説明

メール受信機能付きディジタル画像受信装置

【課題】受信したメールの文字と、クローズドキャプションの文字とが、画面上で重ならないように表示することのできるメール受信機能付きディジタル画像受信装置を提供すること。
【解決手段】クローズドキャプションの表示位置を検出する手段と、メールの受信を検出する手段と、クローズドキャプションの表示位置と受信メールの表示位置とを重ならないようにする表示制御手段と、クローズドキャプションの文字と受信メールの文字のいずれを優先表示するかを視聴者に選択させる手段を有するメール受信機能付きディジタル画像受信装置を提供する。さらに、クローズドキャプションの表示色と受信メールの表示色を異なるように表示させる手段を有するメール受信機能付きディジタル画像受信装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メール受信機能付きディジタル画像受信装置に関し、特にクローズドキャプションの文字とメールの文字を相互に重なることなく表示できるようにしたメール受信機能付きディジタル画像受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル画像受信装置については、従来から難聴者の視聴を快適にするために、音声と同じ内容を文字情報にして画面上に表示するクローズドキャプションの表示機能を有するものが一般的であった。ところが、このクローズドキャプションの文字と、画像データとしての映画の日本語字幕などの文字とが画面上に重なって表示されるという不都合があった。この不都合を解消するためにさまざまな工夫が考案されているが、例えば特許文献1は、予め作成した変換プログラムに基づいて、クローズドキャプションの表示位置を固定することにより、クローズドキャプションの文字と、日本語字幕などの文字との重なりを回避するようにしている。また特許文献2は、クローズドキャプションの文字の画面上の表示位置と、日本語字幕などの文字の画面上の表示位置を制御することにより、クローズドキャプションの文字と、日本語字幕などの文字との重なりを回避するようにしている。
【0003】
特許文献1、特許文献2などにより、クローズドキャプションの文字と、日本語字幕などの文字との重なりは回避されるようになったが、近年では、メールの受信を可能にして、受信したメールの文字を当該画面上に表示するようにした受信メールの表示機能を併せ有するディジタル画像受信装置が普及するようになってきた。例えば特許文献3は、新規のメールを受信すると、画面上に当該受信メールの文字を表示するようにしたディジタル画像受信装置を開示している。
【0004】
しかしながら、受信したメールの文字と、クローズドキャプションの文字とが画面上に重なって表示されるという新たな不都合については、上記の特許文献1、特許文献2、特許文献3などによっても、相変わらず未解決のまま放置されている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−165139号公報
【特許文献2】特開平11−168702号公報
【特許文献3】特開2001−197385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、受信したメールの文字と、クローズドキャプションの文字とが画面上で重ならないように表示することを可能にした、メール受信機能付きディジタル画像受信装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、メールの文字と、クローズドキャプションの文字について、どちらを優先して画面上に表示させるかを視聴者に選択できるようにした、メール受信機能付きディジタル画像受信装置を提供することを目的とする。さらに本発明は、受信したメールの文字と、クローズドキャプションの文字との画面上の表示位置の重なりを防止するのみならず、それぞれの文字の色を互いに異なる色で画面上に表示させるようにした、メール受信機能付きディジタル画像受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のメール受信機能付きディジタル画像受信装置は、ディジタルテレビ放送画像を表示する表示手段、当該表示手段におけるクローズドキャプションデータの表示位置を検出する表示位置検出部を有するクローズドキャプション制御手段、メールを受信し検出するメール検出手段、当該メール検出手段からのデータを処理してメールの内容を当該表示手段に文字として表示するようにしたメール処理手段、及び表示位置制御部を備えた、当該表示手段に文字を表示する表示制御手段、を有するメール受信機能付きディジタル画像受信装置であって、さらに、クローズドキャプションの文字とメールの文字のいずれかを優先表示するかを画像受信装置の視聴者が選択できる優先表示選択手段を有し、当該優先表示選択手段によって選択された表示優先選択に基づいて、当該表示制御手段がクローズドキャプションの文字とメールの文字を、相互に重なることなく、当該表示手段に表示できるようにしたことを特徴とするメール受信機能付きディジタル画像受信装置である。
