説明

メークアップ化粧料

【課題】 顔料表面の疎水化処理のみでは解決できない化粧崩れを抑制する技術を提供する。
【解決手段】 1)他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンと、2)無機イオン交換体とを、化粧料に含有させる。前記他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンにおける、他の金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛及び酸化鉄から選択される1種乃至は2種以上であることが好ましい。前記他の金属酸化物による処理は、二酸化チタンの表面活性を低下させるためのものである。前記無機イオン交換体としては、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、結晶性リン酸化合物の焼成物、トバモライト、ゾノトライト、ジャイロライト及びモンモリロナイト等が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、メークアップ化粧料に好適な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料の内、光学的効果を利用して、人の外観印象を変えるものとして、メークアップ化粧料などが存在する。この様な化粧料に於ける、光学効果を奏する成分としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、群青、紺青等の顔料類や、タルク、セリサイト、マイカ、チタンマイカ、チタンセリサイト、シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム或いは炭酸カルシウムなどの無機成分が存する。この様な成分の光学効果は著しく、この為、外観印象を大きく変えることは出来るが、これらの分布や、光学特性が生体成分により、変化すると、かかる光学効果が著しく変化するために、外観印象が大きく変わることが知られており、かかる現象を以て、化粧崩れと表現されている。この様な化粧崩れを予防することは、化粧による外観印象を長時間維持できる意味で意義深い。この為、化粧崩れを予防する手段の開発が進められてきている。この様な技術としては、例えば、前記無機成分や顔料をパーフルオロ基を有する化合物で被覆する方法(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)や高分子化合物で被覆する方法(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)等が知られている。しかしながら、この様な方法に於いては、化粧膜の耐水性を向上させ、これにより、化粧持ちが向上された。しかしながら、この様な手段を用いても、なかなか解決し得ない化粧崩れが存することが判ってきている。この様な化粧崩れがどの様なメカニズムで起こるかについては、詳細は知られておらず、その対策は手詰まりと言わざるを得なかった。本発明者らは、この原因について、詳細に検討したところ、これは、汗の中の塩分による、顔料類、特に二酸化チタンなどの高隠蔽性顔料の凝集であることを見出した。かかる凝集は、前記の表面処理などによりかなり緩和できるが、それでも光学効果に充分の影響を与える程度の凝集が起こることは否めない。即ち、汗によっておこる、顔料、取り分け二酸化チタンの凝集を抑制し、以て、化粧崩れを防止する技術の開発が望まれている。
【0003】
又、イオン交換能を有する無機材料としては、リン酸ジルコニウム、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、珪酸リン酸金属塩などが知られているが、これらを化粧料に応用した例は殆ど存しないし、かかる成分を汗などの体液中の塩を除去する目的で使用することも行われていない。(例えば、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13を参照)
【0004】
一方、化粧料に於いて、1)他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンと、2)無機イオン交換体とを含有する化粧料は全く知られていないし、かかる構成の化粧料が、汗などによる化粧崩れを抑制する作用に優れることも全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−146824号公報
【特許文献2】特開2003−73235号公報
【特許文献3】特開2003−95639号公報
【特許文献4】特開2003−12447号公報
【特許文献5】特開2002−68929号公報
【特許文献6】特開平10−255781号公報
【特許文献7】特開2002−20218号公報
【特許文献8】特開平05−32518号公報
【特許文献9】特表平10−503164号公報
【特許文献10】特開平10−15401号公報
【特許文献11】特開2004−16994号公報
【特許文献12】特開平8−268706号公報
【特許文献13】特開平7−108178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、顔料表面の疎水化処理のみでは解決できない化粧崩れを抑制する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、顔料表面の疎水化処理のみでは解決できない化粧崩れを抑制する技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンと、2)無機イオン交換体とを含有する化粧料がその様な作用を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンと、2)無機イオン交換体とを含有することを特徴とする、化粧料。
