説明

メモリモジュール

【課題】メモリバッファを用いることなく、各チャネルにかかる負荷が低減されたメモリモジュールを提供する。
【解決手段】モジュール基板180と、モジュール基板180に搭載されたメモリチップMC101〜MC172と、メモリチップMC101〜MC172にそれぞれ個別に接続され、リードデータ又はライトデータが伝送されるデータ入出力配線DQL1〜DQL72とを備える。メモリチップMC101〜MC172の数は、データ入出力配線DQL1〜DQL72を介して同時に伝送されるリードデータ又はライトデータのビット数と等しい。このように、複数のデータ入出力配線がそれぞれ個別のメモリチップに接続されていることから、メモリバッファを用いることなく、各チャネルにかかる負荷を低減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール基板に多数のメモリチップが搭載されてなるメモリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)に代表されるメモリチップは、通常、モジュール基板に搭載された状態のメモリモジュールとして使用される。近年、メモリモジュールに要求される記憶容量はますます増大しており、かかる要求を満たすため、1つのメモリモジュールに搭載されるメモリチップの数も増大している。
【0003】
図7は、一般的なメモリモジュールの構成を示す模式図である。
【0004】
図7に示すメモリモジュールは、それぞれデータ入出力端子DQを4個有するメモリチップ(×4品のメモリチップ)がモジュール基板80に72個搭載されており、データ入出力配線DQL(チャネル)を72本有している。つまり、72ビットのリードデータ又はライトデータを同時に入出力することができる。
【0005】
メモリチップMC〜MC72は、それぞれ対応するチップセレクト信号CS0〜CS3によって選択される。具体的には、チップセレクト信号CS0〜CS3のそれぞれに18個のメモリチップが割り当てられており、チップセレクト信号CS0〜CS3のいずれかが活性化すると18個のメモリチップが同時に選択される。上述の通り、各メモリチップは4個のデータ入出力端子を有していることから、72ビット(18チップ×4I/O)のデータを同時に入出力することができる。
【0006】
また、異なるチップセレクト信号によって選択される4個のメモリチップ(例えばメモリチップMC,MC19,MC37,MC55)は、そのデータ入出力端子DQが同じデータ入出力配線DQLに共通接続されている。このように、従来のメモリモジュールでは、一つのデータ入出力配線DQLに複数のメモリチップが共通接続されていることから、メモリコントローラ90から見たデータ入出力配線DQLの負荷が大きく、これが高速なデータ転送の妨げとなっていた。
【0007】
このため、高いデータ転送レートが要求される場合には、Fully Buffered型と呼ばれるタイプのメモリモジュールが用いられる(特許文献1参照)。Fully Buffered型のメモリモジュールでは、複数のメモリモジュールがカスケード接続されることから、使用するメモリモジュールの数が増えてもチャネルにかかる負荷が増大しないという利点を有している。
【0008】
Fully Buffered型のメモリモジュールにおいては、複数のメモリチップの他にAMB(Advanced Memory Buffer)と呼ばれるメモリバッファがモジュール基板に搭載される。メモリバッファは、メモリコントローラ90より供給されるアドレス、データ及びコマンドをバッファリングし、当該メモリモジュール上のメモリチップに転送する役割を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−268683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、メモリモジュールにメモリバッファを搭載すると、その分コスト増を招くだけでなく、搭載可能なメモリチップのサイズが小さくなってしまう。