マルチチャンネル協働輸液システム
【課題】所定時間にわたって薬剤を正確に注入する医用輸液システムが依然として求められている。
【解決手段】輸液システムは、第1注入剤、好ましくは薬剤を静脈(IV)輸液ラインに送出する第1ポンプ装置と、第2注入剤、好ましくは中性キャリヤ液をIVラインに送出する第2ポンプ装置とを備えている。この輸液システムは、容器内に残っている未送出第1注入剤の量を測定する測定装置も備えている。さらに、この輸液システムは、第1および第2送出装置ならびに測定装置と連絡し、輸液システム内に残っている前記測定した未送出第1注入剤の量、所定の注入時間、および所定第1注入時間に基づいて最適な第1注入剤注入流量を決定し、それに応じて第1送出ユニットを制御するための制御システムを備えている。
【解決手段】輸液システムは、第1注入剤、好ましくは薬剤を静脈(IV)輸液ラインに送出する第1ポンプ装置と、第2注入剤、好ましくは中性キャリヤ液をIVラインに送出する第2ポンプ装置とを備えている。この輸液システムは、容器内に残っている未送出第1注入剤の量を測定する測定装置も備えている。さらに、この輸液システムは、第1および第2送出装置ならびに測定装置と連絡し、輸液システム内に残っている前記測定した未送出第1注入剤の量、所定の注入時間、および所定第1注入時間に基づいて最適な第1注入剤注入流量を決定し、それに応じて第1送出ユニットを制御するための制御システムを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ポンプから送出される薬液量の監視に関し、より詳細には、残存薬液量を正確に監視して所定時間内に完全送出するための流量計算に関する。
【背景技術】
【0002】
多重輸液ポンピングモジュールを有する輸液システムに、ポンプおよびモニターモジュールが中央管理ユニットに選択的に取り付けられた中央管理輸液ポンプシステムが組み込まれていることは周知である。この中央管理ユニットは、内部の設定と付属モジュールのプログラミングを制御し、付属モジュールから情報を受信して表示する。各モジュールは中央管理ユニットから分離することができる。
【0003】
長期にわたる±5%以上にもなり得る輸液システムの誤差や、静脈(IV)バッグの過剰充填または流れの中断などの他の要因により、所望量の薬剤を所望時間内に注入できなかったり、場合によっては、注入が1、2時間予定より早まったり、遅れたりすることがある。そのような場合、臨床医、すなわち、医学、精神医学または心理学の臨床診療有資格者は、その問題に気付いたらすぐ、そうした要因を補正するために、手動で注入流量を増減させなければならない。投薬が中断すると、患者や臨床医にとって不都合や遅れが生じたり、薬剤の治療効果を弱めたりする恐れがある。時間通りに完了させようとして輸液の終盤に向って注入速度を増大させたりすると薬物毒性問題も生じ得る。
【0004】
上記問題に対処するために臨床医が用いる方法の1つは、IVバッグを秤量してバッグの正確な容量を測定する方法である。これは、バッグを薬局で慎重に秤量し、バッグの総重量からバッグの空重量を引かなければならないので、完全に満足できる方法ではない。秤りの精度の差と(通常分からない)溶液の比重(密度)の補正により、さらなる誤差が生じる。通常、臨床医は、溶液の誘導量(derived volume)に基づいて注入流量を設定する。この方法では、いったん輸液を開始すると流れが中断しても流量の正確な補正ができず、したがって、所望時間内に患者に注入薬剤を送出し得ない。中断があった輸液の終了時には、多くの場合、IVバッグまたはチューブ内にかなりの量の薬剤が残存し、臨床医はこれをフラッシュしたり、廃棄したりしなければならない。残存量が廃棄されると、患者は臨床医が意図する総量を受容できないので、薬剤の効果が低下し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、所定時間にわたって薬剤を正確に注入する医用輸液システムが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡単かつ大まかに言えば、本発明は、患者のIVラインに第1注入剤、好ましくは薬剤を、IVラインに第2注入剤好ましくは中性キャリヤ液(carrying solution)を送出する輸液システムに関する。この輸液システムは、さらに、システム内に残っている未送出第1注入剤の量を測定する測定装置を備えている。さらに、この輸液システムには、第1注入剤の送出を制御し、送出すべき所定の第1注入剤量の入力、および第1注入剤量を注入すべき時間の入力を可能にする制御システムを備えている。この制御システムは、さらに、第1および第2送出装置ならびに測定装置と連絡して、所定の第1注入剤量、所定の注入時間、および測定した輸液システム内に残っている未送出第1注入剤量に基づいて、最適な第1注入剤注入流量を決定し、最適注入流量で第1注入剤を送出
するように第1送出装置を制御する。
【0007】
本発明の別の態様によれば、さらに1つの輸液システムが提供される。輸液システムは、注入限外濾過液を血液濾過器に送出する第1送出装置と、輸液システム内の注入限外濾過液量を測定する第1測定装置とを備えている。輸液システムはさらに、血液濾過器から患者の除去限外濾過液を受ける第2送出装置と、輸液システム内の除去される限外濾過液量を測定する第2測定装置とを備えている。輸液システムはさらに、第1および第2送出装置ならびに第1および第2測定装置と連絡して、測定された輸液システム内の注入限外濾過液および除去限外濾過液の量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定の所望圧力差に基づいて、血液濾過器に出入りする最適流量を決定し、それに応じて第1および第2送出装置を制御する制御システムを備えている。
【0008】
本発明の他の態様において、患者に第1注入剤を注入する方法が提供される。臨床医またはシステム自体が、患者に注入すべき第1注入剤の総量を決定する。次いで、臨床医は、例えば24時間といった、第1注入剤を注入するのに望ましい時間を確定する。シリンジポンプのポジションセンサーまたは大容量ポンプのウエイトセルは注入すべき第1注入剤残存量を検出する。制御システムは、常時、所定時間の残り時間を計算する。大容量ポンプ(LVP)は第2注入剤を患者の輸液ラインに送出し、シリンジポンプか、またはLVPとウエイトセルとの組み合せかが、第1注入剤をIVラインに注入する。制御システムは、注入すべき第1注入剤残存量および所定時間の残り時間に基づいて、常時、自動的に注入流量を調整するのが好ましい。第1注入剤の総量が注入されるまで、検出、計算、送出、注入、および調整ステップを繰り返すのが好ましい。
【0009】
さらに他の態様において、限外濾過液を患者に注入する方法が提供される。方法は、注入限外濾過液を血液濾過器に送出するステップと、輸液システム内の注入限外濾過液の量を測定するステップと、血液濾過器から患者の除去限外濾過液を受けるステップと、輸液システム内の除去限外濾過液の量を測定するステップと、測定された輸液システム内の注入限外濾過液および除去限外濾過液の量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定の所望圧力差とに基づいて、送出および受液ステップの流量を調整するステップとを含む。
【0010】
本発明の新規な特徴および本発明自体は、共にその構成および作用に関して、添付図面を以下の説明と合わせて参照すれば最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プログラミングユニットの共通制御下に2つの輸液ポンプで患者に注入するために共通IV投与ラインにポンプ輸送される、2つの異なる液体供給源である容器(液体バッグ)およびシリンジ由来の薬液を示す本発明の諸態様によるマルチチャンネル協働輸液システムの略図。
【図2】図1に示すプログラミングユニットの拡大図。
【図3】注入セッションにおける流量 対 時間を示すグラフ。
【図4A】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4B】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4C】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4D】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4E】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4F】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4G】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4H】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4I】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4J】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4K】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4L】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4M】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4N】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4O】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4P】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4Q】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4R】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4S】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4T】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4U】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4V】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図5】図1〜4の輸液システムに従って患者に薬剤を注入する方法のフローチャート。
【図6】2つの異なる液体供給源内にある薬液とウエイトセルを有する大容量輸液ポンプとを示す本発明の諸態様によるマルチチャンネル協働輸液システムの別の実施形態の略図。液体は、プログラミングユニットの共通制御下に患者に注入するために共通IVラインにポンプ輸送される。
