メモリカード
【課題】 インタフェースコントローラからICカードマイコンにノイズが伝達されるのを抑制する。
【解決手段】 外部端子(3)、ICカード用端子(4)、前記外部端子に接続されたインタフェースコントローラ(6)、インタフェースコントローラに接続された記憶装置(7)、及びインタフェースコントローラに接続されたICカードマイコン(8)を有する。インタフェースコントローラは、前記外部端子からの入力に応答して記憶装置とICカードマイコンの動作を制御する。ICカード用端子は、インタフェースコントローラとICカードマイコンとの接続配線(14)に直結する。インタフェースコントローラは、前記外部端子からの入力に応答する動作に並行して、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイコンの動作が許容されるとき、前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態にする。
【解決手段】 外部端子(3)、ICカード用端子(4)、前記外部端子に接続されたインタフェースコントローラ(6)、インタフェースコントローラに接続された記憶装置(7)、及びインタフェースコントローラに接続されたICカードマイコン(8)を有する。インタフェースコントローラは、前記外部端子からの入力に応答して記憶装置とICカードマイコンの動作を制御する。ICカード用端子は、インタフェースコントローラとICカードマイコンとの接続配線(14)に直結する。インタフェースコントローラは、前記外部端子からの入力に応答する動作に並行して、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイコンの動作が許容されるとき、前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードについて記載される。このメモリカードは、マルチメディアカードなどのメモリカード規格に準拠したメモリカードインタフェース端子のほかに、ICカードマイクロコンピュータに専用の外部インタフェース端子を備える。カードホストはこのメモリカードに対するメモリ動作にはメモリカードインタフェース端子を用いる。ICカードマイクロコンピュータによるセキュリティ処理にはICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いる。
【0003】
特許文献2には、同じく記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードについて記載されるが、このメモリカードは、ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いた制御と共に、メモリカードインタフェース端子からインタフェースコントローラを介するICカードマイクロコンピュータの制御も可能にする。ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いた制御では、ICカードマイクロコンピュータが多く採用するSCI(シリアル・コミュニケーション・インタフェース)のような汎用性の高い通信プロトコルを用いることができても、きわめて遅い転送速度を我慢しなければならない。これに対して、メモリカードインタフェース端子からインタフェースコントローラを介してICカードマイクロコンピュータを制御する場合には、メモリカードのインタフェース仕様に従ってデータ処理に必要なコマンド及びデータを高速に転送してバッファに格納し、転送に要するカードホストの占有時間を短縮することができる。その反面、インタフェースコントローラはメモリカードインタフェース仕様とICカードマイクロコンピュータのインタフェース仕様との間のプロトコル変換を行うことが必要になり、そのための回路やソフトウェアの開発が必要になる。相互に一長一短のあるICカードマイクロコンピュータに対するインタフェース制御形態に対して選択可能であることが、カードホストの機能や、メモリカードに対する用途に対して、自由度を広げるのに好都合である。
【0004】
上記選択可能にする性質上、ICカードマイクロコンピュータのインタフェース端子はICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子とインタフェースコントローラに共通接続されている。特許文献2では、ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いてICカードマイクロコンピュータを制御するときは、インタフェースコントローラへの動作電源の供給を停止することを前提とする。要するに、インタフェースコントローラのスタンバイ状態においてICカードマイクロコンピュータをカードホストからダイレクト制御可能にする。しかしながら、インタフェースコントローラへの動作電源の供給を停止すると、インタフェースコントローラの状態が不定となり、それによってICカードマイクロコンピュータにノイズが入る虞がある。そこで、特許文献2では、それに着目して、ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いてICカードマイクロコンピュータを制御するとき、インタフェースコントローラのICカードマイクロコンピュータとのインタフェース回路部分には動作電源を供給し、インタフェースコントローラの前記インタフェース回路部分の状態を所望の状態に固定するようにした。
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/84490号パンフレット
【特許文献2】特開2005−84935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードについて検討した。引用文献2のように、インタフェースコントローラの動作不可能な低消費電力状態(スタンバイ状態)においてICカードマイクロコンピュータをカードホストからダイレクト制御可能にする場合には、ICカードマイクロコンピュータのセキュリティ処理に並行して、記憶装置に対するアクセスを一切行うことができない。データ処理効率を向上させようとする場合にはその妨げになる虞がある。それには、インタフェースコントローラの動作可能な状態(非スタンバイ状態)においてICカードマイクロコンピュータをカードホストからダイレクト制御可能にすればよいが、その場合には、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制し、及びバスの競合により発生する信号のコンフリクトを抑制するために別の手段を講ずることが必要になる。
【0007】
本発明の目的は、インタフェースコントローラ動作可能な状態においてICカードマイクロコンピュータをカードホストから直接制御可能にするとき、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができるメモリカードを提供することにある。
【0008】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
〔1〕《ICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカードは、第1の外部インタフェース端子(3)、第2の外部インタフェース端子(4)、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ(6,6A,6B)、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置(7)、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータ(8)を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線(14)に直結するICカード用端子(4A,4B,4C)を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子の入力に応答する動作に並行して、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイクロコンピュータの動作が許容されるとき、前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態にする。
【0011】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態において、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイクロコンピュータの直接制御が許容されるとき、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0012】
〔2〕《制御端子を用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカードは、第1の外部インタフェース端子(3)、第2の外部インタフェース端子(4,5)、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ(6)、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置(7)、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータ(8)を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線(14)に直結するICカード用端子(4A,4B,4C)と、制御端子(5)とを有する。前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファ(12oc,12od,12or))を高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。
【0013】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの指示に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態においてICカード用端子から前記ICカードマイクロコンピュータのダイレクト制御が許容される。このとき特に、前記制御端子の第1の状態に応答して、前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態にすることにより、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0014】
本発明の一つの具体的な形態として、前記ICカード用端子はクロック入出力端子(4A)及びデータ入出力端子(4C)を含む。前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(8ic)を有する。前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(12ic)とクロック出力バッファ(12oc)を有する。前記クロック出力バッファは前記制御端子の第1の状態に応答して高出力インピーダンス状態にされ、第2の状態に応答して出力動作可能な状態にされる。上記において、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御するとき前記ICカードマイクロコンピュータにはインタフェースコントローラがクロックを供給する。前記第2の外部インタフェース端子に接続するカードホストはそのクロックの状態を前記クロック入出力端子を介してモニタすることができる。前記カードホストはこのモニタ結果などに基づいて、インタフェースコントローラの制御による前記ICカードマイクロコンピュータの動作が行われていないことを検出することが可能になる。これを検出したとき、前記カードホストはインタフェースコントローラと競合せずにICカードマイクロコンピュータに対するダイレクト制御が可能になり、このとき、前記ICカードマイクロコンピュータにカードホストがクロックを供給する。従って、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御する状態と、第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、双方からのクロックが衝突しないように一時的に双方のクロック出力動作が停止されなければならない。
【0015】
本発明の別の具体的な形態として、前記ICカード用端子はクロック入出力端子(4A)及びデータ入力端子(4C)を含む。前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(8ic)を有する。前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(12ic)を有する。この構成においては、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御するときも、また、第2の外部端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクト制御するときも、ICカードマイクロコンピュータには第2の外部インタフェース端子からクロックが供給される。従って、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御する状態と、第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、クロックが衝突する虞はなく、切り換え時に一時的にクロック出力動作を停止することを要しない。
【0016】
このとき、前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して第1の応答状態とし、第2の状態に応答して第2の応答状態とする応答信号(SPRT−ACK)を生成し、前記応答信号の第1の応答状態によって前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記応答信号の第2の応答状態によって前記出力バッファを出力動作可能な状態にするように構成してよい。これにより、前記第2の外部インタフェース端子に接続するカードホストは前記制御端子を第2の状態に変化させるのにインタフェースコントローラによるICカードマイクロコンピュータに対する制御の終了を検出しなくてもよい。
