説明

マルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置およびこれを用いた光伝送システム

【課題】光通信に関わる保守情報を、センタ側光回線終端装置で一元管理することが可能なマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置およびこれを用いた光伝送システムを提供する。
【解決手段】ONU100は、ONU側光入出力端111、LDドライバ112、リミッティングアンプ113、およびONU側コントローラ114からなる物理層モジュールと、ONU側MAC部120のデータリンク層モジュールを備えており、物理層とデータリンク層の2層の機能を有するマルチレイヤモジュールとなっている。ONU側コントローラ114は、ONU100の保守情報を管理しており、光通信に係る保守情報の変動値をセンタ側に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PON型の光伝送システムにおいて加入者宅に設置されるマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置、およびこれを用いた光伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
FTTH、CATV等の光ネットワークでは、特許文献1、2に記載されているように、センタに接続される光伝送路を受動型スプリッタにより分岐して複数の加入者宅まで光伝送路を敷設するPON(Passive Optical Network)型の光伝送システムが使用されている。このような光伝送システムは、PDS(Passive Double Star)とも呼ばれる。
【0003】
PON型の光伝送システムでは、図9に示すように、センタの光回線終端装置(OLT:Optical Line Termination)901が光ファイバ902を介してスプリッタ903の合波端に接続され、スプリッタ903の複数の分波端には光ファイバ904を介して各加入者宅に設置された加入者宅側光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)905が接続される。
【0004】
ONU905は、外部ノードとのインタフェースとしてイーサネット(登録商標)インタフェースを用いている。イーサネット(登録商標)インタフェースとして、10/100/1000BASE−TX等を用いることができ、これに例えばLANケーブル906が接続される。LANケーブル906を介してルータ907やスイッチングハブ908等のスイッチが接続され、これにコンピュータやプリンタ等の端末機器909を接続することができる。あるいは、LANケーブル906に端末機器909を直接接続することもできる。
【0005】
外部ノードとのインタフェースとして、MSA(Multi-Source Agreement)インタフェースの規格に対応させたMSAインタフェースモジュールを用いた場合には、外部ノードに設けられたMSAインタフェーススロットに直接接続することが可能となり、LANケーブルの接続が不要になって省スペース化が図れるなどの大きな利点がある。
【0006】
MSAインタフェースモジュールを備えた従来のONU905の一構成例を、図10を用いて説明する。図10は、従来のONU905の概略構成を示すブロック図であり、外部ノード(以下ではホスト装置と称する)920に備えられたMSAインタフェーススロット922に直接接続された状態を示している。また、ONU905は、センタ側のOLT901との間で信号の光信号を送受信するために、光入出力端911を備えている。
【0007】
光入出力端911は、OLT901から送信される信号の光信号を電気信号に変換する光/電気変換、およびホスト装置920から入力される信号の電気信号を光信号に変換する電気/光変換を行うための光デバイスを有している。光デバイスとして、光/電気変換にはPD(フォトダイオード)が用いられ、電気/光変換にはLD(レーザダイオード)が用いられる。
【0008】
光入出力端911で光/電気変換された信号の電気信号は、リミッティングアンプ(LIM)913を経由してホスト装置920側に出力される。また、ホスト装置920側から入力した信号の電気信号は、LDを駆動するLDドライバ(LDD)912に出力される。LDD912は、入力した電気信号に従って光入出力端911に備えられたLD(図示せず)を駆動することで、信号の光信号をOLT901側に伝送する。
【0009】
図10に示すように、従来のONU905は、光/電気変換及び電気/光変換の処理を行っており、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおける物理層(L1)の処理を行う物理層モジュールとなっている。ONU905は、OSI参照モデルのデータリンク層(L2)、あるいはそれ以上のレイヤの機能を有しておらず、これらはホスト装置920が有する構成となっている。従って、物理層モジュールのONU905とホスト装置920とが一体となって、通信機能を含む所定の機能構成が完結される。そのため、ONU905内の保守情報を、ホスト装置920内の保守情報(例えば、通信パケットの統計情報等)と一元管理するのがシステム管理上望ましい。
【0010】
そこで、従来は、ONU905内の保守情報がホスト装置920に出力され、ホスト装置920内の保守情報とともにホスト装置920が一元管理するように構成されている。ONU905内に設けられたコントローラ914は、図11に示すようなフォーマットのメモリマップを有するメモリに、ONU905の保守情報を保存させている。図11に示すように、ONU905の保守情報には固定値と変動値がある。
