説明

メモリカードソケット

【課題】従来のメモリカードおよび新しいメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを提供する。
【解決手段】メモリカードソケットは、前面に開口したカード挿入口を通して挿入されたSDメモリカードMC1を保持するソケット本体3と、SDメモリカードMC1の一面に設けた複数のコンタクトパッドP1〜P9に接触する複数のコンタクトと、SDメモリカードMC1が挿入されると該SDメモリカードMC1の角部に形成された切欠部102に当接し、該SDメモリカードMC1に連動して前後方向に移動する検出ピン40と、該検出ピン40に連動してSDメモリカードMC1のデータ転送に不要なコンタクトC10〜C13を該SDメモリカードMC1のコンタクトパッドP1〜P9から離れる方向に押圧する突起45、46がそれぞれ形成された第1レバー部41および第2レバー部42とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SDメモリカード(登録商標)やマルチメディアカード(MMC)などのメモリカードやSDメモリカードと同様の大きさおよび端子配列を有するSDIOカード(登録商標)を挿抜自在に接続するためのメモリカードソケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、小型で大容量のメモリカードとしてSDメモリカードが提供されているが、このようなSDメモリカードは、それを使用する機器(以下、ホスト機器という。)に設けられたメモリカードソケットに装着されて使用される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図8はSDメモリカードMC1が装着されるメモリカードソケットの一例を示し、厚さが極薄いステンレス金属板に打ち抜き加工且つ曲げ加工を施すことにより形成されたベースシェル1と、このベースシェル1と同様に厚さが極薄いステンレス金属板に打ち抜き加工且つ曲げ加工を施すことによって形成され、ベースシェル1に被着することで前面にカード挿入口が開口する扁平な箱状のソケット本体3をベースシェル1とで構成するカバーシェル2と、ソケット本体3の後部内に装着されるコンタクトブロック4と、コンタクトブロック4の前方側のソケット本体3内に前後方向に移動自在に配置されるL字形の樹脂成形品からなるスライダー5とを主要な構成要素としたものである。
【0004】
ベースシェル1は、矩形板状の金属板の左右両側に上方に折り曲げて形成した側片6a、6bを設けたもので、前後端が開放されている。ベースシェル1の後端には上方に突出する突出片9が所定間隔で左右方向に4つ折り曲げ形成され、ベースシェル1の左端には上方に突出する突出片9が所定間隔で前後方向に3つ折り曲げ形成されており、これらの突出片9をコンタクトブロック4の樹脂製基体7の下面に開口した圧入溝(図示せず)に下方から圧入することで、ベースシェル1の上面にコンタクトブロック4が圧入固定されるようになっている。また、ベースシェル1の後端よりやや前方には、コンタクトブロック4に保持される各コンタクト10を逃がすための孔11が複数形成してある。
【0005】
また、ベースシェル1の前側縁の右側には、SDメモリカードMC1の通過位置よりも外側位置から上方に突出し、さらにその先端部が後方に突出する側面視L字形の支持片12が折り曲げ形成されており、支持片12の上面に設けた係合孔12aにカムピン16の一端側の軸部16bが係入され、支持片12に対してカムピン16が回動自在に軸支されている。また、ベースシェル1の右端縁には、スライダー5の凹溝(図示せず)に嵌ってスライダー5をガイドする突条部13、13が前後方向に並べて切り起こしによって形成されている。さらに、ベースシェル1の前側縁の左側には、基体7の側部7bの前端部と係合する係合片1aが折り曲げ形成されている。
【0006】
コンタクトブロック4は、ベースシェル1およびカバーシェル2の後側辺に沿って配置されて、ソケット本体3の後面を閉塞する側部7aと、側部7aの左端部から前方に突出し、ベースシェル1の側片6bに沿って配置される側部7bとが一体に形成されたL字形の樹脂成形品からなる基体7を有し、側部7aの前面右端にはスライダー5を前方に付勢するコイルばね14の一端側を保持する丸棒状のばね受け突起7cが突設されるとともに、側部7aの上面右端には矩形状の嵌合突起7eが突設されている。また、側部7bには、側部7aとの連結部位からSDメモリカードMC1のスライド方向に沿って延び、SDメモリカードMC1の裏面に対向する段部7dを一体に備えている。さらに、側部7a前面の上側の角部には、カバーシェル2の突出片20と係合する係合凹部17が左右方向に間隔を開けて3箇所設けられている。また、側部7a後面の上側の角部には、カバーシェル2の曲げ片19と係合する係合凹部(図示せず)が左右方向の略全体に亘って形成されている。
【0007】
さらに、基体7の側部7aには、SDメモリカードMC1の後部裏面に複数(SDメモリカードでは9つ)並行形成したコンタクトパッド(図示せず)に夫々対応接触する9本のコンタクト10が圧入固定され、各コンタクト10の接触側を側部7aの前面側に突出させている。また、側部7bの上面に設けた係合溝33には、共通端子板30と、共通端子板30とともにSDメモリカードMC1の装着検出用接点を構成するスイッチ片31と、共通端子板30とともにSDメモリカードMC1のライトプロテクトスイッチ105の位置検出用接点を構成するスイッチ片32とが上面側から圧入固定されており、各スイッチ片31、32の接触ばね部は側部7bに設けた凹欠部よりソケット本体3の内側方向に突出させている。なお、各コンタクト10の半田付け端子10aは側部7aの後面から上方に突出し、共通端子板30の半田付け端子30a、および、各スイッチ片31、32の半田付け端子31a、32aは側部7bの外側面から上方に突出している。
