説明

ミリ波帯伝送システム

【課題】ビル影にあるビル間で、周波数を有効利用し、2つの静止衛星からの衛星信号を伝送する。
【解決手段】第1及び第2衛星中間周波信号を第1の送信機20にてほぼ同一周波数帯の異なる偏波の第1及び第2ミリ波帯信号に周波数変換し、ビル影にあるビルに送信する。ビル影にあるビルに設けた第1受信機30が、第1及び第2ミリ波帯信号を受信し、元の第1及び第2衛星中間周波信号に周波数変換する。ビル影にあるビルに設けられた第2送信機42が、第1及び第2ミリ波帯信号に再変換し、屋上から送信する。ビル影にあるビルの異なる位置にそれぞれ設けられ複数の第2受信機が、第1及び第2ミリ波帯信号を受信し、元の第1及び第2衛星中間周波信号に周波数変換する。ビル影にあるビルに設けられた第3送信機62が、第1受信機30からの第1及び第2衛星中間周波信号を、第1及び第2ミリ波帯信号に周波数変換し、別のビル影にあるビルに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送衛星や通信衛星のような静止衛星から送信される衛星信号をミリ波帯に周波数変換して、伝送するミリ波帯伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなミリ波伝送システムとしては、例えば特許文献1に開示されているものがある。特許文献の技術によれば、高層建築物の屋上に設置された第1のミリ波送信機で、下方にミリ波帯信号を送信し、高層建築物の高層階に複数の第1のミリ波帯受信機を設置して、第1のミリ波帯送信機からのミリ波帯信号を受信する。高層建築物の中層階に設置された第2のミリ波帯送信機で下方にミリ波帯信号を送信し、高層建築物の下層階に複数の第2のミリ波帯受信機を設置して、第2のミリ波帯送信機からのミリ波帯信号を受信する。第1及び第2の送信機が送信するミリ波帯信号は、高層建築物の屋上等で受信した衛星放送信号や衛星通信信号をミリ波帯に周波数変換したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4204387号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、高層建築物の各部屋にミリ波信号を伝送することが可能で、各部屋においてミリ波信号を元の衛星放送信号及び衛星通信信号に周波数変換することによって、衛星放送や衛星通信を視聴することが可能である。しかし、特許文献1の技術では、高層建築物であるので、ミリ波信号の元となる衛星放送信号や衛星通信信号を受信することが可能であるが、大きなビルの影にあって、衛星放送信号や衛星通信信号を直接に受信することができないビルでは、このビルまでミリ波信号を伝送する必要がある。
【0005】
本発明は、ビル影にあるビルにミリ波信号を周波数を有効利用して伝送することができるミリ波伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のミリ波帯伝送システムは、第1送信手段を有している。第1送信手段は、受信された第1の静止衛星からの第1衛星信号に基づく第1衛星中間周波信号を、ミリ波帯の信号に周波数変換した第1ミリ波帯信号と、受信された第2の静止衛星からの第2衛星信号に基づく第2衛星中間周波信号を、前記ミリ波帯の信号に周波数変換した第2ミリ波帯信号とを、ビル影にあって前記第1及び第2の静止衛星から第1及び第2衛星信号が非到達のビルに、送信する。前記第1及び第2ミリ波帯信号は、ほぼ同一周波数帯の信号であって、異なる偏波である。例えば直線偏波の場合、垂直偏波と水平偏波であり、円偏波の場合、右旋円偏波と左旋円偏波とである。第1及び第2ミリ波帯信号の双方または一方には、地上テレビジョン放送信号、例えば地上デジタル放送信号をミリ波帯に周波数変換したものを含ませることもできる。前記ビル影にあるビルに、第1受信手段が設けられている。第1受信手段は、第1送信手段から送信された第1及び第2ミリ波帯信号を受信して、元の第1及び第2衛星中間周波信号に周波数変換する。前記ビル影にあるビルに第2送信手段が設けられている。第2送信手段は、第1受信手段からの第1及び第2衛星中間周波信号を、第1及び第2ミリ波帯信号に再変換して、前記ビル影にあるビルの高さ方向に沿って送信する。前記ビル影にあるビルの異なる位置に複数の第2受信手段が設けられている。各第2受信手段は、第2送信手段から送信された第1及び第2ミリ波帯信号を受信し、元の第1及び第2衛星中間周波信号に変換する。前記ビル影にあるビルに第3の送信手段が設けられている。第3送信手段は、第1受信手段からの第1及び第2衛星中間周波信号のうち少なくとも一方を、第1及び第2ミリ波帯信号のうち対応するものに周波数変換して、別のビル影にあるビルに送信する。
