説明

マルチメディアメッセージング方法及びシステム

マルチメディアメッセージに含まれるコンテンツアイテムの再送信を制御する方法及びシステムであって、送信者からの前記コンテンツアイテムを含むメッセージを、前記メッセージの意図された受信者の識別子と共に受信するステップと、前記コンテンツアイテムについての識別子を得るステップと、前記コンテンツアイテムについての識別子に基づいて、プロバイダからの認可情報を取得するステップと、前記取得された認可情報に基づいて、前記コンテンツアイテムを含むメッセージの前記意図された受信者への再送信を制御するステップとを有する方法及びシステム。前記制御は例えば、再送信に対して課金すること、前記コンテンツアイテムの転送を制限すること、又は再送信を許可しないことを有しても良い。付加情報が複数のプロバイダを識別する場合には、再送信は該複数のプロバイダのいずれかによる認可を条件とされても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチメディアメッセージに含まれるコンテンツアイテム(content item)の再送信を制御する方法に関する。本発明は更に、マルチメディアメッセージに含まれるコンテンツアイテムの再送信を制御するように構成されたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメディアメッセージングサービス(Multimedia Messaging Service、MMS)は、フォーマット化されたテキスト、グラフィクス、オーディオ及びビデオクリップを伴うマルチメディアメッセージをユーザが送信及び受信することを可能とする規格である。MMSメッセージは、(MMS対応の)モバイル電話又は標準的なeメールアドレスに送信されることができる。送信体は例えばモバイル電話又はコンピュータ上で動作するアプリケーションであり得る。
【0003】
図1は、一般的なMMSの人物−人物のフローを示す。第1の人物は、第2の人物にMMSメッセージを送信しようと望んでいる。前記第1の人物は、該第1の人物のモバイル電話101又は他のMMSユーザエージェントを使用し、メッセージを作成して、該メッセージに1以上のマルチメディアオブジェクトを含める。「送信」ボタンを押下した後、マルチメディアメッセージ(テキスト及び前記マルチメディアオブジェクト)が、モバイル網110によって、マルチメディアメッセージングサービスセンタ(MMSC)120に送信される。
【0004】
モバイル網110は、例えばGSM、GPRS、UMTS又はこれらと同等のシステムであっても良い。マルチメディアメッセージは潜在的に非常に大きく増大し得るため、ブロードバンドのモバイル網が好ましい。前記第1の人物は、インターネットに接続された該第1の人物のパーソナルコンピュータ上で、前記メッセージを作成することもできた。その場合には前記メッセージは、インターネットによってMMSC120に送信されたであろう。マルチメディアメッセージを送信するための他の方法も、勿論利用可能である。前記メッセージは常にMMSC120に送信され、受信者に直接には送信されないことに留意することが重要である。このアーキテクチャは、ストアアンドフォワード(store-and-forward)メッセージングシステムの例である。
【0005】
前記マルチメディアメッセージは、MMSC120によって受信される。MMSC120から、該メッセージが意図された受信者(前記第2の人物)に転送される。前記マルチメディアメッセージは、もう一度モバイル網130によって送信されるが、この場合には前記第2の人物のモバイル電話又は他のユーザエージェント141に送信される。前記マルチメディアメッセージが到着すると、該モバイル電話は内容を処理し、前記メッセージを前記第2の人物に提示する。ここでの2つのモバイル網110及び130は、同じであっても良いし、同じでなくても良い。
【0006】
上述の例において前記第1の人物は、前記マルチメディアメッセージが送信されるべき先のアドレスとして、前記第2の人物の電話番号を利用した。前記第1の人物は、前記第2の人物のeメールアドレスを使用することもできた。その場合には前記マルチメディアメッセージは、MMSC120によって前記第2の人物のeメールボックスに転送され、標準的なeメールクライアントを利用して該eメールボックスから前記第2の人物が該メッセージを読むことができたであろう。
【0007】
図2は、一般的なMMSアプリケーション−人物のフローを示す。マルチメディアメッセージングは勿論、人物によって人物へと送信されるメッセージに限定されない。多くの自動化されたサービスが提供され得る。例えば人気の高いサービスは、モバイル電話用の呼び出し音又はロゴを入手可能とすることである。かようなアプリケーションにおいてはユーザは、該ユーザのモバイル電話から、特定の呼び出し音又はロゴの要求をサーバに送信することができる。前記サーバ上のアプリケーション201は、適切な呼び出し音又はロゴを取得し、マルチメディアメッセージとしてMMSC120に送信する。メッセージがMMSC120に到着すると、図1を参照しながら上述した方法と同じ方法で前記メッセージが処理され転送される。モバイル電話141が前記マルチメディアメッセージを取得すると、該モバイル電話141が前記呼び出し音又はロゴを抽出する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
呼び出し音及びロゴを配信することは、標準的なテキストベースのショートメッセージングサービス(Short Messaging Service、SMS)に既に非常に普及している。しかしながら、MMSはより広い用途を持つ。アプリケーション−人物のMMSの潜在的な用途は、(高い)価値のコンテンツの提供である。最新の音楽サンプル又はビデオクリップを提供することができるサービスが、その一例であり得る。ユーザは、コンテンツのライセンス料をカバーするために、メッセージに対して余分に支払いを行う。なぜなら、このコンテンツの殆どは著作権又は他の知的所有権によって保護されているからである。
【0009】
提示されたモデルの両方が組み合わされた場合に、問題が生じる。即ち、コンテンツに料金を支払った(アプリケーション−人物)ユーザがこのメッセージを他のユーザに転送(人物−人物)できるが、前記メッセージの送信に対してのみ料金支払っており前記コンテンツの転送に対して支払うべきライセンス料を支払っていない場合である。
【0010】
本発明の目的は、マルチメディアコンテンツの転送を制限又はさもなければ制御することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本目的は、請求項1に記載の方法、及び請求項10に記載のシステムにおいて、本発明により達成される。本発明によれば、コンテンツアイテムを元々提供したサービスプロバイダが連絡を受け、転送は該プロバイダの認可を条件としたものとなる。このことは、転送を処理するエンティティが、コンテンツアイテムをどのような場合に転送できるのか又はできないかに関するポリシー規則を常に把握する必要がないという利点を持つ。更に、かような規則のいずれも、転送システムにおいて何も更新する必要なく、前記プロバイダによっていつでも変更されることができる。前記システムは単に前記プロバイダに連絡をとり、転送が許可されているか否かを応答から知るだけである。
【0012】
実施例においては本発明は、マルチメディアメッセージ中に送信されるコンテンツを識別するために、頑強な(robust)電子指紋を利用する。プロバイダは、前記電子指紋を鍵として利用しデータベース検索を利用して識別されることができる。単一の電子指紋が、複数のプロバイダに対する識別子に関連していても良い。このことは、これらのプロバイダのいずれもが、転送を認可できることを意味する。このことは、ライセンシングの選択肢の点で本発明を非常に柔軟なものとし、例えばプロバイダ間の値段ベースの競争を可能とする。
【0013】
例えばメッセージの全体の送信を許可しないことによる、又はメッセージの再送信は許可しつつコンテンツアイテムの再送信を許可しないことによる転送の制限が、通常望ましい。他の選択肢は、コンテンツアイテムの転送を許可し、かような転送を追跡することである。コンテンツを追跡することにより、前記コンテンツの配布についての有用な情報が収集され得る(例えばマーケティングの目的で)が、前記コンテンツの配布を制限するためにビジネスルールが追加されても良い。
【0014】
有利な実施例は、従属請求項において示される。
【0015】
本発明のこれらの及び他の態様は、図に示される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図を通して、同一の参照番号は同一又は対応する特徴を示す。図に示される特徴の幾つかは、典型的にはソフトウェアで実装され、それ自体がソフトウェアモジュール又はオブジェクトのようなソフトウェアのエンティティを表す。
【0017】
本発明の好適な実施例の説明が図3に示される。本実施例においては、MMSC120が電子指紋モジュール310によって拡張される。マルチメディアメッセージ中に存在する全てのコンテンツアイテムは、該電子指紋モジュール310を通過する必要がある。電子指紋モジュール310は、対象となるコンテンツアイテムについて電子指紋を算出する。該電子指紋は、前記コンテンツアイテムについての識別子として働く。
【0018】
頑強な電子指紋を算出するための1方法は、国際特許出願公開WO02/065782(整理番号PHNL010110)に記載されているが、勿論電子指紋を算出するためのいずれの方法が利用されても良い。電子指紋モジュール310は次いで、当該の特定の電子指紋がデータベース311に存在するか否かを決定するため、データベース311においてデータベース検索を実行する。否であれば、当該コンテンツアイテムの電子指紋が、前記コンテンツアイテムの送信者についての識別子と共に、データベース311に追加される。該送信者はこのとき、前記コンテンツアイテムの元のプロバイダである見込みが高い。必要であれば、前記送信者をデータベース311に追加する前に、このことが真であるか否かを決定するための付加的なチェックが実行されても良い。
【0019】
他の選択肢は、いずれのコンテンツアイテムの電子指紋をも、該電子指紋が前記プロバイダからクライアントに最初に送信されたときではなく、プロバイダによって最初に利用可能とされたときに、データベース311に追加することである。
【0020】
図4に示すように、MMSC120はまた、電子指紋ベース識別モジュール410を備える。電子指紋ベース識別モジュール410は、電子指紋モジュール310によって算出された電子指紋に基づいて、データベース311から付加情報を取得する。付加情報が見つかった場合、このことは前記コンテンツが以前にMMSCを通過したことを示す。このことは、前記コンテンツが転送されたことの証拠である。かような転送は防止又は少なくとも制限されるべきであるから、MMSC120はここでは適切な動作を実行することができる。複数のMMSCが利用される場合には、データベース311は全てのMMSCにとってアクセス可能であるべきである。
【0021】
最も単純な動作は、前記マルチメディアメッセージを転送するのではなく単に消去することである。しかしながら、このことはユーザによって許容されないものであり得る。通常、前記メッセージの一部(例えば画像又は呼び出し音)が、転送されるコンテンツを表す。付随するテキストメッセージ又は画像のような他の部分は、元のコンテンツである。前記元のコンテンツは、単に前記メッセージ中に転送される部分もあるという理由から、ブロックされるべきではない。MMSC120はコンテンツの当該転送される部分を取り除き、前記マルチメディアメッセージの残りの部分を通過させることができる。好ましくは、取り除かれたいずれの部分も、取り除かれたこと及び何故取り除かれたかを示すメッセージによって置き換えられる。
【0022】
代替として、前記コンテンツを転送するために必要とされるライセンス料が算出される。該ライセンス料は次いで、該情報が利用可能である場合には、送信ユーザのアカウントに対して課金される。このことは例えば音楽コンテンツについて良く働く。なぜなら音楽の権利の情報センターが、一般的な補償又はラインセンス料を取り決めるために利用可能であるからである。
【0023】
MMSC120はまた、意図された受信者に前記コンテンツを転送する前に、比較的低い品質のバージョンに前記コンテンツを変換することも可能である。このようにして、前記意図された受信者は、前記メッセージ及び前記コンテンツを取得できるものの、低い品質のため該メッセージ及び該コンテンツは非常に価値のあるものではなくなる。このとき該受信者は、MMSアプリケーション201から元のバージョンを自身でダウンロードするように促され得る。
【0024】
前記動作はまた、サービスプロバイダのような第3者に、該コンテンツの配布をレポートするステップを有しても良い。配布はこのとき、前記プロバイダからの認可を条件とされ得る。本実施例は、前記プロバイダについての識別子が前記コンテンツアイテムに埋め込まれている場合に、最良に働く。
【0025】
他の例は、転送を許可するが、送信ユーザに該転送に対する割増料金を請求することである。モバイル網においては、かような請求を可能とするため、送信ユーザは例えば電話番号によって識別されることができる。料金情報が前記メッセージに添付されても良いし、又は別個のメッセージの形で供給されても良い。
【0026】
前記取得された付加情報に基づき、適切な動作がとられる。例えば、前記付加情報が転送されているコンテンツの最初の受信者(即ち図2におけるMMSアプリケーションサーバから該コンテンツを受信した人物)を識別する場合、MMSC120は該識別子を、途中で捕捉されたマルチメディアメッセージの送信者についての識別子に対して比較する。これら2つが同一である場合、転送が許可される。このようにして、前記最初の受信者が該受信者の友人にコンテンツを転送することが可能となるが、該友人は前記メッセージを誰にも送ることはできない。
【0027】
代替として、前記識別子は前記コンテンツの最初の受信者を突き止めるために利用され、それにより該受信者がこの高等なサービスに対して一定量の金額を課金されるように、又は該受信者がMMSアプリケーションを利用することを阻止することができるようにしても良い。該受信者はまた、該受信者がコンテンツアイテムを転送することを許可される前に、申し込みを提供されても良い。
【0028】
前記付加情報がデータベース311に電子指紋を追加したMMSCを識別する場合、又は1以上のMMSCのオペレータを識別する場合、前記電子指紋を追加したMMSCと同一のMMSCである場合にMMSC120が前記メッセージの転送を許可しても良い。このことは、同一のMMSCのユーザへの又は同一のMMSCのユーザからの転送のみを許可する。
【0029】
前記付加情報が前記コンテンツアイテムのプロバイダを識別する場合、再送信は当該プロバイダによる認可を条件とすることができる。このことは好ましくは、前記付加情報から前記プロバイダについての識別子が取得されなかった場合に、電子指紋モジュール310に、前記プロバイダについての識別子に関連する算出された電子指紋をデータベース311に保存させることにより実現される。このようにして、電子指紋ベース識別モジュール410は該識別子を取得し、前記メッセージ及び/又は前記コンテンツアイテムを再送信するための許可を得るために、又は上述したような他の動作を実行するために、前記プロバイダに連絡をとることができる。
【0030】
前記付加情報が複数のプロバイダを識別する場合、再送信は前記複数のプロバイダのいずれかによる認可を条件とすることができる。電子指紋ベース識別モジュール410はここでは、これらプロバイダの全てに連絡をとり、少なくとも1つのプロバイダが認可した場合に再送信を許可する。1つより多いプロバイダが認可した場合には、最も大幅な認可が適用されても良いし、又は送信者が前記プロバイダのうちの1つを選択するように要求されても良いし、若しくは選択が他の何らかの方法で実行されても良い。
【0031】
複数のプロバイダを識別することは、或るプロバイダに関連する電子指紋がデータベース311に未だ無いことが見出された場合に、該電子指紋を保存することによって実装されても良い。次いで電子指紋モジュール310が、前記電子指紋がデータベース311に在るが、前記コンテンツアイテムの送信者に関連しないと認めた場合には、該送信者についての識別子が、当該特定の電子指紋についてのエントリに追加されても良い。電子指紋ベース識別モジュール410はこのとき、前記コンテンツアイテムの全てのプロバイダを取得することが可能となる。
【0032】
電子指紋を利用することにより、送信媒体又はコンテンツアイテムがエンコードされたフォーマットにかかわらず、或る特定のコンテンツアイテムを識別することが可能となる。例えば、それぞれのアイテムが別のプロバイダに源を発するものであっても、2つのコンテンツアイテムが同一の楽曲を含むということを決定することもできる。電子指紋を利用することはまた、ファイル名、ファイルサイズ又は前記コンテンツアイテムに埋め込まれたいずれかの情報をエンドユーザが改竄することに対しても頑強である。
【0033】
電子指紋モジュール310及び電子指紋ベース識別モジュール410は、MMSC120に装備される別個の装置として実施化されても良いし、MMSC120に接続された別個の装置として実施化されても良い。例えば、モジュール310は、MMSアプリケーション201とMMSC120との間に接続されるべきプロキシとして動作し、動作を透明にするように設計されても良い。同様に、モジュール410は、MMSC120とモバイル網130との間のプロキシとして設計されても良い。モジュール310及び410は、1つの単一の装置又はモジュールとして実施化されても良い。これらは全体として又は一部がハードウェア又はソフトウェアの形で実施化されても良い。
【0034】
図5に模式的に示すように、MMSC120を操作するエンティティは、メディアメディエーション(mediation)システム510を利用して、受信ユーザエージェント用にMMSC120においてコンテンツを最適化することが可能である。最適化は、フォーマット(例えば画像についてGIFからJPEGへ)、サイズ(例えばビデオについてCIFからQCIFへ)、ビットレート(例えばオーディオについて128kbpsから20kbpsへ)及び他のパラメータの調節又はコード変換であっても良い。該メディアメディエーションシステム510は前記メッセージのマルチメディアコンテンツにアクセスすることができ、該マルチメディアコンテンツについての知識を持つため、モジュール310及び410は好ましくは該システム510中に配置される。
【0035】
MMSC120の実施例が図6に示される。MMSC120の機能は概念的に、サーバ部601と中継部651とに区分される。手短に言えば、サーバ部601はストアアンドフォワード・アーキテクチャを提供し、中継部651はメッセージをコード変換し出力する。
【0036】
メッセージは、サーバ601の受信器部610によって受信される。前記メッセージは、該メッセージがどのように扱われるべきか、及び該メッセージが誰に転送されるべきかを検出するために処理される。本発明によれば、前記メッセージの内容は、電子指紋ベース識別モジュール410によって処理され、前記メッセージのマルチメディアコンテンツが既に転送されたか否かが検出される。かような検出が肯定的な結果であった場合、MMSC120は上述したような適切な動作を実行する。
【0037】
前記メッセージの転送が許容される場合、前記メッセージがとり得る幾つかの経路がある。通常前記メッセージは中継部651に送られる。中継部651は電子指紋モジュール310とメディアメディエーションシステム510とを有する。メディアメディエーションシステム510は、受信者による取り扱いのために適した形式に前記メッセージをコード変換する。前記メッセージは次いでモバイル網130に送信され、それにより意図された受信者に配信されることができる。
【0038】
前記メッセージは、インターネットのようなネットワーク621に接続されたSMTPインタフェース620に送られても良い。該インタフェースは、前記マルチメディアメッセージをインターネットeメール規格に従ってフォーマットし、次いで前記メッセージをインターネットeメールメッセージとして意図された受信者に転送する。SMTPインタフェース620は、前記マルチメディアメッセージを転送する前に、該マルチメディアメッセージに対して上述の電子指紋ベースのチェックを実行しても良いし、しなくても良い。SMTPインタフェース620が該チェックを実行する場合、MMS網による、結果のeメールメッセージの他の受信者への更なる転送が不可能になる。しかしながら、インターネットeメール網はそれ程厳密に規制されていないため、eメール網自体に渡って転送制限を実施することは非常に困難となろう。
【0039】
前記受信者が前記マルチメディアメッセージの送信者と同じモバイル網に居ない場合、前記中継部は前記メッセージ自体を意図された受信者に転送することができない。この場合には、前記サーバ部が、適切なモバイル網に接続されたMMSC630に前記メッセージを送信する。
【0040】
電子指紋ベース識別モジュール410は、MMSC120の中継部651に配置されても良い。このことは、モジュール410とモジュール310とが例えば単一の装置として実現され得るという利点を持つ。
【0041】
コード変換モジュール510の機能は、フォーマット、サイズ、ビットレート等の間の変換のみに留まらず拡張されても良い。例えばMMSアプリケーションとのインタフェースが提供されても良い。このようにして、MMSアプリケーションが例えば、或る特定のモバイル装置に特別に適合されたコンテンツを動的に生成することが可能となる。
【0042】
上述の実施例は本発明を限定するものではなく説明するものであって、当業者は、添付された請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施例を設計することが可能であろうことは留意されたい。例えば、モジュール310及び410は、ユーザエージェント101及び141に組み込まれても良い。頑強な電子指紋の代わりに、例えば暗号ハッシュ、CRC、ファイル名ベースの識別子、又は電子透かしベースの識別子が利用されても良い。識別子を得るための種々の手法の組み合わせもまた可能である。
【0043】
本発明は勿論、上述したMMSシステムのみに限らず、例えばiモード(登録商標)/iメール、WAP及び全ての将来のモバイルの高等なコンテンツ伝送方法のような、いずれのストアアンドフォワードシステムに適用可能である。
【0044】
伝送されるコンテンツアイテムは、例えば(java(登録商標)の)ゲーム、グリーティングカード(静止画及び動画)、位置ベースのサービス(例えば地図等)、高等な情報コンテンツ(画像付きのニュースレポート、グラフィック付きの株式市場情報)、スクリーンセーバ、映像/画像(音楽アーティスト、プレイボーイのプレイメイト等、いずれでも良い)、オーディオ又はビデオクリップ等のような、いずれのタイプのコンテンツであっても良い。
【0045】
例えば、インターネット又はインターネットeメールサーバシステムにおいて、本発明による電子指紋及び電子指紋ベースの検索機能を実装することもまた可能である。このようにして、eメールメッセージが、マルチメディアコンテンツを無期限に転送するために利用されない。eメールの添付の内容の分析は既にウィルス対策ソフトウェアによって為されており、同様の方法が添付中の電子指紋を算出するために利用され得る。
【0046】
請求項において、括弧内に配置されたいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する(comprising)」なる語は、請求項に列記されたもの以外の要素又はステップの存在を除外するものではない。要素に先行する「1つの(a又はan)」なる語は、複数のかような要素の存在を除外するものではない。本発明は、幾つかの別個の要素を有するハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実施化され得る。
【0047】
幾つかの手段を列挙する装置請求項において、これらの手段の幾つかは同一のハードウェアのアイテムによって実施化されても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないということを示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】或るユーザからのメッセージがMMSCによって他のユーザへ送信される、マルチメディアメッセージングシステムを模式的に示す。
【図2】アプリケーションからのメッセージがMMSCによってユーザへ送信される、マルチメディアメッセージングシステムを模式的に示す。
【図3】電子指紋モジュールがMMSCに追加される、本発明の好適な実施例を模式的に示す。
【図4】電子指紋ベース識別モジュールがMMSCに追加される、本発明の好適な実施例を模式的に示す。
【図5】MMSCに結合されたメディアメディエーションシステムを模式的に示す。
【図6】MMSCの実施例を模式的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチメディアメッセージに含まれるコンテンツアイテムの再送信を制御する方法であって、
送信者からの前記コンテンツアイテムを含むメッセージを、前記メッセージの意図された受信者の識別子と共に受信するステップと、
前記コンテンツアイテムについての識別子を得るステップと、
前記コンテンツアイテムについての識別子に基づいて、プロバイダからの認可情報を取得するステップと、
前記取得された認可情報に基づいて、前記コンテンツアイテムを含むメッセージの前記意図された受信者への再送信を制御するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記再送信を制御するステップは、前記コンテンツアイテムを含むメッセージの前記意図された受信者への再送信を許可するステップと、前記送信者又は前記意図された受信者に割増料金を請求するステップとを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記再送信を制御するステップは、前記コンテンツアイテムを含むメッセージの前記意図された受信者への再送信を許可するステップと、前記再送信に関する詳細を記録するステップとを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再送信を制御するステップは、前記メッセージの再送信を制限するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記再送信を制限するステップは、前記メッセージの再送信を許可しないステップを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記再送信を制限するステップは、前記メッセージの再送信を許可するが、前記コンテンツアイテムの再送信を許可しないステップを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記プロバイダを識別する情報が、前記得られた識別子に基づいてデータベースから取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プロバイダを識別する情報が前記データベースから取得されなかった場合に、前記得られた識別子が、前記送信者についての識別子と関連付けられて前記データベースに保存される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記情報は複数のプロバイダを識別し、再送信が前記複数のプロバイダのいずれかから取得された認可情報を条件とされる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
マルチメディアメッセージに含まれるコンテンツアイテムの再送信を制御するように構成されたシステムであって、送信者からの前記コンテンツアイテムを含むメッセージを、前記メッセージの意図された受信者の識別子と共に受信する受信手段と、前記コンテンツアイテムについての識別子を得る識別手段と、前記コンテンツアイテムについての識別子に基づいて、プロバイダからの認可情報を取得し、前記認可情報を条件付き再送信手段に信号送信する検索手段とを有し、前記条件付き再送信手段は、前記認可情報に基づいて、前記コンテンツアイテムを含むメッセージの前記意図された受信者への再送信を制御するように構成されたシステム。
【請求項11】
意図された受信者にとって適切なフォーマットにマルチメディアメッセージ中のコンテンツアイテムをコード変換するように構成され、請求項10に記載のシステムを有する、メディアコード変換システム。
【請求項12】
プロセッサに請求項1に記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−522979(P2006−522979A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506805(P2006−506805)
【出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050382
【国際公開番号】WO2004/091158
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】