説明

メタロセン基体のキラルホスフィンまたはアルシンリガンド

本発明は、リンにおけるキラリティと、少なくとも1つのその他のキラリティ要素(プラナーキラリティおよび/または炭素におけるキラリティ)とを有するメタロセン基体ホスフィンリガンド;および、形成される化合物の高いエナンチオマー過剰を生じさせるためのこのようなリガンドの不斉変換反応における使用に関する。オルト-リチオ化された置換メタロセンのリンにおけるホスフィンキラルへの変換を含む本発明に従うリガンドを製造するための方法も、また、開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4つまでの要素のキラリティ、プラナーキラリティ、リンにおけるキラリティ、および、場合によっては、炭素におけるキラリティ、ならびに、アクシャルキラリティを組み込む新規なメタロセン基体のホスフィンリガンド;および、それらの製造方法に関する。また、本発明は、高エナンチマー過剰の生成物を生じさせるための不斉変換反応についての触媒または前触媒として使用することのできる金属リガンド錯体に関する。同様の構造を有するアルシン類もまた本発明の範囲内である。
【背景技術】
【0002】
ジホスフィンリガンドについての骨格としてのフェロセンは、エナンチオピュアな置換メタロセンの合成に関するUgiの先駆的な業績に基づきKumadaおよびHayashiによって導入された1。数多くのこれらリガンドを以降に示す:
【0003】
【化1】

【0004】
Ppfaおよびbppfaならびにbppfohは、種々の不斉変換の触媒作用について有効なリガンドであることが立証されている。この出発観点から、構造変化の範囲を有する数多くのキラルフェロセン基体ビスホスフィンリガンドがここ数年に開発された。
【0005】
ある種のタイプの公知リガンドは、プラナーキラリティおよび炭素キラリティの両方を示す:
【0006】
【化2】

【0007】
TogniおよびSpindler2は、1つの類の非-C2-対称フェロセン-基体のビスホスフィン類、Josiphos-typeのリガンドを報告している。Josiphosリガンドは、広範な商業的な用途を有し、α-アセトアミドシンナメート、ジメチルイタコネートおよびβ-ケトエステルのRh触媒水素化について有効であることが見出されている。2つのホスフィン基が高収率で累積工程にてリガンドに導入されるので、立体的および電子的特性の広範に異なる種々のリガンドが利用可能である。リガンドは、既に、3つの製造プロセス3、数種のパイロットプロセスおよび多くのその他の合成にて使用されている。例えば、PPF-tBu2は、ジ-(t-ブチル)ホスフィノ基を有するJosiphosタイプのリガンドであり、(+)-ビオチンの商業的な合成のために不斉水素化にてリガンドとして使用されている。4もう1つの重要な例は、除草剤(S)-メトラクロルの合成のためのイミン類のIr触媒水素化におけるXyliPhosの使用である5
【0008】
Bophoz6は、ホスフィンとアミノホスフィンとの組み合わせであり、ppfaから高い総収率で3工程にて製造される。リガンドは、空気安定性であり、エナミド類、イタコネート類およびα-ケト酸誘導体の水素化のために有効である。7員環キレート類を形成する数種のリガンド類を見ると、高い活性を達成することができ、10,000までのTONsが特許請求されている。このモジュールリガンドの全範囲は、未だ、なお、探求されていない。
【0009】
1つの類の非-C2-対称フェロセン基体1,5-ジホスフィンリガンド、Taniaphosは、Knochel7,8によって開発された。Josihosリガンドと比較して、Taniaphosは、Ugiアミンの側鎖にて挿入されたさらなるフェニル環を有する。Taniaphosは、Rh-およびRu-触媒不斉水素化にて優れた結果を与えた。Taniaphosのα-位のコンフィギュレーションは、エナンチオ選択性および活性にて重要な役割を演ずる。αSコンフィギュレーションを有するTanaiphos1bは、広範な不斉変換にてαRコンフィギュレーションを有する1aよりも高いエネンチオ選択性および活性をもたらす。
【0010】
WeissensteinerおよびSpindler9は、一連の構造的に異なるフェロセン基体1,5-ジホスフィンリガンド、Walphosを報告している。Josiphosと同様に、Walphosは、モジュールであり、また、Ugiアミンから製造される。それは、オレフィン類とケトン類とのエナンチオ選択的水素化について有望性を示す。
【0011】
Mandyphosは、C2対称の二座配位変種であり、PPh2部分以外に、RおよびR’は、リガンドの官能性を微妙に調節するために使用することができる10。このリガンド族の範囲は、完全には探求されておらず、予備試験の結果は、エナミド類、イタコネート類およびアセテート類のRh-触媒水素化について高いエナンチオ選択性を示す。
【0012】
Ito11によって開発されたTRAPリガンド類は、9-員環メタロサイクルを形成する。しかし、触媒活性についての原因となるのが、少量存在するcis異性体なのか、または、大半存在するtrans異性体なのかは、明瞭ではない。現在までに、数種の異なるPR2フラグメントのみしか試験されていないが、Rの選択が触媒性能に強く影響を及ぼすことが明瞭である。Rh錯体は、非常に低い圧力0.5±1barで最もよく働き、インドール誘導体、エナミド類およびイタコン酸誘導体を効率的に還元する。
【0013】
公知リガンドのもう1つの類は、プラナーキラリティのみを示す:
【0014】
【化3】

【0015】
Kang12は、プラナーキラリティのみを有するC2-対称FerroPHOSを報告している。FerroPHOSリガンドは、空気安定性であり、種々のデヒドロアミノ酸誘導体の不斉水素化について非常に効率的である(99eeまで)。
【0016】
もう1つのC2-対称プラナーキラルジホスフィン、JAFAPhosは、Jendrallaによって開発された13。JAFAPhosは、不斉水素化、アリルアルキル化、グリニヤールクロスカップリングおよびアルドール反応にて優れた結果を示した。
【0017】
Kagan14は、プレーンキラルフェロセン基体ビスホスフォラスリガンド2および3を報告しており、触媒としてこれらリガンドを使用し、ジメチルイタコネートの不斉水素化にて95%eeまでが達成されている。
【0018】
もう1つの類の公知ジホスフィンリガンドは、リン原子にてのみでキラリティを示す:
【0019】
【化4】

【0020】
キラル1,1’-ビス(ホスフェタノ)フェロセン(FerroTANE)の合成は、Marinetti15およびBurk16によって独立に報告されている。FerroTANEは、イタコネート類および(E)-β-(アシルアミノ)アクリレート類のRh触媒水素化に使用して成功している17
【0021】
Mezzetti18およびvan Leeuwen19は、P-キラルフェロセニルビスホスフィン4aおよび4bを独立に報告している。これら2つのリガンドは、α-デヒドロアミノ酸誘導体の不斉水素化について優れたエナンチオ選択性(99%eeまで)を示した。
【0022】
Zhangは、3および4位にケタール置換基を有する1,1’-ビス(ホスホラニル)フェロセンリガンド5を報告している。20このリガンドは、β-デヒドロアミノ酸誘導体の水素化にて優れたエナンチオ選択性を示した。リガンドのケタール基は、ケタール基を有しない対応するリガンドが中程度のeeを示すのみであるので、高いエナンチオ選択性を達成するのに重要である。Zhangは、また、1,1’-ビス(ジナフトホスフェピニル)ホスフィンリガンド、f-binaphaneも開発し、これは、非環式アリールイミン類のIr触媒水素化に使用して成功している。21
Reetzは、ビナフトール誘導フェロセン基体ビスホスホナイトリガンド6を開発し22、これは、イタコネート類およびα-デヒドロアミノ酸誘導体のRh触媒水素化にて優れた反応性とエナンチオ選択性とを示した。
【0023】
もう1つの類の公知リガンドは、プラナーおよびリンキラリティの両方を示す:
【0024】
【化5】

【0025】
Van Leeuwenは、プラナーおよびリンキラリティ4aおよび4bを組み合わせるフェロセン基体ビスホスフィン類を報告している23。これら2つのリガンドは、不斉アリルアルキル化について優れたエナンチオ選択性(99%eeまで)を示した。
【0026】
かくして、大部分の公知フェロセン基体ジホスフィン類は、プラナーおよび炭素キラリティ、プラナーキラリティのみ、または、リンキラリティのみを含有する。さらに最近、Togniは、プラナー、リンおよび炭素キラリティを組み合わせる最初の三座配位のフェロセン基体ホスフィンリガンド12を報告した。24
【0027】
【化6】

【0028】
エナンチオ選択的な触媒作用にて使用するためには、3つのまでの要素のキラリティ、プラナーキラリティ、リンにおけるキラリティおよび炭素におけるキラリティを組み込むビスホスフィンリガンドを設計することが有益であろう。3つの異なるタイプのキラリティ;炭素、プラナーおよびリンキラリティを示すリガンドを設計することもまた有益であろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明に従えば、3つまたは4つまでのキラリティ要素;プラナーキラリティ、リンにおけるキラリティ、および、場合によっては、炭素におけるキラリティならびにアクシャルキラリティを有するメタロセン基体ホスフィンが提供される。
【0030】
本発明は、また、3つまでの要素のキラリティ;プラナーキラリティ、砒素におけるキラリティ、および、場合によっては、炭素におけるキラリティを有するメタロセン基体アルシンも提供する。以下の記載にて、便宜上、ホスフィンリガンドを参考とする。ホスフィン類は、本発明に従う好ましいリガンドであるが、対応するアルシン類もまた本発明の範囲内に入ることを理解する必要がある。
【0031】
同様に、フェロセン基体リガンドが好ましいものの、その他の適当な金属類も本発明のリガンドに使用することができ、したがって、本明細書にては、概して、メタロセン類を参考とする。
【0032】
本発明は、さらに、プラナー、リンおよび炭素キラリティを有するメタロセン基体ジホスフィンを提供する。
本発明に従うリガンドは、3つまたは4つまでのキラリティを備えていると、特別の目的に対しリガンドを設計するための従来の場合よりも広い範囲のリガンドを設計可能とするので、従来技術のリガンドに優る特別な利点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明に従う好ましいリガンドは、式(I)、(II)または(III):
【0034】
【化7】

