ミキサ回路を備える受信回路および無線通信装置
【課題】コア内の相互コンダクタンス不平衡による2次高調波歪み成分が適切に除去できるミキサを提供する。
【解決手段】低ノイズ増幅回路からの出力信号を、誘導結合回路または容量結合回路を含むAC結合回路を介してミキサ回路のミキサ入力端に結合する。容量結合構成の場合、結合コンデンサは、ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて決定される静電容量値を有するように構成されている。
【解決手段】低ノイズ増幅回路からの出力信号を、誘導結合回路または容量結合回路を含むAC結合回路を介してミキサ回路のミキサ入力端に結合する。容量結合構成の場合、結合コンデンサは、ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて決定される静電容量値を有するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は一般に通信受信器に関し、特に通信受信器に用いるミキサ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
通信受信回路は、厳しい性能環境で動作する。例えば、広帯域CDMA(WCDMA)標準に従い構成されている周波数分割多元接続(FDMA)システムにおいて、受信器は局所送信器と同時に動作して、良好な送信周波数除去を示さなければならない。WCDMA送信器は、数値面で自己干渉問題をもたらし、50dBの受信/送信デュープレクサ減衰を仮定すれば、+25dBmにおいてWCDMA受信器に−25dBmの干渉信号を生じさせる。受信器性能基準が−108dBmを超えない静的干渉を要求する場合、補正された送信スペクトルが上限の−108dBmを下回るために、受信器の2次インターセプト・ポイント(IP2)は+49dBm以上でなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
受信器の低ノイズ増幅器とミキサ回路の間に抑圧フィルタを配置することは、局所送信器からの「漏出」干渉を含む干渉を抑制する一つのアプローチを示す。しかし、「二重距離」とも呼ばれる送受信周波数同士の近さにより、これら抑圧フィルタに対し比較的厳しいフィルタ性能特性が必要とされる。実際、要求されるフィルタ感度に起因して、表面音響波(SAW)フィルタ、または他の高性能フィルタ回路を使用せざるを得ないため、オンチップ・トランシーバ回路との集積化を容易に行なうことが阻害される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
要約
一実施形態において、受信回路は、低ノイズ増幅回路、直交ミキサ回路、および低ノイズ増幅回路の出力信号を直交ミキサ回路の直交入力端に結合するための整合容量結合回路を備えた容量結合回路を含んでいる。低ノイズ増幅回路は、単一または平衡出力信号を与える単一端増幅器を含んでいてよい。いずれの場合も、容量結合回路は、低ノイズ増幅回路の出力信号をミキサ入力端に結合する1個以上の結合コンデンサを提供する。平衡低ノイズ増幅出力構成の場合、容量結合は分割された結合路を含んでいて各経路が整合結合コンデンサを有する。
【0005】
別の実施形態において、受信回路は、低ノイズ増幅回路、4相ミキサ回路、および低ノイズ増幅回路の出力信号を4相ミキサ回路のミキサ入力端に結合する容量結合回路を含んでいる。低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路であってよく、その場合容量結合回路は、単一出力信号を4相ミキサ回路の単一端ミキサ入力端に結合する。別の実施形態において、4相ミキサ回路は二重平衡4相ミキサ回路を含んでいて、低ノイズ増幅回路は平衡出力端を含んでいる。このような構成において、容量結合回路は、低ノイズ増幅回路からの平衡出力信号を二重平衡4相ミキサ回路の各々の平衡ミキサ入力端に容量結合する整合結合コンデンサを含んでいる。二重平衡4相ミキサ回路の平衡ミキサ入力端は、単一端終端回路を含んでいてもよい。
【0006】
直交および4相ミキサの両方の実施形態において、容量結合回路はミキサの相互コンダクタンス感度を考慮して構成することができる。例えば、低ノイズ増幅回路の出力信号の結合に用いる結合コンデンサの寸法は、ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて決定することができる。一実施形態において、結合コンデンサの寸法はωC>gmとなるように決定される。ここでωは目的周波数、Cは結合コンデンサの静電容量値、およびgmはミキサ回路の相互コンダクタンス値である。低ノイズ増幅回路により平衡出力が与えられる場合、各々の平衡信号経路において適切に寸法決定された整合結合コンデンサを用いることができる。
【0007】
別の実施形態において、受信回路は低ノイズ増幅回路、直交ミキサ回路、および誘導結合回路を含んでいる。誘導結合回路は、低ノイズ増幅回路の出力信号を直交ミキサ回路の直交入力端に結合するように構成された1個以上のトランス結合インダクタを含んでいる。
【0008】
このような1個以上の実施形態において、低ノイズ増幅回路は単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでいて、誘導結合回路の1個以上のトランス結合インダクタが、平衡RF入力信号を直交ミキサ回路に与えるトランス結合インダクタを含んでいる。少なくとも1つの実施形態において、ミキサ回路は、4相局所発振器駆動信号用に構成された直交ミキサ回路を含んでいて、誘導結合回路の1個以上のトランス結合インダクタ回路が単一の出力信号を一対の平衡RF入力信号に分割する。このような実施形態において、誘導結合回路は、低ノイズ増幅回路内でインダクタの巻きに結合する一対の整合トランス結合インダクタを含んでいてもよい。
【0009】
このように、本明細書で考察するミキサ回路への結合は、誘導結合および容量結合の実施形態を含んでいて、低ノイズ増幅器の単一端実施形態からの分割および非分割RF出力信号を含んでいる。更に、本明細書に開示する増幅器/ミキサの実施形態は、性能面で多くのの利点をもたらす。このような利点として、簡素化されたRF経路、追加ゲイン段を利用する場合と比較して少ない電力消費、および適切な寸法の増幅器からミキサへの結合コンデンサを用いることによる良好な低周波ノイズ除去およびパラメータ制御性が含まれるが、これに限定されない。
【0010】
無論、本発明は上述の特徴および利点に限定されない。実際、当業者には、以下の詳細記述を読み、添付の図面を参照したならば追加的な特徴および利点が認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面の簡単な説明
【図1】受信回路の一実施形態のブロック図である。
【図2】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の一実施形態のブロック図である。
【図3】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図4】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図5】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図6】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図7】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図8】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図9】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図10】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図11】本明細書に開示する増幅器、ミキサ、および結合回路の実施形態を含む、無線通信装置の一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
詳細な説明
図1に、携帯無線電話機その他の無線通信機器で用いられる無線通信受信器を部分的に示す。受信回路10は、低ノイズ増幅回路12、ミキサ回路14、および結合回路16を含んでおり、ここでは容量結合回路として実装されている。図1は更に、低ノイズ増幅回路12の出力信号を受信されたRF周波数信号から中間周波数(IF)信号に下方変換すべく、ミキサ回路14に局所発振器(LO)信号を与える局所発振回路18を示す。中間周波数信号はフィルタ回路20−1、20−2を介してフィルタリングすることができる。図ではこれらのフィルタ回路を、図示するミキサ回路14の直交(IおよびQ)構成に対応するフィルタリング済みIFIおよびIFQ信号を出力するものとして示しているが、ミキサ回路14は直交構成に限定されず、またIF変換にも限定されない。
【0013】
動作時において、低ノイズ増幅回路12は、フィルタリング済みのアンテナ受信された無線通信信号等のRF入力信号に応答する出力信号を生成する。次いで、結合回路16は、出力信号をミキサ回路14の対応する入力端にAC結合する。本構成の利点の少なくとも一部が分かるように図2に受信回路10の直交ミキサの実施形態を示す。
【0014】
図2において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM1、負荷抵抗R1、およびソース減衰インダクタL1を含んでいる。抵抗R1は、入力トランジスタ・ドレインを第1の供給レール(例:VDD接続)に結合し、増幅器の出力信号が取り出される出力負荷として動作する一方、減衰インダクタL1は、低ノイズ増幅回路12にRFIN信号を送り込むソース(図示せず)のためにインピーダンス整合を提供する。
【0015】
図示する結合回路16の実施形態は並列結合路を含んでおり、各々の経路は2個の整合結合コンデンサC1−1、C1−2のうち1個を含んでいる。本構成により、結合回路16は、低ノイズ増幅回路12からの単一端出力信号を、第1の直交ミキサ入力端30に印加される第1の信号と第2の直交ミキサ入力端32に印加される第2の信号に分割する。ミキサ回路14が、ミキサ入力端30、32を第2の供給レール(例:入力端30、32をVSSまたは接地接続に結合する抵抗R2、R3)に結合する単一端終端回路34、36を提供する点に注意されたい。
