説明

マッサージ器

【課題】簡易な構成で簡単に取り扱え、汎用性もあり、複数の動作を行なうことが可能な手動式のマッサージ器を提供すること。
【解決手段】人体の表面に沿って回動する回動動作を行なうローラ部10と、ローラ部10の回動による動力を伝達する伝達部20と、人体の表面に対して略垂直方向に押圧を繰り返す押圧動作を行なう押圧部40と、伝達部20によりローラ部10の動力を伝達されて回動すると共に、押圧部40に押圧動作を行なわせる駆動部30Aと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動式のマッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、疲労などによる人体の腕、肩、背中、腰、足などの筋肉の緊張した部位(いわゆる「凝った部位」)に対して、揉む、さする、叩く、押すなどに類する動作によりマッサージを行ない、筋肉の緊張をほぐして人体の疲労を和らげる手動式のマッサージ器が開発されている。例えば、特許文献1では、ワイヤと、ワイヤの一端に接続され且つワイヤを引くためのハンドレバーと、スイング軸の周りにスイング可能なスイングアームと、スイング軸を回転可能に支持する支持部に接続されてスイングアームがスイングして人体の押圧部を押圧するときに人体の一部を保持する保持板と、を含んで構成されるマッサージ器が開示されている。このマッサージ器に対して、ユーザがハンドレバーを引くことにより、スイングアームの先端に取り付けられた押圧部がユーザ自身の特定部位を押圧することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−224659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のマッサージ器では、押圧する動作を手動式で行なうが、マッサージ器自体が複雑化し、大型化する傾向にあり、取り扱い性に課題があった。また、マッサージできる人体の部位も背中などに限定され易く、使用できる部位に対する汎用性に課題があった。また、特許文献1のマッサージ器では、1種類の動作となる押圧動作(押す動作)を行なうのみであり、揉む、さする、叩くなどに類する動作も行なえることも求められていた。従って、簡易な構成で簡単に取り扱え、汎用性もあり、複数の動作を行なうことが可能な手動式のマッサージ器を実現することが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
(適用例1)本適用例に係るマッサージ器は、(a)人体の表面に沿って回動する回動動作を行なうローラ部と、(b)ローラ部の回動による動力を伝達する伝達部と、(c)人体の表面に対して略垂直方向に押圧を繰り返す押圧動作を行なう押圧部と、(d)伝達部によりローラ部の動力を伝達されて回動すると共に、押圧部に押圧動作を行なわせる駆動部と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記マッサージ器では、ローラ部により、人体の表面に沿って回動する(転がす)ことで回動動作を行ない、人体の凝った部位の表面に対して、揉む、さする、押すなどに類するマッサージを行なうことができる。また、ローラ部が、人体の凝った部位(人体の表面)を回動し、伝達部は、ローラ部の回動による動力を駆動部に伝達する。そして、駆動部は、伝達部によりローラ部の動力を伝達されて回動すると共に、押圧部に押圧動作を行なわせる。そして、押圧部は、駆動部により、人体の表面に対して略垂直方向に押圧を繰り返す押圧動作を行なう。この押圧部の動作により、人体の凝った部位の表面に対して略垂直方向に、押す(いわゆる指圧する)動作を行なうことができ、指圧効果が得られるマッサージを行なうことができる。従って、上述した簡易な構成で2種類の動作(回動動作と押圧動作)を行なうことが可能な手動式のマッサージ器を実現することができる。また、簡易な構成であり、マッサージ器を小型化できるため、取り扱い性も向上させることができる。また、人体の腕、肩、背中、腰、足など、使用できる部位も拡大し、マッサージ器の汎用性も向上させることができる。
【0008】
(適用例2)上記のマッサージ器であって、伝達部は、ローラ部に固定され、ローラ部の回動に従動して回動する第1ギヤ部と、第1ギヤ部と噛み合い、第1ギヤ部の回動による動力を伝達されて回動する中継ギヤ部と、駆動部に固定され、中継ギヤ部と噛み合い、中継ギヤ部の回動による動力を伝達されて回動する第2ギヤ部と、を有することが好ましい。
【0009】
上記マッサージ器では、伝達部は、第1ギヤ部と中継ギヤ部と第2ギヤ部とを有している。そして、第1ギヤ部はローラ部に固定されてローラ部の回動に従動して回動し、回動による動力を中継ギヤ部に伝達する。そして、中継ギヤ部は第1ギヤ部と噛み合い、第1ギヤ部の回動による動力を、駆動部に固定される第2ギヤ部に伝達する。そして、第2ギヤ部は伝達された動力により、駆動部を回動させることになる。このような構成により、簡易に伝達部を構成することができ、効率的に動力を伝達させることができる。
【0010】
(適用例3)上記のマッサージ器であって、押圧部は、押圧動作を行なう押圧部材と、押圧部材を初期位置に戻すバネ部材とを有し、駆動部は、バネ部材の力に抗して押圧部材を摺動することにより押圧部材に押圧動作を行なわせる摺動部を有していることが好ましい。
【0011】
上記マッサージ器では、押圧部は、押圧動作を行なう押圧部材と、押圧部材を初期位置に戻すバネ部材とを有している。そして、駆動部は、摺動部を有し、バネ部材の力に抗して押圧部材を摺動することにより押圧部材に押圧動作を行なわせる。このように、駆動部は、摺動部を用いて、押圧部材を摺動するという動作を行なうことにより、回動による動力を効率的に押圧部材の押圧動作に変換することができる。また、このような摺動部を有する駆動部と、押圧部材とバネ部材とを有する押圧部とによる効率的な構成と動作により、人体の凝った部位に対して、指圧する動作を行なわせることができる。また、押圧部材は、バネ部材の動作により、機敏な押圧動作を行なうことができる。
