説明

ミクロ多孔質結晶性材料、ゼオライトITQ−37、その調製方法および使用

本発明は、焼成状態で式:
xX23:nYO2:mGeO2
(式中、(n+m)は少なくとも5であり、Xは1種または複数の三価元素であり、YはGe以外の1種または複数の四価元素に相当し、Y/Ge比は0.1より大きく、「x」は0を含む任意の値をとることができ、Y/Ge比は0.1より大きい)で記載される化学組成を有し、特徴的なX線回折パターンを有するミクロ多孔質結晶性材料に関する。本発明は、その調製方法および有機化合物食品の変換におけるその使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、新規ミクロ多孔質結晶性材料、ITQ−37、その調製方法、および有機化合物の触媒変換におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼオライトは、触媒、吸着剤、およびイオン交換体として重要な用途が見つかっている多孔質結晶性アルミノケイ酸塩である。こうしたゼオライト材料の多くは、内部に均一な大きさと形のチャンネルおよび空洞を形成する明確な構造を有し、それらは、これによりある分子の吸着は可能であるが、一方で大き過ぎる他の分子は結晶の内側を通過させ孔を通じて拡散させる。この特徴が、こうした材料に分子スクリーニング性を与えている。こうした分子スクリーンは、Siおよび周期表の第IIIA族の元素を、ネットワークに全て四面体配位で含むことができ、四面体はその頂点で酸素を通じて結合して三次元ネットワークを形成する。ネットワークの各位置で第IIIA族の元素がもたらす負電荷は、結晶中のカチオン(例えば、アルカリまたはアルカリ土類)の存在で補償される。ある種類のカチオンは、イオン交換技法により別の種類のカチオンに全体的にまたは部分的に交換されてもよく、こうして所定のケイ酸が所望のカチオンを選択するよう性質を変更することができる。
【0003】
多くのゼオライトは、構造誘導剤(structure−directing agent)として作用する有機分子の存在下で合成されている。構造誘導剤(SDA)として作用する有機分子は一般に、その組成中に窒素を含有し、反応媒体中で安定な有機カチオンをもたらす。
【0004】
シリカの可動化は、OH-基および塩基性媒体の存在下で行うことができ、SDAと同じような水酸化物、例えば、ZSM−5ゼオライトの場合の水酸化テトラプロピルアンモニウムなどを含めることができる。フッ素イオンも、例えば、EP−A−0337479に、ZSM−5合成用のシリカ可動化剤としての低pHでのH2O中のHFの使用が開示されるように、ゼオライト合成におけるシリカの可動化剤として作用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、焼成状態で式:
xX23:nYO2:mGeO2
(式中、(n+m)は少なくとも5であり、Xは1種または複数の三価元素であり、YはGe以外の1種または複数の四価元素に相当し、Y/Ge比は0.1より大きく、「x」は、0を含む任意の値をとることができる)で記載される化学組成を有し、その未焼成の合成形で主線が以下であるX線回折パターン:
【0008】
【表3】

(表中、最大強度のピークに関してパーセンテージで計算して、(vs)は相対強度80〜100を表し、「w」は相対強度20〜40を表し、「vw」は相対強度0〜20を表す)を有する新規ミクロ多孔質結晶性材料、ITQ−37、に関する。
【0009】
この新規材料(ITQ−37と呼ぶ)は、その焼成状態および未焼成の合成された状態の両方で、他のゼオライト材料とは異なるX線回折パターンを有し、焼成状態についてその最も重要な回折線を表1にまとめる。
【0010】
表1
【0011】
【表4】

格子面間隔、d、は、オングストロームで計算したが、回折線の相対強度は、最大強度のピークに関してパーセンテージで計算し、以下のように判断する:非常に強い(vs)=80〜100、強い(s)60〜80、平均的(a)=40〜60、弱い(w)20〜40、および非常に弱い(wv)=0〜20。
【0012】
好適な実施形態のITQ−37は、その未焼成状態で、表2に示す回折線を有する。
【0013】
表2
【0014】
【表5】

グラファイトモノクロメータおよび固定された発散格子(divergence grille)を備えたPhilips X’Pert回折装置で銅のKα線を用いて、これ
らの回折図を得た。回折データは、0.01°の2θステップで記録し、ここでθはブラッグ角度で1ステップあたり10秒の計測時間である。格子面間隔、d、は、オングストロームで計算したが、回折線の相対強度は、最大強度のピークに関してパーセンテージで計算し、以下のように判断する:非常に強い(vs)=80〜100、強い(s)60〜80、平均的(a)=40〜60、弱い(w)20〜40、および非常に弱い(wv)=0〜20。
【0015】
