説明

モジュール式制御部ハウジングを有する衛生器具

前方便器部(12)および便器部を洗浄するために便器部への水の供給を管理するための手段を有するタイプの衛生器具(例えば、ビデ(10)またはトイレ)が開示される。衛生器具は、便器部の後ろに取り付け可能なモジュール式ハウジング(14)および衛生器具の動作を制御するためにモジュール式ハウジング内に配置された少なくとも1つの制御部を含む。制御部は、照明制御部、ビデワンドの位置制御部、ビデワンドの加熱空気供給制御部、ビデワンドの水供給制御部、蓋の位置移動制御部、便座位置移動制御部、防臭装置制御部、および紫外線除菌装置制御部からなるグループから選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の参照)
該当せず。
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
該当せず。
【0002】
本発明は、トイレやビデ等の衛生器具に関する。特に本発明は、与えられた器具が消費者の好みに応じて様々な電子的な機能のために容易にカスタマイズされ得るモジュール式制御部ハウジングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ユーザがトイレまたは同様なものを購入するとき、その品目は(おそらく、表面色を選択する多少の限られたできることを除いて)略現状のままで注文される。したがって、特定のモデルのトイレまたはビデはしばしば、標準的な制御機能の事前に選択されたアレイとともに注文される。購入者が制御機能の異なるアレイを望む場合、彼らはそれらを得るためにやや異なる形状の衛生器具を選択する必要があるかもしれない。さらに、購入者に最も好まれる制御機能の組合せをちょうど有するモデルが特定の製造者から入手できず、他にない可能性もある。
【0004】
もちろん、製造者は、数百の可能な制御機能の組合せを代表する数百の在庫維持単位を製造し得る。しかし、これは在庫費用をかなり増加させ、全く売れないまたは良く売れない幾つかの組合せが製造されることにつながり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述の種類の問題を最小化すると同時に、制御機能をカスタマイズすることを容易にする改善された衛生器具に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様は、前方便器部(例えば、トイレまたはビデ)、および便器部を洗浄するために便器部への水の供給を管理するための手段を有するタイプの衛生器具を提供する。衛生器具は、便器部の後ろに取り付け可能なモジュール式ハウジングおよび衛生器具の動作を制御するためにモジュール式ハウジング内に配置された少なくとも1つの制御部を含む。制御部は、照明制御部、ビデワンド(bidet wand)の位置制御部、ビデワンドの加熱空気供給制御部、ビデワンドの水供給制御部、蓋の位置移動制御部、便座位置移動制御部、防臭装置制御部、および紫外線除菌装置制御部からなるグループから選択される。
【0007】
1つの態様では、衛生器具は、モジュール式ハウジングから便器部に伸びる格納式ビデワンドを持つビデである。他のものでは、衛生器具は、モジュール式ハウジングに取り付けられた便座および蓋を持つトイレまたはビデである。モジュール式ハウジングは、便座および蓋を上げるおよび下げるための駆動機構を収容する。
【0008】
さらに別の態様では、衛生器具は、モジュール式ハウジングが下に配置される便器部からの後方延長部を含む。
【0009】
また別の態様では、衛生器具は、モジュール式ハウジング内に配置された制御部に支配される防臭装置を含む。
【0010】
ある態様では、ハウジング内の1つまたは複数の制御部は電気制御部である。
【0011】
本発明の他の態様によれば、モジュール式ハウジングは、半透明の壁およびその中に配置された少なくとも1つの光源を含む。光源は、選択的に明るくされ得る(例えば、常夜灯または環境光を作り出す)。
【0012】
本発明のさらに別の態様では、モジュール式ハウジングはまた、電気的なオーディオ装置のための制御部を収容する。電気的なオーディオ装置は、リモコン受信機を含み得る。
【0013】
