メッセージ共有装置、方法、およびプログラム
【課題】システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定可能とする。
【解決手段】利用者間の関係属性に対するメッセージ作成権限の有無を共有条件情報12Bとして予め記憶部12に設定しておき、メッセージを送信する際、利用者が相手利用者に対して設定した利用者間の関係を示す関係属性を記憶部12の関係情報12Cから取得し、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の有無に基づいて、当該利用者に対するメッセージの作成権限の有無を判定する。
【解決手段】利用者間の関係属性に対するメッセージ作成権限の有無を共有条件情報12Bとして予め記憶部12に設定しておき、メッセージを送信する際、利用者が相手利用者に対して設定した利用者間の関係を示す関係属性を記憶部12の関係情報12Cから取得し、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の有無に基づいて、当該利用者に対するメッセージの作成権限の有無を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ共有技術に関し、特に行動変容に有用なメッセージを利用者間で共有するためのメッセージ共有技術に関する。
【背景技術】
【0002】
健康促進を目的として、個人の習慣化された行動パターンを変える行動変容を実現するためには、親類、職場の知人、友人、医療や健康分野に精通した人など、他人からの行動変容の取り組みに対する励ましや称賛といった形態のコミュニケーションが重要とされている。その一方、行動変容の取り組みを実施している人に対する誹謗・中傷・否定は、してはいけないコミュニケーション形態とされている。なぜなら誹謗・中傷・否定がなされた原因を行動変容の取り組みと関連付けてしまい、取り組みの阻害要因となるからである。
【0003】
他人とのコミュニケーションをネットワークサービスとして提供するために、インスタントメッセンジャーや電子掲示板といったメッセージ共有サービスが、現在広く利用されている。
このうち、インスタントメッセンジャーの特徴は、既にコミュニケーションのバックグランドが共有されている利用者同士が、プレゼンス情報を共有することによってリアルタイム性の高いメッセージ送信が可能であることである。
【0004】
このため、インスタントメッセンジャーによれば、プレゼンスの把握とメッセージ共有を実現するための実装形態においては、サービス提供システムには少なくとも利用者のプレゼンス管理機能とメッセージ作成機能とメッセージ送受信機能が必要である。また、利用者は上記機能をクライアントプログラムとして導入している必要がある。また、メッセージ共有を実現するには、このクライアントプログラムを起動させていないとメッセージが共有されないという問題がある。
【0005】
一方、電子掲示板の特徴は、サービス提供システムにメッセージを記録することによって、不特定多数の利用者がメッセージを閲覧できることである。しかしながら、不特定多数の利用者を対象とした場合、コミュニケーションの背景が利用者間で共有されていない場合、すなわち同一の知識・経験がない、または知識・経験を取得していることが知られていない場合、メッセージの送信者の意図とは異なり、受け手側において、受信したメッセージを誹謗・中傷・否定のメッセージであると捉えてしまう可能性がある。
【0006】
従来、このような課題について、インターネット上のコミュニケーションのガイドラインを作成している、財団法人インターネット協会などの組織では、他人への配慮のあるメッセージ送信と受信メッセージの信頼性の確認について留意点をまとめている。例えば、信頼性を確認するために、情報の発信者が明記されていることや情報の裏付けが取れることが挙げられている。このような留意点を具体的な課題としてみると、前述した解決のための方法として、電子掲示板やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:Social Network Service)での管理者権限を段階的に設け、任意の人への信頼をもとに権限を管理者が手動で権限設定する方法が提案されている(例えば、非特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】高雄慎二, 飯島正, 櫻井彰人、「多数のオンラインコミュニティと文書の段階的発達を可能とする電子掲示板システムの開発」、電子情報通信学会論文誌、J89-D(12)、2521-2535、2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来技術では、電子掲示板やSNSでの管理者権限を段階的に設けて、システム管理者が手動で権限を設定しているため、コミュニケーションの背景が共有されている利用者間であっても、行動変容の取り組みに対して有用なコミュニケーションは図れないという問題点があった。また、メッセージの作成権限をシステム管理者が設定すれば、特定の利用者間でコミュニケーションが可能となるが、個々の利用者間について、メッセージの作成権限を管理者が設定するには、膨大な作業負担が必要であり、実現は困難である。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定できるメッセージ共有技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明にかかるメッセージ共有装置は、通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信部と、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶部と、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録する関係情報登録部と、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する行動情報登録部と、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録するメッセージ登録部と、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定部と、利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示部とを備え、メッセージ登録部で、作成権限判定部の判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得する。
【0011】
この際、共有条件情報は、関係属性ごとに、メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、作成権限判定部で、関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を共有条件情報で確認し、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認し、両者が一致している場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、両者が一致していない場合には、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定し、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明にかかるメッセージ共有方法は、各利用者の利用者端末間でメッセージをやり取りするメッセージ共有装置で用いられるメッセージ共有方法であって、通信部が、通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信ステップと、記憶部が、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶ステップと、関係情報登録部が、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録する関係情報登録ステップと、行動情報登録部が、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する行動情報登録ステップと、メッセージ登録部が、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録するメッセージ登録ステップと、作成権限判定部が、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定ステップと、情報提示部が、利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示ステップとを備え、メッセージ登録ステップに、作成権限判定ステップの判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するステップを含む。
【0013】
この際、共有条件情報は、関係属性ごとに、メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、作成権限判定ステップに、関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を共有条件情報で確認するステップと、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認するステップと、両者が一致している場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップと、両者が一致していない場合には、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定ステップと、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップとを含むようにしてもよい。
【0014】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、前述したメッセージ共有装置を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、それぞれの利用者が、同一の知識・経験の有無など、相手利用者との関係に応じて設定した関係属性により、相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無が設定される。このため、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定でき、結果として、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。
また、各関係属性に対するメッセージ作成権限の有無については、メッセージ共有システムを管理するシステム管理者が予め設定できることから、それぞれのシステムのポリシーや利用者の要望を反映させることができる。
【0016】
また、本実施の形態によれば、メッセージ作成権限がある場合には、自由文からなるメッセージを作成し、メッセージ作成権限がない場合には、定型文からなるメッセージを作成するようにしたので、メッセージ作成権限がない場合でも、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となり、全体的な取り組み成果の向上に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の構成を示すブロック図である。
【図2】行動変容に対する定型文メッセージの効果を示す説明図である。
【図3】利用者情報の構成例である。
【図4】共有条件情報の構成例である。
【図5】関係情報の構成例である。
【図6】行動情報の構成例である。
【図7】共有メッセージの構成例である。
【図8】閲覧履歴情報の構成例である。
【図9】本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の動作を示すシーケンス図である。
【図10】認証処理を示すフローチャートである。
【図11】共有条件登録処理を示すフローチャートである。
【図12】関係情報登録処理を示すフローチャートである。
【図13】行動情報登録処理を示すフローチャートである。
【図14】メッセージ送信処理を示すフローチャートである。
【図15】定型文選択フォームの構成例である。
【図16】作成権限判定処理を示すフローチャートである。
【図17】メッセージ提示処理を示すフローチャートである。
【図18】メッセージ提示フォームの構成例である。
【図19】行動情報提示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[メッセージ共有装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置について説明する。図1は、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
このメッセージ共有装置10は、全体としてサーバ装置などの情報処理装置からなり、通信網40を介して携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなどの利用者端末20(21〜24)、およびメッセージ共有システムの管理者が利用する管理者端末30と接続し、これら利用者端末20から入力された、行動変容の取り組みを実施している利用者の行動パターンを登録するとともに、この行動パターンを閲覧した他の利用者からの励ましや称賛の内容のメッセージを登録して、利用者間で共有させることにより、行動変容を実現を促す、メッセージ共有システムを実現する。
【0020】
[本発明の原理]
このような行動変容の取り組みに対するメッセージについては、前述した通り、行動変容の取り組みにとって有用な内容であることが必要である。ここで、コミュニケーションの背景が利用者間で共有されていない場合、すなわち同一の知識・経験がない、または知識・経験を取得していることが知られていない場合、メッセージの送信者の意図とは異なり、受け手側において、受信したメッセージを誹謗・中傷・否定のメッセージであると捉えてしまう可能性がある。このため、メッセージを送信する利用者は、受け手の利用者と同一の知識・経験があり、または同一の知識・経験を取得していることが求められる。
【0021】
本発明は、このような利用者間における同一の知識・経験の有無は、利用者間の関係により特定されることに着目し、これら利用者間の関係に対するメッセージの作成権限の有無について予め設定しておき、各利用者が相手利用者に対して設定した利用者間の関係に基づいて、当該利用者に対するメッセージの作成権限の有無を判定するようにしたものである。これにより、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定でき、結果として、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。
【0022】
また、発明者らは、定型文を用いたメッセージが行動変容の取り組みに対して有用か否かを実験により調査した。図2は、行動変容に対する定型文メッセージの効果を示す説明図である。ここでは、健康づくりのため歩数を増加させるという取り組みを行っている利用者に対して、その取り組みに対する励ましや称賛といった内容の定型文メッセージを送信した場合と、送信しなかった場合とについて、一日当たりの平均歩数の推移を8週間にわたり追跡調査した結果が記載されている。
【0023】