【0008】
一方、カバーシェル2は、矩形板状の金属板の後縁を主表面に対して略垂直な方向、すなわち下面側方向に折り曲げて曲げ片19を形成したもので、曲げ片19よりもやや前端寄りには主表面に対して略垂直な方向、すなわち下面側方向に突出する3つの突出片20を折り曲げ形成してある。また、カバーシェル2の後部右側には、基体7の嵌合突起7eが嵌合する嵌合孔2bが貫設されており、カバーシェル2の右端縁の前面部には、下向きに突出するL字形の溶接片2aが折り曲げ形成されている。
【0009】
さらに、カバーシェル2の前面側には、SDメモリカードMC1の表面に弾性接触させてSDメモリカードMC1を押さえるとともに、SDIOタイプのカードに対してはSDIOカードの上面に設けられたグランド端子に弾接する弾接ばね片21、21が打ち抜き加工および曲げ加工を行うことにより形成されるとともに、前面側の右端部には、ベースシェル1の支持片12に対向する部位にカムピン16の一端側の軸部16bを押さえて、軸部16bの脱落を防止する押さえ片22が切り起こしによって形成され、さらにカムピン16の他端側の軸部16aを押さえて、軸部16aの先端をスライダー5に形成されたガイド溝(図示せず)の凹凸面に当接させるT字形の弾接ばね片23が打ち抜き加工および曲げ加工を行うことにより形成されている。また、カバーシェル2の右端部の後部寄りには、SDメモリカードMC1の装着時にSDメモリカードMC1のロック用凹所103に係合して抜けを防止するロック体24が打ち抜き加工および曲げ加工を行うことにより形成されている。ロック体24は細長い帯板状であって、ベースシェル1の側片6aと略並行し後端部がカバーシェル2に連結されるとともに前端部が内側方向に屈曲されたレバー片24aと、レバー片24aの前端部から前方に向かって延長形成され、先端側が内側方向に向かって円弧状に湾曲した係合片24bとで構成される。
【0010】
スライダー5は合成樹脂成型品であって、SDメモリカードMC1の右側縁に当接する側部5aと、側部5aの後端部から側方に突出してSDメモリカードMC1の前側縁に当接する側部5bとでL字形に形成されており、側部5aと側部5bとで囲まれる入り隅には、SDメモリカードMC1の前部右側の角部を落として形成された切欠部102と当接する傾斜面を前面に備える当接部5cが形成されている。また、側部5aの内側面には、当接部5cからSDメモリカードMC1のスライド方向に沿って延び、SDメモリカードMC1の裏面に対向する段部(図示せず)を一体に備えている。
【0011】
一方、側部5aの下面には、後端部から中央部にかけて外側と下側と後側とが開口した断面略円弧状の細溝26を形成してあり、この細溝26には上述したコイルばね14の他端部が収められ、細溝26の前端内面がコイルばね14の弾発力を受ける面となっている。また、側部5aの下面には、前後両側および下側が開口し、ベースシェル1の突条部13、13が係入される凹溝(図示せず)が前後方向に沿って形成されている。すなわち、組立完了時にはスライダー5は、ベースシェル1の主平面と側片6aと突条部13、13とカバーシェル2の主平面によって移動方向が規制され、ベースシェル1の支持片12に側部5aの前端部が当接することで前方へのそれ以上の移動が規制されている。そして、スライダー5はコイルばね14によって前方に付勢されており、SDメモリカードMC1がソケット本体3内に挿入されてSDメモリカードMC1のコンタクトパッドがコンタクト10に接触する位置とSDメモリカードMC1がソケット本体3から取り外し可能になる位置との間でスライダー5はスライドする。
【0012】
また、側部5aの前側部の上面には、カムピン16の軸部16aが移動自在に係入されるハートカム溝部15が形成され、ハートカム溝部15よりも後側にはカバーシェル2に設けたロック体24が挿入される凹溝25が形成されている。なお、ハートカム溝部15は従来周知の構造であるから、説明は省略する。また、側部5aの上面に設けた凹溝25の右側端面には、ソケット本体3の内側方向に突出する張出部29が前側部に形成してあり、スライダー5が上記所定位置まで移動すると、張出部29がロック体24のレバー片24aを押圧して、ロック体24の係合片24bをSDメモリカードMC1のロック用凹所103内に係入させるとともに、SDメモリカードMC1の取出位置までスライダー5が移動した状態では張出部29がロック体24から離れることによって、ロック体24が初期位置に戻り、係合片24bがロック用凹所103から退出するようになっている。
【0013】
次に、図6は従来のSDメモリカードMC1を示し、矩形板状のカード体100の内部にフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子を収納してある。カード本体100の一面には長手方向における一側に9個のコンタクトパッドP1〜P9が短幅方向に並べて配設されている。また、カード体100の長手方向に沿う両側縁には段部101が形成されるとともに、前側部の片方の角部に斜めに傾斜する切欠部102を形成してある。さらに、カード体100の幅方向における片側縁には、メモリカードソケットのロック体24が係合するロック用凹所103が形成されるとともに、反対側の側縁にはライトプロテクトスイッチ105がスライド移動自在に配置される凹部104を設けてある。なお、コンタクトパッドP1〜P8の間には絶縁のためのリブ106が形成されている。