(2)前記他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンにおける、他の金属酸化物が、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛及び酸化鉄から選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、(1)に記載の化粧料。
(3)前記他の金属酸化物による処理が、二酸化チタンの表面活性を低下させるためのものであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の化粧料。
(4)前記無機イオン交換体が、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、結晶性リン酸化合物の焼成物、トバモライト、ゾノトライト、ジャイロライト及びモンモリロナイトから選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の化粧料。
(5)前記ゼオライトにおける珪素/アルミニウム・モル比が、10以下であることを特徴とする、(4)に記載の化粧料。
(6)前記ゼオライトがA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト及びフォージャサイト型ゼオライトXから選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、(4)又は(5)に記載の化粧料。
(7)メークアップ化粧料であることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の化粧料。
(8)化粧崩れの防止効果を有することを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顔料表面の疎水化処理のみでは解決できない化粧崩れを抑制する技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の化粧料の必須成分である、他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタン
本発明の化粧料は、チタン以外の金属の酸化物で処理されている、二酸化チタンを必須成分として含有することを特徴とする。かかる二酸化チタンを構成する、チタン以外の金属の酸化物の金属としては、化粧料で使用できるものであれば特段の限定はされないが、例えば、鉄、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム等が好ましく例示できる。これらの内、幾つかの酸化の価数を持つものは、その何れの価数を取ることも可能である。又、複数の金属の酸化物の複合体の形態を取ることも可能である。更に、処理という言葉は単に表面処理を指すに止まらず、ドープ型に結晶格子間に存在させることも、二酸化チタンとのともに結晶格子を作る、複合金属酸化物の形態を取ることも何れも可能である。この様な二酸化チタンは複数の金属酸化物或いは金属水酸化物を混合した後、焼成して作成することも出来るし、既に市販されているものを購入して使用することも出来る。好ましい市販品としては、例えば、二酸化珪素と酸化アルミニウムで処理した二酸化チタンである、「FUJITIO2−SMS」や「TIWHITE−SMS」(何れも富士色素株式会社製)、酸化アルミニウムで処理した二酸化チタンである、「微粒子酸化チタンMT−500HSD」(テイカ株式会社製)、酸化鉄で処理した二酸化チタンである「イエローチタン」(三重顔料株式会社製)や「微粒子酸化チタンMT−100F」、酸化アルミニウム、酸化鉄、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどで処理した二酸化チタンである「タイペークTTO−F−6」、「タイペークTTO−F−2」、「タイペークTTO−F−1」、「タイペークTTO−FX」(何れも、石原産業株式会社製)等が挙げられる。この様に、二酸化チタンを金属酸化物で処理することにより、塩による凝集を起こしにくくすることが出来る。二酸化チタンは隠蔽力が高いだけに、凝集などの分布状態の変化が起こるだけで、その光学的効果は著しく変わってしまう。又、二酸化チタンそのものは、皮膚にのせたときの質感は、しっとり乃至はべたつくような感触であり、汗などの塩が皮膚上に存する場合には、この様な重い感触は更に増してしまう。他の金属の酸化物による処理は、この様な感触を軽く、好ましいものに変える作用も有する。これらの金属酸化物処理二酸化チタンは、更に、その表面を通常の粉体で行うような処理を施して用いることも可能である。この様な表面処理としては、例えば、ジメチルポリシロキサン焼き付け処理、ハイドロジェンメチルポリシロキサン焼き付け処理、シランカップリング剤によるシリル化処理、パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン処理、アシルグルタミン酸塩処理、レシチン処理、多価アルコール被覆処理などが好適に例示できる。かかる処理に用いる処理剤の割合は粉体に対して、0.1〜20質量%程度が好ましい。この様な金属酸化物で処理した二酸化チタンは、本発明の化粧料では、唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料に於ける、この様な金属酸化物処理二酸化チタンの含有量は、化粧料全量に対して、総量で1〜40質量%であり、より好ましくは、5〜30質量%である。
【0010】
(2)本発明の化粧料の必須成分である無機イオン交換体
本発明の化粧料は、無機イオン交換体を必須成分として含有することを特徴とする。無機イオン交換体とは、無機物のみで構成されている塩、鉱物、複合酸化物などに於いて、陽イオン或いは陰イオンを、水素イオン或いは水酸イオンに置換する作用を有するものを意味し、具体的には、フェリエライト型ゼオライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、MTT型ゼオライト等のゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、結晶性リン酸化合物の焼成物、トバモライト、ゾノトライト、ジャイロライト及びモンモリロナイトから選択されるものが好ましく例示できる。結晶性リン酸化合物としては、リン酸ジルコニウム、珪酸リン酸カルシウム、珪酸リン酸ジルコニウム等が例示できる。これら以外にも、無機イオン交換体として市販されている化合物が存し、この様な市販品を購入して使用することも、本発明の技術的範囲に属する。この様な市販品の内好ましいものとしては、東亜合成株式会社より販売されている、「IXE−100」、「IXE−300」、「IXE−500」、「IXE−530」、「IXE−550」、「IXE−600」、「IXE−633」、「IXE−700F」、「IXE−800」等が挙げられる。これらの内、特に好ましいものは、「IXE−100」、「IXE−700F」、 「IXE−500」が挙げられる。本発明の化粧料では、かかる無機イオン交換体は、両イオン交換型であればそれ一種のみを含有させることも出来るが、陽イオン交換型或いは陰イオン交換型のどちらかである場合には、陽イオンと陰イオンが交換できるように少なくとも2種を組み合わせて含有させることが好ましい。本発明の化粧料に於いては、かかる無機イオン交換体は、そのまま含有させることも出来るし、前記の金属酸化物に酸化チタンと同様に表面処理を行って含有させることも出来る。本発明の化粧料に於ける、無機イオン交換体の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、0.1〜30質量%であり、より好ましくは、1〜10質量%である。又、このものは、二酸化チタンに対して1〜30質量%含有させることが好ましい。かかる成分の存在により、汗などに由来する塩などを皮膚上より除去し、顔料などが凝集するのを防ぐ作用を有する。
【0011】
(3)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記必須成分を含有することを特徴とする。本発明の化粧料としては、光学効果を有するものが好ましく、この意味に於いて、メークアップ化粧料に適用することが好ましい。メークアップ化粧料では、陽イオン或いは陰イオンが存在しない形態が好ましく、この意味で、固形白粉に適用することが好ましい。又、メークアップ化粧料ではなくとも、二酸化チタンを必須に含有する化粧料、例えば、紫外線防護化粧料などに適用することも、同様の効果を奏するので好ましい。
【0012】
本発明の化粧料では、前記の必須の成分以外に、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化亜鉛の二酸化チタン以外の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。本発明の化粧料は、これらの成分を常法に従って処理することにより、製造することが出来る。
【0013】
以下に、実施例を挙げて本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0014】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料を製造した。即ち、イの成分をジェットミルで粉砕し、ロの成分とともにヘンシェルミキサーに仕込み、混合し、0.9mmφ丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーで混合しながら、ハの成分を噴霧して被覆し、1mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕した後、金皿に充填し、加圧成型して本発明の化粧料1(ファンデーション)を得た。このものについて、次の方法によって、塩による凝集の程度を調べた。即ち、0.9%塩化ナトリウム水溶液を10質量%の寒天で固めて作成した、含塩間テンプレート上に、化粧料1をウレタンパフを用いて塗布し、これを実体顕微鏡で観察し、20視野における他の粉体類より有意に大きい凝集体の数を計数した。化粧料1の「タイペークTTO−F−6」を通常の二酸化チタンである、「タイペークR550」(石原産業株式会社製)に置換した比較例1、イの成分をシリカに置換した比較例2も作成し、同様に検討を行った。この結果を表1に示す。これより、本発明の化粧料は、塩によって凝集しにくいことが判る。
【0015】
イ)
ゼオラム A-3(ゼオライト) 3 質量%
HSZ-500 KOA(ハイシリカゼオライト) 3 質量%