この試料について単線すなわち独特な回折線として表に記載された回折データが複数の反射の重複または重ね合わせにより形成された可能性があることを忘れてはならない。こうした線は、ある条件、例えば結晶学的変化などにより、分解された線または一部分解された線として出現する可能性がある。一般に、結晶学的変化は、構造に変化を起こさない、単位格子のパラメーターの小さなばらつきおよび/または結晶の対称性の変化を含むことがある。こうした変化には相対強度の変化も含まれるが、これらは補償カチオンの種類と量、ネットワーク構造、結晶の大きさとその形、好適な向き、または行われた熱処理もしくは水熱処理の種類の変化によるものでもありえる。
【0016】
先に示した一般式において、「m」は0という値を有してもよい。
【0017】
結晶性材料は、その無水焼成形において、好ましくは以下で示される組成を有する:
23:nYO2:mGeO2
式中、(n+m)は少なくとも5であり、n/mの値は少なくとも0.1であり、XはAl、B、In、Ga、Fe、Crおよびその組合せの群から選択される1種または複数の三価元素である。
【0018】
また好ましくは、その無水焼成状態において先の式(式中、(n+m)は少なくとも5であり、n/mの値は少なくとも0.1である)で表される結晶性材料において、Yは、Si、Sn、Ti、Vおよびその組合せから選択される1種または複数の四価元素である。
【0019】
さらにより好ましくは、その無水焼成状態において先の式で表される結晶性材料は、(n+m)が少なくとも5であり、n/mの値が少なくとも0.1であり、XがAl、B、In、Ga、Fe、Crおよびその組合せの群から選択される1種または複数の三価元素であり、YがSi、Sn、Ti、Vおよびその組合せから選択される1種または複数の四価元素であるものである。
【0020】
特に好適な実施形態は、結晶性材料が上記の式を有して、式中XがB、Alおよび両者の混合物から選択され、YがSiであるものである。
【0021】
与えられた値から、結晶性材料ITQ−37が、付加される三価元素の存在なしに合成され得ることが明らかに推定される。
【0022】
この材料の有機成分は、それが合成されたあと、例えば、抽出によるか、または250℃より高い温度で2分〜25時間熱処理により除去することができる。
【0023】
その未焼成状態、または熱処理後の材料中の補償カチオンは、カチオンが存在する場合には、他のカチオン(金属カチオン、H+、および例えばNH4+などのH+前駆体など)に交換することができる。イオン交換により導入することができるカチオンの中で、材料の活性に触媒として積極的役割を有し得るものが好ましく、より詳細には、H+、希土類カチオン、ならびに元素周期表の第VIII族の金属、および第IIA、IIIA、IVA、VA、IB、IIB、IIIB、IVB、VB、VIIB族のなどのカチオンが好ましい。
【0024】
本発明の結晶性材料は、1種または複数の水素化/脱水素化成分(白金、パラジウム、ニッケル、レニウム、コバルト、タングステン、モリブデン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、およびそれらの組合せなど)と密接に組み合わせることもできる。こうした元素の導入は、結晶の段階で、交換(もしあれば)により、および/または含浸により、または物理的混合により、行うことができる。こうした元素は、そのカチオン形で導入されるか、および/または塩もしくは他の化合物から分解によりその適したカチオン形で金属または酸化物成分を生成することで導入される。
【0025】
本発明はまた、上記の結晶性材料の調製方法にも関し、この方法は、
−少なくとも、H2Oと、1種または複数の四価元素Yの源と、構造誘導剤(R)としての有機化合物とを含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含む。
【0026】
好適な実施形態に従って、上記の結晶性材料の調製方法は、
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの酸化物と、
−構造誘導剤(R)としての有機成分と、
を、酸化物について以下のモル比:
2O/(YO2) 1〜50
R/(YO2) 0.1〜3.0
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含む。
【0027】
この実施形態において、特に好適な様式では、酸化物についてのモル比は以下のとおりである:
2O/(YO2) 1〜20
R/(YO2) 0.1〜1.0
本方法のさらに好適な実施形態は、
−少なくとも、H2Oと、1種または複数の四価元素Yの源と、フッ素イオン源と、構造誘導剤(R)としての有機化合物とを含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を含む。
【0028】
好適な実施形態に従って、上記の結晶性材料の調製方法は、
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの酸化物と、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機成分と、
を、酸化物について以下のモル比:
2O/(YO2) 1〜50
R/(YO2) 0.1〜3.0
-/(YO2) 0.1〜3.0
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含む。
