説明

マイクロ流体アッセイを実施するためのチップ及びカートリッジ設計構成

マイクロ流体アッセイを実施するための組立体が、アクセスポート及びアクセスポートと連通するマイクロチャネルを有するマイクロ流体チップと、流体収容可能な内部チャンバ及び各内部チャンバに対応付けられてアクセスポートと結合するように構成されるノズルを有する流体カートリッジとを備える。カートリッジ内に収容されている試料材料、緩衝液、及び/又は試薬等の反応流体が、カートリッジからマイクロ流体チップのアクセスポート及びマイクロチャネルに送り出される。本発明の実施形態は、アッセイの最後にマイクロチャネルから使用済みのDNA及び他の反応流体を受け取る廃棄物区画室を含むカートリッジを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体アッセイを実施するための容器に関する。より詳細には、本発明は、試料材料、及び任意にアッセイ試薬、緩衝液、及び廃棄物を収容するカートリッジであって、カートリッジ内に担持されている試料材料に対してリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応等のアッセイを内部で実施するマイクロチャネルを有するマイクロ流体チップに結合され得るカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、参照により本明細書に援用される2006年9月6日に出願された米国仮出願第60/824,654号の優先権を主張する。
【0003】
核酸の検出は、医学、法科学、産業加工、動植物育種、及び多くの他の分野において中心的な役割を果たす。病状(例えば癌)、感染性微生物(例えばHIV)、遺伝系統、遺伝子マーカー等を検出する能力は、疾患の診断及び予後診断、マーカー利用選抜、犯罪現場特徴の正確な特定、産業微生物を繁殖させる能力、及び多くの他の技法に関して広く普及している技術である。目的の核酸の全体的な判定は、感染症又は癌の病理学と関係があり得る。少量の核酸を検出するのに最も有力でありかつ基本的である技術の1つとして、核酸配列の一部又は全部を何度も複製してから増幅産物を解析する方法が挙げられる。ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)が、数ある種々の増幅技法のうちでおそらく最もよく知られている。
【0004】
PCRは、短いDNA断片を増幅させるのに有力な技法である。PCRでは、1つの鋳型DNA分子から開始して何百万ものDNAコピーを迅速に生産することができる。PCRは、DNAを変性して一本鎖にし、変性した一本鎖にプライマーをアニーリングし、耐熱性DNAポリメラーゼ酵素によってプライマーを伸長させるという3段階温度サイクルを含む。このサイクルは、検出及び解析に十分なコピーが得られるまで繰り返される。原理上、各PCRサイクルごとにコピー数が2倍になり得る。しかし実際には、各サイクルにより達成される増幅が2倍となることはない。さらに、PCRサイクルが続くと、必要な反応物の濃度が減るにつれて増幅DNA産物の増加は最終的に止まる。PCRに関する一般的な詳細に関しては、非特許文献1、非特許文献2、及び非特許文献3を参照されたい。
【0005】
リアルタイムPCRは、反応の進行と同時に共に増幅DNA産物の増加を、通常はPCRサイクルごとに1回、測定する、成長を続ける一連の技法を指す。経時的に産物の蓄積を監視することで、反応の効率を判定すると共にDNA鋳型分子の初期濃度を推定することができる。リアルタイムPCRに関する一般的な詳細に関しては、非特許文献4を参照されたい。
【0006】
増幅DNAの存在を示すいくつかの異なるリアルタイム検出ケミストリが現存している。これらの大半は、PCRプロセスの結果として特性が変化する蛍光指示薬に依存する。これらの検出ケミストリの中には、二本鎖DNAに結合すると蛍光収率を増加させるDNA結合色素(SYBR(登録商標)Green等)がある。他のリアルタイム検出ケミストリは、色素の蛍光収率が別の光吸収部分又はクエンチャーに対する近さに大きく影響される結果として生じる現象である、フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)を利用する。これらの色素及びクエンチャーは通常、DNA配列特異的プローブ又はプライマーに結合する。FRETベースの検出ケミストリとしては、加水分解プローブ及び立体配座プローブなどがある。加水分解プローブ(TaqMan(登録商標)プローブ等)は、オリゴヌクレオチドプローブに結合したクエンチャー色素分子からレポーター色素分子を切断するためにポリメラーゼ酵素を用いる。立体配座プローブ(分子指標等)は、オリゴヌクレオチドに結合した色素を利用し、この色素は、標的DNAにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの立体配座変化に応じて蛍光発光が変わる。
【0007】
本発明の譲受人に譲渡され、その開示が参照により本明細書に援用される「Real-Time PCR in Micro-Channels」と題する同時係属中の特許文献1には、マイクロチャネルを流れてフローマーカーとして知られている緩衝溶液等の非反応性流体の液滴によって互いに分離される別個の液滴内でPCRを実施するプロセスが記載されている。
【0008】
