メディアを選択するための方法とシステム
【解決手段】メディアを選択するためのシステムと方法である。1つの実施形態では、メディアは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて選択される。別の実施形態では、本方法とシステムは、携帯装置、カーオーディオシステム、家庭用電子装置、携帯電話、又はメディアファイルを再生できるパーソナルコンピュータ及び何らかの他の装置で実行されているソフトウェアプログラムで実施される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯式メディアプレーヤーの様なメディア装置と、(装置で再生するための録音物の様な)メディアファイルを特定して選択する、メディアを選択するための方法とに関する。方法は、自動車のオーディオシステム、家庭用電子装置、携帯電話、パーソナルコンピュータで実行されるソフトウェアプログラム、又はメディアファイルを再生することのできる他のあらゆる装置で実施される。
【背景技術】
【0002】
MP3の様なデジタルオーディオ圧縮技術が出現し、増大一途のデータ量を記憶することができる安価な装置と組み合わされて、音楽コレクションやメディアファイルを管理し、それらにアクセスする画期的な新しい方法が開けた。Musicmatch、Real Networks、Yahoo! などによって開拓されたデジタルメディアプレーヤー又はメディアジュークボックスは、ユーザーが、音楽コレクションを、コンパクトディスクやレコードアルバムからコンピュータのハードドライブに記憶される圧縮デジタルオーディオフォーマットにコピーできるようにした。
【0003】
このフォーマットで記憶されると、ジュークボックスのソフトウェアを使って、ユーザーは、自分のメディアファイルと音楽コレクションの目録を作り、編成できるようになる。更に重要なのは、ソフトウェアが進歩したので、ユーザーが、録音物の再生に関して前例のない制御を行えるようになることである。トラックは、任意の順序で、トラックを検索するのに実質的に何の遅延も無く、再生することができる。音楽コレクション全体に亘る「ランダムアクセス」により、ユーザーは、再生前にトラックの注文リストを作成し、再生中にも再生リストの順序をスキップし、一時停止し、リプレイし、シャッフルし、又は編集できるようになった。安価なコンピュータメモリ(RAM)の導入によって、幾つかは同じ性能の比較的低容量の携帯音楽プレーヤーの作成に繋がった。
【0004】
最近では、更に安くて小さく、比較的丈夫な大量記憶装置の導入が、数千曲記憶容量を有する新世代の携帯装置に繋がってきている。全ての音楽コレクションが、今や、ポケット、財布、又は自動車のオーディオシステムに入る。
【0005】
しかしながら、携帯メディア装置は、限られたユーザーインターフェース用のリソースを有することが多い。装置自体が小さいので、ディスプレイは、概ね小さい。ボタン制御器の様な入力装置や選択装置は、簡素である。ポインティングデバイスとキーボードは、希または実用的ではない。携帯装置は、装置が、確実に、携帯可能で、経費効果があり、使い易く、その意図する環境で使用に耐えられるほど頑丈であるようにするため、簡素なユーザーインターフェースを選ばなければならない。携帯式メディアプレーヤーは、装置が作動する能力に困難を突きつけるのみならず、装置を操作するユーザーにも困難を突きつける環境で作動するように設計されている。携帯式メディアプレーヤーは、益々、自動車に用いられている。ジョギングする人や運動器具を操作している人も、広く携帯装置を使用している。
【0006】
ディスプレイやユーザー入力性能が制限されているので、プレイリストを操作し、数百又は数千の選択肢からアーティスト、アルバム、又はトラックを選択するというタスクは、厄介である。自動車のメディアプレーヤー器具に関していえば、ユーザーが自動車を運転しているときは、次のオーティオ録音物を選択するというタスクは、大いに危険である。ユーザーは、受身になり、事前にプログラムされたか、又はランダムなプレイリストを聴くだけになるのを余儀なくされる。
【0007】
パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤーは、ユーザーを同様の境遇に陥れる移行期を経験してきた。パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤーは、現在は、コンポーネントオーディオアンプ及びスピーカから成るホームエンターテイメントシステムを駆動させていることが多い。その様な環境では、リスニング環境は、パーソナルコンピュータとは異なる部屋にある。
【0008】
「メディアセンター」のパーソナルコンピュータは、テレビスクリーンの様な大型フォーマットのディスプレイ装置で表示される単純化されたユーザーインターフェースを使用する。
【0009】
或る距離から見るように設計されているその様な単純化されたユーザーインターフェースは、しばしば、ディスプレイからのユーザーの典型的な距離を指す「10フィートUI」と呼ばれる。携帯式なので、雰囲気又は状況に基づいてプレイリストを操作し、音楽と対話する能力は、減ぜられ、ユーザーは、受動的になりがちである。
【0010】
「リビングルーム」というリスニング環境も、ユーザーが、音楽選択プロセスと対話するのを消極的にする。パーソナルコンピュータが遠くにある場合、ユーザーは、インターフェースにアクセスするため別の部屋へ歩いて行かなければならない。パーソナルコンピュータがメディアセンターのパーソナルコンピュータである場合は、ディスプレイがオンになり、適切に切り替わり、インターフェース装置が(無線遠隔、マウス、キーボード)アクセス可能でなければならない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、メディアプレーヤーインターフェースの限界とリスニング環境の複雑性が相まってユーザーが音楽録音物の選択と対話するのを阻んでいる、というこれらの問題に取り組んでいる。
【0012】
本開示は、特に、メディア装置へのユーザーインターフェースが簡単で、ユーザーの操作環境が複雑な装置対話にならないときに、音楽プログラムをユーザーに合わせて作るようなやり方で、メディア装置と対話できるようにする方法とシステムについて述べる。
【0013】
或る実施形態では、メディア装置は、複数のメディアファイル、ユーザーインターフェース、及び第1、第2、第3要素の間の関係度を示すデータを含んでいる。第1要素は、所望の関係度と、第2メディアファイルを特定する要望とを示すユーザー入力を受信する。第2要素は、第1メディアファイルを特定する。第3要素は、所望の関係度と第1メディアファイルのアイデンティティに従って、第2メディアファイルを特定する。
【0014】
別の実施形態では、メディアファイルを対話して再生するための携帯メディアプレーヤーは、記憶装置とソフトウェアを含んでいる。記憶装置は、メディアファイルと、メディアファイル間の関係を示すデータ用の記憶装置である。ソフトウェアは、或る大きさを有するスキップを起動するイベントを受信し、スキップの大きさに基づいて、再生する次のメディアファイルを選択し、その際、スキップの大きさ、及び現在のメディアファイルと選択可能な代替メディアファイルの間の関連は、代替メディアファイルの1つを次のメディアファイルとして選択する可能性に影響を及ぼす。携帯プレーヤーは、更に、メディアファイルとメディアファイル間の関係を特定するのに用いられる情報が中に入っているデータベースシステムと、1つ又は複数のコンピュータ装置に接続するための通信ユニットを含んでいる。メディアファイル間の関係は、1つ又は複数のコンピュータ装置から、携帯メディアプレーヤーに転送される。
【0015】
別の実施形態では、メディアを選択する方法は、複数のメディアファイルの中の第1メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、所望の関係度と第2メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、メディアファイル間の関係度を示す関係データにアクセスする段階と、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及び第1メディアファイルのアイデンティティに従って第2メディアファイルを選択する段階と、を含んでいる。メディアファイルは、再生のための録音物であることを特徴とし、第1メディアファイルは現在の録音物であり、第2メディアファイルは新しい録音物である。
【0016】
別の実施形態では、システムは、1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されると、上記方法を実行するコンピュータ読み取り可能な命令を有する1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能メディアと、1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能メディアを具現化するコンピュータ装置を含む。
【0017】
更に別の実施形態は、録音物のシーケンスを作るため、スキップコマンドを使ってメディアファイルを選択するため、及び再生するためのメディアファイルを選択するための方法を含んでいる。本開示は、メディアファイルについて述べているが、限定するわけではないがビデオとオーディオの様なファイルを含めて、自動的手段によって読み取られ、ユーザーに知覚可能な体験を提供できる全ての種類のファイルが、本開示の範囲に含まれると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付図面は、本出願の一部を構成しているが、本発明の実施形態を例示するものであって、本発明の範囲を限定する意図はなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に基づくものとする。
【0019】
本開示の幾つかの例示的な実施形態について、添付図面を参照しながら論じるが、図面では、同様の参照番号は同様の構成要素を指す。
【0020】
概括的には、本開示は、メディアを選択するための方法、メディア装置、システム、及びユーザーインターフェースに関する。1つの実施形態では、メディアは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及び装置のメディアファイルのアイデンティティに基づいて選択される。その様な装置には、限定するわけではないが、携帯メディア装置、パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤー、メディア器具、ストリーミングメディア器具、衛星ラジオ又はビデオ受信器、携帯電話、及び/又は、記憶されている情報を知覚可能なユーザーユーザー体験に変換するのに適した他の器具又はハードウェア/ソフトウェア構成が含まれる。従って、各装置は、メディアを容易に選択できるようにする特定のシステム構成又はアーキテクチャによってサポートされている。
【0021】
メディアを選択する方法の別の実施形態では、方法は、複数のメディアファイルの中の1つのメディアファイルの少なくとも1つの属性の値を認識する段階と、所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの中の第2メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、前記複数のメディアファイルの中のメディアファイルの少なくとも1つの属性の値の間の関係度を示す関係データにアクセスする段階と、前記所望の関係度、前記ユーザー入力、前記関係データ、及び前記第1属性値に従って前記第2属性値を選択する段階と、前記選択された第2属性値に従って第2メディアファイルを選択する段階と、を含んでいる。
【0022】
1つの実施形態では、属性は、メディアファイルの基本的な録音物アーティストである。別の実施形態では、属性は、メディアファイル又は録音物のジャンルである。1つの実施形態では、メディアファイルは、録音物である。
【0023】
別の実施形態では、本方法は、追加の属性に基づいて第2メディアファイルの選択にバイアスを掛ける段階を更に含んでいる。1つの実施形態では、追加の属性は、メディアファイルの人気度である。別の実施形態では、追加の属性は、メディアファイルの明示的な格付けを示す。別の実施形態では、追加の属性は、システムの1つ又は複数の構成要素により追跡されて観察されたユーザーの行動(例えば、ユーザートラック選択、トラックの選択頻度、トラックを回避する標準的なスキップ、プレイリストからのトラック削除など)に基づく、メディアファイルの暗示的な格付けを示す。
【0024】
別の実施形態では、各装置は、これもメディアファイル間の関係度を示すデータを作成し易くするため、特定のシステム構成又はアーキテクチャによってサポートされている。
【0025】
1つの実施形態では、装置が、複数のメディアファイル間の関係度を示すデータを記憶しているとき、ユーザーは、複数のメディアファイルに関し幾つかの再生機能を行うことができる。これらの対話式再生機能については、後で更に詳しく述べる。
【0026】
携帯メディア装置の例示的な実施形態
1つの実施形態では、図1と図2に示すように、携帯メディア装置又は携帯メディアプレーヤーは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択する能力を有している。その様な携帯メディアプレーヤー装置には、限定するわけではないが、商標名APPLE IPOD、CREATIVE LABS ZEN MICRO、DELL DJ、IRIVER H10、RIO CARBONで知られているMP3プレーヤー、又はその様な機能を組み込んでいる携帯電話、又はメディアファイルを記憶及び/又は再生できる同様の装置が含まれる。図1は、関係データを作成し、関係データを携帯メディア装置にロードする例示的な方法を示している。図2は、関係データを作成し、携帯メディア装置にロードするための例示的なシステムアーキテクチャ又は構成を示している。図2は、パーソナルコンピュータ210に接続されている携帯音楽プレーヤー205を示しており、このパーソナルコンピュータは、中央集中音楽情報サーバー215に接続されている。携帯音楽プレーヤー205は、ボタン206の様な少なくとも1つのユーザー入力アイコンと、随意のディスプレイ207と、選択エンジン209と、オーディオレンダリング機能203と、同期化マネージャー208と、アーティスト、ジャンル、アルバム又は何らかの他の種類のカテゴリに基づく関係グラフ201と、オーティオ録音物202と、を備えている。パーソナルコンピュータ210は、音楽管理ソフトウェア212と、携帯装置マネージャー204と、オーディオライブラリ211と、を備えている。中央集中音楽情報サーバー215は、サーバーインターフェースアダプター213と、関係データベース214と、識別データベース216と、を備えている。
【0027】
更に、図1は、関係データを作成し、携帯メディア装置にロードするための例示的な方法を示している。図1に示す様に、携帯メディア装置、パーソナルコンピュータ、及び中央集中音楽情報サーバーの間に接続が確立される100。1つの実施形態では、携帯メディア装置、パーソナルコンピュータ、及び中央集中音楽情報サーバーの間に複数の接続がある。その様な通信接続は、有線又は無線、LAN、WAN、WiFi、セル方式、衛星、又は現在知られているか、知られるようになる通信を確立する他の手段であってよい。1つの例示的な実施形態では、パーソナルコンピュータと携帯メディア装置の間にある種類の接続があり、パーソナルコンピュータと中央集中音楽情報サーバーの間には、別の種類の接続がある。この様に、携帯メディア装置、PC、及び中央集中音楽情報サーバーを接続するための様々な種類の組み合わせ、構成要素、及び構成が考えられる。例えば、図2では、パーソナルコンピュータ210は、音楽管理ソフトウェア212とサーバーインターフェースアダプター213を通して、中央集中音楽情報サーバー215とインターフェースをとっている。更に、パーソナルコンピュータ210は、同期化マネージャー208と携帯装置マネージャー204を通して、携帯音楽プレーヤー205とインターフェースをとっている。1つの実施形態では、携帯装置マネージャー204の機能は、パーソナルコンピュータ210に配置されている全てのユーザーメディアライブラリ212と、携帯装置205に配置されているメディアファイルとを同期化することである。1つの実施形態では、同期化は、パーソナルコンピュータに配置されているメディアファイルの幾つか又は全てを携帯装置に転送することによって実現される。
【0028】
図1に戻るが、接続が確立された100後、プレイリストのデータが、携帯メディア装置とパーソナルコンピュータの間で同期化される105。1つの実施形態では、図2に示す様に、同期化マネージャー208は、パーソナルコンピュータ210から携帯装置205へのメディアファイルの転送を管理する。更に、同期化マネージャー208は、転送されたメディアファイルを記憶する。この様に、同期化マネージャー208と携帯装置マネージャー204は、協働して、全メディアファイルを携帯装置205に転送し、リストを作成する。
【0029】
携帯装置に転送されるファイルのリストが作られる110。つまり、「ターゲットリスト」が作られる110。図2では、携帯装置マネージャー204と同期化マネージャー208は、協働して、同期化処理が完了すると携帯装置205に記憶されることになるメディアファイルに関連するアーティスト(アルバム、ジャンル、又は何れかの他の種類のカテゴリとすることができる)のリストを作成する。
【0030】
図1に戻るが、全てのアーティスト又はメディアファイルのリスト(ターゲットリスト)が作られる110と、リストは、PCから中央集中音楽情報サーバーへ転送される115。1つの実施形態では、中央集中音楽情報サーバーは、インターネット又はネットワーク上に配置されている。1つの実施形態では、サーバーインターフェースアダプターは、ターゲットリストを含む要求を処理する。例えば、必要に応じて識別データベースを使って、アーティストの名前が特定される。1つの実施形態では、各アーティストの名前には、その特定のアーティストに対応する固有の識別子が割り当てられている。なお、アーティストに基づいて関係を参照するのは一例であって、他にも多くの種類の関係を使用することができる。別の実施形態では、各メディアファイルは、アーティストの名前だけでなく、又はそれに加えて、アルバム名及び/又はジャンル名、又は他の種類のカテゴリに関連するものと考えられる。例えば、他の実施形態では、1つ又は複数のメディアファイルの間の関係は、アルバム、トラック、格付け、ユーザーID、ジャンル及び/又は年代に基づいている。勿論、ファイルの種類と関連するメタデータに応じて、メディアファイルに関係する別のメタデータを使用して関係を形成してもよい。例えば、メディアファイルがテキスト記事であれば、メタデータは、作者、タイトル、主題、又は概要を含んでいる。
【0031】
次に、図1に示す様に、中央集中音楽情報サーバーは、ターゲットリストのメディアファイル間の関係データを構築する120。1つの実施形態では、関係データは、グラフであって、マスター関係データベースに基づいて構築されている。1つの実施形態では、グラフには、固有の各アーティストID(又は何らかの他の種類のID)の頂点と、関係付けられたアーティストの間のエッジがある。エッジは、2人のアーティスト間の関係の強度をエンコードする「重み」と呼ばれる値を含んでいる。相互関係に関する情報が、ここに記載している教示に従って記憶され、解釈され、アクセスされるのであれば、関係データのセットは、他の方法でも同様に構築することができる。
【0032】
アーティストベースの関係を使用する実施形態では、グラフと、アーティストの名前のIDへのマッピングは、それが、ネットワーク上で転送され、元の要求への応答として音楽管理ソフトウェアに送られるようなやり方で(例えば、順番に並べられる)エンコードされる。
【0033】
別の実施形態では、1つ又は複数のメディアファイル間の関係データは、遠隔ネットワークサーバー又は他の接続された構成装置を使用することなく、携帯装置自体で確立される。1つの実施形態では、これは、携帯装置上のメディアファイルの分析に基づいて関係データを形成し、次いで装置自体がデジタル信号処理することによって実現される。別の実施形態では、携帯装置は、キープ又はメディアファイル関係のマスターデータベースをホストし、このデータベースに対して携帯装置にロードされた録音物又はメディアファイルをマップするための方法及び手段をホストする。本開示の方法に記載されている処理を分散するには多くの可能な方法があることは明白である。
【0034】
図1に戻るが、関係セットが構築され120(グラフ及びマップ又はその他の種類何れかで)、関係データはパーソナルコンピュータに送られる125。例えば、図2では、関係データは、サーバーインターフェースアダプター213と音楽管理ソフトウェア212とインターフェースをとることによって、中央集中音楽情報サーバー215からパーソナルコンピュータ210に送られる。
【0035】
次に、図1に戻るが、サーバーは、関係データをパーソナルコンピュータに送り、パーソナルコンピュータは、関係データを携帯装置に送る130。例えば、図2では、パーソナルコンピュータ210は、携帯装置マネージャー204と同期化マネージャー204とインターフェースをとることによって、関係データセットを、携帯装置205に送る210。このとき135、携帯装置又は携帯メディアプレーヤーには、関係データセットが入っており、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択することができる。1つの実施形態では、ユーザーは、所望の関係度、ユーザー入力、及び関係データだけでなく、メディアファイルのアイデンティティにも基づいて、メディアファイルを選択することができる。1つの実施形態では、このメディアファイルは、目下再生しているメディアファイルである。別の実施形態では、このメディアファイルは、目下一時停止しているメディアファイルである。1つの実施形態では、ユーザーは、携帯装置で、既存のユーザーインターフェースボタン又は他の種類のメディア装置入力要素又はアイコンを使って、これらのメディアファイルの選択及び/又は再生を開始することができる。これらの再生機能については、以下に更に詳しく述べる。
【0036】
ここに述べる開示全体を通して、明示する機能と方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせで実行することができ、様々に説明する特徴と機能は、選択の問題として、複数のプロセッサに分散させることも、単一の装置に集めることもできるものと理解されたい。従って、装置で作動可能であると記載している特徴又は機能は、パーソナルコンピュータで実行してもよいし、パーソナルコンピュータを無くして携帯装置がサーバーと直接通信してもよいし、サーバーを必要とせずに、サーバーの機能をパーソナルコンピュータで実行するなどしてもよい。更に、以下に詳しく述べる様に、関係データを自律的に作成できる自立式装置は、どの様な装置でも作動できると記載されている特徴又は機能を実行する。1つの態様では、この装置は、適切な処理能力と、関係データを受信及び/又は引き出し、再生機能を呼び出し、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいてメディアファイルを選択する能力とを有している。
【0037】
パーソナルコンピュータベースのメディア装置の例示的な実施形態
パーソナルコンピュータベースの音楽管理システムで、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択するための方法、装置、及びシステム構成の別の例示的な実施形態を、図4と図5に示している。パーソナルコンピュータベースの音楽管理システムの例には、限定するわけではないが、商標名YAHOO!MUSIC ENGINE、MUSICMATCH JUKEBOXWINDOWS(登録商標) MEDIA PLAYER、APPLE ITUNES、及びREAL JUKEBOXで販売されているシステムが含まれる。図5は、関係データを作成し、関係データをパーソナルコンピュータにロードする例示的な方法を示している。更に、図4は、関係データを作成し、パーソナルコンピュータにロードするための例示的なシステムアーキテクチャ又は構成を示している。図5に示す様に、中央集中音楽情報サーバー、パーソナルコンピュータ、少なくとも1つのオーディオレンダリング装置、及び少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置の間に接続が確立される505。更に、別の実施形態では、ストリーミングサーバーが、システム内で接続されている。図4では、システム構成は、パーソナルコンピュータ210、中央集中音楽情報サーバー215、ストリーミングサーバー440、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430、及び少なくとも1つ又は複数の遠隔又はローカルオーディオレンダリング装置425を含んでいる。具体的に、パーソナルコンピュータ210は、メディア管理ソフトウェアのユーザーインターフェース212、オーディオレンダリング機能420、選択エンジン415、及び(何らかの種類のカテゴリに基づく)アーティスト関係グラフ405、オーディオライブラリ211、及びストリーミングライブラリインベントリ410を含んでいる。中央集中音楽情報サーバー215は、更に、サーバーインターフェースアダプター213、ストリーミングインベントリデータベース435、関係データベース214、及び識別データベース216を含んでいる。ロード及び機能を複数のサーバーに分散することは、サーバー環境の慣例なので、中央集中音楽情報サーバーによって示される機能は、1つ又は複数のサーバーによって実施されることに留意されたい。例えば、図4で、パーソナルコンピュータ210は、パーソナルコンピュータベースの音楽管理システム212のメディア管理ソフトウェア212とサーバーインターフェースアダプター213とインターフェースをとることによって、中央集中音楽情報サーバー215に接続される。パーソナルコンピュータ210は、更に、メディア管理ソフトウェア212を介して、ストリーミングサーバー440に接続されている。更に、パーソナルコンピュータ210は、メディア管理ソフトウェア212を介して、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430に接続されている。パーソナルコンピュータ210は、入力イベントをメディア管理ソフトウェア212に提供する少なくとも1つのローカル又は遠隔入力装置430に接続されている。メディア管理ソフトウェア212は、装置を使ってオーディオをレンダ(render)する。従って、パーソナルコンピュータ210に配置されているメディア管理ソフトウェア212は、デジタルオーディオ又はメディアファイルを再生するのに用いられる構成要素を統合する働きをする。
【0038】
次に、図5に戻るが、適切な接続がなされた505後、パーソナルコンピュータは、ターゲットリストとも呼ばれるメディアファイルのリストを構築する510。例えば、図4では、パーソナルコンピュータ210は、メディア管理ソフトウェア212を介して、メディアファイルのリストを構築する。次に、メディア管理ソフトウェア212は、サーバーインターフェースアダプター213を通して、アーティストのリスト(又は他の種類のメディアファイル関連)を中央集中音楽情報サーバー215に送信する。1つの実施形態では、リストは、ユーザーのライブラリからローカルに記憶されているメディアファイルと関連するアーティストで構成されている。
【0039】
図5では、中央集中音楽情報サーバーは、メディアファイルとターゲットリストの間の関係データセットを構築する520。
【0040】
関係データが構築された520後、関係データは、パーソナルコンピュータへ送られる525。例えば、図4では、中央集中音楽情報サーバー215は、サーバーインターフェースアダプター213とメディア管理ソフトウェア212を通して、関係データセットをパーソナルコンピュータ210に送る。従って、1つの実施形態では、中央集中音楽情報サーバーは、メディアファイルとターゲットリストの間の関係データセットを構築することができ、この関係データを、各メディアファイルに識別子を割り当て、その関係に基づいてグラフを構築し、アーティスト又はメディアファイルの名前及びIDのグラフ及びマップをパーソナルコンピュータに配置されているメディア管理ソフトウェアに送り返すことによって、パーソナルコンピュータ210に送る。
【0041】
別の実施形態では、メディア管理ソフトウェアがストリーミングメディアファイルをサポートしていて、ユーザーが、サブスクリプション又は他のアクセスモードの何れかを通して、ストリーミングのコンテンツにアクセスする場合、サーバーは、ユーザーのローカルライブラリに記憶されてはいないが、ストリーミングサービスを通して入手できるアーティスト又はメディアファイルとの関係を補うことができる。この随意の段階530も、図5に示されている。1つの実施形態では、ユーザーに管理された設定に基づいて、選択エンジンは、ローカルライブラリからトラック又はメディアファイルを、又は利用可能なストリーミングライブラリからトラック又はメディアファイルを選択することを選択することができる。選択エンジンが使用できるように、ストリーミングライブラリのインベントリの一部又は全体が、音楽情報サーバーデータベースからパーソナルコンピュータへ転送される。1つの実施形態では、PCに配置されているソフトウェアは、選択エンジンを統合し、関係グラフに記憶されているデータに基づいて再生するためトラック又はメディアファイルを対話によって選択する。1つの実施形態では、選択エンジンは、ユーザーのパーソナルコンピュータに配置されている。代替実施形態では、選択エンジンは、遠隔サーバーに配置されている。
【0042】
図5に示している方法に戻るが、次に、サーバーは、関係データをパーソナルコンピュータに送った525後、パーソナルコンピュータがメディアファイルにストリーミングサービスからアクセスするかパーソナルメディアライブラリからアクセスするかに関わらず、ユーザーは、パーソナルコンピュータを、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいてメディアファイルを選択するのに携わらせる535。例えば、ユーザーは、目下再生しているか、又は一時停止しているアーティスト及び/又はメディアファイルに基づいて、再生機能を利用できる。これらの再生機能については、以下に更に詳しく説明する。
【0043】
メディア器具の例示的な実施形態
関係データをメディア器具及び/又はコンポーネントオーディオ装置にロード及び/作成するためのシステム構成と方法の別の例示的な実施形態を、図6と図7に示している。図6は、関係データを作成し、次いでメディア器具にロードする例示的な方法を示している。図6は、メディア器具及び/又はコンポーネントオーディオ装置610を使って関係データをロード及び/又は作成するためのシステムのシステムアーキテクチャ又は構成600を示している。その様なメディア器具又はコンポーネントオーディオ装置には、限定するわけではないが、NETGEAR MP101及びLINKSYS WMSL11の様な商標名で市販されているネットワーク型コンポーネントオーディオ装置(デジタルマルチメディア受信器)が含まれる。
