説明

マルチカラー電子装置および印刷によりマルチカラー電子装置を形成する方法

ワークピース上にサブピクセル行の規則正しい配列を形成する方法が提供される。サブピクセルは、4つの異なる色を有し、かつサブピクセルピッチsを有する。4色のうち、q色は印刷により形成され、r色は非印刷方法により形成される。この方法は、(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けるステップであって、z=4n1であり、p=3sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けるステップと、(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供するステップと、(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給するステップと、(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷するステップと、(5)移動させ、第1の印刷パターンで印刷するステップであって、(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1だけ横方向に移動させることであって、d1=4n2sである、移動させること、(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷することにより、移動させ、第1の印刷パターンで印刷するステップと、(6)移動させ、第2の印刷パターンで印刷するステップであって、(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2だけ横方向に移動させることであって、d2=d1である、移動させること、(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷することにより、移動させ、第2の印刷パターンで印刷するステップと、(7)移動させ、第3の印刷パターンで印刷するステップであって、(e)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d3だけ横方向に移動させることであって、d3は、d1+d2+d3=pzであるようにd3=4n3sである、移動させること、(f)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷することにより、移動させ、第3の印刷パターンで印刷するステップと、(8)ステップ(5)〜(7)を同じ順序で複数回繰り返すステップと、(9)r色を非印刷方法で塗布するステップとを含み、
1は0よりも大きな整数であり、
2は、3の倍数ではなく、かつn2≦n1であるような、0よりも大きな整数であり、
3は、2n2+n3=3n1であるような整数であり、
qは1〜4の整数であり、
rはq+r=4であるような整数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)項の下で、2009年6月4日に出願された仮特許出願第61/184,086号明細書からの優先権を主張するものであり、この仮出願を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、一般には電子装置および方法に関し、特に、電極および異なる色の有機活性領域を有する電子装置ならびにそのような電子装置を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電子装置は、液晶ディスプレイ(「LCD」)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等を含むことができる。電子装置の製造は、溶液析出法を使用して実行し得る。電子装置を製造する一プロセスは、印刷(例えば、インクジェット印刷、連続印刷等)により、有機層を基板上に堆積させることである。印刷プロセスにおいて、印刷される液体組成物は、溶液中の有機材料、または有機溶媒、水溶液、または溶媒の組み合わせ中に分散、乳濁、または懸濁した有機材料を含む。印刷後、溶媒は蒸発して有機材料が残り、電子装置の有機層を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、第1の色が印刷され、次に、印刷装置が再較正され、第2の色が印刷される。場合によっては、第1の色が印刷された基板が、第2の色を印刷する第2のプリンタに移される。これには、プリンタをセットアップし、位置合わせするための時間も必要になる。多くの場合、3色:赤、緑、および青が印刷される。この場合、色毎に再較正し、かつ/または位置合わせし直すために時間をかけざるを得ない。改良された印刷プロセスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ワークピース上にサブピクセル行の規則正しい配列を形成する方法であって、サブピクセルは4つの異なる色を有し、かつサブピクセルピッチsを有し、q色は印刷により形成され、r色は非印刷方法により形成され、上記方法は、
(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けることであって、z=4n1であり、p=3sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けること、
(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供すること、
(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給すること、
(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷すること、
(5)移動させること、および第1の印刷パターンで印刷することであって、
(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1(但し、d1=4n2sである)だけ横方向に移動させること、
(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第1の印刷パターンで印刷すること、
(6)移動させること、および第2の印刷パターンで印刷することであって、
(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2(但し、d2=d1である)だけ横方向に移動させること、
(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第2の印刷パターンで印刷すること、
(7)移動させること、および第3の印刷パターンで印刷することであって、
(e)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d3(但し、d3は、d1+d2+d3=pzであるようにd3=4n3sである)だけ横方向に移動させること、
(f)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第3の印刷パターンで印刷すること、
(8)ステップ(5)〜(7)を同じ順序で複数回繰り返すこと、および
(9)r色を非印刷方法で塗布すること
を含み、
1は0よりも大きな整数であり、
2は、3の倍数ではなく、かつn2≦n1であるような、0よりも大きな整数であり、
3は、2n2+n3=3n1であるような整数であり、
qは1〜4の整数であり、
rはq+r=4であるような整数であり、
パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序、または(ii)第3の印刷パターンの後、第1の印刷パターンが続き、次に第2の印刷パターンが続く順序で実行される、方法が提供される。
【0006】
上記の概説および以下の詳細な説明は、例示および説明のためのみのものであり、添付の特許請求の範囲において規定されるような本発明を限定ではない。
【0007】
実施形態は、本明細書に提示される概念の理解を向上させるために、添付図に示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ワークピースおよびプリンタの断面図を含む。
【図2】ディスプレイを含む電子装置を製造するためのワークピースの平面図を含む。
【図3】8本のノズルを使用する印刷方法を示す図を含む。
【図3−2】8本のノズルを使用する印刷方法を示す図を含む。
【図4】8本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図4−2】8本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図5】8本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図6】12本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図6−2】12本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図7】12本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図7−2】12本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【図8】8本のノズルを使用する別の印刷方法を示す図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図中の要素が、単純化および明確化のために示され、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを当業者は理解する。例えば、本発明の実施形態の理解の向上を助けるために、図中の要素のうちのいくつかの寸法が、他の要素に相対して強調され得る。
【0010】