【0008】
さらに本発明のメール受信機能付きディジタル画像受信装置は、ディジタルテレビ放送画像を表示する表示手段、当該表示手段におけるクローズドキャプションデータの表示位置及び表示色を検出する表示位置及び表示色検出部を有するクローズドキャプション制御手段、メールを受信し検出するメール検出手段、当該メール検出手段からのデータを処理してメールの内容を当該表示手段に文字として表示するようにしたメール処理手段、及び
表示位置及び表示色制御部を備えた、当該表示手段に文字を表示する表示制御手段、を有するメール受信機能付きディジタル画像受信装置であって、さらに、クローズドキャプションの文字とメールの文字のいずれかを優先表示するかを画像受信装置の視聴者が選択できる優先表示選択手段を有し、当該優先表示選択手段によって選択された表示優先選択に基づいて、当該表示制御手段が、クローズドキャプションの文字とメールの文字を、相互に重なることなく、かつ、異なる色で当該表示手段に表示できるようにしたことを特徴とするメール受信機能付きディジタル画像受信装置である。
【0009】
さらに本発明のメール受信機能付きディジタル画像受信装置は、当該優先表示選択手段によってクローズドキャプションの文字が優先表示選択された場合、当該表示制御手段がメールの文字の表示を禁止して、受信メールの存在を表示できるようにしたことを特徴とするメール受信機能付きディジタル画像受信装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のメール受信機能付きディジタル画像受信装置によれば、ディジタル画像を視聴中にメールを受信した場合、受信したメールの内容をリアルタイムで視聴者に伝えることができ、さらに視聴中の画面にクローズドキャプションが表示されている場合でも、当該クローズドキャプションの文字と、受信したメールの文字との重なりを完全に防止することができる。また、クローズドキャプションの文字と、受信したメールの文字が、相互にそれぞれ異なる色で同一画面上に表示されるので、クローズドキャプションの文字と、メールの文字との識別がきわめて容易である。さらに本発明のメール受信機能付きディジタル画像受信装置によれば、クローズドキャプションの文字と、メールの文字のいずれを優先表示させるかを視聴者が任意に選択できるので、視聴者にとって、使い勝手が大幅に改善する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による具体的な実施形態を、以下、図を参照して説明する。図1は、本発明に係る第1の実施例のメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の構成を示すブロック図である。本発明によるメール受信機能付きディジタル画像受信装置1は、アンテナ10、インターネット回線12、チューナー20、復調部30、映像/音声処理部40、クローズドキャプション制御部50、メール検出部60、メール処理部70、CPU80、表示制御部90、優先表示選択部100、および表示部110とから構成される。
【0012】
ディジタル放送波はアンテナ10を介して、チューナー20、復調部30を経て、分別された映像/音声データが映像/音声処理部40に送られる。当該映像/音声データを構成するクローズドキャプションのデータが前記映像/音声処理部40から抽出され、クローズドキャプション制御部50に送られ、クローズドキャプション表示位置検出部51によって、当該クローズドキャプションの文字が後述の表示部110に表示されるときの表示位置データが検出される。
【0013】
一方、メールのデータはインターネット回線12を介して、メール検出部60に送られ、メールの受信が検出される。受信が検出された当該メールのデータはメール処理部70に送られ、後述の表示部110に文字として表示されるように当該データの処理が行われる。
【0014】
前記のクローズドキャプション表示位置検出部51によって検出されたクローズドキャプションの文字が後述の表示部110に表示されるときの表示位置データと、前記のメール処理部70によって処理された受信メールのデータとは、CPU80および表示制御部90に送られる。
【0015】
さらに優先表示選択部100では、後述のメニュー画面において、当該クローズドキャプションの文字と、当該受信メールの文字とのいずれを優先して後述の表示部110に表示させるかについての表示優先選択が行われ、その選択結果のデータが前記CPU80および前記表示制御部90に送られて、表示位置制御部91によって、当該クローズドキャプションの文字と、当該受信メールの文字とのいずれかを優先して、後述の表示部110に表示されるときに相互に重ならないような位置で表示されるように制御が行われる。