【0011】
ONU905の保守情報の固定値には、ONU905のメーカ名、型番、シリアルNo.等があり、変動値には、光入出力端911、リミッティングアンプ913、およびLDドライバ912からなる送受信回路の制御データおよび状態データ(LD電流、出力パワー、受信電力等)がある。ONU905とホスト装置920との間には、信号を伝送するためのインタフェース910aに加えて、別のシリアルインタフェース910bが設けられている。コントローラ914は、ONU905内の保守情報をシリアルインタフェース910bを経由してホスト装置920内のロジック部921に出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平9−214541号公報
【特許文献2】特開2008−067402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
一方、近年は、特許文献2に記載されているように、OSI参照モデルのL2の機能まで有するONUが開発されている。このように、ONUがL1とL2の機能を有するマルチレイヤモジュールに構成されている場合には、光伝送システムは、センタ側のOLTと加入者宅側のONUとが同一のプロトコルで動作するマルチレイヤモジュールのシステムとなる。そのような光伝送システムでは、光通信に関わる状態信号をセンタ側で一元管理するのが運用上望ましい。
【0014】
しかしながら、ONUがマルチレイヤモジュールに構成されるようになっても、保守情報は、従来と同様に、すべてホスト装置に出力されており、ホスト装置がそれ自身の保守情報とONUの保守情報とを一元管理する構成のままであった。そのため、マルチレイヤモジュールであるONUの光通信に関わる状態信号を、センタ側で一元管理することができず、光伝送システムの光通信の状態管理が容易でないといった問題があった。
【0015】
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、光通信に関わる保守情報を、センタ側光回線終端装置で一元管理することが可能なマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置およびこれを用いた光伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の第1の態様は、光伝送路を介してセンタ側光回線終端装置と接続され、ホスト装置とはMSA(マルチソースアグリーメント)インタフェースで接続されたマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置であって、前記センタ側光回線終端装置に接続されて信号の光/電気変換及び電気/光変換を行う送受信回路と、前記送受信回路に接続されて前記信号の終端処理を行うMAC部と、前記送受信回路に接続されて制御データおよび状態データからなる保守情報の変動値を取得して保存するとともに、所定の保守情報の固定値を保存するコントローラと、前記コントローラと前記MAC部とを接続する第1シリアルインタフェースと、前記コントローラと前記ホスト装置とを接続する第2シリアルインタフェースと、を備え、前記コントローラは、前記保守情報の要求を入力すると、該要求が前記センタ側光回線終端装置側からか、または前記ホスト装置側からかによって前記保守情報を選択して前記センタ側光回線終端装置または前記ホスト装置に出力することを特徴とする。
【0017】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記コントローラは、前記保守情報の要求が前記センタ側光回線終端装置側からのときは、前記変動値を選択して前記第1シリアルインタフェースを介して前記MAC部に出力する一方、前記保守情報の要求が前記ホスト装置側からのときは、前記固定値を選択して前記第2シリアルインタフェースを介して前記ホスト装置に出力し、前記MAC部は、前記コントローラから前記保守情報の変動値を入力するとこれを前記信号に書き込み、前記送受信回路で電気/光変換して前記センタ側光回線終端装置に伝送することを特徴とする。
【0018】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記コントローラは、CPUと、前記保守情報の固定値および変動値を保存するメモリとを備え、前記CPUは、前記MAC部及び前記第1シリアルインタフェースを介して前記センタ側光回線終端装置から前記保守情報の要求を入力すると前記メモリから前記変動値を読み出して前記MAC部に出力する一方、前記第2シリアルインタフェースを介して前記ホスト装置から前記保守情報の要求を入力すると前記メモリから前記固定値を読み出して前記ホスト装置に出力することを特徴とする。
【0019】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記コントローラは、CPUと、前記保守情報の固定値および変動値を保存するメモリと、前記CPUを前記第1シリアルインタフェースと前記第2シリアルインタフェースのいずれか一方に接続するBUSスイッチ回路とを備え、前記CPUは、前記BUSスイッチ回路で前記第1シリアルインタフェースに接続されると、前記メモリから前記変動値を読み出して前記MAC部に出力する一方、前記BUSスイッチ回路で前記第2シリアルインタフェースに接続されると、前記メモリから前記固定値を読み出して前記ホスト装置に出力することを特徴とする。