【図7A】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7B】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7C】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7D】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7E】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7F】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7G】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7H】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7I】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7J】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7K】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7L】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7M】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7N】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7O】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7P】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7Q】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7R】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7S】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7T】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7U】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図8】プログラミングユニットの共通制御下に患者に注入するための、大容量輸液ポンプとウエイトセルの組み合せによる限外濾過液の除去および交換を示す、本発明の諸態様によるマルチチャンネル協働輸液システムのさらなる実施形態の略図。
【図9】図8の輸液システムに従って限外濾過液を除去および交換する方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面、より特定的に言えば、いくつかの図では同じ参照番号が同じまたは対応する要素を指す図面を参照すると、本発明のマルチチャンネル協働輸液システムは、特定の所定時間にわたって所定量の薬剤を、例えば、24時間にわたって1000mlの化学療法剤を注入する。
【0013】
患者が化学療法薬または他の薬剤注入を受ける場合を例として本発明を説明する。当然のことながら、そのような例は例示を目的とするに過ぎない。
通常、化学療法薬は、何日も続く多重セッションにわたって注入される。ある種の輸液システムの誤差または注入液送出の中断により、注入セッションの終期までに、注入が何時間も早まったり、遅れたりし得る。本発明は、この問題に取り組むものであり、例示的実施形態を以下に説明する。1つの実施形態では、正確な輸液装置、例えば、輸液装置が
インテリジェント制御モジュールによって制御されるウエイトセルと大容量輸液ポンプ(「LVP」)の組み合せを用いる。
【0014】
シリンジポンプは、通常、前進するプランジャーによって放出される液体を保持するシリンダーからなる。プランジャーは、通常、比較的一定した変動のない流れを提供するために、1つまたは複数のギヤを介してドライバーヘッドに接続されたモーターを含む駆動機構により、シリンダー内を進められる。本発明の1つの態様によれば、所定期間にわたって所定量の液体を正確に注入する手段が提供される。特定流量をプログラミングするのではなく、臨床医は、特定期間にわたる特定の注入量をプログラミングすることができ、かつこのシステムは、残存注入量と残存注入時間に基づいて、流量をあるパラメータ内で自動的に調整する。このシステムはさらに、システムの開始時や、注入を一時的に停止する必要がある、例えば注入ラインの閉塞もしくは空気の混入または他のなんらかの他の理由で注入時に生じ得る事情によるシステムの停止時における、どのような変化にも対応する。
【0015】
通常、薬液は濃縮状態で供給されるので、患者に注入する前に希釈する必要がある。一般にシリンジには、IVドリップバッグに比べて比較的少量の液体しか入らないので、多くのシリンジ内に充填される薬剤は濃縮状態で供給され、投与時に希釈しなければならない。本発明は、シリンジ内の濃縮薬剤を、大容量ポンプ(LVP)を介して供給される標準生理食塩水などの中性キャリヤ液で、継続的に希釈することができる。
【0016】
図1は、本発明の1つの実施形態によるマルチチャンネル協働輸液システム10の図である。このマルチチャンネル協働輸液システム10には、エガース(Eggers)に付与された1998年2月3日発行の米国特許第5,713,856号に開示されているものと類似のプログラム可能患者ケアシステムが組み込まれており、上記特許は本明細書に文献援用される。このプログラム可能患者ケアシステムは、少なくとも2つの機能ユニット14および16と組み合わされた患者ケアユニット(PCU)12を備えている。PCU12は、制御システムを内蔵しており、通常、患者ケアシステムにおける4つの機能を果たす:IV取付ポールやベッドレールなどの構造物をシステムに物理的に接続する;システムに動力を供給する;システムと外部装置との間の特定情報を除くインターフェースを提供する;システムとの多数のユーザーインターフェースを提供する。
【0017】
図2は、図1に示すPCU12の拡大図である。PCU12は、液晶ディスプレイなどの任意のタイプのディスプレイであり得るインフォメーションディスプレイ18を備えている。ディスプレイ18は、設定や操作手順時にデータ入力や編集をし易くするのに用い得る。ディスプレイ18は、図4および7に関連して説明するような様々な操作パラメータの表示にも用い得る。PCU12はさらに、データやコマンド入力用の複数のハードキー20およびソフトキーS1〜S14を有し得る。ハードキー20は、数字ハードキー22、ナビゲーションキー(例えば、アップダウンキー)24、エンター(ENTER)キー26、キャンセル(CANCEL)キー28、およびオプション(OPTION)キー30を有し得る。他の共通キーとしては、パワー(POWER)や可聴アラームの解除に用いるサイレンス(SILENCE)などがある。数字ハードキー22の一部は数値データの入力に用い、残りのハードキーやソフトキーS1〜S14は操作コマンドの入力に用い得る。この実施形態では、ディスプレイ18の左側に5つのソフトキーS1〜S5、ディスプレイ18の右側に5つのソフトキーS6〜S10、ディスプレイ18の下側に4つのソフトキーS11〜S14が設けられている。
【0018】
再度図1を見ると、PCU12には2つの機能ユニット14および16が搭載されている。機能ユニット14および16は、米国特許第5,713,856号に記載のように、PCU12に着脱可能に装着でき、他の機能ユニットと交換可能であるのが好ましい。当
然のことながら、図1には2つの機能ユニット14および16が示されているが、患者ケアシステム10には異なる数の機能ユニットを組み込み得る。
【0019】
第1機能ユニット16は、輸液ポンプまたは同種のものであるのが好ましい。より具体的に言えば、第1機能ユニット16は、流量が約1000〜2000ml/時以上の大容量非経口ポンプ(「LVP」)であるのが好ましい。この実施形態における第1機能ユニット16の一次タスクは、希釈剤注入チャンネル(チャンネルA)、この場合はLVP16を介して、患者に挿入されたIVライン34に希釈液32を送出することである。希釈液は、例えば標準生理食塩水などの任意の中性液であってよく、通常、IVバッグ36などの容器に入っている。
【0020】
第2機能ユニット14は、シリンジポンプなどの低容量持続注入ポンプであるのが好ましい。この実施形態における第2機能ユニット14の一次タスクは、薬剤注入チャンネル(チャンネルB)、この場合はシリンジポンプ14を介して、IVライン34に濃縮薬剤を送出することである。薬剤は、任意のタイプの液状薬物、例えば化学療法剤であり得る。
【0021】
1つの実施形態によるシリンジポンプ14は、シリンジ径を測定し、次いで、それを用いて、使用されているシリンジのタイプをルックアップテーブルなどを用いて検出するリニアアクチュエータなどのセンサー38を有するシリンジサイズ検出システムを備えている。例えば、直径20mmのシリンジは50ml容量を有し得る。しかし、同じ直径を有する他のシリンジも存在し得るので、1つの実施形態によれば、臨床医は、図4Jに関連して説明するように、シリンジサイズを確認するように促される。
【0022】
シリンジポンプ14は、さらに、シリンジのプランジャー42がどこまで進んだか、またその吐出工程の終りに到達するまであとどの位プランジャー42を進めなければならないかを確定する正確なリニアポジションセンサーなどの測定装置40を有し得る。測定したシリンジサイズとプランジャー位置とにより、マルチチャンネル協働輸液システム10(米国特許第5,713,856号参照)内のプロセッサでシリンジ内に残っている薬剤量を正確に測定することができる。必要なら、そのような測定は連続的にリアルタイムで実施し得る。
【0023】
使用時、PCU12の制御システムは、機能ユニット14および16ならびに測定装置40と連絡して、システム内に送出されずに残っている第1注入剤の測定量、所定の注入液量、および所定の注入時間に基づいて、最適な第1注入剤注入流量を決定する。次いで、それに応じて、PCU12の制御システムは機能ユニット14および16の流量を制御する。
【0024】
図3は、典型的な注入セッションにおける流量46 対 時間48のグラフ44である。チャンネルAは、通常、薬剤が充填されて注入が始まるまで、生理食塩水などの薬理学的不活性(中性)液またはキャリヤ液を維持流量で注入するように設定される。通常、チャンネルA、すなわち希釈剤チャンネルは、IVラインを「開放」状態に保つように連続的に運転されるが、これは必須条件ではない。この初期希釈剤の流れは維持輸液50と称される。チャンネルAでは異なる所定希釈剤流量52がチャンネルBでの薬剤注入54の開始と同時に注入を始めるようになっている。何らかの理由でチャンネルAかチャンネルBの注入に中断56または58があると、チャンネルAとBは同時に停止するであろう。最初に停止したチャンネルを再始動させると、両チャンネルが同時にポンプ輸送を再開する60および62。PCU12は、所定の割当期間の残り時間内に所定所望薬剤量の残りの量を注入するように薬剤注入(チャンネルB)の速度を自動的に調整する。所望薬剤が完全に注入されたら、薬剤注入チャンネルは自動停止する64。しかし、希釈剤チャンネ
ル(チャンネルA)は、維持輸液の注入を継続し得る66。
【0025】
図4A〜4Vは、本発明の1実施形態に関連して用いられるインターフェーススクリーンである。図4A〜4Vを用いて、ユーザーインターフェースと制御システムの例を説明する。
【0026】
図4Aはメインプログラミングインターフェーススクリーン70である。このメインプログラミングスクリーンデータ70は、輸液システムが稼動しているとき、または輸液システムが休止もしくは稼動していないときに表示される。原則として、表示された機能に隣接するソフトキー(図2のS1〜S14)を押すと、ディスプレイスクリーン上のソフトキーの隣りに表示された機能またはコマンドが起動する。「A」および「B」は、輸液システムに接続されたチャンネルAおよびチャンネルBの注入モジュールを示している。輸液システムにもっと多くのモジュールが接続されている場合、各モジュール用のさらなる文字が表示されるであろう。「注入量」または「アラーム音量」機能またはコマンドもソフトキーを介してアクセスし得る。「オプション」ハードキー(図2では参照番号30)を押すと、図4Bのオプション72のスクリーンが表示される。図4Bは第1オプションインターフェーススクリーン72である。一般的な操作に関するいくつかのオプションがスクリーン上に表示される。「ページダウン」ソフトキーS14(図2)を押すと、図4Cのように第2オプションスクリーン74が表示される。