【0035】
[式中、Wは、リンまたは砒素であり;
Mは、金属であり;
R1およびR2は、互いに異なり、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換シクロアルコキシ、置換および未置換シクロアルキルアミノ、置換および未置換炭素環式アリール、置換および未置換炭素環式アリールオキシ、置換および未置換ヘテロアリール、置換および未置換ヘテロアリールオキシ、置換および未置換炭素環式アリールアミノ;および、置換および未置換ヘテロアリールアミノから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;
R3およびR4は、同一または異なり、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;
nは、0〜3であり;
mは、0〜5であり;
Qは、
【0036】
【化8】

【0037】
{式中、Wは、リンまたは砒素である}
から選択され;
R6およびR7は、同一または異なり、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換シクロアルコキシ、置換および未置換シクロアルキルアミノ、置換および未置換炭素環式アリール、置換および未置換炭素環式アリールオキシ、置換および未置換ヘテロアリール、置換および未置換ヘテロアリールオキシ、置換および未置換炭素環式アリールアミノ;および、置換および未置換ヘテロアリールアミノから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R8は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、
Qは、
【0038】
【化9】

【0039】
{式中、Wは、リンまたは砒素である}
から選択され;
R6、R7およびR8は、独立に、先に定義した通りであり;R9は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、
Qは、
【0040】
【化10】

【0041】
から選択され;
R6、R7、R8およびR9は、独立に、先に定義した通りであり;R10は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、
Qは、
【0042】
【化11】

【0043】
{式中、Wは、リンまたは砒素である}
から選択され;
R6、R7は、先に定義した通りであり;R11は、OR13、SR13、NHR13、NR13R14から選択され、R13およびR14は、同一または異なり、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R12は、水素、ハロゲン、OR13、SR13、NR13R14、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R13、R14は、先に定義した通りであり、n’は、0〜4であるか;または、
Qは、
【0044】
【化12】

【0045】
{式中、R8およびR9は、先に定義した通りである}
から選択され;
R5は、
【0046】
【化13】

【0047】
から選択され;
R15、R16およびR17は、同一または異なり、水素、OR13、SR13、NR13R14、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R13、R14は、先に定義した通りであるか;または、
R5は、
【0048】
【化14】

【0049】
から選択され;
R13、R14は、先に定義した通りであり;2つのジェミナルな置換基R18は、一緒になって、二重結合酸素原子(すなわち、(R18)2が=O)であるかまたは各々その固有について置換基R18は、水素であり;Gは、-CONH-R-NHCO-、-CO-ORO-CO-、-CO-RCO-、-CH=N-R-N=CH-、-CH2NH-R-NHCH2-、-CH2NHCO-R-CONHCH2-、-CH(R8)NH-R-NH(CH(R8)-、-CH(R8)NHCO-R-CONHCH(R8)-、-CONH-R-NHCO-、-CO-ORO-CO-、-CO-RCO-、-CH=N-R-N=CH-、-CH2NH-R-NHCH2-、-CH2NHCO-R-CONHCH2-、-CH(R8)NH-R-NH(CH(R8)-、-CH(R8)NHCO-R-CONHCH(R8)-からなる群より選択され;ここで、R8は、独立に、先に定義した通りであり;-R-および-R-は、
【0050】
【化15】

【0051】
{式中、R12は、先に定義した通りである}
からなる群より選択され;R19は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、(R19)2は、-(CH2)m’-であり;n’は、0〜4であり;m’は、1〜8である。]
を有するリガンドから選択される。
【0052】
本発明は、また、上記したリガンドのエナンチオマーに係り、そのエナンチオマーは、式(IV)、(V)および(VI):
【0053】
【化16】

【0054】
[式中、各W、M、R1-19、Q、G、n、m、n’およびm’は、上記したと同一の意味を有する。]
を有し、キラリティは、必要とされる場合に、置換基にて変化する。
【0055】
また、本発明に従えば、上記したリガンドのジアステレオマーが提供され、そのジアステレオマーは、式(VII)、(VIII)および(IX):
【0056】
【化17】

【0057】
[式中、各W、M、R1-19、Q、G、n、m、n’およびm’は、上記したと同一の意味を有する。]
を有し、キラリティは、必要とされる場合に、置換基にて変化する。
【0058】
リンキラリティの導入は、プラナーキラリティ、炭素キラリティ、アクシャルキラリティおよびリンのキラリティのうちでの符合を達成することができる時、触媒によって生ずるキラル識別を高めることができる。(以降の実施例59〜67は、符合する触媒が高いeeを与え、符合しない触媒が低いeeを与えることができることを立証する。)
本発明に従えば、また、本発明のリガンドに配位した遷移金属を含有する遷移金属錯体が提供される。金属は、好ましくは、VIb族またはVIII族の金属、特に、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金およびニッケルである。
【0059】
フェロセン基体リンキラルホスフィン類の合成は、適当なキラルオルト誘導性の基を使用して、例えば、以下のスキームに従い達成することができる:
【0060】
【化18】

【0061】
(同様のスキームを使用して、対応するアルシン類およびその他メタロセン類を合成することができる。)
したがって、本発明は、リンにてキラルなホスフィンリガンドを製造するための方法であって、1つまたは両方の環上にキラルまたはアキラル誘導置換基を有するメタロセン基体の基質を用意し;その置換されたメタロセンをオルト-リチオ化に賦し、続いて、オルト-リチオ化置換された基質をリンにてキラルなホスフィンに変換する各工程を含む方法を提供する。
【0062】
さて、式(I)および(III)を有するリガンドを製造するための方法をさらに詳細に説明しよう。
例えば、1つのこのような方法は、式(X)(場合によっては、1つまたは両方のシクロペンタジエン環上をR3n(頂部環)および/またはR4m(底部環)で置換された):
【0063】
【化19】

【0064】
[式中、Xは、キラル誘導基であり、好ましくは、
【0065】
【化20】

【0066】
{式中、R、RaおよびRbは、同一または異なり、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択される。}
で表される化合物を用意し;その基質をオルト-リチオ化し;そのオルト-リチオ化された基質をR1置換されたホスフィンまたはアルシンと、ついで、R2を有するグリニヤール試薬または有機リチウム化合物と反応させて、Xを、適当に、QまたはGに変換させる各工程を含む。
【0067】
1つの特に好ましいX基は、
【0068】
【化21】

【0069】
である。
オルト-リチオ化工程は、好ましくは、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムまたはt-ブチルリチウムを使用するモノ-オルト-リチオ化工程である。生ずるモノリチウム化合物は、好ましくは、式R1PC12で表されるジクロロホスフィンとin situで反応させ、続いて、式R2Z(式中、R1およびR2は、上記定義した通りであり;Zは、LiまたはMgYであり、Yは、ハライドである)で表される有機金属試薬と反応させる。これらの工程を行うと、式XI(場合によっては、1つまたは両方のシクロペンタジエン環上をR3n(頂部環)および/またはR4m(底部環)で置換された):
【0070】
【化22】

【0071】
を有するリンキラルな化合物が得られる。
合成は、好ましくは、化合物(XI)を化合物XII、XIIIまたはXIV:
【0072】
【化23】

【0073】
[式中、R19は、アシル基であり、R1、R2は、先に定義した通りである。]
に変換させ;ついで、
化合物XIIを、式R6R7PH:
[式中、R6、R7は、先に定義した通りである。]
で表される第2級のホスフィンと反応させて、式XV:
【0074】
【化24】

【0075】
を有するプラナー、リンおよび炭素キラリティを組み合わせたジホスフィンを得るか;または、
化合物XIIを、式R9NH2
[式中、R9は、先に定義した通りである。]
で表されるアミンと反応させて、化合物XVI:
【0076】
【化25】

【0077】
を得るか;または、
化合物XIIを、式XVII:
【0078】
【化26】

【0079】
[式中、R6、R7、R12およびn’は、先に定義した通りであり、Zは、MgY(Yは、ハライドである)またはLiである。]
で表されるアミンと反応させて、化合物XVIII:
【0080】
【化27】

【0081】
を得るか;または、
化合物XIIを、式H2N-R-NH2またはH2N-R-NH2
[式中、RおよびRは、先に定義した通りである。]
で表されるアミンと反応させて、化合物XIXおよびXX:
【0082】
【化28】

【0083】
を得るか;または、
化合物XIIIを式H2N-R-NH2またはH2N-R-NH2
[式中、RおよびRは、先に定義した通りである。]
【0084】
【化29】

【0085】
を得ることによって進行する。
化合物XVIは、式R6R7PY:
[式中、R6、R7は、先に定義した通りであり、Yは、塩素、臭素またはヨウ素である。]
で表されるハロホスフィンと反応させて、化合物XXIII:
【0086】
【化30】

【0087】
を得ることもできる。
あるいは、化合物XVIは、式R10COY:
[式中、R10は、先に定義した通りであり、Yは、ハライド、サルフェート、イミダゾールである。]
で表される酸誘導体、R10COO-または水素と反応させて、化合物XXIV:
【0088】
【化31】

【0089】
を得ることもできる。
あるいは、化合物XVI(式中、R9は、水素である)は、式OHC-R-CHOまたはOHC-R-CHO:
[式中、RおよびRは、先に定義した通りである。]
で表されるアルデヒドと反応させて、式XXVおよびXXVI:
【0090】
【化32】

【0091】
を有する化合物を得ることもできる。
あるいは、化合物XVIを、式YOC-R-COYおよびYOC-R-COY:
[式中、R、RおよびYは、先に定義した通りである。]
で表される酸誘導体と反応させて、式XXVIIおよびXXVIII:
【0092】
【化33】

【0093】
を有する化合物を得ることができる。
化合物XVIIIは、化合物XXIX:
【0094】
【化34】

【0095】
に変換することができる。
化合物XIX、XX、XXI、XXII、XXV、XXVI、XXVII、XXVIIIを還元して、それぞれの化合物XXX、XXXI、XXXII、XXXIII、XXXIV、XXXV、XXXVI、XXXVII:
【0096】
【化35】

【0097】
を得ることができる。
リンにてキラルなメタロセン基体ホスフィン類の合成は、また、エナンチオ選択的なオルト-リチオ化の使用によって達成することができる:
【0098】
【化36】

【0099】
したがって、本発明は、キラルなジホスフィンリガンドを製造するための方法であって、1つまたは両方の環上にアキラルな誘導置換基を有するメタロセン基体の基質を用意し;その置換されたメタロセンをエナンチオ選択的なオルト-リチオ化工程に賦してから、そのオルト-リチオ化された基質をリンキラルなホスフィン類に変換する各工程を含む方法を提供する。
【0100】
かくして、式(I)または(III)で表されるリガンドを製造するための本発明に従う1つの方法は、式XXXVII:
【0101】
【化37】