【0012】
(適用例4)上記のマッサージ器であって、押圧部は、押圧部材とバネ部材とを複数有し、駆動部が有する摺動部は、複数の押圧部材およびバネ部材に対し、それぞれ異なるタイミングで押圧動作を行なわせることが好ましい。
【0013】
上記マッサージ器では、駆動部の有する摺動部が、複数の押圧部材およびバネ部材に対し、それぞれ異なるタイミングで押圧動作を行なわせることにより、同じタイミングで複数の押圧部材に押圧動作を行なわせる場合に比べて、より効果的に、人体の凝った部位に対して指圧する動作を行なわせることができる。
【0014】
(適用例5)上記のマッサージ器であって、摺動部は、凸状曲面を有する部材で構成されていることが好ましい。この場合、摺動部が凸状曲面を有する部材で構成されることにより、押圧部材を摺動させ易くなり、また、摺動部を簡易に構成できる。
【0015】
(適用例6)上記のマッサージ器であって、摺動部は、凸状曲面となる円柱状の部材を有して構成されていることが好ましい。この場合、凸状曲面となる円柱状の部材として、例えば、円柱状の棒材を用いることができ、摺動部を簡易に構成できる。
【0016】
(適用例7)上記のマッサージ器であって、ローラ部の外周面には、弾性部材が設置されていることが好ましい。
【0017】
上記マッサージ器では、ローラ部の外周面に弾性部材が設置されていることにより、ローラ部を、人体の表面に沿って回動する回動動作を行なう場合、弾性部材の有する弾性により、人体表面への衝撃を和らげて回動動作を行なうことができ、人体の凝った部位に対して、揉む、さする、押すなどに類するマッサージを効果的に行なうことができる。また、弾性部材の弾性により、人体の表面に対して滑らずに転がすことができ、効率的にローラ部を回動させることができるため、押圧部を効率的に動作させることができる。
【0018】
(適用例8)上記のマッサージ器であって、ローラ部と伝達部と押圧部と駆動部とを1セットとした場合、複数セット有して構成されていることが好ましい。
【0019】
上記マッサージ器では、ローラ部と伝達部と押圧部と駆動部とを複数セット有して構成されることにより、更に効率的にマッサージを行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係るマッサージ器の斜視図であり、図1(a)は、マッサージ器の上面側からの斜視図であり、図1(b)は、マッサージ器の底面側からの斜視図である。図1を参照して、マッサージ器100の外観的な構成を説明する。
【0022】
本実施形態のマッサージ器100は、手動式のマッサージ器である。マッサージ器100は、図1(a)、(b)に示すように、略四角柱状で上部が概ね丸みを持つ外装筐体90で覆われている。外装筐体90は、上面および側面を形成する上ケース91と、底面を形成する下ケース92とにより構成されている。また、マッサージ器100の下側両端部には、ローラ部10がそれぞれ外装筐体90から突出する形態で設置されている。また、ローラ部10に挟まれた下ケース92の外面からは、下方向に向かって、押圧部40を構成する棒状の押圧部材41が4つ突出している。
【0023】
このようなマッサージ器100に対して、ユーザは上ケース91全体を手で把持し、身体の疲労により凝った部位(例えば、腕など)の表面に対して2つのローラ部10を接触させ、若干の力を加えながら表面に沿って矢印方向に回動する(転がる)回動動作を行なう。また、マッサージ器100は、身体の表面に沿ってローラ部10が回動することにより、内部に備わる駆動部30A,30B(図2参照)が駆動し、4つの押圧部材41が下ケース92の外面に対して略垂直方向に突出量を変化させる往復動作を行なう。この押圧部材41の突出量を変化させる往復動作により、人体の表面に対して略垂直方向に押圧を繰り返す押圧動作を行なうことになる。
【0024】
それにより、マッサージ器100は、ユーザにより、ローラ部10が転がされ、回動動作を行なうことで、人体の凝った部位の表面に沿った方向に、揉む、さする、押すなどに類するマッサージを行なう。また、併せて、押圧部材41が押圧動作を行なうことで、人体の凝った部位の表面に対して略垂直方向に、押す(いわゆる指圧する)動作を行ない、マッサージを行なう。
【0025】
図2は、マッサージ器の駆動系の上側からの斜視図である。図3は、マッサージ器の駆動系の下側からの斜視図である。図4は、マッサージ器の駆動系の側面図である。図5は、マッサージ器の駆動部と押圧部との位置関係を示す斜視図である。なお、図4は、押圧部40の周辺部を断面図として図示している。また、図5は、第1駆動ユニット1の駆動部30Aと、押圧部40の押圧部材41のみの斜視図を図示している。図2〜図5を参照して、マッサージ器100の駆動系の構成および動作を説明する。
【0026】
図2〜図4に示すように、本実施形態のマッサージ器100は、駆動系として、第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット2との2つの駆動ユニットから構成されている。なお、詳細は後述するが、第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット2とは、殆ど同様の構成部で構成されており、それぞれ独立して、略同様の動作(押圧動作)を行なう。第1駆動ユニット1を1つ(1セット)とした場合、2つ(2セット)使用したと言える構成となっている。
【0027】
本実施形態の第1駆動ユニット1は、ローラ部10と、伝達部20と、駆動部30Aと、押圧部40とを有して構成されている。また、伝達部20は、第1ギヤ部21と、中継ギヤ部22と、第2ギヤ部23とを有している。また、本実施形態の第2駆動ユニット2は、第1駆動ユニット1と同様に構成されており、異なる構成は、第1駆動ユニット1の駆動部30Aが、駆動部30Bとして構成されていることである。従って、第1駆動ユニット1の構成を主に説明する。