1つ又は複数のマイクロチャネルが内部に形成されているマイクロ流体チップを含むマイクロチャネル内でPCR等のインラインアッセイを実施するデバイスが、当該技術分野において既知である。これらのチップは、チップ上面の試料シッパチューブ(sipper tubes:吸引管)及び開放ポートを利用して、試薬及び試料材料(例えばDNA)を受け取ってチップ内のマイクロチャネルに送る。チッププラットフォームは、チップ上面の開放ポートにおいて通常はピペッタによって送り出される試薬を受け取るように設計され、試薬は、通常は各マイクロチャネルの反対端に加えられる真空の影響により開放ポートからマイクロチャネルに流れ込む。DNA試料は、チップの下に延びているシッパチューブを経てマイクロウェルプレートのウェルからマイクロチャネルに供給され、マイクロチャネルに加えられる真空によって試料材料がシッパチューブを通してウェルから引き出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国出願第11/505,358号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Sambrook and Russell, Molecular Cloning−A Laboratory Manual (3rd Ed.), Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y. (2000)
【非特許文献2】Current Protocols in Molecular Biology, F.M. Ausubel et al., eds., Current Protocols, a joint venture between Greene Publishing Associates, Inc. and John Wiley & Sons, Inc., (supplemented through 2005)
【非特許文献3】PCR Protocols A Guide to Methods and Applications, M.A. Innis et al., eds., Academic Press Inc. San Diego, Calif. (1990)
【非特許文献4】Real-Time PCR: An Essential Guide, K. Edwards et al., eds., Horizon Bioscience, Norwich, U.K. (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この公知の設計は、汚染、つまり試料及びアッセイ間のクロスオーバーと、潜在的感染因子への研究室職員の暴露との両方を被りやすい。したがって、マイクロ流体アッセイを実施するための改良型容器が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、反応流体又は副産物を収容するか又は収容するようになっており、マイクロ流体チップに連結して、そのマイクロ流体チップ内で実施されるDNA解析試験及び他のアッセイに融通性及び使いやすさを与える、カートリッジの使用に関する。カートリッジは、DNA試料を収容し、且つアッセイで用いるべき緩衝液及び/又は1つ又は複数の試薬をも含み得るが、更に「閉鎖系」マイクロ流体システムを可能にする廃棄物格納チャンバも含むことができるため、DNA試料及び他の反応生成物が同じ試料収容カートリッジに戻ることにより、バイオハザード廃棄物管理を別個に行う必要がなくなる。患者試料がカートリッジを経てマイクロ流体チャネル(又はマイクロチャネル)に導入され、アッセイに特定のプローブ/プライマーが各試料液滴に導入されることで、インラインの連続PCRアッセイ処理の利点を維持しつつ、患者間の試料間キャリーオーバーがないことが確実になる。
【0013】
本発明の態様は、マイクロ流体アッセイを実施するための組立体において具現され、この組立体は、マイクロ流体チップと、流体カートリッジとを備える。マイクロ流体チップは、上面及び下面を有し、且つ上面に形成される1つ又は複数のアクセスポート、及び対応するアクセスポートから延びてマイクロ流体チップの少なくとも一部を通る少なくとも1つのマイクロチャネルを含む。各アクセスポートが対応するマイクロチャネルと連通することでアクセスポートに送り出される流体が対応するマイクロチャネルに流れ込むようになっている。流体カートリッジは、流体を収容する1つ又は複数の内部チャンバ、及び対応するチャンバからの流体を送り出すか又は対応する内部チャンバに流体を送るように各内部チャンバに対応付けられる流体ノズルを有する。各流体ノズルは、マイクロ流体チップのアクセスポートに結合されることにより、対応する内部チャンバからノズルが結合しているアクセスポートに流体を送り出すか、又はノズルが結合しているアクセスポートから対応する内部チャンバに流体を送るように構成される。
【0014】
他の実施の形態では、マイクロ流体チップと連結するように構成されるカートリッジデバイスが提供され、このカートリッジデバイスは、送出チャンバ及び回収チャンバを含む。送出チャンバは、送出ポートと流体連通しており、反応流体を収容するように構成される。送出ポートは、マイクロ流体チップと連結するように構成される。回収チャンバは、回収ポートと流体連通しており、マイクロ流体チップから廃棄物を受け取るように構成される。回収ポートも、マイクロ流体チップと連結するように構成される。
【0015】