【0102】
[式中、Xは、アキラル誘導基であり、好ましくは、
【0103】
【化38】

【0104】
から選択される。]
で表される化合物を用意し;ホモキラルなt-アミンの存在で、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムまたはt-ブチルリチウムを使用して、その化合物をエナンチオ選択的なモノ-オルト-リチオ化に賦し、生ずるキラルmなモノリチウム化合物を式R1PCl2で表されるジクロロホスフィンとin situで、続いて、式R2Z(式中、R1およびR2は、先に定義した通りであり;Mは、LiまたはMgXであり、Xは、ハライドである)で表される有機金属試薬と反応させて、式XXXVIII:
【0105】
【化39】

【0106】
を有するリンキラルな化合物を得、化合物XXXVIIIを化合物(I)または(III)に変換する各工程を含む。
式(II)で表されるリガンドを製造するための本発明に従う1つの方法は、式XXXIX:
【0107】
【化40】

【0108】
[式中、Xは、先に定義した通りである。]
で表される化合物を用意し;n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムまたはt-ブチルリチウムを使用して、その化合物をビス-オルト-リチオ化に賦し、生ずるビスリチウム化合物を式R1PCl2で表されるジクロロホスフィンとin situで、続いて、式R2Z(式中、R1およびR2は、先に定義した通りであり;Zは、LiまたはMgYであり、Yは、ハライドである)で表される有機金属試薬と反応させて、式XXXX:
【0109】
【化41】

【0110】
を有するリンキラルな化合物を得、化合物XXXXを化合物(II)に変換する各工程を含む。
さて、以下の実施例を参考としながら、本発明をさらに詳細に例示しよう。
【実施例】
【0111】
実施例1
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-2]:
【0112】
【化42】

【0113】
Et2O(50mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](3.86g,15mmol)溶液に、ペンタン中1.7M t-BuLi溶液(9.7mL,16.5mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(2.24mL,16.5mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、ついで、再度、-78℃まで冷却し、(2-メトキシ)フェニルリチウム[Et2O(90mL)中2-ブロモアニソール(3.32g,17.7mmol)とペンタン中t-BuLi(20.8mL,35.4mmol)から-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して緩やかに加えた。混合物を一晩かけて室温まで温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(6.50g,92%)を与えた。
【0114】
【化43】

【0115】
(Rc,SFe,SP)-2の絶対配置は、単結晶X線回折分析によって決定した。
【0116】
実施例2
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-3]:
【0117】
【化44】

【0118】
Et2O(60mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](5.15g,20mmol)溶液に、ペンタン中1.7M t-BuLi溶液(12.94mL,22mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(2.99mL,22mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、ついで、再度、-78℃まで冷却し、1-ナフチルリチウム[Et2O(120mL)中1-ブロモナフタレン(5.38g,26mmol)とペンタン中1.7M t-BuLi(30.6mL,52mmol)から-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して緩やかに加えた。混合物を一晩かけて室温まで温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=90:6:4)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(8.75g,89%)を与えた。
【0119】
【化45】

【0120】
実施例3
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-3]および(Rc,SFe,RP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-4]:
【0121】
【化46】

【0122】
Et2O(15mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](1.29g,5mmol)溶液に、ペンタン中1.7M t-BuLi溶液(3.2mL,5.5mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(0.75mL,5.5mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。ついで、混合物に、1-ナフチルリチウム[Et2O(30mL)中1-ブロモナフタレン(1.35g,6.5mmol)とペンタン中1.7M t-BuLi溶液(7.6mL,13mmol)から-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して室温で加えた。混合物を室温で一晩攪拌し、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、2つの異性体の混合物として標題化合物(2.21g,90%)を与えた。(Rc,SFe,RP)-3対(Rc,SFe,RP)-4の比は、約5:1である。(Rc,SFe,SP)-4は、冷ヘキサンに不溶性であり、(Rc,SFe,SP)-3は、冷ヘキサンに非常に溶解性であるので、2つの異性体は、ヘキサンからの結晶化によって容易に分離することができる。
【0123】
【化47】

【0124】
(Rc,SFe,RP)-4の絶対配置は、単結晶X線回折分析によって決定した。
【0125】
実施例4
(Rc,SFe,RP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-4]:
【0126】
【化48】

【0127】
ヘキサン(5mL)中(Rc,SFe,SP)-3(491mg,1.0mmol)の溶液を一晩還流させた。室温まで冷却させた後、沈殿を濾過し、冷ヘキサンで洗浄すると、純粋な(Rc,SFe,RP)-4を与えた。
【0128】
実施例5
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-5]および(Rc,SFe,RP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-6]:
【0129】
【化49】

【0130】
Et2O(15mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](2.57g,5mmol)溶液に、ペンタン中1.7M t-BuLi溶液(6.4mL,11mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.5mL,11mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。ついで、混合物を、再度、-78℃まで冷却し、2-ナフチルリチウム [Et2O(60mL)中2-ブロモナフタレン(2.69g,13mmol)とペンタン中1.7M t-BuLi(15.2mL,26mmol)から-78℃で調製した]懸濁液を、カニューレを介して-78℃で加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、2つの異性体の混合物として標題化合物(4.42g,90%)を与えた。(Rc,SFe,SP)-5対(Rc,SFe,RP)-6の比は、約5:1である。ヘキサンからの分別結晶化は、(Rc,SFe,SP)-5(3.10g,63%)と(Rc,SFe,SP)-6(687mg、14%)とを与えた。
【0131】
【化50】

【0132】
実施例6
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-5]:
【0133】
【化51】

【0134】
Et2O(15mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](2.06g,8mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(6.0mL,9mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.22mL,9mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。ついで、混合物を、再度、-78℃まで冷却し、2-ナフチルマグネシウムブロマイド [Et2O(20mL)中2-ブロモナフタレン(2.20g,10.6mmol)とマグネシウム(258mg,10.6mmol)から調製した]溶液を、カニューレを介して-78℃で加えた。混合物を室温まで一晩温めた。反応をNH4Cl飽和溶液(20mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をEt2O(20mL)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(20mL)で洗浄し、(MgSO4上で)乾燥させ、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、1つのジアステレオマーとして標題化合物(3.42g,87%)を与えた。
【0135】
【化52】

【0136】
実施例7
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[(2-ビフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-7]:
【0137】
【化53】

【0138】
Et2O(20mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](2.57g,10mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(7.33mL,11mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.50mL,11mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。ついで、混合物を、再度、-78℃まで冷却し、2-ビフェニルリチウム [Et2O(30mL)中2-ブロモビフェニル(2.24g,13mmol)とペンタン中1.5M t-BuLi(17.3mL,26mmol)溶液から調製した]懸濁液を、カニューレを介して-78℃で加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、1つのジアステレオマーとして標題化合物(4.87g,94%)を与えた。
【0139】
【化54】

【0140】
実施例8
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-(メトキシフェニルホスフィノ)フェロセン[(Rc,SFe,RP)-8]:
【0141】
【化55】

【0142】
Et2O(20mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](2.57g,10mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(7.33mL,11mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.50mL,11mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。ついで、混合物を、再度、-78℃まで冷却し、Et2O中MeMgBrの3.0M 溶液(4.0mL,12mmol)を-78℃でシリンジを介して加えた。混合物を室温まで一晩温めた。反応をNH4Cl飽和溶液(20mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をEt2O(20mL)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(20mL)で洗浄し、(MgSO4上で)乾燥させ、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、赤色オイルとして標題化合物(3.36g,89%)を与えた。
【0143】
【化56】

【0144】
実施例9
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-(シクロヘキシルフェニルホスフィノ)フェロセン[(Rc,SFe,RP)-9]:
【0145】
【化57】

【0146】
Et2O(20mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](2.57g,10mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(7.35mL,11mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.50mL,11mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。ついで、混合物を、再度、-78℃まで冷却し、Et2O中シクロヘキシルマグネシウムクロライドの2.0M溶液(6.0mL,12mmol)を-78℃でシリンジを介して加えた。混合物を室温まで一晩温めた。反応をNH4Cl飽和溶液(20mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をEt2O(20mL)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(20mL)で洗浄し、(MgSO4上で)乾燥させ、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=90:5:5)により精製すると、赤色オイルとして標題化合物(4.09g,92%)を与えた。
【0147】
【化58】

【0148】
実施例10
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1-[メチル(t-ブチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-10]:
【0149】
【化59】

【0150】
Et2O(15mL)中(R)-N,N-ジメチル-1-フェロセニルエチルアミン[(R)-Ugiのアミン,(R)-1](1.29g,5mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(3.7mL,5.5mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、t-ブチルジクロロホスフィン(875mg,5.5mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。ついで、混合物に、Et2O中メチルリチウムの1.6M 溶液(3.75mL,6.0mmol)を-78℃でシリンジを介して加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=90:5:5)により精製すると、赤色オイルとして標題化合物(1.54g,86%)を与えた。
【0151】
【化60】

【0152】
実施例11
(Rc,SFe,SP)-2-(1-アセトキシエチル)-1-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-11]:
【0153】
【化61】

【0154】
無水酢酸(10mL)中(Rc,SFe,SP)-2(1.18g,2.5mmol)の溶液を室温で60時間攪拌した。減圧下(<1Torr,<30℃)で過剰の無水酢酸を除去すると、黄色固体として標題化合物(1.21g,100%)を与え、これは、次の反応にて使用するのに十分なほどの純度である。
【0155】
【化62】

【0156】
実施例12
(Rc,SFe,SP)-2-(1-アセトキシエチル)-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-12]:
【0157】
【化63】

【0158】
無水酢酸(20mL)中(Rc,SFe,SP)-3(1.47g,3.0mmol)の溶液を室温で60時間攪拌した。減圧下(<1Torr,<30℃)で過剰の無水酢酸を除去すると、黄色固体として標題化合物(1.52g,100%)を与え、これは、次の反応にて使用するのに十分なほどの純度である。
【0159】
【化64】

【0160】
実施例13
(Rc,SFe,RP)-2-(1-アセトキシエチル)-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-13]:
【0161】
【化65】

