説明

メーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置

【課題】低解像度のカメラで撮影された画像データに基づいて画像中の車両のメーカを特定することができるメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置を提供すること。
【解決手段】メーカ判定装置100は、画像データにおける車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識部111と、エンブレム認識部111によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出部112と、エンブレム形状抽出部112によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価部113と、形状特性評価部113の評価結果に基づいて、輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定部114とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両を撮影した画像データに基づいて車両のメーカを判定するメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置に関し、特に、低解像度のカメラで撮影された画像データに基づいて画像中の車両のメーカを特定することができるメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
交通法規違反の取締り等を目的として、道路を走行する車両を撮影し、撮影によって得られた画像データに基づいて車両を特定する技術が知られている。このような画像データに基づいて車両の特定を行う技術においては、画像データに含まれるナンバープレートの像を検出し、検出されたナンバープレートの像に対して画像認識を行う手法が用いられることが多い。
【0003】
例えば、特許文献1においては、同一の車両を撮影した複数の画像データから抽出されたナンバープレートの像を比較し、最も明瞭な像に対して認識処理を行って車両番号等を読み取る技術が開示されている。また、特許文献2においては、車幅との対比によってナンバープレートのサイズを判定し、判定したナンバープレートのサイズに基づいて車両の車種を特定する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−322146号公報
【特許文献2】特開2005−310027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において開示されている技術は、ナンバープレート上の文字情報を読み取ることを目的としているため、車両を高解像度のカメラで撮影することを必要とする。このため、道路を走行する全ての車両を特定することが必要な場合には、高解像度の画像データを高速に処理することができる高価な装置を導入しなければならない。
【0006】
一方、特許文献2において開示されている技術は、車両を高解像度のカメラで撮影することを必要としないものの、大型車両か普通車両かといった大まかな車種しか知ることができない。このため、画像データ中の車両を十分に絞り込むには、他の技術と組み合わせて利用する必要がある。
【0007】
例えば、車体色を認識して車種を特定する技術を上記の技術と組み合わせて利用すれば、高解像度の画像データを用いることなく、車両の絞込み範囲を狭めることができる。ただし、これらの2つの技術を組み合わせても車両を完全に特定できる訳ではなく、また、車体色の認識技術には夕日等による車体色の変化に対応できないという問題がある。
【0008】
このように、低解像度のカメラで撮影された画像に基づいて車両を特定する場合、高価な装置を導入する必要はないものの、車両を十分に絞り込むためには、複数の技術を組み合わせて利用することが必要となる。例えば、車両のメーカだけでも判定することができれば、車両を絞り込むために非常に有効である。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、低解像度のカメラで撮影された画像データに基づいて画像中の車両のメーカを特定することができるメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、一つの態様において、車両を撮影した画像データに基づいて該車両のメーカを判定するメーカ判定プログラムであって、前記画像データにおける前記車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識手順と、前記エンブレム認識手順によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出手順と、前記エンブレム形状抽出手順によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価手順と、前記形状特性評価手順の評価結果に基づいて、前記輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、他の態様において、車両を撮影した画像データに基づいて該車両のメーカを判定するメーカ判定装置であって、前記画像データにおける前記車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識手段と、前記エンブレム認識手段によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出手段と、前記エンブレム形状抽出手段によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価手段と、前記形状特性評価手段の評価結果に基づいて、前記輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
これらの発明によれば、単純な形状を有することが多いエンブレム部分の輪郭形状を画像データから抽出し、その輪郭の形状に基づいてメーカを特定するように構成したので、低解像度のカメラで撮影された画像データに基づいて画像中の車両のメーカを特定することができる。
【0013】