この結果、定型文メッセージを送信していないケースでは一日平均歩数の低減が見られるのに対して、定型文メッセージを送信したケースでは一日平均歩数の上昇が見られており、定型文メッセージであっても、ある程度行動変容の取り組みに対して有用であることが確認された。
本発明は、この調査結果に着目し、相手利用者に対してメッセージ作成権限がない場合には、複数の定型文メッセージから選択したものを相手利用者に送信できるようにしたものである。これにより、特定の関係が確立されていない相手利用者に対しては、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージを定型文で送信することが可能となる。
【0024】
このようなことから、具体的には、本実施の形態において、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶部で記憶しておき、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録し、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する。そして、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示するようにしたものである。
【0025】
これに加え、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、この際、この判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するようにしたものである。
【0026】
[メッセージ共有装置の構成]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10の構成について詳細に説明する。
メッセージ共有装置10には、主な機能部として、通信部11、記憶部12、認証処理部13、共有条件登録部14、関係情報登録部15、行動情報登録部16、メッセージ登録部17、作成権限判定部18、および情報提示部19が設けられており、これら機能部間は相互にデータやり取り可能に接続されている。
【0027】
通信部11は、専用のデータ通信インターフェースを有し、インターネットや携帯網などの通信網40を介して各利用者の利用者端末20と接続してデータ通信を行う機能と、このデータ通信を利用して、各種フォームを含むWebページを提示することにより利用者端末20との間で各種情報をやり取りするWeb通信機能とを有している。
【0028】
記憶部12は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、各機能部で用いる各種の処理情報やプログラム12Pを記憶する機能を有している。記憶部12で記憶される主な処理情報として、利用者情報12A、共有条件情報12B、関係情報12C、行動情報12D、共有メッセージ12E、および閲覧履歴情報12Fがある。
【0029】
利用者情報12Aは、メッセージ共有装置1を利用する利用者に関する各種情報である。図3は、利用者情報の構成例である。ここでは、利用者を識別するための個人IDごとに、利用者の氏名、利用者の認証に用いるログインIDおよびパスワード、利用者の住所および電話番号、利用者のアイコンを識別するためのアイコンIDなど、利用者に関する各種情報が登録されている。
【0030】
共有条件情報12Bは、利用者間の関係を示す関係属性に基づきメッセージの作成権限の有無を判断するための共有条件を示す情報である。図4は、共有条件情報の構成例である。ここでは、利用者間の関係に応じた共有条件を識別するための条件IDごとに、当該関係を示す関係属性、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否、およびこれら情報を登録した登録日時が組として登録されている。
【0031】
関係情報12Cは、利用者端末20から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す情報である。図5は、関係情報の構成例である。ここでは、関係情報を識別するための関係IDごとに、利用者を識別するための登録者個人ID、相手利用者を識別するための相手個人ID、当該関係に付与した名前、関係の内容を示す関係属性、およびこれら情報を登録した登録日時が組として登録されている。
【0032】
行動情報12Dは、利用者端末20から入力された当該利用者の、行動変容の取り組みに関する行動パターンを示す情報である。図6は、行動情報の構成例である。ここでは、個々の行動情報を識別するデータIDごとに、当該行動を行った利用者の個人ID、行動に関する種別、項目、および内容と、当該行動で増減したカロリー値、データの計測日、およびこれら情報を登録した登録日時が組として登録されている。
【0033】
共有メッセージ12Eは、利用間でやり取りされたメッセージを示す情報である。図7は、共有メッセージの構成例である。ここでは、メッセージを識別するためのメッセージIDごとに、当該メッセージの作成者、定型文か自由文かを示す形式、メッセージの内容、および当該メッセージを登録した登録日時が組として登録されている。
【0034】
閲覧履歴情報12Fは、利用者が自己宛のメッセージを閲覧した記録を示す情報である。図8は、閲覧履歴情報の構成例である。ここでは、メッセージの閲覧履歴を識別するための履歴IDごとに、当該メッセージを登録した利用者を示す登録者個人ID、登録したメッセージを示すメッセージID、当該メッセージの送信相手を示す送信相手個人ID、これら情報を登録した登録日時、および当該メッセージが閲覧済みかどうかを示す閲覧済フラグが組として登録されている。
【0035】
認証処理部13は、利用者端末20からのログイン要求に応じてログインフォームを提示し、このログインフォームで取得したログインIDおよびパスワードと、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合することにより、利用者の正当性を判定する認証処理を行う機能を有している。
【0036】
共有条件登録部14は、管理者端末30から入力された、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報12Bを、記憶部12へ登録する機能を有している。
【0037】
関係情報登録部15は、利用者端末20から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報12Cとして記憶部12へ登録する機能を有している。
行動情報登録部16は、利用者端末20から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報12Dを記憶部12へ登録する機能を有している。
【0038】
メッセージ登録部17は、利用者端末20からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末20へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージ12Eとして記憶部12へ登録する機能と、作成権限判定部18の判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得する機能とを有している。
【0039】
作成権限判定部18は、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部12の関係情報12Cから取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部12の共有条件情報12Bで確認する機能と、この確認結果に基づき、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する機能とを有している。
【0040】
情報提示部19は、利用者端末20からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報12Dを記憶部12から取得して当該利用者端末20へ提示する機能と、利用者端末20からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージ12Eを記憶部12から取得して当該利用者端末20へ提示する機能とを有している。
【0041】
これら機能部のうち、認証処理部13、共有条件登録部14、関係情報登録部15、行動情報登録部16、メッセージ登録部17、作成権限判定部18、および情報提示部19は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有する演算処理部で、記憶部12のプログラム12Pを実行することにより実現される。プログラム12Pは、外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から読み込まれて、予め記憶部12に格納される。
【0042】
[本実施の形態の動作]
次に、図9を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10の動作について説明する。図9は、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の動作を示すシーケンス図である。
【0043】
ここでは、利用者Aが利用者端末21からメッセージ共有装置10にログインして、利用者Bへメッセージを送信し、その後、利用者Bが利用者端末22からメッセージ共有装置10にログインして、利用者Aからのメッセージを閲覧する場合を例として説明する。なお、メッセージ共有装置10には、共有条件情報12B、関係情報12C、および行動情報12Dが、すでに登録されているものとする。
【0044】
[メッセージ送信動作]
まず、利用者Aは、メッセージを送信する場合、利用者端末21でブラウザを操作してメッセージ共有装置10へログイン要求を行う(ステップ100)。このログイン要求に応じてメッセージ共有装置10の認証処理部13は認証処理を実行し、利用者端末21から取得したログインIDとパスワードとを、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合することにより、利用者Aの正当性を判定する(ステップ101)。ここで、利用者Aの正当性が確認された場合、利用者Aが各種サービス処理を選択するためのメニューフォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ102)。
【0045】
次に、メニューフォームを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21でメッセージの送信処理が選択された場合(ステップ110)、メッセージ共有装置10のメッセージ登録部17は、メッセージ送信相手を検索するための送信相手検索フォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ111)。
【0046】
この後、送信相手検索フォームを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21から送信相手の検索条件が通知された場合(ステップ112)、メッセージ登録部17は、この検索条件に基づき記憶部12の利用者情報12Aからメッセージの送信相手を検索し(ステップ113)、検索した送信相手のリストを、利用者端末21へ提示する(ステップ114)。
【0047】
続いて、送信相手リストを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21から送信相手として利用者Bが通知された場合(ステップ115)、メッセージ登録部17は、作成権限判定部18により権限判定処理を実行して、この送信相手である利用者Bに対して利用者Aがメッセージ送信権限を有するか否か確認する(ステップ116)。
【0048】
ここで、送信権限ありと判定された場合(ステップ117:YES)、メッセージ登録部17は、メッセージの内容を自由にテキスト入力できる自由文入力フォームを、利用者端末21へ提示し(ステップ118)、送信権限なしと判定された場合(ステップ117:NO)、メッセージ登録部17は、メッセージの内容として予め用意された定型文を選択できる定型文選択フォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ119)。
【0049】
この後、自由文入力フォームまたは定型文選択フォームを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21からメッセージ内容が通知された場合(ステップ120)、メッセージ登録部17は、このメッセージ内容を利用者Aから利用者Bに対するメッセージとして、記憶部12の共有メッセージ12Eに登録する(ステップ121)。
【0050】
[メッセージ提示動作]
このようにして、利用者Aから利用者Bへのメッセージが送信された後、利用者Bがメッセージを閲覧する場合、利用者Bは、利用者端末22でブラウザを操作してメッセージ共有装置10へログイン要求を行う(ステップ130)。このログイン要求に応じてメッセージ共有装置10の認証処理部13は認証処理を実行し、利用者端末22から取得したログインIDとパスワードとを、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合することにより、利用者Bの正当性を判定する(ステップ131)。ここで、利用者Bの正当性が確認された場合、利用者Bが各種サービス処理を選択するためのメニューフォームを、利用者端末22へ提示する(ステップ132)。
【0051】
次に、メニューフォームを用いた利用者Bの操作に応じて、利用者端末22でメッセージの閲覧処理が選択された場合(ステップ140)、メッセージ共有装置10の情報提示部19は、記憶部12の共有メッセージ12Eから利用者B宛のメッセージを検索し(ステップ141)、検索したメッセージの内容とその送信相手の情報を、利用者端末22へ提示する(ステップ142)。これにより、利用者Bの利用者端末22でメッセージが画面表示される。
【0052】
[認証処理]
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での認証処理について説明する。図10は、認証処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の認証処理部13は、利用者端末20からのログイン要求に応じて、図10の認証処理を実行する。
【0053】
認証処理部13は、利用者端末20からのログイン要求に応じて、記憶部12に予め保存されているログインフォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、このログインフォームを用いた利用者の操作に応じて、ログインIDとパスワードを取得する(ステップ200)。
この後、取得したログインIDとパスワードを、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合し(ステップ201)、これらログインIDとパスワードが一致しない場合には(ステップ202:NO)、認証エラーとしてステップ100へ戻る。
【0054】
一方、これらログインIDとパスワードが一致した場合(ステップ202:YES)、利用者情報12Aの個人IDを各種サービス処理で用いる当該利用者の個人IDとして、当該利用者がログアウトするまで記憶部12で一時保存し(ステップ203)、記憶部12に予め保存されている、利用者が各種サービス処理を選択するためのメニューフォームを読み出して、利用者端末20へ提示し(ステップ204)、一連の認証処理を終了する。このメニューフォームには、関係情報登録処理、行動情報登録処理、行動情報閲覧処理、メッセージ送信処理、メッセージ閲覧処理など、利用者に対して提供される各種サービス処理を選択するメニューが設けられている。
