メディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置
【課題】メディアろ過槽の逆洗浄中に、膜ろ過装置のろ過膜の乾燥や疎水化、およびろ過膜への逆洗浄排水流の衝撃等による膜劣化やろ過能力の低下を抑制し、ろ過膜の薬品洗浄コストも節減できる複合ろ過装置を提供することである。
【解決手段】メディアろ過池8に膜ろ過装置9を組み入れた複合ろ過装置7で、ろ過池8の内部に、仕切り11、11を設け、この仕切り11、11とろ過池8のろ過槽10の内壁面10a間にメディアろ過空間12、12を形成し、ろ過処理水の集水流路14bを仕切り壁11、11の下部に設け、集水流路14bの上側にろ過槽10の逆洗浄排水の排水流路16を設け、この排水流路16の上部に膜ろ過装置9の配設空間18を形成したのである。それにより、膜モジュール9aを被処理水Hに浸漬したままでろ材層13の逆洗浄が可能となり、乾燥または疎水化による膜への悪影響を防止できる。
【解決手段】メディアろ過池8に膜ろ過装置9を組み入れた複合ろ過装置7で、ろ過池8の内部に、仕切り11、11を設け、この仕切り11、11とろ過池8のろ過槽10の内壁面10a間にメディアろ過空間12、12を形成し、ろ過処理水の集水流路14bを仕切り壁11、11の下部に設け、集水流路14bの上側にろ過槽10の逆洗浄排水の排水流路16を設け、この排水流路16の上部に膜ろ過装置9の配設空間18を形成したのである。それにより、膜モジュール9aを被処理水Hに浸漬したままでろ材層13の逆洗浄が可能となり、乾燥または疎水化による膜への悪影響を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄水場における浄水処理など各種の水処理に適したろ過設備に係り、具体的には、メディアろ過池に膜ろ過装置を組み入れた複合ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水場における水処理は、砂、アンスラサイトまたは粒状活性炭などの粒状ろ材をろ過層(ろ過メディア)としたメディアろ過池(メディアろ過器または単にろ過装置とも言う)が一般に用いられている。しかし、このメディアろ過池では、ろ過速度が一定、すなわち処理水量が一定であるため、処理水量が変動した場合には、メディアろ過池の運転・停止などの運転操作を繰り返す必要があり、ろ過設備としては効率的ではなく、また処理水量の緊急的な増加に対応できないという問題がある。近年、このようなメディアろ過池に代わるろ過装置として膜ろ過装置が開発され、小規模の浄水場を中心として普及してきている。この膜ろ過装置はコンパクトであるため、設置スペースが小さくて済み、また懸濁物質や微細な病原性原虫なども分離可能であり、かつ、MF膜、UF膜、NF膜などの膜の種類を選択することにより、種々の水質の被処理水の処理に対応可能である。さらに、ユニット形式の膜モジュールを使用しているため、被処理水の処理規模に応じて自在に対応でき、建設工期が短くて済む。膜ろ過装置にはこのような利点がある反面、精密な膜を用いているため膜モジュールに目詰まりを生じ、1年に数回の薬品洗浄を行なう必要があり、また膜がその寿命に達すると膜モジュールを交換する必要があるため、装置コストのみならず、ランニングコストも高いという不利な面もある。
【0003】
また、最近では、浄水場などの水処理設備の敷地確保、およびその設備や運転、保守を含めた大型投資が一段と困難になってきており、その一方で浄水などの処理水の増加や変動に対して的確に対応することが要請され、かつ、処理水の水質基準もきめ細かく制限されるなど、被処理水の水質変化に対応できる処理水の充分な品質管理が要求されている。
【0004】
このような状況の中で、コンパクトで設置スペースが小さくて済み、処理水量の変動や被処理水の水質変動に的確かつ柔軟に対応でき、前述のような、メディアろ過池と膜ろ過装置の問題点を解消できる、極めて水処理効率に優れたろ過設備として、例えば、特許文献1では、従来のメディアろ過池および膜ろ過装置によるろ過技術を融合したメディア及び膜ろ過複合ろ過装置が開示されている。この複合ろ過装置は、図14および図15に示すように、このメディアろ過池8の、ろ材層(メディア)13を配置したろ過槽10に、ろ過時における被処理水の水位Lよりも下方となる位置に、膜モジュール9aを配設した膜ろ過装置(メンブレン)9とからなり、ろ過池8に供給された被処理水Hを、メディアろ過池8のメディアろ過槽10と膜ろ過装置9の双方によって同時にろ過処理し得るように、膜ろ過装置9の膜モジュール9aを、メディアろ過池8のろ過槽10の内部上方または排水流路に配設された装置構成となっている。
【特許文献1】特開2005−279408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された、膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池のろ過槽の内部上方または排水流路に配設することには、以下のような問題点を伴う。
(1)メディアろ過槽の逆洗浄時には、ろ過池のろ過槽の内部上方および排水流路の水(被処理水)が抜けて、すなわち、ろ過または排水されて、逆洗中は膜モジュールが大気中に露出するため、膜の乾燥または疎水化による悪影響を受けるおそれがある。
(2)膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池の排水流路内に設置した場合、膜モジュールがメディアろ過槽の逆洗排水流の衝撃を受けて、損傷等の悪影響を受けるおそれがある。
(3)膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池の排水流路内に設置した場合、膜モジュールの配設場所が、排水流路であり、膜モジュールを配設するために設けた配設空間ではないため、余分な空間が存在することになって、膜モジュールを薬品洗浄する際の薬液、廃液が余分に発生し、薬品費、動力費、廃棄物処理費など薬品洗浄のコストアップに繋がる。
(4)膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池の内部上方に設置した場合、膜モジュールを薬品洗浄する際、膜モジュールを取り外し、薬品洗浄設備へ移動させて洗浄する必要があり、薬品洗浄を行なう水槽および付帯設備、運搬設備が必要となり、設備費および薬品洗浄に係るコストアップに繋がる。
(5)膜モジュールの配設位置によっては、メディアろ過池の本体構造物の高さが高くなるため、ろ過装置の建設費が嵩む。
【0006】
そこで、この発明の課題は、メディアろ過槽の逆洗浄中に、膜ろ過装置のろ過膜の乾燥や疎水化を防止し、膜モジュールが逆洗排水流の衝撃等の悪影響を受けないようにして、膜劣化やろ過能力の低下を抑制し、かつ膜モジュールの薬品洗浄コストを節減できるメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
【0008】
請求項1に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、メディアろ過池と、このメディアろ過池に膜モジュールを配設した膜ろ過装置とからなり、メディアろ過池に供給された被処理水を、メディアろ過池のろ過槽と膜ろ過装置の両方でろ過処理をし、前記ろ過槽でのろ過処理水の集水装置と前記ろ過槽の逆洗浄排水の排水流路を備えたメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置であって、前記膜ろ過装置を、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てるようにした、メディアろ過池内部の空間に配設し、かつ、前記ろ過槽の逆洗浄排水を、前記膜ろ過装置に接触させずに前記排水流路へ排出する流路を設けたことを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、メディアろ過槽の逆洗浄時に、膜ろ過装置の膜モジュールが大気中に露出されないので、膜の乾燥および膜の疎水化による膜への悪影響が抑制される。また、前記ろ過槽の逆洗浄排水が膜モジュールに直接あたらず、膜モジュールが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュールへの損傷等の悪影響が抑制される。また、逆洗浄排水流をかわす必要がないため、膜モジュールの設置スペースがこの排水系の制約を受けずに膜の使用が可能であり、したがって、膜モジュールでの膜の充填率を大きくして、すなわち膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となる。さらに、膜ろ過装置の前記配設空間は、膜ろ過装置の専用水槽として使用できるため、この専用水槽内で膜モジュールの薬品洗浄を行なうことができ、薬品使用量、所要動力、洗浄廃液量が少なくて済む。それによって、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。
【0010】
請求項2に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、前記メディアろ過池の内部の排水流路の上方に前記配設空間を形成したことを特徴とする。
【0011】
このように膜ろ過装置を、排水流路の上部で、メディアろ過槽の比較的高い位置に配設すれば、前述の効果に加えて、膜ろ過ポンプを設置せずに、位置水頭のみで、または低揚程の補助ポンプを設置するだけで膜ろ過が可能となる効果も得られる。
【0012】
請求項3に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、前記メディアろ過池の内部に、第1の仕切りを設け、この第1の仕切りとメディアろ過池の内壁面の間に前記ろ過槽を形成し、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てる高さの第2の仕切りを前記第1の仕切りと所要の間隔で設け、この第2の仕切りの内側に前記膜ろ過装置の配設空間を形成し、前記第1の仕切りと第2の仕切りの間に前記排水流路を形成するようにしたことを特徴とする。
【0013】