また、本発明は、上記の発明の態様において、前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を左右に反転させた形状が元の輪郭形状と一致するか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明の態様において、前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を上下に反転させた形状が元の輪郭形状と一致するか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明の態様において、前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を左右に折り畳んだ場合に、形状が折り重なるか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする。
【0016】
これらの発明によれば、予め用意されたサンプルと輪郭形状をマッチングするのではなく、輪郭形状単体で形状特性の評価を行うように構成したので、低解像度のカメラで撮影された画像がサンプルとのマッチングが可能な程度に明瞭でない場合であっても、高い精度でメーカを判定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、単純な形状を有することが多いエンブレム部分の輪郭形状を画像データから抽出し、その輪郭の形状に基づいてメーカを特定するように構成したので、低解像度のカメラで撮影された画像データに基づいて画像中の車両のメーカを特定することができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、予め用意されたサンプルと輪郭形状をマッチングするのではなく、輪郭形状単体で形状特性の評価を行うように構成したので、低解像度のカメラで撮影された画像がサンプルとのマッチングが可能な程度に明瞭でない場合であっても、高い精度でメーカを判定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
まず、本実施例に係るメーカ判定装置100の構成について説明する。本実施例に係るメーカ判定装置100は、画像データに含まれる車両のエンブレムに基づいてその車両のメーカを特定する装置である。
【0021】
エンブレムは、通常、ナンバープレートよりも高い位置に付されているので、交通法規違反の取締り等を目的として公道上に設置されたカメラから撮影しやすい。また、形状が単純化されているため、低解像度のカメラを用いて撮影された画像データにおいても認識が容易である。
【0022】
図1は、本実施例に係るメーカ判定装置100の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、メーカ判定装置100は、制御部110と、記憶部120とを有する。制御部110は、メーカ判定装置100を全体制御する制御部であり、エンブレム認識部111と、エンブレム形状抽出部112と、形状特性評価部113と、メーカ判定部114とを有する。
【0023】
記憶部120は、各種情報を記憶する記憶部であり、画像データ121と、形状特性評価結果情報122と、形状特性マスタ123とを記憶する。画像データ121は、判定対象の車両が撮影された画像データである。
【0024】
エンブレム認識部111は、画像データ121に含まれる車両のエンブレム部分を認識する処理部である。エンブレム形状抽出部112は、エンブレム認識部111によって認識されたエンブレム部分の画像が正面からの画像になるように補正し、補正後の画像からエンブレムの輪郭形状をベクタデータ(実世界を個別の図形で表現)もしくはラスタデータ(実世界をセルで表現)として抽出する処理部である。
【0025】
なお、エンブレム認識部111によるエンブレム部分の認識処理と、エンブレム形状抽出部112による画像補正処理は、従来のナンバープレートの読み取り技術を応用することにより実現することができる。また、エンブレム形状抽出部112による輪郭形状の抽出処理は、例えば、ラスタデータの各画素の階調を白黒に二値化することによって実現することができる。
【0026】
形状特性評価部113は、エンブレム形状抽出部112によって抽出されたエンブレムの輪郭形状がどのような特性をもっているかを評価する処理部である。輪郭形状の特性の評価は、予め設定されたルールに適合するかを判定することにより行われる。輪郭形状の特性を評価するための形状特性評価ルールの一例を図2に示す。
【0027】
図2の例では、ルール1〜4の4つのルールが設定されている。ルール1は、輪郭形状の外周が円形の場合に適合する。ルール2は、輪郭形状を左右に反転させたときに、輪郭形状が元の輪郭形状と一致する場合に適合する。ルール3は、輪郭形状を上下に反転させたときに、輪郭形状が元の輪郭形状と一致する場合に適合する。ルール4は、輪郭形状を180度回転させたときに、輪郭形状が元の輪郭形状と一致する場合に適合する。なお、輪郭形状の一致の判定においては、所定の範囲の差異は許容される。
【0028】
このように、予め用意されたサンプルと輪郭形状をマッチングするのではなく、輪郭形状単体で形状特性の評価を行っているのは、画像データ121の解像度が低く、サンプルとのマッチングが可能な程度に明瞭な輪郭形状が得られない場合であっても、高い精度でメーカの判定を行うことができるようにするためである。
【0029】
形状特性評価部113は、各ルールの適合結果を形状特性評価結果情報122に記憶させる。図3は、形状特性評価結果情報122の一例を示す図である。同図に示すように、形状特性評価結果情報122には、各ルールに対する適合結果が「0」もしくは「1」として記憶される。「0」は、そのルールに適合しなかったことを示し、「1」は、そのルールに適合したことを示す。
【0030】
図3に示した例では、ルール1の適合結果が「0」となっており、ルール2〜4の適合結果が「1」となっている。これは、エンブレム形状抽出部112によって抽出されたエンブレムの輪郭形状が、ルール1には適合せず、ルール2〜4には適合したことを示している。
【0031】
なお、形状特性評価部113が輪郭形状の特性を評価するためのルールは、認識対象のメーカのエンブレムの相違点を明確に判別できるようにするために、あるいは、ルールの適合の判定を容易に行うことができるようにするために内容の変更や数の増減を適宜行ってよい。
【0032】
内容を変更した形状特性評価ルールの一例を図4に示す。同図の例では、ルール2は、輪郭形状を左右に折り畳んだときに、形状が折り重なる場合に適合する。ルール3は、輪郭形状を上下に折り畳んだときに、形状が折り重なる場合に適合する。ルール4は、対角線で輪郭形状を折り畳んだときに、形状が折り重なる場合に適合する。
【0033】
メーカ判定部114は、形状特性評価部113によって形状特性評価結果情報122に記憶された各ルールの適合パターンを形状特性マスタ123の各データと照合し、最も適合パターンがマッチするデータに対応するメーカを判定結果として出力する処理部である。
【0034】
形状特性マスタ123は、形状特性評価部113が使用する各ルールを用いて各メーカのエンブレムの形状の特性を評価した結果が予め登録されたマスタデータである。例えば、判定対象のメーカがA社〜F社であり、それぞれのメーカのエンブレムの輪郭形状が図5に示す形状11〜16である場合の形状特性マスタ123の一例を図6に示す。
【0035】
A社のエンブレムの輪郭形状である形状11は、外周が円形ではないため、ルール1の適合結果は「0」である。また、左右に反転させたときは元の形状と一致するが、上下に反転させたときと、180度回転させたときは元の形状と一致しなくなるため、ルール2の適合結果は「1」であり、ルール3とルール4の適合結果は「0」である。
【0036】
B社のエンブレムの輪郭形状である形状12は、外周が円形であるため、ルール1の適合結果は「1」である。また、左右に反転させたとき、上下に反転させたとき、180度回線させたときのいずれにおいても元の形状と一致するため、ルール2、ルール3およびルール4の適合結果は「1」である。
【0037】
C社のエンブレムの輪郭形状である形状13は、外周が円形であるため、ルール1の適合結果は「1」である。また、左右に反転させたとき、上下に反転させたとき、180度回線させたときのいずれにおいても元の形状と一致しないため、ルール2、ルール3およびルール4の適合結果は「0」である。
【0038】
D社のエンブレムの輪郭形状である形状14は、外周が円形ではないため、ルール1の適合結果は「0」である。また、左右に反転させたとき、上下に反転させたとき、180度回線させたときのいずれにおいても元の形状と一致するため、ルール2、ルール3およびルール4の適合結果は「1」である。
【0039】
E社のエンブレムの輪郭形状である形状15は、外周が円形であるため、ルール1の適合結果は「1」である。また、左右に反転させたときは元の形状と一致するが、上下に反転させたときと、180度回転させたときは元の形状と一致しなくなるため、ルール2の適合結果は「1」であり、ルール3とルール4の適合結果は「0」である。
【0040】
F社のエンブレムの輪郭形状である形状16は、外周が円形ではないため、ルール1の適合結果は「0」である。また、左右に反転させたとき、上下に反転させたとき、180度回線させたときのいずれにおいても元の形状と一致しないため、ルール2、ルール3およびルール4の適合結果は「0」である。
【0041】
形状特性評価部113によって形状特性評価結果情報122に記憶された各ルールの適合パターンが図3の通りであった場合、この適合パターンは、形状特性マスタ123におけるD社の適合パターンと一致していることになる。したがって、この場合、メーカ判定部114は、画像データ121に含まれる車両のメーカはD社であると判定する。
【0042】
メーカ判定部114は、形状特性評価結果情報122に記憶された各ルールの適合パターンが形状特性マスタ123の各データと一致しない場合は、適合結果が一致するルールーが最も多いデータに対応するメーカを判定結果として出力する。このとき、適合結果が一致するルール数が最多のデータが複数存在した場合は、それらのデータに対応する複数のメーカを判定結果として出力する。
【0043】
次に、本実施例に係るメーカ判定装置100の処理手順について説明する。図7は、メーカ判定装置100の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、メーカ判定装置100は、メーカの判定を要求されると、エンブレム認識部111が、判定対象の画像データ121に含まれる車両のエンブレム部分を認識する(ステップS101)。
【0044】
そして、エンブレム形状抽出部112が、エンブレム部分の画像が正面からの画像になるように補正し(ステップS102)、補正後の画像からエンブレムの輪郭形状を抽出する(ステップS103)。
【0045】
そして、この輪郭形状が所定のルールに適合するか否かを判定することによって、形状特性評価部113が、この輪郭形状の特性を評価し(ステップS104)、メーカ判定部114が、この評価結果と形状特性マスタ123の各データと照合して最もマッチするデータに対応するメーカを判定結果として出力する。
【0046】
上記実施例で説明してきたメーカ判定装置100の機能は、あらかじめ用意されたメーカ判定プログラムをコンピュータで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、メーカ判定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
【0047】
図8は、メーカ判定プログラム1071を実行するコンピュータ1000を示す機能ブロック図である。このコンピュータ1000は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)1010と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置1020と、各種情報を表示するモニタ1030と、各種プログラム等を記録した記録媒体からプログラム等を読み取る媒体読取り装置1040と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受をおこなうネットワークインターフェース装置1050と、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)1060と、ハードディスク装置1070とバス1080で接続して構成される。
【0048】