【0029】
この実施形態において、特に好適な様式では、酸化物についてのモル比は以下のとおりである:
2O/(YO2) 1〜20
R/(YO2) 0.1〜1.0
-/(YO2) 0.1〜1.0
本方法のさらに別の好適な実施形態は、
−少なくとも、H2Oと、1種または複数の四価元素Yの源と、Ge源と、フッ素イオン源と、構造誘導剤(R)としての有機化合物とを含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を含む。
【0030】
好適な実施形態に従って、上記の結晶性材料の調製方法は、
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの酸化物と、
−酸化Geと、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機成分と、
を、酸化物について以下のモル比:
2O/(YO2+GeO2) 1〜50
R/(YO2+GeO2) 0.1〜3.0
-/(YO2+GeO2) 0.1〜3.0
YO2/GeO2 0.1より大きい
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含む。
【0031】
この実施形態において、特に好適な様式では、酸化物についてのモル比は以下のとおりである:
2O/(YO2+GeO2) 1〜20
R/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0
-/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0
YO2/GeO2 0.1より大きい
本方法のさらに別の好適な実施形態は、
−少なくとも、H2Oと、1種または複数の三価元素Xの源と、1種または複数の四価元素Yの源と、構造誘導剤(R)としての有機化合物とを含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を含む。
【0032】
本方法のさらに別の好適な実施形態は、
−少なくとも、H2Oと、1種または複数の三価元素Xの酸化物と、1種または複数の四価元素Yの酸化物と、フッ素イオン源と、構造誘導剤(R)としての有機化合物とを、酸化物について以下のモル比:
2O/X23 少なくとも5
2O/YO2 1〜50の間
R/YO2 0.1〜30の間
-/(YO2) 0.1〜30の間
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を含む。
【0033】
先の実施形態に従って、好適な酸化物についてのモル比は以下のとおりである:
2O/X23 7より大きい
2O/YO2 1〜20の間
R/YO2 0.1〜1.0の間
-/(YO2) 0.1〜1.0の間
本方法のさらに別の好適な実施形態は、
−少なくとも、H2Oと、1種または複数の三価元素Xの源と、1種または複数の四価元素Yの源と、酸化Geと、フッ素イオン源と、構造誘導剤(R)としての有機化合物とを含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を含む。
【0034】
本方法のさらに好適な実施形態は、
−少なくとも、H2Oと、1種または複数の三価元素Xの酸化物と、1種または複数の四価元素Yの酸化物と、酸化Geと、フッ素イオン源と、構造誘導剤(R)としての有機化合物とを、酸化物について以下のモル比:
(YO2+GeO2)/X23 5より大きい
H2O/(YO2+GeO2) 1〜50の間
R/(YO2+GeO2) 0.1〜30の間
-/(YO2+GeO2) 0.1〜30の間
YO2/GeO2 0.1より大きい
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を含む。
【0035】
この実施形態に従って、好適な酸化物についてのモル比は好ましくは以下のとおりである:
(YO2+GeO2)/X23 7より大きい
2O/(YO2+GeO2) 1〜20の間
R/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0の間
-/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0の間
YO2/GeO2 0.1より大きい
本発明の方法のいずれの実施形態においても、種として作用するITQ−37ゼオライト結晶を合成混合物に加えることができる(上限25重量%まで)。
【0036】
本発明の方法のいずれの実施形態においても、構造誘導剤として用いられる有機化合物は、好ましくは、アミンおよびテトラアルキルアンモニウム塩、好ましくは水酸化物から選択される。
【0037】
本発明の方法は、その目的が焼成した結晶性材料を製造することである場合は、材料内に封じ込められた有機材料の除去の段階を含み、これは、抽出により、および/または25℃を越える温度で2分〜25時間の間の熱処理により行うことができる。
【0038】
本発明のプロセスのさらに好適な実施形態に従って、本方法は、