【0017】
更にこのとき、前記第2の外部インタフェース端子の一つとして、前記応答信号の出力端子(5B)を設ければ、前記カードホストはICカードマイクロコンピュータに対するダイレクト制御開始可能なタイミングを容易に得ることができる。
【0018】
本発明の更に別の具体的な形態として、前記ICカード用端子はクロック入出力端子(4A)及びデータ入出力端子(4C)を含む。前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(8ic)を有する。前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(12ic)及びクロック出力バッファ(12oc)と、位相補償回路(19)とを有する。前記位相補償回路は、前記クロック出力バッファから出力するクロックの位相を前記クロック入力バッファから入力されるクロックの位相に合わせる位相補償動作を行なう。前記位相補償回路は、クロック出力バッファの高出力インピーダンス状態においても前記位相補償動作を継続する。この構成において第2の外部インタフェース端子に接続するカードホストは、前記クロック入出力端子から出力するクロックの位相を前記クロック入出力端子から入力されるクロックの位相に合わせる位相補償回路を備えることになる。これにより、前記第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータに供給されるクロックと、前記インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータに供給されるクロックとは位相が合うことになる。従って、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御する状態と、第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクトに制御する状態とを切り換えるとき、一時的に双方のクロック出力動作を停止することを要しない。
【0019】
〔3〕《制御データを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカード(1A)は、第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有する。前記インタフェースコントローラは、パワーオンに応答して前記記憶装置から所定の制御データ(SEP/CON))を読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。
【0020】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの指示に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態においてICカード用端子から前記ICカードマイクロコンピュータのダイレクトな制御が許容される。このとき特に、前記制御データの第1の状態に応答して、前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態にすることにより、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0021】
本発明の一つの具体的な形態として、前記インタフェースコントローラは、リセット指示に応答して前記記憶装置から所定の制御データを読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。これにより、制御データを書き換えて、リセットの指示を行うことにより、ICカードマイクロコンピュータに対するダイレクトな制御とインタフェースコントローラ経由の制御とを容易に切り換えることができる。
【0022】
〔4〕《コマンドを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカード(1B)は、第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第1のコマンドに応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第2のコマンドに応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。
【0023】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの指示に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態においてICカード用端子から前記ICカードマイクロコンピュータのダイレクトな制御が許容される。このとき特に、前記制御データの第1のコマンドに応答して、前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態にすることにより、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
《制御端子を用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
図1には本発明によるメモリカードの第1の例が示される。特に制限されないが、同図に示されるメモリカード1は、MultiMediaCard(MultiMediaCardは、InfineonTechnologiesAGの登録商標である。以下、「MMC」と略記する。)の仕様に準拠した構成を有する。メモリカード1は、MMCに準拠したメモリカード機能の他に、セキュリティ処理機能を有する。このメモリカード1は例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、音楽再生(及び録音)装置、カメラ、ビデオカメラ、自動預金預払機、街角端末、及び決済端末等のカードホスト2に接続される。
【0025】
メモリカード(MCRD)1は、第1の外部インタフェース端子としての外部端子3、第2の外部インタフェース端子としてのICカード用端子4と制御端子5、インタフェースコントローラ(CNT)6、記憶装置としてのフラッシュメモリ(FLASH)7、及びICカードマイクロコンピュータ(ICMC)8を持つ。前記インタフェースコントローラ6、フラッシュメモリ7及びICカードマイクロコンピュータ8は、特に制限されないが、夫々別々の半導体集積回路チップによって構成される。
【0026】
インタフェースコントローラ6は、ホストインタフェース回路(HIF)10、フラッシュインタフェース回路(FIF)11、ICカードマイコンインタフェース回路(ICIF)12、及び制御回路としての制御用マイクロコンピュータ(MPU)13を備える。
【0027】
外部端子3はMMCインタフェース仕様に準拠して、クロック入力端子、コマンド入出力端子、データ入出力端子、電源供給端子及びグランド端子等を有する。この外部端子3にホストインタフェース回路10が接続され、ホストインタフェース回路10はMMCインタフェース仕様に準拠してカードホスト2との間でコマンドやデータの入出力が可能にされる。
【0028】
前記フラッシュメモリ7は、電気的に書き換え可能な不揮発性の半導体メモリを記憶媒体とするメモリチップであり、フラッシュメモリコマンドによりデータの読み書きができる。フラッシュメモリ7はフラッシュインタフェース回路11に接続される。前記ホストインタフェース回路10が受け取ったメモリカードコマンドがメモリアクセス系コマンドの場合、制御用マイクロコンピュータ(以下単に制御用マイコンと記す)13はそのコマンドコードで指定されるフラッシュアクセス制御ルーチンに従って、フラッシュインタフェース回路11にフラッシュメモリ7に対するデータの読出しや書込み動作等を指示する。
【0029】
前記ICカードマイコン8は、ICカードのプラスチック基板中に埋め込んでも利用可能とされるマイクロコンピュータチップであり、例えばICカードマイコン6が有する外部端子、電気信号プロトコル、コマンドはISO/IEC7816規格に準拠している。ICカードマイコン8は、特に図示はしないが、例えば演算処理を行うためのCPU、データ及びプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、そして外部とデータを送受信するためのシリアルインタフェースを備える。ICカードマイコン8の外部端子はICカードマイコンインタフェース回路12と共にICカード用端子4に接続される。前記ホストインタフェース回路10が受け取ったメモリカードコマンドがICカードマイコン8に対するライト系コマンドの場合には、制御用マイコン13はそのメモリカードコマンドで指定される制御ルーチンに従って、ICカードマイコンインタフェース回路12を制御し、ライト系コマンドのデータとして供給されたICカードコマンドをICカードマイコン8にシリアル転送させる。ICカードマイコン8はICカードコマンドに応答してセキュリティ処理を行ない、セキュリティ処理の結果としてICカードレスポンス(R−APDU)をICカードマイコンインタフェース回路12に返す。ICカードマイコンインタフェース回路12に返されたICカードレスポンスは、ICカードに対するリード系のメモリカードコマンドに応答してホストインタフェース回路10から外部に出力可能にされる。
【0030】
ICカードマイコン8に対する制御は上記メモリカードコマンドを用いたインタフェースコントローラ6経由の制御の他に、前記ICカード用端子4を介してカードホスト2がダイレクトに行うことができる。ICカード用端子4を用いたダイレクト制御では、ICカードマイコン8が多く採用するSCI(シリアル・コミュニケーション・インタフェース)のような汎用性の高い通信プロトコルを用いることができても、きわめて遅い転送速度を我慢しなければならない。これに対して、メモリカードコマンドを用いたインタフェースコントローラ6経由で制御を行う場合には、MMCインタフェース仕様に従ってデータ処理に必要なコマンド及びデータを高速に転送してバッファ(図示せず)に格納し、転送に要するカードホストの占有時間を短縮することができる。その反面、インタフェースコントローラ6はMMCインタフェース仕様とICカードマイコン8のインタフェース仕様との間のプロトコル変換をICカードマイコンインタフェース回路12等によって行うことが必要になり、そのための回路やソフトウェアの開発が必要になる。相互に一長一短のあるICカードマイコン8に対するインタフェース制御形態に対して選択可能であることが、カードホスト2の機能や、メモリカードに対する用途に対して、自由度を広げるのに好都合である。ここでは、ICカードマイコン8をカードホスト2からダイレクトに制御可能にする場合に、ICカードマイコン8のセキュリティ処理に並行して、インタフェースコントローラ6によるフラッシュメモリ7のアクセスを許容する。要するに、ICカードマイコン8をICカード端子4からダイレクト制御可能にするとき、インタフェースコントローラ6も外部端子3からのコマンド入力に応答して動作可能に保つ。ICカードマイコン8をICカード端子4からダイレクト制御可能にするとき、インタフェースコントローラ6は前記制御端子5の状態を入力し、それによる指示に従って自らICカードマイコン8に接続する出力バッファを高出力インピーダンス状態に制御する。これにより、前記外部端子3からの指示に応答して前記インタフェースコントローラ6が動作可能な状態においてICカード用端子4から前記ICカードマイコン8のダイレクトな制御が許容されていても、インタフェースコントローラ6からICカードマイコン8にノイズが伝達されるのを抑制することができる。以下、ICカードマイコン8のダイレクト制御時におけるICカードマイコンインタフェース回路12に対する制御形態の詳細を説明する。
【0031】
図2にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第1の例が示される。ICカード用端子4は例えばISO/IEC7816のICカード外部インタフェース仕様に準拠し、例えばクロック端子(CLK)4A、リセット端子(RES)4B、入出力端子(IO)4C及び図示を省略する電源端子とグランド端子を有する。それらのICカード用端子4は接続配線14を介してICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8の対応端子に接続される。前記制御端子5は前記カードホスト2からセパレート信号SPRTを入力し、ICカードマイコンインタフェース回路12に供給する。
【0032】
カードホスト2はセパレート信号SPRTの出力バッファ2os、クロック入力バッファ2ic、クロック出力バッファ2oc、リセット信号出力バッファ2or、データ入力バッファ2id及びデータ出力バッファ2odを有する。前記ICカードマイコン8はクロック入力バッファ8ic、リセット信号入力バッファ8ir、データ入力バッファ8id、及びデータ出力バッファ8odを有する。前記ICカードマイコンインタフェース回路12は、セパレート信号入力バッファ12is、クロック出力バッファ12oc、リセット信号出力バッファ12or、データ入力バッファ12id及びデータ出力バッファ12odを有する。前記全ての出力バッファ2oc、2or、2od、8od、12oc、12or、12odはトライステート出力バッファとされ、選択的に高出力インピーダンス状態を採る。ICカードマイコンインタフェース回路12の前記出力バッファ12oc、12or及び12odはセパレート信号SPRTのローレベルに基づいて高出力インピーダンスにされる。信号15はICカードマイコンインタフェース回路12内部のトライステート制御信号であり、ハイレベルによって出力動作を指示する信号であり、データ出力バッファ12odは前記信号15とセパレート信号SPRTの論理積信号によってトライステート制御される。前記出力バッファ12oc、12orはセパレート信号SPRTだけでトライステート制御される。
【0033】