【0020】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記BUSスイッチ回路は、前記MAC部及び前記第1シリアルインタフェースを介して前記センタ側光回線終端装置から前記保守情報の要求を入力すると、前記CPUを前記第1シリアルインタフェースに接続する一方、前記第2シリアルインタフェースを介して前記ホスト装置から前記保守情報の要求を入力すると前記CPUを前記第2シリアルインタフェースに接続することを特徴とする。
【0021】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記BUSスイッチ回路は、前記第1シリアルインタフェースからの信号入力を判定すると、前記CPUを前記第1シリアルインタフェースに接続する一方、前記第2シリアルインタフェースからの信号入力を判定すると、前記CPUを前記第2シリアルインタフェースに接続することを特徴とする。
【0022】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記BUSスイッチ回路は、ラッチ設定のスイッチであることを特徴とする。
【0023】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記BUSスイッチ回路は、所定の信号を入力すると、接続状態を所定時間だけ保持するコンデンサを備えた非ラッチ設定のスイッチであることを特徴とする。
【0024】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記MAC部は、前記コントローラから入力した前記保守情報の変動値を前記信号のOAM(Operation,Administration,and Maintenance)レイヤに書き込むことを特徴とする。
【0025】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記送受信回路は、光/電気変換及び電気/光変換を行う光入出力端と、前記電気/光変換を制御するLDドライバと、前記光/電気変換された電気信号を所定の範囲で通過させるリミッティングアンプとを備え、前記コントローラは、前記光入出力端と前記LDドライバと前記リミッティングアンプとから前記保守情報の変動値を入力することを特徴とする。
【0026】
本発明のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記第1シリアルインタフェースおよび前記第2シリアルインタフェースは、I2C(Inter-Integrated Circuit)信号線であることを特徴とする。
【0027】
本発明の光伝送システムの第1の態様は、上記いずれか1つの態様に記載の1以上のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置と、光通信に関わる保守情報を管理する保守機能ロジック部を有するセンタ側光回線終端装置と、前記センタ側光回線終端装置と前記マルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置とを接続して光信号の信号を伝送する光伝送路と、を備え、前記保守機能ロジック部は、前記光伝送路を介して前記1以上のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置から伝送された前記保守情報の変動値を一元管理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、光通信に関わる保守情報をセンタ側光回線終端装置に送信してセンタ側で一元管理することが可能なマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置およびこれを用いた光伝送システムを提供することができ、光伝送システムの保守情報の管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】センタ側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施形態のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置による保守情報の管理方式を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】ICラインの概略構成を示すブロック図である。
【図8】ICラインで伝送されるデータおよびクロック信号の一例を示す説明図である。
【図9】従来の光伝送システムを示す概略構成図である。
【図10】従来の加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】保守情報を保存しているメモリのメモリマップを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態におけるマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置およびこれを用いた光伝送システムの構成について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0031】
本発明の第1の実施の形態に係るマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置(ONU)を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態のONU100の構成を示すブロック図である。また、図1に示す本実施形態のONU100を用いて構成された本発明の第1の実施形態の光伝送システム1を図2に示す。さらに、光伝送システム1のセンタ側に設けられたセンタ側光回線終端装置(OLT)10の構成を、図3のブロック図に示す。