【0162】
無水酢酸(20mL)中(Rc,SFe,RP)-4(1.47g,3.0mmol)の溶液を室温で60時間攪拌した。減圧下(<1Torr,<30℃)で過剰の無水酢酸を除去すると、黄色固体として標題化合物(1.52g,100%)を与え、これは、次の反応にて使用するのに十分なほどの純度である。
【0163】
【化66】

【0164】
実施例14
(Rc,SFe,SP)-2-(1-アセトキシエチル)-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-14]:
【0165】
【化67】

【0166】
無水酢酸(20mL)中(Rc,SFe,SP)-5(1.47g,3.0mmol)の溶液を室温で60時間攪拌した。減圧下(<1Torr,<30℃)で過剰の無水酢酸を除去すると、黄色固体として標題化合物(1.52g,100%)を与え、これは、次の反応にて使用するのに十分なほどの純度である。
【0167】
【化68】

【0168】
実施例15
(Rc,SFe,RP)-2-(1-アセトキシエチル)-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-15]:
【0169】
【化69】

【0170】
無水酢酸(20mL)中(Rc,SFe,RP)-6(1.47g,3.0mmol)の溶液を室温で60時間攪拌した。減圧下(<1Torr,<30℃)で過剰の無水酢酸を除去すると、黄色固体として標題化合物(1.52g,100%)を与え、これは、次の反応にて使用するのに十分なほどの純度である。
【0171】
【化70】

【0172】
実施例16
(Rc,SFe,SP)-2-(1-アセトキシエチル)-1-[(2-ビフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-16]:
【0173】
【化71】

【0174】
無水酢酸(20mL)中(Rc,SFe,SP)-7(1.47g,3.0mmol)の溶液を室温で60時間攪拌した。減圧下(<1Torr,<30℃)で過剰の無水酢酸を除去すると、黄色固体として標題化合物(1.52g,100%)を与え、これは、次の反応にて使用するのに十分なほどの純度である。
【0175】
【化72】

【0176】
実施例17
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N-メチルアミノ)エチル]-1-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-17]:
【0177】
【化73】

【0178】
THF(20mL)およびMeOH(5mL)中(Rc,SFe,SP)-11(1.21g,2.5mmol)と40%メチルアミン水溶液(6.0mL)の溶液を40℃で3日間攪拌し、濃縮した。残渣をEt2O(20mL)に溶解し、塩水(10mL)で洗浄し、(Na2SO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=80:15:5)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(1.07g,94%)を与えた。
【0179】
【化74】

【0180】
実施例18
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N-メチルアミノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-18]:
【0181】
【化75】

【0182】
THF(10mL)およびMeOH(2.5mL)中(Rc,SFe,SP)-12(633mg,1.25mmol)と40%メチルアミン水溶液(3.0mL)の溶液を40℃で3日間攪拌し、濃縮した。残渣をEt2O(20mL)に溶解し、塩水(10mL)で洗浄し、(Na2SO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(549mg,92%)を与えた。
【0183】
【化76】

【0184】
実施例19
(Rc,SFe,RP)-2-[(1-N-メチルアミノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-19]:
【0185】
【化77】

【0186】
THF(10mL)およびMeOH(2.5mL)中(Rc,SFe,RP)-7(633mg,1.25mmol)と40%メチルアミン水溶液(3.0mL)の溶液を40℃で3日間攪拌し、濃縮した。残渣をEt2O(20mL)に溶解し、塩水(10mL)で洗浄し、(Na2SO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(537mg,90%)を与えた。
【0187】
【化78】

【0188】
実施例20
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N-メチルアミノ)エチル]-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-20]:
【0189】
【化79】

【0190】
THF(10mL)およびMeOH(2.5mL)中(Rc,SFe,SP)-14(633mg,1.25mmol)と40%メチルアミン水溶液(3.0mL)の溶液を40℃で3日間攪拌し、濃縮した。残渣をEt2O(20mL)に溶解し、塩水(10mL)で洗浄し、(Na2SO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(513mg,86%)を与えた。
【0191】
【化80】

【0192】
実施例21
(Rc,SFe,RP)-2-[(1-N-メチルアミノ)エチル]-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-21]:
【0193】
【化81】

【0194】
THF(10mL)およびMeOH(2.5mL)中(Rc,SFe,RP)-15(630mg,1.25mmol)と40%メチルアミン水溶液(3.0mL)の溶液を室温で3日間攪拌し、濃縮した。残渣をEt2O(20mL)に溶解し、塩水(10mL)で洗浄し、(Na2SO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。粗製の生成物をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=85:10:5)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(537mg,90%)を与えた。
【0195】
実施例22
(Rc,SFe,SP)-2-[(1-N-メチルアミノ)エチル]-1-[(2-ビフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-22]:
【0196】
【化82】

【0197】
THF(10mL)およびMeOH(2.5mL)中(Rc,SFe,SP)-16(1.063g,2mmol)と40%メチルアミン水溶液(5.0mL)の溶液を40℃で2日間攪拌し、濃縮した。残渣をEt2O(20mL)に溶解し、塩水(10mL)で洗浄し、(Na2SO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をヘキサンから再結晶すると、赤橙色の結晶として標題化合物(621mg,62%)を与えた。
【0198】
【化83】

【0199】
実施例23
(Rc,SFe,SP)-2-[1-[(1-N-メチル-N-ジフェニルホスフィノ)アミノ]エチル]-1-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-23]:
【0200】
【化84】

【0201】
トルエン(2.5mL)中(Rc,SFe,SP)-17(457mg,1.0mmol)とEt3N(0.28mL,2.0mmol)溶液に、クロロジフェニルホスフィン(188uL,1.05mmol)を0℃で滴下した。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(570mg,89%)を与えた。
【0202】
【化85】

【0203】
実施例24
(Rc,SFe,SP)-2-[1-[(N-メチル-N-ジフェニルホスフィノ)アミノ]エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-24]:
【0204】
【化86】

【0205】
トルエン(2.5mL)中(Rc,SFe,SP)-18(477mg,1.0mmol)とEt3N(0.28mL,2.0mmol)溶液に、クロロジフェニルホスフィン(188uL,1.05mmol)を0℃で滴下した。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(595mg,90%)を与えた。
【0206】
【化87】

【0207】
実施例25
(Rc,SFe,RP)-2-[1-[(N-メチル-N-ジフェニルホスフィノ)アミノ]エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-25]:
【0208】
【化88】

【0209】
トルエン(2.0mL)中(Rc,SFe,RP)-19(239mg,0.5mmol)とEt3N(0.14mL,1.0mmol)溶液に、クロロジフェニルホスフィン(89uL,0.50mmol)を0℃で滴下した。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(304mg,92%)を与えた。
【0210】
【化89】

【0211】
実施例26
(Rc,SFe,SP)-2-[1-[(N-メチル-N-ジフェニルホスフィノ)アミノ]エチル]-1-[(2-ビフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-26]:
【0212】
【化90】

【0213】
トルエン(2.5mL)中(Rc,SFe,SP)-22(XXmg,1.0mmol)とEt3N(0.28mL,2.0mmol)溶液に、クロロジフェニルホスフィン(188uL,1.05mmol)を0℃で滴下した。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(XXmg,X%)を与えた。
【0214】
【化91】

【0215】
実施例27
(Rc,SFe,SP,Ra)-27:
【0216】
【化92】

【0217】
トルエン(4mL)中(Rc,SFe,SP)-17(229mg,0.5mmol)とEt3N(209uL,1.5mmol)溶液に、(R)-4-クロロ-3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a:3,4-a’]ビナフタレン(175mg,0.5mmol)を0℃で加えた。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(359mg,93%)を与えた。
【0218】
【化93】

【0219】
実施例28
(Rc,SFe,SP,Ra)-28:
【0220】
【化94】

【0221】
トルエン(4mL)中(Rc,SFe,SP)-18(239mg,0.5mmol)とEt3N(209uL,1.5mmol)溶液に、(R)-4-クロロ-3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a:3,4-a’]ビナフタレン(175mg,0.5mmol)を0℃で加えた。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(376mg,95%)を与えた。
【0222】
【化95】

【0223】
実施例29
(Rc,SFe,SP、Sa)-29:
【0224】
【化96】

【0225】
トルエン(4mL)中(Rc,SFe,SP)-18(239mg,0.5mmol)toEt3N(209uL,1.5mmol)溶液に、(S)-4-クロロ-3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a:3,4-a’]ビナフタレン(175mg,0.5mmol)を0℃で加えた。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(373mg,95%)を与えた。
【0226】
【化97】

【0227】
実施例30
(Rc,SFe,RP,Ra)-30:
【0228】
【化98】

【0229】
トルエン(4mL)中(Rc,SFe,RP)-19(239mg,0.5mmol)toEt3N(209uL,1.5mmol)溶液に、(R)-4-クロロ-3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a:3,4-a’]ビナフタレン(175mg,0.5mmol)を0℃で加えた。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(371mg,95%)を与えた。
【0230】
【化99】

【0231】
実施例31
(Rc,SFe,RP,Sa)-31:
【0232】
【化100】

【0233】
トルエン(4mL)中(Rc,SFe,RP)-19(239mg,0.5mmol)とEt3N(209uL,1.5mmol)溶液に、(S)-4-クロロ-3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a:3,4-a’]ビナフタレン(175mg,0.5mmol)を0℃で加えた。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(377mg,95%)を与えた。
【0234】
【化101】

【0235】
実施例32
(Rc,SFe,SP,Ra)-32:
【0236】
【化102】

【0237】
トルエン(4mL)中(Rc,SFe,SP)-22(252mg,0.5mmol)とEt3N(209uL,1.5mmol)溶液に、(R)-4-クロロ-3,5-ジオキサ-4-ホスファシクロヘプタ[2,1-a:3,4-a’]ビナフタレン(175mg,0.5mmol)を0℃で加えた。ついで、混合物を室温まで温め、室温で一晩(16時間)攪拌し、中性酸化アルミニウムのパッドを介して濾過し、ヘキサン-EtOAc(9:1)で溶離すると、赤橙色の発泡体として標題化合物(392mg,96%)を与えた。
【0238】
【化103】

【0239】
実施例33
(Rc,SFe,SP)-2-(1-ジシクロヘキシルホスフィノ)エチル]-1-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-33]:
【0240】
【化104】