【0027】
図4Cには、特に注入に関するオプション74が示されている。「マルチチャンネル注入」に隣接するソフトキーS1を押すと、本発明のさらなる態様に関する機能にアクセスし得る。
【0028】
図4Dは、マルチチャンネル輸液用インターフェース76を示している。このインターフェースは、チャンネルAを介した生理食塩水の維持流量の設定に関する。輸液システムは維持輸液流量の入力をデフォルトに設定する。次いで、臨床医は、図4Eに示すように、所望流量をミリメートル/時(ml/時)で入力し得る。例えば、数字ハードキーで10ml/時の維持流量を入力する。「VTBI」(「volume−to−be−infused、「注入すべき量」」に隣接するソフトキーを押すと、図4Fのインターフェーススクリーンが表示される。臨床医は、例えば図4Gに示すような1000mlといった、注入すべき維持液の正確な量または近似量を入力し得る。「フラッシュ」(Flush)または「プロファイル」(Profile)に隣接するソフトキーを押してこれらの設定のどちらかを変えることができる。「エンター」ハードキー(図2の参照番号26)を押して、入力された変数を確認し得る。図4Hは確認のインターフェーススクリーン76である。臨床医はバックアッププリコーションとして再度変数を確認するように促される。再度「エンター」ハードキーを押して確認する。
【0029】
図4Iはサマリースクリーンである。ここで、チャンネルAは維持輸液を行っていると示されている。薬剤チャンネルBに移動するためには、「B」チャンネルスクリーン表示の隣に位置するソフトキーS2を押して、図4Jに示すインターフェースを表示させる。図4Jはシリンジ確認スクリーンである。図4Jに示すような本発明のシリンジポンプの実施形態に特有な特徴は、(流量はプランジャーの進行速度とシリンジバレルの直径に依存するので)臨床医が使用されているシリンジのタイプを検出しなければならないことである。シリンジタイプは、上述のように、ポンプにより自動検出可能であり、この例のように、すなわち、IVAC 50mlシリンジと表示される。次いで、ソフトキーS7またはS8を押して、検出したシリンジタイプを確認または変更し得る。シリンジタイプが間違っていると、ユーザーが異なるシリンジタイプを選択し得るインターフェーススクリーンが表示される(図示せず)。シリンジタイプを確認すると、図4Kに示すインターフェーススクリーンが表示される。
【0030】
臨床医は、数字ハードキーで入力し得る薬剤注入流量を入力するように促される。臨床医が特定容量またはシリンジの全容量を注入したい場合は、「VTBI」に隣接するソフトキーS2を押し得る。臨床医は、注入すべき量を入力するか、アップもしくはダウンハードキー(図2の参照番号208)または再度ソフトキーS2を押して、シリンジの全容量を注入するように選択し得る。シリンジの全容量は、図4Lに示すように「VTBI」の隣の「全部」(ALL)で分かる。あるいは、「全部」設定をデフォルト設定として設定してもよい。S3ソフトキーを押して図4Mに示すようなこの注入の持続時間を入力するオプションを選択する。
【0031】
本発明のこの実施形態によれば、臨床医は、通常、所定時間にわたって所定量の薬剤を注入する必要がある。図4Lに関連して説明したように、臨床医は、シリンジの全容量を注入するように選択した。全容量を注入する時間を入力するために、臨床医は、数字ハードキーを押して、例えば図4Nに示すように24時間といった所望時間を入力する。図4Oに示すように、S4ソフトキーを押して、注入開始時間を入力し得る。
【0032】
図4Pでは、臨床医は所望注入開始時間を9:00と入力している。あるいは、輸液システムは現在時間をデフォルトに設定するようにしてもよく、臨床医はアップダウンハードキーを利用して開始時間を変更することができる。例えば、化学療法薬を投与する前に、先ず、別のシリンジまたは注入チャンネルを介して制嘔吐剤などの前投薬を施すなどといった別のタスクを臨床医が実行できるように、薬剤注入を遅延させることが望ましいことがある。
【0033】
上述のように、薬剤は、通常、患者に注入する前に生理食塩水などの中性液で希釈しなければならない。希釈剤チャンネルを設定するために、臨床医は、図4Qに示す希釈のインターフェーススクリーンを表示する「希釈する」(「DILUTE」)に関連するS12ソフトキーを押す。希釈液流量を入力するために、臨床医は、図4Rに示す「速度」(「RATE」)に関連するS2ソフトキーを押す。数字ハードキーを押して、流量、例えば100ml/時を入力し得る。臨床医は、「VTBI」関連S3ソフトキーを押して、図4Sに示すように、注入すべき希釈液の近似量、例えば400mlを入力し得る。より重要なパラメータは希釈液の流量なので、推定値でよい。注入時、システムの希釈液が使い尽くされると、アラームが鳴り、希釈液が補充されてシステムが再始動されるまでチャンネルAとBが同時に停止するであろう。希釈液設定を完了するために、臨床医は、「エンター」ハードキー(図2の参照番号26)を押す。希釈液は薬剤と同時注入されるので、その開始時間と持続時間は、希釈剤チャンネルAの場合も薬剤注入チャンネルBの場合も同じである。
【0034】
図4Tは、臨床医が設定を確認するために「エンター」ハードキーを押すように促されるチャンネルB設定に関するインターフェーススクリーン84である。「エンター」を押すと、図4Uに示すインターフェース86が表示される。図4Uは、時系列上でのチャンネルAとBの注入を示している。どちらかのチャンネルに関連するソフトキーを押して、チャンネル設定を見たり、変更したりし得る。システムにさらなるチャンネルが接続されていれば、それらのチャンネルも表示されるであろう。システムを起動させるために、臨床医は、「スタート」(START)の下のS14ソフトキーを押す。システムが作動し始めると、図4Vのサマリースクリーン88が表示される。実施例通り、直ちに維持流が注入され始め、9:00になったら、薬剤と希釈液が注入され始める。9:00以後、スクリーンは、シリンジの全容量が注入され、注入持続時間が経時的に減少することを示すように変化する。
【0035】
図5は、上述し、図1〜4に示す輸液システムに従って患者に薬剤を注入する方法90
のフローチャートである。上述のように、ステップ92で、臨床医または輸液システム自体が、IVドリップバッグまたはシリンジの全容量を単純に注入し得る、患者に注入する薬剤の全量を決定する。次いで、ステップ94で、臨床医は、薬剤の全量を注入する時間、例えば24時間を選択する。ステップ96で、リニアポジションセンサー40は注入すべき薬剤の残量を常時検出する。ステップ98で、制御システムは所定時間の残り時間を常時計算する。ステップ100で、輸液ポンプは中性キャリヤ液をIVラインに送出し、ステップ102で、シリンジポンプは薬剤を輸液回路に注入する。ステップ104で、制御システムは、注入すべき薬剤の残量と所定時間の残り時間とに基づいて、チャンネルBの注入流量を常時自動的に調整する。ステップ106で、薬剤の全量が注入されるまで、検出、計算、送出、注入および調整ステップを繰り返す。
【0036】
図6は、本発明の別の実施形態によるマルチチャンネル協働輸液システム110を示している。このマルチチャンネル協働輸液システムは、上述のシリンジポンプ実施形態と類似している。先の実施形態と同じように、このマルチチャンネル協働輸液システムも、制御システムおよびLVP16を有するPCU12を備えている。IVバッグ36内に入っている希釈液32は、LVPにより、チャンネルAを介して患者につながっているIVライン34にポンプ輸送される。このシステムはさらに、LVP114とウエイトセル116を備えた機能ユニット112を有する。ウエイトセルは、有線または遠隔通信(例えば、赤外線、無線周波数)を介してPCU12と連絡している。
【0037】
使用時には、薬剤120が入った容量は分からないが空重量または風袋重量は分かっているIVドリップバッグなどの容器118を、ウエイトセル116から吊り下げる。臨床医は、通常、ウエイトセルから吊り下げる容器(例えば、市販の250mlプラスチック溶液バッグ)を特定し、この情報を注入の近似量および持続時間と共にPCU12に入力する。容器のタイプ、従ってその風袋重量は、容器検出システム122が自動的に検出し得る。風袋重量は、容器の製造業者名や容器の風袋重量を加えてプログラムしたPCUのデータベースから検出してもよいし、もしくは製造業者が、PCUが読み込み得る容器に関するバーコードまたは別の情報デバイスを組み込んでいてもよい。薬剤師が溶液が入っていないバッグを秤量してバーコードまたは他の電子タグを付けてもよいし、製造業者が容器の上に、製造業者名、モデル番号およびバッグのグラム重量を含む識別子を付けてもよい。容器内の液体の重量は、ウエイトセルで測定した特定容器の実量から既知風袋重量を引いて計算する。チューブ100は、バッグの薬剤をIVライン34に接続するLVP114(チャンネルB)に送出する。
【0038】
マルチチャンネル協働輸液システム110内のプロセッサ(制御システム)は、注入すべき所定全量、測定した液体重量、および注入に割り当てられた時間の残り時間に基づいて、正確な注入流量を自動的に決定する。この決定は、必要なら、常時リアルタイムで実施し得る。液体の異なる比重による誤差は、(ほとんどの薬液が1に近い比重を有する、すなわち、標準として使用される水と同様な質量を有するので)通常極くわずかであるが、マルチチャンネル協働輸液システム110では考慮に入れてもよい。したがって、このシステムは、注入に割り当てられた所定時間内に、容器の内容物の完全送出、または指定量の送出を確実にするために、容器118の重量変化を自動的に検出し、それに応じてチャンネルBを介した薬剤注入速度を調整する。その際、このシステムは、アラーム、中断状態などによる無注入時間を引いて自動調整する。
【0039】
機能ユニット16および114は、上述のように、インターフェースユニットPCU12に着脱可能に装着でき、他の機能ユニットと交換可能であるのが好ましい。当然のことながら、図6には2つの機能ユニットが示されているが、患者ケアシステム110には異なる数の機能ユニットを組み込み得る。
【0040】
通常、LVPは、正確に操作するために、正のヘッド高さ(positive head height)を必要とする。上述のウエイトセル実施形態においては、チャンネルBを通る流量が常時制御されるために正のヘッド高さの必要はなくなる。上記配置により、正確な所定時間内に量が分かっていない全内容物を送出することができる。また、それによって、共に制御された希釈液と輸液を送出する能力も得られる。
【0041】
図2と図3はどちらも上述のウエイトセルの実施形態にあてはまる。
図7A〜7Uは、本発明の上記ウエイトセルに関連して用いられるユーザーインターフェースである。この実施形態に関連して用いられるPCUは、先の実施形態に関して説明したものと同じようにプログラムされている。本発明のマルチチャンネル輸液モードへのアクセスは、図4A〜4Cに関連して説明し、完全を期すために図7A〜7Cに示すように達成される。チャンネルAの維持流量は、図4D〜4Hに関連して説明し、完全を期すために図7D〜7Hに示すように設定されている。チャンネルAが維持輸液を送出することを示すサマリースクリーンが図7Iに示されている。「B」に隣接するS2ソフトキーを押すと、図7Jのように、輸液設定のインターフェーススクリーン80が表示される。
【0042】
図4K〜4Pに関連して説明し、完全を期すために図7J〜7Oに示したものと同様に、流量「速度」(RATE)、注入すべき量「VTBI」、注入時間「持続時間」(DURATION)および注入開始時間「開始時間」(START TIME)をPCU80に入力する。「全部」で分かるように容器の全容量を注入する場合には、流量のプログラミングは輸液システムに絶対不可欠というわけではない。これは、計算された液体重量を注入に割り当てられた時間内の残りの時間および分で割る流量が、マルチチャンネル協働輸液システムでは常時計算されるからである。容器内の輸液の重量は、ウエイトセルで測定された特定容器の実量から既知風袋重量を引いて計算する。
