説明

マルチユーザベースの無線通信システムにおける送信失敗フレームの修復方法

【課題】マルチユーザ多重アンテナ(MU−MIMO;Multi−User Multiple Input Multiple Output)ベースの無線通信システムで、グループ番号を用いて複数の無線端末に送信されたフレームの送信失敗時、送信失敗フレームを修復するための方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数の無線端末にグループ制御情報を含む応答が要求されるフレームを送信した後、特定無線端末から正常に応答フレームが受信されない場合、グループを構成する前記複数の無線端末の全てから前記応答フレームを受信するための時間が満了された後、前記応答フレームの受信に失敗した無線端末を受信先にする要求フレームを送信する。他の実施例で、本発明は、特定無線端末から正常に前記応答フレームが受信されない場合、前記応答フレームの送信順序によって前記応答フレームの受信に失敗した無線端末から最後の順番の無線端末までを受信先にする要求フレームを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける送信失敗フレームに対する修復方法に関し、より詳しくは、マルチユーザ多重アンテナ(MU−MIMO;Multi−User Multiple Input Multiple Output)ベースの無線通信システムで、グループ番号を用いて複数の無線端末に送信されたフレームの送信失敗時、送信失敗フレームを修復するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(WLAN)は、基本的に分散システム(DS;Distributed System)の接続点役割をするアクセスポイント(AP;Access Point)と、アクセスポイント(AP)でない複数の無線端末(STA)からなる基本サービスセット(BSS;Basic Service Set)をサポートする。
【0003】
無線LANの媒体接続制御(MAC;Medium Access Control)プロトコルは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)に基づいて動作する。これによって、無線LANは、チャネルコンテンション過程で発生するリソース浪費を含む。このような問題点を改善するために、IEEE802.11作業グループ‘e’で定義する向上された(enhanced)MACプロトコルは、無線リソースの送信権限を獲得すると、送信機会(TXOP;Transmission Opportunity)時間中、短い時間間隔(SIFS;short inter−frame space)に多重MPDUsを送信し、これに対するブロック(Block)ACKを受信するバースト送信(burst transmission)を提案している。
【0004】
また、IEEE802.11作業グループ‘n’で定義する結合(Aggregated)MSDU(以下、A−MSDUという)と結合(Aggregated)MPDU(以下、A−MPDUという)は、フレーム間の間隔(IFS)も無しに、送信単位である一つ以上のMSDUを束ねたり、又は一つ以上のMPDUを束ねて一回の無線リソースのためのコンテンション(contention)過程を介して送信される。
【0005】
最近、無線LANを使用するユーザの急激な増加に応じて、一つの基本サービスセット(BSS)が提供するデータスループット(throughput)を増加させるために、IEEE802.11の作業グループ‘ac’ではVHT(Very High Throughput)無線LANシステムに対する標準化作業を進行している。
【0006】
VHT無線LANシステムは、1個のアクセスポイント(AP)と2個の端末(STA;STAtion)で構成される3個の多重端末環境で、アクセスポイント(AP)のMAC SAPで最大1Gbpsの性能をサポートし、ポイントツーポイント(point−to−point)環境のための無線端末のMAC SAPで最大500Mbpsの性能をサポートすることができる。また、VHT無線LANの各アクセスポイント(AP)と端末(STA)は、同時に既存の無線LAN(IEEE802.11a/nシステム)との互換性をサポートするように考慮されている。
【0007】
一方、無線LANのような無線通信システムで、送信機会を獲得した無線端末は、無線通信の信頼度を高めるために、要求フレームに対する応答フレームを介して応答を受信しなければならない。例えば、応答を必要とするフレームの種類は、RTS(Request To Send)フレーム、BAR(Block Ack Request)フレーム、データフレーム、及び各種要求フレーム(Probe request、Authentication request、Association requestなど)がある。また、応答を要求するフレームに対する応答フレームを開示すると、RTSに対する応答フレームはCTS(Clear To Send)フレームであり、BARフレームに対する応答フレームはBA(Block Ack)フレームであり、データフレームに対する応答フレームはACK又はBAフレームであり、各種要求フレームに対する応答フレームは各種応答フレーム(Probe response、Authentication response、Association response等)である。
【0008】
前記応答は、即刻応答と遅延応答がある。単一データに対する応答(ACKフレーム)は即刻応答に該当し、連続送信又は結合(aggregated)MPDUに対するブロック応答は即刻応答(immediate response)と遅延応答(delayed response)の両方ともに該当する。
【0009】
即刻応答は、他の無線端末が送信することができないように、受信された要求フレームのPHY−RXEND.primitiveが発生されると、短い時間間隔(SIFS)後に応答フレームの送信を実行することであり、前述したように要求及び応答フレーム交換順序が一対をなして実行される。この時、発生された応答フレームは送信住所を含まないこともある。
【0010】
