説明

マッサージ機

【課題】 簡易な構成で、個体差や被施療部位の長手方向の太さ(幅)の違いに対しても適切なマッサージを行うことのできるマッサージ機を提供する。
【解決手段】 溝底面21上であって、施療子3と支持面22との間に載置された被施療部位を、施療子3により押圧して、支持面22との間で、該被施療部位を挟み込み、挟み込む圧力の増減により被施療部位をマッサージ可能なマッサージ機において、施療子3が、被施療部位の長手方向に対して複数設けられると共に、膨張圧力によって、複数の施療子3を同時に押圧することにより、これら複数の施療子3を一括して駆動する駆動用エアバック32を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療部位を挟み込むようにマッサージを行うマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
腕や脚などの肢体をマッサージするマッサージ機として、末端から中枢に向かって圧力を順次加えることによって、血液などの還流を促進するものが知られている。このようなマッサージ機においては、被施療部位に対して巻き付けたりブーツ形状のものを履いたりする装着方式のものと、床などの所定の位置に設置して使用する据置方式のものがある。
【0003】
後者の方式においては、例えば、被施療部位を嵌める溝を設けて、この溝の内側に複数のエアバックを並べたものがある(例えば、特許文献1,2参照)。このようなマッサージ機においては、溝の形状及び寸法が固定されるため、個体差に対して十分に対応できない問題がある。すなわち、腕や脚などの被施療部位の太さ(幅)の違いによって、施療されるときの押圧力が異なってしまい、適切なマッサージを受けることができない場合がある。
【0004】
これに対して、被施療部位を嵌める溝の側面側の部材を可動させる機構を設けることによって、個体差に対応可能としたマッサージ機も知られている(例えば、特許文献3,4参照)。特許文献3には、一対の側壁面のうちの一方を揺動可能に構成し、その内側にエアバックを設けた技術が開示されている。この技術によれば、個体差による被施療部位の太さ(幅)の違いに対応できる。しかしながら、特許文献3に開示されたものは、被施療部位を挟み込む部材が1組のみにより構成されている。従って、被施療部位における長手方向の太さ(幅)の違いには対応しにくく、また、末端から中枢に向かって圧力を順次加えるようなマッサージを行うこともできない。一方、特許文献4には、被施療部位を挟み込む挟持部材を被施療部位の長手方向に複数設けた技術が開示されている。この技術によれば、個体差による被施療部位の太さ(幅)の違いに対応でき、かつ、被施療部位における長手方向の太さ(幅)の違いにも対応できる。また、末端から中枢に向かって圧力を順次加えるようなマッサージを行うこともできる。しかしながら、被施療部位における長手方向の太さ(幅)の違いに適切に対応するために、各挟持部材による被施療部位への押圧力を個別に検出し、検出値に応じて各挟持部材をそれぞれ駆動制御する必要がある。そのため、構造が複雑化したり、制御構成が複雑化したりする傾向にある。
【0005】
その他に関連する技術として、特許文献5,6に開示されたものがある。
【特許文献1】特開平11−347082号公報
【特許文献2】特開2000−316931号公報
【特許文献3】特開2004−147985号公報
【特許文献4】特開2002−360645号公報
【特許文献5】特開2004−97459号公報
【特許文献6】特開平8−89540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡易な構成で、個体差や被施療部位の長手方向の太さ(幅)の違いに対しても適切なマッサージを行うことのできるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0008】
すなわち、本発明のマッサージ機は、
被施療部位が載置される載置面と、
揺動自在に軸支された揺動部材と、
該揺動部材に対向する対向面と、を備え、
前記載置面上であって、前記揺動部材と対向面との間に載置された被施療部位を、前記揺動部材により押圧して、前記対向面との間で、該被施療部位を挟み込み、挟み込む圧力の増減により被施療部位をマッサージ可能なマッサージ機において、
前記揺動部材が、被施療部位の長手方向に対して複数設けられると共に、
膨張圧力によって、複数の揺動部材を同時に押圧することにより、これら複数の揺動部材を一括して駆動する駆動用エアバックを備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、揺動部材に対向する「対向面」は、固定された壁の壁面であっても良いし、可動に構成された部材の壁面であっても良い。従って、例えば、一対の揺動部材によって、被施療部位を挟み込む構成も本発明に含まれる。