【0028】
第1駆動ユニット1のローラ部10は、円筒形状をなすローラ11と、ローラ11の外周面全体を覆う形態で設置して固定される弾性部材としてのゴムシート12と、ローラ11の両端面中央に、ローラ部10を上ケース91の側面内側に回動自在に軸支する支軸13とを有して構成されている。また、ローラ部10の両端面には、支軸13を中心として第1ギヤ部21を構成する第1ギヤ211が固定されている。なお、本実施形態のゴムシート12は、略一様の厚さを有するシート材を用いている。
【0029】
中継ギヤ部22は、ローラ部10の回動による動力を駆動部30Aに伝達する機構として構成されている。中継ギヤ部22は、ローラ部10の両端部に固定される第1ギヤ211にそれぞれ噛み合う中継ギヤ221と、この2つの中継ギヤ221を連結する連結軸222と、中継ギヤ部22を上ケース91の側面内側に回動自在に軸支する支軸223とを有して構成されている。
【0030】
駆動部30Aは、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとの2つの駆動部で構成されている。第1駆動部31Aは、円板形状の駆動支持板311と、同じく円板形状の連結支持板312と、駆動支持板311と連結支持板312とを連結する連結軸313と、摺動部を構成する凸状曲面を有する円柱状の部材として、円柱状の棒材で形成された3つのピン部材314Aと、第1駆動部31Aを上ケース91の側面内側に回動自在に軸支する支軸315とを有して構成されている。また、支軸315は、駆動支持板311の端面中央に設置されている。
【0031】
また、第2駆動部32Aも第1駆動部31Aと同様に構成されており、円板形状の駆動支持板321と、同じく円板形状の連結支持板322と、駆動支持板321と連結支持板322とを連結する連結軸323と、摺動部を構成する凸状曲面を有する円柱状の部材として、円柱状の棒材で形成された3つのピン部材324Aと、第2駆動部32Aを上ケース91の側面内側に回動自在に軸支する支軸325とを有して構成されている。また、支軸325は、駆動支持板321の端面中央に設置されている。
【0032】
そして、駆動部30Aは、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとが、連結支持板312と連結支持板322とのそれぞれの端面を固定することにより接続固定されて構成されている。なお、支軸315と支軸325は、駆動部30Aにおいて同軸上に設置される。また、駆動部30Aは、第1駆動部31Aの駆動支持板311の端面に、支軸315を中心として第2ギヤ部23を構成する第2ギヤ231が固定されている。同様に、駆動部30Aは、第2駆動部32Aの駆動支持板321の端面に、支軸325を中心として第2ギヤ部23を構成する第2ギヤ231が固定されている。なお、2つの第2ギヤ231は、中継ギヤ部22のそれぞれの中継ギヤ221に噛み合っている。
【0033】
なお、駆動部30Aを構成する第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとの違いは、3つのピン部材314A,324Aの配置の違いのみである。詳細には、第1駆動部31Aの3つのピン部材314Aは、駆動支持板311と連結支持板312とに挟まれて、支軸315を中心とする同心円状に、本実施形態では、略等間隔(約120度毎)に設置されている。また、第2駆動部32Aの3つのピン部材324Aも同様に、駆動支持板321と連結支持板322とに挟まれて、支軸325を中心とする同心円状に略等間隔(約120度毎)に設置されている。そして、このピン部材314Aとピン部材324Aとが、本実施形態では、それぞれ約60度ずれた位置関係となるように、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとが接続固定されて、駆動部30Aが構成されている。
【0034】
押圧部40は、図3、図4に示すように、略円柱形状に形成される押圧部材41と、押圧部材41を初期位置に戻すためのバネ部材としての戻しバネ45とを有して構成されている。そして、押圧部材41は、押圧部本体411と被摺動部412と鍔部413とで構成されている。押圧部本体411は、円柱形状をなし、一端が半球面状に形成された押圧面部4111を有し、他端は鍔部413に接続している。また、被摺動部412は、円柱形状をなし、一端が円錐形状に形成された被摺動面部4121を有し、他端は鍔部413に接続している。押圧部材41は、鍔部413を中心に、押圧部本体411と被摺動部412とが対向する形態に構成されている。
【0035】
なお、駆動部30Aの下方で、下ケース92の内面に設置されて、マッサージ器100の内部筐体を構成し、併せて、押圧部40を移動自在に収容する押圧部収容ケース95が設置されている。そして、押圧部収容ケース95には、押圧部40の移動空間領域953が形成されて円筒状に突出し、一端に被摺動部412を案内する案内孔952が形成された収納部951を有している。また、この収納部951に対応して下ケース92には、同じく押圧部40の移動空間領域923が形成されて押圧部本体411を案内する案内孔922を形成した収容部921を有している。
【0036】
押圧部40は、収納部951と収容部921とで形成される移動空間領域953と移動空間領域923内に移動自在に収容される。そして、押圧部40は、被摺動面部4121を上方にして被摺動部412が案内孔952から突出し、押圧面部4111を下方にして押圧部本体411が案内孔922から突出した形態となる。なお、鍔部413の下面部4132(押圧部本体411側)と下ケース92の案内孔922の内部面922aとの間に戻しバネ45が設置される。戻しバネ45は、圧縮バネとして形成されているため、駆動部30Aのピン部材314A,324Aが被摺動部412に当接していない状態では、本実施形態では、鍔部413を上方向に押し上げ、鍔部413の上面部4131(被摺動部412側)が、案内孔952の内部面952aに当接した形態となっている。
