説明

メカニカルスプライス用接続工具、及び光ファイバ接続工法、及びアタッチメント

【課題】一方の光ファイバの余長がかなり短い場合でも、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続を可能とする。
【解決手段】メカニカルスプライス2の光ファイバガイド溝の一端側から突合せ接続位置まで挿入された第1の光ファイバ3を蓋体の一端側で把持するとともに蓋体の他端側を開いた状態とした前記メカニカルスプライス2を、メカニカルスプライス案内部に沿って、メカニカルスプライス案内部から浮き上がるのを浮き防止部で防止しつつ、位置を固定された第2の光ファイバ4に向けて前進させて第2の光ファイバ4をメカニカルスプライス2の光ファイバガイド溝内に挿入し、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突合せ接続する。第2の光ファイバ4は動かさないので、第2の光ファイバ4が短余長であってもメカニカルスプライス2による光ファイバ接続が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メカニカルスプライスにより光ファイバ同士を突合せ接続するためのメカニカルスプライス用接続工具、及び光ファイバ接続工法、及び光ファイバ接続工法に用いるアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
メカニカルスプライスは一般に、光ファイバガイド溝を有するベースと前記ベースに被せられる蓋体と前記ベースと蓋体とを互いに合せた状態でクランプする板バネとを備えた構成であり、光ファイバ同士を光接続する際には、クサビ部材により蓋を僅かに開いた状態でメカニカルスプライスの一端側から光ファイバガイド溝(以下、場合により単にガイド溝という)に挿入した光ファイバと、他端側からガイド溝に挿入した光ファイバとをガイド溝上で突合せ接続する。
このメカニカルスプライスによる光ファイバ接続を行う場合、一般にメカニカルスプライス用接続工具を用いる。
従来は、図35に模式的に示した接続工具81のように、中央部にメカニカルスプライス2を固定するメカニカルスプライス固定部83を設け、その両側に光ファイバホルダ84、85をそれぞれスライド可能に案内する光ファイバホルダ案内部86、87を設けた構成であり、光ファイバ88、89同士の光ファイバ接続の際には、一方の光ファイバ88を保持した光ファイバホルダ84、及び他方の光ファイバ89を保持した光ファイバホルダ85を両側からそれぞれメカニカルスプライス2に向けて矢印のようにスライドさせることで、保持した光ファイバ88、89をメカニカルスプライス2のガイド溝内で突合せ接続する。
特許文献1に記載された接続工具も、図35の接続工具と同様に、メカニカルスプライスに対して両側の光ファイバホルダをメカニカルスプライスに向けてスライドさせる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−71999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、新たなユーザ家屋に光回線を導入するに際して、架空の光通信線路の光クロージャからユーザ家屋にドロップケーブルを引き落とす場合、光クロージャにおいて光ファイバ幹線から適宜の光ファイバを取り出して切断し、切断点の局側の光ファイバに光コネクタを取り付け、ドロップケーブル側の光コネクタと光接続するが、後に解約などでその光回線が不使用になった場合、その不使用になった光回線を活かすには、切断点の前記局側の光ファイバとその反対側の光ファイバとを再接続することが必要となる。
その際、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと、前記光回線導入時の切断点の局と反対側の光ファイバとを光接続する必要がある。
この場合、一端側に光コネクタを取り付けた中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバを用い、光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ(中継ぎ用の光コネクタ)と前記局側光コネクタとをコネクタ接続し、光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(中継ぎ用の光ファイバ)と前記切断点の局側と反対側の光ファイバとをメカニカルスプライスにより接続する場合がある。
このような場合、前記切断点の局側と反対側の光ファイバは、光クロージャ内に余長として延出している長さが例えば8cm程度などと短いので、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続は極めて作業性が悪い、あるいは困難であるという問題がある。
【0005】
上記従来の接続工具81で、上記のように光ファイバの余長が少ない状況でのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続を行なう場合、極めて作業性が悪い。
すなわち、光ファイバホルダ側をスライドさせる構造では、そのスライドさせる距離を考慮すると、接続工具81の長手方向寸法が例えば140mmなどと大きさサイズとなるので、この接続工具81を用いて、前述した光クロージャ内で余長が80mm程度という短余長の光ファイバをメカニカルスプライスで突合せ接続することは困難である。
また、保持した光ファイバの余長が短いので、その短余長の光ファイバを保持した光ファイバホルダを動かす操作自体の作業性が悪い。このため、そのような短余長の光ファイバをメカニカルスプライスで接続可能にすることが望まれている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、接続しようとする光ファイバのうちの一方の光ファイバの余長がかなり短い場合でも、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続を可能とするメカニカルスプライス用接続工具、及び光ファイバ接続工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する請求項1の発明のメカニカルスプライス用接続工具は、ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスを直線的にスライド可能に案内するメカニカルスプライス案内部と、前記メカニカルスプライス案内部の部分に設けた、前記メカニカルスプライスがメカニカルスプライス案内部から浮き上がるのを防止する浮き防止部と、前記メカニカルスプライスのスライド方向に対向する位置に設けられた第2の光ファイバの位置を固定する光ファイバ位置固定部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2は、請求項1のメカニカルスプライス用接続工具において、前記メカニカルスプライス案内部が、メカニカルスプライスを保持した光ファイバ接続用補助具をスライド可能に案内する構造であることを特徴とする。
【0009】