このようにしても、前記の膜ろ過装置を排水流路の上方に設ける場合と同様の効果が得られる。また、メディアろ過池の構造物の高さを、膜ろ過装置を組み入れないメディアろ過単独処理の場合のろ過池の構造物の高さと同程度に低くすることができるため、メディアろ過池の建設コストを抑制することができる。ただし、この場合には、膜ろ過装置の配設位置が、前記排水流路の上方に設ける場合ほど高くないため、位置水頭のみ、または低揚程の補助ポンプだけでの膜ろ過は難しく、通常の膜ろ過ポンプの設置が必要である。なお、前記第1の仕切りと第2の仕切りの所要の間隔は、ろ過槽の逆洗浄排水を支障なく排出するのに必要な間隔であり、前記ろ過槽の容量等によって決まる設計値である。
【0014】
請求項4に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、前記メディアろ過池の内部に仕切りを設け、この仕切りを挟んで前記ろ過槽および前記配設空間を形成し、前記排水流路を前記ろ過槽の配設空間に接しない側面に設けたことを特徴とする。
【0015】
このようにしても、上記の2つの複合ろ過装置と同様の効果が得られる。この場合は、メディアろ過槽の逆洗浄排水の経路は前記配設空間に接しない側面に設けられており、膜ろ過装置とは完全に分離しているため、前記排水流路に設ける、逆洗浄排水の排出バルブの設置位置の影響を受けず、膜ろ過装置をろ過槽内で低い位置に設置しやすくなる。それによって、ろ過池の構造物の高さを、メディアろ過単独処理の場合と同等に低くすることができるため、ろ過装置建設コストを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
この発明では、メディアろ過池と膜ろ過装置を組み入れた複合ろ過装置で、メディアろ過池内に膜ろ過装置の専用水槽となる配設空間を設けたので、前述のように、メディアろ過槽の逆洗浄時に、膜モジュールの乾燥または疎水化による膜への悪影響を抑制し、かつ逆洗浄排水が膜モジュールに直接あたらないため、衝撃による膜モジュールの損傷等の悪影響を排除し、膜の設置数および膜の充填率を増加させて膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能である。また、膜ろ過装置の配設空間が専用水槽となるため、膜モジュールの薬品洗浄を行なう際に、薬品使用量、所要動力、洗浄廃液量が少なくて済み、薬品洗浄コストを抑制することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、この発明の実施形態を添付の図1から図13に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の複合ろ過装置の処理対象として、浄水処理を中心に述べるが、本発明は、浄水処理に限らず、工業用水、生活用水、下水などの各種の分野で発生する不純物を含む様々の排水の処理に適用できる。
【0018】
図1は、本発明の実施形態のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置を備えた浄水処理設備の概要を示したもので、図1には下記第1の実施形態の複合ろ過装置を記載している。河川などの水源から、原水Gが浄水場の着水井1に送られ、着水井1に貯留された原水Gは前処理設備Aに供給されて前処理がなされた後、被処理水Hとしてろ過設備Bに供給されて浄水処理されて浄水となる。まず、原水Gは、前処理設備Aの急速攪拌槽2に供給される。急速攪拌槽2では、凝集剤が添加され、原水と凝集剤が急速攪拌により均等に混合されて原水G中の汚濁物質は凝集してフロックとなる。急速攪拌後の原水Gは、緩速攪拌槽3に供給され、緩やかに攪拌されて前記フロックはさらに凝集、成長する。次に、原水Gは沈澱池4に送られ、成長したフロックは重力により沈降分離され、上澄みの原水が被処理水Hとしてろ過設備Bに送られる。富栄養化などにより原水Gの水質が悪化している水源では、フロックが分離された上澄みの原水は、オゾン接触槽5および活性炭吸着槽6に送られて異臭味および有機物などが分解、吸着除去されて被処理水Hとしてろ過設備Bの複合ろ過装置7に送られる。
【0019】
図2は第1の実施形態の複合ろ過装置の側面図を示したもので、この複合ろ過装置7は、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の異なるろ過手段が一体に設備構成されたものである。メディアろ過池8のろ過槽10の内部には、図3に、図2に示した装置側面に対して正面を斜視した正面斜視図を示すように、膜ろ過装置9の周囲に仕切り壁11、11が、所要の間隔、すなわち膜ろ過装置9の配設が可能な間隔をもって設けられ、ろ過槽10の内部の両側に、メディアろ過空間12、12が形成されている。このメディアろ過空間12の下部には、ろ材層(メディア)13、13がそれぞれ配置され、このろ材層13、13の下部には被処理水Hがろ材層13、13を通過してメディアろ過された処理水の集水装置14a、14aが設けられている。そして、この集水装置14aの下方側の、仕切り壁11、11の下部には、集水装置14aからの処理水が流通する集水流路14bが設けられ、この集水流路14bの上方には、隔壁15を介して、前記ろ材層13、13の逆洗浄排水の排水流路16が設けられている。前記メディアろ過空間12、12のろ材層13、13の上部に、この第1の実施形態では、ろ過槽10の内壁面10aからそれぞれ前記仕切り壁11、11にわたるトラフ17が、図3に示したように、膜ろ過装置9の配設方向にそれぞれ複数設けられ、このトラフ17の端部17aが、前記排水流路16に開放されている。
【0020】
なお、上記第1の実施形態では、トラフ17がろ過槽10の内壁面10aからそれぞれ前記仕切り壁11にわたるように構成されたが、これに限定されるものではなく、トラフ17の端部17aが排水流路16に開放されるように構成されればよく、以下の他の実施形態でも同様である。
【0021】
前記膜ろ過装置9は、合成樹脂またはセラミックなどで形成された複数の膜モジュール9aをユニット化して組み込んだ浸漬型の膜ろ過装置であり、前記仕切り壁11、11とろ過槽10の内壁面10a間に設けたトラフ17、17よりも上側に隔壁16aを設けて排水流路16の上方に配設され、この隔壁16aと一対の仕切り壁11、11とで、膜ろ過装置9を配設する配設空間18が形成されている。膜ろ過装置9の前記配設位置は、膜ろ過装置9がろ過処理時の被処理水の水位Lよりも下方に収まる位置である。図3に示したように、ろ過槽10の一端側、すなわち、被処理水Hの流入側には、前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hの流入渠19およびメディアろ過された処理水の流出渠20が設けられ、また、他端側にはろ材層13の逆洗浄排水を排出する排水渠21が設けられ、低揚程の膜ろ過用ポンプ22が設置されている。前記流入渠19は、膜ろ過装置9の配設空間18に開閉自在の仕切り手段(図示省略)を介して連通し、前記流出渠20は、同様に開閉自在の仕切り手段(図示省略)を介して集水流路14bに連通している。また、前記排水渠21は、開閉自在の仕切り手段(図示省略)を介して排水流路16に連通している。このようにして、メディアろ過池8と膜ろ過装置9から複合ろ過装置7が形成されている。
【0022】
なお、前記膜モジュール9aとしては、中空糸膜に限定されず、平膜、管状などの膜エレメントを用いることができる。とくに、処理水として浄水を得る場合には、MF膜、UF膜などを好適に用いることができる。また、メディアであるろ材層には、砂、アンスラサイト、粒状活性炭などの粒状ろ材を用いることができる。
【0023】
この発明の第1の実施形態は以上のような構成であり、以下にその機能について説明する。
【0024】
前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hは、一旦流入渠19に流入した後、前記仕切り手段(図示省略)を開放することにより、膜ろ過装置9の配設空間18に流入し、仕切り壁11、11を越流してメディアろ過空間12、12に流入する。メディアろ過空間12、12に流入した被処理水Hは、排水流路16およびろ過槽10内に充満する。このろ過槽10の水位Lは、流入渠19の被処理水Hとほぼ同じレベルの高さになり、前記水位Lは膜ろ過装置9よりも高い位置にある。そして、メディアろ過池8のバルブおよび膜ろ過装置9の膜ろ過用ポンプ22などのろ過処理手段を操作してろ過処理を開始すると、メディアろ過空間12、12(メディアろ過池8)では、被処理水Hは、ろ材層13、13を通過してろ過されて処理水J1となり、この処理水J1は集水装置14a、および集水流路14bを経て流出渠20に流出し、図1に示したように、浄水池Pに送られる。一方、膜ろ過装置9の配設空間18に流入した被処理水Hは膜モジュール9aから膜ろ過用ポンプ22により配管(図示省略)を介して吸引されて処理水J2となり、前記浄水池Pに送られる。このように、メディアろ過によって得られた処理水J1と膜ろ過によって得られた処理水J2とが浄水池Pに集水され、この集水された処理水J(J1+J2)が水道水等の浄水用途に供される。なお、図1のろ過設備Bで、26は流量計であり、この流量計26により処理水J2の流量を測定して膜ろ過ポンプ22にフィ−ドバックすることにより、任意の膜ろ過流束、または任意流量に調整することができる。また、場合によっては、ろ過槽10と浄水池Pの水位差を利用して流量計26と流量調節弁(図示省略)でろ過を行なうことができる。
【0025】