これに対し、遅延応答は、はじめに発生された要求フレームに対して受信可否を知らせる基本的な応答であり、ACKフレームを介して応答が行われ、以後、再び応答フレームが要求されると、要求された情報を含む応答フレームが送信される方式である。ここで、応答フレームは、チャネルに対する向上された分散チャネル接続(EDCA;Enhanced Distributed Channel Access)を介して送信されたり、他のフレームにピギーバック(piggyback)方式に送信されたり、他のフレームと共に結合(aggregated)されて送信されることができる。また、遅延応答方式では受信端末から応答フレームを受信した送信端末が再びACKフレームを介して応答フレームの受信可否を受信端末に知らせる。
【0011】
このような無線LANにおける要求及び応答フレーム交換順序(Frame Exchange Sequence)は、マルチユーザベースの無線通信システムに適用されることができる。もし、アップリンクに対するマルチユーザ多重アンテナ(MU−MIMO)技術がサポートされる場合、前述したフレーム交換順序によってフレームを受信した無線端末がフレーム間の間隔(IFS)後に同時に応答フレームを送信することができる。
【0012】
一方、アップリンクに対するマルチユーザ多重アンテナ(MU−MIMO)技術がサポートされない場合、或いはアップリンクに対するマルチユーザ多重アンテナ(MU−MIMO)技術がサポートされる場合であるとしても、より良い性能のために、フレームを受信した無線端末は、チャネル又は時間に差をおいて応答フレームを送信しなければならない。
【0013】
無線LANシステムで、同じ帯域幅を使用して時間差をおいてフレームを交換する方式は、無線端末別にチャネル接続を介して応答要求フレームと応答フレームとを交換する方式、及び一つの要求フレームを介して複数の無線端末が順次応答フレームを送信する方式が考慮されることができる。
【0014】
即ち、無線端末別にチャネル接続を介して応答要求フレームと応答フレームとを交換する方式は、アクセスポイント(AP)がチャネル接続を介して第1の無線端末(STA)に要求フレームを送信し、これによって、第1の無線端末が短い時間間隔(SIFS)後に応答フレームを送信し、再びアクセスポイント(AP)がチャネル接続を介して第2の無線端末に要求フレームを送信し、これによって、第2の無線端末が短い時間間隔(SIFS)後に応答フレームを送信する方式である。
【0015】
また、一つの要求フレームを介して複数の無線端末が順次応答フレームを送信する方式は、チャネル接続を介してマルチユーザに対する住所情報が含まれている一つの要求フレームを送信し、これによって、複数の無線端末が短い時間間隔をおいて順次応答フレームを送信する方式である。
【0016】
一方、IEEE802.11標準では、無線経路上でフレーム間の衝突を防止するために、制御フレームは、該当基本サービスセット(BSS)に属する全ての端末が受信可能な形態に送信されることを勧告している。MU−MIMOベースのVHT無線LANシステムで、複数通信経路を使用する場合にも、制御フレームは、全ての端末が受信可能な形態に送信されなければならない。ここで、制御フレームには、RTS、CTS、ACK、BAR、BA、及び各種ポール(Poll)フレームが該当する。
【0017】
また、複数通信経路を同時に使用する場合、制御フレームの受信端末は、使用する通信経路別に一対一対応されることができるため、各通信経路別に制御フレームは、一つずつ送信されなければならない。然しながら、このように制御フレームが各通信経路別に一つずつ送信される場合、制御フレームの送受信によるオーバーヘッドの比率が大きくなるため、MU−MIMO技術を使用する長所が半減されることできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の目的は、マルチユーザ多重アンテナ技術を使用する無線通信システムで、効率的に制御及びデータフレームを送信するために、複数の無線端末をグループ化してフレームを送信するフレーム送信過程でフレームの送信失敗が発生された場合、送信失敗されたフレームを効果的に修復することができる方法を提供することである。
【0019】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及されない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明により理解されることができ、本発明の実施例により一層明らかに理解されることができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に開示する手段及びその組合せにより実現可能であることが容易に分かる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記目的を達成するための本発明は、マルチユーザ多重アンテナ技術を用いる無線通信システムで、複数の無線端末から応答フレームを正常に受信することができない場合、送信失敗された応答フレームを修復するための方法であって、(a)前記複数の無線端末を受信先として指定するためのグループ制御情報を含む応答が要求されるフレームを送信する段階;(b)前記複数の無線端末から前記応答が要求されるフレームに対する第1の応答フレームを順次受信する段階;(c)前記(b)段階で、特定無線端末から正常に前記第1の応答フレームが受信されない場合、グループを構成する前記複数の無線端末の全てから前記第1の応答フレームを受信するための時間が満了された後、前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末を受信先にする要求フレームを送信する段階;及び、(d)前記(c)段階の要求フレームに対する第2の応答フレームを受信する段階;を含む。
【0021】