請求項3は、請求項1又は2のメカニカルスプライス用接続工具において、前記光ファイバ位置固定部は、第2の光ファイバを保持する光ファイバホルダを固定するホルダ固定部により構成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4は、請求項3のメカニカルスプライス用接続工具において、前記ホルダ固定部は、当該ホルダ固定部上を光ファイバホルダがスライド可能であるとともに、ホルダ固定部の工具長手方向の長さが光ファイバホルダの工具長手方向の長さと略同じであることを特徴とする。
【0011】
請求項5は、請求項3又は4のメカニカルスプライス用接続工具において、前記メカニカルスプライス案内部に、光ファイバホルダを前記ホルダ固定部に位置させた状態での当該光ファイバホルダから延出させる光ファイバの先端位置を示す先端位置マークMを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6は、請求項3〜5のいずれか1項のメカニカルスプライス用接続工具において、前記光ファイバホルダを所定の位置に位置決めする位置決め部として、メカニカルスプライス案内部とホルダ固定部との境界部に突起部を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項7は、請求項1のメカニカルスプライス用接続工具において、
前記メカニカルスプライスを所定の位置に位置決めする位置決め部として、メカニカルスプライス案内部と光ファイバ位置固定部との境界部に突起部を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項8は、請求項2を引用した請求項3に記載のメカニカルスプライス用接続工具において、
前記ホルダ固定部に所定位置にて固定された状態での光ファイバホルダの前端面が、前記光ファイバ接続用補助具の前進限を規定する前進限規定手段とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項9は、請求項2を引用した請求項3に記載のメカニカルスプライス用接続工具において、前記メカニカルスプライス案内部のホルダ固定部との境界近傍に、前記光ファイバ接続用補助具の両側面に設けた突部を係合させる係合凹所を持つ光ファイバ接続用補助具係合片を設けたことを特徴とする。
請求項10は、請求項9のメカニカルスプライス用接続工具において、前記光ファイバ接続用補助具係合片は、工具先端側幅広部の両側部に繋がるU字状湾曲部に連接されていることを特徴とする。
【0016】
請求項11は、請求項3のメカニカルスプライス用接続工具において、前記ホルダ固定部のメカニカルスプライス案内部との境界近傍に、前記光ファイバホルダの両側面に設けた突部を係合させる係合凹所を持つ光ファイバホルダ係合片を設けたことを特徴とする。
請求項12は、請求項11のメカニカルスプライス用接続工具において、前記光ファイバホルダ係合片は、工具先端側幅広部の両側部に繋がるU字状湾曲部に連接されていることを特徴とする。
【0017】
請求項13の発明の光ファイバ接続工法は、ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスを光ファイバ接続用補助具で保持し、その光ファイバ接続用補助具を、メカニカルスプライス用接続工具に設けた、前記光ファイバ接続用補助具がメカニカルスプライス案内部から浮き上がるのを防止する浮き防止部により浮き防止を図りつつ、メカニカルスプライス用接続工具のメカニカルスプライス案内部上をスライドさせて、前記光ファイバ接続用補助具のスライド方向と対向する位置に設けられた光ファイバホルダに向けて前進させて、第1の光ファイバと第2の光ファイバとを、メカニカルスプライスの光ファイバガイド溝上で突き合わせ接続することを特徴とする。
【0018】
請求項14の発明は、請求項13の光ファイバ接続工法により、第1の光ファイバと第2の光ファイバとを突き合わせ接続する前工程として、光ファイバの被覆を除去する工程及び光ファイバを所定長さに切断する工程において、それぞれ被覆除去開始位置又は光ファイバ切断位置を規定するスペーサとして用いるアタッチメントであって、
第2の光ファイバを保持する光ファイバホルダを載せる台部と、前記台部の前方側に形成される所定長さの前方部とを一体に有し、前記光ファイバホルダに対して互いに位置決めされた状態で着脱可能に一体化されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のメカニカルスプライス用接続工具、あるいは光ファイバ接続工法によれば、第1の光ファイバを蓋体の一端側で把持したメカニカルスプライスを、浮き防止部によりメカニカルスプライスが浮き上がるのを防止しつつ、位置を固定された第2の光ファイバに向けて前進させて、第1の光ファイバと第2の光ファイバとを突合せ接続することができるので、すなわち、第2の光ファイバを動かす必要がないので、第2の光ファイバの余長が短くても、特に問題なくメカニカルスプライスによる突合せ接続を行うことができ、第2の光ファイバの余長が短いことで作業性が悪い、あるいは困難であるという問題は解消される。
また、短余長の光ファイバを保持した光ファイバホルダを動かす操作自体の作業性が悪いが、突合せ接続時に光ファイバホルダは位置固定なので、この点でも作業性が悪い問題は解消される。
【0020】
突合せ接続時に第2の光ファイバを動かす必要がないので、請求項3のように、光ファイバホルダをスライド可能な構造としても、光ファイバホルダの工具長手方向の長さをホルダ固定部の工具長手方向の長さと略同じにすることができ、メカニカルスプライス用接続工具の全長を短くすることができる。これにより、突合せ接続する第2の光ファイバの長さを十分短くすることが可能となる。
【0021】
請求項2のように、メカニカルスプライスをメカニカルスプライス用接続工具上を直接スライドさせる構成でなく、メカニカルスプライスを保持する光ファイバ接続用補助具を介してスライドする構成とすれば、メカニカルスプライスを円滑に動作させることができる。
【0022】
請求項5によれば、先端位置マークにより、第2の光ファイバを光ファイバホルダから延出させる長さ(カット長さ)を決めることが容易になる。
請求項6によれば、光ファイバホルダの位置決めが容易である。
請求項7によれば、メカニカルスプライスの前進限位置を正確に設定できる。
請求項8によれば、簡単に、対応させるべきメカニカルスプライスの前進限位置と光ファイバホルダの位置とを正確に定められる。
請求項9によれば、光ファイバ接続用補助具に設けた突部を、接続工具側の光ファイバ接続用補助具係合片の係合凹所に係合させることで、突合せ接続作業の間、第1の光ファイバを保持した光ファイバ接続用補助具を接続工具に適切に固定できる。
請求項10によれば、U字状湾曲部に連接する光ファイバ接続用補助具係合片の係合凹所がU字状湾曲部の弾性により、光ファイバ接続用補助具の両側面に設けた突部を挟持することができ、光ファイバ接続用補助具を適切な挟持力で挟持できる。
請求項11によれば、光ファイバホルダに設けた突部を、接続工具側の光ファイバホルダ係合片の係合凹所に係合させることで、突合せ接続作業の間、第2の光ファイバを保持した光ファイバホルダを接続工具に適切に固定できる。
