説明

ミョウガの養液栽培装置

【課題】簡単な構造の水平栽培台を使用して、ミョウガが大きく成長しても栽培トレイを水平に支持する。
【解決手段】ミョウガの養液栽培装置は、培地4を上に載せる栽培トレイ1を、水平栽培台26に所定の間隔で平行に配設している縦パイプ27の上に載せている。栽培トレイ1は発泡スチロールで、底プレート7の両側縁に沿って側壁6を設けており、底プレート7の上面には、両側に設けた側溝11と、中間に設けた中央溝12を備え、底プレート7の下面には、側溝11と中央溝12の間に位置して下面凹部14を設け、側溝11の下方に側部リブ17Bを、中央溝12の下方に中央リブ17Aを設けて、下面を所定幅の平坦面とする縦リブ17を設けている。養液栽培装置は、中央リブ17Aの下面を、1本又は2本の縦パイプ27の上に、両側の側部リブ17Bの下面を各々1本の縦パイプ27の上に載せて栽培トレイ1を水平栽培台26の上に配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミョウガを植え付けする培地に養液を供給してミョウガを生育させるミョウガの養液栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミョウガを養液栽培する装置は開発されている。(特許文献1参照)
この公報に記載される栽培装置を図1に示す。この装置は、養液30を充填しているトレイ31に所定の厚さのロックウール32を敷き、ロックウール32の上に根切りシート33を積層して、根切りシート33の上に培地34を積層する。トレイ31の養液30は、ロックウール32の下部を浸漬して、根切りシート33を浸漬しないレベルにコントロールされる。
【0003】
この公報に記載される栽培装置は、生育させるミョウガ等の植物が病気になりやすく、また設備コストが非常に高価となる欠点がある。植物が病気になりやすいのは、トレイに養液を貯溜するので、これが汚れたり腐敗するからである。また、栽培装置が高価になるのは、養液を貯溜するためにトレイを水漏れしない構造とし、さらに、トレイには厚いロックウールを敷設し、さらに、このロックウールの下部のみを養液に浸漬するように、養液レベルを正確にコントロールするからである。
【0004】
本発明者はこの欠点を解消することを目的として、独得の構造の養液栽培装置を開発した。この養液栽培装置は、栽培トレイを上方開口の溝形とすることに加えて、栽培トレイの底プレートの上面には、両側に側溝を、中央に中央溝を設けて、側溝と中央溝からなる3列の排水溝を設けている。この構造の養液栽培装置は、培地に養液を供給して保水させる。余分の養液は培地を透過して、側溝と中央溝の排水溝から排水する。
【0005】
この構造の養液栽培装置は、培地を養液に浸漬しないので、ミョウガの病気を少なくできる。ただ、この構造の栽培トレイは、3列の排水溝を設けるために、厚く成形する必要がある。排水溝の底面を閉塞し、さらに排水溝の部分にも充分な強度とするからである。厚く成形される栽培トレイは、原料の使用量が多くなって製造コストが高くなる欠点がある。原料の使用量は、底プレートに凹部を設けて少なくできる。ただ、底プレートに凹部を設けている栽培トレイは、水平栽培台に載せてミョウガを栽培すると、ミョウガが大きく成長するにしたがって、栽培トレイが変形して水平に保持できなくなる欠点がある。それは、凹部によって水平栽培台と栽培トレイとの接触面積が小さくなるために、栽培トレイの接触部分がミョウガと培地の荷重で押し潰されて変形するからである。この欠点は、水平栽培台の上に、鉄板等の変形しないプレートを固定して解消できる。ただ、この構造にすると水平栽培台のコストが高くなる欠点がある。
【特許文献1】特開平11−318244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のミョウガの養液栽培装置が有する以上の欠点を解決することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、栽培トレイの製造コストを低減すると共に、簡単な構造の水平栽培台を使用しながら、ミョウガが大きく成長しても栽培トレイを水平に支持できるミョウガの養液栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のミョウガの養液栽培装置は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
ミョウガの養液栽培装置は、ミョウガを生育させる所定の厚さと幅の培地4と、この培地4を上に載せる栽培トレイ1とを備える。養液栽培装置は、栽培トレイ1を、水平栽培台26に設けている所定の間隔で互いに平行に配設している3本又は4本の縦パイプ27の上に載せ、この栽培トレイ1に培地4を配置し、培地4に養液20を供給してミョウガを栽培するようにしている。栽培トレイ1は発泡スチロールである。この栽培トレイ1は、底プレート7の両側縁に沿って側壁6を設けて断面形状を溝形としている。さらに、栽培トレイ1は、底プレート7の上面に、両側に設けた側溝11と、側溝11の間に設けた中央溝12からなる排水溝9を縦に伸びる姿勢で設けている。さらに、栽培トレイ1は、底プレート7の下面に、側溝11と中央溝12の間に位置するように、下面凹部14を設けて、側溝11の下方に側部リブ17Bを、中央溝12の下方に中央リブ17Aを設けて、側部リブ17Bと中央リブ17Aとからなる下面を所定幅の平坦面とする縦リブ17を設けている。養液栽培装置は、中央リブ17Aの下面を、1本又は2本の縦パイプ27の上に、両側の側部リブ17Bの下面を各々1本の縦パイプ27の上に載せ、縦リブ17を、水平栽培台26の3本又は4本の縦パイプ27の上に載せて、栽培トレイ1を水平栽培台26の上に配置している。