【0043】
次いで、図4Q〜4Sに関連して説明し、完全を期すために図7P〜7Rに示すようにチャンネルAの希釈剤注入を設定する。すると、図7Sのように、注入設定確認スクリーン130が臨床医に提示される。臨床医は、「エンター」を押して図7Sに示す設定を確認するように促される。「エンター」を押すと、図7Tに示すインターフェーススクリーン86が表示される。図7Tは、時系列上でのチャンネルAとBの注入を示す。任意のチャンネルに関連するソフトキーを押してそのチャンネルの設定を見たり、変えたりし得る。輸液システムにさらなるチャンネルが接続されていれば、それらも表示されるであろう。システムを起動させるために、臨床医は、「スタート」の下のS14ソフトキーを押す。システムが作動し始めると、図7Uのサマリースクリーン88が表示される。先の実施形態に関連して説明した例のように、直ちに維持流が注入され始め、9:00になったら、薬剤と希釈液が注入され始める。9:00以後、このスクリーンは、容器の全容量が注入され、注入時間が経時的に減少することを示すように変化する。
【0044】
図6〜7の輸液システムに従って患者に薬剤を注入する方法は、先の実施形態に関連して説明したものと同じであるが、但し、ステップ96で、ウエイトセルのポジションセンサーは、注入すべき薬剤の残量を常時検出し、ステップ102で、LVPとウエイトセルの組み合せが輸液回路に薬剤を注入する。
【0045】
図8は、本発明のさらなる実施形態によるマルチチャンネル協働輸液システム140を示している。マルチチャンネル協働輸液システムは、通常、持続的動静脈血液濾過(CAVH)または持続的動静脈血液透析(CAVHD)などの持続的腎代替療法(CRRT)に用いられ、本質的に、標準的血液透析法のベッドサイト代替法である。
【0046】
慢性腎不全患者は、通常、標準的な血液透析法を利用する。血液透析は、患者が血液透析器で自分の血液の浄化を受けている間に生じる大量の体液移動や電解質変化ならびに多
くの生理的変化を伴うので、患者にとって非常に苦しいことが多い。血液透析法は、一般に、患者のエネルギーを枯渇させて、患者を疲れさせたり、弱らせたりする。そのような副作用は、重症患者の場合にはさらに顕著である。多くの場合、患者の血圧が低下するので患者の身体はこの方法に耐えられず、他の生理的問題も生じる。血液透析の過激性を克服するために、CRRT(CAVHおよびCAVHD)法が開発された。CRRTは、血液透析と同類であるが、但し、患者は、何回にも分けて数時間行うのではなく、持続的に機械(濾過システム)にかかる。CRRTでは、患者に入って行く透析液や静脈内液(intravenous liquids)と患者から出てゆく液体の量とを正確に記録し続けることが重要である。すなわち、患者から液体が導出され、交換されるときに、質量平衡が存在しなければならない。これらの液体平衡を慎重に調節しないと、深刻な臨床問題、ひいては死さえ生じ得る。これらの療法の利点は、身体へのストレスが少なく、3〜4時間の血液透析を何回も行うのとは対照的に、連続治療を行うことである。
【0047】
これらの方法の目的は、血液透析と同じで、血液を浄化することであるが、そのプロセスはもっと穏やかである。CAVHは、通常、血液を低抵抗血液濾過器に送るのに患者の動脈血圧を利用する。全身血圧を維持するために、患者は代用液を受ける。CAVHDは、透析液を血流に逆行して移動させるのに輸液ポンプを利用すると共に体液を導出している間に溶質を連続的に除去する能力を加えた、CAVH法の改変法である。
【0048】
CAVHもCAVHDも持続的腎代替療法を提供するので、溶質の除去と細胞外液の量および組成の変更とを経時的に均一に生じさせる。多くの場合、標準的な血液透析治療に伴う急激な体液量および溶質濃度の変化に耐えられない不安定な患者は、大抵、CAVHまたはCAVHDで治療する方が安全である。
【0049】
血液濾過システムは、水や小さい溶質に対しては高透過性であるが血液の血漿タンパク質や有形成分は透過させない小型フィルターを利用する。このフィルターは体外回路内に配置される。血液が血液濾過器を通って潅流すると、血漿の限外濾過液が除去される。同時に、限外濾過液は、正常な血漿の電解質組成と同様か、または特に個々の患者の異常を補正するように構成された電解質組成を有する液体を用いて置換する。血液濾過回路は大動脈と静脈につながっている。血液は、通常、心臓によってこの回路を通ってポンプ輸送され、患者の動静圧較差によってこのシステムを駆動する圧力が供給される。しかし、このシステムは、上述の液体の質量平衡を正確には制御しない。
【0050】
本発明において、透析フィルター144は、一方の側の動静脈(「AV」)シャントと、反対側の2つのウエイトセルとLVPコンビネーションモジュール146および148との間で接続されている。LVPコンビネーションモジュールはいずれも一つのPCU150で制御される。患者の血液152は、フィルターに入り、限外濾過液154が除去され、血液の細胞成分および血液の血漿タンパク質のみを残して容器156内に入る。代替限外濾過液158は、導管160を介してフィルター144に入り、血液を患者に戻す162前に、分離された血液血漿タンパク質と混ぜ合わされる。患者から除去される限外濾過液154の流量は、LVPモジュール146を制御するPCU150でモニターされる。同様に、代わって患者に入る限外濾過液の流量は、LVPモジュール148を制御するPCU150で正確に制御される。
【0051】
そうすることによって、PCU150は、所望流量に基づいて注入液をIVラインに正確に送出するようにLVPモジュール148を制御する。LVPモジュール146は、除去される液体の量を測定してIVラインから液体を正確に除去するようにプログラムされている。このシステムは、あらかじめ設定された2つの注入液間の差を維持して正確な正または負のバランスが生じるようにプログラムし得る。上述の実施形態と同様に、2つの輸液モジュール146および148は、同一のPCU150によってプログラムされてい
るので、一方の輸液モジュールがなんらかの理由で停止すると、第2モジュールも停止するであろう。
【0052】
CRRTシステムにおける精度、制御および正または負の圧力差をプログラムする能力の改良は、ウエイトセル能力および中央PCU150制御を有するマルチチャンネル協働輸液システム140を用いて達成し得る。マルチチャンネル協働輸液システム140は、さらに、送出または排出量に有意な影響を与える高い吸入および排出圧力差などの条件を克服することができる。
【0053】
図9は、限外濾過液を患者に注入する方法170のフローチャートである。先ず、ステップ172で、注入限外濾過液を血液濾過器に送出する。次に、ステップ174で、ウエイトセルが輸液システム内の注入限外濾過液の量を測定する。同時に、ステップ176で、患者の除去限外濾過液を血液濾過器から受容する。ステップ178で、輸液システム内の除去限外濾過液の量を測定した後、ステップ180で、血液濾過器に出入りする流量を調整する。この調整は、輸液システム内の注入限外濾過液の測定量および除去限外濾過液の測定量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定の所望圧力差に基く。方法170は、所望の注入限外濾過液が送出または患者から除去されるまで繰り返し得る182。
【0054】
本明細書に示し、詳細に開示した特定の輸液システムおよび方法は、完全に指示通りに実施して、本明細書で先に述べた利点を提供することができるが、当然のことながら、これらの輸液システムおよび方法は、本発明の好ましい実施形態の例示に過ぎず、添付特許請求の範囲に記載したもの以外、本明細書に示す構成または設計の詳細に限定されるものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ポンプから送出される薬液量の監視に関し、より詳細には、残存薬液量を正確に監視して所定時間内に完全送出するための流量計算に関する。
【背景技術】
【0002】
多重輸液ポンピングモジュールを有する輸液システムに、ポンプおよびモニターモジュールが中央管理ユニットに選択的に取り付けられた中央管理輸液ポンプシステムが組み込まれていることは周知である。この中央管理ユニットは、内部の設定と付属モジュールのプログラミングを制御し、付属モジュールから情報を受信して表示する。各モジュールは中央管理ユニットから分離することができる。
【0003】
長期にわたる±5%以上にもなり得る輸液システムの誤差や、静脈(IV)バッグの過剰充填または流れの中断などの他の要因により、所望量の薬剤を所望時間内に注入できなかったり、場合によっては、注入が1、2時間予定より早まったり、遅れたりすることがある。そのような場合、臨床医、すなわち、医学、精神医学または心理学の臨床診療有資格者は、その問題に気付いたらすぐ、そうした要因を補正するために、手動で注入流量を増減させなければならない。投薬が中断すると、患者や臨床医にとって不都合や遅れが生じたり、薬剤の治療効果を弱めたりする恐れがある。時間通りに完了させようとして輸液の終盤に向って注入速度を増大させたりすると薬物毒性問題も生じ得る。
【0004】
上記問題に対処するために臨床医が用いる方法の1つは、IVバッグを秤量してバッグの正確な容量を測定する方法である。これは、バッグを薬局で慎重に秤量し、バッグの総重量からバッグの空重量を引かなければならないので、完全に満足できる方法ではない。秤りの精度の差と(通常分からない)溶液の比重(密度)の補正により、さらなる誤差が生じる。通常、臨床医は、溶液の誘導量(derived volume)に基づいて注入流量を設定する。この方法では、いったん輸液を開始すると流れが中断しても流量の正確な補正ができず、したがって、所望時間内に患者に注入薬剤を送出し得ない。中断があった輸液の終了時には、多くの場合、IVバッグまたはチューブ内にかなりの量の薬剤が残存し、臨床医はこれをフラッシュしたり、廃棄したりしなければならない。残存量が廃棄されると、患者は臨床医が意図する総量を受容できないので、薬剤の効果が低下し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、所定時間にわたって薬剤を正確に注入する医用輸液システムが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡単かつ大まかに言えば、本発明は、患者のIVラインに第1注入剤、好ましくは薬剤を、IVラインに第2注入剤好ましくは中性キャリヤ液(carrying solution)を送出する輸液システムに関する。この輸液システムは、さらに、システム内に残っている未送出第1注入剤の量を測定する測定装置を備えている。さらに、この輸液システムには、第1注入剤の送出を制御し、送出すべき所定の第1注入剤量の入力、および第1注入剤量を注入すべき時間の入力を可能にする制御システムを備えている。この制御システムは、さらに、第1および第2送出装置ならびに測定装置と連絡して、所定の第1注入剤量、所定の注入時間、および測定した輸液システム内に残っている未送出第1注入剤量に基づいて、最適な第1注入剤注入流量を決定し、最適注入流量で第1注入剤を送出
するように第1送出装置を制御する。
【0007】
本発明の別の態様によれば、さらに1つの輸液システムが提供される。輸液システムは、注入限外濾過液を血液濾過器に送出する第1送出装置と、輸液システム内の注入限外濾過液量を測定する第1測定装置とを備えている。輸液システムはさらに、血液濾過器から患者の除去限外濾過液を受ける第2送出装置と、輸液システム内の除去される限外濾過液量を測定する第2測定装置とを備えている。輸液システムはさらに、第1および第2送出装置ならびに第1および第2測定装置と連絡して、測定された輸液システム内の注入限外濾過液および除去限外濾過液の量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定の所望圧力差に基づいて、血液濾過器に出入りする最適流量を決定し、それに応じて第1および第2送出装置を制御する制御システムを備えている。
