説明

メジャー

【課題】低コストで測定値を記録可能なメジャーを提供する。
【解決手段】ロールテープ状に巻いたメジャー10の外周面において幅方向の他端にはデータ記入欄14が設けられている。データ記入欄14は例えば測定期日と測定値(cm)を記入可能とされており、腹囲測定を行う際には測定期日と腹囲測定値とを書き込み可能とされている。メジャー10の内周面には例えば先端部18側に記名欄16が設けられており。使用者あるいは被測定者の氏名を記入可能とされている。また、記名欄16部分のみメジャー10の表面加工を変更し、書き込んだ氏名などの情報が消えにくい構成とされていてもよい。あるいは別途シール等に記載し、貼付する構成とされていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメジャーに関し、特に被測定者の胴に巻き付け腹囲寸法を測定するメジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、長寿命化に伴う健康管理の必要性が重要視され、特にメタボリック症候群およびこれに起因する種々の疾病等に関する関心が高まっている。とりわけ腹囲寸法の測定は皮下脂肪量と密接な関わりがあるため、健康管理における重要な指標の一つとされており、健康診断時の測定項目としての重要性は従来に増して大きい。
【0003】
従来、健康診断時等で腹囲を測定する際はメジャーを被測定者の胴に巻き付け、腹囲寸法を直接測定するのが通常である。しかし上記測定法においては腹囲測定値の中〜長期的変動を経過観察するために、測定された腹囲測定値をその都度、記録紙などに別途記録する必要がある。
【0004】
測定値は自己測定、自己管理が望ましいが、腹囲の変動は数ヶ月から数年に及ぶスパンで捉える必要があり、記録紙やノート等では紛失や汚損の危険が大きく、また測定者にとって面倒であるという欠点が存在する。
【0005】
これに対して、例えばベルトのバックル部分にエンコーダ(センサ)を設けたベルトを使用して被測定者の腹囲寸法を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし上記の方法では測定器具が複雑でありコストが増加する虞がある。また専用のベルトを使用する必要がある等、被測定者に不便が多い。
【0006】
あるいはメジャーの伸縮に伴って現在の測定値がリアルタイムで液晶モニタに表示されている状態で決定ボタンが押下された場合液晶モニタに表示されている測定値がメモリに記憶される測定システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法でも装置のサイズが大きく、やはりコストが増加する虞がある。
【特許文献1】特開2000−155037号公報
【特許文献2】特開2008−101988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、低コストで測定値を記録可能なメジャーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のメジャーは、測定面に複数の測定期日記入欄と測定数値記入欄とが設けられたことを特徴とする。
【0009】
上記構成の発明では、測定値を記録する際にメモやノート等を必要とせず、データの散逸する虞のないメジャーとすることができる。
【0010】
請求項2に記載のメジャーは、請求項1に記載の構成において、ゼロ点側に被測定者の姓名記入欄が設けられたことを特徴とする。
【0011】
上記構成の発明では、測定の際にメジャーが特定の被測定者の使用品であることが判別できるため、混用を回避することができる。
【0012】
請求項3に記載のメジャーは、請求項2に記載の構成において、前記姓名記入欄は測定面の裏側に設けられたことを特徴とする。
【0013】
上記構成の発明では、測定面の裏側に姓名記入欄を設けたため、測定値の記入に支障を来さず測定を行うことができる。
【0014】
請求項4に記載のメジャーは、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の構成において、所定の数値以上の範囲で印字色または地の色またはその両方を変えたことを特徴とする。
【0015】
上記構成の発明では、例えば成人の腹囲を計測する際に所定の数値を超えた範囲では要注意サイズとして計測者または被計測者の注意を喚起することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記構成としたので、低コストで測定値を記録可能なメジャーとすることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<概要>
図1には本発明の実施形態に係るメジャーが示されている。
【0018】
図1に示すように、メジャー10はロールテープ状の形状とされ、収納時はロール状に巻いて図示しないケース内等に収め、使用時は展開してテープ状とされる。メジャー10は例えば合成紙のように鉛筆等の筆記用具で、表面に容易に書き込み可能な素材で形成されている。
【0019】
ロールテープ状に巻いたメジャー10の外周面には幅方向の一端に目盛12が印字されており、目盛12は所定間隔ごとに、例えば10cm間隔で大目盛12Aとされている。
【0020】
目盛12はメジャー10の起点(0cm)側の一端を先端部18として、順次例えばセンチメートル単位で目盛12が印字されており、適宜ミリメートル単位程度まで印字されていてもよい。
【0021】