【0014】
このSDメモリカードMC1は、動作モードを切り替えて使用することが可能であり、動作モードに応じて各コンタクトパッドP1〜P9の機能が切り替えられるようになっている。従来のSDメモリカードMC1において、データの高速転送が可能なモードでは、4個のコンタクトパッドを介してデータ転送を行っており、1クロックサイクルで4ビットのデータ転送が可能となっている。
【0015】
このようなSDメモリカードMC1は、例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラのような映像記録機器の記憶媒体として使用されるのであるが、近年の映像記録機器の高精細化に伴って、記憶媒体に記憶されるコンテンツが大容量化しており、大容量のデータをリアルタイムで記録したり、或いはコンピュータなどの外部機器に転送する場合に従来のSDメモリカードMC1ではデータの転送速度が十分速いとはいえず、比較的長い時間がかかっていた。
【0016】
そこで、データの転送速度を高速化した高速型SDメモリカードMC2が従来提供されている。図7は高速型SDメモリカードMC2を示し、この高速型SDメモリカードMC2では、従来型のSDメモリカードMC1と同じ位置にコンタクトパッドP1、P2、P4、P5、P7〜P9を設けてある。また、コンタクトパッドP3、P6の前後方向寸法を短くして、前端位置を後側にずらし、コンタクトパッドP3の前方位置に2個のコンタクトパッドP10、P11を左右に並べて配置するとともに、コンタクトパッドP6の前方位置に2個のコンタクトパッドP12、P13を左右に並べて配置してある。
【0017】
このような高速型SDメモリカードMC2の動作モードは、従来のSDメモリカードと同様の動作を行うSDモードと、より高速のデータ転送が可能な高速モードに切り替えが可能となっており、SDモードと高速モードとで各コンタクトパッドP1〜P13の機能が切り替えられるようになっている。
【0018】
そして、高速モードでは、コンタクトパッドP10、P11が対をなして、1ビットの差動データ信号を送受信すると共に、コンタクトパッドP12、P13が対をなして、1ビットの差動データ信号を送受信する。すなわち、上述のSDモードでは、4個のコンタクトパッドを用いて4ビットのデータを送受信していたが、高速モードでは、コンタクトパッドP10、P11の対と、コンタクトパッドP12、P13の対とを用いて2ビットのデータを送受信している。ここで、高速モードの方がSDモードよりも1クロックサイクルで伝送可能なビット数は少ないが、差動データを送受信することで動作クロックの周波数を飛躍的に高く設定できるため、高速モードではSDモードに比べて高速なデータ伝送を実現することができる。
【0019】
このように、高速型SDメモリカードMC2では、従来のSDメモリカードMC1に比べて高速のデータ転送が可能になっているが、従来のSDメモリカードMC1をブリッジメディアとして使用するホスト機器が既に数多く生産されている。これらのホスト機器は、従来のSDメモリカードに対応したメモリカードソケット(以下、従来型ソケットという。)を採用しているため、高速型SDメモリカードMC2には、従来型ソケットに装着して、データ転送が行えるようにすることが要求されている。
【0020】
そこで、高速型SDメモリカードMC2は、カード体100の前側角部に設けた切欠部107以外は従来のSDメモリカードMC1と同様の外形形状及び寸法に形成されている。切欠部107は、従来のSDメモリカードMC1と同じ位置でカード体100の前面に接する第1切欠部108と、第1切欠部108に連続して設けられ、カード体100の側面に接する第2切欠部109とで構成される。第2切欠部109は、第1切欠部108を距離dだけ後方に平行移動させて設けられ、第1切欠部108と第2切欠部109との間には段差が設けてある。
【0021】
このように、高速型SDメモリカードMC2では、カード体100の前側の角部に深さの異なる第1切欠部108と第2切欠部109を設けてあり、メモリカードソケットにカード体100を挿入した際に、従来型ソケットではカード体100の第1切欠部108がメモリカードソケットのスライダーと衝合するのに対して、高速型SDメモリカードMC2に対応したメモリカードソケット(以下、高速対応型ソケットという。)では、カード体100の第2切欠部109がスライダーと衝合することによって、メモリカードMC2がより深い位置まで差し込まれることになる。すなわち、従来型ソケットにメモリカードを挿入した場合は、高速対応型ソケットにメモリカードを挿入した場合に比べて、SDメモリカードMC2の挿入位置が浅くなっており、両ソケットでソケット内部に配置されたコンタクトがI/O接触面に接触する位置を異ならせることができる。
【0022】
したがって、従来型ソケットでは、コンタクトパッドP3、P6の前側位置に設けたコンタクトパッドP10〜P13にソケット内部に配置したコンタクトが接触することはなく、従来のSDメモリカードMC1と同様に9個のコンタクトパッドP1〜P9のみをソケット側のコンタクトに接触させることができるようになり、従来型ソケットに対して互換性を持たせることができる。