−少なくともH2Oと、Al、B、および両者の混合物から選択される1種または複数の三価元素Xの酸化物と、Siの酸化物と、酸化Geと、フッ素イオン源と、Rとしての4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4
−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロ塩とを、酸化物について以下のモル比:
(SiO2+GeO2)/X23 少なくとも5
2O/(SiO2+GeO2) 1〜50の間
R/(SiO2+GeO2) 0.1〜3.0の間
-/(SiO2+GeO2) 0.1〜3.0の間
SiO2/GeO2 0.1より大きい
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に合成混合物を維持することと、
−結晶性材料を回収することと、
を含む。
【0039】
ITQ−37の結晶化は、オートクレーブ中、60℃〜200℃の間の温度で、結晶化を達成するのに十分な時間、例えば2時間から60日間、静置して、または撹拌しながら行うことができる。
【0040】
結晶化段階が終わったら、ITQ−37結晶を母液から分離して、それらを回収する。合成混合物の成分は、様々な源から由来することができ、それらに依存して時間および結晶化条件も変化してよいことを考慮にいれるべきである。合成を促進する目的で、ITQ−37結晶を種として、酸化物の合計に関して上限25重量%の量まで、合成混合物に加えることができる。種は、ITQ−37の結晶化の前または最中に加えることができる。
【0041】
本発明により製造された材料は、既知の技法によりペレット化されてもよい。それらは様々なプロセスにも用いることができる。
【0042】
好ましくは、前記プロセスは、炭化水素の触媒分解および炭化水素の触媒水素化分解から選択される。
【0043】
また好ましくは、前記プロセスは、アルキル化プロセス(芳香族オレフィンのアルキル化など)、エステル化プロエス、およびアシル化から選択される。本発明により製造された材料は、その酸形、適したカチオンで交換されたもの、および/または両者の組合せであってもよい。好ましくは、材料は、他の触媒の成分として存在する。
【0044】
本発明はまた、有機化合物で形成された食品を変換する方法にも関し、この方法はこの食品を活性型の本発明の多孔質結晶性材料と接触させることを含むことを特徴とする。
【0045】
好ましくは、前記方法は、炭化水素の触媒分解および炭化水素の触媒水素化分解から選択される。
【0046】
また好ましくは、前記方法は、アルキル化プロセス(芳香族オレフィンのアルキル化など)、エステル化プロエス、およびアシル化から選択される
好ましくは、前記方法は、その酸形、カチオンで交換されたもの、および両者の組合せから選択される形で材料をペレット化することを含む。より好ましくは、前記材料は、他の触媒の成分として存在する。
【実施例】
【0047】
実施例1
構造誘導剤:4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジ
ピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシドの合成
5.05g(40.7mmol)の4,6−ジメチル−2−ピロンと7.9g(81.5mmol)の無水マレイン酸を、トルエン(100mL)還流下で4日間加熱する。生成した沈殿を吸引濾過し、ヘキサンで洗い、所望の二無水物を定量的に得る(11.1g)。
【0048】
【化1】

250mLのエチルアミン水溶液(70%)の存在下、11.1g(40.2mmol)の二無水物を75℃で5日間加熱する。この後、混合物を部分的に減圧濃縮して沈殿を出現させ、これを濾過して減圧乾燥により予想されるジイミド12.0gを得る(90.5%)。
【0049】
【化2】

3.8gのLiAIH4(100.0mmol)をN2でパージして、100mLの無水THFに懸濁させる。混合物を氷浴中に置いて、そこに先の工程で生成したジイミド6.7g(20.1mmol)をゆっくりと加える。加えた後、これを還流下で6時間加熱し、それから周辺温度で一晩中撹拌し続ける。
【0050】
この後、混合物を氷浴中に置いて、4mLのH2O、3mlのNaOH(15%)、および、3mLのH2Oを加え、周辺温度で1時間撹拌し続ける。粗混合物を濾過し、濾液をほぼ乾燥するまで濃縮する。これをH2Oに注いでCH2Cl2で抽出し、抽出物をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して4.8gのジアミン(87%)を得る。
【0051】
【化3】

4.8g(17.5mmol)のジアミンを25mLのEtOHに溶解し、溶液に4.2mLのCH3CH2I(52mmol)を滴下する。混合物を還流下で4日間加熱する。得られる沈殿を吸引濾過して、結晶化でH2Oを2分子含む9.9gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,
2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヨウ化物を得る(収率91%)。
【0052】
【化4】

