説明

メモリーカード及び再生装置

【課題】 処理能力が低く且つメモリの容量も小さい安価な再生装置においても、メモリーカードからデータを迅速に取り出して再生できるようにする。
【解決手段】 半導体メモリー42内に、FATファイルシステムとは異なる専用ファイルシステムのデータを格納する専用データ領域31と、専用データ領域31へのアクセス方法を示す専用ファイルシステム管理領域32とを設け、専用データ領域31に、各ファイルのデータを、それぞれセクタの先頭を開始位置として、データの再生順序に従って連続するセクタに格納し、専用ファイルシステム管理領域32に、専用データ領域31内の各ファイルへのアクセスに必要なファイル情報を、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置の処理の軽減やメモリー容量の削減を可能とするメモリーカード、及び、そのメモリーカードからデータを再生する専用の再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリーを用いたカード型の外部記憶装置であるメモリーカードとして、メモリースティック(商標)等が普及している。こうしたメモリーカードでは、データを管理するためのファイルシステムとしてFAT(File Allocation Tables )ファイルシステムを採用するのが一般である(例えば、特許文献1参照)。これは、メモリーカードに格納したデータを、Windows(登録商標)等のOSを搭載した一般的なシステムで容易に扱えるようにすることを目的としたものである。
【0003】
図10は、FATファイルシステムを採用した従来のメモリーカードのフラッシュメモリーの物理フォーマットを示す。フラッシュメモリーの領域は、システム領域とデータ領域とに分かれている。システム領域には、個々のフラッシュメモリーに固有の情報を格納した固有情報領域(Boot Block)81が設けられる。
【0004】
データ領域には、ブート領域82,FAT83,ルートディレクトリ84及びその下のフォルダの領域85と、各フォルダ内のデータ(ディレクトリやファイルデータ)を格納する領域86とが設けられる。
【0005】
フォルダ領域85には、各ファイルについての開始クラスタ及びサイズの情報が格納される。また、FAT83には、各ファイルについての開始クラスタに続く各クラスタのクラスタ番号の情報が格納される。
【0006】
図11は、こうした従来のフォーマットのメモリーカードからFATファイルシステムによるデータを再生する処理を示すフローチャートである。最初に、データ領域内のブート領域82,FAT83及びルートディレクトリ84を読み出すことにより、メモリースティックを、FATファイルシステムによるフォーマット済みのメモリースティックであると認識する(ステップS31)。
【0007】
続いて、読出し対象となるフォルダ(ここではフォルダ「A」とする)についての情報を読み出したか否かの判断を、ルートディレクトリ84からフォルダについての情報を1つずつ読み出しながら繰り返す(ステップS32,S33)。
【0008】
イエスになると、フォルダ領域85内のフォルダ「A」についての情報の格納位置にアクセスし、読出し対象となるファイル(ここではファイル「A」とする)についての情報を読み出したか否かの判断を、フォルダ「A」内の各ファイルについての情報を1つずつ読み出しながら繰り返す(ステップS34〜S36)。
【0009】
イエスになると、ファイル「A」についての開始クラスタ及びサイズの情報を取得して(ステップS37)、取得したクラスタの情報に基づいて1クラスタ分のデータを読み出す(ステップS38)。続いて、取得したサイズの情報に基づき、ファイル「A」の読出しを完了したか否かを判断する(ステップS39)。
【0010】
ノーであれば、FAT83からファイル「A」についての次のクラスタ番号の情報を1つずつ取得して(ステップS40)、ステップS38の処理及びステップS39の判断を繰り返す。そしてイエスになると、処理を終了する。
【0011】
また、メモリーカード内のフラッシュメモリーへのアクセス方法としては、フラッシュメモリーの物理ブロックのアドレスを直接指定してアクセスする方法と、論理ブロックのアドレスを指定し、そのアドレスを物理ブロックのアドレスに変換してアクセスする方法とが存在する。従来、後者の方法を採用する場合には、図12に示すように、各論理ブロックとフラッシュメモリーの各物理ブロックとの対応関係を示す論理−物理変換対応表を設け、その対応表を参照して論理ブロックのアドレスを物理ブロックのアドレスに変換していた(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−373314号公報(段落番号0020、図4)
【特許文献2】特開2001−325128号公報(段落番号0064〜0070、図11〜13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、従来のようにFATファイルシステムを採用したメモリーカードでは、図11にも示したように、データの再生時に、ファイルエントリの検索(図11のステップS32,S33に該当)→ファイルデータの保存位置の検出(図11のステップS34〜S36に該当)→FATを参照しながらファイル内のデータのつながりを決定してデータを取り出す(図11のステップS37〜S40に該当)、という手順が必要となる。
【0013】
そのため、互いに異なるフォルダ内のファイルを再生する毎にファイルエントリを検索しなければならないので、ファイルデータの保存位置を検出するのに時間がかかる。さらに、ファイルデータの保存位置を検出した後も、FATを参照しながらファイル内のデータのつながりを決定しなければならないので、データを取り出すのに時間がかかる。その結果、データの再生に時間がかかってしまう。