【0016】
図示するミキサ回路14は更に、トランジスタ対M2/M3、M4/M5を含むミキサコア回路を含んでいる。抵抗R4、R5はトランジスタ対M2/M3をVDD供給レールに結合し、抵抗R6、R7も同様にトランジスタ対M4/M5をVDD供給レールに結合する。コンデンサC2〜C5の各々が、抵抗R4〜R7の各々と並列に接続している。この回路構成により、出力端40、42は、入力端30、32に印加されたRF信号とトランジスタ対M2/M3、M4/M5のゲート接続に結合する入力端44、46に各々印加された局所発振器信号LOI、LOQとから得られる直交ミキサ出力信号IFI、IFQを与える。
【0017】
非限定的な例において、C1−1、C1−2の静電容量は0.5〜10pF、抵抗R1の抵抗値は100〜1000オーム、抵抗R2、R3の抵抗値は100〜1000オーム、ミキサ回路14の相互コンダクタンスgmは50〜200mSであってよい。無論、図2に示すこれらおよび他の構成要素の絶対値および相対値は設計要件に応じて適宜異なっていてよい。
【0018】
図3に平衡直交ミキサの実施形態を示す。これは図2の直交ミキサの実施形態に類似している。しかし、この実施形態では、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM6、ソース減衰インダクタL2、および結合回路16の整合結合コンデンサC6−1、C6−2を介して、各々が抵抗R8、R9を介して終端されているミキサ回路14のRF入力端50、52の各々に結合する平衡RF出力信号を与える負荷インダクタL3を含んでいる。非限定的な例として、バラン・インダクタL3のインダクタンスは1〜20nHであってよい。また、本明細書において、トランスまたは差動増幅器を用いて低ノイズ増幅回路12から平衡出力を得ることを考慮している点にも注意されたい。例えば、いくつかの実施形態において、オンチップ集積に適したトランス回路を用いることに利点がある。
【0019】
引き続き回路要素を説明する。ミキサコア回路は、トランジスタ対M7/M8、M9/M10を含んでおり、トランジスタ対M7/M8はR10/C7、R11/C8により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されている。ミキサ回路14のこの構成において、トランジスタ対M9/M10は、R10/C7、R11/C8の接続をトランジスタ対M7/M8と共有し、出力端54は、RF入力端50、52に印加された平衡RF信号とLO入力端56に印加された局所発振器信号とから得られるIF出力信号を与える。
【0020】
別の平衡、直交の例として、図4に二重平衡直交ミキサの実施形態を示す。ここで、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM11、ソース減衰インダクタL4、および平衡RF出力信号を与える負荷インダクタL5を含んでいる。しかし、図3の平衡直交の実施形態とは異なり、結合回路16は、整合結合コンデンサC9−1〜C9−4を含んでいる。コンデンサC9−1、C9−2は、低ノイズ増幅回路12からの平衡RF出力信号のうち1個を17−1と表記された分割並列経路に分割するのに対し、コンデンサC9−3、C9−4は、低ノイズ増幅回路12からのもう一方の平衡出力信号を17−2と表記された分割並列経路に分割する。より具体的には、コンデンサC9−1は、分割された並列経路17−1の一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端62に結合するのに対し、C9−2は、分割された並列経路17−1のもう一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端66に結合する。同様に、コンデンサC9−3は、分割された並列経路17−2の一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端60に結合するのに対し、C9−4は、分割された並列経路17−2のもう一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端64に結合する。このように、ミキサ回路14のRF入力端60、62、64、および66は、これらの分割経路とAC結合信号の各々を受信し、ミキサ回路14は、抵抗R12−R15を介してそのような各々のRF入力端に対して単一端終端回路を提供する。
【0021】
ミキサコア回路14は、トランジスタ対M12/M13、M14/M15、M16/M17、およびM18/M19を含んでいる。トランジスタ対M12/M13、M14/M15は、R16/C10、R17/C11により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されており、同様に、トランジスタ対M16/M17、M18/M19は、R18/C12、R19/C13により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されている。本構成により、出力70は第1の直交IF信号を与えて、出力72は第2の直交IF信号を与え、ミキサ回路14は、そのRF入力端60、62、64、66、および局所発振器入力端74、76に印加された平衡RF信号に応答するIF信号を生成する。
【0022】
上述の直交ミキシングの実施形態から転じて、図5に、ミキサ回路14が4相ミキサを含む受信回路10の一実施形態を示す。より詳しくは、低ノイズ増幅回路12は入力トランジスタM20、ソース減衰インダクタL6、および結合回路16に含まれる結合コンデンサC14を介してミキサ回路14に単一端RF出力信号を与える負荷抵抗R20を含んでいる。
【0023】
結合コンデンサC14は、増幅器のRF出力信号をミキサ回路14のRF入力端80に結合する。RF入力端80は、抵抗R21により形成された単一端終端回路を介して接地点または基準供給レール(VSS)に結合されている。ミキサのコア回路はその4相構成において、トランジスタM21、M22、M23、およびM24を含んでおり、これらのトランジスタは、各々LO入力端82、84、86、88に印加される4相クロック信号と協調的に駆動される。トランジスタM21は、R22/C15により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されている。抵抗/コンデンサ対R23/C16、R24/C17、およびR25/C18は、残りのコアトランジスタに同様の接続を提供する。この構成により、IF出力端90、92、94、96は、RF入力端80に印加されたRF信号およびLO入力端82、84、86、88に印加された4相LO信号から得られる4相IF出力信号を与える。
【0024】
引き続き別の4相実施形態として、図6に受信回路10の二重平衡、4相構成を示す。ここで、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM25、ソース減衰インダクタL7、および結合回路16に平衡、単一端RF出力信号を与える負荷インダクタL8を含んでいる。結合回路16は、各々の平衡RF出力信号をミキサ回路14のRF入力端100、102に結合する整合結合コンデンサC19−1、C19−2を含んでいる。RF入力端100、102は各々、抵抗R26、R27により形成された単一端終端回路を介して接地点または基準供給レール(VSS)に結合している。RF入力端100、102はまた、各々平衡RF出力信号を、第1組の4相トランジスタM26、M27、M28、M29、および第2組の4相トランジスタM30、M31、M32、M33を含むミキサ・コアトランジスタのソースノードに結合する。
【0025】
二組の4相トランジスタは、R28/C20、R29/C21、R30/C22、およびR31/C23により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールへの接続を共有する。IF出力端104、106は、ミキサ回路14が、そのRF入力端100、102に印加された平衡RF信号、ならびにその二組の4相LO入力端108、110、112、114および116、118、120、122に印加された4相クロック信号に応答して生成する、ミキサのIF出力信号を与える。
【0026】
受信回路10の上述の実施形態は、例えば、平衡対二重平衡、または直交対4相など、特定の回路実装の観点から異なるが、そのような実施形態は全て、例えばRF経路が簡素化される、必要な動作電力が少なくて済む、およびノイズ性能が良好であるなど、動作面で特定の利点をもたらす。例えば、図2に関して、IF出力端40、42で出力されるIFIおよびIFQ信号間の「ゲイン不平衡」は、LO入力端44、46に印加されるLO信号レベルにおける意図しない差異、およびIF側負荷インピーダンス、例えばポスト・ミキサフィルタリングおよび増幅回路における差異を含む、多くの変数に依存する。
【0027】
しかし、トランジスタ対M2/M3およびトランジスタ対M4/M5の相互コンダクタンス感度gmの不整合は、特に影響力のある直交不平衡要素を表わす。本明細書に開示する方法によれば、結合回路16の構成は、ミキサコア内の相互コンダクタンス不平衡を少なくとも部分的に解決する。一実施形態において、整合容量結合コンデンサC1−1、C1−2は各々、kT/q(室温で≒25mV)の電圧降下に対して寸法設定がなされる。結合コンデンサC1−1とC1−2の間で生じた電圧降下は、ミキサ回路14の感度を、ミキサコア内の直交トランジスタ対M2/M3、M4/M5の相互コンダクタンスゲインgmにおける不平衡が生ずるまで低下させる。より具体的には、整合結合コンデンサC1−1とC1−2の間で生じた電圧降下は、ゲイン感度を
【数1】
倍低下させる。ここで、Cは静電容量であり、ωは低ノイズ増幅回路12が与えるRF出力信号の目的周波数を表わす。
【0028】
従って、本明細書に開示するゲイン感度補償方法は、結合回路16で用いる整合結合コンデンサの値をωC>gmとなるように設定する。この関係により、各々の結合コンデンサC1−1、C1−2の静電容量値が相互コンダクタンス感度を支配し、これはC1−1とC1−2の厳密な整合が不平衡を制御することを意味する。上述のゲイン感度補償およびコンデンサの寸法設定関係が、例えば図6に示すような4相ミキサ回路の実施形態にも適合する点に注意されたい。
【0029】