【0055】
[共有条件登録処理]
次に、図11を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での共有条件登録処理について説明する。図11は、共有条件登録処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の共有条件登録部14は、管理者端末30での管理者による共有条件登録処理の選択操作に応じて、図11の共有条件登録処理を実行する。
【0056】
共有条件登録部14は、管理者端末30での共有条件登録処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている共有条件登録用の入力フォームを読み出して、管理者端末30へ提示し、この入力フォームを用いた管理者の操作に応じて、各種共有条件を取得する(ステップ210)。共有条件登録用の入力フォームには、利用者間の関係を示す関係属性、当該関係が双方向で確立されている要否を示す双方向確立、当該関係か確立した際に適用されるメッセージ作成権限などの各種共有条件を入力するための入力欄が設けられている。
【0057】
この後、共有条件登録部14は、管理者端末30での管理者の登録OK操作に応じて(ステップ211:YES)、これら共有条件を、登録日時とともに、記憶部12の共有条件情報12Bとして登録し(ステップ212)、一連の共有条件登録処理を終了する。また、管理者端末30での管理者の変更操作に応じて(ステップ211:NO)、ステップ210へ戻る。
【0058】
[関係情報登録処理]
次に、図12を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での関係情報登録処理について説明する。図12は、関係情報登録処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の関係情報登録部15は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者による関係情報登録処理の選択操作に応じて、図12の関係情報登録処理を実行する。
【0059】
関係情報登録部15は、利用者端末20での関係情報登録処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている利用者検索用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種検索項目を取得する(ステップ220)。利用者検索用の入力フォームには、新たな関係情報の対象となる相手利用者を検索するためのキーワードとして、相手利用者の氏名、住所、年齢、ニックネーム、アイコン、取り組み内容を示す種別などの検索項目を入力するための入力欄が設けられている。
【0060】
次に、関係情報登録部15は、取得した検索項目に該当する候補利用者を、記憶部12の利用者情報12Aや行動情報12Dから検索し、それぞれの個人IDを含む候補利用者のリストを利用者端末20へ提示する(ステップ221)。
続いて、関係情報登録部15は、上記リストや各種フォームを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末20から相手利用者の個人IDを取得するとともに、相手利用者との関係を示す関係属性や関係名を取得する(ステップ222)。この際、関係名は利用者が名義づけてもよいが、関係属性は定型であることが望ましい。また、定型の関係属性に関しては、システム管理者が自由に定義づけてもよい。
【0061】
この後、関係情報登録部15は、利用者端末20での利用者の登録OK操作に応じて(ステップ223:YES)、これら利用者の個人ID(登録者個人ID)、相手利用者の個人ID(相手個人ID)、関係名、関係属性などを、登録日時とともに、記憶部12の関係情報12Cとして登録し(ステップ224)、一連の関係情報登録処理を終了する。また、利用者端末20での利用者の変更操作に応じて(ステップ223:NO)、ステップ220へ戻る。
【0062】
[行動情報登録処理]
次に、図13を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での行動情報登録処理について説明する。図13は、行動情報登録処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の行動情報登録部16は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者による行動情報登録処理の選択操作に応じて、図13の行動情報登録処理を実行する。
【0063】
行動情報登録部16は、利用者端末20での行動情報登録処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている行動データ登録用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種行動データを取得する(ステップ230)。行動データ登録用の入力フォームには、行動に関する種別、項目、および内容と、当該行動で増減したカロリー値、データの計測日などの各種行動データを入力するための入力欄が設けられている。
【0064】
この後、関係情報登録部15は、利用者端末20での利用者の登録OK操作に応じて(ステップ231:YES)、これら利用者の行動データを、登録日時とともに、記憶部12の行動情報12Dとして登録し(ステップ232)、一連の行動情報登録処理を終了する。また、利用者端末20での利用者の変更操作に応じて(ステップ231:NO)、ステップ230へ戻る。なお、行動データを登録する際、新たな行動データと記憶部12の行動情報12Dとの整合性を確認し、整合が得られない場合には、入力エラーを利用者端末20へ提示し、行動データの再入力を促すようにしてもよい。
【0065】
[メッセージ送信処理]
次に、図14を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10でのメッセージ送信処理について説明する。図14は、メッセージ送信処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10のメッセージ登録部17は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者によるメッセージ送信処理の選択操作に応じて、図14のメッセージ送信処理を実行する。
【0066】
メッセージ登録部17は、利用者端末20でのメッセージ送信処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている利用者検索用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種検索項目を取得する(ステップ240)。利用者検索用の入力フォームには、新たな関係情報の対象となる相手利用者を検索するためのキーワードとして、相手利用者の氏名、住所、年齢、ニックネーム、アイコン、取り組み内容を示す種別などの検索項目を入力するための入力欄が設けられている。なお、予め関係登録されている他の利用者は、リスト化して表示してもよい。
【0067】
次に、メッセージ登録部17は、取得した検索項目に該当する候補利用者を、記憶部12の利用者情報12Aや行動情報12Dから検索し、それぞれの個人IDを含む候補利用者のリストを利用者端末20へ提示する(ステップ241)。
続いて、メッセージ登録部17は、上記リストを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末20から相手利用者の個人IDを取得し(ステップ242)、この相手利用者の個人IDについて、作成権限判定部18により権限判定処理を実行して、この相手利用者に対して利用者がメッセージ送信権限を有するか否か確認する(ステップ243)。
【0068】
ここで、送信権限ありと判定された場合(ステップ244:YES)、メッセージ登録部17は、記憶部12に予め保存されている、メッセージの内容を自由にテキスト入力できる自由文入力フォームを、利用者端末21へ提示し(ステップ245)、送信権限なしと判定された場合(ステップ244:NO)、メッセージ登録部17は、記憶部12に予め保存されている、メッセージの内容として予め用意された定型文を選択できる定型文選択フォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ246)。
【0069】
自由文入力フォームについては、一般的なWebページで使用されているテキスト入力シンボルを用いればよい。また、定型文選択フォームについては、定型文のリストを用いればよい。図15は、定型文選択フォームの構成例である。ここでは、送信相手となる相手利用者ごとに、1つ以上の定型文が用意されており、任意の定型文を選択することができる。
【0070】
定型の共有メッセージについては、利用者側で選択することが可能であるが、前述の図2に示したように、「頑張りましょう」といった一般的な励ましメッセージや「すごいですね」といった称賛のメッセージでも、個人の行動変容(歩数の減少を防ぐこと)に一定の効果が得られている。
定型文自体はカスタマイズ可能なので、本発明にかかるメッセージ共有装置10を活用してサービスを行う際に、定型文メッセージをより具体的なものに逐一変得ればより高い効果が期待できる。例えば、一般的な「頑張りましょう」という定型メッセージに季節要素を入れて、冬であれば「寒いですが、頑張りましょう」、夏であれば「暑いですが、頑張りましょう」という定型メッセージの送信も可能になる。
【0071】
続いて、自由文入力フォームまたは定型文選択フォームを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末21からメッセージ内容が通知された場合(ステップ247)、メッセージ登録部17は、このメッセージ内容を利用者から相手利用者に対するメッセージとして、記憶部12の共有メッセージ12Eに登録する(ステップ248)。
【0072】
この後、メッセージ登録部17は、利用者端末20での利用者の登録OK操作に応じて(ステップ249:YES)、上記メッセージを、登録日時とともに、記憶部12の共有メッセージ12Eとして登録し(ステップ250)、一連のメッセージ送信処理を終了する。また、利用者端末20での利用者の変更操作に応じて(ステップ249:NO)、ステップ240へ戻る。
【0073】
[作成権限判定処理]
次に、図16を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での作成権限判定処理について説明する。図16は、作成権限判定処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の作成権限判定部18は、メッセージ登録部17からの指示に応じて、図16の作成権限判定処理を実行する。
【0074】
作成権限判定部18は、メッセージを送信する利用者およびメッセージを受信する相手利用者の個人IDを含むメッセージ登録部17からの指示に応じて、記憶部12の関係情報12Cから、これら個人IDに基づいて、利用者から相手利用者に対する第1の関係属性を取得し(ステップ260)、このうち第1の関係属性に関する共有条件を記憶部12の共有条件情報12Bから取得する(ステップ261)。
【0075】
次に、作成権限判定部18は、この共有条件により、第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を確認し(ステップ262)、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には(ステップ262:YES)、記憶部12の関係情報12Cから、上記個人IDに基づいて、相手利用者から利用者に対する第2の関係属性を取得し(ステップ263)、第1の関係属性と第2の関係属性との一致を確認する(ステップ264)。
【0076】
ここで、第1の関係属性と第2の関係属性が一致している場合(ステップ264:YES)、作成権限判定部18は、上記共有条件のメッセージ作成権限の設定内容を確認し(ステップ265)、設定内容が権限ありを示す場合には(ステップ265:YES)、相手利用者に対して利用者のメッセージ作成権限ありと判定し(ステップ266)、設定内容が権限なしを示す場合には(ステップ265:NO)、相手利用者に対して利用者のメッセージ作成権限なしと判定し(ステップ267)、一連の作成権限判定処理を終了する。
【0077】
一方、ステップ264において、第1の関係属性と第2の関係属性が不一致の場合(ステップ264:NO)、作成権限判定部18は、相手利用者に対して利用者のメッセージ作成権限なしと判定し(ステップ267)、一連の作成権限判定処理を終了する。
また、ステップ262において、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には(ステップ262:NO)、ステップ265へ移行する。
【0078】
これにより、例えば、管理者が家族間のメッセージは誹謗・中傷・否定と取られないと判断した場合、共有条件情報12Bにおいて、属性関係を「家族」、双方向関係確立を「必要」、メッセージ作成権限を「あり」と設定する。
この際、関係情報12Cにおいて、メッセージの送信元となる利用者と受信側となる相手利用者との間に関係属性として、「家族」が設定されていれば、利用者はメッセージ送信フォームへのテキスト入力が可能となる。
【0079】
この場合、利用者のみが「家族」と設定していても、相手利用者が「家族」であると設定しなければ、メッセージ作成権限は与えられない。
これにより、メッセージの送り手と受け手のコミュニケーションの背景等の、相互関係を考慮したメッセージ作成権限の譲渡が可能となり、従来法に比べて誹謗・中傷・否定と取られる可能性が少なくなる。また、個々のメッセージ共有システムのポリシーや利用者の要望に応じて、共有条件情報12Bの設定内容を調整することにより、メッセージ作成権限の付与に関する条件を緩和することも可能である。
【0080】
[メッセージ提示処理]
次に、図17を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10でのメッセージ提示処理について説明する。図17は、メッセージ提示処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の情報提示部19は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者によるメッセージ提示処理の選択操作に応じて、図17のメッセージ提示処理を実行する。
【0081】
情報提示部19は、利用者端末20でのメッセージ提示処理の選択操作に応じて、当該利用者の個人IDと対応する関係情報を記憶部12の関係情報12Cから取得し(ステップ270)、これら関係情報に登録されている相手利用者から、未処理の相手利用者を選択する(ステップ271)。
【0082】
次に、情報提示部19は、選択した相手利用者の個人IDと対応する名前やアイコンIDを、記憶部12の利用者情報12Aから取得して(ステップ272)、このアイコンIDに対応するアイコン画像を記憶部12から取得する(ステップ273)。
また、情報提示部19は、選択した相手利用者の個人IDが登録者個人IDであり、利用者の個人IDが送信相手個人IDであるメッセージを、記憶部12の共有メッセージ12Eから取得する(ステップ274)。
【0083】
この後、情報提示部19は、関係情報に登録されている相手利用者のうち未処理の相手利用者が存在するか確認し(ステップ275)、存在する場合には(ステップ275:YES)、ステップ271へ戻る。
