説明

マスク用耳掛け部

【課題】 マスク着用者等がマスク本体部の両側端部に耳掛け部を取り付けてマスクを完成させ、マスク本体の両側端部が着用者の顔の両側部にフィットするマスクを容易に得ることができる、マスク用耳掛け部を提供する。
【解決手段】 マスク本体部10の両側端部にそれぞれ取付けられ耳掛け部材1,1であり、この耳掛け部材1を、柔軟なシート部材で接合シート部2と耳掛けシート部3に一体形成し、前記接合シート部2に切欠溝部7を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、この切欠溝部7を介して縦方向に分割された複数の前記接合シート部2,2,2の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布し、この接着剤塗布部5を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割した構成とし、この接着剤塗布部5に剥離紙を貼着した構造とした。
【選択図】 図3

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口や鼻を覆う衛生マスクに係り、主に着用者の顔面にフィットしたマスクを得ることができる、マスク用耳掛け部、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク、及びマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な衛生マスクは、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体と、このマスク本体の左右両側端部にそれぞれ設けられ、該マスク本体を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部とで構成されている。
【0003】
先ず、マスク本体と耳掛け部との取付け形態から看た従来のマスク(いわゆる使い捨てマスク)の代表例としては、マスク本体と両耳掛け部を不織布などのシート部材で一体形成したマスク(「一体形成マスク」と言う。)、マスク本体と両耳掛け部を別体の不織布などのシート部材で形成し、マスク本体の両側端部に別体の耳掛け部を熱溶着などの固着手段によって固着形成したマスク(「別体形成固着マスク」と言う。)、不織布などのシート部材のマスク本体の両側端部に伸縮する弾性素材から成る紐部材の両端部を熱溶着などの固着手段で固着して耳掛け紐を形成したマスク(「耳掛け紐固着マスク」と言う。)がある。
【0004】
前記した一体形成マスクや別体形成固着マスクは、マスク本体を介した両耳掛け部の耳掛け間隔を既成サイズとしてあるため、特に耳掛け部のシート素材として不織布を用い、この不織布の伸縮性が低い場合には、既成サイズの耳掛け間隔がマスク着用者の顔サイズに合わない場合が多々あり、このような場合にはマスク本体を着用者の顔面にフィット(密接)した状態に装着できず、マスク本体と顔面との間に隙間ができる弊害があった。このため、この種の既製サイズの従来マスクは、不特定の着用者の顔面にフィットした状態に装着できる数種類の耳掛け間隔サイズのマスクを揃えなければならない。
【0005】
また、前記した、一体形成マスク、別体形成固着マスク、及び耳掛け紐固着マスクは、マスク本体と両耳掛け部を一体形成又は固着形成したものであるため、使用後にマスク全体を使い捨てにしているのが実情である。マスク本体は衛生上の観点から使い捨てにするにしても、マスク全体の使い捨ては資源を無駄にするものであり、マスク全体の製品コストを上げてしまう問題がある。
【0006】
また、マスク本体をその機能面から看れば、高価ではあるが高いフィルター機能をもつ高機能素材のマスク、中間的なフィルター機能をもつスタンダード素材のマスク、安価ではあるが比較的フィルター機能の低いエチケット的マスク、等があり、マスク着用者はその時のマスク使用目的に応じて使い分けているのが実情である。これらのマスクをユーザーが各家庭で常備しようとする場合、前記した、一体形成マスク、別体形成固着マスク、及び耳掛け紐固着マスクでは、マスク本体と耳掛け部を含む一体的なマスクとして常備しておかなければならず、揃えるマスクの全体価格が高価なものになってしまう問題があった。
【0007】
次に、マスク本体の形態から看た従来のマスク(いわゆる使い捨てマスク)の代表例としては、平面状マスク、マスク本体に横方向に延びる折れ目線による折りひだ部(プリーツ)を縦方向に間隔をおいて複数形成し、少なくとも各折りひだ部の左右両端部を熱溶着などで縦方向に接着し、マスク着用時に各折りひだ部を縦方向に広げて立体化するマスク(「折りひだ部付きマスク」と言う。)、同形同大の一対のシート部材を重ね合わせ、重ね合わせたシート部材の一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を接合し、着用するときには接合部を介してシート部材を広げて立体化した構造のもの(「立体型マスク」と言う。)、または、縦折れ目線を介して左右対称の同形同大の一対のシート部材を重ね合わせ、重ね合わせたシート部材の前記縦折れ目線を縦方向の中間に含む一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を前記縦折れ目線を除いて接合し、着用するときに縦折れ目線及び接合部を介してシート部材を広げて立体化した構造のもの(「立体型マスク」と言う。)がある。
【0008】
前記した平面状マスクは勿論のこと、前記した折りひだ部付きマスクや立体型マスクにおいても、マスク本体の左右両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)せず、マスク本体の両側端部とマスク着用者の顔の両側部との間に隙間ができてしまう弊害があった。
【0009】
また、マスク本体と耳掛け部を分離したセット物とし、マスク着用者等がマスク本体に耳掛け部を取り付けて、マスクを完成させるようにした、いわゆる組合せマスクとしては、耳掛け紐に取付け具(挟持クリップ)を設け、この取付け具(挟持クリップ)を介して耳掛け紐をマスク本体の左右側部に着脱自在に取り付けるようにしたマスク(特許文献1)、耳掛け紐の両端にボタンを縫付け、このボタンをマスク本体の両端上下四隅に形成したボタンホールに装着し、耳掛け紐をマスク本体に着脱可能に装着したマスク(特許文献2)、保護部の表面全体にオスの面ファスナーを重ね合わせ覆い面を構成し、耳掛け紐の両端にメスの面ファスナーを設け、覆い面の面ファスナーに対する耳掛け紐の面ファスナーの接合位置を調節できるようにしたマスク(特許文献3)、が公開されている。
【0010】
しかし、特許文献1の耳掛け紐に取付け具(挟持クリップ)を設けたものは、マスク本体の側端部を挟んで装着する取付け具としての挟持クリップが着用者の顔側部に当たって違和感をあたえる弊害がある。また、特許文献1の耳掛け部(耳掛け紐に挟持クリップを設けたもの)は製造が困難で安価に量産することができない。
【0011】
また、特許文献2のボタンとボタンホールによるもの、特許文献3のオスとメスの面ファスナーによるものは、マスク本体と耳掛け部(耳掛け紐)の両者に取付け手段を設けたものであるため、耳掛け部(耳掛け紐)を取付けるマスク本体が限定され、耳掛け部(耳掛け紐)としての汎用性がなく種々なマスク本体に取付けることができない。また、特許文献2,3のマスクは製造が困難で安価に量産することができない。
【0012】
しかも、特許文献1〜3のマスクでは、マスク本体の左右両側端部をマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−143860号公報
【特許文献2】実用新案登録第3125147号公報
【特許文献3】特開2003−320042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、マスク着用者等(ユーザー)がマスク本体の両側端部に耳掛け部を取り付けて、マスクを完成させ、マスク着用者の顔サイズに合うマスク、特に、マスク着用者の顔面にフィットした状態に装着できる耳掛け間隔のマスクを容易に得ることができるようにすることを主な課題とする。
【0015】
また、本発明は、マスク着用者等(ユーザー)がマスク本体の両側端部に耳掛け部を取り付けて、マスクを完成させ、マスク本体の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスクを容易に得ることができるようにすることを主な課題とする。
【0016】
また、本発明は、マスク着用者等(ユーザー)がマスク本体の両側端部に耳掛け部を取り付けて、マスクを完成させ、マスク着用者の顔にフィットする略立体形状のマスクを容易に得ることができるようにすることを主な課題とする。特に、マスク本体の両側端部をマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)させた略立体形状のマスクを容易に得ることができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記した課題を解決するため、本発明(請求項1の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材であり、この耳掛け部材を、マスク本体の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体の側端部に接合された状態において該マスク本体の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造のマスク用耳掛け部を提供する。なお、前記接着剤塗布部には剥離紙を貼着した構造としても良い。
【0018】
本発明のマスク用耳掛け部(耳掛け部材)の接合シート部を、耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から左右横方向に延び出た状態にして、マスク本体部の両側端部における横幅方向の所望位置に、接着剤塗布部(この接着剤塗布部に剥離紙を貼着してある場合は剥離紙を剥がして。)を介してそれぞれ接合して、マスクを完成させる。マスク用耳掛け部の接合シート部を、マスク本体部の両側端部における該マスク本体の左右方向の中心部寄りの位置に接合してマスクを完成させれば、耳掛け間隔の比較的狭いマスクを得ることができ、逆に、マスク本体部の両側端部における該マスク本体部の左右方向の外側寄りの位置に接合してマスクを完成させれば、耳掛け間隔の比較的広いマスクを得ることができる。このように、マスク用耳掛け部(耳掛け部材)の接合シート部を接合する、マスク本体部の両側端部における横幅方向の位置を調節することによって、マスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔のマスクを容易に得ることができる。
【0019】
また、本発明のマスク用耳掛け部(耳掛け部材)は、再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を介して接合シート部をマスク本体部の両側端部に接合してマスクを完成させるものであるため、マスクを使用した後、マスク全体を使い捨てにせずに、使い捨てるマスク本体から剥がしたマスク用耳掛け部を取り替えたマスク本体の耳掛け部として再利用できる。
【0020】
本発明のマスク用耳掛け部(耳掛け部材)を接合するマスク本体部の構成は、このマスク本体部の両側端部に前記接合シート部を面接合できる被接合面を有する構成であれば足り、平面状マスク(例えば、単層のシート部材のもの、又は多層のシート部材の周囲をシール接着したもの。)でも、シート部材のマスク本体に横方向に延びる折れ目線による折りひだ部(プリーツ)を縦方向に間隔をおいて複数形成し、少なくとも各折りひだ部の左右両端部を熱溶着などで縦方向に接着し、マスク着用時に各折りひだ部を縦方向に広げて立体化するマスク(いわゆる、折りひだ部付きマスク)でも、いわゆる立体型マスクでも良い。この立体型マスクには、例えば、同形同大の一対のシート部材を重ね合わせ、重ね合わせたシート部材の一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を接合し、着用するときには接合部を介してシート部材を広げて立体化した構造のもの、縦折れ目線を介して左右対称の同形同大の一対のシート部材を重ね合わせ、重ね合わせたシート部材の前記縦折れ目線を縦方向の中間に含む一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を前記縦折れ目線を除いて接合し、着用するときに縦折れ目線及び接合部を介してシート部材を広げて立体化した構造のもの、を含む。また、マスク本体部の覆い面の形状は、略四角形状のほか上下辺を顔に合わせて湾曲させた形状などでも良い。また、マスク本体部の素材は、不織布シートが好ましいが、ガーゼ素材やティッシュ素材のものを除外するものではない。
