説明

ミシン目付包装用積層フィルムの製造方法

【課題】ミシン目が目詰まりを起こすことがなく開封性の良い袋を実現し得るミシン目付包装用積層フィルムの製造方法の提供。
【解決手段】一のフィルムのロールから該フィルム1が引き出され、該一のフィルムの一面に接着剤塗布ローラ5bを接触させてドライラミネート用接着剤6を塗布する工程と、乾燥室内に上記接着剤塗布後の上記一のフィルムを導入し該室内を通過させて上記一のフィルムに固形化されたドライラミネート用接着剤層12を形成する工程と、ミシン目が刻設されたミシン目付の他のフィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記一のフィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された一面に上記他のフィルムを貼り合わせるべく、上記一面とミシン目付の上記他のフィルムとが対向した状態で、両フィルムを一対の圧着ローラ(11a、11b)間を通過させ積層フィルムを形成する工程を含むミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレトルト食品等の包装用として好適なミシン目付包装用積層フィルムの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のミシン目付積層フィルムは、ミシン目を形成した合成樹脂フィルムの一面に、無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム)をドライラミネート用接着剤により接着し、さらに上記合成樹脂フィルムの他面に、アルミニウム箔をドライラミネート用接着剤により接着し、さらに該アルミニウム箔上にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)をドライラミネート用接着剤により接着することにより4層フィルムを形成していた(特許文献1)。
【0003】
そして、合成樹脂フィルムのミシン目内に接着剤が入り込んで目詰まりを起こすと、易カット性が損なわれてしまうため、ドライラミネート用接着剤の塗布量を一定レベルに低減し(例えば2.0〜3.5g/m)、これにより塗布された接着剤によりミシン目が埋まらないように構成し、ラミネートフィルムの易カット性を維持する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−20072号(明細書「0021」欄参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の積層フィルムは、ドライラミネート用接着剤の塗布量が多すぎるとミシン目の目詰まりを起こし、一方塗布量が少なすぎてもラミネート強度が低下し、層間剥離が生ずる。
【0006】
このため、ドライラミネート用接着剤の塗布量を一定の範囲内の量に制限する必要があり、そのため接着剤塗布量の複雑な維持制御が必要となり、製造コストが上昇するとの課題がある。
【0007】
本発明は複雑な制御を行う必要なく、より簡易にミシン目の目詰まり等の生ずることのないミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するために、
第1に、ミシン目を刻設していない一のフィルムのロールから該フィルムが引き出され、その一のフィルムの一面に接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより、当該一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布する塗布工程と、乾燥室内に上記接着剤を塗布した上記一のフィルムを導入し、該乾燥室内を通過させることにより上記接着剤を乾燥させて上記一のフィルムの一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成する乾燥工程と、フィルムを貫通するミシン目が刻設されたミシン目付の他のフィルムのロールから該他のフィルムが引き出され、上記一のフィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に、上記他のフィルムの上記ミシン目が形成された面を貼り合わせるべく、上記一のフィルムの上記一面と上記他のフィルムの上記ミシン目が形成された面とが対向した状態で両フィルムを一対の圧着ローラ間を通過させて積層フィルムを形成する工程であって、上記一対の圧着ローラの一方は加熱されており、上記一対の圧着ローラは互いに一定の圧力(ニップ圧)で圧着された状態であり、上記圧着ローラ間を、上記一のフィルムと上記他のフィルムとを一定速度で通過させる圧着工程と、を含むことを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0009】
第2に、上記一対の圧着ローラの圧力は0.1(Mpa)〜0.6(Mpa)の範囲内の一定圧力であり、上記圧着ローラ間を通過する速度は80(m/分)〜180(m/分)の範囲内の一定速度である上記第1記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0010】
第3に(図4参照)、上記第1又は第2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した4層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、ミシン目を刻設していない第1フィルム(1)のロール(1a)から該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第1フィルム(1)の一面(1’)に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面(1’)にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルム(1)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第1フィルム(1)の上記一面(1’)に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12)を形成し、ミシン目を刻設していない第2フィルム(9)のロール(9a)から該フィルムが引き出され、該第2フィルム(9)の一面を上記第1フィルム(1)の上記ドライラミネート用接着剤層(12)に貼り合わせることにより2層フィルム(14)を形成し、上記2層フィルム(14)のロール(14a)から該2層フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記2層フィルム(14)の一面(14’)に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面(14’)にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記2層フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記2層フィルム(14)の上記一面(14’)に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12’)を形成し、フィルムを貫通するミシン目(13)が刻設された第3フィルム(15)のロール(15a)から該第3フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記2層フィルム(14)の上記ドライラミネート接着剤層(12’)が形成された上記一面に上記第3フィルム(15)を貼り合わせるべく、上記2層フィルム(14)の上記一面と上記第3フィルム(15)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過させることにより3層フィルム(16)を形成し、ミシン目を刻設していない第4フィルム(17)のロール(17a)から該フィルムが引き出され、上記塗布工程によりその一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより当該第4フィルム(17)の一面(17’)にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第4フィルム(17)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第4フィルム(17)の上記一面(17’)に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12”)を形成し、上記3層フィルム(16)のロール(16a)から該3層フィルムを引き出して、上記圧着工程により上記第4フィルム(17)の上記ドライラミネート用接着剤層(12”)が形成された上記一面に上記3層フィルム(16)のミシン目が刻設された上記第3フィルム(15)の面を貼り合わせるべく、上記第4フィルム(17)と上記3層フィルム(16)の上記第3フィルム(15)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過させることにより4層フィルム(18)を形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0011】
本発明において、ドライラミネート用接着剤が塗布されるフィルムである「第1フィルム(1)」、「2層フィルム(14)」、「第4フィルム(17)」が上記第1及び第2の発明の「一のフィルム」を構成し、上記各「一のフィルム」に貼り合わせられる「第2フィルム(9)」、「第3フィルム(15)」、「3層フィルム(16)」が上記第1及び第2発明の「他のフィルム」を構成している。
【0012】
第4に、上記第3のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、第1フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、第2フィルムはアルミニウム箔によるフィルム、第3フィルムはナイロンフィルム、第4フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0013】
第5に(図11参照)、上記第1又は第2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した4層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、ミシン目を刻設していない第1フィルム(1)のロール(1a)から該フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記第1フィルム(1)の一面(1’)に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面(1’)にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルム(1)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記一面(1’)に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12)を形成し、フィルムを貫通するミシン目(13)が刻設された第2フィルム(15)のロール(15a)から該第2フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第1フィルム(1)の上記ドライラミネート用接着剤層(12)が形成された上記一面に上記第2フィルム(15)を貼り合わせるべく、上記第1フィルム(1)の上記一面と上記第2フィルム(15)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過することによりミシン目付2層フィルム(30)を形成し、ミシン目を刻設していない第3フィルム(9)のロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第3フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