説明

マスキングテープ貼り付け器具

【課題】入り隅の間隔幅調整のためのマスキングテープ貼り付けの器具。
【解決手段】円盤状間仕切り板、これから左右両方向に水平方向に突出し、かつ外周面にネジが形成されたテープホルダー用軸、円盤状回転板及びマスキングテープを保持するための突出部が一体に形成され、テープホルダー軸の外周面に形成されたネジと係合するネジが形成されているマスキングテープ用ホルダー、マスキングテープ用ホルダーに係止されマスキングテープの脱落を防止するキャップ、マスキングテープの外周面を保護すると共に、マスキングテープ用ホルダーを回転するための切り欠きが上部に設けられ、テープホルダー軸と一体に形成されている容器本体から構成されるマスキングテープ貼り付けの器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築工事の入り隅の隙間を埋めるコーキングに先立って、マスキングテープ
あるいは養生テープを貼り付ける器具に関し、特に、入り隅とマスキングテープとの間隔を調整することができるマスキングテープ貼り付け器具に関する。
【0002】
特開平8−127460号公報には、マスキングテープのケースとは別体にガイド板を設けて、入り隅とマスキングテープとの間隔を調整することができるマスキングテープ貼り付け器具が提案されている。
また、特開2004−27802号公報には、マスキングテープの工具本体に、厚みが異なる複数個のコの字状目地幅調整板を被せて、入り隅とマスキングテープとの間隔を調整するマスキングテープ貼り付け器具が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−127460号公報
【特許文献2】特開2004−27802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開平8−127460号公報に記載のマスキングテープ貼り付け器具では、マスキングテープケースとは別体にガイド板が設けられており、入り隅とマスキングテープとの間隔を小さくすることが困難である
特開2004−27802号公報に記載のマスキングテープ貼り付け器具においては、厚みが異なる複数個のコの字状目地幅調整板を別々に保管しなければならず、施工途中で紛失する恐れがある。
さらに、上記した二つの公報に記載されているマスキングテープ貼り付け器具は、図からも分かるように、貼り付け器具の長さがマスキングテープの数倍にもなり、施工時の操作性に劣るという実際上の問題がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の持つ課題を解決するマスキングテープ貼り付け器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第一の発明によれば、円盤状間仕切り板、円盤状間仕切り板の中央部から左右両方向に水平方向に突出して形成され、かつ外周面にネジが形成されたマスキングテープホルダーを保持するための軸(以下「テープホルダー用軸」という。)、円盤状回転板及びマスキングテープを保持するための突出部が一体に形成され、かつ円盤状回転板及び突出部には水平方向に貫通孔が設けられ、この貫通孔にはテープホルダー軸の外周面に形成されたネジと係合するネジが形成されているマスキングテープ用ホルダー、マスキングテープ用ホルダーに係止され、マスキングテープの脱落を防止するキャップ、マスキングテープの外周面を保護すると共に、マスキングテープ用ホルダーを回転するための切り欠きが上部に設けられ、テープホルダー軸と一体に形成されている容器本体、及び容器本体に延設されている、マスキングテープの取り出し口を形成する上部繰り出し片及び下部繰り出し片からなるマスキングテープ貼り器具が提供される。
【0007】
又、本願の第二の発明によれば、上記構成において、下部繰り出し片の外面に取り出し
口と、平行にマスキングテープの端部を仮止めするための突起が形成されていることを特
徴とするマスキングテープ貼り付け器具が提供される、
【発明の効果】
【0008】
本発明のマスキングテープ貼り付け器具においては、マスキングテープ用ホルダーを回転させるとマスキングテープ用ホルダーがテープホルダー軸に沿って左右に移動する。これにより、入り隅とマスキングテープとの間隔を増減することができ、結果として、コーキング幅を増減させることができる。
【0009】
本発明のマスキングテープ貼り付け器具は、前述した公報の貼り付け器具に比較して、構造が簡単であり、手のひらに収まるような小型にすることができ、マスキングテープの貼り付け作業が非常に容易かつ簡単となる。
【0010】
さらに、本願の第二の発明の構成とすれば、繰り出されたマスキングテープの端部を突起から浮かした状態で保持することができるため、作業開始時のマスキングテープの取り扱いが容易になる。
【0011】
以下に図面に示す実施例に基づいて本発明を説明する。
【0012】
図1は本発明のマスキングテープ貼り付け器具1の側面図であり、図2は貼り付け器具1の平面図である。
【0013】
マスキングテープ貼り付け器具1の容器本体2には円盤状間仕切り板3が固定されている。即ち、間仕切り板3の外周面と容器本体2の内周面とが一体に固定されている。容器本体2の上部は、後述するマスキングテープ用ホルダー6A,6Bを回転させるための切り欠きが設けられている。容器本体2の横幅は、同じく後述するテープホルダー用軸4A,4Bの先端部が容器本体2の側面から飛び出ないような幅とすることが好ましい。
【0014】
外周面にネジが形成されたテープホルダー用軸4A,4Bが円盤状間仕切り板3の中央部から左右両方向に水平方向に突出して形成されている。マスキングテープ用ホルダー6A,6Bは、それらを回転させるための円盤状回転板及びマスキングテープを保持する突出部から構成されている。また、マスキングテープ用ホルダー6A,6Bの中央部には水平方向に貫通孔が設けられ、この貫通孔にはテープホルダー用軸4A,4Bの外周面に形成されたネジと係合するネジが形成されている。後述するように、マスキングテープ用ホルダー6A6Bには2個のマスキングテープ5A,5Bが回転可能に保持される。
【0015】