【0037】
なお、図5には、第1駆動ユニット1の駆動部30Aと、押圧部40を構成する押圧部材41を図示している。図5に示すように、第1駆動ユニット1の駆動部30Aを構成する第1駆動部31Aと第2駆動部32Aに対応して、それぞれ1つの押圧部40が配設されている。詳細には、駆動部30Aの支軸315,325の中心軸A1の下方で、第1駆動部31Aのピン部材314Aの長手方向の中心の下方に1つの押圧部40(押圧部材41)が配設され、また、同様に、第2駆動部32Aのピン部材324Aの長手方向の中心の下方に1つの押圧部40(押圧部材41)が配設されている。なお、詳細は後述するが、駆動部30Aが支軸315,325を中心に回動した場合、ピン部材314A,324Aが、対応する押圧部材41の被摺動面部4121に当接し、被摺動面部4121を摺動しながら回動することで、それぞれの押圧部材41を下方向に移動させる。
以上の構成部により、第1駆動ユニット1が構成されている。
【0038】
本実施形態の第2駆動ユニット2は、第1駆動ユニット1と同様に構成されており、第1駆動ユニット1と対向する形態で配設されている。ここで、第1駆動ユニット1に対して、第2駆動ユニット2の異なる構成部に関して説明する。
【0039】
第1駆動ユニット1に対して、第2駆動ユニット2の異なる構成部は、第1駆動ユニット1における駆動部30Aが、駆動部30Bとして構成されていることである。なお、第1駆動ユニット1の駆動部30Aが、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとで構成されているのに対して、第2駆動ユニット2も、駆動部30Bが、第1駆動部31Bと第2駆動部32Bとで構成されている。
【0040】
そして、異なる構成は、詳細には、図4に示すように、第1駆動ユニット1における駆動部30Aの第1駆動部31Aおよび第2駆動部32Aを構成するピン部材314A,324Aが、それぞれ3つで構成されているのに対し、第2駆動ユニット2における駆動部30Bの第1駆動部31Bおよび第2駆動部32Bを構成するピン部材314B,324Bは、それぞれ4つで構成されていることである。なお、それ以外の構成部は、第1駆動ユニット1と同様であり、同様の構成部には同様の符号を付記している。
【0041】
なお、駆動部30Bを構成する第1駆動部31Bの4つのピン部材314Bは、駆動支持板311と連結支持板312とに挟まれて、支軸315を中心とする同心円状に、本実施形態では、略等間隔(約90度毎)に設置されている。また、駆動部30Bを構成する第2駆動部32Bの4つのピン部材324Bも、駆動支持板321と連結支持板322とに挟まれて、支軸325を中心とする同心円状に、本実施形態では、略等間隔(約90度毎)に設置されている。そして、このピン部材314Bとピン部材324Bとが、本実施形態では、それぞれ約45度ずれた位置関係となるように、第1駆動部31Bと第2駆動部32Bとが接続固定されて、駆動部30Bが構成されている。
【0042】
次に、図3、図4を参照して、第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット2におけるローラ部10、伝達部20、駆動部30A,30Bの動作に関して説明する。
マッサージ器100を人体の表面に載置(2つのローラ部10が人体表面に当接した状態)して、図中の矢印X方向(図面左方向)に移動させた場合における第1駆動ユニット1および第2駆動ユニット2の動作を説明する。
【0043】
第1駆動ユニット1において、最初に、ローラ部10が、マッサージ器100の移動に従動して、支軸13を中心に人体の表面に沿って矢印A方向に回転を開始する。ローラ部10の回転により、ローラ部10に固定される第1ギヤ211が回転する。次に、第1ギヤ211の回転により、第1ギヤ211に噛み合う中継ギヤ221が動力を伝達されて回転し、中継ギヤ部22が支軸223を中心に矢印B方向に回転を開始する。次に、中継ギヤ221の回転により、中継ギヤ221に噛み合う第2ギヤ231が動力を伝達されて回転することにより、第2ギヤ231を固定する駆動部30Aが支軸315,325を中心に矢印C方向に回転を開始する。そして、駆動部30Aが矢印C方向に回転を継続することにより、詳細は後述するが、駆動部30Aに対応する押圧部40は矢印G方向に往復動作を行なう。
【0044】
この動作は、第2駆動ユニット2においても、第1駆動ユニット1と同様に進行し、最初に、ローラ部10が、マッサージ器100の移動に従動して、矢印D方向に回転を開始する。そして、ローラ部10の回転により、中継ギヤ部22が矢印E方向に回転を開始する。そして、中継ギヤ部22の回転により、駆動部30Bが矢印F方向に回転を開始する。そして、駆動部30Bが矢印F方向に回転を継続することにより、詳細は後述するが、駆動部30Bに対応する押圧部40は矢印G方向に往復動作を行なう。なお、マッサージ器100の人体表面に対する押え方の違いによっては、第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット2との動作が同様に進行しない場合もある。
【0045】
図6は、ピン部材による押圧部の押圧動作を説明する図であり、図6(a)は、押圧部が押圧動作を開始する状態の図であり、図6(b)は、押圧部の押圧動作が途中の状態の図であり、図6(c)は、押圧部の押圧動作による突出量が最大となった状態の図である。なお、図6は、図4に示す第1駆動部31Aにおけるピン部材314Aと、それに対応する押圧部40との動作の流れを示している。ここで、図4、図6を参照して、第1駆動部31Aにおけるピン部材314Aと押圧部40との押圧動作を説明する。
【0046】