【0010】
本発明によれば、揺動部材により被施療部位を挟み込む構成であるので、個体差による被施療部位の太さ(幅)の違いにも適切に対応できる。また、揺動部材は被施療部位の長手方向に複数設けられる構成であるので、被施療部位の長手方向の太さ(幅)の違いに対しても適切に対応できる。そして、本発明は、駆動用エアバックによる膨張圧力によって、複数の揺動部材を同時に押圧して、一括してこれらを駆動する構成を採用している。そのため、各揺動部材を個別に駆動させる必要がなく、また、各揺動部材への押圧力は均等となる。従って、極めて簡易な構成で、施療部位の長手方向の太さ(幅)の違いに対して適切に対応できる。つまり、各揺動部材について押圧力を検出して、検出した値に基づいて個別に駆動制御する必要がない。
【0011】
また、複数の揺動部材に、被施療部位に対して押圧施療を施す第1施療用エアバックがそれぞれ設けられているとよい。
【0012】
これにより、より一層、被施療部位の形状に応じたマッサージが可能となる。
【0013】
また、前記駆動用エアバックに対する給気及び排気と、各第1施療用エアバックに対する給気及び排気を独立に制御する制御手段を備え、
該制御手段は、駆動用エアバックを膨張させた状態で、各第1施療用エアバックに対して給気及び排気の制御を行うとよい。
【0014】
これにより、被施療部位を挟み込んだ状態で、第1施療用エアバックにより被施療部位に対してマッサージを施すことができる。すなわち、複数の揺動部材によって被施療部位を長手方向にほぼ均等な力で保持した状態で、複数の第1施療用エアバックによって押圧施療を施すことができる。
【0015】
ここで、前記制御手段は、各第1施療用エアバックに対して、それぞれ独立に給気及び排気の制御を行うとよい。
【0016】
これにより多種多様なマッサージを施すことができる。例えば、末端から中枢に向かって圧力を順次加えるようなマッサージを行うことができる。
【0017】
また、前記対向面側にも、被施療部位に対して押圧施療を施す第2施療用エアバックが設けられているとよい。
【0018】
これにより、対向面側においても、被施療部位の形状に適切に対応できる。
【0019】
前記駆動用エアバックの給気及び排気と第2施療用エアバックの給気及び排気は、同期して制御されるとよい。
【0020】
これにより、被施療部位を挟み込む動作や挟み込みを解除する動作を素早く行うことができる。また、被施療部位を挟み込むことによる当該被施療部位の保持をより確実に行うことができる。
【0021】
前記載置面から出没し、被施療部位に指圧的なマッサージを施す指圧子が設けられているとよい。
【0022】
これにより、被施療部位に対して挟み込むようなマッサージだけでなく、指圧的なマッサージも行うことができる。なお、複数の揺動部材によって被施療部位を挟み込んで、当該被施療部位を保持した状態で指圧子によりマッサージが行われることにより、効果的に指圧的なマッサージを行うことができる。
【0023】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構成で、個体差や被施療部位の長手方向の太さ(幅)の違いに対しても適切なマッサージを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0026】
図1〜図8を参照して、本発明の実施例に係るマッサージ機について説明する。
【0027】
<マッサージ機全体の説明>
特に、図1及び図2を参照して、本発明の実施例に係るマッサージ機全体について説明する。図1は本発明の実施例に係るマッサージ機の正面図である。図2は本発明の実施例に係るマッサージ機の斜視図である。
【0028】
本発明の実施例に係るマッサージ機1は、被施療部位(本実施例では、肢体(特に、ふくらはぎや足裏)が対象となる)を嵌め込むための左右一対の溝2が設けられている。そして、各溝2の外側には、長手方向にそれぞれ3個の揺動部材(以下、施療子3と称する)が設けられている。これらの施療子3は溝2の底側で揺動自在に軸支されている。また、各施療子3の内側には被施療部位に対して押圧施療を施す第1施療用エアバック31がそれぞれ設けられている。そして、溝2の内側の支持面(施療子3に対向する対向面)22側にも被施療部位に対して押圧施療を施す第2施療用エアバック4が設けられている。また、溝2の底側にも溝底面21に設けられた開口部から出没することにより、被施療部位に対して指圧的なマッサージを施す指圧子5が設けられている。また、マッサージ機1の本体中央部にマッサージ機1を操作するための操作部6が設けられている。
【0029】
<マッサージ機の使用方法>