一方、未処理の相手利用者が存在しない場合(ステップ275:NO)、情報提示部19は、相手利用者ごとに取得した、相手利用者の名前、アイコン画像、メッセージをリスト化して、メッセージ提示フォームにより利用者端末20へ提示するとともに(ステップ276)、これら提示したメッセージが閲覧済みである旨を当該メッセージの閲覧済フラグでセットして、記憶部12の閲覧記録情報12Fへ記録し(ステップ277)、一連のメッセージ提示処理を終了する。
【0084】
図18は、メッセージ提示フォームの構成例である。ここでは、相手利用者ごとに、利用者へ送信したメッセージが、相手利用者のアイコン画像とともに、リストとして表示されている。
【0085】
メッセージ提示フォームで表示する相手利用者のアイコン画像については、相手利用者の行動記録から判定した行動変容の取り組み結果に対応するアイコン画像を選択してもよい。例えば、記憶部12の行動情報12Dから、相手利用者の個人IDと対応する行動情報を取得し、これら行動情報から消費カロリーと摂取カロリーを集計し、消費カロリー≧摂取カロリーの場合には、活動的なアイコン画像を選択し、消費カロリー<摂取カロリーの場合には、食事動作を表現するアイコン画像を選択してもよい。
これにより、メッセージ閲覧時に、メッセージを送信したそれぞれの相手利用者の取り組み結果を、利用者に伝えることができる。
【0086】
[行動情報提示処理]
次に、図19を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での行動情報提示処理について説明する。図19は、行動情報提示処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の情報提示部19は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者による行動情報処理の選択操作に応じて、図19の行動情報提示処理を実行する。
【0087】
情報提示部19は、利用者端末20での行動情報処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている行動情報閲覧用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種設定項目を取得する(ステップ280)。行動情報閲覧用の入力フォームには、提示する行動情報に間いる設定項目として、行動情報に関する種別、項目、内容、カロリー、集計単位などの設定項目を入力するための入力欄が設けられている。
【0088】
続いて、情報提示部19は、記憶部12に予め保存されている利用者検索用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種検索項目を取得する(ステップ281)。利用者検索用の入力フォームには、新たな関係情報の対象となる相手利用者を検索するためのキーワードとして、相手利用者の氏名、住所、年齢、ニックネーム、アイコン、取り組み内容に関する種別などの検索項目を入力するための入力欄が設けられている。
【0089】
次に、情報提示部19は、取得した検索項目に該当する候補利用者を、記憶部12の利用者情報12Aや行動情報12Dから検索し、それぞれの個人IDを含む候補利用者のリストを利用者端末20へ提示する(ステップ282)。
続いて、関係情報登録部15は、上記リストや各種フォームを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末20から提示対象となる相手利用者の個人IDを取得し、この個人IDと対応する行動情報を記憶部12の行動情報12Dから取得する(ステップ283)。
【0090】
この後、関係情報登録部15は、取得した行動情報に含まれるデータを、ステップ280において入力フォームにより設定項目として入力された集計単位で集計し、これら集計結果をリストやグラフで利用者端末20へ提示し(ステップ284)、一連の行動情報提示処理を終了する。
【0091】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶部で記憶しておき、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録し、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する。そして、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示するようにしたものである。
【0092】
これに加え、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、この際、この判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するようにしたものである。
【0093】
これにより、それぞれの利用者が、同一の知識・経験の有無など、相手利用者との関係に応じて設定した関係属性により、相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無が設定される。このため、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定でき、結果として、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。
また、各関係属性に対するメッセージ作成権限の有無については、メッセージ共有システムを管理するシステム管理者が予め設定できることから、それぞれのシステムのポリシーを反映させることができる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、メッセージ作成権限がある場合には、自由文からなるメッセージを作成し、メッセージ作成権限がない場合には、定型文からなるメッセージを作成できるようにしたので、メッセージ作成権限がない場合でも、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。これにより、前述の図2に示すとおり、メッセージ作成権限がない場合にメッセージを送信しない場合と比較して、各利用者の取り組み成果を向上させることが可能となる。
【0095】
また、本実施の形態によれば、利用者端末20に広く搭載されている一般的なブラウザ機能により、利用者端末20がメッセージ共有装置10とWeb通信を行うことで各種情報をやり取りするだけで、メッセージ共有サービスを利用できる。
このため、前述したインスタントメッセンジャーのように、利用者のプレゼンス管理機能、メッセージ作成機能、メッセージ送受信機能など、一般的な利用者端末には搭載されていない機能が不要となる。したがって、これら機能をクライアントプログラムとして導入する必要がなくなり、携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなど、各種の利用者端末において、極めて容易にメッセージ共有サービスを利用できる。
【0096】
また、本実施の形態では、作成権限判定部18において、関係情報12Cから取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を共有条件情報12Bで確認し、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認し、両者が一致している場合には、共有条件情報12Bから取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、両者が一致していない場合には、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定し、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するようにしてもよい。
【0097】
これにより、利用者と相手利用者の双方において、特定の関係が確立されて初めてメッセージ作成権限を適用することができる。したがって、利用者と相手利用者の双方において、同一の知識・経験を有していることが確認され、互いの承認が得られた利用者間においてのみ、メッセージをやり取りすることができる。このため、メッセージの受け手となる利用者、すなわち行動変容に対して取り組んでいる利用者に対して、高い安心感を提供でき、行動変容に対して積極的に取り組むことができる。
【0098】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0099】
10…メッセージ共有装置、11…通信部、12…記憶部、12A…利用者情報、12B…共有条件情報、12C…関係情報、12D…行動情報、12E…共有メッセージ、12F…閲覧履歴情報、12P…プログラム、13…認証処理部、14…共有条件登録部、15…関係情報登録部、16…行動情報登録部、17…メッセージ登録部、18…作成権限判定部、19…情報提示部、20,21,22,23,24…利用者端末、30…管理者端末、40…通信網。
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ共有技術に関し、特に行動変容に有用なメッセージを利用者間で共有するためのメッセージ共有技術に関する。
【背景技術】
【0002】
健康促進を目的として、個人の習慣化された行動パターンを変える行動変容を実現するためには、親類、職場の知人、友人、医療や健康分野に精通した人など、他人からの行動変容の取り組みに対する励ましや称賛といった形態のコミュニケーションが重要とされている。その一方、行動変容の取り組みを実施している人に対する誹謗・中傷・否定は、してはいけないコミュニケーション形態とされている。なぜなら誹謗・中傷・否定がなされた原因を行動変容の取り組みと関連付けてしまい、取り組みの阻害要因となるからである。
【0003】
他人とのコミュニケーションをネットワークサービスとして提供するために、インスタントメッセンジャーや電子掲示板といったメッセージ共有サービスが、現在広く利用されている。
このうち、インスタントメッセンジャーの特徴は、既にコミュニケーションのバックグランドが共有されている利用者同士が、プレゼンス情報を共有することによってリアルタイム性の高いメッセージ送信が可能であることである。
【0004】
このため、インスタントメッセンジャーによれば、プレゼンスの把握とメッセージ共有を実現するための実装形態においては、サービス提供システムには少なくとも利用者のプレゼンス管理機能とメッセージ作成機能とメッセージ送受信機能が必要である。また、利用者は上記機能をクライアントプログラムとして導入している必要がある。また、メッセージ共有を実現するには、このクライアントプログラムを起動させていないとメッセージが共有されないという問題がある。
【0005】
一方、電子掲示板の特徴は、サービス提供システムにメッセージを記録することによって、不特定多数の利用者がメッセージを閲覧できることである。しかしながら、不特定多数の利用者を対象とした場合、コミュニケーションの背景が利用者間で共有されていない場合、すなわち同一の知識・経験がない、または知識・経験を取得していることが知られていない場合、メッセージの送信者の意図とは異なり、受け手側において、受信したメッセージを誹謗・中傷・否定のメッセージであると捉えてしまう可能性がある。
【0006】
従来、このような課題について、インターネット上のコミュニケーションのガイドラインを作成している、財団法人インターネット協会などの組織では、他人への配慮のあるメッセージ送信と受信メッセージの信頼性の確認について留意点をまとめている。例えば、信頼性を確認するために、情報の発信者が明記されていることや情報の裏付けが取れることが挙げられている。このような留意点を具体的な課題としてみると、前述した解決のための方法として、電子掲示板やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:Social Network Service)での管理者権限を段階的に設け、任意の人への信頼をもとに権限を管理者が手動で権限設定する方法が提案されている(例えば、非特許文献1など参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】高雄慎二, 飯島正, 櫻井彰人、「多数のオンラインコミュニティと文書の段階的発達を可能とする電子掲示板システムの開発」、電子情報通信学会論文誌、J89-D(12)、2521-2535、2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従来技術では、電子掲示板やSNSでの管理者権限を段階的に設けて、システム管理者が手動で権限を設定しているため、コミュニケーションの背景が共有されている利用者間であっても、行動変容の取り組みに対して有用なコミュニケーションは図れないという問題点があった。また、メッセージの作成権限をシステム管理者が設定すれば、特定の利用者間でコミュニケーションが可能となるが、個々の利用者間について、メッセージの作成権限を管理者が設定するには、膨大な作業負担が必要であり、実現は困難である。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定できるメッセージ共有技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明にかかるメッセージ共有装置は、通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信部と、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶部と、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録する関係情報登録部と、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する行動情報登録部と、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録するメッセージ登録部と、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定部と、利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示部とを備え、メッセージ登録部で、作成権限判定部の判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得する。
【0011】
