記システムは、ボイラ、凝縮器、蒸留器、吸収体、脱着器、蒸発器、回復熱交換器、精留器を含む群のうちの1つにおいて、過程を達成するために利用される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項106】
前記システムは、分画用デバイス、流体分離、精留、または剥離デバイスで利用される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項107】
前記流体処理システムは、複数の段階を有する、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項108】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する該シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項109】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記流体処理システムの構成要素の入口流体空隙と出口流体空隙との間で結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該流体処理システムの該構成要素の流体空隙間で前記多構成要素流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、前記多構成要素流体処理システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項110】
前記流体処理システムは、吸収体を備え、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の多構成要素流体と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴をさらに備える、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項111】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、適宜に、結合流体または多構成要素流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項112】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、流体分配通路を伴う、請求項111に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項113】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項112に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項114】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項115】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または別の同様の過程によって作製される、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項116】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項108に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項117】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項116に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項118】
前記システムは、熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的構成要素のうちの1つを備え、該熱および質量移動システムの第1の構成要素の出口流体空隙は、該熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項119】
前記熱および質量移動システムの第1の構成要素と該熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項118に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項120】
前記熱および質量移動システムの前記構成要素は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記単体支持構造は、該アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項118に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項121】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項122】
前記単体支持構造は、該支持構造内の種々の機能的構成要素に結合流体および多構成要素流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ結合流体および多構成要素流体を輸送するためのポートを含む1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項123】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記結合流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の多構成要素流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項124】
冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、反対方向への前記多構成要素の蒸気および液体の流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ前記結合流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように集合し、略下向きに該精留器から退出する、該多構成要素流体の液体の逆流を伴う、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項125】
前記システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、前記システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、および前記システムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプの構成要素であり、さらに、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路を備え、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項126】
熱および質量移動システムであって、
熱および質量移動システムの特定の実装の特定の構成要素の熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に各々製造される、複数の離散単体支持構造と、
(a)該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素で採用される作業流体、および(b)該特定の熱および質量移動システムの動作の結果として、該支持構造の中および外へ熱エネルギーを伝えるために採用される結合流体を含有するための、該離散支持構造の各々の内側に画定される複数の流体空隙と、
