説明

メディア・コンテンツを記憶するポータブル装置

ポータブル装置(50)は、オーディオ・ファイルやビデオ・ファイルなどのメディア・コンテンツを記憶する記憶媒体(60)を有する。ポータブル装置(50)は、それがプレイヤ(10)に接続されているかプレイヤ(10)の近くにある場合に外部のメディア・プレイヤ又はメディア・ネットワーク(10)と通信することが可能である。外部のメディア・プレイヤ(10)によって、提示(15,30,32,34)するメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択することが可能である。提示する新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する都度、選択されるメディア・コンテンツの複製が、ポータブル装置(50)上の記憶媒体(60)に自動的に転送される。よって、ユーザは、ポータブル装置(50)を取り外す場合、ポータブル装置(50)上に記憶されている自らの最近の選択の履歴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア・コンテンツを記憶するポータブル装置と、メディア・コンテンツを提示するメディア・プレイヤと、メディア・プレイヤとポータブル装置との間でのメディア・コンテンツの転送を制御する制御装置、方法及びソフトウェアとに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、オーディオ・トラックやビデオ・ファイルなどのメディア・コンテンツを記憶し、再生することが可能なポータブル装置に対して相当な関心を持っている。この装置は、ユーザが、お気に入りのメディア・コンテンツを自宅や職場から離れている間に楽しむことを可能にする。ポータブル装置は従来、コンパクト・ディスクなどの記録済メディア又はユーザが記録したメディアしか再生しないものであったが、自らが選択するメディア・コンテンツをユーザが直接、装置上に記憶し、コンテンツを後日変更することが可能なように、ソリッド・ステート・メモリやハード・ディスクなどの書き換え可能記憶媒体をポータブル装置が備える傾向が強くなってきている。MPEGレイヤ3(MP3)オーディオ符号化などのメディア符号化手法がより効率的になってきていることと、大容量記憶媒体の費用が減少していることによって、この種のポータブル装置が有用な量のコンテンツを記憶することが可能になった。
【0003】
ポータブル装置上にメディア・コンテンツを記憶する最も一般的な方法の1つは以下の通りである。ユーザは、自らのコンピュータ(PC)上で、ポータブル装置にダウンロードしたいオーディオ・ファイル又はビデオ・ファイルを選択する。オーディオ・ファイル又はビデオ・ファイルは、コンピュータ上に既に記憶されていてもよく、インターネット・サーバなどの外部ソースからPCにダウンロードしてもよい。選択されると、ファイルは、PCとポータブル装置との間の有線接続又は無線接続を介してポータブル装置にダウンロードされる。コンテンツ・ファイルは局所に、ポータブル装置上に記憶され、ユーザは自由に、装置を別の場所まで携行し、メディア・コンテンツを都合のよい時に楽しむことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この仕組みの欠点は、ユーザがメディアをポータブル装置に転送することを積極的に選択し、監視するのにかなりの時間量を費やす必要があるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、メディア・コンテンツをポータブル装置に転送することを管理する、改善された方法を備えようとするものである。
【0006】
よって、本発明の第1の特徴は、メディア・コンテンツを記憶するポータブル装置の制御装置を備え、ポータブル装置は、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体と、装置の外にあるメディア・プレイヤと通信する手段とを有し、制御装置は:
外部のメディア・プレイヤが提示する新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定する工程と、
ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製をポータブル装置上の記憶媒体に転送する旨を要求する工程とを行うよう形成される。
【0007】
このことは、ユーザは、メディア・プレイヤの環境からポータブル装置を取り除く場合に、ポータブル装置に記憶されている、メディア・プレイヤ上の自らの最近のアイテム選択の履歴を自動的に有するという利点を有する。よって、ユーザは、メディア・プレイヤから離れている間に自らの最近の選択を、そのアイテムをポータブル装置に転送することを積極的に監視する必要が何らなしで視聴することが可能である。
【0008】
ポータブル装置は、多くの形態を呈し得る、すなわち、記憶されているメディア・コンテンツを、ユーザに提示する形式にレンダリングする機能を備えているか備えていない、MP3プレイヤや同様な装置などの専用のメディア記憶装置であってよく、メディア記憶機能とレンダリング機能とを備えている、携帯情報端末(PDA)、ポータブル・コンピュータや携帯電話機などの多機能装置であってもよい。装置の寸法は重要でない。
【0009】
外部のメディア・プレイヤ上に提示する新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定するために、ポータブル装置は、外部メディア・プレイヤを定期的にポーリングしてもよく、メディア・プレイヤから通知を受信してもよい。
【0010】
好ましくは、制御装置は、ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製がポータブル装置上に既に記憶されているか否かを判定し、複製がポータブル装置上に既に記憶されている訳でない場合にのみユーザが選択するメディア・コンテンツの複製が記憶される。これによって、ポータブル装置上の限られた記憶リソースの最善の使用を行うことが可能である。
【0011】
好ましくは、制御装置は、外部プレイヤ上でユーザによって試用されるそのアイテムの量にかかわらず、メディア・コンテンツのユーザ選択アイテムの完全な複製を転送するよう形成される。例として、ユーザがメディア・プレイヤ上のオーディオ・トラックの短いセグメントを聴くことにする場合、制御装置はオーディオ・トラック全体の完全な複製を転送しようとすることになる。このことによって、ユーザがポータブル装置を予告なしで移動させる場合にポータブル装置がアイテムの完全な複製を有するようにしている。実際に、制御装置は好ましくは、外部プレイヤ上で提示されるよりも高い速度でユーザ選択メディア・コンテンツを転送するよう形成される。転送速度は数桁大きいものであり得るが、このことは、メディア・プレイヤとポータブル装置との間の通信リンクの帯域幅によって変わってくることになる。