この際、共有条件情報は、関係属性ごとに、メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、作成権限判定部で、関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を共有条件情報で確認し、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認し、両者が一致している場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、両者が一致していない場合には、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定し、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明にかかるメッセージ共有方法は、各利用者の利用者端末間でメッセージをやり取りするメッセージ共有装置で用いられるメッセージ共有方法であって、通信部が、通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信ステップと、記憶部が、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶ステップと、関係情報登録部が、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録する関係情報登録ステップと、行動情報登録部が、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する行動情報登録ステップと、メッセージ登録部が、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録するメッセージ登録ステップと、作成権限判定部が、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定ステップと、情報提示部が、利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示ステップとを備え、メッセージ登録ステップに、作成権限判定ステップの判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するステップを含む。
【0013】
この際、共有条件情報は、関係属性ごとに、メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、作成権限判定ステップに、関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を共有条件情報で確認するステップと、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認するステップと、両者が一致している場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップと、両者が一致していない場合には、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定ステップと、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップとを含むようにしてもよい。
【0014】
また、本発明にかかるプログラムは、コンピュータを、前述したメッセージ共有装置を構成する各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、それぞれの利用者が、同一の知識・経験の有無など、相手利用者との関係に応じて設定した関係属性により、相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無が設定される。このため、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定でき、結果として、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。
また、各関係属性に対するメッセージ作成権限の有無については、メッセージ共有システムを管理するシステム管理者が予め設定できることから、それぞれのシステムのポリシーや利用者の要望を反映させることができる。
【0016】
また、本実施の形態によれば、メッセージ作成権限がある場合には、自由文からなるメッセージを作成し、メッセージ作成権限がない場合には、定型文からなるメッセージを作成するようにしたので、メッセージ作成権限がない場合でも、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となり、全体的な取り組み成果の向上に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の構成を示すブロック図である。
【図2】行動変容に対する定型文メッセージの効果を示す説明図である。
【図3】利用者情報の構成例である。
【図4】共有条件情報の構成例である。
【図5】関係情報の構成例である。
【図6】行動情報の構成例である。
【図7】共有メッセージの構成例である。
【図8】閲覧履歴情報の構成例である。
【図9】本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の動作を示すシーケンス図である。
【図10】認証処理を示すフローチャートである。
【図11】共有条件登録処理を示すフローチャートである。
【図12】関係情報登録処理を示すフローチャートである。
【図13】行動情報登録処理を示すフローチャートである。
【図14】メッセージ送信処理を示すフローチャートである。
【図15】定型文選択フォームの構成例である。
【図16】作成権限判定処理を示すフローチャートである。
【図17】メッセージ提示処理を示すフローチャートである。
【図18】メッセージ提示フォームの構成例である。
【図19】行動情報提示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[メッセージ共有装置]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置について説明する。図1は、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の構成を示すブロック図である。
【0019】
このメッセージ共有装置10は、全体としてサーバ装置などの情報処理装置からなり、通信網40を介して携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなどの利用者端末20(21〜24)、およびメッセージ共有システムの管理者が利用する管理者端末30と接続し、これら利用者端末20から入力された、行動変容の取り組みを実施している利用者の行動パターンを登録するとともに、この行動パターンを閲覧した他の利用者からの励ましや称賛の内容のメッセージを登録して、利用者間で共有させることにより、行動変容を実現を促す、メッセージ共有システムを実現する。
【0020】
[本発明の原理]
このような行動変容の取り組みに対するメッセージについては、前述した通り、行動変容の取り組みにとって有用な内容であることが必要である。ここで、コミュニケーションの背景が利用者間で共有されていない場合、すなわち同一の知識・経験がない、または知識・経験を取得していることが知られていない場合、メッセージの送信者の意図とは異なり、受け手側において、受信したメッセージを誹謗・中傷・否定のメッセージであると捉えてしまう可能性がある。このため、メッセージを送信する利用者は、受け手の利用者と同一の知識・経験があり、または同一の知識・経験を取得していることが求められる。
【0021】
本発明は、このような利用者間における同一の知識・経験の有無は、利用者間の関係により特定されることに着目し、これら利用者間の関係に対するメッセージの作成権限の有無について予め設定しておき、各利用者が相手利用者に対して設定した利用者間の関係に基づいて、当該利用者に対するメッセージの作成権限の有無を判定するようにしたものである。これにより、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定でき、結果として、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。
【0022】
また、発明者らは、定型文を用いたメッセージが行動変容の取り組みに対して有用か否かを実験により調査した。図2は、行動変容に対する定型文メッセージの効果を示す説明図である。ここでは、健康づくりのため歩数を増加させるという取り組みを行っている利用者に対して、その取り組みに対する励ましや称賛といった内容の定型文メッセージを送信した場合と、送信しなかった場合とについて、一日当たりの平均歩数の推移を8週間にわたり追跡調査した結果が記載されている。
【0023】
この結果、定型文メッセージを送信していないケースでは一日平均歩数の低減が見られるのに対して、定型文メッセージを送信したケースでは一日平均歩数の上昇が見られており、定型文メッセージであっても、ある程度行動変容の取り組みに対して有用であることが確認された。
本発明は、この調査結果に着目し、相手利用者に対してメッセージ作成権限がない場合には、複数の定型文メッセージから選択したものを相手利用者に送信できるようにしたものである。これにより、特定の関係が確立されていない相手利用者に対しては、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージを定型文で送信することが可能となる。
【0024】
このようなことから、具体的には、本実施の形態において、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶部で記憶しておき、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録し、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する。そして、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示するようにしたものである。
【0025】
これに加え、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、この際、この判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するようにしたものである。
【0026】
[メッセージ共有装置の構成]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10の構成について詳細に説明する。
メッセージ共有装置10には、主な機能部として、通信部11、記憶部12、認証処理部13、共有条件登録部14、関係情報登録部15、行動情報登録部16、メッセージ登録部17、作成権限判定部18、および情報提示部19が設けられており、これら機能部間は相互にデータやり取り可能に接続されている。
【0027】
通信部11は、専用のデータ通信インターフェースを有し、インターネットや携帯網などの通信網40を介して各利用者の利用者端末20と接続してデータ通信を行う機能と、このデータ通信を利用して、各種フォームを含むWebページを提示することにより利用者端末20との間で各種情報をやり取りするWeb通信機能とを有している。
【0028】
記憶部12は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、各機能部で用いる各種の処理情報やプログラム12Pを記憶する機能を有している。記憶部12で記憶される主な処理情報として、利用者情報12A、共有条件情報12B、関係情報12C、行動情報12D、共有メッセージ12E、および閲覧履歴情報12Fがある。
【0029】
利用者情報12Aは、メッセージ共有装置1を利用する利用者に関する各種情報である。図3は、利用者情報の構成例である。ここでは、利用者を識別するための個人IDごとに、利用者の氏名、利用者の認証に用いるログインIDおよびパスワード、利用者の住所および電話番号、利用者のアイコンを識別するためのアイコンIDなど、利用者に関する各種情報が登録されている。
【0030】
共有条件情報12Bは、利用者間の関係を示す関係属性に基づきメッセージの作成権限の有無を判断するための共有条件を示す情報である。図4は、共有条件情報の構成例である。ここでは、利用者間の関係に応じた共有条件を識別するための条件IDごとに、当該関係を示す関係属性、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否、およびこれら情報を登録した登録日時が組として登録されている。
【0031】
関係情報12Cは、利用者端末20から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す情報である。図5は、関係情報の構成例である。ここでは、関係情報を識別するための関係IDごとに、利用者を識別するための登録者個人ID、相手利用者を識別するための相手個人ID、当該関係に付与した名前、関係の内容を示す関係属性、およびこれら情報を登録した登録日時が組として登録されている。
【0032】
行動情報12Dは、利用者端末20から入力された当該利用者の、行動変容の取り組みに関する行動パターンを示す情報である。図6は、行動情報の構成例である。ここでは、個々の行動情報を識別するデータIDごとに、当該行動を行った利用者の個人ID、行動に関する種別、項目、および内容と、当該行動で増減したカロリー値、データの計測日、およびこれら情報を登録した登録日時が組として登録されている。
【0033】
共有メッセージ12Eは、利用間でやり取りされたメッセージを示す情報である。図7は、共有メッセージの構成例である。ここでは、メッセージを識別するためのメッセージIDごとに、当該メッセージの作成者、定型文か自由文かを示す形式、メッセージの内容、および当該メッセージを登録した登録日時が組として登録されている。
【0034】
閲覧履歴情報12Fは、利用者が自己宛のメッセージを閲覧した記録を示す情報である。図8は、閲覧履歴情報の構成例である。ここでは、メッセージの閲覧履歴を識別するための履歴IDごとに、当該メッセージを登録した利用者を示す登録者個人ID、登録したメッセージを示すメッセージID、当該メッセージの送信相手を示す送信相手個人ID、これら情報を登録した登録日時、および当該メッセージが閲覧済みかどうかを示す閲覧済フラグが組として登録されている。
【0035】
認証処理部13は、利用者端末20からのログイン要求に応じてログインフォームを提示し、このログインフォームで取得したログインIDおよびパスワードと、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合することにより、利用者の正当性を判定する認証処理を行う機能を有している。
【0036】
共有条件登録部14は、管理者端末30から入力された、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報12Bを、記憶部12へ登録する機能を有している。
【0037】
関係情報登録部15は、利用者端末20から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報12Cとして記憶部12へ登録する機能を有している。
行動情報登録部16は、利用者端末20から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報12Dを記憶部12へ登録する機能を有している。
【0038】
メッセージ登録部17は、利用者端末20からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末20へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージ12Eとして記憶部12へ登録する機能と、作成権限判定部18の判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得する機能とを有している。
【0039】
作成権限判定部18は、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部12の関係情報12Cから取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部12の共有条件情報12Bで確認する機能と、この確認結果に基づき、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する機能とを有している。
【0040】