図2において、ICカードマイコンインタフェース回路12経由で前記ICカードマイコン8を制御するとき、前記セパレート信号SPRTはハイレベルにされ、出力バッファ12o、12or、12doは出力動作可能にされる。前記ICカードマイコン8には出力バッファ12ocがクロックを供給する。カードホスト2はクロック端子4Aからそのクロックの状態をモニタすることができる。前記カードホスト2はモニタしているクロックの停止によって、インタフェースコントローラ6による前記ICカードマイコン8の制御が行われていないことを検出することが可能になる。これを検出したとき、前記カードホスト2はセパレート信号SPRTをローレベルとすることにより、インタフェースコントローラ6と競合せずにICカードマイコン8に対するダイレクト制御が可能になる。このとき、前記ICカードマイコン8にカードホスト2が端子4AクロックCLKを供給する。
【0034】
図3にはそのときの動作タイミングが示されており、T1、T3の期間ではICカード端子4からカードホスト2がICカードマイコン8をダイレクト制御しており(ICカードマイコンのダイレクト制御)、T2の期間ではインタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御している(ICカードマイコンのインダイレクト制御)。T1からT2の状態に変化されるとき、カードホスト2はクロックCLKの出力を停止し(時刻t0)、その後でセパレート信号SPRTをハイレベルにする。これに同期して時刻t1からICカードマイコンインタフェース回路12のクロックバッファ12ocがクロックCLKの出力を開始する。T2からT3の状態に変化されるとき、ICカードマイコンインタフェース回路12はクロックCLKの出力を停止する(時刻t2)。カードホスト2は、これを検出することによってセパレート信号SPRTをローレベルに反転し(時刻t3)、その後、カードホスト2のクロックバッファ2ocがクロックCLKの出力を開始する(時刻t4)。リセット信号RESによるリセット指示は、クロック信号CLKの発生側回路が必要に応じて行えばよい。
【0035】
本実施例は、ダイナミックな切替を示しているが、SPRT信号をカード電源投入前にカードホストが、ローレベル又はハイレベルを与え、スタティックにICカードマイコンの切離し接続を制御してもかまわない。
【0036】
図2の構成においてはインタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御する状態と、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、双方からのクロックが衝突しないように一時的に双方のクロック出力動作が停止されなければならない。
【0037】
図4にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第2の例が示される。カードホスト2はセパレート信号SPRTの出力バッファ2os、クロック出力バッファ2oc、リセット信号出力バッファ2or、リセット信号入力バッファ2ir、データ入力バッファ2id及びデータ出力バッファ2odを有する。前記ICカードマイコン8は図2と同じである。前記ICカードマイコンインタフェース回路12は、セパレート信号入力バッファ12is、クロック入力バッファ12ic、リセット信号出力バッファ12or、データ入力バッファ12id及びデータ出力バッファ12odを有する。図2との相違点は、カードホスト2がICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8の双方にクロック信号CLKを供給することである。ICカードマイコンインタフェース回路12の前記出力バッファ12ic、12or及び12odは上記同様にセパレート信号SPRTのローレベルに基づいて高出力インピーダンスにされる。
【0038】
この構成においては、インタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御するときも、また、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御するときも、ICカードマイコン8にはICカード用のクロック端子4Aからクロックが供給される。従って、図5に例示されるように、インタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御する状態と、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、クロック信号CLKが衝突する虞はなく、切り換え時に一時的にクロック出力動作を停止することを要しない。
【0039】
図6にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第3の例が示される。図4との相違点は、セパレート信号SPRTの入力端子5に代えて、セパレートリクエスト信号SPRT―REQの入力端子5Aとセパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKの出力端子5Bとを採用したことである。カードホスト2がセパレートリクエスト信号SPRT―REQを出力する。ICカードマイコンインタフェース回路8はセパレートリクエスト信号SPRT―REQの入力バッファ8isrを有する。ICカードマイコンインタフェース回路12はセパレートリクエスト信号SPRT―REQのローレベルを内部回路(図示せず)で認識すると、ICカードマイコンインタフェース回路12がICカードマイコン8を制御していないとき、或いは制御中であってもその制御が終わったとき、それに応答して出力バッファ12osaからセパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKをローレベルとして出力する。前記リセット出力バッファ12or、データ出力バッファ12odはセパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKによってトライステート制御される。セパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKがローレベルにされるとリセット出力バッファ12or及びデータ出力バッファ12odは高出力インピーダンス状態に制御される。図7にはICカードマイコン8のインダイレクト制御とダイレクト制御を切換える動作タイミングが示される。図5と同様に切換え時にクロック信号CLKの停止は必要ない。第3の例の場合には、カードホスト2はセパレートリクエスト信号SPRT―REQによってダイレクト制御を要求するとき、インタフェースコントローラ6によるICカードマイコン8に対するインダイレクト制御の終了を検出しなくてもよい。ICカードマイコンインタフェース回路12自らがその終了を判定しなければ出力バッファの高インピーダンス制御を行わないからである。特に、ICカードマイコンインタフェース回路12はアクノレッジ信号SPRT−ACKを形成してカードホスト2に出力するから、前記カードホスト2はICカードマイコン8に対するダイレクト制御を開始可能なタイミングを容易に得ることができる。
【0040】
図8にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第4の例が示される。図8の例も図2と同様に、カードホスト2によりICカードマイコン8をダイレクト制御するときカードホスト2がクロック信号を出力し、ICカードマイコンインタフェース回路12によりICカードマイコン8をインダイレクト制御するときICカードマイコンインタフェース回路12がクロック信号CLKを出力する。図2との相違点は、カードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12が位相補償回路としてのPLL回路18,19を有することである。
【0041】
PLL回路18は、クロック出力バッファ2ocが高インピーダンス状態に制御されているとき、入力バッファ2icからクロック信号CLKを入力し、内部クロック信号CLK−Hをもとにクロック信号CLKと周波数及び位相が等しい同期化クロック信号を生成する。入力バッファ2icに入力されるクロック信号CLKは、ICカードマイコン8をインダイレクト制御するときICカードマイコンインタフェース回路12が出力するクロック信号である。従ってセパレート信号SPRTがローレベルにされてICカードマイコン8のインダイレクト制御からダイレクト制御に遷移するとき、カードホスト2はセパレート信号SPRTのローレベル出力と共に出力バッファ2ocを高インピーダンス状態から出力動作状態に変化させるタイミングについて何ら考慮しなくも、クロック信号CLKの発生元の切換えに際してクロック信号CLKの位相並びに波形は殆ど乱れを生じない。クロック出力バッファ2ocが出力すべきクロック信号は予めクロック出力バッファ12ocから出力されるクロック信号と位相及び周波数が等しくされているからである。
【0042】
同様にPLL回路19は、クロック出力バッファ12ocが高インピーダンス状態に制御されているとき、入力バッファ12icからクロック信号CLKを入力し、内部クロック信号CLK−Iをもとにクロック信号CLKと周波数及び位相が等しい同期化クロック信号を生成する。入力バッファ12icに入力されるクロック信号CLKは、カードホスト2がICカードマイコン8をダイレクト制御するとき出力するクロック信号である。従ってセパレート信号SPRTがハイレベルにされてカードホスト2によるダイレクト制御からICカードマイコンインタフェース回路12経由のインダイレクト制御に遷移するとき、カードホスト2はクロック信号CLKの出力動作を一旦停止させることを要しない。セパレート信号SPRTをハイレベルにして出力バッファ12ocを高インピーダンス状態から出力動作状態に変化させるタイミングについて何ら考慮しなくも、クロック信号CLKの発生元の切換えに際してクロック信号CLKの位相並びに波形は殆ど乱れを生じない。クロック出力バッファ12ocが出力すべきクロック信号は予めクロック出力バッファ2ocから出力されるクロック信号と位相及び周波数が等しくされているからである。
【0043】
これにより、ICカードマイコンインタフェース回路12経由で前記ICカードマイコン8を制御する状態と、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、一時的に双方のクロック出力動作を停止することを要しない。ICカードマイコン8のインダイレクト制御とダイレクト制御を切換えた動作タイミングは図5と同じであるから特に図示はしない。
【0044】
《制御データを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
図9には本発明によるメモリカードの別の例が示される。今までの説明ではICカードマイコンインタフェース回路12におけるトライステートバッファの制御に制御端子5を利用した。図9に示されるメモリカード1Aはそのようなトライステートバッファの制御に、フラッシュメモリ7が保有する制御データを用いる。従って、第2の外部インタフェース端子としてICカード用端子4だけが設けられ、制御端子5は廃止されている。フラッシュメモリ7の所定の領域7CDには制御データとしてICカードマイコン8の分離選択パラメータ(SEP/CON)が格納されている。
【0045】
図10にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12AとICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な一例が示される。ICカードマイコン8のインダイレクト制御においてクロック信号CLKはICカードマイコンインタフェース回路12Aのクロック出力バッファ12ocが出力する。ICカード用端子4を介するダイレクト制御においてクロック信号CLKはカードホスト2から供給される。
【0046】
図11には分離選択パラメータ(SEP/CON)による出力バッファの高インピーダンス制御フローが示される。制御用マイコン13Aは、メモリカード1Aのパワーオン、又は例えばMMCでのCMD0、CMD1、及びSDカードでのCMD0、ACMD41などのメモリカードの初期化処理やリセット処理を指定する特定のコマンドに応答して前記フラッシュメモリ7の特定領域7CDから分離選択パラメータ(SEP/CON)を読み出し、読み出した分離選択パラメータ(SEP/CON)の値に応じてセパレート信号SPRTを生成する(S1)。分離選択パラメータ(SEP/CON)の値が論理値0のときはセパレート信号SPRTをローレベルとし(S2)、出力バッファ12oc,12or、12odを高出力インピーダンス状態とする。分離選択パラメータ(SEP/CON)の値が論理値1のときはセパレート信号SPRTをハイレベルとし(S3)、前記出力バッファ12oc,12or、12odを出力動作可能な状態にする。これにより、前記外部端子3からのメモリコマンドに応答して前記インタフェースコントローラ6Aが動作可能な状態においてICカード用端子4から前記ICカードマイコン8のダイレクト制御が許容される。このとき特に、前記読み出した分離選択パラメータ(SEP/CON)の論理値0に応答して、ICカードマイコンインタフェース回路12Aの出力バッファ12oc、12or、12odを高出力インピーダンス状態にすることにより、ICカードマイコンインタフェース回路12AからICカードマイコン8にノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0047】
前記マイクロコンピュータ13Aは、カードホスト2からのリセット指示の有無を判定し(S4)、リセット指示があった時はステップS1に戻って上記同様の分離選択パラメータ(SEP/CON)を参照してセパレート信号SPRTを設定する処理を繰り返す。これにより、分離選択パラメータ(SEP/CON)を書き換えて、リセットの指示を行うことにより、ICカードマイコン8に対するダイレクト制御とインタフェースコントローラ6A経由のインダイレクト制御とを容易に切り換えることができる。
【0048】
《コマンドを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