【0016】
前記の表示位置制御部91で制御されたデータが映像/音声処理部40に送られ、さらに表示部110に送られることによって、当該クローズドキャプションの文字と、当該受信メールの文字とが、相互に重ならないような位置で当該表示部110に表示される。
【0017】
以上のように構成されたメール受信機能付きディジタル画像受信装置1において、以下、図2、図3、及び図4を参照して、本発明によるメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の動作を説明する。図2は、本発明の図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の実施例の動作において、クローズドキャプションの文字と、受信メールの文字とのいずれを優先して表示部110に表示させるかを視聴者に選択させるためのメニュー画面である。図3は、本発明の図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の実施例の動作を説明するフローチャートである。図4は、図2のメニュー画面で選択された表示方法に対応して、表示部110に表示される表示画面を示す図である。
【0018】
先ず、図2のメニュー画面について説明する。図2(a)は、クローズドキャプションの文字と、受信メールの文字との重なりを防止する方法として、ノーマル方式とスペシャル方式のいずれかを視聴者に選択させるためのメニュー画面である。ノーマル方式は、メール受信機能付きディジタル画像受信装置1における文字の重なり防止方法のデフォルトとして、クローズドキャプション表示位置検出部51が検出するクローズドキャプションの表示位置データと相反する表示部110の画面上の位置に、メールの文字を表示させるように、予めCPU80にプログラムとして組み込まれているものとする。つまり、ノーマル方式では、クローズドキャプションが表示部110の画面の下側に表示されるときには、メールの文字が表示部110の画面の上側に表示されるようになっており、逆に、クローズドキャプションが表示部110の画面の上側に表示されるときには、メールの文字が表示部110の画面の下側に表示されるようになっているものとする。一方、図2(b)は、図2(a)でスペシャル方式を選択した場合に、さらに、クローズドキャプションを優先させて表示させるようにするか、あるいは、メールを優先させて表示させるようにするかを、視聴者に選択させるためのメニュー画面である。スペシャル方式についても、メール受信機能付きディジタル画像受信装置1における文字の重なり防止方法として、CPU80にプログラムとして組み込まれているものとする。なお、この図2(a)および図2(b)に示すメニュー画面の機能は、図1に示す優先表示選択部100の機能に該当する。
【0019】
以下、図3のフローチャートに従って、本発明の図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の実施例の動作を説明する。本発明のディジタル画像受信装置1によりディジタル放送の映画番組が放映されているときに、インターネット回線12を介してメールが受信されたことをメール検出部60が検出し、メールの受信がスタートする。当該受信されたメールのデータが表示部110に文字として表示されるように、メール処理部70にて当該データの処理が行われ、当該処理済のデータは表示制御部90に送られる。
前記メール検出部60にてメールの受信が検出されると、当該放映中の画面に字幕などのクローズドキャプションが表示されているかどうかが、ステップS1で問われる。字幕などのクローズドキャプションが表示されていない場合(ステップS1のN)、受信メールの処理済みデータが表示制御部90から映像/音声処理部40を経て、表示部110の所定の位置にメールの文字が表示される(ステップS2)。
【0020】
次にステップS3で、受信したメールは先に表示部110に表示された内容で終了したかどうかが、問われる。受信メールの表示が終了している場合(ステップS3のY)、メール受信は終了する。一方、まだ終了していない場合(ステップS3のN)は、未表示のメールデータを表示部110に文字として表示させるために、ステップS1に戻って、放映中の画面に字幕などのクローズドキャプションが表示されているかどうかが改めて問われる。
【0021】