【0241】
酢酸(3mL)中(Rc,SFe,SP)-11(486mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で一晩攪拌し、攪拌しつつ、10%K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(601mg,96%)を与えた。
【0242】
【化105】

【0243】
実施例34
(Rc,SFe,SP)-2-(1-ジシクロヘキシルホスフィノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-34]:
【0244】
【化106】

【0245】
酢酸(3mL)中(Rc,SFe,SP)-12(506mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で一晩攪拌し、攪拌しつつ、10%K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(613mg,95%)を与えた。
【0246】
【化107】

【0247】
実施例35
(Rc,SFe,RP)-2-(1-ジシクロヘキシルホスフィノ)エチル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-35]:
【0248】
【化108】

【0249】
酢酸(3mL)中(Rc,SFe,SP)-13(506mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で一晩攪拌し、攪拌しつつ、10%K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(618mg,95%)を与えた。
【0250】
【化109】

【0251】
実施例36
(Rc,SFe,SP)-2-(1-ジシクロヘキシルホスフィノ)エチル]-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-36]:
【0252】
【化110】

【0253】
酢酸(3mL)中(Rc,SFe,SP)-14(506mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で一晩攪拌し、攪拌しつつ、10%K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(599mg,93%)を与えた。
【0254】
【化111】

【0255】
実施例37
(Rc,SFe,RP)-2-(1-ジシクロヘキシルホスフィノ)エチル]-1-[(2-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,RP)-37]:
【0256】
【化112】

【0257】
酢酸(3mL)中(Rc,SFe,SP)-15(506mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で一晩攪拌し、攪拌しつつ、10%K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(608mg,94%)を与えた。
【0258】
【化113】

【0259】
実施例38
(Rc,SFe,SP)-2-(1-ジシクロヘキシルホスフィノ)エチル]-1-[(2-ビフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-38]:
【0260】
【化114】

【0261】
酢酸(3mL)中(Rc,SFe,SP)-16(531mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で一晩攪拌し、攪拌しつつ、10%K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(650mg,97%)を与えた。
【0262】
【化115】

【0263】
実施例39
(Rc,SFe,SP)-2,2’-ビス[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1,1’-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-40]:
【0264】
【化116】

【0265】
Et2O(30mL)中(R,R)-1,1’-ビス(1-N,N-ジメチルアミノエチル)フェロセン[(R,R)-20](986mg,3.0mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(6.0mL,9mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.22mL,9.0mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、ついで、再度、-78℃まで冷却し、(2-メトキシ)フェニルリチウム[Et2O(50mL)中-2-ブロモアニソール(1.87g,10mmol)とペンタン中1.5M t-BuLi溶液(13.3mL,20mmol)とから-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して、緩やかに加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=80:15:5)により精製すると、黄色発泡体として標題化合物(1.10g,48%)を与えた。
【0266】
【化117】

【0267】
実施例40
(Rc,SFe,SP)-2,2’-ビス[(1-N,N-ジメチルアミノ)エチル]-1,1’-ビス[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-41]:
【0268】
【化118】

【0269】
Et2O(30mL)中(R,R)-1,1’-ビス(1-N,N-ジメチルアミノエチル)フェロセン[(R,R)-20](986mg,3.0mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(6.0mL,9mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.22mL,9.0mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、ついで、再度、-78℃まで冷却し、1-ナフチルリチウム[Et2O(50mL)中1-ブロモナフタレン(2.07g,10mmol)とペンタン中1.5M t-BuLi溶液(13.3mL,20mmol)とから-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して、緩やかに加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc-Et3N=80:15:5)により精製すると、黄色結晶として標題化合物(827mg,35%)を与えた。
【0270】
【化119】

【0271】
実施例41
(Rc,SFe,SP)-2,2’-ビス[(α-N,N-ジメチルアミノ)フェニルメチル]-1,1’-ビス[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(Rc,SFe,SP)-43]:
【0272】
【化120】

【0273】
Et2O(20mL)中(R,R)-1,1’-ビス[((α-N,N-ジメチルアミノ)フェニルメチル]フェロセン[(R,R)-23](903mg,2.0mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(4.0mL,6mmol)を-78℃でシリンジを介して10分間かけて加えた。添加が完了したら、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤色溶液を、再度、-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(814uL,6mmol)を一度に加えた。-78℃で10分間攪拌した後、混合物を室温まで緩やかに温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、ついで、再度、-78℃まで冷却し、1-ナフチルリチウム[Et2O(40mL)中1-ブロモナフタレン(1.45g,7mmol)とペンタン中1.5M t-BuLi溶液(9.3mL,14mmol)とから-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して、緩やかに加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=3:1)により精製すると、赤橙色結晶として標題化合物(369mg,20%)を与えた。
【0274】
【化121】

【0275】
実施例42
(2’S,4’S,SFe,RP)-2-[4’-(メトキシメチル-1,3-ジオキサン-2’-イル]-1-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(2’S,4’S,SFe,RP)-46]:
【0276】
【化122】

【0277】
Et2O(20mL)中(2S,4S)-4-(メトキシメチル)-2-フェロセニル-1,3-ジオキサン[(2S,4S)-45](1.58g,5mmol)溶液に、ペンタン中1.7M t-BuLi溶液(3.23mL,5.5mmol)を-40℃で加えた。10分間攪拌後、冷却浴を除き、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤橙色の懸濁液を-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(750uL,5.5mmol)を一度に加えた。10分間攪拌後、冷却浴を除き、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、再度、-78℃まで冷却し、2-メトキシフェニルリチウム[Et2O(40mL)中2-ブロモアニソール(1.22mL,6.5mmol)とペンタン中1.7M t-BuLi溶液(7.6mL,,13mmol)から-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して、緩やかに加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=6:1)により精製すると、2つのジアステレオマー(約3.3:1比)の混合物として標題化合物(2.41g,91%)を与えた。ヘキサンから再結晶すると、主要な生成物[(2’S,4’S,SFe,RP)-46](1.41g,53%)が得られた。(2’S,4’S,SFe,RP)-46の絶対配置は、単結晶X線回折分析によって決定した。
【0278】
【化123】

【0279】
実施例43
(2’S,4’S,SFe,RP)-2-[4’-(メトキシメチル-1,3-ジオキサン-2’-イル]-1-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(2’S,4’S,SFe,RP)-47]:
【0280】
【化124】

【0281】
Et2O(40mL)中(2S,4S)-4-(メトキシメチル)-2-フェロセニル-1,3-ジオキサン[(2S,4S)-45](3.16g,10mmol)溶液に、ペンタン中1.5M t-BuLi溶液(7.4mL,11mmol)を-40℃で加えた。10分間攪拌後、冷却浴を除き、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。生ずる赤橙色の懸濁液を-78℃まで冷却し、ジクロロフェニルホスフィン(1.49mL,11mmol)を一度に加えた。10分間攪拌後、冷却浴を除き、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、再度、-78℃まで冷却し、1-ナフチルリチウム[Et2O(60mL)中1-ブロモナフタレン(1.66mL,12mmol)とペンタン中1.5M t-BuLi溶液(16mL,24mmol)から-78℃で調製した]溶液を、カニューレを介して、緩やかに加えた。混合物を室温まで一晩温め、Celiteのパッドを介して濾過した。濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=6:1)により精製すると、2つのジアステレオマー(約3.4:1比)の混合物として標題化合物(4.95g,90%)を与え、これは、ヘキサンから再結晶すると、黄色針状結晶として純粋な主生成物[(2’S,4’S,SFe,RP)-47](2.53g,51%)を与えた。(2’S,4’S,SFe,RP)-47の絶対配置は、単結晶X線回折分析によって決定した。
【0282】
【化125】

【0283】
実施例44
(SFe,RP)-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセンカルボキサアルデヒド[(SFe,RP)-48]:
【0284】
【化126】

【0285】
アセタール[(2’S,4’S,SFe,RP)-46](4.0mg,7.5mmol)、p-TsOH・H2O(2.0g)、CH2Cl2(50mL)およびH2O(30mL)の混合物を室温で24時間攪拌した。有機層を分離し、NaHCO3飽和溶液(20mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、減圧下で蒸発させると、赤色結晶として粗製の生成物(3.20g,100%)を与え、これは、次の工程に直接使用した。
【0286】
【化127】

【0287】
実施例45
(SFe,RP)-2-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセンカルボキサアルデヒド[(SFe,RP)-49]:
【0288】
【化128】

【0289】
アセタール[(2’S,4’S,SFe,RP)-46](4.73g,7.5mmol)、p-TsOH・H2O(2.0g)、CH2Cl2(50mL)およびH2O(30mL)の混合物を室温で24時間攪拌した。有機層を分離し、NaHCO3飽和溶液(20mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥させ、減圧下で蒸発させると、赤色結晶として粗製の生成物(3.36g,100%)を与え、これは、次の工程に直接使用した。
【0290】
【化129】

【0291】
実施例46
(SFe,RP,αS)-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]-1-[(ジフェニルホスフィノフェニル)]フェロセンメタノール[(SP,αS)-51]:
【0292】
【化130】

【0293】
THF(10mL)中マグネシウム削り屑(63mg,2.6mmol)と2-ブロモフェニルジフェニルホスフィン50(887mg,2.6mmol)懸濁液を、マグネシウムが溶解するまで(約30分)還流させた。生ずるグリニヤール試薬溶液を-78℃まで冷却し、THF(10mL)中(SFe,RP)-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセンカルボキサアルデヒド[(SFe,RP)-48](856mg,2.0mmol)溶液をシリンジを介して緩やかに加えた。-78℃で5時間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で一晩攪拌した。反応をNH4Cl飽和溶液でクエンチし、CH2Cl2(2×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を、塩水(20mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=6:1)により精製すると、2つのジアステレオマー(ほぼ9:1)の混合物として黄色結晶(1.297g,96%)を与えた。
【0294】
【化131】

【0295】
実施例47
(SFe,RP,αS)-2-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]-1-[α-(ジフェニルホスフィノフェニル)]フェロセンメタノール[(SFe,RP,αS) -52]:
【0296】
【化132】

【0297】
THF(10mL)中マグネシウム削り屑(63mg,2.6mmol)および2-ブロモフェニルジフェニルホスフィン50(887mg,2.6mmol)懸濁液を、マグネシウムが溶解するまで(約30分)還流させた。生ずるグリニヤール試薬溶液を-78℃まで冷却し、THF(10mL)中(SFe,RP)-2-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセンカルボキサアルデヒド[(SFe,RP)-49](897mg,2.0mmol)溶液をシリンジを介して緩やかに加えた。-78℃で5時間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で一晩攪拌した。反応をNH4Cl飽和溶液でクエンチし、CH2Cl2(2×20mL)で抽出した。合わせた抽出物を、塩水(20mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=6:1)により精製すると、2つのジアステレオマー(ほぼ9:1)の混合物として黄色結晶(1.322g,93%)を与えた。
【0298】
【化133】

【0299】
実施例48
(SFe,RP,αS)-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]-1-[α-メトキシ-(2-ジフェニルホスフィノフェニルメチル)]フェロセン[(SFe,RP,αS)-53]:
【0300】
【化134】

【0301】
THF(10mL)中KH(ヘキセンで洗浄して30%,174mg,1.3mmol)の懸濁液に、アルコール[(SFe,αS)-51](690g,1.0mmol)を0℃で加えた。0℃で2時間攪拌後、ヨードメタン(68uL,1.1mL)を、シリンジを介して、加え、ついで、混合物を0℃で2時間攪拌した。反応をMeOH(0.5mL)でクエンチし、溶剤を減圧下で除去した。残渣をCH2Cl2(20mL)に溶解させ、水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=10:1)により精製すると、黄色結晶(463mg,66%)を与えた。
【0302】
【化135】

【0303】
実施例49
(SFe,αS)-2-ブロモ-1-[α-(2-ジフェニルホスフィノフェニル)]フェロセンメタノール[(SFe,αS)-55]:
【0304】
【化136】

【0305】
THF(10mL)中Mg(729mg,30mmol)の懸濁液をTHF(30mL)中2-ブロモフェニルジフェニルホスフィン(50)(9.42g,27.6mmol)の溶液に約50℃で滴下した。添加後、混合物を1時間還流し、室温まで冷却し、Et2O(20mL)中(SFe)-2-ブロモフェロセンカルボキサアルデヒド[(SFe)-54](6.74g,23mmol)の溶液に-78℃で加えた。-78℃で6時間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で一晩攪拌した。反応をNH4Cl飽和溶液(50mL)でクエンチし、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(50mL)で洗浄し、(Na2SO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=5:1)により精製すると、単一のジアステレオマーとして黄色結晶(12.51g,98%)を与えた。
【0306】
【化137】

【0307】
実施例50
(SFe,αS)-2-ブロモ-1-[α-メトキシ-(2-ジフェニルホスフィノフェニルメチル)]フェロセン[(SFe,αS)-56]:
【0308】
【化138】

【0309】
THF(20mL)中KH(ヘキセンで洗浄して30%,3.75g,28.1mmol)の懸濁液に、THF(180mL)中(SP,αS)-2-ブロモ-1-[α-(2-ジフェニルホスフィノフェニル)]フェロセンメタノール[(SFe,αS)-55](12.00g,21.6mmol)溶液を0℃で加えた。0℃で2時間攪拌後、ヨードメタン(1.48mL,23.8mmol)を、シリンジを介して、加え、ついで、混合物を0℃で1時間攪拌した。反応をMeOH(5mL)でクエンチし、溶剤を減圧下で除去した。残渣をEtOAc(150mL)に溶解させ、水(100mL)および塩水(100mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=5:1)により精製すると、黄色結晶(12.10g,98%)を与えた。
【0310】
【化139】

【0311】
実施例51
(SFe,SP,αS)-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ)]-1-[α-メトキシ-(2-ジフェニルホスフィノフェニルメチル)]フェロセン[(SFe,SP,αS)-57]:
【0312】
【化140】

【0313】
THF(30mL)中ブロマイド[(SFe,αS)-56](2.85g,5mmol)の溶液に、1.7M t-BuLi(6.5mL,11mol)を-78℃でシリンジを介して緩やかに加えた。-78℃で10分間攪拌後、PhPCl2(746uL,5.5mmol)を、シリンジを介して加えた。-78℃で30分間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で1時間攪拌した。混合物を、再度、-78℃まで冷却し、o-AnLi[Et2O(30mL)中2-ブロモアニソール(805uL,6.5mmol)と1.7M t-BuLi(7.6mL,13mmol)とから-78℃で調製した]懸濁液を、カニューレを介して、加え、ついで、混合物を-78℃で一晩攪拌して、室温とした。反応を水(20mL)でクエンチした。有機層を分離し、塩水(30mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=10:1)により精製すると、単一のジアステレオマーとして黄色結晶(3.21g,91%)を与えた。
【0314】
【化141】

【0315】
実施例52
(SFe,SP,αS)-2-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]-1-[α-メトキシ-(2-ジフェニルホスフィノフェニルメチル)]フェロセン[(SFe,SP,αS)-58]および(SFe,RP,αS)-2-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]-1-[α-メトキシ-(2-ジフェニルホスフィノフェニルメチル)]フェロセン[(SFe,RP,αS)-59]:
【0316】
【化142】

【0317】
THF(30mL)中ブロマイド[(SFe,αS)-56]の(2.85g,5mmol)溶液に、1.7M t-BuLi(6.5mL,11mol)を-78℃でシリンジを介して緩やかに加えた。-78℃で10分間攪拌後、PhPCl2(746uL,5.5mmol)を、シリンジを介して、加えた。-78℃で30分間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で1時間攪拌した。混合物を、再度、-78℃まで冷却し、o-AnLi[Et2O(30mL)中1-ブロモナフタレン(900uL,6.5mmol)と1.7M t-BuLi(7.6mL,13mmol)とから-78℃で調製した]懸濁液を、カニューレを介して、加え、ついで、混合物を-78℃で一晩攪拌して、室温とした。反応を水(20mL)でクエンチした。有機層を分離し、塩水(30mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=10:1)により精製すると、2つのジアステレオマー(比:ほぼ9:1)の混合物として黄色結晶(3.30g,91%)を与え、これは、ヘキサンから再結晶すると、黄色結晶として純粋な主生成物[(SFe,SP,αS)-58](2.83g,78%)を与えた。母液を濃縮し、残渣をMeOHから再結晶すると、黄色結晶として純粋な少量生成物[(SFe,RP,αS)-59](217mg,6%)を与えた。
【0318】
【化143】

【0319】
実施例53
(SFe,RP)-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセンメタノール[(SFe,RP)-60]:
【0320】
【化144】

【0321】
THF(10mL)中アルデヒド[(SFe,RP)-48](856mg,2.0mmol)の溶液に、NaBH4(38mg,1.0mmol)を0℃で加え、ついで、MeOH(2mL)を加えた。0℃で2時間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で一晩攪拌した。反応をNH4Cl飽和溶液(5mL)でクエンチし、EtOAc(10mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(10mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させると、黄色結晶として粗製の生成物(857mg,100%)を与え、これは、次の工程にて直接使用した。
【0322】
【化145】

【0323】
実施例54
(SFe,RP)-2-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセンメタノール[(SFe,RP)-61]:
【0324】
【化146】

【0325】
THF(10mL)中アルデヒド[(SFe,RP)-49](897mg,2.0mmol)の溶液に、NaBH4(38mg,1.0mmol)を0℃で加え、ついで、MeOH(2mL)を加えた。0℃で2時間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で一晩攪拌した。反応をNH4Cl飽和溶液(5mL)でクエンチし、EtOAc(10mL)で希釈した。有機層を分離し、塩水(10mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、減圧下で蒸発させると、黄色結晶として粗製の生成物(900mg,100%)を与え、これは、次の工程にて直接使用した。
【0326】
【化147】

【0327】
実施例55
(SFe,RP)-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセンメタノールアセテート[(SFe,RP)-62]:
【0328】
【化148】

【0329】
CH2Cl2(10mL)中アルコール[(SFe,RP)-60](857mg,2.0mmol)、Ac2O(2mL)およびピリジン(2mL)の溶液を室温で一晩攪拌した。減圧下35℃より低い温度で、揮発性物質を除去すると、黄色結晶として粗製の生成物(880mg,100%)を与え、これは、次の工程にて直接使用した。
【0330】
【化149】

【0331】
実施例56
(SFe,RP)-2-[(1-ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセンメタノールアセテート[(SFe,RP)-63]:
【0332】
【化150】

【0333】
CH2Cl2(10mL)中アルコール[(SFe,RP)-61](900mg,2.0mmol)、Ac2O(2mL)およびピリジン(2mL)の溶液を室温で一晩攪拌した。減圧下35℃より低い温度で、揮発性物質を除去すると、黄色結晶として粗製の生成物(983mg,100%)を与え、これは、次の工程にて直接使用した。
【0334】
【化151】

【0335】
実施例57
(SFe,RP)-1-[(ジシクロヘキシルホスフィノ)メチル]-2-[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(SFe,RP)-64]:
【0336】
【化152】

【0337】
酢酸(3mL)中(SFe,RP)-62(472mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で7日間攪拌し、攪拌しつつ、10% K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(573mg,94%)を与えた。
【0338】
【化153】

【0339】
実施例58
(SFe,RP)-1-[(ジシクロヘキシルホスフィノ)メチル]-2-[(1ナフチル)フェニルホスフィノ]フェロセン[(SFe,RP)-65]:
【0340】
【化154】

【0341】
酢酸(3mL)中(SFe,RP)-63(492mg,1.0mmol)およびジシクロヘキシルホスフィン(243uL,1.2mmol)の溶液を室温で7日間攪拌し、攪拌しつつ、10% K2CO3水溶液(60mL)に注ぎ、Et2O(2×25mL)で抽出した。合わせたエーテル層を(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン-EtOAc=9:1)により精製すると、赤橙色の結晶として標題化合物(599mg,95%)を与えた。
【0342】
【化155】

【0343】
実施例59
(SC,SFe,RP)-67:
【0344】
【化156】

【0345】
Et2O(50mL)中(S)-66(1.56g,5mmol)およびTMEDA(1.0mL,6.5mmol)の溶液に、2.5M n-BuLi(2.6mL,6.5mmol)を-78℃で加えた。-78℃で3時間攪拌後、PhPCl2(0.95mL,7.0mmol)を加えた。-78℃で20分間攪拌後、混合物を室温まで温め、室温で1.5時間攪拌した。混合物を、再度、-78℃まで冷却し、1-NpLi[Et2O(40mL)中1-ブロモナフタレン(1.39mL,10mmol)と1.7M t-BuLi(11.8mL,20mmol)とから-78℃で調製した]懸濁液を、カニューレを介して、加えた。混合物を攪拌し、室温まで一晩温めた。反応は、水(40mL)によりクエンチした。有機層を分離し、塩水(40mL)で洗浄し、(MgSO4で)乾燥し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2,EtOAc-ヘキサン=1:5〜1:3)により精製すると、赤橙色結晶として生成物(2.25g,85%)を与えた。
【0346】
【化157】

【0347】
不斉水素化−一般的な処理法:
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート[Rh(COD)2TfO](2.3mg,5umol)と所望するリガンド(6umol)とをアルゴンでパージした容器内に置いた。所望する溶剤をArで15分間ガス抜きし、ついで、5.0mLを、シリンジを介して、反応容器に加えた。この溶液をアルゴン下25℃で15分間攪拌した。所望する基質(1.0mmol)を、ついで、触媒溶液に加えた。溶液を、ついで、アルゴンで5回パージし、水素で加圧して、所望される圧力とし、室温で攪拌した。反応を所望される圧力で所望される時間行い、ついで、ガス抜きした。試料を採取し、標準分析技術を使用し、エナンチオマー過剰について分析した。
【0348】
実施例60 THF中水素化によるN-アセチルL-アラニンメチルエステル:
【0349】
【化158】

【0350】
メチル2-アセトアミドアクリレート(143mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe,SP)-23(3.8mg;6umol;0.012当量)とを2.5時間使用し、THF中水素50psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、88.6%eeを有するアミノ酸誘導体への18.6%変換を与えた。
【0351】
実施例61 THF中水素化によるN-アセチルL-アラニンメチルエステル:
【0352】
【化159】

【0353】
メチル2-アセトアミドアクリレート(143mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe,SP)-24(4.0mg;6umol;0.012当量)とを2.5時間使用し、THF中水素50psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、98.3%eeを有するアミノ酸誘導体への100%変換を与えた。
【0354】
実施例62 THF中水素化によるN-アセチルL-アラニンメチルエステル:
【0355】
【化160】

【0356】
メチル2-アセトアミドアクリレート(143mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe,RP)-25(4.0mg;6umol;0.012当量)とを2.5時間使用し、THF中水素50psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、92.3%eeを有するアミノ酸誘導体への100%変換を与えた。
【0357】
実施例63 MeOH中水素化によるN-アセチルL-アラニンメチルエステル:
【0358】
【化161】

【0359】
メチル2-アセトアミドアクリレート(143mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe,RP)-24(4.0mg;6mumol;0.012当量)とを2.5時間使用し、MeOH中水素50psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、>99%eeを有するアミノ酸誘導体への100%変換を与えた。
【0360】
実施例64 THF中(RC,SFe)-BoaPhozでの水素化によるN-アセチルL-アラニンメチルエステル:
【0361】
【化162】

【0362】
メチル2-アセトアミドアクリレート(143mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe)-BoaPhoz(3.7mg;6umol;0.012当量)とを2.5時間使用し、THF中水素50psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、94.5%eeを有するアミノ酸誘導体への99%変換を与えた。
【0363】
実施例65 THF中水素化によるN-アセチルL-フェニルアラニンメチルエステル:
【0364】
【化163】

【0365】
メチル2-アセトアミドシンナメート(219mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe,SP)-23(3.8mg;6umol;0.012当量)とを2時間使用し、THF中水素100psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、88.0%eeを有するアミノ酸誘導体への100%変換を与えた。
【0366】
実施例66 THF中水素化によるN-アセチルL-フェニルアラニンメチルエステル:
【0367】
【化164】

【0368】
メチル2-アセトアミドシンナメート(219mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe,SP)-24(4.0mg,6mumol;0.012当量)とを2時間使用し、THF中水素100psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、97.0%eeを有するアミノ酸誘導体への100%変換を与えた。
【0369】
実施例67 THF中水素化によるN-アセチルL-フェニルアラニンメチルエステル:
【0370】
【化165】

【0371】
メチル2-アセトアミドシンナメート(219mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe,RP)-25(4.0mg;6mumol;0.012当量)とを2時間使用し、THF中水素100psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、92.4%eeを有するアミノ酸誘導体への100%変換を与えた。
【0372】
実施例68 THF中(RC,SFe)-BoaPhozでの水素化によるN-アセチルL-フェニルアラニンメチルエステル:
【0373】
【化166】

【0374】
メチル2-アセトアミドシンナメート(219mg,1.0mmol)を、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート(2.3mg;5umol;0.01当量)とリガンド(RC,SFe)-BoaPhoz(3.7mg;6umol;0.012当量)とを2時間使用し、THF中水素100psi下一般的な処理法に従い水素化すると、キラルGC分析によって測定して、95.7%eeを有するアミノ酸誘導体への100%変換を与えた。
【0375】
参考文献
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11. (a) Sawamura, M.; Hamashima, H.; Sugawara, M.; Kuwano, N.; Ito, Y. Organometallics 1995, 14, 4549. (b) Sawamura, M.;Kuwano, R.; Ito, Y. J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 9602. (c) Kuwano, R.; Sawamura, M.; Ito, Y. Tetrahedron: Asymmetry 1995, 6, 2521. (d) Kuwano, R.; Okuda, S.; Ito, Y. Tetrahedron: Asymmetry 1998, 9, 2773. (e) Kuwano, R.; Okuda, S.; Ito, Y. J. Org. Chem. 1998, 63, 3499. (f) Kuwano, R.; Ito, Y. J. Org. Chem. 1999, 64, 1232. (g) Kuwano, R.; Sato, K.; Kurokawa, T.; Karube, D.; Ito, Y. J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 7614.
12. a) Kang, J.; Lee, J. H.; Ahn, S. H.; Choi, J. S. Tetrahedron Lett. 1998, 39, 5523. b) Kang, J.; Lee, J. H.; Kim, J. B.; Kim, G. J. Chirality 2000, 12, 378.
13. a) Jendralla, H. ; Paulus, E. Synlett, 1997, 471. b) Jendralla, J. H. US 5,856,540 (1999)
14. a) Argouarch, G.; Samuel, O.; Kagan, H. B. Eur. J. Org. Chem. 2000, 2891. b) Argouarch, G.; Samuel, O.; Riant, O.; Daran, J.-C.; Kagan, H. B. Eur. J. Org. Chem. 2000, 2893.
15. Marinetti, A.; Labrue, F.; Gene?t, J.-P. Synlett 1999, 1975.
16. Berens, U.; Burk, M. J.; Gerlach, A.; Hems, W. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 2000, 39, 1981.
17. You, J.; Drexler, H.-J.; Zhang, S.; Fischer, C.; Heller, D. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 2003, 42, 913.
18. Maienza, F.; Wo¨rle, M.; Steffanut, P.; Mezzetti, A. Organometallics 1999, 18, 1041.
19. (a) Nettekoven, U.; Widhalm, M.; Kamer, P. C. J.; van Leeuwen, P. W. N. M. Tetrahedron: Asymmetry 1997, 8, 3185. (b) Nettekoven, U.; Kamer, P. C. J.; van Leeuwen, P. W. N. M.; Widhalm, M.; Spek, A. L.; Lutz, M. J. Org. Chem. 1999, 64, 3996.
20. Liu, D.; Li, W.; Zhang, X. Org. Lett. 2002, 4, 4471.
21. Xiao, D.; Zhang, X. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 2001, 40, 3425.
22. a) M. T. Reetz, A. Gosberg, R. Goddard, S.-H. Kyung, Chem. Commun. 1998, 2077; b) M. T. Reetz, A. Gosberg, WO 0014096, 1998 (assigned to Studiengesellschaft Kohle MBH);
23. a. Nettekoven, U.; Widhalm, M.; Kamer, P. C. J.; van Leeuwen, P. W. N. M.; Mereiter, K.; Lutz, M.; Spek, A. L. Organometallics 2000, 19, 2299. b. Nettekoven, U.; Kamer, P. C. J.; Widhalm, M.; van Leeuwen, P. W. N. M. Organometallics 2000, 19, 4596. c. Nettekoven, U.; Widhalm, M.; Kalchhauser, H.; Kamer, P. C. J.; van Leeuwen, P. W. N. M.; Lutz, M.; Spek, A. L. J. Org. Chem. 2001, 66, 759-770.
24. Barbaro, P.; Bianchini, C.; Giambastiani, G.; Togni, A. Chem. Commun. 2002, 2672.
25. (a) Marquarding, D.; Klusacek, H.; Gokel, G.; Hoffmann, P.; Ugi, I. J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 5389. (b) Marquarding, D.; Klusacek, H.; Gokel, G.; Hoffmann, P.; Ugi, I. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1970, 9, 371. (c) Hayashi, T.; Yamamoto, K.; Kumada, M. Tetrahedron Lett. 1974, 15, 405. (d) Hayashi, T.; Mise, T.; Fukushima, M.; Kagotani, M.; Nagashima, N.; Hamada, Y.; Matsumoto, A.; Kawakami, S.; Konishi, M. M.; Yamamoto, K.; Kumada, M. Bull. Chem. Chem. Soc. Jpn. 1980, 53, 1138
26. Riant, O.; Argouarch, G.; Guillaneux, D.; Samuel, O.; Kagan, H. B. J. Org. Chem. 1998, 63, 3511.
27. (a) Riant, O.; Samuel, O.; Flessner, T.; Taudien, S.; Kagan, H. B. J. Org. Chem. 1997, 62, 6733. (b) Riant, O.; Samuel, O.; Kagan,H. B. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 5835.
28. (a) Richards, J.; Damalidis, T.; Hibbs D. E.; Hursthouse, M. B. Synlett 1995, 74. (b) Sammakai, T.; Latham H. A.; Schaad, D. R. J. Org. Chem. 1995, 60, 10. (c) Nishibayashi, Y.; Uemura, S. Synlett 1995, 79. (d) Sammakai, T.; Latham, H. A. J. Org. Chem. 1995, 60, 6002.
29. Ganter, C.; Wagner, T. Chem. Ber. 1995, 128, 1157.
30. (a) Enders, D.; Peters, R.; Lochtman, R.; Runsink, J. Synlett 1997, 1462. (b) Enders, D.; Peters, R.; Lochtman, R.; Runsink, J. Eur. J. Org. Chem. 2000, 2839.
31. Lotz, M.; Ireland T.; Tappe, K.; Knochel, P. Chirality, 2000, 12, 389.
32. Kitzler, R.; Xiao, L.; Weissensteiner, W. Tetrahedron: Asymmetry 2000, 11, 3459.
33. Widhalm, M.; Mereiter, K.; Bourghida, M. Tetrahedron: Asymmetry 1998, 9, 2983.
34. Nishibayashi, Y.; Arikawa, Y.; Ohe, K.; Uemura, S. J. Org. Chem. 1996, 61, 1172.
35. (a) Tsukazaki, M.; Tinkl, M.; Roglans, A.; Chapell, B. J.; Taylor, N. J.; Snieckus, V. J. Am. Chem. Soc. 1996, 118, 685. (b) Jendralla, H.; Paulus, E. Synlett 1997, 471.
36. Price, D.; Simpkins, N. S. Tetrahedron Lett. 1995, 36, 6135.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)、(II)または(III):
【化1】

[式中、Wは、リンまたは砒素であり;
Mは、金属であり;
R1およびR2は、互いに異なり、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換シクロアルコキシ、置換および未置換シクロアルキルアミノ、置換および未置換炭素環式アリール、置換および未置換炭素環式アリールオキシ、置換および未置換ヘテロアリール、置換および未置換ヘテロアリールオキシ、置換および未置換炭素環式アリールアミノ;および、置換および未置換ヘテロアリールアミノから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;
R3およびR4は、同一または異なり、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;
nは、0〜3であり;
mは、0〜5であり;
Qは、
【化2】

{式中、Wは、リンまたは砒素である}
から選択され;
R6およびR7は、同一または異なり、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換シクロアルコキシ、置換および未置換シクロアルキルアミノ、置換および未置換炭素環式アリール、置換および未置換炭素環式アリールオキシ、置換および未置換ヘテロアリール、置換および未置換ヘテロアリールオキシ、置換および未置換炭素環式アリールアミノ;および、置換および未置換ヘテロアリールアミノから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R8は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、
Qは、
【化3】

{式中、Wは、リンまたは砒素である}
から選択され;
R6、R7およびR8は、独立に、先に定義した通りであり;R9は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、
Qは、
【化4】

から選択され;
R6、R7、R8およびR9は、独立に、先に定義した通りであり;R10は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、
Qは、
【化5】

から選択され;
R6、R7、R8およびR9は、独立に、先に定義した通りであり;R10″は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、
Qは、
【化6】

{式中、Wは、リンまたは砒素である}
から選択され;
R6、R7は、先に定義した通りであり;R11は、OR13、SR13、NHR13、NR13R14から選択され、R13およびR14は、同一または異なり、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R12は、水素、ハロゲン、OR13、SR13、NR13R14、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R13、R14は、先に定義した通りであり、n’は、0〜4であるか;または、
Qは、
【化7】

{式中、R8およびR9は、先に定義した通りである}
から選択され;
R5は、
【化8】

から選択され;
R15、R16およびR17は、同一または異なり、水素、OR13、SR13、NR13R14、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択され;R13、R14は、先に定義した通りであるか;または、
R5は、
【化9】

から選択され;
R13、R14は、先に定義した通りであり;2つのジェミナルな置換基R18は、一緒になって、二重結合酸素原子(すなわち、(R18)2は、=O)であるかまたは各々その固有について置換基R18は、水素であり;Gは、-CONH-R-NHCO-、-CO-ORO-CO-、-CO-RCO-、-CH=N-R-N=CH-、-CH2NH-R-NHCH2-、-CH2NHCO-R-CONHCH2-、-CH(R8)NH-R-NH(CH(R8)-、-CH(R8)NHCO-R-CONHCH(R8)-、-CONH-R-NHCO-、-CO-ORO-CO-、-CO-RCO-、-CH=N-R-N=CH-、-CH2NH-R-NHCH2-、-CH2NHCO-R-CONHCH2-、-CH(R8)NH-R-NH(CH(R8)-、-CH(R8)NHCO-、R-CONHCH(R8)-からなる群より選択され;ここで、R8は、独立に、先に定義した通りであり;-R-および-R-は、
【化10】

{式中、R12は、先に定義した通りである}
からなる群より選択され;R19は、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択されるか;または、(R19)2は、-(CH2)m’-であり;n’は、0〜4であり;m’は、1〜8である。]
を有するリンまたは砒素にてキラルなメタロセン基体のホスフィンまたはアルシンリガンド。
【請求項2】
式(IV)、(V)および(VI):
【化11】

[式中、各W、M、R1-19、Q、G、n、m、n’およびm’は、請求項1にて定めたと同一の意味を有する。]
を有し、キラリティが、必要とされる場合に、置換基にて変化する、請求項1に記載のリガンドのエナンチオマー。
【請求項3】
式(VII)、(VIII)および(IX):
【化12】

[式中、各W、M、R1-19、Q、G、n、m、n’およびm’は、請求項1にて定めたと同一の意味を有する。]
を有し、キラリティが、必要とされる場合に、置換基にて変化する、請求項1に記載のリガンドのジアステレオマー。
【請求項4】
リン(または砒素)におけるキラリティと、少なくとも1つのその他の要素のキラリティ(プラナーキラリティおよび/または炭素におけるキラリティおよび/またはアクシャルキラリティ)とを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタロセン基体ホスフィン。
【請求項5】
3つの要素のキラリティ、すなわち、プラナーキラリティ、リン(または砒素)におけるキラリティおよび炭素におけるキラリティを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタロセン基体ジホスフィンまたはジアルシン。
【請求項6】
4つの要素のキラリティ、すなわち、プラナーキラリティ、リン(または砒素)におけるキラリティ、炭素におけるキラリティおよびアクシャルキラリティを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタロセン基体ジホスフィンまたはジアルシン。
【請求項7】
メタロセンがフェロセンである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリガンド。
【請求項8】
Wがリンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリガンド。
【請求項10】
高エナンチオマー過剰の形成される化合物を発生させるための不斉変換反応における触媒または触媒前駆体としての、請求項1〜8のいずれか1項に記載のリガンドの使用。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のリガンドに配位した遷移金属を含有する遷移金属錯体。
【請求項12】
遷移金属が、VIb族またはVIII族の金属である、請求項11に記載の遷移金属触媒。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のリガンドを製造するための方法であって、1つまたは両方の環上にキラル誘導置換基を有するメタロセン基体の基質を用意し;その置換されたメタロセンをオルト-リチオ化に賦し、続いて、オルト-リチオ化置換されたメタロセンをリンにてホスフィンキラルに(砒素にてアルシンキラルに)変換する各工程を含む方法。
【請求項14】
式(I)または(III)のリガンドを製造するための請求項13に記載の方法であって、式(X)(場合によっては、1つまたは両方のシクロペンタジエン環上をR3n(頂部環)および/またはR4m(底部環)で置換された):
【化13】

[式中、Xは、キラル誘導基である。]
で表される化合物を用意し;その基質をオルト-リチオ化し;そのオルト-リチオ化された基質をR1置換されたホスフィンまたはアルシンと、ついで、R2を有するグリニヤール試薬または有機リチウム化合物と反応させて、Xを、所望通りに、QまたはGに変換させる各工程を含む方法。
【請求項15】
Xが、
【化14】

からなる群より選択され;
RaおよびRbは、同一または異なり、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
オルト-リチオ化工程が、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムおよび/またはt-ブチルリチウムを使用して行われる、請求項14または請求項15に記載の方法。
【請求項17】
生ずるモノリチウム化合物が、式R1PC12(式中、R1は、請求項1にて定義した通りである)で表されるジクロロホスフィンとin situで反応して、中間体生成物を生成する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
中間体生成物を式R2Z(式中、R2は、請求項1にて定義した通りであり;Zは、LiまたはMgYであり、Yは、ハライドである)で表される有機金属試薬と反応させて、式(XI):
【化15】

を有するリンキラル化合物を得る工程を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
化合物XIを化合物(I)または(III)に変換する工程を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
式(I)または(III)で表されるリガンドを製造するための方法であって、式XXXVII:
【化16】

[式中、Xは、アキラル誘導基である。]
で表される化合物を用意し、ホモキラルt-アミンの存在にてn-ブチルリチウムもしくはsec-ブチルリチウムまたはt-ブチルリチウムを使用して、その化合物をエナンチオ選択的なモノ-オルト-リチオ化に賦し、生ずるキラルなモノリチウム化合物を式R1PCl2で表されるジクロロホスフィンとin situで、続いて、式R2Z(式中、R1およびR2は、請求項1にて定義した通りであり;Zは、LiまたはMgYであり、Yは、ハライドである)で表される有機金属試薬と反応させて、式XXXVIII:
【化17】

を有するリンキラルな化合物を得;化合物XXXVIIIを化合物(I)または(III)に変換する各工程を含む方法。
【請求項21】
Xが、
【化18】

から選択され;
RaおよびRbは、同一または異なり、水素、置換および未置換分岐および直鎖アルキル、置換および未置換シクロアルキル、置換および未置換炭素環式アリール;および、置換および未置換ヘテロアリールから独立に選択され、そのまたは各ヘテロ原子は、硫黄、窒素および酸素から独立に選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
式(II)で表されるリガンドを製造するための方法であって、式XXXIX:
【化19】

[式中、Xは、先に定義した通りである。]
で表される化合物を用意し;n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムまたはt-ブチルリチウムを使用して、その化合物をビス-オルト-リチオ化に賦し、生ずるビスリチウム化合物を式R1PCl2で表されるジクロロホスフィンとin situで、続いて、式R2Z(式中、R1およびR2は、請求項1にて定義した通りであり;Zは、LiまたはMgYであり、Yは、ハライドである)で表される有機金属試薬と反応させて、式XXXX:
【化20】

を有するリンキラルな化合物を得;化合物XXXXを化合物(II)に変換する各工程を含む方法。

【公表番号】特表2007−517849(P2007−517849A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548397(P2006−548397)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000112
【国際公開番号】WO2005/068477
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(502132634)フェニックス・ケミカルズ・リミテッド (9)
【Fターム(参考)】