図12には本発明によるメモリカードの更に別の例が示される。ICカードマイコンインタフェース回路12Bにおけるトライステートバッファの制御に特定のコマンドを利用する。インタフェースコントローラ6Bの制御用マイコン13Bが前記特定のコマンドを認識してトライステートバッファの制御を行う。カードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12AとICカードマイコン8とのインタフェース形態は図10と同じである。図11の実施例との違いは、図11がメモリカード1A全体としての初期化処理やリセット処理を行うためのコマンドに応じてICカードマイコン8のダイレクト制御/インダイレクト制御を選択するのに対して、図12の実施例では任意のタイミングで発行可能とされるコマンドに応じてダイレクト制御/インダイレクト制御を切り換える点である。
【0049】
図13には制御用マイコン13Bによるトライステートバッファの制御手順が例示される。外部端子3を介してホストインタフェース回路10にコマンドが供給されると、ホストインタフェース回路10はマイクロコンピュータ13Bに割り込みを要求する。制御用マイコン13Bは割り込みを受け付けると(S11)、そのコマンドのコマンドコードをベクタとして対応するコマンド処理に分岐する(S12)。第1のコマンドに応答するコマンド処理においては前記セパレート信号SPRTをローレベルとし(S13)、出力バッファ12oc,12or、12odを高出力インピーダンス状態とする。第2のコマンドに応答するコマンド処理においては前記セパレート信号SPRTをハイレベルとし(S14)、前記出力バッファ12oc,12or、12odを出力動作可能な状態にする。その他のコマンドに対しては夫々に固有のコマンド処理を行なう(S15)。前記第1のコマンドに応答してICカードマイコンインタフェース回路12Aの出力バッファを高出力インピーダンス状態にするから、ICカード用端子4からICカードマイコン8に対するダイレクト制御に際してICカードマイコンインタフェース回路12AからICカードマイコン8にノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0050】
《ICカードマイコンのダイレクト制御動作時における低消費電力》
図14には本発明によるメモリカードの更に別の例が示される。図2と同様にセパレート信号SPRTを用いるが、そのレベル制御に電源監視用リセットIC20を用いる。ここではインタフェースコントローラ6Cの動作電源Vcc1とICカードマイコン8の動作電源Vcc2が示される。Vcc1は外部端子3のなかの一つの端子3Aから入力される。Vcc2はICカード端子4のうちの一つの端子4Dから供給される。特にICカードマイコンインタフェース回路12Bに含まれるバッファ12is、12oc、12or、12od、12id、アンドゲートANDはVcc2を動作電源とする。電源監視用リセットIC20は、電源電圧Vcc1が動作許容よりも低くなったときセパレート信号SPRTをローレベルとして出力バッファ12o、12or、12odを高インピーダンスに制御する。電源電圧Vcc1が動作許容電圧を超えていればセパレート信号SPRTはハイレベルにされ、出力バッファ12o、12or、12odは出力動作可能にされる。
【0051】
これによりICカードマイコン8をICカード用端子4からダイレクト制御したい場合に、電源Vcc1の供給を停止しても、出力バッファ12oc、12or、12odは電源Vcc2によってその動作が保障されるから、ICカードマイコンインタフェース回路12BからICカードマイコン8への不所望なノイズの伝播を抑制しながら、低消費電力を実現することができる。図14の構成は上記その他の構成と併せて採用することも可能である。
【0052】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はフラッシュメモリを用いた記憶装置に限定されない。DRAM、SRAM等の揮発性メモリ、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリや、HDD及びMRAMで使う磁気記憶媒体、DVD等で使われる相変化記憶媒体等でもよい。また、メモリカード仕様はマルチメディアカード規格に限定されず、SDカード規格等その他のメモリカード仕様に準拠しても良い。マルチメディアカード規格には(1)Multi Media Card System Specification Version 3.3、(2)Multi Media Card System Specification Version 4.0がある。SDカード規格としては、(3)SD Memory Card Specification Version 1.01、(4)SD Memory Card Specification Version 1.1がある。
【0053】
また実施例の説明としてマルチメディアカード規格に基づくメモリカードにより説明をしたが、ICカードマイコンを搭載したような入出力装置であっても良い。例えばメモリカードに代えて無線通信装置を有する半導体装置において、カードホスト2から無線通信装置を用いてデータの通信を行うような場合に、ICカードマイコンの制御を無線通信装置により行うのかカードホスト2から行うのかに応じて、本願発明を適宜実施することができる。ICカードマイコン8を用いて暗号化されたデータを復号化し又はデータを暗号化する場合に、カードホスト2の制御により予め暗号化し又は通信後に復号化する制御と、無線通信装置のICカードマイコンインタフェース回路の制御により通信を行うデータを逐次暗号化し若しくは復号化する制御とを選択することが可能となる。
【0054】
また、前記ICカードマイクロコンピュータは、例えば、セキュリティ評価基準の国際標準であるISO/IEC15408の評価・認証機関によって認証済みである製品を利用するのが望ましい。一般に、セキュリティ処理を行なう機能を持つICカードを実際の電子決済サービスなどで利用する場合、そのICカードはISO/IEC15408の評価・認証機関による評価と認定を受ける必要がある。MMCにセキュリティ機能を追加することによってメモリカードを実現し、それを実際の電子決済サービスなどで利用する場合、当該メモリカードも同様にISO/IEC15408の評価・認証機関による評価と認定を受ける必要がある。本発明のメモリカードとして、評価・認証機関によって認証済みのICカードマイクロコンピュータを内蔵し、そのICカードマイクロコンピュータを利用してセキュリティ処理を行なう構造を持つことにより、セキュリティ処理機能を得る。したがって、本発明のメモリカードはISO/IEC15408に基づくセキュリティ評価基準を容易に満足することができ、MMCにセキュリティ処理機能を追加するための開発期間を短縮することができる。但し、本発明においては、ISO/IEC15408の評価・認証機関により認証済の製品ではないICカードチップを排除するものではなく、ICカードチップにより提供するサービスの求めるセキュリティ強度に応じたICカードチップを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】制御端子を用いてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換え可能なメモリカードを例示するブロック図である。
【図2】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第1の例を示す論理回路図である。
【図3】図2の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図4】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第2の例を示す論理回路図である。
【図5】図4の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図6】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第3の例を示す論理回路図である。
【図7】図6の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図8】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第4の例を示す論理回路図である。
【図9】制御データを用いてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換え可能なメモリカードを例示するブロック図である。
【図10】図9の構成においてカードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な一例を示す論理回路図である。
【図11】図10の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図12】コマンドを用いてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換え可能なメモリカードを例示するブロック図である。
【図13】図12の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作の制御手順を例示するフローチャートである。
【図14】ICカードマイコンのダイレクト制御動作時における低消費電力も考慮したメモリカードのブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
1A、1B、1C メモリカード
2 カードホスト
3 第1の外部インタフェース端子としての外部端子
4 第2の外部インタフェース端子としてのICカード用端子
4A クロック端子
4B リセット端子
4C データ端子
5 第2の外部インタフェース端子としての制御端子
SPRT スプリット信号
5A 信号SPRT−REQの入力端子
5B 信号SPRT−ACKの出力端子
SPRT−REQ スプリットリクエスト信号
SPRT−ACK スプリットアクノレッジ信号
6A、6B、6C インタフェースコントローラ
7 フラッシュメモリ
SEP/CON
8 ICカードマイクロコンピュータ
10 ホストインタフェース回路
11 フラッシュインタフェース回路
12 ICカードマイコンインタフェース回路
CLK クロック信号
12oc ICカードマイコンインタフェース回路のクロック出力バッファ
12od ICカードマイコンインタフェース回路のデータ出力バッファ
13 マイクロコンピュータ
14 接続配線
18,19 PLL回路
20 電源監視リセットIC
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードについて記載される。このメモリカードは、マルチメディアカードなどのメモリカード規格に準拠したメモリカードインタフェース端子のほかに、ICカードマイクロコンピュータに専用の外部インタフェース端子を備える。カードホストはこのメモリカードに対するメモリ動作にはメモリカードインタフェース端子を用いる。ICカードマイクロコンピュータによるセキュリティ処理にはICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いる。
【0003】
特許文献2には、同じく記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードについて記載されるが、このメモリカードは、ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いた制御と共に、メモリカードインタフェース端子からインタフェースコントローラを介するICカードマイクロコンピュータの制御も可能にする。ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いた制御では、ICカードマイクロコンピュータが多く採用するSCI(シリアル・コミュニケーション・インタフェース)のような汎用性の高い通信プロトコルを用いることができても、きわめて遅い転送速度を我慢しなければならない。これに対して、メモリカードインタフェース端子からインタフェースコントローラを介してICカードマイクロコンピュータを制御する場合には、メモリカードのインタフェース仕様に従ってデータ処理に必要なコマンド及びデータを高速に転送してバッファに格納し、転送に要するカードホストの占有時間を短縮することができる。その反面、インタフェースコントローラはメモリカードインタフェース仕様とICカードマイクロコンピュータのインタフェース仕様との間のプロトコル変換を行うことが必要になり、そのための回路やソフトウェアの開発が必要になる。相互に一長一短のあるICカードマイクロコンピュータに対するインタフェース制御形態に対して選択可能であることが、カードホストの機能や、メモリカードに対する用途に対して、自由度を広げるのに好都合である。
【0004】
上記選択可能にする性質上、ICカードマイクロコンピュータのインタフェース端子はICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子とインタフェースコントローラに共通接続されている。特許文献2では、ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いてICカードマイクロコンピュータを制御するときは、インタフェースコントローラへの動作電源の供給を停止することを前提とする。要するに、インタフェースコントローラのスタンバイ状態においてICカードマイクロコンピュータをカードホストからダイレクト制御可能にする。しかしながら、インタフェースコントローラへの動作電源の供給を停止すると、インタフェースコントローラの状態が不定となり、それによってICカードマイクロコンピュータにノイズが入る虞がある。そこで、特許文献2では、それに着目して、ICカードマイクロコンピュータ専用の外部インタフェース端子を用いてICカードマイクロコンピュータを制御するとき、インタフェースコントローラのICカードマイクロコンピュータとのインタフェース回路部分には動作電源を供給し、インタフェースコントローラの前記インタフェース回路部分の状態を所望の状態に固定するようにした。
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/84490号パンフレット
【特許文献2】特開2005−84935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は記憶装置と共にICカードマイクロコンピュータを搭載したメモリカードについて検討した。引用文献2のように、インタフェースコントローラの動作不可能な低消費電力状態(スタンバイ状態)においてICカードマイクロコンピュータをカードホストからダイレクト制御可能にする場合には、ICカードマイクロコンピュータのセキュリティ処理に並行して、記憶装置に対するアクセスを一切行うことができない。データ処理効率を向上させようとする場合にはその妨げになる虞がある。それには、インタフェースコントローラの動作可能な状態(非スタンバイ状態)においてICカードマイクロコンピュータをカードホストからダイレクト制御可能にすればよいが、その場合には、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制し、及びバスの競合により発生する信号のコンフリクトを抑制するために別の手段を講ずることが必要になる。
【0007】
本発明の目的は、インタフェースコントローラ動作可能な状態においてICカードマイクロコンピュータをカードホストから直接制御可能にするとき、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができるメモリカードを提供することにある。
【0008】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
〔1〕《ICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカードは、第1の外部インタフェース端子(3)、第2の外部インタフェース端子(4)、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ(6,6A,6B)、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置(7)、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータ(8)を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線(14)に直結するICカード用端子(4A,4B,4C)を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子の入力に応答する動作に並行して、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイクロコンピュータの動作が許容されるとき、前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態にする。
【0011】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態において、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイクロコンピュータの直接制御が許容されるとき、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0012】
〔2〕《制御端子を用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカードは、第1の外部インタフェース端子(3)、第2の外部インタフェース端子(4,5)、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ(6)、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置(7)、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータ(8)を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線(14)に直結するICカード用端子(4A,4B,4C)と、制御端子(5)とを有する。前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファ(12oc,12od,12or))を高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。
【0013】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの指示に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態においてICカード用端子から前記ICカードマイクロコンピュータのダイレクト制御が許容される。このとき特に、前記制御端子の第1の状態に応答して、前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態にすることにより、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0014】
本発明の一つの具体的な形態として、前記ICカード用端子はクロック入出力端子(4A)及びデータ入出力端子(4C)を含む。前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(8ic)を有する。前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(12ic)とクロック出力バッファ(12oc)を有する。前記クロック出力バッファは前記制御端子の第1の状態に応答して高出力インピーダンス状態にされ、第2の状態に応答して出力動作可能な状態にされる。上記において、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御するとき前記ICカードマイクロコンピュータにはインタフェースコントローラがクロックを供給する。前記第2の外部インタフェース端子に接続するカードホストはそのクロックの状態を前記クロック入出力端子を介してモニタすることができる。前記カードホストはこのモニタ結果などに基づいて、インタフェースコントローラの制御による前記ICカードマイクロコンピュータの動作が行われていないことを検出することが可能になる。これを検出したとき、前記カードホストはインタフェースコントローラと競合せずにICカードマイクロコンピュータに対するダイレクト制御が可能になり、このとき、前記ICカードマイクロコンピュータにカードホストがクロックを供給する。従って、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御する状態と、第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、双方からのクロックが衝突しないように一時的に双方のクロック出力動作が停止されなければならない。
【0015】
本発明の別の具体的な形態として、前記ICカード用端子はクロック入出力端子(4A)及びデータ入力端子(4C)を含む。前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(8ic)を有する。前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(12ic)を有する。この構成においては、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御するときも、また、第2の外部端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクト制御するときも、ICカードマイクロコンピュータには第2の外部インタフェース端子からクロックが供給される。従って、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御する状態と、第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、クロックが衝突する虞はなく、切り換え時に一時的にクロック出力動作を停止することを要しない。
【0016】
このとき、前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して第1の応答状態とし、第2の状態に応答して第2の応答状態とする応答信号(SPRT−ACK)を生成し、前記応答信号の第1の応答状態によって前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記応答信号の第2の応答状態によって前記出力バッファを出力動作可能な状態にするように構成してよい。これにより、前記第2の外部インタフェース端子に接続するカードホストは前記制御端子を第2の状態に変化させるのにインタフェースコントローラによるICカードマイクロコンピュータに対する制御の終了を検出しなくてもよい。
【0017】
更にこのとき、前記第2の外部インタフェース端子の一つとして、前記応答信号の出力端子(5B)を設ければ、前記カードホストはICカードマイクロコンピュータに対するダイレクト制御開始可能なタイミングを容易に得ることができる。
【0018】
本発明の更に別の具体的な形態として、前記ICカード用端子はクロック入出力端子(4A)及びデータ入出力端子(4C)を含む。前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(8ic)を有する。前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ(12ic)及びクロック出力バッファ(12oc)と、位相補償回路(19)とを有する。前記位相補償回路は、前記クロック出力バッファから出力するクロックの位相を前記クロック入力バッファから入力されるクロックの位相に合わせる位相補償動作を行なう。前記位相補償回路は、クロック出力バッファの高出力インピーダンス状態においても前記位相補償動作を継続する。この構成において第2の外部インタフェース端子に接続するカードホストは、前記クロック入出力端子から出力するクロックの位相を前記クロック入出力端子から入力されるクロックの位相に合わせる位相補償回路を備えることになる。これにより、前記第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータに供給されるクロックと、前記インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータに供給されるクロックとは位相が合うことになる。従って、インタフェースコントローラ経由で前記ICカードマイクロコンピュータを制御する状態と、第2の外部インタフェース端子からICカードマイクロコンピュータをダイレクトに制御する状態とを切り換えるとき、一時的に双方のクロック出力動作を停止することを要しない。
【0019】
〔3〕《制御データを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカード(1A)は、第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有する。前記インタフェースコントローラは、パワーオンに応答して前記記憶装置から所定の制御データ(SEP/CON))を読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。
【0020】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの指示に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態においてICカード用端子から前記ICカードマイクロコンピュータのダイレクトな制御が許容される。このとき特に、前記制御データの第1の状態に応答して、前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態にすることにより、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0021】
本発明の一つの具体的な形態として、前記インタフェースコントローラは、リセット指示に応答して前記記憶装置から所定の制御データを読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。これにより、制御データを書き換えて、リセットの指示を行うことにより、ICカードマイクロコンピュータに対するダイレクトな制御とインタフェースコントローラ経由の制御とを容易に切り換えることができる。
【0022】
〔4〕《コマンドを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
本発明に係るメモリカード(1B)は、第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御する。前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有する。前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第1のコマンドに応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第2のコマンドに応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする。
【0023】
上記より、前記第1の外部インタフェース端子からの指示に応答して前記インタフェースコントローラが動作可能な状態においてICカード用端子から前記ICカードマイクロコンピュータのダイレクトな制御が許容される。このとき特に、前記制御データの第1のコマンドに応答して、前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態にすることにより、インタフェースコントローラからICカードマイクロコンピュータにノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
《制御端子を用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