さらに他の実施の形態では、マイクロ流体チップと連結するように構成されるカートリッジデバイスが提供され、このカートリッジデバイスは、試薬送出ポートに接続される試薬送出チャンバ、緩衝液送出ポートに接続される緩衝液送出チャンバ、試料送出ポートに接続される試料送出チャンバ、及び廃棄物回収ポートに接続される廃棄物回収チャンバを備え、試薬送出ポート、緩衝液送出ポート、試料送出ポート、及び廃棄物回収ポートは、マイクロ流体チップと連結するように構成される。この実施の形態では、マイクロ流体チップは、試薬、緩衝液、及び/又は試料のうち1つ又は複数が試薬送出チャンバ、緩衝液送出チャンバ、及び/又は試料送出チャンバから送出される際、及び上記廃棄物回収チャンバに流れ込む際に通る1つ又は複数のマイクロチャネルを含む。
【0016】
動作の方法及び構造の要素の機能及び相互関係を含む本発明の他の態様は、添付図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を検討すればより明確になるであろう。以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面は全て、本開示の一部を成し、種々の図で同じ参照符号は対応の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1a】カートリッジをマイクロ流体チップから分離して示す、本発明の態様を具現するマイクロ流体チップ及びカートリッジの一実施形態の斜視図である。
【図1b】カートリッジをマイクロ流体チップに結合して示す、図1aに示すマイクロ流体チップ及びカートリッジの斜視図である。
【図2a】マイクロウェルプレートの上に動作可能に位置決めされている、図1bに示すマイクロ流体チップ及びカートリッジ組立体の斜視図である。
【図2b】マイクロウェルプレートの上に動作可能に位置決めされている、図1bに示すマイクロ流体チップ及びカートリッジ組立体の側面図である。
【図3】シッパチューブがマイクロウェルプレートのウェルと係合している、マイクロ流体チップのマイクロチャネル及びシッパチューブの概略図である。
【図4】マイクロチャネル内でのマイクロ流体アッセイ実施中の、マイクロチャネル内に収容されている反応流体の概略図である。
【図5】図2a及び図2bに示すようにマイクロウェルプレートと動作可能に配置されたマイクロ流体チップ及びカートリッジ組立体で実施されるマイクロ流体アッセイ中に実施されるステップを示すフローチャートである。
【図6】カートリッジをマイクロ流体チップに結合して示す、本発明の態様を具現するマイクロ流体チップ及びカートリッジの代替的な一実施形態の斜視図である。
【図7】マイクロチャネル及びマルチシッパ(multisipper)チップ構成の概略図である。
【図8】本発明の態様を具現するマイクロ流体チップ及びカートリッジの代替的な一実施形態のシッパレス(sipper-less)マイクロ流体チップのマイクロチャネルの概略図である。
【図9】本発明の態様を具現するシッパレスマイクロ流体チップ及びカートリッジの代替的な一実施形態の概略図である。
【図10】図8又は図9に示すようなマイクロ流体チップ及びカートリッジ組立体で実施されるマイクロ流体アッセイ中に実施されるステップを示すフローチャートである。
【図11】カートリッジをマイクロ流体チップに結合して示す、本発明の態様を具現するマイクロ流体チップ及び複数のカートリッジの代替的な一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の態様を具現するマイクロ流体チップ及び試薬カートリッジ構成の第1の実施形態を図1a及び図1bに示す。この構成は、マイクロ流体チップ40に結合されているカートリッジ10を含む。カートリッジ10及びマイクロ流体チップ40は、参照により本明細書に援用される特許文献1に記載されているようなインラインリアルタイムPCR等のアッセイを実施するシステムで用いることができる。
【0019】
カートリッジ10は、複数のノズル又は流出ポート14、16、18が突出している本体部12を含む。図示の実施形態は限定を意図するものではなく、カートリッジのノズルは、図示のような3つよりも多くても少なくてもよい。本体部12内に、カートリッジ10は対応するノズルと連通する内部チャンバ(図示せず)を含み、このようなチャンバは、マイクロ流体チップ40内の対応するマイクロチャネルへ送出する又は対応するマイクロチャネルから除去する種々の流体を収容し得る。このような流体として、例えば、試料DNA材料、アッセイに特定の試薬を含む緩衝液又は試薬、及び反応廃棄物、又は他の反応流体及び/又は副産物を挙げることができる。カートリッジ10は、流体を内部チャンバに注入するために対応する内部チャンバと連通するポート20、22等の投入ポートをさらに含み得る。このようなポートは、流体がカートリッジに注入された後でポートを閉鎖するキャップを含むことが好ましい。キャップは、流体がキャップで塞がれたポートを通してチャンバから出るのを防止する一方で、チャンバからの流体の引き出し中に周囲大気圧と内部チャンバ圧との間の圧力を均等にするための通気を可能にする、何らかのタイプの疎水性ベントを含むことが好ましい。カートリッジ10は、負圧(すなわち真空)源との接続用の真空ポート24も含み得るが、負圧源は、流体、例えば反応廃棄物を真空ポート24と連通する廃棄物チャンバにノズル14、16、又は18の1つ又は複数を通して引き込むためのものである。
【0020】