【0007】
このように構成されたミリ波帯伝送システムでは、ビル影にあるビルに、第1送信手段によって第1及び第2の衛星中間周波信号を周波数変換した第1及び第2ミリ波帯信号が伝送され、第1及び第2ミリ波帯信号が第1受信手段で、元の第1及び第2の衛星放送中間周波信号に周波数変換されるので、ビル影にあるビルに第1及び第2の衛星中間周波信号を無線伝送することができる。しかも、第1及び第2ミリ波帯信号は、ほぼ同一の周波数帯の信号であって、異なる偏波のものであるので、周波数の有効利用を図ることができる。また、第1受信手段からの第1及び第2の衛星中間周波信号が第2送信手段によって、ビル影にあるビルの高さ方向に沿って送信され、これをビル影にあるビルの複数の第2受信手段が受信して、元の第1及び第2の衛星中間周波信号に周波数変換するので、ビル影にあるビルの各所で、第1及び第2の静止衛星からの衛星信号を受信することができる。この場合も、ほぼ同一周波数帯で異なる偏波の第1及び第2ミリ波帯信号を使用しているので、周波数の有効利用を図ることができる。さらに、第1の受信手段で受信した第1及び第2の衛星中間周波信号のうち、少なくとも一方を、第1及び第2ミリ波帯信号のうち対応するものに、第3送信手段で変換して、ビル影にある別のビルに送信しているので、ビル影にある別のビルに第3送信手段に対応する第3受信手段を設置することにより、ビル影にある別のビルでも、第1及び第2の衛星中間周波信号のうち、少なくとも一方を受信することができる。
【0008】
第3の送信手段は、第1及び第2衛星中間周波信号を第1及び第2ミリ波帯信号に周波数変換して、ビル影にある別のビルに送信することもできる。この場合、ビル影にある別のビルでは、第1及び第2の衛星信号を両方とも受信することができる。
【0009】
第1送信及び受信手段は、共に、異なる偏波の第1及び第2ミリ波帯信号に対して共通のアンテナを有するものとすることができる。このように構成すると、第1送信及び受信手段の構成を簡略化することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、ビル影にあるビルに対して、周波数を有効利用して、2つの静止衛星からの第1及び第2衛星信号に基づく第1及び第2衛星中間周波信号を伝送することができ、ビル影にあるビルの各所にも周波数を有効利用して、第1及び第2衛星中間周波信号を伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1実施形態のミリ波伝送システムのブロック図である。
【図2】図1のミリ波伝送システムで使用するミリ波帯信号の波形図である。
【図3】図1のミリ波伝送システムで使用される機器の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態のミリ波伝送システムは、図3に示すように高層のビル2の影にあって、第1及び第2の静止衛星、例えばBS/CS110度衛星及びJCSAT衛星からの第1及び第2の衛星信号やUHF帯の地上デジタルテレビジョン放送信号を直接に受信することができないビル4、6、8に、これらの信号をミリ波帯の信号に周波数変換して、無線伝送するものである。
【0013】