図1には本発明によるメモリカードの第1の例が示される。特に制限されないが、同図に示されるメモリカード1は、MultiMediaCard(MultiMediaCardは、InfineonTechnologiesAGの登録商標である。以下、「MMC」と略記する。)の仕様に準拠した構成を有する。メモリカード1は、MMCに準拠したメモリカード機能の他に、セキュリティ処理機能を有する。このメモリカード1は例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、音楽再生(及び録音)装置、カメラ、ビデオカメラ、自動預金預払機、街角端末、及び決済端末等のカードホスト2に接続される。
【0025】
メモリカード(MCRD)1は、第1の外部インタフェース端子としての外部端子3、第2の外部インタフェース端子としてのICカード用端子4と制御端子5、インタフェースコントローラ(CNT)6、記憶装置としてのフラッシュメモリ(FLASH)7、及びICカードマイクロコンピュータ(ICMC)8を持つ。前記インタフェースコントローラ6、フラッシュメモリ7及びICカードマイクロコンピュータ8は、特に制限されないが、夫々別々の半導体集積回路チップによって構成される。
【0026】
インタフェースコントローラ6は、ホストインタフェース回路(HIF)10、フラッシュインタフェース回路(FIF)11、ICカードマイコンインタフェース回路(ICIF)12、及び制御回路としての制御用マイクロコンピュータ(MPU)13を備える。
【0027】
外部端子3はMMCインタフェース仕様に準拠して、クロック入力端子、コマンド入出力端子、データ入出力端子、電源供給端子及びグランド端子等を有する。この外部端子3にホストインタフェース回路10が接続され、ホストインタフェース回路10はMMCインタフェース仕様に準拠してカードホスト2との間でコマンドやデータの入出力が可能にされる。
【0028】
前記フラッシュメモリ7は、電気的に書き換え可能な不揮発性の半導体メモリを記憶媒体とするメモリチップであり、フラッシュメモリコマンドによりデータの読み書きができる。フラッシュメモリ7はフラッシュインタフェース回路11に接続される。前記ホストインタフェース回路10が受け取ったメモリカードコマンドがメモリアクセス系コマンドの場合、制御用マイクロコンピュータ(以下単に制御用マイコンと記す)13はそのコマンドコードで指定されるフラッシュアクセス制御ルーチンに従って、フラッシュインタフェース回路11にフラッシュメモリ7に対するデータの読出しや書込み動作等を指示する。
【0029】
前記ICカードマイコン8は、ICカードのプラスチック基板中に埋め込んでも利用可能とされるマイクロコンピュータチップであり、例えばICカードマイコン6が有する外部端子、電気信号プロトコル、コマンドはISO/IEC7816規格に準拠している。ICカードマイコン8は、特に図示はしないが、例えば演算処理を行うためのCPU、データ及びプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、そして外部とデータを送受信するためのシリアルインタフェースを備える。ICカードマイコン8の外部端子はICカードマイコンインタフェース回路12と共にICカード用端子4に接続される。前記ホストインタフェース回路10が受け取ったメモリカードコマンドがICカードマイコン8に対するライト系コマンドの場合には、制御用マイコン13はそのメモリカードコマンドで指定される制御ルーチンに従って、ICカードマイコンインタフェース回路12を制御し、ライト系コマンドのデータとして供給されたICカードコマンドをICカードマイコン8にシリアル転送させる。ICカードマイコン8はICカードコマンドに応答してセキュリティ処理を行ない、セキュリティ処理の結果としてICカードレスポンス(R−APDU)をICカードマイコンインタフェース回路12に返す。ICカードマイコンインタフェース回路12に返されたICカードレスポンスは、ICカードに対するリード系のメモリカードコマンドに応答してホストインタフェース回路10から外部に出力可能にされる。
【0030】
ICカードマイコン8に対する制御は上記メモリカードコマンドを用いたインタフェースコントローラ6経由の制御の他に、前記ICカード用端子4を介してカードホスト2がダイレクトに行うことができる。ICカード用端子4を用いたダイレクト制御では、ICカードマイコン8が多く採用するSCI(シリアル・コミュニケーション・インタフェース)のような汎用性の高い通信プロトコルを用いることができても、きわめて遅い転送速度を我慢しなければならない。これに対して、メモリカードコマンドを用いたインタフェースコントローラ6経由で制御を行う場合には、MMCインタフェース仕様に従ってデータ処理に必要なコマンド及びデータを高速に転送してバッファ(図示せず)に格納し、転送に要するカードホストの占有時間を短縮することができる。その反面、インタフェースコントローラ6はMMCインタフェース仕様とICカードマイコン8のインタフェース仕様との間のプロトコル変換をICカードマイコンインタフェース回路12等によって行うことが必要になり、そのための回路やソフトウェアの開発が必要になる。相互に一長一短のあるICカードマイコン8に対するインタフェース制御形態に対して選択可能であることが、カードホスト2の機能や、メモリカードに対する用途に対して、自由度を広げるのに好都合である。ここでは、ICカードマイコン8をカードホスト2からダイレクトに制御可能にする場合に、ICカードマイコン8のセキュリティ処理に並行して、インタフェースコントローラ6によるフラッシュメモリ7のアクセスを許容する。要するに、ICカードマイコン8をICカード端子4からダイレクト制御可能にするとき、インタフェースコントローラ6も外部端子3からのコマンド入力に応答して動作可能に保つ。ICカードマイコン8をICカード端子4からダイレクト制御可能にするとき、インタフェースコントローラ6は前記制御端子5の状態を入力し、それによる指示に従って自らICカードマイコン8に接続する出力バッファを高出力インピーダンス状態に制御する。これにより、前記外部端子3からの指示に応答して前記インタフェースコントローラ6が動作可能な状態においてICカード用端子4から前記ICカードマイコン8のダイレクトな制御が許容されていても、インタフェースコントローラ6からICカードマイコン8にノイズが伝達されるのを抑制することができる。以下、ICカードマイコン8のダイレクト制御時におけるICカードマイコンインタフェース回路12に対する制御形態の詳細を説明する。
【0031】
図2にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第1の例が示される。ICカード用端子4は例えばISO/IEC7816のICカード外部インタフェース仕様に準拠し、例えばクロック端子(CLK)4A、リセット端子(RES)4B、入出力端子(IO)4C及び図示を省略する電源端子とグランド端子を有する。それらのICカード用端子4は接続配線14を介してICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8の対応端子に接続される。前記制御端子5は前記カードホスト2からセパレート信号SPRTを入力し、ICカードマイコンインタフェース回路12に供給する。
【0032】
カードホスト2はセパレート信号SPRTの出力バッファ2os、クロック入力バッファ2ic、クロック出力バッファ2oc、リセット信号出力バッファ2or、データ入力バッファ2id及びデータ出力バッファ2odを有する。前記ICカードマイコン8はクロック入力バッファ8ic、リセット信号入力バッファ8ir、データ入力バッファ8id、及びデータ出力バッファ8odを有する。前記ICカードマイコンインタフェース回路12は、セパレート信号入力バッファ12is、クロック出力バッファ12oc、リセット信号出力バッファ12or、データ入力バッファ12id及びデータ出力バッファ12odを有する。前記全ての出力バッファ2oc、2or、2od、8od、12oc、12or、12odはトライステート出力バッファとされ、選択的に高出力インピーダンス状態を採る。ICカードマイコンインタフェース回路12の前記出力バッファ12oc、12or及び12odはセパレート信号SPRTのローレベルに基づいて高出力インピーダンスにされる。信号15はICカードマイコンインタフェース回路12内部のトライステート制御信号であり、ハイレベルによって出力動作を指示する信号であり、データ出力バッファ12odは前記信号15とセパレート信号SPRTの論理積信号によってトライステート制御される。前記出力バッファ12oc、12orはセパレート信号SPRTだけでトライステート制御される。
【0033】
図2において、ICカードマイコンインタフェース回路12経由で前記ICカードマイコン8を制御するとき、前記セパレート信号SPRTはハイレベルにされ、出力バッファ12o、12or、12doは出力動作可能にされる。前記ICカードマイコン8には出力バッファ12ocがクロックを供給する。カードホスト2はクロック端子4Aからそのクロックの状態をモニタすることができる。前記カードホスト2はモニタしているクロックの停止によって、インタフェースコントローラ6による前記ICカードマイコン8の制御が行われていないことを検出することが可能になる。これを検出したとき、前記カードホスト2はセパレート信号SPRTをローレベルとすることにより、インタフェースコントローラ6と競合せずにICカードマイコン8に対するダイレクト制御が可能になる。このとき、前記ICカードマイコン8にカードホスト2が端子4AクロックCLKを供給する。
【0034】
図3にはそのときの動作タイミングが示されており、T1、T3の期間ではICカード端子4からカードホスト2がICカードマイコン8をダイレクト制御しており(ICカードマイコンのダイレクト制御)、T2の期間ではインタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御している(ICカードマイコンのインダイレクト制御)。T1からT2の状態に変化されるとき、カードホスト2はクロックCLKの出力を停止し(時刻t0)、その後でセパレート信号SPRTをハイレベルにする。これに同期して時刻t1からICカードマイコンインタフェース回路12のクロックバッファ12ocがクロックCLKの出力を開始する。T2からT3の状態に変化されるとき、ICカードマイコンインタフェース回路12はクロックCLKの出力を停止する(時刻t2)。カードホスト2は、これを検出することによってセパレート信号SPRTをローレベルに反転し(時刻t3)、その後、カードホスト2のクロックバッファ2ocがクロックCLKの出力を開始する(時刻t4)。リセット信号RESによるリセット指示は、クロック信号CLKの発生側回路が必要に応じて行えばよい。
【0035】
本実施例は、ダイナミックな切替を示しているが、SPRT信号をカード電源投入前にカードホストが、ローレベル又はハイレベルを与え、スタティックにICカードマイコンの切離し接続を制御してもかまわない。
【0036】
図2の構成においてはインタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御する状態と、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、双方からのクロックが衝突しないように一時的に双方のクロック出力動作が停止されなければならない。
【0037】
図4にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第2の例が示される。カードホスト2はセパレート信号SPRTの出力バッファ2os、クロック出力バッファ2oc、リセット信号出力バッファ2or、リセット信号入力バッファ2ir、データ入力バッファ2id及びデータ出力バッファ2odを有する。前記ICカードマイコン8は図2と同じである。前記ICカードマイコンインタフェース回路12は、セパレート信号入力バッファ12is、クロック入力バッファ12ic、リセット信号出力バッファ12or、データ入力バッファ12id及びデータ出力バッファ12odを有する。図2との相違点は、カードホスト2がICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8の双方にクロック信号CLKを供給することである。ICカードマイコンインタフェース回路12の前記出力バッファ12ic、12or及び12odは上記同様にセパレート信号SPRTのローレベルに基づいて高出力インピーダンスにされる。
【0038】
この構成においては、インタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御するときも、また、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御するときも、ICカードマイコン8にはICカード用のクロック端子4Aからクロックが供給される。従って、図5に例示されるように、インタフェースコントローラ6経由で前記ICカードマイコン8を制御する状態と、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、クロック信号CLKが衝突する虞はなく、切り換え時に一時的にクロック出力動作を停止することを要しない。
【0039】