一実施形態では、カートリッジ10は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、又はポリスチレン等の適当な、好ましくは不活性の材料から射出成形される。カートリッジ10は、流体格納用(すなわちチャンバ)、流体送出用、圧力制御用、及び試料調製用(図示せず)の内部設計特徴も含み得る。カートリッジは、他の適当な材料からも構成することができる。
【0021】
内部チャンバのそれぞれの流体容量は、20μL〜5mLであり得るが、好ましくは50μL〜1000μL、最も好ましくは100μL〜500μLである。当然ながら、他のチャンバ容積を用いることもできる。廃棄物区画室がカートリッジ設計に組み込まれる場合、これは、最大約5mL以上の容量を有し得る。
【0022】
マイクロ流体チップ40は、例えばアクセスポート44、46、及び48等のアクセスポート行を有する本体42を含む。アクセスポート44、46、48と連通するマイクロチャネルが、マイクロ流体チップ40を通って延びる。マイクロ流体チップ40は、マイクロチャネルが形成されるマイクロチャネル部50を含み、これは、より詳細に後述するように、マイクロチャネル内を流れる材料に対して種々のアッセイに関連した動作が実施される場所である。マイクロチャネル部50は、ガラス又はプラスチック等の任意の適当な材料で作ることができる。マイクロチャネル部の一例は、本発明の譲受人に譲渡されており、参照により本明細書に援用される同時係属中の特許文献1に開示されている。
【0023】
カートリッジ10は、ノズル14、16、18を行44、46、及び48のうちの1つのアクセスポートの列と接続することによって、マイクロ流体チップ40に結合される。ノズルとアクセスポートとの接続は、各ノズル14、16、18と対応するアクセスポート44、46、48との間の摩擦嵌めによって行うことができる。代替的に、接続は、カートリッジをマイクロ流体チップに取り付けることはできるが一度取り付けるとカートリッジをマイクロ流体チップから取り外すことができない、ルアーロック接続又は他の何らかのタイプの一方向ロッキング接続であり得る。
【0024】
マイクロ流体チップ40は、外部容器から流体(例えば試薬)を引き出すシッパチューブ52を含み得る。図2a及び図2bに示すように、マイクロ流体チップ40及びカートリッジ10の構成は、複数の個別のウェル82を有するマイクロウェルプレート80の上に位置決めされ得る。マイクロ流体チップ40及びマイクロウェルプレート80が互いに対して(例えば、コンピュータ制御下でマイクロ流体チップ40及び/又はマイクロウェルプレート80を動かすロボットデバイスによって)動かされることにより、マイクロ流体チップの下に延びているシッパチューブ52がウェル82の選択された1つに入り、ウェルの内容物がシッパチューブ52に引き込まれることでマイクロ流体チップ40に引き込まれる。
【0025】
図3は、マイクロ流体チップ40に形成されているマイクロチャネル62を概略的に示す。マイクロチャネル62は、マイクロ流体チップ40の行48又は行46(又は両方)のアクセスポートに対応し得る投入ポート70を含み、これを通してカートリッジ10からの流体がマイクロチャネルに注入される。この実施形態では、マイクロチャネル62は、マイクロ流体チップ40の行44のアクセスポートに対応する出口(又は廃棄物)ポート72も含み、これを通してマイクロチャネル62からの材料がカートリッジ10に注入される。シッパチューブ52は、接合部60によってマイクロチャネル62に結合される。一実施形態では、マイクロ流体チップ40のアクセスポートの行44、46、48内のアクセスポート列毎に1つのマイクロチャネル62が対応付けられる。したがって、図1aに示す実施形態では、マイクロ流体チップ40は、6つのアクセスポート列のそれぞれに1つずつ対応付けられる6つのマイクロチャネルを含む。
【0026】
単一のシッパチューブ52を有する一実施形態では、シッパチューブ52は、接合部60によってマイクロチャネル62のそれぞれに結合されるため、シッパチューブ52を通してマイクロ流体チップ40に引き込まれた材料は、マイクロ流体チップ40内に収容されているマイクロチャネルのそれぞれに分配される。図3に破線80で表すように、マイクロ流体チップ40及びマイクロウェルプレート80は、シッパチューブ52をマイクロウェルプレート80の複数のウェル82、82、82、のいずれか1つに入れることができるように、互いに対して動かされる。
【0027】
一実施形態では、マイクロチャネル62は、ポート70及びシッパチューブ52を経てマイクロチャネル62に導入される材料を混合するための混合セクション64を含む。混合セクション64は、マイクロチャネルの蛇行セクション又はマイクロチャネルの内容物を混合する別の既知の手段を含み得る。他の実施形態では、マイクロチャネル62は混合セクションを含まない。
【0028】
さらに、マイクロチャネル62は、マイクロ流体チップ40のマイクロチャネル部50内に位置付けられるインラインPCRセクション66及び解析セクション68も含む。解析セクション68は、反応材料に添加される色素の蛍光の検出等のマイクロチャネルの内容物の光学的解析、又は高分解能熱融解解析(high resolution thermal melting analysis)(HRTm)等の他の解析を実施するために設けられ得る。このようなインラインPCR及びマイクロ流体解析は、参照により本明細書に援用される特許文献1に記載されている。一実施形態では、マイクロチャネル62は、マイクロ流体チップ40内でUターンしてカートリッジ10に戻るため、インラインPCR及び解析の最後に出口ポート72を通してカートリッジ10内の廃棄物チャンバに反応生成物を注入することができる。他の実施形態では、マイクロチャネルに関して他の構成も用いることができる。