選択された設計および製造パラメータを制御することにより、良好なコンデンサ整合が保証される。例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)等の集積化された受信回路が受信回路10を実装している場合、コンデンサC1−1、C1−2を金型の同一場所に配置することによりプロセスの変動が最小化され、コンデンサ間の良好な熱整合が得られる。無論、同一の配置および配列を用いてコンデンサC1−1、C1−2を同一金属化層および同一絶縁層上に実装することにより、良好なコンデンサ間整合が更に得られる。これらの整合および寸法設定への考慮は、例えば、結合回路16の各種分割経路の実施形態に示す整合コンデンサに適合する。
【0030】
上述のコンデンサの寸法設定および整合への考慮は、本明細書に示す結合回路16の各種分割経路の実施形態、例えばコンデンサC1−1/C1−2、C6−1/C6−2、およびC9−1/C9−2/C9−3/C9−4に適合する。他の設計および実装構成により更なる回路の改良が得られる。例えば、図5、6に示す受信回路の実施形態における4相ミキシングを利用することにより、受信回路10の動作が向上する。
【0031】
4相ミキシングによる改良を理解するには、スイッチング・ミキサ、すなわちLO信号がコアトランジスタのオン・オフを切り換えるミキサ回路の理想化された挙動を理解することから始める。理想的なスイッチング・ミキサは、(RF)入力信号に時間領域矩形波を乗算することによりミキサ出力信号を生成する線形時変装置である。
【0032】
図5の構成に示すように、出力端90、92、94、96から取り出されたIF出力信号は、RF入力端80に印加されたRF入力信号と、LO入力端82、84、86、88に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす。印加されたLO信号は、ミキサ・コアトランジスタM21、M22、M23、M24のゲートを駆動して、出力(IF)信号の生成を行なう。
【0033】
ミキサのゲインは、LO波形のフーリエ係数を乗算することにより評価でき、各々の乗算から和および差の項が得られる。2相ミキサにおいて、2個のLO信号波形は50%のデューティサイクルを有する矩形波であり、これはLO信号のフーリエ係数Fが次式で表わされることを意味する。
【数2】
ここで、AはLO矩形波の振幅、TはLO波形周期、t0はLO波形のデューティサイクル、nは調和次数である。n=1の場合、式(2)から、従来より用いられている2相50%デューティサイクルのLO波形に対してF1=A・2/πが得られる。逆に、図5、6の4相ミキサ実施形態において用いられている25%デューティサイクルLO波形に対して式(2)からF1=A・√2/πが得られる。
【0034】
25%デューティサイクルの場合、それ以外の場合で比較可能な2相ミキサコアと比較して、4相ミキサコアの総電流消費を増やすことなくLO信号波形振幅Aを2倍にできることがわかる。振幅を2倍にすることにより、√2(3dB)の信号ゲインが得られる。あるいは、Aを√2倍増やして2相の実施形態と同じゲインを維持することができるが、ノイズレベルが3dB低下する。(ノイズレベルは、ミキサコアの総電流に比例する)。それ以外の場合で比較可能な2相ミキサ回路と同じノイズレベルおよび電流消費に対する4相ミキサのゲインの方が3dB高いため、ミキサコアに高ゲインのフロントエンド増幅器、または追加的なゲイン段を用いる必要なしにノイズ性能が向上する。更に、図5、6の低ノイズ増幅回路12とミキサ回路14との間にAC結合が存在することにより、これが無ければ低ノイズ増幅回路12からミキサ回路14内に流入する恐れのある2次高調波歪み成分が適切に除去される。
【0035】
本明細書に開示する他の実施形態もまた、局所発振器およびバイアス・ノイズに対し、適切な電圧ヘッドルームと共に、適切な低感度を与える。図7に、低ノイズ増幅回路12の実施形態を含む受信回路を示す。低ノイズ増幅回路12からの単一端(RF)出力信号が結合回路16を介してミキサ回路14の実施形態に結合されている状態を示す。ここで、結合回路16は、1個以上のトランス結合インダクタを含む誘導結合回路として構成されている。すなわち、この実施形態における結合回路16の1個以上のトランス結合インダクタは、ミキサ回路14に平衡RF入力信号を与えるトランス結合インダクタを含んでいる。
【0036】
より具体的には、図7に二重平衡AC結合ミキサの実施形態をトランス・バランで示す。低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM34、ソース減衰インダクタL9、および結合回路16のインダクタL11にトランス結合されている負荷インダクタL10を含んでいる。ここで、結合回路16は、インダクタL10、L11が低ノイズ増幅回路12の出力をミキサ回路14に結合するトランスを形成する、誘導結合回路を含んでいる。本構成において、インダクタL11の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R32はインダクタL11のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0037】
ミキサ回路14の入力端124に印加されたLO信号は、ミキサ・コアトランジスタM35、M36、M37、M38のゲートを駆動する。このように、IF出力端126は、並列RC回路R33/C24、R34/C25を介して正値の供給レールVDDに結合されており、RF入力端128、130に印加されたRF入力信号と、LO入力端124に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0038】
図8に、トランス・バランを備えた二重平衡のAC結合された「スタック」直交ミキサとして別の実施形態を示す。この実施形態は、4相LO構成から得られる利点と組み合わせて、局所発振器およびバイアス・ノイズに適切な低感度をもたらす。より具体的には、図示する実施形態は、f0における直交LO信号および2f0における単一LO信号を用いて4相LOを生成すべく構成されており、そのいずれも50%デューティサイクルで生成される。とりわけ、図示するミキサ構成は、低ノイズ増幅器12から信号分割を除去することにより、より適切なゲイン(またはより低いノイズ)をもたらす。
【0039】
図示する実施形態において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM39、ソース減衰インダクタL12、および本例では誘導結合回路を含む結合回路16のインダクタL14に結合しているトランスである負荷インダクタL13を含んでいる。すなわち、インダクタL13、L14は、低ノイズ増幅回路12の出力をミキサ回路14へのRF入力信号として結合するトランスを形成する。この構成において、インダクタL14の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R35はインダクタL14のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0040】
スタックコア構成の第1のミキサコア14−1の入力端132に印加された2f0LO2信号がミキサ・コアトランジスタM40、M41、M42、M43のゲートを駆動する。
【0041】
同様に、第2のミキサコア14−2の直交LO入力端134、136(各々LOI、LOQ)に印加されたf0LO信号は、ミキサ・コアトランジスタM44、M45、M46、M47、M48、M49、M50、M51のゲートを駆動する。直交IF出力端138、140(各々IFI、IFQ)は、IFI出力の場合は並列RC回路R36/C26、R37/C27、IFQ出力の場合はR38/C28、R39/C29を介して、正値供給レール(VDD)に結合されていて、RF入力端142、144に印加されたRF入力信号と、LO入力端132、134、136に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0042】
図9に、トランス・バランを備えた二重平衡AC結合直交ミキサとして構成された別のミキサ回路の実施形態を示す。この実施形態は、スタックミキサコア構成が無い点以外は図8に示すものと同様であって、同様の動作上の利点をもたらす。
【0043】
図9において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM52、ソース減衰インダクタL15、および結合回路16のインダクタL17にトランス結合されている負荷インダクタL16を含んでいる。すなわち、結合回路16は、L16にトランス結合されていて、直交ミキサコア14−3、14−4を含むミキサ回路14に低ノイズ増幅回路12の出力をRF入力信号として結合するインダクタL17を含む誘導結合回路を含んでいる。この構成において、インダクタL17の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R40はインダクタL17のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0044】
同相(I)LO入力端146、148、150、152に印加された同相LO信号(LO1〜LO4)、および直交(Q)LO入力端154、156、158、160に印加された直交LO信号(LO1〜LO4)が、ミキサコア・トランジスタM53、M54、M55、M56、M57、M58、M59、M60のゲートを駆動し、直交コア14−3と14−4の間で分割される。直交IF出力端162、164(各々IFI、IFQ)は、IFI出力の場合は並列RC回路R41/C30、R42/C31、IFQ出力の場合はR43/C32、R44/C33を介して正値の供給レール(VDD)に結合されていて、RF入力端166、168に印加されたRF入力信号と、LO入力端に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0045】
図10に、トランス・バランおよび信号分割器を備えた二重平衡AC結合直交ミキサとして構成された別のミキサ回路の実施形態を示す。この構成は、局所発振器およびバイアス・ノイズの適切な低感度、および適切な電圧ヘッドルームを含めて、図8、9に示す実施形態と同様の動作上の利点をもたらす。
【0046】