【0012】
好ましくは、制御装置は、ポータブル装置が外部プレイヤから取り外される時点を判定し、外部プレイヤ上で選択されたメディア・コンテンツを提示し始めるよう動作可能である。更に好ましくは、制御装置は、ポータブル装置が切断されていた時点で外部プレイヤが選択メディア・コンテンツを提示していた位置を判定し、メディア・コンテンツをポータブル装置上で実質的に同じ位置で提示し始めるよう形成される。
【0013】
好ましくは、記憶媒体は限られた数のメディア・コンテンツ・アイテムを記憶する一時バッファを備え、制御装置は先入先出ベースなどの時間順序ベースでアイテムをバッファに記憶するよう形成される。好ましくは、ポータブル装置上に既に記憶されているアイテムのユーザの選択は、バッファにおけるそのアイテムの存続期間を増加させるので、ユーザが自らのお気に入りアイテムをバッファにおいて見つける可能性が増大する。
【0014】
時間順序ベースでアイテムを記憶する代わりとしてか、時間順序ベースでアイテムを記憶することに加えて、バッファに記憶されているアイテムに優先度を割り当て得る。アイテムの優先度は、メディア・コンテンツ(オーディオ、ビデオなど)の種類や、ユーザによって規定される規則によって変わってくるようにしてもよい。
【0015】
本発明の別の特徴は、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体を備えるメディア・コンテンツを記憶するポータブル装置と、上記の種類の制御装置とを備える。記憶媒体は、装置内のメモリ・チップなどの、ポータブル装置の一部分を構成するものであってもよく、取り外し可能なメモリ・カード、ミニチュア・ハード・ドライブや光磁気ディスクなどの、ポータブル装置の残りの部分から容易に取り外し可能であってもよい。制御機能は、記憶媒体から別個のものであってもよく、記憶媒体の一部分を構成するものであってもよい。好ましくは、ポータブル装置は更に、記憶されているメディア・コンテンツをユーザに提示する形式にレンダリングする手段を備える。
【0016】
本発明の別の特徴は、メディア・コンテンツをユーザに提示することができるメディア・プレイヤの制御装置を備え、メディア・プレイヤは、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体を有するポータブル装置と連携可能であり、ポータブル装置と通信する手段を有し、制御手段は:
メディア・プレイヤが提示する新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定する工程と、
ユーザ選択メディア・コンテンツの複製をポータブル装置上の記憶媒体に転送させる工程とを行うよう形成される。
【0017】
ユーザ選択メディア・コンテンツの複製をポータブル装置に転送する必要があるか否かを判定するために、制御装置はメディア・コンテンツのインベントリをポータブル装置上に維持することが可能である。選択されるメディア・コンテンツ・アイテムは、選択されるアイテムがインベントリに載っていない場合にポータブル装置に自動的に複製するだけでよい。このことは、制御装置が最新状態のインベントリを有していることを必要とする。あるいは、新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択したということの判定に応じて、制御装置はポータブル装置に新たなアイテムの識別子を送ることが可能である。ポータブル装置は、自らのインベントリを参照して、新たに選択されるアイテムの複製を自らが必要とするか否かを判定し、適切なメッセージをメディア・プレイヤの制御装置に送る。選択されるアイテムの複製は、ポータブル装置に、それが複製を要求する場合にのみ送られる。
【0018】
メディア・プレイヤの制御装置は、物理的にメディア・プレイヤ上に存在するものであってもよく、メディア・プレイヤとは物理的に別個のものであって、有線接続又は無線接続によってメディア・プレイヤと通信するものであってもよい。
【0019】
好ましくは、制御装置は、メディア・コンテンツのユーザ選択アイテムの完全な複製が利用可能か否かを判定するが、それは、放送データやストリーミング・データなどの一部の種類のコンテンツが局所で、メディア・プレイヤ上で記憶されていない場合があるからである。好ましくは、制御装置は、メディア・コンテンツのユーザ選択アイテムの完全な複製が、現在用いられているものとは別のソースから利用可能であるか否かを判定する。別のソースを見つけることができない場合、メディア・コンテンツのユーザ選択アイテムを、それがソースから受信されるかメディア・プレイヤ上で提示される速度と実質的に同じ速度でポータブル装置に転送することが可能である。
【0020】
選択されるアイテムの複製をポータブル装置に自動的に転送するこの機能は、メディア・プレイヤ及びポータブル装置の恒久的な機能であってもよく、更に好ましくは、ユーザによって、メディア・プレイヤのユーザ規定選好とポータブル装置のユーザ規定選好とのうちの1つとして提示することによってオン状態又はオフ状態に切り替えることが可能である。
【0021】
本発明の更なる特徴は、上記種類の制御装置を備えるメディア・プレイヤを備える。メディア・プレイヤは、多くの形態を呈し得る、すなわち、CDプレイヤやDVDプレイヤなどの専用プレイヤ、メディア・プレイヤとして用いることを可能にする記憶機能及びレンダリング機能を備えている、PCなどの多目的装置であってもよく、メディア・コンテンツを記憶するか取得し、それをユーザに提示する機能を併せて達成する、装置のネットワークであり得る。
【0022】
本発明の更なる特徴は、ポータブル装置又はメディア・プレイヤの動作を制御する方法を備える。
【0023】
メディア・コンテンツをポータブル装置に転送することを制御するこの方法は、メディア・プレイヤ及び/又はポータブル装置におけるプロセッサによって実行されるソフトウェアにおいて実施することが可能である。よって、本発明の更なる特徴は、ポータブル装置又はメディア・プレイヤの動作を制御するソフトウェアを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施例を単に例として、添付図面を参照しながら説明することとする。
【実施例】
【0025】