このときの映画の放映画面には、図4(a)に示すように、字幕(「こんにちは」、「元気ですか?」)のクローズドキャプションが画面の下側に表示されていたものとする(ステップS1のY)。次にステップS4で、図2(a)に示した文字の重なり防止メニュー画面で、スペシャルが選択されていたかどうかが、問われる。ここでは、スペシャル方式が選択されておらず(ステップS4のN)、ノーマル方式が選択されていた場合について説明する。ノーマル方式が選択されていると、先に説明したとおり、クローズドキャプション表示位置検出部51が検出するクローズドキャプションの表示位置データと相反する表示部110の画面上の位置にメールの文字を表示させるように、デフォルト設定してあるので、図4(b)に示すように、メール受信の文字が画面上の上側に自動的に表示されるので、クローズドキャプションの文字とメールの文字が互いに重ならないように表示される(ステップS5)。次に、ステップS6で、受信したメールは先に表示部110に表示された内容で終了したかどうかが、問われる。
【0022】
受信メールの表示が終了している場合(ステップS6のY)、メール受信は終了する。一方、まだ終了していない場合(ステップS6のN)は、未表示のメールデータを表示部110に文字として表示させるために、ステップS5に戻って、字幕のクローズドキャプションの文字と、メールの文字との、ノーマル方式による表示が継続される。ここで、映画の放映画面が次に進んで、図4(e)に示すように、字幕(「さよなら」、「またあした」)のクローズドキャプションが画面の上側に表示される場面に移っていたとする。ノーマル方式が選択されているので、先に説明したとおり、クローズドキャプション表示位置検出部51が検出するクローズドキャプションの表示位置データと相反する表示部110の画面上の位置にメールの文字を表示させるように、デフォルト設定してあるので、こんどは図4(f)に示すように、メール受信の文字が画面上の下側に自動的に表示されるので、クローズドキャプションの文字とメールの文字が互いに重ならないように表示される。次に、ステップS6で、受信したメールは先に表示部110に表示された内容で終了したかどうかが問われることにより、これまで説明したノーマル方式のステップS5〜S6が、受信メールの表示がすべて終了するまで、反復される。
【0023】
以上のように、ノーマル方式を選択することによって、クローズドキャプションの文字とメールの文字を互いに重ならないように表示部110の画面上に表示することができる。しかしながら、図4(b)と図4(f)から容易に分かるとおり、ディジタルテレビ放送の放映画面の遷移によって、字幕などのクローズドキャプションの表示位置に応じて、メールの文字が表示部110の画面上の上側に表示されたり、下側に表示されたりするので、視聴者にとって使い勝手が悪い。この問題を解決するために、本発明は、以下に説明するスペシャル方式を提供するものである。スペシャル方式においては、ディジタルテレビ放送の放映画面が遷移して、字幕などのクローズドキャプションの表示位置がどのように変移しても、表示されるメールの文字の表示位置を表示部110の画面上の一定の場所に固定してあるので、視聴者は受信したメールを読むときにも、画面上の一定の表示位置だけを目で追えばよく、使い勝手が格段に改善される。以下、本事例においては、受信したメールの表示位置を、表示部110の画面上の上側に設定したものとして、説明を続ける。
【0024】
ここでは、図2(a)でスペシャル方式が選択され、さらに図2(b)でクローズドキャプション優先が選択されているものとする。これらの選択された情報は、すべて、優先表示選択部100からCPU80に格納される。スペシャル方式が選択されており(ステップS4のY)、さらにクローズドキャプション優先が選択されているので(ステップS7のY)、ステップS8に進み、字幕のクローズドキャプションの表示位置データが、クローズドキャプション表示位置検出部51によって検出される。このときの映画の放映画面は、図4(a)に示すように、字幕(「こんにちは」、「元気ですか?」)のクローズドキャプションが画面の下側に表示されているものであり、受信メールの表示位置(表示部110の画面上の上側に設定)とは重ならないので(ステップS9のN)、クローズドキャプション表示位置検出部51のデータと、メール処理部70のデータと、優先表示選択部100のデータとが、CPU80で一括処理されたのち、表示位置制御部91を含む表示制御部90から映像/音声処理部40を経て、表示部110に送られることにより、図4(c)に示すように、クローズドキャプションの文字とメールの文字が互いに重ならないように表示される(ステップS11)。
【0025】
次に、ステップS12で、受信したメールは先に表示部110に表示された内容で終了したかどうかが、問われる。受信メールの表示が終了している場合(ステップS12のY)、メール受信は終了する。一方、まだ終了していない場合(ステップS12のN)は、未表示のメールデータを表示部110に文字として表示させるために、ステップS8に戻って、改めて字幕のクローズドキャプションの表示位置と、受信したメールの文字の表示位置とが、重なるかどうかが問われる。