したがって、メモリバッファを用いることなく、各チャネルにかかる負荷が低減されたメモリモジュールの開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面によるメモリモジュールは、モジュール基板と、前記モジュール基板に搭載され、それぞれデータ入出力端子を備える複数のメモリチップと、対応する前記データ入出力端子にそれぞれ個別に接続され、リードデータ又はライトデータが伝送される複数のデータ入出力配線とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の他の側面によるメモリモジュールは、モジュール基板と、前記モジュール基板に搭載された複数のメモリチップと、前記複数のメモリチップにそれぞれ個別に接続され、リードデータ又はライトデータが伝送される複数のデータ入出力配線と、前記複数のメモリチップに共通接続され、前記複数のメモリチップに対する前記リードデータ又はライトデータの入出力タイミングを示すデータストローブ信号が伝送されるデータストローブ配線とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数のデータ入出力配線がそれぞれ個別の入出力端子又は個別のメモリチップに接続されていることから、メモリバッファを用いることなく、各チャネルにかかる負荷を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好ましい第1の実施形態によるメモリモジュール100の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の好ましい第2の実施形態によるメモリモジュール200の構成を模式的に示す図である。
【図3】メモリチップMC201〜MC272の構成を説明するための模式図である。
【図4】本発明の好ましい第3の実施形態によるメモリモジュール300の構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を説明するためのブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施形態を説明するためのブロック図である。
【図7】一般的なメモリモジュールの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の好ましい第1の実施形態によるメモリモジュール100の構成を模式的に示す図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態によるメモリモジュール100は、モジュール基板180と、モジュール基板180に搭載された72個のメモリチップMC101〜MC172を備えている。各メモリチップMC101〜MC172は、データ入出力端子DQを1個のみ有するメモリチップ(×1品のメモリチップ)である。また、各メモリチップMC101〜MC172は、一対のデータストローブ端子DQST,DQSBを備えている。
【0018】
各メモリチップMC101〜MC172に設けられたデータ入出力端子DQは、モジュール基板180に設けられたデータ入出力配線(チャネル)DQL1〜DQL72にそれぞれ接続されている。言い換えれば、モジュール基板180に搭載されたメモリチップMC101〜MC172の数は、データ入出力配線DQL1〜DQL72の本数と等しく、これにより×1品である72個のメモリチップMC101〜MC172が同時に動作することによって、72ビットのリードデータ又はライトデータが同時に入出力される。このように、本実施形態では、72個のメモリチップMC101〜MC172が同時に動作することから、単一のチップセレクト信号CS0が用いられている。
【0019】
また、72個のメモリチップMC101〜MC172のうち、4個ずつのメモリチップに設けられたデータストローブ端子DQST,DQSBは、モジュール基板180に設けられた同じデータストローブ配線対DQSTL,DQSBLに共通接続されている。したがって、データ入出力配線が72本設けられているのに対し、データストローブ配線については18対(72/4)だけ設けられている。
【0020】
データストローブ配線DQSTL,DQSBLは、各メモリチップに対するリードデータ又はライトデータの入出力タイミングを示すデータストローブ信号を伝送するための配線である。具体的には、リード動作時においては、メモリチップのデータストローブ端子DQST,DQSBからデータストローブ信号が出力され、これに同期してデータ入出力端子DQからリードデータが出力される。一方、ライト動作時においては、メモリコントローラ190からデータストローブ信号が出力され、これに同期してデータ入出力端子DQへライトデータが入力される。
【0021】
このように、本実施形態によるメモリモジュール100は、×1品のメモリチップMC101〜MC172を用い、各データ入出力端子DQをそれぞれ対応するデータ入出力配線DQL1〜DQL72に個別に接続していることから、メモリコントローラ190から見たデータ入出力配線DQL1〜DQL72の負荷が小さくなる。これにより、信号品質が高められることから、メモリバッファを用いることなく高速なデータ転送が可能となる。
【0022】
但し、本実施形態によるメモリモジュール100では、72個のメモリチップMC101〜MC172が同時に動作することから、モジュール全体の発熱量が大きくなる。次に説明する第2の実施形態は、この問題を解消するものである。