【0029】
本発明の構成は、複数の連続アッセイを実施するために用いることができ、それによって、マイクロチャネル内に収容されているDNA又は他の試料材料の液滴内で別個のアッセイが実施される。連続的に配置される液滴は、異なるPCRプライマー又はアッセイに特定の他の試薬を収容することができ、フローマーカーとして知られている非反応性材料の液滴によって互いに分離させることができる。単一のマイクロチャネル内で複数の別個のアッセイを実施するこのような技法は、本発明の譲受人に譲渡された同時係属中の特許文献1にも記載されている。
【0030】
図4は、一実施形態によるDNA又は他の試料材料の別個の液滴内で複数の別個のアッセイが実施されるマイクロチャネルの内容物を概略的に示す。図4を参照して、マイクロチャネルの左から右へ移動している流体について図内で右から左に見ていくと、参照符号108は、マイクロチャネルのプライミングを行うようにマイクロチャネルに最初に注入されるプライミング流体を表す。プライミング流体が加えられた後で、PCRプライマーと混合された対照試料を含有する(例えば、既知のDNA及び/又は既知のDNA濃度を含む試料を含有する)液滴又はボーラス104が、マイクロチャネルに注入される。対照液滴104は、フローマーカー流体106の液滴によってプライミング流体108から分離される。フローマーカー106は、例えば緩衝溶液等の非反応性流体を含み得る。参照符号100及び98は、第1の試料液滴及び第nの試料液滴をそれぞれ表す。各試料液滴は、通常は約8ナノリットルの容積を有し、2ナノリットル〜50ナノリットルの容積を有することができ、各液滴内でアッセイを実施してその結果を解析するために特定のPCRプライマー又はアッセイに特定の他の試薬と組み合わせられる一定量のDNA又は他の試料材料を含む。液滴98〜100のそれぞれが、フローマーカーによって互いに分離される。図4に示すように、対照液滴104は、フローマーカー102によって試料液滴100から分離される。参照符号94は、PCRプライマー又はアッセイに特定の他の試薬と組み合わせられる第2の対照試料を含む第2の対照液滴を含む。対照液滴94は、フローマーカー96によって第nの試験液滴98から分離される。
【0031】
図4は、試験液滴98〜100の前後にそれぞれ位置決めされる対照液滴104、94のみを示している。しかしながら、1つ又は3つ以上の対象液滴を用いることができ、対照液滴が試験液滴間に点在してフローマーカーによって試験液滴から分離され得ることを理解されたい。また、図4は、直線状に配置された液滴を示しているが、マイクロチャネルは非直線状であってもよく、例えば図3に示すようにUターンしてもよい。
【0032】
参照符号92は、マイクロチャネルから内容物を流し出すためにマイクロチャネルに通されるフラッシュ溶液を表す。参照符号90は、マイクロチャネルの内容物を廃棄物容器に押し込むためにマイクロチャネルに最後に圧送される流体を表す。なお、図4では、明確にするためにブロックのそれぞれが隣接するブロックから分離して示されている。しかしながら、実際には、フローマーカーの種々の液滴と試料液滴とを分離する隙間はなく、マイクロチャネル内の流れは通常は実質的に連続している。
【0033】
一実施形態によるインラインアッセイのタイミングステップを図5に示す。このようなタイミングステップの実施は、通常はシステムコンピュータの制御下で行われる。ステップ122において、緩衝溶液でマイクロチャネルのプライミングを行う。緩衝溶液は、カートリッジ10内の区画室内に収容されてもよく、又はマイクロウェルプレート80のウェル82の1つからシッパチューブ52を通して吸い取られてもよい。その一方で、他の全ステップに矢印でつながるステップ120で表されるように、DNA材料等の試料材料を、カートリッジ10内の試料区画室からマイクロチャネルに連続的に注入する。プライミングステップ122の後、ステップ124において、一定量のフローマーカー緩衝液材料をマイクロチャネルに吸い込む。次に、ステップ126において、陰性対照試料及びPCRプライマーをマイクロチャネルに吸い込み、対照試験液滴を形成する。ステップ128において、別の量のフローマーカー緩衝溶液をマイクロチャネルに吸い込む。上述のように、DNA試料を、ステップ120に示すようにプロセス全体を通してマイクロチャネルに連続的に注入する。ステップ130において、PCRアッセイプライマー又はアッセイに特定の他の試薬を、シッパチューブ52によってマイクロウェルプレート80のウェル82からマイクロチャネルに吸い込み、連続的に流れているDNA試料の一部と混合することにより、試験液滴を形成する。ステップ132において、フローマーカー緩衝液をマイクロチャネルに吸い込み、連続的に流れているDNA試料の一部と混合されることにより、フローマーカー液滴を形成して、前のステップで形成された試験液滴を次の試験液滴から分離する。ステップ134において、試料材料に対して実施すべきアッセイが全て完了したか否かを判定する論理ステップを実施する。完了していない場合、プロセスはステップ130を戻し、別の量のPCRアッセイプライマー又はアッセイに特定の他の試薬をマイクロチャネルに吸い込み、連続的に流れているDNA試料の一部と混合することにより、次の試験液滴を形成する。次に、ステップ132を、別のフローマーカー液滴を形成するために繰り返す。全アッセイが完了すると、ステップ136において、陽性対照試料及びPCRプライマーをマイクロチャネルに吸い込み、第2の対照試験液滴を形成する。しかしながら、上述のように、対照液滴が試験液滴の前後にあることは必ずしも必要ではない。そして、ステップ138において、マイクロチャネルの内容物を廃棄物容器に流す。