該特定の熱および質量移動システムの特定の構成要素の熱移動機能を達成するための、該離散支持構造の各々の内側で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、各熱交換領域は、(a)該特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、該特定の熱および質量移動システムの該第1の構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該熱交換領域の前記特定の熱移動機能に適切であるように、(a)作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該熱交換領域の該特定の熱移動機能に適切であるように、該作業流体の第1の流動と、(a)該作業流体の第2の流動または(b)該結合流体の流動との間において熱を伝導するように、該支持構造内に相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該システムの中へ熱エネルギーを受容するための該特定の熱および質量移動システムの所定の段階を画定する熱交換領域を通して、結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該特定の熱および質量移動システムの該所定の段階を画定する該熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための、少なくとも1つの第2の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該離散支持構造の各々は、該特定の熱および質量移動システムの段階を達成するのに適切であるように、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介して加熱または冷却機能を提供する、熱および質量移動システム。
【請求項127】
前記離散単体支持構造の各々は、前記複数の離散単体支持構造を含有する上部構造内に収納され、前記特定の熱および質量移動システムの特定の段階に適切であるように、結合流体または作業流体の流動を結合するために、該単体支持構造のうちの種々の構造の間に流体結合部をさらに備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項128】
前記上部構造配設は、前記離散単体支持構造のうちの種々の構造の間に熱的隔離を提供する、請求項127に記載の熱および質量移動システム。
【請求項129】
前記単体支持構造の各々は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する前記シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項130】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該特定の熱および質量移動システムの構成要素の流体空隙間で作業流体または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該特定の熱および質量移動システムの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項131】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、冷媒吸収体を備え、さらに、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴を備える、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項132】
前記単体支持構造のうちの1つの中の流体空隙は、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、該支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項133】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項132に記載の熱および質量移動システム。
【請求項134】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項133に記載の熱および質量移動システム。
【請求項135】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項136】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項137】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項129に記載の熱および質量移動システム。
【請求項138】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項137に記載の熱および質量移動システム。
【請求項139】
前記熱および質量移動システムは、該熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素を備え、
前記離散機能的構成要素のうちの1つは、前記単体支持構造のうちの1つを備え、
該単体支持構造の出口流体空隙は、該特定の熱および質量移動システムの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項140】
前記特定の熱および質量移動システムの第1の構成要素と該特定の熱および質量移動システムの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造のうちの1つの内側で画定および含有される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項141】
前記単体支持構造のうちの1つは、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、複数の前記単体支持構造は、前記アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項142】
熱および質量移動システムの前記特定の実装は、吸収熱ポンプを備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項143】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項142に記載の熱および質量移動システム。
【請求項144】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項142に記載の熱および質量移動システム。
【請求項145】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの最終段階を通る結合流体の流動を含み、該特定の熱および質量移動システムの熱遮断構成要素を画定する熱交換領域を通して、熱遮断結合流体の流動を結合するための熱遮断流体結合手段をさらに備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項146】
前記特定の熱および質量移動システムの段階を通る前記結合流体の熱的に変質された流動は、該特定の熱および質量移動システムの中間熱遮断構成要素を含む、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項147】
前記マイクロチャネルの列は、前記単体支持構造の前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項148】
前記特定の熱および質量移動システムの前記熱移動機能は、吸収体、溶解熱交換器、脱着器、精留器、凝縮器、回復冷媒熱交換器、蒸発器といった、熱および質量移動システムの構成要素のうちの1つ以上において提供される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項149】
前記システムは、単一効果、二重効果、三重効果、発生器−吸収体−熱交換(GAX)サイクルを含む群の熱ポンプである、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項150】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項151】
前記廃熱は、自動車排出ガス、化学処理、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガス、および他の供給源から取得される、請求項150に記載の熱および質量移動システム。
【請求項152】
前記結合流体は、前記システムの冷却された熱出力として、冷蔵流体媒体を含む、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項153】
前記結合流体は、前記システムからの加熱された熱出力として、該システムから熱エネルギーを伝えるための加熱流体媒体を含む、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項154】
構成要素間で作業流体または結合流体を移動させるための1つ以上の流体ポンプをさらに備える、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項155】
前記単体支持構造は、前記支持構造内の種々の機能的構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項156】
単体支持構造内の前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項157】
単体支持構造内の前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項158】
前記特定の熱および質量移動システムの前記特定の構成要素は、吸収熱ポンプの冷媒精留器を備え、液体量を含有するためのトレイを形成し、蒸気および液体の反対方向への流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブをさらに備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに該精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項159】
前記特定の熱および質量移動システムは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、システム内のいくつかの領域中の流体の強制対流、およびシステムの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含む、吸収熱ポンプまたは多構成要素流体処理システムであり、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路をさらに備え、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項160】
多構成要素流体を伴う熱移動過程において使用するための吸収体であって、
吸収体の熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
(a)該多構成要素流体の液体単相または二相冷媒吸収性構成要素の希釈量、(b)該支持構造の中へまたは外へ熱エネルギーを伝えるために採用される結合流体、および(c)該多構成要素流体の蒸気相構成要素を含有するための、該支持構造内に画定される複数の流体空隙と、
該吸収体の熱移動機能を達成するための、該支持構造内で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域であって、各熱交換領域は、(a)該吸収体の入口流体空隙から、該吸収体の出口流体空隙の中へ、多構成要素流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)該結合流体用の入口流体空隙から出口流体空隙へ前記結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備える、熱交換領域と、
該マイクロチャネルの第1列の中の該多構成要素流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の前記結合流体の流動との間において熱を伝導するために、該支持構造内で相互に熱的接触して配設される、該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列と、
該多構成要素流体の蒸気相構成要素を含有する流体空隙に結合された通路から、該マイクロチャネルの第1列の中へ流れる蒸気を提供して、該マイクロチャネルの第1列の中を流れる該多構成要素流体の液体と混合するように、該マイクロチャネルの該第1列に形成された複数の蒸気入口穴と、
該吸収体の熱交換領域を通して、該結合流体の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
該吸収体の熱交換領域を通して、該多構成要素流体の流動を結合するための第2の流体結合手段と、
該多構成要素流体の液体の流動と流体連通している該通路の中へ、該多構成要素流体の蒸気の流動を結合するための第3の流体結合手段と
を備えており、
それにより、該吸収体は、該多構成要素流体への該蒸気の吸収を促進する、吸収体。
【請求項161】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する該シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項160に記載の吸収体。
【請求項162】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記吸収体の流体空隙間で多構成要素流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該吸収体の流体空隙間で結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該吸収体の入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項161に記載の吸収体。
【請求項163】
シムの多要素配列の複数の要素は、前記吸収体の一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項162に記載の吸収体。
【請求項164】
シムの多要素配列の複数の要素は、熱および質量移動システムの一部を形成する吸収体構成要素を備える、請求項162に記載の吸収体。
【請求項165】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、適宜に、多構成要素流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項161に記載の吸収体。
【請求項166】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項165に記載の吸収体。
【請求項167】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項166に記載の吸収体。
【請求項168】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項161に記載の吸収体。
【請求項169】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項161に記載の吸収体。
【請求項170】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項161に記載の吸収体。
【請求項171】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項170に記載の吸収体。
【請求項172】
前記吸収体は、熱および質量移動システムを達成する、複数の相互接続された機能的な熱および質量移動システム構成要素のうちの1つであり、前記吸収体の出口流体空隙は、該熱および質量移動システムの後続構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項173】
前記吸収体と熱および質量移動システムの別の構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項174】
前記吸収体は、多構成要素の熱および質量移動システムアセンブリの単一構成要素を備え、該熱および質量移動システムアセンブリの他の構成要素を備える、複数の前記単体支持構造は、前記アセンブリを形成するように、外部流体結合部を介して接続される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項175】
前記吸収体は、吸収熱ポンプで利用される、請求項160に記載の吸収体。
【請求項176】
前記吸収熱ポンプの前記多構成要素流体は、アンモニア−水混合物である、請求項175に記載の吸収体。
【請求項177】
前記吸収熱ポンプの前記多構成要素流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項175に記載の吸収体。
【請求項178】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項160に記載の吸収体。
【請求項179】
前記単体支持構造は、該支持構造内の領域に多構成要素流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の機能的領域の外へ多構成要素流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項160に記載の吸収体。
【請求項180】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記多構成要素流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の結合流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項160に記載の吸収体。
【請求項181】
冷却モードで動作する統合単体単一効果吸収サイクル熱ポンプであって、
該熱ポンプの熱交換領域を画定する所定域の中の熱伝導材料から、少なくとも部分的に製造される、単体支持構造と、
該熱ポンプ用の熱源から高温結合流体を受容し、冷媒作業流体を蒸気に脱着させるための、該単体支持構造内に形成される脱着器/精留器構成要素と、
該脱着器/精留器から蒸気を受容するための凝縮器構成要素であって、該蒸気から熱を除去するための熱遮断媒体中温温水流体ラインに結合される、凝縮器であって、該冷媒蒸気を液体冷媒の流動に変換する、凝縮器と、
該凝縮器から該液体冷媒を受容し、該液体冷媒の流動を蒸発器に結合するための膨張弁と、
該液体冷媒の流動を蒸気に蒸発させ、それにより、蒸発器内に冷却機能を提供するための、該単体支持構造内に形成される蒸発器構成要素と、
該蒸発器から冷蔵結合流体の流動を提供するための、該蒸発器に結合される低温温水結合流体ラインと、
該蒸発器から該蒸気冷媒を受容し、液体冷媒の流動への該冷媒蒸気の吸収を達成するための、該単体支持構造内に形成される吸収体構成要素であって、後続の再加熱および再利用のために、該脱着器への吸収後に該液体冷媒を提供する、吸収体と
を備えており、
該脱着器/精留器、凝縮器、蒸発器、および吸収体構成要素の各々は、それぞれの構成要素の熱移動機能を達成するための、該支持構造内で画定および含有される、1つ以上の一体化形成の熱交換領域を備え、各熱交換領域は、(a)それぞれの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、それぞれの該構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、作業流体の第1の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第1列と、(b)それぞれの構成要素の特定の熱移動機能のために、それぞれの構成要素と関連付けられた入口流体空隙から、それぞれの構成要素と関連付けられた出口流体空隙の中へ、適宜に、(a)作業流体の第2の流動、または(b)結合流体の流動を伝達するための、該熱伝導材料の中に画定されたマイクロチャネルの第2列とを備え、
該マイクロチャネルの第1列および該マイクロチャネルの第2列は、それぞれの構成要素の該熱移動機能に適切であるように、該マイクロチャネルの第1列の中の該作業流体の第1の流動と、該マイクロチャネルの第2列の中の(a)該作業流体の第2の流動または(b)該結合流体の流動との間で、熱を伝導するように、該支持構造内において相互に熱的接触して配設され、
それにより、外部利用のために、該低温温水結合流体によって冷却機能が提供される、吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項182】
前記凝縮器から退出する冷媒液体から熱を回復し、抽出した熱を別の構成要素に提供するための、前記単体支持構造内に形成される回復冷媒熱交換器をさらに備える、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項183】
前記脱着器/精留器構成要素から退出する作業流体から熱を回復し、抽出した熱を別の構成要素に提供するための、前記単体支持構造内に形成される回復溶解熱交換器をさらに備える、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項184】
前記システムの中へ熱エネルギーを受容するための前記脱着器/精留器の熱交換領域を通して、加熱した結合流体の第1の流動を結合するための第1の流体結合手段と、
前記蒸発器の熱交換領域を通して、結合流体の熱的に変質された第2の流動を結合するための第2の流体結合手段と、
前記凝縮器および/または吸収体の熱交換領域を通して、結合流体の熱遮断流動を結合するための第3の流体結合手段と
をさらに備えており、
それにより、該システムは、該結合流体の熱的に変質された第2の流動を介した冷却機能、および該結合流体の熱遮断流動を介した熱遮断または加熱機能を提供する、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項185】
前記単体支持構造は、複数の積層平面熱伝導シムであって、前記流体空隙を画定する該シムの開口部を有し、前記マイクロチャネルの列を画定する該シムの表面に形成されたマイクロスケールのくぼみを有する、シムを備える、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項186】
前記シムは、第1の種類および第2の種類の複数のシムの対として配設され、該第1の種類のシムは、前記熱ポンプの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該第2の種類のシムは、該熱ポンプの構成要素の流体空隙間で作業流体および/または結合流体を伝達するためのマイクロチャネルを画定し、該シムの対の各々は、該シムの多要素配列の所定の単一要素を備え、該多要素配列は、該熱ポンプの入力/出力熱的特性および流体流動特徴によって決定される寸法を有する、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項187】
シムの多要素配列の複数の要素は、前記熱ポンプの一部を形成する熱交換デバイスを備える、請求項186に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項188】
前記吸収体構成要素は、隣接する第2のシムの中の通路から、第1のシムの前記マイクロチャネルの中へ流れる蒸気を提供して、該第1のシムの該マイクロチャネルの中の吸収剤と混合するように、該第1のシム上の該マイクロチャネルの列に形成された複数の蒸気入口穴をさらに備える、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項189】
前記流体空隙のうちの1つは、マイクロチャネルの列の中へ流体を方向付ける流体分配通路の中へ、前記特定の構成要素に適切であるように、作業流体または結合流体の流動を方向付けるための、前記支持構造内に形成される流体ヘッダを備える、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項190】
前記流体ヘッダは、流体を受容するための開口部を画定する、前記積層シム内の領域と、該流体ヘッダ内の該積層シムによって画定される、流体空隙とを備え、前記流体分配通路は、複数のシムの対の中の1対のシムのうちの交互のシムの中で画定される、請求項189に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項191】
前記流体ヘッダは、前記流体分配通路に結合された前記マイクロチャネルの列に近接し、かつ略直角に位置付けられる、請求項189に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項192】
前記マイクロスケールのくぼみは、前記マイクロチャネルを形成するように該くぼみを取り囲む、前記シムの対のうちの隣接する第2のシムの対応する隣接底面の中へ、熱エネルギーと同時に流体を伝導するための、1対の相補的シムのうちの第1のシムの頂面に形成される、形状を備える、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項193】
前記マイクロスケールのくぼみは、機械加工されたスロットまたは溝である、切断される、フォトエッチングされる、化学的にエッチングされる、レーザエッチングされる、成形される、型打ちされる、粒子ブラストされる、または他の同様の過程によって作製される、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項194】
前記複数の積層シムは、単一構造を形成するように物理的に接合される、請求項185に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項195】
前記物理的接合は、拡散接合、接着、ろう付け、溶接、圧締を含む群から選択される、請求項194に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項196】
前記熱ポンプの1つの構成要素の出口流体空隙は、該熱ポンプの第2の構成要素の入口流体空隙と直接結合される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項197】
前記熱ポンプの第1の構成要素と該熱ポンプの第2の後続構成要素との間の機能的流体相互接続は、前記単体支持構造内で画定および含有される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項198】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、アンモニア−水混合物である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項199】
前記吸収熱ポンプの前記作業流体は、臭化リチウム−水混合物である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項200】
前記マイクロチャネルの列は、前記熱交換領域の中で実質的に平行である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項201】
前記入力熱エネルギーは、廃熱、太陽エネルギー、または一次燃料源のうちの1つ以上によって提供される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項202】
前記廃熱は、自動車排出ガス、化学処理、食品加工、金属製作、洗濯乾燥機、船舶用機関排出ガス、軍艦排出ガス、および他のそのような供給源から取得される、請求項201に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項203】
前記単体支持構造は、該支持構造内の種々の構成要素に作業流体および結合流体を導入するため、および該支持構造内の種々の構成要素の外へ作業流体および結合流体を輸送するためのポートを含む、1対のカバー板を備え、該カバー板は、前記流体空隙、熱交換領域、マイクロチャネル、および他の構成要素構造を画定する、平面接合シムのアセンブリを支持および収納する、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項204】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が逆流である、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項205】
前記冷媒脱着器/精留器はさらに、液体量を含有するためのトレイを形成し、蒸気および液体の反対方向への流動を可能にする、前記単体支持構造内に形成された複数の流体保持リブを備え、前記流体および蒸気は、該トレイによって含有される液体の表面にわたって直接質量接触し、かつ結合流体または作業流体と熱的接触し、脱着器溶液流に加わるように、集合し、略下向きに前記精留器から退出する、液体の逆流を伴う、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項206】
前記熱ポンプは、相変化中の所望の液体または蒸気温度、種の濃度、および種の濃度勾配が達成されるように、該熱ポンプ内のいくつかの領域中の流体の強制対流、および該熱ポンプの他の領域中の流体の重力/浮力駆動流を含み、通路内の逆流配設の中の上向きの蒸気流と併せて、下向きの液体流を提供する、前記単体構造内に形成された通路をさらに備えており、
それにより、蒸気の沸騰または脱着および/またはより高い冷媒蒸気純度を推進する条件が達成される、請求項181に記載の吸収サイクル熱ポンプ。
【請求項207】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項1に記載の統合熱および質量移動システム。
【請求項208】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動が、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流であることを配設するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項209】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項72に記載の統合単体熱交換デバイス。
【請求項210】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記結合流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の多構成要素流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項211】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記結合流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の多構成要素流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項104に記載の多構成要素流体処理システム。
【請求項212】
単体支持構造内の前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、前記マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項126に記載の熱および質量移動システム。
【請求項213】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が交差流である、請求項181に記載の吸収熱ポンプ。
【請求項214】
前記マイクロチャネルの第1列の中の前記作業流体の流動は、該マイクロチャネルの第2列の中の流体の流動の方向に対して方向が並行流または共流である、請求項181に記載の吸収熱ポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2011−530059(P2011−530059A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521348(P2011−521348)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/052362
【国際公開番号】WO2010/014878
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(505477235)ジョージア テック リサーチ コーポレイション (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/052362
【国際公開番号】WO2010/014878
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(505477235)ジョージア テック リサーチ コーポレイション (12)
【Fターム(参考)】
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