前方便器部および便器部を洗浄するために便器部への水の供給を管理するための手段を有するタイプのさらに他の衛生器具が開示される。この衛生器具はまた、便器部の後ろに取り付け可能なモジュール式ハウジングを含む。半透明の壁がモジュール式ハウジングの一部を形成する。少なくとも1つの光源がモジュール式ハウジング内に配置されるとともに、半透明の壁を通って光を透過させるために選択的に明るくされ得る。
【0014】
本発明のこの形態の1つの態様では、少なくとも1つの制御部が、衛生器具の動作を制御するためにモジュール式ハウジング内に配置される。この制御部は、照明制御部、ビデワンドの位置制御部、ビデワンドの加熱空気供給制御部、ビデワンドの水供給制御部、蓋の位置移動制御部、便座位置移動制御部、防臭装置制御部、および紫外線除菌装置制御部からなるグループから選択される。
【0015】
したがって、本発明は、電子的に制御可能な機能に関してカスタマイズ可能な衛生器具を提供する。製造者は、消費者に見える主要な外観を示すように、(従来の成形プロセスを使用して)後方延長部に加えて衛生器具の標準的な前方領域を作る。消費者が電気制御部の「アラカルト」の特定の選択を注文する場合、制御部および機能部の特定の箱がモジュールとして組み立てられ、次に後方延長部の下かつ便器部の後ろにスライドされる。次に部品が結合される。
【0016】
消費者が後に制御機能の異なる組合せを望む場合、または電子装置にメンテナンスの問題がある場合、モジュールは、完全なトイレまたはビデの交換よりはるかに低いコストで交換され得る。任意選択で、消費者が制御部の選択を好んでいるが、モデルチェンジに起因して異なる前部の美観を好む場合、消費者は後部モジュールを保持しながら、前部を取り替えることができる。
【0017】
さらに、この構造は、後部ハウジングが、完全に他の制御機能とは別に、それ自体固有の常夜灯として機能することを可能にする。
【0018】
本発明の前述のおよびさらなる他の利点は以下の説明から明らかになるであろう。その説明では、本発明の一部を形成するとともに本発明の好適な実施形態の例として示される添付の図面が参照される。これらの実施形態は本発明の全範囲を示すものではない。むしろ、本発明の全範囲を判断するために、特許請求の範囲を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】図1Aは、蓋が下げられた状態の本発明による衛生器具の斜視図である。
【図1B】図1Bは、蓋が上げられた状態の図1Aの衛生器具の斜視図である。
【図2】図2は、蓋構造が取り除かれた状態で、モジュール式ハウジングから分離された前方便器部構造を示す衛生器具の拡大図である。
【図3】図3は、オプションとして代替の前方便器部の適用をさらに示す、図1の衛生器具の拡大側面図である。
【図4】図4は、スパッドコネクタ、便器およびトラップ通路が仮想線で示された衛生器具の側面図である。
【図5A】図5Aは、格納された位置で示されるこの衛生器具に使用される格納式ビデワンドの断面側面図である。
【図5B】図5Bは、図5Aと同様の図であるが、展開された位置にある格納式ビデワンドを示す。
【図6】図6は、前方便器部とモジュール式ハウジングとの間のスパッド接続部の詳細断面図である。
【図7】図7は、部分的に展開されたモジュール式ハウジングの上方後部左側斜視図である。
【図8】図8は、部分的に展開されたモジュール式ハウジングの底部前方左側斜視図である。
【図9】図9は、図5Bのビデワンド制御部領域の正面平面図である。
【図10】図10は、図5Aのビデワンド制御部領域の正面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
最初に図1A、1Bおよび2を参照すると、ビデ10の形態の衛生器具は、モジュール式ハウジング14(バックパック)に取り付けられた前方便器部12を有する。モジュール式ハウジング14は、それに取り付けられ、電子的または手動の制御の対象となり、前方便器部12内に形成された便器22内の開口20を露出するために、持上げられ得るまたは下げられ得る、便座16および蓋18を有する。
【0021】
前方便器部12は、箱型に形成されるとともに従来の陶器またはガラス質材料から作られる。もちろん、前方便器部12に使用される材料は、代替的に、金属、プラスチック、または同様のもの等、他の材料を含み得る、或いは、所望の外観を提供するための様々な材料の組合せであり得る。
