説明

マッサージ機

【課題】使用者個々の好みの位置でマッサージを行うことが可能なマッサージ機を提供する。
【解決手段】脚用支持部12には、使用者の身体の少なくとも一部位である脚部に対して把持及び開放動作を繰り返し行うエアバッグ16が設けられるとともに、そのエアバッグ16による使用者の身体の把持位置を変位させる変位手段としての並進アクチュエータ30が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体を揺動動作させることでマッサージ効果を付与するマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の身体に対して外的な刺激を与えるマッサージ機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1のマッサージ機は、例えば使用者が仰向けに寝た状態で使用者の身体の一部である脚部(例えば両足首)を載せる脚載台を使用者の左右方向に往復揺動させて使用者の両脚等の下半身(脚部全体)が使用者の腰部を中心として比較的ゆっくりとした揺動運動が実施され、所謂金魚運動を自動で行わせるようになっている。そして、使用者の両脚を左右に比較的ゆっくりとした揺動動作をさせて所謂金魚運動を行わせることで使用者の脚部の緊張状態を緩和、つまりリラックス効果を付与させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−268712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなマッサージ機において、使用者の好みの位置でマッサージを行うためには、マッサージ機全体を移動させたり使用者自らが移動したりする必要があり、利便性の面で改善の余地が残されている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、使用者個々の好みの位置でマッサージを行うことが可能なマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者の身体の一部を支持する身体部位支持手段と、該身体部位支持手段を揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段にて前記揺動駆動手段を制御して前記身体部位支持手段を揺動動作させることで前記使用者の身体を揺動させてマッサージを行うマッサージ機であって、前記身体部位支持手段は、前記使用者の身体の少なくとも一部位に対して把持及び開放動作を繰り返し行う把持開放手段を備え、前記把持開放手段による前記使用者の身体の把持位置を変位させる変位手段が設けられたことをその要旨とする。
【0007】
この発明では、身体部位支持手段に使用者の身体の少なくとも一部位に対して把持及び開放動作を繰り返し行う把持開放手段が設けられることで、把持開放手段による把持動作と開放動作の切り替えで身体に付与する揺動動作に変化をつけることができる。これに加えて、把持開放手段による使用者の身体の把持位置を変位させる変位手段が設けられるため、把持開放手段よる使用者の身体の把持位置を変位させることで、使用者の好みの位置で使用することができる。この時、把持開放手段を変位させることができるため、マッサージ機全体を移動させたり、使用者自らが移動したりすることで使用者の好みの位置に位置合わせをする必要がなくなり、利便性を向上させることができる。また、把持開放手段の位置を変位させることで、身体部位の揺動部分がより顕著に変化し,より多くの身体部位をマッサージできるようになる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ機において、前記変位手段は、前記身体部位支持手段を移動させることで前記把持開放手段による把持位置を変位させるよう構成されたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、変位手段は、身体部位支持手段を移動させることで把持開放手段による把持位置を変位させるよう構成される。このように把持開放手段が設けられる身体部位支持手段を移動させる簡素な構成にて把持開放手段による身体の把持位置を変位させることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ機において、前記把持開放手段は、前記身体部位支持手段に対して複数設けられ、前記制御手段は、複数設けられる前記把持開放手段のそれぞれを独立して把持及び開放動作が可能に構成され、前記変位手段は、複数設けられる前記把持開放手段の内の動作する把持開放手段を変更することで前記使用者の身体の把持位置を変位させるよう構成されたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、把持開放手段は、身体部位支持手段に対して複数設けられ、制御手段は、複数設けられる把持開放手段のそれぞれを独立して把持及び開放動作が可能に構成され、変位手段は、複数設けられる把持開放手段の内の動作する把持開放手段を変更することで使用者の身体の把持位置を変位させるよう構成される。