【0008】
本発明のミョウガの養液栽培装置は、中央リブ17Aに、両側に突出して載せランド19を所定の間隔で設けると共に、載せランド19を有する中央リブ17Aの下面を同一平面に位置する平坦面とし、この中央リブ17Aを、1本又は2本の縦パイプ27の上に載せて、水平栽培台26に栽培トレイ1を水平に配置することができる。
【0009】
本発明のミョウガの養液栽培装置は、中央リブ17Aを、1本又は2本の縦パイプ27の上に載せるように側部リブ17Bよりも幅広に成形しており、幅広の中央リブ17Aを、1本又は2本の縦パイプ27の上に載せ、両側の側部リブ17Bを各々1本の縦パイプ27の上に載せて、水平栽培台26に栽培トレイ1を水平に配置することができる。
【0010】
本発明のミョウガの養液栽培装置は、側部リブ17Bに、中央リブ17Aとの対向側縁に突出して載せランド19を所定の間隔で設けることができる。
【0011】
本発明のミョウガの養液栽培装置は、培地4の下に、ミョウガの根が通過するのを阻止して水を通過させる根切りシート3を配設し、さらに、この根切りシート3の下に、培地4に水を供給する保水シート5を積層し、またこの保水シート5の下に下地フィルム2を積層することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のミョウガの養液栽培装置は、栽培トレイの製造コストを低減し、さらに、簡単な構造の水平栽培台を使用して、ミョウガが大きく成長しても栽培トレイを水平に支持できる特徴がある。それは、本発明の養液栽培装置が、栽培トレイを発泡スチロールで成形すると共に、この栽培トレイの底プレートの上面には、両側の側溝と、側溝の間の中央溝からなる排水溝を設け、また底プレートの下面には、側溝と中央溝の間に位置するように、下面凹部を設けて、側溝の下方には側部リブを、中央溝の下方には中央リブを設けて、側部リブと中央リブとからなる縦リブはその下面を所定幅の平坦面としており、中央リブの下面を、1本又は2本の縦パイプの上に、両側の側部リブの下面を各々1本の縦パイプに載せて、縦リブを、水平栽培台の3本又は4本の縦パイプの上に載せて、栽培トレイを水平栽培台の上に配置しているからである。
【0013】
本発明の請求項2の養液栽培装置は、中央リブが、両側に突出する載せランドを所定の間隔で設けており、載せランドのある中央リブの下面を同一平面に位置する平坦面として、この中央リブを、1本又は2本の縦パイプの上に載せて、水平栽培台に栽培トレイを水平に配置するので、栽培トレイを水平に保持しながら、栽培トレイの中央リブの実質幅を狭くして、栽培トレイの製造コストを低減できる。栽培トレイを成形する発泡スチロールの使用量を少なくして、栽培トレイを縦パイプに載せて水平に支持できるからである。
【0014】
また、本発明の請求項3の養液栽培装置は、中央リブが、1本又は2本の縦パイプの上に載せるように側部リブよりも幅広に成形して、幅広の中央リブを、1本又は2本の縦パイプの上に載せて、両側の側部リブを各々1本の縦パイプの上に載せて、水平栽培台に栽培トレイを水平に配置するので、中央リブの全体を縦パイプの上に載せることができる。この栽培トレイは、ミョウガが成長して相当に重くなっても、縦パイプに押されて変形することがなく、栽培トレイを理想的な状態で水平に保持できる特徴がある。
【0015】
さらに、本発明の請求項4の養液栽培装置は、側部リブに載せランドを所定の間隔で設けているので、縦パイプの位置がずれても、側部リブを縦パイプに載せることができる。すなわち、側部リブを、縦パイプを載せることができる幅を広くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのミョウガの養液栽培装置を例示するものであって、本発明はミョウガの養液栽培装置を以下のものに特定しない。
【0017】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0018】
図2ないし図4に示すミョウガの養液栽培装置は、ミョウガの根を生育させる所定の厚さと幅を有する培地4と、この培地4を上に載せる栽培トレイ1とを備える。栽培トレイ1は、水平栽培台26の上に水平姿勢に載せられる。水平栽培台26は、所定の間隔で互いに平行に配設している3本又は4本の縦パイプ27を備える。縦パイプ27は水平に配設される。この縦パイプ27の上に栽培トレイ1が水平に載せられる。栽培トレイ1には、培地4が載せられ、この培地4に養液20を供給してミョウガを栽培する。