図1は、家庭又は公共施設において用いるのに適切なエンターテインメント・システムを示す。システムの主な構成部分は、(以降メディア装置と呼ぶ)メディア・コンテンツを再生することが可能な装置10又は装置ネットワーク、ユーザがメディア装置又はメディア・ネットワーク10を制御することが可能なリモコン装置80、及びユーザがメディア装置10の環境を自由に出入りすることができるポータブル装置50である。
【0026】
メディア装置10は、装置の動作を制御する、マイクロプロセッサなどのコントローラ11を有する。マイクロプロセッサは、メディア装置10のオペレーティング・ソフトウェアと、装置を動作させるうえでの何れかのユーザ規定の選好とを、よく分かるものである方法において記憶する、マイクロプロセッサに接続される1つ又は複数のメモリ装置12を有する。
【0027】
メディア装置10は、メディア・コンテンツを記憶する1つ又は複数の記憶装置20,21も備える。これらの記憶装置は、フラッシュ・メモリなどのソリッド・ステート・メモリ装置20と、大容量ハード・ドライブと、ユーザがプレイヤの中に好きなときに挿入する、コンパクト・ディスクやディジタル多用途ディスク(DVD)などの光ディスクを再生するプレイヤ21と、ソニー・ミニディスク(商標)などの光磁気記憶装置を読み書きするドライブとを有し得る。更に、メディア装置10は、放送メディアの外部ソースからの入力を地上放送受信器22、衛星放送受信器23及びケーブル放送受信器24を介して受信する。更に、メディア装置10は、メディア・コンテンツ25の外部ソースをインターネット接続26へのインタフェース27を介してアクセスすることが可能である。インタフェース27は、モデムの形態を呈し得る。外部ソース25は、オーディオ・ファイル及びビデオ・ファイルのデータベースを保持するサーバを備えるものであってもよく、ストリーミングされるオーディオ・コンテンツ及びビデオ・コンテンツを配信することが可能なサーバを備えるものであってもよい。
【0028】
図1では、メディア装置10は、広い範囲の種々のメディア・コンテンツ・ソースへのアクセスを備えている、充実した装備を有するホーム・エンターテインメント・システムのハブとして示している。しかし、メディア装置10はこれほど手のこんだものでなくてよく、その最も単純な形態では、メディア装置10は、メディア・コンテンツの単一の記憶機構のみを有するものであってもよく、メディア・コンテンツの単一の記憶機構へのアクセスのみを有するものであってもよい。
【0029】
メディア装置10は、メディア・コンテンツの選択されるアイテムを再生又はレンダリングする再生装置15も備える。これは、(MP3オーディオ・デコーダ及びMPEG2ビデオ・デコーダなどの、)メディア・コンテンツを復号化する適切なデコーダ16と、適切なディジタル・アナログ変換器17とを備える。再生装置15からのオーディオ出力及びビデオ出力は、可聴出力を供給する増幅器30及びスピーカ32に供給され、視覚出力を供給する、テレビジョン・モニタなどの視覚ディスプレイ34に供給される。なお、増幅器30、スピーカ32及びディスプレイ34は、図1に示すように、メディア装置10と一体化されるものであってもメディア装置10とは別個のものであってもよい。
【0030】
無線リモコン装置80は、メディア装置10の動作をユーザが制御することを可能にするようにしている。これは、マイクロプロセッサ81及びメモリ82と、ユーザが選択を行うことを可能にするユーザ入力装置83と、現行の動作状態と、選択とをユーザに向けて表示するディスプレイ84と、メディア装置10上の同様な装置13、14と通信する送信器/受信器85及びアンテナ86とを備える。ユーザ入力装置83は、単純なキーパッドであってもよく、マイクロプロセッサ81の制御の下でディスプレイ84上にコンテキスト・センシティブなラベルと、「ソフト・ボタン」が表示される、ディスプレイ84と組み合わせられる、タッチ・センシティブな画面などのより複雑な装置であってもよい。
【0031】
ポータブル装置50は、ユーザによってあちこちに移動させることが可能な、持ち運びできる装置を表す。この装置は、小型の、ハンドヘルド型の装置であっても、もっと大きなものであってもよい。この実施例では、ポータブル装置50は、装置の動作を制御するコントローラ51及びメモリ52と、ディスプレイ53と入力装置54とを備えているユーザ・インタフェースとを備える。記憶装置60はメディア・コンテンツを記憶し、メディアの再生は、コントローラ51の制御の下で、オーディオ・デコーダやビデオ・デコーダなどの再生機器又はレンダリング機器55によって行われる。ユーザ出力は、オーディオ・スピーカ56と、ヘッドフォン出力と、ディスプレイ58とのうちの1つ又は複数のものを備える。メディア・コンテンツをレンダリングする主ディスプレイ58は、ユーザインタフェース・ディスプレイ53と組み合わせてもよい。送信器/受信器62及びアンテナ64によって、ポータブル装置が無線によってメディア装置10と通信することが可能である。リモコン60と同様に、ユーザ入力装置は、単純なキーパッドであってもよく、マイクロプロセッサ51の制御の下でディスプレイ53上に表示されるコンテキスト・センシティブなラベルと、「ソフト・ボタン」が表示される、ディスプレイ53と組み合わせられる、タッチ・センシティブな画面などのより複雑な装置であってもよい。ポータブル装置50は電力を装置内のバッテリから得る。
【0032】
次に、本発明の第1の実施例による、システムの動作を図2乃至図6を参照しながら説明することとする。
【0033】
まず、図2は、装置間の信号及びデータのフローを表す、図1と同じシステムを単純にしたバージョンである。図3はメディア装置10におけるコントローラ11によって行われる工程を示す一方、図5はポータブル装置50におけるコントローラ51によって行われる相当する工程を示す。
【0034】