イオン交換樹脂を用いてヨウ素物を水酸化物と交換する。
【0053】
実施例2
ITQ−37合成。
【0054】
0.131gのGeO2を1,124gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−
1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシド溶液(20.3重量%)に溶解し、0.195gのLudox AS−40をこの溶液に加え、ゲルが完全に均一になったら、0.466gのフッ化アンモニウム溶液(10重量%)を加え、混合物を、撹拌下、最終組成が以下に達するまで蒸発させる:
0.51SiO2:0.49GeO2:0.24R(OH)2:0.49NH4F:5.00H2
ここでRは4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピ
ロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロである。
【0055】
内側をテフロン(登録商標)コーティングした鋼のオートクレーブ中、175℃で静置して、ゲルを20時間加熱する。濾過して得られた固体を蒸留水で洗い100℃で乾燥させたものがITQ−37である。
【0056】
この材料を、空気流中、540℃で3時間焼成して有機物を除去する。得られた固体の粉末のX線回折パターンは表1の値と一致する。
【0057】
実施例3
0.115gのGeO2を1,240gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−
1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシド溶液(16.2重量%)に溶解する。0.173gのLudox AS−40をこの溶液に加え、ゲルが完全に均一になったら、0.402gのフッ化アンモニウム溶液(10重量%)を加え、混合物を、撹拌下、最終組成が以下に達するまで蒸発させる:
0.51SiO2:0.49GeO2:0.24R(OH)2:0.48NH4F:3.10H2
ここでRは4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピ
ロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロである。
【0058】
内側をテフロン(登録商標)コーティングした鋼のオートクレーブ中、175℃で静置して、ゲルを20時間加熱する。濾過して得られた固体を蒸留水で洗い100℃で乾燥させたものがITQ−37である。
【0059】
実施例4
0.131gのGeO2を1,061gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−
1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシド溶液(21.7重量%)に溶解する。0.068gのH3BO4溶液(5重量%)および0.186gのLudox AS−40をこの溶液に加え、ゲルが完全に均一になったら、0.456gのフッ化アンモニウム溶液(10重量%)を加え、混合物を、撹拌下、最終組成が以下に達するまで蒸発させる:
0.51SiO2:0.49GeO2:0.01B23:0.24R(OH)2:0.48NH4F:5H2
ここでRは4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピ
ロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロである。
【0060】
内側をテフロン(登録商標)コーティングした鋼のオートクレーブ中、175℃で静置して、ゲルを6時間加熱する。濾過して得られた固体を蒸留水で洗い100℃で乾燥させたものがITQ−37である。
【0061】
実施例5
0.174gのGeO2を1,119gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−
1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシド溶液(20.3重量%)に溶解する。0.132gのLudox AS−40をこの溶液に加え、ゲルが完全に均一になったら、0.461gのフッ化アンモニウム溶液(10重量%)を加え、混合物を、撹拌下、最終組成が以下に達するまで蒸発させる:
0.35SiO2:0.65GeO2:0.24R(OH)2:0.48NH4F:3H2
ここでRは4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピ
ロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロである。
【0062】
内側をテフロン(登録商標)コーティングした鋼のオートクレーブ中、175℃で静置して、ゲルを20時間加熱する。濾過して得られた固体を蒸留水で洗い100℃で乾燥させたものがITQ−37である。
【0063】
実施例6
0.077gのGeO2を1,053gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−