情報提示部19は、利用者端末20からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報12Dを記憶部12から取得して当該利用者端末20へ提示する機能と、利用者端末20からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージ12Eを記憶部12から取得して当該利用者端末20へ提示する機能とを有している。
【0041】
これら機能部のうち、認証処理部13、共有条件登録部14、関係情報登録部15、行動情報登録部16、メッセージ登録部17、作成権限判定部18、および情報提示部19は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有する演算処理部で、記憶部12のプログラム12Pを実行することにより実現される。プログラム12Pは、外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から読み込まれて、予め記憶部12に格納される。
【0042】
[本実施の形態の動作]
次に、図9を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10の動作について説明する。図9は、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置の動作を示すシーケンス図である。
【0043】
ここでは、利用者Aが利用者端末21からメッセージ共有装置10にログインして、利用者Bへメッセージを送信し、その後、利用者Bが利用者端末22からメッセージ共有装置10にログインして、利用者Aからのメッセージを閲覧する場合を例として説明する。なお、メッセージ共有装置10には、共有条件情報12B、関係情報12C、および行動情報12Dが、すでに登録されているものとする。
【0044】
[メッセージ送信動作]
まず、利用者Aは、メッセージを送信する場合、利用者端末21でブラウザを操作してメッセージ共有装置10へログイン要求を行う(ステップ100)。このログイン要求に応じてメッセージ共有装置10の認証処理部13は認証処理を実行し、利用者端末21から取得したログインIDとパスワードとを、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合することにより、利用者Aの正当性を判定する(ステップ101)。ここで、利用者Aの正当性が確認された場合、利用者Aが各種サービス処理を選択するためのメニューフォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ102)。
【0045】
次に、メニューフォームを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21でメッセージの送信処理が選択された場合(ステップ110)、メッセージ共有装置10のメッセージ登録部17は、メッセージ送信相手を検索するための送信相手検索フォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ111)。
【0046】
この後、送信相手検索フォームを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21から送信相手の検索条件が通知された場合(ステップ112)、メッセージ登録部17は、この検索条件に基づき記憶部12の利用者情報12Aからメッセージの送信相手を検索し(ステップ113)、検索した送信相手のリストを、利用者端末21へ提示する(ステップ114)。
【0047】
続いて、送信相手リストを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21から送信相手として利用者Bが通知された場合(ステップ115)、メッセージ登録部17は、作成権限判定部18により権限判定処理を実行して、この送信相手である利用者Bに対して利用者Aがメッセージ送信権限を有するか否か確認する(ステップ116)。
【0048】
ここで、送信権限ありと判定された場合(ステップ117:YES)、メッセージ登録部17は、メッセージの内容を自由にテキスト入力できる自由文入力フォームを、利用者端末21へ提示し(ステップ118)、送信権限なしと判定された場合(ステップ117:NO)、メッセージ登録部17は、メッセージの内容として予め用意された定型文を選択できる定型文選択フォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ119)。
【0049】
この後、自由文入力フォームまたは定型文選択フォームを用いた利用者Aの操作に応じて、利用者端末21からメッセージ内容が通知された場合(ステップ120)、メッセージ登録部17は、このメッセージ内容を利用者Aから利用者Bに対するメッセージとして、記憶部12の共有メッセージ12Eに登録する(ステップ121)。
【0050】
[メッセージ提示動作]
このようにして、利用者Aから利用者Bへのメッセージが送信された後、利用者Bがメッセージを閲覧する場合、利用者Bは、利用者端末22でブラウザを操作してメッセージ共有装置10へログイン要求を行う(ステップ130)。このログイン要求に応じてメッセージ共有装置10の認証処理部13は認証処理を実行し、利用者端末22から取得したログインIDとパスワードとを、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合することにより、利用者Bの正当性を判定する(ステップ131)。ここで、利用者Bの正当性が確認された場合、利用者Bが各種サービス処理を選択するためのメニューフォームを、利用者端末22へ提示する(ステップ132)。
【0051】
次に、メニューフォームを用いた利用者Bの操作に応じて、利用者端末22でメッセージの閲覧処理が選択された場合(ステップ140)、メッセージ共有装置10の情報提示部19は、記憶部12の共有メッセージ12Eから利用者B宛のメッセージを検索し(ステップ141)、検索したメッセージの内容とその送信相手の情報を、利用者端末22へ提示する(ステップ142)。これにより、利用者Bの利用者端末22でメッセージが画面表示される。
【0052】
[認証処理]
次に、図10を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での認証処理について説明する。図10は、認証処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の認証処理部13は、利用者端末20からのログイン要求に応じて、図10の認証処理を実行する。
【0053】
認証処理部13は、利用者端末20からのログイン要求に応じて、記憶部12に予め保存されているログインフォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、このログインフォームを用いた利用者の操作に応じて、ログインIDとパスワードを取得する(ステップ200)。
この後、取得したログインIDとパスワードを、記憶部12の利用者情報12AのログインIDおよびパスワードとを照合し(ステップ201)、これらログインIDとパスワードが一致しない場合には(ステップ202:NO)、認証エラーとしてステップ100へ戻る。
【0054】
一方、これらログインIDとパスワードが一致した場合(ステップ202:YES)、利用者情報12Aの個人IDを各種サービス処理で用いる当該利用者の個人IDとして、当該利用者がログアウトするまで記憶部12で一時保存し(ステップ203)、記憶部12に予め保存されている、利用者が各種サービス処理を選択するためのメニューフォームを読み出して、利用者端末20へ提示し(ステップ204)、一連の認証処理を終了する。このメニューフォームには、関係情報登録処理、行動情報登録処理、行動情報閲覧処理、メッセージ送信処理、メッセージ閲覧処理など、利用者に対して提供される各種サービス処理を選択するメニューが設けられている。
【0055】
[共有条件登録処理]
次に、図11を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での共有条件登録処理について説明する。図11は、共有条件登録処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の共有条件登録部14は、管理者端末30での管理者による共有条件登録処理の選択操作に応じて、図11の共有条件登録処理を実行する。
【0056】
共有条件登録部14は、管理者端末30での共有条件登録処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている共有条件登録用の入力フォームを読み出して、管理者端末30へ提示し、この入力フォームを用いた管理者の操作に応じて、各種共有条件を取得する(ステップ210)。共有条件登録用の入力フォームには、利用者間の関係を示す関係属性、当該関係が双方向で確立されている要否を示す双方向確立、当該関係か確立した際に適用されるメッセージ作成権限などの各種共有条件を入力するための入力欄が設けられている。
【0057】
この後、共有条件登録部14は、管理者端末30での管理者の登録OK操作に応じて(ステップ211:YES)、これら共有条件を、登録日時とともに、記憶部12の共有条件情報12Bとして登録し(ステップ212)、一連の共有条件登録処理を終了する。また、管理者端末30での管理者の変更操作に応じて(ステップ211:NO)、ステップ210へ戻る。
【0058】
[関係情報登録処理]
次に、図12を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での関係情報登録処理について説明する。図12は、関係情報登録処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の関係情報登録部15は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者による関係情報登録処理の選択操作に応じて、図12の関係情報登録処理を実行する。
【0059】
関係情報登録部15は、利用者端末20での関係情報登録処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている利用者検索用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種検索項目を取得する(ステップ220)。利用者検索用の入力フォームには、新たな関係情報の対象となる相手利用者を検索するためのキーワードとして、相手利用者の氏名、住所、年齢、ニックネーム、アイコン、取り組み内容を示す種別などの検索項目を入力するための入力欄が設けられている。
【0060】
次に、関係情報登録部15は、取得した検索項目に該当する候補利用者を、記憶部12の利用者情報12Aや行動情報12Dから検索し、それぞれの個人IDを含む候補利用者のリストを利用者端末20へ提示する(ステップ221)。
続いて、関係情報登録部15は、上記リストや各種フォームを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末20から相手利用者の個人IDを取得するとともに、相手利用者との関係を示す関係属性や関係名を取得する(ステップ222)。この際、関係名は利用者が名義づけてもよいが、関係属性は定型であることが望ましい。また、定型の関係属性に関しては、システム管理者が自由に定義づけてもよい。
【0061】
この後、関係情報登録部15は、利用者端末20での利用者の登録OK操作に応じて(ステップ223:YES)、これら利用者の個人ID(登録者個人ID)、相手利用者の個人ID(相手個人ID)、関係名、関係属性などを、登録日時とともに、記憶部12の関係情報12Cとして登録し(ステップ224)、一連の関係情報登録処理を終了する。また、利用者端末20での利用者の変更操作に応じて(ステップ223:NO)、ステップ220へ戻る。
【0062】
[行動情報登録処理]
次に、図13を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での行動情報登録処理について説明する。図13は、行動情報登録処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の行動情報登録部16は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者による行動情報登録処理の選択操作に応じて、図13の行動情報登録処理を実行する。
【0063】
行動情報登録部16は、利用者端末20での行動情報登録処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている行動データ登録用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種行動データを取得する(ステップ230)。行動データ登録用の入力フォームには、行動に関する種別、項目、および内容と、当該行動で増減したカロリー値、データの計測日などの各種行動データを入力するための入力欄が設けられている。
【0064】
この後、関係情報登録部15は、利用者端末20での利用者の登録OK操作に応じて(ステップ231:YES)、これら利用者の行動データを、登録日時とともに、記憶部12の行動情報12Dとして登録し(ステップ232)、一連の行動情報登録処理を終了する。また、利用者端末20での利用者の変更操作に応じて(ステップ231:NO)、ステップ230へ戻る。なお、行動データを登録する際、新たな行動データと記憶部12の行動情報12Dとの整合性を確認し、整合が得られない場合には、入力エラーを利用者端末20へ提示し、行動データの再入力を促すようにしてもよい。
【0065】
[メッセージ送信処理]
次に、図14を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10でのメッセージ送信処理について説明する。図14は、メッセージ送信処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10のメッセージ登録部17は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者によるメッセージ送信処理の選択操作に応じて、図14のメッセージ送信処理を実行する。
【0066】
メッセージ登録部17は、利用者端末20でのメッセージ送信処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている利用者検索用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種検索項目を取得する(ステップ240)。利用者検索用の入力フォームには、新たな関係情報の対象となる相手利用者を検索するためのキーワードとして、相手利用者の氏名、住所、年齢、ニックネーム、アイコン、取り組み内容を示す種別などの検索項目を入力するための入力欄が設けられている。なお、予め関係登録されている他の利用者は、リスト化して表示してもよい。
【0067】
次に、メッセージ登録部17は、取得した検索項目に該当する候補利用者を、記憶部12の利用者情報12Aや行動情報12Dから検索し、それぞれの個人IDを含む候補利用者のリストを利用者端末20へ提示する(ステップ241)。
続いて、メッセージ登録部17は、上記リストを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末20から相手利用者の個人IDを取得し(ステップ242)、この相手利用者の個人IDについて、作成権限判定部18により権限判定処理を実行して、この相手利用者に対して利用者がメッセージ送信権限を有するか否か確認する(ステップ243)。
【0068】
ここで、送信権限ありと判定された場合(ステップ244:YES)、メッセージ登録部17は、記憶部12に予め保存されている、メッセージの内容を自由にテキスト入力できる自由文入力フォームを、利用者端末21へ提示し(ステップ245)、送信権限なしと判定された場合(ステップ244:NO)、メッセージ登録部17は、記憶部12に予め保存されている、メッセージの内容として予め用意された定型文を選択できる定型文選択フォームを、利用者端末21へ提示する(ステップ246)。
【0069】
自由文入力フォームについては、一般的なWebページで使用されているテキスト入力シンボルを用いればよい。また、定型文選択フォームについては、定型文のリストを用いればよい。図15は、定型文選択フォームの構成例である。ここでは、送信相手となる相手利用者ごとに、1つ以上の定型文が用意されており、任意の定型文を選択することができる。
【0070】
定型の共有メッセージについては、利用者側で選択することが可能であるが、前述の図2に示したように、「頑張りましょう」といった一般的な励ましメッセージや「すごいですね」といった称賛のメッセージでも、個人の行動変容(歩数の減少を防ぐこと)に一定の効果が得られている。
定型文自体はカスタマイズ可能なので、本発明にかかるメッセージ共有装置10を活用してサービスを行う際に、定型文メッセージをより具体的なものに逐一変得ればより高い効果が期待できる。例えば、一般的な「頑張りましょう」という定型メッセージに季節要素を入れて、冬であれば「寒いですが、頑張りましょう」、夏であれば「暑いですが、頑張りましょう」という定型メッセージの送信も可能になる。
【0071】
続いて、自由文入力フォームまたは定型文選択フォームを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末21からメッセージ内容が通知された場合(ステップ247)、メッセージ登録部17は、このメッセージ内容を利用者から相手利用者に対するメッセージとして、記憶部12の共有メッセージ12Eに登録する(ステップ248)。
【0072】
この後、メッセージ登録部17は、利用者端末20での利用者の登録OK操作に応じて(ステップ249:YES)、上記メッセージを、登録日時とともに、記憶部12の共有メッセージ12Eとして登録し(ステップ250)、一連のメッセージ送信処理を終了する。また、利用者端末20での利用者の変更操作に応じて(ステップ249:NO)、ステップ240へ戻る。
【0073】
[作成権限判定処理]
次に、図16を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での作成権限判定処理について説明する。図16は、作成権限判定処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の作成権限判定部18は、メッセージ登録部17からの指示に応じて、図16の作成権限判定処理を実行する。
【0074】
作成権限判定部18は、メッセージを送信する利用者およびメッセージを受信する相手利用者の個人IDを含むメッセージ登録部17からの指示に応じて、記憶部12の関係情報12Cから、これら個人IDに基づいて、利用者から相手利用者に対する第1の関係属性を取得し(ステップ260)、このうち第1の関係属性に関する共有条件を記憶部12の共有条件情報12Bから取得する(ステップ261)。
【0075】
次に、作成権限判定部18は、この共有条件により、第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を確認し(ステップ262)、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には(ステップ262:YES)、記憶部12の関係情報12Cから、上記個人IDに基づいて、相手利用者から利用者に対する第2の関係属性を取得し(ステップ263)、第1の関係属性と第2の関係属性との一致を確認する(ステップ264)。
【0076】
ここで、第1の関係属性と第2の関係属性が一致している場合(ステップ264:YES)、作成権限判定部18は、上記共有条件のメッセージ作成権限の設定内容を確認し(ステップ265)、設定内容が権限ありを示す場合には(ステップ265:YES)、相手利用者に対して利用者のメッセージ作成権限ありと判定し(ステップ266)、設定内容が権限なしを示す場合には(ステップ265:NO)、相手利用者に対して利用者のメッセージ作成権限なしと判定し(ステップ267)、一連の作成権限判定処理を終了する。
【0077】
一方、ステップ264において、第1の関係属性と第2の関係属性が不一致の場合(ステップ264:NO)、作成権限判定部18は、相手利用者に対して利用者のメッセージ作成権限なしと判定し(ステップ267)、一連の作成権限判定処理を終了する。
また、ステップ262において、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には(ステップ262:NO)、ステップ265へ移行する。
【0078】
これにより、例えば、管理者が家族間のメッセージは誹謗・中傷・否定と取られないと判断した場合、共有条件情報12Bにおいて、属性関係を「家族」、双方向関係確立を「必要」、メッセージ作成権限を「あり」と設定する。
この際、関係情報12Cにおいて、メッセージの送信元となる利用者と受信側となる相手利用者との間に関係属性として、「家族」が設定されていれば、利用者はメッセージ送信フォームへのテキスト入力が可能となる。
【0079】
この場合、利用者のみが「家族」と設定していても、相手利用者が「家族」であると設定しなければ、メッセージ作成権限は与えられない。
これにより、メッセージの送り手と受け手のコミュニケーションの背景等の、相互関係を考慮したメッセージ作成権限の譲渡が可能となり、従来法に比べて誹謗・中傷・否定と取られる可能性が少なくなる。また、個々のメッセージ共有システムのポリシーや利用者の要望に応じて、共有条件情報12Bの設定内容を調整することにより、メッセージ作成権限の付与に関する条件を緩和することも可能である。
【0080】
[メッセージ提示処理]
次に、図17を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10でのメッセージ提示処理について説明する。図17は、メッセージ提示処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の情報提示部19は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者によるメッセージ提示処理の選択操作に応じて、図17のメッセージ提示処理を実行する。
【0081】
情報提示部19は、利用者端末20でのメッセージ提示処理の選択操作に応じて、当該利用者の個人IDと対応する関係情報を記憶部12の関係情報12Cから取得し(ステップ270)、これら関係情報に登録されている相手利用者から、未処理の相手利用者を選択する(ステップ271)。
【0082】
次に、情報提示部19は、選択した相手利用者の個人IDと対応する名前やアイコンIDを、記憶部12の利用者情報12Aから取得して(ステップ272)、このアイコンIDに対応するアイコン画像を記憶部12から取得する(ステップ273)。
また、情報提示部19は、選択した相手利用者の個人IDが登録者個人IDであり、利用者の個人IDが送信相手個人IDであるメッセージを、記憶部12の共有メッセージ12Eから取得する(ステップ274)。
【0083】
この後、情報提示部19は、関係情報に登録されている相手利用者のうち未処理の相手利用者が存在するか確認し(ステップ275)、存在する場合には(ステップ275:YES)、ステップ271へ戻る。
一方、未処理の相手利用者が存在しない場合(ステップ275:NO)、情報提示部19は、相手利用者ごとに取得した、相手利用者の名前、アイコン画像、メッセージをリスト化して、メッセージ提示フォームにより利用者端末20へ提示するとともに(ステップ276)、これら提示したメッセージが閲覧済みである旨を当該メッセージの閲覧済フラグでセットして、記憶部12の閲覧記録情報12Fへ記録し(ステップ277)、一連のメッセージ提示処理を終了する。
【0084】
図18は、メッセージ提示フォームの構成例である。ここでは、相手利用者ごとに、利用者へ送信したメッセージが、相手利用者のアイコン画像とともに、リストとして表示されている。
【0085】
メッセージ提示フォームで表示する相手利用者のアイコン画像については、相手利用者の行動記録から判定した行動変容の取り組み結果に対応するアイコン画像を選択してもよい。例えば、記憶部12の行動情報12Dから、相手利用者の個人IDと対応する行動情報を取得し、これら行動情報から消費カロリーと摂取カロリーを集計し、消費カロリー≧摂取カロリーの場合には、活動的なアイコン画像を選択し、消費カロリー<摂取カロリーの場合には、食事動作を表現するアイコン画像を選択してもよい。
これにより、メッセージ閲覧時に、メッセージを送信したそれぞれの相手利用者の取り組み結果を、利用者に伝えることができる。
【0086】
[行動情報提示処理]
次に、図19を参照して、本実施の形態にかかるメッセージ共有装置10での行動情報提示処理について説明する。図19は、行動情報提示処理を示すフローチャートである。
メッセージ共有装置10の情報提示部19は、利用者端末20でのメニューフォームを用いた利用者による行動情報処理の選択操作に応じて、図19の行動情報提示処理を実行する。
【0087】
情報提示部19は、利用者端末20での行動情報処理の選択操作に応じて、記憶部12に予め保存されている行動情報閲覧用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種設定項目を取得する(ステップ280)。行動情報閲覧用の入力フォームには、提示する行動情報に間いる設定項目として、行動情報に関する種別、項目、内容、カロリー、集計単位などの設定項目を入力するための入力欄が設けられている。
【0088】
続いて、情報提示部19は、記憶部12に予め保存されている利用者検索用の入力フォームを読み出して、利用者端末20へ提示し、この入力フォームを用いた利用者の操作に応じて、各種検索項目を取得する(ステップ281)。利用者検索用の入力フォームには、新たな関係情報の対象となる相手利用者を検索するためのキーワードとして、相手利用者の氏名、住所、年齢、ニックネーム、アイコン、取り組み内容に関する種別などの検索項目を入力するための入力欄が設けられている。
【0089】
次に、情報提示部19は、取得した検索項目に該当する候補利用者を、記憶部12の利用者情報12Aや行動情報12Dから検索し、それぞれの個人IDを含む候補利用者のリストを利用者端末20へ提示する(ステップ282)。
続いて、関係情報登録部15は、上記リストや各種フォームを用いた利用者の操作に応じて、利用者端末20から提示対象となる相手利用者の個人IDを取得し、この個人IDと対応する行動情報を記憶部12の行動情報12Dから取得する(ステップ283)。
【0090】
この後、関係情報登録部15は、取得した行動情報に含まれるデータを、ステップ280において入力フォームにより設定項目として入力された集計単位で集計し、これら集計結果をリストやグラフで利用者端末20へ提示し(ステップ284)、一連の行動情報提示処理を終了する。
【0091】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶部で記憶しておき、利用者端末から入力された当該利用者と相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として記憶部へ登録し、利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を記憶部へ登録する。そして、利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして記憶部へ登録し、利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを記憶部から取得して当該利用者端末へ提示するようにしたものである。
【0092】
これに加え、メッセージ入力フォームを提示する際、記憶部の関係情報から取得した当該利用者と相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、記憶部の共有条件情報で確認することにより、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、この際、この判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するようにしたものである。
【0093】
これにより、それぞれの利用者が、同一の知識・経験の有無など、相手利用者との関係に応じて設定した関係属性により、相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無が設定される。このため、システム管理者が個々の利用者間について関与することなく、相手利用者との関係に応じて、個々の利用者がメッセージ作成権限を柔軟に設定でき、結果として、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。
また、各関係属性に対するメッセージ作成権限の有無については、メッセージ共有システムを管理するシステム管理者が予め設定できることから、それぞれのシステムのポリシーを反映させることができる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、メッセージ作成権限がある場合には、自由文からなるメッセージを作成し、メッセージ作成権限がない場合には、定型文からなるメッセージを作成できるようにしたので、メッセージ作成権限がない場合でも、行動変容の取り組みに対して有用なメッセージをやり取りすることが可能となる。これにより、前述の図2に示すとおり、メッセージ作成権限がない場合にメッセージを送信しない場合と比較して、各利用者の取り組み成果を向上させることが可能となる。
【0095】
また、本実施の形態によれば、利用者端末20に広く搭載されている一般的なブラウザ機能により、利用者端末20がメッセージ共有装置10とWeb通信を行うことで各種情報をやり取りするだけで、メッセージ共有サービスを利用できる。
このため、前述したインスタントメッセンジャーのように、利用者のプレゼンス管理機能、メッセージ作成機能、メッセージ送受信機能など、一般的な利用者端末には搭載されていない機能が不要となる。したがって、これら機能をクライアントプログラムとして導入する必要がなくなり、携帯電話機、PDA、パーソナルコンピュータなど、各種の利用者端末において、極めて容易にメッセージ共有サービスを利用できる。
【0096】
また、本実施の形態では、作成権限判定部18において、関係情報12Cから取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を共有条件情報12Bで確認し、当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認し、両者が一致している場合には、共有条件情報12Bから取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、両者が一致していない場合には、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定し、当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応するメッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するようにしてもよい。