請求項12によれば、U字状湾曲部に連接する光ファイバホルダ係合片の係合凹所がU字状湾曲部の弾性により、光ファイバホルダの両側面に設けた突部を挟持することができ、光ファイバホルダを適切な挟持力で挟持できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例の光ファイバ接続工法及びメカニカルスプライス用接続工具を用いて、メカニカルスプライスによる光ファイバ同士の突合せ接続を行った状態の斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図2の接続工具近傍の拡大図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】図2のA−A断面図である。
【図8】図7の接続工具近傍の拡大図である。
【図9】図7における光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ近傍の拡大図である。
【図10】上記実施例で用いるメカニカルスプライスを示すもので、(a)は正面図、(b)は拡大した右側面図、(c)は(b)のB−B断面図である。
【図11】図1等における接続工具とスライダと光ファイバホルダとのみを示した斜視図である。
【図12】図11における接続工具の平面図である。
【図13】(a)は図12のC−C断面図、(b)は同D−D断面図である。
【図14】図11におけるスライダの平面図である。
【図15】図14の正面図である。
【図16】クサビユニットのスライダへの取り付け状況を説明する図である。
【図17】本発明の一実施例の光ファイバ接続工法及びメカニカルスプライス用接続工具を用いてメカニカルスプライスによる第1の光ファイバと第2の光ファイバとを突合せ接続する際の工程を説明するもので、準備段階を終えて突合せ接続する際の初期の状態を示す斜視図である。
【図18】図17の段階に続いて、光ファイバホルダを接続工具に装着した状態の斜視図である。
【図19】図18の段階に続いて、ケースとともにスライダに固定したクサビ付きメカニカルスプライスを接続工具にセットした状態の斜視図である。
【図20】図19の段階に続いて、ケースとともにスライダに固定したクサビ付きメカニカルスプライスを接続工具上をスライドさせて内蔵の第1の光ファイバと、光ファイバホルダで保持された第2の光ファイバとを突合せ接続した状態の斜視図(図1の状態)である。
【図21】メカニカルスプライス用接続工具の他の実施例を示す斜視図である。
【図22】図21のメカニカルスプライス用接続工具の平面図である。
【図23】図21のメカニカルスプライス用接続工具の正面図である。
【図24】図22のE−E断面図である。
【図25】図22の左側面図である。
【図26】(a)は図22のF−F断面図、(b)は同G−G断面図である。
【図27】光ファイバホルダに本発明の一実施例のアタッチメントを着脱可能に装着して一体化した状態を示す斜視図である。
【図28】図27の正面図である。
【図29】図27の平面図である。
【図30】図27の左側面図である。
【図31】図27における光ファイバホルダのみを示した斜視図である。
【図32】図31の正面図である。
【図33】図27におけるアタッチメントのみを示した斜視図である。
【図34】図33の正面図である。
【図35】従来の一般的なメカニカルスプライス用接続工具及びその使用状態を簡略化して示したもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施したメカニカルスプライス用接続工具、及び、光ファイバ接続工法、及び光ファイバ接続工法に用いるアタッチメントについて、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0025】
図1〜図3は本発明の一実施例のメカニカルスプライス用接続工具11を用いて、メカニカルスプライス2による光ファイバ同士の突合せ接続を行った状態(但し作業終了ではない)を示すもので、図1は斜視図、図2は平面図、図3は正面図である。図4は図2における接続工具近傍の拡大図、図5は図4の正面図、図6は図5の右側面図である。また、図7は図2のA−A断面図、図8は図7における接続工具近傍の拡大図、図9は図7における光コネクタ付き光ファイバの光コネクタの近傍の拡大図である。
【0026】
このメカニカルスプライス用接続工具11は、メカニカルスプライス2により第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突合せ接続する際に用いるもので、例えば、前述したように、光通信線路に設けられた光クロージャにおいて、特に突合せ接続される一方の光ファイバの余長が短い場合に極めて有効なメカニカルスプライス用接続工具である。
【0027】
対象とするメカニカルスプライスは一般的ものであり、図10(a)、(b)、(c)にも示すように、光ファイバガイド溝(以下、場合により単にガイド溝という)6を有するベース7と、前記ベース7に被せられる蓋体8と、前記ベース7と蓋体8とを互いに合せた状態でクランプするC形板バネ9とからなる。なお、光ファイバガイド溝はベース7又は蓋体8の少なくとも一方に形成されていればよい。6aは0.125mm径の裸ファイバを収納する溝、6bは0.25mm径の被覆部分を収納する溝である。
なお、この実施例では対象とする第1の光ファイバ3及び第2光ファイバ4はいずれも、0.125mmφの裸ファイバに0.25mmφのUV樹脂被覆を施し、その上に0.5mmφのUV樹脂被覆を施した光ファイバ心線である。各図面ではそれらの区別を明示していないが、メカニカルスプライス2の入口までは0.5mmφの光ファイバ心線、メカニカルスプライス2内のガイド溝6bの部分は0.25mmφの光ファイバ心線、ガイド溝6aの部分は0.125mm径の裸ファイバである。
図示例のメカニカルスプライス2は、蓋8が一端側(第1の光ファイバ3が挿入される側)の分割蓋体8aと他端側(第2の光ファイバが挿入される側)の分割蓋体cと中央の分割蓋体bとに3分割されている。C形板バネ9は、前記3つの蓋体8a、8b、8cにそれぞれ対応して、スリットで分けられた3つの部分9a、9b、9cを持つ。但し、蓋体8は必ずしも分割されていなくてもよい。
メカニカルスプライス2には、ベース7と蓋体8との間に形成されるクサビ差込凹所10が4箇所に設けられている。
【0028】
図1〜図9において、符号11はメカニカルスプライス用接続工具、12は光ファイバ接続用補助具であるスライダ、13は第2の光ファイバ4を保持する光ファイバホルダ、14はクサビユニット、35はケースである。
実施例のメカニカルスプライス用接続工具(以下、場合により単に接続工具という)11は、図4〜図8、図11、図12などに示すように、単独の部材からなり、光ファイバ接続用補助具であるスライダ12を直線状にスライド可能に案内することでメカニカルスプライス2を直線状にスライド可能に案内するメカニカルスプライス案内部16と、前記メカニカルスプライス2のスライド方向に対向する位置に設けられた、前記第2の光ファイバ4を保持した光ファイバホルダ13を固定するホルダ固定部17とを備えている。
前記メカニカルスプライス案内部16は、平坦なスライド面16aの両側に背の低い壁状のガイド面16bを形成して構成している。
スライダ12をスライドさせるスライド面16aには、図12に示すように、光ファイバホルダ13を前記ホルダ固定部17に位置させた状態での当該光ファイバホルダ13から延出させる第2の光ファイバ4の先端位置を示す先端位置マークMを設けている。この先端位置マークMは、第2の光ファイバ4の被覆を除去する際に、被覆を除去すべき範囲を一目で分るようにするための目盛りであり、実施例では0.5mm径の被覆除去と0.25mm径の被覆除去との2回の被覆除去操作を行なうので、2箇所に先端位置マークM、Mを設けている。先端位置マークMは、線を描いたもの、あるいは細い切り込み線を入れたものなどとすることができる。