【0044】
図7は、中央集中音楽情報サーバー、パーソナルコンピュータ、及び少なくとも1つのメディア器具及び/又はコンポーネントオーディオ装置の間に確立されている700接続を示している。別の実施形態では、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具は、少なくとも1つの遠隔入力装置又はローカル入力装置と、少なくとも1つの外部ディスプレイに接続されている。図6に示す様に、例示的な実施形態のシステム構成600は、パーソナルコンピュータ210、中央集中音楽情報サーバー215、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具610、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430、及び少なくとも1つの外部ディスプレイ605を備えている。図6で分かる様に、パーソナルコンピュータ210は、更に、音楽管理ソフトウェア212、UPNPアダプター650、オーディオライブラリ211、及びコンポーネントオーディオ装置ゲートウェイ655を備えている。中央集中音楽情報サーバー215は、サーバーインターフェースアダプター213、関係データベース214、及び識別データベース216を備えている。更に、コンポーネントオーディオ装置610は、入力ボタン620の様なユーザー入力要素又はアイコン、ディスプレイ615、選択エンジン625、オーディオレンダリング630、汎用プラグ&プレイ(UPNP)アダプター635、アーティスト関係グラフ640、及びオーディオライブラリインベントリ645を備えている。
【0045】
1つの実施形態では、コンポーネントオーディオ装置610又はメディア器具に接続されている外部ディスプレイ605は、限定するわけではないが、TV、CRT、プラズマスクリーン、LCD、又は他の考えられる表示するための器具又は方法を含んでいる。1つの実施形態では、遠隔入力装置430又はローカル入力装置は、リモコンを含んでいる。例えば、図6に示す様に、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具610は、汎用プラグ&プレイ(UPNP)アダプター650を介して、パーソナルコンピュータ210に接続されている。この実施形態では、UPNPアダプター650は、メディアファイルのリストを入手し、必要に応じてメディアファイルをオーディオレンダリング装置630に転送する。更に、パーソナルコンピュータ210に配置されているコンポーネントオーディオ装置ゲートウェイ655は、中央集中音楽情報サーバー215と、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具610に配置されている選択エンジン625とインターフェースをとる。
【0046】
図7に戻るが、パーソナルコンピュータは、メディアファイルのリスト(ターゲットリスト)を構築する705。先に論じた様に、1つの実施形態では、パーソナルコンピュータは、ターゲットリストを構築し、サーバーと同期化させる。次に、ターゲットリストは、パーソナルコンピュータから中央集中音楽情報サーバーへ転送される。次に、サーバーは、メディアファイルとターゲットリスト715の間の関係データを構築する715。1つの実施形態では、関係データは、先ず、各アーティストの名前又はメディアファイルを、アーティスト又はメディアファイルに対応する固有の識別子と関係付けることによって構築される。1つの実施形態では、これは、識別データベースを使って実現される。次に、マスター関係データベースに基づいてグラフが構築される。グラフには、固有の各アーティスト又はメディアファイルIDの頂点と、関係付けられるアーティスト又はメディアファイルの間のエッジがある。エッジは、2つのアーティストまたはメディアファイルの間の関係の強度をエンコードする「重み」と呼ばれる値を含んでいる。グラフと、アーティストの名前のIDへのマッピングは、ネットワークを介して転送できるようにエンコードされ(順番に並べられる)、元の要求への応答としてメディア管理ソフトウェアに送られる。
【0047】
サーバーは、関係データを構築した715後、関係データセットをパーソナルコンピュータに送る720か、又は関係データを直接メディア器具に送る730。1つの実施形態では、サーバーは、関係データセットを、パーソナルコンピュータに搭載されているゲートウェイプログラムを通してメディア器具に送る。例えば、図6では、コンポーネントオーディオ装置ゲートウェイ655を使って、サーバー215は、関係データをコンポーネントオーディオ装置610に送ることができる。サーバーは、関係データを直接メディア器具又はコンポーネントオーディオ装置730に送らない場合は、関係データをパーソナルコンピュータに送り720、その後、パーソナルコンピュータが、関係データセットをメディア器具に送る725。
【0048】
関係データセットが作成され、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具にロードされる725/730と、ユーザーは、コンポーネントオーディオ装置又は器具のメディアファイルを、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて選択する735ことができる。1つの実施形態では、図6に示すように、メディア器具610は、通常、ユーザーがメディアファイルの選択肢を閲覧することができるように、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430及び外部ディスプレイ605とのインターフェースをとる。
【0049】
ストリーミングメディア器具の実施形態
ストリーミングメディア器具を使ってメディアファイルを選択するためのシステムと方法の別の例示的な実施形態を図8と図9に示している。図9は、関係データを作成し、関係データをパーソナルコンピュータ又は他の種類のストリーミングメディア器具にロードする例示的な方法を示している。図8は、パーソナルコンピュータ又は他のストリーミング器具805を使ってメディアファイルを選択するためのシステムのアーキテクチャ又は構成を示している。その様なストリーミング器具には、限定するわけではないが、PHILIPS STREAMIUMの様な商標名で市販されている品目が含まれる。PCベースのストリーミングアプリケーションには、PEAL RHAPSODY、YAHOO! UNLIMITED、及びMUSICMATCH ON DEMAND' の商標名で市販されている様なサービスが含まれる。
【0050】
図9aに示す様に、少なくとも中央集中音楽情報サーバー、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具、ストリーミングサーバー、入力装置、及び/又はオーディオレンダリング装置の間に接続が確立される900。
【0051】
次に、ユーザーは、再生機能を呼び出す905。その後、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、再生機能を要求として処理し910、この要求を中央集中音楽情報サーバーへ送る。図8に示す様に、例示的な実施形態のシステム構成は、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805、中央集中音楽情報サーバー215、遠隔又はローカル入力装置430、及び随意的に、遠隔オーディオオレンダリング装置425を備えている。その様な遠隔又はローカル入力装置430には、限定するわけではないが、キーボード、マウス、及び/又はリモコンが含まれる。その様な遠隔オーディオレンダリング装置425には、限定するわけではないが、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805に無線接続されているホームステレオコンポーネントが含まれる。オーディオレンダリングは又、直接取り付けられているアンプとスピーカーを通しても行われることができる。図8で分かる様に、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805は、ストリーミング/対話式ラジオユーザーインターフェース810、オーディオレンダリング機能820、及び少なくとも1つのストリーミングクライアント815を備えている。この実施形態では、オーディオは、遠隔サーバー440からストリーミングされる。ストリーミングクライアント構成要素815は、遠隔サーバー440からオーディオストリームを受け取り、レンダリング構成要素は、オーディオ820をローカル又は遠隔アンプとスピーカーにレンダする。中央集中音楽情報サーバー215は、少なくとも1つのサーバーインターフェースアダプター213、関係データベース214、選択エンジン830、及びストリーミングインベントリデータベース825を備えている。例えば、図8では、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805は、ストリーミング/対話式ラジオユーザーインターフェース810とサーバーインターフェースアダプター213を通して、中央集中音楽情報サーバー215とのこの通信を容易にする。
【0052】
次に、図9に戻るが、中央集中音楽情報サーバーは、次のメディアファイルを選択し、ストリーミング識別子/指示をパーソナルコンピュータ又はストリーミング器具に戻す915。次に、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、識別子/指示を使って、ストリーミングサーバーからの次のメディアファイルのストリーミングを開始させる920。この様に、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、ストリーミングメディアメディアサーバーと通信する925。1つの実施形態では、図8に示すように、ストリーミングは、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805に配置されているストリーミングクライアント815とストリーミングサーバー440によって開始される。
【0053】
次に、図9に戻るが、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、オーディオをレンダする930。1つの実施形態では、図8に示すように、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具850は、遠隔オーディオレンダリング装置425に接続されているそのオーディオレンダリング機能820を通して、オーディオをレンダする。
【0054】
別の例示的な実施形態では、関係データは、スタンドアローン装置(図示せず)によって自律的に作成される。1つの態様では、この装置は、適切な処理能力と、関係データを作成し実装するのに用いられるデータ及び再生機能を受信及び/又は引き出す能力を有している。1つの例示的な実施形態では、スタンドアローン装置は、上に述べた実施形態の全ての能力を有しており、サーバーに接続されること、及び/又は別のオーディオレンダリング装置への接続を必要とせず、及び/又は別のディスプレイ装置を必要とする。
【0055】
上記例示的な実施形態に記載されている具体的なシステムアーキテクチャ又は構成、装置に関係なく、或る実施形態では、メディアファイルを選択するための方法とシステムは、関係データに基づいている。別の実施形態では、メディアファイルを選択するための方法とシステムは、関係データ及びメディアファイルに関連する属性に基づいている。更に、適切な関係データのセットが提供されれば、当業者は、ハードウェア又はソフトウェア、有線又は無線、地上又は衛星ベースに関わらず、現在知られているか又は今後知られるようになる様々なメディア種類とシステム構成に合わせて、本発明を作成し直すことができるであろう。
【0056】
関係データの1つの態様は、関係度を示すことである。例えば、1つのメディアファイルと別のメディアファイルの類似性である。従って、1つの関係は、メディアファイルAとメディアファイルBを扱うことができ、関係は、メディアファイルBが、選択されたメディアファイルであるメディアファイルAに直接続く可能性と定義される。1つの実施形態では、関係データは、ユーザーの母集団の間で明示的及び/又は暗示的なユーザープレイリストデータを分析することによって確立され又は決められるこれらの可能性及び他の類似性の統計に基づいている。母集団は、1人のユーザーから多くのユーザーまで、多くても少なくてもよいし、実際、音楽サービスプロバイダのユーザー人口全体を含んでいてもよい。例えば、関係データは、オンデマンドストリーミングメディアサービスにおける明示的及び/又は暗示的なユーザーの行動を記録し分析することに基づいている。ユーザーにプレイリストの公開と共有を奨励するコミュニティサイトは、関係データを引き出すのに用いられる別のデータ源である。再生される曲の順序、又はエンドユーザーによって作成されるプレイリストを報告するメディアプレーヤーは、このデータの別のソースである。メディアか、ユーザーがリクエスト又はダウンロードするファイルを観察するピア・ツー・ピア・アプリケーションか、又は認識リクエストを通してユーザーのメディアライブラリのコンテンツの少なくとも一部を観察する音楽認識サービス、を販売するE−コマース・アプリケーションは、関係データを形成するのに用いられる別の可能なデータ源である。
【0057】
1つの実施形態では、関係度は、1つ又は複数のメディアファイル間の特定の類似度に基づいている。1つの実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが同じ又は同様のジャンルに関連するか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが、プレイリスト、文書、購買行動、明示的なユーザーの嗜好、及び/又は観察されたユーザーの、ウェブサイト又はサービスとの対話における統計的共起尺度によって関係付けられるか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが、プレイリスト、文書、購買行動、明示的なユーザーの嗜好、又は観察されたユーザーの、ウェブサイト又はサービスとの対話における統計的共起尺度によって関係付けられるアーティストと関連するか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが、プレイリスト、文書、購買行動、明示的なユーザーの嗜好、又は観察されたユーザーの、ウェブサイト又はサービスとの対話における統計的共起尺度によって関係付けられるアルバムと関連するか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、メディアファイルが、専門家又は注意深い視聴者によって同様であると識別されるか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、メディアファイルが、視聴者により理解される類似性の属性を有しているか否かに基づいている。例えば、テンポ、ムード、及び/又はリズム力又は強度、及び/又は音量である。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、メディアファイルが、録音物の波形を分析するアルゴリズムによって抽出される類似性の属性を有しているか否かに基づいている。
【0058】
関係データが作成され、装置にロードされると、ユーザーは、目下再生されているアーティスト及び/又はメディアファイルに基づいて、再生機能を行うことができる。これらの再生機能は、ユーザーが、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアを選択できるようにする。その様な再生機能は、限定するわけではないが、「次へ」再生機能、「小スキップ」再生機能、及び「大スキップ」再生機能を含んでいる。更に、ここではプレイリストについて言及しているが、特定のプレイリスト又はメディアファイルのサブセットを選択する必要は無く、利用可能なメディアの全領域をプレイリスト、又は一部又はサブセットとして利用してもよい。
【0059】
これらの再生機能又は機能性のそれぞれは、ユーザー入力によって呼び出され、アーティスト、ジャンル、アルバム、トラック、格付け、別のユーザー、又は年代関係の何れかに基づく、1つ又は複数のメディアファイル間の具体的な関係度を示す。従って、ユーザー入力によって呼び出される再生機能は、メディアファイル間の類似度と相関関係を持つことができる。再生機能を呼び出すことで、ユーザーは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択できるようになる。
【0060】
例えば、1つの実施形態では、「次へ」再生機能は、目下再生しているか、又は一時停止しているメディアファイルと、次に再生されるメディアファイルの間の類似度が高いことを表している。従って、ユーザーが、次のメディアファイルが、目下再生しているか、又は一時停止しているメディアファイルと非常に似ていることを希望する場合は、ユーザーは、「次へ」再生機能を呼び出す。再生機能を呼び出すための方法について、以下に更に詳しく述べる。更に、「小スキップ」再生機能は、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の類似性が中レベルであることを示している。従って、ユーザーが、次のメディアファイルが、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルといくらか同様であることを望む場合は、ユーザーは、小スキップ再生機能を呼び出す。この場合もやはり、再生機能を呼び出すための方法について、以下に更に詳しく説明する。従って、「大スキップ」再生機能は、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の類似性のレベルが低く、即ち、似ていないことを示している。従って、ユーザーが、次のメディアファイルは目下再生しているメディアファイルと似ていないことを望む場合は、ユーザーは、大スキップ再生機能を呼び出す。この場合もやはり、再生機能を呼び出すための方法について、以下に更に詳しく説明する。勿論、特定の類似度に関係付けられているか、又は、1つ又は複数のメディアファイル間に構築される任意の種類の関係に基づく数多くの種類の再生機能があると考えられる。例えば、装置は、ユーザーに、ジャンル、年代、テンポ、及びアーティストの類似性を表す一列のつまみ又は入力要素を提示してもよい。従って、例えば、つまみを少し回すと、その程度に基づいて、前のトラックと似ている次のトラックを選択することになる。つまみを大きく回すと、その程度に沿って、前のトラックに似ていないトラックを選択することになる。別の実施形態では、ジャンル、アーティスト、テンポなどについて複数のスキップ制御があり、ジャンルでは小さくスキップするが、アーティストでは大きくスキップすることを容易にする。他の制御結合と組合わせも、この明細書の教示に従って実行することができる。
【0061】
1つの例示的な実施形態では、関係データは、アーティスト関係を使って作成され、メディア又は装置にロードされる。勿論、ジャンル、アルバム、トラック、又は他の任意の種類のカテゴリの様な、どの様な種類の関係を用いてもよい。
【0062】
この実施形態のための例示的な状態マシンを、図14に示している。図14で分かる様に、携帯メディアプレーヤーは、再生中1405、一時停止1415、又は停止1410状態にあることができる。ユーザーは、プレイリスト内の再生、停止、一時停止によってメディアファイルを選択し、「戻る」1430、「次へ」1440、「小スキップ」1435、又は「大スキップ」1445の様な再生機能を行うことができる。
【0063】
1つの実施形態では、ユーザーは、手動で最初のメディアファイル又はトラックを選択する1425。代替実施形態では、最初のメディアファイル又はトラックが、ランダムに選択される1425。
【0064】
1つの実施形態では、再生状態1405は、システムがメディアファイルを再生していることを示している。ユーザーは、この再生状態1405から、再生機能の何れか1つを呼び出してメディアファイルを選択する。ユーザーが、再生機能の何れか(戻る1430、次へ1440、小スキップ1435、又は大スキップ1445)1つを選択すれば、新しいメディアファイルが選択され、メディア装置は、その新しいメディアファイルの再生を開始する。1つの実施形態では、オーディオレンダリングエンジンが、メディアファイルの再生を始める。別の実施形態では、ユーザーが再生状態1405の間に再生を選択すれば、システムは、目下のトラックを「中心に置き直し」、目下のトラックが「プレイリストの中心」になる。例えば、アーティスト関係に基づく実施形態では、システムがアーティストAを中心に決められていて、システムが関係するアーティストBを再生している場合、システムは、アーティストBが再生されているときにユーザーがプレイボタンを押した場合は、アーティストBを中心に置き直し、アーティストBが目下の、又は「中心」(プレイリストの中心)になることを意味している。1つの実施形態では、これは、ユーザーが、再生機能を実行しない場合は、プレイリストの「中心」にあるアーティストから或る一定の割合のトラックが選択され、残りの割合は、「中心」にあるアーティストと同様のアーティストから選択されることを意味している。
【0065】
1つの実施形態では、停止状態1410は、開始状態と同様であり、メディアファイルが再生されていないことを意味している。従って、再生イベントが、メディアファイルの再生を開始させるために必要である。1つの実施形態では、「戻る」再生機能1430は、目下のトラックを選択して最初から再び再生させるか、又は、目下のトラックがまだ始まっていない(又は開始に非常に近い)場合は、前のトラックを再生する。更に、「戻る」再生機能1430は、プレイリストの中心を、選択されたトラックに関連するアーティストにリセットする。
【0066】
図14で分かる様に、メディアファイルが再生している1405ときに、目下のトラックが終了するか、又はユーザーが「次へ」再生機能を呼び出す1440と、次の再生機能論理(図16と図17)が実行され、次のトラックが選択され、再生される1405。
【0067】
更に、メディアファイルが再生している1405ときに、ユーザーが「小スキップ」再生機能を呼び出す1435と、小スキップ再生機能論理(図16と図17)が実行され、次のトラックが選択され、再生される1405。
【0068】
従って、図14に示す様に、メディアファイルが再生している1405ときに、ユーザーが「大スキップ」再生機能を呼び出す1445と、大スキップ再生機能論理(図12と図13)が実行され、次のトラックが選択され再生される1405。更に、1つの実施形態では、メディアプレーヤーが停止状態1410から再生状態1405へ移るときに、アルゴリズムがメディアファイルの繰り返しを防ぐ履歴であるメディアファイル履歴がクリアされる1450。
【0069】
1つの実施形態では、システムは、プレイリストの中心にいるアーティストに基づいて次のメディアファイルを選定する。別の実施形態では、プレイリストの中心は、アルバム、ジャンル、トラック、及び年代である。
【0070】
図16と図17は、関係データがアーティスト関係に基づいているときに次の再生機能をサポートする論理の例示的な実施形態を示している。具体的には、次の再生機能が選択されるときに関係データがアーティスト関係から作成される実施形態では、システムは、図16に示す様に、アーティストのプレイリストの中心(図16に示されている目下のアーティスト)に基づいて、次のアーティストを選択する。次に、図17に示す様に、次のアーティストが決められると、システムは、そのアーティストからどのトラック又はメディアファイルを選択して再生するかを決める。
【0071】
図16に示す様に、次の再生機能論理は、ユーザーが「次へ」再生機能を選択したときに起動される。先に述べた様に、次の再生機能は、特定のユーザーインターフェースボタンと相関している。或いは、「次へ」再生機能は、ユーザーインターフェースボタンを押す特定のパターンと相関しており、それによって呼び出される。例えば、「次へ」再生機能は、装置のユーザーインターフェースの早送りボタン、或いは、早送りボタンを2回早く押すこと又は他のパターンで押すことと相関している。更に、「次へ」再生機能は、目下のプレイリスト中心のメディアファイルと非常に似ているメディアファイルと関係付けられているのが望ましい。図16では、関係と類似性は、アーティストが互いにどの様に関係しているか、一方のアーティストが他方どれほど似ているかに基づいている。
【0072】
先ず、ユーザーは、装置のユーザーインターフェース又は何らかの他の種類の入力要素上の指定のボタン又はダイヤル、キーパターン、又は関係付けられたキーを押すことによって、「次へ」再生機能を呼び出す1600。別の実施形態では、「次へ」再生機能は、ユーザー入力によって呼び出されるが、ユーザー入力は、更に、音声起動コマンドを含んでいてもよい。1つの実施形態では、「次へ」再生機能は、更に、目下再生しているトラックが終了すると、ユーザーの代わりに自動的に呼び出される。
【0073】
次に、システムは、目下のアーティストが空になったとマークされているか否かを判定し1601、即ち、目下のアーティストが再生されていないトラックを有しているか否かを判定する。目下のアーティストが空になったとマークされていない場合、システムは、0から100の間でランダムな数を作成し、この数を焦点の設定位置と比較する1602。この比較1602は、メディアファイルを、目下のアーティスト又は関係するアーティストのどちらから選択すべきか否かを決める。
【0074】
目下のアーティストが選択されれば1608、システムは、そのアーティストのトラックを選択するよう試み1700、トラックを選択できるかどうか判断する1610。トラックが選択できなければ、アーティストは、アーティストが再生されていないトラックを有していないことを意味する、空になったとマークされる1612。そうでない場合は、そのアーティストから再生するためのトラックが選択される1611。
【0075】
そのアーティストが空になった場合1612、システムは、目下のアーティストに対して、次の関係するアーティストを選択する1603。更に、システムが、選択される次のアーティストは関係するアーティストであり、目下のアーティストではないと判断した場合、システムは、この段階に達する1603。
【0076】
関係のあるアーティストからトラックが選定される場合、目下のアーティストに関係する全アーティストに得点が付けられる1606。1つの実施形態では、得点は、目下のアーティストとの関係の強さに基づいて作成され(関係が強いほど得点が高い)1606、最近再生された履歴によってバイアスが掛けられる。例えば、最近の5つ(幾つでもよい)のトラックの中で再生された関係のあるアーティストは、0.0を得点する。1つの態様では、このバイアスは、最近の5回の内で再生された高得点のアーティストは、再度選択されないことを保証する。
【0077】
1つの実施形態では、アーティスト関係グラフの重みは、関係のあるアーティストのランクを示している。例えば、最も良く似たアーティストは、1.0のランクを受け、二番目に関係の強いアーティストは、2.0のランクを得、次に関係の強いアーティストは、3.0のランクを得るなどする。本実施形態では、逆数(1.0/ランク)が、関係のあるアーティストの選択の基本得点として用いられる。勿論、多くの代替方式が可能であり、構成又は調整パラメーターとして考えられる。
【0078】
関係のあるアーティストが得点付けられた1606後、関係のあるアーティストとその付帯する得点が、選択リストに加えられる1607。アーティストに得点を付け1607、各得点をセレクタ(selector)リストに加える1607処理は、関係する全てのアーティストが得点付けられるまで繰り返される。選択リストが空になる1612と、システムは、トラックが無いことを示す応答を戻す1621。関係する全てのアーティストの得点が付けられると、ランダムな数が作成され、或る要素の選択確率がリスト内の他の要素に相対的にその得点に比例するように、リストに適用される1615。1つのその様な技法は、リスト内の全得点が負でないことを保証するためである。ランダムな数は、0.0からリスト内の全得点の合計までの間で作られる。リストは、反復要素の得点の合計が、ランダムな数と等しいか、それを上回るまで繰り返される。反復の最終的な要素が選択される。当業者は、この技法又は同じ結果を出す同様の技法を容易に実行することができるであろう。
【0079】
アーティストが決められると、そのアーティストのトラックが選択される1700。そのアーティストから選択するトラックが無くなると、そのアーティストは、空になったとマークされ1619、そのアーティストは、選択(セレクタ)リストから取り除かれる1620。 図17は、アーティストベースの関係の実施形態の、トラック選択論理の1つの例示的な実施形態を示している。
【0080】
図17で分かる様に、選択されたアーティストと関連する各トラック又はメディアファイルが得点付けられる1703。1つの実施形態では、トラック又はメディアファイルは、それらの人気度属性に対して得点付けられる。従って、人気度設定の位置は、人気度属性が、トラック又はメディアファイルの選択確率にどの様に影響を与えるかを決める。人気度の位置については、以下に更に詳しく論じる。
【0081】
関係するアーティストを選択することに関して説明したのと同様の論理を使って、各トラック又はメディアファイルは、トラック選択基準に基づいて得点付けられ1703、選択又はセレクタリストに加えられる1704。このプロセス(1701−1704)は、その特定のアーティストに関する全てのメディアファイル又はトラックの得点付けられ1703、選択リストに加えられる1704まで、繰り返される。次に、重み付けされたランダムなセレクタが、適切なトラックを選定する1707。そのアーティストの最後のトラックが選択される1708と、そのアーティストは、空になったとマークされ1709、トラック履歴が更新される。
【0082】
選定されたトラック又はメディアファイルとそれに関連するアーティストが、履歴テーブルに加えられる1710、1711。1つの実施形態では、メディアファイル又はトラックの履歴テーブルは、同じメディアファイル又はトラックが、1つのセッションで繰り返されるのを防ぐ。別の実施形態では、アーティスト履歴テーブルは、様々な関係のあるアーティストが確実に再生されるようにする。従って、履歴テーブルは、選択されているメディアファイルで繰り返しを防ぐのに用いられる。1つの実施形態では、履歴テーブルは、選択のために、トラックを得点付ける1703か、アーティストを得点付ける1606ときに用いられる。別の実施形態では、同じメディアファイルの1つ置きの再生が現れるのを防ぐために、メディアファイルの曲又は他の属性がテーブルに加えられる。
【0083】