【0008】
本発明の他の態様において、患者に第1注入剤を注入する方法が提供される。臨床医またはシステム自体が、患者に注入すべき第1注入剤の総量を決定する。次いで、臨床医は、例えば24時間といった、第1注入剤を注入するのに望ましい時間を確定する。シリンジポンプのポジションセンサーまたは大容量ポンプのウエイトセルは注入すべき第1注入剤残存量を検出する。制御システムは、常時、所定時間の残り時間を計算する。大容量ポンプ(LVP)は第2注入剤を患者の輸液ラインに送出し、シリンジポンプか、またはLVPとウエイトセルとの組み合せかが、第1注入剤をIVラインに注入する。制御システムは、注入すべき第1注入剤残存量および所定時間の残り時間に基づいて、常時、自動的に注入流量を調整するのが好ましい。第1注入剤の総量が注入されるまで、検出、計算、送出、注入、および調整ステップを繰り返すのが好ましい。
【0009】
さらに他の態様において、限外濾過液を患者に注入する方法が提供される。方法は、注入限外濾過液を血液濾過器に送出するステップと、輸液システム内の注入限外濾過液の量を測定するステップと、血液濾過器から患者の除去限外濾過液を受けるステップと、輸液システム内の除去限外濾過液の量を測定するステップと、測定された輸液システム内の注入限外濾過液および除去限外濾過液の量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定の所望圧力差とに基づいて、送出および受液ステップの流量を調整するステップとを含む。
【0010】
本発明の新規な特徴および本発明自体は、共にその構成および作用に関して、添付図面を以下の説明と合わせて参照すれば最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】プログラミングユニットの共通制御下に2つの輸液ポンプで患者に注入するために共通IV投与ラインにポンプ輸送される、2つの異なる液体供給源である容器(液体バッグ)およびシリンジ由来の薬液を示す本発明の諸態様によるマルチチャンネル協働輸液システムの略図。
【図2】図1に示すプログラミングユニットの拡大図。
【図3】注入セッションにおける流量 対 時間を示すグラフ。
【図4A】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4B】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4C】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4D】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4E】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4F】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4G】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4H】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4I】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4J】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4K】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4L】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4M】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4N】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4O】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4P】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4Q】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4R】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4S】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4T】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4U】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図4V】図1に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図1のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図5】図1〜4の輸液システムに従って患者に薬剤を注入する方法のフローチャート。
【図6】2つの異なる液体供給源内にある薬液とウエイトセルを有する大容量輸液ポンプとを示す本発明の諸態様によるマルチチャンネル協働輸液システムの別の実施形態の略図。液体は、プログラミングユニットの共通制御下に患者に注入するために共通IVラインにポンプ輸送される。
【図7A】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7B】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7C】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7D】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7E】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7F】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7G】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7H】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7I】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7J】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7K】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7L】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7M】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7N】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7O】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7P】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7Q】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7R】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7S】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7T】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図7U】図6に示す2つの異なる供給源からの注入をプログラムするときに、図6のプログラミングユニットにより提示されるユーザーインターフェーススクリーン。
【図8】プログラミングユニットの共通制御下に患者に注入するための、大容量輸液ポンプとウエイトセルの組み合せによる限外濾過液の除去および交換を示す、本発明の諸態様によるマルチチャンネル協働輸液システムのさらなる実施形態の略図。
【図9】図8の輸液システムに従って限外濾過液を除去および交換する方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面、より特定的に言えば、いくつかの図では同じ参照番号が同じまたは対応する要素を指す図面を参照すると、本発明のマルチチャンネル協働輸液システムは、特定の所定時間にわたって所定量の薬剤を、例えば、24時間にわたって1000mlの化学療法剤を注入する。
【0013】
患者が化学療法薬または他の薬剤注入を受ける場合を例として本発明を説明する。当然のことながら、そのような例は例示を目的とするに過ぎない。
通常、化学療法薬は、何日も続く多重セッションにわたって注入される。ある種の輸液システムの誤差または注入液送出の中断により、注入セッションの終期までに、注入が何時間も早まったり、遅れたりし得る。本発明は、この問題に取り組むものであり、例示的実施形態を以下に説明する。1つの実施形態では、正確な輸液装置、例えば、輸液装置が
インテリジェント制御モジュールによって制御されるウエイトセルと大容量輸液ポンプ(「LVP」)の組み合せを用いる。
【0014】
シリンジポンプは、通常、前進するプランジャーによって放出される液体を保持するシリンダーからなる。プランジャーは、通常、比較的一定した変動のない流れを提供するために、1つまたは複数のギヤを介してドライバーヘッドに接続されたモーターを含む駆動機構により、シリンダー内を進められる。本発明の1つの態様によれば、所定期間にわたって所定量の液体を正確に注入する手段が提供される。特定流量をプログラミングするのではなく、臨床医は、特定期間にわたる特定の注入量をプログラミングすることができ、かつこのシステムは、残存注入量と残存注入時間に基づいて、流量をあるパラメータ内で自動的に調整する。このシステムはさらに、システムの開始時や、注入を一時的に停止する必要がある、例えば注入ラインの閉塞もしくは空気の混入または他のなんらかの他の理由で注入時に生じ得る事情によるシステムの停止時における、どのような変化にも対応する。
【0015】
通常、薬液は濃縮状態で供給されるので、患者に注入する前に希釈する必要がある。一般にシリンジには、IVドリップバッグに比べて比較的少量の液体しか入らないので、多くのシリンジ内に充填される薬剤は濃縮状態で供給され、投与時に希釈しなければならない。本発明は、シリンジ内の濃縮薬剤を、大容量ポンプ(LVP)を介して供給される標準生理食塩水などの中性キャリヤ液で、継続的に希釈することができる。
【0016】
図1は、本発明の1つの実施形態によるマルチチャンネル協働輸液システム10の図である。このマルチチャンネル協働輸液システム10には、エガース(Eggers)に付与された1998年2月3日発行の米国特許第5,713,856号に開示されているものと類似のプログラム可能患者ケアシステムが組み込まれており、上記特許は本明細書に文献援用される。このプログラム可能患者ケアシステムは、少なくとも2つの機能ユニット14および16と組み合わされた患者ケアユニット(PCU)12を備えている。PCU12は、制御システムを内蔵しており、通常、患者ケアシステムにおける4つの機能を果たす:IV取付ポールやベッドレールなどの構造物をシステムに物理的に接続する;システムに動力を供給する;システムと外部装置との間の特定情報を除くインターフェースを提供する;システムとの多数のユーザーインターフェースを提供する。
【0017】