ユーザは、メディア・コンテンツ・アイテム又はコンテンツ・チャンネルを、リモコン装置80を用いて選択する。コンテンツ選択信号(A)は、制御装置80からメディア装置10に伝送される。メディア装置10におけるコントローラ11は、そのアイテムのソースを判定すること(工程202)によって選択信号に応答し、このソースは、記憶装置20、光ディスク・プレイヤ21、放送受信器22,23,24又は外部サーバ25となる。コントローラ11はレンダリング処理を開始させる(工程220)。データは、適切な記憶装置20,21,25から再生装置15に対して、制御された速度で公知の方法でストリーミングされる(B)。再生装置15は、選択されるメディア・コンテンツ・アイテムについてのデータを、提示するのに適切な形式にレンダリングし、オーディオ出力及び/又はビデオ出力をスピーカ32とディスプレイ34とに供給してメディア・コンテンツをユーザに提示する。しかし、通常の再生が始まる前か通常の再生と同時に、コントローラ11は更に、一連の工程を行って、選択されるアイテムの複製をポータブル装置50上の記憶装置60にダウンロードさせる。まず、選択されるコンテンツがポータブル装置50上に既に存在しているか否かを判定するよう、コントローラ11とポータブル装置50との間の信号情報(C)の交換が存在する。この実施例では、コントローラ11は、ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムの識別子をポータブル装置50に送る(工程204)。ポータブル装置50のコントローラ51は、コンテンツ・アイテムの複製がポータブル装置50の記憶装置上に既に存在しているか否かを見るようインベントリを確かめてコントローラ11に通知する。複製がポータブル装置50上に既に記憶されている場合、転送する必要のあるデータは何らない。しかし、アイテムの複製がポータブル装置50上に既に記憶されているという訳でない場合、コントローラ11は、選択されるメディア・コンテンツ・アイテムの完全な複製が利用可能か否かを判定する(工程208)。選択されるアイテムの完全な複製が利用可能か否かを判定する処理は、図6を参照しながら以下に更に詳細に説明し、アイテムの完全な複製は、利用可能な場合、ポータブル装置50に転送される(工程212)と言えば十分であることとする。好ましくは、ポータブル装置50への転送は、記憶装置から再生装置15へのストリーミングの通常の速度よりもかなり高い転送速度で配信される、ユーザが選択したアイテムのファイル全体のファイル転送(D)の形態で行われる。これによって、ポータブル装置50をメディア装置10の環境から取り除くこととする場合に、選択されるアイテムの完全な複製をポータブル装置50が有するようになる。例として、選択されるMP3オーディオ・ファイルは記憶装置20から再生装置15に128Kb/sのストリーミング・レートで4分間(オーディオ・トラックの持続時間)にわたって配信し得る一方、3.75MBオーディオ・ファイル全体は、ポータブル装置50の記憶装置に、選択の直後に2Mb/sの速度で15.4秒間にわたって、メディア装置10とポータブル装置50との間の適切に高い帯域の接続(802.11bWLAN接続)を用いて配信し得る。
【0035】
図4は、略図形式で、記憶装置60をポータブル装置50上で編成する方法を示す。記憶容量の第1の部分65は、ポータブル装置50に転送する旨をユーザが特に要求したデータ用に確保されている。すなわち、この領域は、ポータブル装置50に通常の方法で転送することとする旨をリモコン80又は、ポータブル装置50上のユーザ・インタフェースを用いることによってユーザが規定するアイテム用に確保されている。
【0036】
記憶容量の第2の部分であるバッファ66は、自動的に保存されるコンテンツ・アイテムの記憶用に確保されている。仕切り67によって境界が定められる、このようにして用いることが可能な、総記憶容量の一部分は、工場出荷状態であっても、ポータブル装置50のユーザ選好のうちの1つとしてユーザが規定してもよい。記憶装置60の領域66は、先入先出によって動作する。図3は、FIFOに記憶されている、4つのオーディオ・ファイルと、1つのビデオ・ファイルとを示し、オーディオ・ファイル1が最も古く、オーディオ・ファイル4は最も後に記憶されたものである。新たなデータがFIFOに追加されると、最初に削除されるのはオーディオ・ファイル1となる。FIFOに既に記憶されている、メディア装置10上のメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する場合、ポータブル装置50は、第2の複製を記憶せず、代わりにそのアイテムをFIFOリストの先頭に移す。これによって、同じアイテムの複数の複製を限られた記憶領域66にポータブル装置50が記憶することがないようにしている。
【0037】
基本的な先入先出処理に対する更なる精緻化においては、優先度68はバッファ66における各アイテムに割り当てることが可能であり、優先度はバッファ66から削除するアイテムを判定するのに用いる。例として、メディア装置10上で視聴したいコンテンツ・アイテムをユーザが規定する場合、これには高優先度が割り当てられる一方、ユーザが単にテレビジョン・チャンネルなどのチャンネルを選択する場合、そのチャンネル上の何れかのコンテンツには低優先度が割り当てられるが、それは、コンテンツがユーザにとって低優先度であると認識されるからである。他のルールは、コントローラ51,11における工場出荷状態であってもよく、ユーザによって自らの選好によって規定されてもよい。更なる例として、オーディオ・トラックにはビデオ・クリップよりも高い優先度を割り当ててもよい。
【0038】
記憶バッファ66のコンテンツは、ユーザに向けてディスプレイ53,58上に時系列に表示しても逆時系列に表示してもよい。あるいは、一貫した選択履歴を提示するよう、一時的にバッファリングされる構成要素(オーディオ・ファイル1-3及びビデオ・ファイル1)を記憶装置の部分65(オーディオ・ファイルA,B)において、ポータブル装置上でより永続的に記憶されるコンテンツ・アイテムに割り込ませてもよい。選択履歴は、特定のアイテムに対する複数の参照を、ユーザがそれを複数の機会に選択した場合には載せるよう形成してもよい。
【0039】
図5は、ユーザがメディア装置10上で選択する、新たなメディア・コンテンツ・アイテムを記憶する必要があるか否かを、ポータブル装置50におけるコントローラ51が決定する方法を示す。まず、工程500では、新たなメディア・コンテンツ・アイテムがユーザによってメディア装置10上で選択されているということが識別される。この実施例では、これは、上記のように、コントローラ11からメッセージを受信することによって引き起こされる。工程502では、そのコンテンツの複製がポータブル装置50上に既に記憶されているか否かについて判定されるが、それは、ポータブル装置50上にそれが既に記憶されている場合、別の複製をダウンロードする必要が何らないからである。コントローラ51は記憶装置60上に記憶されているアイテム・インベントリを照会し得る。アイテムが記憶装置60上に既に記憶されている場合、工程504で、アイテムがユーザ選択データ領域65に記憶されているか一時バッファ66に記憶されているかについて確かめられる。それがバッファ68にある場合、アイテムはバッファの先頭に移され、アイテムの優先度が上げられる場合もある。更なる動作は何ら必要でない。工程502に戻れば、メディア・コンテンツ・アイテムがポータブル装置50上に既に記憶されている訳でない場合、複製がメディア装置10に要求され、バッファ66における、最も古い(優先度が最も低い)構成要素が削除され、新たなメディア・コンテンツ・アイテムがバッファ66の先頭に追加される。当然、バッファ66に予備容量がある場合、何れのアイテムを削除する必要もない。