【特許文献1】特開2004−71175号公報(段落[0002]−段落[0029]、及び、第10−第15図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上述のように高速伝送が可能な高速型のSDメモリカードは、高速対応型ソケットと従来型ソケットの両方で使用することができるのであるが、高速対応型ソケットに従来型のSDメモリカードが挿入された場合、高速モード用の4本のコンタクトがSDメモリカードのコンタクトパッドに接触することで、SDモードの信号伝送特性が変化して規定の転送速度に達しない虞があった。したがって、高速対応型ソケットに従来型のSDメモリカードが挿入された場合でも、従来型ソケットに装着した場合と同様に、データの書き込み或いは読み出しが行えるようにすることが要求されている。
【0024】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、従来のメモリカードおよび新しいメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
請求項1の発明は、前面に開口したカード挿入口を通して挿入されたメモリカードを保持するソケット本体と、複数種類のメモリカードの一面にそれぞれ設けた複数のI/O接触面にそれぞれ接触する複数のコンタクトと、特定のメモリカードが挿入されると該メモリカードの角部に形成されたカード種類検出用の切欠部に当接し、該メモリカードに連動して前後方向に移動するカード種類検出手段と、該カード種類検出手段に連動して特定のメモリカードのデータ転送に不要なコンタクトを該メモリカードのI/O接触面から離れる方向に押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
請求項2の発明は、押圧手段は、ソケット本体の底面と平行な面内で回動自在に配置されたレバー部を備え、カード種類検出手段とともにリンク機構を構成し、特定のメモリカードが挿入された際にカード種類検出手段に連動して不要なコンタクトを押圧する突起を、レバー部におけるコンタクトとの対向面に設けたことを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明は、押圧手段は、ソケット本体の幅方向に沿って配置された回転軸部を備え、カード種類検出手段に前後方向に沿ってギア部を形成するとともに、回転軸部の周部にカード種類検出手段のギア部と歯合するギア部を形成し、特定のメモリカードの挿入に応じてカード種類検出手段に連動して回転軸部が回転した状態で、不要なコンタクトと対向する回転軸部の部位に、該不要なコンタクトを押圧する押圧部が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の発明によれば、従来のメモリカードが挿入された場合にはカード種類検出手段および押圧手段によりデータ転送に不要なコンタクトをI/O接触面から引き離すことができるから、信号伝送特性が安定し、また新しいメモリカードが挿入された場合には従来のメモリカードの切欠部と異なる形状の切欠部とすることで、カード種類検出手段および押圧手段を移動させないですべてのコンタクトを対応するI/O接触面に接触させることができるから、従来のメモリカードおよび新しいメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを実現することができるという効果がある。
【0029】
請求項2の発明によれば、カード種類検出手段および押圧手段をリンク機構により構成することで、従来のメモリカードおよび新しいメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを簡単な構造で実現することができるという効果がある。
【0030】
請求項3の発明によれば、カード種類検出手段および押圧手段を所謂ラック・ピニオンにより構成することで、従来のメモリカードおよび新しいメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを簡単な構造で実現することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に本発明に係るメモリカードソケットの実施形態を図面に基づいて説明する。本発明に係るメモリカードソケットは、上述した従来型SDメモリカードおよび高速型SDメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットであって、例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラのような映像記録機器に組み付けられた状態で用いられる。なお、図8は従来型SDメモリカード用のメモリカードソケットを示したものであるが、本発明に係るメモリカードソケットも基本的な構成は同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。また、以下の説明では特に断りがない限り、図3中のa−bの方向を上下方向、c−dの方向を左右方向、e−fの方向を前後方向として説明を行う。
【0032】
(実施形態1)