図2は、図1に示すPCU12の拡大図である。PCU12は、液晶ディスプレイなどの任意のタイプのディスプレイであり得るインフォメーションディスプレイ18を備えている。ディスプレイ18は、設定や操作手順時にデータ入力や編集をし易くするのに用い得る。ディスプレイ18は、図4および7に関連して説明するような様々な操作パラメータの表示にも用い得る。PCU12はさらに、データやコマンド入力用の複数のハードキー20およびソフトキーS1〜S14を有し得る。ハードキー20は、数字ハードキー22、ナビゲーションキー(例えば、アップダウンキー)24、エンター(ENTER)キー26、キャンセル(CANCEL)キー28、およびオプション(OPTION)キー30を有し得る。他の共通キーとしては、パワー(POWER)や可聴アラームの解除に用いるサイレンス(SILENCE)などがある。数字ハードキー22の一部は数値データの入力に用い、残りのハードキーやソフトキーS1〜S14は操作コマンドの入力に用い得る。この実施形態では、ディスプレイ18の左側に5つのソフトキーS1〜S5、ディスプレイ18の右側に5つのソフトキーS6〜S10、ディスプレイ18の下側に4つのソフトキーS11〜S14が設けられている。
【0018】
再度図1を見ると、PCU12には2つの機能ユニット14および16が搭載されている。機能ユニット14および16は、米国特許第5,713,856号に記載のように、PCU12に着脱可能に装着でき、他の機能ユニットと交換可能であるのが好ましい。当
然のことながら、図1には2つの機能ユニット14および16が示されているが、患者ケアシステム10には異なる数の機能ユニットを組み込み得る。
【0019】
第1機能ユニット16は、輸液ポンプまたは同種のものであるのが好ましい。より具体的に言えば、第1機能ユニット16は、流量が約1000〜2000ml/時以上の大容量非経口ポンプ(「LVP」)であるのが好ましい。この実施形態における第1機能ユニット16の一次タスクは、希釈剤注入チャンネル(チャンネルA)、この場合はLVP16を介して、患者に挿入されたIVライン34に希釈液32を送出することである。希釈液は、例えば標準生理食塩水などの任意の中性液であってよく、通常、IVバッグ36などの容器に入っている。
【0020】
第2機能ユニット14は、シリンジポンプなどの低容量持続注入ポンプであるのが好ましい。この実施形態における第2機能ユニット14の一次タスクは、薬剤注入チャンネル(チャンネルB)、この場合はシリンジポンプ14を介して、IVライン34に濃縮薬剤を送出することである。薬剤は、任意のタイプの液状薬物、例えば化学療法剤であり得る。
【0021】
1つの実施形態によるシリンジポンプ14は、シリンジ径を測定し、次いで、それを用いて、使用されているシリンジのタイプをルックアップテーブルなどを用いて検出するリニアアクチュエータなどのセンサー38を有するシリンジサイズ検出システムを備えている。例えば、直径20mmのシリンジは50ml容量を有し得る。しかし、同じ直径を有する他のシリンジも存在し得るので、1つの実施形態によれば、臨床医は、図4Jに関連して説明するように、シリンジサイズを確認するように促される。
【0022】
シリンジポンプ14は、さらに、シリンジのプランジャー42がどこまで進んだか、またその吐出工程の終りに到達するまであとどの位プランジャー42を進めなければならないかを確定する正確なリニアポジションセンサーなどの測定装置40を有し得る。測定したシリンジサイズとプランジャー位置とにより、マルチチャンネル協働輸液システム10(米国特許第5,713,856号参照)内のプロセッサでシリンジ内に残っている薬剤量を正確に測定することができる。必要なら、そのような測定は連続的にリアルタイムで実施し得る。
【0023】
使用時、PCU12の制御システムは、機能ユニット14および16ならびに測定装置40と連絡して、システム内に送出されずに残っている第1注入剤の測定量、所定の注入液量、および所定の注入時間に基づいて、最適な第1注入剤注入流量を決定する。次いで、それに応じて、PCU12の制御システムは機能ユニット14および16の流量を制御する。
【0024】
図3は、典型的な注入セッションにおける流量46 対 時間48のグラフ44である。チャンネルAは、通常、薬剤が充填されて注入が始まるまで、生理食塩水などの薬理学的不活性(中性)液またはキャリヤ液を維持流量で注入するように設定される。通常、チャンネルA、すなわち希釈剤チャンネルは、IVラインを「開放」状態に保つように連続的に運転されるが、これは必須条件ではない。この初期希釈剤の流れは維持輸液50と称される。チャンネルAでは異なる所定希釈剤流量52がチャンネルBでの薬剤注入54の開始と同時に注入を始めるようになっている。何らかの理由でチャンネルAかチャンネルBの注入に中断56または58があると、チャンネルAとBは同時に停止するであろう。最初に停止したチャンネルを再始動させると、両チャンネルが同時にポンプ輸送を再開する60および62。PCU12は、所定の割当期間の残り時間内に所定所望薬剤量の残りの量を注入するように薬剤注入(チャンネルB)の速度を自動的に調整する。所望薬剤が完全に注入されたら、薬剤注入チャンネルは自動停止する64。しかし、希釈剤チャンネ
ル(チャンネルA)は、維持輸液の注入を継続し得る66。
【0025】
図4A〜4Vは、本発明の1実施形態に関連して用いられるインターフェーススクリーンである。図4A〜4Vを用いて、ユーザーインターフェースと制御システムの例を説明する。
【0026】
図4Aはメインプログラミングインターフェーススクリーン70である。このメインプログラミングスクリーンデータ70は、輸液システムが稼動しているとき、または輸液システムが休止もしくは稼動していないときに表示される。原則として、表示された機能に隣接するソフトキー(図2のS1〜S14)を押すと、ディスプレイスクリーン上のソフトキーの隣りに表示された機能またはコマンドが起動する。「A」および「B」は、輸液システムに接続されたチャンネルAおよびチャンネルBの注入モジュールを示している。輸液システムにもっと多くのモジュールが接続されている場合、各モジュール用のさらなる文字が表示されるであろう。「注入量」または「アラーム音量」機能またはコマンドもソフトキーを介してアクセスし得る。「オプション」ハードキー(図2では参照番号30)を押すと、図4Bのオプション72のスクリーンが表示される。図4Bは第1オプションインターフェーススクリーン72である。一般的な操作に関するいくつかのオプションがスクリーン上に表示される。「ページダウン」ソフトキーS14(図2)を押すと、図4Cのように第2オプションスクリーン74が表示される。
【0027】
図4Cには、特に注入に関するオプション74が示されている。「マルチチャンネル注入」に隣接するソフトキーS1を押すと、本発明のさらなる態様に関する機能にアクセスし得る。
【0028】
図4Dは、マルチチャンネル輸液用インターフェース76を示している。このインターフェースは、チャンネルAを介した生理食塩水の維持流量の設定に関する。輸液システムは維持輸液流量の入力をデフォルトに設定する。次いで、臨床医は、図4Eに示すように、所望流量をミリメートル/時(ml/時)で入力し得る。例えば、数字ハードキーで10ml/時の維持流量を入力する。「VTBI」(「volume−to−be−infused、「注入すべき量」」に隣接するソフトキーを押すと、図4Fのインターフェーススクリーンが表示される。臨床医は、例えば図4Gに示すような1000mlといった、注入すべき維持液の正確な量または近似量を入力し得る。「フラッシュ」(Flush)または「プロファイル」(Profile)に隣接するソフトキーを押してこれらの設定のどちらかを変えることができる。「エンター」ハードキー(図2の参照番号26)を押して、入力された変数を確認し得る。図4Hは確認のインターフェーススクリーン76である。臨床医はバックアッププリコーションとして再度変数を確認するように促される。再度「エンター」ハードキーを押して確認する。
【0029】
図4Iはサマリースクリーンである。ここで、チャンネルAは維持輸液を行っていると示されている。薬剤チャンネルBに移動するためには、「B」チャンネルスクリーン表示の隣に位置するソフトキーS2を押して、図4Jに示すインターフェースを表示させる。図4Jはシリンジ確認スクリーンである。図4Jに示すような本発明のシリンジポンプの実施形態に特有な特徴は、(流量はプランジャーの進行速度とシリンジバレルの直径に依存するので)臨床医が使用されているシリンジのタイプを検出しなければならないことである。シリンジタイプは、上述のように、ポンプにより自動検出可能であり、この例のように、すなわち、IVAC 50mlシリンジと表示される。次いで、ソフトキーS7またはS8を押して、検出したシリンジタイプを確認または変更し得る。シリンジタイプが間違っていると、ユーザーが異なるシリンジタイプを選択し得るインターフェーススクリーンが表示される(図示せず)。シリンジタイプを確認すると、図4Kに示すインターフェーススクリーンが表示される。
【0030】
臨床医は、数字ハードキーで入力し得る薬剤注入流量を入力するように促される。臨床医が特定容量またはシリンジの全容量を注入したい場合は、「VTBI」に隣接するソフトキーS2を押し得る。臨床医は、注入すべき量を入力するか、アップもしくはダウンハードキー(図2の参照番号208)または再度ソフトキーS2を押して、シリンジの全容量を注入するように選択し得る。シリンジの全容量は、図4Lに示すように「VTBI」の隣の「全部」(ALL)で分かる。あるいは、「全部」設定をデフォルト設定として設定してもよい。S3ソフトキーを押して図4Mに示すようなこの注入の持続時間を入力するオプションを選択する。
【0031】
本発明のこの実施形態によれば、臨床医は、通常、所定時間にわたって所定量の薬剤を注入する必要がある。図4Lに関連して説明したように、臨床医は、シリンジの全容量を注入するように選択した。全容量を注入する時間を入力するために、臨床医は、数字ハードキーを押して、例えば図4Nに示すように24時間といった所望時間を入力する。図4Oに示すように、S4ソフトキーを押して、注入開始時間を入力し得る。
【0032】
図4Pでは、臨床医は所望注入開始時間を9:00と入力している。あるいは、輸液システムは現在時間をデフォルトに設定するようにしてもよく、臨床医はアップダウンハードキーを利用して開始時間を変更することができる。例えば、化学療法薬を投与する前に、先ず、別のシリンジまたは注入チャンネルを介して制嘔吐剤などの前投薬を施すなどといった別のタスクを臨床医が実行できるように、薬剤注入を遅延させることが望ましいことがある。
【0033】
上述のように、薬剤は、通常、患者に注入する前に生理食塩水などの中性液で希釈しなければならない。希釈剤チャンネルを設定するために、臨床医は、図4Qに示す希釈のインターフェーススクリーンを表示する「希釈する」(「DILUTE」)に関連するS12ソフトキーを押す。希釈液流量を入力するために、臨床医は、図4Rに示す「速度」(「RATE」)に関連するS2ソフトキーを押す。数字ハードキーを押して、流量、例えば100ml/時を入力し得る。臨床医は、「VTBI」関連S3ソフトキーを押して、図4Sに示すように、注入すべき希釈液の近似量、例えば400mlを入力し得る。より重要なパラメータは希釈液の流量なので、推定値でよい。注入時、システムの希釈液が使い尽くされると、アラームが鳴り、希釈液が補充されてシステムが再始動されるまでチャンネルAとBが同時に停止するであろう。希釈液設定を完了するために、臨床医は、「エンター」ハードキー(図2の参照番号26)を押す。希釈液は薬剤と同時注入されるので、その開始時間と持続時間は、希釈剤チャンネルAの場合も薬剤注入チャンネルBの場合も同じである。
【0034】