【0021】
本発明のマスク用耳掛け部(耳掛け部材)は、製造が容易で安価に量産することができる。また、前記した如く、このマスク用耳掛け部(耳掛け部材)を取付けるマスク本体が特に限定されないため、種々なマスク本体の耳掛け部として用いることができる。
【0022】
また、本発明(請求項2の発明)は、前記接合シート部に該接合シート部のシート側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部を介して縦方向に分割された複数の前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の前記接着剤を塗布し、この接着剤塗布部を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割した、マスク用耳掛け部を提供する。
【0023】
この発明(請求項2の発明)によれば、前述した発明(請求項1の発明)の効果に加えて、この切欠溝部によって、マスク本体部の両側端部に接合シート部が接合されない非重ね部が形成され、この非重ね部が逃げ部として機能することによって、完成されたマスクのマスク本体部と耳掛け部材との接合部に、縦方向に湾曲する自由度、及び縦方向に狭まる又は元の状態に広がる自由度を与えることができる。よって、完成されたマスクのマスク本体部と耳掛け部との接合部、すなわち、マスク本体部の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスクを容易に得ることができる。
【0024】
また、この切欠溝部を形成したマスク用耳掛け部を、横方向に延びる折れ目線による折りひだ部(プリーツ)を縦方向に間隔を置いて複数形成した、いわゆる、折りひだ部付きマスクのマスク本体部に接合してマスクを完成させる場合は、前記接合シート部の各切欠溝部の形成位置及び形成間隔は、各折りひだ部に対応させ、複数の接合シート部の接合位置をマスク本体の各折りひだ部から外れた位置とし、複数の接合シート部の接合によって各折りひだ部の機能を損なわないように構成する。
【0025】
また、本発明(請求項3の発明)は、前記接合シート部に該接合シート部のシート側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、この切欠溝部の溝対向縁を水平対向状態から溝開口部側に進むに従い徐々に広げた傾斜溝部形状とし、この切欠溝部を介して縦方向に分割された複数の前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の前記接着剤を塗布し、よって、この接着剤塗布部を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割した、マスク用耳掛け部を提供する。
【0026】
この切欠溝部を介して分割された複数の接合シート部を、マスク本体部の両側端部における横幅方向の所望位置に、広げた傾斜溝部形状の各切欠溝部の溝対向縁をほぼ水平対向状態に狭めた状態で、各接合シート部の接着剤塗布部を介して接合して、マスクを完成させれば、この完成されたマスクのマスク本体部の両側端部と耳掛け部材との接合部は、各切欠溝部の溝底部側を曲げ起点として同一シート面側に全体が凹んだ湾曲形状に形成される。この発明のマスク用耳掛け部によれば、前述した発明(請求項1、2の発明)の効果に加えて、この耳掛け部材を接合するマスク本体部が平面形状のシート部材から成る平面型であっても、使用者の顔にフィットする略立体形状のマスクを容易に完成させることができる。特に、マスク本体部の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィットする略立体形状のマスクを容易に得ることができる。
【0027】
また、本発明(請求項5の発明)は、前記接着剤塗布部に剥離紙を貼着した構造であり、この剥離紙を、前記接合シート部のシート側端縁側の接着剤塗布部分に貼着する剥離紙片と、耳掛けシート部側の接着剤塗布部分に貼着する剥離紙片に分けた複数の剥離紙片としたマスク用耳掛け部を提供する。
【0028】
この発明(請求項5の発明)によれば、例えば、シート側端縁側の接着剤塗布部分に貼着した剥離紙片を剥がして該塗布部分をマスク本体部の接着位置に仮接着状態に第一次接着し、次いで、耳掛けシート部側の接着剤塗布部分に貼着した剥離紙片を剥がして該塗布部分をマスク本体部の接着位置に本接着状態に第二次接着して、完全に接着するようにすれば、接合シート部をマスク本体部の両側端部における横幅方向の所望位置に容易に接着し接合できる。
【0029】
また、上記した課題を解決するため、本発明(請求項6の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、この耳掛け部材を、マスク本体の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体の側端部に接合された状態において該マスク本体の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記接合シート部の一面側又はマスク本体部の両側端部の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とし、前記耳掛け部材の前記接合シート部を、該耳掛け部材の前記耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、マスク本体部の両側端部に前記接着剤塗布部を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスクを提供する。なお、前記接着剤塗布部には剥離紙を貼着した構造とすることができ、剥離紙を貼着した場合は前記マスク本体部の両側端部に前記耳掛け部材の接合シート部を接合する際にこの剥離紙を剥がすようにする。
【0030】
なお、マスク本体部の構成は、前記した本発明(請求項1の発明)と同様に、このマスク本体部の両側端部に前記接合シート部を面接合できる被接合面を有する構成であれば足り、平面状マスクでも、いわゆる、折りひだ部付きマスクでも、いわゆる立体型マスクでも良い。以下の組合せマスクの本発明(請求項7、8の発明)においても同様である。
【0031】
本発明(請求項6の発明)は、前記した本発明(請求項1の発明)の効果と同様な効果を有する。
【0032】
また、本発明(請求項7の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、前記耳掛け部を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部の両側端部の一面側、又は前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部の両側端部に対応する前記接合シート部の一面側における縦方向に間隔を空けた複数位置に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とし、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された状態にある前記マスク本体部の両側端部に前記接着剤塗布部を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスクを提供する。なお、この組合せマスクにおいても、前記接着剤塗布部には剥離紙を貼着した構造とすることができ、剥離紙を貼着した場合は前記マスク本体部の両側端部に前記耳掛け部材の接合シート部を接合する際にこの剥離紙を剥がすようにする。
【0033】
この発明(請求項7の発明)によれば、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された状態にある前記マスク本体部の両側端部に耳掛け部材の接合シート部を接合してマスクを完成させるものであるため、完成されたマスクは、前記切欠溝部によって、マスク本体の両側端部に非重ね部が形成され、この非重ね部が逃げ部として機能することによって、完成されたマスクのマスク本体部と耳掛け部材との接合部に、縦方向に湾曲する自由度、及び縦方向に狭まる又は元の状態に広がる自由度を与えることができる。よって、完成されたマスクのマスク本体部と耳掛け部との接合部、すなわち、マスク本体部の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスクを容易に得ることができる。
【0034】
また、本発明(請求項8の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、この切欠溝部の溝対向縁を溝基端部から横方向の前記溝開口部側に進むに従い徐々に広げた略V字溝形状とし、前記耳掛け部材を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部の両側端部の一面側、又は前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とし、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、略V字溝形状の各切欠溝部の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部の両側端部に前記接着剤塗布部を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスクを提供する。なお、この組合せマスクにおいても、前記接着剤塗布部には剥離紙を貼着した構造とすることができ、剥離紙を貼着した場合は前記マスク本体部の両側端部に前記耳掛け部材の接合シート部を接合する際にこの剥離紙を剥がすようにする。
【0035】
略V字溝形状の各切欠溝部の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部の両側端部に、耳掛け部材の接合シート部を接合して、マスクを完成させれば、この完成されたマスクのマスク本体部の両側端部と耳掛け部材との接合部は、各切欠溝部の溝底部側を曲げ起点として同一シート面側に全体が凹んだ湾曲形状に形成される。この組合せマスクの発明(請求項8の発明)によれば、マスク本体部が平面形状のシート部材から成る平面型であっても、使用者の顔にフィットする略立体形状のマスクを容易に完成させることができる。特に、マスク本体の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィットする略立体形状のマスクを容易に得ることができる。
【0036】
また、本発明(請求項9の発明)は、前記マスク本体部の両側端部に接合される前記接合シート部の横方向における標準接着位置を示す接着位置案内目印を該マスク本体部の両側端部に表示した耳掛け部とマスク本体から成る組合せマスクを提供する。
【0037】
この接着位置案内目印を目安としてマスク本体部の両側端部に対する前記接合シート部の接着位置を調整すれば、標準の耳掛け間隔、比較的狭い耳掛け間隔、比較的広い耳掛け間のマスクを容易に完成でき、マスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔のマスクを容易に得ることができる。
【0038】
また、本発明(請求項11の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、この耳掛け部材を伸縮する弾性素材から成るリング状の耳掛け紐にて構成し、前記マスク本体部の両側端部から横方向に延設した折り返しシート片部を該マスク本体部と同じシート部材で一体成形し、この折り返しシート片部は折り返し部とこの折り返し部を受ける折り返し受け部を有し、前記折り返しシート片部に切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部の折り返し部の折り返しシート内面における先端部に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とすると共に、この折り返しシート片部の折り返し部の折り返しシート内面における折り返し基端部には折り返し折り目部に沿う縦方向の非接着範囲を形成するため接着剤を塗布しない構造とし、この切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部の折り返し部と折り返し受け部の間に前記耳掛け紐を挟んだ状態で折り返し部を折り返し受け部に向けて折り返し、折り返された複数の折り返し部と折り返し受け部とを前記接着剤塗布部を介して折り返し先端部で縦方向に部分的に接合し、この切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の折り返し重ねシート部のシート間の折り返し折り目側の非接着範囲に前記耳掛け紐が移動自在に挿通された縦方向の複数の耳掛け紐挿通部を形成し、マスク本体の両側端部にリング状の耳掛け紐を取付けた構造のマスクを得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスクを提供する。なお、この組合せマスクにおいても、前記接着剤塗布部には剥離紙を貼着した構造とすることができ、剥離紙を貼着した場合は、前記折り返しシート片部の折り返し部と折り返し受け部を接着する際に前記剥離紙を剥がすようにする。