【0034】
図6は、カートリッジ10が3つのシッパチューブ142、144、146を有するマイクロ流体チップ140に接続される配置を示す。この配置では、行44、46、48の各投入ポート列が3つの異なるマイクロチャネルに結合され、マイクロチャネルのそれぞれが3つのシッパチューブ142、144、及び146の1つに接続される。したがって、図6に示す配置では、マイクロ流体チップ140は、6つのアクセスポート列のそれぞれに3つずつ、18個のマイクロチャネルを含むことになる。この配置は、並行処理スループットの向上を可能にする。例えば、薬理ゲノミクスの用途では、単一のDNAサンプルを複数のPCRプライマーセットで並行して処理することができる。この並行構成は、4つ以上のシッパチューブを有する設計にすることもできる。
【0035】
図7は、図6のマルチシッパ構成のマイクロ流体チップ40に形成されるマイクロチャネル62を概略的に示す。マイクロチャネル62のそれぞれは、実質的に図3に関連して上述したように構成されることが好ましい。しかしながら、この実施形態では、行44、46、48の各投入ポート列が3つの異なるマイクロチャネルに結合され、マイクロチャネルのそれぞれが3つのシッパチューブ142、144、及び146の1つに接続される。
【0036】
図8及び図9は、シッパチューブを含まない本発明の代替的な一実施形態を示す。このようなシッパレス配置では、緩衝液、DNA試料材料、及びアッセイに特定の試薬を含む材料の全てがカートリッジ内に内蔵され得る。この設計では、試薬カートリッジが、DNA試料調製、試薬供給、緩衝液/試薬供給、及び廃棄物格納といった機能の全てを提供する。
【0037】
図8及び図9は、シッパチューブを含まないマイクロ流体チップ182のマイクロチャネル170の概略図である。図8に示すように、マイクロチャネル170は、緩衝液溶液の連続流がマイクロチャネル170に注入される際に通る緩衝液投入ポート160を含む。DNA試料材料又は他の試料材料は、DNA投入ポート162を通してマイクロチャネル170に注入され、PCRプライマー又はアッセイに特定の他の試薬は、試薬投入ポート164を通してマイクロチャネル170に注入される。反応廃棄物は、マイクロチャネル170から出て出口ポート166を通してカートリッジ10の廃棄物区画室に入る。マイクロチャネル170は、混合セクション172、インラインPCRセクション174、及び解析領域176を含み得る。投入ポート162及び164を通した物質の注入は、例えば圧電型又はバブルジェット(登録商標)型の弁であり得る注入ポート弁178及び180によって制御される。弁178及び180の目的は、試料材料及びアッセイに特定の試薬を緩衝溶液の連続流中に選択された間隔で注入して、例えば図4に示すような別個の試験液滴を発生させることである。
【0038】
図9に示すように、カートリッジ10のノズル18は、マイクロチャネル170のポートAと連通する。図9は、カートリッジ10内に収容されているDNA試料材料及び緩衝溶液の混合物がポートAを通してマイクロチャネル170に注入されるように、図8に示す投入ポート160及び162が事実上結合される構成を示す。代替的に、緩衝溶液は、第4のノズル及びカートリッジの対応する区画室(図示せず)から、又は外部の緩衝溶液源から、図8に示すように別個のポートで注入されてもよい。カートリッジ10のノズル16は、図8の投入ポート164に対応する投入ポートBと連通する。カートリッジ10のノズル14は、図9に示す出口ポート166に対応するマイクロ流体チップ182のポートCと連通する。マイクロチャネル170を通してDNA試料材料及び試薬並びに緩衝溶液をカートリッジ10の廃棄物区画室に引き込むために、カートリッジ10の真空ポート24に真空源が接続される。
【0039】
緩衝液及び試薬等の反応流体は、好ましくは工場でカートリッジ自体に設けられるロット番号及び有効期限等の情報をつけてカートリッジに充填され得る。そして、カートリッジの使用前にユーザがDNA試料材料を適当なチャンバに追加することができる。代替的に、空のカートリッジを提供して、このようなカートリッジをマイクロ流体チップに取り付ける前に研究室の職員がカートリッジに所望のアッセイ流体(例えば、試料材料、緩衝液、試薬)を充填してもよい。
【0040】