図6にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第3の例が示される。図4との相違点は、セパレート信号SPRTの入力端子5に代えて、セパレートリクエスト信号SPRT―REQの入力端子5Aとセパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKの出力端子5Bとを採用したことである。カードホスト2がセパレートリクエスト信号SPRT―REQを出力する。ICカードマイコンインタフェース回路8はセパレートリクエスト信号SPRT―REQの入力バッファ8isrを有する。ICカードマイコンインタフェース回路12はセパレートリクエスト信号SPRT―REQのローレベルを内部回路(図示せず)で認識すると、ICカードマイコンインタフェース回路12がICカードマイコン8を制御していないとき、或いは制御中であってもその制御が終わったとき、それに応答して出力バッファ12osaからセパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKをローレベルとして出力する。前記リセット出力バッファ12or、データ出力バッファ12odはセパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKによってトライステート制御される。セパレートアクノレッジ信号SPRT−ACKがローレベルにされるとリセット出力バッファ12or及びデータ出力バッファ12odは高出力インピーダンス状態に制御される。図7にはICカードマイコン8のインダイレクト制御とダイレクト制御を切換える動作タイミングが示される。図5と同様に切換え時にクロック信号CLKの停止は必要ない。第3の例の場合には、カードホスト2はセパレートリクエスト信号SPRT―REQによってダイレクト制御を要求するとき、インタフェースコントローラ6によるICカードマイコン8に対するインダイレクト制御の終了を検出しなくてもよい。ICカードマイコンインタフェース回路12自らがその終了を判定しなければ出力バッファの高インピーダンス制御を行わないからである。特に、ICカードマイコンインタフェース回路12はアクノレッジ信号SPRT−ACKを形成してカードホスト2に出力するから、前記カードホスト2はICカードマイコン8に対するダイレクト制御を開始可能なタイミングを容易に得ることができる。
【0040】
図8にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12とICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な第4の例が示される。図8の例も図2と同様に、カードホスト2によりICカードマイコン8をダイレクト制御するときカードホスト2がクロック信号を出力し、ICカードマイコンインタフェース回路12によりICカードマイコン8をインダイレクト制御するときICカードマイコンインタフェース回路12がクロック信号CLKを出力する。図2との相違点は、カードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12が位相補償回路としてのPLL回路18,19を有することである。
【0041】
PLL回路18は、クロック出力バッファ2ocが高インピーダンス状態に制御されているとき、入力バッファ2icからクロック信号CLKを入力し、内部クロック信号CLK−Hをもとにクロック信号CLKと周波数及び位相が等しい同期化クロック信号を生成する。入力バッファ2icに入力されるクロック信号CLKは、ICカードマイコン8をインダイレクト制御するときICカードマイコンインタフェース回路12が出力するクロック信号である。従ってセパレート信号SPRTがローレベルにされてICカードマイコン8のインダイレクト制御からダイレクト制御に遷移するとき、カードホスト2はセパレート信号SPRTのローレベル出力と共に出力バッファ2ocを高インピーダンス状態から出力動作状態に変化させるタイミングについて何ら考慮しなくも、クロック信号CLKの発生元の切換えに際してクロック信号CLKの位相並びに波形は殆ど乱れを生じない。クロック出力バッファ2ocが出力すべきクロック信号は予めクロック出力バッファ12ocから出力されるクロック信号と位相及び周波数が等しくされているからである。
【0042】
同様にPLL回路19は、クロック出力バッファ12ocが高インピーダンス状態に制御されているとき、入力バッファ12icからクロック信号CLKを入力し、内部クロック信号CLK−Iをもとにクロック信号CLKと周波数及び位相が等しい同期化クロック信号を生成する。入力バッファ12icに入力されるクロック信号CLKは、カードホスト2がICカードマイコン8をダイレクト制御するとき出力するクロック信号である。従ってセパレート信号SPRTがハイレベルにされてカードホスト2によるダイレクト制御からICカードマイコンインタフェース回路12経由のインダイレクト制御に遷移するとき、カードホスト2はクロック信号CLKの出力動作を一旦停止させることを要しない。セパレート信号SPRTをハイレベルにして出力バッファ12ocを高インピーダンス状態から出力動作状態に変化させるタイミングについて何ら考慮しなくも、クロック信号CLKの発生元の切換えに際してクロック信号CLKの位相並びに波形は殆ど乱れを生じない。クロック出力バッファ12ocが出力すべきクロック信号は予めクロック出力バッファ2ocから出力されるクロック信号と位相及び周波数が等しくされているからである。
【0043】
これにより、ICカードマイコンインタフェース回路12経由で前記ICカードマイコン8を制御する状態と、ICカード用端子4からICカードマイコン8をダイレクト制御する状態とを切り換えるとき、一時的に双方のクロック出力動作を停止することを要しない。ICカードマイコン8のインダイレクト制御とダイレクト制御を切換えた動作タイミングは図5と同じであるから特に図示はしない。
【0044】
《制御データを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
図9には本発明によるメモリカードの別の例が示される。今までの説明ではICカードマイコンインタフェース回路12におけるトライステートバッファの制御に制御端子5を利用した。図9に示されるメモリカード1Aはそのようなトライステートバッファの制御に、フラッシュメモリ7が保有する制御データを用いる。従って、第2の外部インタフェース端子としてICカード用端子4だけが設けられ、制御端子5は廃止されている。フラッシュメモリ7の所定の領域7CDには制御データとしてICカードマイコン8の分離選択パラメータ(SEP/CON)が格納されている。
【0045】
図10にはカードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12AとICカードマイコン8とのインタフェース形態の詳細な一例が示される。ICカードマイコン8のインダイレクト制御においてクロック信号CLKはICカードマイコンインタフェース回路12Aのクロック出力バッファ12ocが出力する。ICカード用端子4を介するダイレクト制御においてクロック信号CLKはカードホスト2から供給される。
【0046】
図11には分離選択パラメータ(SEP/CON)による出力バッファの高インピーダンス制御フローが示される。制御用マイコン13Aは、メモリカード1Aのパワーオン、又は例えばMMCでのCMD0、CMD1、及びSDカードでのCMD0、ACMD41などのメモリカードの初期化処理やリセット処理を指定する特定のコマンドに応答して前記フラッシュメモリ7の特定領域7CDから分離選択パラメータ(SEP/CON)を読み出し、読み出した分離選択パラメータ(SEP/CON)の値に応じてセパレート信号SPRTを生成する(S1)。分離選択パラメータ(SEP/CON)の値が論理値0のときはセパレート信号SPRTをローレベルとし(S2)、出力バッファ12oc,12or、12odを高出力インピーダンス状態とする。分離選択パラメータ(SEP/CON)の値が論理値1のときはセパレート信号SPRTをハイレベルとし(S3)、前記出力バッファ12oc,12or、12odを出力動作可能な状態にする。これにより、前記外部端子3からのメモリコマンドに応答して前記インタフェースコントローラ6Aが動作可能な状態においてICカード用端子4から前記ICカードマイコン8のダイレクト制御が許容される。このとき特に、前記読み出した分離選択パラメータ(SEP/CON)の論理値0に応答して、ICカードマイコンインタフェース回路12Aの出力バッファ12oc、12or、12odを高出力インピーダンス状態にすることにより、ICカードマイコンインタフェース回路12AからICカードマイコン8にノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0047】
前記マイクロコンピュータ13Aは、カードホスト2からのリセット指示の有無を判定し(S4)、リセット指示があった時はステップS1に戻って上記同様の分離選択パラメータ(SEP/CON)を参照してセパレート信号SPRTを設定する処理を繰り返す。これにより、分離選択パラメータ(SEP/CON)を書き換えて、リセットの指示を行うことにより、ICカードマイコン8に対するダイレクト制御とインタフェースコントローラ6A経由のインダイレクト制御とを容易に切り換えることができる。
【0048】
《コマンドを用いたICカードマイクロコンピュータの分離》
図12には本発明によるメモリカードの更に別の例が示される。ICカードマイコンインタフェース回路12Bにおけるトライステートバッファの制御に特定のコマンドを利用する。インタフェースコントローラ6Bの制御用マイコン13Bが前記特定のコマンドを認識してトライステートバッファの制御を行う。カードホスト2とICカードマイコンインタフェース回路12AとICカードマイコン8とのインタフェース形態は図10と同じである。図11の実施例との違いは、図11がメモリカード1A全体としての初期化処理やリセット処理を行うためのコマンドに応じてICカードマイコン8のダイレクト制御/インダイレクト制御を選択するのに対して、図12の実施例では任意のタイミングで発行可能とされるコマンドに応じてダイレクト制御/インダイレクト制御を切り換える点である。
【0049】
図13には制御用マイコン13Bによるトライステートバッファの制御手順が例示される。外部端子3を介してホストインタフェース回路10にコマンドが供給されると、ホストインタフェース回路10はマイクロコンピュータ13Bに割り込みを要求する。制御用マイコン13Bは割り込みを受け付けると(S11)、そのコマンドのコマンドコードをベクタとして対応するコマンド処理に分岐する(S12)。第1のコマンドに応答するコマンド処理においては前記セパレート信号SPRTをローレベルとし(S13)、出力バッファ12oc,12or、12odを高出力インピーダンス状態とする。第2のコマンドに応答するコマンド処理においては前記セパレート信号SPRTをハイレベルとし(S14)、前記出力バッファ12oc,12or、12odを出力動作可能な状態にする。その他のコマンドに対しては夫々に固有のコマンド処理を行なう(S15)。前記第1のコマンドに応答してICカードマイコンインタフェース回路12Aの出力バッファを高出力インピーダンス状態にするから、ICカード用端子4からICカードマイコン8に対するダイレクト制御に際してICカードマイコンインタフェース回路12AからICカードマイコン8にノイズが伝達されるのを抑制することができる。
【0050】
《ICカードマイコンのダイレクト制御動作時における低消費電力》
図14には本発明によるメモリカードの更に別の例が示される。図2と同様にセパレート信号SPRTを用いるが、そのレベル制御に電源監視用リセットIC20を用いる。ここではインタフェースコントローラ6Cの動作電源Vcc1とICカードマイコン8の動作電源Vcc2が示される。Vcc1は外部端子3のなかの一つの端子3Aから入力される。Vcc2はICカード端子4のうちの一つの端子4Dから供給される。特にICカードマイコンインタフェース回路12Bに含まれるバッファ12is、12oc、12or、12od、12id、アンドゲートANDはVcc2を動作電源とする。電源監視用リセットIC20は、電源電圧Vcc1が動作許容よりも低くなったときセパレート信号SPRTをローレベルとして出力バッファ12o、12or、12odを高インピーダンスに制御する。電源電圧Vcc1が動作許容電圧を超えていればセパレート信号SPRTはハイレベルにされ、出力バッファ12o、12or、12odは出力動作可能にされる。
【0051】
これによりICカードマイコン8をICカード用端子4からダイレクト制御したい場合に、電源Vcc1の供給を停止しても、出力バッファ12oc、12or、12odは電源Vcc2によってその動作が保障されるから、ICカードマイコンインタフェース回路12BからICカードマイコン8への不所望なノイズの伝播を抑制しながら、低消費電力を実現することができる。図14の構成は上記その他の構成と併せて採用することも可能である。
【0052】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はフラッシュメモリを用いた記憶装置に限定されない。DRAM、SRAM等の揮発性メモリ、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリや、HDD及びMRAMで使う磁気記憶媒体、DVD等で使われる相変化記憶媒体等でもよい。また、メモリカード仕様はマルチメディアカード規格に限定されず、SDカード規格等その他のメモリカード仕様に準拠しても良い。マルチメディアカード規格には(1)Multi Media Card System Specification Version 3.3、(2)Multi Media Card System Specification Version 4.0がある。SDカード規格としては、(3)SD Memory Card Specification Version 1.01、(4)SD Memory Card Specification Version 1.1がある。
【0053】
また実施例の説明としてマルチメディアカード規格に基づくメモリカードにより説明をしたが、ICカードマイコンを搭載したような入出力装置であっても良い。例えばメモリカードに代えて無線通信装置を有する半導体装置において、カードホスト2から無線通信装置を用いてデータの通信を行うような場合に、ICカードマイコンの制御を無線通信装置により行うのかカードホスト2から行うのかに応じて、本願発明を適宜実施することができる。ICカードマイコン8を用いて暗号化されたデータを復号化し又はデータを暗号化する場合に、カードホスト2の制御により予め暗号化し又は通信後に復号化する制御と、無線通信装置のICカードマイコンインタフェース回路の制御により通信を行うデータを逐次暗号化し若しくは復号化する制御とを選択することが可能となる。
【0054】