メカニカルスプライス案内部16とホルダ固定部17との境界部に、光ファイバホルダ13の位置決めをする突部状のストッパ18を持つ。なお、この実施例では、スライダ12の前進限の規定は、図5、図8など示すように、スライダ12の前端面12bが、ストッパ18に当たった光ファイバホルダ13の前端側の位置決め面13aに当たることによる(当たった位置が前進限)。
なお、前記ストッパ18の工具長手方向寸法を適切に設定することで、ストッパ18の光ファイバホルダ13側と反対側の面を、スライダ12の前進限の規定するストッパとすることもできる。また、スライダ12の前進限を規定するストッパを、前記ストッパ18とは別個に設けることもできる。
図8に示すように、ホルダ固定部17の長手方向寸法Lは、光ファイバホルダ13の長手方向寸法(同じくLで示す)と略同じとしている。
メカニカルスプライス案内部16の概ね長手方向中間部付近の幅方向両側に、図13(a)の断面図にも示すように、スライダ12の浮き上がりを防止するための溝部19aを形成したスライダ浮き防止部19を持つ。この溝部19aにスライダ12の後述する左右両端部の被案内部12aがスライド可能に嵌合して、スライダ12が浮き上がるのを防止する(脱落防止する)。
メカニカルスプライス案内部16の前記ストッパ18に近い部分の両側に、スライダ12を係合させるスライダ係合片20を持ち、ホルダ固定部17の前記ストッパ18に近い部分の両側に、光ファイバホルダ13を係合させるホルダ係合片21を持つ。
前記スライダ係合片20は図13(b)の断面図に示すように、接続工具11の先端側幅広部11aの両側部に繋がるU字状湾曲部20a、及びその内側立上り部上端から工具幅方向中央側に延出する延出部20bを有し、この延出部20bに形成した略三角形状の係合凹所20cが、スライダ12の両側面に形成した後述する三角形突部28を係合させて、スライダ12をその位置に固定する。U字状湾曲部20aはバネ作用を持ち、スライダ12を弾性的に挟持可能とする。
ホルダ係合部21も同じ構造であり、U字状湾曲部21a、延出部21b、係合凹所21cを持つ。
【0029】
前記スライダ12はメカニカルスプライス2を保持して接続工具11のメカニカルスプライス案内部16をスライドする部材であり、メカニカルスプライス2とこれを保持するスライダ12とはメカニカルスプライスユニット1を構成する。
図11、図14、図15などに示すように、接続工具11のメカニカルスプライス案内部16のスライド面16a上を両側の案内面16bに沿って案内される被案内部12aを両側に有し、両側の被案内部12a間に、メカニカルスプライス2を収容し保持するメカニカルスプライス保持部25を形成する両側の側壁部26を有し、先端近傍にメカニカルスプライス2の先端を当てる前壁面27を有する。両側の側壁部26の前記前面壁27の付近の外面に、接続工具11に形成した前記スライダ係合部20の係合凹所20cに係合する前述の三角形突部28が形成されている。
また、両側の側壁部26のそれぞれ外側に上下に貫通する長方形孔29が形成され、その長方形孔29の前後にそれぞれ幅方向外側に突出する突出部30、31が形成されている。
前記クサビユニット14は、後述する両側の取付片46が前記両側の前後の突出部30、31間において前記長方形孔29に挿入されその下端の爪部46aが側壁部26の下面に係合することで、スライダ12に取り付けられる。
また、スライダ前端面12bと前記メカニカルスプライス保持部25の前壁面27との間の部分に前壁面27に向かって、第2の光ファイバ4をスムーズに導入するための先窄まりとなる半円錐面32が形成されている。
また、後部にケース35の後述のケース本体36の前端部を載せる後方平坦部33を有している。メカニカルスプライス2の後部はケース本体36を介して前記後方平端部33に載る。
【0030】
実施例の前記ケース35は、図示の通りケース本体36とカバー37とからなり、いずれも、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂のシートなどから成形されたものである。但し、製造方法は任意である。
図8にも示すように、ケース本体36の前端部36aがメカニカルスプライス2の後ろ半分を載せる部分である。また、カバー37の先端部の上面を窪ませて形成した下向き突出部37aでメカニカルスプライス2を押えるようになっている。
また、図9にも示すように、ケース本体36の後端部に、光コネクタ付き光ファイバ40における光コネクタ39の部分を収納する光コネクタ収納部36bを有している。また、カバー37の後端部の上面を窪ませて形成した下向き突出部37bで光コネクタ39を押えるようになっている。
【0031】
図8、図10、図16などに示すように、前記クサビユニット14は、メカニカルスプライス2の2箇所のクサビ差込凹所10に差し込まれて蓋体8を開く2つのクサビ41を備えており、スライダ12に取り付けられている。
クサビユニット14は、前記2つのクサビ41と、スライダ12の上面に当接する当接部42と、当接部42と対向する上部の昇降部43と、当接部42と昇降部43とを連結して撓み変形可能な左右のクサビ抜取り操作部44と、昇降部43から垂下して前記クサビ41を把持するクサビ把持部45と、当接部42の両側から下方に延出して、スライダ12の両側の壁部26に外側から係合する爪部46aを持つ取付片46とを有している。
クサビ41がメカニカルスプライス2の差込口10に挿入されて、ベース7と蓋体8と間に隙間を形成する。光ファイバどうしが突き合わされた後、クサビ抜取り操作部44を両側から手で内側に押し込むと、クサビ把持部45とともにクサビ41が上昇して差込口10から抜き取られ、C形板バネ9の弾性挟持力で光ファイバがベース7と蓋体8とで把持される。
【0032】
前記光ファイバホルダ13は、図1〜図8、図11などに示すように、ホルダ本体51と蓋体52とからなる。なお、ホルダ本体51と蓋体52とがヒンジ機構を介して一体化された一体成型品でもよい。ホルダ本体51は、蓋体52の前後の位置にV溝51a、51bを持ちかつ先端側にも突起部で形成したV溝51cを有する。光ファイバホルダ13は、第2の光ファイバ4のホルダ幅方向の位置決めをする前記V溝51a、51b、51cを通してホルダ本体51上に載せた第2の光ファイバ4を、蓋体52を閉じて保持する。
また、両側部に、接続工具11側のホルダ係合片21の係合凹所21cに係合する三角形突部53を持つ。
【0033】
上述した通り、接続工具11におけるホルダ固定部17の長手方向寸法Lを、光ファイバホルダ13の長手方向寸法Lと略同じにしたのは、後述するように、光ファイバ同士の突き合わせ時に光ファイバホルダ13側を動かさないので、接続工具11上に、第2の光ファイバ4を保持した状態での光ファイバホルダ13のスライド距離を考慮する必要がないからであり、接続工具11の長手方向寸法を小さくすることができる。
図35に示した従来の接続工具81の長手方向寸法が約140mmであるのに対して、この実施例の接続工具11の長手方向寸法は例えば70mm程度で済み、十分短尺化されている。
なお、光ファイバホルダ13を光ファイバ同士の突合せ接続時にスライドさせることはしないが、この実施例では、準備段階では光ファイバホルダ13の先端側部分を接続工具11のホルダ固定部17の平坦面上をスライドさせて所定の位置にセットする。