【0019】
さらに、図の養液栽培装置は、培地4の下に積層されて、培地4に植え付けされるミョウガの根が通過するのを阻止して水を通過させる根切りシート3と、この根切りシート3の下に積層されて、培地4に水を供給する保水シート5と、この保水シート5の下に積層している下地フィルム2とを、培地4を載せる栽培トレイ1に敷設している。これらの養液栽培装置は、栽培トレイ1の上に配置している培地4に養液20を供給して培地4でミョウガを栽培する。
【0020】
培地4は、供給される水分を保水する保水性と、過剰な水分を排水する排水性とが要求される。図の培地4は、所定の厚さのマット状で、根切りシート3の上に載せている。培地4は、ミョウガの生育に最適なものが選択され、たとえば、ヤシガラやバーク等の有機物をプレスして、所定の厚さのマット状に固化したものが使用される。この培地4には、たとえば長さを1m、幅を40cm、養液を供給する状態での厚さを約12cmとするものを使用する。ただ、培地には、ミョウガの生育に適した保水性と排水性のある全てのもの、たとえば有機物や無機物を単独であるいは混合したものが使用しできる。無機物である培地は、たとえば、シリカやアルミナを無数の空隙がある状態に焼結した粒体やロックウール等が使用できる。
【0021】
栽培トレイ1は、図2ないし図7に示すように、底面の両側縁に沿って上方に突出する一対の側壁6を一体的に成形して設けて、断面形状を溝形としている。この側壁6は、栽培トレイ1の上に載せられる培地4や給水管23から供給される養液20が、栽培トレイ1の外側にこぼれ落ちるのを防止する。したがって、側壁6の高さ(h)は、培地4や養液20が外にこぼれるのを防止できる高さに成形する。側壁6の高さ(h)は、4cm以上、好ましくは5cm以上とする。側壁を高くするほど、培地や養液が外にこぼれるのを確実に防止できる。ただ、高い側壁は、強度が低下して壊れやすくなると共に、培地の側面に生育する花序に太陽光を十分に照射できなくなる。したがって、側壁6は、10cmよりも低く、好ましくは8cm以下とする。側壁は、その厚さを厚くしての強度を高めることができる。ただ、側壁を厚くすると、栽培トレイ全体の幅が広くなる。したがって、側壁6は、その厚さを1〜5cm、好ましくは2〜3cmとして、高さを4〜10cm、好ましくは5〜8cm、より好ましくは、4〜7cmとする。
【0022】
図の栽培トレイ1は、両側の側壁6を外側に向かって傾斜させている。両側の側壁6は、溝形に成形されてなる栽培トレイ1の開口幅が広くなる方向に傾斜している。栽培トレイ1は、図5ないし図7に示すように、底プレート7と側壁6の境界線(m)における垂直面(H)に対して、外側方向に傾斜する姿勢で側壁6を設けている。図2と図4の栽培トレイ1の側壁6は、図5と図7に示すように、内面を傾斜面6Aとすると共に、上端部に起立面6Bを有する形状としている。起立面6Bは、図5に示すように垂直面とすることも、図7に示すように傾斜面6Aよりも勾配の急な傾斜面とすることもできる。このように、内面の上端部に起立面6Bを備える側壁6は、この起立面6Bで培地や養液をせき止めることができるので、培地や養液が栽培トレイ1からこぼれ落ちるのを有効に防止できる。また、図3の栽培トレイ1の側壁6は、図6に示すように、その内面が上端まで傾斜面6Aとなるように成形している。この構造は、側壁6の厚さを厚くして強靭にできる。
【0023】
側壁を傾斜させる栽培トレイは、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)を30度よりも大きくする。図6に示す側壁6は、内面を上端まで傾斜面6Aとしているので、この傾斜面6Aである内面(P)と垂直面(H)とのなす角を傾斜角(α)としている。また、図5と図7に示す側壁6は、内面の上端部に起立面6Bを設けているので、垂直面(H)となす角を最小にする内面(P)は傾斜面6Aではなく、起立面6Bの内側の上端と、側壁6と底プレート7の境界線(m)とを結ぶ面となる。この構造の側壁6は、側壁6の上端部である起立面6Bの上端と、側壁6と底プレート7の境界線(m)とを結ぶ面である内面(P)が、垂直面(H)となす角を傾斜角(α)としている。
したがって、本明細書において、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)とは、垂直面(H)となす角を最小にする側壁6の内面(P)、すなわち、側壁6の最も内側に突出する部分と、側壁6と底プレート7の境界線(m)とを結ぶ内面(P)が垂直面(H)となす角を意味するものとする。
【0024】
側壁を傾斜させる栽培トレイ1は、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)を30度以上として、培地4の側面において、効率よく花序を生育できる。傾斜角(α)が小さ過ぎると、培地の側面と側壁の内面との間を広くできず、培地の側面に太陽光線を十分に照射できなくなるからである。図に示すように、傾斜角(α)を30度以上として、両側の側壁6を傾斜させて開口幅を広くする構造は、培地4の側面と側壁6との間を広くして太陽光線を十分に培地4の側面に照射できる。したがって、培地4の側面の下部においても花序を理想的に生育でき、収穫量を向上できる。また、培地4の側面と側壁6との間を広くできるので、培地4の側面に生育する花序を傷つけることなく効率よく収穫できる特長もある。さらにまた、側壁6を傾斜させる構造は、ここに敷設される根切りシート3に白色系のものを使用して、太陽光を反射させて培地4の側面に照射させることもできる。