多くの態様および実施形態が上述され、それらの態様および実施形態は単なる例示であり、限定ではない。本明細書の読後、本発明の範囲から逸脱せずに、他の態様および実施形態が可能なことを当業者は理解する。
【0011】
実施形態のうちの任意の1つまたは複数の他の特徴および恩恵が、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになろう。詳細な説明では、まず用語の定義および明確化に対処し、その後、プリンタ、印刷プロセス、電子装置、そして最後に実施例が続く。
【0012】
1.用語の定義および明確化
後述する実施形態の詳細に対処する前に、いくつかの用語を定義、すなわち明確化し得る。
【0013】
用語「配列」は、要素の順序付けられた構成を意味することを意図する。配列は、通常、列および行で示される順序付けられた構成内のピクセル、サブピクセル、セル、または他の構造を含み得る。配列は、x方向およびy方向に関して説明することができる。
【0014】
用語「青」は、おおよそ400nm〜500nmの範囲の波長を有する光を指す。
【0015】
用語「連続」およびその変形は、略途切れないことを意味することを意図する。一実施形態では、連続した印刷は、液滴を使用する堆積技法とは対照的に、略途切れない液体または液体組成物ストリームを使用した印刷である。別の実施形態では、連続した延在は、層、部材、または構造の長さを指し、層内、部材内、または構造内で長さに沿って大きな破断がない。
【0016】
用語「電子装置」は、電気的に適宜接続され、適切な電位が供給された場合、機能を集合的に実行する回路、電子構成要素、またはそれらの他の任意の組み合わせの集まりを意味することが意図される。電子装置は、システムの一部を含み得、またはシステムの一部であり得る。電子装置の例としては、ディスプレイ、センサ配列、コンピュータシステム、アビオニクスシステム、自動車、携帯電話、他の大衆消費電子商品、他の工業電子商品、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0017】
用語「緑」は、おおよそ500nm〜600nmの範囲内の波長を有する光を指す。
【0018】
本明細書において使用される用語「整数」は、負の整数を含まない。
【0019】
用語「液体組成物」は、溶液を形成するために材料が溶解する液体媒体、分散を形成するために材料が
溶解する液体媒体、または懸濁もしくは乳濁を形成するために材料が溶解する液体媒体を意味することを意図する。
【0020】
用語「液体媒体」は、溶液、分散、懸濁、または乳濁内の液体を意味することを意図する。用語「液体媒体」は、存在する溶媒が単数であるか、それとも複数であるかに関わりなく使用され、したがって、液体媒体は、
用語の単数形または複数形(すなわち、複数の液体媒体(liquid media))として使用される。
【0021】
用語「ノズル」は、液体組成物または液体媒体を分注できる装置の部分を意味することを意図する。
【0022】
用語「配向」は、特徴が延びる主な方向を意味することを意図する。同じ高さまたは異なる高さにある異なる特徴間のように、特徴は互いに対して略平行に、略垂直に、または別の角度関係で配向し得る。
【0023】
用語「有機活性層」は、有機層のうちの少なくとも1つがそれ自体で、または異種材料に接触した場合に、整流接合部を形成可能な1つまたは複数の有機層を意味することを意図する。用語「有機活性領域」は、有機領域のうちの少なくとも1つがそれ自体で、または異種材料に接触した場合に、整流接合部を形成可能な1つまたは複数の有機領域を意味することを意図する。
【0024】
用語「ピッチ」は、すぐ隣の特徴間の特徴寸法および空間寸法の和を意味することを意図する。
【0025】
用語「ピクセル」は、配列のうちの最も小さな完成した繰り返し単位を意味することを意図する。用語「サブピクセル」は、ピクセルの全部ではなく一部を構成するピクセルの部分を意味することを意図する。サブピクセルは、カラー画像の表現に使用されるピクセルの構成要素のうちの1つである。各サブピクセルは、ピクセルの全体の色および明度に対する単一の色の寄与を表す。センサ配列は、サブピクセルを含んでもよく、または含まなくてもよいピクセルを含み得る。
【0026】
用語「印刷」は、印刷ヘッドまたは他の同様の構造を使用して、液体または液体組成物をワークピース上に分注することにより、層を選択的に堆積させる動作を意味することを意図する。
【0027】
用語「印刷装置」は、層をワークピース上に印刷するように設計された1つまたは複数の材料、機器、組立体、または下位組立体の組み合わせを意味することを意図する。
【0028】
用語「赤」は、おおよそ600nm〜750nmの範囲内の波長を有する光を指す。
【0029】
用語「解像限界」は、特定の装置または他の機器を使用した場合に再現可能に形成できる最小特徴サイズを意味することを意図する。
【0030】
用語「白」は、おおよそ380nm〜750nmの範囲内の波長を有する光を広く指す。
【0031】
用語「ワークピース」は、1つまたは複数の素子層を有する基板を意味することを意図する。素子層は無機層または有機層にできる。
【0032】
用語「黄」は、570nm〜600nmの範囲内の波長を有する光を指す。
【0033】
本明細書において使用する用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはそれらの他の任意の変形は、非排他的な包含を含むことが意図される。例えば、列挙された特徴を備えるプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしも、それらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、逆のことが明記されない限り、「または」は、排他的orではなく、包含的orを指す。例えば、条件AまたはBは、以下のうちのいずれか1つにより満たされる:Aが真であり(または存在し)、かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)、かつBが真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(または存在する)。
【0034】
「a」または「an」の使用も、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために利用される。これは単に便宜上のため、かつ本発明の範囲の広義の意味を与えるために行われる。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むものと解釈されるべきであり、複数形が含まれないことが意味されることが明らかな場合を除き、単数形は複数形も含む。
【0035】
要素の周期表内の列に対応するグループ番号は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81st Edition(2000−2001)に見られる「新表記」慣例を使用する。
【0036】
別段のことが定義される場合を除き、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料と同様または均等な方法および材料を、本発明の実施形態の実施または試験に使用できるが、適した方法および材料を以下に述べる。本明細書において言及されるすべての出版物、特許出願、特許、および他の引用は、特定の節が引用される場合を除き、参照により本明細書に援用される。不一致の場合は、定義を含め、本明細書が優先される。さらに、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、限定として意図されない。
【0037】
本明細書に記載されない範囲で、特定の材料、処理動作、および回路に関する多くの詳細が従来通りのものであり、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光起電力、および半導体部材の分野内の教科書および他のソース内に見出し得る。
【0038】
2.プリンタ
特定の実施形態に対処する前に、本明細書に記載の概念の理解を助けるために、プリンタに対処する。
【0039】
図1に示されるように、プリンタ10は、8本のノズル120が取り付けられた印刷ヘッド110を有する。ノズルの間隔はpとして示される。プリンタは、ライン(図示せず)に取り付けられて、適切な液体組成物を各ノズルに供給する。4色の各色に1つずつ、異なる液体組成物が、規則正しい交互パターンで供給される。これにより、いずれも重複する前に各色が供給されること、および追加の色が同じ順序で供給されることが意味される。この図では、第1のノズルは色1を有し、第2のノズルは色2を有し、第3のノズルは色3を有し、第4のノズルは色4を有し、第5のノズルは色1を有し、第6のノズルは色2を有し、第7のノズルは色3を有し、第8のノズルは色4を有する。したがって、このシステムでは、z=4n1=8であり、n1=2である。
【0040】
印刷ヘッドは、ワークピース20の上方に示される。印刷ヘッドおよびワークピースは、互いに対して移動可能である。印刷時、印刷ヘッドはワークピースに対して紙の平面に入ったり出たりする方向において移動することになる。印刷ヘッドは、Lで示されるように、ワークピースに対して横方向にも移動することになる。この移動は相対的なものである。場合によっては、ワークピースが移動する。場合によっては、印刷ヘッドが移動する。場合によっては、印刷ヘッドおよびワークピースの両方が移動する。簡明化するために、移動は、まるで印刷ヘッドが移動するかのように、かつワークピースが静止しているかのようにして対応する。印刷ヘッドおよびワークピースのうちの一方または両方が移動でき、問題なのは互いに対する相対移動のみであることが理解されよう。
【0041】
図1に示される実施形態では、プリンタは8本のノズルを有する。ノズルの実際の数は、これよりも大きくてもよく、実際の製造考慮事項によってのみ制限される。いくつかの実施態様では、ノズルの数は少なくとも8本である。いくつかの実施形態では、ノズルの数は8本〜36本の範囲であり、いくつかの実施形態では、20本〜32本の範囲である。
【0042】
印刷射出は、液体材料を堆積させる既知の任意のシステムであることができる。印刷技術のいくつかの例としては、インクジェットおよび連続ノズル噴霧が挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
3.印刷プロセス
図2は、電子装置を製造するためのワークピース20の平面図を含む。ワークピースは、サブピクセル開口部210の規則正しい配列を有する基板200を含む。ワークピースは、第1の縁部201および逆の縁部202を有する。数個のサブピクセルのみが図に示される。実際には、装置は数百個以上のサブピクセルを有し得る。いくつかの実施形態では、サブピクセル開口部は、物理的な閉じ込め構造、化学的な閉じ込め構造、またはこれらの両方であり得る閉じ込め構造(図示せず)により画定される。サブピクセル開口部210は、211、212、213、および214として示される行の規則正しい配列内にある。サブピクセルピッチはsとして示される。いくつかの実施形態では、サブピクセルピッチは1μm〜100μmの範囲内であり、いくつかの実施形態では、2μm〜20μmの範囲内である。4個のサブピクセルが一緒になってピクセル220を形成する。図示の実施形態では、サブピクセル210は矩形を有する。円形、楕円形、正方形、または多角形等の他のサブピクセル形状を使用することもできる。図中、印刷方向はxとして示される。印刷方向に垂直な横方向への移動は、y方向での移動として定義される。
【0044】
本明細書に記載のプロセスでは、4色のサブピクセルの行の規則正しい配列が、ワークピース上に形成される。4色のうち、q色が印刷され、r色が非印刷プロセスにより形成される。サブピクセルはサブピクセルピッチsを有する。プロセスは、
(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けることであって、z=4n1であり、p=3sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けること、
(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供すること、
(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給すること、
(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷すること、
(5)移動させること、および第1の印刷パターンで印刷することであって、
(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1(但し、d1=4n2sである)だけ横方向に移動させること、
(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第1の印刷パターンで印刷すること、
(6)移動させること、および第2の印刷パターンで印刷することであって、
(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2(但し、d2=d1である)だけ横方向に移動させること、
(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第2の印刷パターンで印刷すること、
(7)移動させること、および第3の印刷パターンで印刷することであって、
(e)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d3(d3は、d1+d2+d3=pzであるようにd3=4n3sである)だけ横方向に移動させること、
(f)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第3の印刷パターンで印刷すること、
(8)ステップ(5)〜(7)を同じ順序で複数回繰り返すこと、および
(9)r色を非印刷方法で塗布すること
を含み、
1は0よりも大きな整数であり、
2は、3の倍数ではなく、かつn2≦n1であるような、0よりも大きな整数であり、
3は、2n2+n3=3n1であるような整数であり、
qは1〜4の整数であり、
rはq+r=4であるような整数であり、
パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序、または(ii)第3の印刷パターンの後、第1の印刷パターンが続き、次に第2の印刷パターンが続く順序で実行される。
【0045】
形成すべき色の数は4である。いくつかの実施形態では、色は赤、緑、青、および白(「R,G,B,W」)である。いくつかの実施形態では、色は赤、緑、青、および黄(「R,G,B,Y」)である。いくつかの実施形態では、色は黄、マゼンタ、シアン、および黒(「Y,M,C,K」)である。4色のうち、q色は印刷により形成され、r色は非印刷プロセスにより形成される。いくつかの実施形態では、q=4であり、r=0であり、4色すべてが印刷される。いくつかの実施形態では、q=3であり、r=1である。この場合、色のうちの3色が印刷され、4番目の色は非印刷方法により塗布される。第4の色は、印刷の前または後に塗布することができる。いくつかの実施形態では、4番目の色は、3色が印刷された後に塗布される。
【0046】
印刷ヘッドはz本のノズルを有する。4色すべてが印刷される場合、z本すべてのノズルが存在し、インクが供給される。1色または複数色が非印刷方法により塗布される場合、非印刷色のために、ノズルスペースが存在する。ノズルは存在し得るが、インクが供給されないか、またはノズルが物理的になくてもよい。印刷パターンではノズルスペースはノズルとしてカウントされる。
【0047】
ノズルの数zは、色の数4の倍数である。したがって、z=4n1であり、n1は0よりも大きな整数である。いくつかの実施形態では、n1は少なくとも2である。いくつかの実施形態では、n1=3〜9であり、いくつかの実施形態では、5〜8である。
【0048】
印刷ヘッドは、ワークピース上方の第1の印刷位置において開始する。この第1の位置はA1と呼ばれ、後の項において考察する。いくつかの実施形態では、プリンタは、図2の201に示されるように、ワークピースの一縁部に位置決めされ、第1のサブピクセル行上に位置合わせされる。ノズルは、サブピクセルピッチの3倍に等しい距離pだけ離間され、それにより、すべてのノズルがサブピクセル行内で印刷するように位置合わせされる。したがって、ノズルはサブピクセルピッチsの倍数で離間され、p=3sである。用語「数の倍数」は、その数を0よりも大きな数で乗算した値を意味する。
【0049】
プリンタは、図2に示されるように、x方向においてワークピースを横切り、第1の組のサブピクセル行を印刷する。印刷される行数は、印刷ヘッド上のノズルの数に等しい=z。堆積する色の行数は、色が供給されるノズルの数に等しい。
【0050】
第1の組の行の印刷を完了した後、第1の印刷パターンがステップ(5)において形成される。印刷ヘッドは、ワークピースを横方向に横切り、隣接する印刷位置に移動する。この位置はA2と呼ばれ、後の項において考察する。この移動は、ワークピースの平面に対して平行であり、行方向に直交するy方向においてである。移動距離d1も、サブピクセルピッチsの倍数であり、4n2(s)に等しい。数n2は、3の倍数ではない整数であり、n1以下である。したがって、印刷ヘッドの横方向移動は、3sであるノズル間隔pの倍数ではない。仮に横方向移動がノズル間隔の倍数であったならば、いくつかの行が、前の行が印刷された箇所に重複する恐れがある。次に、1組のz行が位置A2から印刷される。印刷は、第1の印刷とは逆の方向であってもよく、または印刷ヘッドは、第1の印刷と同じ側に戻り、同じ方向で印刷してもよい。これは、機器およびソフトウェアの設計によって決まる。これにより、第1の印刷パターンの印刷が完了する。
【0051】
第1の印刷パターンの完了後、第2の印刷パターンがステップ(6)において形成される。印刷ヘッドは、ワークピースを横方向に横切り、隣接する印刷位置に移動する。この位置はA3と呼ばれ、後の項において考察する。この移動は、ワークピースの平面に対して平行であり、行方向において直交するy方向においてである。移動距離d2はd1に等しい。
【0052】
次に、別の組のz行が位置A3から印刷される。印刷は、第2の印刷とは逆の方向であってもよく、または印刷ヘッドは、第1の印刷と同じ側に戻り、同じ方向で印刷してもよい。これは、機器およびソフトウェアの設計によって決まる。これにより、第2の印刷パターンの印刷が完了する。
【0053】
第1の印刷パターンの完了後、第3の印刷パターンがステップ(7)において形成される。印刷ヘッドは、ワークピースを横方向に横切り、隣接する印刷位置に移動する。この位置はA4と呼ばれ、後の項において考察する。この移動は、ワークピースの平面に対して平行であり、行方向に直交するy方向においてである。移動距離d3は、サブピクセルピッチsの倍数であり、4n3(s)に等しい。第1、第2、および第3の横方向移動の和d1+d2+d3は、pzに等しい。p=3sであり、z=4n1であるため、n1、n2、およびn3の関係は以下のように導出することができる。
1 + d2 + d3 = pz
(4n2s) + (4n2s) + (4n3s) = (3s)(4n1
2s + n2s + n3s = 3s(n1
2 + n2 + n3 = 3n1
2n2 + n3 = 3n1
【0054】
次に、別の組のz行が位置A4から印刷される。印刷は、第2の印刷とは逆の方向であってもよく、または印刷ヘッドは、第1の印刷と同じ側に戻り、同じ方向で印刷してもよい。これは、機器およびソフトウェアの設計によって決まる。これにより、第3の印刷パターンの印刷が完了する。
【0055】
ステップ(8)において、所望の数のサブピクセル行が印刷されるまで、第1、第2、および第3の印刷パターンを印刷するステップが、同じ順序で複数回繰り返される。プロセスは、任意の印刷ステップ後に終了することができる。
【0056】
プリンタの位置を決める順序は、(i)第1のパターンが最初で、次に第2および第3のパターンが続くか、または(ii)第3のパターンが最初で、次に第1および第2のパターンが続く順序であることができる。最初の場合では、位置A2は位置A1から距離d1だけ横方向に離間され、位置A3は位置A2から距離d2だけ横方向に離間され、位置A4は位置A3から距離d3だけ横方向に離間される。2番目の場合、位置A2は位置A1から距離d3だけ横方向に離間され、位置A3は位置A2から距離d1だけ横方向に離間され、位置A4は位置A3から距離d2だけ横方向に離間される。順序は(i)であるか、それとも(ii)であるかに関わらず、同じ順序がステップ(8)において、すべての繰り返しに対して維持される。
【0057】
実際には、空間的な位置決めは印刷パターンにより決まるが、サブピクセル行を任意の順序で印刷することができる。ワークピースに対する印刷ヘッドの移動については上述した移動になり、サブピクセル行は位置A1、A2、A3等から印刷を開始するが、必ずしも順番通りである必要はない。例えば、プリンタは位置A1から印刷し、次にA4から、次にA2から、次にA5等から印刷し得る。印刷の厳密な順序は一般に、プリンタの最も効率的な利用方法によって決まることになる。
【0058】
ステップ(9)において、r色は非印刷堆積方法により塗布される。r=0の場合、ステップ(9)はない。非印刷方法の例としては、蒸着、熱転写、およびスピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬被覆、スロットダイコーティング、および吹き付け塗装等の連続液体堆積技法が挙げられるが、これらに限定されない。これらの場合、r>0のとき、印刷は、印刷ステップの前または後に塗布し得る非印刷色のオープンスペースを残さなければならない。印刷パターンではオープンスペースは色としてカウントされる。r>1であり、2色以上が非印刷堆積方法により塗布される場合、同じまたは異なる非印刷方法を異なる非印刷色に使用し得る。
【0059】
例示的で非限定的な組の異なる数のノズルのd1、d2、およびd3の異なる組み合わせの概要を表1に付与する。表は、4〜32本のノズルを有する印刷ヘッドを示す。ノズル数が4の倍数である限り、異なるノズル数を使用することもできることを理解されたい。
【0060】
【表1】

【0061】
表から、ノズルの数、ここではn1が3の倍数ではない場合のみ、d1=d2=d3が発生することが分かる。
【0062】
4.電子装置
本明細書に記載の印刷方法を使用できる装置は、有機電子装置を含む。用語「有機電子装置」または時には単に「電子装置」は、1つまたは複数の有機半導体層または材料を含む装置を意味することを意図する。有機電子装置は、(1)電気エネルギーを放射に変換する装置(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、ダイオードレーザ、または照明パネル)、(2)電子プロセスを使用して信号を検出する装置(例えば、光検出器、光伝導セル、フォトレジスタ、光スイッチ、光トランジスタ、光電管、赤外線(「IR」)検出器、またはバイオセンサ)、(3)放射を電気エネルギーに変換する装置(例えば、光起電装置または太陽電池)、(4)1つまたは複数の有機半導体層を含む1つまたは複数の電子構成要素を含む装置(例えば、トランジスタまたはダイオード)、あるいは項目(1)〜(4)内の装置の任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0063】
そのような装置では、有機活性層が2つの電気接点層の間に挟まれる。有機電子装置構造の一例はOLEDである。この装置は、陽極層である第1の電気接点層と、陰極層である第2の電気接点層とを有する。電気接点層のうちの少なくとも一方は、電気接点層に光を通すことができるような透光性を有する。光活性層が間にある。追加の層もオプションとして存在し得る。陽極に隣接して、バッファ層があり得る。バッファ層に隣接して、正孔輸送材料を含む正孔輸送層があり得る。陰極に隣接して、電子輸送材料を含む電子輸送層があり得る。オプションとして、装置は、陽極に隣接して1つまたは複数の追加の正孔注入層または正孔輸送層を使用し得、かつ/または陰極に隣接して1つまたは複数の追加の電子注入層または電子輸送層を使用し得る。
【0064】
そのような装置において、有機エレクトロルミネセンス構成要素を活性構成要素として使用して、必要な色を提供することが周知である。本明細書に記載の印刷方法は、異なる色を有するエレクトロルミネセンス材料を含む液体組成物の印刷に適する。そのような材料は、小分子有機蛍光化合物、蛍光・リン光性金属錯体、共役ポリマー、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。蛍光化合物の例としては、クリセン類、ピレン類、ペリレン類、ルビレン類、クマリン類、アントラセン類、チアジアゾール類、これらの誘導体、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。金属錯体の例としては、トリス(8−ヒドロキシキノレート)アルミニウム(Alq3)等の金属キレートオキシノイド化合物;Petrov等の米国特許第6,670,645号明細書ならびにPCT公開出願である国際公開第03/063555号パンフレットおよび国際公開第2004/016710号パンフレットに開示されているイリジウムとフェニルピリジン、フェニルキノリン、またはフェニルピリミジンリガンドとの錯体等のシクロメタル化イリジウムおよび白金エレクトロルミネセンス化合物;例えば、PCT公開出願である国際公開第03/008424号パンフレット、国際公開第03/091688号パンフレット、および国際公開第03/040257号パンフレットに記載されている有機金属錯体、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、処理および/または電子特性を向上させるために、小分子蛍光材料または有機金属系材料が、ホスト材料を有するドーパントとして堆積する。共役ポリマーの例としては、ポリ(フェニレンビニレン類)、ポリフルオレン類、ポリ(スピロビフルオレン類)、ポリチオフェン類、ポリ(p−フェニレン類)、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
印刷インクを形成するために、上記材料は、適した液体組成物中に溶解または分散する。特定の化合物または関連する化合物群に適した溶媒は、当業者により容易に特定することができる。用途によっては、化合物が非水性溶媒に溶解することが望ましい。そのような非水溶性溶媒は、C1〜C20アルコール類、エーテル類、および酸エステル類等、比較的極性を有することができ、またはトルエン、キシレン類、トリフルオロトルエン等のC1〜C12アルカンもしくは芳香族等、比較的極性を有さなくてもよい。新しい化合物を含む、本明細書に説明するような溶液または分散としての液体組成物の作成での使用に適した他の液体としては、有機塩素化合物(塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、芳香族炭化水素(置換および非置換のトルエン類およびキシレン類等)、トリフルオロトルエンを含む)、極性溶媒(テトラヒドロフラン(THP)、N−メチルピロリドン等)、エステル類(酢酸エチル等)、アルコール類(イソプロパノール)、ケトン類(シクロペンタジエン)、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。光活性材料に適した溶媒は、例えば、公開されたPCT出願である国際公開第2007/145979号パンフレットに記載されている。
【実施例】
【0066】
本明細書に記載の概念について、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない以下の実施例および関連付けられた図においてさらに説明する。
【0067】
実施例1
実施例1を図3に示す。4色がM1、M2、M3、およびM4として示され、4色すべてが印刷される。8本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ3個分である。したがって、この実施例では、q=4、r=0、z=8、n1=2である。
【0068】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置される。印刷ヘッドは、色M1を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。位置A1は、第1のノズルが上方に配置されるサブピクセル行として定義される。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1にM1色の行、サブピクセル行4にM2色の行、サブピクセル行7にM3色の行、サブピクセル行10にM4色の行、サブピクセル行13にM1色の行、サブピクセル行16にM2色の行、サブピクセル行19にM3色の行、およびサブピクセル行22にM4色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0069】