【0026】
ここで、映画の放映画面が次に進んで、図4(e)に示すように、字幕(「さよなら」、「またあした」)のクローズドキャプションが画面の上側に表示される場面に移っていたとする。こんどは、字幕(「さよなら」、「またあした」)のクローズドキャプションと、受信メールの表示位置(表示部110の画面上の上側に設定)とが重なってしまうので、表示制御部90が映像/音声処理部40に対してメールの文字の表示を禁止する信号を送信する。例えば図4(g)の右上隅に示す進入禁止のマークなどにより、受信メールの存在を示すアイコンのみを表示部110の画面上に表示する(ステップS10)。こうすることにより、クローズドキャプションの文字とメールの文字が互いに重なることを防止することができ、かつ、受信メールの存在を視聴者に知らしめることができる。
【0027】
次にステップS9で、再度、クローズドキャプションの文字の表示位置とメールの文字の表示位置が重なるかかどうかが問われ、重ならないと判定されたときに(ステップS9のN)、上記進入禁止マークで表示された未表示のメールの文字が表示される(ステップS11)。次に、ステップS12で、受信したメールは先に表示部110に表示された内容で終了したかどうかが、問われる。受信メールの表示が終了している場合(ステップS12のY)、メール受信は終了する。
【0028】
次に、図2(a)ではスペシャル方式が選択されているが、図2(b)でメール優先が選択された場合について、図3のフローチャートを参照しつつ、説明する。これらの選択された情報は、すべて、優先表示選択部100からCPU80に格納される。スペシャル方式が選択されており(ステップS4のY)、さらにクローズドキャプション優先ではなく、
メール優先が選択されているので(ステップS7のN)、ステップS13に進み、字幕のクローズドキャプションの表示位置データが、クローズドキャプション表示位置検出部51によって検出される。メール優先の場合は、本事例においては、表示部110の画面上の上側に設定された表示位置に受信したメールの文字を必ず表示するようにしてあるので、クローズドキャプションの文字の表示位置が当該メールの文字の表示位置に重ならないように、表示位置制御部91によって、クローズドキャプションの表示位置が変更されるようになっている。
【0029】
このときの映画の放映画面は、図4(a)に示すように、字幕(「こんにちは」、「元気ですか?」)のクローズドキャプションが画面の下側に表示されているものであり、受信メールの表示位置(表示部110の画面上の上側に設定)とは重ならないので、クローズドキャプション表示位置検出部51のデータと、メール処理部70のデータと、優先表示選択部100のデータとが、CPU80で一括処理されたのち、表示位置制御部91を含む表示制御部90から映像/音声処理部40を経て、表示部110に送られることにより、図4(d)に示すように、クローズドキャプションの文字とメールの文字が互いに重ならないように表示される(ステップS14)。
【0030】
次に、ステップS15で、受信したメールは先に表示部110に表示された内容で終了したかどうかが、問われる。受信メールの表示が終了している場合(ステップS15のY)、メール受信は終了する。一方、まだ終了していない場合(ステップS15のN)は、未表示のメールデータを表示部110に文字として表示させるために、ステップS13に戻って、改めて字幕のクローズドキャプションの表示位置が検出される。
【0031】
ここで、映画の放映画面が次に進んで、図4(e)に示すように、字幕(「さよなら」、「またあした」)のクローズドキャプションが画面の上側に表示される場面に移っていたとする。こんどは、字幕(「さよなら」、「またあした」)のクローズドキャプションと、受信メールの表示位置(表示部110の画面上の上側に設定)とが重なってしまうので、表示制御部90が映像/音声処理部40に対して、クローズドキャプションの文字の表示位置を受信メールの表示位置と重ならないように、下側にズラして表示する信号を送信する。その結果、図4(h)に示すように、字幕(「さよなら」、「またあした」)のクローズドキャプションの表示位置が、図4(e)と比べて画面の下側にズラして表示されるので、クローズドキャプションの文字とメールの文字が互いに重ならずに、表示することができる(ステップS14)。次に、ステップS15で、受信したメールは先に表示部110に表示された内容で終了したかどうかが、問われる。受信メールの表示が終了している場合(ステップS15のY)、メール受信は終了する。
【0032】