駆動部30A(第1駆動部31A、第2駆動部32A)が矢印C方向に回転を開始することにより、ピン部材314A,324Aも従動して、矢印C方向に回転を開始する。そして、矢印C方向に回転したピン部材314Aは、図4、図6(a)に示すように、押圧部材41の被摺動部412に形成した円錐形状を有する被摺動面部4121に当接する。
【0047】
なお、図6(a)に示す押圧部材41の状態は、ピン部材314Aが押圧部材41に当接しない期間の状態も示している。そして、この状態の押圧部材41は、上述したように、戻しバネ45により、鍔部413を上方向に押し上げ、鍔部413の上面部4131が、案内孔952の内部面952aに当接した形態となっている。この状態において、ピン部材314Aは、本実施形態では、下ケース92に対して突出量αだけ突出した形態となる。この状態の押圧部材41の位置が初期位置となる。
【0048】
なお、この突出量αは、ローラ部10の下ケース92に対する突出量と略同じ程度に設定されている。従って、マッサージ器100の人体表面への押え方や、人体表面の状態などによる、マッサージ器100の人体表面への設置状態によるが、この突出量αにおいては、押圧部材41による人体表面への押圧は、ほぼ行なわれない状態となる。
【0049】
なお、ピン部材314Aが被摺動面部4121に当接して更に回転が進んだ場合、図6(b)に示すように、ピン部材314Aは、回転に従動させ、戻しバネ45の力(戻し力)に抗して押圧部材41(被摺動部412の被摺動面部4121)を摺動する。この場合、ピン部材314Aは、外面が凸状曲面を有する円柱状の棒材であり、また、被摺動面部4121は、円錐形状を有する面であるため、滑らかな摺動が行なえる。また、押圧部材41が摺動されることにより、押圧部材41は、下ケース92に対して(人体の表面に対して)略垂直方向に移動を開始して、押圧部本体411の突出量を、押圧部材41の初期位置での突出量αに対して増やす動作を行なう。
【0050】
そして、ピン部材314Aが被摺動面部4121を摺動させ、円錐形状を有する被摺動面部4121の中心(頂点)Pに位置した場合、押圧部材41は、下ケース92に対して(人体の表面に対して)略垂直方向に最も移動した状態となり、最も突出した突出量βとなる。また、この状態のとき戻しバネ45が最も圧縮された状態となる。
【0051】
そして、ピン部材314Aが被摺動面部4121の頂点Pを通過して回転する場合にも、ピン部材314Aは、上述したように、被摺動面部4121を摺動する。この状態では、押圧部材41は、戻しバネ45の圧縮された戻し力により、突出量βから徐々に突出量を減らす方向に移動を行ない、押圧部材41を初期位置に戻す。そして、押圧部材41は、ピン部材314Aが被摺動面部4121を離れたとき(突出量αとなったとき)以降は、次のピン部材314Aが押圧部材41(被摺動面部4121)に当接するまで、初期位置の状態を保持することになる。
【0052】
上述した押圧部材41の一連の動作が押圧動作となる。そして、この押圧動作により、押圧部材41は、突出量αと突出量βとの間で、往復動作を行なうことになる。また、本実施形態の第1駆動部31Aにおけるピン部材314Aは、駆動支持板311と連結支持板312とに挟まれて、支軸315を中心とする同心円状に、約120度毎に設置され、全体では3つ用いており、突出量αと突出量βとの間での往復動作は間欠的な動作を行なうことになる。詳細には、第1駆動部31Aが1回転する間に、押圧部材41は、間欠的に、3回往復動作を行なうことになる。
【0053】
なお、押圧部材41が、突出量αから突出量βに移動することにより、ローラ部10の下ケース92に対する突出量以上に突出することで、人体表面に対して略垂直方向に押す動作を行なう。この人体表面に対して押す動作を行なうことにより、いわゆる指圧を行なうことになり、マッサージを行なう。
【0054】
また、人体表面に沿って、マッサージ器100の移動(ローラ部10の回転)を継続することにより、押圧部材41は、突出量αと突出量βとの間で、間欠的な往復動作を行なうことにより、人体表面に対して略垂直方向に押圧を繰り返す押圧動作を間欠的に行なうことになる。言い換えると、人体表面に対して略垂直方向に押圧する指圧を、間欠的に繰り返して行なうことができる。一方、人体表面に沿ってマッサージ器100の移動(ローラ部10の回転)を継続することにより、ローラ部10が回動動作を行ない、人体の表面に対して、揉む、さする、押すなどに類するマッサージを行なう。
【0055】
これまで、第1駆動ユニット1(駆動部30A)の第1駆動部31Aにおけるピン部材314Aと押圧部40との押圧動作の説明を行なったが、この押圧動作は、第2駆動部32Aにおいても同様となる。なお、第2駆動部32Aのピン部材324Aは、第1駆動部31Aのピン部材314Aと、それぞれ約60度ずれた位置関係となるように設置されているため、第2駆動部32Aのピン部材324Aに対応する押圧部材41は、第1駆動部31Aのピン部材314Aに対応する押圧部材41が初期位置を保持している期間の中間時点で、突出量αと突出量βとの間での往復動作を行なうことになる。言い換えると、摺動部としてのピン部材314A,324Aは、2つの押圧部材41および戻しバネ45に対し、それぞれ異なるタイミングで押圧動作させている。
【0056】
従って、第1駆動ユニット1における駆動部30Aは、2つの押圧部材41により、交互に、そして間欠的に、往復動作を行なうことにより、押圧動作を行なう。詳細には、駆動部30Aが1回転する間に、2つの押圧部材41は、それぞれ交互に3回ずつ、合計6回の往復動作を行なうことで、押圧動作を行なうことになる。
【0057】
また、第2駆動ユニット2における駆動部30Bの押圧動作も、上記第1駆動ユニット1における駆動部30Aの押圧動作と同様に行なわれることになる。異なる構成は、上述したように、第2駆動ユニット2における駆動部30Bの、第1駆動部31Bと第2駆動部32Bのピン部材314B,324Bとは、それぞれ4つ、約90度毎に設置されていることと、ピン部材314B,324Bとは、それぞれ約45度ずれて設置されていることである。