この実施例では、印刷パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序で実行される。したがって、次のステップは、第1の印刷パターンを形成すること:ステップ(5)である。プリンタは、サブピクセル4n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=1であり、d1=4sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行5にM1色の行、サブピクセル行8にM2色の行、サブピクセル行11にM3色の行、サブピクセル行14にM4色の行、サブピクセル行17にM1色の行、サブピクセル行20にM2色の行、サブピクセル行23にM3色の行、およびサブピクセル行26にM4色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0070】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成すること:ステップ(6)である。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2はd1に等しい。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行9にM1色の行、サブピクセル行12にM2色の行、サブピクセル行13にM3色の行、サブピクセル行18にM4色の行、サブピクセル行21にM1色の行、サブピクセル行24にM2色の行、サブピクセル行27にM3色の行、およびサブピクセル行30にM4色の行。これにより、第2の印刷パターンが完了する。
【0071】
次のステップは、第3の印刷パターンを形成すること:ステップ(7)である。プリンタは、サブピクセルd3個分だけ横方向にシフトし、d3はpz−2d1に等しい。この場合、p=3s、z=8、d1=4sであるため、d3=3s・8−2・4s=16sである。これは、プリンタのA4の位置である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行25にM1色の行、サブピクセル行28にM2色の行、サブピクセル行31にM3色の行、サブピクセル行34にM4色の行、サブピクセル行37にM1色の行、サブピクセル行40にM2色の行、サブピクセル行43にM3色の行、およびサブピクセル行46にM4色の行。これにより、第3の印刷パターンが完了する。
【0072】
次のステップ:ステップ(8)は、ステップ(5)〜(7)を同じ順序で繰り返すことである。ステップ(5)を繰り返すために、プリンタは距離d1=4sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行29にM1色の行、サブピクセル行32にM2色の行、サブピクセル行35にM3色の行、サブピクセル行38にM4色の行、サブピクセル行41にM1色の行、サブピクセル行44にM2色の行、サブピクセル行47にM3色の行、およびサブピクセル行50にM4色の行。
【0073】
ステップ(6)を繰り返すために、プリンタは距離d2=d1=4sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A6である。次に、印刷#6と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行33にM1色の行、サブピクセル行36にM2色の行、サブピクセル行39にM3色の行、サブピクセル行42にM4色の行、サブピクセル行45にM1色の行、サブピクセル行48にM2色の行、サブピクセル行51にM3色の行、およびサブピクセル行54にM4色の行。
【0074】
ステップ(7)を繰り返すために、プリンタは距離d3=16sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A7である。次に、印刷#7と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行49にM1色の行、サブピクセル行52にM2色の行、サブピクセル行55にM3色の行、サブピクセル行58にM4色の行、サブピクセル行61にM1色の行、サブピクセル行64にM2色の行、サブピクセル行67にM3色の行、およびサブピクセル行70にM4色の行。
【0075】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル8行分で、7組のサブピクセル行を印刷しており、これは54のサブピクセル行に等しい。この時点で、印刷はワークピースの逆縁部に達し、印刷は完了する。実際には、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、これらの行が類似する様式で印刷されることになる。図中の54のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0076】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、3、および6ならびに逆縁部におけるサブピクセル行53、56、57、59、60、62、63、65、66、68、および69が色を有さないことが分かる。1組がサブピクセル4個分である完全な組が、サブピクセル行7からサブピクセル行50まで存在する。
【0077】
実施例2
実施例2を図4に示す。4色がM1、M2、M3、およびM4として示され、4色すべてが印刷される。8本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ3個分である。したがって、実施例1と同様に、q=4、r=0、z=8、n1=2である。
【0078】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置される。印刷ヘッドは、色M1を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1にM1色の行、サブピクセル行4にM2色の行、サブピクセル行7にM3色の行、サブピクセル行10にM4色の行、サブピクセル行13にM1色の行、サブピクセル行16にM2色の行、サブピクセル行19にM3色の行、およびサブピクセル行22にM4色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0079】
この実施例では、印刷パターンは、(ii)第3の印刷パターンの後、第1の印刷パターンが続き、次に第2の印刷パターンが続く順序で実行される。したがって、この実施例での次のステップは、第3の印刷パターンを形成すること:ステップ(7)である。実施例1では、プリンタはまず、距離d1だけシフトした。図4の実施例では、プリンタはまず、距離だけ横方向にシフトし、d3はpz−2d1に等しい。この場合、n2=1、d1=4sであるため、d3=3s・8−2・4s=16sである。これは、プリンタのA2の位置である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行17にM1色の行、サブピクセル行20にM2色の行、サブピクセル行23にM3色の行、サブピクセル行26にM4色の行、サブピクセル行29にM1色の行、サブピクセル行32にM2色の行、サブピクセル行35にM3色の行、およびサブピクセル行38にM4色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第3の印刷パターンが完了する。
【0080】
次のステップは、第1の印刷パターンを形成すること:ステップ(5)である。プリンタは、サブピクセルd1個分だけ横方向にシフトし、n2=1、d1=4sである。これは、プリンタの位置A3である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行21にM1色の行、サブピクセル行24にM2色の行、サブピクセル行27にM3色の行、サブピクセル行30にM4色の行、サブピクセル行33にM1色の行、サブピクセル行36にM2色の行、サブピクセル行39にM3色の行、サブピクセル行42にM4色の行。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0081】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成すること:ステップ(6)である。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2=d1=4sである。これは、プリンタのA4の位置である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行25にM1色の行、サブピクセル行28にM2色の行、サブピクセル行31にM3色の行、サブピクセル行34にM4色の行、サブピクセル行37にM1色の行、サブピクセル行40にM2色の行、サブピクセル行43にM3色の行、およびサブピクセル行46にM4色の行。これにより、第3の印刷パターンが完了する。
【0082】
次のステップ:ステップ(8)は、ステップ(7)、(5)、および(6)を同じ順序で繰り返すことである。ステップ(7)を繰り返すために、プリンタは距離d3=16sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行41および53にM1色の行、サブピクセル行44および56にM2色の行、サブピクセル行47および59にM3色の行、ならびにサブピクセル行50および62にM4色の行。
【0083】
ステップ(5)を繰り返すために、プリンタは距離d1=4sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A6である。次に、印刷#6と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行45および57にM1色の行、サブピクセル行48および60にM2色の行、サブピクセル行51および63にM3色の行、ならびにサブピクセル行54および66にM4色の行。
【0084】
ステップ(6)を繰り返すために、プリンタは距離d2=d1=4sだけ横方向にシフトする。これはプリンタの位置A7である。次に、印刷#7と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行49および61にM1色の行、サブピクセル行52および64にM2色の行、サブピクセル行55および67にM3色の行、ならびにサブピクセル行58および70にM4色の行。