また、前記ICカードマイクロコンピュータは、例えば、セキュリティ評価基準の国際標準であるISO/IEC15408の評価・認証機関によって認証済みである製品を利用するのが望ましい。一般に、セキュリティ処理を行なう機能を持つICカードを実際の電子決済サービスなどで利用する場合、そのICカードはISO/IEC15408の評価・認証機関による評価と認定を受ける必要がある。MMCにセキュリティ機能を追加することによってメモリカードを実現し、それを実際の電子決済サービスなどで利用する場合、当該メモリカードも同様にISO/IEC15408の評価・認証機関による評価と認定を受ける必要がある。本発明のメモリカードとして、評価・認証機関によって認証済みのICカードマイクロコンピュータを内蔵し、そのICカードマイクロコンピュータを利用してセキュリティ処理を行なう構造を持つことにより、セキュリティ処理機能を得る。したがって、本発明のメモリカードはISO/IEC15408に基づくセキュリティ評価基準を容易に満足することができ、MMCにセキュリティ処理機能を追加するための開発期間を短縮することができる。但し、本発明においては、ISO/IEC15408の評価・認証機関により認証済の製品ではないICカードチップを排除するものではなく、ICカードチップにより提供するサービスの求めるセキュリティ強度に応じたICカードチップを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】制御端子を用いてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換え可能なメモリカードを例示するブロック図である。
【図2】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第1の例を示す論理回路図である。
【図3】図2の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図4】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第2の例を示す論理回路図である。
【図5】図4の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図6】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第3の例を示す論理回路図である。
【図7】図6の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図8】カードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な第4の例を示す論理回路図である。
【図9】制御データを用いてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換え可能なメモリカードを例示するブロック図である。
【図10】図9の構成においてカードホストとICカードマイコンインタフェース回路とICカードマイコンとのインタフェース形態の詳細な一例を示す論理回路図である。
【図11】図10の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作のタイミングチャートである。
【図12】コマンドを用いてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換え可能なメモリカードを例示するブロック図である。
【図13】図12の構成においてICカードマイコンのインダイレクト制御とダイレクト制御とを切換える動作の制御手順を例示するフローチャートである。
【図14】ICカードマイコンのダイレクト制御動作時における低消費電力も考慮したメモリカードのブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
1A、1B、1C メモリカード
2 カードホスト
3 第1の外部インタフェース端子としての外部端子
4 第2の外部インタフェース端子としてのICカード用端子
4A クロック端子
4B リセット端子
4C データ端子
5 第2の外部インタフェース端子としての制御端子
SPRT スプリット信号
5A 信号SPRT−REQの入力端子
5B 信号SPRT−ACKの出力端子
SPRT−REQ スプリットリクエスト信号
SPRT−ACK スプリットアクノレッジ信号
6A、6B、6C インタフェースコントローラ
7 フラッシュメモリ
SEP/CON
8 ICカードマイクロコンピュータ
10 ホストインタフェース回路
11 フラッシュインタフェース回路
12 ICカードマイコンインタフェース回路
CLK クロック信号
12oc ICカードマイコンインタフェース回路のクロック出力バッファ
12od ICカードマイコンインタフェース回路のデータ出力バッファ
13 マイクロコンピュータ
14 接続配線
18,19 PLL回路
20 電源監視リセットIC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答する動作に並行して、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイクロコンピュータの動作が許容されるとき、前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態にするメモリカード。
【請求項2】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子と、制御端子とを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にするメモリカード。
【請求項3】
前記ICカード用端子はクロック入出力端子及びデータ入出力端子を含み、
前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有し、
前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファとクロック出力バッファを有し、
前記クロック出力バッファは前記制御端子の第1の状態に応答して高出力インピーダンス状態にされ、第2の状態に応答して出力動作可能な状態にされる請求項2記載のメモリカード。
【請求項4】
前記ICカード用端子はクロック入出力端子及びデータ入力端子を含み、
前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有し、
前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有する請求項2記載のメモリカード。
【請求項5】
前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して第1の応答状態とし、第2の状態に応答して第2の応答状態とする応答信号を生成し、前記応答信号の第1の応答状態によって前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記応答信号の第2の応答状態によって前記出力バッファを出力動作可能な状態にする請求項4記載のメモリカード。
【請求項6】
前記第2の外部インタフェース端子は、前記応答信号の出力端子を有する請求項5記載のメモリカード。
【請求項7】
前記ICカード用端子はクロック入出力端子及びデータ入出力端子を含み、
前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有し、
前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ及びクロック出力バッファと、位相補償回路とを有し、
前記位相補償回路は、前記クロック出力バッファから出力するクロックの位相を前記クロック入力バッファから入力されるクロックの位相に合わせる位相補償動作を行ない、
前記位相補償回路は、クロック出力バッファの高出力インピーダンス状態においても前記位相補償動作を継続する請求項2記載のメモリカード。
【請求項8】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有し、
前記インタフェースコントローラは、パワーオンに応答して前記記憶装置から所定の制御データを読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にするメモリカード。
【請求項9】
前記インタフェースコントローラは、リセット指示に応答して前記記憶装置から所定の制御データを読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする請求項8記載のメモリカード。
【請求項10】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第1のコマンドに応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第2のコマンドに応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にするメモリカード。
【請求項1】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答する動作に並行して、ICカード用端子からの入力に応答する前記ICカードマイクロコンピュータの動作が許容されるとき、前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態にするメモリカード。
【請求項2】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子と、制御端子とを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にするメモリカード。
【請求項3】
前記ICカード用端子はクロック入出力端子及びデータ入出力端子を含み、
前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有し、
前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファとクロック出力バッファを有し、
前記クロック出力バッファは前記制御端子の第1の状態に応答して高出力インピーダンス状態にされ、第2の状態に応答して出力動作可能な状態にされる請求項2記載のメモリカード。
【請求項4】
前記ICカード用端子はクロック入出力端子及びデータ入力端子を含み、
前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有し、
前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有する請求項2記載のメモリカード。
【請求項5】
前記インタフェースコントローラは、前記制御端子の第1の状態に応答して第1の応答状態とし、第2の状態に応答して第2の応答状態とする応答信号を生成し、前記応答信号の第1の応答状態によって前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記応答信号の第2の応答状態によって前記出力バッファを出力動作可能な状態にする請求項4記載のメモリカード。
【請求項6】
前記第2の外部インタフェース端子は、前記応答信号の出力端子を有する請求項5記載のメモリカード。
【請求項7】
前記ICカード用端子はクロック入出力端子及びデータ入出力端子を含み、
前記ICカードマイクロコンピュータは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファを有し、
前記インタフェースコントローラは前記接続配線のうち前記クロック入出力端子が接続する配線に接続されたクロック入力バッファ及びクロック出力バッファと、位相補償回路とを有し、
前記位相補償回路は、前記クロック出力バッファから出力するクロックの位相を前記クロック入力バッファから入力されるクロックの位相に合わせる位相補償動作を行ない、
前記位相補償回路は、クロック出力バッファの高出力インピーダンス状態においても前記位相補償動作を継続する請求項2記載のメモリカード。
【請求項8】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有し、
前記インタフェースコントローラは、パワーオンに応答して前記記憶装置から所定の制御データを読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にするメモリカード。
【請求項9】
前記インタフェースコントローラは、リセット指示に応答して前記記憶装置から所定の制御データを読み出し、読み出した前記制御データの第1の状態に応答して前記接続配線に対する出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、第2の状態に応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にする請求項8記載のメモリカード。
【請求項10】
第1の外部インタフェース端子、第2の外部インタフェース端子、前記第1の外部インタフェース端子に接続されたインタフェースコントローラ、前記インタフェースコントローラに接続された記憶装置、及び前記インタフェースコントローラに接続されたICカードマイクロコンピュータを有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子からの入力に応答して前記記憶装置と前記ICカードマイクロコンピュータの動作を制御し、
前記第2の外部インタフェース端子は、前記インタフェースコントローラと前記ICカードマイクロコンピュータとの接続配線に直結するICカード用端子を有し、
前記インタフェースコントローラは、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第1のコマンドに応答して前記接続配線に接続する前記インタフェースコントローラ内の出力バッファを高出力インピーダンス状態とし、前記第1の外部インタフェース端子から供給された第2のコマンドに応答して前記出力バッファを出力動作可能な状態にするメモリカード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−65956(P2007−65956A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250676(P2005−250676)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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