【0034】
上記のメカニカルスプライス用接続工具11を用いて第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突合せ接続する作業について説明する。
以下の光ファイバ接続作業の説明では、第1の光ファイバ3及び第2光ファイバ4がいずれも、0.125mmφの裸ファイバに0.25mmφのUV樹脂被覆を施し、その上に0.5mmφのUV樹脂被覆を施した光ファイバ心線である。
また、第1の光ファイバ3は、メカニカルスプライス2への挿入側と反対端に光コネクタ39を取り付けた光コネクタ付き光ファイバ40における光ファイバ3である。
(1)予め、メカニカルスプライス2の一端側の2つのクサビ差込凹所10及び他端側の2つのクサビ差込凹所10にそれぞれクサビを差し込んで蓋を開いておき、先端部の被覆を除去して裸ファイバを露出させた第1の光ファイバ3をメカニカルスプライス2のガイド溝6に挿入し、その先端をメカニカルスプライス2の突き合わせ接続点まで送り込んだ後、一端側のクサビを抜いて、C型板バネ9でメカニカルスプライス2のベース7と蓋8とを一端側において挟持し、第1の光ファイバ3を把持する。他端側のクサビ41は各図に示された通り差し込まれたままであり、メカニカルスプライス2の他端側の蓋8bは僅かに開いた状態である。
また、この実施例ではケース35のケース本体36の前端部36aがスライダ12に予め接着剤等で固定されており、メカニカルスプライス2及び光コネクタ付き光ファイバ40を予めケース35に収容している。なお、メカニカルスプライス2の前方半分はスライダ12のメカニカルスプライス保持部25に直接収容されている。
(2)光ファイバホルダ13の先端部を、蓋体52を開けた状態で接続工具11のホルダ固定部17上に載せ、ストッパ18に突き当たるまでスライドさせる。
(3)接続しようとする第2の光ファイバ4を、光ファイバホルダ13のV溝51a、51b、51cに通してホルダ本体51上に載せ、先端が接続工具11に印した所定位置(例えば、ホルダ固定部17に固定した状態の光ファイバホルダ13の前端から例えば47mmの位置(図12でMの位置)にくるようにして蓋体52を閉じて保持する。
(4)0.5mm用メカニカルストリッパで光ファイバホルダ13から延出している部分の0.5mm被覆を除去して、0.25mm光ファイバ心線を露出させる。
(5)光ファイバホルダ13の蓋体52を開け、前記第2の光ファイバ4を後退させて、先端が接続工具11に別に印した所定位置(例えば35mm(図12でMの位置)にくるようにして蓋体52を閉じて保持する。なお、この第2の光ファイバ4を後退させる工程は、ホルダの構造によっては、後退をさせずに済ませることも可能である。
(6)0.25mm用メカニカルストリッパで光ファイバホルダ13から延出している部分の0.25mm被覆を除去して、0.125mmの裸ファイバを露出させる。
(7)光ファイバホルダ13を接続工具11から外し、光ファイバ(裸ファイバ)の清掃、スクリーニングを行い、ファイバカッターで光ファイバをカットする。その際、光ファイバカッターに専用のスペーサをセットすることで、その専用スペーサで規定される所定の長さで光ファイバを切断することができる。
(8)図17は以上の作業を済ませた状態を示すもので、次いで、光ファイバホルダ13の先端部を再び、接続工具11のホルダ固定部17に載せ、ストッパ18に突き当たるまでスライドさせる。この時、光ファイバホルダ13の両側の三角形突部53が接続工具11のホルダ固定部17の係合凹所21cに係合して、光ファイバホルダ13がその位置から後退しないように保持される(図18の状態)。
(9)前記のように予めメカニカルスプライス2及びケース本体36を取り付けたスライダ12を、接続工具11のメカニカルスプライス案内部16にセットし、その前端面12bが、既に接続工具11に固定された光ファイバホルダ13の位置決め面13aに当たるまで前方にスライドさせる(図19はスライドさせている途中状態を示す)。
スライダ12とともに前進するメカニカルスプライス2の前進により、光ファイバホルダ13に保持され第2の光ファイバ4がメカニカルスプライス2のガイド溝6内に挿入され、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とがガイド溝6の突き合わせ接続点において突き合わせられる(図20はこの段階を示す)。
(10)前記の第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突き合わせた状態で、光ファイバホルダ13から延出している第2の光ファイバ4が撓んでいることを確認した後、クサビユニット14の左右のクサビ抜き取り操作部44を左右からつまんで内側に寄せ昇降部43を上昇させてクサビ41をクサビ差込凹所10から抜くと、ベース7と蓋体8とがC形板バネ9の弾性でクランプされ光ファイバ4を把持する。これにより、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とが適切に突合せ接続される。
以上の作業により、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とのメカニカルスプライス2による突合せ接続自体は完了するが、実際にはさらに次の作業をする。
(11)クサビユニット14をスライダ12から取り外す。
(12)光ファイバホルダ13の蓋52を開ける。
(13)ケース35の蓋37を開け、ケース本体36から光コネクタ39を取り出す。
(14)光コネクタ39を持ちながら、メカニカルスプライス2をケース本体36及びスライダ12から取り出す。
以上により、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とのメカニカルスプライス2による光ファイバ接続が完了する。
【0035】
上述のメカニカルスプライス用接続工具11あるいは光ファイバ接続工法は、第2の光ファイバ4が光クロージャ内での短余長の光ファイバである場合に特に有効である。
前述した通り、例えば、新たなユーザ家屋に光回線を導入するに際して、架空の光通信線路の光クロージャからユーザ家屋にドロップケーブルを引き落とす場合、光クロージャにおいて光ファイバ幹線から適宜の光ファイバを取り出して切断し、切断点の局側の光ファイバに光コネクタを取り付け、ドロップケーブル側の光コネクタと光接続するが、後に解約などでその光回線が不使用になった場合、その不使用になった光回線を活かすには、切断点の前記局側の光ファイバとその反対側の光ファイバとを再接続することが必要となる。
その際、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと、前記光回線導入時の切断点の局と反対側の光ファイバとを光接続する必要がある。
この場合、一端側に光コネクタを取り付けた中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバを用い、光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ(中継ぎ用の光コネクタ)と前記局側光コネクタとをコネクタ接続し、光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(中継ぎ用の光ファイバ)と前記切断点の局側と反対側の光ファイバとをメカニカルスプライスにより接続する場合がある。