【0022】
図1Aおよび1Bに示されるように、前方便器部12は、リム28の端部から床に接するベース部30に向かって延びる前面24および2つの側面26を有する外壁を含む。
【0023】
図2に最も良く示されるように、前方便器部12はモジュール式ハウジング14に取り付け可能である。前方便器部12の後面32は、前方便器部12のモジュール式ハウジング14への取り付けを容易にするために、その中またはその上に形成された多くの機能を有し、それは前方便器部12とのモジュール式ハウジング14の機能の統合に対応する。例えば、後面32は、ボルト36または前方便器部12をモジュール式ハウジング14に機械的に取り付けるまたは接続する他の締結具を受け入れる、多くの孔34を含み得る。
【0024】
後面32はまた、トラップ通路44の一部がそこを通って延びる切り欠き領域42を有する。トラップ通路44は、水洗サイクル中に便器22からの排泄物および水の排除のために、便器22を下水管または同様のものに接続する。ビデ10の周りおよび後ろに利用可能な限られたスペースしか与えられないので、トラップ通路44は前方便器部12の後面32を超え、床の孔46の排泄物配管に接続する前に、モジュール式ハウジング14のスペースに湾曲する。
【0025】
スパッド接続部50の雄型半部を持つ後方に延びる突出部48は、モジュール式ハウジング14内の水タンク54と連絡する配管52との接続のために後面32から後ろに延びる。
【0026】
モジュール式ハウジング14は、以下にさらに詳細に記載されるように衛生器具の動作を制御する多くの制御部を支えるおよび/または収容する構造フレーム56を含む。モジュール式ハウジング14は、衛生器具の様々な機能の動作のための側部のボタン60を持つ上部カバー58、2つの横向きの側壁62、水の供給部との接続のためにそこから延びる接続水接続配管66を有する後壁64、および、前方便器部12の後面32に取り付けるために適合された前面68を有する。水接続パイプ66が衛生器具の後壁64から延びる実施形態が示されているが、水は衛生器具の下面等、他の場所から供給され得る。
【0027】
モジュール式ハウジング14の前面68は、前方便器部12の後面32の接続機能に概して対応する接続機能を有する。例えば、モジュール式ハウジング14の前面68は、面が互いに接触して置かれたとき(しかし、ある組立においては、スペーサが締結中に前方便器部12およびモジュール式ハウジング14に損傷を与えることを防ぐために、面の間に配置され得る)、前方便器部12の孔34の位置に対応する孔70を含む。同様に、モジュール式ハウジング14の前面68の切り欠き領域72は、モジュール式ハウジング14に延びるトラップ通路44のスペースに概して対応し、したがって、トラップ通路が前方便器部12の後面を超えて後ろに延び得るので、衛生器具全体においてスペースを節約する。孔74が、配管52に近接する前面68にも形成され、その中に後方に延びる突出部48が挿入され得る。
【0028】
図6に最も良く示されるように、スパッド接続部50の雄型半部を持つ後方に延びる突出部48は、スパッド接続を形成するために孔74(図6に最も良く示される)に挿入される。このスパッド接続は、水洗サイクル中に、モジュール式ハウジング14内のタンク54等、水の供給部を、水を便器22に供給するとともに便器22をゆすぐために便器22のリム28(図4に最も良く示される)の導管57と連絡する状態に置く。組み立て中、スパッド接続部50の雄型端部は、配管52に押し込まれ、ナット78の締め付け後、水密シールがカップリングに沿って形成される。
【0029】