次に、上記のように構成されたマッサージ機1の使用方法を説明する。使用者は、両足のふくらはぎや足裏などの被施療部位を一対の溝2にそれぞれ嵌め込む。すなわち、被施療部位を載置面となる溝2の溝底面21に載置する。そして、操作部6を操作することによって、マッサージ機1を駆動させる。すると、各施療子3は内側に倒れたり、外側に開いたりする動作を行う。これにより、被施療部位が、施療子3と溝2の内側の支持面22によって、両側から挟み込まれ、また、挟み込まれる圧力は増減する。従って、被施療部位は、両側から挟みこまれるようなマッサージが施される。また、被施療部位は、各施療子3に設けられた第1施療用エアバック31と、支持面22に設けられた第2施療用エアバック4によって、両側から押圧施療が施される。なお、施療子3と溝2の内側の支持面22による被施療部位を挟み込む力は一定のまま、これらにより、被施療部位を保持させておき、例えば、第1施療用エアバック31による膨張圧力を変化させることで、被施療部位に対して押圧マッサージを施すこともできる。
【0030】
また、指圧子5が溝底面21に設けられた開口部から出没する動作を繰り返す。これにより、被施療部位の下面側に対して、指圧的なマッサージが施される。なお、上記のように、施療子3と溝2の内側の支持面22によって被施療部位を保持した状態で、指圧子5を駆動させることで、効果的に指圧的なマッサージを施すことができる。
【0031】
<施療子の駆動機構の詳細>
特に、図3〜図6を参照して、施療子3の駆動機構について説明する。図3及び図4は本発明の実施例に係るマッサージ機における施療子を駆動する機構付近を正面側から見た構成図である。なお、図3は施療子が外側に開いた状態を示し、図4は施療子が内側に倒れた状態を示している。図5は本発明の実施例に係るマッサージ機における施療子を駆動する機構を側面側から見た模式図である。図6は本発明の実施例に係るマッサージ機における施療子の駆動の様子を示す模式的断面図である。なお、図6は図5におけるAA断面に相当する。
【0032】
施療子3は、マッサージ機本体の土台(ケース)に対して、溝2の溝底面21側において、第1の軸35により揺動自在に軸支されている。そして、施療子3は第1連結部材33及び第2連結部材34によって揺動されるように構成されている。以下、これら第1連結部材33及び第2連結部材34について、特に、図3及び図4を参照して、更に詳細に説明する。
【0033】
第2連結部材34は、その一端がマッサージ機本体の土台(ケース)に対して、上記第1の軸35よりも更に下側で、第2の軸36により揺動自在に軸支されている。一方、第1連結部材33は、その一端が施療子3に対して、第3の軸37により揺動自在に軸支されている。また、第1連結部材33と第2連結部材34は、第4の軸38により揺動自在に軸支されている。このように、施療子3は4節リンク機構によって、マッサージ機本体に連結されている。
【0034】
そして、第4の軸38によって、お互いに連結された第1連結部材33及び第2連結部材34の背面側(つまり、第1連結部材33及び第2連結部材34と、マッサージ機本体の土台(ケース)の底面及び側面との間)には、駆動用エアバック32が設けられている。この駆動用エアバック32が給気により膨張すると、膨張圧力によって、第1連結部材33及び第2連結部材34は図4中矢印方向に回転するように押し上げられる。これにより、第3の軸37に力が作用するため、施療子3は第1の軸35を中心として、図4中矢印方向に回転する。つまり、施療子3は内側に倒れるように揺動する。また、駆動用エアバック32が排気により収縮すると、施療子3は自重や被施療部位からの反力によって、元の位置に戻る(図4中の矢印とは反対の向きに回転する)。
【0035】
ここで、駆動用エアバック32は、図5及び図6に示すように、並べて配置された3つの施療子3にそれぞれ設けられた全ての第1連結部材33及び第2連結部材34に対して当接するように設けられている。また、駆動用エアバック32の各第1連結部材33及び第2連結部材34に対する接触面積は、略等しくなるように構成されている。これにより、駆動用エアバック32の膨張収縮によって、全ての施療子3は同時に駆動される。つまり、本実施例においては、一つの駆動用エアバック32によって、複数(本実施例では3個)の施療子3を一括して駆動するように構成している。また、駆動用エアバック32内のエアの圧力はどこも等しく、上記の通り、駆動用エアバック32の各第1連結部材33及び第2連結部材34に対する接触面積は略等しい。従って、それぞれの第1連結部材33及び第2連結部材34が駆動用エアバック32から受ける力(図6中、矢印P)は、いずれも略等しい。従って、被施療部位の長手方向の太さ(幅)が異なることにより、各施療子3の倒れ角度がそれぞれ異なっていた場合でも、各施療子3に対して作用する駆動力はいずれも略等しくなる。なお、図6中Xは被施療部位の表面位置の一例を示している。
【0036】
<駆動制御構成>
特に、図7を参照して、本実施例に係るマッサージ機1の駆動制御構成を説明する。図7は本発明の実施例に係るマッサージ機を駆動するための構成を説明するブロック図である。
【0037】