【0032】
図2に示す光伝送システム1において、センタ側に設けられるOLT10は、光ファイバ31で光カプラ(光合分波部)32の合波端に接続され、光カプラ32の複数の分波端には、複数の光ファイバ33のそれぞれの一端が接続されている。本実施形態のONU100は、光ファイバ33の他端に接続して用いられ、光ファイバ31、33および光カプラ32を経由してOLT10との間で光信号を伝送することができる。
【0033】
ONU100は、それぞれが加入者宅毎に設置され、パーソナルコンピュータやスイッチ、ルータ等のホスト装置50に接続される。ホスト装置50として用いられるスイッチには、L2スイッチ、L3スイッチ、ルータ等がある。OLT10およびONU100には、GPON(Gigabit Passive Optical Networkの略称であり、ITU規格G.984.xに準拠した方式)、GEPON(Gigabit Ethernet(登録商標) PONの略であり、IEEE802.3ah規格に準拠した方式)の規定に適合した装置が使用される。
【0034】
図1、2では、ホスト装置50とのインタフェースとして、ONU100がMSAインタフェースモジュールを備える例を示している。MSAインタフェースモジュールを用いることで、ONU100はホスト装置50に設けられたMSAインタフェーススロットに直接接続することができる。MSAインタフェースモジュールとして、GBIC、SFP等のモジュールがある。
【0035】
センタ側に設置されるOLT10は、図3に示すように、加入者宅側の各ONU100との間で光信号を送受信するための物理層(L1)モジュールの光トランシーバ11と、データリンク層(L2)の機能であるOLT側MAC(Media Access Control)部12と、信号の処理を行うOLT側信号ロジック部13と、保守信号の処理を行うOLT側保守機能ロジック部14とを備えており、マルチレイヤモジュールの構成となっている。
【0036】
光トランシーバ11は、OLT側光入出力端15、LDドライバ(LDD)16、リミッティングアンプ(LIM)17、およびOLT側コントローラ18を備えている。OLT側光入出力端15は、OLT側信号ロジック部13側から出力される下り信号の電気信号を光信号に変換する電気/光変換、および加入者宅側から受信する上り信号の光信号を電気信号に変換する光/電気変換、を行うためのそれぞれの光デバイスを有している。光デバイスとして、光/電気変換にはPD(フォトダイオード)が用いられ、電気/光変換にはLD(レーザダイオード)が用いられる。
【0037】
OLT側MAC部12から入力した下り信号の電気信号は、LDを駆動するLDドライバ16に出力され、LDドライバ16がOLT側光入出力端15に備えられたLD(図示せず)を駆動することで、下り信号の光信号に変換されて出力される。また、OLT側光入出力端15で受信して光/電気変換された上り信号の電気信号は、リミッティングアンプ17を経由してOLT側MAC部12に出力され、さらにOLT側信号ロジック部13に出力される。
【0038】
OLT側コントローラ18は、OLT側光入出力端15、LDドライバ16、リミッティングアンプ17から制御データおよび状態データ(LD電流、出力パワー、受信電力等)を入力し、これを保守情報の変動値としてOLT側MAC部12に出力し、さらにOLT側MAC部12からOLT側保守機能ロジック部14に出力している。光トランシーバ11とOLT側MAC部12との間には、信号を伝送する主インタフェース19とは別に、OLT側コントローラ18とOLT側MAC部12とを接続するシリアルインタフェース20が設けられている。上記のOLT10の保守情報は、シリアルインタフェース20を経由してOLT側コントローラ18からOLT側MAC部12に伝送される。また、OLT側MAC部12とOLT側信号ロジック部13およびOLT側保守機能ロジック部14との間は、それぞれのBUSで接続されている。
【0039】
本実施形態のONU100は、図1に示すように、上記説明のOLT10と類似した構成を有しており、OLT10と同一のプロトコルで動作するシステムとなっている。すなわち、ONU100は、ONU側光入出力端111、LDドライバ112、リミッティングアンプ113、およびONU側コントローラ114からなる物理層モジュールと、ONU側MAC部120のデータリンク層モジュールとを備えている。このように、本実施形態のONU100は、OLT10と同様に、物理層とデータリンク層の2層の機能を有するマルチレイヤモジュールとなっている。
【0040】
一方、ONU100は、OLT10が有していた信号ロジック部および保守機能ロジック部を有しておらず、信号の処理および保守情報の処理はホスト装置50側に設けられたホスト側信号ロジック部51およびホスト側保守機能ロジック部52で行われる。
【0041】
OLT10から送信された下り信号の光信号は、ONU側光入出力端111で光/電気変換されて電気信号の下り信号となり、リミッティングアンプ113を介してONU側MAC部120に伝送される。そして、信号用の主インタフェース131を介してホスト装置50のホスト側信号ロジック部51に下り信号が出力される。また、ホスト装置50のホスト側信号ロジック部51から出力された電気信号の上り信号は、主インタフェース131を介してONU側MAC部120に出力され、さらにONU側MAC部120からLDドライバ112に出力されてONU側光入出力端111内のLD(図示せず)を駆動する。これにより、上り信号の電気信号が電気/光変換され、OLT10側に上り信号の光信号が伝送される。