このように把持開放手段を予め複数設けて、把持開放手段の動作を切替えることで把持開放手段による身体の把持位置を変位させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ機において、前記身体部位支持手段は、前記使用者の複数の身体部位を独立して支持するとともに前記把持開放手段をそれぞれ有する複数の支持部で構成されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、身体部位支持手段は、使用者の複数の身体部位を独立して支持するとともに把持開放手段をそれぞれ有する複数の支持部で構成される。このように複数の身体部位を独立して支持することで単調な揺動動作であっても複数の身体部位に対してその揺動動作によるマッサージ効果を付与することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のマッサージ機において、前記支持部は、前記使用者の身体の内で対を成している身体部位を独立して支持可能に構成されたことをその要旨とする。
【0015】
この発明では、支持部は、前記使用者の身体の内で対を成している身体部位を独立して支持可能に構成される。このように、対を成す身体部位を独立して支持することができるため、同時にそれら身体部位に揺動動作を実施することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載のマッサージ機において、前記揺動駆動手段は、前記各支持部を一体的に揺動可能に構成されたことをその要旨とする。
この発明では、揺動駆動手段は、各支持部を一体的に揺動可能に構成される。このような構成とすることで、揺動の際に用いられる駆動源を1つで行うことが可能となる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のマッサージ機において、前記変位手段は、前記各支持部の相対的な位置関係を変化させることで前記使用者の身体の把持位置を変位させるよう構成されたことをその要旨とする。
【0018】
この発明では、変位手段は、各支持部の相対的な位置関係を変化させることで使用者の身体の把持位置を変位させるよう構成される。このように、各支持部の相対的な位置関係を変化させることで使用者の身体の把持位置を変位させることで、使用者個々の好みの位置でマッサージを行うことが可能となる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項4又は5に記載のマッサージ機において、前記揺動駆動手段は、前記各支持部を独立して揺動可能に構成されたことをその要旨とする。
この発明では、揺動駆動手段は、各支持部を独立して揺動可能に構成される。このように身体部位支持手段の各支持部を揺動駆動手段にて独立して揺動させることで、様々な揺動パターンを実現することができ、より好適なマッサージを行うことが可能となる。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記制御手段は、前記揺動駆動手段による揺動操作の揺動周波数を2Hz以上に変更可能に構成されたことをその要旨とする。
【0021】
この発明では、制御手段は、揺動駆動手段による揺動操作の揺動周波数を2Hz以上に変更可能に構成される。このように、揺動動作の揺動周波数を2Hz以上として比較的高速な揺動動作をさせることで、より使用者の身体部位の筋肉に刺激を付与して筋肉の凝りをほぐす好適なマッサージ効果を付与することができる(図2(a)(b)及び図3参照)。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、使用者個々の好みの位置でマッサージを行うことが可能なマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は本実施形態におけるマッサージ機の概略構成を説明するための正面図を示し、(b)はマッサージ機の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図2】(a)(b)は、各種動作におけるマッサージ効果の差異について説明するための説明図である。
【図3】揺動動作の揺動周波数を変化させた際におけるマッサージ効果について説明するための説明図である。
【図4】(a)(b)(c)は、変位手段の動作例について説明するための説明図である。
【図5】(a)(b)は、別例における変位手段ついて説明するための説明図である。
【図6】(a)(b)は、別例における変位手段ついて説明するための説明図である。
【図7】(a)〜(c)は、別例における変位手段について説明するための説明図である。
【図8】別例における変位手段及び揺動駆動手段について説明するための説明図である。
【図9】別例における使用者の対となる身体部位形状合わせて把持開放手段を配置した配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)は、本実施形態のマッサージ機の概略構成を示す。本実施形態のマッサージ機10は、図示しない床面に載置される基台11の上部に使用者の身体の内で対となる身体部位(本実施形態では脚部K)を支持する脚用支持部12が備えられている。
【0025】
脚用支持部12は、基台11の左右方向略中央部に回動可能に立設される支持軸13と、この支持軸部13の上部に設けられる2つの支持本体部14とを有している。
支持本体部14は、凹状をなすよう形成されるとともに、前記支持軸13によって傾動可能とされている。また、支持本体部14の下部にはこの支持本体部14を前記支持軸13中心として左右方向に揺動(傾動)させる例えばモータ等の1つの駆動源を有する揺動駆動部20が設けられている。揺動駆動部20は、図1(b)に示す制御部18によって制御される。これにより、支持本体部14にて支持される使用者の身体部位(脚部K)を左右に揺動可能とされている。