本実施形態のメモリカードソケットは、図3および図8に示すようにベースシェル1とカバーシェル2とで構成される扁平な箱状のソケット本体3と、ソケット本体3の後部内に装着されるコンタクトブロック4と、コンタクトブロック4の前方側のソケット本体3内に前後方向に移動自在に配置されるL字形の樹脂成形品からなるスライダー5とを主な構成要素として備えるとともに、図1および図2に示すように前後方向(図1(a)中の上下方向)に移動自在に配置される検出ピン40と、ソケット本体3の底面と平行な面内で回動自在に配置され、検出ピン40とともにリンク機構を構成する第1および第2レバー部41、42とを備えている。なお、ソケット本体3、コンタクトブロック4およびスライダー5については従来例と同様であるから説明は省略するが、本実施形態のコンタクトブロック4には従来型のメモリカードソケットよりも多い13本のコンタクトC1〜C13が保持されている。また、図1および図2では図示を簡略化するために、コンタクトパッドP1、P2、P4、P5、P7〜P9に接続されるコンタクトC1、C2、C4、C5、C7〜C9およびスライダー5は図示を省略している。
【0033】
検出ピン40は前後方向に沿って延出する細長い棒状であって、検出ピン40の後端寄り(図1(a)中の上側)には第1レバー部41の一端側に設けられた軸部41aが軸支される軸受部40aが形成され、この軸受部40aに軸部41aを軸支させることによって、第1レバー部41が検出ピン40に回動自在に保持されることになる。なお、この検出ピン40の後端部にはコイルばね(図示せず)が配置されており、SDメモリカードが挿入されていない状態(すなわち、初期状態)ではコイルばねにより前方に付勢されている(図2(a)参照)。また、検出ピン40は、図示しないガイド部により前後方向に移動自在にガイドされている。
【0034】
第1レバー部41は横長の矩形板状であって、ベースシェル1に固着された軸部43に回動自在に軸支され、長手方向一端側(図2(a)中の左側)には検出ピン40の軸受部40aに軸支される軸部41aが一体に設けられ、さらに長手方向他端側には第2レバー部42の一端側に設けられた軸受部42aに軸支される軸部41bが一体に設けられている。また、第1レバー部41におけるコンタクトC10、C11との対向面には、コンタクトC10、C11を下方(すなわち、コンタクトパッドから離れる方向)に押圧する複数(本実施形態では2個)の突起45、45が突設されている。
【0035】
また、第2レバー部42は横長の矩形板状であって、ベースシェル1に固着された軸部44に回動自在に軸支され、第1レバー部41側の端部には第1レバー部41の軸部41bが軸支される軸受部42aが設けられている。また、第2レバー部42におけるコンタクトC12、C13との対向面には、コンタクトC12、C13を下方(すなわち、コンタクトパッドから離れる方向)に押圧する複数(本実施形態では2個)の突起46、46が突設されている。ここに、本実施形態では、検出ピン40によりカード種類検出手段が構成され、突起45、46が突設された第1および第2レバー部41、42により押圧手段が構成されている。また、従来型のSDメモリカードMC1のコンタクトパッドP1〜P9や、高速型のSDメモリカードMC2のコンタクトパッドP1〜P13によりI/O接触面が構成されている。
【0036】
そして、検出ピン40、第1および第2レバー部41、42を一体に連結した状態では、検出ピン40は、第1および第2レバー部41、42が一直線上に配置される位置(図2(a)に示す位置)と、第1および第2レバー部41、42がく字状に折れ曲がった状態に配置される位置(図1(a)に示す位置)との間で移動自在になっている。ここに、検出ピン40、第1および第2レバー部41、42によりリンク機構が構成されている。
【0037】
次に、メモリカードソケットにSDメモリカードMC1、MC2を挿入した際のリンク機構の動作について説明する。まず、従来型のSDメモリカードMC1を前後方向および表裏方向を正規の方向に向けてカード挿入口3aからソケット内に挿入すると、SDメモリカードMC1の先端部に形成した切欠部102に検出ピン40の前端部が当接し、さらにSDメモリカードMC1を差し込むと、検出ピン40がコイルばねの付勢力に抗して後方(図1(a)中の上側)に移動する。このとき、第1レバー部41は、軸部41aが検出ピン40に連動して後方に移動することで軸部43を中心として時計回りに回転し、さらに第2レバー部42は、第1レバー部41の回転に伴って軸部44を中心として反時計回りに回転する。そして、第1レバー部41が時計回りに回転することで、第1レバー部41に設けた突起45、45がそれぞれコンタクトC10、C11と重なる位置に移動し、コンタクトC10、C11が下方(すなわち、コンタクトパッドP3から離れる方向)に押圧される。また、同時に第2レバー部42が反時計回りに回転することで、第2レバー部42に設けた突起46、46がそれぞれコンタクトC12、C13と重なる位置に移動し、コンタクトC12、13が下方(すなわち、コンタクトパッドP6から離れる方向)に押圧される。すなわち、本実施形態のメモリカードソケットに従来型のSDメモリカードMC1を挿入した場合には、第1および第2レバー部41、42の突起45、46により、高速型のSDメモリカードMC2に対して使用されるコンタクトC10〜C13(不要なコンタクト)はコンタクトパッドP3、P6に接触しない形に配置されるのである(図1(c)参照)。なおこのとき、コンタクトC3はコンタクトパッドP3に、コンタクトC6はコンタクトパッドP6にそれぞれ接触している。ここに、図1(b)中の二点鎖線は検出ピン40の初期位置を示しており、本実施形態では検出ピン40のストロークを距離dに設定している。