前記メディアろ過槽10のろ材層13および膜ろ過装置9の膜モジュール9aの目詰まりによるろ過効率の低下を防止するために行なう逆洗浄時には、図1に示したように、高架上に設置した逆洗浄水槽27から、前記処理水J1およびJ2を浄水池Pに送る送水管24a、24bの※1、※2の位置に、逆洗浄水の供給管(図示省略)を接続して、前記ろ材層13および膜モジュール9aにそれぞれ洗浄水が供給される。前記ろ材層13を逆洗浄する場合には、流入渠19の仕切り手段により、被処理水Hの配設空間18への供給を停止し、まず前記メディアろ過空間12、12から被処理水Hを流出渠20に流出させる。このとき、膜ろ過装置9によるろ過を停止して待機状態にすることにより、配設空間18内に処理水Hを残留させ、膜ろ過装置9を被処理水Hに浸漬した状態に維持する。その後、洗浄水槽27から洗浄水を流出渠20から集水流路14b、集水装置14aへと供給し、供給された洗浄水Kは、それぞれのろ材層13、13をろ過処理とは逆方向に通過し、また、ブロワ25(図1参照)からバブリング用空気が、ろ材層13、13の底部に設けた空気バブリング装置(図示省略)を介して洗浄水の通過方向へと供給され、バブリングを伴って洗浄排水がトラフ17に流れ込み、この洗浄排水が排水流路16の方に排水され、排水渠21からろ過槽10外に排出される。一方、膜ろ過装置9の膜モジュール9aを逆洗浄する場合には、前記洗浄水槽27から洗浄水Kが、洗浄水槽27と膜ろ過装置9間の静圧(差圧)により配管(図示省略)を介して膜ろ過装置9の膜モジュール9aに供給され、逆洗浄される。また、それと同時に、前記メディアろ過池8のろ材層13の洗浄用ブロワと共用できる前記洗浄用ブロワ25からバブリング用の空気を膜モジュール9aの下部に設けたバブリング装置(図示省略)を介して送り込み、膜(膜面)に気泡を衝突させる。そして、膜モジュール9aに供給された洗浄水Kが、ろ過処理時とは逆方向に流れ、前記気泡との相乗作用により洗浄される。前記洗浄水Kは、膜モジュール9aを通過して洗浄を終えて逆洗浄排水となり、この逆洗浄排水は、前記メディアろ過空間12、12に流入し、ろ材層13、13を通過して通常のろ過時と同様にメディアろ過されて処理水(浄水)となり、集水装置14a、集水流路14b、流出渠20を経て前記浄水池Pに送られる。なお、前記高架式の洗浄水槽27を設置できない場合には、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の逆洗浄のための専用ポンプを浄水池Pに設置すればよい。また、膜モジュール9aを、薬品を用いて洗浄する場合には、可搬式の薬液移送ポンプにより、使用する薬液を前記配設空間18内に供給して満たし、この薬液に膜モジュール9aを浸漬する洗浄方法、すなわち、膜ろ過装置9の配設空間18を薬液の浸漬槽として利用する洗浄方法を採用することができる。
【0026】
このように、上記複合ろ過装置7では、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の双方によってろ過処理することによって優れた水処理効率が得られる上に、ろ材層13の逆洗浄時でも、膜ろ過装置9は被処理水Hに浸漬された状態にあるため、ろ過膜の乾燥および疎水化による膜への悪影響が抑制される。ろ材層13の逆洗浄排水が、トラフ17から排水流路16に直接排水されるため、逆洗浄排水が膜モジュール9aに直接あたらず、膜モジュール9aが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュール9aへの損傷等の悪影響が抑制される。また、逆洗浄排水流をかわす必要がないため、すなわち、洗浄排水を排水流路16に排出するための前記トラフ17が、膜ろ過装置9の下方に設けてあるため、膜モジュール9aの設置スペースがトラフ17の配置によって制約を受けず、膜ろ過装置9への膜モジュール9aの設置充填率を大きくでき、膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となる。さらに、配設空間18内で膜モジュールの薬品洗浄を行なうことができるため、薬品使用量、所要動力、洗浄廃液量を節減でき、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。そして、膜ろ過装置9の配設位置が、排水流路16の上部で、メディアろ過池の比較的高い位置となるため、膜ろ過用ポンプ22として、低揚程の補助ポンプを設置するだけで、または膜ろ過用ポンプ22を設置せずに、位置水頭のみで膜ろ過が可能となる効果も得られる。
【0027】
図4は、第1の実施形態の変形例を示したもので、ろ過槽10の内部に設けた仕切り壁11とろ過槽10の内壁面10a間の、排水流路16の上方に、ろ過装置9の配設空間18が形成されている。このようにしても上記の効果が得られ、必要ろ過処理能力に応じて、複合ろ過装置をよりコンパクトに形成できる。
【0028】
図5は、第2の実施形態のメディアろ過池8と膜ろ過装置9の複合ろ過装置7aを示したものである。この前記複合ろ過装置7aは、図2に示した複合ろ過装置7と同様に、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の異なるろ過手段が一体に設備構成されたものであり、その正面斜視図を図6に示すように、メディアろ過池8のろ過槽10の内部には、第1の仕切り壁11、11が、所要の間隔をもって設けられ、ろ過槽10の内部の両側に、メディアろ過空間12、12が形成されている。このメディアろ過空間12、12の下部には、ろ材層(メディア)13、13がそれぞれ配置され、このろ材層13、13の下部には被処理水Hがろ材層13、13を通過してメディアろ過された処理水の集水装置14a、14aが設けられ、この集水装置14aの下方側の、第1の仕切り壁11、11の下部には、集水装置14aからの処理水が流通する集水流路14bが設けられている。この集水流路14bの上方には、隔壁15を介して膜ろ過装置9が配設され、その両側には、前記ろ材層13の逆洗浄時に膜ろ過装置9を被処理水Hに浸漬した状態に保てる高さの第2の仕切り壁11a、11aが設けられ、膜ろ過装置9の配設空間18が形成されている。膜ろ過装置9の両側には、前記第1の仕切り壁11、11と第2の仕切り壁11a、11aとで排水流路16、16を形成している。前記ろ材層13、13の上部に、第1の実施形態の場合と同様に、ろ過槽10の内壁面10aから第1の仕切り壁11、11間にわたるトラフ17が、図6に示したように、膜ろ過装置9の配設方向に沿ってそれぞれ複数設けられ、このトラフ17の端部17aが、前記排水流路16に開放されている。そして、ろ過槽10の一端側には、被処理水の流入渠19およびメディアろ過された処理水の流出渠20が設けられ、また他端側には、ろ材層13、13の逆洗浄排水を排出する排水渠21が設けられ、膜ろ過用ポンプ22が設置されている。
【0029】
この発明の第2の実施形態は以上のような構成であり、以下にその作用について説明する。
【0030】
前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hは、一旦流入渠19に流入した後、前記仕切り手段(図示省略)を開放することにより、膜ろ過装置9の配設空間18に流入する。配設空間18に流入した被処理水Hは第2の仕切り壁11a、11aを越流し、排水流路16および前記複数のトラフ17を通過して左右のメディアろ過空間12、12に流入し、被処理水は各トラフ17から溢流してメディアろ過空間12、12に充満する。そして、前記第1の実施形態の場合と同様にして、被処理水Hはろ材層13、13を通過してろ過された処理水J1が得られ、また、膜モジュール9aから吸引によりろ過されて処理水J2が得られ、これらの処理水J1、J2は浄水池Pに送られ、この集水された処理水J(J1+J2)が水道水等の浄水用途に供される。
【0031】
前記メディアろ過槽10のろ材層13、膜ろ過装置9の膜モジュール9aの逆洗浄、および膜モジュール9aの薬品を用いた洗浄は、前記第1の実施形態の場合と同様に行なうことができる。この場合も、逆洗浄時に、膜ろ過装置9によるろ過を停止して待機状態にすることにより、配設空間18内に被処理水Hを残留させ、膜ろ過装置9を被処理水Hに浸漬した状態に維持することができる。なお、ろ材層13の洗浄排水は、トラフ17、17に流れ込んで前記配設空間18の両側の排水流路16、16に排水され、排水渠21から複合ろ過装置7a外に排出される。
【0032】
このようにしても、ろ材層13の逆洗浄時でも、膜ろ過装置9は被処理水に浸漬された状態にあるため、ろ過膜の乾燥および膜の疎水化による膜への悪影響が防止される。また、排水流路16、16を前記配設空間18の両側に設けているため、逆洗浄排水が膜モジュール9aに直接あたらず、膜モジュール9aが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュール9aへの損傷等の悪影響が抑制される。さらに、膜モジュール9aの設置スペースが制約を受けず、したがって、膜ろ過装置9への膜モジュール9aの設置充填率を大きくでき、膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となる。そして、前述のように、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。
【0033】
図7は、第2の実施形態の変形例1を示したもので、この複合ろ過装置7a1は、ろ過槽10の内部に設けた前記第2の仕切り壁11とろ過槽10の一方の内壁面10a間の、集水流路14bの上方に、ろ過装置9の配設空間18が形成されている。また、第1の仕切り壁11とろ過槽10の他方の内壁面10aとの間に、ろ材層13を配置したメディアろ過空間12が形成され、第1の仕切り壁11と第2の仕切り壁11a間に排水流路16が形成されている。このようにしても第2の実施形態と同様の効果が得られ、必要ろ過処理能力に応じて、複合ろ過装置をよりコンパクトに形成できる。
【0034】
図8(a)および(b)は、第2の実施形態の変形例2を示したもので、この複合ろ過装置7a2は、前記第2の仕切り壁11aが膜ろ過装置9の周囲を囲むように設けられ、この仕切り壁11aの内側が前記膜ろ過装置9の配設空間18となっている。このようにしても、第2の実施形態の場合と同様の効果が得られ、膜ろ過装置9の容量に対応した配設空間18を形成することができる。
【0035】