【0026】
また、支持本体部14の左右の内壁面部14aには、それぞれ膨縮動作可能なエアバッグ16が設けられている。このエアバッグ16は、エアポンプ17の駆動制御を行う制御部18にて膨縮動作されるようになっている。また、図4(a)〜(c)に示すように、エアバッグ16が設けられる内壁面部14aは、揺動方向と直交する方向である前後方向に並進アクチュエータ30により移動可能に構成されている。並進アクチュエータ30としては、例えばモータによりピニオンギヤを駆動されてその駆動によりラックが移動されるラックピニオン式のアクチュエータや、シリンダタイプのアクチュエータなどを採用することができる。このように、並進アクチュエータにより、支持本体部14に設けられるエアバッグ16が移動されるため、使用者の好みの位置でエアバッグ16による把持が可能となっている。なお、前後方向に移動させる際には制御部18によりエアバッグ16を収縮させることで、その移動が容易となっている。
【0027】
上記のように構成されたマッサージ機10では、例えば所定の動作を行う複数のマッサージコースが設定されており、少なくとも1つのマッサージコースにおいて一定期間2Hz以上の揺動動作を行うようになっている。ここで、本発明者は各種マッサージ動作において得られるマッサージ効果の差異について評価実験を行った。尚、エアバッグ16による把持・開放動作(膨縮動作)のみによるマッサージ動作、脚用支持部12を左右方向に揺動させる揺動動作のみによるマッサージ動作、前述の把持・開放動作及び揺動動作の組み合わせ動作によるマッサージ動作の3種類のマッサージ動作によるマッサージ効果について評価実験を行っている。また、揺動動作については2Hz、3Hz、4Hz及び6Hzの4種類の動作周波数について実験を行っている。図2(a)(b)には、各マッサージ動作による実験結果を示しており、図2(a)には各マッサージ動作による「気持ちよさ感」についてのマッサージ効果の差異を示し、図2(b)には各マッサージ動作による「ほぐし感」についてのマッサージ効果の差異を示している。
【0028】
また、上述の評価実験に加え、本発明者は揺動動作の違いにより得られるマッサージ効果の差異についても別途評価実験を行っている(図3参照)。具体的には、1Hzから1Hz刻みで6Hzまで変化させた場合におけるマッサージ効果である「ほぐし感」の差異ついての評価実験である。
【0029】
図3から分かるように、1Hzと2Hzとの間がその差異が最も大きく、2Hz以上の比較的高速の揺動動作において良好なマッサージ効果が得られることが分かる。更に図2(a)から分かるように、揺動動作の揺動周波数を2Hz以上とすることで、把持・開放動作のみによるマッサージ効果よりも高いマッサージ効果を得ることができる。更に、図2(a)(b)から分かるように、揺動動作と把持・開放動作との組合せ動作にてより好適なマッサージ効果を得ることができる。また、揺動動作に加えて把持・開放動作を行うことでマッサージ動作の多様化を図ることができ、使用者のモチベーション維持に寄与することができるようになっている。
【0030】
また、上記のように構成されたマッサージ機10では、前述のマッサージコース中において、エアバッグ16の膨張動作にて使用者の脚部Kを把持する把持状態(図4(a)(c)参照)と、エアバッグ16の収縮動作にて使用者の脚部Kを開放する開放状態(図4(b)参照)とが適宜切り替わるように制御部18にて制御されている。ここで、例えば1Hz以下の比較的揺動周波数の低い揺動動作を行う場合には、エアバッグ16を収縮させて脚部Kを開放した状態で揺動動作を行うようになっている。このような構成とすることで、約1Hz以下の低い周波数で揺動させる際において、使用者の脚部Kを把持すると身体に対して確実にその揺動動作の揺れを伝達することができるが、開放状態とした場合と比較すると脚部Kの揺れ具合が悪くなりやすい。このため、上述の様に揺動周波数の低い動作である場合には開放状態として動作させることで、使用者の脚部K全体が支持本体部14の内壁面部14a内においても揺れ動くため、脚部Kの大腿部、膝周辺並びに下腿部のマッサージを行うことができる。
【0031】
一方、脚用支持部12の揺動周波数が2Hz以上の比較的高速の揺動動作を行う場合においては、制御部18にてエアポンプ17が制御されてエアバッグ16を膨張させて脚部Kを把持した状態で揺動動作の周波数を変更するようになっている。これは、把持状態とすることで脚用支持部12の揺動動作を確実に伝達するとともに、把持先側である足先(足首)を中心としたマッサージを行うためである。尚、エアバッグ16を収縮させて脚部Kを開放状態において、揺動周波数が2H以上の比較的高速の揺動動作を行う際には、脚部Kが揺動動作に追従できず、脚部Kの側面に収縮状態のエアバッグ16が接触する叩き動作を行うことができる。
【0032】
また、前述したように、並進アクチュエータ30によりエアバッグ16を揺動方向と直交する方向に移動させることができるため、エアバッグ16による身体の把持位置を太股、下腿、足首などに変更することができるため、マッサージ機10全体を移動させたり、使用者自らが移動したりすることで使用者の好みの位置に位置合わせをする必要がなくなり、利便性を向上させることができる。また、並進アクチュエータ30によりエアバッグ16による把持位置を変化させることで身体のうちで揺れる部位や揺れ方が変えることができ、多彩な揺らしマッサージを実現することができるようになっている。