そして、ハードディスク装置1070には、図1に示した制御部110と同様の機能を有するメーカ判定プログラム1071が記憶される。また、ハードディスク装置1070には、図1に示した画像データ121と形状特性マスタ123に対応する画像データ1072と形状特性マスタ1073も記憶される。なお、画像データ1072と形状特性マスタ1073は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶させておくこともできる。
【0049】
そして、CPU1010がメーカ判定プログラム1071をハードディスク装置1070から読み出してRAM1060に展開することにより、メーカ判定プログラム1071は、メーカ判定プロセス1061として機能するようになる。そして、メーカ判定プロセス1061は、画像データ1072と形状特性マスタ1073をハードディスク装置1070から適宜読み出して、RAM1060上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開したデータ等に基づいて各種データ処理を実行する。
【0050】
なお、上記のメーカ判定プログラム1071は、必ずしもハードディスク装置1070に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたこのプログラムを、コンピュータ1000が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)等にこのプログラムを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0051】
上述してきたように、本実施例では、単純な形状を有することが多いエンブレム部分の輪郭形状を画像データから抽出し、その輪郭の形状に基づいてメーカを特定するように構成したので、低解像度のカメラで撮影された画像データに基づいて画像中の車両のメーカを特定することができる。
【0052】
また、予め用意されたサンプルと輪郭形状をマッチングするのではなく、輪郭形状単体で形状特性の評価を行うように構成したので、低解像度のカメラで撮影された画像がサンプルとのマッチングが可能な程度に明瞭でない場合であっても、高い精度でメーカを判定することができる。
【0053】
なお、本発明に係るメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置を他のプログラムや装置と組み合わせた構成としてもよい。例えば、本発明に係るメーカ判定装置を車両撮影用のカメラと組み合わせた構成とすることができる。また、本発明に係るメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置を他のプログラムおよび装置の一部として構成してもよい。
【0054】
(付記1)車両を撮影した画像データに基づいて該車両のメーカを判定するメーカ判定プログラムであって、
前記画像データにおける前記車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識手順と、
前記エンブレム認識手順によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出手順と、
前記エンブレム形状抽出手順によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価手順と、
前記形状特性評価手順の評価結果に基づいて、前記輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするメーカ判定プログラム。
【0055】
(付記2)前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を左右に反転させた形状が元の輪郭形状と一致するか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする付記1に記載のメーカ判定プログラム。
【0056】
(付記3)前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を上下に反転させた形状が元の輪郭形状と一致するか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする付記1に記載のメーカ判定プログラム。
【0057】
(付記4)前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を180度回転させた形状が元の輪郭形状と一致するか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする付記1に記載のメーカ判定プログラム。
【0058】
(付記5)前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状の外周が円形であるか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする付記1に記載のメーカ判定プログラム。
【0059】
(付記6)前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を左右に折り畳んだ場合に、形状が折り重なるか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする付記1に記載のメーカ判定プログラム。
【0060】
(付記7)前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を上下に折り畳んだ場合に、形状が折り重なるか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする付記1に記載のメーカ判定プログラム。
【0061】
(付記8)前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を対角線を境にして折り畳んだ場合に、形状が折り重なるか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする付記1に記載のメーカ判定プログラム。
【0062】
(付記9)車両を撮影した画像データに基づいて該車両のメーカを判定するメーカ判定装置であって、