このような場合、前記切断点の局側と反対側の光ファイバは、光クロージャ内に余長として延出している長さが例えば8cm程度などと短いので、接続工具の長手方向寸法が大きいと、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続は極めて作業性が悪い、あるいは困難であるという問題がある。
しかし、上記の接続工具11は、その長手方向寸法が短尺化されているので、余長が短くても、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続を容易に行なうことができ、作業性が悪い、あるいは困難であるという問題が解消される。
また、光ファイバ同士の突合せ接続時には、中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(第1の光ファイバ3)を把持したメカニカルスプライス2をスライドさせればよく、前記切断点の局側と反対側の短余長の光ファイバ(第2の光ファイバ4)を保持した光ファイバホルダ13は動かす必要がないので、その点でも作業性が悪い、あるいは困難であるという問題は解消される。
【0036】
なお、上述の光ファイバ接続作業が、実際の光クロージャ内での中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ接続である場合、前述の作業に引き続いて、光コネクタ付き光ファイバ40の光コネクタ39を、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと接続し、その光コネクタ接続部を光クロージャ内の収納トレイ上の光コネクタ装着部に装着する。
【実施例2】
【0037】
図21〜図26にメカニカルスプライス用接続工具の他の実施例を示す。
前述した第1の光ファイバと第2の光ファイバとの突合せ接続作業において、第2の光ファイバ4の被覆を除去する際に、第2の光ファイバを光ファイバホルダから所定距離だけ延出させた状態で保持して被覆除去を行なうが、この実施例の接続工具(メカニカルスプライス用接続工具)111は、光ファイバホルダで第2の光ファイバを保持する際に、第2の光ファイバの光ファイバホルダからの延出距離を極力正確に決めることを可能にしたものである。
したがって、この接続工具111は、基本的な構造としては前述した実施例1の接続工具11と同じであり、メカニカルスプライス案内部116と、第2の光ファイバ4を保持した光ファイバホルダを固定するホルダ固定部117とを備え、さらにスライダ係合片120、ホルダ係合片121を備えた樹脂一体成形品である。なお、図示例では、詳細説明は省略するが、接続工具111が対象とする光ファイバホルダの外形は若干異なる。
前記メカニカルスプライス案内部116は、実施例1の接続工具11のメカニカルスプライス案内部16と同様に、スライダ12の底面が接触してスライドする平坦なスライド面116aを有し、スライダ12の左右両端部の被案内部12aをガイドする背の低い壁状のガイド面116bを有し、スライダ12の前記被案内部12aがスライド可能に嵌合する溝部119aを有してスライダ12が浮き上がるのを防止するスライダ浮き防止部119を有しているが、メカニカルスプライス案内部116の幅方向中央部分に、第2の光ファイバ被覆除去作業の前工程で利用される弾性的に昇降可能な光ファイバ仮載せ部130を有している。
【0038】
前記光ファイバ仮載せ部130は、メカニカルスプライス案内部116のスライド面116aのスライダ進入側の端縁に近い位置から上向きに傾斜する傾斜板部131と、傾斜板部131の上端縁から水平に延びる水平板部132とを有し、傾斜板部131のスライド面116aからの立上り部に、傾斜板部131の傾斜角を弾性的に変化可能にする半円弧状の弾性変形部133を有している。傾斜板部131の傾斜角が変化することで水平板部132の高さ位置が変化する。水平板部132の上面の高さ位置は、ホルダ固定部117にセットされた光ファイバホルダで保持された第2の光ファイバの高さ位置と同レベルとされている。
前記水平板部132の上面に、被覆除去の前工程の段階の第2の光ファイバを収容するためのV溝134を形成している。水平板部132の長手方向両端部と中間部におけるV溝の両側に隆起部135、136、137が形成され、この隆起部135、136、137の部分ではV溝134の上縁が高くなっている。
傾斜板部131側の隆起部136の位置、及び中間部の隆起部137の位置は、第2の光ファイバ4の被覆を除去する際に、光ファイバホルダを前記ホルダ固定部117に位置させた状態での当該光ファイバホルダから延出させる第2の光ファイバ4の先端位置を示す前述の先端位置マークMに相当し、傾斜板部131側の隆起部136の位置が0.5mm径の被覆除去を行う際の前述の先端位置マークMに相当し、中間部の隆起部137の位置が、0.25mm径の被覆除去を行う際の前述の先端位置マークMに相当する。
【0039】
図11、図12の実施例1の接続工具11の場合、メカニカルスプライス案内部16のスライド面16aは、光ファイバホルダ13で保持された第2の光ファイバ4の高さ位置より低いので、スライド面16aに印された先端位置マークMの位置と第2の光ファイバ4とには高さ方向の距離がある。このため、第2の光ファイバの先端位置を先端位置マークMに正確に位置合わせしても、真上から見れば第2の光ファイバの先端位置と先端位置マークMの位置とが一致するので目視で直接的に確認できるが、見る方向が異なれば両者間の相対位置が変化するので、一致しているか否かを目視では明確には確認できずあいまいになる。
しかし、この実施例の接続工具111では、光ファイバ仮載せ部130の水平板部132の上面の高さ位置が、ホルダ固定部117にセットされた光ファイバホルダで保持された第2の光ファイバの高さ位置と同レベルであり、そしてその水平板部132上に先端位置マーク(隆起部136、137)があるので、第2の光ファイバの先端位置と先端位置マーク(隆起部136、137)とを一致させた時は両者が直接一致しており、見る方向によって両者間の相対位置が変化することはないので、両者が一致したことを目視で明確に確認できる。
したがって、第2の光ファイバの被覆を除去する際の前工程として、光ファイバホルダで第2の光ファイバを保持する際に、第2の光ファイバの光ファイバホルダからの延出距離を正確にかつ容易に決めることができる。
【0040】
第2の光ファイバの被覆除去を済ませた後、この接続工具111で第1の光ファイバと第2の光ファイバとの突合せ接続作業をする場合、スライダ12を接続工具111にセットするに際して、スライダ12をメカニカルスプライス案内部116のスライド面116aに載せて前進させると、スライダ12の前端部が光ファイバ仮載せ部130の傾斜板部131に接触した後、弾性変形部133の撓みで弾性的に角度変化可能な傾斜板部13を押し倒し水平板部132を下降させながら前進するので、接続工具111に正常に装着される。
【実施例3】
【0041】
上述の各実施例では接続工具11、111を単独の部材として構成したが、例えば実施例の接続工具11、111自体を工具本体として、その工具本体にスライダ12をスライド可能に取り付けた構造をメカニカルスプライス用接続工具としてもよい。
この場合メカニカルスプライスは、メカニカルスプライス用接続工具上のスライダ12に着脱可能に取り付けられることになる。