【0042】
また、ONU側コントローラ114は、ONU側光入出力端111、LDドライバ112、リミッティングアンプ113から制御データおよび状態データ(LD電流、出力パワー、受信電力等)が入力され、これを保守情報の変動値として保存している。また、ONU100のメーカ名、型番、シリアルNo.等の固定値も保存している。
【0043】
つぎに、ONU100の保守情報の管理方式について、図4を用いて説明する。従来のマルチレイヤモジュールのONUでは、ホスト装置が、それ自身の保守情報とともにONU内の保守情報も一元管理するように構成されており、ONU内の保守情報がホスト装置のみに出力される構成となっていた。
【0044】
しかしながら、本実施形態の光伝送システム1のように、OLT10とONU100が同一プロトコルで動作するマルチレイヤモジュールで構成されているシステムでは、ONU100の保守情報のうち少なくとも光通信に関わる状態信号を、OLT10の保守情報とともにセンタ側で一元管理するのがシステム管理上望ましい。また、保守情報のうちONU100とホスト装置50とを接続するのに必要となる固定情報については、従来と同様にホスト装置50で一元管理するのが望ましい。
【0045】
そこで、本実施形態のONU100および光伝送システム1では、保守情報のうち固定値については、従来と同様にホスト装置50に出力してホスト装置50側で管理させる一方、少なくとも光通信に関わる状態信号である保守情報の変動値については、センタ側のOLT10に伝送してセンタ側で一元管理させる構成としている。
【0046】
図4において、ONU側コントローラ114は、CPU115とメモリ116を備えている。メモリ116には、アドレス#A0を先頭に保守情報の固定値が保存され、アドレス#A2を先頭に保守情報の変動値が保存されている。
【0047】
ホスト装置50側から保守情報の要求があると、CPU115の処理により保守情報の固定値が選択され、これがシリアルインタフェース132を経由してホスト装置50のホスト側保守機能ロジック部52に出力される。一方、OLT10側から保守情報の要求があると、CPU115の処理により保守情報の変動値が選択され、これがシリアルインタフェース121を経由してONU側MAC部120に出力され、ONU側MAC部120で上り信号に追加されてOLT10に伝送される。シリアルインタフェース132及び121として、IC(Inter-Integrated Circuit)を用いることができる。
【0048】
PON型の光伝送システム1では、OLT10とONU100との間で保守情報を伝送するために、信号にOAM(Operation,Administration,and Maintenance)レイヤが設けられている。OAMレイヤは、OSI参照モデルにおける第2層のデータリンク層に相当し、保守運用等に必要な情報を伝送するのに用いられる。
【0049】
OLT10に伝送される保守情報の変動値は、ONU側コントローラ114からONU側MAC部120に出力され、ONU側MAC部120で上り信号のOAMレイヤに書き込まれる。この上り信号がLDドライバ112に出力され、LDドライバ112による制御で電気/光変換された上り信号の光信号が、ONU側光入出力端111からOLT10に伝送される。OLT10に伝送された光信号は、OLT側光入出力端15で電気信号に変換された後OLT側MAC部12に出力され、OLT側MAC部12で上り信号のOAMレイヤからONU100の保守情報の変動値を読み出す。読み出されたONU100の保守情報の変動値は、OLT側保守機能ロジック部14に出力され、ここでOLT10の保守情報とともに一元管理される。
【0050】
上記説明のように、本実施形態のONU100およびこれを用いた光伝送システム1によれば、マルチレイヤモジュールであるONU100の保守情報のうち、少なくとも光通信に関わる状態信号である保守情報の変動値については、OLT10に伝送してセンタ側で一元管理することが可能になるとともに、ONU100をホスト装置50に接続するのに必要となる保守情報の固定値については、ホスト装置50に出力してホスト装置50側で一元管理することが可能になる。マルチレイヤモジュールである本実施形態の加入者宅側光回線終端装置を用いることで、光伝送システムの保守情報の管理が容易となる。
【0051】
本発明の第2の実施の形態に係るマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置を、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態のONU200の構成を示すブロック図である。本実施形態のONU200では、ONU側コントローラ214がさらにBUSスイッチ回路217を備える構成となっている。ONU側コントローラ214内のCPU215は、BUSスイッチ回路217を介してONU側MAC部120またはホスト装置50内のホスト側保守機能ロジック部52に接続される。
【0052】
BUSスイッチ回路217は、例えばセンタ側からの指示でONU側MAC部120から保守情報の要求があると、スイッチ状態をONU側MAC部120とCPU215との間を接続状態(閉状態)にするとともに、ホスト側保守機能ロジック部52との間を非接続状態(開状態)にする。また、BUSスイッチ回路217は、ONU側MAC部120からの要求であることを示すステータス信号218をCPU215に出力する。あるいは、スイッチ状態がONU側MAC部120とCPU215との間を接続する状態であることを示すステータス信号218をCPU215に出力してもよい。
【0053】
同様に、ホスト側保守機能ロジック部52から保守情報の要求があると、BUSスイッチ回路217は、スイッチ状態をホスト側保守機能ロジック部52とCPU215との間を接続状態(閉状態)にするとともに、ONU側MAC部120との間を非接続状態(開状態)にする。また、BUSスイッチ回路217は、ホスト側保守機能ロジック部52からの要求であることを示すステータス信号218をCPU215に出力する。あるいは、スイッチ状態がホスト側保守機能ロジック部52とCPU215との間を接続している状態であることを示すステータス信号218をCPU215に出力してもよい。
【0054】
CPU215は、BUSスイッチ回路217から入力したステータス信号218をもとに、保守情報の要求がONU側MAC部120からのものであるか、あるいはホスト側保守機能ロジック部52からのものであるかを判断する。その結果、ONU側MAC部120からの要求である場合には、BUSスイッチ回路217のスイッチ状態がONU側MAC部120側に接続された状態となっていることから、CPU215は、メモリ116内のアドレス#A2に保存されている保守情報の変動値を、BUSスイッチ回路217を経由してONU側MAC部120に出力する。ONU側MAC部120は、CPU215から入力した保守情報の変動値を上り信号のOAMレイヤに書き込み、これをOLT10に伝送する。
【0055】
一方、CPU215において保守情報の要求がホスト側保守機能ロジック部52からのものであると判断されると、BUSスイッチ回路217のスイッチ状態がホスト側保守機能ロジック部52側に接続された状態となっていることから、CPU215は、メモリ116内のアドレス#A0に保存されている保守情報の固定値を、BUSスイッチ回路217を経由してホスト側保守機能ロジック部52に出力する。
【0056】
BUSスイッチ回路217からCPU215に出力するステータス信号218として、上記では、保守情報の要求がONU側MAC部120からのものかあるいはホスト側保守機能ロジック部52からのものかを示す信号、あるいはBUSスイッチ回路217の接続状態を示す信号を用いている。これに加えて、ステータス信号218に要求データを指定する信号が含まれるようにしてもよい。保守情報として、あらかじめ設定された固定値を要求するかあるいは変動値を要求するかだけでなく、1つまたは複数の個別のデータを要求することができるようにする。この場合、例えばホスト側保守機能ロジック部52からの保守情報の要求のときに、変動値のデータの要求があっても伝送させないようにすることができる。
【0057】
本実施形態のONU200によれば、第1の実施形態のONU100と同様に、マルチレイヤモジュールであるONU200の保守情報のうち、少なくとも光通信に関わる状態信号である変動値については、OLT10に伝送してセンタ側で一元管理することが可能になるとともに、ONU100をホスト装置50に接続するのに必要となる保守情報の固定値については、ホスト装置50に出力してホスト装置50側で一元管理することが可能となる。これに加えて、本実施形態のONU200では、保守情報の要求がONU側MAC部120からのものかあるいはホスト側保守機能ロジック部52からのものかによって接続状態を切り替えるBUSスイッチ回路217を設けることで、CPU215は、要求された保守情報をBUSスイッチ回路217に出力するだけでよく、その処理を簡素化することができる。
【0058】
第1の実施形態のONU100では、ONU側コントローラ114内のCPU115がシリアルインタフェース121、132の2つのICラインを備える必要があったが、本実施形態のONU200では、BUSスイッチ回路217をCPU215とは別に設けることで、CPU215にICラインを複数備えることが不要となり、さらにBUSスイッチ回路217をロジック回路で構成することで、簡単な構成とすることが可能となる。
【0059】
本発明の第3の実施の形態に係るマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置を、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態のONU300の構成を示すブロック図である。本実施形態のONU300では、第2の実施の形態のONU200と同様に、ONU側コントローラ314がBUSスイッチ回路317を備える構成となっているが、BUSスイッチ回路317の動作が第2の実施形態のBUSスイッチ回路217と異なっている。
【0060】
ここで、ICラインによる通信の概要を説明する。ICラインは、図7に示すように、データライン(DATA)61とクロックライン(CLOCK)62の2つのライン(物理的な線)で最低限構成されている。ICラインで伝送される信号の一例を図8に示す。ICラインの基本的な動作は、(1)マスター63からデータライン61経由でデータ(図8にDATAで示す)が送信され、(2)スレーブ64がこのDATAを受信し、(3)それと並行してクロックライン62を経由してマスター63からスレーブ64にクロック信号(図8にCLOCKで示す)が送出され、(4)このCLOCKにより同期の取れたIC通信が行われる。
【0061】
第2の実施の形態及び第3の実施の形態では、シリアルインタフェース121側に接続されたOLT10、あるいはシリアルインタフェース132側に接続されたホスト装置50がマスター63に相当している。また、シリアルインタフェース121及び132のいずれも、BUSスイッチ回路217、317がスレーブ64に相当している。