【0025】
側壁を傾斜させる栽培トレイ1は、側壁の傾斜角(α)を大きくすると、側壁6の高さ(h)が低くなり、栽培トレイ1の外幅(W)が大きくなる。前述のように、側壁は、高さ(h)が低すぎると、培地や養液が外にこぼれるのを有効に防止できなくなる。また、栽培トレイ1は、外幅(W)が広すぎると、設置するのに必要な面積が広くなって、効率よく生産できなくなる。栽培トレイ1は、たとえば、培地4の幅を40cmとするとき、その外幅(W)を、65cm以上であって、85cm以下として効率よく培地4の側面においても花序を生育できる。したがって、栽培トレイ1は、側壁6の高さ(h)を4cm〜10cmとしながら、外幅(W)を65cm〜85cmとできるように、傾斜角(α)を最適な角度に調整する。
【0026】
図2、図3、図5及び図6に示す栽培トレイ1は、底プレート7の両側に側縁プレート部7Aを設けている。底プレート7は、側溝11の外側を側縁プレート部7Aとしている。栽培トレイ1は、側縁プレート部7Aの側縁から上方に突出する側壁6を一体的に成形して設けている。この栽培トレイ1は、底プレート7の幅を広くできる特長がある。底プレート7を広くできる栽培トレイ1は、図示しないが、ミョウガを植え付けする培地の両側に側部培地を設けて、この側部培地でミョウガ以外の植物を植え付けして栽培することもできる。この養液栽培装置は、花序に比較して早く収穫できる植物を側部培地に植え付けて、花序の収穫までの間に、側部培地に植え付けた作物を収穫して利益を上げることができる。
【0027】
さらに、図4と図7に示す栽培トレイ1は、底プレート7の両側縁に沿って、一対の側壁6を一体的に設けている。この構造の栽培トレイ1は、傾斜角(α)を大きくして、両側部の広い範囲を側壁6とすることができる。このように、側壁6の内面を広くして緩やかな傾斜面6Aとする栽培トレイ1は、側壁6の内面に供給される養液を側壁6の傾斜面6Aに沿って、効率よく排水できる特長がある。
【0028】
さらに、栽培トレイ1は、図8ないし図10に示すように、上面8に3列の排水溝9を設けている。ただし、これらの図は、図2に示す栽培トレイ1を示している。図示しないが、図3と図4に示す栽培トレイ1についても、図8ないし図10と同様の構造とすることができる。図8ないし図10に示す栽培トレイ1は、排水溝9として、両側の側壁6に沿って設けた一対の側溝11と、一対の側溝11の間に設けた中央溝12を設けており、さらに、両側の側溝11と中央溝12とを連結溝13で連結している。
【0029】
一対の側溝11は、一対の側壁6の内側にあって、側壁6に沿って設けている。側溝11は、図9に示すように、栽培トレイ1の両端面まで延長して設けている。栽培トレイ1は、培地4を透過する廃液をこの側溝11に案内し、この側溝11から栽培トレイ1の外部に排水する。
【0030】
中央溝12は、一対の側溝11の中間に位置して、側溝11と平行に設けている。この中央溝12も、栽培トレイ1の両端面まで延長して設けている。この中央溝12は、栽培トレイ1の中央上面8Aの上方に配設される培地4を透過する廃液の一部を案内して効率よく排水する。
【0031】
さらに、栽培トレイ1は、一対の側溝11と中央溝12を連結溝13で連結している。連結溝13は、両側の側溝11を連結するように設けた溝で、中央溝12を横断して、中央溝12と垂直に交差している。この連結溝13は、中央溝12を流れる廃液を側溝11に流して排水する。また、連結溝11は、栽培トレイ1の中央上面8Aの上方に配設される培地4を透過する廃液の一部を案内して排水するはたらきもある。
【0032】
さらに、図10に示す連結溝13は、中央溝12から両側の側溝11に向かって、底面を下り勾配に傾斜させている。この構造の連結溝13は、中央溝12を流れる廃液を、速やかに側溝11に向かって流下させることができる。ただ、連結溝は、一方の側溝から他方の側溝に向かって、底面を下り勾配に傾斜させることもできる。この構造は、一方の側溝と中央溝を流れる廃液を、他方の側溝に流下させて排水する。
【0033】
以上の排水溝9は、培地を透過した廃液をスムーズに流すことができる幅と深さを有する。排水溝9は、幅が狭すぎても、深さが浅すぎても、廃液に含まれる異物が詰まりやすくなり、廃液をスムーズに排水できない。このため、排水溝9の幅と深さは、たとえば1cm以上、好ましくは2cm以上とする。ただ、栽培トレイは、排水溝9の幅を広くして、深さを深くすると全体の強度が低下する。このため、排水溝9の幅と深さは、たとえば7cmよりも小さく、好ましくは6cm以下とする。排水溝9の幅と深さは、廃液の詰まりを少なく、かつ培地4を水平に保持することから、好ましくは3〜5cmとする。