【0040】
上記のように、コントローラ11は、可能である際にはいつでも、ユーザがメディア装置10を介して遭遇するアイテム部分に転送を制限するのではなく、選択されるメディア・コンテンツ・アイテムの各々の全体を複製することが意図されている。よって、ユーザがオーディオ・トラックの短い抜粋を聴く場合でも、コントローラは、そのトラックに相当するオーディオ・ファイル全体をポータブル装置50に転送することになる。なお、メディア・コンテンツ・アイテムが放送コンテンツのソース又は、外部ソースによるストリーミング・コンテンツのソースである場合、コントローラ11が、選択されるアイテムの完全な複製を、それが利用可能でない場合があるのでダウンロードできない場合がある。
【0041】
図6は、コントローラ11がこの状況に対処するよう適応させ得るストラテジの1つを示す。まず、工程300で、コントローラ11は、ソースがストリーミング・ソースであるか非ストリーミングであるかを判定する。非ストリーミング・ソースからのメディア・コンテンツ・アイテムは、工程302で、上記のように処理することが可能である。コントローラ11は、ソースがストリーミング・ソースであることを判定する場合、メディア・コンテンツ・アイテムの識別情報を判定する一連の検査を開始する。工程305で、コントローラ11は、メディア・コンテンツ・アイテムの識別子をデータ・ストリームから得ることが可能であるか否かを判定する。例として、コンテンツ・アイテムが、外部のラジオ放送局からストリーミングによって受信される楽曲である場合、コントローラは、受信されるデータ・ストリームにおける識別子から楽曲のタイトルを識別しようとすることになる。ディジタル・オーディオ放送(DAB)の番組関連データ(PAD)機能は、放送オーディオ・データと並行して楽曲のタイトルを伝送する機能を備える。メディア・コンテンツ・アイテムの識別情報を判定することが可能でない場合、コントローラは次の検査に進み、メディア・チャンネルの番組スケジュールを照会する。この検査は、テレビジョンや映画などの放送ビデオ・メディアにおいて、成功する可能性が最も高いと思われる。この検査が失敗する場合、コントローラ11は、自動認識アルゴリズムを用いてコンテンツを判定する機能を有し得る。
【0042】
検査305、310、312の何れかの結果がメディア・コンテンツ・アイテムの識別をもたらす場合、コントローラ11は工程315に進み、アイテムを局所で記憶装置20,21からソーシングすることが可能か否かを判定することが可能である。楽曲の複製が局所で利用可能であるということをコントローラ11が工程315で判定する場合、この複製は工程316で、前述のものと同様にポータブル装置50にすばやくダウンロードすることが可能である。これが可能でなければ、コントローラ11は工程320で、外部データベース25を照会してアイテムの複製全体をソーシングする。コントローラが別のソースを位置特定することに成功した場合、アイテムの複製全体を工程325で、ポータブル装置50にダウンロードすることが可能である。
【0043】
コンテンツを識別することもコンテンツの別のソースをアクセスすることも可能でない場合、コントローラ11は、工程330で、ストリーミング・ソースから受信される速度と同期をとってポータブル装置に、選択されるコンテンツを複製させることになる。あるいは、コントローラ11は、(メディア・コンテンツ・アイテムの識別子が判定された場合)メディア・コンテンツ・アイテムの識別子をポータブル装置50に送ることが可能であり、ポータブル装置50が他のアイテムと並行してバッファ66に記憶することが可能な、メディア・チャンネルの識別子や、選択されるコンテンツに関する特定の他のコメントをポータブル装置50に送ることが可能である。コントローラ11,51は、アイテムの完全な複製を後の時点で置き換えようとするよう形成してもよく、識別子をバッファにおいて、ユーザが選択履歴を視る場合のユーザ用の参照として単に残しておくようにしてもよい。更に別の代替策として、コントローラ51は、完全な複製も識別子も利用可能でない場合に何れかのコンテンツを単に無視するようにしてもよい。
【0044】
上記実施例では、選択されるメディア・コンテンツ・アイテムの複製をポータブル装置50が既に有しているか否かの判定は、ポータブル装置50のコントローラ51において行われる。本発明の別の実施例では、メディア装置10におけるコントローラ11は、選択されるメディア・コンテンツ・アイテムの複製をポータブル装置50に送るか否かを決定することが可能である。このことは、コントローラ11が記憶装置60のコンテンツの最新状態のインベントリを維持することを必要とする。このインベントリは、(接続が有線である場合)ポータブル装置50がメディア装置10に最初に接続される際に取得することが可能であり、(接続が無線である場合)ポータブル装置50がメディア装置10に最初に登録する際に取得することが可能である。
【0045】
別の実施例では、ポータブル装置50のコントローラ51は、ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムの自動複製についてのより大きな責任を負い得る。この別の実施例では、コントローラ51は、ポータブル装置50の局所の環境における各メディア装置10に定期的に問い合わせするかこの各メディア装置10を定期的にポーリングして、それらの装置10のユーザが選択するコンテンツ・アイテムを判定し、そのアイテムが既に局所に、ポータブル装置50の記憶装置60上に記憶されている訳でない場合にそのアイテムをポータブル装置50にダウンロードする旨を要求することを要する。この方法は、既に図5に示したものと同様であるが、更に、工程500で、ポータブル装置50は、新たなアイテムがユーザによって選択される都度通知されるのではなく、局所メディア装置10に積極的に問い合わせて、ユーザがそれらの他のマシン上で遭遇するメディア・コンテンツを判定する。
【0046】
本発明の更に別の実施例では、リモコン装置80におけるコントローラ81は、システム全体の制御インテリジェンスの大半を呈し得るものであり、メディア装置10におけるコントローラ11(及び、ポータブル装置50におけるコントローラ51)はコントローラ81からの命令に反応する。
【0047】
