説明

メタ情報付与システム、メタ情報表示システム、およびこれらのプログラム、および、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】3次元オブジェクトに対するユーザの視点に応じて適切なメタ情報を容易に付与し、ユーザの利便性を高める。
【解決手段】コンテンツ作成端末は、3次元オブジェクトの名称情報をメタ情報付与端末に送信し、前記メタ情報付与端末から受信する一つまたは複数の機能名情報の中から特定の機能名情報を選択し、前記メタ情報付与端末に送信する。メタ情報付与端末は、受信した名称情報と名称情報と関連付けられた空間情報とに基づいて機能名情報を検索し、前記コンテンツ作成端末に送信する。受信した前記特定の機能名情報と前記名称情報および前記空間情報とに基づいて属性値を検索し、前記名称情報および前記空間情報に関連付けて記憶し、空間情報に基づいて前記属性値を前記3次元オブジェクトにマッピングしてユーザ端末に提供する。ユーザ端末は、前記3次元オブジェクトとユーザの視点との相対的な位置関係に基づいて前記属性値を選択し、表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元オブジェクトに対するユーザの視点に応じて適切なメタ情報を容易に付与することができるメタ情報付与システム、メタ情報表示システム、およびこれらのプログラム、および、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザがWeb上で情報を検索する技術として様々なサービスが提供されている。例えば、ユーザが地域に関する情報をWeb上で検索した場合に、該当地域の地図データを併せて提供するサービスや、ユーザが所定のキーワードをWeb上で検索した場合に、ユーザの興味・嗜好に合致する情報を優先的に提供するサービスなどがある。また、表現力の高いユーザインターフェイスの提供などを目的として、3次元オブジェクトを利用したサービスや、3次元の仮想空間を構築したサービスなどもある。
【0003】
ところが、Web上には膨大な情報が存在するため、情報が整理されていない状態でサービスを提供すると、かえってユーザの使い勝手が悪くなってしまうといった問題点があった。このような問題点を解決する一手段として、例えば、検索結果データをメタ情報空間にマップし、このメタ情報空間に基づいた表示を行うように構成した情報検索システムが提案されている(例えば、特許文献1〜4、非特許文献1〜非特許文献5参照)。
【0004】
また、3次元オブジェクトに関する数多くの情報を効率良く表示するための効果的なデータ提示方法も重要な課題であり、多くの研究がある(例えば、非特許文献6、非特許文献7参照)。特に、コンピュータグラフィクスなどの分野で近年盛んに研究されているような、視点に応じた情報提示は有効であると考えられる。
【特許文献1】特開2007−287030号公報
【特許文献2】特開2005−346609号公報
【特許文献3】特開2007−052693号公報
【特許文献4】特開2007−188352号公報
【非特許文献1】河合由起子,官上大輔,田中克己.個人の選好に基づく複数ニュースサイトの記事収集・閲覧システム情報処理学会論文誌 データベース,Vol.46,No.SIG8(TOD26), pp.14-25(2005)
【非特許文献2】河合由起子,熊本忠彦,田中克己.印象と興味に基づくユーザ選好のモデル化手法の提案とニュースサイトへの応用,知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌),Vol.18,No.2, pp.59--69(2006).
【非特許文献3】河合由起子、"嗜好情報に基づくニュースコンテンツの推薦とその応用-画一的な便利さと多様な嗜好への適応"、情報処理学会誌Vol.48 No.9 pp979-983(2007年9月)
【非特許文献4】Yukiko Kawai,Tadahiko Kumamoto,and Katsumi Tanaka:Fair News Reader: Recommending News Articles with Different Sentiments Based on User Preference, Lecture Notes in Artificial Intelligence, LNAI4692, Springer, pp.612-622, In International Conference on Knowledge-Based Intelligent Information and Engineering Systems (KES '07), Vietri sul Mare, Italy, (September 2007).
【非特許文献5】Adam Jatowt, Yukiko Kawai, Satoshi Nakamura, Yutaka Kidawara and Katsumi Tanaka: Journey to the Past: Proposal of a Framework for Past Web Browser, Proceedings of the 17th ACM Conference on Hypertext and Hypermedia (HT 2006), ACM Press, Odense, Denmark, pp. 135-144 (2006)
【非特許文献6】小谷彬, 小山聡, 田中克己. 複数Web コンテンツの多面的閲覧のための空間インタフェース. 第16 回データ工学ワークショップ(DEWS2005) 論文集, 6C-i7, 2005.
【非特許文献7】Kadobayashi R. and Tanaka K.:3D Viewpoint-based Photo Search and Information Browsing, Proceedings of the 28th Annual International ACM SIGIR Conference on Research and Development in Information Retrieval (SIGIR 2005), pp. 621-622, poster (August 2005).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1記載の情報検索システムでは、検索結果データに関連付けるメタ情報を独自に作成する必要がある上に、近年、Web上で多用されている3次元オブジェクトについては何ら考慮がなされていない。また、上記特許文献2〜4および上記非特許文献1〜5においては、自動化の試みがなされてはいるものの、3次元オブジェクトについては同様に何ら考慮がなされていない。
【0006】