【0034】
さらに、図2と図3に示す栽培トレイ1は、底プレート7の上面8であって、側壁6と側溝11との間に位置する側部上面8Bを、側溝11に向かって下り勾配に傾斜させてなる傾斜面としている。この栽培トレイ1は、傾斜面である側部上面8Bの上方に配設される培地4を透過した廃液を、側部上面8Bから側溝11に向かって流して排水する。すなわち、この栽培トレイ1は、側壁6の近傍において培地4を通過する廃液を、側壁6のふもとのコーナー部に停滞させることなく速やかに側溝11に向かって流下させることができる。また、この側部上面8Bを傾斜面とする栽培トレイ1は、側壁6との連結部分である側縁プレート部7Aを側壁6に向かって次第に厚く成形できるので、側縁プレート部7Aと側壁6との連結強度を高くできる特長もある。ただし、栽培トレイ1は、図4と図7に示すように、側壁6の近傍に側溝11を設けて、側部上面を設けない形状とすることもできる。
【0035】
さらに、図に示す栽培トレイ1は、側壁6と側縁プレート部7Aの底面側に位置して、下方に突出する複数列の支持リブ10を設けている。支持リブ10は、側壁6に対して垂直な方向に形成されており、栽培トレイ1の底面側に所定の間隔で一体的に成形して設けている。この支持リブ10は、側縁プレート部7Aと側壁6とを下側から支持してこれらを補強しており、この部分が変形したり破壊されるのを防止している。
【0036】
さらに、栽培トレイ1は、底プレート7の下面に突出して、縦リブ17と横リブ18を設けている。図2ないし図4の栽培トレイ1は、下面を所定幅の平坦面とする3列の縦リブ17を設けている。3列の縦リブ17は、中央に設けている中央リブ17Aと、中央リブ17Aの両側に設けている2列の側部リブ17Bからなる。中央リブ17Aは、底プレート7の中央に設けている中央溝12の下方に突出して設けている。側部リブ17Bは、底プレート7の両側に設けている側溝11の下方に突出して設けている。さらに、栽培トレイ1は、図8と図11に示すように、3列の縦リブ17に直交するように横リブ18を設けている。縦リブ17と横リブ18は下面を同一平面とし、さらに縦リブ17と横リブ18とで囲まれる領域に下面凹部14を設けている。図2ないし図4の栽培トレイ1は、下面凹部14の底面を、側溝11と中央溝12の底面よりも上方に位置させて、全体を薄く成形している。
【0037】
以上の栽培トレイ1は、底プレート7の下面に、側溝11と中央溝12の間に位置するように下面凹部14を設けて、側溝11の下方に側部リブ17Bを、中央溝12の下方に中央リブ17Aを設けて、側部リブ17Bと中央リブ17Aからなる3列の縦リブ17を設けている。
【0038】
中央リブ17Aと側部リブ17Bからなる縦リブ17は、水平栽培台26の縦パイプ27の上に載せられる。両側の側部リブ17Bは、1本の縦パイプ27の上に載せられる。中央リブ17Aは1本の縦パイプ27に載せられ、あるいは2本の縦パイプ27の上に載せられる。したがって、中央リブ17Aは、その幅を、1本又は2本の縦パイプ27を載せることができる幅とし、側部リブ17Bは1本の縦パイプ27を載せることができる幅としている。中央リブ17Aは、上面に開口して中央溝12を設けている。中央溝12の幅は中央リブ17Aの幅よりも狭く、側溝11の幅は側部リブ17Bの幅よりも狭く、中央溝12と側溝11は上方にのみ開口する。
【0039】
図8と図11の栽培トレイ1は、中央リブ17Aに、両側に突出する載せランド19を所定の間隔で設けている。載せランド19を有する中央リブ17Aは、下面を同一平面に位置させる平坦面としている。この中央リブ17Aは、載せランド19に2本の縦パイプ27を載せて、水平栽培台26の上に栽培トレイ1を水平に設置している。両側に載せランド19を設けている中央リブ17Aは、1本の縦パイプの上に載せて、栽培トレイを水平栽培台の上に設置することもできる。
【0040】
図8と図11に示す栽培トレイ1は、中央リブ17Aの載せランド19を、下面凹部14のコーナー部に設けている。すなわち、これらの図の栽培トレイ1は、中央リブ17Aと横リブ18との境界部分に載せランド19を設けている。この部分に載せランド19を設ける構造は、中央リブ17Aと横リブ18との連結強度を強くできる特長がある。ただ、中央リブ17Aは、図12に示すように、横リブ18の間に位置して、両側に突出する載せランド19を所定の幅で設けることもできる。
【0041】
さらに、図13と図14の栽培トレイ1は、側部リブ17Bに載せランド19を設けている。図13に示す栽培トレイ1は、側部リブ17Bの載せランド19を、中央リブ17Aとの対向側縁に突出して、所定の間隔で設けている。また、図14に示す栽培トレイ1は、側部リブ17Bの載せランド19を、中央リブ17Aと反対側、すなわち両外側に突出して、所定の間隔で設けている。載せランド19のある側部リブ17Bは、下面を同一平面に位置させる平坦面としている。これらの図に示す側部リブ17Bは、載せランド19を縦パイプ27の上に載せることができるので、縦パイプ27の位置を左右にずらせて側部リブ17Bの上に載せることができる。とくに、図14に示すように、側部リブ17Bの載せランド19を外側に突出して設ける構造は、この載せランド19で側縁プレート部7Aや側壁6を下方から支持して補強し、また、支持リブ10を補強できる特長がある。また、側部リブ17Bを載せる縦パイプ27の間隔を広くできるので、栽培トレイ1を安定して支持できる特長もある。