【0038】
逆に、メモリカードソケットからSDメモリカードMC1を抜き取った場合、検出ピン40がコイルばねの反力により前方に移動し、それに伴って第1レバー部41の軸部41aも前方に移動するから、第1レバー部41は軸部43を中心として反時計回りに回転し、突起45、45はコンタクトC10、C11と重ならない位置に移動する(図2(a)参照)。また、同時に第2レバー部42は、第1レバー部41の回転に伴って軸部44を中心として時計回りに回転し、突起46、46はコンタクトC12、C13と重ならない位置に移動する(図2(a)参照)。
【0039】
一方、高速型のSDメモリカードMC2を前後方向および表裏方向を正規の方向に向けてカード挿入口3aからソケット内の所定位置まで挿入すると、コンタクトC10〜C13がそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に接続される(図2(a)参照)。ここにおいて、SDメモリカードMC2の切欠部107は、カード体100の前面に接する第1切欠部108と、第1切欠部108に連続して設けられ、カード体100の側面に接する第2切欠部109とで構成され、さらに第2切欠部109は第1切欠部108を距離dだけ後方に平行移動させた位置に設けられているから、SDメモリカードMC2をソケット内に挿入した状態では、検出ピン40は切欠部109に当接した状態になる。すなわち、本実施形態のメモリカードソケットに高速型のSDメモリカードMC2を挿入した場合には、検出ピン40が当接する切欠部109を距離dだけ後方に配置したことで検出ピン40がSDメモリカードMC2により後方に押されることがないから、第1および第2レバー部41、42も回転することなく、その結果各突起45、46もそれぞれコンタクトC10〜C13と重ならない位置にあるので、各コンタクトC10〜C13がそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に接続されるのである(図2(b)参照)。
【0040】
而して、本実施形態によれば、従来型のSDメモリカードMC1が挿入された場合には、検出ピン40および第1および第2レバー部41、42によりデータ転送に不要なコンタクトC10〜C13をコンタクトパッドP3、P6から引き離すことができるから、信号伝送特性が安定し、また高速型のSDメモリカードMC2が挿入された場合には、従来型のSDメモリカードMC1の切欠部102と異なる形状の切欠部107とすることで、検出ピン40および第1および第2レバー部41、42を移動させないですべてのコンタクトC1〜C13を対応するコンタクトパッドP1〜P13に接触させることができるから、従来型のSDメモリカードMC1および高速型のSDメモリカードMC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを実現することができる。また、カード種類検出手段および押圧手段を検出ピン40、第1および第2レバー部41、42からなるリンク機構により構成することで、従来型のSDメモリカードMC1および高速型のSDメモリカードMC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを簡単な構造で実現することができる。
【0041】
なお、本実施形態の検出ピン40、第1および第2レバー部41、42は一例であって、リンク機構を構成するものであれば他の形態であってもよい。
【0042】
(実施形態2)
本発明に係るメモリカードソケットの実施形態2について以下に説明する。実施形態1では、カード種類検出手段をなす検出ピン40、押圧手段をなす第1および第2レバー部41、42によりリンク機構を構成し、このリンク機構によりSDメモリカードMC1、MC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを実現しているが、本実施形態では、カード種類検出手段をなす検出ピン50と、押圧部をなす複数(本実施形態では2個)のカム部52が一体に設けられた回転軸部51とで所謂ラック・ピニオンを構成し、このラック・ピニオンによりSDメモリカードMC1、MC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを実現している。なお、それ以外の構成は基本的に実施形態1と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0043】
本実施形態のメモリカードソケットは、ソケット本体3と、コンタクトブロック4と、スライダー5とを主な構成要素として備えるとともに、図4および図5に示すように前後方向(図4(a)中の上下方向)に移動自在に配置される検出ピン50と、ソケット本体3の幅方向に沿って回転自在に配置される回転軸部51とを備えている。なお、ソケット本体3およびスライダー5については従来例と同様であるから説明は省略する。また、図4および図5では図示を簡略化するために、コンタクトパッドP1、P2、P4、P5、P7〜P9に接続されるコンタクトC1、C2、C4、C5、C7〜C9およびスライダー5は図示を省略している。
【0044】
コンタクトブロック4の樹脂製基体7は、ソケット本体3の後部に配置される側部7aと、側部7aの左右両側部から前方に向かって突出する側部7b、7cとで構成され、側部7aには実施形態1と同様に複数本のコンタクトC1〜C13が圧入或いは同時成形により保持されている。