1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシド溶液(19重量%)に溶解する。0.219gのLudox AS−40、および最後に、0.409gのフッ化アンモニウム溶液(10重量%)を加え、混合物を、撹拌下、最終組成が以下に達するまで蒸発させる:
0.34SiO2:0.66GeO2:0.25R(OH)2:0.50NH4F:5H2
ここでRは4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピ
ロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロである。
【0064】
内側をテフロン(登録商標)コーティングした鋼のオートクレーブ中、175℃で静置して、ゲルを2日間加熱する。濾過して得られた固体を蒸留水で洗い100℃で乾燥させたものがITQ−37である。
【0065】
実施例7
0.131gのGeO2を1,046gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−
1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシド溶液(21.7重量%)に溶解する。0.071gのH3BO4溶液(5重量%)および0.192gのLudox AS−40をこの溶液に加え、ゲルが完全に均一になったら、0.474gのフッ化アンモニウム溶液(10重量%)を加え、混合物を、撹拌下、最終組成が以下に達するまで蒸発させる:
0.50SiO2:0.50GeO2:0.023H2BO3:0.25R(OH)2:0.50NH4F:5H2
ここでRは4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピ
ロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロである。
【0066】
内側をテフロン(登録商標)コーティングした鋼のオートクレーブ中、175℃で静置して、ゲルを14日間加熱する。濾過して得られた固体を蒸留水で洗い100℃で乾燥させたものがITQ−37である。
【0067】
実施例8
0.131gのGeO2を1,061gの4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−
1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシド溶液(21.7重量%)に溶解する。0.003gのAl23および0.185gのLudox AS−40をこの溶液に加え、ゲルが完全に均一になったら、0.468gのフッ化アンモニウム溶液(10重量%)を加え、混合物を、撹拌下、最終組成が以下に達するまで蒸発させる:
0.50SiO2:0.50GeO2:0.012Al23:0.25R(OH)2:0.50NH4F:5H2
ここでRは4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピ
ロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロである。
【0068】
内側をテフロン(登録商標)コーティングした鋼のオートクレーブ中、175℃で静置して、ゲルを20時間加熱する。得られた固体がITQ−37である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼成状態で式:
xX23:nYO2:mGeO2
(式中、
−(n+m)は少なくとも5であり、
−Xは三価元素であり、
−YはGe以外の1種または複数の四価元素に相当し、
−xは、0を含む任意の値をとることができ、
−Y/Ge比は0.1より大きい)
で表される化学組成を有し、その未焼成の合成形で主線が以下:
【表1】

(表中、最大強度のピークに関してパーセンテージで計算して、(vs)は相対強度80〜100を表し、「w」は相対強度20〜40を表し、「vw」は相対強度0〜20を表す)であるX線回折パターンを有することを特徴とする、多孔質結晶性材料。
【請求項2】
焼成状態で主線が以下:
【表2】

(表中、「vs」、「w」、および「vw」は請求項1に示される意味を有する)であるX線回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の多孔質結晶性材料。
【請求項3】
Xは、Al、B、In、Ga、Fe、Crおよびそれらの組合せからなる群より選択される、1種または複数の三価元素であることを特徴とする、請求項1または2の一項に記載の結晶性材料。
【請求項4】
Yは、Si、Sn、Ti、Vおよびそれらの組合せから選択される、1種または複数の四価元素であることを特徴とする、請求項1または2の一項に記載の結晶性材料。
【請求項5】
−Xは、Al、B、In、Ga、Fe、Crおよびそれらの組合せからなる群より選択される、1種または複数の三価元素であり、かつ−Yは、Si、Sn、Ti、Vおよびそれらの組合せから選択される、1種または複数の四価元素であることを特徴とする、請求項1または2の一項に記載の結晶性材料。