第3フィルム(9)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第3フィルム(9)の上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12’)を形成し、ミシン目を刻設していない第4フィルム(17)のロール(17a)から該フィルムが引き出され、該第4フィルム(17)の一面を上記第3フィルム(9)の上記ドライラミネート用接着剤層(12’)に貼り合わせることによりミシン目の刻設されていない2層フィルム(31)を形成し、上記ミシン目の刻設されていない2層フィルム(31)のロール(31a)から該2層フィルムを引き出して上記塗布工程により上記ミシン目の刻設されていない2層フィルムの一面(9’)に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記ミシン目の刻設されていない2層フィルム(31)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記2層フィルム(31)の上記一面(9’)に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12”)を形成し、上記ミシン目付2層フィルム(30)のロール(30a)から該2層フィルムを引き出して、上記圧着工程により上記ミシン目の刻設されていない2層フィルム(31)の上記ドライラミネート用接着剤層(12”)が形成された上記一面(9’)に上記ミシン目付2層フィルム(30)のミシン目(13)が刻設された上記第2フィルム(15)の面を貼り合わせるべく、上記ミシン目の刻設されていない上記2層フィルム(31)と上記ミシン目付2層フィルム(30)の上記第2フィルム(15)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過させることにより4層フィルム(32)を形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0014】
本発明において、ドライラミネート用接着剤が塗布されるフィルムである「第1フィルム(1)」、「ミシン目を刻設していない第3フィルム(9)」、「ミシン目の刻設されていない2層フィルム(31)」が上記第1及び第2の発明の「一のフィルム」を構成し、上記各「一のフィルム」に貼り合わせられる「第2フィルム(15)」、「ミシン目を刻設していない第4フィルム(17)」、「ミシン目付2層フィルム(30)」が上記第1及び第2発明の「他のフィルム」を構成している。
【0015】
第6に、上記第5のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、第1フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、第2フィルムはナイロンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム、第3フィルムはアルミニウム箔によるフィルム、第4フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0016】
第7に(図6参照)、上記第1又は第2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した4層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、ミシン目を刻設していない第1フィルム(15)のロール(15a)から同フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記第1フィルム(15)の一面(15’)に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルム(15)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第1フィルム(15)の上記一面(15’)に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12)を形成し、ミシン目を刻設していない第2フィルム(9)のロール(9a)から同フィルムが引き出され、該第2フィルム(9)を上記第1フィルム(15)の上記接着剤層に貼り合わせる工程により2層フィルム(40)を形成し、上記2層フィルム(40)のロール(40a)から該2層フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記2層フィルム(40)の一面(40’)に上記接着剤塗布機の接着剤塗布用ローラ(5b)を接触させることにより当該一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記2層フィルム(40)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記2層フィルム(40)の上記一面(40’)に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12’)を形成し、フィルムを貫通するミシン目(13)が刻設された第3フィルム(1)のロール(1a)から該第3フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記2層フィルム(40)の上記ドライラミネート用接着剤層(12’)が形成された上記一面に上記第3フィルム(1)を貼り合わせるべく、上記2層フィルム(40)の上記一面と上記第3フィルム(1)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過させることにより3層フィルム(41)を構成し、上記3層フィルム(41)のミシン目が刻設されていない面に接着剤により第4フィルム(17)を貼り合わせて4層フィルム(42)を形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0017】
本発明において、ドライラミネート用接着剤が塗布されるフィルムである「第1フィルム(15)」、「2層フィルム(40)」が上記第1及び第2の発明の「一のフィルム」を構成し、上記「一のフィルム」に貼り合わせられる「第2フィルム(9)」、「ミシン目を刻設された第3フィルム(1)」が上記第1及び第2発明の「他のフィルム」を構成している。
【0018】
第8に、上記第7のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、第1フィルムはナイロンフィルム、第2フィルムはアルミニウム箔によるフィルム、第3フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、第4フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0019】
第9に(図12参照)、上記第1又は第2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した3層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、ミシン目を刻設していない第1フィルム(34)のロール(34a)から同フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第1フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルム(34)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12)を形成し、フィルムを貫通するミシン目(13)が刻設された第2フィルム(33)のロール(33a)から該第2フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第1フィルム(34)の上記ドライラミネート用接着剤層(12)が形成された上記一面に上記第2フィルム(33)を貼り合わせるべく、上記第1フィルム(34)の上記一面と上記第2フィルム(33)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過することによりミシン目付2層フィルム(35)を形成し、ミシン目を刻設していない第3フィルム(36)のロール(36a)から該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第3フィルム(36)の一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第3フィルム(36)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第3フィルム(36)の上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12’)を形成し、上記ミシン目付2層フィルム(35)の上記第1フィルム(34)面に上記第3フィルム(36)のドライラミネート用接着剤層(12’)が形成された上記一面を貼り合わせることにより3層フィルム(37)を形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0020】
本発明において、ドライラミネート用接着剤が塗布されるフィルムである「第1フィルム(34)」、「第3フィルム(36)」が上記第1及び第2の発明の「一のフィルム」を構成し、上記「一のフィルム」に貼り合わせられる「ミシン目の刻設された第2フィルム(33)」、「ミシン目付2層フィルム(35)」が上記第1及び第2発明の「他のフィルム」を構成している。
【0021】
第10に、上記第9のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、上記第1フィルムはアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム又は透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム又はバリア性ナイロンフィルムの内の何れか一つのフィルム、上記第2フィルムは二軸延伸ポリプロピレンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム又はナイロンフィルムの内の何れか一つのフィルム、上記第3フィルムはリニアローデンシティーポリエチレンフィルム又は無延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0022】
第11に(図13参照)、上記第1又は第2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した3層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、ミシン目を刻設していない第1フィルム(1)のロール(1a)から該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第1フィルム(1)の一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルム(1)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12)を形成し、フィルムを貫通するミシン目(13)が刻設された第2フィルム(15)のロール(15a)から該第2フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第1フィルム(1)の上記ドライラミネート用接着剤層(12)が形成された上記一面に上記第2フィルム(15)を貼り合わせるべく、上記第1フィルム(1)の上記一面と上記第2フィルム(15)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過させることによりミシン目付2層フィルム(38)を形成し、ミシン目を刻設していない第3フィルム(17)のロール(17a)から該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第3フィルム(17)の一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラ(5b)を接触させることにより上記第3フィルムの上記一面にドライラミネート用接着剤(6)を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第3フィルム(17)を通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第3フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層(12’)を形成し、上記ミシン目付2層フィルム(38)のロール(38a)から該2層フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第3フィルム(17)の上記ドライラミネート用接着剤層(12’)が形成された上記一面に上記ミシン目付2層フィルム(38)のミシン目が刻設された上記第2フィルム(15)の面を貼り合わせるべく、上記第3フィルム(17)のドライラミネート用接着剤層(12’)と上記ミシン目付2層フィルム(38)の上記第2フィルム(15)とが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ(11a,11b)間を通過させることにより3層フィルム(39)を形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0023】
本発明において、ドライラミネート用接着剤が塗布されるフィルムである「第1フィルム(1)」、「第3フィルム(17)」が上記第1及び第2の発明の「一のフィルム」を構成し、上記「一のフィルム」に貼り合わせられる「ミシン目の刻設された第2フィルム(15)」、「ミシン目付2層フィルム(38)」が上記第1及び第2発明の「他のフィルム」を構成している。
【0024】
第12に、上記第11のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、上記第1フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム又はナイロンフィルム又は透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの内の何れか一つのフィルム、上記第2フィルムはナイロンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム、上記第3フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティーポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法により構成される。
【0025】
従って、ミシン目の形成されたフィルムに対向するフィルム面に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層を形成する方法をとることにより、貼り合せ時にミシン目に接着剤が入り込んでミシン目の目詰まりが生ずることを効果的に防止し得る。また、このような製法によると、ミシン目による易開封性を損なうことなく、高温高圧下でのレトルト処理後も十分な強度及びバリア性を有するミシン目付包装用積層フィルムを製造することができる。
【0026】
また、乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層がミシン目の形成されたフィルムに対向するフィルム面に予め形成されているので、貼り合せ時にミシン目に接着剤が入り込んでミシン目の目詰まりが生ずる現象を防止できる。
【0027】
また、ミシン目による易開封性を損なうことなく、高温高圧下でのレトルト処理後も十分な強度及びバリア性を有するミシン目付包装用積層フィルムを得ることができる。
【0028】
また、高温高圧下でのレトルト処理後も十分な強度及びバリア性を有すると共に、ミシン目による易開封性の優れた包装用袋を実現し得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ミシン目の形成されたフィルムに対向するフィルム面に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層を形成する方法をとることにより、貼り合せ時にミシン目に接着剤が入り込んでミシン目の目詰まりが生ずることを効果的に防止し得る。
【0030】
また、ミシン目の形成されたフィルムと上記乾燥処理後の接着剤層が形成されたフィルムとを、一定の圧力で圧着する一対の圧着ローラ間を一定の速度で通過させて貼り合わせる方法をとることにより、接着剤の塗布量等の複雑な制御を必要とせず簡単な製造方法でありながら、ミシン目の目詰まりを防止し得て、開封性の良いミシン目付包装用積層フィルムを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係るミシン目付包装用積層フィルムを製造するための製造工程の説明図である。
【図2】同上フィルムを製造するための製造工程の説明図である。
【図3】同上フィルムを製造するための製造工程の説明図である。
【図4】同上フィルムの各製造工程の断面図であり、(イ)は2層フィルムの状態、(ロ)は3層フィルムの状態、(ハ)は4層フィルムの完成状態を示す。
【図5】(イ)、(ハ)は同上フィルムを構成するミシン目フィルムを示す図、(ロ)、(ニ)は同上フィルム2枚を重ね合わせた状態であり、密封位置を示す図である。
【図6】同上フィルムの他の実施形態の各製造工程の断面図であり、(イ)は2層フィルムの状態、(ロ)は3層フィルムの状態、(ハ)は4層フィルムの完成状態を示す。
【図7】同上フィルムを使用した包装用袋の斜視図である。
【図8】同上フィルムを使用した包装用袋の斜視図である。
【図9】同上フィルムを使用した包装用袋の密封状態の正面図である。
【図10】同上フィルムを使用した包装用袋の密封状態の縦断面概念図である。
【図11】同上フィルムの他の実施形態の各製造工程の断面図であり、(イ)は2層フィルムの状態、(ロ)は3層フィルムの状態、(ハ)は4層フィルムの完成状態を示す。
【図12】同上フィルムの他の実施形態の各製造工程の断面図であり、(イ)は2層フィルムの状態、(ロ)は3層フィルムの完成状態を示す。
【図13】同上フィルムの他の実施形態の各製造工程の断面図であり、(イ)は2層フィルムの状態、(ロ)は3層フィルムの完成状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明に係るミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を実施するための基本的な製造装置及び製造工程の一例を示すものである。
【0034】
同図において、1aは一のフィルム1(第1フィルム)を巻き取ったロールであり、ロール1aの固定軸2に回転自在に装着され、かつ矢印a方向にフィルム1が引き出されるように構成されている。
【0035】
3は接着剤塗布機であり、上記引き出されたフィルム1は案内ローラ4a,4bを介して当該接着剤塗布機3に案内される。上記接着剤塗布機3は、有機溶剤にて希釈されたドライラミネート用接着剤6を収容する槽7、該槽7内の接着剤6に浸された塗布ローラ5c、該塗布ローラ5cに接触して上記フィルム1の一面1’に上記接着剤6を塗布する接着剤塗布ローラ5b、上記フィルム1を案内する案内ローラ5aにより構成されている。そして、上記案内ローラ5aにより案内されたフィルム1の一面1’に上記塗布ローラ5bが接触することにより、同一面1’にドライラミネート用接着剤6が自動的に塗布されていくように構成されている(塗布工程)。上記接着剤塗布ローラ5bは上記フィルム1に接触する周面に多数の溝(凹部)が形成された版胴から構成されており、溝内の接着剤を上記フィルム1に転写し得るように構成されている。
【0036】
8は乾燥室であり、上記接着剤6の塗布された上記フィルム1は、案内ローラ4c,4dにより案内されながら上記乾燥室8内を矢印b方向に進行し、当該乾燥室8内において有機溶剤が飛ばされ、上記一面1’にドライラミネート用接着剤層12が形成される(乾燥工程)。
【0037】
9aは積層用の他のフィルム9(第2フィルム)を巻き取ったロールであり、ロール9aの固定軸10に回転自在に装着され、矢印b方向にフィルム9が引き出されるように構成されている。
【0038】
11は積層部であり、上記接着剤層12の形成された上記一のフィルム1(第1フィルム)と上記第2ロール9aから引き出された上記他のフィルム9(第2フィルム)とが接着される。上記フィルム9の一面9’に対して、上記フィルム1のドライラミネート用接着剤層12(一面1’)が接合するように、上記フィルム9及び上記フィルム1は互いに対向する圧着ローラ11a,11bとの間を通過し、これにより両フィルム1,9が圧着し2層の積層フィルム(2層フィルム)14が形成される(圧着工程)。この2層フィルム14は案内ローラ4eを介してロール14aとして固定軸19に巻き取られていく(矢印d方向)。
【0039】
次にこのように構成される製造工程において、レトルト食品包装用の4層のミシン目付包装用積層フィルム18(4層フィルム)(図4(ハ))の製造方法を以下説明する。
【0040】
図1において、まず、ロール1aとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム1(以下「PETフィルム1」という)からなる第1フィルムを巻き取ったロール1aを用意し、該ロール1aを固定軸2に回転自在に装着し、かつ矢印a方向にPETフィルム1を引き出していく。また、アルミニウム(Al)箔のフィルム9(以下「ALフィルム9」という)により構成された第2フィルムを巻き取ったロール9aを固定軸10に回転自在に装着し、そのALフィルム9を引き出してその端部を圧着ローラ11a,11b間に挟持しておく。
【0041】
上記ロール1aから引き出されたPETフィルム1は案内ローラ4a,4bを介して接着剤塗布機3に案内され、その一面1’に上記接着剤塗布ローラ5bが接触することにより、同一面1’にドライラミネート用接着剤6が自動的に塗布されていく(塗布工程)。
【0042】
そして上記接着剤6の塗布された上記PETフィルム1は、案内ローラ4c,4dにより案内されながら上記乾燥室8内を矢印b方向に進行し、当該乾燥室8内において有機溶剤が飛ばされ、上記一面1’に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12が形成され、引き続いて乾燥室8から上記圧着ローラ11a,11b間に移行していく(乾燥工程)。尚、上記乾燥室8内では、乾燥温度を3段階(入口付近(第1ゾーン8a)、中間付近(第2ゾーン8b)、出口付近(第3ゾーン8c))に分けて設定できるように構成されており、各乾燥温度は、例えば第1ゾーンでは60℃、第2ゾーンと第3ゾーンでは70℃とすることで、確実に接着剤を乾燥し得るように構成している。
【0043】
上記接着剤層12の形成されたPETフィルム(第1フィルム)1と上記ロール9aから引き出されたALフィルム9(第2フィルム)とが積層部11において接着される。このとき、上記ALフィルム9の一面9’に対して、上記PETフィルム1のドライラミネート用接着剤層12(一面1’)が接合するように、上記ALフィルム9及び上記PETフィルム1は互いに対向する圧着ローラ11a,11bとの間を通過し、これにより両フィルム1,9が圧着し、2層の積層フィルム(2層フィルム)14(図4(イ))が形成される(矢印d方向)。尚、上記圧着ローラの内圧着ローラ11aは約50℃に加熱されている。この2層フィルム14は案内ローラ4eを介してロール14aとして固定軸19に巻き取られていく。このとき、上記ALフィルム9が巻き取りの内側となるように巻き取られていく(図1、図4(イ)参照)。
【0044】