【0045】
検出ピン50は前後方向に沿って延出する細長い棒状であって、検出ピン50の後端寄り(図4(a)中の上側)には前後方向に沿って形成されたギア部50aが設けられ、この検出ピン50は、SDメモリカードが挿入されていない状態(初期状態)では後端部に配置されたコイルばね53により前方に付勢されている(図5(a)参照)。なお、検出ピン50は、図示しないガイド部により前後方向に移動自在にガイドされている。
【0046】
回転軸部51は、左右方向に沿って延出する細長い丸棒からなり、基体7の両側部7b、7cに設けた軸孔7f、7fに両端部を軸支させることで基体7に対して回動自在に配置される。この回転軸部51において検出ピン50のギア部50aに対応する部位には、ギア部50aと歯合するギア部51aが形成されており、検出ピン50を前後方向に移動させると、ギア部50aとギア部51aとが歯合することで回転軸部51が回転するようになっている。また、回転軸部51の周部においてコンタクトC10、C11およびコンタクトC12、C13にそれぞれ対応する部位には、一部が側方に突出した形状のカム部52、52(押圧部)が一体に設けられており、各カム部52の突出部位が対応するコンタクトC10、C11(またはコンタクトC12、C13)に対向するように回転軸部51を回転させることで、コンタクトC10、C11(またはコンタクトC12、C13)が下方(すなわち、コンタクトパッドから離れる方向)に押圧されるようになっている。ここに、本実施形態では検出ピン50によりカード種類検出手段が構成され、カム部52、52が一体に形成された回転軸部51により押圧手段が構成されている。また、従来型のSDメモリカードMC1のコンタクトパッドP1〜P9や、高速型のSDメモリカードMC2のコンタクトパッドP1〜P13によりI/O接触面が構成されている。
【0047】
次に、メモリカードソケットにSDメモリカードMC1、MC2を挿入した際のラック・ピニオンの動作について説明する。まず、従来型のSDメモリカードMC1を前後方向および表裏方向を正規の方向に向けてカード挿入口3aからソケット内に挿入すると、SDメモリカードMC1の先端部に形成した切欠部102に検出ピン50の前端部が当接し、さらにSDメモリカードMC1を差し込むと、検出ピン50がコイルばね53の付勢力に抗して後方(図4(a)中の上側)に移動する。このとき、検出ピン50のギア部50aと回転軸部51のギア部51aが歯合しているから、検出ピン50の移動に伴って図4(b)中の時計回りの向きに回転軸部51が回転する。そして、SDメモリカードMC1が所定位置まで挿入された状態では、図4(c)に示すように回転軸部51に一体に設けられた各カム部52の突出部位がそれぞれ対応するコンタクトC10、C11(またはコンタクトC12、C13)を下方に押圧するから、コンタクトC10、C11がコンタクトパッドP3と、コンタクトC12、C13がコンタクトパッドP6とそれぞれ接触しない形に配置される。なおこのとき、コンタクトC3はコンタクトパッドP3に、コンタクトC6はコンタクトパッドP6にそれぞれ接触している。ここに、図4(b)中の二点鎖線は検出ピン50の初期位置を示しており、本実施形態では検出ピン50のストロークを距離dに設定している。
【0048】
逆に、メモリカードソケットからSDメモリカードMC1を抜き取った場合、検出ピン50がコイルばね53の反力により前方に移動し、それに伴って図4(b)中の反時計回りの向きに回転軸部51が回転する。このとき、各カム部52の突出部位が、それぞれコンタクトC10〜C13から離れる方向に移動するから、各コンタクトC10〜C13はそれぞれ初期位置(すなわち、コンタクトパッドと接触する位置)に復帰することになる(図5(a)および図5(c)参照)。
【0049】
一方、高速型のSDメモリカードMC2を前後方向および表裏方向を正規の方向に向けてカード挿入口3aからソケット内の所定位置まで挿入すると、コンタクトC10〜C13がそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に接続される(図5(a)参照)。ここにおいて、SDメモリカードMC2の切欠部107は、カード体100の前面に接する第1切欠部108と、第1切欠部108に連続して設けられ、カード体100の側面に接する第2切欠部109とで構成され、さらに第2切欠部109は第1切欠部108を距離dだけ後方に平行移動させた位置に設けられているから、SDメモリカードMC2をソケット内に挿入した状態では、検出ピン50は切欠部109に当接した状態になる。すなわち、本実施形態のメモリカードソケットに高速型のSDメモリカードMC2を挿入した場合には、検出ピン50が当接する切欠部109を距離dだけ後方に配置したことで検出ピン50がSDメモリカードMC2により後方に押されることがないから、回転軸部51も回転することなく、その結果各カム部52が対応するコンタクトC10、C11(またはコンタクトC12、C13)を押圧しないので、各コンタクトC10〜C13がそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に接続されるのである(図5(a)〜図5(c)参照)。
【0050】