別の実施形態では、再生された直近5組(又は他の数)のアーティストのリストも維持される。関係するアーティストを選定するとき、そのアーティストが、再生された直近5つのトラックの1つと関連する場合、アーティストの得点は、0.0とペナルティを課される。
【0084】
更に、1つの実施形態では、セッションで再生した一組の全てのアーティストが保持される。具体的には、用いられた一組の全てのアーティストのエッジが保持される。次のアーティストを選択するとき、関係の候補が既に用いられていれば、ペナルティが加えられて、繰り返しエッジの選択確率が下がる。繰り返しエッジに対するペナルティ係数は、システムに対するパラメーターであり、倍加係数として関係得点に適用される。繰り返しエッジのペナルティ係数は、0.0(最大ペナルティ)から1.0(ペナルティ無し)である。従って、ユーザーが再生機能を呼び出すとき、既に再生されたアーティスト又はメディアファイルは選定されないことになる。1つの実施形態では、停止から再生状態へ移行すると、履歴がクリアされ、新しい「セッション」が作られる。
【0085】
別の例示的な実施形態では、「小スキップ」再生機能をサポートする論理は、新しいアーティストが常に選択され、この新しいアーティストがプレイリストの中心になること以外は、図16と図17に示している「次へ」再生機能の論理と同じである。先に述べた様に、アーティスト関係から関係データが作られる実施形態では、「小スキップ」再生機能が選択されると、システムは、プレイリストの中心/目下のアーティストに基づいて、次のアーティストを選択する。その後、次のアーティストが決められる(図16)と、システムは、そのアーティストから、どのトラック又はメディアファイルが選択され、再生されるかを決め(図17)、選択されたアーティストが新しい目下のアーティストとなる。
【0086】
1つの実施形態では、ユーザーは、多数の「小スキップ」再生機能を呼び出すとき、複数のメディアファイルを通して、各ステップが前のステップに関係付けられる小増分で動くことができる。従って、履歴機構は、概ね、アーティストの繰り返しを防ぐので、システムは、ユーザーのメディアライブラリ又はメディアファイルのセットを一巡することになる。各トラックが前のトラックに関係してはいるが、目下のトラックは、複数回のスキップの後では、開始トラックから遠く離れることになる。
【0087】
1つの実施形態では、「小スキップ」再生機能とは対照的に、「大スキップ」再生機能の目的は、目下再生しているトラックに無関係か又は似ていないトラック又はメディアファイルを選定することである。1つの実施形態では、決定するのに用いられた、全ての項目を他の全ての項目に関係付ける関係データ得点は、「次へ」再生機能の論理と逆にされる。従って、大スキップの論理は、関係得点(図16の1606)が逆である以外は、図16と図17に示しているのと同じである。この様に、似ていないアーティストに従ってトラックを選択することになる。
【0088】
1つの実施形態では、関係データが不完全である場合、つまり、関係グラフ内の各アーティストがグラフ内の全アーティストのサブセットに直接接続されているだけの場合、「最短経路」グラフの横断アルゴリズムが、何れかの2人のアーティストの間の距離を計算するのに用いられる。例えば、Dijkstra最短経路アルゴリズムは、当業者に周知であり、この目的に用いることができる。しかしながら、しばしば、Dijkstraアルゴリズムは、第1順位の関係に比べて、第2及び第3順位の関係が極端に弱くなる。1つの実施形態では、解決法は、各アーティストに関し上のN関係だけを記憶し、一様な重み(例えば1.0)を含んでいる関係グラフを作ることである。この実施形態では、最短経路アルゴリズムは、アーティストAからアーティストBを得るのに必要な、呼び出しされる再生機能の数を計算する。これは、「大スキップ」再生機能に適切なアーティストを選択するのに用いられる得点の基本となる。
【0089】
別の実施形態では、「大スキップ」再生機能の代替方式は、「ジャンルベースの」再生機能を使用することである。「ジャンルベースの」再生機能は、上記実施形態で論じたのと同じ関係/グラフベースのアルゴリズムを使用する。1つの態様では、ジャンルは、テーマが関係している一組のアーティスト、アルバム、又はトラックに設置されるラベルである。ジャンルは、ジャンルを構成する要素を一まとまりにすることによって決定される。しかしながら、普通は、人間の専門家は、スタイル、ルーツ、ピア、及び影響に基づいて分類することによって、ジャンルを作る。
【0090】
1つの例示的な実施形態では、ジャンルは、ラベルと、アーティストの格付けセットで構成されている。ジャンル内のアーティストの格付けは、アーティストのジャンルへの「適合度」によって判断される。
【0091】
更に、ジャンル内のアーティストは、アーティストの関係と得点を、関係するアーティストのどれほど多くがジャンルで定義されるそのセットに入っているかに基づいて見ることによって格付けされる。
【0092】
本開示の代替実施形態は、アルバム、トラック、又は他の記録のセットの観点から、ジャンルを定義している。例えば、テレビ領域の様な別の種類のメディアでは、チャネルを、チャンネルに現われるプログラムに関するジャンルとして使用する。1つの実施形態では、関係グラフは、ジャンルのセットに対して構築される。音楽及びアーティストベースのジャンルの場合、関係の強さは、共通するアーティストの数で定義される。別の実施形態では、ジャンルは、共通するアーティストの数によって格付けされ、その格付けが、関係グラフの重みになる。
【0093】
更に別の代替実施形態では、サブジャンルとスーパージャンルも、関係と関係データを定義するのに用いられる。この実施形態では、サブジャンルは、スーパージャンルの下に分類される。コンテンツの階層的な分類を使用できる場合、1つのメディアファイルから別のメディアファイルへの異なる大きさのスキップ又は移動は、図11に示している様に、1つ又は複数のレベルのツリーを上に進み、横方向に移動し、再び下りることによって実現される。ジャンル1100の階層(ツリー)組織は、図11に示している通りである。このツリー1100では、「小スキップ」「中スキップ」及び「大スキップ」の様な多数の再生機能が実行される。更に、サブジャンルは、1118、1111、1113、1105、及び1122の様な項目によって表されており、スーパージャンルは、1112、1119、及び1121の様な項目によって表されており、ジャンルツリーのルーツは、項目1120で表されている。図11は、これらの再生機能が、部分的にはジャンル関係に基づいてユーザーがどの様にメディアファイルを選択できるようにするかという例を示している。
【0094】
具体的には、図11で、「小スキップ」再生機能は太い実線1107で示されている。図11に示す様に、ユーザーが、ジャンルベースの階層内で「小スキップ」再生機能を呼び出すと、太い実線1107は、親ノードに上がり、同じサブジャンル内の異なるアーティストに下がる。1つの実施形態では、「小スキップ」再生機能は、目下再生しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の中レベルの類似性を表している。例えば、図11では、目下再生しているアーティストMandy Moore1106を考慮すると、「小さくスキップ」再生機能を呼び出せば、Britney Spears1109を次のメディアファイルとして選択することになる。図11で分かる様に、「小スキップ」再生機能1107を表す太い実線1107は、アーティストMandy Moore1106で始まり、親ノードTeen Pop1118に移動し、その後、異なるアーティストBritney Spears1109に下りる。
【0095】
同様に、図11では、中スキップ再生機能が点線1115で示されている。図11に示す様に、ユーザーが、ジャンルベースの階層内で「中スキップ」再生機能を呼び出すと、点線1115は、ツリー内を2レベル(サブジャンルと或るジャンル)上がり、その後、2レベル下りて別のアーティストに至る。1つの実施形態では、「中スキップ」再生機能は、目下再生しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の中レベルの類似性(本実施形態で述べている「小スキップ」と「大スキップ」に比べて)を表している。例えば、図11では、目下再生しているKilie Minogue1110を考慮すると、「中スキップ」再生機能を呼び出せば、Abba1114を次のアーティストファイルとして選択することになる。図11で分かる様に、「中スキップ」再生機能を表す点線1115は、アーティストKylie Minogue1110で始まり、2つの親ノードDance Pop1111とPop1112に移動し、その後、2つの異なるノード、Euro Pop1113と、次いで異なるアーティストAbba1109に下りる。
【0096】
更に、図11では、「大スキップ」再生機能が破線1117で示されている。図11に示す様に、ユーザーが、ジャンルベースの階層内で「大スキップ」再生機能を呼び出すと、破線1117は、ツリー内を3レベル上がり、その後、3レベル下りて別のアーティストに至る。
【0097】
1つの実施形態では、「大スキップ」再生機能は、目下再生又は一時停止中のメディアファイルと次に選択されるメディアファイルの間の、低レベルの類似性又は似ていない(本実施形態で述べている「小スキップ」と「中スキップ」に比べて)ことを表す。例えば、図11で、目下再生しているアーティストAweosmith1116を考慮すると、「大スキップ」再生機能を呼び出せば、Diana Krall1123を次のメディアファイルとして選択することになる。図11で分かる様に、「大スキップ」再生機能1117を表す破線1117は、アーティストAerosmith1116で始まり、3つの親ノードAlbum Rock1105、Rock1119、及びAll Genres1120を登り、その後、2つの異なるノードJazz1121、Swing1122を下り、異なるアーティストDiana Krall1123に至る。
【0098】
ジャンルベースの関係を使って「大スキップ」再生機能をサポートする論理の例示的な実施形態を図12に示している。先ず、「大スキップ」再生機能の論理は、装置の既存のユーザーインターフェースを介して、ユーザーに呼び出される1200。次に、目下再生しているアーティストが、ジャンルにマップされる1201。1つの実施形態では、目下再生しているアーティストは、アーティスト対ジャンルマップを使ってジャンルにマップされる。例えば、アーティスト対ジャンルマッピングは、中央音楽データベースから来て、アーティスト関係グラフの一部分として記憶されている。従って、グラフ内の各アーティスト毎に、ジャンルも記憶されている。目下のアーティストのジャンルが、目下のジャンルと呼ばれる。
【0099】
各ジャンルに対して、それ自体と目下のジャンルの間の関係の強さに基づいて、得点が計算される。ジャンルの得点が計算されると1205、ジャンル/得点のペアが選択リストに加えられる1206。このプロセス(1202−1206)は、全ジャンルが得点付けられ、選択リストに加えられるまで続く。従って、アルゴリズムは、目下のジャンルに関係する全ジャンルをループする。1つの実施形態では、ジャンルの関係は、中央集中音楽情報サーバーの関係データベースから、アーティストの関係と共に得られる。
【0100】
1つの実施形態では、「大スキップ」再生機能に対して、得点9が、関係の強さの逆数と関係付けられる。つまり、同様のジャンルは、得点が小さく、選択確率が少なくなる。その様な得点は、関係の格付けを得点とするか、又は、ジャンル間に関係が無ければ、1000とする。他にも多くの方法で得点を計算することができる。別の実施形態では、ジャンルに基づく「中スキップ」再生機能に対して、選択肢が、関係するジャンルに向けて強くバイアスが掛けられる。つまり、「大スキップ」得点付け法の逆数、1.0/関係格付け、が用いられることができる。
【0101】
全てのジャンルが得点付けられ1205、選択リストに加えられる1206と、ジャンルは、ジャンルの得点を、セレクタに加えられたジャンルの全得点の合計で割った選択確率で、選択リストから選択される1209。適格なジャンルが無ければ、選択リストは空になり1207、「トラック無し」状態が戻される1208。
【0102】
或るジャンルが選択される1209と、そのジャンルからアーティストとトラックが選択される1210。ジャンルのアーティストとトラックを選択する1210例示的な実施形態を、図13に更に詳しく示している。ジャンルに対してアーティスト/トラックを選択できない場合1211、そのジャンルは空になっているとマークされ1213、選択リストから排除される1214。ジャンル選択は、トラックが見つかる1212か、又は全てのジャンルが空になるまで退けられる。
【0103】
図13は、図12で示す様にジャンルが選択されたときのアーティストとトラックを選択する例示的な実施形態を示している。具体的には、図13は、ジャンルベースの関係を使って、「大スキップ」再生機能でのアーティストとトラックの選択をサポートする例示的な論理を示している。
【0104】
1つの実施形態では、各アーティストは、目下のジャンルに対する各アーティストの「適合度」に基づいて得点付けられる1304。1つの実施形態では、「適合度」は、ジャンル内のアーティストの組と、所与のアーティストに関係するアーティストから成るアーティストの組の共通分の大きさに基づいている。代替実施形態では、得点は、「適合度」距離によって測定されるアーティストの人気度に基づいている。
【0105】
アーティストの得点が計算される1304と、アーティスト/得点のペアが、選択リストに加えられる1305。このプロセス(1301−1305)は、全アーティストが得点付けされ、セレクタリストに加えられるまで続く。つまり、アルゴリズムは、選択されたジャンルに関連する全アーティストに亘ってループする。
【0106】
全ての適格なアーティストが得点付けされ1304、セレクタリストに加えられる1305と、選択確率が、アーティストの得点を、セレクタリストに加えられたアーティストの全得点の合計で割ったものとなるように、アーティストが選択される1307。
【0107】
アーティストが選択される1307と、先に説明し、図17に示している様に、そのアーティストのトラックが選択される1700。そのアーティストに適格なトラックが無い場合1309は、アーティストは、空になっているとマークされ1310、セレクタ又は選択リストから排除され1311、新しいアーティストが選択される。全ての適格なアーティストが空になっている1306場合は、「トラック無し」状態が戻される1313。
【0108】
従って、1つの実施形態では、ユーザーは、先に述べた様な、一連の再生機能及び再生機能の組み合わせを呼び出すことによって、メディアファイルを選択することができる。つまり、ユーザーが、ユーザー入力を通して多数の再生機能を呼び出すとき、ユーザーは、第1メディアファイルと、第1メディアファイルと選択されるメディアファイルの間の関係度を表す再生機能とに基づいて、メディアファイルを選択している。この様に、ユーザーは、呼び出された再生機能に応じて、各段階が前の段階に関係している状態で、複数のメディアファイルを指定の増分で移動することができる。
【0109】
図3は、約2000のメディアファイルから成るローカルライブラリのコンテンツに制約されているセッションのナビゲーション経路を示す選択エンジンのインターフェースの例示的な実施形態を示している。アーティストベースの関係は、図16−17で示している様な小スキップに用いられる。ジャンルベースの関係は、図12と図13で示している中スキップと大スキップに用いられる。先に述べた通り、1つの実施形態では、装置は、再生され、スキップされたトラックを保持しており、トラックの繰り返しを避ける。図3で分かる様に、大きなウインドウ枠300を備えたタブ310は、開始アーティスト315を示すテキストボックス305と、「ランダム」という用語が付いたボタン313と、「戻る」ボタン380と、「再生」ボタン390と、「次へ」ボタン303と、「停止」ボタン309と、「小スキップ」ボタン385と、「中スキップ」ボタン395と、「大スキップ」ボタン307と、を備えて表示されている。図3では、ウインドウ枠300は、アーティストと、関連するトラック(番号315−375の項目)のリストを含んでいる。このリストの中で、再生機能は、各アーティストのエントリ前の括弧内に示されている。この様に、ウインドウ枠内のアーティストのリストは、開始アーティスト315に関するアーティストの名前とメディアファイルのタイトルだけでなく、そのメディアファイルの選択に至る前にユーザーに呼び出された関係付けられた再生機能を示している。従って、ウインドウ枠300は、特定のセッションのナビゲーション経路を示している。ユーザーが呼び出した再生機能の順序及び選択と、或る特定のセッションで選択されたメディアファイルである。
【0110】
例えば、図3では、Clashが開始アーティスト315である。ウインドウ枠300で分かるように、Clashが挙げられ315、その前に、「Play」という用語が括弧内に現れ、Clashは、ユーザーが「再生」ボタンを押すことによって、再生機能又はユーザー入力セッションを開始したときに選択された最初のアーティストであることを示している。ユーザーによって呼び出された次の再生機能は、「大スキップ」再生機能307であり、この再生機能は、アーティストM.C.Hammerとトラック「Pray320」を選択した。つまり、ユーザーは、「大スキップ」再生機能を選択し、これは、ユーザーが次のメディアファイルのアーティストが、目下再生しているアーティストClash315と似ていないことを望んでいることを意味している。従って、図3で分かる様に、Clash315と似ていないアーティストであるM.C.Hammer320が選択された。
【0111】
次に、ユーザーは、一連の「大スキップ」再生機能320−355を呼び出し、それぞれが、前のメディアファイルに似ていないアーティストを有するメディアファイルをレンダした。別の例では、Diana Krall「Deed I Do」355は、目下再生しているアーティストとトラックであった。次に、ユーザーは、「小スキップ」再生機能を呼び出し、アーティストCharlie Christianとトラック「I founda new baby」360が選択された。この様に、「小スキップ」再生機能を呼び出すことによって、ユーザーは、或るアーティストから、或る程度似たアーティストに移動することができた。
【0112】
同様に、図10は、数十万のトラックが入った大きなストリーミングサービスカタログに制約された場合のセッションのナビゲーションを示している。1つの実施形態では、アーティストベースの関係は、図16−17に示している小スキップに用いられ、ジャンルベースの関係は、図12−13に示している中及び大スキップに用いられる。
【0113】
図10で分かる様に、大きなウインドウ枠1003を備えたタブ1000は、開始アーティスト1010を示すテキストボックス1001と、「戻る」ボタン1004と、「再生」ボタン1006と、「次へ」ボタン1008と、「停止」ボタン1027と、「小スキップ」ボタン1005と、「中スキップ」ボタン1007と、「大スキップ」ボタン1009と、を備えて表示されている。
【0114】
図10では、ウインドウ枠1003は、セッション内のアーティストと、関連するトラック(番号1011−1026の項目)のリストを含んでいる。図10で分かる様に、セッションは、開始アーティストであるRage against the machine1010で始まる。次に、ユーザーは、「大スキップ」再生機能を呼び出し、アーティストBezerra Da SilvaとMalandragem Da um Tempo1012のトラックメディアファイルが選択された。つまり、ウインドウ枠1003内のナビゲーションリストで分かる様に、目下再生しているアーティストはRage against the machine1010であり、次に、ユーザーは、似ていないジャンルを望んでいるので、「大スキップ」再生機能を呼び出し、目下再生しているアーティストに似ていないジャンルのアーティストとトラックが(図12−13に示している論理を使って)選択された。具体的には、目下再生しているメディアファイル1011は、ヘビーメタルジャンルであったので、「大スキップ」再生機能は、似ていないジャンルのメディアファイルSalsa1012を選択した。図10で分かる様に、ユーザーは、「大スキップ」「中スキップ」及び「小スキップ」再生機能を使ってメディアファイルを選択し続け、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルに対して、ジャンルをベースにした類似性のレベルに基づいて、次のメディアファイルを選択した。例えば、1つの実施形態では、バップジャンルのメディアファイルであるMiles Davis、Blue in Green1017が目下再生しているメディアファイルであり、次に、ユーザーは、「中スキップ」再生機能を呼び出し、スムーズジャズジャンルに属するBoney James、Ain't No Sunchine1018を選択した。この様に、「中スキップ」再生機能を呼び出すことによって、ユーザーは、バップのカテゴリから、幾らか似ているカテゴリのスムーズジャズに移動することができた。
【0115】
従って、ユーザーは、一連の再生機能及び再生機能の組み合わせを使って、特定のメディアファイルを移動し、焦点を合わせることができる。ユーザーは、どの特定のファイルを望むかを前もって知る必要は無く、再生機能を使ってメディアファイルを要求し、選択して、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルに非常に似ているか、幾らか似ているか、又は似ていないメディアファイルを選定することができる。1つの実施形態では、ユーザーは、簡単なインターフェースでメディアファイルを選択することができる。
【0116】
しかしながら、別の実施形態では、フィードバックは、基本的に聴覚による。従って、本開示は、自動車で使用するのに良く適している。更に、その様な設定では、ユーザーは、リモコン又はフォッブ(fob)を通して、メディアファイルを選択し、再生機能を呼び出すことができる。
【0117】
別の実施形態では、ユーザーは、更に、関係データを、1つ又は複数の設定を通して整形又はカスタマイズすることができる。1つの実施形態では、ユーザーは、関係データを作成し、及び/又は関係データを装置にロードする前に、これらの設定を設定することができる。従って、設定は、関係データの作成及びロードの間に適用される。別の実施形態では、これらの設定は、デフォルト基準を有している。
【0118】
1つの実施形態では、ユーザーは、ユーザーが1つ又は複数の設定を選択して指定できるようになっている、ソフトウェアプラグインツール又は何らかの他のグラフィカルユーザーインターフェースとして、装置のユーザーインターフェース上で利用可能なプロパティシートを通して、これらの設定を指定することができる。
【0119】
設定の1つの例示的な実施形態は、焦点設定である。例えば、焦点設定は、スライダー又は一連のラジオボタン、ダイヤル、ドロップダウンメニュー、又は何らかの他の設定の視覚的表現としてユーザーインターフェース上に表示される。1つの態様では、焦点設定は、目下再生しているメディアファイルに対してメディアファイルの選択にバイアスを掛ける。例えば、焦点スライダーは、目下再生しているアーティスト、アルバム、又はトラックに対するメディアファイルの選択にバイアスを掛ける。即ち、焦点設定は、次のメディアファイルが目下再生しているアーティスト、アルバム、又はトラックに最も強く関係付けられているアイテムであるという大凡の可能性を決める。例えば、焦点設定の範囲は、0から100である。100の設定は、メディアファイルが、目下再生中のメディアファイルに対するそれらの関係の強さの順に概ね選定されることを示している。例えば、目下再生しているアーティストがRolling Stonesで、焦点設定が100に設定されていれば、Rolling Stonesからのメディアファイルだけが選択される。
【0120】
同様に、0設定は、目下再生中のメディアファイルに関係する(が、同じではない)メディアファイルが選択されることを示している。例えば、ここでも、目下再生しているアーティストがRolling Stonesで、焦点設定が0に設定されていれば、Rolling Stonesに関係するアーティストのメディアファイルだけが選択される。
【0121】
別の例示的な設定の実施形態は、人気度設定である。ここでも、ユーザーインターフェースを通して、人気度設定は、限定するわけではないが、スライダー、ダイヤル、一連のラジオボタン、及び/又はドロップダウンメニューの様な多くの形態を取ることができる。1つの実施形態では、人気度設定は、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルに対してメディアファイルの選択にバイアスを掛ける。100の設定は、目下再生中のメディアファイルに対して最も人気のあるトラックが選択されることを示している。また、1つの実施形態では、目下再生中のメディアファイルに対するメディアファイルの選択肢は、アーティスト関係、アルバム関係、ジャンル、及び/又は年代関係に基づく関係のセットを有している。
【0122】
1つの実施形態では、人気度は、メディアファイル間の関係又は類似性のデータに基づいている。メディアファイル選択がアーティストの関係に基づいている1つの実施形態では、人気度設定は、特定のアーティストに関係するトラック又はメディア選択を決める。
【0123】
特定のトラック又はメディアファイルの人気度属性は、暗示的及び明示的なユーザーの行動又は格付け、及び/又は大きなユーザーのグループから収集される暗示的及び明示的データの様な幾つかのソースに基づき、集められている。暗示的なユーザーの行動又は入力の1つの例は、ユーザーによる特定のメディアファイルに関する再生の頻度である。従って、再生の頻度は、人気度属性を判断するのに用いられる。明示的なユーザーデータの1つの例は、ユーザーがトラック又はメディアファイルに当てる格付けである。例えば、格付けシステムは、1から5の星点に基づいていて、1つ星は低いか又は好ましくない格付けを示し、3つ星は中間又は好意的な格付けを示し、5つ星は高いか又は非常に好意的な格付けを示すようなものでもよい。1つの実施形態では、データが大きなユーザーのグループから収集されると、総人気度データは、1から5つ星の格付けに正規化される。トラックは、互いに相対的に格付けされる。例えば、上位10%のメディアファイルは、5つ星に格付けされたメディアファイルである。次の15%のメディアファイルは、4つ星の格付けである。中間の50%は、3つ星の格付けである。その次の15%のメディアファイルは2つ星の格付けであり、下位10%のメディアファイルは1つ星の格付けである。
【0124】
1つの実施形態では、システムは、利用可能なデータを使って、階層処理から人気度属性を判断する。各メディアファイルの人気度属性を決めるための或る例示的なプロセスを、図15に示している。このプロセスは、各メディアファイルに確実に人気格付けが割り当てられるようにする。図15では、システムは、明示的なユーザー格付けが、特定のメディアファイルに利用できるか否か判断する1505。明示的なユーザー格付けは、ユーザーによってメディアファイルに意識的に付されたものとすることができる。明示的なユーザー格付けを利用できる場合、システムは、この格付けを特定のメディアファイルに割り当てる1510。明示的なユーザー格付けを利用できない場合、システムは、多数のユーザーから集められた総人気度を利用できるか否か判断する1515。1つの実施形態では、「多数のユーザー」は、オンデマンドの、ストリーミング音楽サービスの、又は同様なオンラインコミュニティに居るユーザーを指す。総人気度属性を利用できる場合、システムは、この属性又は格付けをメディアファイルに割り当てる1520。多数のユーザーからの総人気度のデータを利用できない場合、システムは、ユーザーの再生頻度に基づく人気度属性を利用できるか否か判断する1525。このデータが利用可能であれば、システムは、この人気度属性又は格付けをメディアファイルに割り当てる1530。再生人気度属性の頻度を利用できない場合、システムは、デフォルト人気度属性又は格付けをメディアファイルに割り当てる1535。例えば、デフォルト人気度属性は、1から5つ星の格付け点で3.0の様な平均的な格付けである。全メディアファイルに人気度属性が割り当てられると、人気度設定の設定位置は、適切な得点関数を決めるのに用いられる。例えば、下記の表1は、人気度設定を得点関数と関連付ける例示的な表を示している。この表では、可能性は、母数の10%が5つ星であり、15%が4つ星であり、15%が2つ星であり、10%が1つ星であると仮定して示されている。
表1
【0125】
同様に、0設定は、人気が最も低いトラックが選択されることを示している。これは、ユーザーが、特定のプレイリストの中心領域(アーティスト、アルバム、トラック、ジャンル、及び/又は年代)から一般的にあまり知られていないメディアファイルを再生できるようにしている。
【0126】
従って、焦点と人気度の設定は、0から100の設定の範囲の選択肢を有している。例えば、アーティスト関係に基づく実施形態では、焦点設定が75に設定されている場合、システムは、75%の時間、目下再生しているアーティストからメディアファイルを選定し、25%の時間、(目下再生しているアーティストに対して)関係するアーティストからメディアファイルを選定する。
【0127】
更に、1つの実施形態では、ユーザーは、焦点と人気度両方の設定で設定を選択する。これは、ユーザーが、選択に利用できるメディアファイルを、目下再生しているメディアファイルに関して、指定されたレベルの人気度と相違性に基づいて、整形又はカスタマイズできるようにしている。
【0128】
先に述べた様に、関係データが作成され、及び/又は装置にロードされると、ユーザーは、任意の数の再生機能を呼び出すことができる。一般に、ユーザーは、ユーザー入力によって、又は装置の既存のユーザーインターフェースを使って、これらの再生機能を呼び出す。例えば、1つの実施形態では、各再生機能は、ボタン、キー、ダイヤル、スイッチ、タッチスクリーン、又は装置のユーザーインターフェースのキーパターンと関係付けられている。例えば、図18は、1つの例示的な実施形態のユーザーインターフェースを示している。図18で分かる様に、ユーザーインターフェースは、早送りアイコン1810、巻き戻しアイコン1820、及び一時停止、再生、又は停止アイコン1815を備えたホイール又はダイヤル1805で構成されている。図19は、同様のアイコンを備えた別の例示的な実施形態の、別のホイール又はダイヤルのユーザーインターフェース1805を示している。
【0129】
別の例では、大部分のメディアレンダリング装置には、早送りアイコン、巻き戻しアイコン、及び再生又は一時停止アイコンが含まれている。図20は、再生機能を呼び出すのに用いられるアイコンの1つの例示的な実施形態を示している。図20で分かる様に、図20aは巻き戻しアイコンを示しており、図20bは早送りアイコンを示しており、図20cは一時停止又は再生アイコンを示している。従って、1つの例では、「次へ」再生機能は早送りボタン(図20b)を押すことによって呼び出され、「小スキップ」再生機能は早送り(図20b)ボタンを素早く2回ダブルクリックすることによって呼び出され、「大スキップ」再生機能は早送りボタン(図20b)を少なくとも1秒間押下げて離すことによって呼び出される。この様に、関係が作成され、及び/又は装置にロードされると、ユーザーは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、装置の既存のユーザーインターフェースを使って、メディアファイルを選択することができる。