【0039】
なお、この発明のマスク本体部の構成も、前記した本発明(請求項1の発明)と同様、平面状マスクでも、いわゆる折りひだ部付きマスクでも、いわゆる立体型マスクでも良い。
【0040】
この組合せマスクの発明(請求項11の発明)によれば、マスク本体の両側端部から横方向に延設した折り返しシート片部の折り返し受け部に対する折り返し部の折り返し接着位置を調整することによって、マスク本体部の横幅サイズを調整できると共に、マスク本体部の両側端部における両耳掛け紐挿通部の形成間隔すなわちリング状の耳掛け紐の取付け間隔を調整できる。両耳掛け紐挿通部によるリング状の耳掛け紐の取付け間隔の調整と、弾性素材から成るリング状の耳掛け紐の伸縮性で、マスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔のマスクを容易に得ることができる。また、折り返しシート片部の接着を剥がして、耳掛け紐挿通部内に非接着な状態で挿通されている耳掛け紐を取り外せば、取り外された耳掛け紐は、取り替えた新しいマスク本体の耳掛け紐として再利用できる。
【0041】
しかも、両耳掛け紐を両耳に掛けてマスク本体を顔に装着した場合、両耳掛け紐の引っ張り力によって、マスク本体の両側端部が上下方向に狭められ、マスク本体の両側端部に上下方向の弛みによる折れや湾曲化が発生してしまうが、本発明(請求項11の発明)によれば、両耳掛け紐を両耳に掛けてマスク本体を顔に装着した場合、両耳掛け紐の引っ張り力によって、マスク本体の両側端部が上下方向に狭められても、前記切欠溝部による切欠空所で上下方向の狭まりを吸収できるため、マスク本体の両側端部に上下方向の弛みによる折れやマスク着用者の顔の両側部に対して隙間ができる湾曲化が発生しない。
【0042】
さらに、この組合せマスクの発明(請求項11の発明)によれば、耳掛け紐をマスク本体部の両側端部に取付ける工程を省くことができるため、高速量産化ができ、極めて廉価な組合せマスクとしてユーザーに提供できる。耳掛け紐タイプのマスクとしては、本発明のような紐挿通部に耳掛け紐を挿通して取付けるタイプと、背景技術に述べたような、耳掛け紐固着マスク(不織布などのシート部材のマスク本体の両側端部に伸縮する弾性素材から成る紐部材の両端部を熱溶着などの固着手段で固着して耳掛け紐を形成したマスク)とがあるが、両者とも、耳掛け紐の取付け工程が困難なため、その製造(メーカー側の)において高速量産化が困難で、結局、国内製の廉価なマスクをユーザーに提供できない、理由となっている。
【0043】
また、本発明(請求項13の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とで構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、前記耳掛け部材を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された状態にある前記マスク本体部の両側端部に再接着可能な粘着性の接着剤を介してそれぞれ接合して構成したマスクを提供する。
【0044】
なお、本発明(請求項13の発明)におけるマスク本体部の構成も、前記した本発明(請求項1の発明)と同様に、このマスク本体部の両側端部に前記接合シート部を面接合できる接合部を有する構成であれば足り、平面状マスクでも、いわゆる折りひだ部付きマスクでも、いわゆる立体型マスクでも良い。
【0045】
本発明(請求項13の発明)のマスクは、前記した組合せマスクの本発明(請求項7の発明)の構成部材(マスク本体部、耳掛け部材)から実質的に構成されたものであり、この組合せマスクの効果と実質的に同様な効果を有する。
【0046】
また、本発明(請求項14の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とで構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、この切欠溝部の溝対向縁を溝基端部から横方向の前記溝開口部側に進むに従い徐々に広げた略V字溝形状とし、前記耳掛け部材を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、略V字溝形状の各切欠溝部の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部の両側端部に再接着可能な粘着性の接着剤を介してそれぞれ接合して構成したマスクを提供する。
【0047】
なお、本発明(請求項14の発明)におけるマスク本体部の構成も、前記した本発明(請求項1の発明)と同様に、このマスク本体部の両側端部に前記接合シート部を面接合できる被接合面を有する構成であれば足り、平面状マスクでも、いわゆる折りひだ部付きマスクでも、いわゆる立体型マスクでも良い。
【0048】
本発明(請求項14の発明)のマスクは、前記した組合せマスクの本発明(請求項8の発明)の構成部材(マスク本体部、耳掛け部材)から実質的に構成されたものであり、この組合せマスクの効果と実質的に同様な効果を有する。
【0049】
また、本発明(請求項15の発明)は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とで構成し、この耳掛け部材を伸縮する弾性素材から成るリング状の耳掛け紐にて構成し、前記マスク本体部の両側端部から横方向に延設した折り返しシート片部を該マスク本体部と同じシート部材で一体成形し、この折り返しシート片部は折り返し部とこの折り返し部を受ける折り返し受け部を有し、前記折り返しシート片部に切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部の折り返し部と折り返し受け部の間に前記耳掛け紐を挟んだ状態で折り返し部を折り返し受け部に向けて折り返し、折り返された複数の折り返し部と折り返し受け部を再接着可能な粘着性の接着剤を介して折り返し先端部で縦方向に部分的に接着し、この切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の折り返し重ねシート部のシート間の折り返し折り目側の縦方向の非接着範囲に前記耳掛け紐が移動自在に挿通された縦方向の複数の耳掛け紐挿通部を形成し、マスク本体部の両側端部の前記耳掛け紐挿通部にリング状の耳掛け紐を挿通して取付けた構造のマスクを提供する。
【0050】
なお、本発明(請求項15の発明)におけるマスク本体部の構成も、前記した本発明(請求項1の発明)と同様に、平面状マスクでも、いわゆる折りひだ部付きマスクでも、いわゆる立体型マスクでも良い。
【0051】
本発明(請求項15の発明)のマスクは、前記した組合せマスクの本発明(請求項11の発明)の構成部材(マスク本体部、耳掛け部材)から実質的に構成されたものであり、この組合せマスクの効果と実質的に同様な効果を有する。
【発明の効果】
【0052】
本発明のマスク用耳掛け部によれば、マスク着用者等(ユーザー)がマスク本体部の両側端部に耳掛け部材を接合することによって、マスク着用者の顔サイズに合うマスク、特にマスク着用者の顔面にフィットした状態に装着できる耳掛け間隔のマスク、マスク本体の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスク、マスク着用者の顔にフィットする略立体形状のマスク、特にマスク本体の両側端部をマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)させた略立体形状のマスクを、容易に得ることができる。また、本発明のマスク用耳掛け部によれば、このマスク用耳掛け部(耳掛け部材)を接合してマスクを完成させるマスク本体部としては、その両側端部に前記接合シート部を面接合できる被接合面を有する構成であれば足り、その構成は特に限定されない。よって、種々なマスク本体の耳掛け部として用いることができる。しかも、製造が容易で安価に量産することができる。
【0053】
また、本発明のマスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスクによれば、マスク着用者等(ユーザー)がマスク本体部の両側端部に耳掛け部材を取付けることによって、マスク着用者の顔サイズに合うマスク、特にマスク着用者の顔面にフィットした状態に装着できる耳掛け間隔のマスク、マスク本体の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスク、マスク着用者の顔にフィットする略立体形状のマスク、特にマスク本体の両側端部をマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)させた略立体形状のマスクを、容易に得ることができる。
【0054】
しかも、本発明のマスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスクによれば、その製造(メーカー側の)において高速量産化への大きな障害となっている、マスク本体部と耳掛け部材との取付け工程を省くことができるため、高速量産化ができ、極めて廉価な組合せマスクとしてユーザーに提供でき、最終的にはユーザーの利益となる。また、ユーザーにはマスクを組立て完成させる事を楽しめる利点もある。
【0055】
また、本発明のマスクによれば、マスク本体の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスク、マスク着用者の顔にフィットする略立体形状のマスク、特にマスク本体の両側端部をマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)させた略立体形状のマスクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】マスク用耳掛け部の実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は断面図、(ハ)は使用状態を説明的に示した正面図である。
【図2】図1のマスク用耳掛け部を立体型のマスク本体部に用いた実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は使用状態を示した斜視図である。
【図3】マスク用耳掛け部の他の実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は使用状態を示した正面図である。
【図4】マスク用耳掛け部の他の実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は使用状態を説明的に示した正面図である。
【図5】マスク用耳掛け部の他の実施例を示す背面図である。
【図6】組合せマスクの実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は概略断面図、(ハ)は完成状態を説明的に示した正面図である。
【図7】図6のマスク本体部の構成を立体型に変えた組合せマスクの実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は完成状態を示した斜視図である。
【図8】組合せマスクの他の実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は概略断面図、(ハ)は完成状態を示した正面図である。
【図9】図8のマスク本体部の構成を立体型に変えた組合せマスクの実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は完成状態を示した斜視図である。
【図10】組合せマスクの他の実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は完成状態を示した正面図、(ハ)は要部の説明図である。
【図11】図10のマスク本体部の構成を立体型に変えた組合せマスクの実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は完成状態を示した斜視図である。
【図12】組合せマスクの他の実施例を示す、(イ)は正面図、(ロ)は完成状態を示した正面図、(ハ)は使用状態を説明的に示した部分的な正面図である。
【図13】図12のマスク本体部の構成を立体型に変えた組合せマスクの実施例を示す、(イ)は完成過程を示した正面図、(ロ)は完成状態を示した斜視図である。
【図14】マスクの実施例を示す正面図である。
【図15】図14のマスク本体部を立体型にした実施形態のマスクを示す斜視図である。
【図16】マスクの他の実施例を示す正面図である。
【図17】図16のマスク本体部を立体型にした実施形態のマスクを示す斜視図である。
【図18】マスクの他の実施例を示す正面図である。
【図19】図18のマスク本体部を立体型にした実施形態のマスクを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1〜図4は、本発明のマスク用耳掛け部の各実施形態と、各マスク用耳掛け部の使用状態を説明的に示したものである。
【0058】
先ず、図1、2に示した実施形態のマスク用耳掛け部について説明する。図1はマスク用耳掛け部を平面状のマスク本体部(図1のイに示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのマスク本体部もこの実施形態に含める。)に接合する使用例を示し、図2は図1のマスク用耳掛け部と実質的に同構成の耳掛け部を立体型のマスク本体部に接合する使用例を示している。このマスク用耳掛け部は、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部10の両側端部11,11にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部10を顔の覆われる位置に装着するために用いる対の耳掛け部材1であり、この耳掛け部材1を、マスク本体部10の側端部11に面接合される接合シート部2と、この接合シート部2がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部10の側端部11から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部4(耳掛け用切れ目でも良い。)を形成した耳掛けシート部3を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記接合シート部2の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布し、この接着剤塗布部5に剥離紙6を貼着して構成してある。
【0059】
このマスク用耳掛け部(耳掛け部材1)は、図1のハに示したように、前記耳掛けシート部3がマスク本体部10の両側端部11,11から左右横方向にそれぞれ延び出た状態にして、前記接合シート部2を、マスク本体部10の両側端部11,11における左右横幅方向の所望位置に、剥離紙6を剥がした接着剤塗布部5を介してそれぞれ接合して、マスクを完成させる。マスク用耳掛け部(耳掛け部材1)の接合シート部2を、マスク本体部10の両側端部11,11における該マスク本体部の左右方向の中心部寄りの位置に接合してマスクを完成させれば(図1のハの上の説明図)、耳掛け間隔(L)の比較的狭いマスクを得ることができ、逆に、マスク本体部10の両側端部11,11における該マスク本体部の左右方向の外側寄りの位置に接合してマスクを完成させれば(図1のハの下の説明図)、耳掛け間隔(L)の比較的広いマスクを得ることができる。このように、マスク用耳掛け部(耳掛け部材1)の接合シート部2を接合する、マスク本体部10の両側端部における横幅方向の位置を調節することによって、マスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔(L)のマスクを容易に得ることができる。
【0060】
耳掛け部材1を形成する柔軟な前記シート部材としては、肌触りの良い不織布シートが好適であるが、不織布シートに限定するものではなく、例えば、柔軟なゴム製シート、柔軟な樹脂フイルムシート、布シート、紙シートを用いることができる。なお、このシート部材として縦方向に比べて左右横方向(すなわち、耳掛け方向)に高い伸縮性を有する不織布シートを用いた場合は、マスク本体部の両側端部に対する接合シート部2の接着位置の調整と耳掛け部材1(耳掛けシート部3)の素材の伸縮性とでマスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔の調節がより効果的にできる。
【0061】
図面では前記耳掛けシート部3に耳を通す耳掛け用開口部4を形成して耳掛け部を形成しているが、図示したような開口にでは限定されず、耳を通す線状の切れ目でも良い。
【0062】
前記接合シート部2(この接合シート部2の一面側には前記接着剤5が塗布されている。)は、マスク本体部10の両側端部11,11の縦幅の全長又は図示したように全長近くにわたって接合される縦方向長さを有するように形成することが好ましい。このように、マスク本体部10の両側端部11,11に対して前記接合シート部2をその縦幅の全長又は全長近くにわたって接合できるようにしたことによって、耳掛け部を耳に掛けてマスクを装着した際にマスク本体部の両側端部が顔の両側部を略均等に覆うことができる。また、前記接合シート部2の横幅は、図1のハの下の説明図に示した耳掛け間隔の比較的広いマスクを得ようとする場合に、接着剤塗布部5がマスク本体部10の左右両側端縁の範囲外に露出しない範囲において可能な限りマスク本体の左右方向の外側寄りの位置に接合できるようにするため、比較的狭く形成することが好ましい。
【0063】
前記接合シート部2の片面に塗布する再接着可能な粘着性の接着剤(粘着剤)5としては、例えば、アクリル系粘着剤などを用いることができる。この粘着性の接着剤を前記接合シート部2の片面に層状に塗布して接着剤塗布部を形成してある。なお、粘着性の接着剤を前記接合シート部2の片面に無数の点状に塗布して接着剤塗布部5を形成しても良い。
【0064】
本発明のマスク用耳掛け部(耳掛け部材1)を接合するマスク本体部の構成は、このマスク本体部10の両側端部11,11に前記接合シート部2を面接合できる被接合面を有する構成であれば足り、例えば図1に示したような、平面状のもの(いわゆる折りひだ部付きのものも含む)、例えば図2に示したような立体型のものでも良い。この折りひだ部付きのものには、折りひだ部の左右両端部を熱溶着などで縦方向に接着し、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着したもの、このような止着手段を施してないものも含む。後者の止着手段を施してない折りひだ部付きのものにおいては、マスク本体部10の両側端部に前記接合シート部2を接着剤塗布部5を介して接合することによって、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着できる働きも期待できる。また、前記した立体型には、例えば、同形同大の一対の左シート部材と右シート部材を重ね合わせ、重ね合わせた左右シート部材の一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部11,11に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を接合し、着用するときには、この接合部を介して左右シート部材を広げて立体化した構成のもの、又は図2に示したような、縦折れ目線27を介して左右対称の同形同大の一対の左シート部材25と右シート部材26を重ね合わせ、重ね合わせた左右シート部材25,26の前記縦折れ目線27を縦方向の中間に含む一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部11,11に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を前記縦折れ目線27の両端部を含めて接合28,28し、着用するときに縦折れ目線27及び接合部28,28を介して左右シート部材25,26を図2のロに示したように広げて立体化した構成のもの、を含む。また、マスク本体部10の覆い面の形状は、図1に示したような略四角形状のもののほか上下辺を顔に合わせて湾曲させた形状などでも良い。また、マスク本体部10の素材は、不織布シートが好ましいが、ガーゼ素材やティッシュ素材のものを除外するものではない。
【0065】
なお、図示してないが、図1における前記接着剤塗布部5を前記接合シート部2の縦方向に間隔を空けた複数位置に分割しても良い。このように前記接着剤塗布部5を前記接合シート部2の縦方向に間隔を空けた複数位置に分割することによって、この接着剤塗布部5を介して接合された耳掛け部材1の接合シート部2とマスク本体部10の両側端部11,11の重ね部を縦方向において屈曲しやすくすることができ、マスク着用に際して、マスク本体部の両側端部の重ね部を顔の両側部に合わせてフィットさせることができる。
【0066】
次に、図3に示した他の実施形態のマスク用耳掛け部について説明する。図3はマスク用耳掛け部を平面状のマスク本体部(いわゆる折りひだ部付きマスクのマスク本体部も含む。)に接合する使用例を示している。なお、図示を省略したが、この実施形態のマスク用耳掛け部も図1の実施形態と同様に図2の説明図に示したような立体型のマスク本体部に使用可能である。図3に示した実施形態のマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)の特徴は、前記接合シート部2に該接合シート部のシート側端縁2aに溝開口部を配した横方向の切欠溝部7,7を縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部7,7を介して分割された複数の前記接合シート部2,2,2の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布し、これによって、この接着剤塗布部5,5,5を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割して構成したことである。図3に示したマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)のその他の構成は、図1に示したマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)の構成と共通する。したがって、図3における図1と同符号の構成の説明は省略する。
【0067】
図3に示したマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)によれば、この切欠溝部7,7によって、マスク本体部10の両側端部11,11に接合シート部2が接合されない非重ね部が形成され、この非重ね部が逃げ部として機能することによって、完成されたマスクのマスク本体と耳掛け部との接合部に、縦方向に屈曲する自由度、及び縦方向に狭まる又は元の状態に広がる自由度を与えることができる。よって、完成されたマスクのマスク本体と耳掛け部との接合部、すなわち、マスク本体の両側端部11,11がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスクを容易に得ることができる。
【0068】
なお、この切欠溝部7を形成したマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)を、横方向に延びる折れ目線による折りひだ部(プリーツ)を縦方向に間隔を置いて複数形成し、少なくとも各折りひだ部の左右両端部を熱溶着などで縦方向に接着したマスク本体部に接合してマスクを完成させる場合は、前記接合シート部の各切欠溝部の形成位置及び形成間隔は、各折りひだ部に対応させ、複数の接合シート部の接合位置をマスク本体部の各折りひだ部から外れた位置とし、複数の接合シート部の接合によって各折りひだ部の機能を損なわないように構成する。
【0069】
次に、図4に示した他の実施形態のマスク用耳掛け部について説明する。図4はマスク用耳掛け部を平面状のマスク本体部(いわゆる折りひだ部付きマスクのマスク本体部も含む。)に接合する使用例を示している。なお、図示を省略したが、この実施形態のマスク用耳掛け部も図1の実施形態と同様に図2の説明図に示したような立体型のマスク本体部に使用可能である。図4に示した実施形態のマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)の特徴は、前記接合シート部2に該接合シート部のシート側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部7,7を縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、この切欠溝部7,7の溝対向縁7a,7aを水平対向状態から溝開口部側に進むに従い徐々に広げた傾斜溝部形状とし、この切欠溝部7,7を介して分割された複数の前記接合シート部2,2,2の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤5を層状に塗布し、よって、この接着剤塗布部5,5,5を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割して構成したことである。図4に示したマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)のその他の構成は図1及び図3に示したマスク用耳掛け部の構成と共通する。したがって、図4における図1及び図3と同符号の構成の説明は省略する。
【0070】
この切欠溝部7,7を介して分割された複数の接合シート部2,2,2を、マスク本体部10の両側端部11,11における横幅方向の所望位置に、図4のロに示すように、広げた傾斜溝部形状の各切欠溝部7,7の溝対向縁7a,7aをほぼ水平対向状態に狭めた状態で、各接合シート部2,2,2の接着剤塗布部5,5,5を介して接合して、マスクを完成させれば、この完成されたマスクのマスク本体部10の両側端部11,11と耳掛け部材1との接合部は、各切欠溝部7,7の溝底部側を曲げ起点として同一シート面側に全体が凹んだ湾曲形状に形成される。図4に示したマスク用耳掛け部(マスク用耳掛け部1)によれば、この耳掛け部材1を接合するマスク本体部10が平面形状のシート部材から成る平面型形状であっても、使用者の顔の両側部にフィットする略立体形状のマスクを容易に完成させることができる。
【0071】
前記接着剤塗布部5に貼着する剥離紙6(図3、4の分割した接着剤塗布部5,5,5にあっては、分割した各接着剤塗布部5,5,5に貼着する各剥離紙6,6,6)は、図5に示したように、シート側端縁2a側の接着剤塗布部分に貼着する剥離紙片6aと、耳掛けシート部3側の接着剤塗布部分に貼着する剥離紙片6bに分けた複数の剥離紙片としても良い。例えば、シート側端縁2a側の接着剤塗布部分を保護する剥離紙片6aを剥がして該塗布部分をマスク本体部の接着位置に仮接着状態に第一次接着し、次いで、耳掛けシート部3側の接着剤塗布部分を保護する剥離紙片6bを剥がして該塗布部分をマスク本体部の接着位置に本接着状態に第二次接着して、完全に接着するようにすれば、接合シート部2をマスク本体部10の両側端部11,11における横幅方向の所望位置に容易に接合できる。
【0072】
図6〜図11は、マスク本体部10と耳掛け部材1から成る組合せマスクの各実施形態を示し、この各実施形態では、組合せマスクの一構成部材である耳掛け部材1をマスク本体部10の両側端部に接合されるシート状のものとしてある。この組合せマスクは、マスク着用者等(ユーザー)が、マスク本体部10の両側端部11,11にシート状の耳掛け部材1,1を接合してマスクを完成させるものである。
【0073】
先ず、図6、7に示した実施形態の組合せマスクについて説明する。この組合せマスクの一構成部材である耳掛け部材1,1は図1に示したマスク用耳掛け部(耳掛け部材1)を用いている。図6はマスク本体部10の構成を平面状とした実施形態(図6のイに示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのマスク本体部もこの実施形態に含める。)を示し、図7はマスク本体部10の構成を立体型とした実施形態を示している。この組合せマスクは、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部10と、このマスク本体部10の左右両側端部11,11にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部10を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材1,1とを別々に構成し、この耳掛け部材1を、マスク本体部10の側端部に面接合される接合シート部2と、この接合シート部2がマスク本体部10の側端部に接合された状態において該マスク本体部10の側端部11から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部4(耳掛け用切れ目でも良い。)を形成した耳掛けシート部3を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記接合シート部2の一面側(マスク本体10の両側端部11,11の一面側でも良い。)に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布し、この接着剤塗布部5に剥離紙6を貼着した構造としてある。そして、この組合せマスクは、マスク着用者等(ユーザー)によって、図6のハや図7のロに示したように、前記耳掛け部材1の前記接合シート部2を、該耳掛け部材の前記耳掛けシート部2がマスク本体10の左右両側端部11,11から延び出た状態にして、マスク本体部10の両側端部11,11に剥離紙6を剥がした接着剤塗布部5を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部に耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにしたものである。
【0074】
この組合せマスクは、図6のハに示したように、耳掛け部材1の耳掛けシート部3がマスク本体部10の両側端部11,11から左右横方向にそれぞれ延び出た状態にして、耳掛け部材1の接合シート部2を、マスク本体部10の両側端部11,11における横幅方向の所望位置に、剥離紙6を剥がした接着剤塗布部5を介してそれぞれ接合して、マスクを完成させる。耳掛け部材1の接合シート部2を、マスク本体部10の両側端部11,11における該マスク本体部の左右方向の中心部寄りの位置に接合してマスクを完成させれば(図6のハの上の説明図)、耳掛け間隔(L)の比較的狭いマスクを得ることができ、逆に、マスク本体部10の両側端部11,11における該マスク本体部の左右方向の外側寄りの位置に接合してマスクを完成させれば(図6のハの下の説明図)、耳掛け間隔(L)の比較的広いマスクを得ることができる。このように、耳掛け部材1の接合シート部2を接合する、マスク本体部の両側端部における横幅方向の位置を調節することによって、マスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔のマスクを容易に得ることができる。
【0075】
図6に示した組合せマスクの耳掛け部材1は、図1に示したマスク用耳掛け部(耳掛け部材1)を用いている。よって、図6に示した耳掛け部材1のその他の構成の説明は、図1のマスク用耳掛け部(耳掛け部材1)の構成の説明と同じであるため省略する。
【0076】
組合せマスクのマスク本体部10の構成は、該マスク本体部10の両側端部11,11に前記耳掛け部材の接合シート部2を面接合する被接合面12を備えた構成であれば良く、例えば平面状のもの、例えば図6のイに示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのもの、例えば図7に示したような立体型のものでも良い。この折りひだ部付きのものには、折りひだ部23の左右両端部を熱溶着などで縦方向に接着し、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着したもの、このような止着手段を施してないものも含む。後者の止着手段を施してない折りひだ部付きのものにおいては、マスク本体部10の両側端部に前記接合シート部2を接着剤塗布部5を介して接合することによって、マスク本体部の左右横幅方向の全長に亘って延びる折りひだ部23の左右両端部を縦方向に広がらないように止着できる働きも期待できる。また、立体型には、例えば、同形同大の一対の左シート部材と右シート部材を重ね合わせ、重ね合わせた左右シート部材の一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部11,11に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を接合し、着用するときには、この接合部を介して左右シート部材を広げて立体化した構成のもの、又は図7に示したような、縦折れ目線27を介して左右対称の同形同大の一対の左シート部材25と右シート部材26を重ね合わせ、重ね合わせた左右シート部材25,26の前記縦折れ目線27を縦方向の中間に含む一端縁(マスク着用時にはマスク本体の中央で縦方向に延びる縁線に相当する。)は他端縁(この他端縁側がマスク本体の両側端部11,11に相当する。)とは反対側に延出させた略円弧形状としてあり、この略円弧形状の一端縁部を前記縦折れ目線27の両端部を含めて接合28,28し、着用するときに縦折れ目線27及び接合部28,28を介して左右シート部材25,26を図7のロに示したように広げて立体化した構成のもの、を含む。また、マスク本体部10の覆い面の形状は、図6に示したような略四角形状のもののほか上下辺を顔に合わせて湾曲させた形状などでも良い。また、マスク本体部の素材は、不織布シートが好ましいが、ガーゼ素材やティッシュ素材のものを除外するものではない。
【0077】
前記マスク本体部10の両側端部11,11に接合される前記接合シート部2のシート側端縁2aの横方向における標準接着位置を示す接着位置案内目印13,13を該マスク本体の両側端部11,11に印刷手段で表示してある。この接着位置案内目印13を目安としてマスク本体の両側端部に対する前記接合シート部2の接着位置を調整すれば、標準の耳掛け間隔、比較的狭い耳掛け間隔、比較的広い耳掛け間のマスクを容易に完成でき、マスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔のマスクを容易に得ることができる。
【0078】
なお、図6の実施形態では、耳掛け部材1の前記接合シート部2の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布してあるが、これに代えて、マスク本体部10の両側端部の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布し、この接着剤塗布部に剥離紙を貼着した構造としても良い。
【0079】
なお、図示してないが、図6における前記接着剤塗布部5を前記接合シート部2の縦方向に間隔を空けた複数位置に分割しても良い。また、これに代えて、マスク本体部10の両側端部11,11の一面側に接着剤塗布部を形成した場合は、この接着剤塗布部5をマスク本体部10の両側端部11,11における縦方向に間隔を空けた複数位置に分割しても良い。このように前記接着剤塗布部5を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割することによって、この接着剤塗布部5を介して接合される耳掛け部材1の接合シート部2とマスク本体の両側端部11,11の重ね部を縦方向において屈曲しやすくすることができ、マスク着用に際して、マスク本体部の両側端部の重ね部を顔の両側部に合わせてフィットさせやすい。
【0080】
図8〜図11は、組合せマスクの他の実施形態を示し、この各実施形態では、組合せマスクの一構成部材であるマスク本体部10の両側端部11,11に切欠溝部15を形成したことを主な特徴としている。
【0081】