目盛12は図1に示すように特定の数値以上の部分において、地の色または印字色または両方がそれ以下の数値と異なる構成とされていてもよい。すなわち所定の数値以上となる範囲、例えば80cm以上で黄色の要注意エリア12B、95cm以上で赤の危険エリア12C(図示せず)など、印字色または地の色またはその両方を変えることで被測定者に注意を促すようにしてもよい。色やパターンを分けることで男女別表示にするなど、さらに情報を追加してもよい。
【0022】
ロールテープ状に巻いたメジャー10の外周面において幅方向の他端にはデータ記入欄14が設けられている。データ記入欄14は例えば測定期日と測定値(cm)を記入可能とされており、腹囲測定を行う際には測定期日と腹囲測定値とを書き込み可能とされている。
【0023】
一方、 ロールテープ状に巻いたメジャー10の内周面には例えば先端部18側に記名欄16が設けられており。使用者あるいは被測定者の氏名を記入可能とされている。また、記名欄16部分のみメジャー10の表面加工を変更し、書き込んだ氏名などの情報が消えにくい構成とされていてもよい。あるいは別途シール等に記載し、貼付する構成とされていてもよい。
【0024】
図示しないケースは特に素材、構造等に関して限定されるものではないが、メジャー10の外周面および内周面に設けられたデータ記入欄14および記名欄16の内容を控えるメモ欄等が設けられていてもよい。
【0025】
図2に示すように本発明の実施形態に係るメジャー10を用いて被測定物50の周長を測定する手順は以下の通りである。
【0026】
すなわち被測定物50の周囲にメジャー10を巻き付け、先端部18が突き当たる箇所、すなわち先端部18から遠い側のメジャー10と突き当たった測定箇所20で被測定物50の周囲長を計測する。
【0027】
<作用効果>
本発明は上記構成としたので、以下のような優れた効果を有する。
【0028】
すなわち、本発明の実施形態に係るメジャー10は、測定の際に被測定物50の計測値を測定日時と共にデータ記入欄14に記入し、データ記録とすることができる。特に当該測定値が時間と共に変動する数値である場合、例えば人体の腹囲寸法であれば、データ記入欄14の記入事項がそのまま測定日時ごとの腹囲寸法の記録となる。
【0029】
また記名欄16に被測定者の氏名を記入しておく場合、被測定者が複数存在する環境であっても個々の被測定者ごとにメジャー10が対応しているため、被測定者同士でデータを取り間違える虞はなく、またデータと共に測定日時が記録されているため、所定間隔ごとに被測定者に測定を促すこともできる。更には被測定者自身によるメジャー10および測定データの保守管理を行うようにしてもよい。
【0030】
さらに上記の通り目盛12の特定の数値以上の部分を、それ以下の数値と異なる色やパターンとすることで被測定者に測定値に関する注意を促すことができる。
【0031】
測定データは測定ごとに随時、あるいは半年や一年など一定期間ごとにグラフ化するなどの処理を行ってもよく、また測定前にデータ記入欄14の測定日時を順次確認することで測定忘れや測定間隔間違い等を未然に防止することもできる。あるいは測定時のデータを前回測定時のデータと比較、「+3cm」など増減を記入する欄を設けてもよい。
【0032】
<その他>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
【0033】
すなわち本実施形態では人体の胴回りを測定する腹囲測定について説明したが、これに限定せず時間によって寸法の変化するデータの測定に使用する場合であれば応用は可能であり、例えば工業製品の季節毎の寸法変動や植物の生育記録データ採取などに応用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係るメジャーを示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るメジャーの使用法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
10 メジャー
12 目盛
12A 大目盛
12B 要注意エリア
14 データ記入欄
16 記名欄
18 先端部
20 測定箇所
50 被測定物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定面に複数の測定期日記入欄と測定数値記入欄とが設けられたことを特徴とするロールテープ状のメジャー。
【請求項2】
ゼロ点側に被測定者の姓名記入欄が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のメジャー。
【請求項3】
前記姓名記入欄は前記測定面の裏側に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のメジャー。
【請求項4】
所定の数値以上の範囲で印字色または地の色またはその両方を変えたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のメジャー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−261773(P2010−261773A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111952(P2009−111952)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(507307732)株式会社健康管理推進協会 (4)
【Fターム(参考)】