図10は、図9に示すシッパレスカートリッジ及びマイクロ流体チップ構成を用いて実施されるタイミングシーケンスを示す。ステップ190において、マイクロチャネル170内で負圧を形成するために負圧をカートリッジ廃棄物ポート(すなわち、真空ポート24)に加える。ステップ192において、DNA及び緩衝溶液を点Aでマイクロチャネルに連続的に流し込む。ステップ194において、PCRプライマー/試薬又はアッセイに特定の他の試薬を点B(すなわち、ポート164)でマイクロ流体流に注入する。ステップ196において、マイクロチャネルへの反応流体の投入を遅延させる。ステップ198において、マイクロチャネル170のセクション174でPCR熱サイクル(又は他のアッセイプロセス)をマイクロチャネル内の材料に対して実施する。ステップ200において、マイクロチャネル170のセクション176でHRTm測定又は他の解析をマイクロチャネルの内容物に対して実施する。ステップ202において、追加のアッセイを実施する必要があるか否かに関する判定を行う。さらなる反復アッセイを実施する必要がある場合、プロセスをステップ194に戻し、追加のPCRプライマー/試薬を点Bで流れに注入した後で、遅延(ステップ196)、PCR熱サイクル(ステップ198)、及び測定又は解析(ステップ200)を行う。所望のアッセイが全て完了すると、ステップ204において、マイクロチャネル170を点C(出口ポート164)で廃棄物区画室まで洗い流す。図10に示すタイミングシーケンスは、図8に示すようなシッパレスカートリッジ及びマイクロ流体チップ構成を用いて実施されるタイミングシーケンスと同様であるが、DNA試料材料がDNA投入ポート162を通してマイクロチャネル170に注入され、PCRプライマーが試薬投入ポート164を通してマイクロチャネル170に注入される点が異なる。
【0041】
図11は、参照符号240で示すマイクロ流体チップの代替的な一実施形態を示す。マイクロ流体チップ240は、本体242と、3行のアクセスポート244、246、248を有するマイクロチャネル窓250とを含む。複数のカートリッジ210がアクセスポート244、246、248に結合される。(なお、複数のカートリッジは、前述の実施形態のマイクロ流体チップに同様の方法で結合され得る。)マイクロ流体チップ240は、マイクロ流体チップ240内のマイクロチャネルが使用済みの反応流体をマイクロチャネルからカートリッジ210の廃棄物区画室に移送するためにUターンして廃棄物ポートに戻らないという点で、前述のマイクロ流体チップと異なる。その代わりに、マイクロ流体チップ240は、窓250を挟んでアクセスポート244、246、248の反対側で本体242に配置される真空ポート224を含む。マイクロチャネル毎に専用の真空ポート224があってもよく、又は1つ又は複数のポートが2つ以上(又は全て)のマイクロチャネルに結合されてもよい。
【0042】
図11に示す実施形態を使用する際、材料をカートリッジ内に収容されている廃棄物区画室に引き込むために真空ポートをカートリッジ210に取り付ける代わりに、マイクロ流体チップ240のマイクロチャネルを通して流体を引き出すために外部真空源(図示せず)がポート224に接続される。同じくこの実施形態に関連して、マイクロチャネルからの使用済みの反応流体は、マイクロチャネル(図示せず)と流体連通するがカートリッジ210内に収容されていない廃棄物区画室に移送される。
【0043】
本発明は、特定の好ましい実施形態の開示によってかなり詳細に説明及び図示されているが、本発明の他の実施形態も当業者には容易に理解されるであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求項の精神及び範囲内に包含される全ての変更形態及び変形形態を含むとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体アッセイを実施するための組立体であって、
マイクロ流体チップであって、上面及び下面を有し、且つ
前記上面に形成される1つ又は複数のアクセスポート、及び
対応するアクセスポートから該マイクロ流体チップの少なくとも一部に延びる少なくとも1つのマイクロチャネルであって、各アクセスポートが対応するマイクロチャネルと連通することで前記アクセスポートに送り出される流体が前記対応するマイクロチャネルに流れ込むようになっている、少なくとも1つのマイクロチャネル、
を含む、マイクロ流体チップと、
流体を収容する1つ又は複数の内部チャンバ、及び前記対応するチャンバから流体を送り出すか又は該対応する内部チャンバに流体を送るように各内部チャンバに対応付けられる流体ノズルを有する、流体カートリッジであって、各流体ノズルは、前記マイクロ流体チップのアクセスポートに結合されることにより前記対応する内部チャンバから前記ノズルと結合される前記アクセスポートに流体を送り出すか、又は前記ノズルと結合される前記アクセスポートから前記対応する内部チャンバに流体を送るように構成される、流体カートリッジと、
を備える、マイクロ流体アッセイを実施するための組立体。
【請求項2】
前記カートリッジは、3つの内部チャンバ及び3つのノズルを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記ノズル及び前記アクセスポートの少なくとも一方は、前記ノズルが前記マイクロ流体チップの前記アクセスポートと結合された後で前記ノズルを前記アクセスポートから分離することができないように、一方向ロッキング接続部を有する構成にされる、請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
前記カートリッジは射出成形される、請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
前記カートリッジは、ポリプロピレン、ポリカーボネート、及びポリスチレンから成る群より選択される材料から射出成形される、請求項4に記載の組立体。
【請求項6】