【0085】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル8行分で、7組のサブピクセル行を印刷しており、これは54のサブピクセル行に等しい。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の54のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0086】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、および18ならびに逆縁部におけるサブピクセル行65、68、および69が色を有さないことが分かる。1組がサブピクセル4個分である完全な組が、サブピクセル行19からサブピクセル行62まで存在する。図3と図4とを比較すると、実施例2の印刷方式の場合、図4の前縁部に色を有さないはるかに多くのサブピクセルがあることが分かる。実施例1の印刷方式の場合、図3では逆縁部に色を有さないサブピクセルが多い。いくつかの実施形態では、実施例1の印刷パターン順が使用されるが、ステップ(5)またはステップ(6)の繰り返し後に終了する。印刷方式の選択は一般に、装置の設計に依存することになる。
【0087】
実施例3
実施例3を図5に示す。4色がM1、M2、M3、およびM4として示され、4色すべてが印刷される。実施例1および実施例2と同様に、8本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ3個分である。したがって、q=4、r=0、z=8、n1=2である。
【0088】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置される。印刷ヘッドは、色M1を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1にM1色の行、サブピクセル行4にM2色の行、サブピクセル行7にM3色の行、サブピクセル行10にM4色の行、サブピクセル行13にM1色の行、サブピクセル行16にM2色の行、サブピクセル行19にM3色の行、およびサブピクセル行22にM4色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0089】
この実施例では、印刷パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序で実行される。したがって、次のステップは、第1の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセル4n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=2であり、d1=8sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行9および21にM1色の行、サブピクセル行12および24にM2色の行、サブピクセル行15および27にM3色の行、ならびにサブピクセル行18および30にM4色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0090】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2はd1=8sに等しい。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行17および29にM1色の行、サブピクセル行20および32にM2色の行、サブピクセル行23および35にM3色の行、ならびにサブピクセル行26および38にM4色の行。これにより、第2の印刷パターンが完了する。
【0091】
次のステップは、第3の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd3個分だけ横方向にシフトし、d3はpz−2d1に等しい。この場合、p=3s、z=8、d1=8sであるため、d3=3s・8−2・8s=8sである。したがって、この実施例では、d1=d2=d3であり、すべての横方向シフトは8sの距離になる。これは、プリンタのA4の位置である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行25および37にM1色の行、サブピクセル行28および40にM2色の行、サブピクセル行31および43にM3色の行、ならびにサブピクセル行34および46にM4色の行。これにより、第3の印刷パターンが完了する。
【0092】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル8行分で、4組のサブピクセル行を印刷しており、これは32のサブピクセル行に等しい。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の32のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0093】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、3、5、6、8、11、および14ならびに逆縁部におけるサブピクセル行33、36、39、41、42、44、および45が色を有さないことが分かる。1組がサブピクセル4個分である完全な組が、サブピクセル行15からサブピクセル行30まで存在する。
【0094】
実施例4
実施例4を図6に示す。4色がM1、M2、M3、およびM4として示され、4色すべてが印刷される。12本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ3個分である。したがって、q=4、r=0、z=12、n1=3である。
【0095】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置される。印刷ヘッドは、色M1を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1、13、および25にM1色の行、サブピクセル行4、16、および28にM2色の行、サブピクセル行7、19、および31にM3色の行、ならびにサブピクセル行10、22、および34にM4色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0096】
この実施例では、印刷パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序で実行される。したがって、次のステップは、第1の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセル4n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=1であり、d1=4sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行5、17、および29にM1色の行、サブピクセル行8、20、および32にM2色の行、サブピクセル行11、23、および35にM3色の行、ならびにサブピクセル行14、26、および38にM4色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0097】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2はd1に等しく、4sである。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行9、21、および33にM1色の行、サブピクセル行12、24、および36にM2色の行、サブピクセル行15、27、および39にM3色の行、ならびにサブピクセル行18、30、および42にM4色の行。
【0098】
次のステップは、第3の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd3個分だけ横方向にシフトし、d3はpz−2d1に等しい。この場合、p=3s、z=12、d1=4sであるため、d3=3s・12−2・4s=28sである。これは、プリンタのA4の位置である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行37、49、および61にM1色の行、サブピクセル行40、52、および64にM2色の行、サブピクセル行43、55、および67にM3色の行、ならびにサブピクセル行46、58、および70にM4色の行。
【0099】
次のステップは、第1の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、サブピクセルd1=4s個分だけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行41、53、および65にM1色の行、サブピクセル行44、56、および68にM2色の行、サブピクセル行47、59、および71にM3色の行、ならびにサブピクセル行50、62、および74にM4色の行。
【0100】
次のステップは、第2の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、距離d2=d1=4sだけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A6である。次に、印刷#6と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行45、57、および69にM1色の行、サブピクセル行48、60、および72にM2色の行、サブピクセル行51、63、および75にM3色の行、ならびにサブピクセル行54、66、および78にM4色の行。
【0101】
この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル12行分で、6組のサブピクセル行を印刷しており、これは72のサブピクセル行に等しい。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の72のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0102】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、3、および6ならびに逆縁部におけるサブピクセル行73、76、および77が色を有さないことが分かる。1組がサブピクセル4個分である完全な組が、サブピクセル行7からサブピクセル行70まで存在する。