図8、9に示した実施形態の組合せマスクについて説明する。図8はマスク本体部10の構成を平面状とした実施形態(図8のイに示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのマスク本体部もこの実施形態に含める。)を示し、図9はマスク本体部10の構成を立体型とした実施形態を示している。この組合せマスクは、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部10と、このマスク本体部10の両側端部11,11にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部10を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材1とを別々に構成し、前記マスク本体部10の両側端部11,11に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部15,15,15を縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、前記耳掛け部材1を、マスク本体部10の側端部11に面接合される接合シート部2と、この接合シート部2がマスク本体部10の側端部11に接合された状態において該マスク本体部10の側端部11から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部4(耳掛け用切れ目でも良い。)を形成した耳掛けシート部3を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記切欠溝部15,15,15による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部10の両側端部に対応する前記接合シート部2の一面側における縦方向に間隔を空けた複数位置(4箇所)に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布し、この接着剤塗布部5に剥離紙6を貼着した構造としてある。そして、この組合せマスクは、マスク着用者等(ユーザー)によって、図8のハや図9のロに示したように、前記耳掛け部材1の耳掛けシート部3がマスク本体部10の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材1の接合シート部2を、前記切欠溝部15,15,15による切欠空所を介して縦方向に分割(図示の実施例では4つに分割)された状態にある前記マスク本体部10の両側端部11に前記剥離紙6を剥がした前記接着剤塗布部5を介してそれぞれ接合し、マスク本体部10の両側端部11,11にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにしたものである。
【0082】
図8の実施形態では、前記接着剤塗布部5を、前記切欠溝部15による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部10の両側端部に対応する前記接合シート部2の一面側における縦方向に間隔を空けた複数位置(4箇所)としてあるが、これに代えて、前記切欠溝部15,15,15による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部10の両側端部11,11の一面側としても良い。
【0083】
この組合せマスクの一構成部材である前記耳掛け部材1の形状は、実質的に図1、図6に示したマスク用耳掛け部(耳掛け部材1)と同形状としてある。よって、図8に示した耳掛け部材1のその他の構成の説明は、図1、図6のマスク用耳掛け部(耳掛け部材1)の構成の説明と同じであるため省略する。
【0084】
この組合せマスクのマスク本体部10の構成は、図6、7の説明と同様に、該マスク本体部10の両側端部11,11に前記耳掛け部材の接合シート部2を面接合する被接合面12,12を備えた構成であれば良く、平面状のもの、例えば図8のイに示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのもの、例えば図9に示したような立体型のものでも良い。また、マスク本体部10の覆い面の形状は、図8に示したような略四角形状のもののほか上下辺を顔に合わせて湾曲させた形状などでも良い。マスク本体部10を折りひだ部付きのものとした場合、縦方向に間隔をおいて複数形成された折りひだ部23と前記マスク本体部10の両側端部11,11に縦方向に間隔をおいて複数形成した前記切欠溝部15の位置関係は、特に限定されない。この切欠溝部15の形成位置は、折りひだ部の形成位置と重なる関係、部分的に重なる関係、折りひだ部の形成位置と重ならない関係の何れでも良い。折りひだ部の形成位置に切欠溝部15の形成位置が重なる関係にあっても、マスク本体部10の両側端部に前記接合シート部2を接着剤塗布部5を介して接合することによって、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着できる。また、折りひだ部の左右両端部を熱溶着(例えば超音波による加熱溶着)などで縦方向に接着し、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着した態様の折りひだ部付きのものの場合では、折りひだ部の形成位置に切欠溝部15の形成位置が部分的に重なる関係にあっても、前記熱溶着部で折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着してあるため、その部分が開くのを防止できる。
【0085】
図8、図9に示した組合せマスクによれば、前記切欠溝部15による切欠空所を介して縦方向に分割された状態にある前記マスク本体部10の両側端部11,11に耳掛け部材1の接合シート部2を接合してマスクを完成させるものであるため、完成されたマスクは、前記切欠溝部15によって、マスク本体の両側端部に非重ね部が形成され、この非重ね部が逃げ部として機能することによって、完成されたマスクのマスク本体部10と耳掛け部材1との接合部に、縦方向に湾曲する自由度、及び縦方向に狭まる又は元の状態に広がる自由度を与えることができる。よって、完成されたマスクのマスク本体部10と耳掛け部材1との接合部、すなわち、マスク本体部の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)するマスクを容易に得ることができる。
【0086】
次に、図10、11に示した実施形態の組合せマスクについて説明する。図10はマスク本体部10の構成を平面状とした実施形態(図10のイに示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのマスク本体部もこの実施形態に含める。)を示し、図11はマスク本体部10の構成を立体型とした実施形態を示している。この組合せマスクの特徴は、マスク本体部10の両側端部11,11に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部15,15,15を縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、この切欠溝部15の溝対向縁15a,15aを溝基端部から横方向の前記溝開口部側に進むに従い徐々に広げた略V字溝形状としたことである。そして、前記耳掛け部材1の接合シート部2の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布し、この接着剤塗布部5に剥離紙6(図示してない)を貼着した構造としてある。そして、この組合せマスクは、マスク着用者等(ユーザー)によって、図10のロや図11のロに示したように、前記耳掛け部材1の耳掛けシート部2がマスク本体部10の両側端部11,11から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材1の接合シート部2を、略V字溝形状の各切欠溝部15,15,15の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部10の両側端部11,11に剥離紙6を剥がした前記接着剤塗布部5を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにしたことである。
【0087】
なお、図10に示した組合せマスクのその他の構成は、図8に示した組合せマスクの構成と共通する。したがって、図10における図8と同符号の構成の説明は省略する。
【0088】
図10の実施形態では、前記接着剤塗布部5を、前記耳掛け部材1の接合シート部2の一面側としてあるが、前記切欠溝部15,15,15による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部10の両側端部11,11の一面側としても良い。なお、この接着剤塗布部5を接合シート部2の一面側とする場合は、その全面でも良く、略V字溝形状の各切欠溝部15,15,15の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部10の側端部11の各側端片部に対応させた縦方向に間隔を空けた複数位置としても良い。
【0089】
この組合せマスクのマスク本体部10も、図8、9の組合せマスクで述べたと同様に、該マスク本体部10の両側端部11,11に前記耳掛け部材1の接合シート部2を面接合する被接合面12,12を備えた構成であれば良く、平面状のもの、例えば図10のイに示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのもの、例えば図11に示したような立体型のものでも良い。また、マスク本体部10の覆い面の形状は、図10に示したような略四角形状のもののほか上下辺を顔に合わせて湾曲させた形状などでも良い。マスク本体部10を折りひだ部付きのものとした場合、縦方向に間隔をおいて複数形成された折りひだ部23と前記マスク本体部10の両側端部11,11に縦方向に間隔をおいて複数形成した前記切欠溝部15の位置関係は、特に限定されない。この切欠溝部15の形成位置は、折りひだ部の形成位置と重なる関係、部分的に重なる関係、折りひだ部の形成位置と重ならない関係の何れでも良い。折りひだ部の形成位置に切欠溝部15の形成位置が重なる関係にあっても、マスク本体部10の両側端部に前記接合シート部2を接着剤塗布部5を介して接合することによって、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着できる。また、折りひだ部の左右両端部を熱溶着(例えば超音波による加熱溶着)などで縦方向に接着し、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着した態様の折りひだ部付きのものの場合では、折りひだ部の形成位置に切欠溝部15の形成位置が部分的に重なる関係にあっても、前記熱溶着部で折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着してあるため、その部分が開くのを防止できる。
【0090】
図10、11に示した組合せマスクは、略V字溝形状の各切欠溝部15の溝対向縁15a,15aを上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部10の両側端部11,11に、耳掛け部材1の接合シート部2を接合して、マスクを完成させれば、この完成されたマスクのマスク本体部10の両側端部11,11と耳掛け部材1,1との接合部は、図10のハに示したH1,H2の概略折り曲げ線のように、閉じた各切欠溝部15の溝底部側を曲げ起点として同一シート面側に全体が凹んだ湾曲形状に形成される。よって、この組合せマスクによれば、マスク本体の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィットする略立体形状のマスクを容易に得ることができる。特に、マスク本体部が平面形状のシート部材から成る平面型であっても、マスク本体の両側端部がマスク着用者の顔の両側部にフィットする略立体形状のマスクを容易に得ることができる。
【0091】
図12、図13は、組合せマスクの他の実施形態を示し、この実施形態では、組合せマスクの一構成部材である耳掛け部材1をリング状の耳掛け紐8にて構成してある。この組合せマスクも、マスク着用者等(ユーザー)が、マスク本体部10の両側端部にリング状の耳掛け紐8を取付けてマスクを完成させるものである。
【0092】
図12はマスク本体部10の構成を平面状とした実施形態(図12に示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのマスク本体部もこの実施形態に含める。)を示し、図13はマスク本体部10の構成を立体型とした実施形態を示している。
【0093】