【0062】
第2の実施形態のBUSスイッチ回路217は、マスター63に相当するOLT10またはホスト装置50からの指示でスイッチングする受動的な動作を行っている。これに対し、本実施形態のBUSスイッチ回路317は、以下に説明するように、能動的に動作することを特徴としている。
【0063】
BUSスイッチ回路317は、通常、スイッチ状態がシリアルインタフェース121側(OLT10側)、またはシリアルインタフェース132側(ホスト装置50側)に接続されている。ここでは、一例として、BUSスイッチ回路317がシリアルインタフェース121側に接続されているものとして説明する。この状態で、接続側のOLT10からDATAが送信されて来た場合には、スイッチ状態を切り替えることなくシリアルインタフェース121でIC通信の処理が行われる。
【0064】
これに対し、接続されていないホスト装置50側からDATAが送信されて来た場合には、BUSスイッチ回路317が接続状態を切り換えてシリアルインタフェース132側に接続する。すなわち、本実施形態のBUSスイッチ回路317は、DATAが送信されて来ると、DATAを受信した時点(図8の矢印Aで示す)でそれが接続側からのものか非接続側からのものかを判断し、その結果、非接続側からのDATA送信と判断した場合にスイッチを切り換える、といった能動的な処理動作を行う。
【0065】
上記のように、能動的に動作するBUSスイッチ回路317の誤動作を防止するためには、ラッチ設定のスイッチをBUSスイッチ回路317に用いるのがよい。BUSスイッチ回路317に非ラッチ設定のスイッチを用いた場合には、図8に示すようなDATAを入力することで、DATAを入力する期間の接続状態と、DATAを入力しない期間の非接続状態を頻繁に繰り返す動作となってしまい、DATAのやり取りが適切に行えなくなってしまう。
【0066】
そこで、BUSスイッチ回路317に非ラッチ設定のスイッチを用いる場合には、DATAを入力したとき、それから一定時間経過するまでスイッチの接続状態を保持させるようにするのがよい。図8において、DATAの矢印Aで示す最初のパルスを入力したときにスイッチを接続状態にして一定時間経過するまで保持するとともに、それ以降のパルスに対してもスイッチの接続状態を一定時間保持させる。これにより、スイッチを接続状態のままDATAを入力させるようにすることが可能となる。さらに、矢印Bに示す最後のパルスに対しても一定時間接続状態を保持させるが、一定時間が経過した後はスイッチは非接続状態となる。このように、スイッチの接続状態をパルス終了後一定時間保持させるには、DATAラインに所定のコンデンサを挿入するのがよい。これにより、簡単な構造で、スイッチの接続状態を一定時間保持させるようにすることができる。
【0067】
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置およびこれを用いた光伝送システムの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置等の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 光伝送システム
10 OLT
11 光トランシーバ
12 OLT側MAC部
13 OLT側信号ロジック部
14 OLT側保守機能ロジック部
15 OLT側光入出力端
16 LDドライバ
17 リミッティングアンプ
18 OLT側コントローラ
19、131 主インタフェース
20、121、132 シリアルインタフェース
31、33 光ファイバ
32 光カプラ
50 ホスト装置
51 ホスト側信号ロジック部
52 ホスト側保守機能ロジック部
100、200、300 ONU
111 ONU側光入出力端
112 LDドライバ
113 リミッティングアンプ
114、214、314 ONU側コントローラ
115、215 CPU
116 メモリ
120 ONU側MAC部
217、317 BUSスイッチ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送路を介してセンタ側光回線終端装置と接続され、ホスト装置とはMSA(マルチソースアグリーメント)インタフェースで接続されたマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置であって、
前記センタ側光回線終端装置に接続されて信号の光/電気変換及び電気/光変換を行う送受信回路と、
前記送受信回路に接続されて前記信号の終端処理を行うMAC部と、
前記送受信回路に接続されて制御データおよび状態データからなる保守情報の変動値を取得して保存するするとともに、所定の保守情報の固定値を保存するコントローラと、
前記コントローラと前記MAC部とを接続する第1シリアルインタフェースと、
前記コントローラと前記ホスト装置とを接続する第2シリアルインタフェースと、を備え、
前記コントローラは、前記保守情報の要求を入力すると、該要求が前記センタ側光回線終端装置側からか、または前記ホスト装置側からかによって前記保守情報を選択して前記センタ側光回線終端装置または前記ホスト装置に出力する
ことを特徴とするマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記保守情報の要求が前記センタ側光回線終端装置側からのときは、前記変動値を選択して前記第1シリアルインタフェースを介して前記MAC部に出力する一方、