したがって、一般的に言って、締結接続、水道の接続、および電気的接続の3つのタイプの接続がモジュール式ハウジング14と前方便器部12との間に形成され得る。締結接続は、形が図示されたようなボルトあるいは他の締結具を使用して、前方便器部12をモジュール式ハウジング14に物理的に固定する。水道の接続は、衛生器具の動作のために前方便器部12に水を供給する。図示された形態では、水道の接続は、前方便器部12の鋳造過程で取り込まれる寸法の変動に部分的に良く適応するスパッド接続である。さらに、ワイヤとともに明確に示されていないが、モジュール式ハウジング14は、例えば、前方便器部12のベース部30の近くに配置された近接センサ79との電気的な接続を提供するために、前方便器部12に延びる電気的な接続部を含み得る。隔壁を持つ等、ある場合には、あるタイプの接続部が前方に延びることが不適切である可能性があり、このような場合には、これらのタイプの接続部は回避され得る。もちろん、他のタイプの接続部もまた使用され得るまたは他のタイプの装置が接続部を通じて制御され得ることが考えられる。ガスケット、シール等もまた、これらの接続部が正しくかつ(適用する場合に)漏れ無しに形成されることを確実にするために、さらに、モジュール式ハウジング14または前方ベース部12のいずれかの接続部における過剰な締め付けによる損傷を防ぐために、必要に応じてこれらの接続部を形成するのに含まれ得る。
【0030】
モジュール式ハウジング14および前方ベース部12の高度に相互接続された特質にもかかわらず、多くの動作部品がモジュール式ハウジング14により主に支持されることを認識すべきである。これは、基本的に前方便器部12を交換可能な覆いにする。したがって、モジュール式ハウジング14は、モジュール式ハウジング14への接続に適合されたいかなる多くのタイプの前方便器部も受け入れることができる。例えば、今図3を参照すると、箱型の外観を有する図1、2の前方便器部12がモジュール式ハウジング14に取り付けられ得る、または湾曲した前面を有する代替的な前方便器部80がモジュール式ハウジング14に取り付けられ得る。もちろん、前方便器部がモジュール式ハウジング14への接続に適切に適合されるとすれば、他のスタイルおよび形状を有する前方便器部も取り付けられ得る。さらに、前方便器部がモジュール式ハウジング14の形状に完全に適合されていない場合であっても、モジュール式ハウジング14はこの不整合を隠す容易に変更可能な機能を有し得る。例えば、前方便器部は後部に面する部分が湾曲し四角でないような卵型である場合、その時には、側壁が前方便器部に接触するようさらに前方に延ばされるようにされ得る。これらの壁は、そうでなければ前方便器部の後部取り付け面とモジュール式ハウジングの前方取り付け面との間の不完全な適合を明らかにする如何なる領域も覆い隠す。
【0031】
さらに、リム28および開口20の形状は前方便器部が変更されたときに変更され得るので、便座16および蓋18は特定の前方便器部のデザインに適合するように交換可能であり得る。
【0032】
もちろん、前方便器部12の後面32およびモジュール式ハウジング14の前面68の取り付けが説明されているが、前方便器部12がモジュール式ハウジング14に取り付けられる方法は、必ずしも取り付け境界面に沿って連結される面を必要としないことを認識すべきである。内面が互いに連結しないより開放的なスタイルの接続部を有するほかのタイプの接続部も、前方便器部12のモジュール式ハウジング14への接続に適切であり得る。
【0033】
モジュール式ハウジング14は、衛生器具の動作のための多くの制御部を含み得る。モジュール式ハウジング14の1つの利点は、ユーザが好みでモジュール式ハウジング14に設置する制御部を選択し得ることである。したがって、ユーザは、望まない機能のための制御部なしにユーザが望む機能が設定された制御部を有し得る。これは、モジュール式ハウジング14の動作可能な構成部品のカスタマイズを可能にし、さらに後の機能の追加または取り去り(すなわち、衛生器具のアップグレードまたはダウングレード)の選択を提供する。したがって、ユーザは衛生器具が現在有していない機能を追加することを望むとき、これは、衛生器具の完全な交換も、しばしば扱いにくく見苦しい外部装置の追加も必要としない。
【0034】