【0042】
さらに、図に示す栽培トレイ1は、一対の側溝11の間の中央上面8Aを、側溝11に向かって下り勾配に傾斜させている。この構造は、中央上面8Aの上方に配設される培地4を透過する廃液を、両側の側溝11に向かって速やかに流下させて排水できる特長がある。ただ、中央上面は、中央溝に向かって下り勾配に傾斜させることも、側溝と中央溝の両方に向かって下り勾配に傾斜させることもできる。
【0043】
以上の構造の栽培トレイは、側部上面8Bと中央上面8Aとを傾斜面としているが、本発明は、栽培トレイの上面を必ずしも傾斜面とする必要はない。栽培トレイは、上面全体を平らな面とすることも、あるいは、部分的に傾斜面とすることもできる。
【0044】
さらに、栽培トレイは、図示しないが、側溝に流れ込んだ廃液を栽培トレイの外部に排水する排水孔を設けることができる。この栽培トレイは、たとえば、排水孔を側溝の中央部に設けることができる。排水孔は、栽培トレイの底面を貫通する貫通孔として、側溝に流れ込んだ廃液を通過させて外部に排水することができる。排水孔を有する栽培トレイは、側溝の底面を排水孔に向かって下り勾配に傾斜させて、側溝を流れる廃液を速やかに排水孔に流すことができる。
【0045】
以上の構造の栽培トレイ1は、プラスチックを発泡成形して製作される。この栽培トレイ1は安価に多量生産できる。プラスチック発泡体で製作される栽培トレイ1は、表面に非発泡層を設けて、廃液の内部への浸透を阻止し、あるいは独立気泡に発泡させて、廃液の内部への浸透を阻止することができる。ただ、栽培トレイ1は、上に敷設される非透水シートの下地フィルム2で、廃液が栽培トレイ1に浸透するのを防止できるので、栽培トレイ1を完全な防水構造とする必要はない。プラスチック発泡体の栽培トレイ1は、発泡スチロールで製作して、とくに安価に多量生産できる。ただ、栽培トレイは、他のプラスチック発泡体、たとえば塩化ビニル発泡体、EVA発泡体、ウレタン発泡体等で製造することもできる。
【0046】
さらに、図の栽培トレイ1は、複数の区画プレート1Aに分割して、隣接して配置する区画プレート1Aを嵌着構造で連結する構造としている。この栽培トレイ1は、所定の大きさの区画プレート1Aを並べて畝のように細長く連結できる。区画プレート1Aは、隣接縁に互いに嵌着できる突出部15と凹部16とを設けている。この栽培トレイ1は、図15に示すように、突出部15を凹部16に入れて、隣接する区画プレート1Aを定位置に連結できる。養液栽培装置は、栽培トレイ1の上に非透水シートの下地フィルム2を敷設するので、区画プレート1Aを、連結部から水が漏れないように防水構造で連結する必要はない。上に敷設している下地フィルム2で、廃液が栽培トレイ1の上面8に浸透しないようにしながら集めることができるからである。
【0047】
下地フィルム2は、栽培トレイ1の上に敷設している。この下地フィルム2は、上側に配設される培地4、根切りシート3及び保水シート5と、下側に配設されると栽培トレイ1とを区画している。下地フィルム2は非透水シートで、培地4を通過した廃液がこれを透過して、栽培トレイ1まで浸透するのを防止している。下地フィルム2は、栽培トレイ1の外形よりも大きく、両側の側壁6の外側面まで延長して配設される。側壁6と下地フィルム2の間から廃液が浸入するのを防止するためである。
【0048】
下地フィルム2は、栽培トレイ1の上面8に沿う状態で敷設される。側溝11や中央溝12に敷設される下地フィルム2は、図2ないし図4に示すように、その内面に沿って敷設される。側溝11や中央溝12の内面に沿って敷設される下地フィルム2は、その内側に形成される溝内を廃液が流れる。したがって、本明細書において、「側溝や中央溝を廃液が流れる」とは、側溝や中央溝の内側に直接に廃液が流れるのではなく、側溝や中央溝の内側に敷設される下地フィルムの内側を廃液が流れることを意味するものとする。
【0049】
下地フィルム2は、プラスチックフィルムからなる非透水シートである。プラスチックフィルムである非透水シートの下地フィルム2は、ポリエチレンフィルムが適している。ただ、この下地フィルムのプラスチックフィルムには、塩化ビニルフィルムも使用できる。さらに、本発明の養液栽培装置は、非透水シートである下地フィルムを、プラスチックフィルムに特定しない。非透水シートである下地フィルムには、たとえば表面を防水加工した不織布や布等も使用できるからである。不織布や布で構成される下地フィルムは、プラスチックフィルムに比べて破れ難く、また熱に強い特長がある。
【0050】