前記保守情報の要求が前記ホスト装置側からのときは、前記固定値を選択して前記第2シリアルインタフェースを介して前記ホスト装置に出力し、
前記MAC部は、前記コントローラから前記保守情報の変動値を入力するとこれを前記信号に書き込み、前記送受信回路で電気/光変換して前記センタ側光回線終端装置に伝送する
ことを特徴とする請求項1に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項3】
前記コントローラは、CPUと、前記保守情報の固定値および変動値を保存するメモリとを備え、
前記CPUは、前記MAC部及び前記第1シリアルインタフェースを介して前記センタ側光回線終端装置から前記保守情報の要求を入力すると前記メモリから前記変動値を読み出して前記MAC部に出力する一方、
前記第2シリアルインタフェースを介して前記ホスト装置から前記保守情報の要求を入力すると前記メモリから前記固定値を読み出して前記ホスト装置に出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項4】
前記コントローラは、CPUと、前記保守情報の固定値および変動値を保存するメモリと、前記CPUを前記第1シリアルインタフェースと前記第2シリアルインタフェースのいずれか一方に接続するBUSスイッチ回路とを備え、
前記CPUは、前記BUSスイッチ回路で前記第1シリアルインタフェースに接続されると、前記メモリから前記変動値を読み出して前記MAC部に出力する一方、
前記BUSスイッチ回路で前記第2シリアルインタフェースに接続されると、前記メモリから前記固定値を読み出して前記ホスト装置に出力する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項5】
前記BUSスイッチ回路は、前記MAC部及び前記第1シリアルインタフェースを介して前記センタ側光回線終端装置から前記保守情報の要求を入力すると前記CPUを前記第1シリアルインタフェースに接続する一方、
前記第2シリアルインタフェースを介して前記ホスト装置から前記保守情報の要求を入力すると前記CPUを前記第2シリアルインタフェースに接続する
ことを特徴とする請求項4に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項6】
前記BUSスイッチ回路は、前記第1シリアルインタフェースからの信号入力を判定すると、前記CPUを前記第1シリアルインタフェースに接続する一方、前記第2シリアルインタフェースからの信号入力を判定すると、前記CPUを前記第2シリアルインタフェースに接続する
ことを特徴とする請求項4に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項7】
前記BUSスイッチ回路は、ラッチ設定のスイッチである
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項8】
前記BUSスイッチ回路は、所定の信号を入力すると、接続状態を所定時間だけ保持するコンデンサを備えた非ラッチ設定のスイッチである
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項9】
前記MAC部は、前記コントローラから入力した前記保守情報の変動値を前記信号のOAM(Operation,Administration,and Maintenance)レイヤに書き込む
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項10】
前記送受信回路は、光/電気変換及び電気/光変換を行う光入出力端と、前記電気/光変換を制御するLDドライバと、前記光/電気変換された電気信号を所定の範囲で通過させるリミッティングアンプとを備え、前記コントローラは、前記光入出力端と前記LDドライバと前記リミッティングアンプとから前記保守情報の変動値を入力する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項11】
前記第1シリアルインタフェースおよび前記第2シリアルインタフェースは、I2C(Inter-Integrated Circuit)信号線である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の1以上のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置と、
光通信に関わる保守情報を管理する保守機能ロジック部を有するセンタ側光回線終端装置と、
前記センタ側光回線終端装置と前記マルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置とを接続して光信号の信号を伝送する光伝送路と、を備え、
前記保守機能ロジック部は、前記光伝送路を介して前記1以上のマルチレイヤモジュールの加入者宅側光回線終端装置から伝送された前記保守情報の変動値を一元管理する
ことを特徴とする光伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−114375(P2011−114375A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266259(P2009−266259)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【特許番号】特許第4580031号(P4580031)
【特許公報発行日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】