また、3次元オブジェクトに関して、視点依存の効果的なデータ提示方法に関しては、上記非特許文献6では、視点に依存してデータの提示を切り替えるシステムとはなっていない。また、上記非特許文献7では、画像のデータを対象として、視点位置に最も近い位置で撮影した画像を提示するなど、ある程度視点位置に依存したシステムとなってはいるものの、対象が撮影位置の既知な画像データに限定されており一般性がない。さらに、3次元オブジェクトの形状データを用いていない手法であるため、物体の前後関係による隠れなどの場合において対応することが出来ない。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであって、3次元オブジェクトに対するユーザの視点に応じて適切なメタ情報を容易に付与することができ、従来よりもユーザの利便性を高めることができるメタ情報付与システム、メタ情報表示システム、およびこれらのプログラム、および、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、相互に通信可能に接続されたコンテンツ作成端末、メタ情報付与端末、およびユーザ端末を有して構成されたメタ情報付与システムであって、前記コンテンツ作成端末は、3次元オブジェクトの名称情報を入力することが可能な情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力された名称情報を前記メタ情報付与端末に送信する名称送信手段と、前記メタ情報付与端末から受信する一つまたは複数の機能名情報の中から特定の機能名情報を選択し、選択した特定の機能名情報を前記メタ情報付与端末に送信する機能名選択手段と、を備え、前記メタ情報付与端末は、前記名称情報、および前記名称情報と関連付けられる一つまたは複数の空間情報が記憶される記憶手段と、前記名称送信手段から受信する名称情報と前記記憶手段に記憶される前記空間情報とに基づいて機能名情報を検索し、検索した機能名情報を前記コンテンツ作成端末に送信する機能名検索手段と、前記コンテンツ作成端末から受信する前記特定の機能名情報と前記記憶手段に記憶される前記名称情報および前記空間情報とに基づいて属性値を検索し、検索した属性値を前記名称情報および前記空間情報に関連付けて前記記憶手段に記憶する属性値検索手段と、前記記憶手段に記憶された空間情報に基づいて前記属性値を前記3次元オブジェクトにマッピングして前記ユーザ端末に提供するデータ提供手段と、を備えることを特徴とする、メタ情報付与システムである。
【0009】
本発明はまた、3次元オブジェクトと前記3次元オブジェクトを見るユーザの視点との相対的な位置関係を計算する計算手段と、前記計算手段によって計算された相対的な位置関係に基づいてメタ情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたメタ情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする、メタ情報表示システムである。
【0010】
本発明はまた、相互に通信可能に接続されたコンテンツ作成端末、メタ情報付与端末、およびユーザ端末を有して構成されたメタ情報付与システムであって、前記コンテンツ作成端末は、3次元オブジェクトの名称情報を入力することが可能な情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力された名称情報を前記メタ情報付与端末に送信する名称送信手段と、を備え、前記メタ情報付与端末は、前記名称情報、および前記名称情報と関連付けられる一つまたは複数の空間情報が記憶される記憶手段と、前記名称送信手段から受信する名称情報と前記記憶手段に記憶される前記空間情報とに基づいて機能名情報を検索し、検索した機能名情報の中から特定の機能名情報を選択し、選択した特定の機能名情報と前記記憶手段に記憶される前記名称情報および前記空間情報とに基づいて属性値を検索し、検索した属性値を前記名称情報および前記空間情報に関連付けて前記記憶手段に記憶する属性値検索手段と、前記記憶手段に記憶された空間情報に基づいて前記属性値を前記3次元オブジェクトにマッピングして前記ユーザ端末に提供するデータ提供手段と、を備えることを特徴とする、メタ情報付与システムである。
【0011】
本発明はまた、コンテンツ作成端末から受信する名称情報と記憶手段に記憶される空間情報とに基づいて機能名情報を検索し、検索した機能名情報を前記コンテンツ作成端末に送信する機能名検索手段と、前記コンテンツ作成端末から受信する特定の機能名情報と前記記憶手段に記憶される名称情報および空間情報とに基づいて属性値を検索し、検索した属性値を前記名称情報および前記空間情報に関連付けて前記記憶手段に記憶する属性値検索手段と、前記記憶手段に記憶される空間情報に基づいて前記属性値を3次元オブジェクトにマッピングしてユーザ端末に提供するデータ提供手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする、メタ情報付与プログラムである。
【0012】
本発明はまた、3次元オブジェクトと前記3次元オブジェクトを見るユーザの視点との相対的な位置関係を計算する計算手段と、前記計算手段によって計算された相対的な位置関係に基づいてメタ情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたメタ情報を表示する表示手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする、メタ情報表示プログラムである。
【0013】
本発明はまた、上記メタ情報付与プログラム、または上記メタ情報表示プログラムが記録されていることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るメタ情報付与システム、メタ情報表示システム、およびこれらのプログラムによれば、3次元オブジェクトに対するユーザの視点に応じて適切なメタ情報を容易に付与または表示することができ、従来よりもユーザの利便性を高めることができる。
【0015】
また、視点に依存したメタ情報の提示により、例えば、富士山を麓から見た場合と、航空写真による上空から見た場合とでは、同じ対象にも関わらずそれに関連する情報が全く異なっているという、メタ情報の視点依存性を簡易に実現することができ、ユーザの利便性を従来よりも大幅に高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係るメタ情報付与システムについて詳細に説明する。
【0017】
<全体構成>
まず最初に、本実施の形態に係るメタ情報付与システム10の全体構成について説明する。図1は本実施の形態に係るメタ情報付与システム10の全体構成の一例を示したシステム構成図である。
【0018】
メタ情報付与システム10は、3次元オブジェクトの作成者(コンテンツ作成者)が利用するコンテンツ作成端末12と、このコンテンツ作成端末12によって作成された3次元オブジェクトにメタ情報を付与するメタ情報付与端末14と、このメタ情報付与端末14によってメタ情報が付与された3次元オブジェクトを閲覧するためのユーザ端末16と、を有して構成されている。これらのコンテンツ作成端末12、メタ情報付与端末14、およびユーザ端末16は、WANやLANなどのネットワークを介して、相互に通信可能に接続されているとともに他の不特定多数の端末(図示省略)にも通信可能に接続されている。