前述した本発明はポータブル記憶装置50が単一のAV装置に接続される場合に有用であるが、いくつかのポータブル装置がホーム・ネットワークの形態でお互いに接続され、ポータブル装置50が複数のAV装置との接続を形成する場合にこの利便性が大いに増大する。理想的には、ポータブル装置50は、ユーザが相互作用する、ホーム・ネットワークにおける何れかのAV装置からコンテンツの複製を受信する。
【0048】
ホーム・ネットワークは、DVDプレイヤや放送受信器などの専用機器アイテムや、1つ又は複数のパーソナル・コンピュータなどの多機能マシンを備え得る。パーソナル・コンピュータの場合、メディア・コンテンツはハード・ディスク上に記憶することが可能であり、符号化/復号化は適切なソフトウェア・コデックによって行うことが可能であり、最終的な出力及びユーザ・インタフェースも、所望の場合、コンピュータのキーボード、ディスプレイ及びオーディオ・スピーカを用いることによって供給することが可能である。
【0049】
ユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ(UPnP)アーキテクチャはそれ自体が(ユーザがポータブル装置50をメディア装置10の範囲内に持ち込むか、それを取り除く場合などの、)装置がホーム・ネットワークに付加されたり、ホーム・ネットワークから取り除かれたりするこの種の環境に向いているので、メディア装置10、ポータブル装置50及びリモコン装置80が全て、このアーキテクチャに基づいていることが好ましい。UPnP技術仕様に対するAV拡張は、制御ポイント、メディア・サーバ及びメディア・レンダラを定義している。本発明では、コンテンツはメディア装置10(第1のUPnPメディア・サーバ)からポータブル装置50(第2のUPnPメディア・サーバ)にコントローラ11(UPnP制御ポイント)の指揮下で転送される。UPnPの更なる特徴もそれ自体が、本発明を実施するのに難なく役立つ。UPnPは、メディア・サーバ用コンテンツ・ディレクトリ・サービス(CDS)を定義しており、このメディア・サーバ用コンテンツ・ディレクトリ・サービス(CDS)は、上記インベントリと、メディア・サーバ間でコンテンツを複製する「リソースのインポート」及び「リソースのエクスポート」の処理と、新たなコンテンツをメディア・サーバに登録する「オブジェクトの作成」に等しい。
【0050】
前述の通り、ポータブル装置50は他のAV装置から警告なしで切断される可能性があると思われるので、コンテンツは、それが選択されるとできる限りすばやくポータブル装置50に複製することとする。これによって、ユーザが自らの装置に切り替えることにする場合に、再生し続けるうえで、選択されるアイテムが利用可能であるようにしている。レンダリング・ソースの「ホーム」からポータブル装置へのこの切り替えは、ポータブル装置が切断されていた場合には自動的に始動させてもよい。選択されるメディア・コンテンツ・アイテムが現在レンダリングされている位置をポータブル装置50にコントローラ11が定期的に通知することが、このことを達成する1つの方法となる。この位置は、バッファ66におけるメディア・コンテンツの傍らに別のフィールドとして記憶してもよく、記憶装置60における別個の構成要素として記憶してもよい。ポータブル装置50がメディア装置10から取り除かれる場合、ポータブル装置50は、記憶装置60における適切な構成要素を照会して、メディア装置10がメディア・コンテンツ・アイテムをレンダリングしていた、最も直近に分かった位置を判定し、これを用いて、局所で、記憶装置60の部分65又は66に記憶されている同じコンテンツをレンダリングし始めることが可能である。
【0051】
本明細書及び特許請求の範囲には示していないが、リモコン80とポータブル装置50とを組み合わせることが可能であり、ホームの記憶装置及びレンダリング・システムと、ポータブルの記憶装置及びレンダリング・システムとを動作させる制御手段が1つの装置に組み入れられるように、リモコン80、ポータブル装置50及びコントローラ51の機能を組み合わせることも可能である。
【0052】
ポータブル装置50の記憶装置60は、装置50の一部であってもよく、取り外し可能な装置であってもよい。
【0053】
ポータブル装置50とメディア装置10との間の通信は、上記の無線接続を用いて達成してもよく、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)接続などの有線接続を用いて達成してもよい。同様に、ホーム・ネットワークの構成要素は、有線によって接続しても無線によって接続してもよく、構成要素は、802.11bLANなどの無線LANを構成する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を実施するホーム・エンターテインメント・システムを示す図である。
【図2】システム全体に及ぶ通信フローを示す図である。
【図3】図1のメディア・プレイヤで行われる方法を示す図である。
【図4】図1のポータブル装置において用いる記憶媒体を示す図である。
【図5】図1のポータブル装置によって行われる制御方法を示す図である。
【図6】メディア・コンテンツ・アイテムを代替的にソーシングする方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア・コンテンツを記憶するポータブル装置の制御装置であって、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体と、前記ポータブル装置の外部にあるメディア・プレイヤと通信する手段とを有し、更に:
前記外部メディア・プレイヤによって提示する新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定し、かつ、