【0014】
そして、あまり処理能力の高くない安価な再生装置でデータを再生しようとするような場合には、こうしたファイルエントリの検索処理やデータの取り出し処理は負荷が大きくなってしまう。
【0015】
ここで、再生装置の側でエントリ情報をキャッシュメモリに保存すれば、迅速にファイルデータの保存位置を検出することができるようになる。しかし、そのためには再生装置のメモリの容量を大きくしなければならないので、再生装置を安価に作成する際の足かせとなってしまう。
【0016】
また、図12に示したような論理−物理変換対応表は、フラッシュメモリーの物理ブロックの数に概ね比例したデータサイズになるので、容量の大きい(物理ブロックの数が多い)メモリーカードの場合にはかなりデータサイズが大きくなる。そのため、この論理−物理変換対応表を再生装置の側に設けようとすると、やはり再生装置のメモリの容量を大きくしなければならず、再生装置を安価に作成する際の足かせとなってしまう。
【0017】
本発明は、上記のような問題を解決し、処理能力が低く且つメモリの容量も小さい安価な再生装置においても、メモリーカードからデータを迅速に取り出して再生できるようにすることを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この課題を解決するために、本発明に係るメモリーカードは、半導体メモリー内に、FATファイルシステムとは異なる専用ファイルシステムのデータを格納する専用データ領域と、この専用データ領域へのアクセス方法を示す専用ファイルシステム管理領域とを有し、この専用データ領域に、各ファイルのデータが、それぞれセクタの先頭を開始位置として、データの再生順序に従って連続するセクタに格納されており、この専用ファイルシステム管理領域に、この専用データ領域内の各ファイルへのアクセスに必要なファイル情報が、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納されていることを特徴とする。
【0019】
このメモリーカードは、半導体メモリー内に、FATファイルシステムとは異なる専用ファイルシステムのデータを格納した専用データ領域と、この専用データ領域へのアクセス方法を示す専用ファイルシステム管理領域とを有している。
【0020】
したがって、‘専用ファイルシステム管理領域へのアクセス’→‘その管理領域が示すアクセス方法による専用データ領域へのアクセス’という手順の専用ファイルシステムによって、専用データ領域からデータを再生することができる。
【0021】
そして、専用データ領域には、各ファイルのデータが、それぞれセクタの先頭を開始位置として、データの再生順序に従って連続するセクタに格納されている。換言すれば、各ファイルのデータが、それぞれセクタ単位でリニアに配置されている。
【0022】
同様にして、専用ファイルシステム管理領域にも、専用データ領域内の各ファイルへのアクセスに必要なファイル情報が、セクタ単位でリニアに配置されている。
【0023】
したがって、このメモリーカードからデータを再生する再生装置は、専用ファイルシステム管理領域にアクセスするだけで、再生対象のファイルデータの保存位置を検出することができるとともにファイル内のデータのつながりを決定することができる。すなわち、従来のFATファイルシステムによる処理(図11)のようにファイルエントリを検索したりFATを参照したりすることなく、ファイルデータの保存位置を検出するとともにファイル内のデータのつながりを決定することができる。
【0024】
これにより、処理能力が低く且つメモリの容量も小さい安価な再生装置においても、このメモリーカードに格納されたデータを迅速に取り出して再生することができる。
【0025】
なお、このメモリーカードにおいて、一例として、専用ファイルシステム管理領域に、ファイル情報に加えて、専用データ領域中の各ファイルに対するコマンドを、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納する、すなわち、ファイル情報をコマンドインタプリタ形式で格納することが好適である。
【0026】
このようにファイル情報をコマンドインタプリタ形式で格納することにより、再生装置の処理の負担を一層軽減することができるようになる。
【0027】
次に、本発明に係る再生装置は、半導体メモリー内に、FATファイルシステムとは異なる専用ファイルシステムのデータを格納する専用データ領域と、この専用データ領域へのアクセス方法を示す専用ファイルシステム管理領域とを有し、この専用データ領域に、各ファイルのデータが、それぞれセクタの先頭を開始位置として、データの再生順序に従って連続するセクタに格納されており、この専用ファイルシステム管理領域に、この専用データ領域内の各ファイルへのアクセスに必要なファイル情報が、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納されているメモリーカードからデータを再生する再生装置において、この専用ファイルシステム管理領域にアクセスする第1の処理と、この専用ファイルシステム管理領域内のファイル情報に基づき、この専用データ領域から連続したデータを読み出す第2の処理とを行う処理手段を備えたことを特徴とする。
【0028】
この再生装置は、前述の本発明に係るメモリーカードから専用ファイルシステムによってデータを再生するものであり、処理能力が低く且つメモリの容量が小さくても、このメモリーカードからデータを迅速に取り出して再生することができる。
【0029】