図7には、各種エアバックを膨張または収縮させるための空気の流れと、電気的な制御系統について示されている。図7において、70はエアポンプであり、71は駆動用エアバック32と第2施療用エアバック4を同期して制御するための第1エアバルブであり、72は第1施療用エアバック31を制御するための第2エアバルブである。なお、特に図示はしないが、3つの施療子3にそれぞれ設けられた第1施療用エアバック31に対して、それぞれ独立に第2エアバルブ72が設けられている。従って、各第1施療用エアバック31は、それぞれ独立に制御される。これらの第1エアバルブ71及び第2エアバルブ72は、弁の開閉により、各エアバックに対して給気するか排気するかを切り替えることができる。なお、図中矢印Eは排気方向を示している。
【0038】
また、図7に示すように、本実施例では、左右一対となるように設けられた第1施療用エアバック31,駆動用エアバック32及び第2施療用エアバック4は、左右の各エアバックに対して同期して制御するようにしている。これは、両足のふくらはぎや足裏に対して、同時に同じ施療を施すためである。
【0039】
また、図7中、8は第1エアバルブ71及び第2エアバルブ72を制御する制御基板であり、6は制御基板8に入力信号を送信する操作部であり、9は電源である。
【0040】
以上の構成により、操作部6からの入力信号に基づいて、制御基板8は、エアポンプ70をオンオフ制御すると共に、第1エアバルブ71及び第2エアバルブ72を制御する。なお、第1エアバルブ71によって、駆動用エアバック32と第2施療用エアバック4に対して同時に給気を行うことで、駆動用エアバック32が膨張して施療子3が内側に倒れ、第2施療用エアバック4も同時に膨張する。これにより、施療子3と第2施療用エアバック4によって、被施療部位は両側から挟み込まれる。また、第2施療用エアバック4の膨張によって、被施療部位は押圧施療が施される。また、第2エアバルブ72によって第1施療用エアバック31に対して給気を行うことで、第1施療用エアバック31は膨張する。これにより、被施療部位は、押圧施療が施される。
【0041】
<本実施例に係るマッサージ機の優れている点>
上記のように構成された本実施例に係るマッサージ機1によれば、次のような点で優れている。すなわち、本実施例に係るマッサージ機1は、揺動する施療子3によって、被施
療部位を挟み込む構成であるので、個体差による被施療部位の太さ(幅)の違いにも適切に対応できる。また、長手方向に並んで配置された複数(本実施例では3個)の施療子3によって、被施療部位を挟み込むため、被施療部位の長手方向における太さ(幅)の違いに対しても適切に対応できる。
【0042】
そして、一つの駆動用エアバック32により、複数の施療子3を一括して駆動するため、構成を簡易化することができる。また、長手方向に並んで配置された複数の施療子3に対して、駆動用エアバック32により、それぞれ略等しい駆動力が作用する。そのため、被施療部位の長手方向における太さ(幅)が違っていても、各箇所に均一な力が作用する。従って、複雑な制御構成を必要とすることなく、極めて簡易な構成で、被施療部位の長手方向における太さ(幅)の違いに対しても適切に対応できる。
【0043】
また、本実施例においては、被施療部位の両側をエアバック(第1施療用エアバック31及び第2施療用エアバック4)により挟み込んで押圧施療を施す構成である。従って、より一層、被施療部位の形状に応じたマッサージが可能である。
【0044】
また、駆動用エアバック32を膨張させて、被施療部位を施療子3によって挟み込んで保持した状態で、第1施療用エアバック31を膨張収縮すれば、効果的に押圧施療を施すことができる。また、長手方向に並んで配置された複数の第1施療用エアバック31を独立に制御することで、多種多様なマッサージを施すことができる。例えば、末端から中枢に向かって圧力を順次加えるようなマッサージを行うことができる。
【0045】
また、本実施例では、駆動用エアバック32の給気及び排気と第2施療用エアバック4の給気及び排気を、同期して制御するようにしたので、被施療部位を挟み込む動作や挟み込みを解除する動作を素早く行うことができる。また、被施療部位を挟み込むことによる当該被施療部位の保持をより確実に行うことができる。
【0046】
更に、本実施例では、被施療部位を載置する載置面となる溝底面21から出没し、被施療部位に指圧的なマッサージを施す指圧子5が設けられている。これにより、被施療部位に対して挟み込むようなマッサージだけでなく、指圧的なマッサージも行うことができる。なお、複数の施療子3によって被施療部位を挟み込んで、当該被施療部位を保持した状態で指圧子5によりマッサージが行われることにより、効果的に指圧的なマッサージを行うことができる。
【0047】
<駆動機構の変形例>