また、前記目的を達成するための本発明は、マルチユーザ多重アンテナ技術を用いる無線通信システムで、複数の無線端末から応答フレームを正常に受信することができない場合、送信失敗された応答フレームを修復するための方法であって、(a)前記複数の無線端末を受信先として指定するためのグループ制御情報を含む応答が要求されるフレームを送信する段階;(b)前記複数の無線端末から前記応答が要求されるフレームに対する第1の応答フレームを順次受信する段階;(c)前記(b)段階で、特定無線端末から正常に前記第1の応答フレームが受信されない場合、前記第1の応答フレームの送信順序によって前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末から最後の順番の無線端末までを受信先にする要求フレームを送信する段階;及び、(d)前記(c)段階の要求フレームに対する一つ以上の第2の応答フレームを受信する段階;を含む。
【0022】
好ましくは、前記グループ制御情報は、各グループ別に固有に付与されるグループシーケンス番号、グループを構成する無線端末の受信可否を示すビットマップ情報、及び多重アンテナと関連するストリーム情報のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0023】
好ましくは、前記要求フレームは、前記グループシーケンス番号、及び前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末の受信状態を示すビットが設定されたビットマップ情報を含む。
【0024】
好ましくは、前記要求フレームは、前記グループシーケンス番号、及び前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末から最後の順番の無線端末まで受信状態を示すビットが設定されたビットマップ情報を含む。
【0025】
好ましくは、前記グループ制御情報は、前記応答が要求されるフレーム又は前記要求フレームの受信端末住所フィールドに記入される。
【0026】
好ましくは、前記要求フレームは、ブロックACK要求(BAR)フレームであり、前記第2の応答フレームは、ブロックACK(BA)フレームであり、前記ブロックACK要求フレームは、グループ情報及び受信端末情報を含む。
【0027】
好ましくは、前記グループ情報は、前記ブロックACK要求フレームの受信端末住所フィールドに記入され、前記受信端末情報は、前記ブロックACK要求フレームのBAR情報フィールドに記入される。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、複数の無線端末にグループシーケンス番号を割り当てて複数の無線端末をグループ化し、このようなグループシーケンス番号を用いて複数の無線端末にフレームを送信することができ、このようにグループシーケンス番号を用いて送信された多重フレームの送信が失敗した場合、送信失敗したフレームに対して効果的に修復をサポートすることができる。これによって、本発明は、MU−MIMO技術を用いたシステムにおけるフレーム送信効率を大きく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるグループ制御フレームの構造を示す。
【図2】本発明によるグループ番号を用いる無線LANの全体動作を説明するための図面である。
【図3】本発明によるグループ制御情報フレームの送信方法を説明するための図面である。
【図4】本発明によるフレーム送信方法を説明するための図面である。
【図5】本発明によるCTSフレームの送信失敗による修復方法の第1の実施例を説明するための図面である。
【図6】本発明によるCTSフレームの送信失敗による修復方法の第2の実施例を説明するための図面である。
【図7】本発明によるブロック(Block)ACKフレームの送信失敗による修復方法を説明するための図面である。
【図8】本発明によるグループBARフレームを用いたブロックACKフレームの送信失敗による修復方法を説明するための図面である。
【図9】本発明によるグループBARフレームを用いたブロックACKフレームの送信失敗による修復方法を説明するための図面である。
【図10】グループBARを多重TID BAR構造を用いて示す実施例を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができるように詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施例を添付図面を参照して説明する。前述した目的、特徴、及び長所は、添付図面と関連する下記の詳細な説明により明確になり、本発明を説明するにあたって、本発明と関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0031】
以下、本発明は、多様な高速無線通信システムのうちIEEE802.11で定義する無線通信システムに基づいてマルチユーザ多重アンテナ技術が適用される無線通信システムに対して説明する。然しながら、本発明は、多重チャネルを使用する環境とマルチユーザ多重アンテナ技術を使用する無線通信環境の両方ともに用いられることができる。
【0032】
MU−MIMO技術を用いて伝達されるフレームは、マルチユーザに対する受信端末の情報を含まなければならない。フレームに多重受信端末情報を構成する方法に送信されるフレームの内部にマルチユーザの受信住所目録が含まれている方法、送信されるフレームの内部にグループ住所が含まれている方法、及び送信されるフレームの内部にグループ及び無線端末の受信可否を区別することができるグループシーケンス番号、ビットマップ情報、及びストリーム情報を含むグループ制御情報が含まれている方法がある。
【0033】
送信失敗フレームに対する修復方法の説明前に、グループ制御情報を用いて多重フレームを送信する方法に対して説明する。
【0034】
図1は、本発明によるグループ制御情報割当のためのグループ制御フレーム構造を示す。
【0035】
グループ制御情報は、多重受信端末数、一つのグループに固有に割り当てられるグループシーケンス番号、マルチユーザを構成する無線端末に対する受信可否を知らせるためのビットマップ情報(STA bitmap)、及びストリーム情報を含む。また、多重受信端末情報は、前記多重受信端末数に対応される個数の受信端末情報を含む。
【0036】
多重受信端末数は、一つのグループとして指定される端末の数を示すためのものであり、これは必須的な構成要素でない選択的な構成要素である。
【0037】