図4Tは、臨床医が設定を確認するために「エンター」ハードキーを押すように促されるチャンネルB設定に関するインターフェーススクリーン84である。「エンター」を押すと、図4Uに示すインターフェース86が表示される。図4Uは、時系列上でのチャンネルAとBの注入を示している。どちらかのチャンネルに関連するソフトキーを押して、チャンネル設定を見たり、変更したりし得る。システムにさらなるチャンネルが接続されていれば、それらのチャンネルも表示されるであろう。システムを起動させるために、臨床医は、「スタート」(START)の下のS14ソフトキーを押す。システムが作動し始めると、図4Vのサマリースクリーン88が表示される。実施例通り、直ちに維持流が注入され始め、9:00になったら、薬剤と希釈液が注入され始める。9:00以後、スクリーンは、シリンジの全容量が注入され、注入持続時間が経時的に減少することを示すように変化する。
【0035】
図5は、上述し、図1〜4に示す輸液システムに従って患者に薬剤を注入する方法90
のフローチャートである。上述のように、ステップ92で、臨床医または輸液システム自体が、IVドリップバッグまたはシリンジの全容量を単純に注入し得る、患者に注入する薬剤の全量を決定する。次いで、ステップ94で、臨床医は、薬剤の全量を注入する時間、例えば24時間を選択する。ステップ96で、リニアポジションセンサー40は注入すべき薬剤の残量を常時検出する。ステップ98で、制御システムは所定時間の残り時間を常時計算する。ステップ100で、輸液ポンプは中性キャリヤ液をIVラインに送出し、ステップ102で、シリンジポンプは薬剤を輸液回路に注入する。ステップ104で、制御システムは、注入すべき薬剤の残量と所定時間の残り時間とに基づいて、チャンネルBの注入流量を常時自動的に調整する。ステップ106で、薬剤の全量が注入されるまで、検出、計算、送出、注入および調整ステップを繰り返す。
【0036】
図6は、本発明の別の実施形態によるマルチチャンネル協働輸液システム110を示している。このマルチチャンネル協働輸液システムは、上述のシリンジポンプ実施形態と類似している。先の実施形態と同じように、このマルチチャンネル協働輸液システムも、制御システムおよびLVP16を有するPCU12を備えている。IVバッグ36内に入っている希釈液32は、LVPにより、チャンネルAを介して患者につながっているIVライン34にポンプ輸送される。このシステムはさらに、LVP114とウエイトセル116を備えた機能ユニット112を有する。ウエイトセルは、有線または遠隔通信(例えば、赤外線、無線周波数)を介してPCU12と連絡している。
【0037】
使用時には、薬剤120が入った容量は分からないが空重量または風袋重量は分かっているIVドリップバッグなどの容器118を、ウエイトセル116から吊り下げる。臨床医は、通常、ウエイトセルから吊り下げる容器(例えば、市販の250mlプラスチック溶液バッグ)を特定し、この情報を注入の近似量および持続時間と共にPCU12に入力する。容器のタイプ、従ってその風袋重量は、容器検出システム122が自動的に検出し得る。風袋重量は、容器の製造業者名や容器の風袋重量を加えてプログラムしたPCUのデータベースから検出してもよいし、もしくは製造業者が、PCUが読み込み得る容器に関するバーコードまたは別の情報デバイスを組み込んでいてもよい。薬剤師が溶液が入っていないバッグを秤量してバーコードまたは他の電子タグを付けてもよいし、製造業者が容器の上に、製造業者名、モデル番号およびバッグのグラム重量を含む識別子を付けてもよい。容器内の液体の重量は、ウエイトセルで測定した特定容器の実量から既知風袋重量を引いて計算する。チューブ100は、バッグの薬剤をIVライン34に接続するLVP114(チャンネルB)に送出する。
【0038】
マルチチャンネル協働輸液システム110内のプロセッサ(制御システム)は、注入すべき所定全量、測定した液体重量、および注入に割り当てられた時間の残り時間に基づいて、正確な注入流量を自動的に決定する。この決定は、必要なら、常時リアルタイムで実施し得る。液体の異なる比重による誤差は、(ほとんどの薬液が1に近い比重を有する、すなわち、標準として使用される水と同様な質量を有するので)通常極くわずかであるが、マルチチャンネル協働輸液システム110では考慮に入れてもよい。したがって、このシステムは、注入に割り当てられた所定時間内に、容器の内容物の完全送出、または指定量の送出を確実にするために、容器118の重量変化を自動的に検出し、それに応じてチャンネルBを介した薬剤注入速度を調整する。その際、このシステムは、アラーム、中断状態などによる無注入時間を引いて自動調整する。
【0039】
機能ユニット16および114は、上述のように、インターフェースユニットPCU12に着脱可能に装着でき、他の機能ユニットと交換可能であるのが好ましい。当然のことながら、図6には2つの機能ユニットが示されているが、患者ケアシステム110には異なる数の機能ユニットを組み込み得る。
【0040】
通常、LVPは、正確に操作するために、正のヘッド高さ(positive head height)を必要とする。上述のウエイトセル実施形態においては、チャンネルBを通る流量が常時制御されるために正のヘッド高さの必要はなくなる。上記配置により、正確な所定時間内に量が分かっていない全内容物を送出することができる。また、それによって、共に制御された希釈液と輸液を送出する能力も得られる。
【0041】
図2と図3はどちらも上述のウエイトセルの実施形態にあてはまる。
図7A〜7Uは、本発明の上記ウエイトセルに関連して用いられるユーザーインターフェースである。この実施形態に関連して用いられるPCUは、先の実施形態に関して説明したものと同じようにプログラムされている。本発明のマルチチャンネル輸液モードへのアクセスは、図4A〜4Cに関連して説明し、完全を期すために図7A〜7Cに示すように達成される。チャンネルAの維持流量は、図4D〜4Hに関連して説明し、完全を期すために図7D〜7Hに示すように設定されている。チャンネルAが維持輸液を送出することを示すサマリースクリーンが図7Iに示されている。「B」に隣接するS2ソフトキーを押すと、図7Jのように、輸液設定のインターフェーススクリーン80が表示される。
【0042】
図4K〜4Pに関連して説明し、完全を期すために図7J〜7Oに示したものと同様に、流量「速度」(RATE)、注入すべき量「VTBI」、注入時間「持続時間」(DURATION)および注入開始時間「開始時間」(START TIME)をPCU80に入力する。「全部」で分かるように容器の全容量を注入する場合には、流量のプログラミングは輸液システムに絶対不可欠というわけではない。これは、計算された液体重量を注入に割り当てられた時間内の残りの時間および分で割る流量が、マルチチャンネル協働輸液システムでは常時計算されるからである。容器内の輸液の重量は、ウエイトセルで測定された特定容器の実量から既知風袋重量を引いて計算する。
【0043】
次いで、図4Q〜4Sに関連して説明し、完全を期すために図7P〜7Rに示すようにチャンネルAの希釈剤注入を設定する。すると、図7Sのように、注入設定確認スクリーン130が臨床医に提示される。臨床医は、「エンター」を押して図7Sに示す設定を確認するように促される。「エンター」を押すと、図7Tに示すインターフェーススクリーン86が表示される。図7Tは、時系列上でのチャンネルAとBの注入を示す。任意のチャンネルに関連するソフトキーを押してそのチャンネルの設定を見たり、変えたりし得る。輸液システムにさらなるチャンネルが接続されていれば、それらも表示されるであろう。システムを起動させるために、臨床医は、「スタート」の下のS14ソフトキーを押す。システムが作動し始めると、図7Uのサマリースクリーン88が表示される。先の実施形態に関連して説明した例のように、直ちに維持流が注入され始め、9:00になったら、薬剤と希釈液が注入され始める。9:00以後、このスクリーンは、容器の全容量が注入され、注入時間が経時的に減少することを示すように変化する。
【0044】
図6〜7の輸液システムに従って患者に薬剤を注入する方法は、先の実施形態に関連して説明したものと同じであるが、但し、ステップ96で、ウエイトセルのポジションセンサーは、注入すべき薬剤の残量を常時検出し、ステップ102で、LVPとウエイトセルの組み合せが輸液回路に薬剤を注入する。
【0045】
図8は、本発明のさらなる実施形態によるマルチチャンネル協働輸液システム140を示している。マルチチャンネル協働輸液システムは、通常、持続的動静脈血液濾過(CAVH)または持続的動静脈血液透析(CAVHD)などの持続的腎代替療法(CRRT)に用いられ、本質的に、標準的血液透析法のベッドサイト代替法である。
【0046】
慢性腎不全患者は、通常、標準的な血液透析法を利用する。血液透析は、患者が血液透析器で自分の血液の浄化を受けている間に生じる大量の体液移動や電解質変化ならびに多
くの生理的変化を伴うので、患者にとって非常に苦しいことが多い。血液透析法は、一般に、患者のエネルギーを枯渇させて、患者を疲れさせたり、弱らせたりする。そのような副作用は、重症患者の場合にはさらに顕著である。多くの場合、患者の血圧が低下するので患者の身体はこの方法に耐えられず、他の生理的問題も生じる。血液透析の過激性を克服するために、CRRT(CAVHおよびCAVHD)法が開発された。CRRTは、血液透析と同類であるが、但し、患者は、何回にも分けて数時間行うのではなく、持続的に機械(濾過システム)にかかる。CRRTでは、患者に入って行く透析液や静脈内液(intravenous liquids)と患者から出てゆく液体の量とを正確に記録し続けることが重要である。すなわち、患者から液体が導出され、交換されるときに、質量平衡が存在しなければならない。これらの液体平衡を慎重に調節しないと、深刻な臨床問題、ひいては死さえ生じ得る。これらの療法の利点は、身体へのストレスが少なく、3〜4時間の血液透析を何回も行うのとは対照的に、連続治療を行うことである。
【0047】
これらの方法の目的は、血液透析と同じで、血液を浄化することであるが、そのプロセスはもっと穏やかである。CAVHは、通常、血液を低抵抗血液濾過器に送るのに患者の動脈血圧を利用する。全身血圧を維持するために、患者は代用液を受ける。CAVHDは、透析液を血流に逆行して移動させるのに輸液ポンプを利用すると共に体液を導出している間に溶質を連続的に除去する能力を加えた、CAVH法の改変法である。
【0048】
CAVHもCAVHDも持続的腎代替療法を提供するので、溶質の除去と細胞外液の量および組成の変更とを経時的に均一に生じさせる。多くの場合、標準的な血液透析治療に伴う急激な体液量および溶質濃度の変化に耐えられない不安定な患者は、大抵、CAVHまたはCAVHDで治療する方が安全である。
【0049】
血液濾過システムは、水や小さい溶質に対しては高透過性であるが血液の血漿タンパク質や有形成分は透過させない小型フィルターを利用する。このフィルターは体外回路内に配置される。血液が血液濾過器を通って潅流すると、血漿の限外濾過液が除去される。同時に、限外濾過液は、正常な血漿の電解質組成と同様か、または特に個々の患者の異常を補正するように構成された電解質組成を有する液体を用いて置換する。血液濾過回路は大動脈と静脈につながっている。血液は、通常、心臓によってこの回路を通ってポンプ輸送され、患者の動静圧較差によってこのシステムを駆動する圧力が供給される。しかし、このシステムは、上述の液体の質量平衡を正確には制御しない。
【0050】
本発明において、透析フィルター144は、一方の側の動静脈(「AV」)シャントと、反対側の2つのウエイトセルとLVPコンビネーションモジュール146および148との間で接続されている。LVPコンビネーションモジュールはいずれも一つのPCU150で制御される。患者の血液152は、フィルターに入り、限外濾過液154が除去され、血液の細胞成分および血液の血漿タンパク質のみを残して容器156内に入る。代替限外濾過液158は、導管160を介してフィルター144に入り、血液を患者に戻す162前に、分離された血液血漿タンパク質と混ぜ合わされる。患者から除去される限外濾過液154の流量は、LVPモジュール146を制御するPCU150でモニターされる。同様に、代わって患者に入る限外濾過液の流量は、LVPモジュール148を制御するPCU150で正確に制御される。
【0051】