【0023】
図2は、本発明の好ましい第2の実施形態によるメモリモジュール200の構成を模式的に示す図である。
【0024】
図2に示すように、本実施形態によるメモリモジュール200は、モジュール基板280と、モジュール基板280に搭載された72個のメモリチップMC201〜MC272を備えている。各メモリチップMC201〜MC272は、データ入出力端子DQを1個のみ有するメモリチップ(×1品のメモリチップ)である。また、各メモリチップMC201〜MC272は、一対のデータストローブ端子DQST,DQSBを備えている。したがって、基本構成は、図1に示した第1の実施形態によるメモリモジュール100と同様である。
【0025】
しかしながら、本実施形態によるメモリモジュール200では、4つのチップセレクト信号CS0〜CS3が用いられており、これら4つのチップセレクト信号CS0〜CS3がメモリチップMC201〜MC272に共通に供給されている。この点において、第1の実施形態によるメモリモジュール100と相違している。
【0026】
図3は、本実施形態において用いるメモリチップMC201〜MC272の構成を説明するための模式図である。
【0027】
図3に示すように、本実施形態において用いるメモリチップMC201〜MC272は、チップセレクト信号CS0〜CS3に基づいてそれぞれ活性化される4つの領域AREA0〜AREA3に分割されている。チップセレクト信号CS0〜CS3の活性化は排他的であり、2以上のチップセレクト信号が同時に活性状態となることはない。したがって、各メモリチップMC201〜MC272においては、これら4つの領域AREA0〜AREA3のいずれか一つのみが選択的に活性化され、活性化された領域だけが動作を行うことになる。但し、I/Oバッファについてはこれら4つの領域AREA0〜AREA3に対して共通である。チップセレクト信号CS0〜CS3に基づく領域AREA0〜AREA3の選択は、バンクアドレスに基づくバンクの選択とは異なり、非選択の領域を低消費電力モードにエントリさせることができる。例えば、非選択の領域をセルフリフレッシュモードにエントリさせたり、パワーダウンモードにエントリさせたりすることができる。
【0028】
このため、72個のメモリチップMC201〜MC272が同時に動作するにもかかわらず、各メモリチップ内で活性化される領域は1つのみとなる。したがって、チップの1/4の領域だけが動作を行い、残りの3/4の領域は非アクセス状態となることから、第1の実施形態に比べてモジュール全体の発熱量を大幅に低減することが可能となる。特に、非選択の領域を低消費電力モードにエントリさせれば、モジュール全体の発熱量はより低減する。
【0029】
尚、上述した第1及び第2の本実施形態では、各メモリチップに設けられたデータ入出力端子DQが1個のみであるが、各データ入出力配線DQL(チャネル)に接続されるメモリチップ数が1個である限り、各メモリチップに設けられるデータ入出力端子DQの数が1個に限定されるものではない。次に説明する第3の実施形態は、各メモリチップに設けられるデータ入出力端子DQの数を複数とした例である。
【0030】
図4は、本発明の好ましい第3の実施形態によるメモリモジュール300の構成を模式的に示す図である。
【0031】
図4に示すように、本実施形態によるメモリモジュール300は、モジュール基板380と、モジュール基板380に搭載された36個のメモリチップMC301〜MC336を備えている。各メモリチップMC301〜MC336は、データ入出力端子DQを2個有するメモリチップ(×2品のメモリチップ)である。また、本実施形態において用いるメモリチップMC301〜MC336は、チップセレクト信号CS0,CS1に基づいてそれぞれ活性化される2つの領域に分割されている。
【0032】
各メモリチップMC301〜MC336に設けられたデータ入出力端子DQ0,DQ1は、モジュール基板380に設けられたデータ入出力配線(チャネル)DQL1〜DQL72にそれぞれ個別に接続されている。言い換えれば、モジュール基板380に搭載されたメモリチップMC301〜MC336の数は、データ入出力配線DQL1〜DQL72の本数の半分(36個)であり、これにより×2品である36個のメモリチップMC301〜MC336が同時に動作することによって、72ビットのリードデータ又はライトデータが同時に入出力される。
【0033】
また、36個のメモリチップMC301〜MC336のうち、2個ずつのメモリチップについては、モジュール基板380に設けられた同じデータストローブ配線対DQSTL,DQSBLにデータストローブ端子DQST,DQSBが共通接続されている。したがって、データ入出力配線が72本設けられているのに対し、データストローブ配線については18対だけ設けられている。
【0034】
このように、本実施形態によるメモリモジュール300は、×2品のメモリチップMC301〜MC336を用いているが、各データ入出力端子DQ0,DQ1をそれぞれ対応するデータ入出力配線DQL1〜DQL72に個別に接続していることから、メモリコントローラ390から見たデータ入出力配線DQL1〜DQL72の負荷は、第1及び第2の実施形態と同等となる。これにより、信号品質が高められることから、メモリバッファを用いることなく高速なデータ転送が可能となる。
【0035】
以上説明したように、第1〜第3の実施形態では、データ入出力配線DQLについてはそれぞれ1個のメモリチップにのみ接続し、データストローブ配線DQSTL,DQSBLについては複数のメモリチップに共通接続している。このため、ライト動作時においてメモリコントローラからメモリチップへデータストローブ信号を供給する場合、並びに、リード動作時においてメモリチップからメモリコントローラへデータストローブ信号を供給する場合のいずれにおいても、データストローブ信号の入出力環境が通常のメモリモジュールとは異なっている。次に説明する第4及び第5の実施形態は、このような環境の相違が考慮されたメモリモジュールを提供するものである。
【0036】
図5は、図1に示したメモリチップMC101,MC119,MC137,MC155に備えられたデータストローブ信号入出力回路のブロック図であり、本発明の第4の実施形態を示している。ここで、メモリチップMC101,MC119,MC137,MC155は、同じデータストローブ配線DQSTL,DQSBLに共通接続された4つのメモリチップである。
【0037】
図5に示すように、これらメモリチップは、いずれもデータストローブ信号入力回路(Iバッファ)401を備えている。データストローブ信号入力回路401とは、データストローブ端子DQST,DQSBを介してデータストローブ信号を取り込む回路である。このように、データストローブ信号の入力回路については、各メモリチップとも互いに同じ回路構成を有している。
【0038】
これに対し、データストローブ信号出力回路(Oバッファ)402については、メモリチップMC101には備えられている一方、他のメモリチップMC119,MC137,MC155には備えられていない。つまり、メモリチップMC119,MC137,MC155は、データストローブ端子DQST,DQSBを介してデータストローブ信号を出力する機能を有していない。
【0039】
これは、ライト動作時においては全てのメモリチップMC101〜MC172に対してライトデータが入力されるため、全てのメモリチップMC101〜MC172に対してデータストローブ信号を供給する必要があるのに対し、リード動作時においては全てのメモリチップMC101〜MC172からリードデータが出力されるものの、データストローブ配線DQSTL,DQSBLを共用する複数のメモリチップにおいては、そのいずれか1つがデータストローブ信号を出力すれば足りるからである。
【0040】
また、このような回路構成を採ることにより、メモリコントローラからみたデータストローブ配線DQSTL,DQSBLの負荷が小さくなるという効果もある。つまり、メモリチップMC101のように、データストローブ端子DQST,DQSBにデータストローブ信号出力回路402が接続されている場合には、データストローブ配線DQSTL,DQSBLから見たデータストローブ端子DQST,DQSBの容量が相対的に大きくなるのに対し、他のメモリチップMC119,MC137,MC155のように、データストローブ端子DQST,DQSBにデータストローブ信号出力回路402が接続されていない場合には、データストローブ配線DQSTL,DQSBLから見たデータストローブ端子DQST,DQSBの容量が相対的に小さくなるからである。
【0041】
したがって、複数(本実施形態では4つ)のメモリチップMC101,MC119,MC137,MC155にて一対のデータストローブ配線DQSTL,DQSBLを共用しているにもかかわらず、ライト時におけるメモリコントローラ側の負荷が小さくなり、その結果、データストローブ信号の信号品質を高めることが可能となる。
【0042】
図6は、図1に示したメモリチップMC101,MC119,MC137,MC155に備えられたデータ出力回路のブロック図であり、本発明の第5の実施形態を示している。
【0043】
図6に示すように、これらメモリチップは、いずれもデータ出力回路501を備えている。データ出力回路501とは、データ入出力端子DQを介してリードデータを出力する回路である。このように、リードデータの出力回路部については、各メモリチップとも互いに同じ回路構成を有している。
【0044】
これに対し、データストローブ信号出力回路については、メモリチップMC101には通常の駆動能力を有するDQS出力バッファ402が備えられている一方、他のメモリチップMC119,MC137,MC155には、通常の駆動能力を有するDQS出力バッファは備えられておらず、非常に駆動能力の小さいDQSサブ出力バッファ502が備えられているに過ぎない。メモリチップMC101に備えられたDQS出力バッファ402は、図5に示したOバッファに対応する回路であり、メモリチップMC101,MC119,MC137,MC155がリード動作を行う場合に、代表してデータストローブ信号を出力する回路である。このように、図5に示した例と同様、リード動作においてはメモリチップMC101のみが有効なデータストローブ信号を出力することから、メモリチップMC101が出力するデータストローブ信号の位相と、他のメモリチップMC119,MC137,MC155が出力するリードデータの位相とがわずかにずれる可能性がある。
【0045】
この点を考慮して、本実施形態では、各メモリチップMC101,MC119,MC137,MC155にDQSサブ出力バッファ502を設けるとともに、データストローブ信号出力回路402を持たないメモリチップMC119,MC137,MC155に対しては比較回路503を設けている。
【0046】
DQSサブ出力バッファ502は、リードデータに対して位相制御された駆動能力の小さいストローブ信号IDQSa又はIDQSbを生成する回路である。また、比較回路503は、当該メモリチップMC119,MC137,MC155内のDQSサブ出力バッファ502により生成されたストローブ信号IDQSaの位相と、メモリチップMC101内のDQSサブ出力バッファ502により生成されたストローブ信号IDQSbの位相とを比較し、その結果に基づいてタイミング調整信号Tを生成する回路である。タイミング調整信号Tはデータ出力回路501に供給され、データ出力回路501はこれに基づいてリードデータの出力タイミングを調整する。
【0047】
これにより、メモリチップMC119,MC137,MC155については自ら有効なデータストローブ信号を出力しないにもかかわらず、メモリチップMC101が出力するデータストローブ信号の位相と、メモリチップMC119,MC137,MC155が出力するリードデータの位相を正確に一致させることが可能となる。
【0048】
このように、前述した第4の実施形態では、メモリチップMC119,MC137,MC155からDQS出力バッファ402を完全に排除しているが、本実施形態のように、これらメモリチップMC119,MC137,MC155に極めて駆動能力の小さいDQSサブ出力バッファ502を設けても構わない。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0050】
例えば、上記各実施形態では、データストローブ配線を複数のメモリチップに共通接続しているが、本発明においてこの点は必須でない。したがって、データストローブ配線についても複数のメモリチップに対してそれぞれ個別に接続しても構わない。
【0051】
また、上記各実施形態では、リードデータ及びライトデータについてはシングルエンド型の信号とし、データストローブ信号についてはディファレンシャル型の信号としているが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、例えばリードデータ及びライトデータをディファレンシャル型の信号としても構わない。この場合、1ビット当たり2本のデータ入出力配線が必要となる。
【0052】
さらに、本発明において使用するメモリチップの種類については特に限定されず、DRAMの他、PRAM、RRAMなどを用いても構わない。
【0053】
また、図2に示す第2の実施形態や、図4に示す第4の実施形態では、同じデータストローブ配線に共通接続されたメモリチップの数と、各メモリチップに含まれる領域の数とが等しいが、本発明においてこの点は必須でない。
【符号の説明】
【0054】
100,200,300 メモリモジュール
180,280,380 モジュール基板
190,290,390 メモリコントローラ
401 データストローブ信号入力回路
402 データストローブ信号出力回路
501 データ出力回路
502 DQSサブ出力バッファ
503 比較回路
AREA0〜AREA3 領域
CS0〜CS3 チップセレクト信号
DQ データ入出力端子
DQL データ入出力配線
DQST,DQSB データストローブ端子
DQSTL,DQSBL データストローブ配線
IDQSa,IDQSb ストローブ信号
MC101〜MC172,MC201〜MC272,MC301〜MC336 メモリチップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール基板と、
前記モジュール基板に搭載され、それぞれデータ入出力端子を備える複数のメモリチップと、
対応する前記データ入出力端子にそれぞれ個別に接続され、リードデータ又はライトデータが伝送される複数のデータ入出力配線と、を備えることを特徴とするメモリモジュール。
【請求項2】
前記複数のメモリチップの数は、前記複数のデータ入出力配線を介して同時に伝送される前記リードデータ又はライトデータのビット数と等しいことを特徴とする請求項1に記載のメモリモジュール。
【請求項3】
前記複数のメモリチップの数は、前記複数のデータ入出力配線の本数と等しいことを特徴とする請求項2に記載のメモリモジュール。
【請求項4】
前記複数のメモリチップは、複数のチップセレクト信号に基づいて排他的に活性化される複数の領域に分割されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のメモリモジュール。
【請求項5】
前記複数のチップセレクト信号は、前記複数のメモリチップに対して共通に供給されることを特徴とする請求項4に記載のメモリモジュール。
【請求項6】
前記複数のメモリチップに共通接続され、前記複数のメモリチップに対する前記リードデータ又はライトデータの入出力タイミングを示すデータストローブ信号が伝送されるデータストローブ配線をさらに備えることを特徴とする請求項4又は5のいずれか一項に記載のメモリモジュール。
【請求項7】
前記複数のメモリチップは、データストローブ端子と、前記データストローブ端子を介して前記データストローブ信号を取り込むデータストローブ信号入力回路とを備えており、
前記データストローブ配線から見た前記データストローブ端子の容量は、複数のメモリチップのうち所定のメモリチップにおいて相対的に大きく、前記所定のメモリチップとは異なる他のメモリチップにおいて相対的に小さいことを特徴とする請求項6に記載のメモリモジュール。
【請求項8】
前記所定のメモリチップは、前記データストローブ端子を介して前記データストローブ信号を出力するデータストローブ信号出力回路を備えており、
前記所定のメモリチップとは異なる他のメモリチップは、前記データストローブ信号出力回路を備えていないことを特徴とする請求項7に記載のメモリモジュール。
【請求項9】
前記複数のメモリチップは、いずれも前記データストローブ端子を介して前記データストローブ信号を出力するデータストローブ信号出力回路を備えており、
前記所定のメモリチップに備えられた前記データストローブ信号出力回路の駆動能力は、前記所定のメモリチップとは異なる他のメモリチップに備えられた前記データストローブ信号出力回路の駆動能力よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載のメモリモジュール。
【請求項10】
前記複数のメモリチップは、前記データ入出力端子を介して前記リードデータを出力するデータ出力回路をさらに備えており、
前記所定のメモリチップとは異なる他のメモリチップは、当該メモリチップに備えられた前記データストローブ信号出力回路により生成された前記データストローブ信号の位相と、前記所定のメモリチップに備えられた前記データストローブ信号出力回路により生成された前記データストローブ信号の位相とを比較することによってタイミング調整信号を生成する比較回路を有しており、
前記所定のメモリチップとは異なる他のメモリチップに備えられた前記データ出力回路は、前記タイミング調整信号に基づいて前記リードデータの出力タイミングを調整することを特徴とする請求項9に記載のメモリモジュール。
【請求項11】
モジュール基板と、
前記モジュール基板に搭載された複数のメモリチップと、
前記複数のメモリチップにそれぞれ個別に接続され、リードデータ又はライトデータが伝送される複数のデータ入出力配線と、
前記複数のメモリチップに共通接続され、前記複数のメモリチップに対する前記リードデータ又はライトデータの入出力タイミングを示すデータストローブ信号が伝送されるデータストローブ配線と、を備えることを特徴とするメモリモジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−218641(P2010−218641A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65519(P2009−65519)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.RRAM
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】