マスキングテープ用ホルダー6A,6Bの端部には、マスキングテープ5A,5Bの脱落を防止するためのキャップ7A,7Bが係止されている。これらのキャップ7A,7Bの内側壁とマスキングテープ用ホルダー6A,6Bを構成する円盤状回転板の外側との間隔は、マスキングテープ5A,5Bの幅より僅かに広くして、マスキングテープ5A,5Bの繰り出しを容易にすると共に、施工時の入り隅とマスキングテープ5A,5Bとの間隔を一定に保つために好ましい。
【0016】
容器本体2には、マスキングテープ5Aあるいは5Bの取り出し口8を形成する上部繰り出し片9及び下部繰り出し片10が、一体に設けられている。下部繰り出し片10の外面には取り出し口8と平行に、マスキングテープ5Aあるいは5Bの端部を仮止めするための突起11が形成されている。
【0017】
マスキングテープ用ホルダー6A,6Bはマスキングテープ5A,5Bを回転可能に保持すると共に、入り隅とマスキングテープ5A,5Bとの間隔を調整するために使用される。こ
の間隔を最小にしたい場合は、マスキングテープ用ホルダー6A,6Bを回転させてマスキン
グテープ5A,5Bを容器本体の側面に移動させる。上記の間隔を広げたいときには、図3、並びに図5に示すように、マスキングテープ用ホルダー6A,6Bを回転させて円盤状間仕切り板3側に移動させる。
【0018】
本発明のテープ貼り付け器具1を構成する各部材、例えば容器本体2、円盤状間仕切板3等の材質については特別の制限はなく、合成樹脂、金属等を使用することができる。
【0019】
本発明のマスキングテープ貼り付け器具1を使って入り隅にマスキングテープ5A,5Bを貼り付け施工する際には、テープホルダー用軸4A,4Bにマスキングテープ用ホルダー6A,6Bをネジ込み、マスキングテープ5A,5Bを装着した後、キャップ7A,7Bをマスキングテープ用ホルダー6A,6Bに係止する。この後、マスキングテープ用ホルダー6A,6Bを回転させて、入り隅とマスキングテープ5A,5Bとの間隔が所定値となるように調節する。
【0020】
ついで、図4に示すように、入り隅12を構成する一方の壁面13に容器本体2の側面を押し付けながら、マスキングテープ5Aをマスキングテープの取り出し口8から繰り出しつつ貼り付ける。貼り付けの終了後、マスキングテープ5Aの先端部を、下部繰り出し片10の外面に形成された突起11に仮止めする。この後に、入り隅12を構成する他方の壁面14に容器本体2の側面を押し付けながらマスキングテープを貼り付ける。貼り付けの終了後に上記と同様にして、マスキングテープ5Bの先端部を突起11に仮止めする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のマスキングテープ貼り付け器具の側面図
【図2】図1の平面図
【図3】ホルダーを移動させた状態の平面図
【図4】入り隅に間隔を持たせて貼り付けた状態の図
【図5】ホルダーを移動させた状態の断面図
【符号の説明】
【0022】
1 テープ貼り付け器具
2 容器本体
3 円盤状仕切り板
4 テープ保持用軸
5 マスキングテープ
6 テープホルダー
7 ホルダーキャップ
8 テープ取り出し口
9 上部繰り出し片
10 下部繰り出し片
11 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状間仕切り板、円盤状間仕切り板の中央部から左右両方向に水平方向に突出して形成され、かつ外周面にネジが形成されたマスキングテープホルダーを保持するための軸(以下「テープホルダー用軸」という。)、円盤状回転板及びマスキングテープを保持するための突出部が一体に形成され、かつ円盤状回転板及び突出部には水平方向に貫通孔が設けられ、この貫通孔にはテープホルダー軸の外周面に形成されたネジと係合するネジが形成されているマスキングテープ用ホルダー、マスキングテープ用ホルダーに係止されマスキングテープの脱落を防止するキャップ、マスキングテープの外周面を保護すると共に、マスキングテープ用ホルダーを回転するための切り欠きが上部に設けられ、テープホルダー軸と一体に形成されている容器本体、及び容器本体に延設されているマスキングテープの取り出し口を形成する上部繰り出し片及び下部繰り出し片からなるマスキングテープ貼り付け器具。
【請求項2】
下部繰り出し片の外面に取り出し口と平行にマスキングテープの端部を仮止めするための突起が形成されていることを特徴とする請求項1記載の巾調整が可能なマスキングテープ貼り器具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状間仕切り板、円盤状間仕切り板の中央部に固定化された突出部が左右両方向に形成され、かつ外周面にネジが形成されたマスキングテーププホルダーを保持するための軸(以下「テープホルダー用軸」という)、マスキングテープを保持するための円盤状回転板と突出部が一体に形成されたマスキングテープ用ホルダー、このテープホルダーには水平方向に貫通孔が設けられ、この貫通孔にはテープホルダー用軸の外周面に形成されたネジと係合するネジが形成されている、テープ用ホルダーに係止されマスキングテープの脱落を防止するためのキャップからなる構成、円盤状回転板(テープホルダー)を回転移動させて入り隅とマスキングテープとの間隔の調整を図る、マスキングテープの外周面を保護すると共に、テープホルダーの円盤状回転板を操作するための切り欠きが上部に設けられテープホルダー用軸及び円盤状間仕切り板と一体に形成されている容器本体、及び容器本体に延設されているマスキングテープ取り出し口を形成する上部繰り出し片及び下部繰り出し片からなるマスキングテープ貼り付け器具

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−232416(P2006−232416A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45401(P2005−45401)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【特許番号】特許第3787583号(P3787583)
【特許公報発行日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(305007148)
【Fターム(参考)】