なお、この再生装置において、一例として、メモリーカードの半導体メモリー内の物理ブロックのうち、アクセスを不可能に設定された物理ブロックのアドレスを格納したテーブルと、この半導体メモリー内の物理ブロックのうちデータを格納可能な物理ブロックのアドレス番号の小さいほうから昇順に並べたアドレス番号を、論理ブロックのアドレスとして決定し、メモリーカードの半導体メモリーにアクセスするときには、このテーブル内のアドレスのうち、指定した論理ブロックのアドレスに対応する物理ブロックのアドレスよりもアドレス番号の小さいアドレスの数をその指定した論理ブロックに対応する物理ブロックのアドレスに加算することにより、物理ブロックのアドレスへの変換を行う処理手段とをさらに備えることが好適である。
【0030】
半導体メモリーには、一般に、アクセス不可能なディフェクトエリアとしての物理ブロックを所定数設定することが許可されている。このアクセス不可能な物理ブロックは全体の物理ブロックの中では少数なので、アクセス不可能な物理ブロックのアドレスを格納したテーブルは、各論理ブロックと各物理ブロックとの対応関係を示す論理−物理変換対応表(図12)よりもはるかにデータサイズが小さくなる。
【0031】
そして、半導体メモリー内データを格納可能な物理ブロックのアドレス番号の小さいほうから昇順に並べたアドレス番号を論理ブロックのアドレスとして決定し、半導体メモリーへのアクセス時には、このテーブル内のアドレスのうち、指定した論理ブロックのアドレスに対応する物理ブロックのアドレスよりもアドレス番号の小さいアドレスの数をその指定した論理ブロックに対応する物理ブロックのアドレスに加算することにより、物理ブロックのアドレスへの変換を行うことができる。
【0032】
このようにアクセス不可能な物理ブロックのテーブルを用いて物理ブロックのアドレスへの変換を行うことにより、メモリの容量が小さくても、論理ブロックのアドレスを指定して、本発明に係るメモリーカードからデータを迅速に取り出して再生することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係るメモリーカードによれば、処理能力が低く且つメモリの容量も小さい安価な再生装置においても、データを迅速に取り出して再生することができるという効果が得られる。
【0034】
本発明に係る再生装置によれば、処理能力が低く且つメモリの容量が小さくても、本発明に係るメモリーカードからデータを迅速に取り出して再生することができるという効果が得られる。
【0035】
また、メモリの容量が小さくても、論理ブロックのアドレスを指定して、本発明に係るメモリーカードからデータを迅速に取り出して再生することができるという効果も得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を図面を用いて具体的に説明する。なお、以下では、語学のヒヤリング試験用の問題(単語等を発音した音声データ)を格納したメモリースティックと、このメモリースティックから試験問題を再生する専用のプレーヤーとに本発明を適用した例について説明する。
【0037】
図1は、本発明を適用したメモリースティックの回路構成例を示すブロック図である。メモリースティック1は、コントロールブロック41とフラッシュメモリ42が1チップICとして構成されたものである。メモリースティック1と外部のシステムとの間の双方向シリアルインタフェースは、10本の線から成る。主要な4本の線は、データ伝送時にクロックを伝送するためのクロック線SCKと、ステータスを伝送するためのステータス線SBSと、データを伝送するデータ線DIO、インターラプト線INTとである。その他に電源供給用線として、2本のGND線および2本のVCC線が設けられる。2本の線Reservは、未定義の線である。
【0038】
クロック線SCKは、データに同期したクロックを伝送するための線である。ステータス線SBSは、メモリカード40のステータスを表す信号を伝送するための線である。データ線DIOは、コマンドおよび暗号化されたオーディオデータを入出力するための線である。インターラプト線INTは、メモリカード40からレコーダ1のCPU2に対しての割り込みを要求するインターラプト信号を伝送する線である。
【0039】
コントロールブロック41のシリアル/パラレル変換・パラレル/シリアル変換・インタフェースブロック(S/P,P/S,IFブロックと略す)43は、上述した複数の線を介して接続された外部のシステムとコントロールブロック41とのインタフェースである。S/P,P/S,IFブロック43は、外部のシステムから受け取ったシリアルデータをパラレルデータに変換し、コントロールブロック41に取り込み、コントロールブロック41からのパラレルデータをシリアルデータに変換して外部のシステムに送る。
【0040】
データ線DIOを介して伝送されるフォーマットでは、最初にコマンドが伝送され、その後にデータが伝送される。S/P,P/S,IFブロック43は、コマンドをコマンドレジスタ44に格納し、データをページバッファ45およびライトレジスタ46に格納する。ライトレジスタ46と関連してエラー訂正符号化回路47が設けられている。ページバッファ45に一時的に蓄えられたデータに対して、エラー訂正符号化回路47がエラー訂正符号の冗長コードを生成する。
【0041】
コマンドレジスタ44、ページバッファ45、ライトレジスタ46およびエラー訂正符号化回路47の出力データがフラッシュメモリインタフェースおよびシーケンサ(メモリI/F,シーケンサと略す)51に供給される。メモリIF,シーケンサ51は、コントロールブロック41とフラッシュメモリ42とのインタフェースであり、両者の間のデータのやり取りを制御する。メモリIF,シーケンサ51を介してデータがフラッシュメモリ42に書き込まれる。
【0042】