モジュール式ハウジングのある制御部は、限定されるものではないが、照明制御部、ビデワンドの位置制御部、ビデワンドの加熱空気供給制御部、ビデワンドの水供給制御部、便座および/または蓋の位置移動制御部、防臭装置制御部、および/または紫外線除菌装置制御部を含み得る。モジュール式ハウジング14はまた、CDプレーヤまたは一体化されたテレビ等の電気的なオーディオ装置のための制御部を含み得る。モジュール式ハウジング14は、1つまたは複数の制御部で使用される情報を送信および/または受信するために、有線接続または無線のインターネットおよび/またはホームネットワークへの接続に適合され得る。さらに、モジュール式ハウジングは、1つまたは複数の制御部を操作するためにリモート制御部からの入力を受信するリモコン受信ユニットを有し得る。図7に示されるように、1つまたは複数のコントローラ82またはプリント回路基板が、動作を制御するためにこれらの様々な機能に電気的に接続され得る。コントローラ82は、電気用プラグ(図示せず)を介して、またはモジュール式ハウジング14内に収容された1つまたは複数のバックアップ電源電池パック86を介して電気を受け得る。
【0035】
今図5A、5B、9および10を参照すると、格納式ビデワンド40の動作が示される。格納式ビデワンド40は、特定の動作を実行するためにビデ組立体に情報を送るようコントローラ82に指示するボタン60または同様のものを介して操作され得る。格納式ビデワンド40は、使用中でないとき、格納さや88内に主要される。コントローラ82が位置制御部の操作によりビデワンド40が伸びるように指示すると、駆動機構90は、格納さや88からリム28を超え、便器22のユーザが洗浄のためにビデワンド40を使用することを望み得る場所に対応する場所への伸張を作動させる。もちろん、ビデワンド40は、ビデワンド40がリム28および/または便器22の一部を通って伸張可能である他の伸張経路を有し得る。ユーザは次に、それぞれの関連する制御部を使用して、ビデワンド40のヘッド92から水流を、またはビデワンド40のダクトの開口93から加熱された空気流を生じさせるために、ボタン60または同様のものを使用し得る。ユーザは次に、使用が完了したときにビデワンド40が格納さや88内に戻るように作動させるために、ボタン60または同様のものを使用し得る。
【0036】
独立した制御部が紫外線除菌ライト94の動作のために提供され得る。図9および10に最も良く示されるように、ビデワンド40が格納されているとき、紫外線除菌ライト94はビデワンド40の水放出ヘッド92の位置に概して対応する位置に存在する。紫外線除菌ライト94は、ボタン60の1つを使用して操作され得るまたは紫外線除菌ライト94に電力を供給することをントローラ82に指令するように自動的に指定時刻に作動し得るので、ビデワンド40の使用前または使用後に或いは特定の時間間隔で(すなわち、毎晩午前2時に)ヘッド92を衛生的にする。あるいは、コントローラ82は、紫外線除菌ライト94がユーザ側の独立した行為なしにビデワンド40の使用直後または直前に除菌動作を実行するようにプログラムされ得る。
【0037】
図7を参照すると、モジュール式ハウジング14の上方部分が蓋18および便座16移動機構を支える。蓋18および便座16はリンク機構組立体96に取付けられ、リンク機構組立体96の動きは、モジュール式ハウジング14の上部カバー58に一般的に隠される1つまたは複数のモータおよびギヤボックスを有する駆動機構98により駆動される。開始事象(ある形態において、事象は前方便器部12のベース部30の近接センサ79または同様なものを介する起動であり得るが、事象は、ボタン60の1つのボタン押しであり得る、またはユーザが便座16または蓋18の持上げを開始しモータが引き継ぐことにより起動され得る)があり次第、コントローラ82は、リンク機構組立体96を操作するように駆動機構98を起動することにより、蓋18および/または便座16が持上げられるまたは下げられるように指令する。
【0038】
図7および8に最も良く見られるように、防臭装置100もまた、モジュール式ハウジング14の上部カバー内に収容され得る。このような防臭装置100は、臭気を取り除くためにファンを使用して空気および/または臭いを消す薬剤を便器22の領域に空気ダクトを介して吹き込み得る、または、代替的に、空気を捕えるとともにフィルターにかけるために、または空気を便器22から吹き戻すために便器22の近傍の空気を吸引し得る。この場合も同様に、防臭装置100の動作は、1つまたは複数のコントローラ82を使用して制御され得るとともに、コントローラ82が防臭装置100を独立して作動させるための入力信号または指示を受信したときに起こり得る、または一連の事象の一部であり得る(すなわち、蓋18が持上げられると、防臭装置100が作動される。)