上述の駆動機構においては、4節リンク機構を採用した場合を示した。しかし、駆動機構はこれに限られることなく、各種公知技術を採用することができる。そこで、他の駆動機構の一例について図8を参照して説明する。図8は施療子の駆動機構の変形例を示す模式図である。
【0048】
図示のように、揺動軸35aによって揺動自在に軸支された施療子3aの内側に、駆動用エアバック32aを設ける。この駆動用エアバック32aは、揺動軸35aよりも下側の部分に対して押圧するように設けられる。このような構成により、駆動用エアバック32aが膨張すると、施療子3aを図中矢印S方向に押圧するため、施療子3aは図中矢印T方向に回転する。つまり、施療子3aは内側に倒れるように揺動する。従って、施療子3は、上記の駆動機構の場合と同様の動作を行う。
【0049】
このような駆動機構を用いれば、4節リンク機構を採用する場合よりも機構が簡易化するため、施療子3aの揺動軸35aよりも下側かつ内側に、駆動用エアバック32aを設置するスペースがある場合には、有効である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は本発明の実施例に係るマッサージ機の正面図である。
【図2】図2は本発明の実施例に係るマッサージ機の斜視図である。
【図3】図3は本発明の実施例に係るマッサージ機における施療子を駆動する機構付近を正面側から見た構成図である(施療子が外側に開いた状態)。
【図4】図4は本発明の実施例に係るマッサージ機における施療子を駆動する機構付近を正面側から見た構成図である(施療子が内側に倒れた状態)。
【図5】図5は本発明の実施例に係るマッサージ機における施療子を駆動する機構を側面側から見た模式図である。
【図6】図6は本発明の実施例に係るマッサージ機における施療子の駆動の様子を示す模式的断面図である。
【図7】図7は本発明の実施例に係るマッサージ機を駆動するための構成を説明するブロック図である。
【図8】図8は施療子の駆動機構の変形例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0051】
1 マッサージ機
2 溝
21 溝底面
22 支持面
3,3a 施療子
4 施療用エアバック
5 指圧子
6 操作部
8 制御基板
31 第1施療用エアバック
32,32a 駆動用エアバック
33 第1連結部材
34 第2連結部材
35 第1の軸
35a 揺動軸
36 第2の軸
37 第3の軸
38 第4の軸
70 エアポンプ
71 第1エアバルブ
72 第2エアバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療部位が載置される載置面と、
揺動自在に軸支された揺動部材と、
該揺動部材に対向する対向面と、を備え、
前記載置面上であって、前記揺動部材と対向面との間に載置された被施療部位を、前記揺動部材により押圧して、前記対向面との間で、該被施療部位を挟み込み、挟み込む圧力の増減により被施療部位をマッサージ可能なマッサージ機において、
前記揺動部材が、被施療部位の長手方向に対して複数設けられると共に、
膨張圧力によって、複数の揺動部材を同時に押圧することにより、これら複数の揺動部材を一括して駆動する駆動用エアバックを備えることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
複数の揺動部材に、被施療部位に対して押圧施療を施す第1施療用エアバックがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記駆動用エアバックに対する給気及び排気と、各第1施療用エアバックに対する給気及び排気を独立に制御する制御手段を備え、
該制御手段は、駆動用エアバックを膨張させた状態で、各第1施療用エアバックに対して給気及び排気の制御を行うことを特徴とする請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記制御手段は、各第1施療用エアバックに対して、それぞれ独立に給気及び排気の制御を行うことを特徴とする請求項3に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記対向面側にも、被施療部位に対して押圧施療を施す第2施療用エアバックが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記駆動用エアバックの給気及び排気と第2施療用エアバックの給気及び排気は、同期して制御されることを特徴とする請求項5に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記載置面から出没し、被施療部位に指圧的なマッサージを施す指圧子が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のマッサージ機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate