説明

メモリコントローラ及び不揮発性記憶装置

【課題】不揮発性メモリにおいて第1の誤り訂正符号の訂正能力を超えるエラーが発生した場合でも、格納したデータを正しく読み出すことが可能で、かつ、小さいサイズの書き込みが効率的な不揮発性記憶装置、及びメモリコントローラを提供する。
【解決手段】不揮発性記憶装置は、データを記憶する不揮発性メモリと、不揮発性メモリの制御を行うメモリコントローラとを備え、メモリコントローラは、データと同一ページに格納する第1の誤り訂正符号とは別に、第2の誤り訂正符号をも格納する。所定のサイズよりも小さい書き込みにおいては、前記第2の誤り訂正符号を付与せず、データと同一ページに格納する第1の誤り訂正符号を、異なるページに二重化して格納する。データの読み出し時にはデータに付与された第1及び/または第2の誤り訂正符号を用いてエラー訂正を行う。同一論理アドレスに対して、いずれの論理ブロックに有効なデータが格納されているかを管理するための有効データ管理テーブルを備えている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリを制御するメモリコントローラ、及び、不揮発性メモリとメモリコントローラを備える半導体メモリカード等の不揮発性記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体メモリカードを中心に、書き換え可能な不揮発性メモリを備える不揮発性記憶装置の需要が広まっている。
【0003】
半導体メモリカードは、小型・軽量・大容量・耐震性・取り扱いの簡便さ等の、種々の特長を備えており、デジタルスチルカメラや携帯電話などのポータブル機器の記録媒体として、その需要が高まっている。最近では、ポータブル機器だけではなく、デジタルテレビやDVDレコーダ等の据え置き機器にも、半導体メモリカード用のスロットが標準搭載されており、半導体メモリカードの需要はさらに高まっている。
【0004】
上述の半導体メモリカードは、不揮発性の主記憶メモリとしてフラッシュメモリ(主にNAND型のフラッシュメモリ)と、それを制御するメモリコントローラとを備えている。メモリコントローラは、デジタルスチルカメラ本体等に代表されるアクセス装置からのデータの読み書き指示に応じて、フラッシュメモリに対するデータの読み書き制御を行うものである。
【0005】
メモリコントローラからフラッシュメモリへのデータの書込みは、ページと呼ばれる単位で行われる。最近のフラッシュメモリでは4kB(キロバイト)、8kB程度のページサイズが主流である。
【0006】
フラッシュメモリは、セルという記憶素子を多数含み、各セルに電荷を蓄積すること若しくは各セルから電荷を放出することにより情報を記憶する。ところが、セルに記憶された情報は、セルの劣化などの要因により失われることがある。そのため、メモリコントローラは、一般に、アクセス装置からの書き込みデータに対する誤り訂正符号を生成し、上述の書き込みデータと共にフラッシュメモリに格納する。これにより、データの読出し時にエラーが発生しても、そのエラービット数が、適用される誤り訂正符号の訂正能力内であれば訂正が行われ、よって正しいデータを読み出すことが可能となる。例えば、下記の特許文献1では、フラッシュメモリのページ内に書き込みデータ(ユーザデータ)と誤り訂正符号(付加データ)とを交互に格納する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−292925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の方法では、データ読出し時に誤り訂正符号の訂正能力を超えるエラーが発生すると、正しいデータを読むことはできない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、データ読出しの際に誤り訂正符号の訂正能力を超えるエラーが発生する場合であっても正しくデータを読み出すことができる不揮発性記憶装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述の課題を解決するため、誤り訂正符号(以下、第1の誤り訂正符号と称する。)を付与したデータの集合に対して、さらに第2の誤り訂正符号を付与するという方法を考案した。例えば、第2の誤り訂正符号として、4ページ分のデータに対して1ページのパリティを付与するという方法を考案した。このようにすることにより、第1の誤り訂正符号の訂正能力を超えるエラーが発生した場合であっても、第2の誤り訂正符号(パリティ)を用いることで正しいデータを読み出すことが可能となる。
【0011】
しかしながら、上述の方法においては、第2の誤り訂正符号を付与すると、メモリコントローラで管理されるデータ単位が大きくなり、よってアクセス装置からのデータ書き込みのデータサイズが小さい場合にはオーバーヘッドが大きくなるために、データ書き込みの速度が低下する、という問題がある。
【0012】
先ほどの例では、4ページ分のデータに対して1ページ分のパリティを付与するので、メモリコントローラは5ページ単位で入出力データの管理を行う。例えば、アクセス装置からのデータ書き込みのサイズが1ページであったとしても、メモリコントローラは4ページ分のデータと、これに対する1ページ分のパリティの計5ページをフラッシュメモリに書き込む。このとき、4ページ分のデータのうち、1ページはアクセス装置から受信したデータで構成されるが、残り3ページは不揮発性メモリから読み出した既存データで構成される。従って、このときのオーバーヘッドは、アクセス装置からのデータ書き込みのサイズが4ページである場合に比べてどうしても大きくなる。
【0013】
本発明は、更に、上述の課題に鑑みてなされたものであり、不揮発性メモリへのデータ書き込みにおいて第1及び第2の誤り訂正符号を付与した場合でも、小さいデータサイズのデータ書き込みを効率的に行うことが可能である不揮発性記憶装置、及びメモリコントローラを提供するものである。
【0014】
本発明に係る不揮発性記憶装置は、
アクセス装置と通信可能であり、前記アクセス装置からの指示によりデータの読み出し及び/又は書き込みを行う不揮発性記憶装置であって、
データを記憶する一つ以上の不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリの制御を行うメモリコントローラとを備え、
前記不揮発性メモリは、
消去単位であるブロックを複数含み、
前記ブロックはデータの書き込み単位であるページを複数含み、
前記メモリコントローラは、
複数の前記ブロックを組み合わせて一の領域に第1の論理ブロックを配置し、及び、複数の前記ブロックを組み合わせて別の領域に第2の論理ブロックを配置し、
前記第1の論理ブロックには複数の前記ページから構成される誤り訂正グループを複数割り当て、
前記誤り訂正グループにはデータと、前記データに対する第1及び第2の誤り訂正符号とを割り当て、
前記第2の論理ブロックには複数の前記ページから構成される多重化グループを複数割り当て、
前記多重化グループにはデータと前記データに対する第1の誤り訂正符号とを、それぞれ多重化して割り当て、
データを書き込むときに、データサイズが所定のサイズ未満である場合は、データを第2の論理ブロックに書き込み、データサイズが所定のサイズ以上である場合は、データを第1の論理ブロックに書き込み、
同一論理アドレスに対して、第1の論理ブロックと第2の論理ブロックとのいずれの論理ブロックに有効なデータが格納されているかを管理するための有効データ管理テーブルを備えている。
【0015】
本発明に係るメモリコントローラは、 データを記憶する一つ以上の不揮発性メモリの制御を行うメモリコントローラであって、
前記不揮発性メモリは、
消去単位であるブロックを複数含み、
前記ブロックはデータの書き込み単位であるページを複数含み、
前記メモリコントローラは、
複数の前記ブロックを組み合わせて一の領域に第1の論理ブロックを配置し、及び、複数の前記ブロックを組み合わせて別の領域に第2の論理ブロックを配置し、
第1の論理ブロックには複数の前記ページから構成される誤り訂正グループを複数割り当て、
前記誤り訂正グループにはデータと、前記データに対する第1及び第2の誤り訂正符号とを割り当て、
第2の論理ブロックには複数の前記ページから構成される多重化グループを複数割り当て、
前記多重化グループにはデータと前記データに対する第1の誤り訂正符号とを、それぞれ多重化して割り当て、
データを書き込むときに、データサイズが所定のサイズ未満である場合は、データを第2の論理ブロックに書き込み、データサイズが所定のサイズ以上である場合は、データを第1の論理ブロックに書き込み、
同一論理アドレスに対して、第1の論理ブロックと第2の論理ブロックとのいずれの論理ブロックに有効なデータが格納されているかを管理するための有効データ管理テーブルを備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1の誤り訂正符号を付与したデータの集合に対して第2の誤り訂正符号を付与した上で不揮発性メモリに格納することにより、データ読出しの際に第1の誤り訂正符号の訂正能力を超えるエラーが発生する場合であっても正しくデータを読み出すことができる不揮発性記憶装置及びメモリコントローラを提供することが可能となる。更に本発明によれば、所定のサイズ未満のデータを書き込むために第2の論理ブロックに多重化グループを設けることにより、不揮発性メモリへのデータ書き込みにおいて第1及び第2の誤り訂正符号を付与した場合でも、小さいサイズのデータ書き込みを効率的に行うことが可能な、不揮発性記憶装置、及びメモリコントローラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶システムの概略の構成図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る不揮発性メモリの構成例を示す図。
【図3】図2に示すブロックの構成例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態1に係る不揮発性メモリに設定される領域を示す図。
【図5】本発明の実施の形態1に係る論理物理変換テーブルの例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態1に係る有効データ管理テーブルの例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態1に係るデータページの構成の一例を示す図。
【図8】本発明の実施の形態1に係るパリティグループの例を示す図。
【図9】本発明の実施の形態1に係るパリティグループの配置の一例を示す図。
【図10】本発明の実施の形態1に係る二重化グループの配置の一例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の書き込み処理の手順を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の読み出し処理の手順を示すフローチャート。
【図13】本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置の初期化処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
[実施の形態1]
1.1.不揮発性記憶システムの構成
本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶システム1000の構成について、図1から図6を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶システム1000の概略構成図である。図1に示すように、不揮発性記憶システム1000は、不揮発性記憶装置1と、不揮発性記憶装置1が装着されるアクセス装置2とを含んで構成される。不揮発性記憶装置1と、アクセス装置2とは、バスB1により接続されて、双方向に通信を行うことができる。不揮発性記憶装置1は、アクセス装置2からの指示に応じてデータの読み出し及び/又は書き込みを行う。ここで、不揮発性記憶装置1は、例えば、半導体メモリカードである。アクセス装置2は、例えば、半導体メモリカードに静止画コンテンツを記録するデジタルスチルカメラである。
【0021】
図1に示すように、不揮発性記憶装置1は、メモリコントローラ11と、データを記憶する一つ又は複数の不揮発性メモリ12とを含む。メモリコントローラ11と、不揮発性メモリ12とは、バスB2により接続されている。メモリコントローラ11は、不揮発性メモリ12とバスB2を介して、データの送受信、すなわち、データの読み出し/書き込み、並びに、コマンドの送信及びレスポンスの受信等を行い、不揮発性メモリ12の制御を行う。なお、不揮発性メモリ12が複数存在する場合は、バスB2が複数存在していてもよい。
【0022】
メモリコントローラ11は、不揮発性記憶装置1の制御全般を行うモジュールであり、例えば、CPUなどを含むLSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)として構成される。不揮発性メモリ12は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。
【0023】
メモリコントローラ11は、図1に示すように、CPU101と、RAM102と、ROM103と、アクセス装置IF(インタフェース)部104と、バッファ105と、不揮発性メモリIF(インタフェース)部106とを含む。メモリコントローラ11の各機能部は、図1に示すように、バスBC1を介して接続されている。なお、メモリコントローラ11は、メモリコントローラ11の機能部の全部又は一部が直接接続される構成であってもよい。
【0024】
アクセス装置IF部104は、不揮発性記憶装置1とアクセス装置2との接続部である。アクセス装置2と不揮発性記憶装置1との制御信号及びデータの送受信は、アクセス装置IF部104を介して行われる。
【0025】
不揮発性メモリIF部106は、メモリコントローラ11と不揮発性メモリ12との接続部である。メモリコントローラ11と不揮発性メモリ12との制御信号及びデータの送受信は、不揮発性メモリIF部106を介して行われる。
【0026】
バッファ105は、アクセス装置IF部104を介してアクセス装置2から受信したデータ、アクセス装置IF部104を介してアクセス装置2に送信(出力)するデータ、不揮発性メモリIF部106を介して不揮発性メモリ12から読み出したデータ、及び、不揮発性メモリIF部106を介して不揮発性メモリ12に書き込むデータなどを、一時的に格納するためのメモリである。
【0027】
ROM103には、不揮発性記憶装置1を制御するプログラムが格納されている。このプログラムは、RAM102にロードされ、CPU101により実行される。
【0028】
具体的には、ROM103は、図1に示すように、コマンド処理部111と、アドレス管理部112と、符号処理部113と、不揮発性メモリ制御部114とを含む。なお、本実施の形態では、コマンド処理部111、アドレス管理部112、符号処理部113及び、不揮発性メモリ制御部114は、ROM103上において、ソフトウェアにより実現されるものを想定しているが、これに限定されることはなく、例えば、コマンド処理部111、アドレス管理部112、符号処理部113及び、不揮発性メモリ制御部114の全部又は一部は、ハードウェアで実現されるものであってもよい。
【0029】
コマンド処理部111は、アクセス装置IF部104を介して、アクセス装置2から受信したコマンド及びコマンドに関するパラメータを解釈し、コマンドの処理を実行する機能部である。
【0030】
アドレス管理部112は、不揮発性メモリ12のアドレス管理全般を行うが、アドレス管理部112そのものには有効なデータは格納されていない。先ず、アドレス管理部112は、アクセス装置2からアクセス可能なアドレス空間として不揮発性記憶装置1が提供する論理アドレス空間における論理アドレスと、不揮発性メモリ12における物理アドレスとを対応付ける(後で説明する)論理物理変換テーブルの物理アドレスを管理する。また、アドレス管理部112は、後で説明する有効データ管理テーブルの物理アドレスを管理する。更に、アドレス管理部112は、データ書き込みに再利用可能なブロックであるフリーブロックの物理アドレスや、データ書き込みに利用不可能な不良ブロックの物理アドレスなどを管理する。
【0031】
符号処理部113は、不揮発性メモリ12において読み書きするデータに対する、第1及び第2の誤り訂正符号の処理を行う。ここで誤り訂正符号とは、例えば、リード・ソロモン符号やパリティである。
【0032】
符号処理部113は、不揮発性メモリ12へのデータ書き込み時に、データに対する第1の誤り訂正符号を生成する。更に、データと該データの第1の誤り訂正符号に対する第2の誤り訂正符号を生成する。そしてデータ、第1の誤り訂正符号、及び、第2の誤り訂正符号を不揮発性メモリ12に書き込む。
【0033】
更に、符号処理部113は、不揮発性メモリ12からのデータ読み出し時に、データとともに第1の誤り訂正符号を読み出し、読み出したデータのエラーの検出及び訂正を行う。第1の誤り訂正符号による訂正が不可能であるエラーが検出された場合には、更に、不揮発性メモリ12から第2の誤り訂正符号を読み出し、エラーの検出及び訂正を行う。
【0034】
不揮発性メモリ制御部114は、不揮発性メモリIF部106を介して送受信される制御信号を処理するデバイスドライバである。
【0035】
図2は、本実施の形態に係る不揮発性メモリ12の構成例を示す図である。不揮発性メモリ12はデータの消去単位であるブロック(物理ブロック)121を複数個含む。それぞれのブロック121のサイズは、例えば、1MB(メガバイト)程度である。
【0036】
図3は、図2に示すブロック121の構成例を示す図である。ブロック121は、データの書き込み単位であるページ122を複数個含む。それぞれのページ122のサイズは、例えば、8kB程度である。ブロック121あたりのページ数は、例えば、128ページである。
【0037】
図4は、本実施の形態に係る不揮発性メモリ12に設定される領域を示す図である。ここで不揮発性メモリ12における領域は、不揮発性メモリ12に格納される情報の種類によって分けられている。不揮発性メモリ12に設定される領域には、第1のデータ記録領域125、第2のデータ記録領域126、アドレス管理テーブル領域127、ワーク領域128、及びシステム情報領域129等がある。
【0038】
第1のデータ記録領域125は、アクセス装置2からの書き込みデータを格納する領域である。アクセス装置2からのデータに加え、該データに対する第1及び第2の誤り訂正符号も格納する。
【0039】
第1のデータ記録領域125には、不揮発性記憶装置1がアクセス装置2に対して提供する読み書き可能な論理アドレス空間の全データを格納できるだけの物理的な容量以上が、割り当てられる。
【0040】
第2のデータ記録領域126は、アクセス装置2からの書き込みデータを格納する領域である。アクセス装置2からのデータに加え、該データに対する第1の誤り訂正符号も格納される。ここで第2のデータ記録領域126においては、アクセス装置2からのデータ及び該データに対する第1の誤り訂正符号は二重化(ミラーリング)して格納される。
【0041】
第2のデータ記録領域126には、不揮発性記憶装置1がアクセス装置2に対して提供する読み書き可能な論理アドレス空間の一部のデータを格納できるだけの物理的な容量が、割り当てられる。例えば、読み書き可能な論理アドレス空間の数パーセント程度の容量が割り当てられる。
【0042】
このように、第1のデータ記録領域125及び第2のデータ記録領域126は、いずれもアクセス装置2からの書き込みデータを格納する領域であるが、後で説明するように、書き込みデータのサイズにより、選択的に利用される。
【0043】
なお、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置1が製造されて出荷される際には、第1のデータ記録領域125のみに全て初期化データが書き込まれた状態にされている。また、後で説明するように、アクセス装置2からの実際のデータ書き込み時に、書き込みデータのサイズが全てページサイズ以上のものであれば、第1のデータ記録領域125のみに書き込みデータが格納される。
【0044】
一方、後で詳しく説明するように、アクセス装置2からの実際のデータ書き込み時に、書き込みデータのサイズがページサイズ未満のものであれば、第2のデータ記録領域126に書き込みデータが格納される。従って、不揮発性記憶装置1の論理アドレス空間における、ある(論理)アドレスに対して、第1のデータ記録領域125と第2のデータ記録領域126との両方に、データが格納されていることがある。
【0045】
このような場合、同一論理アドレスに対する各々の領域のデータは同一であるとは限らない。後で説明する書き込み処理において、アクセス装置2からの書き込みデータは、データのサイズに従って、第1のデータ記録領域125、若しくは、第2のデータ記録領域126のいずれかに選択的に書き込まれるため、いずれかの領域のデータ、即ち、アクセス装置2が所定の論理アドレスに対して最後に書き込んだデータが有効となる。いずれが有効であるかは、アドレス管理部112及び有効データ管理テーブルによって管理される。
【0046】
アドレス管理テーブル領域127は、アドレス管理部112がアドレス管理を行うために必要となる各種のテーブル情報を格納する領域である。各種のテーブル情報には、論理アドレスと物理アドレスの変換テーブル(以下、「論理物理変換テーブル」と称する。)、第2のデータ記録領域126に格納された有効なデータを管理するためのテーブル(以下、「有効データ管理テーブル」と称する。)、及び、フリーブロックのアドレステーブル等が含まれる。
【0047】
ワーク領域128は、フリーブロックで構成される、有効なデータが格納されていない領域である。
【0048】
システム情報領域129は、メモリコントローラ11が内部的に使用するシステム情報を格納する領域である。さらに、システム情報に対する第1及び第2の誤り訂正符号も格納する。一部または全てのシステム情報は二重化(ミラーリング)して格納されてもよい。
【0049】
図5は、本実施の形態に係る論理物理変換テーブルの例を示す図である。不揮発性メモリ12のアドレス管理テーブル領域127に格納される論理物理変換テーブルは、不揮発性メモリ12の各領域における論理ブロックのアドレスと物理ブロックのアドレスの対応情報を格納している。
【0050】
図5において、“0x”は値が16進数であることを示している。ここで図5に示すように、第1のデータ記録領域125の論理アドレス空間は、不揮発性記憶装置1がアクセス装置2に対して提供する読み書き可能な論理アドレス空間と一致しているものとし、それ以外の領域(例えば、第2のデータ記録領域126)の論理アドレス空間は、上述のものとは異なる仮想的な空間を表すものとしている。また、物理ブロックアドレスの上位4ビットは、不揮発性メモリ12の識別番号であり、それ以外のビットは不揮発性メモリ12内のブロックの識別番号であるものとしている。図5に示す例では、論理ブロックアドレス0x0000の論理ブロックに対して、(識別番号が、0、1、2、3、4である)5つの異なる不揮発性メモリ12における、(各不揮発性メモリ12内の識別番号が、0x0010、0x0010、0x0010、0x0010、0x0010である)ブロックが、割り当てられている。
【0051】
なお、後で説明するように、第1のデータ記録領域125と第2のデータ記録領域126とにおいて、夫々データ配置方法は異なるが、いずれも1論理ブロックが5物理ブロックにより構成されている。このようにすることで、アドレス管理部112によるアドレス管理が簡素化され得る。
【0052】
図6は、本実施の形態に係る有効データ管理テーブルの例を示す図である。不揮発性メモリ12のアドレス管理テーブル領域127に格納される有効データ管理テーブルは、第2のデータ記録領域126に格納された有効なデータ(即ち、アクセス装置2が所定の論理アドレスに対して最後に書き込んだデータ)を管理するためのテーブルである。図5及び図6に示す例では、説明を明確化且つ簡素化するために、第2のデータ記録領域126に割り当てられた仮想的な論理ブロックの1つに対して、アクセス装置2の論理アドレス空間における1ページ分(例えば、8kB)のデータを格納できるものとしている。
【0053】
図6に示す有効データ管理テーブルでは、仮想的な論理ブロックのアドレス(図5における論理ブロックアドレス)と、該論理ブロックに格納されているアクセス装置2の1ページ分のデータの論理アドレス(論理ブロックアドレス、論理ページアドレス)と、該データが格納されている物理アドレス(物理ブロックアドレス、物理ページアドレス)と、該データのコピーデータ(二重化した、もう一方のデータ)が格納されている物理アドレス(物理ブロックアドレス、物理ページアドレス)とが、組として管理されている。
【0054】
ここで、或る論理ブロックに有効なデータが格納されていない場合には、アドレス管理部112は、データの論理アドレスに無効値を設定し、該論理ブロックに有効なデータが格納されていないことを判断できるようにする。なお、アドレス管理部112は、有効データ管理テーブルにおいてデータの論理アドレスに無効値を設定する場合、例えば、論理ブロックの値を“0xFFFF”に設定し、論理ページの値を“0xFFF”に設定する。
【0055】
従って、アドレス管理部112は、有効データ管理テーブルを参照することにより、所定の論理アドレスに対する有効なデータが第2のデータ記録領域126に格納されているか否かを判断することができる。さらに、有効なデータが第2のデータ記録領域126に格納されている場合は、第2のデータ記録領域126における物理位置(アドレス)を特定することができる。
【0056】
1.2.誤り訂正符号の配置
次に、メモリコントローラ11が不揮発性メモリ12にデータを格納する際の、第1及び第2の誤り訂正符号の配置について図7から図10を用いて説明する。
【0057】
図7は、本実施の形態に係る、データを格納したページ(以下、データページと称する。)の構成の一例を示す図である。データページには、ページ内にデータと該データに対する第1の誤り訂正符号を配置する。なお図7では、第1の誤り訂正符号を「ECC」と記載している。
【0058】
図7に示すように、ページ内に格納するデータに対して、分割して第1の誤り訂正符号を付与する場合には、分割されたデータと該データに対する第1の誤り訂正符号とを組として、データ及び第1の誤り訂正符号を交互に配置する。
【0059】
不揮発性メモリ12からのデータの読み出し時には、常にデータと共に該データに対する第1の誤り訂正符号を読み出すので、同一ページに連続的に配置されることによって、読み出し時の制御信号(例えば、アドレス指定等)のオーバーヘッドを少なくできる。
【0060】
図8は、本実施の形態に係る、一つ以上のデータページに第2の誤り訂正符号を付与したものの例を示す図である。本実施の形態では、第2の誤り訂正符号としてパリティを用いるものとし、第2の誤り訂正符号を格納したページをパリティページと称するものとする。以下、一つ以上のデータページと、それらデータページに対するパリティページとの組み合わせを「パリティグループ」と称する。
【0061】
なお、第2の誤り訂正符号としてパリティ以外(例えば、リード・ソロモン符号)の誤り訂正符号を用いてもよい。この場合、パリティグループをより一般的に誤り訂正グループと称してもよい。
【0062】
図8に示す例では、4つのデータページに対して、1つのパリティページが付与されて一つのパリティグループが構成されている。パリティページには、例えば、各データページに格納されているデータのXOR(排他的論理和)の値を格納する。さらに、このXORの値に対する第1の誤り訂正符号を格納する。
【0063】
なお、図8に示す例では、データページとパリティページの比率が4対1とされているが、その他の任意の比率が適用されてもよい。データページの比率が多い程、不揮発性メモリ12に格納できるデータの容量は増加する。パリティページの比率が多い程、データページに対する誤り訂正能力は増大する。
【0064】
図9は、本実施の形態に係る、パリティグループの配置の一例を示す図である。図9に示す配置は、パリティ(第2の誤り訂正符号)を格納する領域である、第1のデータ記録領域125やシステム情報領域129に適用される。
【0065】
図9において、D0、D1、・・・、D15はデータページを表しており、P0−3はデータページD0〜D3に対するパリティページ、P4−7はデータページD4〜D7に対するパリティページ、P8−11はデータページD8〜D11に対するパリティページ、P12−15はデータページD12〜D15に対するパリティページを表している。
【0066】
また、各パリティグループは、5つの物理ブロック121a、121b、121c、121d、121eに跨って配置されている。そのため、各パリティグループへのデータの読み出し、書き込みは、異なる物理ブロックへの並列アクセスとなり、高速に行うことができる。同様に、連続するパリティグループの読み出し、書き込みも高速に行うことができる。
【0067】
なお、パリティグループが論理ブロックを跨がないように、パリティグループを構成して配置することにより、アドレス管理部112におけるアドレス管理処理を簡素化することもできる。パリティグループの配置を示す図9の例において、5つの物理ブロック121a、121b、121c、121d、121eを一つの論理ブロックとして管理することにより、アドレス管理部112における管理が簡素化され得る。
【0068】
図10は、本実施の形態における、二重化グループの配置の一例を示す図である。二重化グループとは、二重化(ミラーリング)されたデータページで構成されるグループであり、データページとそのコピーとの2ページで構成される。図10に示す配置は、二重化を適用する領域である、第2のデータ記録領域126やシステム情報領域129に適用される。
【0069】
図10において、T0、T1、・・・、T9はデータページを表しており、T’0、T’1、・・・、T’9はデータページT0、T1、・・・、T9に対するコピーを表している。
【0070】
また、各二重化グループは、5つのブロック121f、121g、121h、121i、121jのうち、いずれか2つに跨って配置されている。そのため、各二重化グループの読み出し、書き込みは、異なる物理ブロックへの並列アクセスとなり、高速に行うことができる。同様に、連続する二重化グループの読み出し、書き込みも高速に行うことができる。
【0071】
なお、二重化グループが論理ブロックを跨がないように、二重化グループを構成して配置してもよい。これにより、アドレス管理部112におけるアドレス管理処理を簡素化することができる。
【0072】
前述のように、第1のデータ記録領域125には、不揮発性記憶装置1がアクセス装置2に対して提供する読み書き可能な論理アドレス空間の全データを格納できるだけの物理的な容量以上が割り当てられる。一方、第2のデータ記録領域126には、不揮発性記憶装置1がアクセス装置2に対して提供する読み書き可能な論理アドレス空間の一部のデータを格納できるだけの物理的な容量が、割り当てられる。例えば、読み書き可能な論理アドレス空間の数パーセント程度の容量が割り当てられる。従って、第2のデータ記録領域126に配置される論理ブロックで構成される論理アドレス空間のサイズは、第1のデータ記録領域125に配置される論理ブロックで構成される論理アドレス空間のサイズよりも小さい。
【0073】
また、論理ブロックサイズ(論理ブロック数)を、図9で示したパリティグループを配置する論理ブロックと同一の論理ブロックサイズ(論理ブロック数)にすることにより、アドレス管理部112におけるアドレス管理処理をさらに簡素化することができる。二重化グループの配置を示す図10の例において、5つのブロック121f、121g、121h、121i、121jを一つの論理ブロックとして管理することにより、アドレス管理部112における管理が簡素化される。
【0074】
1.3.不揮発性記憶システムの動作
次に、不揮発性記憶システム1000の動作について図11から図13を用いて説明する。
【0075】
不揮発性記憶装置1は、アクセス装置2に装着され、アクセス装置2が発行するコマンドに応じた処理を実施する。アクセス装置2は、静止画データや動画データなどの記録や再生を行うために、必要なコマンド(例えば、書き込みコマンドや読み出しコマンド)を不揮発性記憶装置1に発行し、データの送受信を行う。
【0076】
1.3.1.書き込み処理
アクセス装置2が不揮発性記憶装置1に書き込みコマンドを発行し、書き込みデータを転送することにより、不揮発性記憶装置1では書き込み処理が行われる。図11は、本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置1の書き込み処理の手順を示すフローチャートである。
【0077】
まず、ステップS101における処理を説明する。不揮発性記憶装置1において、コマンド処理部111は、アクセス装置IF部104を介してアクセス装置2から書き込みコマンドを受信すると、書き込みコマンドに付随する書き込みアドレス、サイズなどの条件を取得する。コマンド処理部111は、この条件から、受信するデータをパリティグループとして第1のデータ記録領域125に書き込むか、二重化グループとして第2のデータ記録領域126に書き込むか、を判定する。本実施の形態においては、書き込みデータのサイズがページサイズ以上である場合に、前者の書き込みを行い、書き込みデータのサイズがページサイズ未満である場合に、後者の書き込みを行うと判定するものとする。そして、書き込みを行うパリティグループまたは二重化グループの論理アドレスを特定し、これらの情報をアドレス管理部112に通知する。
【0078】
アドレス管理部112は、コマンド処理部111から取得した情報、論理アドレスと物理アドレスの変換テーブルの情報、フリーブロックのアドレス情報、及び、ブロックへの書き込み状態(即ち、どのブロックに、何ページ目まで、どんな論理アドレスのデータを書き込んだか、に関する状態)を管理するテーブルの情報を参照し、不揮発性メモリ12における物理的な書き込み先を決定する。
【0079】
次に、ステップS102における処理を説明する。ステップS101の処理において、コマンド処理部111が、パリティグループとしての書き込みを選択した場合には、ステップS103の処理に進む。ここで、コマンド処理部111がパリティグループとしての書き込みを選択した場合とは、書き込みデータのサイズがページサイズ以上である場合である。一方、コマンド処理部111が、二重化グループとしての書き込みを選択した場合には、ステップS109の処理に進む。ここで、コマンド処理部111が二重化グループとしての書き込みを選択した場合とは、書き込みデータのサイズがページサイズ未満である場合である。
【0080】
次に、ステップS103における処理を説明する。コマンド処理部111は、符号処理部113にパリティグループ書き込みのための準備を指示する。符号処理部113は、バッファ105上に第2の誤り訂正符号の演算のための領域を確保し、該領域の値を初期値に設定する。
【0081】
次に、ステップS104における処理を説明する。コマンド処理部111は、アクセス装置2からの書き込みデータを、アクセス装置IF部104を介してバッファ105に格納する。符号処理部113は、該書き込みデータに対する第1の誤り訂正符号を生成する。そして、バッファ105上に該書き込みデータ及びその第1の誤り訂正符号からなるデータページの情報を生成する。データページの情報の生成にあたり、アクセス装置2から受信した書き込みデータでは不足する場合(例えば、アクセス装置2がパリティグループやデータページの途中のアドレスから書き込みを指示した場合)には、アドレス管理部112を参照して、不揮発性記憶装置1の既存のデータを読み出し、これに対する第1の誤り訂正符号を生成する。そして、既存のデータとこれに対する第1の誤り訂正符号によって、データページの情報の不足分を補う。
【0082】
次に、ステップS105における処理を説明する。符号処理部113は、ステップS103で確保した第2の誤り訂正符号の演算のための領域に設定された値と、ステップS104で生成したデータページの情報を参照して、第2の誤り訂正符号の演算(例えば、XOR(排他的論理和)演算)を行い、その結果を、ステップS103で確保した第2の誤り訂正符号の演算のための領域に書き戻す。
【0083】
次に、ステップS106における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、ステップS105で生成したデータページの情報を、不揮発性メモリIF部106を介して、ステップS101で決定した物理的な書き込み先に書き込む。
【0084】
次に、ステップS107における処理を説明する。直前のステップS106で書き込んだデータページがパリティグループの終端であった場合には、ステップS108の処理に進む。そうでない場合はステップS104の処理に戻り、パリティグループ内の次のデータページの処理を行う。
【0085】
次に、ステップS108における処理を説明する。符号処理部113は、ステップS105で生成した第2の誤り訂正符号の演算結果をパリティとし、該パリティに対する第1の誤り訂正符号を生成する。不揮発性メモリ制御部114は、前記パリティ及びその第1の誤り訂正符号をパリティページとして、不揮発性メモリIF部106を介して、ステップS101で決定した物理的な書き込み先に書き込む。その後、ステップS112の処理に進む。
【0086】
次に、ステップS109における処理を説明する。ステップS109の処理はステップS104と同じであり、バッファ105上にデータページの情報を生成する。
【0087】
次に、ステップS110における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、ステップS109で生成したデータページの情報を、不揮発性メモリIF部106を介して、ステップS101で決定した物理的な書き込み先に書き込む。
【0088】
次に、ステップS111における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、ステップS109で生成したデータページの情報を、不揮発性メモリIF部106を介して、ステップS101で決定した物理的な書き込み先に書き込む。従って、ステップS110とステップS111で同じデータページを二重化して書き込むことになる。その後、ステップS112の処理に進む。
【0089】
次に、ステップS112における処理を説明する。アドレス管理部112は、ステップS103からステップS108までのパリティグループの書き込みの結果、または、ステップS109からステップS111までの二重化グループ書き込みの結果を、論理物理変換テーブルや有効データ管理テーブルなどの各種のテーブル情報に反映させる。つまり、二重化グループの書き込みを行った場合には、有効データ管理テーブルの情報が更新される。パリティグループの書き込みを行った場合は、その書き込みが、有効データ管理テーブルに登録されていた論理アドレスに対して行われたのであれば、有効データ管理テーブルにおける該論理アドレスの登録を無効にする更新が行われる。不揮発性メモリ制御部114は、(例えば、論理ブロック境界まで書き込みが行われたこと等の)所定の条件の合致が発生した場合、合致した条件を取り込んで更新されたテーブル情報を、不揮発性メモリIF部106を介して、アドレス管理テーブル領域127に書き込む。
【0090】
次に、ステップS113における処理を説明する。アクセス装置2からの書き込みデータを全て書き込んだ場合には、書き込み処理を終了する。そうでない場合は、ステップS101の処理に戻り、アクセス装置2からの書き込みデータのうち、書き込みが済んでいないものの書き込みを継続する。
【0091】
以上のように、アクセス装置2における、ページサイズ未満の書き込み処理において、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置1では、1ページ分のデータページと1ページ分のコピー(データページ)の合計2ページの書き込みが行われている。このような書き込みにおけるページ数(2ページ)は、パリティグループ全体を更新するために必要な書き込みページ数(5ページ)よりも少ないため、書き込みが効率的に行われることとなる。
【0092】
アクセス装置2が不揮発性記憶装置1における論理空間をFATなどのファイルシステムによって管理する場合、ファイルエントリやFATの情報を1セクタ(例えば、512B)程度の非常に小さいサイズで頻繁に更新することがある。本実施の形態に係る不揮発性記憶装置1における書き込み処理は、このような場合に特に効果的である。
【0093】
なお、第2のデータ記録領域126の物理的な容量は制限されているため、アクセス装置2が指定する論理アドレス空間のうち一部の論理アドレスのデータしか格納することができない。従って、書き込み処理において第2のデータ記録領域126が不足する場合には、第2のデータ記録領域126に格納済みのデータを第1のデータ記録領域125に移動させて、第2のデータ記録領域126の空きを増やす処理が必要となる。できるだけこのような移動処理を発生させないために、アクセス装置2の書き込みパターン(アドレス、サイズの組合せ)に応じて第2のデータ記録領域126の物理的容量を決定することが望ましい。
【0094】
1.3.2.読み出し処理
アクセス装置2が不揮発性記憶装置1に読み出しコマンドを発行することにより、不揮発性記憶装置1では読み出し処理が行われる。読み出しデータは、順次、不揮発性記憶装置1からアクセス装置2に転送される。図12は、本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置1の読み出し処理の手順を示すフローチャートである。
【0095】
まず、ステップS201における処理を説明する。不揮発性記憶装置1において、コマンド処理部111は、アクセス装置IF部104を介してアクセス装置2から読み出しコマンドを受信すると、読み出しコマンドに付随する読み出しアドレス、サイズなどの条件を取得する。コマンド処理部111は、この条件から、読み出しを行うパリティグループ若しくは二重化グループの論理アドレスを特定し、これらの情報をアドレス管理部112に通知する。アドレス管理部112は、コマンド処理部111から取得した情報、論理アドレスと物理アドレスの変換テーブルの情報、フリーブロックのアドレス情報、及び、ブロックへの書き込み状態(即ち、どのブロックに、何ページ目まで、どんな論理アドレスのデータを書き込んだか、に関する状態)を管理するテーブルの情報を参照し、不揮発性メモリ12における物理的な読み出し先を決定する。
【0096】
特に、アドレス管理部112は、有効データ管理テーブルを参照して、読み出し先が第1のデータ記録領域125のパリティグループであるのか、第2のデータ記録領域126の二重化グループであるのか、を判定する。有効データ管理テーブルに読み出し対象の論理アドレスの登録があれば、読み出し先は第2のデータ記録領域126の二重化グループとなる。
【0097】
次に、ステップS202における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、不揮発性メモリIF部106を介して、ステップS201で決定した物理的な読み出し先からデータページの情報の読み出しを行う。読み出したデータページの情報(即ち、データ及び該データに対する第1の誤り訂正符号)はバッファ105に格納する。
【0098】
次に、ステップS203における処理を説明する。符号処理部113は、ステップS202でバッファ105上に格納した第1の誤り訂正符号を用いてデータのエラー検出及び訂正を行う。第1の誤り訂正符号に基づく訂正能力では訂正できないエラーを検出した場合には、ステップS204の処理に進む。そうでない場合は、第1の誤り訂正符号を用いてエラー訂正を行い、バッファ105上のデータに対してエラー訂正後の情報を上書きし、ステップS208の処理に進む。
【0099】
なお、ステップS202で読み出したデータページの情報が、アクセス装置2が指定した読み出しアドレス以外の情報も含む場合(例えば、アクセス装置2がデータページの途中のアドレスから読み出しを指示した場合)には、読み出しアドレス以外の部分に対する第1の誤り訂正符号の演算は省略してもよい。
【0100】
次に、ステップS204における処理を説明する。ステップS201の処理において、アドレス管理部112が決定した読み出し先の情報に基づき、ステップS203で読み出しエラーが発生したデータページがパリティグループに属するのか二重化グループに属するのかを判定する。パリティグループである場合にはステップS205の処理に進む。二重化グループである場合にはステップS207の処理に進む。
【0101】
次に、ステップS205における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、不揮発性メモリIF部106を介して、ステップS201で決定した物理的な読み出し先から、ステップS202で読み出しを行ったデータページが属するパリティグループの情報の読み出しを行う。読み出したパリティグループの情報(即ち、ステップS202で読み出しを行ったデータページ以外のデータページ、及び、パリティページ)には第1の誤り訂正符号が付与されているので、符号処理部113は、第1の誤り訂正符号を用いてデータのエラー訂正を行ったのち、データ及びパリティをバッファ105に格納する。
【0102】
次に、ステップS206における処理を説明する。符号処理部113は、ステップS205でバッファ上に格納したデータページ及びパリティページ(第2の誤り訂正符号)の情報を用いてデータのエラー検出及び訂正を行う。第2の誤り訂正符号に基づく訂正能力では訂正できないエラーを検出した場合には、(図示しない)エラー処理を行い、読み出し処理を終了する。そうでない場合は、第2の誤り訂正符号を用いてエラー訂正を行い、バッファ105上のデータに対してエラー訂正後の情報を上書きし、ステップS208の処理に進む。
【0103】
例えば、第2の誤り訂正符号の演算としてXOR(排他的論理和)演算を適用していた場合には、ステップS202で読み出しを行ったデータページ以外のデータページのデータ、及び、パリティページのパリティのXOR演算を行う。これにより、ステップS202で読み出しを行ったデータページのデータを復元できる。
【0104】
次に、ステップS207における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、不揮発性メモリIF部106を介して、ステップS201で決定した物理的な読み出し先から、ステップS202にて読み出しを行ったデータページが属する二重化グループの情報(即ち、もう一方のデータページの情報)の読み出しを行う。読み出したデータページの情報(即ち、データ及び該データに対する第1の誤り訂正符号)はバッファ105に格納される。符号処理部113は、バッファ105上に格納した第1の誤り訂正符号を用いてデータのエラー検出及び訂正を行う。第1の誤り訂正符号に基づく訂正能力では訂正できないエラーを検出した場合には、(図示しない)エラー処理を行い、読み出し処理を終了する。そうでない場合は、第1の誤り訂正符号を用いてエラー訂正を行い、バッファ105上のデータに対してエラー訂正後の情報を上書きし、ステップS208の処理に進む。
【0105】
次に、ステップS208における処理を説明する。コマンド処理部111は、バッファ105に格納された(誤り訂正処理後の)データを読み出しデータとしてアクセス装置2に送信する。
【0106】
次に、ステップS209における処理を説明する。アクセス装置2が指定した読み出しデータを全て送信した場合には、読み出し処理を終了する。そうでない場合は、ステップS201の処理に戻り、アクセス装置2への読み出しデータのうち、未送信のものの読み出しを継続する。
【0107】
なお、ステップS202、及び、ステップS205における不揮発性メモリ12からの読み出しは、読み出し先がパリティグループであるならば、複数ブロックの並列処理により高速に行うことが望ましい。この場合、データページやパリティページの読み出しを開始した直後に、次のステップの処理に進むことができる。
【0108】
1.3.3.初期化処理
アクセス装置2に不揮発性記憶装置1が装着され、アクセス装置2から不揮発性記憶装置1への電源供給が開始された後、アクセス装置2が不揮発性記憶装置1に初期化コマンドを発行することにより、アクセス装置2から不揮発性記憶装置1へのデータの読み書きが可能となる。図13は、本発明の実施の形態1に係る不揮発性記憶装置1の初期化処理の手順を示すフローチャートである。
【0109】
まず、ステップS301における処理を説明する。不揮発性記憶装置1において、コマンド処理部111は、アクセス装置IF部104を介してアクセス装置2からの初期化コマンドを受信すると、メモリコントローラ11のハードウェアの初期設定を行う。また、不揮発性メモリIF部106に接続されている不揮発性メモリ12の接続確認などを行う。
【0110】
次に、ステップS302における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、不揮発性メモリIF部106を介して、不揮発性メモリ12の所定の読み出し先から、第1のシステム情報を読み出す。第1のシステム情報は、不揮発性記憶装置1の製造時に予め不揮発性メモリ12に書き込まれている情報であり、不揮発性記憶装置1における各種の制御情報である。第1のシステム情報として、例えば、メモリコントローラ11に接続されている不揮発性メモリ12の種類、数、パリティグループの構成情報、二重化グループの構成情報、第1及び第2の誤り訂正符号の種類や訂正能力、(後で説明する)第2のシステム情報の物理的な格納位置に関する情報、初期の不良ブロックのアドレスに関する情報、などがある。第1のシステム情報の読み出しにおいてエラーが発生した場合には、第1及び/または第2の誤り訂正符号によるエラー訂正を行う。
【0111】
アドレス管理部112、符号処理部113、及び不揮発性メモリ制御部114は、読み出した第1のシステム情報の内容に応じて、内部的な初期化処理を行う。
【0112】
次に、ステップS303における処理を説明する。不揮発性メモリ制御部114は、不揮発性メモリIF部106を介して、(例えば、第1のシステム情報において指定されている)不揮発性メモリ12の所定の読み出し先から、第2のシステム情報を読み出す。第2のシステム情報は、不揮発性記憶装置1の製造時に予め不揮発性メモリ12に書き込まれた後、不揮発性記憶装置1が使用されることにより更新される情報であり、不揮発性記憶装置1における各種の制御情報である。第2のシステム情報として、例えば、論理アドレスと物理アドレスの変換テーブルに関する情報、有効データ管理テーブルに関する情報、後発性の不良ブロックのアドレスに関する情報、ブロックの書き込み回数や消去回数に関する情報、フリーブロックのアドレスに関する情報、及び、パリティテーブルに関する情報、などがある。第2のシステム情報の読み出しにおいてエラーが発生した場合には、第1及び/または第2の誤り訂正符号によるエラー訂正を行う。
【0113】
次に、ステップS304における処理を説明する。アドレス管理部112は、読み出した第2のシステム情報の内容に応じて、アドレス管理に必要となるテーブル情報をRAM102上に生成する。
【0114】
次に、ステップS305における処理を説明する。ステップS302、及び、ステップS303において、不揮発性メモリ12からの読み出しで所定の量を超える(第1または第2の誤り訂正符号で訂正可能な)エラーが発生した場合には、ステップS306の処理に進む。そうでなければ、ステップS307の処理に進む。
【0115】
次に、ステップS306における処理を説明する。ステップS302、及び、ステップS303での不揮発性メモリ12からの読み出しで所定の量を超えるエラーが発生した箇所のデータに対して、符号処理部113は、第1及び第2の誤り訂正符号を生成する。そして、不揮発性メモリ制御部114は、データと、生成した第1及び第2の誤り訂正符号とを、新たな第1または第2のシステム情報として不揮発性メモリ12に書き戻す。
【0116】
次に、ステップS307における処理を説明する。コマンド処理部111は、アクセス装置IF部104を介して、アクセス装置2に不揮発性記憶装置1の初期化処理が完了したことを通知して初期化処理を終了する。
【0117】
1.4.まとめ
本実施の形態の不揮発性記憶装置1は、アクセス装置2と通信可能であり、アクセス装置2からの指示によりデータの読み出し及び/又は書き込みを行う不揮発性記憶装置である。不揮発性記憶装置1は、データを記憶する一つ以上の不揮発性メモリ12と、不揮発性メモリ12の制御を行うメモリコントローラ11とを備える。不揮発性メモリ12は、消去単位であるブロック121を複数含み、ブロック121はデータの書き込み単位であるページ122を複数含む。
【0118】
メモリコントローラ11は、複数のブロック121を組み合わせて第1のデータ記録領域125に第1の論理ブロックを配置する。更にメモリコントローラ11は、複数の前記ブロックを組み合わせて第2のデータ記録領域126に第2の論理ブロックを配置する。メモリコントローラ11は、第1の論理ブロックには複数のページ122から構成されるパリティグループを複数割り当て、そのパリティグループにはデータとデータに対する第1及び第2の誤り訂正符号とを夫々割り当てる。また、メモリコントローラ11は、第2の論理ブロックには複数のページ122から構成される多重化グループを複数割り当て、その多重化グループにはデータとデータに対する第1の誤り訂正符号とを夫々多重化して割り当てる。更に、メモリコントローラ11は、データを書き込むときに、データサイズが所定のサイズ未満である場合は、データを第2の論理ブロックに書き込み、データサイズが所定のサイズ以上である場合は、データを第1の論理ブロックに書き込み、同一論理アドレスに対して、第1の論理ブロックと第2の論理ブロックとのいずれの論理ブロックに有効なデータが格納されているかを管理するための有効データ管理テーブルを備えている。
【0119】
以上のように、不揮発性記憶装置1では、データと同一ページに格納する第1の誤り訂正符号とは別に、第2の誤り訂正符号をも格納する。データの書き込み時にはデータに第1及び第2の誤り訂正符号を付与して書き込む。データの読み出し時にはデータに付与された第1及び/または第2の誤り訂正符号を用いてエラー訂正を行う。
【0120】
この結果、本実施の形態では、データページの読み出しにおいて、該データページに付与した第1の誤り訂正符号の訂正能力を超えるエラーが発生した場合であっても、パリティグループを構成する他のデータページ及びパリティページを読み出し、パリティページ(第2の誤り訂正符号)を用いてデータページの情報を復元することが可能となる。
【0121】
さらに、アクセス装置2が所定のサイズよりも小さいサイズで不揮発性記憶装置1に書き込みを行う場合には、二重化グループを構成し、ページデータと該ページデータのコピーを、不揮発性メモリ12の第2のデータ記録領域126に書き込む。第2のデータ記憶記録領域126に対応する論理アドレス空間のサイズは、所定のサイズよりも大きいサイズのデータが書き込まれる(不揮発性メモリ12の)第1のデータ記録領域125に対応する論理アドレス空間のサイズよりも、小さく設定されている。この結果、所定のサイズよりも小さいサイズのデータ書き込み時における、不揮発性メモリ12への書き込みページ数を減らすことができ、効率的な書き込みを実現できる。
【0122】
上述の実施の形態で記載されている値は一例に過ぎず、他の値が用いられてもよい。例えば、パリティグループを構成するデータページ及びパリティページにおける、夫々のページ数の値は全て一例に過ぎず、上述の実施の形態で記載されている値に限定されるものではない。
【0123】
また、二重化グループに対しては、二重化ではなく、三重化、四重化等の任意の多重化を適用してもよい。この場合、二重化グループは、より一般的に、多重化グループと称してもよい。
【0124】
[他の実施の形態]
なお、本発明について、上述の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、勿論、上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で実施の形態を変更することができる。また、以下のように変更することも可能である。
【0125】
[1] 上述の実施の形態における、アクセス装置2、不揮発性記憶装置1、メモリコントローラ11、及び不揮発性記憶システム1000において、各機能ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。
【0126】
なお、上記では、LSIを例として取り上げたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどの半導体装置によりチップ化されてもよい。
【0127】
また、集積回路化の手法は、LSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで集積回路が実現されてもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
【0128】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
【0129】