保水シート5は、栽培トレイ1の上面8に位置して、下地フィルム2の上に敷設している。すなわち、保水シート5は、下地フィルム2と根切りシート3の間に配設している。この保水シート5は、培地4と根切りシート3を透過した廃液を吸水して保水する。保水シート5は、無機繊維を方向性なく立体的に集合している保水マット、繊維を方向性なく集合して繊維を交点で結合している不織布、所定の厚さのロックウール、織布、耐水性のある紙等が使用できる。図に示す養液栽培装置は、保水シート5を保水マットとしている。ただ、保水シートには、ロックウールを使用することもできる。養液栽培装置は、保水シート5に水分を保水するので、培地4が乾燥するときに、保水する水分を根切りシート3に透過させて、培地4に供給する。保水シート5の水分は、気化して培地4に供給され、あるいは根切りシート3を透過して培地4に浸透して補給される。したがって、これらの養液栽培装置は、培地4の過乾燥を防止しながらミョウガを生育できる特長がある。
【0051】
根切りシート3は、防根シートとも呼ばれるシートで、すでに市販されているものを使用する。根切りシート3は、細繊維を立体的に集合した不織布が使用できる。また、微細な貫通孔を無数に設けているプラスチックフィルムも根切りシート3として使用できる。さらに、根切りシート3は、水を透過させて植物の根が成長して通過するのを阻止できる全てのシートを使用することができる。
【0052】
根切りシート3は、培地4の下に積層されて、培地4に植え付けしている植物の根が通過するのを阻止する。図の根切りシート3は、培地4と保水シート5との間に配設されており、植物の根が伸びて保水シート5や栽培トレイ1の溝に侵入するのを阻止する。植物の根が保水シート5や栽培トレイ1の溝に侵入すると、根が廃液に接触して病気になるからである。したがって、根切りシート3は、好ましくは、図2ないし図4に示すように、栽培トレイ1の上側全面に配設される。ただ、栽培トレイの上面の全面でなく、一部に培地を載せて植物を生育させる場合、必ずしも栽培トレイの全面に根切りシートを配設する必要はない。図の根切りシート3は、保水シート5の上に水平に敷設して、栽培トレイ1の側壁6の両側から下方に垂らしている。この養液栽培装置は、植物の根や培地4が根切りシート3と下地フィルム2の間に侵入するのを確実に防止できる。
【0053】
以上の養液栽培装置は、水平栽培台26の上に水平に配置される。図2ないし図4に示す水平栽培台26は、地面から上に離して配置している載せ台である。このように、載せ台に載置される養液栽培装置は、外部に排水される廃液を自然に流下させて効率よく回収できる特長がある。ただ、水平栽培台は、必ずしも地面から離した載せ台とする必要はなく、水平栽培台を露地として、養液栽培装置を直接に、露地に載置することもできる。
【0054】
図に示す養液栽培装置は、ミョウガを植え付けている培地4に、給水器25で養液20を供給している。給水器25は、図に示すように、養液20を貯溜するタンク21と、このタンク21内の養液20を吸い上げて移送するポンプ22と、このポンプ22から供給される養液20を培地4に散水する給水管23とを備える。この構造の給水器25は、ポンプ22を連続運転して植物に定量の養液20を連続供給し、あるいは、ポンプ22の運転を制御部24で制御して、所定量の養液20を所定の時間間隔で植物に供給する。ミョウガに供給される養液20は、培地4と根切りシート5とを透過して、一部は保水シート5に吸収され、残りは廃液として側溝11に流入されて外部に排水される。側溝11から外部に排水される廃液は、図に示すように、回収されて給水器25のタンク21に環流される。図に示す給水器25は、タンク21に環流される廃液を、給水器25を介して再び培地4に供給する構造としているが、回収した廃液は、給水器25のタンク21に環流させることなく、給水器とは別の回収用のタンクに集めることもできる。
【0055】
ミョウガに供給される養液20は、水に肥料や薬剤を添加した溶液である。したがって、培地4と根切りシート3を透過した廃液が、露地に排水されるのは好ましくない。それは、廃液に含まれる成分によって露地の土壌を汚染し、あるいは、雑草や細菌等の繁殖を促進するおそれがあるからである。このように、栽培トレイから外部に排水される廃液を回収する養液栽培装置は、廃液が露地に浸透するのを防止して、理想的な環境で植物を栽培できる特長がある。
【0056】
回収された廃液は、廃棄され、あるいは再び培地に供給される。回収されて再び培地4に供給される廃液は、必要な肥料を添加して所定の肥料濃度に調整される。ただ、回収された廃液は、肥料濃度を調整することなく、水分を補給する目的で培地4に供給することもできる。回収した廃液を再び培地4に供給する装置は、水を有効に利用して水の消費量を少なくできる。また、廃液には肥料も含有されているので、廃液を再び培地に供給する装置は、ランニングコストを低減できる特長もある。さらにまた、肥料を含む廃液を周囲に排水しない特徴もある。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来の養液栽培装置の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかるミョウガの養液栽培装置の概略断面図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかるミョウガの養液栽培装置の概略断面図である。