さらに図7を参照すると、モジュール式ハウジング14はまた、照明制御部を含み得る。図示された形態では、各側壁62は、半透明の材料から構成され得るので、側壁62の周辺端部に沿って配置されたLEDライトストリップ102等の光源は、パネルを選択的に明るくし得る。光源は、他の端部に沿って、または側壁62をバックライトで照らすために側壁62の後ろ等、他の場所にも配置され得る。照明制御部は、ボタン60または同様のものの操作を介してユーザに操作され得る、または、一日のある時間帯に動作するように設定され得る、または、近接センサ79または同様のものの1つを使用して衛生器具の周りの領域の個人の検出と同時に起動され得る。LEDライトストリップ102がこれらの条件の1つにしたがって明るくされるべきであることをコントローラ82が決定するとき、次にコントローラ82はパネルを明るくするためにLEDライトストリップ102に必要な電力を送る。とりわけ、この照明は、ユーザが衛生器具の周りの領域を見るのに役立つ常夜灯タイプの機能を提供する。
【0039】
ある形態において、異なるスタイルのパネルが照明のために側部に挿入され得るように側壁62が取り外し可能であり得ることを認識すべきである。異なる色、調整可能な色、パターン、または芸術的な表現が、衛生器具をユーザの好みにまたは周囲の美に調和するようカスタマイズするために、これらのパネル上に置かれ得ることが考えられる。側壁62の取り外し可能な性質はまた、側壁62がモジュール式ハウジング14内の内部構成部品への近づき易さを提供するためにサービスパネルとして使用され得ることを意味する。
【0040】
図7に最も良く示されるように、電気的なオーディオ制御部もまたモジュール式ハウジング14内に設けられる。特に、1組のスピーカ104がフレーム56の後部側に取り付けられる。これらのスピーカ104は、オーディオ信号の受信のためのまたはオーディオ信号を独立した外部スピーカに出力するためのオーディオ接続部106も有し得る、1つまたは複数のコントローラ82に接続される。この場合も同様に、オーディオ制御部の操作は、ボタン60または同様のものを介して統合された制御部でされ得る、または、コントローラ82を無線モジュールまたは同様のものを介して無線で操作するリモコンでされ得ることが考えられる。代替的に、有線制御部がモジュール式ハウジング14の後部のオーディオ接続部106の1つに取り付けられ得る。
【0041】
他の操作のための制御部もまた、モジュール式ハウジング14内に収容され得るが、前方便器部12内に広がり得る。例えば、トイレの様々な動作のための前方および側部近接センサ79は、前方便器部12のベース部30に収容され得るとともに、モジュール式ハウジング14内に収容された1つまたは複数のコントローラ82と電気的に通信し得る。同様に、モジュール式ハウジング14内で暖められた空気が、衛生器具を使用するユーザの足を暖めるために、前方便器部12のベース部30の周りの領域を暖めるように(配管を使用してあるいは空気の流路を制限することにより)前方便器部12のベース部に向かって前方に噴き出され得る。また、トラップ通路44および/またはギヤボックスが、モジュール式ハウジング14の一部であり得る、またはモジュール式ハウジング14内に配置され得る。
【0042】
したがって、モジュール式であるとともに非常にカスタマイズ可能な衛生器具が提供される。モジュール式の設計を組み込むことにより、ユーザは、ユーザが衛生器具に望むアラカルトの全ての機能を選択することができるが、望まない機能に対して代金を支払う必要が無い。さらに、衛生器具は、衛生器具の美を乱すことなしに衛生器具の寿命に渡って改良され得る。如何なる新しい付加物も必要に応じてモジュール式ハウジング内に設置され得るとともに前方便器部に統合され得る。
【0043】
さらに、モジュール式の設計は、モジュール式ハウジング内の構成部品を廃棄すること無しに前方便器部の交換を可能にするしたがって、前方便器部が損傷した場合またはユーザが異なる外観を有する前方便器部がより望ましい(そしてこの前方便器部がモジュール式ハウジングのアタッチメントに受入可能な形態を有する)と決定した場合、この前方便器部の交換は容易に行われ得る。
【0044】