次に、図2に示すように、ナイロン(NY)フィルムから構成され、フィルムを貫通するミシン目が形成されたミシン目付ナイロンフィルム15(第3フィルム)のロール15aを固定軸10に回転自在に装着し、そのミシン目付ナイロンフィルム15を矢印b方向に引き出してその先端を圧着ローラ11a,11b間に挟着する。このミシン目付ナイロンフィルム15は図5(イ)に示すように、長手方向に対して直交する左右方向に一定間隔毎に直線的なミシン目13が刻設されており、又は図5(ハ)に示すように長手方向に対して平行な方向に一定間隔をおいて直線的な一対のミシン目13が刻設されているものであり、何れもナイロン(NY)フィルムにより形成されている。尚、以下の実施形態においては、ミシン目13は何れもフィルムを貫通して設けられている。
【0045】
また、固定軸2(図2)に上記工程により製造された2層フィルム14のロール14aを装着し、2層の積層フィルム(2層フィルム)14をALフィルム9が下面側(接着剤塗布機3側)となる状態で矢印a方向に引き出し、案内ローラ4a,4bを介して同様に接着剤塗布機3に移行させる。
【0046】
接着剤塗布機3では当該2層フィルム14の上記ALフィルム9の一面14’にドライラミネート用接着剤6が自動的に塗布され(塗布工程)、当該2層フィルム14は乾燥室8を経て溶剤が飛ばされ(乾燥工程)、上記ALフィルム9の一面14’に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12’が形成された状態で積層部11に至る。
【0047】
上記積層部11においては、上記2層フィルム14のドライラミネート用接着剤層12’の面に、上記ロール15aから引き出されたミシン目付ナイロンフィルム15が接合され、3層フィルム16が形成される(図4(ロ)、圧着工程)。そして、この状態で案内ローラ4eを介して固定軸19に巻き取られ(矢印d方向)、3層のロール16aが形成される。
【0048】
このように、接着剤塗布機3により、上記2層フィルム14の一面14’にドライラミネート用接着剤6を自動的に塗布し、上記3段階の乾燥工程を経て確実に乾燥処理された後のドライラミネート用接着剤層12’を形成し、その後、積層部11において当該一面14’にミシン目付ナイロンフィルム15を接着するように構成している。
【0049】
このとき、上記2層フィルム14と上記ミシン目付ナイロンフィルム15は、上記積層部11を通過する際に、上記フィルム14の接着剤層12’が一方の圧着ローラ11aにより加熱されることで圧着される。このとき、上記積層部11を通過する上記2層フィルム14と上記ミシン目付ナイロンフィルム15は、上記圧着ローラ11a,11bから均等(一定)な圧力(2層フィルムが圧着する方向の圧力:ニップ圧)(例えば約0.3Mpa)を受けながら、上記積層部11を約140[m/分]の高速度(一定速度)で通過し、また、上記ALフィルム9の乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12’は固形化されており流動性が非常に低い。よって、上記フィルム14は、上記圧着ローラ11aによって加熱されても接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。即ち、ミシン目を形成した第3フィルムとしてのミシン目付ナイロンフィルム15側には接着剤層を全く形成せず、当該ミシン目付ナイロンフィルム15に貼り付けられる相手方のフィルム(2層フィルム14のALフィルム9)に乾燥処理後の固形化されたドライラミネート用接着剤層12’を形成し、その後両フィルムを圧着して貼り付ける工程としたので、接着剤の塗布量の複雑な制御を必要とせず、ミシン目13の接着剤による目詰まりを防止し得る。上記接着剤の塗布量は、例えば、固形分含有率(塗布面積当たりの固形分重量)が2.0g/m〜4.5g/mの範囲内の何れかの量とすることができる。
【0050】
次に、図3に示すように、上記工程により製造された3層のロール16aを固定軸10に回転自在に装着し、3層の積層フィルム16(3層フィルム)をミシン目付ナイロンフィルム15が上面側となる状態で矢印b方向に引き出し、その端部を圧着ローラ11a,11b間に挟着しておく。上記ミシン目ナイロンフィルム15側が乾燥室8から送られてきたフィルムと接合されるように配置される。
【0051】
一方、固定軸2に無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム17(以下、「CPPフィルム17」という)又はリニアローデンシティポリエチレン(LLDPE)フィルム(以下、「LLDPEフィルム」という)からなる第4フィルムによるロール17aを装着し、当該ロール17aから上記CPPフィルム17(第4フィルム)を矢印a方向に引き出し、案内ロール4a,4bを介して同様に接着剤塗布機3に移行させる(塗布工程)。
【0052】
接着剤塗布機3では同様に当該CPPフィルム17の一面17’に接着剤6が塗布され、当該フィルム17は上記乾燥室8を経て溶剤が飛ばされ(乾燥工程)、上記一面17’に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12”が形成された状態で積層部11に至る。
【0053】
このとき、上記CPPフィルム17と上記ミシン目付の3層の積層フィルム16は、上記積層部11を通過する際に、上記フィルム17の接着剤層12’が一方の圧着ローラ11aにより加熱されることで圧着される(圧着工程)。このとき、上記積層部11を通過する上記CPPフィルム17と上記ミシン目付の3層フィルム16は、上記圧着ローラ11a,11bから均等(一定)な圧力(2層フィルムが圧着する方向の圧力:ニップ圧)(例えば約0.3Mpa)を受けながら、上記積層部11を約140[m/分]の高速度(一定速度)で通過し、また、上記CPPフィルム17の乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12’は固形化されており流動性が非常に低い。よって、上記フィルム17は、上記圧着ローラ11aによって加熱されても接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。このように、上記積層部11においては、上記CPPフィルム17(第4フィルム)のドライラミネート用接着剤層12”の面に、上記ロール16aから引き出された3層フィルム16のミシン目付ナイロンフィルム15の第3フィルムが接合され、4層フィルム18の状態(図4(ハ))で案内ローラ4eを介して固定軸19に巻き取られ、ロール18a’が形成される。このとき、接着剤塗布機3により、上記CPPフィルム17の一面17’にのみドライラミネート用接着剤6を塗布し、乾燥工程を経て乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12”が形成され、上記積層部11において当該一面17’にミシン目フィルム15を接着するように構成している。よって、上記乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12”は固形化されており流動性が非常に低いため、上記図2の場合と同様に、接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。
【0054】
即ち、ミシン目を形成した第3フィルムとしてのナイロンフィルム15(第3フィルム)側には接着剤層を全く形成せず、当該ミシン目付ナイロンフィルム15に貼り付けられる相手方のフィルム(CPPフィルム17)に乾燥処理後の固形化されたドライラミネート用接着剤層12”を形成し、その後両フィルムを圧着して貼り付ける工程としたので、接着剤の塗布量の複雑な制御を必要とせず、ミシン目13の接着剤による目詰まりを防止し得る。上記接着剤の塗布量は、上記と同様に例えば、固形分含有率(塗布面積当たりの固形分重量)が2.0g/m〜4.5g/mの範囲内の何れかの量とすることができる。
【0055】
以上の工程により、第1層フィルムがPETフィルム1(第1フィルム)、第2層フィルムがALフィルム9(第2フィルム)、第3層フィルムがミシン目13の形成されたナイロンフィルム15(第3フィルム)、第4層フィルムがCPPフィルム17(又はLLDPEフィルム)(第4フィルム)から構成された4層のミシン目付包装用積層フィルム18を形成することができる(図4(ハ)参照)。
【0056】
このように構成された積層フィルム18は、PETフィルム1の層(第1フィルム)が包装袋の最外部を構成することになるため、上記積層工程(図1〜図3)の前段において、その裏面1”に商品の図柄が予め印刷される。そして、図2の工程において、第1フィルム1の印刷図柄の位置(例えば、フィルム面に印刷された見当マーク)を光電変換器からなるスキャニングヘッド(図示せず)で検出することで、当該第1フィルム1の印刷図柄とミシン目付ナイロンフィルム15(第3フィルム)のミシン目の位置とを、正確に合せながら上記2層フィルム14と上記ミシン目付ナイロンフィルム15を貼り合わせるように構成することができる。
【0057】
このように構成された4層フィルム18の2枚を互いのミシン目13が対向しかつ各第1層フィルム(PETフィルム1による第1フィルム)が互いに外側に位置するように重ね合わせ(図5(ロ))、それらのフィルムの一袋に対応する切り離し単位の周縁の少なくとも3辺18a,18b,18cをヒートシール等の方法により密封し、最終的に単一のミシン目13を含む一袋の単位長さ(図5の矢印eの位置)で切断し、図7,図8,図9に示すようなレトルト食品用の包装用袋45を作成する。尚、包装袋のミシン目13に沿う端部に開封用ノッチ45aを設ける。
【0058】
或いは、図5(ニ)に示すように、4層フィルム18の2枚を互いのミシン目13が対向しかつ各第1層フィルム(PETフィルム1による第1フィルム)が互いに外側に位置するように重ね合わせ、それらのフィルムの一袋に対応する切り離し単位の周縁の少なくとも3辺18a,18b,18cをヒートシール等の方法により密封し、最終的に単一のミシン目13を含む一袋の単位(図5(ニ)の矢印eの位置)及びフィルムを左右に2分する中央位置e’で切断し、図7,図8,図9に示すようなレトルト食品用の包装用袋45を作成する。尚、この場合も、包装袋のミシン目13に沿う端部に開封用ノッチ45aを設ける。
【0059】
このように構成されたレトルト食品用の包装用袋45は、そのミシン目13内にドライラミネート用接着剤6が入り込んでいないので、開封性が良く、従ってレトルト処理後やボイル後の熱く濡れた状態においても易開封性が損なわれることなく、容易に開封することができる。
【0060】
また、ミシン目フィルムに対しては、貼り付ける相手側の面に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層を形成し、その後に両フィルムを貼り付ける構成としたので、接着剤の塗布量等の複雑な制御を必要とせず、簡単な構成でミシン目の目詰まりを防止し得る。
【0061】
また、接着剤塗布機3において接着剤6を塗布するフィルムは、ミシン目13の形成されていないフィルムのみであるため、接着剤6が案内ローラ5aの周側面に付着することはなく、案内ローラ5aに付着した接着剤の除去等の清掃作業を行う必要はない。
【0062】
図6に示すものは本発明の他の実施形態であり、ミシン目13を3層目ではなく、最外層(第1層)のPETフィルム1からなる第3フィルムに設けたものである。
【0063】
この積層フィルムを製造するには、図1の工程において、ミシン目を刻設していないナイロン(NY)フィルム15からなる第1フィルムのロール15aを固定軸2に回転自在に装着し、そのロール15aから同フィルム15を引き出して、接着剤塗布機3にてその一面15’に接着剤6を塗布し(塗布工程)、乾燥室8により接着剤6を乾燥させて溶剤を飛ばし(乾燥工程)、同ナイロンフィルム15の一面15’に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12を形成する。
【0064】
そして、ミシン目を刻設していないALフィルム9からなる第2フィルムのロール9aを固定軸10に回転自在に装着し、該ロール9aから同第2フィルムを引き出して該第2フィルムを上記ナイロンフィルム1(第1フィルム)の乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12に貼り合わせる工程により2層フィルム40を形成する(図6(イ))。次に、図2の工程において、上記2層フィルム40のロール40aを固定軸2に回転自在に装着し、該ロール40aから上記2層フィルム40を引き出してそのALフィルム9(第2フィルム)の一面40’に接着剤6を塗布し、乾燥室8により乾燥させて溶剤を飛ばし、2層フィルム40の一面40’(ALフィルム9の面)に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12’を形成する。