図9は、第3の実施形態のメディアろ過池8と膜ろ過装置9の複合ろ過装置7bを示したものである。この複合ろ過装置7bは、前記第1の実施形態および第2の実施形態の複合ろ過装置7、7aと同様に、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の異なるろ過手段が一体に設備構成されたものであり、その正面斜視図を図10に示すように、メディアろ過池8のろ過槽10の内部に仕切り壁11、11が、膜ろ過装置9の配設が可能な間隔をもって設けられ、ろ過槽10の内部の両側に、メディアろ過空間12、12が形成されている。このメディアろ過空間12の下部には、ろ材層(メディア)13、13がそれぞれ配置され、このろ材層13、13の下部には被処理水Hがろ材層13、13を通過してメディアろ過された処理水の集水装置14a、14aが設けられ、この集水装置14aの下方側の、仕切り壁11、11の下部には、集水装置14aからの処理水が流通する集水流路14bが設けられている。この集水流路14bの上方には、隔壁15を介して膜ろ過装置9が配設され、前記仕切り壁11、11と隔壁15により膜ろ過装置9の配設空間18が形成されている。ろ過槽10の両方の外側壁10b、10bには、底部23aおよび側部23bからなる溝壁部23、23が形成され、外壁10b、10bと溝壁部23、23とで排水流路16、16がろ過槽10の外壁面10b側に、すなわち、ろ過槽10の、配設空間18に接しない側面に形成されている。この排水流路16、16は内壁面10a側に設けることもできる。前記ろ材層13、13の上部に、仕切り壁11、11からろ過槽10の内壁面10a、10aにわたってトラフ17、17が、図10に示すように、膜ろ過装置9の配設方向に沿ってそれぞれ複数設けられ、このトラフ17の端部17aが、排水流路16にそれぞれ開放されている。そして、前記複合ろ過装置7、7aの場合と同様に、ろ過槽10の一端側には、被処理水Hの流入渠19およびメディアろ過された処理水の流出渠20が設けられ、また、他端側には、ろ材層13、13の逆洗浄排水を排出する排水渠21が設けられ、膜ろ過用ポンプ22が設置されている。
【0036】
この発明の第3の実施形態は以上のような構成であり、以下にその作用について説明する。
【0037】
前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hは、一旦流入渠19に流入した後、前記仕切り手段(図示省略)を開放することにより、膜ろ過装置9の配設空間18に流入し、仕切り壁11、11を越流してメディアろ過空間12、12に流入する。メディアろ過空間12、12に流入した被処理水Hは、前記複数のトラフ17、17を通過して排水流路16にも流入し、ろ過槽10内に被処理水Hが充満する。そして、前記第1および第2の実施形態の場合と同様にして、被処理水Hはろ材層13、13を通過してろ過された処理水J1が得られ、また、膜モジュール9aから吸引によりろ過されて処理水J2が得られ、これらの処理水J1、J2は浄水池Pに送られ、この集水された処理水J(J1+J2)が水道水等の浄水用途に供される。
【0038】
前記メディアろ過槽10のろ材層13、膜ろ過装置9の膜モジュール9aの逆洗浄、および膜モジュール9aの薬品を用いた洗浄は、前記第1および第2の実施形態の複合ろ過装置7、7aの場合と同様に行なうことができる。ただし、図6および図7に示した複合ろ過装置7bでは、ろ材層13、13の逆洗浄排水は、トラフ17から、ろ過槽10の外側壁10b側にそれぞれ設けた排水流路16に排水されて、複合ろ過装置7b外に排出される。
【0039】
このようにしても、ろ材層13の逆洗浄時に、膜ろ過装置9は被処理水に浸漬された状態にあるため、膜の乾燥および膜の疎水化による膜への悪影響が防止される。また、膜モジュール9aが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュール9aへの損傷等の悪影響も抑制され、さらに、前述のように、膜モジュール9aの設置充填率を大きくでき、膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となり、さらに、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。
【0040】
図11は、第3の実施形態の変形例1を示したもので、この複合ろ過装置7b1は、ろ過槽10の内部に設けた仕切り壁11とろ過槽10の一方の内壁面10a1間の、集水流路14bの上方に、膜ろ過装置9の配設空間18が形成され、前記仕切り壁11とろ過槽10の他方の内壁面10a2との間にメディアろ過空間12が形成されている。そして、ろ材層13の逆洗浄排水の排水流路16が、ろ過槽10の、配設空間18に接しない他方の内壁面10a2側の外側壁10bの方に形成されている。このようにしても第3の実施形態と同様の効果が得られ、必要ろ過処理能力に応じて、複合ろ過装置をよりコンパクトに形成できる。
【0041】
図12(a)および(b)は、第3の実施形態の変形例2を示したもので、この複合ろ過槽装置7b2は、前記第3の実施形態の複合ろ過装置7bとは、メディアろ過空間12、12と排水流路16とを連通させるための前記トラフ17の配置方向が異なり、膜ろ過装置9への膜モジュール9aの充填方向に沿ってトラフ17が配置されている。そして、図12(a)に示したように、トラフ28がろ過槽10の内部に前記トラフ17に直交する方向に設けられ、トラフ17の端部17aはトラフ28に開放されており、このトラフ28の端部28a、28aが、ろ過槽10の、配設空間18に接しない側面側にそれぞれ形成された排水流路16に開放されている。このようにしても、第3の実施形態と同様の効果が得られ、設置スペースに合わせるなど、複合ろ過装置の設計に融通性を持たせることができる。
【0042】
図13(a)および(b)は、第3の実施形態の変形例3を示したもので、この複合ろ過槽装置7b3は、前記第3の実施形態の複合ろ過装置7bとは、メディアろ過池8内での膜ろ過装置9の配設位置と配設数、および排水流路16の設置位置が異なる。ろ過槽10の外壁10b、10bと、この外壁10b、10bに取り付けられた、底部23aおよび側部23bからなる溝壁部23、23によって膜ろ過装置9の配設空間18、18がろ過槽10の両側に形成され、この配設空間18、18内に膜ろ過装置9、9がそれぞれ配設されている。また、ろ過槽10の内部に設けた仕切り壁11、11とろ過槽10の内壁面10aとの間に、ろ材層13、13を配置したメディアろ過空間12、12が形成されている。前記仕切り壁11、11間に排水流路16が形成され、ろ材層13、13の逆洗浄排水がトラフ17、17を介して排水流路16に流れ込むようになっている。このようにしても、第3の実施形態と同様の効果が得られ、膜ろ過装置9の増設により、複合ろ過装置のろ過処理能力の向上など、複合ろ過装置のろ過処理能力に融通性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態の複合ろ過装置を備えた浄水処理設備の概要を示す説明図である。
【図2】第1の実施形態の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図3】図2の複合ろ過装置の正面切り欠き斜視図である。
【図4】第1の実施形態の変形例(縦断側面)を示す説明図である。
【図5】第2の実施形態の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図6】図5の複合ろ過装置の正面切り欠き斜視図である。
【図7】第2の実施形態の変形例1(縦断側面)を示す説明図である。
【図8】(a)第2の実施形態の変形例2を示す説明図(平面図)である。(b)同上の説明図(縦断側面)である。
【図9】第3の実施形態の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図10】図9の複合ろ過装置の正面切り欠き斜視図である。
【図11】第3の実施形態の変形例1(縦断側面)を示す説明図である。
【図12】(a)第3の実施形態の変形例2を示す説明図(平面図)である。(b)同上の説明図(縦断側面)である。
【図13】(a)第3の実施形態の変形例3を示す説明図(平面図)である。(b)同上の説明図(縦断側面)である。
【図14】従来技術の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図15】図14の複合ろ過装置を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1:着水井 2:急速攪拌槽 3:緩速攪拌槽
4:沈澱池 5:オゾン接触槽 6:活性炭吸着槽
7、7a1、7a2、7b、7b1〜7b3:複合ろ過装置
8:メディアろ過池 9:膜ろ過装置 9a:膜モジュール
10:ろ過槽 10a、10a1、10a2:内壁面 10b:外側壁
11:仕切り壁 12:メディアろ過空間
13:ろ材層 14a:集水装置 14b:集水流路
15:隔壁 16:排水流路 16a:隔壁
17:トラフ 17a:トラフ端部 18:配設空間
19:流入渠 20:流出渠 21:排水渠
22:膜ろ過用ポンプ 23:溝壁部 23a:底部
23b:側部 24a、24b:送水管 25:ブロワ
26:流量計 27:洗浄水槽 28:トラフ
28a:トラフ端部 J、J1、J2:浄水 K:洗浄水
P:浄水池
【技術分野】
【0001】
この発明は、浄水場における浄水処理など各種の水処理に適したろ過設備に係り、具体的には、メディアろ過池に膜ろ過装置を組み入れた複合ろ過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水場における水処理は、砂、アンスラサイトまたは粒状活性炭などの粒状ろ材をろ過層(ろ過メディア)としたメディアろ過池(メディアろ過器または単にろ過装置とも言う)が一般に用いられている。しかし、このメディアろ過池では、ろ過速度が一定、すなわち処理水量が一定であるため、処理水量が変動した場合には、メディアろ過池の運転・停止などの運転操作を繰り返す必要があり、ろ過設備としては効率的ではなく、また処理水量の緊急的な増加に対応できないという問題がある。近年、このようなメディアろ過池に代わるろ過装置として膜ろ過装置が開発され、小規模の浄水場を中心として普及してきている。この膜ろ過装置はコンパクトであるため、設置スペースが小さくて済み、また懸濁物質や微細な病原性原虫なども分離可能であり、かつ、MF膜、UF膜、NF膜などの膜の種類を選択することにより、種々の水質の被処理水の処理に対応可能である。さらに、ユニット形式の膜モジュールを使用しているため、被処理水の処理規模に応じて自在に対応でき、建設工期が短くて済む。膜ろ過装置にはこのような利点がある反面、精密な膜を用いているため膜モジュールに目詰まりを生じ、1年に数回の薬品洗浄を行なう必要があり、また膜がその寿命に達すると膜モジュールを交換する必要があるため、装置コストのみならず、ランニングコストも高いという不利な面もある。