【図4】本発明の他の実施例にかかるミョウガの養液栽培装置の概略断面図である。
【図5】図2に示す養液栽培装置の栽培トレイの側壁を示す拡大断面図である。
【図6】図3に示す養液栽培装置の栽培トレイの側壁を示す拡大断面図である。
【図7】図4に示す養液栽培装置の栽培トレイの側壁を示す拡大断面図である。
【図8】図2に示す栽培トレイの断面斜視図である。
【図9】図2に示す栽培トレイの平面図である。
【図10】図9に示す栽培トレイのA−A線断面図である。
【図11】図8に示す栽培トレイの底面図である。
【図12】栽培トレイの他の一例を示す底面図である。
【図13】栽培トレイの他の一例を示す底面図である。
【図14】栽培トレイの他の一例を示す断面斜視図である。
【図15】区画プレートの連結構造を示す側面図である。
【符号の説明】
【0058】
1…栽培トレイ 1A…区画プレート
2…下地フィルム
3…根切りシート
4…培地
5…保水シート
6…側壁 6A…傾斜面
6B…起立面
7…底プレート 7A…側縁プレート部
8…上面 8A…中央上面
8B…側部上面
9…排水溝
10…支持リブ
11…側溝
12…中央溝
13…連結溝
14…下面凹部
15…突出部
16…凹部
17…縦リブ 17A…中央リブ
17B…側部リブ
18…横リブ
19…載せランド
20…養液
21…タンク
22…ポンプ
23…給水管
24…制御部
25…給水器
26…水平栽培台
27…縦パイプ
30…養液
31…トレイ
32…ロックウール
33…根切りシート
34…培地
36…側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミョウガを生育させる所定の厚さと幅の培地(4)と、この培地(4)を上に載せる栽培トレイ(1)とを備え、栽培トレイ(1)を、水平栽培台(26)に設けている所定の間隔で互いに平行に配設している3本又は4本の縦パイプ(27)の上に載せ、この栽培トレイ(1)に培地(4)を配置し、培地(4)に養液(20)を供給してミョウガを栽培するようにしてなる栽培装置であって、
栽培トレイ(1)が発泡スチロールで、この栽培トレイ(1)は、底プレート(7)の両側縁に沿って側壁(6)を設けて断面形状を溝形としており、さらに、底プレート(7)の上面には、両側に設けた側溝(11)と、側溝(11)の間に設けた中央溝(12)からなる排水溝(9)を縦に伸びる姿勢で設けており、なおかつ底プレート(7)の下面には、側溝(11)と中央溝(12)の間に位置するように、下面凹部(14)を設けて、側溝(11)の下方に側部リブ(17B)を、中央溝(12)の下方に中央リブ(17A)を設けて、側部リブ(17B)と中央リブ(17A)とからなる下面を所定幅の平坦面とする縦リブ(17)を設けており、
中央リブ(17A)の下面を、1本又は2本の縦パイプ(27)の上に、両側の側部リブ(17B)の下面を各々1本の縦パイプ(27)の上に載せ、縦リブ(17)を、水平栽培台(26)の3本又は4本の縦パイプ(27)の上に載せて、栽培トレイ(1)を水平栽培台(26)の上に配置するようにしてなるミョウガの養液栽培装置。
【請求項2】
中央リブ(17A)が、両側に突出して載せランド(19)を所定の間隔で設けると共に、載せランド(19)を有する中央リブ(17A)の下面を同一平面に位置する平坦面としており、この中央リブ(17A)を、1本又は2本の縦パイプ(27)の上に載せて、水平栽培台(26)に栽培トレイ(1)を水平に配置するようにしてなる請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
【請求項3】
中央リブ(17A)は、1本又は2本の縦パイプ(27)の上に載せるように側部リブ(17B)よりも幅広に成形しており、幅広の中央リブ(17A)を、1本又は2本の縦パイプ(27)の上に載せ、両側の側部リブ(17B)を各々1本の縦パイプ(27)の上に載せて、水平栽培台(26)に栽培トレイ(1)を水平に配置するようにしてなる請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
【請求項4】
側部リブ(17B)が、中央リブ(17A)との対向側縁に突出して載せランド(19)を、所定の間隔で設けている請求項1又は2に記載されるミョウガの養液栽培装置。
【請求項5】
培地(4)の下に、ミョウガの根が通過するのを阻止して水を通過させる根切りシート(3)を配設し、さらに、この根切りシート(3)の下に、培地(4)に水を供給する保水シート(5)を積層し、またこの保水シート(5)の下に下地フィルム(2)を積層している請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−117024(P2007−117024A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315473(P2005−315473)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(393019355)
【Fターム(参考)】