【0103】
実施例5
実施例5を図7に示す。4色がM1、M2、M3、およびM4として示され、4色すべてが印刷される。12本のノズルが印刷ヘッド上にあり、ノズルの間隔はサブピクセルピッチ3個分である。したがって、q=4、r=0、z=12、n1=3である。
【0104】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置される。印刷ヘッドは、色M1を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1、13、および25にM1色の行、サブピクセル行4、16、および28にM2色の行、サブピクセル行7、19、および31にM3色の行、サブピクセル行10、22、および34にM4色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0105】
この実施例では、印刷パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序で実行される。したがって、次のステップは、第1の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセル4n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=2であり、d1=8sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行9、21、および33にM1色の行、サブピクセル行12、24、および36にM2色の行、サブピクセル行15、27、および39にM3色の行、ならびにサブピクセル行18、30、および42にM4色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0106】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2はd1に等しく、4sである。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行17、29、および41にM1色の行、サブピクセル行20、32、および44にM2色の行、サブピクセル行23、35、および47にM3色の行、ならびにサブピクセル行26、38、および50にM4色の行。
【0107】
次のステップは、第3の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd3個分だけ横方向にシフトし、d3はpz−2d1に等しい。この場合、p=3s、z=12、d1=8sであるため、d3=3s・12−2・8s=20sである。これは、プリンタのA4の位置である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行37、49、および61にM1色の行、サブピクセル行40、52、および64にM2色の行、サブピクセル行43、55、および67にM3色の行、ならびにサブピクセル行46、58、および70にM4色の行。
【0108】
次のステップは、第1の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、距離d1=8sだけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行45、57、および69にM1色の行、サブピクセル行48、60、および72にM2色の行、サブピクセル行51、63、および75にM3色の行、ならびにサブピクセル行54、66、および78にM4色の行。
【0109】
次のステップは、第2の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、距離d2=d1=8sだけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A6である。次に、印刷#6と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行53、65、および77にM1色の行、サブピクセル行56、68、および80にM2色の行、サブピクセル行59、71、および83にM3色の行、ならびにサブピクセル行62、74、および86にM4色の行。
【0110】
次に、印刷は、第3の印刷パターンを繰り返すことなく停止する。この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル12行分で、6組のサブピクセル行を印刷しており、これは72のサブピクセル行に等しい。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の72のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0111】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。第1の縁部におけるサブピクセル行2、3、5、6、8、11、および14ならびに逆縁部におけるサブピクセル行73、76、79、81、82、84、および85が色を有さないことが分かる。1組がサブピクセル4個分である完全な組が、サブピクセル行15からサブピクセル行70まで存在する。
【0112】
実施例6
実施例6を図8に示す。この実施例では、すべての色が印刷される訳ではない。1色は、非印刷堆積方法を使用して堆積する。この実施例では、印刷は、印刷ステップ後に塗布される非印刷色のためのオープンスペースを残す。印刷パターンではオープンスペースは色としてカウントされる。
【0113】
図8に示されるように、3色M1、M2、およびM3と、図中、「空白」として示される、非印刷方法により堆積する第4の色のためのオープンスペースとがある。これは4色:M1、M2、M3、および空白としてカウントされる。M1を印刷する2本のノズル、M2を印刷する2本のノズル、M3を印刷する2本のノズル、および印刷しない2本のノズルがある。非印刷ノズルは、印刷ヘッド上に物理的に存在してもよく、または存在しなくてもよい。非印刷ノズルが存在しない場合、非印刷ノズルのためのスペースがあり、このスペースは、印刷パターンではノズルとしてカウントされる。したがって、これは合計で8本のノズルとしてカウントされる。各色に1つずつ異なる液体組成物およびオープンスペースのための液体組成物欠如が、規則正しい交互パターンで供給される。ノズルの間隔(印刷ノズルおよび非印刷ノズル)は、サブピクセルピッチ3個分である。したがって、この実施例では、q=3、r=1、z=8、n1=2である。
【0114】
色は、「プリンタ」と記された列の下に示されるように配置され、「空白」は非印刷ノズルを示す。印刷ヘッドは、色M1を有する第1のノズルがサブピクセル行1の上方にある状態で第1の縁部に位置決めされる。これは、A1として示される第1の印刷位置である。プリンタは、ワークピースを横切って行方向に印刷して、サブピクセル行1にM1色の行、サブピクセル行4にM2色の行、サブピクセル行7に無色の行、サブピクセル行10にM3色の行、サブピクセル行13にM1色の行、サブピクセル行16にM2色の行、サブピクセル行19に無色の行、およびサブピクセル行22にM3色の行を形成する。これは、印刷#1と記される列に示される。明確にするために、各色に1個のみのサブピクセルが示されるが、各サブピクセルはサブピクセル行全体を表す。
【0115】
この実施例では、印刷パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序で実行される。したがって、次のステップは、第1の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセル4n2個分である距離d1だけ横方向にシフトする。この場合、n2=1であり、d1=4sである。これは、プリンタの位置A2である。次に、印刷#2と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行5にM1色の行、サブピクセル行8にM2色の行、サブピクセル行11に無色の行、サブピクセル行14にM3色の行、サブピクセル行17にM1色の行、サブピクセル行20にM2色の行、サブピクセル行23に無色の行、およびサブピクセル行26にM3色の行。印刷#2は、明確にするために、印刷#1の右側にシフトして示される。印刷#1および印刷#2は両方とも、他のすべての印刷番号と同様に、ワークピースを横切って印刷されたサブピクセルの完全な行を表す。これにより、第1の印刷パターンが完了する。
【0116】
次のステップは、第2の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd2個分だけ横方向にシフトし、d2はd1=4sに等しい。これは、プリンタのA3の位置である。次に、印刷#3と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行9にM1色の行、サブピクセル行12にM2色の行、サブピクセル行15に無色の行、サブピクセル行18にM3色の行、サブピクセル行21にM1色の行、サブピクセル行24にM2色の行、サブピクセル行27に無色の行、およびサブピクセル行30にM3色の行。これにより、第2の印刷パターンが完了する。
【0117】
次のステップは、第3の印刷パターンを形成することである。プリンタは、サブピクセルd3個分だけ横方向にシフトし、d3はpz−2d1に等しい。この場合、p=3s、z=8、d1=4sであるため、d3=3s・8−2・4s=16sである。これは、プリンタのA4の位置である。次に、印刷#4と記された列に示されるように、プリンタは第3の組の行を印刷する:サブピクセル行25にM1色の行、サブピクセル行28にM2色の行、サブピクセル行31に無色の行、サブピクセル行34にM3色の行、サブピクセル行37にM1色の行、サブピクセル行40にM2色の行、サブピクセル行43に無色の行、およびサブピクセル行46にM3色の行。これにより、第3の印刷パターンが完了する。