HSZ320 HOA(ハイシリカゼオライト) 3 質量%
*東ソー株式会社製
ロ)
「タイペークTTO−F−6」 20 質量%
シリカ 21 質量%
酸化鉄 10 質量%
セリサイト 20 質量%
マイカ 10 質量%
ハ)
ジメチコン(1000mPascal秒) 5 質量%
オレイン酸オクチルドデシル 5 質量%
【0016】
【表1】

【実施例2】
【0017】
実施例1の化粧料1と同様に、化粧料1のイの成分を変えて、化粧料2を作成した。このものの実施例1の凝集試験での20視野の凝集個数は63であり、同様の効果を有していることが判る。
【0018】
イ)
ベンゲル ブライト11(モンモリロナイト) 9 質量%
*株式会社ホージュン製
ロ)
「タイペークTTO−F−6」 20 質量%
シリカ 21 質量%
酸化鉄 10 質量%
セリサイト 20 質量%
マイカ 10 質量%
ハ)
ジメチコン(1000mPascal秒) 5 質量%
オレイン酸オクチルドデシル 5 質量%
【実施例3】
【0019】
実施例1の化粧料1と同様に、化粧料1のイの成分を変えて、化粧料3を作成した。このものの実施例1の凝集試験での20視野の凝集個数は41であり、同様の効果を有していることが判る。
【0020】
イ)
IXE−100 3 質量%
IXE−700F 3 質量%
IXE−500 3 質量%
*東亜合成株式会社製
ロ)
「タイペークTTO−F−6」 20 質量%
シリカ 21 質量%
酸化鉄 10 質量%
セリサイト 20 質量%
マイカ 10 質量%
ハ)
ジメチコン(1000mPascal秒) 5 質量%
オレイン酸オクチルドデシル 5 質量%
【実施例4】
【0021】
実施例1の化粧料1と同様に、化粧料1の「タイペークTTO−F−6」を変えて、化粧料4〜8を作成した。このものの実施例1の凝集試験での結果を表2に示す。これより、これらの化粧料は、化粧料1と同様の効果を有していることが判る。
【0022】
イ)
ゼオラム A-3(ゼオライト) 3 質量%
HSZ-500 KOA(ハイシリカゼオライト) 3 質量%
HSZ320 HOA(ハイシリカゼオライト) 3 質量%
*東ソー株式会社製
ロ)
表2に記載の成分 20 質量%
シリカ 21 質量%
酸化鉄 10 質量%
セリサイト 20 質量%
マイカ 10 質量%
ハ)
ジメチコン(1000mPascal秒) 5 質量%
オレイン酸オクチルドデシル 5 質量%
【0023】
【表2】

【実施例5】
【0024】
<試験例>
実施例1の化粧料1、比較例1及び比較例2を用いて、使用テストを行った。即ち、パネラー10名にこれらの3種の化粧料を渡し、1週間ずつ使用してもらい、化粧持ちの良さを比較し、一番化粧持ちがよいと感じた化粧料を1つだけ、挙げてもらった。化粧料1が尤も化粧持ちが良いと答えた人が8名であり、回答なしが2名であった。これより、上記実験が化粧持ちを反映していることが判るし、本発明の化粧料が優れた化粧持ち効果を有していることも判る。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、化粧持ちに優れるメークアップ化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンと、2)無機イオン交換体とを含有することを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
前記他の金属酸化物で処理されている、二酸化チタンにおける、他の金属酸化物が、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛及び酸化鉄から選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記他の金属酸化物による処理が、二酸化チタンの表面活性を低下させるためのものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記無機イオン交換体が、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、結晶性リン酸化合物の焼成物、トバモライト、ゾノトライト、ジャイロライト及びモンモリロナイトから選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
前記ゼオライトにおける珪素/アルミニウム・モル比が、10以下であることを特徴とする、請求項4に記載の化粧料。
【請求項6】
前記ゼオライトがA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト及びフォージャサイト型ゼオライトXから選択される1種乃至は2種以上であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の化粧料。
【請求項7】
メークアップ化粧料であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の化粧料。
【請求項8】
化粧崩れの防止効果を有することを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の化粧料。

【公開番号】特開2006−1873(P2006−1873A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179053(P2004−179053)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】