【請求項6】
XはB、Al、および両者の混合物から選択され、かつYはSiであることを特徴とする、請求項3に記載の結晶性材料。
【請求項7】
前記請求項のいずれか一項に記載の材料を、1種または複数の水素化/脱水素化成分と組み合わせて含むことを特徴とする、触媒。
【請求項8】
前記水素化/脱水素化成分は、白金、パラジウム、ニッケル、レニウム、コバルト、タングステン、モリブデン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、およびそれらの組合せから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の触媒。
【請求項9】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1〜6の一項に記載の結晶性材料の合成方法。
【請求項10】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの酸化物と、
−構造誘導剤(R)としての有機成分と、
を、酸化物について以下のモル比:
2O/(YO2) 1〜50
R/(YO2) 0.1〜3.0
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1〜6の一項に記載の結晶性材料の合成方法。
【請求項11】
酸化物について、
2O/(YO2) 1〜20
R/(YO2) 0.1〜1.0
のモル比を有することを特徴とする、請求項10に記載の結晶性材料の合成方法。
【請求項12】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1〜6の一項に記載の結晶性材料の合成方法。
【請求項13】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの酸化物と、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機成分と、
を、酸化物について以下のモル比:
2O/(YO2) 1〜50
R/(YO2) 0.1〜3.0
F/(YO2) 0.1〜3.0
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
酸化物について、
2O/(YO2):1〜20
R/(YO2):0.1〜1.0
-/(YO2):0.1〜1.0
のモル比を有することを特徴とする、請求項13に記載の結晶性材料の合成方法。
【請求項15】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−Ge源と、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の四価元素Yの酸化物と、
−Ge源と
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機成分と、
を、酸化物について以下のモル比:
2O/(YO2+GeO2) 1〜50
R/(YO2+GeO2) 0.1〜3.0
-/(YO2+GeO2) 0.1〜3.0
YO2/GeO2 0.1より大きい
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
酸化物について:
2O/(YO2+GeO2) 1〜20
R/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0
-/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0
YO2/GeO2 0.1より大きい
のモル比を有することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の三価元素Xの源と、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の三価元素Xの源と、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の三価元素Xの源と、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−フッ素イオン源と
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を、酸化物について以下のモル比:
YO2/X23 少なくとも5
2O/YO2 1〜50の間
R/YO2 0.1〜3.0の間
-/(YO2) 0.1〜3.0の間
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
好適な酸化物について、
YO2/X23 少なくとも7
2O/YO2 1〜20の間
R/YO2 0.1〜1.0の間
-/(YO2) 0.1〜1.0の間
のモル比を有することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の三価元素Xの源と、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−酸化Geと、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
−少なくとも:
−H2Oと、
−1種または複数の三価元素Xの源と、
−1種または複数の四価元素Yの源と、
−酸化Geと、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤(R)としての有機化合物と、
を、酸化物について以下のモル比:
(YO2+GeO2)/X23 5より大きい
2O/(YO2+GeO2) 1〜50の間
R/(YO2+GeO2) 0.1〜3.0の間
-/(YO2+GeO2) 0.1〜3.0の間
YO2/GeO2 0.1より大きい
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
酸化物について、
(YO2+GeO2)/X23 7より大きい
2O/(YO2+GeO2) 1〜20の間
R/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0の間
-/(YO2+GeO2) 0.1〜1.0の間
YO2/GeO2 0.1より大きい
のモル比を有することを特徴とする、請求項23に記載の方法
【請求項25】
種として作用するITQ−37ゼオライト結晶を、前記合成混合物に加えることを特徴とする、請求項9〜24の一項に記載の方法。
【請求項26】
種として作用する前記ITQ−37ゼオライト結晶は、酸化物の合計重量に関して上限25重量%の割合まで加えられることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
構造誘導剤として用いられる前記有機化合物は、アミンおよびテトラアルキルアンモニウム塩から選択されることを特徴とする、請求項9〜24の一項に記載の方法。
【請求項28】
構造誘導剤として用いられる前記有機化合物は、4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエ
チル−1,2,3,3a,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロヒドロキシドであることを特徴とする、請求項9〜24の一項に記載の方法。
【請求項29】
−少なくとも:
−H2Oと、
−Al、B、および両者の混合物から選択される1種または複数の三価元素Xの酸化物と、
−Siの酸化物と、
−酸化Geと、
−フッ素イオン源と、
−構造誘導剤Rとしての4,8−(2−メチル)−エテノベンゾ[1,2−c:4,5−c’]ジピロリウム−4−メチル−2,2,6,6−テトラエチル−1,2,3,3a
,4a,5,6,7,7a,8a−デカヒドロ塩と、
を、酸化物について以下のモル比:
(SiO2+GeO2)/X23 少なくとも5
2O/(SiO2+GeO2) 1〜50の間
R/(SiO2+GeO2) 0.1〜3.0の間
-/(SiO2+GeO2) 0.1〜3.0の間
SiO2/GeO2 0.1より大きい
で含む合成混合物を調製することと、
−多孔質結晶性材料の結晶が形成されるまで、60℃〜200℃の間の温度に前記合成混合物を維持することと、
−前記結晶性材料を回収することと、
を少なくとも含むことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記材料内に封じ込められた有機物の除去段階を含むことを特徴とする、請求項7〜29の一項に記載の方法。
【請求項31】
前記有機物の除去段階は、抽出、250℃より高い温度で2分〜25時間の間の熱処理、または両者の組合せにより行われることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
有機化合物で形成された食品の変換の触媒としての、請求項1〜6の一項に記載の多孔質結晶性材料の活性型の使用。
【請求項33】
前記変換は、炭化水素の触媒的分解および炭化水素の触媒水素化分解から選択されることを特徴とする、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
前記変換は、アルキル化、エステル化、およびアシル化のプロセスから選択されることを特徴とする、請求項32に記載の使用。
【請求項35】
前記材料は、触媒の成分であることを特徴とする、請求項33または34に記載の使用。

【公表番号】特表2009−528244(P2009−528244A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556801(P2008−556801)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際出願番号】PCT/ES2007/070036
【国際公開番号】WO2007/099190
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(508157886)コンセジョ スペリオール デ インベスティガショネス シエンティフィカス (21)
【出願人】(309001218)ユニバーシダード ポリテクニカ デ バレンシア (1)
【Fターム(参考)】