ビル2のビル影になく、第1及び第2衛星信号及び地上デジタルテレビジョン放送信号を受信することができるビル10の屋上に、BS/CS110度衛星からの第1衛星信号を受信するための受信アンテナ12と、JCSAT衛星からの第2衛星信号を受信するためのアンテナ14と、地上デジタルテレビジョン放送信号を受信するためのアンテナ16とが設置されている。受信アンテナ12で受信された第1衛星信号は、衛星放送信号(BS)と、これとは異なる周波数帯の110度CS信号とからなり、図1に示すように、受信アンテナ12に付属するコンバータ12cで、第1衛星中間周波信号に周波数変換される。第1衛星中間周波信号では、衛星放送信号の中間周波信号、110度CS信号の中間周波信号の順の周波数配置となるように周波数変換されている。同様に受信アンテナ14で受信された第2衛星信号は、ほぼ同一周波数帯のJCSAT4の垂直偏波信号及び水平偏波信号と、ほぼ同一周波数帯のJCSAT3の垂直偏波信号及び水平偏波信号とからなる。受信アンテナ14に付属するコンバータ14cで、第2衛星中間周波信号に周波数変換される。第2衛星放送中間周波信号では、JCSAT4の垂直偏波信号の中間周波信号、同水平偏波信号の中間周波信号、JCSAT3の垂直偏波信号の中間周波信号、同水平偏波信号の中間周波信号の順の周波数配置となるように周波数変換されている。
【0014】
コンバータ12cからの第1衛星中間周波信号は、地上デジタルテレビジョン放送信号と合成器18によって合成され、第1送信手段、例えば第1送信機20の水平偏波用第1送信コンバータ22において第1ミリ波帯信号に周波数変換される。また、コンバータ14cからの第2衛星中間周波信号は、第1送信機20の垂直偏波用第1送信コンバータ24に供給され、第2ミリ波帯信号に周波数変換される。図2に示すように、第1ミリ波帯信号は、例えば水平偏波信号であり、第2ミリ波帯信号は垂直偏波信号であり、両者の周波数帯は、ほぼ同一である。第1及び第2ミリ波帯信号はオルソモードトランスジューザ(OMT)26に供給され、ここで合成され、第1及び第2ミリ波帯信号に対して共通のホーンアンテナ28によって送信される。図3に示すように、第1送信機20は、ビル4の屋上に向けて、第1及び第2ミリ波信号を送信する。
【0015】
ビル4の屋上には、第1受信手段、例えば第1受信機30が配置されている。第1受信機30は、図1に示すように、第1及び第2ミリ波帯信号を受信する共通のホーンアンテナ32を有し、第1及び第2ミリ波帯信号は、OMT34によって水平偏波の第1ミリ波帯信号と垂直偏波の第2ミリ波帯信号とに分離され、第1ミリ波帯信号は水平偏波用第1受信コンバータ36に、第2ミリ波帯信号は垂直偏波用第1受信コンバータ38に供給される。水平偏波用第1受信コンバータ36は、第1ミリ波帯信号を、元の地上デジタルテレビジョン放送信号と、第1衛星中間周波信号とに、周波数変換する。同様に垂直偏波用第1受信コンバータ38は、第2ミリ波帯信号を第2衛星中間周波信号に周波数変換する。このようにビル10、4間の伝送には、同一周波数帯で異なる偏波の第1及び第2ミリ波帯信号を無線伝送しているので、ケーブル等の敷設の必要が無く、しかも周波数の有効利用を図ることができる。
【0016】
水平偏波用第1受信コンバータ36からの元の地上デジタルテレビジョン放送信号及び第1衛星中間周波信号は、分配器40によって分配され、その1つの分配出力は、第2送信手段、例えば第2送信機42の水平偏波用第2送信コンバータ44に供給され、再び第1ミリ波帯信号に周波数変換される。同様に垂直偏波用第1受信コンバータ38からの第2衛星中間周波信号は、分配器46によって分配され、その1つの分配出力は、第2送信機42の垂直偏波用第2送信コンバータ48に供給され、第2ミリ波帯信号に周波数変換される。水平偏波用及び垂直偏波用第2送信コンバータ44、48は、それぞれ送信アンテナとして電波レンズアンテナ50、52を有し、電波レンズアンテナ50から水平偏波の第1ミリ波帯信号が送信され、電波レンズアンテナ52から垂直偏波の第2ミリ波帯信号が送信される。
【0017】
図3に示すように、水平偏波及ぶ垂直偏波用第2送信コンバータ44、48は、ビル4の屋上に、電波レンズアンテナ50、52が地上を向くように配置され、第1及び第2ミリ波帯信号をビル4の各部屋に向けて送信している。なお、電波レンズアンテナ50、52を使用しているのは、ビーム幅が広く、ビル4の各部屋に第1及び第2ミリ波帯信号を伝送することが可能であるからである。
【0018】