【0065】
そして、所定間隔毎にミシン目13を刻設したミシン目付PETフィルム1(第3フィルム)のロール1aを固定軸10(図2)に回転自在に装着し、該ロール1aから同フィルム1を引き出して、上記積層部11において、上記フィルム1をミシン目の刻設されていない上記2層フィルム40の上記接着剤層12’に貼り合わせる工程により3層フィルム41を構成する(図6(ロ)、圧着工程)。そして、この場合、上記3層フィルム41を、図2の矢印d’方向に導いて上記回転軸19に上記ミシン目13の刻設された上記第3フィルムが外側となるように巻き取って(図4の実施形態とは逆方向の巻き取り)、図6(ロ)の3層フィルム41のロール41aを形成する。
【0066】
このとき、上記2層フィルム40と上記ミシン目付PETフィルム1は、上記積層部11を通過する際に、上記フィルム40の接着剤層12’が一方の圧着ローラ11aにより加熱されることで圧着される。このとき、上記積層部11を通過する上記2層フィルム40と上記ミシン目付PETフィルム1は、上記圧着ローラ11a,11bから均等(一定)な圧力(両フィルムが圧着する方向の圧力:ニップ圧)(例えば約0.3Mpa)を受けながら、上記積層部11を約140[m/分]の高速度(一定速度)で通過し、また、上記2層フィルム40の乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12’は固形化されており流動性が非常に低い。よって、上記圧着ローラ11aによって加熱されても接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。
【0067】
次に、図3の工程において、上記3層フィルム41のロール41aを固定軸10に装着し、かつCPPフィルム17又はLLDPEフィルムからなる第4フィルムを固定軸2(図3)に装着し、同様の方法により、上記3層フィルム41のミシン目の刻設されていないナイロンフィルム1(第1フィルム)面にCPPフィルム17又はLLDPEフィルムからなる第4フィルムの乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12”の面を貼り合わせることにより4層フィルム42を製造する(図6(ハ))。
【0068】
以上の工程により、第1層フィルムがミシン目13の形成されたPETフィルム1(第3フィルム)、第2層フィルムがALフィルム9(第2フィルム)、第3層フィルム15がナイロンフィルム15(第1フィルム)、第4層フィルムがCPPフィルム17又はLLDPEフィルム(第4フィルム)から構成された4層のミシン目付包装用積層フィルム42を形成することができる(図6(ハ)参照)。
【0069】
このように構成された4層フィルム42は(図6(ハ))、PETフィルム1の第3フィルムが包装袋の最外部を構成し、ミシン目13が形成されると共に、その裏面1”に商品の図柄が予め印刷される。よって、上記積層工程(図1〜図3)の前段における上記第3フィルムの印刷工程の最終工程としてミシン目刻設工程を設けることができ、効率的な生産を行うことができるという効果を有する。
【0070】
このように構成された4層フィルム42の2枚を互いのミシン目13が対応しかつ各第1層フィルム(PETフィルム1による第3フィルム)が互いに外側に位置するように重ね合わせ(図5(ロ))、それらのフィルムの一袋に対応する切り離し単位の周縁の少なくとも3辺18a,18b,18cをヒートシール等の方法により密封すると共に、最終的に単一のミシン目13を含む一袋の切り離し単位長さ(図5の矢印eの位置)で切断し、図7,図8,図9に示すようなレトルト食品用の包装用袋45を同様に作成する。尚、包装袋のミシン目13に沿う端部に開封用ノッチ45aを設ける。
【0071】
或いは、上記と同様に、図5(ニ)に示すように、4層フィルム42の2枚を互いのミシン目13が対応するように互いに重ね合わせ、それらのフィルムの一袋に対応する切り離し単位の周縁の少なくとも3辺18a,18b,18cをヒートシール等の方法により密封し、最終的に図5(ニ)の矢印eの位置及びフィルムを左右に2分する中央位置e’で切断し、図7,図8,図9に示すようなレトルト食品用の包装用袋45を作成する。この場合も、包装袋のミシン目13に沿う端部に開封用ノッチ45aを設ける。
【0072】
このように構成されたレトルト食品用の包装用袋45は、そのミシン目13内に接着剤6が入り込んでいないので、開封性が良く、従ってレトルト処理後やボイル後の熱く濡れた状態においても容易に開封することのできる包装袋を実現し得る。
【0073】
また、上記図4の実施形態と同様に、ミシン目付PETフィルム1に対しては、貼り付ける相手側の面(ALフィルム9)に乾燥処理後の固形化されたドライラミネート用接着剤層12’を形成し、その後に両フィルムを圧着して貼り付ける構成としたので、接着剤がミシン目13内に流れ込むことがなく、接着剤の塗布量等の複雑な制御を必要とせず、簡単な構成でミシン目の目詰まりを防止し得る。
【0074】
また、この実施形態においても、接着剤塗布機3において接着剤6を塗布するフィルムは、ミシン目13の形成されていないフィルムのみであるため、接着剤6が案内ローラ5aの周側面に付着することはなく、案内ローラ5aに付着した接着剤の除去等の清掃作業を行う必要はない。
【0075】
さらに、本発明における他の実施形態のフィルムの製造方法について説明する。図11(ハ)は、4層の積層フィルム32であるが、図4、図6の積層フィルムと異なり第2層のナイロンフィルム15(第2フィルム)(又はPETフィルム)にミシン目13を設けたものである。以下、この積層フィルム32の製造方法を説明する。
【0076】
図1において、ロール1aとしてPETフィルム1からなる第1フィルムを巻き取ったロール1aを用意し、該ロール1aを固定軸2に回転自在に装着し、かつ矢印a方向に第1フィルムを引き出していく。また、ミシン目13が形成されたミシン目付ナイロンフィルム15(又はミシン目付PETフィルム)により構成された第2フィルムを巻き取ったロール15aを図1の固定軸10に回転自在に装着し、そのフィルム15を引き出してその端部を圧着ローラ11a,11b間に挟持する。
【0077】
上記ロール1aから引き出されたPETフィルム1(第1フィルム)は案内ローラ4a,4bを介して接着剤塗布機3に案内され、その一面1’に上記塗布ローラ5bが接触することにより、同一面1’にドライラミネート用接着剤6が自動的に塗布されていく(塗布工程)。そして上記接着剤6の塗布されたフィルム1は、案内ローラ4c,4dにより案内されながら上記乾燥室8内を矢印b方向に進行し、当該乾燥室8内において有機溶剤が飛ばされ(乾燥工程)、上記一面1’に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12が形成され、引き続いて乾燥室8から上記圧着ローラ11a,11b間に移行していく。
【0078】
上記接着剤層12の形成されたPETフィルム1(第1フィルム)と上記ロール15aから引き出されたミシン目付ナイロンフィルム15(第2フィルム)とが積層部11において圧着される(圧着工程)。このとき、上記ミシン目付ナイロンフィルム15の一面15’に対して、上記フィルム1の乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12(一面1’)が接合するように、上記フィルム15及び上記フィルム1は互いに対向する圧着ローラ11a,11bとの間を通過し、これにより両フィルム1,15が圧着し2層の積層フィルム(2層フィルム)30(図11(イ))が形成される。
【0079】
このとき、上記ミシン目付ナイロンフィルム15と上記PETフィルム1は、上記積層部11を通過する際に、上記フィルム1の接着剤層12が一方の圧着ローラ11aにより加熱されることで圧着される。このとき、上記積層部11を通過する上記両フィルム1,15は、上記圧着ローラ11a,11bから均等(一定)な圧力(両フィルムが圧着する方向の圧力:ニップ圧)(例えば約0.3Mpa)を受けながら、上記積層部11を約140[m/分]の高速度(一定速度)で通過し、また、上記PETフィルム1の乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12は固形化されており流動性が非常に低い。よって、上記フィルム1は、上記圧着ローラ11aによって加熱されても接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。この2層フィルム30は案内ローラ4eを介してロール30aとして固定軸19に巻き取られていく。このとき、ミシン目13の刻設されたミシン目付ナイロンフィルム15が巻き取りの内側となるように巻き取られていく(図1、図11(イ)参照)。
【0080】
この場合、上記図4、図6の実施形態と同様に、上記乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12は固形化されており流動性が非常に低いため、接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。即ち、ミシン目を形成した第2フィルムとしてのナイロンフィルム15(第2フィルム)側には接着剤層を全く形成せず、当該ミシン目付ナイロンフィルム15に貼り付けられる相手方のPETフィルム1(第1フィルム)のみに乾燥処理後の固形化されたドライラミネート用接着剤層12を形成し、その後両フィルムを圧着して貼り付ける工程としたので、接着剤の塗布量の複雑な制御を必要とせず、ミシン目13の接着剤による目詰まりを防止し得る。上記接着剤の塗布量は、上記実施形態と同様、例えば、固形分含有率(塗布面積当たりの固形分重量)が2.0g/m〜4.5g/mの範囲内の何れかの量とすることができる。
【0081】
次に、図2に示すように、ALフィルム9(第3フィルム)のロール9aを固定軸10に回転自在に装着し、そのフィルム9を矢印b方向に引き出してその先端を圧着ローラ11a,11b間に挟着する。また、固定軸2(図2)にCPPフィルム17(又はLLDPEフィルム)(第4フィルム)のロール17aを装着し、当該フィルム17を矢印a方向に引き出し、案内ロール4a,4bを介して同様に接着剤塗布機3及び乾燥室8を移行させ、当該CPPフィルム17に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12’を形成する。その後、上記積層部11において上記CPPフィルム17とALフィルム9による2層フィルム31を積層形成し、これら2層フィルム31(図11(ロ))が上記ALフィルム9を内側にした状態で固定軸19に巻き取られていく。
【0082】
次に、図3に示すように、上記工程により製造されたミシン目を有する2層フィルム30のロール30aを固定軸10に回転自在に装着し、ミシン目付ナイロンフィルム15の第1フィルムの接着されていない面15”が上面側となる状態で矢印b方向に引き出し、その端部を圧着ローラ11a,11b間に挟着しておく。上記ミシン目付ナイロンフィルム15の上記面15”側が乾燥室8から送られてきたALフィルム9と接合されるように配置される。
【0083】
さらに、固定軸2(図3)に上記CPPフィルム17(又はLLDPEフィルム)及びALフィルム9からなる2層フィルム31を装着し、ALフィルム9が接着剤塗布面(内側)となるように当該ロール31aから該フィルムを矢印a方向に引き出し、案内ローラ4a,4bを介して同様に接着剤塗布機3に移行させる。
【0084】
接着剤塗布機3では上記ALフィルム9の一面9’に接着剤6が自動的に塗布され(塗布工程)、当該フィルム9は乾燥室8を経て溶剤が飛ばされ(乾燥工程)、上記一面9’に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12”が形成された状態で積層部11に至る。
【0085】