グループシーケンス番号は、基本サービスセット(BSS)内に存在する無線端末をグループ化するために、アクセスポイント毎に管理している固有の番号であり、例えば、6ビットの長さを有することができる。もし、1から64まで該当するグループ番号に対してビットマップ情報とストリーム情報を結合して表現することができる場合、グループシーケンス番号は省略されることもできる。言い換えれば、グループ固有番号は、各ビットマップ情報とストリーム情報の結合からなる一つ以上のグループ制御情報の位置に表現されることもできる。送信されたフレームにグループシーケンス番号が使われる時は、任意のグループシーケンス番号と一致する位置にあるビットマップ情報とストリーム情報のようなグループ制御情報が送信フレームに含まれる。
【0038】
無線端末のビットマップ情報(STA bitmap)は、n個の受信端末情報のフィールド順序によって各受信端末の受信可否を示すための情報であり、例えば、多重受信端末数が4(n=4)である場合、ビットマップ情報が“1101”であると、受信端末1、2、4に伝達されるフレームであることを意味する。従って、各受信端末は、グループ制御情報の割当を受ける過程で受信端末情報フィールドの住所を用いてビットマップで自身の位置を認知するようになる。
【0039】
一方、一つの無線端末に自身が属するグループシーケンス番号を知らせる場合には、該当グループシーケンス番号に該当する無線端末の数が一つであるため、1ビットの情報を使用して‘1’又は‘0’の値として受信可否を知らせることができる。また、一つの端末は、複数のグループに属することができ、グループシーケンス番号を用いて複数のグループを表現した場合、前記無線端末のビットマップ情報は、該当グループに対する受信可否を知らせるために使われることができる。
【0040】
ストリーム情報は、MU−MIMO環境で送信アンテナのストリーム位置を示すための情報である。即ち、ストリーム情報は、APが4個のアンテナを使用する場合、送信されるフレームが何番目のアンテナを用いて送信されるフレームであるかを示すための情報である。従って、ストリーム情報を介して受信端末が受信すべきストリームの位置を知ることができる。a個のストリームに対する個別的な情報を含むこともでき、a個のストリームをb個の束で分類した場合、b値として受信位置を示すこともできる。
【0041】
受信端末情報は、受信端末の住所情報を含む。受信端末情報は、受信端末の住所情報だけでなく、選択的にQoS情報と変調コーディングスキーム(MCS)情報などがさらに含まれることができる。また、受信端末住所は、MAC住所又は結合(Association)識別子(ID)である。
【0042】
このようなグループ制御フレームは、複数の無線端末にブロードキャスティング方法に送信されたり、各無線端末にユニキャスト方法に送信されることができる。ユニキャスト方法に各無線端末に送信される場合、グループ制御フレームは、グループシーケンス番号、自身のビットマップ情報、及びストリーム情報のみを含むことができる。
【0043】
また、複数の無線端末に対するグループ制御情報の割当が完了された後、以後に送信されるフレームは、グループシーケンス番号、無線端末のビットマップ情報、及びストリーム情報のみを含む。これによって、各無線端末は、自身に割り当てられたグループシーケンス番号とビットマップ情報を用いて受信先を認知し、ストリーム情報を用いて信号を受信する。
【0044】
一方、一つの無線端末は、一つ以上のグループ制御情報の割当を受けることができる。即ち、グループ制御フレームは、一つ以上のグループシーケンス番号に各々対応される無線端末のビットマップ情報及びストリーム情報を含むことができる。一つの無線端末が複数グループ制御情報の割当を受ける場合にも、図1に示したフレーム構造が同様に用いる。
【0045】
図2は、本発明によるグループ番号を用いる無線LANの全体動作を説明するための図面である。グループ番号は、グループ識別子(ID)又はグループシーケンス番号である。
【0046】
グループ番号を用いる場合、無線LANの全体的な動作は、大きく、グループ番号を定義して協議又は割り当てるステップ、サウンディング(Sounding)情報を要求して応答するステップ、MU−MIMOデータを送信するステップ、及びMU−MIMOデータに対する応答を実行するステップを含む。ここで、RTS/CTSフレームの交換は、サウンディング以前又はMU−MIMOデータ送信ステップ以前のようにチャネル保護が必要であると判断される時点に実行されることができる。
【0047】
ここで、グループ番号を定義して協議又は割り当てるステップとサウンディングを実行するステップが同時に行われる場合、このために送信されるフレームは、一つ以上の目的を含んで送信されなければならないため、動作制御と損失に対する非効率的な側面が大きい。従って、グループ番号を定義して協議又は割り当てるステップとサウンディングを実行するステップは、同時に実行されることより独立的に行われることがより好ましい。本発明で、グループ番号を定義して協議又は割り当てるステップは、基本サービスセット(BSS)内の無線端末をグループ化する必要性が発生される時、サウンディングステップと独立的に実行されると仮定する。
【0048】
図2は、4個の受信端末の結合識別子(AID)を用いて一つのグループを指定し、二つのグループを有する場合、無線LANシステムの全体的な動作を示す。
【0049】
図2を参照すると、グループ番号(グループ識別子(ID)又はグループシーケンス番号)を定義し、協議を介して各端末にグループ番号を指定したり、又は任意的にグループ番号を割り当てた後、グループ番号を用いてサウンディングを要求する(S201)。
【0050】
サウンディング要求に対して各無線端末は、短い時間間隔(SIFS)後にスケジュールに基づいてACKフレームを送信することによって、サウンディング要求に対するフィードバックを実行する(S202)。
【0051】
最後の無線端末からサウンディング要求に対する応答フレームを受信した後、アクセスポイント(AP)は、短い時間間隔(SIFS)後、MU−MIMOデータフレームを送信する前にNAV分配過程としてCTS−to−Selfフレームを送信する(S203)。ここで、CTS−to−Selfフレームは、以前サウンディング過程で受信したフィードバック情報に基づいて更新されたグループ制御情報を含む。ここで、グループ制御情報は、フィードバック情報に含まれている各無線端末のチャネル情報又は連結/連結解除のようなネットワーク構成情報によって更新される。