前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に転送する旨を要求するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の制御装置であって、前記外部メディア・プレイヤを定期的にポーリングして、前記外部メディア・プレイヤによって提示する新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択した時点を判定するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製が前記ポータブル装置上に既に記憶されているか否かを判定するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項3記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を、複製が前記ポータブル装置上に既に記憶されている訳でない場合に記憶するに過ぎないよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1つに記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムの完全な複製を、前記外部メディア・プレイヤ上で前記ユーザが試用する前記アイテムの量にかかわらず転送するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1つに記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツを、該ユーザが選択するメディア・コンテンツが前記外部プレイヤ上で提示される速度よりも高い速度で転送するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1つに記載の制御装置であって、前記記憶媒体が、限られた数のメディア・コンテンツ・アイテムを記憶する一時バッファを備え、更に、該バッファに前記アイテムを時間順序ベースで記憶するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項8】
請求項7記載の制御装置であって、前記アイテムを前記バッファに先入先出ベースで記憶するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項9】
請求項7又は8記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムの複製が前記ポータブル装置上に既に記憶されているか否かを判定し、肯定の場合、前記アイテムの前記バッファにおける存続時間を増加させるか否かを判定するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1つに記載の制御装置であって、前記記憶媒体が、限られた数のメディア・コンテンツ・アイテムを記憶する一時バッファを備え、該バッファに記憶されているアイテムに優先度を割り当てるよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項11】
請求項10記載の制御装置であって、アイテムの前記優先度がメディア・コンテンツの種類によって変わってくることを特徴とする制御装置。
【請求項12】
請求項10又は11記載の制御装置であって、アイテムの前記優先度は、該アイテムが前記外部メディア・プレイヤ上で選択されたか否かによって変わってくることを特徴とする制御装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1つに記載の制御装置であって、前記ポータブル装置が更に、前記記憶媒体に記憶されているメディア・コンテンツを提示する手段を備え、該制御装置が更に、前記ポータブル装置が前記外部メディア・プレイヤから取り外される時点を判定し、前記外部メディア・プレイヤ上で選択された前記メディア・コンテンツを提示し始めるよう動作可能であることを特徴とする制御装置。
【請求項14】
請求項13記載の制御装置であって、前記ポータブル装置が切断されていた時点で前記選択されたメディア・コンテンツを前記外部メディア・プレイヤが提示していた位置を判定し、前記メディア・コンテンツを前記ポータブル装置上で実質的に同じ位置で提示し始めるよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか1つに記載の制御装置であって、前記外部メディア・プレイヤの動作を制御するよう更に形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項16】
メディア・コンテンツを記憶するポータブル装置であって、該メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体と、請求項1乃至15の何れか1つに記載の制御装置とを備えることを特徴とするポータブル装置。
【請求項17】
メディア・コンテンツをユーザに提示することができるメディア・プレイヤの制御装置であって、前記メディア・プレイヤは、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体を有するポータブル装置と連携し、該ポータブル装置と通信する手段を有し、更に:
前記メディア・プレイヤによって提示する新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定し、かつ、
前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を、前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に転送させるよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項18】
請求項17記載の制御装置であって、メディア・コンテンツのインベントリを前記ポータブル装置上に記憶するインベントリ手段を更に備え、更に、前記選択されるメディア・コンテンツ・アイテムの複製を前記ポータブル装置に、前記選択されるアイテムが前記インベントリ手段に載っていない場合にのみ自動的に複製させるよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項19】
請求項17記載の制御装置であって、新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択した旨を判定することに応じて、前記新たなアイテムの識別子を前記ポータブル装置に送るよう形成され、更に、前記新たなアイテムの複製を前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に、前記ポータブル装置が前記新たなメディア・コンテンツの複製を要求する場合にのみ転送させるよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項20】
請求項17乃至19の何れか1つに記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムの完全な複製を、前記ユーザが前記メディア・プレイヤ上で試用する前記アイテムの量にかかわらず転送するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項21】