【0130】
本開示が、再生機能をスキップし呼び出すためのユーザーインターフェース要素の特定の実施に依存していないことに留意するのは重要である。小スキップ及び大スキップと記述している、まさにその2つの大きさのスキップにも依存していない。例えば、携帯装置がホイール又はダイヤルベースのスクロール機構を有する場合、本開示の適切な実施は、ホイール又はダイヤルスクロールによって移動する速度又は距離を、実行されるスキップの大きさにマップすることである。ダイヤルベースのユーザーインターフェースの1つの例示的な実施形態を、図18と図19に示している。つまり、ユーザーは、「次へ」「小スキップ」及び「大スキップ」再生機能を、目下再生中又は一時停止中のトラック又はメディアファイルについて、これらの対話式機能をホイール又はダイヤルの具体的な回転又は回転速度と相関付けることによって、実行することができる。例えば、ユーザーがホイール又はダイヤルを或る方向に45度動かすと、それは「次へ」再生機能と相関付けられている。この様に、ユーザーが、ダイヤルを45度動かすとき、ユーザーは、自分が、目下再生中のメディアファイルに密接に関係しているトラック又はメディアファイルを再生することを望んでいると送信している。
【0131】
更に、ダイヤルの90度の回転は、「小スキップ」再生機能と相関している。従って、ユーザーがスクロールベースのダイヤルを90度回転させるとき、ユーザーは、自分が、目下再生しているか又は一時停止しているアーティストに幾らか関係しているアーティストを選択することを望んでいると通知又は送信している。最後に、ユーザーが「大スキップ」再生機能を呼び出したい場合、ユーザーは、スクロールベースのダイヤルを180度回転させる。それは、ユーザーが、目下再生中のアーティストと非常に異なるか又は全く同様ではないものを選択することを望んでいると送信することになる。
【0132】
勿論、各再生機能と関係付けられる特定のキー、ボタン、アイコン、又はダイヤルは、具体的な装置に応じたものである。実際、単一のユーザー入力又はアイコン要素を備えた装置、例えば、ユーザーインターフェース全体がスキップボタン又はアイコンである装置、を利用することもできる。
【0133】
先に述べた様に、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及び外部装置のメディアファイルのアイデンティティに基づいてメディアファイルを選択するための方法、装置、及びシステムは、携帯音楽プレーヤーとメディアファイルだけでなく、ビデオ、DVDR、衛星又はオンデマンドプログラミングや、メディアを再生できる他の種類の装置を包含している。従って、1つの実施形態では、それをテレビのプログラミングにも適用して、その効果は、リモコンの相関付けられている或るボタンを押すと次のチャネル又はプログラムを変化させ、ユーザーが、プログラミング同士の関係に基づいて、次のチャネル又はプログラムを選択できるようになっている。例えば、TVプログラミングとビデオファイルに適用される1つの例示的な実施形態では、プログラムのリストは、パーソナルコンピュータと同期化され、パーソナルコンピュータがこれをサーバーに送る。ここでも、サーバーは、関係のリスト又はこれらのプログラムの間の関係を起動する。リストに挙げられたそれらの関係は、ジャンル、再生日、再生時間、同様の演技者、同様のチャネル、格付けに基づいていてもよい。サーバーは、このリストを、メディアプログラムの間の関係データとして作成すると、それをパーソナルコンピュータに送り返し、それが、オンデマンドビデオプログラミングサービスにロードされる。次に、ユーザーは、リモコンの特定のボタン又は何らかの他のユーザー入力を押すことによって、再生機能を呼び出す。例えば、ユーザーがメディアプログラムを見ていて、「次へ」再生機能を呼び出すボタンを打てば、チャネルは、前のテレビプログラムに非常に良く似ているテレビのプログラムに変わる。ここでも、これらの再生機能は、リモコンの早送りボタン、UP/DOWNボタンの様なボタン、又はテレビプログラム又はオンデマンドプログラム装置用の既存のインターフェースに配置されている何れかのボタンによって呼び出される。
【0134】
別の実施形態では、この関係データは、最少のディスプレイ又は基本的にはディスプレイ無しの装置に、或いはユーザーがディスプレイを通してメディアファイルを選択するのは現実的ではない場合はMP3プレーヤー又は自動車内のCDプレーヤーの様な装置に、ロードされることが考えられている。この様に、一旦これらの種類の装置にロードされると、メディアファイルの制御と選択は、「次へ」「小スキップ」又は「大スキップ」の様な再生機能、又は、「イエス」「ノーであるが、それに近い」及び「ノーであり、近くもない」の様な他の種類の再生機能に対応する異なるキーを有することになる音声コマンド、リモコン、フォッブを通して容易にすることが考えられている。例えば、少なくとも1つのボタンを有するキーフォッブでは、可能なマッピングとは、ボタンを押して保持すると、プレイリストが目下再生中であれば、再生機能又は停止機能を呼び出すことである。ボタンを1回押すと「次へ」再生機能が呼び出され、ボタンを2回押すと「小スキップ」再生機能が呼び出され、3階押すと「大スキップ」再生機能が呼び出されるなどである。
【0135】
ボタンが北、東、南、西の方向を指している、iPOD又は同様のキー/ボタン配置を備えている装置の様な別の例では、各方向が、特定の再生機能に相関付けられているか、特定の再生機能にマップされているか、又は特定の再生機能を呼び出す。例えば、北方向を押すと、「大」再生機能が呼び出される。南方向を押すと、「小スキップ」再生機能が呼び出される。東方向を押すと、「次へ」再生機能が呼び出される。そして、西方向を押すと、「戻る」再生機能が呼び出される。更に、中心を押すと、プレイリストが呼び出され、目下のトラックが中心に据え直される。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本方法及びシステムは、カーオーディオシステム、家庭用電子装置、携帯電話、パーソナルコンピュータで実行されているソフトウェアプログラム、メディアファイルを再生できる他の何らかの装置の様な、広範なメディア装置に適用することができる。本方法及びシステムは、特に、携帯メディアプレーヤーに適用することができる。
【0137】
当業者には理解頂けるように、本発明の方法及びシステムは、適用範囲内で、限定するわけではないが、上記の例示的な実施形態と実施例の様な多くの方式で実施することができる。言い換えると、機能要素は、1つ又は複数の個性要素によって、ハードウェアとソフトウェアの様々な組み合わせで実行され、個別の機能は、ソフトウェアのアプリケーションの間で、クライアント又はサーバー何れのレベルでも分散することができる。この点で、ここに説明している異なる実施形態のどの様な数の特徴を組み合わせて1つの実施形態にしてもよいし、代替の実施形態として、ここに説明している全ての特徴より少ないものも多いものも考えられる。機能性も、全体的に又は部分的に、複数の構成要素の間で、現在知られているか又は知られるようになる方式で、分散してもよい。従って、ここに説明している機能、特徴、インターフェース、及び嗜好を実現する際に、無数のソフトウェア/ハードウェア/ファームウェアの組み合わせが考えられる。更に、当業者には理解頂けるように、本発明の範囲は、ここに述べているシステム構成要素を通して、従来知られている特徴、及びそれらの変更及び修正を包含している。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】関係データを作成及び/又は携帯装置にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図2】関係データを作成及び/又は携帯装置にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図3】例示的な実施形態のナビゲーション経路を示している。
【図4】関係データを作成及び/又はパーソナルコンピュータベースのメディア器具にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図5】関係データを作成及び/又はパーソナルコンピュータベースのメディア器具にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図6】関係データを作成及び/又はメディア器具にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図7】関係データを作成及び/又はメディア器具にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図8】関係データを作成及び/又はストリーミングメディア器具にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図9】関係データを作成及び/又はストリーミングメディア器具にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図10】例示的な実施形態のナビゲーション経路を示している。
【図11】ジャンルベースの関係で作られた編成ツリーを示している。
【図12】ジャンルベースの関係を用いた大スキップ再生機能をサポートするアーティスト選択論理の例示的な実施形態を示している。
【図13】ジャンルベースの関係を用いた大スキップ再生機能をサポートするトラック選択論理の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【図14】1つの例示的な実施形態の状態マシンを示している。
【図15】例示的な実施形態の人気度属性決定を示すためのフローチャートである。
【図16】アーティストベースの関係を用いた再生機能をサポートするアーティスト選択論理の例示的な実施形態を示している。
【図17】アーティストベースの関係を用いた再生機能をサポートするトラック選択論理の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【図18】例示的な実施形態のユーザーインターフェースを示している。
【図19】例示的な実施形態のユーザーインターフェースを示している。
【図20】例示的な実施形態のアイコンを示している。
【技術分野】
【0001】
本開示は、携帯式メディアプレーヤーの様なメディア装置と、(装置で再生するための録音物の様な)メディアファイルを特定して選択する、メディアを選択するための方法とに関する。方法は、自動車のオーディオシステム、家庭用電子装置、携帯電話、パーソナルコンピュータで実行されるソフトウェアプログラム、又はメディアファイルを再生することのできる他のあらゆる装置で実施される。
【背景技術】
【0002】
MP3の様なデジタルオーディオ圧縮技術が出現し、増大一途のデータ量を記憶することができる安価な装置と組み合わされて、音楽コレクションやメディアファイルを管理し、それらにアクセスする画期的な新しい方法が開けた。Musicmatch、Real Networks、Yahoo! などによって開拓されたデジタルメディアプレーヤー又はメディアジュークボックスは、ユーザーが、音楽コレクションを、コンパクトディスクやレコードアルバムからコンピュータのハードドライブに記憶される圧縮デジタルオーディオフォーマットにコピーできるようにした。
【0003】
このフォーマットで記憶されると、ジュークボックスのソフトウェアを使って、ユーザーは、自分のメディアファイルと音楽コレクションの目録を作り、編成できるようになる。更に重要なのは、ソフトウェアが進歩したので、ユーザーが、録音物の再生に関して前例のない制御を行えるようになることである。トラックは、任意の順序で、トラックを検索するのに実質的に何の遅延も無く、再生することができる。音楽コレクション全体に亘る「ランダムアクセス」により、ユーザーは、再生前にトラックの注文リストを作成し、再生中にも再生リストの順序をスキップし、一時停止し、リプレイし、シャッフルし、又は編集できるようになった。安価なコンピュータメモリ(RAM)の導入によって、幾つかは同じ性能の比較的低容量の携帯音楽プレーヤーの作成に繋がった。
【0004】
最近では、更に安くて小さく、比較的丈夫な大量記憶装置の導入が、数千曲記憶容量を有する新世代の携帯装置に繋がってきている。全ての音楽コレクションが、今や、ポケット、財布、又は自動車のオーディオシステムに入る。
【0005】
しかしながら、携帯メディア装置は、限られたユーザーインターフェース用のリソースを有することが多い。装置自体が小さいので、ディスプレイは、概ね小さい。ボタン制御器の様な入力装置や選択装置は、簡素である。ポインティングデバイスとキーボードは、希または実用的ではない。携帯装置は、装置が、確実に、携帯可能で、経費効果があり、使い易く、その意図する環境で使用に耐えられるほど頑丈であるようにするため、簡素なユーザーインターフェースを選ばなければならない。携帯式メディアプレーヤーは、装置が作動する能力に困難を突きつけるのみならず、装置を操作するユーザーにも困難を突きつける環境で作動するように設計されている。携帯式メディアプレーヤーは、益々、自動車に用いられている。ジョギングする人や運動器具を操作している人も、広く携帯装置を使用している。
【0006】
ディスプレイやユーザー入力性能が制限されているので、プレイリストを操作し、数百又は数千の選択肢からアーティスト、アルバム、又はトラックを選択するというタスクは、厄介である。自動車のメディアプレーヤー器具に関していえば、ユーザーが自動車を運転しているときは、次のオーティオ録音物を選択するというタスクは、大いに危険である。ユーザーは、受身になり、事前にプログラムされたか、又はランダムなプレイリストを聴くだけになるのを余儀なくされる。
【0007】
パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤーは、ユーザーを同様の境遇に陥れる移行期を経験してきた。パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤーは、現在は、コンポーネントオーディオアンプ及びスピーカから成るホームエンターテイメントシステムを駆動させていることが多い。その様な環境では、リスニング環境は、パーソナルコンピュータとは異なる部屋にある。
【0008】
「メディアセンター」のパーソナルコンピュータは、テレビスクリーンの様な大型フォーマットのディスプレイ装置で表示される単純化されたユーザーインターフェースを使用する。
【0009】
或る距離から見るように設計されているその様な単純化されたユーザーインターフェースは、しばしば、ディスプレイからのユーザーの典型的な距離を指す「10フィートUI」と呼ばれる。携帯式なので、雰囲気又は状況に基づいてプレイリストを操作し、音楽と対話する能力は、減ぜられ、ユーザーは、受動的になりがちである。
【0010】
「リビングルーム」というリスニング環境も、ユーザーが、音楽選択プロセスと対話するのを消極的にする。パーソナルコンピュータが遠くにある場合、ユーザーは、インターフェースにアクセスするため別の部屋へ歩いて行かなければならない。パーソナルコンピュータがメディアセンターのパーソナルコンピュータである場合は、ディスプレイがオンになり、適切に切り替わり、インターフェース装置が(無線遠隔、マウス、キーボード)アクセス可能でなければならない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、メディアプレーヤーインターフェースの限界とリスニング環境の複雑性が相まってユーザーが音楽録音物の選択と対話するのを阻んでいる、というこれらの問題に取り組んでいる。
【0012】
本開示は、特に、メディア装置へのユーザーインターフェースが簡単で、ユーザーの操作環境が複雑な装置対話にならないときに、音楽プログラムをユーザーに合わせて作るようなやり方で、メディア装置と対話できるようにする方法とシステムについて述べる。
【0013】
或る実施形態では、メディア装置は、複数のメディアファイル、ユーザーインターフェース、及び第1、第2、第3要素の間の関係度を示すデータを含んでいる。第1要素は、所望の関係度と、第2メディアファイルを特定する要望とを示すユーザー入力を受信する。第2要素は、第1メディアファイルを特定する。第3要素は、所望の関係度と第1メディアファイルのアイデンティティに従って、第2メディアファイルを特定する。
【0014】
別の実施形態では、メディアファイルを対話して再生するための携帯メディアプレーヤーは、記憶装置とソフトウェアを含んでいる。記憶装置は、メディアファイルと、メディアファイル間の関係を示すデータ用の記憶装置である。ソフトウェアは、或る大きさを有するスキップを起動するイベントを受信し、スキップの大きさに基づいて、再生する次のメディアファイルを選択し、その際、スキップの大きさ、及び現在のメディアファイルと選択可能な代替メディアファイルの間の関連は、代替メディアファイルの1つを次のメディアファイルとして選択する可能性に影響を及ぼす。携帯プレーヤーは、更に、メディアファイルとメディアファイル間の関係を特定するのに用いられる情報が中に入っているデータベースシステムと、1つ又は複数のコンピュータ装置に接続するための通信ユニットを含んでいる。メディアファイル間の関係は、1つ又は複数のコンピュータ装置から、携帯メディアプレーヤーに転送される。
【0015】
別の実施形態では、メディアを選択する方法は、複数のメディアファイルの中の第1メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、所望の関係度と第2メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、メディアファイル間の関係度を示す関係データにアクセスする段階と、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及び第1メディアファイルのアイデンティティに従って第2メディアファイルを選択する段階と、を含んでいる。メディアファイルは、再生のための録音物であることを特徴とし、第1メディアファイルは現在の録音物であり、第2メディアファイルは新しい録音物である。
【0016】
別の実施形態では、システムは、1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されると、上記方法を実行するコンピュータ読み取り可能な命令を有する1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能メディアと、1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能メディアを具現化するコンピュータ装置を含む。
【0017】
更に別の実施形態は、録音物のシーケンスを作るため、スキップコマンドを使ってメディアファイルを選択するため、及び再生するためのメディアファイルを選択するための方法を含んでいる。本開示は、メディアファイルについて述べているが、限定するわけではないがビデオとオーディオの様なファイルを含めて、自動的手段によって読み取られ、ユーザーに知覚可能な体験を提供できる全ての種類のファイルが、本開示の範囲に含まれると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付図面は、本出願の一部を構成しているが、本発明の実施形態を例示するものであって、本発明の範囲を限定する意図はなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に基づくものとする。
【0019】
本開示の幾つかの例示的な実施形態について、添付図面を参照しながら論じるが、図面では、同様の参照番号は同様の構成要素を指す。
【0020】
概括的には、本開示は、メディアを選択するための方法、メディア装置、システム、及びユーザーインターフェースに関する。1つの実施形態では、メディアは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及び装置のメディアファイルのアイデンティティに基づいて選択される。その様な装置には、限定するわけではないが、携帯メディア装置、パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤー、メディア器具、ストリーミングメディア器具、衛星ラジオ又はビデオ受信器、携帯電話、及び/又は、記憶されている情報を知覚可能なユーザーユーザー体験に変換するのに適した他の器具又はハードウェア/ソフトウェア構成が含まれる。従って、各装置は、メディアを容易に選択できるようにする特定のシステム構成又はアーキテクチャによってサポートされている。
【0021】
メディアを選択する方法の別の実施形態では、方法は、複数のメディアファイルの中の1つのメディアファイルの少なくとも1つの属性の値を認識する段階と、所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの中の第2メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、前記複数のメディアファイルの中のメディアファイルの少なくとも1つの属性の値の間の関係度を示す関係データにアクセスする段階と、前記所望の関係度、前記ユーザー入力、前記関係データ、及び前記第1属性値に従って前記第2属性値を選択する段階と、前記選択された第2属性値に従って第2メディアファイルを選択する段階と、を含んでいる。
【0022】
1つの実施形態では、属性は、メディアファイルの基本的な録音物アーティストである。別の実施形態では、属性は、メディアファイル又は録音物のジャンルである。1つの実施形態では、メディアファイルは、録音物である。
【0023】
別の実施形態では、本方法は、追加の属性に基づいて第2メディアファイルの選択にバイアスを掛ける段階を更に含んでいる。1つの実施形態では、追加の属性は、メディアファイルの人気度である。別の実施形態では、追加の属性は、メディアファイルの明示的な格付けを示す。別の実施形態では、追加の属性は、システムの1つ又は複数の構成要素により追跡されて観察されたユーザーの行動(例えば、ユーザートラック選択、トラックの選択頻度、トラックを回避する標準的なスキップ、プレイリストからのトラック削除など)に基づく、メディアファイルの暗示的な格付けを示す。
【0024】
別の実施形態では、各装置は、これもメディアファイル間の関係度を示すデータを作成し易くするため、特定のシステム構成又はアーキテクチャによってサポートされている。
【0025】
1つの実施形態では、装置が、複数のメディアファイル間の関係度を示すデータを記憶しているとき、ユーザーは、複数のメディアファイルに関し幾つかの再生機能を行うことができる。これらの対話式再生機能については、後で更に詳しく述べる。
【0026】
携帯メディア装置の例示的な実施形態
1つの実施形態では、図1と図2に示すように、携帯メディア装置又は携帯メディアプレーヤーは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択する能力を有している。その様な携帯メディアプレーヤー装置には、限定するわけではないが、商標名APPLE IPOD、CREATIVE LABS ZEN MICRO、DELL DJ、IRIVER H10、RIO CARBONで知られているMP3プレーヤー、又はその様な機能を組み込んでいる携帯電話、又はメディアファイルを記憶及び/又は再生できる同様の装置が含まれる。図1は、関係データを作成し、関係データを携帯メディア装置にロードする例示的な方法を示している。図2は、関係データを作成し、携帯メディア装置にロードするための例示的なシステムアーキテクチャ又は構成を示している。図2は、パーソナルコンピュータ210に接続されている携帯音楽プレーヤー205を示しており、このパーソナルコンピュータは、中央集中音楽情報サーバー215に接続されている。携帯音楽プレーヤー205は、ボタン206の様な少なくとも1つのユーザー入力アイコンと、随意のディスプレイ207と、選択エンジン209と、オーディオレンダリング機能203と、同期化マネージャー208と、アーティスト、ジャンル、アルバム又は何らかの他の種類のカテゴリに基づく関係グラフ201と、オーティオ録音物202と、を備えている。パーソナルコンピュータ210は、音楽管理ソフトウェア212と、携帯装置マネージャー204と、オーディオライブラリ211と、を備えている。中央集中音楽情報サーバー215は、サーバーインターフェースアダプター213と、関係データベース214と、識別データベース216と、を備えている。
【0027】
更に、図1は、関係データを作成し、携帯メディア装置にロードするための例示的な方法を示している。図1に示す様に、携帯メディア装置、パーソナルコンピュータ、及び中央集中音楽情報サーバーの間に接続が確立される100。1つの実施形態では、携帯メディア装置、パーソナルコンピュータ、及び中央集中音楽情報サーバーの間に複数の接続がある。その様な通信接続は、有線又は無線、LAN、WAN、WiFi、セル方式、衛星、又は現在知られているか、知られるようになる通信を確立する他の手段であってよい。1つの例示的な実施形態では、パーソナルコンピュータと携帯メディア装置の間にある種類の接続があり、パーソナルコンピュータと中央集中音楽情報サーバーの間には、別の種類の接続がある。この様に、携帯メディア装置、PC、及び中央集中音楽情報サーバーを接続するための様々な種類の組み合わせ、構成要素、及び構成が考えられる。例えば、図2では、パーソナルコンピュータ210は、音楽管理ソフトウェア212とサーバーインターフェースアダプター213を通して、中央集中音楽情報サーバー215とインターフェースをとっている。更に、パーソナルコンピュータ210は、同期化マネージャー208と携帯装置マネージャー204を通して、携帯音楽プレーヤー205とインターフェースをとっている。1つの実施形態では、携帯装置マネージャー204の機能は、パーソナルコンピュータ210に配置されている全てのユーザーメディアライブラリ212と、携帯装置205に配置されているメディアファイルとを同期化することである。1つの実施形態では、同期化は、パーソナルコンピュータに配置されているメディアファイルの幾つか又は全てを携帯装置に転送することによって実現される。
【0028】
図1に戻るが、接続が確立された100後、プレイリストのデータが、携帯メディア装置とパーソナルコンピュータの間で同期化される105。1つの実施形態では、図2に示す様に、同期化マネージャー208は、パーソナルコンピュータ210から携帯装置205へのメディアファイルの転送を管理する。更に、同期化マネージャー208は、転送されたメディアファイルを記憶する。この様に、同期化マネージャー208と携帯装置マネージャー204は、協働して、全メディアファイルを携帯装置205に転送し、リストを作成する。
【0029】
携帯装置に転送されるファイルのリストが作られる110。つまり、「ターゲットリスト」が作られる110。図2では、携帯装置マネージャー204と同期化マネージャー208は、協働して、同期化処理が完了すると携帯装置205に記憶されることになるメディアファイルに関連するアーティスト(アルバム、ジャンル、又は何れかの他の種類のカテゴリとすることができる)のリストを作成する。
【0030】
図1に戻るが、全てのアーティスト又はメディアファイルのリスト(ターゲットリスト)が作られる110と、リストは、PCから中央集中音楽情報サーバーへ転送される115。1つの実施形態では、中央集中音楽情報サーバーは、インターネット又はネットワーク上に配置されている。1つの実施形態では、サーバーインターフェースアダプターは、ターゲットリストを含む要求を処理する。例えば、必要に応じて識別データベースを使って、アーティストの名前が特定される。1つの実施形態では、各アーティストの名前には、その特定のアーティストに対応する固有の識別子が割り当てられている。なお、アーティストに基づいて関係を参照するのは一例であって、他にも多くの種類の関係を使用することができる。別の実施形態では、各メディアファイルは、アーティストの名前だけでなく、又はそれに加えて、アルバム名及び/又はジャンル名、又は他の種類のカテゴリに関連するものと考えられる。例えば、他の実施形態では、1つ又は複数のメディアファイルの間の関係は、アルバム、トラック、格付け、ユーザーID、ジャンル及び/又は年代に基づいている。勿論、ファイルの種類と関連するメタデータに応じて、メディアファイルに関係する別のメタデータを使用して関係を形成してもよい。例えば、メディアファイルがテキスト記事であれば、メタデータは、作者、タイトル、主題、又は概要を含んでいる。
【0031】
次に、図1に示す様に、中央集中音楽情報サーバーは、ターゲットリストのメディアファイル間の関係データを構築する120。1つの実施形態では、関係データは、グラフであって、マスター関係データベースに基づいて構築されている。1つの実施形態では、グラフには、固有の各アーティストID(又は何らかの他の種類のID)の頂点と、関係付けられたアーティストの間のエッジがある。エッジは、2人のアーティスト間の関係の強度をエンコードする「重み」と呼ばれる値を含んでいる。相互関係に関する情報が、ここに記載している教示に従って記憶され、解釈され、アクセスされるのであれば、関係データのセットは、他の方法でも同様に構築することができる。
【0032】
アーティストベースの関係を使用する実施形態では、グラフと、アーティストの名前のIDへのマッピングは、それが、ネットワーク上で転送され、元の要求への応答として音楽管理ソフトウェアに送られるようなやり方で(例えば、順番に並べられる)エンコードされる。
【0033】
別の実施形態では、1つ又は複数のメディアファイル間の関係データは、遠隔ネットワークサーバー又は他の接続された構成装置を使用することなく、携帯装置自体で確立される。1つの実施形態では、これは、携帯装置上のメディアファイルの分析に基づいて関係データを形成し、次いで装置自体がデジタル信号処理することによって実現される。別の実施形態では、携帯装置は、キープ又はメディアファイル関係のマスターデータベースをホストし、このデータベースに対して携帯装置にロードされた録音物又はメディアファイルをマップするための方法及び手段をホストする。本開示の方法に記載されている処理を分散するには多くの可能な方法があることは明白である。
【0034】
図1に戻るが、関係セットが構築され120(グラフ及びマップ又はその他の種類何れかで)、関係データはパーソナルコンピュータに送られる125。例えば、図2では、関係データは、サーバーインターフェースアダプター213と音楽管理ソフトウェア212とインターフェースをとることによって、中央集中音楽情報サーバー215からパーソナルコンピュータ210に送られる。