前記画像データにおける前記車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識手段と、
前記エンブレム認識手段によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出手段と、
前記エンブレム形状抽出手段によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価手段と、
前記形状特性評価手段の評価結果に基づいて、前記輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定手段と
を備えたことを特徴とするメーカ判定装置。
【0063】
(付記10)車両を撮影した画像データに基づいて該車両のメーカを判定するメーカ判定方法であって、
前記画像データにおける前記車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識工程と、
前記エンブレム認識工程によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出工程と、
前記エンブレム形状抽出工程によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価工程と、
前記形状特性評価工程の評価結果に基づいて、前記輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定工程と
を含んだことを特徴とするメーカ判定方法。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上のように、本発明に係るメーカ判定プログラムおよびメーカ判定装置は、車両を撮影した画像データに基づいて車両のメーカを判定する場合に有用であり、特に、低解像度のカメラで撮影された画像データに基づいて画像中の車両のメーカを特定することが必要な場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施例に係るメーカ判定装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】形状特性評価ルールの一例を示す図である。
【図3】形状特性評価結果情報の一例を示す図である。
【図4】形状特性評価ルールの他の一例を示す図である。
【図5】エンブレムの形状の一例を示す図である。
【図6】形状特性マスタの一例を示す図である。
【図7】メーカ判定装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】メーカ判定プログラムを実行するコンピュータを示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
11〜16 形状
100 メーカ判定装置
110 制御部
111 エンブレム認識部
112 エンブレム形状抽出部
113 形状特性評価部
114 メーカ判定部
120 記憶部
121 画像データ
122 形状特性評価結果情報
123 形状特性マスタ
1000 コンピュータ
1010 CPU
1020 入力装置
1030 モニタ
1040 媒体読取り装置
1050 ネットワークインターフェース装置
1060 RAM
1061 メーカ判定プロセス
1070 ハードディスク装置
1071 メーカ判定プログラム
1072 画像データ
1073 形状特性マスタ
1080 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を撮影した画像データに基づいて該車両のメーカを判定するメーカ判定プログラムであって、
前記画像データにおける前記車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識手順と、
前記エンブレム認識手順によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出手順と、
前記エンブレム形状抽出手順によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価手順と、
前記形状特性評価手順の評価結果に基づいて、前記輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするメーカ判定プログラム。
【請求項2】
前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を左右に反転させた形状が元の輪郭形状と一致するか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする請求項1に記載のメーカ判定プログラム。
【請求項3】
前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を上下に反転させた形状が元の輪郭形状と一致するか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする請求項1に記載のメーカ判定プログラム。
【請求項4】
前記形状特性評価手順は、前記輪郭形状を左右に折り畳んだ場合に、形状が折り重なるか否かを判定することにより該輪郭形状の特性を評価することを特徴とする請求項1に記載のメーカ判定プログラム。
【請求項5】
車両を撮影した画像データに基づいて該車両のメーカを判定するメーカ判定装置であって、
前記画像データにおける前記車両のエンブレム部分を認識するエンブレム認識手段と、
前記エンブレム認識手段によって認識されたエンブレム部分の輪郭形状を抽出するエンブレム形状抽出手段と、
前記エンブレム形状抽出手段によって抽出された輪郭形状が所定の特性を有するかを評価する形状特性評価手段と、
前記形状特性評価手段の評価結果に基づいて、前記輪郭形状が最も類似するエンブレムをもつメーカを判定するメーカ判定手段と
を備えたことを特徴とするメーカ判定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−241332(P2007−241332A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58528(P2006−58528)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】