上記積層部11においては、上記第3フィルム9のドライラミネート用接着剤層12”の面に、上記ロール30aから引き出された2層フィルム30のミシン目付ナイロンフィルム15の面15”が圧着接合され、4層フィルム32の状態(図11(ハ))で案内ローラ4eを介して固定軸19に巻き取られ、ロール32aが形成される(圧着工程)。
【0086】
このとき、上記ミシン目付2層フィルム30と上記2層フィルム31は、上記積層部11を通過する際に、上記フィルム31の接着剤層12”が一方の圧着ローラ11aにより加熱されることで圧着される。このとき、上記積層部11を通過する上記両フィルム30,31は、上記圧着ローラ11a,11bから均等(一定)なニップ圧(例えば約0.3Mpa)を受けながら、上記積層部11を約140[m/分]の高速度(一定速度)で通過し、また、上記フィルム31の乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12”は固形化されており流動性が非常に低い。よって、上記フィルム31の接着剤層12”は、上記圧着ローラ11aによって加熱されても接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。このとき、接着剤塗布機3により、上記ALフィルム9の一面9’のみにドライラミネート用接着剤6を塗布し、乾燥工程を経て乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層12”が形成され、積層部11において当該一面9’にミシン目フィルム15の面15”を接着するように構成しているため、接着剤6がミシン目13内に入り込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。
【0087】
即ち、上記図4、図6の実施形態と同様に、上記乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12”は固形化されており流動性が非常に低いため、接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。即ち、ミシン目を形成した第2フィルムとしてのナイロンフィルム15側には接着剤層を全く形成せず、当該ミシン目付ナイロンフィルム15に貼り付けられる相手方のPETフィルム1(第1フィルム)及びALフィルム9に乾燥処理後の固形化されたドライラミネート用接着剤層12,12”を形成し、その後両フィルムを圧着して貼り付ける工程としたので、接着剤の塗布量の複雑な制御を必要とせず、ミシン目13の接着剤による目詰まりを防止し得る。上記接着剤の塗布量は、上記実施形態と同様、例えば、固形分含有率(塗布面積当たりの固形分重量)が2.0g/m〜4.5g/mの範囲内の何れかの量とすることができる。
【0088】
上記の工程により製造された図11(ハ)の4層の積層フィルム32は、そのフィルム32の2枚を互いのミシン目13が対応しかつ各第1層フィルム(PETフィルム1による第1フィルム)が互いに外側に位置するように重ね合わせ(図5(ロ))、それらのフィルムの一袋に対応する切り離し単位の周縁の少なくとも3辺18a,18b,18cをヒートシール等の方法により密封すると共に、最終的に単一のミシン目13を含む一袋の切り離し単位長さ(図5の矢印eの位置)で切断し、図7,図8,図9に示すようなレトルト食品用の包装用袋45を同様に作成することができる。
【0089】
また、この実施形態においても、接着剤塗布機3において接着剤6を塗布するフィルムは、ミシン目13の形成されていないフィルムのみであるため、接着剤6が案内ローラ5aの周側面に付着することはなく、案内ローラ5aに付着した接着剤の除去等の清掃作業を行う必要はない。
【0090】
次に図12(ロ)に示す本発明における他の実施形態の3層フィルム37の製造方法について説明する。
【0091】
この場合、図1の回転軸2にミシン目の刻設されていないアルミ蒸着PETフィルム34(第1フィルム)のロール34aを設置し、同図の回転軸10にミシン目13の刻設された二軸延伸ポロプロピレン(OPP)フィルム33(以下、「ミシン目付OPPフィルム33」という)(第2フィルム)のロール33aを設置することで、上記ミシン目13の形成された2層のフィルム35を上記と同様の方法で形成し、その後、ミシン目の刻設されていないLLDPEフィルム36(第3フィルム)のロール36aを図2の回転軸2に設置して、当該LLDPEフィルム36(第3フィルム)の一面に接着剤層12’を形成するように構成し、そして、上記ミシン目付2層フィルム35を図2の回転軸10に設置することで、当該ミシン目付2層フィルム35のアルミ蒸着PETフィルム34(第1フィルム)の一面34’に上記LLDPEフィルム36(第3フィルム)を接着して、ミシン目付の3層のフィルム37を形成することができる(図12(ロ))。
【0092】
この場合も、アルミ蒸着PETフィルム34の面に乾燥したドライラミネート用接着剤層12を形成し、上記積層部11の圧着工程にて上記と同様の条件(同様のニップ圧、速度、圧着ロールの加熱温度)で当該乾燥処理後の固形化された接着剤層12にミシン目付OPPフィルム33を圧着するように構成したので、接着剤によるミシン目の見詰まりを抑制し得て、開封性の良いフィルムを製造することができる。
【0093】
このように、上記図12の積層フィルム37も上記図4、図6の実施形態と同様に、上記乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12は固形化されており流動性が非常に低いため、接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。即ち、ミシン目を形成した第1フィルムとしてのOPPフィルム33側には接着剤層を全く形成せず、相手方のアルミ蒸着PETフィルム34(第1フィルム)に乾燥処理後の固形化されたドライラミネート用接着剤層12を形成し、その後両フィルムを圧着して貼り付ける工程としたので、接着剤の塗布量の複雑な制御を必要とせず、ミシン目13の接着剤による目詰まりを防止し得る。上記接着剤の塗布量は、上記実施形態と同様、例えば、固形分含有率(塗布面積当たりの固形分重量)が2.0g/m〜4.5g/mの範囲内の何れかの量とすることができる。
【0094】
尚、上記第1フィルムとしてのアルミ蒸着PETフィルム34は、透明蒸着PETフィルム又はバリア性ナイロンフィルムの何れかであっても良い。また、上記第2フィルムとしてのミシン目付OPPフィルム33は、PETフィルム又はナイロンフィルムの何れかであっても良い。また、上記第3フィルムとしてのLLDPEフィルム36はCPPフィルムであっても良い。そして、上記第1フィルム乃至第3フィルムは、各々上記の何れか一の材質を選択することによる組み合わせにて構成することができる。例えば、第1フィルムが透明蒸着PETフィルム、第2フィルムがミシン目付PETフィルム、第3フィルムがCPPフィルムによる構成、或いは、第1フィルムがバリア性ナイロンフィルム、第2フィルムがナイロンフィルム、第3フィルムがLLDPEフィルム等である。
【0095】
上記3層フィルム37で包装袋を構成する場合は、当該フィルム37の2枚を上記LLDPEフィルム36(第3フィルム)が互いに対向し、ミシン目付OPPフィルム33(第2フィルム)が外側となるように重ね合わせ、3方をシールすることにより図7〜図9に示す包装袋を構成することができる。
【0096】
次に図13(ロ)に示す本発明における他の実施形態の3層フィルム39の製造方法について説明する。
【0097】
この場合、図1の回転軸2にミシン目の形成されていないPETフィルム1(第1フィルム)のロール1aを設置し、当該PETフィルム1の面に接着剤層12を形成し、同図の回転軸10にミシン目13の刻設されたミシン目付ナイロンフィルム15(第2フィルム)のロール15aを設置し、上記PETフィルム1に形成された上記乾燥処理後の接着剤層12に上記ミシン目付ナイロンフィルム15を圧着することで、ミシン目13の形成された2層のフィルム38を形成し、その後、当該2層フィルム38のロール38aを図2の回転軸10に設置して、ミシン目13の形成されたナイロンフィルム15の一面15’が上面側となるように矢印b方向に引き出して圧着ローラ11a,11b間に挟持する。一方、CPPフィルム17(第3フィルム)を図2の回転軸2に設置して当該フィルム17の一面に接着剤層12’を構成し、上記積層部11にて上記CPPフィルム17の乾燥処理後の接着剤層12’に、上記積層部11の圧着工程にて、上記ミシン目付ナイロンフィルム15の一面15’を上記と同様の条件(ニップ圧、速度、圧着ロールの加熱温度)にて圧着することで、上記2層フィルム38と上記CPPフィルム17を接着して3層フィルム39を形成することができる。
【0098】
この場合も、ミシン目付ナイロンフィルム15の両側に接着されるPETフィルム1、及びCPPフィルム17の面に乾燥したドライラミネート用接着剤層12,12’を形成し、当該乾燥処理後の固形化された接着剤層12、12’の各々にミシン目付ナイロンフィルム15を圧着するように構成したので、接着剤によるミシン目13の見詰まりを抑制し得て、開封性の良いフィルムを製造することができる。
【0099】
このように、上記図13の積層フィルムも上記図4、図6の実施形態と同様に、上記乾燥処理後の上記ドライラミネート用接着剤層12,12’は固形化されており流動性が非常に低いため、接着剤6がミシン目13内に流れ込んでミシン目13を埋めてしまうことはない。即ち、ミシン目を形成した第2フィルムとしてのナイロンフィルム15側には接着剤層を全く形成せず、相手方のPETフィルム1(第1フィルム)及びCPPフィルム17(第3フィルム)に乾燥処理後の固形化されたドライラミネート用接着剤層12,12’を形成し、その後両フィルムを圧着して貼り付ける工程としたので、接着剤の塗布量の複雑な制御を必要とせず、ミシン目13の接着剤による目詰まりを防止し得る。
【0100】
尚、上記第1フィルムとしてのPETフィルム1は、ナイロンフィルム又は透明蒸着PETフィルムの何れかであっても良い。また、上記第2フィルムとしてのナイロンフィルム15は、PETフィルムであっても良い。また、上記第3フィルムとしてのCPPフィルム17はLLDPEフィルムであっても良い。そして、上記第1フィルム乃至第3フィルムは、各々何れか一の材質を選択することによる組み合せにて構成することができる。例えば、第1フィルムがナイロンフィルム、第2フィルムがミシン目付PETフィルム、第3フィルムがLLDPEフィルムによる構成、或いは、第1フィルムが透明蒸着PETフィルム、第2フィルムがPETフィルム、第3フィルムがCPPフィルム等である。
上記3層フィルム39で包装袋を構成する場合は、当該フィルム39の2枚を上記CPPフィルム17(第3フィルム)が互いに対向し、PETフィルム1(第1フィルム)が外側となるように重ね合わせ、3方をシールすることにより図7〜図9の包装袋を構成することができる。
【0101】
上記図12、図13の実施形態における上記接着剤の塗布量は、上記他の実施形態と同様、例えば、固形分含有率(塗布面積当たりの固形分重量)が2.0g/m〜4.5g/mの範囲内の何れかの量とすることができる。
【0102】
また、上記図12、図13の実施形態においても、接着剤塗布機3において接着剤6を塗布するフィルムは、ミシン目13の形成されていないフィルムのみであるため、接着剤6が案内ローラ5aの周側面に付着することはなく、案内ローラ5aに付着した接着剤の除去等の清掃作業を行う必要はない。
【0103】
以上のように本発明によれば、高温高圧下でのレトルト処理後も十分な強度及びバリア性を有すると共に、ミシン目による易開封性の優れたミシン目付包装用積層フィルム、その製造方法、及びそのフィルムを用いた包装用袋を実現し得るものである。
【0104】
このように、本発明によれば、ミシン目の形成されたフィルムに対向するフィルム面に乾燥処理後のドライラミネート用接着剤層を形成する方法をとることにより、貼り合せ時にミシン目に接着剤が入り込んでミシン目の目詰まりが生ずることを効果的に防止し得る。
【0105】
また、ミシン目の形成されたフィルムと上記乾燥処理後の接着剤層が形成されたフィルムとを、一定の圧力で圧着する一対の圧着ローラ間を一定の速度で通過させるという貼り合わせ方法をとることにより、接着剤の塗布量等の複雑な制御を必要とせず簡単な製造方法でありながら、ミシン目の目詰まりを防止し得て、開封性の良いミシン目付包装用積層フィルムを製造することができる。