而して、本実施形態によれば、従来型のSDメモリカードMC1が挿入された場合には、検出ピン50および回転軸部51によりデータ転送に不要なコンタクトC10〜C13をコンタクトパッドP3、P6から引き離すことができるから、信号伝送特性が安定し、また高速型のSDメモリカードMC2が挿入された場合には、従来型のSDメモリカードMC1の切欠部102と異なる形状の切欠部107とすることで、検出ピン50および回転軸部51を移動させないですべてのコンタクトC1〜C13を対応するコンタクトパッドP1〜P13に接触させることができるから、従来型のSDメモリカードMC1および高速型のSDメモリカードMC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを実現することができる。また、カード種類検出手段および押圧手段を検出ピン50、回転軸部51およびカム部52からなるラック・ピニオンにより構成することで、従来型のSDメモリカードMC1および高速型のSDメモリカードMC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを簡単な構造で実現することができる。
【0051】
なお、本実施形態の検出ピン50、回転軸部51およびカム部52は一例であって、ラック・ピニオンを構成するものであれば他の形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施形態1のメモリカードソケットに従来型のSDメモリカードが挿入された状態を示し、(a)はベースシェルを外した状態を裏側から見た一部省略せる平面図、(b)はベースシェルを外した状態の一部省略せる左側面図、(c)はベースシェルを外した状態の一部省略せる断面図である。
【図2】同上に高速型のSDメモリカードが挿入された状態を示し、(a)はベースシェルを外した状態を裏側から見た一部省略せる平面図、(b)はベースシェルを外した状態の一部省略せる断面図である。
【図3】同上を裏側から見た外観斜視図である。
【図4】実施形態2のメモリカードソケットに従来型のSDメモリカードが挿入された状態を示し、(a)はベースシェルを外した状態を裏側から見た一部省略せる平面図、(b)はベースシェルを外した状態の一部省略せる断面図、(c)はベースシェルを外した状態の一部省略せる別の断面図である。
【図5】同上に高速型のSDメモリカードが挿入された状態を示し、(a)はベースシェルを外した状態を裏側から見た一部省略せる平面図、(b)はベースシェルを外した状態の一部省略せる断面図、(c)はベースシェルを外した状態の一部省略せる別の断面図である。
【図6】実施形態1、2に用いる従来型のSDメモリカードを示し、(a)は裏側から見た平面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【図7】実施形態1、2に用いる高速型のSDメモリカードを示し、(a)は裏側から見た平面図、(b)は表側から見た平面図、(c)はカード挿入方向から見た側面図である。
【図8】従来型のメモリカードソケットの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
3 ソケット本体
3a カード挿入口
40 検出ピン(カード種類検出手段)
41 第1レバー部(押圧手段)
42 第2レバー部(押圧手段)
102 切欠部
MC1 SDメモリカード
MC2 高速型SDメモリカード
C1〜C13 コンタクト
P1〜P13 コンタクトパッド(I/O接触面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口したカード挿入口を通して挿入されたメモリカードを保持するソケット本体と、複数種類のメモリカードの一面にそれぞれ設けた複数のI/O接触面にそれぞれ接触する複数のコンタクトと、特定のメモリカードが挿入されると該メモリカードの角部に形成されたカード種類検出用の切欠部に当接し、該メモリカードに連動して前後方向に移動するカード種類検出手段と、該カード種類検出手段に連動して前記特定のメモリカードのデータ転送に不要なコンタクトを該メモリカードのI/O接触面から離れる方向に押圧する押圧手段とを備えたことを特徴とするメモリカードソケット。
【請求項2】
前記押圧手段は、前記ソケット本体の底面と平行な面内で回動自在に配置されたレバー部を備え、前記カード種類検出手段とともにリンク機構を構成し、前記特定のメモリカードが挿入された際に前記カード種類検出手段に連動して前記不要なコンタクトを押圧する突起を、前記レバー部におけるコンタクトとの対向面に設けたことを特徴とする請求項1記載のメモリカードソケット。
【請求項3】
前記押圧手段は、前記ソケット本体の幅方向に沿って配置された回転軸部を備え、前記カード種類検出手段に前後方向に沿ってギア部を形成するとともに、前記回転軸部の周部にカード種類検出手段の前記ギア部と歯合するギア部を形成し、前記特定のメモリカードの挿入に応じて前記カード種類検出手段に連動して前記回転軸部が回転した状態で、前記不要なコンタクトと対向する回転軸部の部位に、該不要なコンタクトを押圧する押圧部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のメモリカードソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−44919(P2010−44919A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207267(P2008−207267)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】