以上で、クローズドキャプションの文字の表示位置と受信メールの文字の表示位置とが互いに重ならないようにした、本発明によるメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の動作を説明した。
【0033】
以下、クローズドキャプションの文字の表示位置と受信メールの文字の表示位置とが互いに重ならないようにしたことに加え、さらにクローズドキャプションの文字の表示色と受信メールの文字の表示色とが互いに異なる色で表示させるようにしたメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の動作ついて、図5、図6および図7を参照して、説明する。
【0034】
図5は、本発明に係る第2の実施例のメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の構成を示すブロック図である。先に説明した図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1との差異は、クローズドキャプション制御部50に、クローズドキャプション表示色検出部52を設けたこと、および、表示制御部90に、表示色制御部92を設けたことである。
【0035】
図5に示す構成によるメール受信機能付きディジタル画像受信装置2においては、ディジタル放送波はアンテナ10を介して、チューナー20、復調部30を経て、分別された映像/音声データが映像/音声処理部40に送られる。当該映像/音声データを構成するクローズドキャプションのデータが前記映像/音声処理部40から抽出され、クローズドキャプション制御部50に送られ、クローズドキャプション表示位置検出部51によって、当該クローズドキャプションの文字が表示部110に表示されるときの表示位置データが検出されるとともに、クローズドキャプション表示色検出部52によって、当該クローズドキャプションの文字が表示部110に表示されるときの表示色データが検出される。
【0036】
一方、メールのデータはインターネット回線12を介して、メール検出部60に送られ、メールの受信が検出される。受信が検出された当該メールのデータはメール処理部70に送られ、表示部110に文字として表示されるように当該データの処理が行われる。
【0037】
前記のクローズドキャプション表示位置検出部51によって検出されたクローズドキャプションの文字が後述の表示部110に表示されるときの表示位置データと、前記のクローズドキャプション表示色検出部52によって検出されたクローズドキャプションの文字が表示部110に表示されるときの表示色データと、前記のメール処理部70によって処理された受信メールのデータとは、CPU80および表示制御部90に送られる。
【0038】
さらに優先表示選択部100では、メニュー画面において、当該クローズドキャプションの文字と、当該受信メールの文字とのいずれを優先して後述の表示部110に表示させるかについての表示優先選択が行われ、その選択結果のデータが前記CPU80および前記表示制御部90に送られて、表示位置制御部91によって、当該クローズドキャプションの文字と、当該受信メールの文字とのいずれかを優先して、表示部110に表示されるときに相互に重ならないような位置で表示されるとともに、表示色制御部92によって、当該クローズドキャプションの文字と、当該受信メールの文字とが、相互に異なる色で表示されるように制御が行われる。
【0039】
前記の表示位置制御部91および表示色制御部92で制御されたデータが映像/音声処理部40に送られ、さらに表示部110に送られることによって、当該クローズドキャプションの文字と、当該受信メールの文字とが、相互に重ならないような位置で、かつ相互に異なる色で、当該表示部110に表示される。
【0040】
図6は、本発明の図5に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の実施例の動作を説明するフローチャートである。本発明の図5に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の動作を、図6のフローチャートにより説明する。なお先に、図3のフローチャートに基づいて図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の動作を説明したが、それと重複する部分については省略して説明する。
【0041】
先の図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の実施例に関する図3のフローチャートによる動作説明との相違点としては、クローズドキャプションの文字の表示位置と受信メールの文字の表示位置とが互いに重ならないようにしたことに加え、さらにクローズドキャプションの文字の表示色と受信メールの文字の表示色とを互いに異なる色で表示させるようにしたことである。
【0042】