【0003】
また、最近では、浄水場などの水処理設備の敷地確保、およびその設備や運転、保守を含めた大型投資が一段と困難になってきており、その一方で浄水などの処理水の増加や変動に対して的確に対応することが要請され、かつ、処理水の水質基準もきめ細かく制限されるなど、被処理水の水質変化に対応できる処理水の充分な品質管理が要求されている。
【0004】
このような状況の中で、コンパクトで設置スペースが小さくて済み、処理水量の変動や被処理水の水質変動に的確かつ柔軟に対応でき、前述のような、メディアろ過池と膜ろ過装置の問題点を解消できる、極めて水処理効率に優れたろ過設備として、例えば、特許文献1では、従来のメディアろ過池および膜ろ過装置によるろ過技術を融合したメディア及び膜ろ過複合ろ過装置が開示されている。この複合ろ過装置は、図14および図15に示すように、このメディアろ過池8の、ろ材層(メディア)13を配置したろ過槽10に、ろ過時における被処理水の水位Lよりも下方となる位置に、膜モジュール9aを配設した膜ろ過装置(メンブレン)9とからなり、ろ過池8に供給された被処理水Hを、メディアろ過池8のメディアろ過槽10と膜ろ過装置9の双方によって同時にろ過処理し得るように、膜ろ過装置9の膜モジュール9aを、メディアろ過池8のろ過槽10の内部上方または排水流路に配設された装置構成となっている。
【特許文献1】特開2005−279408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された、膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池のろ過槽の内部上方または排水流路に配設することには、以下のような問題点を伴う。
(1)メディアろ過槽の逆洗浄時には、ろ過池のろ過槽の内部上方および排水流路の水(被処理水)が抜けて、すなわち、ろ過または排水されて、逆洗中は膜モジュールが大気中に露出するため、膜の乾燥または疎水化による悪影響を受けるおそれがある。
(2)膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池の排水流路内に設置した場合、膜モジュールがメディアろ過槽の逆洗排水流の衝撃を受けて、損傷等の悪影響を受けるおそれがある。
(3)膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池の排水流路内に設置した場合、膜モジュールの配設場所が、排水流路であり、膜モジュールを配設するために設けた配設空間ではないため、余分な空間が存在することになって、膜モジュールを薬品洗浄する際の薬液、廃液が余分に発生し、薬品費、動力費、廃棄物処理費など薬品洗浄のコストアップに繋がる。
(4)膜ろ過装置の膜モジュールを、単にメディアろ過池の内部上方に設置した場合、膜モジュールを薬品洗浄する際、膜モジュールを取り外し、薬品洗浄設備へ移動させて洗浄する必要があり、薬品洗浄を行なう水槽および付帯設備、運搬設備が必要となり、設備費および薬品洗浄に係るコストアップに繋がる。
(5)膜モジュールの配設位置によっては、メディアろ過池の本体構造物の高さが高くなるため、ろ過装置の建設費が嵩む。
【0006】
そこで、この発明の課題は、メディアろ過槽の逆洗浄中に、膜ろ過装置のろ過膜の乾燥や疎水化を防止し、膜モジュールが逆洗排水流の衝撃等の悪影響を受けないようにして、膜劣化やろ過能力の低下を抑制し、かつ膜モジュールの薬品洗浄コストを節減できるメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、この発明では以下の構成を採用したのである。
【0008】
請求項1に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、メディアろ過池と、このメディアろ過池に膜モジュールを配設した膜ろ過装置とからなり、メディアろ過池に供給された被処理水を、メディアろ過池のろ過槽と膜ろ過装置の両方でろ過処理をし、前記ろ過槽でのろ過処理水の集水装置と前記ろ過槽の逆洗浄排水の排水流路を備えたメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置であって、前記膜ろ過装置を、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てるようにした、メディアろ過池内部の空間に配設し、かつ、前記ろ過槽の逆洗浄排水を、前記膜ろ過装置に接触させずに前記排水流路へ排出する流路を設けたことを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、メディアろ過槽の逆洗浄時に、膜ろ過装置の膜モジュールが大気中に露出されないので、膜の乾燥および膜の疎水化による膜への悪影響が抑制される。また、前記ろ過槽の逆洗浄排水が膜モジュールに直接あたらず、膜モジュールが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュールへの損傷等の悪影響が抑制される。また、逆洗浄排水流をかわす必要がないため、膜モジュールの設置スペースがこの排水系の制約を受けずに膜の使用が可能であり、したがって、膜モジュールでの膜の充填率を大きくして、すなわち膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となる。さらに、膜ろ過装置の前記配設空間は、膜ろ過装置の専用水槽として使用できるため、この専用水槽内で膜モジュールの薬品洗浄を行なうことができ、薬品使用量、所要動力、洗浄廃液量が少なくて済む。それによって、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。
【0010】
請求項2に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、前記メディアろ過池の内部の排水流路の上方に前記配設空間を形成したことを特徴とする。
【0011】
このように膜ろ過装置を、排水流路の上部で、メディアろ過槽の比較的高い位置に配設すれば、前述の効果に加えて、膜ろ過ポンプを設置せずに、位置水頭のみで、または低揚程の補助ポンプを設置するだけで膜ろ過が可能となる効果も得られる。
【0012】
請求項3に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、前記メディアろ過池の内部に、第1の仕切りを設け、この第1の仕切りとメディアろ過池の内壁面の間に前記ろ過槽を形成し、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てる高さの第2の仕切りを前記第1の仕切りと所要の間隔で設け、この第2の仕切りの内側に前記膜ろ過装置の配設空間を形成し、前記第1の仕切りと第2の仕切りの間に前記排水流路を形成するようにしたことを特徴とする。
【0013】
このようにしても、前記の膜ろ過装置を排水流路の上方に設ける場合と同様の効果が得られる。また、メディアろ過池の構造物の高さを、膜ろ過装置を組み入れないメディアろ過単独処理の場合のろ過池の構造物の高さと同程度に低くすることができるため、メディアろ過池の建設コストを抑制することができる。ただし、この場合には、膜ろ過装置の配設位置が、前記排水流路の上方に設ける場合ほど高くないため、位置水頭のみ、または低揚程の補助ポンプだけでの膜ろ過は難しく、通常の膜ろ過ポンプの設置が必要である。なお、前記第1の仕切りと第2の仕切りの所要の間隔は、ろ過槽の逆洗浄排水を支障なく排出するのに必要な間隔であり、前記ろ過槽の容量等によって決まる設計値である。
【0014】
請求項4に係るメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置は、前記メディアろ過池の内部に仕切りを設け、この仕切りを挟んで前記ろ過槽および前記配設空間を形成し、前記排水流路を前記ろ過槽の配設空間に接しない側面に設けたことを特徴とする。
【0015】
このようにしても、上記の2つの複合ろ過装置と同様の効果が得られる。この場合は、メディアろ過槽の逆洗浄排水の経路は前記配設空間に接しない側面に設けられており、膜ろ過装置とは完全に分離しているため、前記排水流路に設ける、逆洗浄排水の排出バルブの設置位置の影響を受けず、膜ろ過装置をろ過槽内で低い位置に設置しやすくなる。それによって、ろ過池の構造物の高さを、メディアろ過単独処理の場合と同等に低くすることができるため、ろ過装置建設コストを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
この発明では、メディアろ過池と膜ろ過装置を組み入れた複合ろ過装置で、メディアろ過池内に膜ろ過装置の専用水槽となる配設空間を設けたので、前述のように、メディアろ過槽の逆洗浄時に、膜モジュールの乾燥または疎水化による膜への悪影響を抑制し、かつ逆洗浄排水が膜モジュールに直接あたらないため、衝撃による膜モジュールの損傷等の悪影響を排除し、膜の設置数および膜の充填率を増加させて膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能である。また、膜ろ過装置の配設空間が専用水槽となるため、膜モジュールの薬品洗浄を行なう際に、薬品使用量、所要動力、洗浄廃液量が少なくて済み、薬品洗浄コストを抑制することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、この発明の実施形態を添付の図1から図13に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の複合ろ過装置の処理対象として、浄水処理を中心に述べるが、本発明は、浄水処理に限らず、工業用水、生活用水、下水などの各種の分野で発生する不純物を含む様々の排水の処理に適用できる。
【0018】
図1は、本発明の実施形態のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置を備えた浄水処理設備の概要を示したもので、図1には下記第1の実施形態の複合ろ過装置を記載している。河川などの水源から、原水Gが浄水場の着水井1に送られ、着水井1に貯留された原水Gは前処理設備Aに供給されて前処理がなされた後、被処理水Hとしてろ過設備Bに供給されて浄水処理されて浄水となる。まず、原水Gは、前処理設備Aの急速攪拌槽2に供給される。急速攪拌槽2では、凝集剤が添加され、原水と凝集剤が急速攪拌により均等に混合されて原水G中の汚濁物質は凝集してフロックとなる。急速攪拌後の原水Gは、緩速攪拌槽3に供給され、緩やかに攪拌されて前記フロックはさらに凝集、成長する。次に、原水Gは沈澱池4に送られ、成長したフロックは重力により沈降分離され、上澄みの原水が被処理水Hとしてろ過設備Bに送られる。富栄養化などにより原水Gの水質が悪化している水源では、フロックが分離された上澄みの原水は、オゾン接触槽5および活性炭吸着槽6に送られて異臭味および有機物などが分解、吸着除去されて被処理水Hとしてろ過設備Bの複合ろ過装置7に送られる。
【0019】
図2は第1の実施形態の複合ろ過装置の側面図を示したもので、この複合ろ過装置7は、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の異なるろ過手段が一体に設備構成されたものである。メディアろ過池8のろ過槽10の内部には、図3に、図2に示した装置側面に対して正面を斜視した正面斜視図を示すように、膜ろ過装置9の周囲に仕切り壁11、11が、所要の間隔、すなわち膜ろ過装置9の配設が可能な間隔をもって設けられ、ろ過槽10の内部の両側に、メディアろ過空間12、12が形成されている。このメディアろ過空間12の下部には、ろ材層(メディア)13、13がそれぞれ配置され、このろ材層13、13の下部には被処理水Hがろ材層13、13を通過してメディアろ過された処理水の集水装置14a、14aが設けられている。そして、この集水装置14aの下方側の、仕切り壁11、11の下部には、集水装置14aからの処理水が流通する集水流路14bが設けられ、この集水流路14bの上方には、隔壁15を介して、前記ろ材層13、13の逆洗浄排水の排水流路16が設けられている。前記メディアろ過空間12、12のろ材層13、13の上部に、この第1の実施形態では、ろ過槽10の内壁面10aからそれぞれ前記仕切り壁11、11にわたるトラフ17が、図3に示したように、膜ろ過装置9の配設方向にそれぞれ複数設けられ、このトラフ17の端部17aが、前記排水流路16に開放されている。
【0020】
なお、上記第1の実施形態では、トラフ17がろ過槽10の内壁面10aからそれぞれ前記仕切り壁11にわたるように構成されたが、これに限定されるものではなく、トラフ17の端部17aが排水流路16に開放されるように構成されればよく、以下の他の実施形態でも同様である。
【0021】
前記膜ろ過装置9は、合成樹脂またはセラミックなどで形成された複数の膜モジュール9aをユニット化して組み込んだ浸漬型の膜ろ過装置であり、前記仕切り壁11、11とろ過槽10の内壁面10a間に設けたトラフ17、17よりも上側に隔壁16aを設けて排水流路16の上方に配設され、この隔壁16aと一対の仕切り壁11、11とで、膜ろ過装置9を配設する配設空間18が形成されている。膜ろ過装置9の前記配設位置は、膜ろ過装置9がろ過処理時の被処理水の水位Lよりも下方に収まる位置である。図3に示したように、ろ過槽10の一端側、すなわち、被処理水Hの流入側には、前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hの流入渠19およびメディアろ過された処理水の流出渠20が設けられ、また、他端側にはろ材層13の逆洗浄排水を排出する排水渠21が設けられ、低揚程の膜ろ過用ポンプ22が設置されている。前記流入渠19は、膜ろ過装置9の配設空間18に開閉自在の仕切り手段(図示省略)を介して連通し、前記流出渠20は、同様に開閉自在の仕切り手段(図示省略)を介して集水流路14bに連通している。また、前記排水渠21は、開閉自在の仕切り手段(図示省略)を介して排水流路16に連通している。このようにして、メディアろ過池8と膜ろ過装置9から複合ろ過装置7が形成されている。
【0022】
なお、前記膜モジュール9aとしては、中空糸膜に限定されず、平膜、管状などの膜エレメントを用いることができる。とくに、処理水として浄水を得る場合には、MF膜、UF膜などを好適に用いることができる。また、メディアであるろ材層には、砂、アンスラサイト、粒状活性炭などの粒状ろ材を用いることができる。
【0023】
この発明の第1の実施形態は以上のような構成であり、以下にその機能について説明する。
【0024】
前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hは、一旦流入渠19に流入した後、前記仕切り手段(図示省略)を開放することにより、膜ろ過装置9の配設空間18に流入し、仕切り壁11、11を越流してメディアろ過空間12、12に流入する。メディアろ過空間12、12に流入した被処理水Hは、排水流路16およびろ過槽10内に充満する。このろ過槽10の水位Lは、流入渠19の被処理水Hとほぼ同じレベルの高さになり、前記水位Lは膜ろ過装置9よりも高い位置にある。そして、メディアろ過池8のバルブおよび膜ろ過装置9の膜ろ過用ポンプ22などのろ過処理手段を操作してろ過処理を開始すると、メディアろ過空間12、12(メディアろ過池8)では、被処理水Hは、ろ材層13、13を通過してろ過されて処理水J1となり、この処理水J1は集水装置14a、および集水流路14bを経て流出渠20に流出し、図1に示したように、浄水池Pに送られる。一方、膜ろ過装置9の配設空間18に流入した被処理水Hは膜モジュール9aから膜ろ過用ポンプ22により配管(図示省略)を介して吸引されて処理水J2となり、前記浄水池Pに送られる。このように、メディアろ過によって得られた処理水J1と膜ろ過によって得られた処理水J2とが浄水池Pに集水され、この集水された処理水J(J1+J2)が水道水等の浄水用途に供される。なお、図1のろ過設備Bで、26は流量計であり、この流量計26により処理水J2の流量を測定して膜ろ過ポンプ22にフィ−ドバックすることにより、任意の膜ろ過流束、または任意流量に調整することができる。また、場合によっては、ろ過槽10と浄水池Pの水位差を利用して流量計26と流量調節弁(図示省略)でろ過を行なうことができる。
【0025】
前記メディアろ過槽10のろ材層13および膜ろ過装置9の膜モジュール9aの目詰まりによるろ過効率の低下を防止するために行なう逆洗浄時には、図1に示したように、高架上に設置した逆洗浄水槽27から、前記処理水J1およびJ2を浄水池Pに送る送水管24a、24bの※1、※2の位置に、逆洗浄水の供給管(図示省略)を接続して、前記ろ材層13および膜モジュール9aにそれぞれ洗浄水が供給される。前記ろ材層13を逆洗浄する場合には、流入渠19の仕切り手段により、被処理水Hの配設空間18への供給を停止し、まず前記メディアろ過空間12、12から被処理水Hを流出渠20に流出させる。このとき、膜ろ過装置9によるろ過を停止して待機状態にすることにより、配設空間18内に処理水Hを残留させ、膜ろ過装置9を被処理水Hに浸漬した状態に維持する。その後、洗浄水槽27から洗浄水を流出渠20から集水流路14b、集水装置14aへと供給し、供給された洗浄水Kは、それぞれのろ材層13、13をろ過処理とは逆方向に通過し、また、ブロワ25(図1参照)からバブリング用空気が、ろ材層13、13の底部に設けた空気バブリング装置(図示省略)を介して洗浄水の通過方向へと供給され、バブリングを伴って洗浄排水がトラフ17に流れ込み、この洗浄排水が排水流路16の方に排水され、排水渠21からろ過槽10外に排出される。一方、膜ろ過装置9の膜モジュール9aを逆洗浄する場合には、前記洗浄水槽27から洗浄水Kが、洗浄水槽27と膜ろ過装置9間の静圧(差圧)により配管(図示省略)を介して膜ろ過装置9の膜モジュール9aに供給され、逆洗浄される。また、それと同時に、前記メディアろ過池8のろ材層13の洗浄用ブロワと共用できる前記洗浄用ブロワ25からバブリング用の空気を膜モジュール9aの下部に設けたバブリング装置(図示省略)を介して送り込み、膜(膜面)に気泡を衝突させる。そして、膜モジュール9aに供給された洗浄水Kが、ろ過処理時とは逆方向に流れ、前記気泡との相乗作用により洗浄される。前記洗浄水Kは、膜モジュール9aを通過して洗浄を終えて逆洗浄排水となり、この逆洗浄排水は、前記メディアろ過空間12、12に流入し、ろ材層13、13を通過して通常のろ過時と同様にメディアろ過されて処理水(浄水)となり、集水装置14a、集水流路14b、流出渠20を経て前記浄水池Pに送られる。なお、前記高架式の洗浄水槽27を設置できない場合には、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の逆洗浄のための専用ポンプを浄水池Pに設置すればよい。また、膜モジュール9aを、薬品を用いて洗浄する場合には、可搬式の薬液移送ポンプにより、使用する薬液を前記配設空間18内に供給して満たし、この薬液に膜モジュール9aを浸漬する洗浄方法、すなわち、膜ろ過装置9の配設空間18を薬液の浸漬槽として利用する洗浄方法を採用することができる。
【0026】
このように、上記複合ろ過装置7では、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の双方によってろ過処理することによって優れた水処理効率が得られる上に、ろ材層13の逆洗浄時でも、膜ろ過装置9は被処理水Hに浸漬された状態にあるため、ろ過膜の乾燥および疎水化による膜への悪影響が抑制される。ろ材層13の逆洗浄排水が、トラフ17から排水流路16に直接排水されるため、逆洗浄排水が膜モジュール9aに直接あたらず、膜モジュール9aが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュール9aへの損傷等の悪影響が抑制される。また、逆洗浄排水流をかわす必要がないため、すなわち、洗浄排水を排水流路16に排出するための前記トラフ17が、膜ろ過装置9の下方に設けてあるため、膜モジュール9aの設置スペースがトラフ17の配置によって制約を受けず、膜ろ過装置9への膜モジュール9aの設置充填率を大きくでき、膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となる。さらに、配設空間18内で膜モジュールの薬品洗浄を行なうことができるため、薬品使用量、所要動力、洗浄廃液量を節減でき、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。そして、膜ろ過装置9の配設位置が、排水流路16の上部で、メディアろ過池の比較的高い位置となるため、膜ろ過用ポンプ22として、低揚程の補助ポンプを設置するだけで、または膜ろ過用ポンプ22を設置せずに、位置水頭のみで膜ろ過が可能となる効果も得られる。
【0027】
図4は、第1の実施形態の変形例を示したもので、ろ過槽10の内部に設けた仕切り壁11とろ過槽10の内壁面10a間の、排水流路16の上方に、ろ過装置9の配設空間18が形成されている。このようにしても上記の効果が得られ、必要ろ過処理能力に応じて、複合ろ過装置をよりコンパクトに形成できる。
【0028】
図5は、第2の実施形態のメディアろ過池8と膜ろ過装置9の複合ろ過装置7aを示したものである。この前記複合ろ過装置7aは、図2に示した複合ろ過装置7と同様に、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の異なるろ過手段が一体に設備構成されたものであり、その正面斜視図を図6に示すように、メディアろ過池8のろ過槽10の内部には、第1の仕切り壁11、11が、所要の間隔をもって設けられ、ろ過槽10の内部の両側に、メディアろ過空間12、12が形成されている。このメディアろ過空間12、12の下部には、ろ材層(メディア)13、13がそれぞれ配置され、このろ材層13、13の下部には被処理水Hがろ材層13、13を通過してメディアろ過された処理水の集水装置14a、14aが設けられ、この集水装置14aの下方側の、第1の仕切り壁11、11の下部には、集水装置14aからの処理水が流通する集水流路14bが設けられている。この集水流路14bの上方には、隔壁15を介して膜ろ過装置9が配設され、その両側には、前記ろ材層13の逆洗浄時に膜ろ過装置9を被処理水Hに浸漬した状態に保てる高さの第2の仕切り壁11a、11aが設けられ、膜ろ過装置9の配設空間18が形成されている。膜ろ過装置9の両側には、前記第1の仕切り壁11、11と第2の仕切り壁11a、11aとで排水流路16、16を形成している。前記ろ材層13、13の上部に、第1の実施形態の場合と同様に、ろ過槽10の内壁面10aから第1の仕切り壁11、11間にわたるトラフ17が、図6に示したように、膜ろ過装置9の配設方向に沿ってそれぞれ複数設けられ、このトラフ17の端部17aが、前記排水流路16に開放されている。そして、ろ過槽10の一端側には、被処理水の流入渠19およびメディアろ過された処理水の流出渠20が設けられ、また他端側には、ろ材層13、13の逆洗浄排水を排出する排水渠21が設けられ、膜ろ過用ポンプ22が設置されている。
【0029】
この発明の第2の実施形態は以上のような構成であり、以下にその作用について説明する。
【0030】
前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hは、一旦流入渠19に流入した後、前記仕切り手段(図示省略)を開放することにより、膜ろ過装置9の配設空間18に流入する。配設空間18に流入した被処理水Hは第2の仕切り壁11a、11aを越流し、排水流路16および前記複数のトラフ17を通過して左右のメディアろ過空間12、12に流入し、被処理水は各トラフ17から溢流してメディアろ過空間12、12に充満する。そして、前記第1の実施形態の場合と同様にして、被処理水Hはろ材層13、13を通過してろ過された処理水J1が得られ、また、膜モジュール9aから吸引によりろ過されて処理水J2が得られ、これらの処理水J1、J2は浄水池Pに送られ、この集水された処理水J(J1+J2)が水道水等の浄水用途に供される。
【0031】
前記メディアろ過槽10のろ材層13、膜ろ過装置9の膜モジュール9aの逆洗浄、および膜モジュール9aの薬品を用いた洗浄は、前記第1の実施形態の場合と同様に行なうことができる。この場合も、逆洗浄時に、膜ろ過装置9によるろ過を停止して待機状態にすることにより、配設空間18内に被処理水Hを残留させ、膜ろ過装置9を被処理水Hに浸漬した状態に維持することができる。なお、ろ材層13の洗浄排水は、トラフ17、17に流れ込んで前記配設空間18の両側の排水流路16、16に排水され、排水渠21から複合ろ過装置7a外に排出される。
【0032】
このようにしても、ろ材層13の逆洗浄時でも、膜ろ過装置9は被処理水に浸漬された状態にあるため、ろ過膜の乾燥および膜の疎水化による膜への悪影響が防止される。また、排水流路16、16を前記配設空間18の両側に設けているため、逆洗浄排水が膜モジュール9aに直接あたらず、膜モジュール9aが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュール9aへの損傷等の悪影響が抑制される。さらに、膜モジュール9aの設置スペースが制約を受けず、したがって、膜ろ過装置9への膜モジュール9aの設置充填率を大きくでき、膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となる。そして、前述のように、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。
【0033】
図7は、第2の実施形態の変形例1を示したもので、この複合ろ過装置7a1は、ろ過槽10の内部に設けた前記第2の仕切り壁11とろ過槽10の一方の内壁面10a間の、集水流路14bの上方に、ろ過装置9の配設空間18が形成されている。また、第1の仕切り壁11とろ過槽10の他方の内壁面10aとの間に、ろ材層13を配置したメディアろ過空間12が形成され、第1の仕切り壁11と第2の仕切り壁11a間に排水流路16が形成されている。このようにしても第2の実施形態と同様の効果が得られ、必要ろ過処理能力に応じて、複合ろ過装置をよりコンパクトに形成できる。
【0034】
図8(a)および(b)は、第2の実施形態の変形例2を示したもので、この複合ろ過装置7a2は、前記第2の仕切り壁11aが膜ろ過装置9の周囲を囲むように設けられ、この仕切り壁11aの内側が前記膜ろ過装置9の配設空間18となっている。このようにしても、第2の実施形態の場合と同様の効果が得られ、膜ろ過装置9の容量に対応した配設空間18を形成することができる。
【0035】
図9は、第3の実施形態のメディアろ過池8と膜ろ過装置9の複合ろ過装置7bを示したものである。この複合ろ過装置7bは、前記第1の実施形態および第2の実施形態の複合ろ過装置7、7aと同様に、メディアろ過池8と膜ろ過装置9の異なるろ過手段が一体に設備構成されたものであり、その正面斜視図を図10に示すように、メディアろ過池8のろ過槽10の内部に仕切り壁11、11が、膜ろ過装置9の配設が可能な間隔をもって設けられ、ろ過槽10の内部の両側に、メディアろ過空間12、12が形成されている。このメディアろ過空間12の下部には、ろ材層(メディア)13、13がそれぞれ配置され、このろ材層13、13の下部には被処理水Hがろ材層13、13を通過してメディアろ過された処理水の集水装置14a、14aが設けられ、この集水装置14aの下方側の、仕切り壁11、11の下部には、集水装置14aからの処理水が流通する集水流路14bが設けられている。この集水流路14bの上方には、隔壁15を介して膜ろ過装置9が配設され、前記仕切り壁11、11と隔壁15により膜ろ過装置9の配設空間18が形成されている。ろ過槽10の両方の外側壁10b、10bには、底部23aおよび側部23bからなる溝壁部23、23が形成され、外壁10b、10bと溝壁部23、23とで排水流路16、16がろ過槽10の外壁面10b側に、すなわち、ろ過槽10の、配設空間18に接しない側面に形成されている。この排水流路16、16は内壁面10a側に設けることもできる。前記ろ材層13、13の上部に、仕切り壁11、11からろ過槽10の内壁面10a、10aにわたってトラフ17、17が、図10に示すように、膜ろ過装置9の配設方向に沿ってそれぞれ複数設けられ、このトラフ17の端部17aが、排水流路16にそれぞれ開放されている。そして、前記複合ろ過装置7、7aの場合と同様に、ろ過槽10の一端側には、被処理水Hの流入渠19およびメディアろ過された処理水の流出渠20が設けられ、また、他端側には、ろ材層13、13の逆洗浄排水を排出する排水渠21が設けられ、膜ろ過用ポンプ22が設置されている。
【0036】
この発明の第3の実施形態は以上のような構成であり、以下にその作用について説明する。
【0037】
前記前処理設備Aから送られてきた被処理水Hは、一旦流入渠19に流入した後、前記仕切り手段(図示省略)を開放することにより、膜ろ過装置9の配設空間18に流入し、仕切り壁11、11を越流してメディアろ過空間12、12に流入する。メディアろ過空間12、12に流入した被処理水Hは、前記複数のトラフ17、17を通過して排水流路16にも流入し、ろ過槽10内に被処理水Hが充満する。そして、前記第1および第2の実施形態の場合と同様にして、被処理水Hはろ材層13、13を通過してろ過された処理水J1が得られ、また、膜モジュール9aから吸引によりろ過されて処理水J2が得られ、これらの処理水J1、J2は浄水池Pに送られ、この集水された処理水J(J1+J2)が水道水等の浄水用途に供される。
【0038】
前記メディアろ過槽10のろ材層13、膜ろ過装置9の膜モジュール9aの逆洗浄、および膜モジュール9aの薬品を用いた洗浄は、前記第1および第2の実施形態の複合ろ過装置7、7aの場合と同様に行なうことができる。ただし、図6および図7に示した複合ろ過装置7bでは、ろ材層13、13の逆洗浄排水は、トラフ17から、ろ過槽10の外側壁10b側にそれぞれ設けた排水流路16に排水されて、複合ろ過装置7b外に排出される。