【0097】
これにより、利用者と相手利用者の双方において、特定の関係が確立されて初めてメッセージ作成権限を適用することができる。したがって、利用者と相手利用者の双方において、同一の知識・経験を有していることが確認され、互いの承認が得られた利用者間においてのみ、メッセージをやり取りすることができる。このため、メッセージの受け手となる利用者、すなわち行動変容に対して取り組んでいる利用者に対して、高い安心感を提供でき、行動変容に対して積極的に取り組むことができる。
【0098】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0099】
10…メッセージ共有装置、11…通信部、12…記憶部、12A…利用者情報、12B…共有条件情報、12C…関係情報、12D…行動情報、12E…共有メッセージ、12F…閲覧履歴情報、12P…プログラム、13…認証処理部、14…共有条件登録部、15…関係情報登録部、16…行動情報登録部、17…メッセージ登録部、18…作成権限判定部、19…情報提示部、20,21,22,23,24…利用者端末、30…管理者端末、40…通信網。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信部と、
前記利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶部と、
前記利用者端末から入力された当該利用者と前記相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として前記記憶部へ登録する関係情報登録部と、
前記利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を前記記憶部へ登録する行動情報登録部と、
前記利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして前記記憶部へ登録するメッセージ登録部と、
前記メッセージ入力フォームを提示する際、前記記憶部の前記関係情報から取得した当該利用者と前記相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、前記記憶部の前記共有条件情報で確認することにより、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定部と、
前記利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、前記利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示部と
を備え、
前記メッセージ登録部は、前記作成権限判定部の判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、前記判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得する
ことを特徴とするメッセージ共有装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメッセージ共有装置において、
前記共有条件情報は、前記関係属性ごとに、前記メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、
前記作成権限判定部は、
前記関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を前記共有条件情報で確認し、
当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、前記関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認し、
両者が一致している場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、
両者が一致していない場合には、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定し、
当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する
ことを特徴とするメッセージ共有装置。
【請求項3】
各利用者の利用者端末間でメッセージをやり取りするメッセージ共有装置で用いられるメッセージ共有方法であって、
通信部が、通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信ステップと、
記憶部が、前記利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶ステップと、
関係情報登録部が、前記利用者端末から入力された当該利用者と前記相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として前記記憶部へ登録する関係情報登録ステップと、
行動情報登録部が、前記利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を前記記憶部へ登録する行動情報登録ステップと、
メッセージ登録部が、前記利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして前記記憶部へ登録するメッセージ登録ステップと、
作成権限判定部が、前記メッセージ入力フォームを提示する際、前記記憶部の前記関係情報から取得した当該利用者と前記相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、前記記憶部の前記共有条件情報で確認することにより、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定ステップと、
情報提示部が、前記利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、前記利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示ステップと
を備え、
前記メッセージ登録ステップは、前記作成権限判定ステップの判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、前記判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するステップを含む
ことを特徴とするメッセージ共有方法。
【請求項4】
請求項3に記載のメッセージ共有方法において、
前記共有条件情報は、前記関係属性ごとに、前記メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、
前記作成権限判定ステップは、
前記関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を前記共有条件情報で確認するステップと、
当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、前記関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認するステップと、
両者が一致している場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップと、
両者が一致していない場合には、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定ステップと、
当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップと
を含むことを特徴とするメッセージ共有方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1または請求項2に記載したメッセージ共有装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信部と、
前記利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶部と、
前記利用者端末から入力された当該利用者と前記相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として前記記憶部へ登録する関係情報登録部と、
前記利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を前記記憶部へ登録する行動情報登録部と、
前記利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして前記記憶部へ登録するメッセージ登録部と、
前記メッセージ入力フォームを提示する際、前記記憶部の前記関係情報から取得した当該利用者と前記相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、前記記憶部の前記共有条件情報で確認することにより、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定部と、
前記利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、前記利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示部と
を備え、
前記メッセージ登録部は、前記作成権限判定部の判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、前記判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得する
ことを特徴とするメッセージ共有装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメッセージ共有装置において、
前記共有条件情報は、前記関係属性ごとに、前記メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、
前記作成権限判定部は、
前記関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を前記共有条件情報で確認し、
当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、前記関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認し、
両者が一致している場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定し、
両者が一致していない場合には、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定し、
当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する
ことを特徴とするメッセージ共有装置。
【請求項3】
各利用者の利用者端末間でメッセージをやり取りするメッセージ共有装置で用いられるメッセージ共有方法であって、
通信部が、通信網を介して接続された各利用者の利用者端末とデータ通信を行う通信ステップと、
記憶部が、前記利用者間の関係を示す関係属性ごとに、当該関係を相手利用者との間で確立している当該利用者に対して与えられる、当該相手利用者に対するメッセージの作成権限の有無が設定された共有条件情報を、予め記憶する記憶ステップと、
関係情報登録部が、前記利用者端末から入力された当該利用者と前記相手利用者との間の関係を示す関係属性を関係情報として前記記憶部へ登録する関係情報登録ステップと、
行動情報登録部が、前記利用者端末から入力された当該利用者の行動パターンを示す行動情報を前記記憶部へ登録する行動情報登録ステップと、
メッセージ登録部が、前記利用者端末からのメッセージ送信要求に応じて当該利用者端末へメッセージ入力フォームを提示して、当該メッセージ入力フォームに入力された相手利用者へのメッセージを共有メッセージとして前記記憶部へ登録するメッセージ登録ステップと、
作成権限判定部が、前記メッセージ入力フォームを提示する際、前記記憶部の前記関係情報から取得した当該利用者と前記相手利用者との関係属性について、当該関係属性に対応するメッセージ作成権限の設定内容を、前記記憶部の前記共有条件情報で確認することにより、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定する作成権限判定ステップと、
情報提示部が、前記利用者端末からの行動情報閲覧要求に応じて当該利用者の行動情報を前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示し、前記利用者端末からのメッセージ閲覧要求に応じて当該利用者宛の共有メッセージを前記記憶部から取得して当該利用者端末へ提示する情報提示ステップと
を備え、
前記メッセージ登録ステップは、前記作成権限判定ステップの判定結果が権限ありを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより当該利用者が自由に入力したメッセージを取得し、前記判定結果が権限なしを示す場合には、当該メッセージ入力フォームにより複数の定型文のうちから選択したメッセージを取得するステップを含む
ことを特徴とするメッセージ共有方法。
【請求項4】
請求項3に記載のメッセージ共有方法において、
前記共有条件情報は、前記関係属性ごとに、前記メッセージ作成権限の有無と、当該利用者間の双方向において当該関係属性が確立されている必要性を示す双方向確立の要否とが設定されており、
前記作成権限判定ステップは、
前記関係情報から取得した当該利用者から当該相手利用者に対する関係を示す第1の関係属性について、当該第1の関係属性に対応する双方向確立の設定内容を前記共有条件情報で確認するステップと、
当該設定内容が双方向確立の必要ありを示す場合には、前記関係情報から取得した当該相手利用者から当該利用者に対する関係を示す第2の関係属性が当該第1の関係属性と一致しているか否かを確認するステップと、
両者が一致している場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップと、
両者が一致していない場合には、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の権限なしと判定ステップと、
当該設定内容が双方向確立の必要なしを示す場合には、前記共有条件情報から取得した当該第1の関係属性と対応する前記メッセージ作成権限の設定内容に応じて、当該利用者の前記相手利用者に対するメッセージ作成権限の有無を判定するステップと
を含むことを特徴とするメッセージ共有方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1または請求項2に記載したメッセージ共有装置を構成する各部として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−3349(P2012−3349A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135576(P2010−135576)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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