【0033】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)脚用支持部12には、使用者の身体の少なくとも一部位である脚部に対して把持及び開放動作を繰り返し行うエアバッグ16が設けられることで、把持開放手段による把持動作と開放動作の切り替えで身体に付与する揺動動作に変化をつけることができる。これに加えて、エアバッグ16による使用者の身体の把持位置を変位させる変位手段としての並進アクチュエータ30が設けられるため、エアバッグ16による使用者の身体の把持位置を変位させることで、使用者の好みの位置で使用することができる。この時、把持開放手段としてのエアバッグ16を変位させることができるため、マッサージ機10全体を移動させたり、使用者自らが移動したりすることで使用者の好みの位置に位置合わせをする必要がなくなり、利便性を向上させることができる。また、把持位置を変化させることで、使用者の身体部位の内における揺れる部位や揺れ方が変わるため、多彩な揺動動作によるマッサージを実現することができる。
【0034】
(2)揺動駆動部20は、脚用支持部12の内壁面部14aを移動させることでエアバッグ16による把持位置を変位させるよう構成される。このようにエアバッグ16が設けられる脚用支持部12の内壁面部14aを移動させる簡素な構成にてエアバッグ16による身体の把持位置を変位させることができる。
【0035】
(3)脚用支持部12は、使用者の複数の身体部位を独立して支持するとともにエアバッグ16をそれぞれ有する複数の支持本体部14で構成される。このように複数の身体部位を独立して支持することで単調な揺動動作であっても複数の身体部位に対してその揺動動作によるマッサージ効果を付与することができる。
【0036】
(4)支持本体部14は、使用者の身体の内で対を成している身体部位である脚部Kを独立して支持可能に構成される。このように、対を成す身体部位である脚部Kを独立して支持することができるため、同時にそれら身体部位に揺動動作を実施することができる。
【0037】
(5)揺動駆動部20は、複数設けられる各支持本体部14を一体的に揺動可能に構成される。このような構成とすることで、揺動の際に用いられるモータ等の駆動源を1つで行うことが可能となる。
【0038】
(6)制御部18は、揺動駆動部20による各支持本体部14の揺動動作の揺動周波数が2Hz以上に変更可能に構成される。このように、揺動周波数を2Hz以上となるよう揺動させることで、より使用者の脚部Kの筋肉に刺激を付与して筋肉の凝りをほぐす好適なマッサージ効果を付与することができる(図2(a)(b)及び図3参照)。
【0039】
(7)脚用支持部12には、使用者の身体の少なくとも一部位(脚部K)に対して把持及び開放動作を繰り返し行うエアバッグ16が備えられる。このため、揺動動作によるマッサージ効果に加え、エアバッグ16の膨縮動作によるマッサージ効果を付与することができる。また、揺動動作と把持及び開放動作との組合せによって動作のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0040】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、並進アクチュエータ30によって支持本体部14の内壁面部14aを前後方向に動作させて把持開放手段としてのエアバッグ16を移動させるよう構成したが、その移動方法はこれに限らない。
【0041】
例えば、図6(a)に示すように、脚用支持部12(支持本体部14)を左右方向に延びる回動軸40a中心に回動させる回動駆動部40によって、その脚用支持部12に設けられるエアバッグ16を移動させる構成を採用してもよい。
【0042】
また、例えば図6(b)に示すように、図示しない床面に載置されるレール41上を脚用支持部12の下部に設けられる車輪42を移動させることで、エアバッグ16を移動させる構成を採用してもよい。
【0043】
・上記実施形態では、並進アクチュエータ30によって支持本体部14の内壁面部14aを前後方向に移動させることでエアバッグ16による把持位置を変位させる構成としたが、把持位置の変更方法はこれに限らない。
【0044】
例えば、図5(a)(b)及び図8及び図9に示すように、支持本体部14に対して予め複数のエアバッグ16を設けておき、各エアバッグ16による膨縮動作のタイミングをずらすことで使用者の把持位置を変位させることができる。このようにエアバッグ16を予め複数設けて、エアバッグ16の膨縮動作を切替えることでエアバッグ16による身体の把持位置を変位させることができる。
【0045】
また、図8に示すように、各エアバッグ16を独立して揺動可能なように、各エアバッグ16が設けられる支持本体部14を独立して駆動させる揺動駆動部20を複数設けてもよい。このように、各支持本体部14を揺動駆動部20にて独立して揺動させることで、様々な揺動パターンを実現することができ、より好適なマッサージを行うことが可能となる。
【0046】