【0052】
このようなCTS−to−Selfフレームは、受信に参加しない無線端末を含んで受信MACに応答順序を知らせ、データが受信される無線端末は、この応答順序情報を用いて応答フレームの送信時点を計算するようになる。
【0053】
NAV分配が完了されると、アクセスポイントは、グループ番号を含むMU−MIMOデータフレームを複数の無線端末に送信し、短い時間間隔(SIFS)後に各無線端末からデータフレーム送信に対する応答フレーム(ACKフレーム)を受信する。
【0054】
一方、更新されたグループ制御情報は、CTS−to−Selfフレームだけでなく、レガシ無線端末を含んで全ての無線端末がデコーディングすることができるMACレベルの制御フレーム内に含まれて送信されることができる。又は、更新されたグループ制御情報は、各々異なる一つ以上のグループ情報に対する無線端末の受信可否及びストリーム情報を含んで各無線端末に管理フレーム形態にブロードキャスティング又はユニキャスト方式に提供されることができる。
【0055】
グループ制御フレームがブロードキャスティング方式に複数の無線端末に送信された場合に対して説明する。
【0056】
グループ制御フレームを受信した端末は、自身の住所が受信端末情報フィールドに含まれており、無線端末のビットマップで自身に対応されるビットが‘1’に設定されている場合、グループ制御フレームが自身を目的地にして送信されたフレームであると判断する。これによって、無線端末は、短い時間間隔(SIFS)後、グループ制御フレームに対する応答(ACKフレーム)を送信する。この時、各無線端末は応答を順次実行する。
【0057】
各無線端末が応答を順次実行する方法の一実施例として、各無線端末は、ACKフレーム送信時間と短い時間間隔(SIFS)を合わせた時間に無線端末のビットマップで自身の順番以前のビットのうち1に設定されている個数をかけた時間後にACKフレームを送信する。言い換えれば、無線端末は、自身の順番以前にビットマップのビット値として‘1’を有する無線端末の全てがACKフレームを送信した以後にACKフレームを送信する。
【0058】
図3は、本発明によるグループ制御フレームの送信方法を説明するための図面である。
【0059】
図3を参照すると、グループを構成する無線端末個数は4であり、ビットマップは4ビットで構成される。アクセスポイント(AP)は、グループシーケンス番号、無線端末のビットマップ情報、ストリーム情報、及び受信端末情報を含むグループ制御フレームを構成し、4個の無線端末で構成されたマルチユーザからACKフレームを安全に受信するためにNAV保護値を設定する。
【0060】
図3を参照すると、各無線端末は、自身の順序にACKフレームを送信してグループ制御フレームに対する応答を実行する。ここで、アクセスポイントは、該当順序に応答を実行した無線端末に対しては、MU−MIMOデータフレーム送信時、ビットマップの該当ビットを‘1’で表示する。然しながら、アクセスポイントは、応答が受信されない無線端末に対しては、MU−MIMOデータフレーム送信時、ビットマップの該当ビットを‘0’で表示する。
【0061】
図4は、本発明によるグループ制御情報を用いたフレーム送信方法を説明するための図面である。
【0062】
一般的に、無線LANのフレーム送信方法は、RTS/CTS/DATA/ACKのステップからなる。MU−MIMOデータフレームを送信する場合にもこのような過程からなる。
【0063】
RTS/CTSフレームの交換は、データがRTS閾値より長いフレームの場合、ヒドンノード問題(hidden−node problem)とチャネル保護のために要求される機能である。MU−MIMO技術を使用してデータを送信する場合にもRTS/CTSフレームの交換過程が要求され、この時、RTSフレームは、受信端末住所フィールドにグループ制御情報を含む。ここで、グループ制御情報は、少なくともグループシーケンス番号とビットマップ情報を含む。このように受信端末住所フィールドにグループ制御情報を記録する場合、別途のフレーム構造の修正又は追加なしにマルチユーザにフレームを送信することができる。
【0064】
同一グループシーケンス番号を有する無線端末は、自身の応答順序にRTSフレームに対するCTSフレームを送信する。
【0065】
また、RTS/CTSフレーム交換後、アクセスポイント(AP)は、CTS−to−Selfフレームを送信し、CTS−to−Selfフレームには更新されたグループ制御情報が含まれることができる。
【0066】
アクセスポイントは、更新されたグループ制御情報を用いてMU−MIMOデータフレームを送信する。図4を参照すると、グループ制御情報に含まれるグループを構成する無線端末は総4個であるが、グループ制御情報の更新後、実際に該当グループシーケンス番号を使用して送信されるMU−MIMOデータフレームの受信端末は総3個である。即ち、グループ制御情報の無線端末ビットマップ(bitmap)で3番目の無線端末に対するビットを‘0’に設定し、ビットマップを‘1101’に設定することによって、3番目の無線端末に伝達されるデータフレームが無いことを表示することができる。
【0067】
また、各無線端末は、CTS−to−Selfフレームに含まれている更新グループ制御情報を用いてデータフレームに対するブロック応答(Block ACK)フレームを順次送信する。
【0068】
MU−MIMOデータフレームの各A−MPDUの目的地住所に該当無線端末のMAC住所が含まれるため、マルチユーザに対するデータの受信は、ビーム形成された各A−MPDUに対して独立的に行われる。この時、MU−MIMOを使用してデータを受信する無線端末のグループ化は、MU−MIMO技術を使用して同時にデータフレームを送信する時、性能が良い組合せと送信するデータのQoS情報の組合せにより決定される。
【0069】
以下、前記のようにグループ制御情報を用いてマルチユーザにフレームを送信する場合、特定ユーザに対するフレーム送信に失敗した場合、これを修復するための方法に対して説明する。