図10において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM61、ソース減衰インダクタL18、および結合回路16のインダクタL20、L21にトランス結合する負荷インダクタL19を含んでいる。すなわち、インダクタL19、L20、L21は、低ノイズ増幅回路12の出力を分割RF入力信号としてミキサ回路14に結合するトランスを形成する。この構成において、インダクタL20の巻きの各終端が、ミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R45はインダクタL20のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。同様に、インダクタL21の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R46はインダクタL21のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0047】
同相(I)LO入力端170および直交(Q)LO入力端172に印加されたLO信号は、ミキサ・コアトランジスタM62、M63、M64、M65、M66、M67、M68、M69のゲートを駆動する。直交IF出力端174、176(各々IFI、IFQ)は、IFI出力の場合は並列RC回路R45/C34、R46/C35、IFQ出力の場合はR47/C36、R48/C37を介して正値の供給レール(VDD)に結合されている。これらのIF出力は、RF入力端178、180、182、184に印加されたRF入力信号と、LO入力端170、172に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0048】
当業者には、本明細書に開示されている受信回路の広範な適用可能性が理解されよう。非限定的な実施形態として、図1に紹介したような受信回路10を組み込んだ無線通信装置200を図11に示す。ここでは、受信回路10は本明細書に開示する低ノイズ増幅器、ミキサ、および結合回路12、14、16の実施形態を含んでいる。少なくとも1つの実施形態において、無線通信装置200は、携帯無線電話その他の移動無線通信機器を含んでおり、これらはスタンドアロン機器として構成されていても、あるいは例えばラップトップ・コンピュータで用いる通信カードのように他の機器またはシステムに組み込まれていてもよい。
【0049】
いずれの場合も、図示する無線通信装置200の実施形態は、アンテナ202、スイッチ/デュープレクサ204、受信器206(受信回路10を含む)、送信器208、ベースバンド・プロセッサ210、システムコントローラ212、および(無線通信装置200の意図された用途における必要に応じて)ユーザー・インタフェース214を含んでいる。動作時に、受信器206は、本明細書に示す実施形態の任意の一つまたはその変形例に従い構成された受信回路10に対しRF入力信号を与える。
【0050】
無論、本発明は上述の考察により限定されず、また添付の図面によっても限定されない。実際、本発明は添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は一般に通信受信器に関し、特に通信受信器に用いるミキサ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
通信受信回路は、厳しい性能環境で動作する。例えば、広帯域CDMA(WCDMA)標準に従い構成されている周波数分割多元接続(FDMA)システムにおいて、受信器は局所送信器と同時に動作して、良好な送信周波数除去を示さなければならない。WCDMA送信器は、数値面で自己干渉問題をもたらし、50dBの受信/送信デュープレクサ減衰を仮定すれば、+25dBmにおいてWCDMA受信器に−25dBmの干渉信号を生じさせる。受信器性能基準が−108dBmを超えない静的干渉を要求する場合、補正された送信スペクトルが上限の−108dBmを下回るために、受信器の2次インターセプト・ポイント(IP2)は+49dBm以上でなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
受信器の低ノイズ増幅器とミキサ回路の間に抑圧フィルタを配置することは、局所送信器からの「漏出」干渉を含む干渉を抑制する一つのアプローチを示す。しかし、「二重距離」とも呼ばれる送受信周波数同士の近さにより、これら抑圧フィルタに対し比較的厳しいフィルタ性能特性が必要とされる。実際、要求されるフィルタ感度に起因して、表面音響波(SAW)フィルタ、または他の高性能フィルタ回路を使用せざるを得ないため、オンチップ・トランシーバ回路との集積化を容易に行なうことが阻害される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
要約
一実施形態において、受信回路は、低ノイズ増幅回路、直交ミキサ回路、および低ノイズ増幅回路の出力信号を直交ミキサ回路の直交入力端に結合するための整合容量結合回路を備えた容量結合回路を含んでいる。低ノイズ増幅回路は、単一または平衡出力信号を与える単一端増幅器を含んでいてよい。いずれの場合も、容量結合回路は、低ノイズ増幅回路の出力信号をミキサ入力端に結合する1個以上の結合コンデンサを提供する。平衡低ノイズ増幅出力構成の場合、容量結合は分割された結合路を含んでいて各経路が整合結合コンデンサを有する。
【0005】
別の実施形態において、受信回路は、低ノイズ増幅回路、4相ミキサ回路、および低ノイズ増幅回路の出力信号を4相ミキサ回路のミキサ入力端に結合する容量結合回路を含んでいる。低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路であってよく、その場合容量結合回路は、単一出力信号を4相ミキサ回路の単一端ミキサ入力端に結合する。別の実施形態において、4相ミキサ回路は二重平衡4相ミキサ回路を含んでいて、低ノイズ増幅回路は平衡出力端を含んでいる。このような構成において、容量結合回路は、低ノイズ増幅回路からの平衡出力信号を二重平衡4相ミキサ回路の各々の平衡ミキサ入力端に容量結合する整合結合コンデンサを含んでいる。二重平衡4相ミキサ回路の平衡ミキサ入力端は、単一端終端回路を含んでいてもよい。
【0006】
直交および4相ミキサの両方の実施形態において、容量結合回路はミキサの相互コンダクタンス感度を考慮して構成することができる。例えば、低ノイズ増幅回路の出力信号の結合に用いる結合コンデンサの寸法は、ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて決定することができる。一実施形態において、結合コンデンサの寸法はωC>gmとなるように決定される。ここでωは目的周波数、Cは結合コンデンサの静電容量値、およびgmはミキサ回路の相互コンダクタンス値である。低ノイズ増幅回路により平衡出力が与えられる場合、各々の平衡信号経路において適切に寸法決定された整合結合コンデンサを用いることができる。
【0007】
別の実施形態において、受信回路は低ノイズ増幅回路、直交ミキサ回路、および誘導結合回路を含んでいる。誘導結合回路は、低ノイズ増幅回路の出力信号を直交ミキサ回路の直交入力端に結合するように構成された1個以上のトランス結合インダクタを含んでいる。
【0008】
このような1個以上の実施形態において、低ノイズ増幅回路は単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでいて、誘導結合回路の1個以上のトランス結合インダクタが、平衡RF入力信号を直交ミキサ回路に与えるトランス結合インダクタを含んでいる。少なくとも1つの実施形態において、ミキサ回路は、4相局所発振器駆動信号用に構成された直交ミキサ回路を含んでいて、誘導結合回路の1個以上のトランス結合インダクタ回路が単一の出力信号を一対の平衡RF入力信号に分割する。このような実施形態において、誘導結合回路は、低ノイズ増幅回路内でインダクタの巻きに結合する一対の整合トランス結合インダクタを含んでいてもよい。
【0009】
このように、本明細書で考察するミキサ回路への結合は、誘導結合および容量結合の実施形態を含んでいて、低ノイズ増幅器の単一端実施形態からの分割および非分割RF出力信号を含んでいる。更に、本明細書に開示する増幅器/ミキサの実施形態は、性能面で多くのの利点をもたらす。このような利点として、簡素化されたRF経路、追加ゲイン段を利用する場合と比較して少ない電力消費、および適切な寸法の増幅器からミキサへの結合コンデンサを用いることによる良好な低周波ノイズ除去およびパラメータ制御性が含まれるが、これに限定されない。
【0010】
無論、本発明は上述の特徴および利点に限定されない。実際、当業者には、以下の詳細記述を読み、添付の図面を参照したならば追加的な特徴および利点が認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面の簡単な説明
【図1】受信回路の一実施形態のブロック図である。
【図2】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の一実施形態のブロック図である。
【図3】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図4】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図5】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図6】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図7】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図8】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図9】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図10】無線通信受信器で用いる増幅器、ミキサ、および結合回路の別の実施形態のブロック図である。
【図11】本明細書に開示する増幅器、ミキサ、および結合回路の実施形態を含む、無線通信装置の一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
詳細な説明
図1に、携帯無線電話機その他の無線通信機器で用いられる無線通信受信器を部分的に示す。受信回路10は、低ノイズ増幅回路12、ミキサ回路14、および結合回路16を含んでおり、ここでは容量結合回路として実装されている。図1は更に、低ノイズ増幅回路12の出力信号を受信されたRF周波数信号から中間周波数(IF)信号に下方変換すべく、ミキサ回路14に局所発振器(LO)信号を与える局所発振回路18を示す。中間周波数信号はフィルタ回路20−1、20−2を介してフィルタリングすることができる。図ではこれらのフィルタ回路を、図示するミキサ回路14の直交(IおよびQ)構成に対応するフィルタリング済みIFIおよびIFQ信号を出力するものとして示しているが、ミキサ回路14は直交構成に限定されず、またIF変換にも限定されない。
【0013】
動作時において、低ノイズ増幅回路12は、フィルタリング済みのアンテナ受信された無線通信信号等のRF入力信号に応答する出力信号を生成する。次いで、結合回路16は、出力信号をミキサ回路14の対応する入力端にAC結合する。本構成の利点の少なくとも一部が分かるように図2に受信回路10の直交ミキサの実施形態を示す。
【0014】
図2において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM1、負荷抵抗R1、およびソース減衰インダクタL1を含んでいる。抵抗R1は、入力トランジスタ・ドレインを第1の供給レール(例:VDD接続)に結合し、増幅器の出力信号が取り出される出力負荷として動作する一方、減衰インダクタL1は、低ノイズ増幅回路12にRFIN信号を送り込むソース(図示せず)のためにインピーダンス整合を提供する。
【0015】
図示する結合回路16の実施形態は並列結合路を含んでおり、各々の経路は2個の整合結合コンデンサC1−1、C1−2のうち1個を含んでいる。本構成により、結合回路16は、低ノイズ増幅回路12からの単一端出力信号を、第1の直交ミキサ入力端30に印加される第1の信号と第2の直交ミキサ入力端32に印加される第2の信号に分割する。ミキサ回路14が、ミキサ入力端30、32を第2の供給レール(例:入力端30、32をVSSまたは接地接続に結合する抵抗R2、R3)に結合する単一端終端回路34、36を提供する点に注意されたい。
【0016】
図示するミキサ回路14は更に、トランジスタ対M2/M3、M4/M5を含むミキサコア回路を含んでいる。抵抗R4、R5はトランジスタ対M2/M3をVDD供給レールに結合し、抵抗R6、R7も同様にトランジスタ対M4/M5をVDD供給レールに結合する。コンデンサC2〜C5の各々が、抵抗R4〜R7の各々と並列に接続している。この回路構成により、出力端40、42は、入力端30、32に印加されたRF信号とトランジスタ対M2/M3、M4/M5のゲート接続に結合する入力端44、46に各々印加された局所発振器信号LOI、LOQとから得られる直交ミキサ出力信号IFI、IFQを与える。
【0017】
非限定的な例において、C1−1、C1−2の静電容量は0.5〜10pF、抵抗R1の抵抗値は100〜1000オーム、抵抗R2、R3の抵抗値は100〜1000オーム、ミキサ回路14の相互コンダクタンスgmは50〜200mSであってよい。無論、図2に示すこれらおよび他の構成要素の絶対値および相対値は設計要件に応じて適宜異なっていてよい。
【0018】
図3に平衡直交ミキサの実施形態を示す。これは図2の直交ミキサの実施形態に類似している。しかし、この実施形態では、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM6、ソース減衰インダクタL2、および結合回路16の整合結合コンデンサC6−1、C6−2を介して、各々が抵抗R8、R9を介して終端されているミキサ回路14のRF入力端50、52の各々に結合する平衡RF出力信号を与える負荷インダクタL3を含んでいる。非限定的な例として、バラン・インダクタL3のインダクタンスは1〜20nHであってよい。また、本明細書において、トランスまたは差動増幅器を用いて低ノイズ増幅回路12から平衡出力を得ることを考慮している点にも注意されたい。例えば、いくつかの実施形態において、オンチップ集積に適したトランス回路を用いることに利点がある。
【0019】
引き続き回路要素を説明する。ミキサコア回路は、トランジスタ対M7/M8、M9/M10を含んでおり、トランジスタ対M7/M8はR10/C7、R11/C8により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されている。ミキサ回路14のこの構成において、トランジスタ対M9/M10は、R10/C7、R11/C8の接続をトランジスタ対M7/M8と共有し、出力端54は、RF入力端50、52に印加された平衡RF信号とLO入力端56に印加された局所発振器信号とから得られるIF出力信号を与える。
【0020】
別の平衡、直交の例として、図4に二重平衡直交ミキサの実施形態を示す。ここで、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM11、ソース減衰インダクタL4、および平衡RF出力信号を与える負荷インダクタL5を含んでいる。しかし、図3の平衡直交の実施形態とは異なり、結合回路16は、整合結合コンデンサC9−1〜C9−4を含んでいる。コンデンサC9−1、C9−2は、低ノイズ増幅回路12からの平衡RF出力信号のうち1個を17−1と表記された分割並列経路に分割するのに対し、コンデンサC9−3、C9−4は、低ノイズ増幅回路12からのもう一方の平衡出力信号を17−2と表記された分割並列経路に分割する。より具体的には、コンデンサC9−1は、分割された並列経路17−1の一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端62に結合するのに対し、C9−2は、分割された並列経路17−1のもう一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端66に結合する。同様に、コンデンサC9−3は、分割された並列経路17−2の一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端60に結合するのに対し、C9−4は、分割された並列経路17−2のもう一方の分岐をミキサ回路14のRF入力端64に結合する。このように、ミキサ回路14のRF入力端60、62、64、および66は、これらの分割経路とAC結合信号の各々を受信し、ミキサ回路14は、抵抗R12−R15を介してそのような各々のRF入力端に対して単一端終端回路を提供する。
【0021】
ミキサコア回路14は、トランジスタ対M12/M13、M14/M15、M16/M17、およびM18/M19を含んでいる。トランジスタ対M12/M13、M14/M15は、R16/C10、R17/C11により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されており、同様に、トランジスタ対M16/M17、M18/M19は、R18/C12、R19/C13により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されている。本構成により、出力70は第1の直交IF信号を与えて、出力72は第2の直交IF信号を与え、ミキサ回路14は、そのRF入力端60、62、64、66、および局所発振器入力端74、76に印加された平衡RF信号に応答するIF信号を生成する。
【0022】
上述の直交ミキシングの実施形態から転じて、図5に、ミキサ回路14が4相ミキサを含む受信回路10の一実施形態を示す。より詳しくは、低ノイズ増幅回路12は入力トランジスタM20、ソース減衰インダクタL6、および結合回路16に含まれる結合コンデンサC14を介してミキサ回路14に単一端RF出力信号を与える負荷抵抗R20を含んでいる。
【0023】
結合コンデンサC14は、増幅器のRF出力信号をミキサ回路14のRF入力端80に結合する。RF入力端80は、抵抗R21により形成された単一端終端回路を介して接地点または基準供給レール(VSS)に結合されている。ミキサのコア回路はその4相構成において、トランジスタM21、M22、M23、およびM24を含んでおり、これらのトランジスタは、各々LO入力端82、84、86、88に印加される4相クロック信号と協調的に駆動される。トランジスタM21は、R22/C15により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールに結合されている。抵抗/コンデンサ対R23/C16、R24/C17、およびR25/C18は、残りのコアトランジスタに同様の接続を提供する。この構成により、IF出力端90、92、94、96は、RF入力端80に印加されたRF信号およびLO入力端82、84、86、88に印加された4相LO信号から得られる4相IF出力信号を与える。
【0024】
引き続き別の4相実施形態として、図6に受信回路10の二重平衡、4相構成を示す。ここで、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM25、ソース減衰インダクタL7、および結合回路16に平衡、単一端RF出力信号を与える負荷インダクタL8を含んでいる。結合回路16は、各々の平衡RF出力信号をミキサ回路14のRF入力端100、102に結合する整合結合コンデンサC19−1、C19−2を含んでいる。RF入力端100、102は各々、抵抗R26、R27により形成された単一端終端回路を介して接地点または基準供給レール(VSS)に結合している。RF入力端100、102はまた、各々平衡RF出力信号を、第1組の4相トランジスタM26、M27、M28、M29、および第2組の4相トランジスタM30、M31、M32、M33を含むミキサ・コアトランジスタのソースノードに結合する。
【0025】
二組の4相トランジスタは、R28/C20、R29/C21、R30/C22、およびR31/C23により形成された並列抵抗/コンデンサ接続を介してVDD供給レールへの接続を共有する。IF出力端104、106は、ミキサ回路14が、そのRF入力端100、102に印加された平衡RF信号、ならびにその二組の4相LO入力端108、110、112、114および116、118、120、122に印加された4相クロック信号に応答して生成する、ミキサのIF出力信号を与える。
【0026】
受信回路10の上述の実施形態は、例えば、平衡対二重平衡、または直交対4相など、特定の回路実装の観点から異なるが、そのような実施形態は全て、例えばRF経路が簡素化される、必要な動作電力が少なくて済む、およびノイズ性能が良好であるなど、動作面で特定の利点をもたらす。例えば、図2に関して、IF出力端40、42で出力されるIFIおよびIFQ信号間の「ゲイン不平衡」は、LO入力端44、46に印加されるLO信号レベルにおける意図しない差異、およびIF側負荷インピーダンス、例えばポスト・ミキサフィルタリングおよび増幅回路における差異を含む、多くの変数に依存する。
【0027】
しかし、トランジスタ対M2/M3およびトランジスタ対M4/M5の相互コンダクタンス感度gmの不整合は、特に影響力のある直交不平衡要素を表わす。本明細書に開示する方法によれば、結合回路16の構成は、ミキサコア内の相互コンダクタンス不平衡を少なくとも部分的に解決する。一実施形態において、整合容量結合コンデンサC1−1、C1−2は各々、kT/q(室温で≒25mV)の電圧降下に対して寸法設定がなされる。結合コンデンサC1−1とC1−2の間で生じた電圧降下は、ミキサ回路14の感度を、ミキサコア内の直交トランジスタ対M2/M3、M4/M5の相互コンダクタンスゲインgmにおける不平衡が生ずるまで低下させる。より具体的には、整合結合コンデンサC1−1とC1−2の間で生じた電圧降下は、ゲイン感度を
【数1】
倍低下させる。ここで、Cは静電容量であり、ωは低ノイズ増幅回路12が与えるRF出力信号の目的周波数を表わす。
【0028】
従って、本明細書に開示するゲイン感度補償方法は、結合回路16で用いる整合結合コンデンサの値をωC>gmとなるように設定する。この関係により、各々の結合コンデンサC1−1、C1−2の静電容量値が相互コンダクタンス感度を支配し、これはC1−1とC1−2の厳密な整合が不平衡を制御することを意味する。上述のゲイン感度補償およびコンデンサの寸法設定関係が、例えば図6に示すような4相ミキサ回路の実施形態にも適合する点に注意されたい。
【0029】
選択された設計および製造パラメータを制御することにより、良好なコンデンサ整合が保証される。例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)等の集積化された受信回路が受信回路10を実装している場合、コンデンサC1−1、C1−2を金型の同一場所に配置することによりプロセスの変動が最小化され、コンデンサ間の良好な熱整合が得られる。無論、同一の配置および配列を用いてコンデンサC1−1、C1−2を同一金属化層および同一絶縁層上に実装することにより、良好なコンデンサ間整合が更に得られる。これらの整合および寸法設定への考慮は、例えば、結合回路16の各種分割経路の実施形態に示す整合コンデンサに適合する。
【0030】
上述のコンデンサの寸法設定および整合への考慮は、本明細書に示す結合回路16の各種分割経路の実施形態、例えばコンデンサC1−1/C1−2、C6−1/C6−2、およびC9−1/C9−2/C9−3/C9−4に適合する。他の設計および実装構成により更なる回路の改良が得られる。例えば、図5、6に示す受信回路の実施形態における4相ミキシングを利用することにより、受信回路10の動作が向上する。
【0031】
4相ミキシングによる改良を理解するには、スイッチング・ミキサ、すなわちLO信号がコアトランジスタのオン・オフを切り換えるミキサ回路の理想化された挙動を理解することから始める。理想的なスイッチング・ミキサは、(RF)入力信号に時間領域矩形波を乗算することによりミキサ出力信号を生成する線形時変装置である。
【0032】
図5の構成に示すように、出力端90、92、94、96から取り出されたIF出力信号は、RF入力端80に印加されたRF入力信号と、LO入力端82、84、86、88に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす。印加されたLO信号は、ミキサ・コアトランジスタM21、M22、M23、M24のゲートを駆動して、出力(IF)信号の生成を行なう。
【0033】
ミキサのゲインは、LO波形のフーリエ係数を乗算することにより評価でき、各々の乗算から和および差の項が得られる。2相ミキサにおいて、2個のLO信号波形は50%のデューティサイクルを有する矩形波であり、これはLO信号のフーリエ係数Fが次式で表わされることを意味する。
【数2】
ここで、AはLO矩形波の振幅、TはLO波形周期、t0はLO波形のデューティサイクル、nは調和次数である。n=1の場合、式(2)から、従来より用いられている2相50%デューティサイクルのLO波形に対してF1=A・2/πが得られる。逆に、図5、6の4相ミキサ実施形態において用いられている25%デューティサイクルLO波形に対して式(2)からF1=A・√2/πが得られる。
【0034】
25%デューティサイクルの場合、それ以外の場合で比較可能な2相ミキサコアと比較して、4相ミキサコアの総電流消費を増やすことなくLO信号波形振幅Aを2倍にできることがわかる。振幅を2倍にすることにより、√2(3dB)の信号ゲインが得られる。あるいは、Aを√2倍増やして2相の実施形態と同じゲインを維持することができるが、ノイズレベルが3dB低下する。(ノイズレベルは、ミキサコアの総電流に比例する)。それ以外の場合で比較可能な2相ミキサ回路と同じノイズレベルおよび電流消費に対する4相ミキサのゲインの方が3dB高いため、ミキサコアに高ゲインのフロントエンド増幅器、または追加的なゲイン段を用いる必要なしにノイズ性能が向上する。更に、図5、6の低ノイズ増幅回路12とミキサ回路14との間にAC結合が存在することにより、これが無ければ低ノイズ増幅回路12からミキサ回路14内に流入する恐れのある2次高調波歪み成分が適切に除去される。
【0035】
本明細書に開示する他の実施形態もまた、局所発振器およびバイアス・ノイズに対し、適切な電圧ヘッドルームと共に、適切な低感度を与える。図7に、低ノイズ増幅回路12の実施形態を含む受信回路を示す。低ノイズ増幅回路12からの単一端(RF)出力信号が結合回路16を介してミキサ回路14の実施形態に結合されている状態を示す。ここで、結合回路16は、1個以上のトランス結合インダクタを含む誘導結合回路として構成されている。すなわち、この実施形態における結合回路16の1個以上のトランス結合インダクタは、ミキサ回路14に平衡RF入力信号を与えるトランス結合インダクタを含んでいる。
【0036】
より具体的には、図7に二重平衡AC結合ミキサの実施形態をトランス・バランで示す。低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM34、ソース減衰インダクタL9、および結合回路16のインダクタL11にトランス結合されている負荷インダクタL10を含んでいる。ここで、結合回路16は、インダクタL10、L11が低ノイズ増幅回路12の出力をミキサ回路14に結合するトランスを形成する、誘導結合回路を含んでいる。本構成において、インダクタL11の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R32はインダクタL11のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0037】
ミキサ回路14の入力端124に印加されたLO信号は、ミキサ・コアトランジスタM35、M36、M37、M38のゲートを駆動する。このように、IF出力端126は、並列RC回路R33/C24、R34/C25を介して正値の供給レールVDDに結合されており、RF入力端128、130に印加されたRF入力信号と、LO入力端124に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0038】
図8に、トランス・バランを備えた二重平衡のAC結合された「スタック」直交ミキサとして別の実施形態を示す。この実施形態は、4相LO構成から得られる利点と組み合わせて、局所発振器およびバイアス・ノイズに適切な低感度をもたらす。より具体的には、図示する実施形態は、f0における直交LO信号および2f0における単一LO信号を用いて4相LOを生成すべく構成されており、そのいずれも50%デューティサイクルで生成される。とりわけ、図示するミキサ構成は、低ノイズ増幅器12から信号分割を除去することにより、より適切なゲイン(またはより低いノイズ)をもたらす。
【0039】
図示する実施形態において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM39、ソース減衰インダクタL12、および本例では誘導結合回路を含む結合回路16のインダクタL14に結合しているトランスである負荷インダクタL13を含んでいる。すなわち、インダクタL13、L14は、低ノイズ増幅回路12の出力をミキサ回路14へのRF入力信号として結合するトランスを形成する。この構成において、インダクタL14の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R35はインダクタL14のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0040】
スタックコア構成の第1のミキサコア14−1の入力端132に印加された2f0LO2信号がミキサ・コアトランジスタM40、M41、M42、M43のゲートを駆動する。
【0041】
同様に、第2のミキサコア14−2の直交LO入力端134、136(各々LOI、LOQ)に印加されたf0LO信号は、ミキサ・コアトランジスタM44、M45、M46、M47、M48、M49、M50、M51のゲートを駆動する。直交IF出力端138、140(各々IFI、IFQ)は、IFI出力の場合は並列RC回路R36/C26、R37/C27、IFQ出力の場合はR38/C28、R39/C29を介して、正値供給レール(VDD)に結合されていて、RF入力端142、144に印加されたRF入力信号と、LO入力端132、134、136に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0042】
図9に、トランス・バランを備えた二重平衡AC結合直交ミキサとして構成された別のミキサ回路の実施形態を示す。この実施形態は、スタックミキサコア構成が無い点以外は図8に示すものと同様であって、同様の動作上の利点をもたらす。
【0043】
図9において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM52、ソース減衰インダクタL15、および結合回路16のインダクタL17にトランス結合されている負荷インダクタL16を含んでいる。すなわち、結合回路16は、L16にトランス結合されていて、直交ミキサコア14−3、14−4を含むミキサ回路14に低ノイズ増幅回路12の出力をRF入力信号として結合するインダクタL17を含む誘導結合回路を含んでいる。この構成において、インダクタL17の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R40はインダクタL17のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0044】
同相(I)LO入力端146、148、150、152に印加された同相LO信号(LO1〜LO4)、および直交(Q)LO入力端154、156、158、160に印加された直交LO信号(LO1〜LO4)が、ミキサコア・トランジスタM53、M54、M55、M56、M57、M58、M59、M60のゲートを駆動し、直交コア14−3と14−4の間で分割される。直交IF出力端162、164(各々IFI、IFQ)は、IFI出力の場合は並列RC回路R41/C30、R42/C31、IFQ出力の場合はR43/C32、R44/C33を介して正値の供給レール(VDD)に結合されていて、RF入力端166、168に印加されたRF入力信号と、LO入力端に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0045】
図10に、トランス・バランおよび信号分割器を備えた二重平衡AC結合直交ミキサとして構成された別のミキサ回路の実施形態を示す。この構成は、局所発振器およびバイアス・ノイズの適切な低感度、および適切な電圧ヘッドルームを含めて、図8、9に示す実施形態と同様の動作上の利点をもたらす。
【0046】
図10において、低ノイズ増幅回路12は、入力トランジスタM61、ソース減衰インダクタL18、および結合回路16のインダクタL20、L21にトランス結合する負荷インダクタL19を含んでいる。すなわち、インダクタL19、L20、L21は、低ノイズ増幅回路12の出力を分割RF入力信号としてミキサ回路14に結合するトランスを形成する。この構成において、インダクタL20の巻きの各終端が、ミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R45はインダクタL20のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。同様に、インダクタL21の巻きの各終端がミキサ回路14への入力として平衡信号を与えるのに対し、抵抗R46はインダクタL21のセンタータップを基準接地点(VSS)に結合する。
【0047】
同相(I)LO入力端170および直交(Q)LO入力端172に印加されたLO信号は、ミキサ・コアトランジスタM62、M63、M64、M65、M66、M67、M68、M69のゲートを駆動する。直交IF出力端174、176(各々IFI、IFQ)は、IFI出力の場合は並列RC回路R45/C34、R46/C35、IFQ出力の場合はR47/C36、R48/C37を介して正値の供給レール(VDD)に結合されている。これらのIF出力は、RF入力端178、180、182、184に印加されたRF入力信号と、LO入力端170、172に印加された時間領域矩形波との乗算を表わす中間周波数信号を与える。
【0048】
当業者には、本明細書に開示されている受信回路の広範な適用可能性が理解されよう。非限定的な実施形態として、図1に紹介したような受信回路10を組み込んだ無線通信装置200を図11に示す。ここでは、受信回路10は本明細書に開示する低ノイズ増幅器、ミキサ、および結合回路12、14、16の実施形態を含んでいる。少なくとも1つの実施形態において、無線通信装置200は、携帯無線電話その他の移動無線通信機器を含んでおり、これらはスタンドアロン機器として構成されていても、あるいは例えばラップトップ・コンピュータで用いる通信カードのように他の機器またはシステムに組み込まれていてもよい。
【0049】
いずれの場合も、図示する無線通信装置200の実施形態は、アンテナ202、スイッチ/デュープレクサ204、受信器206(受信回路10を含む)、送信器208、ベースバンド・プロセッサ210、システムコントローラ212、および(無線通信装置200の意図された用途における必要に応じて)ユーザー・インタフェース214を含んでいる。動作時に、受信器206は、本明細書に示す実施形態の任意の一つまたはその変形例に従い構成された受信回路10に対しRF入力信号を与える。
【0050】
無論、本発明は上述の考察により限定されず、また添付の図面によっても限定されない。実際、本発明は添付の特許請求の範囲およびそれらの法的等価物によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低ノイズ増幅回路と、
直交ミキサ回路と、
前記低ノイズ増幅回路の出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に結合するための整合容量結合回路を備えた容量結合回路と、
を含んでいる受信回路。
【請求項2】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでいて、前記容量結合回路は、前記単一端出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に分割する、請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記整合結合回路の各々が、前記受信回路の相互コンダクタンス感度に応じて寸法設定された結合コンデンサを含んでいる、請求項1に記載の受信回路。
【請求項4】
前記整合結合回路の各々における前記結合コンデンサの寸法がωC>gmとなるように決定されていて、ここでωは目的周波数、Cは前記結合コンデンサの静電容量値、およびgmは前記直交ミキサ回路の相互コンダクタンス値である、請求項3に記載の受信回路。
【請求項5】
前記低ノイズ増幅回路は、平衡出力端を含んでいて、前記容量結合回路は、前記低ノイズ増幅回路からの平衡出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に容量結合する、請求項1に記載の受信回路。
【請求項6】
前記容量結合回路は、前記平衡出力信号を前記直交ミキサ回路の前記直交入力端に容量結合するための整合結合コンデンサを含んでいる、請求項5に記載の受信回路。
【請求項7】
前記直交ミキサ回路は、二重平衡直交ミキサ回路を含んでいて、前記低ノイズ増幅回路は、前記直交ミキサ回路の第1および第2の平衡直交入力端へ各々第1および第2の出力信号を与える平衡出力端を含んでいる、請求項1に記載の受信回路。
【請求項8】
前記直交ミキサ回路は、前記第1および第2の平衡直交入力端の各々について容量結合回路を含んでいて、各々の容量結合回路が整合結合コンデンサを含んでいる、請求項7に記載の受信回路。
【請求項9】
前記第1および第2の平衡直交入力端の各々が単一端終端回路を含んでいる、請求項8に記載の受信回路。
【請求項10】
請求項1に記載の受信回路を含んでいる無線通信装置。
【請求項11】
低ノイズ増幅回路と、
4相ミキサ回路と、
前記低ノイズ増幅回路の出力信号を前記4相ミキサ回路のミキサ入力端に結合する容量結合回路と、
を含んでいる受信回路。
【請求項12】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでいて、前記容量結合回路は、前記単一出力信号を前記4相ミキサ回路の単一端ミキサ入力端に結合する、請求項11に記載の受信回路。
【請求項13】
前記容量結合回路が、前記4相ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて寸法設定された結合コンデンサを含んでいる、請求項11に記載の受信回路。
【請求項14】
前記結合コンデンサの寸法がωC>gmとなるように決定されていて、ここでωは目的周波数、Cは前記結合コンデンサの静電容量値、およびgmは前記4相ミキサ回路の相互コンダクタンス値である、請求項13に記載の受信回路。
【請求項15】
前記4相ミキサ回路は、二重平衡4相ミキサ回路を含んでおり、前記低ノイズ増幅回路は、平衡出力端を含んでおり、前記容量結合回路は、前記低ノイズ増幅回路からの平衡出力信号を前記二重平衡4相ミキサ回路の各々の平衡ミキサ入力端に容量結合する整合結合コンデンサを含んでいる、請求項11に記載の受信回路。
【請求項16】
前記二重平衡4相ミキサ回路の前記平衡ミキサ入力端が単一端終端回路を含んでいる、請求項15に記載の受信回路。
【請求項17】
請求項11に記載の受信回路を含んでいる無線通信装置。
【請求項18】
ミキサ回路へ入力信号を与える方法であって、
低ノイズ増幅回路からの出力信号を、結合コンデンサを介して前記ミキサ回路のミキサ入力端に結合するステップと、
前記ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて決定される静電容量値を有するように前記結合コンデンサを構成するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項19】
前記低ノイズ増幅回路が平衡出力信号を与え、結合コンデンサを介して低ノイズ増幅回路からの出力信号を前記ミキサ回路のミキサ入力端に結合するステップが、整合結合コンデンサを介して前記平衡出力信号を各ミキサ入力端に結合するステップを含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
低ノイズ増幅回路と、
直交ミキサ回路と、
前記低ノイズ増幅回路の出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に結合するために構成された1個以上のトランス結合インダクタを含む誘導結合回路と、
を含んでいる受信回路。
【請求項21】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでおり、前記誘導結合回路の前記1個以上のトランス結合インダクタは、平衡RF入力信号を前記直交ミキサ回路に与えるトランス結合インダクタを含んでいる、請求項20に記載の受信回路。
【請求項22】
前記直交ミキサ回路は、4相局所発振器駆動信号用に構成された直交ミキサ回路を含んでいる、請求項21に記載の受信回路。
【請求項23】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでおり、前記誘導結合回路の前記1個以上のトランス結合インダクタは、前記単一出力信号を一対の平衡RF入力信号に分割すると共に、一対の整合トランス結合インダクタを含んでいる、請求項20に記載の受信回路。