・上記実施形態では、揺動方向と直交する使用者の脚部Kの長手方向に並進アクチュエータ30によってエアバッグ16(内壁面部14a)を移動させることで、使用者の身体の把持位置を変更したが、これに限らない。例えば、図7(a)〜(c)に示すように、複数設けられるエアバッグ16が設けられる複数の支持本体部14(内壁面部14a)を相対的に位置関係を変化させる構成を採用してもよい。因みに、図7(a〜)(c)では一方の支持本体部14をリフト機構50によって下方向に動作させることで使用者の脚部Kの足先を把持していたエアバッグ16を離間させることで、脹脛部分を支持する支持本体部14のエアバッグ16によって脚部Kの脹脛部分を把持するように構成されている。このように、各支持本体部の相対的な位置関係を変化させて使用者の身体の把持位置を変位させることで、使用者個々の好みの位置でマッサージを行うことが可能となる。
【0047】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図9に示すように、エアバッグ16及び支持本体部14の配置を使用者の身体の内で対となる身体部位(例えば脚部K)の形状に倣った配置とすることで、使用者の対となる身体部位をエアバッグ16にてより確実に把持することができるため、好適な揺動動作による好適なマッサージ効果を付与することが可能となる。
【0048】
・上記実施形態では、揺動動作の揺動周波数が約2Hz以上の際にはエアバッグ16を膨張動作させて使用者の脚部Kを把持する把持状態とする構成としたが、これに限らない。
【0049】
・上記実施形態では、揺動動作の揺動周波数が1Hz以下の場合には、エアバッグ16を収縮状態とさせて使用者の脚部Kを開放状態とする構成としたが、これに限らない。
・上記実施形態では、使用者の対を成す身体部位である足首を支持本体部14にて支持して揺動動作させる構成としたが、支持本体部14が支持する身体部位は足首とした構成に限らない。例えば下腿部や大腿部、また手首、前腕や上腕等、対を成す身体部位を支持するように適宜形状変形させた構成を支持部として採用してもよい。
【符号の説明】
【0050】
10…マッサージ機、12…身体部位支持手段としての脚用支持部、14…支持部としての支持本体部、16…把持開放手段としてのエアバッグ、18…制御手段としての制御部、20…揺動駆動手段としての揺動駆動部、30…変位手段としての並進アクチュエータ、40…変位手段としての回動駆動部、41…変位手段を構成するレール、42…変位手段を構成する車輪、50…変位手段としてのリフト機構、K…身体部位としての脚部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体の一部を支持する身体部位支持手段と、該身体部位支持手段を揺動動作させる揺動駆動手段と、該揺動駆動手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段にて前記揺動駆動手段を制御して前記身体部位支持手段を揺動動作させることで前記使用者の身体を揺動させてマッサージを行うマッサージ機であって、
前記身体部位支持手段は、前記使用者の身体の少なくとも一部位に対して把持及び開放動作を繰り返し行う把持開放手段を備え、
前記把持開放手段による前記使用者の身体の把持位置を変位させる変位手段が設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記変位手段は、前記身体部位支持手段を移動させることで前記把持開放手段による把持位置を変位させるよう構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記把持開放手段は、前記身体部位支持手段に対して複数設けられ、
前記制御手段は、複数設けられる前記把持開放手段のそれぞれを独立して把持及び開放動作が可能に構成され、
前記変位手段は、複数設けられる前記把持開放手段の内の動作する把持開放手段を変更することで前記使用者の身体の把持位置を変位させるよう構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記身体部位支持手段は、前記使用者の複数の身体部位を独立して支持するとともに前記把持開放手段をそれぞれ有する複数の支持部で構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項4に記載のマッサージ機において、
前記支持部は、前記使用者の身体の内で対を成している身体部位を独立して支持可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のマッサージ機において、
前記揺動駆動手段は、前記各支持部を一体的に揺動可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項6に記載のマッサージ機において、
前記変位手段は、前記各支持部の相対的な位置関係を変化させることで前記使用者の身体の把持位置を変位させるよう構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項8】
請求項4又は5に記載のマッサージ機において、
前記揺動駆動手段は、前記各支持部を独立して揺動可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記制御手段は、前記揺動駆動手段による揺動操作の揺動周波数を2Hz以上に変更可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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