【0058】
第2駆動ユニット2における駆動部30Bも、第1駆動ユニット1における駆動部30Aと同様に、2つの押圧部材41により、交互に、そして間欠的に、往復動作を行ない押圧動作を行なう。詳細には、上述した異なる構成により、駆動部30Bが1回転する間に、2つの押圧部材41は、それぞれ交互に4回ずつ、合計8回の往復動作を行なうことで、押圧動作を行なうことになる。なお、第2駆動ユニット2における駆動部30Bの押圧部材41も、第1駆動ユニット1における駆動部30Aの押圧部材41と同様に、突出量αと突出量βとの間を往復動作させる設定としている。
【0059】
上述した実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態のマッサージ器100によると、ローラ部10を人体の表面に沿って回動する(転がす)回動動作により、人体の凝った部位の表面に対して、揉む、さする、押すなどに類するマッサージを行なうことができる。また、ローラ部10が、人体の凝った部位(人体の表面)を回動し、伝達部20は、ローラ部10の回動による動力を駆動部30A,30Bに伝達する。そして、駆動部30A,30Bは、伝達部20によりローラ部10の動力を伝達されて回動すると共に、押圧部40に押圧動作を行なわせる。そして、押圧部40は、駆動部30A,30Bにより、人体の表面に対して略垂直方向に押圧を繰り返して往復動作(押圧動作)を行なう。この押圧部40の動作により、人体の凝った部位の表面に対して略垂直方向に、押す(いわゆる指圧する)動作を行なうことができ、指圧効果が得られるマッサージを行なうことができる。従って、上述した簡易な構成で2種類の動作(回動動作と押圧動作)を行なうことが可能な手動式のマッサージ器100を実現することができる。また、簡易な構成であり、マッサージ器100を小型化できるため、取り扱い性も向上させることができる。また、人体の腕、肩、背中、腰、足など、使用できる部位も拡大し、マッサージ器100の汎用性も向上させることができる。
【0060】
(2)本実施形態のマッサージ器100によると、伝達部20は、第1ギヤ部21と中継ギヤ部22と第2ギヤ部23とを有している。そして、第1ギヤ部21はローラ部10に固定されてローラ部10の回動に従動して回動し、回動による動力を中継ギヤ部22に伝達する。そして、中継ギヤ部22は第1ギヤ部21と噛み合い、第1ギヤ部21の回動による動力を、駆動部30A,30Bに固定される第2ギヤ部23に伝達する。そして、第2ギヤ部23は伝達された動力により、駆動部30A,30Bを回動させることになる。このような構成により、簡易に伝達部20を構成することができ、効率的に動力を伝達させることができる。
【0061】
(3)本実施形態のマッサージ器100によると、押圧部40は、押圧動作を行なう押圧部材41と、押圧部材41を初期位置に戻すバネ部材としての戻しバネ45を有している。そして、駆動部30A,30Bは、摺動部としてのピン部材314A,324A,314B,324Bを有し、戻しバネ45の力に抗して押圧部材41を摺動することにより押圧部材41を押圧動作させる。このように、摺動部としてのピン部材314A,324A,314B,324Bを用いて、押圧部材41を摺動するという動作を行なうことにより、駆動部30A,30Bは、回動による動力を効率的に押圧部材41の押圧動作に変換することができる。また、このような摺動部としてのピン部材314A,324A,314B,324Bを有する駆動部30A,30Bと、押圧部材41と戻しバネ45とを有する押圧部40と、による効率的な構成と動作により、人体の凝った部位に対して、指圧する動作を行なわせることができる。また、押圧部材41は、戻しバネ45の動作により、機敏な押圧動作を行なうことができる。
【0062】
(4)本実施形態のマッサージ器100によると、摺動部としてのピン部材314A,324Aが、それぞれの押圧部材41および戻しバネ45に対し、それぞれ異なるタイミングとなる交互の動作で、押圧動作をさせている。また、同様に、摺動部としてのピン部材314B,324Bが、それぞれの押圧部材41および戻しバネ45に対し、それぞれ異なるタイミングとなる交互の動作で、押圧動作をさせている。これにより、同じタイミングで複数の押圧部材41に押圧動作を行なわせる場合に比べて、より効果的に、人体の凝った部位に対して指圧する動作を行なわせることができる。
【0063】
(5)本実施形態のマッサージ器100によると、駆動部30Aが1回転する間に、ピン部材314A,324Aにより、2つの押圧部材41は、それぞれ間欠的に3回ずつ、合計6回の往復動作を行なうことで、押圧動作を行なうことにより、更に効果的に、人体の凝った部位に対して指圧する動作を行なわせることができる。また、駆動部30Bが1回転する間に、ピン部材314B,324Bにより、2つの押圧部材41は、それぞれ間欠的に4回ずつ、合計8回の往復動作を行なうことで、押圧動作を行なうことにより、更に効果的に、人体の凝った部位に対して指圧する動作を行なわせることができる。
【0064】
(6)本実施形態のマッサージ器100によると、摺動部としてのピン部材314A,324Aは、凸状曲面となる円柱状の部材として、円柱状の棒材を用いている。これにより、押圧部材41を摺動させ易くなり、また、摺動部を簡易に構成できる。
【0065】
(7)本実施形態のマッサージ器100によると、ローラ部10の外周面全体を覆う形態で、弾性部材としてのゴムシート12が設置されている。これにより、ローラ部10を、人体の表面に沿って回動する回動動作を行なう場合、弾性部材の有する弾性により、人体表面への衝撃を和らげて回動動作を行なうことができ、人体の凝った部位に対して、揉む、さする、押すなどに類するマッサージを効果的に行なうことができる。また、ゴムシート12の弾性により、人体の表面に対して滑らずに転がすことができ、効率的にローラ部10を回動させることができるため、押圧部40を効率的に動作させることができる。