また、スライド可能なスライダ12に相当する部分を設けずに、接続工具に直接メカニカルスプライスをスライド可能に装着する構造とすることもできる。
また、上述の実施例では、第2の光ファイバを保持する光ファイバホルダを接続工具に着脱可能な別部材として設けたが、光ファイバホルダ部分が接続工具に固定的に設けられたものでもよく、また、接続工具上に直接光ファイバ保持部を直接設けてもよい。
上述した光ファイバ接続作業は、光ファイバ幹線の光クロージャ内でのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続の場合であるが、例えば複数階のマンション等の集合住宅において、各階毎に分岐接続箱を設置する場合にも、その分岐接続箱においてやはり短余長の光ファイバとのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続が必要となる場合がある。そのような場合にも適用できる。
【0042】
また、一般に、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバのいずれも余長に余裕がある場合であっても、光ファイバ接続作業時に一度の作業で良好な接続性能が得られずに光ファイバを再切断あるいは再再切断するなどして、余長が短くなる場合が多々あるが、その場合、余長に余裕のある光ファイバを第1の光ファイバとし短余長となった光ファイバを第2の光ファイバとすることで、余長が短すぎて突合せ接続が困難になることを回避できる。
【0043】
本発明は、第1の光ファイバが光コネクタ付き光ファイバの光ファイバであるに限らず、光コネクタの付いていない単なる短尺の光ファイバである場合にも当然適用できるし、また、光ファイバの長さに限定されず、長い光ファイバである場合にも適用できる。
また、対象とする光ファイバが、クラッドのコアに隣接する部分にコアに沿う管状の空孔を複数形成した構造を有し、低損失、波長分散特性等の点で優れた特性を持つホーリーファイバ(フォトニッククリスタル光ファイバ(Photonic Crystal Fiber))である場合にも、同様に適用できる。
この場合、メカニカルスプライス内の光ファイバどうしの突き合わせ部に、屈折率整合性を有するシリコーン樹脂またはアクリル樹脂からなる固形の粘着性接続部材を単一層として介在させるとよい。
【実施例4】
【0044】
図27〜図34に、被覆除去に際して被覆除去開始位置を決めるスペーサとして用いるアタッチメントの一実施例を示す。図27は光ファイバホルダ13’に前記アタッチメント60を装着した状態を示す斜視図、図28は同正面図、図29は同平面図、図30は同左側面図である。図31は図27における光ファイバホルダ13’のみを示した斜視図、図32は図31の正面図、図33は図27におけるアタッチメント60のみを示した斜視図、図34図33の正面図である。
【0045】
図示例の光ファイバホルダ13’は、図11等に示した光ファイバホルダ13と若干異なるが、基本構造としては同じである。この光ファイバホルダ13’は、前述の光ファイバホルダ13と同様にホルダ本体51’と蓋体52’とからなる。なお、ホルダ本体51’と蓋体52’とがヒンジ機構を介して一体化された一体成型品でもよい。ホルダ本体51’は、光ファイバを収容する溝として、蓋体52’の後方側(図31、32で右側)に突起部で形成した深いV溝51a’を有し、ホルダ本体51’の前端部にも深いV溝51b’を有し、蓋体52’の下側及び前記V溝51a’の後方位置には浅いV溝51c’を有する。光ファイバホルダ13’は、第2の光ファイバ4のホルダ幅方向の位置決めをする前記V溝51c’、51a’、51b’を通してホルダ本体51’上に載せた第2の光ファイバ4を、蓋体52’を閉じて保持する。
また、前端近傍の両側部に、前述の接続工具11側のホルダ係合片21の係合凹所21cに係合する三角形突部53’を持つ。
【0046】
また、接続工具11におけるホルダ固定部17の長手方向寸法Lを、光ファイバホルダ13’の長手方向寸法Lと略同じにしている。
この実施例の光ファイバホルダ13’も、第2の光ファイバ4をメカニカルストリッパで所定の長さに切断した後に接続工具11にセットする段階では、光ファイバホルダ13’の先端側部分を接続工具11のホルダ固定部17の平坦面上をスライドさせて所定の位置にセットする。
【0047】
前記アタッチメント60は、図33、35に示すように、光ファイバホルダ13’が着脱可能に載せられる台部61と、光ファイバホルダ13’側のV溝51b’に対応する深いV溝62a有して前記台部61の前方側に形成される前方部62とを有し、前記台部61の後端側に、第2の光ファイバを収容する円弧状溝61bを設けた突起部61aを形成している。光ファイバホルダ13’は、アタッチメント60の前記台部61の後端側の突起部61aが嵌合するコ字形凹所51d’を有し、前記突起部61aが前記コ字形凹所51d’に嵌合することにより、アタッチメント60と光ファイバホルダ13’とが互いに位置決めされた状態で着脱可能に一体化される。
【0048】
上記のアタッチメント60は、第2の光ファイバ4の0.5mm被覆を除去した段階で光ファイバホルダ13’に装着する。そして、0.25mm用メカニカルストリッパにより第2の光ファイバ4の0.25mm被覆を除去する際には、アタッチメント60を0.25mm用メカニカルストリッパの所定位置にセットして、0.25mm被覆を除去する。
なお、アタッチメント60を0.25mm用メカニカルストリッパにセットした時、0.25mm用メカニカルストリッパの被覆除去刃の位置が、アタッチメント60に対して正確に0.25mm被覆除去開始位置(図28の矢印Pの位置(実質的に光ファイバホルダ13’の前端面から距離Sの位置))に位置するようになっている。図27〜図32において、第2の光ファイバ4の裸ファイバの部分を4a、0.25mm被覆ファイバの部分を4b、0.5mm被覆ファイバの部分を4cで示す。
【0049】
次いで、光ファイバ(裸ファイバ)の清掃、スクリーニングを行った後、ファイバカッターで光ファイバを切断する。上記アタッチメント60は、光ファイバを切断する際にもそのまま光ファイバホルダ13’に装着しておく。このアタッチメント60は、被覆除去時とファイバ切断時とに共用のスペーサとして機能し、このアタッチメント60をファイバカッターにセットした時、ファイバカッターはこのアタッチメント60で規定される所定の長さで光ファイバを切断することができる。
【0050】
上記のアタッチメント60によれば、上述した通り、0.25mm被覆を除去する際に0.25mm被覆除去開始位置を正確に決めることができる。
また、従来の被覆除去用のスペーサ及び光ファイバ切断用のスペーサはいずれも光ファイバホルダとは別体であり、従来、被覆除去及び光ファイバ切断作業に際して2つのスペーサを用意するか、あるいは少なくとも被覆除去時に用いたスペーサを取り外して光ファイバ切断作業をしていたが、上記のアタッチメント60によれば、光ファイバホルダ13’と一体化されており、かつ、被覆除去及び光ファイバ切断作業に共用の形状となっているので、1つのアタッチメント60により、かつ、載せ替えを必要とせずに、0.25mm被覆除去と光ファイバ切断の工程を行なうことができ、作業効率が向上する。