図7は、本発明の図5に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の実施例の動作を説明するための、クローズドキャプションの文字の色情報に対する、メールの文字の色指定を示す表である。本実施例において、クローズドキャプションの文字の表示色は、白、黄色、シアン(水色)、緑、マゼンダ、赤、青、黒の8色であり、図7に示すように、上記8色の色に対応して1〜8の番号が付されているものとする。さらに、ディジタル放送の映画番組の放映中に、クローズドキャプションの文字と、メールの文字とが、表示部110の画面上に同時に表示される場合、メールの文字の表示色をクローズドキャプションの文字の表示色とは異なる色を選択するようにしたプログラムがCPU80に組み込まれている。例えば、クローズドキャプションの文字の表示色が6番の赤であれば、メールの文字の表示色を6番に1を足した7番と設定して青色で表示させるようにプログラムが組まれているものとする。
【0043】
メール受信機能付きディジタル画像受信装置2でディジタル放送の映画番組が放映されているときに、インターネット回線12を介してメールが受信されたことをメール検出部60が検出し、メールの受信がスタートする。当該受信されたメールのデータが表示部110に文字として表示されるように、メール処理部70にて当該データの処理が行われ、当該処理済のデータは表示制御部90に送られる。前記メール検出部60にてメールの受信が検出されると、当該放映中の画面に字幕などのクローズドキャプションが表示されているかどうかが、ステップS101で問われる。以下、クローズドキャプションが表示されている(ステップS101のY)ものとして、説明を進める。
【0044】
ここでは、図2(a)でスペシャル方式が選択され、さらに図2(b)でクローズドキャプション優先が選択されているものとする。スペシャル方式が選択されており(ステップS104のY)、さらにクローズドキャプション優先が選択されているので(ステップS107のY)、ステップS108に進み、字幕のクローズドキャプションの表示位置データがクローズドキャプション表示位置検出部51によって検出され、同時に、字幕のクローズドキャプションの6番の赤という表示色データがクローズドキャプション表示色検出部52によって検出される。
【0045】
このときの映画の放映画面は、図4(a)に示すように、字幕(「こんにちは」、「元気ですか?」)のクローズドキャプションが画面の下側に表示色が赤で表示されているものとする。受信メールの表示位置(先の図3のフローチャートによる動作説明と同じく、表示部110の画面上の上側に設定)とは重ならないので(ステップS109のN)、クローズドキャプション表示位置検出部51のデータと、クローズドキャプション表示色検出部52のデータと、メール処理部70のデータと、優先表示選択部100のデータとが、CPU80に送られ、当該CPU80は、クローズドキャプション表示色検出部52で検出された6番の赤に1を足した7番の青でメールの文字を表示するように表示制御部90の表示色制御部92に信号を送信する。CPU80ですべてのデータが一括処理されたのち、表示位置制御部91および表示色制御部92を含む表示制御部90から映像/音声処理部40を経て、表示部110に送られることにより、図4(c)に示すように、6番の赤で表示されるクローズドキャプションの文字と、7番の青で表示されるメールの文字とが互いに異なる色で重ならないように表示される(ステップS111)。
【0046】
以上、図2(b)でクローズドキャプション優先が選択された場合(ステッぷS107のY)のメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の動作について説明したが、図2(b)でメール優先が選択された場合(ステップS107のN)も、その動作は基本的に同じなので、ここでのさらなる動作説明は割愛する。
【0047】
なお、クローズドキャプションの文字の表示色と、メールの文字の表示色とを、互いに異なる色で表示させることに関する上記の説明では、クローズドキャプションの文字の表示色が1種類だけであることを前提にして説明してきたが、同一の画面にクローズドキャプションの文字の語り手が複数名登場し、その複数の語り手が同時に発言するような場合は、当該同一の画面上に複数のクローズドキャプションが複数の表示位置に複数の表示色で表示されることが考えられる。このような場合、クローズドキャプションの文字の表示色として使用されていない色を、メールの文字の表示色として指定するように、CPU80にプログラムを組み込むことで対応可能であることは、言うまでもない。