【0070】
本発明は、ACKフレーム、CTSフレーム、ブロック(Block)ACKフレームのように制御フレームに対する応答フレームを正常に受信することができない場合に適用される。
【0071】
図5は、本発明によるRTSフレームに対するCTSフレームを正常に受信することができない場合、修復方法の第1の実施例を説明するための図面である。
【0072】
アクセスポイント(AP)は、RTSフレームの受信端末住所フィールドにグループ制御情報を記録し、RTSフレームをグループ化された複数の無線端末(STA)に送信する。この時、アクセスポイント(AP)は、向上された分散チャネル接続(EDCA)を介してRTSフレームを送信する。
【0073】
図4を参照して説明したように、受信端末住所フィールドにグループ制御情報が含まれているRTSフレームを受信した無線端末は、グループシーケンス番号とビットマップ情報を用いて受信先を確認し、順次CTSフレームとして応答する。然しながら、図5に示したように、無線端末STA3が自身の応答順序にCTSフレームを正常に送信することができないため、アクセスポイント(AP)で無線端末STA3に対するCTSフレームを受信することができない場合が発生されることができる。従って、このように無線端末STA3に対するCTSフレームを正常に受信することができない場合、これを修復する方法が必要である。
【0074】
図5を参照すると、本発明の第1の実施例は、特定無線端末からCTSフレームが応答されなくて、該当順序の予め予約された送信時間中にチャネルをあけて置き、他の無線端末に対してCTSフレームの全てを受信してNAV保護区間が満了された後、CTSフレームを正常に受信することができない無線端末に対してのみ、再びRTSフレームを送信してCTSフレームを受信する方法を提案する。
【0075】
言い換えれば、図5で無線端末STA3がCTSフレームの送信に失敗したが、STA3に対して予め予約されたCTSフレームの送信時間中にチャネルをあけて置き、STA4に対するCTSフレームを受信する。この時、基本サービスセット(BSS)内の他の無線端末は、RTSフレームの持続期間(Duration)によるネットワーク割当ベクトル(NAV)保護を進行している。また、アクセスポイント(AP)は、最後の無線端末からCTSフレームを正常に受信し、短い時間間隔(SIFS)後、CTSフレームを正常に受信することができないSTA3に対してのみRTSフレームを再送信する。ここで、再送信されるRTSフレームの受信端末住所フィールドに含まれているグループ制御情報のビットマップは、STA3に対応されるビットのみ‘1’に設定される。もちろん、アクセスポイント(AP)が再送信されるRTSフレームの受信端末住所にSTA3の住所を記録し、RTSフレームを送信するのも可能である。
【0076】
図6は、本発明によるCTSフレームの送信失敗による修復方法の第2の実施例を説明するための図面である。図6は、無線端末STA3に対するCTSフレームの送信が失敗した場合を示す。
【0077】
本発明の第2の実施例は、第1の実施例のようにCTSフレームが応答されなくて、該当順序の予め予約された送信時間中にチャネルをあけて置くものではなく、予め決まった順序に正常にCTSフレームが受信されなくて、CTSタイムアウトが発生されると、アクセスポイント(AP)は、CTSフレームの受信に失敗した無線端末以後にCTSフレームの送信のために準備する全ての無線端末に対してRTSフレームを再送信する。
【0078】
言い換えれば、図6に示したように無線端末STA3からCTSフレームを正常に受信することができなくて、CTSタイムアウトが発生された場合、アクセスポイント(AP)は、STA3とSTA4に対してRTSフレームを再送信する。
【0079】
このような本発明の第2の実施例は、基本サービスセット(BSS)内の他の無線端末がRTSフレームによりNAV保護を進行しているとしても、MU−MIMO技術の適用によってヒドンノード問題(hidden node problem)がより頻繁に発生することができるため、このような問題点を克服するためのものである。
【0080】
ここで、アクセスポイント(AP)から再送信されるRTSフレームの受信端末住所フィールドに含まれているグループ制御情報のビットマップは、STA3とSTA4に対応されるビットのみが‘1’に設定される。
【0081】
次は、グループ制御情報を使用して送信されたフレームに対してブロック(Block)ACKフレーム(BAフレーム)を正常に受信することができない場合の修復方法に対して説明する。図5及び図6を参照して説明したRTSフレームに対するCTSフレームの送信失敗時の修復方法は、ブロック(Block)ACKフレームの修復方法にも適用されることができる。
【0082】
図7は、本発明によるブロック(Block)ACKフレームの修復方法の第1の実施例を説明するための図面である。
【0083】
図7に示すブロック(Block)ACKフレームの修復方法の第1の実施例は、図5で説明したCTSフレームの修復方法のように受信されないブロック(Block)ACKフレームの送信時間中を含み、全ての無線端末からのブロック(Block)ACKフレームの送信順序を待った後、受信に失敗した無線端末に対してブロックACK要求(BAR)フレームを介してブロックACKフレームの送信を要求する。
【0084】
図7は、アクセスポイント(AP)がグループ制御情報を用いて無線端末STA1、STA2、STA4にデータフレーム(MU−MIMO A−MPDU)を送信した後、STA1、STA2からブロックACK(BA)フレームの受信に失敗した場合を示す。
【0085】
この場合、アクセスポイント(AP)は、最後の無線端末であるSTA4に対するブロックACK(BA)フレームの受信を待った後、チャネル接続を介してブロックACK(BA)フレームの送信に失敗したSTA1とSTA2にブロックACK要求(BAR)フレームを送信する。
【0086】
この時、送信されるBARフレームの受信端末住所は、ブロックACK(BA)フレームの再送信が要求されるSTA1とSTA2を指示するビットマップを含むグループ制御情報である。もちろん、BARフレームの受信端末住所に、送信に失敗した無線端末の住所を記録し、BARフレームを各無線端末に送信するのも可能である。
【0087】
ここで、BARフレームが基本的に含むBAR制御情報とBAR情報は、一つの受信端末に対する情報である。従って、グループ制御情報を用いてマルチユーザに対するBAR機能を有する場合、データフレーム(MU−MIMO A−MPDU)を受信したマルチユーザが共通の情報を有すると、BAR制御情報とBAR情報フィールドは、共通された情報が記入される。然しながら、各マルチユーザに対するブロックACK関連値が異なると、BAR制御情報とBAR情報フィールドは、ナル(null)値として記入される。
【0088】
図7で一つのグループ制御情報を含むデータフレーム(MU−MIMO A−MPDUを送信する場合、マルチユーザからブロックACKフレームを全部受信することによりグループ制御送信過程が完了する。もし、マルチユーザのグループ組合せに変化がない場合、本発明は、無線端末のビットマップを再構成し、次のデータフレーム(MU−MIMO A−MPDU)を送信することができる。このように、本発明は、グループ制御情報を使用するため、マルチユーザのための住所をフレームに全部記入する必要がなくて、マルチユーザフレームのオーバーヘッドを減少させることができる。
【0089】
以上で説明した本発明の実施例では、グループ制御情報がフレームの受信端末住所フィールドに記入される場合に対して説明した。然しながら、グループ制御情報は、受信端末住所フィールドでないMU−MIMO技術を使用して送受信を進行する無線端末と無線端末との間で交換されることができる多様なフレーム内に制御情報として含まれることもできる。
【0090】
以下、多様なフレーム内に制御情報を含んで運用されることができる場合に対して説明する。
【0091】
図8及び図9は、本発明によるグループBARフレームを用いたBAフレームの送信失敗による修復方法を説明するための図面である。
【0092】
図8を参照すると、マルチユーザに対するデータフレームを送信した後、無線端末STA2とSTA3に対するブロックACK(BA)フレームを正常に受信することができない場合、アクセスポイント(AP)は、全ての無線端末に対するBAフレームの送信時間が満了された後、バックオフ(backoff)を実行した後にグループBARフレームを送信する。前記グループBARフレームは、BAフレームを正常に受信することができないSTA2とSTA3を目的地にするフレームである。
【0093】
図9を参照すると、マルチユーザに対するデータフレームを送信した後、無線端末STA2に対するブロックACK(BA)フレームを正常に受信することができない場合、アクセスポイント(AP)は、任意のフレーム間間隔(PIFS)時間以後にグループBARフレームを送信する。前記グループBARフレームは、BAフレームを正常に受信することができないSTA2とSTA2以後のSTA3を目的地にするブロックACK要求フレームである。
【0094】
図8及び図9で、グループBARフレームは、グループ情報と受信端末に対する情報を含むことができ、グループBARフレームを用いて無線環境によるBA応答スケジュールを調節することができる。
【0095】
一方、グループBARフレームは。既存のBARフレーム構造のうち多重TID BARの形態を用い、受信端末住所フィールドとBAR情報フィールドを使用して示すことができる。言い換えれば、図10のようにグループBARフレームを構成することができる。
【0096】
図10を参照すると、グループBARフレームは、既存のBARフレームの構造で受信端末住所(RA)フィールドにグループ情報を記入し、BAR情報フィールドに各端末のTID情報(AID)と各端末のBA開始シーケンス番号(SSN;Starting Sequence Number)を記入して構成することができる。
【0097】
このように既存BARフレーム構造を用いてグループ制御のためのグループBARフレームとして表現することは、BAR制御情報を介して無線端末が知ることができたり、または、受信端末住所がグループ情報であることを検出した無線端末がこのフレーム構造を理解可能でなければならない。
【0098】
一方、前述したような本発明は、コンピュータプログラムで作成が可能である。また、前記プログラムを構成するコード及びコードセグメントは、当該分野のコンピュータプログラマにより容易に推論されることができる。また、前記作成されたプログラムは、コンピュータが読み取ることができる記録媒体(情報格納媒体)に格納され、コンピュータにより判読されて実行されることによって本発明の方法を具現する。また、前記記録媒体は、コンピュータが判読することができる全ての形態の記録媒体(CD、DVDのような有形的媒体だけでなく、搬送波のような無形的媒体)を含む。
【0099】
本発明は、限定された実施例と図面により説明したが、これにより限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と特許請求の範囲と均等範囲内で多様な修正及び変形が可能である。
【産業上利用可能性】
【0100】
本発明は、マルチユーザ多重アンテナ(MU−MIMO;Multi−User Multiple Input Multiple Output)ベースの無線通信システムで、グループ番号を用いて複数の無線端末に送信されたフレームの送信失敗時、送信失敗フレームを修復するための技術に適用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチユーザ多重アンテナ技術を用いる無線通信システムで、複数の無線端末から応答フレームを正常に受信することができない場合、送信失敗された応答フレームを修復するための方法において、
(a)前記複数の無線端末を受信先として指定するためのグループ制御情報を含む応答が要求されるフレームを送信する段階;
(b)前記複数の無線端末から前記応答が要求されるフレームに対する第1の応答フレームを順次受信する段階;
(c)前記(b)段階で、特定無線端末から正常に前記第1の応答フレームが受信されない場合、グループを構成する前記複数の無線端末の全てから前記第1の応答フレームを受信するための時間が満了された後、前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末を受信先にする要求フレームを送信する段階;及び、
(d)前記(c)段階の要求フレームに対する第2の応答フレームを受信する段階;
を含む送信失敗フレームの修復方法。
【請求項2】
前記グループ制御情報は、各グループ別に固有に付与されるグループシーケンス番号、グループを構成する無線端末の受信可否を示すビットマップ情報、及び多重アンテナと関連するストリーム情報のうち少なくともいずれか一つを含む請求項1に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項3】
前記(c)段階での前記要求フレームは、前記グループシーケンス番号、及び前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末の受信状態を示すビットが設定されたビットマップ情報を含む請求項2に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項4】
前記グループ制御情報は、前記応答が要求されるフレーム又は前記要求フレームの受信端末住所フィールドに記入されることを特徴とする請求項2に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項5】
前記(c)段階での前記要求フレームは、前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末の住所が受信端末住所フィールドに記入されることを特徴とする請求項2に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項6】
前記要求フレームは、ブロックACK要求(BAR)フレームであり、前記第2の応答フレームは、ブロックACK(BA)フレームであることを特徴とする請求項2に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項7】
前記ブロックACK要求フレームは、グループ情報及び受信端末情報を含む請求項6に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項8】
前記グループ情報は、前記ブロックACK要求フレームの受信端末住所フィールドに記入され、前記受信端末情報は、前記ブロックACK要求フレームのBAR情報フィールドに記入される請求項7に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項9】
マルチユーザ多重アンテナ技術を用いる無線通信システムで、複数の無線端末から応答フレームを正常に受信することができない場合、送信失敗された応答フレームを修復するための方法において、
(a)前記複数の無線端末を受信先として指定するためのグループ制御情報を含む応答が要求されるフレームを送信する段階;
(b)前記複数の無線端末から前記応答が要求されるフレームに対する第1の応答フレームを順次受信する段階;
(c)前記(b)段階で、特定無線端末から正常に前記第1の応答フレームが受信されない場合、前記第1の応答フレームの送信順序によって前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末から最後の順番の無線端末までを受信先にする要求フレームを送信する段階;及び、
(d)前記(c)段階の要求フレームに対する一つ以上の第2の応答フレームを受信する段階;
を含む送信失敗フレームの修復方法。
【請求項10】
前記グループ制御情報は、各グループ別に固有に付与されるグループシーケンス番号、グループを構成する無線端末の受信可否を示すビットマップ情報、及び多重アンテナと関連するストリーム情報のうち少なくともいずれか一つを含む請求項9に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項11】
前記(c)段階での前記要求フレームは、前記グループシーケンス番号、及び前記第1の応答フレームの受信に失敗した無線端末から最後の順番の無線端末まで受信状態を示すビットが設定されたビットマップ情報を含む請求項10に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項12】
前記グループ制御情報は、前記応答が要求されるフレーム又は前記要求フレームの受信端末住所フィールドに記入されることを特徴とする請求項10に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項13】
前記要求フレームは、ブロックACK要求(BAR)フレームであり、前記第2の応答フレームは、ブロックACK(BA)フレームであることを特徴とする請求項10に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項14】
前記ブロックACK要求フレームは、グループ情報及び受信端末情報を含む請求項13に記載の送信失敗フレームの修復方法。
【請求項15】
前記グループ情報は、前記ブロックACK要求フレームの受信端末住所フィールドに記入され、前記受信端末情報は、前記ブロックACK要求フレームのBAR情報フィールドに記入される請求項14に記載の送信失敗フレームの修復方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−512613(P2013−512613A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541016(P2012−541016)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008355
【国際公開番号】WO2011/065746
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(596099882)エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート (179)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】