【0019】
<コンテンツ作成端末>
次に、コンテンツ作成端末12について説明する。コンテンツ作成端末12は、3次元オブジェクトの名称情報NIを入力することが可能な情報入力手段12aと、この情報入力手段12aによって入力された名称情報NIをメタ情報付与端末14に送信する名称送信手段12bと、メタ情報付与端末14から受信する一つまたは複数の機能名情報FIの中から特定の機能名情報SFIを選択し、選択した特定の機能名情報SFIをメタ情報付与端末14に送信する機能名選択手段12cと、を備える。このコンテンツ作成端末12としては、例えば、汎用のPC(パーソナルコンピュータ)を適用することができる。
【0020】
情報入力手段12aは、3次元オブジェクトの名称情報NIを入力するための手段であり、例えば、PCのキーボード、マウスなどのハードウェアや、コンテンツ作成者によって入力された名称情報NIを取得してPCの記憶手段に記憶するためのソフトウェア(プログラム)などが該当する。なお、3次元オブジェクトの名称情報NIとは、3次元オブジェクトに付与される名称や略称の情報のことであり、例えば、デジタルカメラの3次元オブジェクトでは、デジタルカメラ、デジカメ、カメラなどの文字列データが名称情報NIに該当する。
【0021】
名称送信手段12bは、情報入力手段12aによって入力された名称情報NIをメタ情報付与端末14に送信するための手段であり、例えば、PCの通信I/Fなどのハードウェアや、入力された名称情報NIを通信I/Fを介して外部(この例では、メタ情報付与端末14)に送信するためのソフトウェアなどが該当する。
【0022】
機能名選択手段12cは、メタ情報付与端末14から受信する一つまたは複数の機能名情報FI(詳細は後述)の中から特定の機能名情報SFIを選択し、選択した特定の機能名情報SFIをメタ情報付与端末14に送信するための手段であり、例えば、PCのキーボード、マウス、通信I/Fなどのハードウェアや、コンテンツ作成端末12を使用するコンテンツ作成者に特定の機能名情報SFIを選択させたり、特定の機能名情報SFIを通信I/Fを介して外部(この例では、メタ情報付与端末14)に送信するためのソフトウェアなどが該当する。なお、本発明に係る「機能名選択手段」は、本実施の形態に係る機能名選択手段12cのように、特定の機能名情報SFIをコンテンツ作成者が選択するものに限定されず、例えば、コンテンツ作成端末が特定の機能名情報SFIを自動的に(コンテンツ作成者によらずに)選択するように構成してもよく、また、メタ情報付与端末14が、機能名情報FIを検索するとともに特定の機能名情報SFIの選択を(コンテンツ作成端末12を介することなく)自動的に行ってもよい。
【0023】
<メタ情報付与端末>
次に、メタ情報付与端末14について説明する。メタ情報付与端末14は、名称情報NIおよび名称情報NIと関連付けられる一つまたは複数の空間情報PIが記憶される記憶手段14aと、名称送信手段12bから受信する名称情報NIと記憶手段14aに記憶される空間情報PIとに基づいて機能名情報FIを検索し、検索した機能名情報FIをコンテンツ作成端末12に送信する機能名検索手段14bと、コンテンツ作成端末12から受信する特定の機能名情報SFIと記憶手段14aに記憶される名称情報NIおよび空間情報PIとに基づいて属性値BVを検索し、検索した属性値BVを名称情報NIおよび空間情報PIに関連付けて記憶手段14aに記憶させる属性値検索手段14cと、ユーザ端末16を使用するユーザがデータ提供手段14gから提供されたデータの中から選択したデータをユーザプロファイルUPとして記憶する第2の記憶手段14dと、ユーザがデータ提供手段14gから提供されたデータを選択するごとにユーザプロファイルUPを更新するプロファイル更新手段14eと、ユーザプロファイルUPに基づいて3次元データにマッピングする属性値BV´を選択する属性値選択手段14fと、空間情報PIとコンテンツ作成端末12から受信する3次元オブジェクトOJに基づいて属性値BV´を3次元オブジェクトにマッピングしてユーザ端末16に提供するデータ提供手段14gと、を備える。このメタ情報付与端末14としては、例えば、サーバやPCを適用することができる。
【0024】
記憶手段14aは、上述の名称情報NIと一つまたは複数の空間情報PIとを関連付けして記憶するための手段であり、例えば、PCに搭載されたハードディスクやDVDなどのハードウェアが該当する。なお、空間情報PIとは、ユーザが3次元オブジェクトを観察する際の視点に関する情報のことであり、例えば、3次元オブジェクトを正面側、右側面側、左側面側、背面側、上面側、および下面側の6つの方向から見た視点情報が該当する。本実施の形態に係る記憶手段14aには、図2に示すように、1つの名称情報NIと、この1つの名称情報NIに対して1つまたは複数の空間情報PIが関連付けされて予め記憶されており、例えば、「デジタルカメラ」という名称情報NIには、「正面」、「右側面」、「左側面」、「背面」、「上面」、および「下面」などの複数の空間情報PIが予め記憶されている。
【0025】
なお、本発明に係る「空間情報」は、記憶手段に予め記憶される情報に限定されるものではなく、例えば、検索などによって取得され、その後に記憶手段に記憶される情報も含まれる。また、本発明に係る「空間情報」は、「正面」や「右側面」など、3次元オブジェクトに対する視点を直接的に表現する言葉に限定されるものではなく、例えば、「頭」などの言葉自体は空間情報を持たないが、車などの3次元オブジェクトを対象とした場合には、その3次元オブジェクトの「正面」を指すことがあるため、本発明に係る「空間情報」に含まれる。さらに、このような情報を全て記憶手段に予め記憶しておくことは難しいため、例えば、「車」や「正面」などの言葉をキーワードとして検索し、検索によって得られた文書中から抽出される単語を空間情報PIとして記憶手段に記憶することができる。このような例としては、他にも「本」の「背中」や、「ペン」の「先」などのように無数にある。
【0026】
機能名検索手段14bは、コンテンツ作成端末12の名称送信手段12bから受信する名称情報NIと、記憶手段14aに記憶された空間情報PIとに基づいて機能名情報FIを検索し、検索した機能名情報FIをコンテンツ作成端末12に送信するための手段であり、例えば、PCの通信I/Fなどのハードウェアや、名称情報NIや機能名情報FIを通信I/Fを介して外部に送受信したり、名称情報NIや空間情報PIに基づいて機能名情報FIを検索するためのソフトウェアなどが該当する。なお、機能名情報FIとは、名称情報NIや空間情報PIに基づいて検索される情報のことであり、例えば、デジタルカメラの3次元オブジェクトでは、レンズ、カメラ、カード、画素、輝度、補正、測光、広角、赤外線、オート、ズーム、メモリ、フラッシュなどの文字列データがこれに該当する。また、これらの文字列データの他、URL情報など、3次元オブジェクトが有する機能とは無関係な情報も該当することがある。
【0027】