【0039】
このようにしても、ろ材層13の逆洗浄時に、膜ろ過装置9は被処理水に浸漬された状態にあるため、膜の乾燥および膜の疎水化による膜への悪影響が防止される。また、膜モジュール9aが逆洗浄排水の流れによる衝撃を受けないため、膜モジュール9aへの損傷等の悪影響も抑制され、さらに、前述のように、膜モジュール9aの設置充填率を大きくでき、膜ろ過装置の設置スペースを小さくすることが可能となり、さらに、薬品洗浄コストを抑制することが可能となる。
【0040】
図11は、第3の実施形態の変形例1を示したもので、この複合ろ過装置7b1は、ろ過槽10の内部に設けた仕切り壁11とろ過槽10の一方の内壁面10a1間の、集水流路14bの上方に、膜ろ過装置9の配設空間18が形成され、前記仕切り壁11とろ過槽10の他方の内壁面10a2との間にメディアろ過空間12が形成されている。そして、ろ材層13の逆洗浄排水の排水流路16が、ろ過槽10の、配設空間18に接しない他方の内壁面10a2側の外側壁10bの方に形成されている。このようにしても第3の実施形態と同様の効果が得られ、必要ろ過処理能力に応じて、複合ろ過装置をよりコンパクトに形成できる。
【0041】
図12(a)および(b)は、第3の実施形態の変形例2を示したもので、この複合ろ過槽装置7b2は、前記第3の実施形態の複合ろ過装置7bとは、メディアろ過空間12、12と排水流路16とを連通させるための前記トラフ17の配置方向が異なり、膜ろ過装置9への膜モジュール9aの充填方向に沿ってトラフ17が配置されている。そして、図12(a)に示したように、トラフ28がろ過槽10の内部に前記トラフ17に直交する方向に設けられ、トラフ17の端部17aはトラフ28に開放されており、このトラフ28の端部28a、28aが、ろ過槽10の、配設空間18に接しない側面側にそれぞれ形成された排水流路16に開放されている。このようにしても、第3の実施形態と同様の効果が得られ、設置スペースに合わせるなど、複合ろ過装置の設計に融通性を持たせることができる。
【0042】
図13(a)および(b)は、第3の実施形態の変形例3を示したもので、この複合ろ過槽装置7b3は、前記第3の実施形態の複合ろ過装置7bとは、メディアろ過池8内での膜ろ過装置9の配設位置と配設数、および排水流路16の設置位置が異なる。ろ過槽10の外壁10b、10bと、この外壁10b、10bに取り付けられた、底部23aおよび側部23bからなる溝壁部23、23によって膜ろ過装置9の配設空間18、18がろ過槽10の両側に形成され、この配設空間18、18内に膜ろ過装置9、9がそれぞれ配設されている。また、ろ過槽10の内部に設けた仕切り壁11、11とろ過槽10の内壁面10aとの間に、ろ材層13、13を配置したメディアろ過空間12、12が形成されている。前記仕切り壁11、11間に排水流路16が形成され、ろ材層13、13の逆洗浄排水がトラフ17、17を介して排水流路16に流れ込むようになっている。このようにしても、第3の実施形態と同様の効果が得られ、膜ろ過装置9の増設により、複合ろ過装置のろ過処理能力の向上など、複合ろ過装置のろ過処理能力に融通性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態の複合ろ過装置を備えた浄水処理設備の概要を示す説明図である。
【図2】第1の実施形態の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図3】図2の複合ろ過装置の正面切り欠き斜視図である。
【図4】第1の実施形態の変形例(縦断側面)を示す説明図である。
【図5】第2の実施形態の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図6】図5の複合ろ過装置の正面切り欠き斜視図である。
【図7】第2の実施形態の変形例1(縦断側面)を示す説明図である。
【図8】(a)第2の実施形態の変形例2を示す説明図(平面図)である。(b)同上の説明図(縦断側面)である。
【図9】第3の実施形態の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図10】図9の複合ろ過装置の正面切り欠き斜視図である。
【図11】第3の実施形態の変形例1(縦断側面)を示す説明図である。
【図12】(a)第3の実施形態の変形例2を示す説明図(平面図)である。(b)同上の説明図(縦断側面)である。
【図13】(a)第3の実施形態の変形例3を示す説明図(平面図)である。(b)同上の説明図(縦断側面)である。
【図14】従来技術の複合ろ過装置の縦断側面を示す説明図である。
【図15】図14の複合ろ過装置を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1:着水井 2:急速攪拌槽 3:緩速攪拌槽
4:沈澱池 5:オゾン接触槽 6:活性炭吸着槽
7、7a1、7a2、7b、7b1〜7b3:複合ろ過装置
8:メディアろ過池 9:膜ろ過装置 9a:膜モジュール
10:ろ過槽 10a、10a1、10a2:内壁面 10b:外側壁
11:仕切り壁 12:メディアろ過空間
13:ろ材層 14a:集水装置 14b:集水流路
15:隔壁 16:排水流路 16a:隔壁
17:トラフ 17a:トラフ端部 18:配設空間
19:流入渠 20:流出渠 21:排水渠
22:膜ろ過用ポンプ 23:溝壁部 23a:底部
23b:側部 24a、24b:送水管 25:ブロワ
26:流量計 27:洗浄水槽 28:トラフ
28a:トラフ端部 J、J1、J2:浄水 K:洗浄水
P:浄水池
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアろ過池と、このメディアろ過池に膜モジュールを配設した膜ろ過装置とからなり、メディアろ過池に供給された被処理水を、メディアろ過池のろ過槽と膜ろ過装置の両方でろ過処理をし、前記ろ過槽でのろ過処理水の集水装置と前記ろ過槽の逆洗浄排水の排水流路を備えたメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置であって、前記膜ろ過装置を、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てるようにした、メディアろ過池内部の空間に配設し、かつ、前記ろ過槽の逆洗浄排水を、前記膜ろ過装置に接触させずに前記排水流路へ排出する流路を設けたことを特徴とするメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【請求項2】
前記メディアろ過池の内部の排水流路の上方に前記配設空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【請求項3】
前記メディアろ過池の内部に、第1の仕切りを設け、この第1の仕切りとメディアろ過池の内壁面の間に前記ろ過槽を形成し、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てる高さの第2の仕切りを前記第1の仕切りと所要の間隔で設け、この第2の仕切りの内側に前記膜ろ過装置の配設空間を形成し、前記第1の仕切りと第2の仕切りの間に前記排水流路を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【請求項4】
前記メディアろ過池の内部に仕切りを設け、この仕切りを挟んで前記ろ過槽および前記配設空間を形成し、前記排水流路を前記ろ過槽の配設空間に接しない側面に設けたことを特徴とする請求項1に記載のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【請求項1】
メディアろ過池と、このメディアろ過池に膜モジュールを配設した膜ろ過装置とからなり、メディアろ過池に供給された被処理水を、メディアろ過池のろ過槽と膜ろ過装置の両方でろ過処理をし、前記ろ過槽でのろ過処理水の集水装置と前記ろ過槽の逆洗浄排水の排水流路を備えたメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置であって、前記膜ろ過装置を、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てるようにした、メディアろ過池内部の空間に配設し、かつ、前記ろ過槽の逆洗浄排水を、前記膜ろ過装置に接触させずに前記排水流路へ排出する流路を設けたことを特徴とするメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【請求項2】
前記メディアろ過池の内部の排水流路の上方に前記配設空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【請求項3】
前記メディアろ過池の内部に、第1の仕切りを設け、この第1の仕切りとメディアろ過池の内壁面の間に前記ろ過槽を形成し、前記ろ過槽の逆洗浄時に膜ろ過装置を被処理水に浸漬した状態に保てる高さの第2の仕切りを前記第1の仕切りと所要の間隔で設け、この第2の仕切りの内側に前記膜ろ過装置の配設空間を形成し、前記第1の仕切りと第2の仕切りの間に前記排水流路を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【請求項4】
前記メディアろ過池の内部に仕切りを設け、この仕切りを挟んで前記ろ過槽および前記配設空間を形成し、前記排水流路を前記ろ過槽の配設空間に接しない側面に設けたことを特徴とする請求項1に記載のメディアろ過池と膜ろ過装置の複合ろ過装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−196139(P2007−196139A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18037(P2006−18037)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000192590)株式会社神鋼環境ソリューション (534)
【Fターム(参考)】
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