本発明の特定の実施形態が示されているが、本発明の広さおよび範囲内に含まれる様々な変更が当業者に明らかである。例えば、1つまたは複数の独立した機能がモジュール式ハウジングから取り除かれ得る。あるいは、本明細書に記載されていない機能がモジュール式の設計の中に含まれ得る。
【0045】
したがって、本発明の全範囲を理解するために、以下の特許請求の範囲を参照すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
衛生器具のカスタマイズ性を向上させるモジュール式ハウジングを有する衛生器具が開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方便器部および前記便器部を洗浄するために前記便器部への水の供給を管理するための手段を有するタイプの衛生器具であって:
前記便器部の後ろに取り付け可能なモジュール式ハウジングと;
前記衛生器具の動作を制御するために前記モジュール式ハウジング内に配置された少なくとも1つの制御部と;を有し、
前記制御部は、照明制御部、ビデワンドの位置制御部、ビデワンドの加熱空気供給制御部、ビデワンドの水供給制御部、蓋の位置移動制御部、便座位置移動制御部、防臭装置制御部、および紫外線除菌装置制御部から成るグループから選択される、
衛生器具。
【請求項2】
前記衛生器具はビデであり、格納式ビデワンドが前記モジュール式ハウジングから前記便器部に伸びる、
請求項1に記載の衛生器具。
【請求項3】
衛生器具はトイレおよびビデから成るグループから選択され、
便座および蓋が前記モジュール式ハウジングに取り付けられ、
前記モジュール式ハウジングは、前記便座および前記蓋を上げるおよび下げるための駆動機構を収容する、
請求項1に記載の衛生器具。
【請求項4】
前記モジュール式ハウジングが下に配置される前記便器部からの後方延長部をさらに有する、
請求項1に記載の衛生器具。
【請求項5】
前記生成器具はさらに、前記モジュール式ハウジング内に配置された制御部に支配される防臭装置を含む、
請求項1に記載の衛生器具。
【請求項6】
前記制御部は電気制御部である、
請求項1に記載の衛生器具。
【請求項7】
前記モジュール式ハウジングは、半透明の壁およびその中に配置された少なくとも1つの光源を含み、
前記少なくとも1つの光源は選択的に明るくされ得る、
請求項1に記載の衛生器具。
【請求項8】
前記モジュール式ハウジングはまた、電気的なオーディオ装置のための制御部を収容する、
請求項1に記載の衛生器具。
【請求項9】
前記電気的なオーディオ装置はリモコン受信機を含む、
請求項8に記載の衛生器具。
【請求項10】
前方便器部および前記便器部を洗浄するために前記便器部への水の供給を管理するための手段を有するタイプの衛生器具であって:
前記便器部の後ろに取り付け可能なモジュール式ハウジングと;
前記モジュール式ハウジングの一部を形成する半透明の壁と;
前記モジュール式ハウジング内に配置される少なくとも1つの光源と;を有し、
前記少なくとも1つの光源は、前記半透明の壁を通って光を透過させるために選択的に明るくされ得る、
衛生器具。
【請求項11】
少なくとも1つの制御部が、前記衛生器具の動作を制御するために前記モジュール式ハウジング内に配置され、
前記制御部は、照明制御部、ビデワンドの位置制御部、ビデワンドの加熱空気供給制御部、ビデワンドの水供給制御部、蓋の位置移動制御部、便座位置移動制御部、防臭装置制御部および紫外線除菌装置制御部から成るグループから選択される、
請求項10に記載の衛生器具。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−510972(P2013−510972A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539003(P2012−539003)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/056472
【国際公開番号】WO2011/062840
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(591024889)コーラー、カンパニー (15)
【氏名又は名称原語表記】KOHLER COMPANY
【Fターム(参考)】