請求項17乃至20の何れか1つに記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツを、該ユーザが選択するメディア・コンテンツが前記メディア・プレイヤによって提示される速度よりも高い速度で転送するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項22】
請求項20又は21記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムの完全な複製が利用可能であるか否かを判定するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項23】
請求項22記載の制御装置であって、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムの完全な複製が、現在用いられているソースとは別のソースから利用可能であるか否かを判定するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項24】
請求項23記載の制御装置であって、別のソースを見つけることが可能でない場合、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムを前記ポータブル装置に、前記ユーザが選択するメディア・コンテンツ・アイテムが前記メディア・プレイヤによって受信されるか前記メディア・プレイヤ上で提示される速度と実質的に同じ速度で複製するよう形成されることを特徴とする制御装置。
【請求項25】
メディア・プレイヤであって、メディア・コンテンツ・アイテムを記憶するか受信する手段と、メディア・コンテンツ・アイテムをユーザに提示する手段と、請求項17乃至24の何れか1つに記載の制御装置とを備えることを特徴とするメディア・プレイヤ。
【請求項26】
メディア・システムであって:
メディア・コンテンツをユーザに提示することができるメディア・プレイヤ;及び
メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体を有するポータブル装置を備え;
前記メディア・プレイヤと前記ポータブル装置は、お互いに通信する手段を有し;
更に、前記メディア・プレイヤによって提示される新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定する手段;及び
前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に送る手段を備えることを特徴とするメディア・システム。
【請求項27】
メディア・コンテンツを記憶するポータブル装置の動作を制御する方法であって、該ポータブル装置は、前記メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体と、前記ポータブル装置の外部にあるメディア・プレイヤと通信する手段とを有し、更に:
前記外部のメディア・プレイヤによって提示される新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定する工程;及び
前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に転送する旨を要求する工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項28】
メディア・コンテンツを記憶するポータブル装置の動作を制御するソフトウェアであって、該ポータブル装置は、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体と、前記ポータブル装置の外部にあるメディア・プレイヤと通信する手段とを有し、更に:
前記外部のメディア・プレイヤによって提示される新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定する工程;及び
前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に転送させる工程を前記ポータブル装置の制御装置に行わせるよう形成されることを特徴とするソフトウェア。
【請求項29】
メディア・コンテンツをユーザに提示することができるメディア・プレイヤを制御する方法であって、該メディア・プレイヤは、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体を有するポータブル装置と連携可能であり、該ポータブル装置と通信する手段を有し、更に:
前記メディア・プレイヤによって提示される新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定する工程;及び
前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に転送させる工程を備えることを特徴とする方法。
【請求項30】
メディア・コンテンツをユーザに提示することができるメディア・プレイヤの動作を制御するソフトウェアであって、該メディア・プレイヤは、メディア・コンテンツを記憶する記憶媒体を有するポータブル装置と連携可能であり、該ポータブル装置と通信する手段を有し、更に:
前記メディア・プレイヤによって提示される新たなメディア・コンテンツ・アイテムをユーザが選択する時点を判定する工程;及び
前記ユーザが選択するメディア・コンテンツの複製を前記ポータブル装置上の前記記憶媒体に転送させる工程を前記メディア・プレイヤの制御装置に行わせるよう形成されることを特徴とするソフトウェア。
【請求項31】
実質的に、本明細書に添付図面を参照して記載し、該添付図面に示した通りであることを特徴とする、ポータブル装置若しくはメディア・プレイヤの制御装置、ポータブル装置、メディア・プレイヤ、ポータブル装置若しくはメディア・プレイヤの動作を制御する方法、又はポータブル装置若しくはメディア・プレイヤの動作を制御するソフトウェア。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−503671(P2007−503671A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530638(P2006−530638)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001526
【国際公開番号】WO2004/102568
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】