【0118】
次のステップは、第1の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、距離d1=4sだけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A5である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行29にM1色の行、サブピクセル行32にM2色の行、サブピクセル行35に無色の行、サブピクセル行38にM3色の行、サブピクセル行41にM1色の行、サブピクセル行44にM2色の行、サブピクセル行47に無色の行、およびサブピクセル行50にM3色の行。
【0119】
次のステップは、第2の印刷パターンを繰り返すことである。プリンタは、距離d2=d1=4sだけ横方向にシフトする。これは、プリンタの位置A6である。次に、印刷#5と記された列に示されるように、プリンタは別の組の行を印刷する:サブピクセル行33にM1色の行、サブピクセル行36にM2色の行、サブピクセル行39に無色の行、サブピクセル行42にM3色の行、サブピクセル行45にM1色の行、サブピクセル行48にM2色の行、サブピクセル行51に無色の行、およびサブピクセル行54にM3色の行。
【0120】
次に、印刷は、第3の印刷パターンを繰り返すことなく停止する。この時点で、プリンタは、1組がサブピクセル8行分で、6組のサブピクセル行を印刷しており、これは48のサブピクセル行に等しい。上述したように、大半の装置で、数百のサブピクセル行以上までのはるかに多数の行が必要であり、図中の48のサブピクセル行は、単なる例示として示される。
【0121】
印刷結果は、「パターン」と記される列中に示される。非印刷行:サブピクセル行7、11、19、23等に3番目の色のために利用可能なオープンサブピクセルがあることが分かる。1組が2色と、第3の色のための空白スペースとを足したものである完全な組が、サブピクセル行7からサブピクセル行46まで存在する。
【0122】
このプロセスの次のステップは、非印刷方法により第3の色M4を塗布することである。いくつかの実施形態では、非印刷方法は蒸着である。いくつかの実施形態では、M1、M2、およびM3のそれぞれは赤、緑、および青であり、M4は白である。
【0123】
概説または図中の実施例において上述した動作のすべてが必要であるとは限らないこと、特定の動作の一部分が必要ない場合があること、および1つまたは複数のさらなる動作を、上述した動作に加えて実行してもよいことに留意する。さらに、動作が列挙された順序は必ずしも動作が実行される順序ではない。
【0124】
上記明細書において、特定の実施形態を参照して概念を説明した。しかし、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱せずに、様々な修正および変更を行い得ることを当業者は理解する。したがって、本明細書および図は、限定の意味ではなくむしろ例示の意味で考えられるべきであり、そのようなすべての変更は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0125】
恩恵、他の利点、および問題の解決策について、特定の実施形態に関して上述した。しかし、任意の恩恵、利点、または解決策を生じさせ得る、またはさらに明確にし得る恩恵、利点、問題の解決策、およびいかなる特徴も、任意またはすべての請求項の必須、所要、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0126】
本明細書では、明確にするために、別個の実施形態の文脈の中で説明された特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせて提供してもよいことを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈の中で説明された様々な特徴を、別個に、または任意の下位組み合わせで提供してもよい。本明細書において指定される様々な範囲での数値の使用は、まるで記載の範囲内の最小値および最大値の両方に言葉「約」が前置されているかのように、概算として述べられる。このようにして、記載される範囲を超えるわずかなばらつきおよび記載される範囲を下回るわずかなばらつきを使用して、それらの範囲内の値と略同じ結果を達成することができる。これらの範囲の開示は、ある値の成分のうちのいくつかが異なる値の成分と混じる場合に生じ得る小数値を含め、最小平均値と最大平均値との間のあらゆる値を含む連続範囲としても意図される。さらに、より広い範囲およびより狭い範囲が開示される場合、一範囲からの最小値を、別の範囲からの最大値に合わせること、そして逆もまた同様に、本発明の意図内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース上にサブピクセル行の規則正しい配列を形成する方法であって、サブピクセルは4つの異なる色を有し、かつサブピクセルピッチsを有し、q色は印刷により形成され、r色は非印刷方法により形成され、前記方法は、
(1)ノズル間隔pを有する行内に配置されたz本のノズルを有する印刷ヘッドを設けることであって、z=4n1であり、p=3sであり、印刷ヘッドはワークピースに対して第1の位置にある、印刷ヘッドを設けること、
(2)q印刷色のそれぞれに1つずつ、q個の異なる印刷インクを提供すること、
(3)規則正しい交互パターンで印刷インクのそれぞれをノズルに供給すること、
(4)印刷ヘッドを使用して、第1の組のzサブピクセル行を印刷すること、
(5)移動させること、および第1の印刷パターンで印刷することであって、
(a)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d1(但し、d1=4n2sである)だけ横方向に移動させること、
(b)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第1の印刷パターンで印刷すること、
(6)移動させること、および第2の印刷パターンで印刷することであって、
(c)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d2(但し、d2=d1である)だけ横方向に移動させること、
(d)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第2の印刷パターンで印刷すること、
(7)移動させること、および第3の印刷パターンで印刷することであって、
(e)ワークピースを印刷ヘッドに対して距離d3(但し、d3は、d1+d2+d3=pzであるようにd3=4n3sである)だけ横方向に移動させること、
(f)印刷ヘッドを使用してzサブピクセル行の組を印刷すること
を含む、移動させること、および第3の印刷パターンで印刷すること、
(8)ステップ(5)〜(7)を同じ順序で複数回繰り返すこと、および
(9)r色を非印刷方法で塗布すること
を含み、
1は0よりも大きな整数であり、
2は、3の倍数ではなく、かつn2≦n1であるような、0よりも大きな整数であり、
3は、2n2+n3=3n1であるような整数であり、
qは1〜4の整数であり、
rはq+r=4であるような整数であり、
パターンは、(i)第1の印刷パターンの後、第2の印刷パターンが続き、次に第3の印刷パターンが続く順序、または(ii)第3の印刷パターンの後、第1の印刷パターンが続き、次に第2の印刷パターンが続く順序で実行される、方法。
【請求項2】
q=4である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1は少なくとも2である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1=3〜9である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1は3の倍数ではなく、d1=d2=d3である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各印刷インクは、エレクトロルミネセンス材料および液体媒体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
rは少なくとも1であり、非印刷方法は、蒸着、熱転写、スピンコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、浸漬被覆、スロットダイコーティング、および吹き付け塗装からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3−2】
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【図4】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図6−2】
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【図7】
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【図7−2】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−529153(P2012−529153A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514127(P2012−514127)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/037247
【国際公開番号】WO2010/141713
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】