【0035】
次に、図1に戻るが、サーバーは、関係データをパーソナルコンピュータに送り、パーソナルコンピュータは、関係データを携帯装置に送る130。例えば、図2では、パーソナルコンピュータ210は、携帯装置マネージャー204と同期化マネージャー204とインターフェースをとることによって、関係データセットを、携帯装置205に送る210。このとき135、携帯装置又は携帯メディアプレーヤーには、関係データセットが入っており、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択することができる。1つの実施形態では、ユーザーは、所望の関係度、ユーザー入力、及び関係データだけでなく、メディアファイルのアイデンティティにも基づいて、メディアファイルを選択することができる。1つの実施形態では、このメディアファイルは、目下再生しているメディアファイルである。別の実施形態では、このメディアファイルは、目下一時停止しているメディアファイルである。1つの実施形態では、ユーザーは、携帯装置で、既存のユーザーインターフェースボタン又は他の種類のメディア装置入力要素又はアイコンを使って、これらのメディアファイルの選択及び/又は再生を開始することができる。これらの再生機能については、以下に更に詳しく述べる。
【0036】
ここに述べる開示全体を通して、明示する機能と方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせで実行することができ、様々に説明する特徴と機能は、選択の問題として、複数のプロセッサに分散させることも、単一の装置に集めることもできるものと理解されたい。従って、装置で作動可能であると記載している特徴又は機能は、パーソナルコンピュータで実行してもよいし、パーソナルコンピュータを無くして携帯装置がサーバーと直接通信してもよいし、サーバーを必要とせずに、サーバーの機能をパーソナルコンピュータで実行するなどしてもよい。更に、以下に詳しく述べる様に、関係データを自律的に作成できる自立式装置は、どの様な装置でも作動できると記載されている特徴又は機能を実行する。1つの態様では、この装置は、適切な処理能力と、関係データを受信及び/又は引き出し、再生機能を呼び出し、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいてメディアファイルを選択する能力とを有している。
【0037】
パーソナルコンピュータベースのメディア装置の例示的な実施形態
パーソナルコンピュータベースの音楽管理システムで、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択するための方法、装置、及びシステム構成の別の例示的な実施形態を、図4と図5に示している。パーソナルコンピュータベースの音楽管理システムの例には、限定するわけではないが、商標名YAHOO!MUSIC ENGINE、MUSICMATCH JUKEBOXWINDOWS(登録商標) MEDIA PLAYER、APPLE ITUNES、及びREAL JUKEBOXで販売されているシステムが含まれる。図5は、関係データを作成し、関係データをパーソナルコンピュータにロードする例示的な方法を示している。更に、図4は、関係データを作成し、パーソナルコンピュータにロードするための例示的なシステムアーキテクチャ又は構成を示している。図5に示す様に、中央集中音楽情報サーバー、パーソナルコンピュータ、少なくとも1つのオーディオレンダリング装置、及び少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置の間に接続が確立される505。更に、別の実施形態では、ストリーミングサーバーが、システム内で接続されている。図4では、システム構成は、パーソナルコンピュータ210、中央集中音楽情報サーバー215、ストリーミングサーバー440、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430、及び少なくとも1つ又は複数の遠隔又はローカルオーディオレンダリング装置425を含んでいる。具体的に、パーソナルコンピュータ210は、メディア管理ソフトウェアのユーザーインターフェース212、オーディオレンダリング機能420、選択エンジン415、及び(何らかの種類のカテゴリに基づく)アーティスト関係グラフ405、オーディオライブラリ211、及びストリーミングライブラリインベントリ410を含んでいる。中央集中音楽情報サーバー215は、更に、サーバーインターフェースアダプター213、ストリーミングインベントリデータベース435、関係データベース214、及び識別データベース216を含んでいる。ロード及び機能を複数のサーバーに分散することは、サーバー環境の慣例なので、中央集中音楽情報サーバーによって示される機能は、1つ又は複数のサーバーによって実施されることに留意されたい。例えば、図4で、パーソナルコンピュータ210は、パーソナルコンピュータベースの音楽管理システム212のメディア管理ソフトウェア212とサーバーインターフェースアダプター213とインターフェースをとることによって、中央集中音楽情報サーバー215に接続される。パーソナルコンピュータ210は、更に、メディア管理ソフトウェア212を介して、ストリーミングサーバー440に接続されている。更に、パーソナルコンピュータ210は、メディア管理ソフトウェア212を介して、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430に接続されている。パーソナルコンピュータ210は、入力イベントをメディア管理ソフトウェア212に提供する少なくとも1つのローカル又は遠隔入力装置430に接続されている。メディア管理ソフトウェア212は、装置を使ってオーディオをレンダ(render)する。従って、パーソナルコンピュータ210に配置されているメディア管理ソフトウェア212は、デジタルオーディオ又はメディアファイルを再生するのに用いられる構成要素を統合する働きをする。
【0038】
次に、図5に戻るが、適切な接続がなされた505後、パーソナルコンピュータは、ターゲットリストとも呼ばれるメディアファイルのリストを構築する510。例えば、図4では、パーソナルコンピュータ210は、メディア管理ソフトウェア212を介して、メディアファイルのリストを構築する。次に、メディア管理ソフトウェア212は、サーバーインターフェースアダプター213を通して、アーティストのリスト(又は他の種類のメディアファイル関連)を中央集中音楽情報サーバー215に送信する。1つの実施形態では、リストは、ユーザーのライブラリからローカルに記憶されているメディアファイルと関連するアーティストで構成されている。
【0039】
図5では、中央集中音楽情報サーバーは、メディアファイルとターゲットリストの間の関係データセットを構築する520。
【0040】
関係データが構築された520後、関係データは、パーソナルコンピュータへ送られる525。例えば、図4では、中央集中音楽情報サーバー215は、サーバーインターフェースアダプター213とメディア管理ソフトウェア212を通して、関係データセットをパーソナルコンピュータ210に送る。従って、1つの実施形態では、中央集中音楽情報サーバーは、メディアファイルとターゲットリストの間の関係データセットを構築することができ、この関係データを、各メディアファイルに識別子を割り当て、その関係に基づいてグラフを構築し、アーティスト又はメディアファイルの名前及びIDのグラフ及びマップをパーソナルコンピュータに配置されているメディア管理ソフトウェアに送り返すことによって、パーソナルコンピュータ210に送る。
【0041】
別の実施形態では、メディア管理ソフトウェアがストリーミングメディアファイルをサポートしていて、ユーザーが、サブスクリプション又は他のアクセスモードの何れかを通して、ストリーミングのコンテンツにアクセスする場合、サーバーは、ユーザーのローカルライブラリに記憶されてはいないが、ストリーミングサービスを通して入手できるアーティスト又はメディアファイルとの関係を補うことができる。この随意の段階530も、図5に示されている。1つの実施形態では、ユーザーに管理された設定に基づいて、選択エンジンは、ローカルライブラリからトラック又はメディアファイルを、又は利用可能なストリーミングライブラリからトラック又はメディアファイルを選択することを選択することができる。選択エンジンが使用できるように、ストリーミングライブラリのインベントリの一部又は全体が、音楽情報サーバーデータベースからパーソナルコンピュータへ転送される。1つの実施形態では、PCに配置されているソフトウェアは、選択エンジンを統合し、関係グラフに記憶されているデータに基づいて再生するためトラック又はメディアファイルを対話によって選択する。1つの実施形態では、選択エンジンは、ユーザーのパーソナルコンピュータに配置されている。代替実施形態では、選択エンジンは、遠隔サーバーに配置されている。
【0042】
図5に示している方法に戻るが、次に、サーバーは、関係データをパーソナルコンピュータに送った525後、パーソナルコンピュータがメディアファイルにストリーミングサービスからアクセスするかパーソナルメディアライブラリからアクセスするかに関わらず、ユーザーは、パーソナルコンピュータを、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいてメディアファイルを選択するのに携わらせる535。例えば、ユーザーは、目下再生しているか、又は一時停止しているアーティスト及び/又はメディアファイルに基づいて、再生機能を利用できる。これらの再生機能については、以下に更に詳しく説明する。
【0043】
メディア器具の例示的な実施形態
関係データをメディア器具及び/又はコンポーネントオーディオ装置にロード及び/作成するためのシステム構成と方法の別の例示的な実施形態を、図6と図7に示している。図6は、関係データを作成し、次いでメディア器具にロードする例示的な方法を示している。図6は、メディア器具及び/又はコンポーネントオーディオ装置610を使って関係データをロード及び/又は作成するためのシステムのシステムアーキテクチャ又は構成600を示している。その様なメディア器具又はコンポーネントオーディオ装置には、限定するわけではないが、NETGEAR MP101及びLINKSYS WMSL11の様な商標名で市販されているネットワーク型コンポーネントオーディオ装置(デジタルマルチメディア受信器)が含まれる。
【0044】
図7は、中央集中音楽情報サーバー、パーソナルコンピュータ、及び少なくとも1つのメディア器具及び/又はコンポーネントオーディオ装置の間に確立されている700接続を示している。別の実施形態では、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具は、少なくとも1つの遠隔入力装置又はローカル入力装置と、少なくとも1つの外部ディスプレイに接続されている。図6に示す様に、例示的な実施形態のシステム構成600は、パーソナルコンピュータ210、中央集中音楽情報サーバー215、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具610、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430、及び少なくとも1つの外部ディスプレイ605を備えている。図6で分かる様に、パーソナルコンピュータ210は、更に、音楽管理ソフトウェア212、UPNPアダプター650、オーディオライブラリ211、及びコンポーネントオーディオ装置ゲートウェイ655を備えている。中央集中音楽情報サーバー215は、サーバーインターフェースアダプター213、関係データベース214、及び識別データベース216を備えている。更に、コンポーネントオーディオ装置610は、入力ボタン620の様なユーザー入力要素又はアイコン、ディスプレイ615、選択エンジン625、オーディオレンダリング630、汎用プラグ&プレイ(UPNP)アダプター635、アーティスト関係グラフ640、及びオーディオライブラリインベントリ645を備えている。
【0045】
1つの実施形態では、コンポーネントオーディオ装置610又はメディア器具に接続されている外部ディスプレイ605は、限定するわけではないが、TV、CRT、プラズマスクリーン、LCD、又は他の考えられる表示するための器具又は方法を含んでいる。1つの実施形態では、遠隔入力装置430又はローカル入力装置は、リモコンを含んでいる。例えば、図6に示す様に、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具610は、汎用プラグ&プレイ(UPNP)アダプター650を介して、パーソナルコンピュータ210に接続されている。この実施形態では、UPNPアダプター650は、メディアファイルのリストを入手し、必要に応じてメディアファイルをオーディオレンダリング装置630に転送する。更に、パーソナルコンピュータ210に配置されているコンポーネントオーディオ装置ゲートウェイ655は、中央集中音楽情報サーバー215と、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具610に配置されている選択エンジン625とインターフェースをとる。
【0046】
図7に戻るが、パーソナルコンピュータは、メディアファイルのリスト(ターゲットリスト)を構築する705。先に論じた様に、1つの実施形態では、パーソナルコンピュータは、ターゲットリストを構築し、サーバーと同期化させる。次に、ターゲットリストは、パーソナルコンピュータから中央集中音楽情報サーバーへ転送される。次に、サーバーは、メディアファイルとターゲットリスト715の間の関係データを構築する715。1つの実施形態では、関係データは、先ず、各アーティストの名前又はメディアファイルを、アーティスト又はメディアファイルに対応する固有の識別子と関係付けることによって構築される。1つの実施形態では、これは、識別データベースを使って実現される。次に、マスター関係データベースに基づいてグラフが構築される。グラフには、固有の各アーティスト又はメディアファイルIDの頂点と、関係付けられるアーティスト又はメディアファイルの間のエッジがある。エッジは、2つのアーティストまたはメディアファイルの間の関係の強度をエンコードする「重み」と呼ばれる値を含んでいる。グラフと、アーティストの名前のIDへのマッピングは、ネットワークを介して転送できるようにエンコードされ(順番に並べられる)、元の要求への応答としてメディア管理ソフトウェアに送られる。
【0047】
サーバーは、関係データを構築した715後、関係データセットをパーソナルコンピュータに送る720か、又は関係データを直接メディア器具に送る730。1つの実施形態では、サーバーは、関係データセットを、パーソナルコンピュータに搭載されているゲートウェイプログラムを通してメディア器具に送る。例えば、図6では、コンポーネントオーディオ装置ゲートウェイ655を使って、サーバー215は、関係データをコンポーネントオーディオ装置610に送ることができる。サーバーは、関係データを直接メディア器具又はコンポーネントオーディオ装置730に送らない場合は、関係データをパーソナルコンピュータに送り720、その後、パーソナルコンピュータが、関係データセットをメディア器具に送る725。
【0048】
関係データセットが作成され、コンポーネントオーディオ装置又はメディア器具にロードされる725/730と、ユーザーは、コンポーネントオーディオ装置又は器具のメディアファイルを、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて選択する735ことができる。1つの実施形態では、図6に示すように、メディア器具610は、通常、ユーザーがメディアファイルの選択肢を閲覧することができるように、少なくとも1つの遠隔又はローカル入力装置430及び外部ディスプレイ605とのインターフェースをとる。
【0049】
ストリーミングメディア器具の実施形態
ストリーミングメディア器具を使ってメディアファイルを選択するためのシステムと方法の別の例示的な実施形態を図8と図9に示している。図9は、関係データを作成し、関係データをパーソナルコンピュータ又は他の種類のストリーミングメディア器具にロードする例示的な方法を示している。図8は、パーソナルコンピュータ又は他のストリーミング器具805を使ってメディアファイルを選択するためのシステムのアーキテクチャ又は構成を示している。その様なストリーミング器具には、限定するわけではないが、PHILIPS STREAMIUMの様な商標名で市販されている品目が含まれる。PCベースのストリーミングアプリケーションには、PEAL RHAPSODY、YAHOO! UNLIMITED、及びMUSICMATCH ON DEMAND' の商標名で市販されている様なサービスが含まれる。
【0050】
図9aに示す様に、少なくとも中央集中音楽情報サーバー、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具、ストリーミングサーバー、入力装置、及び/又はオーディオレンダリング装置の間に接続が確立される900。
【0051】
次に、ユーザーは、再生機能を呼び出す905。その後、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、再生機能を要求として処理し910、この要求を中央集中音楽情報サーバーへ送る。図8に示す様に、例示的な実施形態のシステム構成は、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805、中央集中音楽情報サーバー215、遠隔又はローカル入力装置430、及び随意的に、遠隔オーディオオレンダリング装置425を備えている。その様な遠隔又はローカル入力装置430には、限定するわけではないが、キーボード、マウス、及び/又はリモコンが含まれる。その様な遠隔オーディオレンダリング装置425には、限定するわけではないが、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805に無線接続されているホームステレオコンポーネントが含まれる。オーディオレンダリングは又、直接取り付けられているアンプとスピーカーを通しても行われることができる。図8で分かる様に、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805は、ストリーミング/対話式ラジオユーザーインターフェース810、オーディオレンダリング機能820、及び少なくとも1つのストリーミングクライアント815を備えている。この実施形態では、オーディオは、遠隔サーバー440からストリーミングされる。ストリーミングクライアント構成要素815は、遠隔サーバー440からオーディオストリームを受け取り、レンダリング構成要素は、オーディオ820をローカル又は遠隔アンプとスピーカーにレンダする。中央集中音楽情報サーバー215は、少なくとも1つのサーバーインターフェースアダプター213、関係データベース214、選択エンジン830、及びストリーミングインベントリデータベース825を備えている。例えば、図8では、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805は、ストリーミング/対話式ラジオユーザーインターフェース810とサーバーインターフェースアダプター213を通して、中央集中音楽情報サーバー215とのこの通信を容易にする。
【0052】
次に、図9に戻るが、中央集中音楽情報サーバーは、次のメディアファイルを選択し、ストリーミング識別子/指示をパーソナルコンピュータ又はストリーミング器具に戻す915。次に、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、識別子/指示を使って、ストリーミングサーバーからの次のメディアファイルのストリーミングを開始させる920。この様に、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、ストリーミングメディアメディアサーバーと通信する925。1つの実施形態では、図8に示すように、ストリーミングは、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具805に配置されているストリーミングクライアント815とストリーミングサーバー440によって開始される。
【0053】
次に、図9に戻るが、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具は、オーディオをレンダする930。1つの実施形態では、図8に示すように、パーソナルコンピュータ又はストリーミング器具850は、遠隔オーディオレンダリング装置425に接続されているそのオーディオレンダリング機能820を通して、オーディオをレンダする。
【0054】
別の例示的な実施形態では、関係データは、スタンドアローン装置(図示せず)によって自律的に作成される。1つの態様では、この装置は、適切な処理能力と、関係データを作成し実装するのに用いられるデータ及び再生機能を受信及び/又は引き出す能力を有している。1つの例示的な実施形態では、スタンドアローン装置は、上に述べた実施形態の全ての能力を有しており、サーバーに接続されること、及び/又は別のオーディオレンダリング装置への接続を必要とせず、及び/又は別のディスプレイ装置を必要とする。
【0055】
上記例示的な実施形態に記載されている具体的なシステムアーキテクチャ又は構成、装置に関係なく、或る実施形態では、メディアファイルを選択するための方法とシステムは、関係データに基づいている。別の実施形態では、メディアファイルを選択するための方法とシステムは、関係データ及びメディアファイルに関連する属性に基づいている。更に、適切な関係データのセットが提供されれば、当業者は、ハードウェア又はソフトウェア、有線又は無線、地上又は衛星ベースに関わらず、現在知られているか又は今後知られるようになる様々なメディア種類とシステム構成に合わせて、本発明を作成し直すことができるであろう。
【0056】
関係データの1つの態様は、関係度を示すことである。例えば、1つのメディアファイルと別のメディアファイルの類似性である。従って、1つの関係は、メディアファイルAとメディアファイルBを扱うことができ、関係は、メディアファイルBが、選択されたメディアファイルであるメディアファイルAに直接続く可能性と定義される。1つの実施形態では、関係データは、ユーザーの母集団の間で明示的及び/又は暗示的なユーザープレイリストデータを分析することによって確立され又は決められるこれらの可能性及び他の類似性の統計に基づいている。母集団は、1人のユーザーから多くのユーザーまで、多くても少なくてもよいし、実際、音楽サービスプロバイダのユーザー人口全体を含んでいてもよい。例えば、関係データは、オンデマンドストリーミングメディアサービスにおける明示的及び/又は暗示的なユーザーの行動を記録し分析することに基づいている。ユーザーにプレイリストの公開と共有を奨励するコミュニティサイトは、関係データを引き出すのに用いられる別のデータ源である。再生される曲の順序、又はエンドユーザーによって作成されるプレイリストを報告するメディアプレーヤーは、このデータの別のソースである。メディアか、ユーザーがリクエスト又はダウンロードするファイルを観察するピア・ツー・ピア・アプリケーションか、又は認識リクエストを通してユーザーのメディアライブラリのコンテンツの少なくとも一部を観察する音楽認識サービス、を販売するE−コマース・アプリケーションは、関係データを形成するのに用いられる別の可能なデータ源である。
【0057】
1つの実施形態では、関係度は、1つ又は複数のメディアファイル間の特定の類似度に基づいている。1つの実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが同じ又は同様のジャンルに関連するか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが、プレイリスト、文書、購買行動、明示的なユーザーの嗜好、及び/又は観察されたユーザーの、ウェブサイト又はサービスとの対話における統計的共起尺度によって関係付けられるか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが、プレイリスト、文書、購買行動、明示的なユーザーの嗜好、又は観察されたユーザーの、ウェブサイト又はサービスとの対話における統計的共起尺度によって関係付けられるアーティストと関連するか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、2つのメディアファイルが、プレイリスト、文書、購買行動、明示的なユーザーの嗜好、又は観察されたユーザーの、ウェブサイト又はサービスとの対話における統計的共起尺度によって関係付けられるアルバムと関連するか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、メディアファイルが、専門家又は注意深い視聴者によって同様であると識別されるか否かに基づいている。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、メディアファイルが、視聴者により理解される類似性の属性を有しているか否かに基づいている。例えば、テンポ、ムード、及び/又はリズム力又は強度、及び/又は音量である。別の実施形態では、少なくとも2つのメディアファイル間の類似度は、メディアファイルが、録音物の波形を分析するアルゴリズムによって抽出される類似性の属性を有しているか否かに基づいている。
【0058】
関係データが作成され、装置にロードされると、ユーザーは、目下再生されているアーティスト及び/又はメディアファイルに基づいて、再生機能を行うことができる。これらの再生機能は、ユーザーが、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアを選択できるようにする。その様な再生機能は、限定するわけではないが、「次へ」再生機能、「小スキップ」再生機能、及び「大スキップ」再生機能を含んでいる。更に、ここではプレイリストについて言及しているが、特定のプレイリスト又はメディアファイルのサブセットを選択する必要は無く、利用可能なメディアの全領域をプレイリスト、又は一部又はサブセットとして利用してもよい。
【0059】
これらの再生機能又は機能性のそれぞれは、ユーザー入力によって呼び出され、アーティスト、ジャンル、アルバム、トラック、格付け、別のユーザー、又は年代関係の何れかに基づく、1つ又は複数のメディアファイル間の具体的な関係度を示す。従って、ユーザー入力によって呼び出される再生機能は、メディアファイル間の類似度と相関関係を持つことができる。再生機能を呼び出すことで、ユーザーは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、メディアファイルを選択できるようになる。
【0060】
例えば、1つの実施形態では、「次へ」再生機能は、目下再生しているか、又は一時停止しているメディアファイルと、次に再生されるメディアファイルの間の類似度が高いことを表している。従って、ユーザーが、次のメディアファイルが、目下再生しているか、又は一時停止しているメディアファイルと非常に似ていることを希望する場合は、ユーザーは、「次へ」再生機能を呼び出す。再生機能を呼び出すための方法について、以下に更に詳しく述べる。更に、「小スキップ」再生機能は、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の類似性が中レベルであることを示している。従って、ユーザーが、次のメディアファイルが、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルといくらか同様であることを望む場合は、ユーザーは、小スキップ再生機能を呼び出す。この場合もやはり、再生機能を呼び出すための方法について、以下に更に詳しく説明する。従って、「大スキップ」再生機能は、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の類似性のレベルが低く、即ち、似ていないことを示している。従って、ユーザーが、次のメディアファイルは目下再生しているメディアファイルと似ていないことを望む場合は、ユーザーは、大スキップ再生機能を呼び出す。この場合もやはり、再生機能を呼び出すための方法について、以下に更に詳しく説明する。勿論、特定の類似度に関係付けられているか、又は、1つ又は複数のメディアファイル間に構築される任意の種類の関係に基づく数多くの種類の再生機能があると考えられる。例えば、装置は、ユーザーに、ジャンル、年代、テンポ、及びアーティストの類似性を表す一列のつまみ又は入力要素を提示してもよい。従って、例えば、つまみを少し回すと、その程度に基づいて、前のトラックと似ている次のトラックを選択することになる。つまみを大きく回すと、その程度に沿って、前のトラックに似ていないトラックを選択することになる。別の実施形態では、ジャンル、アーティスト、テンポなどについて複数のスキップ制御があり、ジャンルでは小さくスキップするが、アーティストでは大きくスキップすることを容易にする。他の制御結合と組合わせも、この明細書の教示に従って実行することができる。
【0061】
1つの例示的な実施形態では、関係データは、アーティスト関係を使って作成され、メディア又は装置にロードされる。勿論、ジャンル、アルバム、トラック、又は他の任意の種類のカテゴリの様な、どの様な種類の関係を用いてもよい。
【0062】
この実施形態のための例示的な状態マシンを、図14に示している。図14で分かる様に、携帯メディアプレーヤーは、再生中1405、一時停止1415、又は停止1410状態にあることができる。ユーザーは、プレイリスト内の再生、停止、一時停止によってメディアファイルを選択し、「戻る」1430、「次へ」1440、「小スキップ」1435、又は「大スキップ」1445の様な再生機能を行うことができる。
【0063】
1つの実施形態では、ユーザーは、手動で最初のメディアファイル又はトラックを選択する1425。代替実施形態では、最初のメディアファイル又はトラックが、ランダムに選択される1425。
【0064】
1つの実施形態では、再生状態1405は、システムがメディアファイルを再生していることを示している。ユーザーは、この再生状態1405から、再生機能の何れか1つを呼び出してメディアファイルを選択する。ユーザーが、再生機能の何れか(戻る1430、次へ1440、小スキップ1435、又は大スキップ1445)1つを選択すれば、新しいメディアファイルが選択され、メディア装置は、その新しいメディアファイルの再生を開始する。1つの実施形態では、オーディオレンダリングエンジンが、メディアファイルの再生を始める。別の実施形態では、ユーザーが再生状態1405の間に再生を選択すれば、システムは、目下のトラックを「中心に置き直し」、目下のトラックが「プレイリストの中心」になる。例えば、アーティスト関係に基づく実施形態では、システムがアーティストAを中心に決められていて、システムが関係するアーティストBを再生している場合、システムは、アーティストBが再生されているときにユーザーがプレイボタンを押した場合は、アーティストBを中心に置き直し、アーティストBが目下の、又は「中心」(プレイリストの中心)になることを意味している。1つの実施形態では、これは、ユーザーが、再生機能を実行しない場合は、プレイリストの「中心」にあるアーティストから或る一定の割合のトラックが選択され、残りの割合は、「中心」にあるアーティストと同様のアーティストから選択されることを意味している。