フラッシュメモリ42から読み出されたデータは、メモリIF,シーケンサ51を介してページバッファ45、リードレジスタ48、エラー訂正回路49に供給される。ページバッファ45に記憶されたデータがエラー訂正回路49によってエラー訂正がなされる。エラー訂正がされたページバッファ45の出力およびリードレジスタ48の出力がS/P,P/S,IFブロック43に供給され、上述した双方向シリアルインタフェースを介して外部のシステムに供給される。
【0043】
コンフィグレーションROM50には、メモリースティック1のバージョン情報、各種の属性情報等が格納されている。スイッチ60は、ユーザーが必要に応じて操作可能な誤消去防止用のスイッチであり、このスイッチ60が消去禁止の接続状態にある場合には、フラッシュメモリ42の消去を指示するコマンドが外部のシステムから送られても消去が禁止される。発振器61は、メモリカード40の処理のタイミング基準となるクロックを発生する。
【0044】
図2は、本発明を適用したプレーヤーの回路構成例を示すブロック図である。このプレーヤー11は、図1のメモリースティック1を着脱可能に装着して試験問題を再生する専用の装置である。プレーヤー11には、インタフェースブロック12と、操作部14と、マイクロコンピュータから成るコントローラ15と、デコーダ16と、D/A変換器17と、イヤホン端子18とが設けられている。インタフェースブロック12は、上述した双方向シリアルインタフェースの複数の線を介して接続されたメモリースティック1とのインタフェースである。インタフェース12,操作部14,コントローラ15及びデコーダ17は、バス13に接続されている。
【0045】
操作部14は、プレーヤー11の筐体表面に設けられており、メモリースティック1から試験問題を1問ずつ再生するための再生釦を含んでいる。コントローラ15は、この再生釦の操作に基づき、メモリースティック1にコマンドを送ることによって後出の図3に示すような処理を実行する。
【0046】
メモリースティック1からインタフェースブロック12に入力したデータは、インタフェースブロック12からバス13を介してデコーダ16に送られる。デコーダ16は、例えばATRAC3(Adaptive TRansformAcoustic Coding 3)のような圧縮方式で圧縮されている音声データを復号する処理を行う。デコーダ16で復号された音声データは、D/A変換器17でアナログ音声信号に変換されて、イヤホン端子18から出力される。
【0047】
図3は、メモリースティック1のフラッシュメモリー42の物理フォーマットを示す。フラッシュメモリー42の領域は、システム領域20とデータ領域30とに分かれている。システム領域20には、個々のフラッシュメモリー42に固有の情報を格納した固有情報領域(Boot Block)21と、専用ファイル用領域22とが設けられている。専用ファイル用領域22は、Boot Block21とは別の領域であり、FATファイルシステムによってアクセスすることはできない。
【0048】
データ領域30には、専用データ領域31及び専用ファイルシステム管理領域32が設けられている。図4は、専用データ領域31及び専用ファイルシステム管理領域32の詳細を示す図である。専用データ領域31には、N問の試験問題(音声データ)が、ファイル31(1)〜31(N)のデータとして、例えばATRAC3のような圧縮方式で圧縮されて格納されている。1つ1つのファイル31(1)〜31(N)のデータは、データの再生順序に従って、物理的に連続した(セクタ番号が連続した)領域に格納されている。1セクタのサイズは、512バイトである。
【0049】
専用ファイルシステム管理領域32には、ヘッダ情報の領域32aと、ファイル情報の領域32bと、ファイル拡張情報の領域32cとが含まれる。ヘッダ情報領域32aには、ファイル情報領域32b,ファイル拡張情報32c内の情報へのオフセットやバージョン情報等が格納されている。
【0050】
ファイル情報領域32bには、専用データ領域31内の個々のファイル31(1)〜31(N)毎に、データ開始セクタ番号,ファイルサイズ,ファイル名等の、ファイルのアクセスに必要な情報が格納されている。
【0051】
ファイル拡張情報領域32cには、専用データ領域31内の個々のファイル31(1)〜31(N)毎に、そのファイルに対するコマンド(図2のプレーヤー11がそのファイルに対して行う操作の情報)が格納されている。
【0052】
なお、専用データ領域31及び専用ファイルシステム管理領域32には、ファイルサイズがゼロで、ファイル拡張情報領域32cにファイルに対するコマンドのみを格納したファイルを作成することも可能であり、そのファイルについては、データは再生されず、ファイル拡張情報領域32cに格納したコマンドのみが実行される。
【0053】
図5は、専用データ領域31へのファイル31(1)〜31(N)のデータの格納の様子をさらに詳細に示す図である。ファイル31(1)のデータが、セクタS(m)の先頭を開始位置として、データの再生順序に従い、セクタS(m),S(m+1),S(m+2),…S(m+i)という連続するi個のセクタに格納されている。
【0054】
そして、ファイル31(1)のデータサイズがセクタサイズ(512バイト)の倍数に対して端数を有しているために、最後のセクタS(m+i)にはデータの未格納部分(図では、データの格納部分を斜線で描き、未格納部分を白地で描いている)が存在している。しかし、この未格納部分を残したまま、次のファイル31(2)のデータが、セクタS(m+i)に続くセクタS(m+i+1)の先頭を開始位置として、データの再生順序に従い、セクタS(m+i+1),S(m+i+2),…S(m+i+j)という連続するj個のセクタに格納されている。
【0055】
そして、セクタ最後のS(m+i+j)にはデータの未格納部分が存在するが、やはりこの未格納部分を残したまま、次のファイル31(3)のデータが、セクタS(m+i+j)に続くセクタS(m+i+j+1)の先頭を開始位置として、データの再生順序に従い、セクタS(m+i+j+1),S(m+i+j+2),…S(m+i+j+k)という連続するk個のセクタに格納されている。
【0056】
このようにして、各ファイル31(1)〜31(N)のデータは、それぞれセクタの先頭を開始位置として、データの再生順序に従って連続するセクタに格納されている。換言すれば、各ファイル31(1)〜31(N)のデータが、それぞれセクタ単位で(セクタの境界を意識した状態で)リニアに配置されている。
【0057】
図示は省略するが、図4の専用ファイルシステム管理領域32内のファイル情報領域32b,ファイル拡張情報領域32cにも、全く同様にして、専用データ領域31内の各ファイルについてのファイル情報,コマンドが、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納されている。すなわち、これらのファイル情報,コマンドも、それぞれセクタ単位でリニアに配置されている。
【0058】
図3のシステム領域20内の専用ファイル用領域22は、この専用ファイルシステム管理領域32へのアクセス方法を示す情報として、専用ファイルシステム管理領域32のセクタ番号の情報を格納した領域である。なお、図2のプレーヤー11のコントローラ15内のメモリーには、この専用ファイル用領域22の論理アドレス(後出の図6を用いて説明するような論理アドレス)の情報が予め格納されている。
【0059】
データ領域30には、FATファイルシステム用の管理領域として、ブート領域33,FAT34,ルートディレクトリ35及びその下のフォルダ(ここでは「A」という1つのフォルダのみ)の領域36が設けられている。フォルダ「A」内の各ファイル(ここでは「A」〜「E」という5つのファイルとする)の領域としては、前述の専用データ領域31及び専用ファイルシステム管理領域32が割り当てられている。
【0060】
フォルダ領域36には、各ファイル「A」〜「E」についての開始クラスタ及びサイズの情報が格納されているが、これらの開始クラスタは、図にも矢印で描いているように、専用データ領域31中のファイル31(1)〜31(N)のデータ配列とは無関係に、専用データ領域31または専用ファイルシステム管理領域32中の適宜の位置のクラスタになっている。1クラスタのサイズは、16Kバイトである。
【0061】
また、FAT34には、各ファイル「A」〜「E」についての開始クラスタに続く各クラスタのクラスタ番号の情報が格納されているが、これらのクラスタも、専用データ領域31中のファイル31(1)〜31(N)のデータ配列とは無関係に、専用データ領域31または専用ファイルシステム管理領域32中の適宜の位置のクラスタになっている。
【0062】
したがって、FATファイルシステム用の管理領域中の情報に基づいて読み出されるデータは、専用データ領域31中のデータ(本来の試験問題の音声データ)の配列を変更したデータとなるようにされている。
【0063】
図2のプレーヤー11のコントローラ15は、論理ブロックのアドレスを指定し、指定した論理ブロックのアドレスをメモリースティック1のフラッシュメモリー42の物理ブロックのアドレスに変換して、その物理ブロックのアドレスの情報をメモリースティック1のコントロールブロック41に送るようになっている。
【0064】
図6は、論理ブロックのアドレスをフラッシュメモリー42の物理ブロックのアドレスに変換するためにコントローラ15内のメモリーに格納されているテーブルを示す。
【0065】
半導体メモリーには、一般に、アクセス不可能なディフェクトエリアとしての物理ブロックを所定数設定することが許可されている。メモリースティック1のフラッシュメモリー42は、容量が16Mバイトであり、物理ブロックの数が1024であるが、データを格納可能な物理ブロックは990個あり、32個の物理ブロックがこのアクセス不可能な物理ブロックに設定されている(残りの2個の物理ブロックは管理用の物理ブロックである)。
【0066】
コントローラ15内のメモリーには、このフラッシュメモリー42内の32個のアクセス不可能な物理ブロックのアドレスを格納した非アクセスアドレステーブル70が格納されている。1個のアドレスは4バイトで表現されており、したがって非アクセスアドレステーブル70のデータサイズは4×32=128バイトになる。
【0067】
図7は、仮にこのフラッシュメモリー42について各論理ブロックとデータを格納可能な各物理ブロックとの対応関係を示す論理−物理変換対応表を設けたとした場合のデータサイズを示す。データを格納可能な物理ブロックは990個なので、これらの物理ブロックに対応させる990個の論理ブロックをそれぞれ4バイトで表現した論理−物理変換対応表71を設けると、そのデータサイズは4×990≒4Kバイトになってしまう。
【0068】
このように、アクセス不可能な物理ブロックは全体の物理ブロックの中では少数なので、コントローラ15内のメモリー内の非アクセスアドレステーブル70は、各論理ブロックと各物理ブロックとの対応関係を示す論理−物理変換対応表よりもはるかにデータサイズが小さくなっている。
【0069】
コントローラ15は、フラッシュメモリー42内のデータを格納可能な990個の物理ブロックのアドレスに対応する論理ブロックのアドレスを、次のような規則で決定する。
〔規則〕:データを格納可能な990個の物理ブロックのうち、最もアドレス番号の小さいアドレスに対応する論理ブロックのアドレス番号を(1+A)とし、2番目にアドレス番号の小さいアドレスに対応する論理ブロックのアドレス番号を(2+A)とし、…990番目にアドレス番号の小さいアドレスに対応する論理ブロックのアドレス番号を(990+A)とする、というように、物理ブロックのアドレス番号の小さいほうから昇順に、(1+A)〜(990+A)とアドレス番号を論理ブロックのアドレスとして決定する。
【0070】
Aは所定の定数であり、例えばA=0であれば、論理ブロックのアドレスは、データを格納可能な990個の物理ブロックのアドレスと同じ値になる。しかし、Aを1以上の整数としても(すなわち論理ブロックのアドレスを物理ブロックのアドレスと同じ値にしなくても)よい。
【0071】
前述の図3の専用ファイル用領域22の論理アドレスとしても、このようにして決定した論理アドレスがコントローラ15内のメモリーに格納されている。
【0072】
そして、コントローラ15は、メモリースティック1のフラッシュメモリー42にアクセスするときには、図6の非アクセスアドレステーブル70内のアドレスのうち、指定した論理ブロックのアドレスに対応する物理ブロックのアドレス(A=0の場合には指定した論理ブロックのアドレスそのもの)よりもアドレス番号の小さいアドレスの数をその指定した論理ブロックのアドレスに対応する物理ブロックのアドレスに加算することにより、物理ブロックのアドレスへの変換を行う。
【0073】
すなわち、例えば論理ブロックのアドレス(100+A)を指定した場合であって、アドレス番号1〜99の物理ブロックのうち3個の物理ブロックがアクセス不可能な物理ブロックであれば、非アクセスアドレステーブル70内には、論理ブロックのアドレス(100+A)に対応する物理ブロックのアドレス100よりもアドレス番号の小さいアドレスが3個存在するので、100に3を加算することにより、論理ブロックのアドレス103に変換する。
【0074】
図8は、図2のプレーヤー11のコントローラ15が、操作部14の再生釦の操作に基づき、メモリースティック1のコントロールブロック41を制御して実行する処理を示すフローチャートである。この処理では、最初に、フラッシュメモリー42のシステム領域20内の専用ファイル用領域22(図3)にアクセスして、この専用ファイル用領域22中の情報を読み出す(ステップS1)。
【0075】
そして、データ領域30内の専用ファイルシステム管理領域32(図3)のセクタ番号の情報を取得し、その情報に基づいて専用ファイルシステム管理領域32にアクセスして、専用データ領域31(図3)中の最初のファイル31(1)についての情報を読み出す(ステップS2)。
【0076】
続いて、読み出した情報が、今回の読出し対象のファイル31(X)(X問目の試験問題)についてのものであるか否かを判断する(ステップS3)。ノーであれば、次のファイル31(2),31(3),…についての情報を1つずつ読み出しながら(ステップS4)、ステップS3の判断を繰り返す。
【0077】
そしてイエスになると、読出し対象のファイル31(X)のデータについての開始セクタ及びサイズの情報を取得し(ステップS5)、専用データ領域31内のその開始セクタからそのサイズ分だけ連続したデータを読み出すことによってファイル31(X)のデータを読み出す(ステップS6)。そして処理を終了する。
【0078】
このようにしてフラッシュメモリー42から読み出されたファイル31(X)のデータは、前述のように、メモリースティック1からプレーヤー11に供給され、プレーヤー11のイヤホン端子18から音声信号として出力される。したがって、ヒヤリング試験の受験者は、それぞれプレーヤー11を1台ずつ使用することにより、メモリースティック1から試験問題を再生して試験を受けることができる。
【0079】
次に、プレーヤー11を使用することなく、FATファイルシステムによってメモリースティック1からデータを再生する様子について説明する。図9は、FATファイルシステムによるメモリースティック1からのデータの再生処理を示すフローチャートである。この処理では、最初に、データ領域30内のブート領域33,FAT34及びルートディレクトリ35を読み出すことにより、メモリースティック1を、FATファイルシステムによるフォーマット済みのメモリースティックであると認識する(ステップS11)。
【0080】
続いて、読出し対象となるフォルダ(ここでは図3のフォルダ「A」)についての情報を読み出したか否かの判断を、ルートディレクトリ35からフォルダについての情報を1つずつ読み出しながら繰り返す(ステップS12,S13)。
【0081】
イエスになると、フォルダ領域36にアクセスし、読出し対象となるファイル(ここでは図3のファイル「A」とする)についての情報を読み出したか否かの判断を、フォルダ領域36から各ファイル「A」〜「E」についての情報を1つずつ読み出しながら繰り返す(ステップS14〜S16)。
【0082】
イエスになると、ファイル「A」についての開始クラスタ及びサイズの情報を取得して(ステップS17)、取得したクラスタの情報に基づいて1クラスタ分のデータを読み出す(ステップS18)。続いて、取得したサイズの情報に基づき、ファイル「A」の読出しを完了したか否かを判断する(ステップS19)。
【0083】
ノーであれば、FAT34からファイル「A」についての次のクラスタ番号の情報を1つずつ取得して(ステップS20)、ステップS18の処理及びステップS19の判断を繰り返す。そしてイエスになると、処理を終了する。
【0084】
このようにして、メモリースティック1からは、FATファイルシステムによってもデータを再生することができる。但し、前述のように、各フォルダ内のファイルの開始クラスタやそれに続く各クラスタが、専用データ領域31中のファイル31(1)〜31(N)のデータ配列とは無関係に、専用データ領域31または専用ファイルシステム管理領域32中の適宜の位置のクラスタになっていることから、FATファイルシステムによって再生されるデータは、専用データ領域31中のデータ(本来の試験問題の音声データ)の配列を変更したデータとなる。
【0085】
したがって、Windows(登録商標)等のOSを搭載した一般的なシステムでメモリーカード1から試験問題を再生しても、試験問題の音声データとは異なったでたらめな音声データとして認識されるので、試験問題が漏洩することはない。
【0086】
このように、このメモリースティック1によれば、メモリースティックに、FATファイルシステムとは互換性のない専用ファイルシステムのみによって再生可能なデータ形式で試験問題を格納した上で、FATファイルシステムによるフォーマット済みのメモリースティックとしても認識可能な状態を実現させている。したがって、FATファイルシステムを使用している既存のメモリースティックに、FATファイルシステムとは互換性のないデータ形式で試験問題を格納することができる。これにより、既存のメモリースティックが持つFATファイルシステム機能を保持しつつ、試験問題という秘匿性の高いデータをメモリースティックに安全に格納することができる。
【0087】
また、FATファイルシステムによって再生されるデータが、専用データ領域31中のデータの配列を変更したデータであるので、専用データ領域31以外にデータを格納する領域を追加することなく、FATファイルシステムによって再生されるデータを、専用ファイルシステムによって再生されるデータとは異なるデータとすることができる。
【0088】
さらに、このメモリースティック1では、図2に示したように、フラッシュメモリー42のシステム領域20内に、専用ファイルシステム管理領域32へのアクセス方法を示す専用ファイル用領域22が設けられている。
【0089】
したがって、FATファイルシステムによってメモリースティック1のフラッシュメモリー42のデータ領域30から再生したデータを別のメモリースティックに不正に複製し、その別のメモリースティックからプレーヤー11で試験問題を再生しようとした場合、専用ファイル用領域22が含まれていないので、専用ファイルシステム管理領域32にアクセスできず、その結果専用データ領域31にアクセスして試験問題を再生することができない。また、Windows(登録商標)のようなシステムでファイルデータを別のメモリーカードに複製した場合には、通常は各ファイルのクラスタを昇順に綺麗に並べるため、元のメモリーカードのデータ配置は復元できない。したがって、メモリースティック1の不正な複製を防止することができるので、その点でも試験問題を安全に格納することができる。
【0090】
そして、図4及び図5を用いて説明したように、専用データ領域31には、各ファイルのデータがそれぞれセクタ単位でリニアに配置されており、専用ファイルシステム管理領域32にも各ファイルへのアクセスに必要なファイル情報がそれぞれセクタ単位でリニアに配置されているので、メモリースティック1からデータを再生する再生装置は、専用ファイルシステム管理領域32にアクセスするだけで、再生対象のファイルデータの保存位置を検出することができるとともにファイル内のデータのつながりを決定することができる。すなわち、従来のFATファイルシステムによる処理(図11)のようにファイルエントリを検索したりFATを参照したりすることなく、ファイルデータの保存位置を検出するとともにファイル内のデータのつながりを決定することができる。
【0091】
これにより、処理能力が低く且つメモリの容量も小さい安価な再生装置においても、メモリースティック1に格納されたデータを迅速に取り出して再生することができる。
【0092】
さらに、専用ファイルシステム管理領域32には、ファイル情報に加えて、専用データ領域中の各ファイルに対するコマンドもそれぞれセクタ単位でリニアに配置されている(すなわち、ファイル情報がコマンドインタプリタ形式で格納されている)ので、再生装置の処理の負担を一層軽減することができるようになる。
【0093】
そして、プレーヤー11は、メモリースティック1から専用ファイルシステムによってデータを再生することにより、処理能力が低く且つメモリの容量が小さくても、メモリースティック1からデータを迅速に取り出して再生することができる。したがって、プレーヤー11のコントローラ15として処理能力が低く且つメモリの容量が小さいものを用いることにより、プレーヤー11の製造コストを削減することができる。
【0094】
さらに、プレーヤー11は、図6に示した非アクセスアドレステーブル70を用いて物理ブロックのアドレスへの変換を行うので、メモリの容量が小さくても、論理ブロックのアドレスを指定して、メモリースティック1からデータを迅速に取り出して再生することができる。
【0095】
なお、以上の例では、メモリースティック1のデータ領域30には、ブート領域33,FAT34,ルートディレクトリ35及びフォルダ領域36といったFATファイルシステム用の管理領域を設けているが、別の例として、これらのFATファイルシステム用の管理領域をデータ領域30に設けない(データ領域30に専用データ領域31及び専用ファイルシステム管理領域32のみを設ける)ようにしてもよい。その場合にも、やはり、図4及び図5を用いて説明したように、処理能力が低く且つメモリの容量も小さい安価な再生装置においても(もちろんプレーヤー11でも)、メモリースティック1に格納されたデータを迅速に取り出して再生できるようになる。
【0096】
また、以上の例では、試験問題(音声データ)を格納したメモリースティックと、このメモリースティックから試験問題を再生する専用のプレーヤーとに本発明を適用している。しかし、これに限らず、試験問題以外のデータ(例えば住所・氏名・メールアドレス・クレジットカード番号等の個人情報)をメモリースティックに格納し、そのデータを専用のプレーヤーで再生(画面表示)するようにしてもよい。
【0097】
また、以上の例ではメモリースティックに本発明を適用しているが、スマートメディア(商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)といったようなメモリースティック以外のメモリーカードにも本発明を適用してよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明を適用したメモリースティックの回路構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用したプレーヤーの回路構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のメモリースティックのフラッシュメモリーのフォーマットを示す図である。
【図4】図3の専用データ領域及び専用ファイルシステム管理領域の詳細を示す図である。
【図5】図3の専用データ領域へのファイルデータの格納の様子を示す図である。
【図6】図2のプレーヤーのコントローラに格納されている非アクセスアドレステーブルを示す図である。
【図7】図1のメモリースティックのフラッシュメモリーについて論理−物理変換対応表を設けたとした場合のデータサイズを示す図である。
【図8】図2のプレーヤーのコントローラが実行する処理を示すフローチャートである。
【図9】FATファイルシステムによる図1のメモリースティックからのデータの再生処理を示すフローチャートである。
【図10】FATファイルシステムを採用した従来のメモリーカードのフォーマットを示す図である。
【図11】従来のメモリーカードからのFATファイルシステムによるデータ再生処理を示すフローチャートである。
【図12】論理−物理変換対応表を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1 メモリースティック、 11 プレーヤー、 12 インタフェースブロック、 13 バス、 14 操作部、 15 コントローラ、 16 デコーダ、 17 D/A変換器、 18 イヤホン端子、 20 システム領域、 21 固有情報領域、 22 専用ファイル用領域、 30 データ領域、 31 専用データ領域、 32 専用ファイルシステム管理領域、 33 ブート領域、 34 FAT、 35 ルートディレクトリ、 36 フォルダ、 41 コントロールブロック、 42 フラッシュメモリー、 70 非アクセスアドレステーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体メモリー内に、FATファイルシステムとは異なる専用ファイルシステムのデータを格納する専用データ領域と、前記専用データ領域へのアクセス方法を示す専用ファイルシステム管理領域とを有し、
前記専用データ領域に、各ファイルのデータが、それぞれセクタの先頭を開始位置として、データの再生順序に従って連続するセクタに格納されており、
前記専用ファイルシステム管理領域に、前記専用データ領域内の各ファイルへのアクセスに必要なファイル情報が、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納されていることを特徴とするメモリーカード。
【請求項2】
請求項1に記載のメモリーカードにおいて、
前記専用ファイルシステム管理領域に、前記ファイル情報に加えて、前記専用データ領域中の各ファイルに対するコマンドが、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納されていることを特徴とするメモリーカード。
【請求項3】
半導体メモリー内に、FATファイルシステムとは異なる専用ファイルシステムのデータを格納する専用データ領域と、前記専用データ領域へのアクセス方法を示す専用ファイルシステム管理領域とを有し、前記専用データ領域に、各ファイルのデータが、それぞれセクタの先頭を開始位置として、データの再生順序に従って連続するセクタに格納されており、前記専用ファイルシステム管理領域に、前記専用データ領域内の各ファイルへのアクセスに必要なファイル情報が、それぞれセクタの先頭を開始位置として連続するセクタに格納されているメモリーカードからデータを再生する再生装置において、
前記専用ファイルシステム管理領域にアクセスする第1の処理と、
前記専用ファイルシステム管理領域内の前記ファイル情報に基づき、前記専用データ領域から連続したデータを読み出す第2の処理と
を行う処理手段を備えたことを特徴とする再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の再生装置において、
前記メモリーカードの前記半導体メモリー内の物理ブロックのうち、アクセスを不可能に設定された物理ブロックのアドレスを格納したテーブルと、
前記半導体メモリー内の物理ブロックのうちデータを格納可能な物理ブロックのアドレス番号の小さいほうから昇順に並べたアドレス番号を、論理ブロックのアドレスとして決定し、前記半導体メモリーにアクセスするときには、前記テーブル内のアドレスのうち、指定した論理ブロックのアドレスに対応する物理ブロックのアドレスよりもアドレス番号の小さいアドレスの数を前記指定した論理ブロックに対応する物理ブロックのアドレスに加算することにより、物理ブロックのアドレスへの変換を行う処理手段と
をさらに備えたことを特徴とする再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−65505(P2006−65505A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245663(P2004−245663)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】