前記カートリッジ内の少なくとも1つの内部チャンバは、反応流体を収容する、請求項1に記載の組立体。
【請求項7】
前記反応流体は、DNA試料材料、緩衝溶液、試薬、又は2つ以上の前記流体の混合物から成る流体の群より選択される流体である、請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
前記試薬はPCRプライマーを含む、請求項7に記載の組立体。
【請求項9】
前記マイクロ流体チップは、3行で配置される複数のアクセスポートを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項10】
前記カートリッジは、前記3行のアクセスポートのうち3つの整列したアクセスポートの列と協働するように構成される3つのノズルを含む、請求項9に記載の組立体。
【請求項11】
前記マイクロ流体チップは、該マイクロ流体チップの前記下面から延びる1つ又は複数のシッパチューブを含み、該シッパチューブのそれぞれは、少なくとも1つのマイクロチャネルと連通する、請求項1に記載の組立体。
【請求項12】
前記マイクロ流体チップは、2つ以上のシッパチューブを含む、請求項11に記載の組立体。
【請求項13】
前記マイクロ流体チップは、少なくとも1つの真空ポートを含み、それぞれの真空ポートが少なくとも1つのマイクロチャネルと連通する、請求項1に記載の組立体。
【請求項14】
各マイクロチャネルは、1つのアクセスポートから延び、異なるアクセスポートで終端するように構成される、請求項1に記載の組立体。
【請求項15】
前記カートリッジは、ノズルと連通する真空ポートを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項16】
前記カートリッジ内の少なくとも1つの内部チャンバは、前記少なくとも1つのマイクロチャネルからの反応流体を収容するように構成される廃棄物容器である、請求項1に記載の組立体。
【請求項17】
前記マイクロ流体チップの前記マイクロチャネルは、実質的にU字形の構成を有する、請求項1に記載の組立体。
【請求項18】
マイクロ流体チップと連結するように構成されるカートリッジデバイスであって、
送出ポートと流体連通する送出チャンバであって、該送出チャンバは反応流体を収容するように構成され、前記送出ポートはマイクロ流体チップと連結するように構成される、送出チャンバと、
回収ポートと流体連通する回収チャンバであって、該回収チャンバは前記マイクロ流体チップから廃棄物を受け取るように構成され、前記回収ポートは前記マイクロ流体チップと連結するように構成される、回収チャンバと、
を備える、マイクロ流体チップと連結するように構成されるカートリッジデバイス。
【請求項19】
前記カートリッジは使い捨てである、請求項18に記載のカートリッジデバイス。
【請求項20】
前記マイクロ流体チップは、該チップに試薬を吸引するシッパチューブを組み込む、請求項18に記載のカートリッジデバイス。
【請求項21】
マイクロ流体チップに連結するように構成されるカートリッジデバイスであって、
試薬送出ポートに接続される試薬送出チャンバと、
緩衝液送出ポートに接続される緩衝液送出チャンバと、
試料送出ポートに接続される試料送出チャンバと、
廃棄物回収ポートに接続される廃棄物回収チャンバと、
を備え、前記試薬送出ポート、前記緩衝液送出ポート、前記試料送出ポート、及び前記廃棄物回収ポートは、前記マイクロ流体チップと連結するように構成される、マイクロ流体チップに連結するように構成されるカートリッジデバイス。
【請求項22】
前記カートリッジは使い捨てである、請求項21に記載のカートリッジデバイス。
【請求項23】
前記マイクロ流体チップは、該チップに試薬を吸引するシッパチューブを組み込む、請求項21に記載のカートリッジデバイス。
【請求項24】
前記マイクロ流体チップは、試薬、緩衝液、及び/又は試料の1つ又は複数が前記試薬送出チャンバ、前記緩衝液送出チャンバ、及び/又は前記試料送出チャンバから前記廃棄物回収チャンバに流れ込む際に通る1つ又は複数のマイクロチャネルを備える、請求項21に記載のカートリッジデバイス。
【請求項25】
負圧制御によって、DNA試料がカートリッジを経て導入され、PCR試薬が、マイクロウェルプレートに接続されるシッパチューブを通して導入されるようにする、DNA解析用途用のマイクロ流体チップ。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2010−502217(P2010−502217A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527383(P2009−527383)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/019304
【国際公開番号】WO2008/030433
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(507028217)キヤノン ユー.エス. ライフ サイエンシズ, インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S. LIFE SCIENCES, INC.
【住所又は居所原語表記】9800 Medical Center Drive Suite A−100 Rockville,Maryland 20850 U.S.A.
【Fターム(参考)】