より具体的には、機能名検索手段14bは、名称情報NIと空間情報PIを検索キーワードとし、公知の検索エンジンなどによってネットワークに接続された不特定多数の端末(Web)から機能名情報FIに該当する情報を収集する。例えば、名称情報NIが「デジタルカメラ」であり、空間情報PIが「正面」である場合には、「デジタルカメラ」と「正面」を検索キーワードとした検索を行い、レンズ、ズームなどの機能名情報FIを収集する。なお、機能名情報FIの収集方法は特に限定されないが、例えば、形態素解析により単語の出現頻度であるtf=log(出現回数+1)/log(総単語出現回数)を算出し、このtf値の高い単語を収集することが考えられる。また、このようにして得られたtf値を用いて機能名情報FIを順序付けることで、メタ情報付与端末14が、機能名情報FIを検索するとともに特定の機能名情報SFIの選択を(コンテンツ作成端末12を介することなく)自動的に行うこともできる。
【0028】
属性値検索手段14cは、コンテンツ作成端末12から受信する特定の機能名情報SFIと記憶手段14aに記憶された名称情報NIおよび空間情報PIとに基づいて属性値BVを検索し、検索した属性値BVを名称情報NIおよび空間情報PIに関連付けて記憶手段14aに記憶させるための手段であり、例えば、PCの通信I/Fなどのハードウェアや、特定の機能名情報SFIを通信I/Fを介して受信したり、特定の機能名情報SFI、名称情報NIおよび空間情報PIに基づいて属性値BVを検索するためのソフトウェアなどが該当する。なお、属性値BVとは、特定の機能名情報SFI、名称情報NIおよび空間情報PIに基づいて検索される情報のことであり、主として、上述の機能名情報FIに含まれる「3次元オブジェクトが有する機能の情報」が該当する。例えば、デジタルカメラの3次元オブジェクトでは、機能名情報FIが「レンズ」、の場合、「焦点距離50mm」「広角レンズ」「レンズメーカのURL」などが属性値BVに該当する。属性値検索手段14cは、例えば、図2に示すように、「デジタルカメラ」という名称情報NI、および「正面」という空間情報PIに、検索した「レンズ」や「ズーム」などの機能名情報FIを関連付けして記憶手段14aに記憶させたり、「デジタルカメラ」という名称情報NI、および「右側面」という空間情報PIおよび機能名情報「レンズ」をもとに、検索した「焦点距離50mm」「広角レンズ」「レンズメーカのURL」などの属性値BVを関連付けして記憶手段14bに記憶させる。
【0029】
第2の記憶手段14dは、ユーザ端末16を使用するユーザがデータ提供手段14gから提供されたデータの中から選択したデータをユーザプロファイルUPとして記憶するための手段であり、例えば、PCに搭載されたハードディスクやDVDなどのハードウェアが該当する。なお、ユーザプロファイルUPには、ユーザ端末16を使用するユーザの興味・嗜好に関する情報が記憶され、例えば、ユーザが閲覧したホームページのURL情報やホームページから取得したキーワード、ユーザが検索時に使用した検索キーワードなどの情報が記憶される。
【0030】
プロファイル更新手段14eは、ユーザがデータ提供手段14gから提供されたデータを選択するごとにユーザプロファイルUPを更新するための手段であり、例えば、ユーザ端末16を使用したユーザが閲覧したホームページのURL情報やホームページから取得したキーワード、ユーザが検索時に使用した検索キーワードなどの情報が更新された場合に、更新後の情報をユーザプロファイルUPに記録するためのソフトウェアなどが該当する。
【0031】
属性値選択手段14fは、ユーザプロファイルUPに基づいて3次元オブジェクトOJにマッピングする属性値BV´を選択する手段である。この属性値選択手段14fは、ユーザプロファイルUPを参照してユーザの興味・嗜好に関する情報を取得し、記憶手段14aに記憶された属性値BVの中からユーザの興味・嗜好に合致する情報を、3次元オブジェクトOJにマッピングする属性値BV´として選択する。なお、ユーザの興味・嗜好に関する情報の取得方法は特に限定されないが、例えば、ユーザが閲覧したページのtf値が高い単語(特徴語)のtf値をベクトルV1の要素とし、このベクトルV1と各ページの特徴語のtf値をベクトルの要素としたベクトルV2とのコサイン相関を算出し、相関値の高い順にページの情報を収集することが考えられる。
【0032】
データ提供手段14gは、空間情報PIと、コンテンツ作成端末から受信する3次元オブジェクトOJに基づいて、属性値BV´を3次元オブジェクトOJにマッピングしてユーザ端末16に提供するための手段である。その際、マッピングしたメタ情報は単にテキストとして独立した情報表示窓などに表示するだけではなく例えば、3次元オブジェクトOJに属性値BV´を重畳して表示することなどはインタフェースとして効果が高い。そのような効果的な表示ためのソフトウェアは、ユーザ端末16が有していることが好ましい。また、データ提供手段14gは、3次元オブジェクトOJを閲覧するユーザの視点に対応する空間情報PIを参照し、この空間情報PIに対応し、且つ、属性値選択手段14fによって選択された属性値BV´を取得する。そして、取得した属性値BV´を3次元オブジェクトOJに空間情報PIを参照し、マッピングしてユーザ端末16に提供する。このマッピング情報を用いれば、例えば、ユーザがデジタルカメラの3次元オブジェクトを正面側から閲覧している場合には、ユーザの視点(この例では、正面)に対応する空間情報PI(この例では、正面)を参照し、この空間情報PIに対応し、且つ、属性値選択手段14fによって選択された属性値BVc´(例えば、焦点距離50mmという文字列データ)を取得する。そして、取得した属性値BVc´(焦点距離50mmという文字列データ)を表示することが可能となる。
【0033】
また、データ提供手段14gがユーザに提供するデータとしては、属性値BV´の全てとし、視点に依存した表示に関してはユーザ端末16で行う方式が考えられる。この場合、視点依存に関する計算やデータ選択処理がユーザ端末16内で完結するため、操作性が良くなる利点がある。一方で、データ提供手段14gは、ユーザ端末16からの視点情報を受け取り、視点に応じた空間情報PIに対応した属性値BVc´のみを提供しても良い。この場合、属性値BVc´のデータサイズが大きい場合などにおいて、通信するデータのサイズを抑えられるなどのメリットがある。
【0034】
なお、3次元オブジェクトOJにマッピングされた属性値の表示は、3次元オブジェクトOJに重畳表示されると効果が高い。その方法としては、例えば、3次元オブジェクトごとに物体座標系を定義し、ユーザの視点とのなす角からユーザの見ている角度を計算し、計算された角度情報に基づいた属性値を表示することで実現することができる。この場合、属性値が有する角度情報が、計算された角度情報に近い順に属性値を選択して表示するとさらに効果的である。また、3次元オブジェクトとユーザの視点との間の距離を計測し、その距離情報に基づいた属性値を表示することも考えられる。この場合、属性値が有する距離情報が、計算された距離情報に近い順に属性値を選択して表示するとさらに効果的である。