また、光ファイバホルダ13’はかなり小さな部品なので、手で取り扱いにくいが、光ファイバホルダ13’にアタッチメント60が一体化されておれば、次工程の光ファイバ切断時にファイバカッターにセットする際の取り扱いが容易で、作業性が向上する。
【符号の説明】
【0051】
1 メカニカルスプライスユニット
2 メカニカルスプライス
3 第1の光ファイバ
4 第2の光ファイバ
6 溝
7 ベース
8 蓋体
8a、8b、8c 分割蓋体
9 C形板バネ
10 クサビ差込凹所
11、111 接続工具(メカニカルスプライス用接続工具)
11a 先端側幅広部
12 スライダ(光ファイバ接続用補助具)
12a 被案内部
12b 前端面
13、13’ 光ファイバホルダ
13a 位置決め面
14 クサビユニット
16、116 メカニカルスプライス案内部
16a、116a スライド面
16b、116b ガイド面
17、117 ホルダ固定部
18 ストッパ
19、119 スライダ浮き防止部
19a、119a 溝部
20、120 スライダ係合片
21、121 ホルダ係合片
20a、21a U字状湾曲部
20b、21b 延出部
20c、21c 係合凹所
25 メカニカルスプライス保持部
26 側壁部
27 前壁面
28 三角形突部
29 長方形孔
30、31 突出部
32 半円錐面
33 後方平坦部
35 ケース
36 ケース本体
37 カバー
39 光コネクタ
40 光コネクタ付き光ファイバ
41 クサビ
42 当接部
43 昇降部
44 クサビ抜取り操作部
45 クサビ把持部
46 取付片
46a 爪部
51 ホルダ本体
51a、51b、51c V溝
52 蓋体
53 三角形突部
60 アタッチメント
61 台部
61a 突起部
61b 円弧状溝
62 前方部
62a V溝
130 光ファイバ仮載せ部
131 傾斜板部
132 水平板部
133 弾性変形部
134 V溝
135、136、137 隆起部




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスを直線的にスライド可能に案内するメカニカルスプライス案内部と、前記メカニカルスプライス案内部の部分に設けた、前記メカニカルスプライスがメカニカルスプライス案内部から浮き上がるのを防止する浮き防止部と、前記メカニカルスプライスのスライド方向に対向する位置に設けられた第2の光ファイバの位置を固定する光ファイバ位置固定部とを備えたことを特徴とするメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項2】
前記メカニカルスプライス案内部が、メカニカルスプライスを保持した光ファイバ接続用補助具をスライド可能に案内する構造であることを特徴とする請求項1記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項3】
前記光ファイバ位置固定部は、第2の光ファイバを保持する光ファイバホルダを固定するホルダ固定部により構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項4】
前記ホルダ固定部は、当該ホルダ固定部上を光ファイバホルダがスライド可能であるとともに、ホルダ固定部の工具長手方向の長さが光ファイバホルダの工具長手方向の長さと略同じであることを特徴とする請求項3記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項5】
前記メカニカルスプライス案内部に、光ファイバホルダを前記ホルダ固定部に位置させた状態での当該光ファイバホルダから延出させる光ファイバの先端位置を示す先端位置マークMを設けたことを特徴とする請求項3又は4記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項6】
前記光ファイバホルダを所定の位置に位置決めする位置決め部として、メカニカルスプライス案内部とホルダ固定部との境界部に突起部を設けたことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項7】
前記メカニカルスプライスを所定の位置に位置決めする位置決め部として、メカニカルスプライス案内部と光ファイバ位置固定部との境界部に突起部を設けたことを特徴とする請求項1記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項8】
前記ホルダ固定部に所定位置にて固定された状態での光ファイバホルダの前端面が、前記光ファイバ接続用補助具の前進限を規定する前進限規定手段とされていることを特徴とする請求項2を引用した請求項3に記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項9】
前記メカニカルスプライス案内部のホルダ固定部との境界近傍に、前記光ファイバ接続用補助具の両側面に設けた突部を係合させる係合凹所を持つ光ファイバ接続用補助具係合片を設けたことを特徴とする請求項2を引用した請求項3に記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項10】
前記光ファイバ接続用補助具係合片は、工具先端側幅広部の両側部に繋がるU字状湾曲部に連接されていることを特徴とする請求項9記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項11】
前記ホルダ固定部のメカニカルスプライス案内部との境界近傍に、前記光ファイバホルダの両側面に設けた突部を係合させる係合凹所を持つ光ファイバホルダ係合片を設けたことを特徴とする請求項3に記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項12】
前記光ファイバホルダ係合片は、工具先端側幅広部の両側部に繋がるU字状湾曲部に連接されていることを特徴とする請求項11に記載のメカニカルスプライス用接続工具。
【請求項13】
ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスを光ファイバ接続用補助具で保持し、その光ファイバ接続用補助具を、メカニカルスプライス用接続工具に設けた、前記光ファイバ接続用補助具がメカニカルスプライス案内部から浮き上がるのを防止する浮き防止部により浮き防止を図りつつ、メカニカルスプライス用接続工具のメカニカルスプライス案内部上をスライドさせて、前記光ファイバ接続用補助具のスライド方向と対向する位置に設けられた光ファイバホルダに向けて前進させて、第1の光ファイバと第2の光ファイバとを、メカニカルスプライスの光ファイバガイド溝上で突き合わせ接続することを特徴とする光ファイバ接続工法。
【請求項14】
請求項13の光ファイバ接続工法により、第1の光ファイバと第2の光ファイバとを突き合わせ接続する前工程として、光ファイバの被覆を除去する工程及び光ファイバを所定長さに切断する工程において、それぞれ被覆除去開始位置又は光ファイバ切断位置を規定するスペーサとして用いるアタッチメントであって、
第2の光ファイバを保持する光ファイバホルダを載せる台部と、前記台部の前方側に形成される所定長さの前方部とを一体に有し、前記光ファイバホルダに対して互いに位置決めされた状態で着脱可能に一体化されていることを特徴とするアタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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