【0066】
(8)本実施形態のマッサージ器100によると、マッサージ器100は、第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット2との2つの駆動ユニットから構成されている。なお、第1駆動ユニット1は、ローラ部10と伝達部20と押圧部40と駆動部30Aとで構成される。そして、第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット2とは、殆ど同様の構成部で構成されており、それぞれ独立して、略同様の動作(回動動作、押圧動作)を行なう。そして、第1駆動ユニット1を1つ(1セット)とした場合、2つ(2セット)使用したと言える構成となっている。この構成により、更に効率的にマッサージを行なうことができる。
【0067】
(9)本実施形態のマッサージ器100によると、人体表面に対して押圧部材41が押す動作(指圧)を行なう際、押圧部本体411の一端となる押圧面部4111が人体表面に接触することになるが、この、押圧面部4111は、半球面状に形成されているため、人体表面に対して接触および押圧しても過度の刺激を与えることを防止できる。
【0068】
なお、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良などを加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)前記実施形態のマッサージ器100では、図3、図4において、図中の矢印X方向(図面左方向)に移動させた場合に関して動作を説明したが、図面右側方向に移動させて使用することも当然可能であり、その場合には、ローラ部10と伝達部20と駆動部30A,30Bの回転方向が全て逆方向となり、同様の効果を奏することができる。
【0069】
(変形例2)前記実施形態のマッサージ器100では、伝達部20は、第1ギヤ部21と中継ギヤ部22と第2ギヤ部23とで構成され、それぞれ、第1ギヤ211と中継ギヤ221と第2ギヤ231とを有して構成されている。しかし、これに限られず、中継ギヤ部22は省く形態でもよい。また、中継ギヤ部22が2つ以上の中継ギヤで構成されることでもよい。
【0070】
(変形例3)前記実施形態のマッサージ器100では、伝達部20は、第1ギヤ部21と中継ギヤ部22と第2ギヤ部23とを有して構成されている。しかし、これに限られず、中継ギヤ部22をベルト状の部材に変更し、第1ギヤ部21と第2ギヤ部23とに掛け渡して、第1ギヤ部21の動力を第2ギヤ部23に伝達してもよい。また、第1ギヤ部21と第2ギヤ部23はギヤを形成せず、プーリとして形成し、そこにベルトを掛け渡す構成としてもよい。
【0071】
(変形例4)前記実施形態のマッサージ器100では、ローラ部10の外周面全体を覆う形態で、弾性部材としてのゴムシート12が設置され、ゴムシート12は、略一様の厚さを有するシート材を用いている。しかし、これに限られず、凹凸部を形成したゴムシートを用いてもよい。また、半球面状に突出させて形成した弾性部材を、ローラ部10の外周面に規則的に、またはランダムに設置することでもよい。
【0072】
(変形例5)前記実施形態のマッサージ器100では、摺動部としてのピン部材314A,324A,314B,324Bは、凸状曲面となる円柱状の部材として、円柱状の棒材を用いている。しかし、これに限られず、凸状曲面となる円柱状の部材であるならばよい。また、凸状曲面となる円柱状の形状部(摺動部としての機能を持たせる部分)と、押圧部材41が初期位置に位置した場合に被摺動面部4121に当接しない凹状面となる形状部とを有する一体の部材として形成してもよい。
【0073】
(変形例6)前記実施形態のマッサージ器100では、駆動系として、第1駆動ユニット1と第2駆動ユニット2との2つの駆動ユニットから構成されている。言い換えると、第1駆動ユニット1を1つ(1セット)とした場合、2つ(2セット)使用したと言える構成となっている。しかし、これに限られず、第1駆動ユニット1(ローラ部10と伝達部20と押圧部40と駆動部30A)と、1つのローラ部10(回動のみ行なう)と、で駆動系が構成されても、略同様の効果を奏することができる。また、3セット以上使用した構成としてもよい。
【0074】
(変形例7)前記実施形態のマッサージ器100では、第1駆動ユニット1における駆動部30Aの押圧部材41と、第2駆動ユニット2における駆動部30Bの押圧部材41は、初期位置での突出量αと、最大時での突出量βとは同じ設定としている。しかし、これに限られず、それぞれの押圧部材41による突出量をそれぞれ異ならせてもよい。駆動部30Aにおける第1駆動部31Aと第2駆動部32Aでのそれぞれの押圧部材41や、駆動部30Bにおける第1駆動部31Bと第2駆動部32Bでのそれぞれの押圧部材41の突出量に関しても同様である。
【0075】
(変形例8)前記実施形態のマッサージ器100では、駆動部30Aが1回転する間に、対応するそれぞれの押圧部材41は、それぞれ3回往復動作を行なう。また、駆動部30Bが1回転する間に、対応するそれぞれの押圧部材41は、それぞれ4回往復動作を行なう。しかし、これに限られず、往復動作の回数は適宜決めることができる。
【0076】
(変形例9)前記実施形態のマッサージ器100では、第1駆動ユニット1における駆動部30Aは、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとの2つの駆動部で構成され、それぞれ押圧部材41を駆動している。しかし、これに限られず、使用する駆動部の数量は、適宜決めることができる。第2駆動ユニット2における駆動部30Bに関しても同様である。
【0077】