【0035】
<メタ情報付与システムの動作>
次に、本実施の形態に係るメタ情報付与システム10の動作について説明する。図3は本実施の形態に係るメタ情報付与システム10の動作の流れの一例を示したシーケンスチャートである。
【0036】
ステップS11では、コンテンツ作成端末12の情報入力手段12aが、コンテンツ作成者に3次元オブジェクトの名称情報NIを入力させ、ステップS12では、名称送信手段12bが、入力させた名称情報NIをメタ情報付与端末14に送信する。
【0037】
続いて、メタ情報付与端末14の機能名検索手段14bが、ステップS21において、コンテンツ作成端末12の名称送信手段12bから名称情報NIを受信した後、ステップS22において、名称情報NIと空間情報PIに基づいて機能名情報FIを検索し、検索した機能名情報FIをコンテンツ作成端末12に送信する。なお、上述の通り、本発明に係る「空間情報」は、記憶手段に予め記憶される情報に限定されるものではなく、例えば、検索などによって取得され、その後に記憶手段に記憶される情報も含まれる。そのため、図3では、機能名検索手段14bが記憶手段DB1の中から空間情報PIを検索する例を示したが、Webの検索によって(記憶手段DB1を参照することなく)空間情報PIを取得してもよい。
【0038】
続いて、コンテンツ作成端末12の機能名選択手段12cが、ステップS13において、メタ情報付与端末14の機能名検索手段14bから機能名情報FIを受信した後、ステップS14、S15において、一つまたは複数の機能名情報FIの中から特定の機能名情報SFIを選択し、選択した特定の機能名情報SFIをメタ情報付与端末14に送信する。なお、上述の通り、本発明に係る「機能名選択手段」は、特定の機能名情報SFIをコンテンツ作成者が選択する場合に限定されない。そのため、図3では、機能名選択手段12cがコンテンツ作成者に特定の機能名情報SFIを選択させる例を示したが、例えば、コンテンツ作成端末12が特定の機能名情報SFIを自動的に(コンテンツ作成者によらずに)選択してもよく、また、メタ情報付与端末14が、機能名情報FIを検索するとともに特定の機能名情報SFIの選択を(コンテンツ作成端末12を介することなく)自動的に行ってもよい。
【0039】
続いて、メタ情報付与端末14の属性値検索手段14cが、ステップS23において、コンテンツ作成端末12の機能名選択手段12cから特定の機能名情報SFIを受信した後、ステップS24において、名称情報NI、空間情報PI、特定の機能名情報SFIに基づいて属性値BVを検索し、検索した属性値BVを名称情報NIおよび空間情報PIに関連付けて記憶手段14aに記憶させる。
【0040】
続いて、ステップS25では、メタ情報付与端末14の属性値選択手段14fが、ユーザプロファイルUPに基づいて3次元オブジェクトOJにマッピングする属性値BV´を選択し、ステップS26、S27では、データ提供手段14gが、空間情報PIとコンテンツ作成端末12から受信する3次元オブジェクトOJとに基づいて属性値BV´を3次元オブジェクトOJにマッピングしてユーザ端末16に提供する。
【0041】
ステップS32では、ユーザ端末16が、メタ情報として属性値BV´が付与された3次元オブジェクトOJをデータ提供手段14gから取得する。また、次のステップS33では、ユーザ端末16が、3次元オブジェクトOJに属性値BV´を重畳し、ユーザ端末16が備える液晶表示装置などの表示手段に表示する。なお、これらの表示方法は、上述の通り複数考えられるが、ここでは、3次元オブジェクトごとに物体座標系を定義し、ユーザの視点とのなす角からユーザの見ている角度を計算し、属性値が有する角度情報が、計算された角度情報に近い順に属性値を選択して表示する。これにより、ユーザ端末16を使用するユーザは、3次元オブジェクトOJに対するユーザの視点に依存したメタ情報を閲覧することができる。
【0042】
<実験例>
次に、本実施の形態に係るメタ情報付与システム10の実験例について説明する。図4(a)はユーザがデジタルカメラの3次元オブジェクトをデジタルカメラの右斜め前から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図であり、同図(b)はユーザがデジタルカメラの3次元オブジェクトをデジタルカメラの左後方から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図である。
【0043】
この実験では、図4(a)に示すように、デジタルカメラの正面と右側面という空間情報PIには、カメラ(Camera)やレンズ(Lens)などの機能名情報FI(SFI)がマッピングされており、デジタルカメラを右斜め前から見た3次元画像とともに、正面と右側面という空間情報PIに対応する機能名情報FI(SFI)が表示されている。また、図4(b)に示すように、デジタルカメラの背面と左側面という空間情報PIには、メモリ(Memory)や画素(Pixel)などの機能名情報FI(SFI)がマッピングされており、デジタルカメラを左後方から見た画像とともに、背面と左側面という空間情報PIに対応する機能名情報FI(SFI)が表示されている。
【0044】
また、図4(a)および図4(b)の右下のフレームには、名称情報NIおよび機能名情報FI(SFI)から検索された、属性値BV(BV´)が表示されていることが分かる。この例の場合では、全ての属性値BV(BV´)はURL情報を持っており、そのうちの一つのリンク先のコンテンツ情報が左側のフレームに表示されている。
【0045】
また、実験では、名称情報NIを「デジタルカメラ」とするとともに、機能名情報FI(SFI)および属性値BVの検索精度を上げるために「主な仕様」という検索キーワードを付け加えて検索を行った。そして、ランキングの高かった上位50件の機能名情報FI(SFI)および属性値BVの妥当性を被験者4名のアンケートによって調査した結果、66%の機能名情報FI(SFI)および属性値BVが妥当性ありとの結論を得た。また、被験者によるユーザプロファイルUPに基づいて機能名情報FI(SFI)および属性値BVを抽出した結果においても、約60%について妥当性ありとの結論を得た。
【0046】
図5(a)は、ユーザが人物の顔の3次元オブジェクトを正面から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図であり、同図5(b)はユーザが3次元オブジェクトを横から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図である。
【0047】
図5(b)では、横顔に関する情報として、その人の経歴に関するものが表示された。これは、空間的な単語がセマンテックには別の意味合いを持つことがあるため(「横顔」は文字通りその人の横顔を表す以外に、その人の「経歴」を指すことがあること)に生じた現象であり、今回の発明はこのようにセマンテックな情報を物理的な空間として表示できることをこの実験は示している。
【0048】