【0065】
1つの実施形態では、停止状態1410は、開始状態と同様であり、メディアファイルが再生されていないことを意味している。従って、再生イベントが、メディアファイルの再生を開始させるために必要である。1つの実施形態では、「戻る」再生機能1430は、目下のトラックを選択して最初から再び再生させるか、又は、目下のトラックがまだ始まっていない(又は開始に非常に近い)場合は、前のトラックを再生する。更に、「戻る」再生機能1430は、プレイリストの中心を、選択されたトラックに関連するアーティストにリセットする。
【0066】
図14で分かる様に、メディアファイルが再生している1405ときに、目下のトラックが終了するか、又はユーザーが「次へ」再生機能を呼び出す1440と、次の再生機能論理(図16と図17)が実行され、次のトラックが選択され、再生される1405。
【0067】
更に、メディアファイルが再生している1405ときに、ユーザーが「小スキップ」再生機能を呼び出す1435と、小スキップ再生機能論理(図16と図17)が実行され、次のトラックが選択され、再生される1405。
【0068】
従って、図14に示す様に、メディアファイルが再生している1405ときに、ユーザーが「大スキップ」再生機能を呼び出す1445と、大スキップ再生機能論理(図12と図13)が実行され、次のトラックが選択され再生される1405。更に、1つの実施形態では、メディアプレーヤーが停止状態1410から再生状態1405へ移るときに、アルゴリズムがメディアファイルの繰り返しを防ぐ履歴であるメディアファイル履歴がクリアされる1450。
【0069】
1つの実施形態では、システムは、プレイリストの中心にいるアーティストに基づいて次のメディアファイルを選定する。別の実施形態では、プレイリストの中心は、アルバム、ジャンル、トラック、及び年代である。
【0070】
図16と図17は、関係データがアーティスト関係に基づいているときに次の再生機能をサポートする論理の例示的な実施形態を示している。具体的には、次の再生機能が選択されるときに関係データがアーティスト関係から作成される実施形態では、システムは、図16に示す様に、アーティストのプレイリストの中心(図16に示されている目下のアーティスト)に基づいて、次のアーティストを選択する。次に、図17に示す様に、次のアーティストが決められると、システムは、そのアーティストからどのトラック又はメディアファイルを選択して再生するかを決める。
【0071】
図16に示す様に、次の再生機能論理は、ユーザーが「次へ」再生機能を選択したときに起動される。先に述べた様に、次の再生機能は、特定のユーザーインターフェースボタンと相関している。或いは、「次へ」再生機能は、ユーザーインターフェースボタンを押す特定のパターンと相関しており、それによって呼び出される。例えば、「次へ」再生機能は、装置のユーザーインターフェースの早送りボタン、或いは、早送りボタンを2回早く押すこと又は他のパターンで押すことと相関している。更に、「次へ」再生機能は、目下のプレイリスト中心のメディアファイルと非常に似ているメディアファイルと関係付けられているのが望ましい。図16では、関係と類似性は、アーティストが互いにどの様に関係しているか、一方のアーティストが他方どれほど似ているかに基づいている。
【0072】
先ず、ユーザーは、装置のユーザーインターフェース又は何らかの他の種類の入力要素上の指定のボタン又はダイヤル、キーパターン、又は関係付けられたキーを押すことによって、「次へ」再生機能を呼び出す1600。別の実施形態では、「次へ」再生機能は、ユーザー入力によって呼び出されるが、ユーザー入力は、更に、音声起動コマンドを含んでいてもよい。1つの実施形態では、「次へ」再生機能は、更に、目下再生しているトラックが終了すると、ユーザーの代わりに自動的に呼び出される。
【0073】
次に、システムは、目下のアーティストが空になったとマークされているか否かを判定し1601、即ち、目下のアーティストが再生されていないトラックを有しているか否かを判定する。目下のアーティストが空になったとマークされていない場合、システムは、0から100の間でランダムな数を作成し、この数を焦点の設定位置と比較する1602。この比較1602は、メディアファイルを、目下のアーティスト又は関係するアーティストのどちらから選択すべきか否かを決める。
【0074】
目下のアーティストが選択されれば1608、システムは、そのアーティストのトラックを選択するよう試み1700、トラックを選択できるかどうか判断する1610。トラックが選択できなければ、アーティストは、アーティストが再生されていないトラックを有していないことを意味する、空になったとマークされる1612。そうでない場合は、そのアーティストから再生するためのトラックが選択される1611。
【0075】
そのアーティストが空になった場合1612、システムは、目下のアーティストに対して、次の関係するアーティストを選択する1603。更に、システムが、選択される次のアーティストは関係するアーティストであり、目下のアーティストではないと判断した場合、システムは、この段階に達する1603。
【0076】
関係のあるアーティストからトラックが選定される場合、目下のアーティストに関係する全アーティストに得点が付けられる1606。1つの実施形態では、得点は、目下のアーティストとの関係の強さに基づいて作成され(関係が強いほど得点が高い)1606、最近再生された履歴によってバイアスが掛けられる。例えば、最近の5つ(幾つでもよい)のトラックの中で再生された関係のあるアーティストは、0.0を得点する。1つの態様では、このバイアスは、最近の5回の内で再生された高得点のアーティストは、再度選択されないことを保証する。
【0077】
1つの実施形態では、アーティスト関係グラフの重みは、関係のあるアーティストのランクを示している。例えば、最も良く似たアーティストは、1.0のランクを受け、二番目に関係の強いアーティストは、2.0のランクを得、次に関係の強いアーティストは、3.0のランクを得るなどする。本実施形態では、逆数(1.0/ランク)が、関係のあるアーティストの選択の基本得点として用いられる。勿論、多くの代替方式が可能であり、構成又は調整パラメーターとして考えられる。
【0078】
関係のあるアーティストが得点付けられた1606後、関係のあるアーティストとその付帯する得点が、選択リストに加えられる1607。アーティストに得点を付け1607、各得点をセレクタ(selector)リストに加える1607処理は、関係する全てのアーティストが得点付けられるまで繰り返される。選択リストが空になる1612と、システムは、トラックが無いことを示す応答を戻す1621。関係する全てのアーティストの得点が付けられると、ランダムな数が作成され、或る要素の選択確率がリスト内の他の要素に相対的にその得点に比例するように、リストに適用される1615。1つのその様な技法は、リスト内の全得点が負でないことを保証するためである。ランダムな数は、0.0からリスト内の全得点の合計までの間で作られる。リストは、反復要素の得点の合計が、ランダムな数と等しいか、それを上回るまで繰り返される。反復の最終的な要素が選択される。当業者は、この技法又は同じ結果を出す同様の技法を容易に実行することができるであろう。
【0079】
アーティストが決められると、そのアーティストのトラックが選択される1700。そのアーティストから選択するトラックが無くなると、そのアーティストは、空になったとマークされ1619、そのアーティストは、選択(セレクタ)リストから取り除かれる1620。 図17は、アーティストベースの関係の実施形態の、トラック選択論理の1つの例示的な実施形態を示している。
【0080】
図17で分かる様に、選択されたアーティストと関連する各トラック又はメディアファイルが得点付けられる1703。1つの実施形態では、トラック又はメディアファイルは、それらの人気度属性に対して得点付けられる。従って、人気度設定の位置は、人気度属性が、トラック又はメディアファイルの選択確率にどの様に影響を与えるかを決める。人気度の位置については、以下に更に詳しく論じる。
【0081】
関係するアーティストを選択することに関して説明したのと同様の論理を使って、各トラック又はメディアファイルは、トラック選択基準に基づいて得点付けられ1703、選択又はセレクタリストに加えられる1704。このプロセス(1701−1704)は、その特定のアーティストに関する全てのメディアファイル又はトラックの得点付けられ1703、選択リストに加えられる1704まで、繰り返される。次に、重み付けされたランダムなセレクタが、適切なトラックを選定する1707。そのアーティストの最後のトラックが選択される1708と、そのアーティストは、空になったとマークされ1709、トラック履歴が更新される。
【0082】
選定されたトラック又はメディアファイルとそれに関連するアーティストが、履歴テーブルに加えられる1710、1711。1つの実施形態では、メディアファイル又はトラックの履歴テーブルは、同じメディアファイル又はトラックが、1つのセッションで繰り返されるのを防ぐ。別の実施形態では、アーティスト履歴テーブルは、様々な関係のあるアーティストが確実に再生されるようにする。従って、履歴テーブルは、選択されているメディアファイルで繰り返しを防ぐのに用いられる。1つの実施形態では、履歴テーブルは、選択のために、トラックを得点付ける1703か、アーティストを得点付ける1606ときに用いられる。別の実施形態では、同じメディアファイルの1つ置きの再生が現れるのを防ぐために、メディアファイルの曲又は他の属性がテーブルに加えられる。
【0083】
別の実施形態では、再生された直近5組(又は他の数)のアーティストのリストも維持される。関係するアーティストを選定するとき、そのアーティストが、再生された直近5つのトラックの1つと関連する場合、アーティストの得点は、0.0とペナルティを課される。
【0084】
更に、1つの実施形態では、セッションで再生した一組の全てのアーティストが保持される。具体的には、用いられた一組の全てのアーティストのエッジが保持される。次のアーティストを選択するとき、関係の候補が既に用いられていれば、ペナルティが加えられて、繰り返しエッジの選択確率が下がる。繰り返しエッジに対するペナルティ係数は、システムに対するパラメーターであり、倍加係数として関係得点に適用される。繰り返しエッジのペナルティ係数は、0.0(最大ペナルティ)から1.0(ペナルティ無し)である。従って、ユーザーが再生機能を呼び出すとき、既に再生されたアーティスト又はメディアファイルは選定されないことになる。1つの実施形態では、停止から再生状態へ移行すると、履歴がクリアされ、新しい「セッション」が作られる。
【0085】
別の例示的な実施形態では、「小スキップ」再生機能をサポートする論理は、新しいアーティストが常に選択され、この新しいアーティストがプレイリストの中心になること以外は、図16と図17に示している「次へ」再生機能の論理と同じである。先に述べた様に、アーティスト関係から関係データが作られる実施形態では、「小スキップ」再生機能が選択されると、システムは、プレイリストの中心/目下のアーティストに基づいて、次のアーティストを選択する。その後、次のアーティストが決められる(図16)と、システムは、そのアーティストから、どのトラック又はメディアファイルが選択され、再生されるかを決め(図17)、選択されたアーティストが新しい目下のアーティストとなる。
【0086】
1つの実施形態では、ユーザーは、多数の「小スキップ」再生機能を呼び出すとき、複数のメディアファイルを通して、各ステップが前のステップに関係付けられる小増分で動くことができる。従って、履歴機構は、概ね、アーティストの繰り返しを防ぐので、システムは、ユーザーのメディアライブラリ又はメディアファイルのセットを一巡することになる。各トラックが前のトラックに関係してはいるが、目下のトラックは、複数回のスキップの後では、開始トラックから遠く離れることになる。
【0087】
1つの実施形態では、「小スキップ」再生機能とは対照的に、「大スキップ」再生機能の目的は、目下再生しているトラックに無関係か又は似ていないトラック又はメディアファイルを選定することである。1つの実施形態では、決定するのに用いられた、全ての項目を他の全ての項目に関係付ける関係データ得点は、「次へ」再生機能の論理と逆にされる。従って、大スキップの論理は、関係得点(図16の1606)が逆である以外は、図16と図17に示しているのと同じである。この様に、似ていないアーティストに従ってトラックを選択することになる。
【0088】
1つの実施形態では、関係データが不完全である場合、つまり、関係グラフ内の各アーティストがグラフ内の全アーティストのサブセットに直接接続されているだけの場合、「最短経路」グラフの横断アルゴリズムが、何れかの2人のアーティストの間の距離を計算するのに用いられる。例えば、Dijkstra最短経路アルゴリズムは、当業者に周知であり、この目的に用いることができる。しかしながら、しばしば、Dijkstraアルゴリズムは、第1順位の関係に比べて、第2及び第3順位の関係が極端に弱くなる。1つの実施形態では、解決法は、各アーティストに関し上のN関係だけを記憶し、一様な重み(例えば1.0)を含んでいる関係グラフを作ることである。この実施形態では、最短経路アルゴリズムは、アーティストAからアーティストBを得るのに必要な、呼び出しされる再生機能の数を計算する。これは、「大スキップ」再生機能に適切なアーティストを選択するのに用いられる得点の基本となる。
【0089】
別の実施形態では、「大スキップ」再生機能の代替方式は、「ジャンルベースの」再生機能を使用することである。「ジャンルベースの」再生機能は、上記実施形態で論じたのと同じ関係/グラフベースのアルゴリズムを使用する。1つの態様では、ジャンルは、テーマが関係している一組のアーティスト、アルバム、又はトラックに設置されるラベルである。ジャンルは、ジャンルを構成する要素を一まとまりにすることによって決定される。しかしながら、普通は、人間の専門家は、スタイル、ルーツ、ピア、及び影響に基づいて分類することによって、ジャンルを作る。
【0090】
1つの例示的な実施形態では、ジャンルは、ラベルと、アーティストの格付けセットで構成されている。ジャンル内のアーティストの格付けは、アーティストのジャンルへの「適合度」によって判断される。
【0091】
更に、ジャンル内のアーティストは、アーティストの関係と得点を、関係するアーティストのどれほど多くがジャンルで定義されるそのセットに入っているかに基づいて見ることによって格付けされる。
【0092】
本開示の代替実施形態は、アルバム、トラック、又は他の記録のセットの観点から、ジャンルを定義している。例えば、テレビ領域の様な別の種類のメディアでは、チャネルを、チャンネルに現われるプログラムに関するジャンルとして使用する。1つの実施形態では、関係グラフは、ジャンルのセットに対して構築される。音楽及びアーティストベースのジャンルの場合、関係の強さは、共通するアーティストの数で定義される。別の実施形態では、ジャンルは、共通するアーティストの数によって格付けされ、その格付けが、関係グラフの重みになる。
【0093】
更に別の代替実施形態では、サブジャンルとスーパージャンルも、関係と関係データを定義するのに用いられる。この実施形態では、サブジャンルは、スーパージャンルの下に分類される。コンテンツの階層的な分類を使用できる場合、1つのメディアファイルから別のメディアファイルへの異なる大きさのスキップ又は移動は、図11に示している様に、1つ又は複数のレベルのツリーを上に進み、横方向に移動し、再び下りることによって実現される。ジャンル1100の階層(ツリー)組織は、図11に示している通りである。このツリー1100では、「小スキップ」「中スキップ」及び「大スキップ」の様な多数の再生機能が実行される。更に、サブジャンルは、1118、1111、1113、1105、及び1122の様な項目によって表されており、スーパージャンルは、1112、1119、及び1121の様な項目によって表されており、ジャンルツリーのルーツは、項目1120で表されている。図11は、これらの再生機能が、部分的にはジャンル関係に基づいてユーザーがどの様にメディアファイルを選択できるようにするかという例を示している。
【0094】
具体的には、図11で、「小スキップ」再生機能は太い実線1107で示されている。図11に示す様に、ユーザーが、ジャンルベースの階層内で「小スキップ」再生機能を呼び出すと、太い実線1107は、親ノードに上がり、同じサブジャンル内の異なるアーティストに下がる。1つの実施形態では、「小スキップ」再生機能は、目下再生しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の中レベルの類似性を表している。例えば、図11では、目下再生しているアーティストMandy Moore1106を考慮すると、「小さくスキップ」再生機能を呼び出せば、Britney Spears1109を次のメディアファイルとして選択することになる。図11で分かる様に、「小スキップ」再生機能1107を表す太い実線1107は、アーティストMandy Moore1106で始まり、親ノードTeen Pop1118に移動し、その後、異なるアーティストBritney Spears1109に下りる。
【0095】
同様に、図11では、中スキップ再生機能が点線1115で示されている。図11に示す様に、ユーザーが、ジャンルベースの階層内で「中スキップ」再生機能を呼び出すと、点線1115は、ツリー内を2レベル(サブジャンルと或るジャンル)上がり、その後、2レベル下りて別のアーティストに至る。1つの実施形態では、「中スキップ」再生機能は、目下再生しているメディアファイルと次に再生されるメディアファイルの間の中レベルの類似性(本実施形態で述べている「小スキップ」と「大スキップ」に比べて)を表している。例えば、図11では、目下再生しているKilie Minogue1110を考慮すると、「中スキップ」再生機能を呼び出せば、Abba1114を次のアーティストファイルとして選択することになる。図11で分かる様に、「中スキップ」再生機能を表す点線1115は、アーティストKylie Minogue1110で始まり、2つの親ノードDance Pop1111とPop1112に移動し、その後、2つの異なるノード、Euro Pop1113と、次いで異なるアーティストAbba1109に下りる。
【0096】
更に、図11では、「大スキップ」再生機能が破線1117で示されている。図11に示す様に、ユーザーが、ジャンルベースの階層内で「大スキップ」再生機能を呼び出すと、破線1117は、ツリー内を3レベル上がり、その後、3レベル下りて別のアーティストに至る。
【0097】
1つの実施形態では、「大スキップ」再生機能は、目下再生又は一時停止中のメディアファイルと次に選択されるメディアファイルの間の、低レベルの類似性又は似ていない(本実施形態で述べている「小スキップ」と「中スキップ」に比べて)ことを表す。例えば、図11で、目下再生しているアーティストAweosmith1116を考慮すると、「大スキップ」再生機能を呼び出せば、Diana Krall1123を次のメディアファイルとして選択することになる。図11で分かる様に、「大スキップ」再生機能1117を表す破線1117は、アーティストAerosmith1116で始まり、3つの親ノードAlbum Rock1105、Rock1119、及びAll Genres1120を登り、その後、2つの異なるノードJazz1121、Swing1122を下り、異なるアーティストDiana Krall1123に至る。
【0098】
ジャンルベースの関係を使って「大スキップ」再生機能をサポートする論理の例示的な実施形態を図12に示している。先ず、「大スキップ」再生機能の論理は、装置の既存のユーザーインターフェースを介して、ユーザーに呼び出される1200。次に、目下再生しているアーティストが、ジャンルにマップされる1201。1つの実施形態では、目下再生しているアーティストは、アーティスト対ジャンルマップを使ってジャンルにマップされる。例えば、アーティスト対ジャンルマッピングは、中央音楽データベースから来て、アーティスト関係グラフの一部分として記憶されている。従って、グラフ内の各アーティスト毎に、ジャンルも記憶されている。目下のアーティストのジャンルが、目下のジャンルと呼ばれる。
【0099】
各ジャンルに対して、それ自体と目下のジャンルの間の関係の強さに基づいて、得点が計算される。ジャンルの得点が計算されると1205、ジャンル/得点のペアが選択リストに加えられる1206。このプロセス(1202−1206)は、全ジャンルが得点付けられ、選択リストに加えられるまで続く。従って、アルゴリズムは、目下のジャンルに関係する全ジャンルをループする。1つの実施形態では、ジャンルの関係は、中央集中音楽情報サーバーの関係データベースから、アーティストの関係と共に得られる。
【0100】
1つの実施形態では、「大スキップ」再生機能に対して、得点9が、関係の強さの逆数と関係付けられる。つまり、同様のジャンルは、得点が小さく、選択確率が少なくなる。その様な得点は、関係の格付けを得点とするか、又は、ジャンル間に関係が無ければ、1000とする。他にも多くの方法で得点を計算することができる。別の実施形態では、ジャンルに基づく「中スキップ」再生機能に対して、選択肢が、関係するジャンルに向けて強くバイアスが掛けられる。つまり、「大スキップ」得点付け法の逆数、1.0/関係格付け、が用いられることができる。
【0101】
全てのジャンルが得点付けられ1205、選択リストに加えられる1206と、ジャンルは、ジャンルの得点を、セレクタに加えられたジャンルの全得点の合計で割った選択確率で、選択リストから選択される1209。適格なジャンルが無ければ、選択リストは空になり1207、「トラック無し」状態が戻される1208。
【0102】
或るジャンルが選択される1209と、そのジャンルからアーティストとトラックが選択される1210。ジャンルのアーティストとトラックを選択する1210例示的な実施形態を、図13に更に詳しく示している。ジャンルに対してアーティスト/トラックを選択できない場合1211、そのジャンルは空になっているとマークされ1213、選択リストから排除される1214。ジャンル選択は、トラックが見つかる1212か、又は全てのジャンルが空になるまで退けられる。
【0103】
図13は、図12で示す様にジャンルが選択されたときのアーティストとトラックを選択する例示的な実施形態を示している。具体的には、図13は、ジャンルベースの関係を使って、「大スキップ」再生機能でのアーティストとトラックの選択をサポートする例示的な論理を示している。
【0104】
1つの実施形態では、各アーティストは、目下のジャンルに対する各アーティストの「適合度」に基づいて得点付けられる1304。1つの実施形態では、「適合度」は、ジャンル内のアーティストの組と、所与のアーティストに関係するアーティストから成るアーティストの組の共通分の大きさに基づいている。代替実施形態では、得点は、「適合度」距離によって測定されるアーティストの人気度に基づいている。
【0105】
アーティストの得点が計算される1304と、アーティスト/得点のペアが、選択リストに加えられる1305。このプロセス(1301−1305)は、全アーティストが得点付けされ、セレクタリストに加えられるまで続く。つまり、アルゴリズムは、選択されたジャンルに関連する全アーティストに亘ってループする。
【0106】
全ての適格なアーティストが得点付けされ1304、セレクタリストに加えられる1305と、選択確率が、アーティストの得点を、セレクタリストに加えられたアーティストの全得点の合計で割ったものとなるように、アーティストが選択される1307。
【0107】
アーティストが選択される1307と、先に説明し、図17に示している様に、そのアーティストのトラックが選択される1700。そのアーティストに適格なトラックが無い場合1309は、アーティストは、空になっているとマークされ1310、セレクタ又は選択リストから排除され1311、新しいアーティストが選択される。全ての適格なアーティストが空になっている1306場合は、「トラック無し」状態が戻される1313。
【0108】
従って、1つの実施形態では、ユーザーは、先に述べた様な、一連の再生機能及び再生機能の組み合わせを呼び出すことによって、メディアファイルを選択することができる。つまり、ユーザーが、ユーザー入力を通して多数の再生機能を呼び出すとき、ユーザーは、第1メディアファイルと、第1メディアファイルと選択されるメディアファイルの間の関係度を表す再生機能とに基づいて、メディアファイルを選択している。この様に、ユーザーは、呼び出された再生機能に応じて、各段階が前の段階に関係している状態で、複数のメディアファイルを指定の増分で移動することができる。
【0109】
図3は、約2000のメディアファイルから成るローカルライブラリのコンテンツに制約されているセッションのナビゲーション経路を示す選択エンジンのインターフェースの例示的な実施形態を示している。アーティストベースの関係は、図16−17で示している様な小スキップに用いられる。ジャンルベースの関係は、図12と図13で示している中スキップと大スキップに用いられる。先に述べた通り、1つの実施形態では、装置は、再生され、スキップされたトラックを保持しており、トラックの繰り返しを避ける。図3で分かる様に、大きなウインドウ枠300を備えたタブ310は、開始アーティスト315を示すテキストボックス305と、「ランダム」という用語が付いたボタン313と、「戻る」ボタン380と、「再生」ボタン390と、「次へ」ボタン303と、「停止」ボタン309と、「小スキップ」ボタン385と、「中スキップ」ボタン395と、「大スキップ」ボタン307と、を備えて表示されている。図3では、ウインドウ枠300は、アーティストと、関連するトラック(番号315−375の項目)のリストを含んでいる。このリストの中で、再生機能は、各アーティストのエントリ前の括弧内に示されている。この様に、ウインドウ枠内のアーティストのリストは、開始アーティスト315に関するアーティストの名前とメディアファイルのタイトルだけでなく、そのメディアファイルの選択に至る前にユーザーに呼び出された関係付けられた再生機能を示している。従って、ウインドウ枠300は、特定のセッションのナビゲーション経路を示している。ユーザーが呼び出した再生機能の順序及び選択と、或る特定のセッションで選択されたメディアファイルである。
【0110】
例えば、図3では、Clashが開始アーティスト315である。ウインドウ枠300で分かるように、Clashが挙げられ315、その前に、「Play」という用語が括弧内に現れ、Clashは、ユーザーが「再生」ボタンを押すことによって、再生機能又はユーザー入力セッションを開始したときに選択された最初のアーティストであることを示している。ユーザーによって呼び出された次の再生機能は、「大スキップ」再生機能307であり、この再生機能は、アーティストM.C.Hammerとトラック「Pray320」を選択した。つまり、ユーザーは、「大スキップ」再生機能を選択し、これは、ユーザーが次のメディアファイルのアーティストが、目下再生しているアーティストClash315と似ていないことを望んでいることを意味している。従って、図3で分かる様に、Clash315と似ていないアーティストであるM.C.Hammer320が選択された。
【0111】
次に、ユーザーは、一連の「大スキップ」再生機能320−355を呼び出し、それぞれが、前のメディアファイルに似ていないアーティストを有するメディアファイルをレンダした。別の例では、Diana Krall「Deed I Do」355は、目下再生しているアーティストとトラックであった。次に、ユーザーは、「小スキップ」再生機能を呼び出し、アーティストCharlie Christianとトラック「I founda new baby」360が選択された。この様に、「小スキップ」再生機能を呼び出すことによって、ユーザーは、或るアーティストから、或る程度似たアーティストに移動することができた。
【0112】
同様に、図10は、数十万のトラックが入った大きなストリーミングサービスカタログに制約された場合のセッションのナビゲーションを示している。1つの実施形態では、アーティストベースの関係は、図16−17に示している小スキップに用いられ、ジャンルベースの関係は、図12−13に示している中及び大スキップに用いられる。
【0113】
図10で分かる様に、大きなウインドウ枠1003を備えたタブ1000は、開始アーティスト1010を示すテキストボックス1001と、「戻る」ボタン1004と、「再生」ボタン1006と、「次へ」ボタン1008と、「停止」ボタン1027と、「小スキップ」ボタン1005と、「中スキップ」ボタン1007と、「大スキップ」ボタン1009と、を備えて表示されている。
【0114】
図10では、ウインドウ枠1003は、セッション内のアーティストと、関連するトラック(番号1011−1026の項目)のリストを含んでいる。図10で分かる様に、セッションは、開始アーティストであるRage against the machine1010で始まる。次に、ユーザーは、「大スキップ」再生機能を呼び出し、アーティストBezerra Da SilvaとMalandragem Da um Tempo1012のトラックメディアファイルが選択された。つまり、ウインドウ枠1003内のナビゲーションリストで分かる様に、目下再生しているアーティストはRage against the machine1010であり、次に、ユーザーは、似ていないジャンルを望んでいるので、「大スキップ」再生機能を呼び出し、目下再生しているアーティストに似ていないジャンルのアーティストとトラックが(図12−13に示している論理を使って)選択された。具体的には、目下再生しているメディアファイル1011は、ヘビーメタルジャンルであったので、「大スキップ」再生機能は、似ていないジャンルのメディアファイルSalsa1012を選択した。図10で分かる様に、ユーザーは、「大スキップ」「中スキップ」及び「小スキップ」再生機能を使ってメディアファイルを選択し続け、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルに対して、ジャンルをベースにした類似性のレベルに基づいて、次のメディアファイルを選択した。例えば、1つの実施形態では、バップジャンルのメディアファイルであるMiles Davis、Blue in Green1017が目下再生しているメディアファイルであり、次に、ユーザーは、「中スキップ」再生機能を呼び出し、スムーズジャズジャンルに属するBoney James、Ain't No Sunchine1018を選択した。この様に、「中スキップ」再生機能を呼び出すことによって、ユーザーは、バップのカテゴリから、幾らか似ているカテゴリのスムーズジャズに移動することができた。
【0115】
従って、ユーザーは、一連の再生機能及び再生機能の組み合わせを使って、特定のメディアファイルを移動し、焦点を合わせることができる。ユーザーは、どの特定のファイルを望むかを前もって知る必要は無く、再生機能を使ってメディアファイルを要求し、選択して、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルに非常に似ているか、幾らか似ているか、又は似ていないメディアファイルを選定することができる。1つの実施形態では、ユーザーは、簡単なインターフェースでメディアファイルを選択することができる。
【0116】
しかしながら、別の実施形態では、フィードバックは、基本的に聴覚による。従って、本開示は、自動車で使用するのに良く適している。更に、その様な設定では、ユーザーは、リモコン又はフォッブ(fob)を通して、メディアファイルを選択し、再生機能を呼び出すことができる。
【0117】
別の実施形態では、ユーザーは、更に、関係データを、1つ又は複数の設定を通して整形又はカスタマイズすることができる。1つの実施形態では、ユーザーは、関係データを作成し、及び/又は関係データを装置にロードする前に、これらの設定を設定することができる。従って、設定は、関係データの作成及びロードの間に適用される。別の実施形態では、これらの設定は、デフォルト基準を有している。
【0118】
1つの実施形態では、ユーザーは、ユーザーが1つ又は複数の設定を選択して指定できるようになっている、ソフトウェアプラグインツール又は何らかの他のグラフィカルユーザーインターフェースとして、装置のユーザーインターフェース上で利用可能なプロパティシートを通して、これらの設定を指定することができる。
【0119】
設定の1つの例示的な実施形態は、焦点設定である。例えば、焦点設定は、スライダー又は一連のラジオボタン、ダイヤル、ドロップダウンメニュー、又は何らかの他の設定の視覚的表現としてユーザーインターフェース上に表示される。1つの態様では、焦点設定は、目下再生しているメディアファイルに対してメディアファイルの選択にバイアスを掛ける。例えば、焦点スライダーは、目下再生しているアーティスト、アルバム、又はトラックに対するメディアファイルの選択にバイアスを掛ける。即ち、焦点設定は、次のメディアファイルが目下再生しているアーティスト、アルバム、又はトラックに最も強く関係付けられているアイテムであるという大凡の可能性を決める。例えば、焦点設定の範囲は、0から100である。100の設定は、メディアファイルが、目下再生中のメディアファイルに対するそれらの関係の強さの順に概ね選定されることを示している。例えば、目下再生しているアーティストがRolling Stonesで、焦点設定が100に設定されていれば、Rolling Stonesからのメディアファイルだけが選択される。
【0120】
同様に、0設定は、目下再生中のメディアファイルに関係する(が、同じではない)メディアファイルが選択されることを示している。例えば、ここでも、目下再生しているアーティストがRolling Stonesで、焦点設定が0に設定されていれば、Rolling Stonesに関係するアーティストのメディアファイルだけが選択される。
【0121】
別の例示的な設定の実施形態は、人気度設定である。ここでも、ユーザーインターフェースを通して、人気度設定は、限定するわけではないが、スライダー、ダイヤル、一連のラジオボタン、及び/又はドロップダウンメニューの様な多くの形態を取ることができる。1つの実施形態では、人気度設定は、目下再生しているか又は一時停止しているメディアファイルに対してメディアファイルの選択にバイアスを掛ける。100の設定は、目下再生中のメディアファイルに対して最も人気のあるトラックが選択されることを示している。また、1つの実施形態では、目下再生中のメディアファイルに対するメディアファイルの選択肢は、アーティスト関係、アルバム関係、ジャンル、及び/又は年代関係に基づく関係のセットを有している。
【0122】
1つの実施形態では、人気度は、メディアファイル間の関係又は類似性のデータに基づいている。メディアファイル選択がアーティストの関係に基づいている1つの実施形態では、人気度設定は、特定のアーティストに関係するトラック又はメディア選択を決める。
【0123】
特定のトラック又はメディアファイルの人気度属性は、暗示的及び明示的なユーザーの行動又は格付け、及び/又は大きなユーザーのグループから収集される暗示的及び明示的データの様な幾つかのソースに基づき、集められている。暗示的なユーザーの行動又は入力の1つの例は、ユーザーによる特定のメディアファイルに関する再生の頻度である。従って、再生の頻度は、人気度属性を判断するのに用いられる。明示的なユーザーデータの1つの例は、ユーザーがトラック又はメディアファイルに当てる格付けである。例えば、格付けシステムは、1から5の星点に基づいていて、1つ星は低いか又は好ましくない格付けを示し、3つ星は中間又は好意的な格付けを示し、5つ星は高いか又は非常に好意的な格付けを示すようなものでもよい。1つの実施形態では、データが大きなユーザーのグループから収集されると、総人気度データは、1から5つ星の格付けに正規化される。トラックは、互いに相対的に格付けされる。例えば、上位10%のメディアファイルは、5つ星に格付けされたメディアファイルである。次の15%のメディアファイルは、4つ星の格付けである。中間の50%は、3つ星の格付けである。その次の15%のメディアファイルは2つ星の格付けであり、下位10%のメディアファイルは1つ星の格付けである。
【0124】
1つの実施形態では、システムは、利用可能なデータを使って、階層処理から人気度属性を判断する。各メディアファイルの人気度属性を決めるための或る例示的なプロセスを、図15に示している。このプロセスは、各メディアファイルに確実に人気格付けが割り当てられるようにする。図15では、システムは、明示的なユーザー格付けが、特定のメディアファイルに利用できるか否か判断する1505。明示的なユーザー格付けは、ユーザーによってメディアファイルに意識的に付されたものとすることができる。明示的なユーザー格付けを利用できる場合、システムは、この格付けを特定のメディアファイルに割り当てる1510。明示的なユーザー格付けを利用できない場合、システムは、多数のユーザーから集められた総人気度を利用できるか否か判断する1515。1つの実施形態では、「多数のユーザー」は、オンデマンドの、ストリーミング音楽サービスの、又は同様なオンラインコミュニティに居るユーザーを指す。総人気度属性を利用できる場合、システムは、この属性又は格付けをメディアファイルに割り当てる1520。多数のユーザーからの総人気度のデータを利用できない場合、システムは、ユーザーの再生頻度に基づく人気度属性を利用できるか否か判断する1525。このデータが利用可能であれば、システムは、この人気度属性又は格付けをメディアファイルに割り当てる1530。再生人気度属性の頻度を利用できない場合、システムは、デフォルト人気度属性又は格付けをメディアファイルに割り当てる1535。例えば、デフォルト人気度属性は、1から5つ星の格付け点で3.0の様な平均的な格付けである。全メディアファイルに人気度属性が割り当てられると、人気度設定の設定位置は、適切な得点関数を決めるのに用いられる。例えば、下記の表1は、人気度設定を得点関数と関連付ける例示的な表を示している。この表では、可能性は、母数の10%が5つ星であり、15%が4つ星であり、15%が2つ星であり、10%が1つ星であると仮定して示されている。
表1
【0125】
同様に、0設定は、人気が最も低いトラックが選択されることを示している。これは、ユーザーが、特定のプレイリストの中心領域(アーティスト、アルバム、トラック、ジャンル、及び/又は年代)から一般的にあまり知られていないメディアファイルを再生できるようにしている。
【0126】
従って、焦点と人気度の設定は、0から100の設定の範囲の選択肢を有している。例えば、アーティスト関係に基づく実施形態では、焦点設定が75に設定されている場合、システムは、75%の時間、目下再生しているアーティストからメディアファイルを選定し、25%の時間、(目下再生しているアーティストに対して)関係するアーティストからメディアファイルを選定する。
【0127】
更に、1つの実施形態では、ユーザーは、焦点と人気度両方の設定で設定を選択する。これは、ユーザーが、選択に利用できるメディアファイルを、目下再生しているメディアファイルに関して、指定されたレベルの人気度と相違性に基づいて、整形又はカスタマイズできるようにしている。
【0128】
先に述べた様に、関係データが作成され、及び/又は装置にロードされると、ユーザーは、任意の数の再生機能を呼び出すことができる。一般に、ユーザーは、ユーザー入力によって、又は装置の既存のユーザーインターフェースを使って、これらの再生機能を呼び出す。例えば、1つの実施形態では、各再生機能は、ボタン、キー、ダイヤル、スイッチ、タッチスクリーン、又は装置のユーザーインターフェースのキーパターンと関係付けられている。例えば、図18は、1つの例示的な実施形態のユーザーインターフェースを示している。図18で分かる様に、ユーザーインターフェースは、早送りアイコン1810、巻き戻しアイコン1820、及び一時停止、再生、又は停止アイコン1815を備えたホイール又はダイヤル1805で構成されている。図19は、同様のアイコンを備えた別の例示的な実施形態の、別のホイール又はダイヤルのユーザーインターフェース1805を示している。
【0129】
別の例では、大部分のメディアレンダリング装置には、早送りアイコン、巻き戻しアイコン、及び再生又は一時停止アイコンが含まれている。図20は、再生機能を呼び出すのに用いられるアイコンの1つの例示的な実施形態を示している。図20で分かる様に、図20aは巻き戻しアイコンを示しており、図20bは早送りアイコンを示しており、図20cは一時停止又は再生アイコンを示している。従って、1つの例では、「次へ」再生機能は早送りボタン(図20b)を押すことによって呼び出され、「小スキップ」再生機能は早送り(図20b)ボタンを素早く2回ダブルクリックすることによって呼び出され、「大スキップ」再生機能は早送りボタン(図20b)を少なくとも1秒間押下げて離すことによって呼び出される。この様に、関係が作成され、及び/又は装置にロードされると、ユーザーは、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及びメディアファイルのアイデンティティに基づいて、装置の既存のユーザーインターフェースを使って、メディアファイルを選択することができる。
【0130】
本開示が、再生機能をスキップし呼び出すためのユーザーインターフェース要素の特定の実施に依存していないことに留意するのは重要である。小スキップ及び大スキップと記述している、まさにその2つの大きさのスキップにも依存していない。例えば、携帯装置がホイール又はダイヤルベースのスクロール機構を有する場合、本開示の適切な実施は、ホイール又はダイヤルスクロールによって移動する速度又は距離を、実行されるスキップの大きさにマップすることである。ダイヤルベースのユーザーインターフェースの1つの例示的な実施形態を、図18と図19に示している。つまり、ユーザーは、「次へ」「小スキップ」及び「大スキップ」再生機能を、目下再生中又は一時停止中のトラック又はメディアファイルについて、これらの対話式機能をホイール又はダイヤルの具体的な回転又は回転速度と相関付けることによって、実行することができる。例えば、ユーザーがホイール又はダイヤルを或る方向に45度動かすと、それは「次へ」再生機能と相関付けられている。この様に、ユーザーが、ダイヤルを45度動かすとき、ユーザーは、自分が、目下再生中のメディアファイルに密接に関係しているトラック又はメディアファイルを再生することを望んでいると送信している。
【0131】
更に、ダイヤルの90度の回転は、「小スキップ」再生機能と相関している。従って、ユーザーがスクロールベースのダイヤルを90度回転させるとき、ユーザーは、自分が、目下再生しているか又は一時停止しているアーティストに幾らか関係しているアーティストを選択することを望んでいると通知又は送信している。最後に、ユーザーが「大スキップ」再生機能を呼び出したい場合、ユーザーは、スクロールベースのダイヤルを180度回転させる。それは、ユーザーが、目下再生中のアーティストと非常に異なるか又は全く同様ではないものを選択することを望んでいると送信することになる。
【0132】
勿論、各再生機能と関係付けられる特定のキー、ボタン、アイコン、又はダイヤルは、具体的な装置に応じたものである。実際、単一のユーザー入力又はアイコン要素を備えた装置、例えば、ユーザーインターフェース全体がスキップボタン又はアイコンである装置、を利用することもできる。
【0133】
先に述べた様に、所望の関係度、ユーザー入力、関係データ、及び外部装置のメディアファイルのアイデンティティに基づいてメディアファイルを選択するための方法、装置、及びシステムは、携帯音楽プレーヤーとメディアファイルだけでなく、ビデオ、DVDR、衛星又はオンデマンドプログラミングや、メディアを再生できる他の種類の装置を包含している。従って、1つの実施形態では、それをテレビのプログラミングにも適用して、その効果は、リモコンの相関付けられている或るボタンを押すと次のチャネル又はプログラムを変化させ、ユーザーが、プログラミング同士の関係に基づいて、次のチャネル又はプログラムを選択できるようになっている。例えば、TVプログラミングとビデオファイルに適用される1つの例示的な実施形態では、プログラムのリストは、パーソナルコンピュータと同期化され、パーソナルコンピュータがこれをサーバーに送る。ここでも、サーバーは、関係のリスト又はこれらのプログラムの間の関係を起動する。リストに挙げられたそれらの関係は、ジャンル、再生日、再生時間、同様の演技者、同様のチャネル、格付けに基づいていてもよい。サーバーは、このリストを、メディアプログラムの間の関係データとして作成すると、それをパーソナルコンピュータに送り返し、それが、オンデマンドビデオプログラミングサービスにロードされる。次に、ユーザーは、リモコンの特定のボタン又は何らかの他のユーザー入力を押すことによって、再生機能を呼び出す。例えば、ユーザーがメディアプログラムを見ていて、「次へ」再生機能を呼び出すボタンを打てば、チャネルは、前のテレビプログラムに非常に良く似ているテレビのプログラムに変わる。ここでも、これらの再生機能は、リモコンの早送りボタン、UP/DOWNボタンの様なボタン、又はテレビプログラム又はオンデマンドプログラム装置用の既存のインターフェースに配置されている何れかのボタンによって呼び出される。
【0134】
別の実施形態では、この関係データは、最少のディスプレイ又は基本的にはディスプレイ無しの装置に、或いはユーザーがディスプレイを通してメディアファイルを選択するのは現実的ではない場合はMP3プレーヤー又は自動車内のCDプレーヤーの様な装置に、ロードされることが考えられている。この様に、一旦これらの種類の装置にロードされると、メディアファイルの制御と選択は、「次へ」「小スキップ」又は「大スキップ」の様な再生機能、又は、「イエス」「ノーであるが、それに近い」及び「ノーであり、近くもない」の様な他の種類の再生機能に対応する異なるキーを有することになる音声コマンド、リモコン、フォッブを通して容易にすることが考えられている。例えば、少なくとも1つのボタンを有するキーフォッブでは、可能なマッピングとは、ボタンを押して保持すると、プレイリストが目下再生中であれば、再生機能又は停止機能を呼び出すことである。ボタンを1回押すと「次へ」再生機能が呼び出され、ボタンを2回押すと「小スキップ」再生機能が呼び出され、3階押すと「大スキップ」再生機能が呼び出されるなどである。
【0135】
ボタンが北、東、南、西の方向を指している、iPOD又は同様のキー/ボタン配置を備えている装置の様な別の例では、各方向が、特定の再生機能に相関付けられているか、特定の再生機能にマップされているか、又は特定の再生機能を呼び出す。例えば、北方向を押すと、「大」再生機能が呼び出される。南方向を押すと、「小スキップ」再生機能が呼び出される。東方向を押すと、「次へ」再生機能が呼び出される。そして、西方向を押すと、「戻る」再生機能が呼び出される。更に、中心を押すと、プレイリストが呼び出され、目下のトラックが中心に据え直される。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本方法及びシステムは、カーオーディオシステム、家庭用電子装置、携帯電話、パーソナルコンピュータで実行されているソフトウェアプログラム、メディアファイルを再生できる他の何らかの装置の様な、広範なメディア装置に適用することができる。本方法及びシステムは、特に、携帯メディアプレーヤーに適用することができる。
【0137】
当業者には理解頂けるように、本発明の方法及びシステムは、適用範囲内で、限定するわけではないが、上記の例示的な実施形態と実施例の様な多くの方式で実施することができる。言い換えると、機能要素は、1つ又は複数の個性要素によって、ハードウェアとソフトウェアの様々な組み合わせで実行され、個別の機能は、ソフトウェアのアプリケーションの間で、クライアント又はサーバー何れのレベルでも分散することができる。この点で、ここに説明している異なる実施形態のどの様な数の特徴を組み合わせて1つの実施形態にしてもよいし、代替の実施形態として、ここに説明している全ての特徴より少ないものも多いものも考えられる。機能性も、全体的に又は部分的に、複数の構成要素の間で、現在知られているか又は知られるようになる方式で、分散してもよい。従って、ここに説明している機能、特徴、インターフェース、及び嗜好を実現する際に、無数のソフトウェア/ハードウェア/ファームウェアの組み合わせが考えられる。更に、当業者には理解頂けるように、本発明の範囲は、ここに述べているシステム構成要素を通して、従来知られている特徴、及びそれらの変更及び修正を包含している。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】関係データを作成及び/又は携帯装置にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図2】関係データを作成及び/又は携帯装置にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図3】例示的な実施形態のナビゲーション経路を示している。
【図4】関係データを作成及び/又はパーソナルコンピュータベースのメディア器具にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図5】関係データを作成及び/又はパーソナルコンピュータベースのメディア器具にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図6】関係データを作成及び/又はメディア器具にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図7】関係データを作成及び/又はメディア器具にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図8】関係データを作成及び/又はストリーミングメディア器具にロードする例示的なシステム構成又はアーキテクチャを示している。
【図9】関係データを作成及び/又はストリーミングメディア器具にロードする例示的な方法を示すフローチャートである。
【図10】例示的な実施形態のナビゲーション経路を示している。
【図11】ジャンルベースの関係で作られた編成ツリーを示している。
【図12】ジャンルベースの関係を用いた大スキップ再生機能をサポートするアーティスト選択論理の例示的な実施形態を示している。
【図13】ジャンルベースの関係を用いた大スキップ再生機能をサポートするトラック選択論理の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【図14】1つの例示的な実施形態の状態マシンを示している。
【図15】例示的な実施形態の人気度属性決定を示すためのフローチャートである。
【図16】アーティストベースの関係を用いた再生機能をサポートするアーティスト選択論理の例示的な実施形態を示している。
【図17】アーティストベースの関係を用いた再生機能をサポートするトラック選択論理の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【図18】例示的な実施形態のユーザーインターフェースを示している。
【図19】例示的な実施形態のユーザーインターフェースを示している。
【図20】例示的な実施形態のアイコンを示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア装置において、
複数のメディアファイルの間の関係度を示すデータと、
ユーザー入力要素を備えたユーザーインターフェースと、
所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの第2メディアファイルを特定する要望とを示すユーザー入力を受信する働きをする第1要素と、
前記複数のメディアファイルの第1メディアファイルを特定する働きをする第2要素と、
前記所望の関係度と前記第1メディアファイルの前記アイデンティティによって、前記第2メディアファイルを特定する働きをする第3要素と、を備えているメディア装置。
【請求項2】
前記データは、前記メディア装置によって自律的に作成される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項3】
前記データは、遠隔データベースと遠隔メディア装置の内の少なくとも1つから受信される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項4】
前記第2メディアファイルを再生する働きをする第4要素を更に備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項5】
遠隔データベースと通信するための通信要素を更に備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項6】
前記通信は、前記メディア装置と前記遠隔データベースの間で前記データを同期化するためのものである、請求項5に記載のメディア装置。
【請求項7】
前記データは、前記複数のメディアファイルの或る特定のメディアファイルのセットの統計的共起尺度に基づいている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項8】
前記データは、
前記複数のメディアファイルのユーザーの再生履歴と、
前記複数のメディアファイルのユーザーにより構築されるプレイリストの内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項9】
前記データは、明示的なユーザーの嗜好と、観察されたユーザーの行動の内の少なくとも1つに基づいている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項10】
前記メディアファイルは、幾何ベクトルによって表され、前記データは、前記ベクトルの幾何的比較に基づいている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項11】
前記幾何的比較は、内積演算である、請求項10に記載のメディア装置。
【請求項12】
前記幾何的比較は、前記ベクトル間の距離の計算である、請求項10に記載のメディア装置。
【請求項13】
前記データは、前記メディアファイルがグラフの頂点に関係付けられ、前記グラフのエッジが前記メディアファイル間の関係を示しているグラフとして記憶されている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項14】
前記エッジは、前記関係の強さに対応する重みを含んでいる、請求項13に記載のメディア装置。
【請求項15】
前記データは、
前記複数のメディアファイルの波形と、
公表された文書の前記複数のメディアファイルの統計的共起尺度の内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項16】
前記データは、前記複数のメディアファイルに関連する属性の類似性によって確立される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項17】
前記メディア装置は、携帯メディアプレーヤー、パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤー、携帯電話、又はストリーミング器具として特徴付けられる、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項18】
前記関係度は、類似性の程度と相関関係があり、中程度の類似性、高度の類似性、又は低度の類似性であることを特徴とする、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項19】
前記ユーザー入力は、前記入力要素の少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つの選択を備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項20】
前記構成要素は、キー、ボタン、又はダイヤルであることを特徴とする、請求項19に記載のメディア装置。
【請求項21】
前記ユーザー入力要素は、音声コマンドを受信するように構成されている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項22】
前記第1メディアファイルと前記第2メディアファイルの内の少なくとも1つは、オーディオファイルである、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項23】
前記第1メディアファイルと前記第2メディアファイルの内の少なくとも1つは、ビデオファイルである、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項24】
前記ユーザーインターフェースは、前記複数のメディアファイルからのファイル特定動作を表すユーザー対話可能なしるしを備えており、前記特定は、前記しるしとの対話がユーザーの体験することになる次のメディアファイルの選択を引き起こすプログラムを信号送信するように、前記しるしと関係付けられており、前記プログラムは、前記複数のメディアファイルの内の前記第1メディアファイルと他のファイルの間の前記所望の関係度に基づいて、前記選択を行う、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項25】
前記しるしは、スキップアイコンを含む、請求項24に記載のメディア装置。
【請求項26】
前記しるしは、キー、ボタン、又はダイヤルを含む、請求項24に記載のメディア装置。
【請求項27】
前記メディア装置は、メディアプレーヤーとして特徴付けられ、
前記ユーザーインターフェースは、前記メディアプレーヤーに指示して、目下再生しているメディアファイルを止めて、前記複数のメディアファイルから選択される代替メディアファイルを再生させるためのスキップコマンドを受信するためのユーザーインターフェース要素を含んでおり、前記スキップコマンドは、前記関係度に基づいており、
前記メディア装置は、更に、
前記データを保持するための記憶装置と、
前記ユーザーインターフェース要素に応答し、前記関係度、前記目下再生中のメディアファイル、及び前記スキップコマンドに従って前記代替メディアファイルを選択するソフトウェアと、を備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項28】
メディアファイルを対話して再生するための携帯メディアプレーヤーにおいて、
メディアファイルと、前記メディアファイル間の関係を示すデータのための記憶装置と、
或る大きさを有するスキップを開始するイベントを受信し、前記スキップの大きさに基づいて再生するための次のメディアファイルを選択するソフトウェアを備え、
前記スキップの大きさ、及び現在のメディアファイルと選択可能な代替メディアファイル間の関係が、前記代替メディアファイルの1つを前記次のメディアファイルとして選択する可能性に影響を及ぼす、プレーヤー。
【請求項29】
メディアファイルと、メディアファイル間の関係とを特定するのに用いられる情報を含むデータベースシステムと、
1つ又は複数のコンピュータ装置に接続するための通信ユニットと、を更に備えており、
メディアファイル間の関係は、前記携帯メディアプレーヤーに1つ又は複数の前記コンピュータ装置から転送される、請求項28に記載のプレーヤー。
【請求項30】
前記プレーヤーは、接続されているコンピュータ装置が、前記装置に記憶されている前記メディアファイルを管理するのを許容する、請求項29に記載のプレーヤー。
【請求項31】
関係データが前記遠隔データベースシステムから前記コンピュータ装置へ転送されるように、前記メディアプレーヤーが遠隔データベースシステムに接続されるように、前記遠隔データベースシステムへの接続を容易にするためのソフトウェアモジュールを更に備えている、請求項29に記載のプレーヤー。
【請求項32】
メディアを選択する方法において、
複数のメディアファイルの内の第1メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、
所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの内の第2メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、
前記複数のメディアファイルのメディアファイル間の関係度を示す関係データにアクセスする段階と、
前記所望の関係度、前記ユーザー入力、前記関係データ、及び前記第1メディアファイルの前記アイデンティティに従って前記第2メディアファイルを選択する段階と、から成る方法。
【請求項33】
前記関係データは、メディア装置によって自律的に作成される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記関係データは、遠隔データベースシステムから通信される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第2メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、
所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの内の第3メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、
前記所望の関係度と、前記第2メディアファイルの前記アイデンティティに従って、前記第3メディアファイルを選択する段階と、を更に含んでいる、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記第1メディアファイルの前記アイデンティティは、前記メディアファイルに関連するアーティストの名前と、前記メディアファイルに関連するジャンルの内の少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記関係データは、前記複数のメディアファイルの特定のメディアファイルのセット内のメディアファイルの統計的共起尺度に基づいている、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記メディアファイルのセットは、プレイリスト又はメディアライブラリとして特徴付けられている、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記関係データは、
前記複数のメディアファイルのユーザーの再生履歴と、
前記複数のメディアファイルのユーザーによって構築されるプレイリストと、
前記複数のメディアファイルの波形と、
公表された文書の前記複数のメディアファイルの統計的共起尺度の内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記関係データは、前記複数のメディアファイルと関連する属性の類似性によって確立される、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記関係データは、明示的なユーザーの嗜好と、観察されたユーザーの行動の内の少なくとも1つに基づいている、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記関係度は、前記第1メディアファイルと、前記複数のメディアファイルの内の少なくとも1つの他のメディアファイルの間の類似度と相関関係がある、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記複数のメディアファイルの内の1つ又は複数のメディアファイルの間の前記関係データは、人間の判定によって確立される、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記人間の判断は、前記メディアファイルの分類を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記メディアファイルは、幾何ベクトルによって表され、前記関係度は、前記ベクトルの幾何的比較によって求められる、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記幾何的比較は、内積演算である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記幾何的比較は、前記ベクトル間の距離の計算である、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記関係データは、前記メディアファイルがグラフの頂点に関係付けられ、エッジが前記メディアファイル間の関係を示しているグラフとして記憶されている、請求項32に記載の方法。
【請求項49】
前記エッジは、前記関係の強さに対応する重みを含んでいる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ユーザー入力は、装置のユーザーインターフェースに配置されているスキップアイコンである入力要素を介して受信される、請求項32に記載の方法。
【請求項51】
前記入力要素は、前記装置の前記ユーザーインターフェースに一度触れているユーザーによって選択可能である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ユーザー入力は、入力要素との少なくとも1つのユーザー対話を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項53】
前記入力要素は、音声で起動される、請求項32に記載の方法。
【請求項54】
前記メディアファイルは、再生のための録音物として特徴付けられており、一組の関係が該録音物を関連付け、
前記第1メディアファイルは、現在の録音物として特徴付けられており、
前記第2メディアファイルは、新しい録音物として特徴付けられており、
前記受信する段階は、再生するために前記新しい録音物の選択を起動するイベントを受信する段階を更に含んでおり、前記イベントは、大きさに関係付けられており、
前記選択する段階は、更に、再生するために前記新しい録音物を、前記大きさと前記一組の関係に基づいて選択する段階を含んでおり、前記大きさは、前記目下の録音物と選択可能な録音物の間の関係と組み合わされて、選択の可能性に影響を与えるようになっている、請求項32に記載の方法。
【請求項55】
前記録音物は、デジタルオーディオファイルである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記一組の関係は、前記録音物の類似性の観点から定義されている、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記録音物の前記類似性は、
前記録音物のユーザーの再生履歴と、
ユーザーによって構築されるプレイリストと、
前記録音物の波形と、
公表された文書の録音物参照の共起の内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記録音物の前記類似性は、
アーティストと関連する録音物の類似性と、
人間の判定と、
前記録音物と関連する属性の類似性の内の少なくとも1つによって確立される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記録音物は、幾何ベクトルによって表され、関係の強さは、前記ベクトルの幾何的比較によって判断される、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記幾何的比較は、内積演算である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記幾何的比較は、前記ベクトル間の距離の計算である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記関係は、録音物が前記グラフの頂点に関係付けられエッジが録音物間の前記一組の関係を表しているグラフとして記憶されている、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記エッジは、前記関係の強さに対応する重みを含んでいる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第1メディアファイルの第1属性の値を認識する段階と、
前記所望の関係度、前記ユーザー入力、前記関係データ、及び前記第1属性値に従って、第2属性値を選択する段階と、を更に含んでおり、
前記アクセスする段階は、更に、前記複数のメディアファイルの内の前記メディアファイルの第1属性の値の間の関係度を示す関係データにアクセスする段階を含んでおり、
前記第2メディアファイルを選択する前記段階は、前記選択された第2属性値に従って実行される、請求項32に記載の方法。
【請求項65】
追加の属性に基づいて、前記第2メディアファイルの前記選択にバイアスを掛ける段階を更に含んでいる、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記追加の属性は、前記メディアファイルの人気度を表す、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記追加の属性は、前記メディアファイルの明示的格付けを表す、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記追加の属性は、観察されたユーザーの行動に基づいて、前記メディアファイルの暗示的格付けを表す、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されるときに請求項32の方法を実施するコンピュータ読み取り可能な命令を有する1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能媒体と、
前記1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能媒体を具現化しているコンピュータ装置と、を備えているシステム。
【請求項70】
一組の関係が関連付ける録音物のシーケンスを作るため方法において、
開始録音物を選択する段階と、
次のスキップ大きさを入力として受け取って使用し、前記次の録音物を、前記スキップの大きさと、前記目下の録音物と選択可能な録音物の間の関係が、選択の可能性に影響を及ぼすように選択することによって、前記前の録音物に基づいて各後続の再生するための録音物を選択する段階と、から成る方法。
【請求項71】
スキップコマンドを使ってメディアファイルを選択する方法において、
複数のメディアファイルの内の第1メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、
前記複数のメディアファイルの内の前記第1メディアファイルと第2メディアファイルの間の所望の関係度に関係付けられたスキップコマンドを示すユーザー入力を認識する段階と、
前記スキップコマンドに従って、前記第2メディアファイルを特定する段階と、から成る方法。
【請求項72】
再生するためのメディアファイルを選択する方法において、
ユーザーが体験している第1メディアファイルと複数のメディアファイルとの間の特定の類似度と関係付けられている再生機能を起動させるイベントを受け取る段階であって、前記特定の類似度は、前記第1及び他のメディアファイルと関連するデータに基づいている、イベントを受け取る段階と、
前記ユーザーが体験することになる次のメディアファイルを選択する段階であって、前記選択は、少なくとも起動される再生機能と、前記第1メディアファイルに関連する前記データとに基づいている、次のメディアファイルを選択する段階と、
前記メディアファイルを再生する段階と、から成る方法。
【請求項1】
メディア装置において、
複数のメディアファイルの間の関係度を示すデータと、
ユーザー入力要素を備えたユーザーインターフェースと、
所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの第2メディアファイルを特定する要望とを示すユーザー入力を受信する働きをする第1要素と、
前記複数のメディアファイルの第1メディアファイルを特定する働きをする第2要素と、
前記所望の関係度と前記第1メディアファイルの前記アイデンティティによって、前記第2メディアファイルを特定する働きをする第3要素と、を備えているメディア装置。
【請求項2】
前記データは、前記メディア装置によって自律的に作成される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項3】
前記データは、遠隔データベースと遠隔メディア装置の内の少なくとも1つから受信される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項4】
前記第2メディアファイルを再生する働きをする第4要素を更に備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項5】
遠隔データベースと通信するための通信要素を更に備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項6】
前記通信は、前記メディア装置と前記遠隔データベースの間で前記データを同期化するためのものである、請求項5に記載のメディア装置。
【請求項7】
前記データは、前記複数のメディアファイルの或る特定のメディアファイルのセットの統計的共起尺度に基づいている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項8】
前記データは、
前記複数のメディアファイルのユーザーの再生履歴と、
前記複数のメディアファイルのユーザーにより構築されるプレイリストの内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項9】
前記データは、明示的なユーザーの嗜好と、観察されたユーザーの行動の内の少なくとも1つに基づいている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項10】
前記メディアファイルは、幾何ベクトルによって表され、前記データは、前記ベクトルの幾何的比較に基づいている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項11】
前記幾何的比較は、内積演算である、請求項10に記載のメディア装置。
【請求項12】
前記幾何的比較は、前記ベクトル間の距離の計算である、請求項10に記載のメディア装置。
【請求項13】
前記データは、前記メディアファイルがグラフの頂点に関係付けられ、前記グラフのエッジが前記メディアファイル間の関係を示しているグラフとして記憶されている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項14】
前記エッジは、前記関係の強さに対応する重みを含んでいる、請求項13に記載のメディア装置。
【請求項15】
前記データは、
前記複数のメディアファイルの波形と、
公表された文書の前記複数のメディアファイルの統計的共起尺度の内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項16】
前記データは、前記複数のメディアファイルに関連する属性の類似性によって確立される、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項17】
前記メディア装置は、携帯メディアプレーヤー、パーソナルコンピュータベースのメディアプレーヤー、携帯電話、又はストリーミング器具として特徴付けられる、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項18】
前記関係度は、類似性の程度と相関関係があり、中程度の類似性、高度の類似性、又は低度の類似性であることを特徴とする、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項19】
前記ユーザー入力は、前記入力要素の少なくとも1つの構成要素の少なくとも1つの選択を備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項20】
前記構成要素は、キー、ボタン、又はダイヤルであることを特徴とする、請求項19に記載のメディア装置。
【請求項21】
前記ユーザー入力要素は、音声コマンドを受信するように構成されている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項22】
前記第1メディアファイルと前記第2メディアファイルの内の少なくとも1つは、オーディオファイルである、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項23】
前記第1メディアファイルと前記第2メディアファイルの内の少なくとも1つは、ビデオファイルである、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項24】
前記ユーザーインターフェースは、前記複数のメディアファイルからのファイル特定動作を表すユーザー対話可能なしるしを備えており、前記特定は、前記しるしとの対話がユーザーの体験することになる次のメディアファイルの選択を引き起こすプログラムを信号送信するように、前記しるしと関係付けられており、前記プログラムは、前記複数のメディアファイルの内の前記第1メディアファイルと他のファイルの間の前記所望の関係度に基づいて、前記選択を行う、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項25】
前記しるしは、スキップアイコンを含む、請求項24に記載のメディア装置。
【請求項26】
前記しるしは、キー、ボタン、又はダイヤルを含む、請求項24に記載のメディア装置。
【請求項27】
前記メディア装置は、メディアプレーヤーとして特徴付けられ、
前記ユーザーインターフェースは、前記メディアプレーヤーに指示して、目下再生しているメディアファイルを止めて、前記複数のメディアファイルから選択される代替メディアファイルを再生させるためのスキップコマンドを受信するためのユーザーインターフェース要素を含んでおり、前記スキップコマンドは、前記関係度に基づいており、
前記メディア装置は、更に、
前記データを保持するための記憶装置と、
前記ユーザーインターフェース要素に応答し、前記関係度、前記目下再生中のメディアファイル、及び前記スキップコマンドに従って前記代替メディアファイルを選択するソフトウェアと、を備えている、請求項1に記載のメディア装置。
【請求項28】
メディアファイルを対話して再生するための携帯メディアプレーヤーにおいて、
メディアファイルと、前記メディアファイル間の関係を示すデータのための記憶装置と、
或る大きさを有するスキップを開始するイベントを受信し、前記スキップの大きさに基づいて再生するための次のメディアファイルを選択するソフトウェアを備え、
前記スキップの大きさ、及び現在のメディアファイルと選択可能な代替メディアファイル間の関係が、前記代替メディアファイルの1つを前記次のメディアファイルとして選択する可能性に影響を及ぼす、プレーヤー。
【請求項29】
メディアファイルと、メディアファイル間の関係とを特定するのに用いられる情報を含むデータベースシステムと、
1つ又は複数のコンピュータ装置に接続するための通信ユニットと、を更に備えており、
メディアファイル間の関係は、前記携帯メディアプレーヤーに1つ又は複数の前記コンピュータ装置から転送される、請求項28に記載のプレーヤー。
【請求項30】
前記プレーヤーは、接続されているコンピュータ装置が、前記装置に記憶されている前記メディアファイルを管理するのを許容する、請求項29に記載のプレーヤー。
【請求項31】
関係データが前記遠隔データベースシステムから前記コンピュータ装置へ転送されるように、前記メディアプレーヤーが遠隔データベースシステムに接続されるように、前記遠隔データベースシステムへの接続を容易にするためのソフトウェアモジュールを更に備えている、請求項29に記載のプレーヤー。
【請求項32】
メディアを選択する方法において、
複数のメディアファイルの内の第1メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、
所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの内の第2メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、
前記複数のメディアファイルのメディアファイル間の関係度を示す関係データにアクセスする段階と、
前記所望の関係度、前記ユーザー入力、前記関係データ、及び前記第1メディアファイルの前記アイデンティティに従って前記第2メディアファイルを選択する段階と、から成る方法。
【請求項33】
前記関係データは、メディア装置によって自律的に作成される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記関係データは、遠隔データベースシステムから通信される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第2メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、
所望の関係度と、前記複数のメディアファイルの内の第3メディアファイルを選択する要望とを示すユーザー入力を受信する段階と、
前記所望の関係度と、前記第2メディアファイルの前記アイデンティティに従って、前記第3メディアファイルを選択する段階と、を更に含んでいる、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記第1メディアファイルの前記アイデンティティは、前記メディアファイルに関連するアーティストの名前と、前記メディアファイルに関連するジャンルの内の少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記関係データは、前記複数のメディアファイルの特定のメディアファイルのセット内のメディアファイルの統計的共起尺度に基づいている、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記メディアファイルのセットは、プレイリスト又はメディアライブラリとして特徴付けられている、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記関係データは、
前記複数のメディアファイルのユーザーの再生履歴と、
前記複数のメディアファイルのユーザーによって構築されるプレイリストと、
前記複数のメディアファイルの波形と、
公表された文書の前記複数のメディアファイルの統計的共起尺度の内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記関係データは、前記複数のメディアファイルと関連する属性の類似性によって確立される、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記関係データは、明示的なユーザーの嗜好と、観察されたユーザーの行動の内の少なくとも1つに基づいている、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記関係度は、前記第1メディアファイルと、前記複数のメディアファイルの内の少なくとも1つの他のメディアファイルの間の類似度と相関関係がある、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記複数のメディアファイルの内の1つ又は複数のメディアファイルの間の前記関係データは、人間の判定によって確立される、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記人間の判断は、前記メディアファイルの分類を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記メディアファイルは、幾何ベクトルによって表され、前記関係度は、前記ベクトルの幾何的比較によって求められる、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記幾何的比較は、内積演算である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記幾何的比較は、前記ベクトル間の距離の計算である、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記関係データは、前記メディアファイルがグラフの頂点に関係付けられ、エッジが前記メディアファイル間の関係を示しているグラフとして記憶されている、請求項32に記載の方法。
【請求項49】
前記エッジは、前記関係の強さに対応する重みを含んでいる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ユーザー入力は、装置のユーザーインターフェースに配置されているスキップアイコンである入力要素を介して受信される、請求項32に記載の方法。
【請求項51】
前記入力要素は、前記装置の前記ユーザーインターフェースに一度触れているユーザーによって選択可能である、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ユーザー入力は、入力要素との少なくとも1つのユーザー対話を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項53】
前記入力要素は、音声で起動される、請求項32に記載の方法。
【請求項54】
前記メディアファイルは、再生のための録音物として特徴付けられており、一組の関係が該録音物を関連付け、
前記第1メディアファイルは、現在の録音物として特徴付けられており、
前記第2メディアファイルは、新しい録音物として特徴付けられており、
前記受信する段階は、再生するために前記新しい録音物の選択を起動するイベントを受信する段階を更に含んでおり、前記イベントは、大きさに関係付けられており、
前記選択する段階は、更に、再生するために前記新しい録音物を、前記大きさと前記一組の関係に基づいて選択する段階を含んでおり、前記大きさは、前記目下の録音物と選択可能な録音物の間の関係と組み合わされて、選択の可能性に影響を与えるようになっている、請求項32に記載の方法。
【請求項55】
前記録音物は、デジタルオーディオファイルである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記一組の関係は、前記録音物の類似性の観点から定義されている、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記録音物の前記類似性は、
前記録音物のユーザーの再生履歴と、
ユーザーによって構築されるプレイリストと、
前記録音物の波形と、
公表された文書の録音物参照の共起の内の少なくとも1つを分析することによって確立される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記録音物の前記類似性は、
アーティストと関連する録音物の類似性と、
人間の判定と、
前記録音物と関連する属性の類似性の内の少なくとも1つによって確立される、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記録音物は、幾何ベクトルによって表され、関係の強さは、前記ベクトルの幾何的比較によって判断される、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記幾何的比較は、内積演算である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記幾何的比較は、前記ベクトル間の距離の計算である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記関係は、録音物が前記グラフの頂点に関係付けられエッジが録音物間の前記一組の関係を表しているグラフとして記憶されている、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記エッジは、前記関係の強さに対応する重みを含んでいる、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第1メディアファイルの第1属性の値を認識する段階と、
前記所望の関係度、前記ユーザー入力、前記関係データ、及び前記第1属性値に従って、第2属性値を選択する段階と、を更に含んでおり、
前記アクセスする段階は、更に、前記複数のメディアファイルの内の前記メディアファイルの第1属性の値の間の関係度を示す関係データにアクセスする段階を含んでおり、
前記第2メディアファイルを選択する前記段階は、前記選択された第2属性値に従って実行される、請求項32に記載の方法。
【請求項65】
追加の属性に基づいて、前記第2メディアファイルの前記選択にバイアスを掛ける段階を更に含んでいる、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記追加の属性は、前記メディアファイルの人気度を表す、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記追加の属性は、前記メディアファイルの明示的格付けを表す、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記追加の属性は、観察されたユーザーの行動に基づいて、前記メディアファイルの暗示的格付けを表す、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
1つ又は複数のコンピュータ装置によって実行されるときに請求項32の方法を実施するコンピュータ読み取り可能な命令を有する1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能媒体と、
前記1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能媒体を具現化しているコンピュータ装置と、を備えているシステム。
【請求項70】
一組の関係が関連付ける録音物のシーケンスを作るため方法において、
開始録音物を選択する段階と、
次のスキップ大きさを入力として受け取って使用し、前記次の録音物を、前記スキップの大きさと、前記目下の録音物と選択可能な録音物の間の関係が、選択の可能性に影響を及ぼすように選択することによって、前記前の録音物に基づいて各後続の再生するための録音物を選択する段階と、から成る方法。
【請求項71】
スキップコマンドを使ってメディアファイルを選択する方法において、
複数のメディアファイルの内の第1メディアファイルのアイデンティティを認識する段階と、
前記複数のメディアファイルの内の前記第1メディアファイルと第2メディアファイルの間の所望の関係度に関係付けられたスキップコマンドを示すユーザー入力を認識する段階と、
前記スキップコマンドに従って、前記第2メディアファイルを特定する段階と、から成る方法。
【請求項72】
再生するためのメディアファイルを選択する方法において、
ユーザーが体験している第1メディアファイルと複数のメディアファイルとの間の特定の類似度と関係付けられている再生機能を起動させるイベントを受け取る段階であって、前記特定の類似度は、前記第1及び他のメディアファイルと関連するデータに基づいている、イベントを受け取る段階と、
前記ユーザーが体験することになる次のメディアファイルを選択する段階であって、前記選択は、少なくとも起動される再生機能と、前記第1メディアファイルに関連する前記データとに基づいている、次のメディアファイルを選択する段階と、
前記メディアファイルを再生する段階と、から成る方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【公表番号】特表2009−516240(P2009−516240A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535759(P2008−535759)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/040282
【国際公開番号】WO2007/047541
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(501438485)ヤフー! インコーポレイテッド (200)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/040282
【国際公開番号】WO2007/047541
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(501438485)ヤフー! インコーポレイテッド (200)
【Fターム(参考)】
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