【0048】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る第1の実施例のメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、本発明の図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の実施例の動作において、クローズドキャプションの文字と、受信メールの文字とのいずれを優先して表示部110に表示させるかを視聴者に選択させるためのメニュー画面を示す図である。
【図3】本発明の図1に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置1の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図4】図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)、図4(e)、図(f)、図4(g)および図4(h)は、図2(a)および図2(b)のメニュー画面で選択された表示方法に対応して、表示部110に表示される表示画面を説明するための図である。
【図5】本発明に係る第2の実施例のメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の図5に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の実施例の動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の図5に示すメール受信機能付きディジタル画像受信装置2の実施例の動作を説明するための、クローズドキャプションの文字の色情報に対する、メールの文字の色指定を示す表である。
【符号の説明】
【0050】
40 映像/音声処理部
50 クローズドキャプション制御部
51 クローズドキャプション表示位置検出部
52 クローズドキャプション表示色検出部
60 メール検出部
70 メール処理部
90 表示制御部
91 表示位置制御部
92 表示色制御部
100 優先表示選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルテレビ放送画像を表示する表示手段、
当該表示手段におけるクローズドキャプションデータの表示位置を検出する表示位置検出部を有するクローズドキャプション制御手段、
メールを受信し検出するメール検出手段、
当該メール検出手段からのデータを処理してメールの内容を当該表示手段に文字として表示するようにしたメール処理手段、及び
表示位置制御部を備えた、当該表示手段に文字を表示する表示制御手段、
を有するメール受信機能付きディジタル画像受信装置であって、
さらに、クローズドキャプションの文字とメールの文字のいずれかを優先表示するかを画像受信装置の視聴者が選択できる優先表示選択手段を有し、
当該優先表示選択手段によって選択された表示優先選択に基づいて、当該表示制御手段がクローズドキャプションの文字とメールの文字を、相互に重なることなく、当該表示手段に表示できるようにした上記メール受信機能付きディジタル画像受信装置。
【請求項2】
ディジタルテレビ放送画像を表示する表示手段、
当該表示手段におけるクローズドキャプションデータの表示位置及び表示色を検出する表示位置及び表示色検出部を有するクローズドキャプション制御手段、
メールを受信し検出するメール検出手段、
当該メール検出手段からのデータを処理してメールの内容を当該表示手段に文字として表示するようにしたメール処理手段、及び
表示位置及び表示色制御部を備えた、当該表示手段に文字を表示する表示制御手段、
を有するメール受信機能付きディジタル画像受信装置であって、
さらに、クローズドキャプションの文字とメールの文字のいずれかを優先表示するかを画像受信装置の視聴者が選択できる優先表示選択手段を有し、
当該優先表示選択手段によって選択された表示優先選択に基づいて、当該表示制御手段が、クローズドキャプションの文字とメールの文字を、相互に重なることなく、かつ、異なる色で当該表示手段に表示できるようにした上記メール受信機能付きディジタル画像受信装置。
【請求項3】
当該優先表示選択手段によってクローズドキャプションの文字が優先表示選択された場合、当該表示制御手段がメールの文字の表示を禁止して、受信メールの存在を表示できるようにした請求項1または2に記載のメール受信機能付きディジタル画像受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−135910(P2008−135910A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319667(P2006−319667)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】