【0106】
また、塗布工程においては、フィルムを貫通するミシン目を有するフィルムに接着剤を塗布することはないので、接着剤塗布ローラ5bがフィルムのミシン目を介して浸透する接着剤により汚れることはない。
【0107】
また、レトルト食品用の包装用袋として用いた場合に、レトルト処理後やボイル後等の熱く濡れた状態においても、開封性が損なわれない包装袋を実現することができる。
【0108】
また、高温高圧下でのレトルト処理後も十分な強度及びバリア性を有すると共に、ミシン目による易開封性の優れた包装用袋を実現し得る。
【実施例】
【0109】
図4に示す4層の積層フィルム18(表1に各フィルムの厚さを示す)を図1乃至図3に示す上記製造方法により製造した。
【0110】
【表1】

【0111】
ドライラミネート用接着剤の塗布量は、ドライラミネート用接着剤層12’,12”ともに、固形分含有率(塗布面積当たりの固形分重量)が、各々2.0g/m(実施例1)、3.0g/m(実施例2)、4.5g/m(実施例2)の3種類とし、各3種類の塗布量にて3種類の積層フィルム18を製造した。
【0112】
加工条件としての、乾燥室8の乾燥温度、積層部11を通過するフィルムの速度、積層部11の圧着ローラ11a,11bの圧着の圧力(ニップ圧)、圧着ロール11aの加熱温度を表2に示す(本実施例の条件については表2の「実施例」の欄参照)。
【0113】
【表2】

【0114】
尚、ドライラミネート用接着剤の塗布量は、接着剤塗布機3において接着剤塗布ローラ5bの周面の溝(凹部)の深さを変化させることにより、上記2.0g/m,3.0g/m,4.5g/mの3種類の塗布量を実現した。上記ニップ圧は一方の圧着ローラ11bを回転軸に直交する方向に移動可能とし、押圧力調整装置にて上記圧着ローラ11bを他方の圧着ローラ11a方向に移動させることにより調整を行った。また、フィルム速度はフィルムを走行させる駆動モータの速度を速度制御装置にて可変制御することにより行った。
【0115】
上記実施例の条件にて製造した4層の積層フィルム18を使用して、図7の包装用袋45を製造し、各フィルムのラミネート強度(N/15mm)と、各包装袋19のミシン目13に沿った引き裂き開封性としての引き裂き強度(N)を測定した。その測定結果及び評価を表3に示す。
【0116】
【表3】

【0117】
上記測定の結果、実施例1,2,3何れの積層フィルムもラミネート強度及びミシン目引き裂強度共に良好であった。
【0118】
尚、乾燥温度、フィルム速度、ニップ圧、圧着ロールの加熱温度共に、上記表2の「効果が得られる範囲」の数値範囲内、好ましくは、表2の「好ましい範囲」内の数値であれば、同様の効果が得られることがわかった。
【0119】
このように、本発明の製造方法によれば、ミシン目の形成されたフィルムと上記乾燥処理後の接着剤層が形成されたフィルムとを、一定の圧力で圧着する一対の圧着ローラ11a,11b間を一定の高速度で通過させて自動的に貼り合わせる方法をとることにより、接着剤の塗布量等の複雑な制御を必要とせず簡単な製造方法でありながら、ミシン目の目詰まりを防止し得て、開封性の良いミシン目付包装用積層フィルムを製造することができる。
【0120】
また、接着剤がミシン目に流入してミシン目の目詰まりを生じることがないため、ドライラミネート用接着剤層の固形分含有率は2.0g/m〜4.5g/mの範囲内の量であればよく、正確な接着剤の塗布量の制御を行うことなく、易開封性の優れたミシン目付包装用積層フィルムを簡易に製造することができるという効果を有する。
【0121】
特に、ドライラミネート用接着剤層の固形分含有率が3.5g/m〜4.5g/mであってもミシン目引き裂き強度が強くなりすぎることはなく、良好な結果が得られた(表3参照)。従って、本発明のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法によれば、ドライラミネート用接着剤の塗布量の正確な制御を行う必要がなく、上記接着剤の塗布量が多くなっても(固形分含有率が3.5g/m〜4.5g/mの範囲であっても)良好なミシン目引き裂き性を維持できるという効果がある。
【0122】
尚、図6、図11、図12、図13の積層フィルムにおいて上記と同様の条件にて実験したところ、上記と同様の良好なラミネート強度及び開封性が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、高温高圧下でのレトルト処理後およびホイル処理後の熱い状態や濡れた状態でも円滑かつ確実に開封することができ、さらに高温高圧下でのレトルト処理後も十分な強度及びバリア性を有するため、主にレトルト食品等の包装用フィルム、レトルト食品等の包装用袋として広く適用し得るものである。
【符号の説明】
【0124】
1 PETフィルム
1a ロール
1’ 一面
5b 接着剤塗布ローラ
6 ドライラミネート用接着剤
8 乾燥室
9 ALフィルム
11a,11b 圧着ローラ
12,12’,12” ドライラミネート用接着剤層
14 2層フィルム
14’ 一面
14a ロール
15 ナイロンフィルム
15a ロール
16 3層フィルム
17 CPPフィルム
17a ロール
17’ 一面
18 4層フィルム
30 ミシン目付2層フィルム
31 2層フィルム
31a ロール
32 4層フィルム
33 OPPフィルム
33a ロール
34 アルミ蒸着PETフィルム
34a ロール
35 2層フィルム
36 LLDPEフィルム
36a ロール
37 3層フィルム
38 ミシン目付2層フィルム
38a ロール
39 3層フィルム
40 2層フィルム
40a ロール
40’ 一面
41 3層フィルム
42 4層フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン目を刻設していない一のフィルムのロールから該フィルムが引き出され、その一のフィルムの一面に接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより、当該一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布する塗布工程と、
乾燥室内に上記接着剤を塗布した上記一のフィルムを導入し、該乾燥室内を通過させることにより上記接着剤を乾燥させて上記一のフィルムの一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成する乾燥工程と、
フィルムを貫通するミシン目が刻設されたミシン目付の他のフィルムのロールから該他のフィルムが引き出され、上記一のフィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に、上記他のフィルムの上記ミシン目が形成された面を貼り合わせるべく、上記一のフィルムの上記一面と上記他のフィルムの上記ミシン目が形成された面とが対向した状態で両フィルムを一対の圧着ローラ間を通過させて積層フィルムを形成する工程であって、上記一対の圧着ローラの一方は加熱されており、上記一対の圧着ローラは互いに一定の圧力で圧着された状態であり、上記圧着ローラ間を、上記一のフィルムと上記他のフィルムとを一定速度で通過させる圧着工程と、
を含むことを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項2】
上記一対の圧着ローラの圧力は0.1(Mpa)〜0.6(Mpa)の範囲内の一定圧力であり、上記圧着ローラ間を通過する速度は80(m/分)〜180(m/分)の範囲内の一定速度である請求項1記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した4層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、
ミシン目を刻設していない第1フィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第1フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第1フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
ミシン目を刻設していない第2フィルムのロールから該フィルムが引き出され、該第2フィルムの一面を上記第1フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層に貼り合わせることにより2層フィルムを形成し、
上記2層フィルムのロールから該2層フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記2層フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記2層フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記2層フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
フィルムを貫通するミシン目が刻設された第3フィルムのロールから該第3フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記2層フィルムの上記ドライラミネート接着剤層が形成された上記一面に上記第3フィルムを貼り合わせるべく、上記2層フィルムの上記一面と上記第3フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過させることにより3層フィルムを形成し、
ミシン目を刻設していない第4フィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程によりその一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより当該第4フィルムの一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第4フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第4フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
上記3層フィルムのロールから該3層フィルムを引き出して、上記圧着工程により上記第4フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に上記3層フィルムのミシン目が刻設された上記第3フィルムの面を貼り合わせるべく、上記第4フィルムと上記3層フィルムの上記第3フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過させることにより4層フィルムを形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項4】
請求項3記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、第1フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、第2フィルムはアルミニウム箔によるフィルム、第3フィルムはナイロンフィルム、第4フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した4層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、
ミシン目を刻設していない第1フィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記第1フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
フィルムを貫通するミシン目が刻設された第2フィルムのロールから該第2フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第1フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に上記第2フィルムを貼り合わせるべく、上記第1フィルムの上記一面と上記第2フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過することによりミシン目付2層フィルムを形成し、