【請求項24】
請求項20に記載の受信回路を含んでいる無線通信装置。
【請求項25】
ミキサ回路にミキサ入力信号を与える方法であって、
対応する増幅器入力信号を受信するように構成された低ノイズ増幅回路から増幅出力信号を取得するステップと、
前記低ノイズ増幅回路からの前記増幅出力信号を、1個以上のトランス結合インダクタを介して直交ミキサ回路の直交入力端に誘導結合するステップと、
を含む方法。
【請求項26】
前記低ノイズ増幅回路は、前記増幅出力信号を単一端増幅出力信号として出力するように構成されており、前記低ノイズ増幅回路からの前記増幅出力信号を、1個以上のトランス結合インダクタを介して直交ミキサ回路の直交入力端に誘導結合するステップは、前記単一端増幅出力信号を前記ミキサ回路の直交入力端に印加するための平衡ミキサ入力信号に変換するように前記1個以上のトランス結合インダクタを構成するステップを含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記直交ミキサ回路を4相局所発振器駆動信号で動作するように構成するステップを更に含んでいる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記低ノイズ増幅回路は、単一の増幅出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでおり、前記低ノイズ増幅回路からの前記増幅出力信号を、1個以上のトランス結合インダクタを介して直交ミキサ回路の直交入力端に誘導結合するステップは、前記1個以上のトランス結合インダクタを、前記単一の増幅出力信号を一対の平衡直交ミキサ入力信号に分割する一対の整合トランス結合インダクタとして構成するステップを含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項1】
低ノイズ増幅回路と、
直交ミキサ回路と、
前記低ノイズ増幅回路の出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に結合するための整合容量結合回路を備えた容量結合回路と、
を含んでいる受信回路。
【請求項2】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでいて、前記容量結合回路は、前記単一端出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に分割する、請求項1に記載の受信回路。
【請求項3】
前記整合結合回路の各々が、前記受信回路の相互コンダクタンス感度に応じて寸法設定された結合コンデンサを含んでいる、請求項1に記載の受信回路。
【請求項4】
前記整合結合回路の各々における前記結合コンデンサの寸法がωC>gmとなるように決定されていて、ここでωは目的周波数、Cは前記結合コンデンサの静電容量値、およびgmは前記直交ミキサ回路の相互コンダクタンス値である、請求項3に記載の受信回路。
【請求項5】
前記低ノイズ増幅回路は、平衡出力端を含んでいて、前記容量結合回路は、前記低ノイズ増幅回路からの平衡出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に容量結合する、請求項1に記載の受信回路。
【請求項6】
前記容量結合回路は、前記平衡出力信号を前記直交ミキサ回路の前記直交入力端に容量結合するための整合結合コンデンサを含んでいる、請求項5に記載の受信回路。
【請求項7】
前記直交ミキサ回路は、二重平衡直交ミキサ回路を含んでいて、前記低ノイズ増幅回路は、前記直交ミキサ回路の第1および第2の平衡直交入力端へ各々第1および第2の出力信号を与える平衡出力端を含んでいる、請求項1に記載の受信回路。
【請求項8】
前記直交ミキサ回路は、前記第1および第2の平衡直交入力端の各々について容量結合回路を含んでいて、各々の容量結合回路が整合結合コンデンサを含んでいる、請求項7に記載の受信回路。
【請求項9】
前記第1および第2の平衡直交入力端の各々が単一端終端回路を含んでいる、請求項8に記載の受信回路。
【請求項10】
請求項1に記載の受信回路を含んでいる無線通信装置。
【請求項11】
低ノイズ増幅回路と、
4相ミキサ回路と、
前記低ノイズ増幅回路の出力信号を前記4相ミキサ回路のミキサ入力端に結合する容量結合回路と、
を含んでいる受信回路。
【請求項12】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでいて、前記容量結合回路は、前記単一出力信号を前記4相ミキサ回路の単一端ミキサ入力端に結合する、請求項11に記載の受信回路。
【請求項13】
前記容量結合回路が、前記4相ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて寸法設定された結合コンデンサを含んでいる、請求項11に記載の受信回路。
【請求項14】
前記結合コンデンサの寸法がωC>gmとなるように決定されていて、ここでωは目的周波数、Cは前記結合コンデンサの静電容量値、およびgmは前記4相ミキサ回路の相互コンダクタンス値である、請求項13に記載の受信回路。
【請求項15】
前記4相ミキサ回路は、二重平衡4相ミキサ回路を含んでおり、前記低ノイズ増幅回路は、平衡出力端を含んでおり、前記容量結合回路は、前記低ノイズ増幅回路からの平衡出力信号を前記二重平衡4相ミキサ回路の各々の平衡ミキサ入力端に容量結合する整合結合コンデンサを含んでいる、請求項11に記載の受信回路。
【請求項16】
前記二重平衡4相ミキサ回路の前記平衡ミキサ入力端が単一端終端回路を含んでいる、請求項15に記載の受信回路。
【請求項17】
請求項11に記載の受信回路を含んでいる無線通信装置。
【請求項18】
ミキサ回路へ入力信号を与える方法であって、
低ノイズ増幅回路からの出力信号を、結合コンデンサを介して前記ミキサ回路のミキサ入力端に結合するステップと、
前記ミキサ回路の相互コンダクタンス感度に応じて決定される静電容量値を有するように前記結合コンデンサを構成するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項19】
前記低ノイズ増幅回路が平衡出力信号を与え、結合コンデンサを介して低ノイズ増幅回路からの出力信号を前記ミキサ回路のミキサ入力端に結合するステップが、整合結合コンデンサを介して前記平衡出力信号を各ミキサ入力端に結合するステップを含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
低ノイズ増幅回路と、
直交ミキサ回路と、
前記低ノイズ増幅回路の出力信号を前記直交ミキサ回路の直交入力端に結合するために構成された1個以上のトランス結合インダクタを含む誘導結合回路と、
を含んでいる受信回路。
【請求項21】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでおり、前記誘導結合回路の前記1個以上のトランス結合インダクタは、平衡RF入力信号を前記直交ミキサ回路に与えるトランス結合インダクタを含んでいる、請求項20に記載の受信回路。
【請求項22】
前記直交ミキサ回路は、4相局所発振器駆動信号用に構成された直交ミキサ回路を含んでいる、請求項21に記載の受信回路。
【請求項23】
前記低ノイズ増幅回路は、単一出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでおり、前記誘導結合回路の前記1個以上のトランス結合インダクタは、前記単一出力信号を一対の平衡RF入力信号に分割すると共に、一対の整合トランス結合インダクタを含んでいる、請求項20に記載の受信回路。
【請求項24】
請求項20に記載の受信回路を含んでいる無線通信装置。
【請求項25】
ミキサ回路にミキサ入力信号を与える方法であって、
対応する増幅器入力信号を受信するように構成された低ノイズ増幅回路から増幅出力信号を取得するステップと、
前記低ノイズ増幅回路からの前記増幅出力信号を、1個以上のトランス結合インダクタを介して直交ミキサ回路の直交入力端に誘導結合するステップと、
を含む方法。
【請求項26】
前記低ノイズ増幅回路は、前記増幅出力信号を単一端増幅出力信号として出力するように構成されており、前記低ノイズ増幅回路からの前記増幅出力信号を、1個以上のトランス結合インダクタを介して直交ミキサ回路の直交入力端に誘導結合するステップは、前記単一端増幅出力信号を前記ミキサ回路の直交入力端に印加するための平衡ミキサ入力信号に変換するように前記1個以上のトランス結合インダクタを構成するステップを含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記直交ミキサ回路を4相局所発振器駆動信号で動作するように構成するステップを更に含んでいる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記低ノイズ増幅回路は、単一の増幅出力信号を与える単一端低ノイズ増幅回路を含んでおり、前記低ノイズ増幅回路からの前記増幅出力信号を、1個以上のトランス結合インダクタを介して直交ミキサ回路の直交入力端に誘導結合するステップは、前記1個以上のトランス結合インダクタを、前記単一の増幅出力信号を一対の平衡直交ミキサ入力信号に分割する一対の整合トランス結合インダクタとして構成するステップを含んでいる、請求項25に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−182817(P2012−182817A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−100570(P2012−100570)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2008−544919(P2008−544919)の分割
【原出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−100570(P2012−100570)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2008−544919(P2008−544919)の分割
【原出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
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