そうすることによって、PCU150は、所望流量に基づいて注入液をIVラインに正確に送出するようにLVPモジュール148を制御する。LVPモジュール146は、除去される液体の量を測定してIVラインから液体を正確に除去するようにプログラムされている。このシステムは、あらかじめ設定された2つの注入液間の差を維持して正確な正または負のバランスが生じるようにプログラムし得る。上述の実施形態と同様に、2つの輸液モジュール146および148は、同一のPCU150によってプログラムされてい
るので、一方の輸液モジュールがなんらかの理由で停止すると、第2モジュールも停止するであろう。
【0052】
CRRTシステムにおける精度、制御および正または負の圧力差をプログラムする能力の改良は、ウエイトセル能力および中央PCU150制御を有するマルチチャンネル協働輸液システム140を用いて達成し得る。マルチチャンネル協働輸液システム140は、さらに、送出または排出量に有意な影響を与える高い吸入および排出圧力差などの条件を克服することができる。
【0053】
図9は、限外濾過液を患者に注入する方法170のフローチャートである。先ず、ステップ172で、注入限外濾過液を血液濾過器に送出する。次に、ステップ174で、ウエイトセルが輸液システム内の注入限外濾過液の量を測定する。同時に、ステップ176で、患者の除去限外濾過液を血液濾過器から受容する。ステップ178で、輸液システム内の除去限外濾過液の量を測定した後、ステップ180で、血液濾過器に出入りする流量を調整する。この調整は、輸液システム内の注入限外濾過液の測定量および除去限外濾過液の測定量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定の所望圧力差に基く。方法170は、所望の注入限外濾過液が送出または患者から除去されるまで繰り返し得る182。
【0054】
本明細書に示し、詳細に開示した特定の輸液システムおよび方法は、完全に指示通りに実施して、本明細書で先に述べた利点を提供することができるが、当然のことながら、これらの輸液システムおよび方法は、本発明の好ましい実施形態の例示に過ぎず、添付特許請求の範囲に記載したもの以外、本明細書に示す構成または設計の詳細に限定されるものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液システムであって、
注入限外濾過液を血液濾過器に送出する第1送出ユニットと、
輸液システム内の注入限外濾過液の量を測定する第1測定装置と、
血液濾過器から患者の除去限外濾過液を受ける受液ユニットと、
輸液システム内の除去限外濾過液の量を測定する第2測定装置と、
制御システムと
を備え、
前記制御システムは、送出ユニットおよび受液ユニットならびに第1および第2測定ユニットと連絡して、輸液システム内の前記測定した注入限外濾過液の量および除去限外濾過液の量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定所望圧力差とに基づいて、血液濾過器に出入りする最適流量を決定し、それに応じて送出ユニットおよび受液ユニットを制御する、輸液システム。
【請求項2】
送出ユニットおよび受液ユニットが輸液ポンプを有する、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項3】
制御システムが、送出ユニットと受液ユニットを同時に停止かつ再始動させる、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項4】
輸液システムと輸液システムユーザーとの間のインターフェースを提供するためのプログラミングユニットをさらに備えている、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項5】
制御システムが、送出ユニットか受液ユニットのどちらかが中断した後、最適流量を自動的に計算し直す、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項6】
送出ユニットが注入限外濾過液を入れるための注入容器を有し、受液ユニットが除去限外濾過液を入れるための除去容器を有し、第1および第2測定装置が注入容器に入っている注入限外濾過液および除去容器に入っている除去限外濾過液の重量を検出するためのウエイトセルを有する、請求項2に記載の輸液システム。
【請求項7】
制御システムがプログラミングユニット内に位置する、請求項4に記載の輸液システム。
【請求項8】
輸液システム内の注入限外濾過液および除去限外濾過液の重量が、注入容器および除去容器それぞれの風袋重量を引いた注入容器および除去容器それぞれの重量から計算される、請求項6に記載の輸液システム。
【請求項9】
注入容器および除去容器それぞれのタイプおよび風袋重量を検出するための容器検出システムをさらに備えている、請求項6に記載の輸液システム。
【請求項10】
輸送システムで限外濾過液の流量を比較的低く自動的に調整するためにポンプを制御する方法であって、
第1の流量で代替注入限外濾過液を血液濾過器に送出する工程と、
送出された代替注入限外濾過液の量を測定する工程と、
血液濾過器から血液濾過された限外濾過液を第2の流量で除去する工程と、
除去された血液濾過された限外濾過液の量を測定する工程と、
前記代替注入限外濾過液と除去された血液濾過された限外濾過液との間で所定の所望差を達成するために、血液濾過された限外濾過液の測定量と前記除去された血液濾過された限外濾過液の量とに基づいて前記送出する工程の流量と前記除去する工程の流量とを調整
する工程と、
を含む方法。
【請求項11】
前記測定する工程は、前記送出された代替注入限外濾過液と前記除去された血液濾過された限外濾過液の重量を測定することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記調整する工程は所望の圧力差を達成するために前記送出する工程の流量と前記除去する工程の流量とを調整することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項1】
輸液システムであって、
注入限外濾過液を血液濾過器に送出する第1送出ユニットと、
輸液システム内の注入限外濾過液の量を測定する第1測定装置と、
血液濾過器から患者の除去限外濾過液を受ける受液ユニットと、
輸液システム内の除去限外濾過液の量を測定する第2測定装置と、
制御システムと
を備え、
前記制御システムは、送出ユニットおよび受液ユニットならびに第1および第2測定ユニットと連絡して、輸液システム内の前記測定した注入限外濾過液の量および除去限外濾過液の量と、注入限外濾過液と除去限外濾過液との所定所望圧力差とに基づいて、血液濾過器に出入りする最適流量を決定し、それに応じて送出ユニットおよび受液ユニットを制御する、輸液システム。
【請求項2】
送出ユニットおよび受液ユニットが輸液ポンプを有する、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項3】
制御システムが、送出ユニットと受液ユニットを同時に停止かつ再始動させる、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項4】
輸液システムと輸液システムユーザーとの間のインターフェースを提供するためのプログラミングユニットをさらに備えている、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項5】
制御システムが、送出ユニットか受液ユニットのどちらかが中断した後、最適流量を自動的に計算し直す、請求項1に記載の輸液システム。
【請求項6】
送出ユニットが注入限外濾過液を入れるための注入容器を有し、受液ユニットが除去限外濾過液を入れるための除去容器を有し、第1および第2測定装置が注入容器に入っている注入限外濾過液および除去容器に入っている除去限外濾過液の重量を検出するためのウエイトセルを有する、請求項2に記載の輸液システム。
【請求項7】
制御システムがプログラミングユニット内に位置する、請求項4に記載の輸液システム。
【請求項8】
輸液システム内の注入限外濾過液および除去限外濾過液の重量が、注入容器および除去容器それぞれの風袋重量を引いた注入容器および除去容器それぞれの重量から計算される、請求項6に記載の輸液システム。
【請求項9】
注入容器および除去容器それぞれのタイプおよび風袋重量を検出するための容器検出システムをさらに備えている、請求項6に記載の輸液システム。
【請求項10】
輸送システムで限外濾過液の流量を比較的低く自動的に調整するためにポンプを制御する方法であって、
第1の流量で代替注入限外濾過液を血液濾過器に送出する工程と、
送出された代替注入限外濾過液の量を測定する工程と、
血液濾過器から血液濾過された限外濾過液を第2の流量で除去する工程と、
除去された血液濾過された限外濾過液の量を測定する工程と、
前記代替注入限外濾過液と除去された血液濾過された限外濾過液との間で所定の所望差を達成するために、血液濾過された限外濾過液の測定量と前記除去された血液濾過された限外濾過液の量とに基づいて前記送出する工程の流量と前記除去する工程の流量とを調整
する工程と、
を含む方法。
【請求項11】
前記測定する工程は、前記送出された代替注入限外濾過液と前記除去された血液濾過された限外濾過液の重量を測定することを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記調整する工程は所望の圧力差を達成するために前記送出する工程の流量と前記除去する工程の流量とを調整することを含む請求項10に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図4K】
【図4L】
【図4M】
【図4N】
【図4O】
【図4P】
【図4Q】
【図4R】
【図4S】
【図4T】
【図4U】
【図4V】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図7J】
【図7K】
【図7L】
【図7M】
【図7N】
【図7O】
【図7P】
【図7Q】
【図7R】
【図7S】
【図7T】
【図7U】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図4K】
【図4L】
【図4M】
【図4N】
【図4O】
【図4P】
【図4Q】
【図4R】
【図4S】
【図4T】
【図4U】
【図4V】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図7G】
【図7H】
【図7I】
【図7J】
【図7K】
【図7L】
【図7M】
【図7N】
【図7O】
【図7P】
【図7Q】
【図7R】
【図7S】
【図7T】
【図7U】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−172983(P2011−172983A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105429(P2011−105429)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【分割の表示】特願2007−532577(P2007−532577)の分割
【原出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(505403186)ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【分割の表示】特願2007−532577(P2007−532577)の分割
【原出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(505403186)ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】
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