ビル4の各階の各部屋の窓際またはベランダには、第2受信手段、例えば第2受信機53の第1ミリ波帯信号を受信するための水平偏波用第2受信コンバータ54が設置されている。これら水平偏波用第2受信コンバータ54も、受信アンテナとして電波レンズアンテナ56を備えている。同じく、ビル4の各階の各部屋の窓際またはベランダには、第2受信機53の第2ミリ波帯信号を受信するための垂直偏波用第2受信コンバータ58が設置されている。これら水平偏波用第2受信コンバータ58も、受信アンテナとして電波レンズアンテナ60を備えている。
【0019】
水平偏波用第2受信コンバータ54は、第1ミリ波帯信号を受信し、元の地上デジタルテレビジョン放送信号と第1衛星中間周波信号に周波数変換し、垂直偏波用第2受信コンバータ58は、第2ミリ波帯信号を元の第2衛星中間周波信号に周波数変換する。これら周波数変換された地上デジタルテレビジョン放送信号、第1及び第2衛星中間周波信号は、各部屋のテレビジョン受信機に供給され、ここで、地上デジタルテレビジョン放送や、衛星放送、衛星通信が視聴される。ケーブルを使用せず、同一周波数帯の異なる偏波の第1及び第2ミリ波帯信号を無線伝送して、ビル4内での伝送を行っているので、ケーブルの敷設が不要で、かつ周波数の有効利用が行える。
【0020】
分配器40から分配された地上デジタルテレビジョン放送信号と第1衛星中間周波信号とは、第3送信手段、例えば第3送信機62の水平偏波用第3送信コンバータ64に供給され、水平偏波の第1ミリ波帯信号に周波数変換される。分配器46から分配された第2衛星中間周波信号は、第3送信機62の垂直偏波用第3送信コンバータ66に供給され、垂直偏波の第2ミリ波帯信号に周波数変換される。周波数変換された第1及び第2ミリ波帯信号は、OMT68によって合成され、第1及び第2ミリ波帯信号に対して共通のホーンアンテナ70によって送信される。図3に示すように、第3送信機62は、ビル6の屋上に向けて送信するように配置されている。
【0021】
ビル6の屋上には、第3受信手段、例えば第3受信機64が設置されている。第3受信機64は、第1受信機30と同一構成であり、これによって受信された第1及び第2ミリ波帯信号は、元の地上デジタルテレビジョン放送信号及び第1衛星中間周波信号と、第2衛星中間周波信号とに周波数変換される。これらは、第4送信手段、例えば第4送信機66に供給される。第4送信機66は、第2送信機42の水平偏波用及び垂直偏波用第2送信コンバータ44、48と同一構成の水平及び垂直偏波用第4送信コンバータ68、70を有し、地上デジタルテレビジョン放送信号及び第1衛星中間周波信号と、第2衛星中間周波信号を、第1及び第2ミリ波帯信号に周波数変換する。水平及び垂直偏波用第4送信コンバータ68、70は、電波レンズアンテナ106、108を有し、水平偏波用及び垂直偏波用第2送信コンバータ44、48と同様に、地上に向けて第1及び第2ミリ波帯信号を送信するように屋上に設置されている。そして、ビル6の各階の各部屋の窓際またはベランダには、第4受信手段、例えば、第4受信機72の水平偏波用及び垂直偏波用第4受信コンバータ74、76が設置されている。水平偏波用及び垂直偏波用第4受信コンバータ74、76は、水平偏波及び垂直偏波用第2受信コンバータ54、58と同一構成のもので、それぞれ電波レンズアンテナ78、80を有している。従って、ビル6においても、地上デジタルテレビジョン放送信号、第1及び第2衛星中間周波信号が、各部屋のテレビジョン受信機に供給される。
【0022】
また、図1に示すように、分配器40から分配された地上デジタルテレビジョン放送信号及び第1衛星中間周波信号は、別の第3送信機82の別の水平偏波用第3送信コンバータ84に供給され、第1ミリ波帯信号に周波数変換され、ホーンアンテナ86から送信される。図3に示すように、この別の第3送信機82は、地上デジタルテレビジョン放送とBS/CS110度衛星からの放送のみの受信の必要のあるビル8の屋上に向けて、第1ミリ波帯信号を送信する。
【0023】