以上説明したように、本実施に形態に係るメタ情報付与システム10は、相互に通信可能に接続されたコンテンツ作成端末12、メタ情報付与端末14、およびユーザ端末16を有して構成されたメタ情報付与システムであって、前記コンテンツ作成端末12は、3次元オブジェクトの名称情報NIを入力することが可能な情報入力手段12aと、前記情報入力手段12aによって入力された名称情報NIを前記メタ情報付与端末14に送信する名称送信手段12bと、前記メタ情報付与端末14から受信する一つまたは複数の機能名情報FIの中から特定の機能名情報SFIを選択し、選択した特定の機能名情報SFIを前記メタ情報付与端末14に送信する機能名選択手段12cと、を備え、前記メタ情報付与端末14は、前記名称情報NIおよび前記名称情報NIと関連付けられる一つまたは複数の空間情報PIが記憶される記憶手段14aと、前記名称送信手段12bから受信する名称情報NIと前記記憶手段14aに記憶される前記空間情報PIとに基づいて機能名情報FIを検索し、検索した機能名情報FIを前記コンテンツ作成端末12に送信する機能名検索手段14bと、前記コンテンツ作成端末12から受信する前記特定の機能名情報SFIと前記記憶手段14aに記憶される前記名称情報NIおよび前記空間情報PIとに基づいて属性値BVを検索し、検索した属性値BVを前記名称情報NIおよび前記空間情報PIに関連付けて前記記憶手段14aに記憶する属性値検索手段14cと、前記記憶手段14aに記憶される空間情報PIに基づいて前記属性値BVを前記3次元オブジェクトOJにマッピングして前記ユーザ端末16に提供するデータ提供手段14gと、を備えることを特徴とする、メタ情報付与システムである。
【0049】
本実施に形態に係るメタ情報付与システム10によれば、3次元オブジェクトに対するユーザの視点(正面、側面などの空間情報)に応じて適切なメタ情報を容易に付与し、視点に依存した標示をすることができ、従来よりもユーザの利便性を高めることができる。
【0050】
また、前記メタ情報付与端末14は、前記ユーザ端末を使用するユーザが前記データ提供手段から提供されたデータの中から選択したデータをユーザプロファイルUPとして記憶する第2の記憶手段14dと、前記第2の記憶手段に記憶されるユーザプロファイルUPに基づいて前記機能名情報FIを検索する第2の機能名検索手段と、前記第2の記憶手段に記憶されるユーザプロファイルに基づいて前記属性値BVを検索する第2の属性値検索手段と、をさらに備え、前記メタ情報付与端末14のデータ提供手段14gは、前記第2の機能名検索手段が検索した機能名情報FI、および前記第2の属性値検索手段が検索した属性値BVを、前記3次元オブジェクトOJにマッピングして前記ユーザ端末16に提供するように構成してもよい。このような構成とすれば、ユーザの興味や嗜好に合致したメタ情報を3次元オブジェクトに付与することができ、ユーザの利便性をさらに高めることができる場合がある。
【0051】
また、前記メタ情報付与端末14は、前記ユーザが前記データ提供手段14gから提供されたデータを選択するごとに前記ユーザプロファイルUPを更新するプロファイル更新手段14eをさらに備えてもよい。このような構成とすれば、ユーザの興味や嗜好が変化したようなときでもユーザの興味や嗜好に合致したメタ情報を3次元オブジェクトに付与することができ、ユーザの利便性をさらに高めることができる場合がある。
【0052】
また、前記メタ情報付与端末14の機能名検索手段14bは、前記機能名情報FIを検索した後に、検索した機能名情報FIのうち、ランキングが高い機能名情報FIを優先して前記コンテンツ作成端末12に送信する(例えば、形態素解析により単語の出現頻度であるtf=log(出現回数+1)/log(総単語出現回数)を算出し、このtf値の高い機能名情報FIを優先してコンテンツ作成端末12に送信する)ように構成してもよい。、なお、「ランキング」の手法は、目的に応じていろいろな方式を利用可能である。先の例では、所定のキーワードで検索を行った結果、上位にランキングされたページ内のコンテンツを構文解析し、tf値を計算し、「tf値が高い」順にランキングしたものである。これ以外にも、tf・idf値を用いたり、出現回数のみを用いてランキングしても良い。また、固有名詞のみを選択することなども考えられる。このように構成すれば、コンテンツ作成端末に送信する機能名情報から名称情報や空間情報との関連性が低いノイズを除去することができ、機能名情報の妥当性を高めることができる場合がある。
【0053】
また、前記空間情報PIは、前記3次元オブジェクトOJを正面側、右側面側、左側面側、背面側、上面側、および下面側の6つの方向から見た視点情報であってもよい。このような構成とすれば、3次元オブジェクトの6方向にメタ情報を付与することができ、ユーザの様々な視点に対応したメタ情報を付与することができる場合がある。さらに、空間情報PIは検索により得ても良い。これにより、効率よく空間情報と関連のあるメタ情報を獲得することができる。
【0054】
また、3次元オブジェクトと前記3次元オブジェクトを見るユーザの視点との相対的な位置関係を計算する計算手段と、前記計算手段によって計算された相対的な位置関係に基づいてメタ情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたメタ情報を表示する表示手段と、を備えてもよい。
【0055】
このような構成とすれば、視点に依存したメタ情報の提示により、例えば、富士山を麓から見た場合と、航空写真による上空から見た場合とでは、同じ対象にも関わらずそれに関連する情報が全く異なっているという、メタ情報の視点依存性を簡易に実現することができ、ユーザの利便性を従来よりも大幅に高めることが可能となる。
【0056】
また、前記相対的な位置関係には、前記3次元オブジェクトごとに定義した座標軸と前記ユーザの視点との角度を示す角度情報が含まれ、前記選択手段は、前記メタ情報が有する角度情報が前記計算手段によって計算された角度情報に近い順に、前記メタ情報を選択してもよいし、前記相対的な位置関係には、前記3次元オブジェクトと前記ユーザの視点との間の距離を示す距離情報が含まれ、前記選択手段は、前記メタ情報が有する距離情報が前記計算手段によって計算された距離情報に近い順に、前記メタ情報を選択してもよい。
【0057】
また、前記表示手段は、前記メタ情報を前記3次元オブジェクト上に重畳して表示してもよい。このように構成すれば、メタ情報の視点依存性をより高めることができ、ユーザの利便性をより一層高めることが可能となる。
【0058】
なお、上記図3では、ステップS16において3次元オブジェクトOJをメタ情報付与端末14に送信する例を示したが、3次元オブジェクトOJを送信するタイミングはこの例に限定されず、また、コンテンツ作成端末12が、メタ情報付与端末14を介することなく3次元オブジェクトOJをユーザ端末16に直接送信するように構成してもよい。
【0059】
また、上記図3では、ステップS31においてユーザ端末16がユーザプロファイルUPを更新する例を示したが、ユーザプロファイルUPを更新するタイミングはこの例に限定されず、また、ユーザプロファイルUPを更新する必要がなければ、ユーザプロファイルUPを予めメタ情報付与端末14の記憶手段に記憶しておいてもよい。
【0060】
また、上記実施例では、メタ情報付与システムを、コンテンツ作成端末12、メタ情報付与端末14、ユーザ端末の3台で構成したが、本発明はこれに限定されず、1台または2台、あるいは4台以上で構成してもよい。すなわち、本発明に係るコンテンツ作成端末、メタ情報付与端末、ユーザ端末に対応する機能を有していれば、ハードウェア構成は特に限定されない。
【0061】
なお、本発明に係るメタ情報付与システムの構成は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係るメタ情報付与システムは、コンテンツビジネスやネットビジネスなどに特に好適である。また、医療の分野においてもVRシステムを用いたシステムが多くあるが、視点依存のメタ情報表示システムはそれらで効果的に利用できる可能性がある。さらに軍事関連においても、視点依存によるメタ情報表示は多くの利用価値が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態に係るメタ情報付与システムの全体構成の一例を示したシステム構成図である。
【図2】メタ情報付与端末の記憶手段に記憶される名称情報、空間情報、機能名情報、属性値の一例を示した図である。
【図3】本実施の形態に係るメタ情報付与システムの動作の流れの一例を示したシーケンスチャートである。
【図4】(a)ユーザがデジタルカメラの3次元オブジェクトをデジタルカメラの右斜め前から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図である。(b)ユーザがデジタルカメラの3次元オブジェクトをデジタルカメラの左後方から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図である。
【図5】(a)人物の顔の3次元オブジェクトを正面から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図である。(b)ユーザが3次元オブジェクトを横から閲覧している場合のメタ情報の表示例を示した図である。
【符号の説明】
【0064】
10 メタ情報付与システム
12 コンテンツ作成端末
12a 情報入力手段
12b 名称送信手段
12c 機能名選択手段
14 メタ情報付与端末
14a 記憶手段
14b 機能名検索手段
14c 属性値検索手段
14d 第2の記憶手段
14e プロファイル更新手段
14f 属性値選択手段
14g データ提供手段
16 ユーザ端末
NI 名称情報
PI 空間情報
FI 機能名情報
BV 属性値
UP ユーザプロファイル
OJ 3次元オブジェクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能に接続されたコンテンツ作成端末、メタ情報付与端末、およびユーザ端末を有して構成されたメタ情報付与システムであって、
前記コンテンツ作成端末は、
3次元オブジェクトの名称情報を入力することが可能な情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力された名称情報を前記メタ情報付与端末に送信する名称送信手段と、前記メタ情報付与端末から受信する一つまたは複数の機能名情報の中から特定の機能名情報を選択し、選択した特定の機能名情報を前記メタ情報付与端末に送信する機能名選択手段と、を備え、
前記メタ情報付与端末は、
前記名称情報、および前記名称情報と関連付けられる一つまたは複数の空間情報が記憶される記憶手段と、前記名称送信手段から受信する名称情報と前記記憶手段に記憶される前記空間情報とに基づいて機能名情報を検索し、検索した機能名情報を前記コンテンツ作成端末に送信する機能名検索手段と、前記コンテンツ作成端末から受信する前記特定の機能名情報と前記記憶手段に記憶される前記名称情報および前記空間情報とに基づいて属性値を検索し、検索した属性値を前記名称情報および前記空間情報に関連付けて前記記憶手段に記憶する属性値検索手段と、前記記憶手段に記憶された空間情報に基づいて前記属性値を前記3次元オブジェクトにマッピングして前記ユーザ端末に提供するデータ提供手段と、を備えることを特徴とする、
メタ情報付与システム。
【請求項2】
前記メタ情報付与端末は、
前記ユーザ端末を使用するユーザが前記データ提供手段から提供されたデータの中から選択したデータをユーザプロファイルとして記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されるユーザプロファイルに基づいて前記機能名情報を検索する第2の機能名検索手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されるユーザプロファイルに基づいて前記属性値を検索する第2の属性値検索手段と、をさらに備え、
前記メタ情報付与端末のデータ提供手段は、
前記第2の機能名検索手段が検索した機能名情報、および前記第2の属性値検索手段が検索した属性値を、前記3次元オブジェクトにマッピングして前記ユーザ端末に提供することを特徴とする、
請求項1に記載のメタ情報付与システム。
【請求項3】
前記メタ情報付与端末は、
前記ユーザが前記データ提供手段から提供されたデータを選択するごとに前記ユーザプロファイルを更新するプロファイル更新手段をさらに備えることを特徴とする、
請求項2に記載のメタ情報付与システム。
【請求項4】
前記メタ情報付与端末の機能名検索手段は、
前記第2の記憶手段に前記ユーザプロファイルとして記憶される機能名情報と前記第1の記憶手段に記憶される機能名情報のうち類似度の高い機能名情報を優先して選択し、
および/または、前記メタ情報付与端末の属性値選択手段は、
前記第2の記憶手段に前記ユーザプロファイルとして記憶される属性値と前記第1の記憶手段に記憶される属性値のうち類似度の高い属性値を優先して選択することを特徴とする、
請求項2または3に記載のメタ情報付与システム。
【請求項5】
前記メタ情報付与端末の機能名検索手段は、
前記機能名情報を検索した後に、検索した機能名情報のうち、ランキングが高い機能名情報を優先して前記コンテンツ作成端末に送信することを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載のメタ情報付与システム。
【請求項6】
前記空間情報は、
前記3次元オブジェクトを正面側、右側面側、左側面側、背面側、上面側、および下面側の6つの方向から見た視点情報であることを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載のメタ情報付与システム。
【請求項7】
3次元オブジェクトと前記3次元オブジェクトを見るユーザの視点との相対的な位置関係を計算する計算手段と、
前記計算手段によって計算された相対的な位置関係に基づいてメタ情報を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択されたメタ情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする、
メタ情報表示システム。
【請求項8】
前記相対的な位置関係には、
前記3次元オブジェクトごとに定義した座標軸と前記ユーザの視点との角度を示す角度情報が含まれ、
前記選択手段は、
前記メタ情報が有する角度情報が前記計算手段によって計算された角度情報に近い順に、前記メタ情報を選択することを特徴とする、
請求項7に記載のメタ情報表示システム。
【請求項9】
前記相対的な位置関係には、
前記3次元オブジェクトと前記ユーザの視点との間の距離を示す距離情報が含まれ、
前記選択手段は、
前記メタ情報が有する距離情報が前記計算手段によって計算された距離情報に近い順に、前記メタ情報を選択することを特徴とする、
請求項7または8に記載のメタ情報表示システム。
【請求項10】
前記表示手段は、
前記メタ情報を前記3次元オブジェクト上に重畳して表示することを特徴とする、
請求項7〜9のいずれかに記載のメタ情報表示システム。
【請求項11】
請求項1〜6に記載のメタ情報付与システムをさらに備えることを特徴とする、
請求項7〜10に記載のメタ情報表示システム。
【請求項12】
相互に通信可能に接続されたコンテンツ作成端末、メタ情報付与端末、およびユーザ端末を有して構成されたメタ情報付与システムであって、
前記コンテンツ作成端末は、
3次元オブジェクトの名称情報を入力することが可能な情報入力手段と、前記情報入力手段によって入力された名称情報を前記メタ情報付与端末に送信する名称送信手段と、を備え、
前記メタ情報付与端末は、
前記名称情報、および前記名称情報と関連付けられる一つまたは複数の空間情報が記憶される記憶手段と、前記名称送信手段から受信する名称情報と前記記憶手段に記憶される前記空間情報とに基づいて機能名情報を検索し、検索した機能名情報の中から特定の機能名情報を選択し、選択した特定の機能名情報と前記記憶手段に記憶される前記名称情報および前記空間情報とに基づいて属性値を検索し、検索した属性値を前記名称情報および前記空間情報に関連付けて前記記憶手段に記憶する属性値検索手段と、前記記憶手段に記憶された空間情報に基づいて前記属性値を前記3次元オブジェクトにマッピングして前記ユーザ端末に提供するデータ提供手段と、を備えることを特徴とする、
メタ情報付与システム。
【請求項13】
コンテンツ作成端末から受信する名称情報と記憶手段に記憶される空間情報とに基づいて機能名情報を検索し、検索した機能名情報を前記コンテンツ作成端末に送信する機能名検索手段と、前記コンテンツ作成端末から受信する特定の機能名情報と前記記憶手段に記憶される名称情報および空間情報とに基づいて属性値を検索し、検索した属性値を前記名称情報および前記空間情報に関連付けて前記記憶手段に記憶する属性値検索手段と、前記記憶手段に記憶される空間情報に基づいて前記属性値を3次元オブジェクトにマッピングしてユーザ端末に提供するデータ提供手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする、
メタ情報付与プログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、前記ユーザ端末を使用するユーザが前記データ提供手段から提供されたデータの中から選択したデータであるユーザプロファイルに基づいて前記機能名情報を検索する第2の機能名検索手段と、前記ユーザプロファイルに基づいて前記属性値を検索する第2の属性値検索手段としてさらに機能させ、前記データ提供手段を、前記第2の機能名検索手段が検索した機能名情報、および前記第2の属性値検索手段が検索した属性値を前記3次元オブジェクトにマッピングさせて前記ユーザ端末に提供させるように機能させることを特徴とする、
請求項13に記載のメタ情報付与プログラム。
【請求項15】
前記コンピュータを、前記ユーザが前記データ提供手段から提供されたデータを選択するごとに前記ユーザプロファイルを更新するプロファイル更新手段としてさらに機能させることを特徴とする、
請求項14に記載のメタ情報付与プログラム。
【請求項16】
前記メタ情報付与端末の機能名検索手段を、前記第2の記憶手段に前記ユーザプロファイルとして記憶される機能名情報と前記第1の記憶手段に記憶される機能名情報のうち類似度の高い機能名情報を優先して選択するように機能させ、
および/または、前記メタ情報付与端末の属性値選択手段を、前記第2の記憶手段に前記ユーザプロファイルとして記憶される属性値と前記第1の記憶手段に記憶される属性値のうち類似度の高い属性値を優先して選択するように機能させることを特徴とする、
請求項14または15に記載のメタ情報付与プログラム。
【請求項17】
前記機能名検索手段を、前記機能名情報を検索させた後に、検索させた機能名情報のうち、ランキングが高い機能名情報を優先して前記コンテンツ作成端末に送信させるように機能させることを特徴とする、
請求項13〜16のいずれかに記載のメタ情報付与プログラム。
【請求項18】
3次元オブジェクトと前記3次元オブジェクトを見るユーザの視点との相対的な位置関係を計算する計算手段と、前記計算手段によって計算された相対的な位置関係に基づいてメタ情報を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択されたメタ情報を表示する表示手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする、
メタ情報表示プログラム。
【請求項19】
前記相対的な位置関係には、
前記3次元オブジェクトに定義した座標軸と前記視点との角度を示す角度情報が含まれ、
前記選択手段が、前記メタ情報が有する角度情報が前記計算手段によって計算された角度情報に近い順に、前記メタ情報を選択するように機能させることを特徴とする、
請求項18に記載のメタ情報表示プログラム。
【請求項20】
前記相対的な位置関係には、
前記3次元オブジェクトと前記視点との間の距離を示す距離情報が含まれ、
前記選択手段が、前記メタ情報が有する距離情報が前記計算手段によって計算された距離情報の近い順に、前記メタ情報を選択するように機能させることを特徴とする、
請求項18または19に記載のメタ情報表示プログラム。
【請求項21】
請求項13〜17のいずれかに記載のメタ情報付与プログラム、または請求項18〜20のいずれかに記載のメタ情報表示プログラムが記録されていることを特徴とする、
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−211156(P2009−211156A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50845(P2008−50845)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【出願人】(504322611)学校法人 京都産業大学 (27)
【Fターム(参考)】