(変形例10)前記実施形態のマッサージ器100では、第1駆動ユニット1における駆動部30Aは、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとの2つの駆動部で構成され、それぞれ1つの押圧部材41を駆動している。しかし、これに限られず、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとの2つの駆動部で駆動する押圧部材41の数量は、それぞれ複数であってもよく、適宜決めることができる。第2駆動ユニット2における駆動部30Bに関しても同様である。
【0078】
(変形例11)前記実施形態のマッサージ器100では、第1駆動ユニット1における駆動部30Aは、第1駆動部31Aと第2駆動部32Aとの2つの駆動部で構成され、それぞれの押圧部材41をタイミングをずらして駆動している。しかし、これに限られず、同じタイミングで駆動することでもよく、適宜決めることができる。第2駆動ユニット2における駆動部30Bに関しても同様である。
【0079】
なお、本発明を実施するための最良の形態を、上記記載で開示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して図示し、かつ、説明しているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に対し、詳細な構成部材の形状・材質・数量・設置位置などにおいて、当業者が様々な変形(変更ならびに改良)を加えることができるものである。従って、詳細な構成部材の形状・材質・数量・設置位置などにおいて、当業者が様々な変形を加えることにより実施する場合も本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本実施形態に係るマッサージ器の斜視図であり、(a)はマッサージ器の上面側からの斜視図であり、(b)はマッサージ器の底面側からの斜視図。
【図2】マッサージ器の駆動系の上側からの斜視図。
【図3】マッサージ器の駆動系の下側からの斜視図。
【図4】マッサージ器の駆動系の側面図。
【図5】マッサージ器の駆動部と押圧部との位置関係を示す斜視図。
【図6】ピン部材による押圧部の押圧動作を説明する図であり、(a)は押圧部が押圧動作を開始する状態の図であり、(b)は押圧部の押圧動作が途中の状態の図であり、(c)は押圧部の押圧動作による突出量が最大となった状態の図。
【符号の説明】
【0081】
1…第1駆動ユニット、2…第2駆動ユニット、10…ローラ部、20…伝達部、21…第1ギヤ部、22…中継ギヤ部、23…第2ギヤ部、30A,30B…駆動部、31A,31B…第1駆動部、32A,32B…第2駆動部、40…押圧部、41…押圧部材、45…戻しバネ、100…マッサージ器、211…第1ギヤ、221…中継ギヤ、231…第2ギヤ、314A,314B,324A,324B…ピン部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の表面に沿って回動する回動動作を行なうローラ部と、
前記ローラ部の回動による動力を伝達する伝達部と、
前記人体の表面に対して略垂直方向に押圧を繰り返す押圧動作を行なう押圧部と、
前記伝達部により前記ローラ部の動力を伝達されて回動すると共に、前記押圧部に前記押圧動作を行なわせる駆動部と、を有することを特徴とするマッサージ器。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ器であって、
前記伝達部は、
前記ローラ部に固定され、当該ローラ部の回動に従動して回動する第1ギヤ部と、
前記第1ギヤ部と噛み合い、当該第1ギヤ部の回動による動力を伝達されて回動する中継ギヤ部と、
前記駆動部に固定され、前記中継ギヤ部と噛み合い、当該中継ギヤ部の回動による動力を伝達されて回動する第2ギヤ部と、を有することを特徴とするマッサージ器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のマッサージ器であって、
前記押圧部は、前記押圧動作を行なう押圧部材と、当該押圧部材を初期位置に戻すバネ部材とを有し、
前記駆動部は、前記バネ部材の力に抗して前記押圧部材を摺動することにより前記押圧部材に前記押圧動作を行なわせる摺動部を有していることを特徴とするマッサージ器。
【請求項4】
請求項3に記載のマッサージ器であって、
前記押圧部は、前記押圧部材と前記バネ部材とを複数有し、
前記駆動部が有する前記摺動部は、前記複数の押圧部材およびバネ部材に対し、それぞれ異なるタイミングで前記押圧動作を行なわせることを特徴とするマッサージ器。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のマッサージ器であって、
前記摺動部は、凸状曲面を有する部材で構成されていることを特徴とするマッサージ器。
【請求項6】
請求項5に記載のマッサージ器であって、
前記摺動部は、前記凸状曲面となる円柱状の部材を有して構成されていることを特徴とするマッサージ器。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のマッサージ器であって、
前記ローラ部の外周面には、弾性部材が設置されていることを特徴とするマッサージ器。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のマッサージ器であって、
前記ローラ部と前記伝達部と前記押圧部と前記駆動部とを1セットとした場合、複数セット有して構成されていることを特徴とするマッサージ器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−183576(P2009−183576A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28506(P2008−28506)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】