図12、図13に示した組合せマスクは、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部10と、このマスク本体部10の両側端部11,11にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部10を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材1とを別々に構成し、この耳掛け部材1を伸縮する弾性素材から成るリング状の耳掛け紐8にて構成し、前記マスク本体部10の両側端部11,11から横方向にそれぞれ延設した折り返しシート片部17,17を該マスク本体部10と同じシート部材で一体成形し、この折り返しシート片部17は折り返し部17aとこの折り返し部17aを受ける折り返し受け部17bを有し、前記折り返しシート片部17に切欠溝部18,18,18を縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部18による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部17,17,17,17の折り返し部17aの折り返しシート内面における先端部に再接着可能な粘着性の接着剤5を塗布し、この接着剤塗布部5に剥離紙6(図示してない)を貼着した構造とすると共に、この折り返しシート片部17の折り返し部17aの折り返しシート内面における折り返し基端部には折り返し折り目部17cに沿う縦方向の非接着範囲を形成するため接着剤を塗布しない構造としてある。そして、この組合せマスクは、マスク着用者等(ユーザー)によって、図12のロや、図13のロに示したように、この切欠溝部18による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部17,17,17,17の折り返し部17aと折り返し受け部17bの間に前記耳掛け紐8を挟んだ状態で折り返し部17aを折り返し受け部17bに向けて折り返し、折り返された複数の折り返し部17aと折り返し受け部17bとを剥離紙6を剥がした前記接着剤塗布部5を介して折り返し先端部で縦方向に部分的に接合し、この切欠溝部18による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の折り返し重ねシート部19,19,19,19のシート間の折り返し折り目部17c側の非接着範囲に前記耳掛け紐8が移動自在に挿通された縦方向の複数の耳掛け紐挿通部20を形成し、マスク本体10の両側端部11,11にリング状の耳掛け紐8を取付けた構造のマスクを得るようにしたものである。
【0094】
リング状の耳掛け紐8は、ゴム製、合成樹脂製など、伸縮する弾性素材から適宜選定され、また、伸縮する弾性素材から成る紐部材の両端部を連結してリング状としても良い。この連結手段としては、例えば、紐部材の両端部をユーザーが結んでリング状とすること、紐部材の両端部をユーザーが接着テープを介して接着してリング状とすること、紐部材の両端部をユーザーが接着糊で接着してリング状とすることを含む。また、これらの連結を製造者側で行っても良い。
【0095】
この組合せマスクのマスク本体部10も、平面状のもの、例えば図12に示したような、折りひだ部23を形成した、いわゆる折りひだ部付きのもの、例えば図13に示したような立体型のものでも良い。また、マスク本体部10の覆い面の形状は、図12に示したような略四角形状のもののほか上下辺を顔に合わせて湾曲させた形状などでも良い。マスク本体部10を折りひだ部付きのものとした場合、縦方向に間隔をおいて複数形成された折りひだ部23と前記マスク本体部10の両側端部11,11に縦方向に間隔をおいて複数形成した前記切欠溝部18の位置関係は、特に限定されない。この切欠溝部18の形成位置は、折りひだ部の形成位置と重なる関係、部分的に重なる関係、折りひだ部の形成位置と重ならない関係の何れでも良い。折りひだ部の形成位置に切欠溝部18の形成位置が部分的に重なる関係にあっても、この切欠溝部18による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部17の折り返し部17aと折り返し受け部17bを前記接着剤塗布部5を介して折り返し先端部で縦方向に部分的に接合することによって、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着できる。また、折りひだ部の左右両端部を熱溶着(例えば超音波による加熱溶着)などで縦方向に接着し、折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着した態様の折りひだ部付きのものの場合では、折りひだ部の形成位置に切欠溝部18の形成位置が部分的に重なる関係にあっても、前記熱溶着部で折りひだ部の左右両端部を縦方向に広がらないように止着してあるため、その部分が開くのを防止できる。
【0096】
図12、図13に示した組合せマスクによれば、マスク本体部10の両側端部から横方向に延設した折り返しシート片部17の折り返し受け部17bに対する折り返し部17aの折り返し接着位置を調整することによって、マスク本体部10の横幅サイズを調整できると共に、マスク本体部10の両側端部11,11における両耳掛け紐挿通部20,20の形成間隔すなわちリング状の耳掛け紐8,8の取付け間隔を調整できる。両耳掛け紐挿通部20,20によるリング状の耳掛け紐8の取付け間隔の調整と、弾性素材から成るリング状の耳掛け紐8の伸縮性で、マスク着用者の顔サイズに合う耳掛け間隔のマスクを容易に得ることができる。また、折り返しシート片部17の接着を剥がして、耳掛け紐挿通部20内に非接着な状態で挿通されている耳掛け紐8を取り外せば、取り外された耳掛け紐8は、取り替えた新しいマスク本体の耳掛け紐として再利用できる。
【0097】
しかも、一般的に、両耳掛け紐を両耳に掛けてマスク本体を顔に装着した場合、両耳掛け紐の引っ張り力によって、マスク本体の両側端部が上下方向に狭められ、マスク本体の両側端部に上下方向の弛みによる折れや湾曲化が発生してしまうが、図12、図13に示した組合せマスクによれば、両耳掛け紐8,8を両耳に掛けてマスク本体を顔に装着した場合、両耳掛け紐8,8の引っ張り力によって、マスク本体10の両側端部11,11が上下方向に狭められても、図12のハに示したように、前記切欠溝部18による切欠空所で上下方向の狭まりを吸収できるため、マスク本体10の両側端部11,11に上下方向の弛みによる折れやマスク着用者の顔の両側部に対して隙間ができる湾曲化が発生しない。よって、マスク本体の両側端部をマスク着用者の顔の両側部にフィット(密接)させることができる。
【0098】
図14〜図17は、マスク本体部10の両側端部にシート状の耳掛け部材1を接合して構成したマスクの各実施形態を示している。
【0099】
図14に示したマスクは図8の組合せマスクの構成部材(マスク本体部10、耳掛け部材1)から実質的に構成されたものである。また、図15に示したマスクは図9の組合せマスクの構成部材(マスク本体部10、耳掛け部材1)から実質的に構成されたものである。
【0100】
図14、図15に示した実施形態のマスクは、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部10と、このマスク本体部10の両側端部11,11にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部10を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材1とで構成し、前記マスク本体部10の両側端部11,11に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部15を縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、前記耳掛け部材1を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部2と、この接合シート部2がマスク本体部10の側端部11に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部4(耳掛け用切れ目でも良い)を形成した耳掛けシート部3を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記耳掛け部材1の耳掛けシート部2がマスク本体部10の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材1の接合シート部2を、前記切欠溝部15による切欠空所を介して縦方向に分割された状態にある前記マスク本体部10の両側端部11,11に再接着可能な粘着性の接着剤5を介してそれぞれ接合して構成したものである。
【0101】
図16に示したマスクは図10の組合せマスクの構成部材(マスク本体部10、耳掛け部材1)から実質的に構成されたものである。また、図17に示したマスクは図11の組合せマスクの構成部材(マスク本体部10、耳掛け部材1)から実質的に構成されたものである。
【0102】
図16、図17に示した実施形態のマスクは、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部10と、このマスク本体部の両側端部11,11にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材1とで構成し、前記マスク本体部10の両側端部11,11に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部15を縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、この切欠溝部15の溝対向縁15a,15aを溝基端部から横方向の前記溝開口部側に進むに従い徐々に広げた略V字溝形状とし、前記耳掛け部材1を、マスク本体部10の側端部11に面接合される接合シート部2と、この接合シート部がマスク本体部10の側端部11に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部4(耳掛け用切れ目でも良い)を形成した耳掛けシート部3を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記耳掛け部材1の耳掛けシート部2がマスク本体部10の両側端部11,11から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材1の接合シート部2を、略V字溝形状の各切欠溝部15の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部の両側端部に再接着可能な粘着性の接着剤5を介してそれぞれ接合して構成したものである。
【0103】
図18、図19は、マスク本体部10の両側端部11,11にリング状の耳掛け紐8,8を取付けて構成したマスクの各実施形態を示している。
【0104】
図18に示したマスクは図12の組合せマスクの構成部材(マスク本体部10、耳掛け紐8)から実質的に構成されたものである。また、図19に示したマスクは図13の組合せマスクの構成部材(マスク本体部10、耳掛け紐8)から実質的に構成されたものである。
【0105】
図18、図19に示した実施形態のマスクは、口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部10と、このマスク本体部10の両側端部11,11にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とで構成し、この耳掛け部材を伸縮する弾性素材から成るリング状の耳掛け紐8にて構成し、前記マスク本体部10の両側端部11,11から横方向にそれぞれ延設した折り返しシート片部17を該マスク本体部10と同じシート部材で一体成形し、この折り返しシート片部17は折り返し部17aとこの折り返し部17aを受ける折り返し受け部17bを有し、前記折り返しシート片部17に切欠溝部18を縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部18による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部17の折り返し部17aと折り返し受け部17bの間に前記耳掛け紐8を挟んだ状態で折り返し部17aを折り返し受け部17bに向けて折り返し、折り返された複数の折り返し部17aと折り返し受け部17bを再接着可能な粘着性の接着剤5を介して折り返し先端部で縦方向に部分的に接着し、この切欠溝部18による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の折り返し重ねシート部19のシート間の折り返し折り目部17c側の縦方向の非接着範囲に前記耳掛け紐8が移動自在に挿通された縦方向の複数の耳掛け紐挿通部20を形成し、マスク本体部10の両側端部11,11の前記耳掛け紐挿通部20にリング状の耳掛け紐8を挿通して取付けた構造である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明のマスク用耳掛け部及びマスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスクによれば、その製造(メーカー側の)において高速量産化への大きな障害となっている、マスク本体部と耳掛け部材との取付け工程を省くことができ、高速量産化が容易であるため、結局は、国内製の極めて廉価なマスクをユーザーに提供でき、最終的にはユーザーの利益となると共に、わが国の産業の発展にも寄与できるものである。