ミシン目を刻設していない第3フィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第3フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第3フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第3フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
ミシン目を刻設していない第4フィルムのロールから該フィルムが引き出され、該第4フィルムの一面を上記第3フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層に貼り合わせることによりミシン目の刻設されていない2層フィルムを形成し、
上記ミシン目の刻設されていない2層フィルムのロールから該2層フィルムを引き出して上記塗布工程により上記ミシン目の刻設されていない2層フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記ミシン目の刻設されていない2層フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記2層フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
上記ミシン目付2層フィルムのロールから該2層フィルムを引き出して、上記圧着工程により上記ミシン目の刻設されていない2層フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に上記ミシン目付2層フィルムのミシン目が刻設された上記第2フィルムの面を貼り合わせるべく、上記ミシン目の刻設されていない上記2層フィルムと上記ミシン目付2層フィルムの上記第2フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過させることにより4層フィルムを形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項5記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、第1フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、第2フィルムはナイロンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム、第3フィルムはアルミニウム箔によるフィルム、第4フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項7】
請求項1又は2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した4層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、
ミシン目を刻設していない第1フィルムのロールから同フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記第1フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第1フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
ミシン目を刻設していない第2フィルムのロールから同フィルムが引き出され、該第2フィルムを上記第1フィルムの上記接着剤層に貼り合わせる工程により2層フィルムを形成し、
上記2層フィルムのロールから該2層フィルムが引き出され、上記塗布工程により上記2層フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより当該一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記2層フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記2層フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
フィルムを貫通するミシン目が刻設された第3フィルムのロールから該第3フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記2層フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に上記第3フィルムを貼り合わせるべく、上記2層フィルムの上記一面と上記第3フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過させることにより3層フィルムを構成し、
上記3層フィルムのミシン目が刻設されていない面に接着剤により第4フィルムを貼り合わせて4層フィルムを形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項8】
請求項7記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、第1フィルムはナイロンフィルム、第2フィルムはアルミニウム箔によるフィルム、第3フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、第4フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項9】
請求項1又は2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した3層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、
ミシン目を刻設していない第1フィルムのロールから同フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第1フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
フィルムを貫通するミシン目が刻設された第2フィルムのロールから該第2フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第1フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に上記第2フィルムを貼り合わせるべく、上記第1フィルムの上記一面と上記第2フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過することによりミシン目付2層フィルムを形成し、
ミシン目を刻設していない第3フィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第3フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第3フィルムを通過させて上記接着剤を乾燥させて上記第3フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
上記ミシン目付2層フィルムの上記第1フィルム面に上記第3フィルムのドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面を貼り合わせることにより3層フィルムを形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項10】
請求項9記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、上記第1フィルムはアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム又は透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム又はバリア性ナイロンフィルムの内の何れか一つのフィルム、上記第2フィルムは二軸延伸ポリプロピレンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム又はナイロンフィルムの内の何れか一つのフィルム、上記第3フィルムはリニアローデンシティーポリエチレンフィルム又は無延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項11】
請求項1又は2記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法を使用した3層のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法であって、
ミシン目を刻設していない第1フィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第1フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第1フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
フィルムを貫通するミシン目が刻設された第2フィルムのロールから該第2フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第1フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に上記第2フィルムを貼り合わせるべく、上記第1フィルムの上記一面と上記第2フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過させることによりミシン目付2層フィルムを形成し、
ミシン目を刻設していない第3フィルムのロールから該フィルムが引き出され、上記塗布工程により、上記第3フィルムの一面に上記接着剤塗布機の接着剤塗布ローラを接触させることにより上記一面にドライラミネート用接着剤を自動的に塗布し、その後、上記乾燥工程により上記乾燥室内に上記第3フィルムを通過させ上記接着剤を乾燥させて上記第3フィルムの上記一面に固形化されたドライラミネート用接着剤層を形成し、
上記ミシン目付2層フィルムのロールから該2層フィルムが引き出され、上記圧着工程により上記第3フィルムの上記ドライラミネート用接着剤層が形成された上記一面に上記ミシン目付2層フィルムのミシン目が刻設された上記第2フィルムの面を貼り合わせるべく、上記第3フィルムのドライラミネート用接着剤層と上記ミシン目付2層フィルムの上記第2フィルムとが互いに対向した状態で上記一対の圧着ローラ間を通過させることにより3層フィルムを形成することを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項12】
請求項11記載のミシン目付包装用積層フィルムの製造方法において、上記第1フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム又はナイロンフィルム又は透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムの内の何れか一つのフィルム、上記第2フィルムはナイロンフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルム、上記第3フィルムは無延伸ポリプロピレンフィルム又はリニアローデンシティーポリエチレンフィルムであることを特徴とするミシン目付包装用積層フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−171312(P2012−171312A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38025(P2011−38025)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(591230664)丸東産業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】