ビル8の屋上には、別の第3受信機88が、別の第3送信機82からの第1ミリ波帯信号を受信するように配置されている。別の第3受信機88は、第1受信機30のホーンアンテナ32と同一構成のホーンアンテナ90と、水平偏波用第1受信機30の水平偏波用第1受信コンバータ36と同一構成の水平偏波用第3受信コンバータ92とを有し、第1ミリ波帯信号を地上デジタルテレビジョン放送信号と第1衛星中間周波信号とに周波数変換する。これら地上デジタルテレビジョン放送信号と第1衛星中間周波信号とは、別の第4送信機94に供給される。別の第4送信機94は、第2送信機42の水平偏波用第2送信コンバータ44と同一構成の水平偏波用別の第4送信コンバータ96を有し、地上デジタルテレビジョン放送信号と第1衛星中間周波信号とを第1ミリ波帯信号に周波数変換し、電波レンズアンテナ98から送信する。別の第4送信機94は、ビル8の屋上から地上側に向けて第1ミリ波帯信号を送信する。ビル8の各階の各部屋の窓際またはベランダには、別の第4受信機100の水平偏波用第4受信コンバータ102が設置されている。水平偏波用第4受信コンバータ102は、水平偏波用第2受信コンバータ54と同一構成のもので、電波レンズアンテナ104を有している。従って、ビル8においても、地上デジタルテレビジョン放送信号、第1衛星中間周波信号が、各部屋のテレビジョン受信機に供給される。
【0024】
上記の実施形態では、ビル10からビル影にあるビル4に向けて第1及び第2ミリ波帯信号を無線伝送したが、ビル2から第1及び第2ミリ波帯信号を無線伝送することもできる。上記の実施形態では、地上デジタルテレビジョン放送信号も無線伝送したが、場合によっては不要である。また、上記の実施形態では、第1ミリ波帯信号のみをビル4からビル8に伝送したが、場合によっては不要であるし、ビル4からビル8に向けて第1及び第2ミリ波帯信号を伝送することもできる。
【符号の説明】
【0025】
4 6 8 ビル影にあるビル
20 第1送信機(第1送信手段)
30 第1受信機(第1受信手段)
42 第2送信機(第2送信手段)
53 第2受信手段
62 第3送信機(第3送信手段)
64 第3受信機(第3受信手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信された第1の静止衛星からの第1衛星信号に基づく第1衛星中間周波信号を、ミリ波帯の信号に周波数変換した第1ミリ波帯信号と、受信された第2の静止衛星からの第2衛星信号に基づく第2衛星中間周波信号を、前記ミリ波帯の信号に周波数変換した第2ミリ波帯信号とを、ビル影にあって前記第1及び第2の静止衛星から第1及び第2衛星信号が非到達のビルに、送信し、前記第1及び第2ミリ波帯信号は、ほぼ同一周波数帯の信号であって、異なる偏波である第1送信手段と、
前記ビル影にあるビルに設けられ、第1送信手段から送信された第1及び第2ミリ波帯信号を受信して、元の第1及び第2衛星中間周波信号に周波数変換する第1受信手段と、
前記ビル影にあるビルに設けられ、第1受信手段からの第1及び第2衛星中間周波信号を、第1及び第2ミリ波帯信号に再変換して、前記ビル影にあるビルの高さ方向に沿って送信する第2送信手段と、
前記ビル影にあるビルの異なる位置にそれぞれ設けられ、第2送信手段から送信された第1及び第2ミリ波帯信号を受信し、元の第1及び第2衛星中間周波信号に周波数変換する複数の第2受信手段と、
前記ビル影にあるビルに設けられ、第1受信手段からの第1及び第2衛星中間周波信号のうち少なくとも一方を、第1及び第2ミリ波帯信号のうち対応するものに周波数変換して、別のビル影にあるビルに送信する第3送信手段とを、
具備するミリ波帯伝送システム。
【請求項2】
請求項1記載のミリ波帯伝送システムにおいて、第3の送信手段は、第1及び第2衛星中間周波信号を第1及び第2ミリ波帯信号に周波数変換して、ビル影にある別のビルに送信するミリ波帯伝送システム。
【請求項3】
請求項1記載のミリ波帯伝送システムにおいて、第1送信及び受信手段は、共に、異なる偏波の第1及び第2ミリ波帯信号に対して共通のアンテナを有するミリ波帯伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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