【符号の説明】
【0107】
1 マスク用耳掛け部(耳掛け部材)
2 接合シート部
3 耳掛けシート部
4 耳掛け用開口部
5 粘着性の接着剤(接着剤塗布部)
6 剥離紙
7 切欠溝部
7a,7a 切欠溝部の溝対向縁
8 耳掛け紐(耳掛け部材)
10 マスク本体部
11,11 マスク本体部の両側端部
13 接着位置案内目印
15 切欠溝部
15a,15a 切欠溝部の溝対向縁
17 折り返しシート片部
17a 折り返し部
17b 折り返し受け部
18 切欠溝部
19 折り返し重ねシート部
20 耳掛け紐挿通部
23 折りひだ部
25 左シート部材
26 右シート部材
27 縦折れ目線
28 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材であり、この耳掛け部材を、マスク本体の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体の側端部に接合された状態において該マスク本体の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造のマスク用耳掛け部。
【請求項2】
前記接合シート部に該接合シート部のシート側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部を介して縦方向に分割された複数の前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の前記接着剤を塗布し、この接着剤塗布部を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割した、請求項1に記載のマスク用耳掛け部。
【請求項3】
前記接合シート部に該接合シート部のシート側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、この切欠溝部の溝対向縁を水平対向状態から溝開口部側に進むに従い徐々に広げた傾斜溝部形状とし、この切欠溝部を介して縦方向に分割された複数の前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の前記接着剤を塗布し、この接着剤塗布部を縦方向に間隔を空けた複数位置に分割した、請求項1に記載のマスク用耳掛け部。
【請求項4】
前記接着剤塗布部に剥離紙を貼着した構造である請求項1から3のいずれかに記載のマスク用耳掛け部。
【請求項5】
前記接着剤塗布部に貼着した前記剥離紙を、前記接合シート部のシート側端縁側の接着剤塗布部分に貼着する剥離紙片と、耳掛けシート部側の接着剤塗布部分に貼着する剥離紙片に分けた複数の剥離紙片とした請求項4に記載のマスク用耳掛け部。
【請求項6】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、この耳掛け部材を、マスク本体の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体の側端部に接合された状態において該マスク本体の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記接合シート部の一面側又はマスク本体部の両側端部の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とし、前記耳掛け部材の前記接合シート部を、該耳掛け部材の前記耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、マスク本体部の両側端部に前記接着剤塗布部を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク。
【請求項7】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、前記耳掛け部を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部の両側端部の一面側、又は前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部の両側端部に対応する前記接合シート部の一面側における縦方向に間隔を空けた複数位置に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とし、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された状態にある前記マスク本体部の両側端部に前記接着剤塗布部を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク。
【請求項8】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、この切欠溝部の溝対向縁を溝基端部から横方向の前記溝開口部側に進むに従い徐々に広げた略V字溝形状とし、前記耳掛け部材を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された前記マスク本体部の両側端部の一面側、又は前記接合シート部の一面側に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とし、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、略V字溝形状の各切欠溝部の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部の両側端部に前記接着剤塗布部を介してそれぞれ接合し、マスク本体部の両側端部にシート状の耳掛け部を取付けた構造のマスクを完成し得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク。
【請求項9】
前記マスク本体部の両側端部に接合される前記接合シート部の横方向における標準接着位置を示す接着位置案内目印を該マスク本体部の両側端部に表示した請求項7又は8に記載のマスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク。
【請求項10】
前記接着剤塗布部に剥離紙を貼着した構造であり、前記マスク本体部の両側端部に前記耳掛け部材の接合シート部を接合する際に前記剥離紙を剥がすようにした請求項7又は8に記載のマスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク。
【請求項11】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とを別々に構成し、この耳掛け部材を伸縮する弾性素材から成るリング状の耳掛け紐にて構成し、前記マスク本体部の両側端部から横方向に延設した折り返しシート片部を該マスク本体部と同じシート部材で一体成形し、この折り返しシート片部は折り返し部とこの折り返し部を受ける折り返し受け部を有し、前記折り返しシート片部に切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部の折り返し部の折り返しシート内面における先端部に再接着可能な粘着性の接着剤を塗布した接着剤塗布部を設けた構造とすると共に、この折り返しシート片部の折り返し部の折り返しシート内面における折り返し基端部には折り返し折り目部に沿う縦方向の非接着範囲を形成するため接着剤を塗布しない構造とし、この切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部の折り返し部と折り返し受け部の間に前記耳掛け紐を挟んだ状態で折り返し部を折り返し受け部に向けて折り返し、折り返された複数の折り返し部と折り返し受け部とを前記接着剤塗布部を介して折り返し先端部で縦方向に部分的に接合し、この切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の折り返し重ねシート部のシート間の折り返し折り目側の非接着範囲に前記耳掛け紐が移動自在に挿通された縦方向の複数の耳掛け紐挿通部を形成し、マスク本体の両側端部にリング状の耳掛け紐を取付けた構造のマスクを得るようにした、マスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク。
【請求項12】
前記接着剤塗布部に剥離紙を貼着した構造であり、前記折り返しシート片部の折り返し部と折り返し受け部を接着する際に前記剥離紙を剥がすようにした請求項11に記載のマスク本体部と耳掛け部材から成る組合せマスク。
【請求項13】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とで構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、前記耳掛け部材を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された状態にある前記マスク本体部の両側端部に再接着可能な粘着性の接着剤を介してそれぞれ接合して構成したマスク。
【請求項14】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とで構成し、前記マスク本体部の両側端部に該両側端部の各側端縁に溝開口部を配した横方向の切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置にそれぞれ形成し、この切欠溝部の溝対向縁を溝基端部から横方向の前記溝開口部側に進むに従い徐々に広げた略V字溝形状とし、前記耳掛け部材を、マスク本体部の側端部に面接合される接合シート部と、この接合シート部がマスク本体部の側端部に接合された状態において該マスク本体部の側端部から横方向に延び出た状態に配される、耳に掛ける耳掛け用開口部又は耳掛け用切れ目を形成した耳掛けシート部を柔軟なシート部材で一体のシート形状に形成し、前記耳掛け部材の耳掛けシート部がマスク本体部の両側端部から横方向に延び出た状態にして、該耳掛け部材の接合シート部を、略V字溝形状の各切欠溝部の溝対向縁を上下方向に閉じた状態におけるマスク本体部の両側端部に再接着可能な粘着性の接着剤を介してそれぞれ接合して構成したマスク。
【請求項15】
口や鼻を覆う覆い面を有するマスク本体部と、このマスク本体部の両側端部にそれぞれ取付けられ、該マスク本体部を顔の覆われる位置に装着するために用いる耳掛け部材とで構成し、この耳掛け部材を伸縮する弾性素材から成るリング状の耳掛け紐にて構成し、前記マスク本体部の両側端部から横方向に延設した折り返しシート片部を該マスク本体部と同じシート部材で一体成形し、この折り返しシート片部は折り返し部とこの折り返し部を受ける折り返し受け部を有し、前記折り返しシート片部に切欠溝部を1つ又は縦方向に間隔をおいた複数位置に形成し、前記切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の前記折り返しシート片部の折り返し部と折り返し受け部の間に前記耳掛け紐を挟んだ状態で折り返し部を折り返し受け部に向けて折り返し、折り返された複数の折り返し部と折り返し受け部を再接着可能な粘着性の接着剤を介して折り返し先端部で縦方向に部分的に接着し、この切欠溝部による切欠空所を介して縦方向に分割された複数の折り返し重ねシート部のシート間の折り返し折り目側の縦方向の非接着範囲に前記耳掛け紐が移動自在に挿通された縦方向の複数の耳掛け紐挿通部を形成し、マスク本体部の両側端部の前記耳掛け紐挿通部にリング状の耳掛け紐を挿通して取付けた構造のマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−125619(P2011−125619A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289293(P2009−289293)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【特許番号】特許第4528881号(P4528881)
【特許公報発行日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000147110)株式会社杉山 (14)
【Fターム(参考)】