[2] 上述の実施の形態における各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェア及びハードウェアの混在処理により実現してもよい。なお、上述の実施の形態に係るアクセス装置2、不揮発性記憶装置1、及び不揮発性記憶システム1000をハードウェアにより実現する場合、各処理を行うためのタイミング調整を行う必要があるのは言うまでもない。上述の実施の形態においては、説明の便宜上、実際のハードウェア設計で生じる各種信号のタイミング調整の詳細については省略している。
【0130】
また、上述の実施の形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上述の実施の形態の記載内容に制限されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。
【0131】
[3] 上述の実施の形態における不揮発性記憶装置1は、半導体メモリカードのような着脱可能な記憶装置として説明したが、アクセス装置2の基板に組み込みできる形式の情報記憶モジュールとして実現してもよい。
【0132】
[4] 上述の実施の形態における不揮発性記憶装置1は、第1のデータ記録領域125の特定の領域(例えば、アクセス装置2がFATなどのファイルシステムの管理情報を格納する領域)や、第2のデータ記録領域126(主にファイルエントリの情報が格納される領域)における書き込み速度を向上させるために、これらの領域に対するデータ及び第1及び第2の誤り訂正符号の配置を次のようにしてもよい。
【0133】
すなわち、不揮発性メモリとしてマルチレベルセル(例えば、セルあたり4値の情報を格納するセル)のフラッシュメモリを使用する構成において、第1のデータ記録領域125の特定の領域や、第2のデータ記録領域126では、セルあたりの情報を他の領域よりも減らす(例えば、セルあたり2値の情報を格納する)ように配置してもよい。これにより、第1のデータ記録領域125の特定の領域や第2のデータ記録領域126に物理的に高速にアクセスすることが可能となり、頻繁にアクセスするファイルシステムの管理情報を効率的に読み書きすることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明に係る不揮発性記憶装置、及びメモリコントローラは、第1及び第2の誤り訂正を付与することで格納データの信頼性を向上させつつ、小さいサイズのデータ書き込みを効率的に行うことができる。これは、半導体メモリカードはいうまでもなく、不揮発性メモリを内蔵する情報処理端末である、ムービー、デジタルスチルカメラ、携帯電話端末等に有用であり、半導体メモリ関連分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0135】
1000 不揮発性記憶システム
1 不揮発性記憶装置
2 アクセス装置
11 メモリコントローラ
12 不揮発性メモリ
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 アクセス装置IF部
105 バッファ
106 不揮発性メモリIF部
111 コマンド処理部
112 アドレス管理部
113 符号処理部
114 不揮発性メモリ制御部
121 ブロック
122 ページ
125 第1のデータ記録領域
126 第2のデータ記録領域
127 アドレス管理テーブル領域
128 ワーク領域
129 システム情報領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス装置と通信可能であり、前記アクセス装置からの指示によりデータの読み出し及び/又は書き込みを行う不揮発性記憶装置であって、
データを記憶する一つ以上の不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリの制御を行うメモリコントローラとを備え、
前記不揮発性メモリは、
消去単位であるブロックを複数含み、
前記ブロックはデータの書き込み単位であるページを複数含み、
前記メモリコントローラは、
複数の前記ブロックを組み合わせて一の領域に第1の論理ブロックを配置し、及び、複数の前記ブロックを組み合わせて別の領域に第2の論理ブロックを配置し、
前記第1の論理ブロックには複数の前記ページから構成される誤り訂正グループを複数割り当て、
前記誤り訂正グループにはデータと、前記データに対する第1及び第2の誤り訂正符号とを割り当て、
前記第2の論理ブロックには複数の前記ページから構成される多重化グループを複数割り当て、
前記多重化グループにはデータと前記データに対する第1の誤り訂正符号とを、それぞれ多重化して割り当て、
データを書き込むときに、データサイズが所定のサイズ未満である場合は、データを第2の論理ブロックに書き込み、データサイズが所定のサイズ以上である場合は、データを第1の論理ブロックに書き込み、
同一論理アドレスに対して、第1の論理ブロックと第2の論理ブロックとのいずれの論理ブロックに有効なデータが格納されているかを管理するための有効データ管理テーブルを備えていること、
を特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項2】
請求項1に記載の不揮発性記憶装置であって、
前記第2の論理ブロックで構成される論理アドレス空間のサイズは、前記第1の論理ブロックで構成される論理アドレス空間のサイズより小さいこと、
を特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項3】
請求項1に記載の不揮発性記憶装置であって、
1つの前記第1の論理ブロックを構成するブロック数と、1つの前記第2の論理ブロックを構成するブロック数とが、同一であること、
を特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項4】
請求項1に記載の不揮発性記憶装置であって、
前記不揮発性メモリはセル毎に2値を超える情報を格納可能なフラッシュメモリであって、
少なくとも前記第2の論理ブロックを構成するブロックへの書き込みは、セル毎に2値までの情報しか格納しないこと、
を特徴とする不揮発性記憶装置。
【請求項5】
データを記憶する一つ以上の不揮発性メモリの制御を行うメモリコントローラであって、
前記不揮発性メモリは、
消去単位であるブロックを複数含み、
前記ブロックはデータの書き込み単位であるページを複数含み、
前記メモリコントローラは、
複数の前記ブロックを組み合わせて一の領域に第1の論理ブロックを配置し、及び、複数の前記ブロックを組み合わせて別の領域に第2の論理ブロックを配置し、
第1の論理ブロックには複数の前記ページから構成される誤り訂正グループを複数割り当て、
前記誤り訂正グループにはデータと、前記データに対する第1及び第2の誤り訂正符号とを割り当て、
第2の論理ブロックには複数の前記ページから構成される多重化グループを複数割り当て、
前記多重化グループにはデータと前記データに対する第1の誤り訂正符号とを、それぞれ多重化して割り当て、
データを書き込むときに、データサイズが所定のサイズ未満である場合は、データを第2の論理ブロックに書き込み、データサイズが所定のサイズ以上である場合は、データを第1の論理ブロックに書き込み、
同一論理アドレスに対して、第1の論理ブロックと第2の論理ブロックとのいずれの論理ブロックに有効なデータが格納されているかを管理するための有効データ管理テーブルを備えていること、
を特徴とするメモリコントローラ。
【請求項6】
請求項5に記載のメモリコントローラであって、
前記第2の論理ブロックで構成される論理アドレス空間のサイズは、前記第1の論理ブロックで構成される論理アドレス空間のサイズより小さいこと、
を特徴とするメモリコントローラ。
【請求項7】
請求項5に記載のメモリコントローラであって、
1つの前記第1の論理ブロックを構成するブロック数と、1つの前記第2の論理ブロックを構成するブロック数とが、同一であること、
を特徴とするメモリコントローラ。
【請求項8】
請求項5に記載のメモリコントローラであって、
前記不揮発性メモリはセル毎に2値を超える情報を格納可能なフラッシュメモリであって、
少なくとも前記第2の論理ブロックを構成するブロックへの書き込みは、セル毎に2値までの情報しか格納しないこと、
を特徴とするメモリコントローラ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate