説明

モバイル機器および情報表示機器

【課題】ユーザにとって親しみやすいモバイル機器および情報表示機器を提供する。
【解決手段】テレビ画面または街頭広告画面へのタッチによる人体通信により携帯電話に通信販売による商品購入のためのURLや電話番号を取得する。これらを記憶しておいて、後日アクセスすることもできる。人体通信に先立ち、接触する情報源を認証して認証不可のときは人体通信不可とする。テレビ画面が通信販売用静止画面表示となったとき、または通信販売表示の録画を再生するときに、自動的に人体通信機能とタッチパネル機能を働かせる。街頭広告画面では、人の通行時間帯において自動的に人体通信機能とタッチパネル機能を働かせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル機器および情報表示機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル機器や情報表示装置における情報入力に関しては、例えばGUI(Graphical User Interface)について種々の提案がなされている。情報入力装置の具体的例はタッチパネルであり、画像情報が視覚的に出力されるとともに出力画像にタッチすることで情報の入力が行われる。一方、情報伝達手段についても種々の提案が行われており、例えば、特開2004−282733(特許文献1)および特開2006−271798(特許文献2)には、人体を通じて通信を行う人体通信が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−282733
【特許文献2】特開2006−271798
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、情報の入力や表示に関しユーザにとって負荷の少ないモバイル機器および情報表示機器の提供についてはまだ種々検討すべき課題が多い。
【0005】
本発明の課題は、上記に鑑み、ユーザにとってさらに親しみやすいモバイル機器および情報表示機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、通信手段と、通信手段による通信先を決定する通信先決定情報を記憶する記憶部と、通信先決定情報を入力するための人体通信手段とを有するモバイル機器を提供する。これによって通信先情報供給元への人体接触を試みるだけで通信先決定情報を取得することができ、通信手段による通信が容易になる。通信手段の具体例はインターネットであるとともに通信先決定情報はURL(Uniform Resource Locator)である。通信手段の他の具体例は電話回線であるとともに通信先決定情報は電話番号である。
【0007】
本発明における通信先の具体例は通信販売商品提供元である。この場合、例えばテレビやカタログなどの商品紹介媒体画面に人体接触を試みるだけでURLまたは電話番号を取得でき、容易に通信販売商品の購入手続きを取ることができる。
【0008】
本発明の具体的特徴によれば、モバイル機器には人体通信のために接触する通信先決定情報供給元の認証を行う認証手段が設けられる。これによって、認証不可の情報提供元との間の人体通信はなくなるので、意図しないものへのタッチによる悪意の情報侵入が防止される。
【0009】
本発明の他の具体的な特徴によれば、人体通信手段には、先決定情報供給元としてのテレビとの間の人体通信を可能とする通信周波数が設定される。これによって、テレビ画面へのタッチにより関連する通信先へのアクセスに必要な通信先決定情報の取得が容易に行える。
【0010】
本発明の他の具体的特徴によれば、人体通信手段には、通信先決定情報供給元としての街頭表示装置との間の人体通信を可能とする通信周波数が設定される。これによって、これによって、街頭広告画面にタッチすれば関連する通信先へのアクセスに必要な通信先決定情報の取得が容易に行える。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、表示画面と、表示画面に表示する表示情報を受信する受信部と、人体通信部と、受信部が受信する表示情報に応じて人体通信部を制御する制御部とを有する情報表示装置が提供される。これによって、不用意な人体通信が防止できるとともに表示情報に基づいて必要に応じ自動的に人体通信を可能にすることができる。より具体的な特徴によれば、制御部は、受信する表示情報に応じて人体通信部による人体通信の可否を制御する。さらに具体的な特徴によれば、制御部は、受信する表示情報が静止画画像であるとき人体通信部による人体通信を可とする。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、表示画面と、表示画面に表示する表示情報を受信する受信部と、表示情報を記憶する記憶部と、人体通信部と、記憶部に記憶された表示情報が表示画面に再生されるとき人体通信部による人体通信を可能とする制御部とを有する情報表示装置が提供される。これによって、記憶された表示情報に基づく時間的に制約のない表示の下での人体通信が可能となる。より具体的な特徴によれば、制御部は、記憶部に記憶された表示情報の再生が停止されるとき人体通信部による人体通信を停止させる。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、表示画面と、表示画面に表示する表示情報を受信する受信部と、表示画面へのタッチ位置を検知する検知部と、受信部が受信する表示情報に応じて検知部を制御する制御部とを有する情報表示装置が提供される。これによって、不要なタッチ位置検出が防止できるとともに表示情報に基づいて必要に応じ自動的にタッチ位置検知を可能にすることができる。より具体的な特徴によれば、制御部は、受信する表示情報に応じて検知部によるタッチ位置検知の可否を制御する。さらに具体的な特徴によれば、制御部は、受信する表示情報が静止画画像であるとき検知部によるタッチ位置検知を可とする。
【0014】
上記本発明の他の具体的な特徴によれば、情報表示装置には表示情報を記憶する記憶部が設けられ、制御部は記憶部に記憶された表示情報が表示画面に再生されるとき検知部によるタッチ位置検知を可とする。これによって、記憶された表示情報に基づく時間的に制約のない表示の下でのタッチ位置検出が可能となる。より具体的な特徴によれば、制御部は、記憶部に記憶された表示情報の再生が停止されるとき検知部によるタッチ位置検知を停止させる。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、表示画面と、表示画面との接触による人体通信を行う人体通信部と、計時部と、計時部が計時する時間に応じ人体通信部を制御する制御部とを有する情報表示装置が提供される。また、本発明の他の特徴によれば、表示画面と、表示画面へのタッチ位置を検知する検知部と、計時部と、計時部が計時する時間に応じ前記検知部を制御する制御部とを有する情報表示装置が提供される。これらの特徴によって、不合理な時間帯における人体通信やタッチ位置検知が防止でき、悪意の情報侵入や混乱を回避することができる。これらの特徴は、情報表示装置を街頭表示画面として実施する場合に特に有用である。
【発明の効果】
【0016】
上記のように本発明によれば、実用的な人体通信機能やタッチパネルを供えたモバイル機器または情報表示機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1におけるブロック図である。(実施例1)
【図2】実施例1におけるタッチパネルの表示を示す表示画面図である。
【図3】実施例1における販売装置制御部の機能を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS12の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3のステップS22の詳細を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例2におけるタッチパネルの表示を示す表示画面図である。(実施例2)
【図7】本発明の実施例3におけるタッチパネルの表示を示す表示画面図である。(実施例3)
【図8】本発明の実施例4におけるタッチパネルの表示を示す表示画面図である。(実施例4)
【図9】本発明の実施例5におけるタッチパネルの表示を示す表示画面図である。(実施例5)
【図10】本発明の実施例6におけるタッチパネルの表示を示す表示画面図である(実施例6)
【図11】実施例6におけるテレビ制御部の機能を示すフローチャートである。
【図12】図11のステップS146の詳細を示すフローチャートである。
【図13】実施例6における携帯電話制御部の機能を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報入出力装置の実施例1におけるブロック図である。実施例1はユーザ2によって保持される携帯電話4、ユーザ2の頭部に装着されるユーザ所有のヘッドフォン6、およびユーザ2の指8がタッチするタッチパネル10を備えた楽曲データ出力装置12を含むシステムを構成している。実施例1は上記のようなシステム構成により、ユーザ2の指8がタッチすることにより指定する楽曲のオーディオ信号をユーザ2の体を利用した人体通信によりヘッドフォン6に導くとともに、ユーザ2の指8がタッチすることにより指定する楽曲データをユーザ2の体を利用した人体通信によりヘッ携帯電話4にダウンロードできるようにしたものである。
【0019】
携帯電話4は、携帯電話全体を制御するコンピュータからなる携帯電話制御部14を有し、携帯電話4の操作に応じて、電話機能部16などを制御する。電話機能部16は通常の電話機能に関する部分であり、通信機能部並びに音声の処理部や送話器、受話器を含む。携帯電話制御部14の機能は記憶部18に格納されたソフトウエアによって実行される。記憶部18は、また携帯電話4全体の制御に必要な種々のデータを一時的に格納するとともに、住所録データなど携帯電話に蓄積保持すべき情報の記憶装置にもなっている。記憶部18は、さらに楽曲データ販売装置12からダウンロードした楽曲データの記憶装置にもなっている。記憶部18は上記のような機能を実現するため、ハードディスク等からなる不揮発メモリ部と半導体メモリ等からなる揮発メモリ部を有している。
【0020】
携帯電話制御部14は、さらに携帯電話4の表示部15を制御し、携帯電話の操作と連携するGUI表示を行うとともに制御結果の表示を行わせる。表示部15はタッチパネルとして構成し、GUIの操作部を兼ねさせてもよい。携帯電話制御部14は、電話機能部16の受話器とは別に設けられた発音部(不図示)を制御し、表示部とも連動して携帯電話の種々の機能に関する通知音や警告音を発生するとともに携帯電話4のテレビ電話モードなどにおけるスピーカーの役目も果たす。携帯電話4はまた、GPS部(不図示)を有し、GPSシステムに基づいて衛星または最寄の放送局より携帯電話4の絶対位置情報である緯度、経度、および高度の情報を得て携帯電話制御部14に送る。この絶対位置情報は、携帯電話制御部14の制御により地図とともに表示部に表示され、ナビゲーション情報として提供される。
【0021】
携帯電話4は、電話機能部16により通常の通話を含む電話回線を介した無線通信を行うことができる。携帯電話4には、これと別に無線LAN、Bluetooth(商標)、微弱電波などによる近距離通信部20が備えられており、近距離通信圏内に存在する他の携帯電話または駅改札等との無線通信が可能となっている。この携帯近距離通信部20は法規制上問題のない規格に基づくものであって、通信圏は限られるが電話回線などのように料金が発生しないものである。このように、携帯電話4は、通信回線の基地局を介したインフラストラクチャー通信によって、他の携帯電話と通信可能であるとともに、近距離通信部20によって他の携帯電話または駅改札等との直接のアドホック通信が可能である。
【0022】
また、携帯電話4は、カメラ部22を有し、撮影した画像を記憶部18に記憶することが可能であるとともに、電話機能部16によって画像を他の携帯電話に送信することができる。なお、携帯電話4は、充電式の主電源(不図示)によって給電されていると共に、記憶部18はさらにリチウム電池などからなる補助電源(不図示)によりバックアップされている。これによって、主電源の放電や交換の際に記憶部18の揮発メモリ部に記憶されている情報が揮発するのを防ぐ。
【0023】
携帯電話4はさらに、変調/復調部24、およびこれと協働する送受信電極26を有している。送受信電極26は携帯電話4の外壁など、人体表面に近い位置に設けられる。変調/復調部24および送受信電極26は、例えば特開2004−282733や特開2006−271798等に開示されている人体通信システムを構成し、人体を媒体とする通信を行なう。例えば、記憶部18に記憶されている楽曲データなどが携帯電話制御部14の制御によりオーディオ信号出力部28にてオーディオ信号に変換され出力されると、これが変調/復調部24でユーザ固有の周波数の送信信号に変調され、この送信信号が矢印30に示すように送受信電極26から携帯電話4を持つユーザ2の人体に印加される。携帯電話4はユーザ2の手に持たれている場合のほか、衣服のポケットなどユーザ2の人体表面に近接した場所に収納された状態でも良い。
【0024】
上記のようにしてユーザ2の人体に送信信号が印加されると、送信信号に応じた強さの静電磁界または誘導電磁界または準静電界(以下、「人体表面界」と総称する)がユーザ2の人体周りに誘起される。人体表面界によって伝播する送信信号はヘッドフォン6の受信電極32で受信され、これが復調部34でオーディオ信号に復調されることにより発音部36から楽曲となってユーザ2の耳に届けられる。このような人体通信により携帯電話4からのオーディオ信号によりコードレスでヘッドフォン6を鳴らすことができる。なお、この場合、送信信号の周波数はユーザ固有なのでこの周波数に設定していない外部からユーザ2の人体に接触があっても情報が漏洩することはない。
【0025】
次に、携帯電話4にダウンロードするデータやヘッドフォン6を鳴らすオーディオ信号を提供する楽曲データ販売装置12の詳細について説明する。このシステムに参加する場合、ユーザ2のヘッドフォンにおける人体通信の送信信号の周波数は公表されている楽曲データ販売装置の試聴用周波数に設定されている必要がある。楽曲データ販売装置12は、オーディオショップなどに設置され、ユーザ2による選択のために多数の楽曲の一覧表またはリストを表示するための表示面38を有するタッチパネル40が設けられている。表示のためのデータは表示データ記憶部42に記憶されており、このデータに基づき表示ドライバ44が販売装置制御部46の制御で上記の表示を行う。ユーザ2は、その指8によって表示面38に表示された所望の楽曲名またはジャケット画像表示にタッチする。これによって、試聴の場合には、タッチした指8を通じた人体通信により、矢印48に示すように楽曲データ販売装置12からのオーディオ信号が受信電極32に伝えられてヘッドフォン6を鳴らす。また、楽曲購入の場合には、タッチした指8を通じた人体通信により、矢印50に示すように楽曲データ販売装置12からの楽曲データが送受信電極26に伝えられて携帯電話4の記憶部18にダウンロードされる。
【0026】
まず試聴の場合について具体的に説明すると、ユーザ2の指8が表示面38に表示された所望の楽曲名またはジャケット画像表示の一つにタッチすると、その信号がタッチ位置検知部48にて検知され、その結果の処理にもとづき販売装置制御部46が指8のタッチしている楽曲を認識する。なお、認識された楽曲は記憶部55に記憶される。楽曲の認識に応答して表示ドライバ44は表示面38の表示を制御し、タッチした曲名またはジャケット画像表示の周りに選択カーソルを表示して楽曲が認識されたことを表示してユーザ2に伝える。なお、ユーザへの認知は選択カーソルに代えてジャケット画像を点滅させるかその色を変えることによってもよい。
【0027】
選択の表示と同時に、販売装置制御部46は認知した楽曲を楽曲データ記憶部56から呼出し、これをオーディオ信号出力部58にてオーディオ信号に変換、出力させる。オーディオ信号が出力されると、変調/復調部60はこれを公表している試聴用周波数の送信信号に変調し、送受信電極62から表示面38の表面に印加する。印加された送信信号は表示面38にタッチしているユーザ2の指を通じた矢印48に示す人体通信により、ヘッドフォン6の受信電極32に伝えられる。これが復調部34で復調されるとともに発音部から発音されるので、ユーザ2はタッチパネル40上で指8により選択した楽曲を試聴することができる。なお、試聴を続けるには、指8をタッチパネル40の表示面38に接触し続ける必要がある。指8が離されるとこれをタッチ位置検知部54が感知し、販売装置制御部46は試聴をキャンセルしてオーディオ信号出力部58からのオーディオ信号出力を停止する。なお、オーディオ信号出力は停止するが、楽曲の選択結果は記憶部55に記憶されているので、指8が離れても選択表示は選択がキャンセルされない限り継続する。
【0028】
一方、楽曲購入の場合は、携帯電話4の人体通信用送信信号の周波数は、楽曲データ販売装置が公表している購入専用の周波数に設定されている必要がある。この周波数は上記の試聴用の周波数とは異なるものである。そして、このような条件下においてユーザ2の指8が表示面38に表示された選択済みの楽曲の購買を指示するボタンにタッチすると、その信号がタッチ位置検知部48にて検知され、販売装置制御部46は購入が確認された楽曲の楽曲データを楽曲データ記憶部56から呼出す。呼出された楽曲データは変調/復調部60により上記のデータ購入専用の周波数の送信信号に変調し、送受信電極62から表示面38の表面に印加する。印加された送信信号は表示面38にタッチしているユーザ2の指を通じた矢印50に示す人体通信により、携帯電話4の送受信電極26に伝えられる。これが復調部24で復調されるとともに記憶部18に記憶される。なおこれに伴って同じ人体通信経路により購入の決済処理が行われる。全てが完了するとその旨の表示が行われるので、これを確認して指8を離せばよい。なお、楽曲データは圧縮データなので、指8を接触させる時間は試聴の場合よりも格段に短い。また、データ通信用の送信信号の周波数は試聴用の周波数と異なるので、データ通信信号がヘッドフォン6から聞こえて不快な思いをすることはない。
【0029】
楽曲データ販売装置12は、さらに人体通信手段を持たないユーザのための試聴および楽曲販売手段を備えている。具体的には、オーディオ信号出力部58は接続部64にもオーディオ信号を出力しており、この接続部64に通常の有線ヘッドフォンを接続することにより人体通信手段がないユーザでも試聴が可能である。このとき、タッチパネル40の操作等は人体通信の場合と共通である。また、楽曲購入の際には、楽曲データ販売装置12は近距離通信部66からも楽曲データを出力することが可能である。近距離通信部66から出力された楽曲データは携帯電話4の近距離通信部20と通信し、楽曲データの転送および購入決済が可能である。購入の場合、タッチパネル40の操作等は基本的には人体通信の場合と共通であるが、近距離通信を始めるための操作は必要になる。
【0030】
図2は、実施例1における楽曲データ販売装置12のタッチパネルの表示面38の表示を示す表示画面図である。その説明は適宜図1の番号を参照して行う。図2(A)は試聴用の画面であり、楽曲のジャケット画像102、104などが曲名、演奏者などのコメント106とともに表示されている。ユーザ2は指8によりいずれかのジャケット画像をタッチすることにより、楽曲の選択をすることができる。図2(A)は、ジャケット画像104にユーザ2の指8がタッチしている状態を示し、タッチパネル38のタッチ位置検知部54の機能によりそれが検知されて選択カーソル108がジャケット画像104の周囲に表示され、楽曲の選択がタッチパネル40に認識されていることをユーザ2に通知している。
【0031】
一方ヘッドフォンアイコン110は、ヘッドフォン6がユーザ2の指8を通じて人体通信状態にあり、人体通信プロトコルに従ってヘッドフォンから応答があるときに表示される。これによってユーザは人体通信が可能になっていることを知ることができる。また、ヘッドフォンアイコン110が表示されているときは、選択されているジャケット表示104に対応する試聴用の楽曲のオーディオ信号が人体通信によりヘッドフォン6に送られるのでユーザ2はヘッドフォン6によりこれを聞くことができる。
【0032】
なお、楽曲選択が楽曲データ販売装置12によって一度認識されると、指8の表示面38へのタッチが継続している限り、指8がジャケット画像104からずれても同じ楽曲の試聴が継続される。これに対し、ユーザ2が指8を表示面38から離すとタッチパネル40がこれを検知して楽曲の試聴を停止する。同時にヘッドフォンアイコン110の表示も消える。因みに、指8が表示面38から離すと人体通信の経路自体も絶たれることになる。一方、指8が表示面38から離れても、ジャケット表示104に対応する楽曲が選択されたことは楽曲データ販売装置12の記憶部55により記憶保持され、楽曲選択カーソル108の表示も継続される。この状態でユーザ2の指8が購入ボタン112にタッチすると選択した楽曲の購入処理に入り、図2(B)の購入用画面が表示される。一方、ユーザ2の指8が終了ボタン114にタッチすると選択した楽曲を記憶している記憶部55の記憶がクリアされるとともに楽曲選択カーソル108の表示も消える。
【0033】
図2(B)では、選択した楽曲に対応するジャケット画像104が拡大表示されるとともに、歌詞、演奏者プロフィールなどの詳細コメント116が表示される。この状態では、人体通信の送信信号の周波数が購入専用の周波数に設定される。図2(B)の画面において認証/ダウンロード/決済ボタン122をタッチすると、指8を通じ楽曲データ販売装置12と携帯電話4との間に人体通信経路が形成され、人体通信プロトコルに従って携帯電話4から応答があると携帯電話アイコン118および人体通信アイコン120が表示される。同時に、タッチ位置検知部54が認証/ダウンロード/決済ボタン122へのタッチを検知し、携帯電話4の認証を始めとし、楽曲データ販売装置12から携帯電話4への楽曲データの送信を経て楽曲データ販売装置12と携帯電話4との間の料金支払に関する電子決済処理に至る一連の処理を行う。
【0034】
なお、図2(B)の状態においても、認証/ダウンロード/決済ボタン122にタッチせず、終了ボタン114にタッチすると、楽曲購入に入ることなく処理がキャンセルされる。また、既に述べたように、楽曲データ販売装置12は、近距離通信部66によっても携帯電話4との間で楽曲販売取引が可能であるが、このように人体通信によらず近距離通信プロトコルにより携帯電話4から応答があったときは、携帯電話アイコン118のみが表示され、人体通信アイコン120は消される。以上のような楽曲の試聴および購入の機能に関しては、以下のフローチャートによってさらに詳述する。
【0035】
図3は、図1の実施例1における販売装置制御部46の機能を示すフローチャートである。フローは楽曲データ販売装置12に電源が供給されることによりスタートする。フローがスタートするとステップS2で、試聴用画面の表示が指示される。この結果、表示面38に図2(A)のような表示がなされる。なお、この段階では図2(A)の選択カーソル108およびヘッドフォンアイコン110はまだ表示されない。次いでステップS4でタッチパネル40へのタッチの有無がチェックされ、タッチが検知されなければステップS2およびS4を繰り返してタッチを待つ。
【0036】
ステップS4でタッチが検知されるとステップS6に進み、試聴用の人体通信周波数が自動設定される。この試聴用人体通信周波数は、ヘッドフォン6側で常に自動設定されている。次にステップS8でタッチ位置検知処理がおこなわれ、タッチ位置が特定されるとステップS10に進んで試聴楽曲の選択部分にタッチされたかどうかチェックする。これは、具体的には、図2(A)の楽曲のジャケット画像102、104などのいずれかに指8がタッチしたことの検知に該当する。ステップS10において試聴楽曲タッチであることが検知されるとステップS12に進んで選択された楽曲の試聴処理に入り、試聴処理が完了するとステップS14に移行する。ステップS12における試聴処理の詳細は後述する。なお、後述のように、ステップS10において試聴楽曲タッチであることが検知されると、試聴処理12を通じて図2(A)のような選択カーソル108がタッチした楽曲のジャケット画像104の周りに表示されるとともに、楽曲の選択結果が記憶部55に記憶される。一方、ステップS10で試聴楽曲タッチが検知されたかったときは直接ステップS14に移行する。
【0037】
ステップS14では、購入ボタン112にタッチされたのかどうかのチェックがおこなわれ、購入ボタンタッチが検出されるとステップS16に進んで、記憶部55における楽曲選択記憶の有無をチェックする。そして記憶があればステップS18に進んで購入用画面の表示が指示される。この結果、図2(B)のような購入用の画面が表示される。なお、この段階では図2(B)の携帯電話アイコン118および人体通信アイコン120はまだ表示されない。
【0038】
さらに、ステップS20では、購入用人体通信周波数を自動設定する。この試聴用人体通信周波数は、公開されていて携帯電話4において人体通信モードが起動さえていれば携帯電話4側でも自動設定されている。次いでステップS22の購入処理に入り、購入処理が完了するとステップS24に移行する。ステップS22における試聴処理の詳細は後述する。なお、ステップS14で購入ボタンタッチが検知されたかったときは直接ステップS24に移行する。
【0039】
一方ステップS16で楽曲選択記憶が検知されなかったときはステップS23に移行し、楽曲選択操作を促す案内表示を指示してステップS2に戻る。この案内表示は所定時間で自動的に消える。つまり、図2(A)において楽曲のジャケット表示のいずれにもタッチせずに購入ボタン112にタッチしたときは図2(B)の購入画面に移行せず、図2(A)の試聴画面が維持される。
【0040】
ステップS24では、終了ボタン114にタッチされたのかどうかのチェックがおこなわれ、終了ボタンタッチが検出されるとステップS26に進んで、記憶部55における楽曲選択記憶をクリアしてステップS2に戻る。ステップS2では試聴用画面表示が指示されるので、図2(B)の購入用画面が表示されている場合は図2(A)の試聴用画面に戻る。つまり、図2(A)のような試聴用画面表示状態における終了ボタン114は、楽曲選択のキャンセルボタンとして機能するとともに、図2(B)のような購入用画面表示状態における終了ボタン114は、試聴画面への復帰ボタンとして機能する。
【0041】
一方、ステップS24で終了ボタンタッチが検知されなかったときは、ステップS28に移行し、ステップS4でパネルへのタッチが検知されてから所定時間が経過したかどうかチェックする。ステップS28に進む場合は、タッチパネル40の表示面38における所定外の位置に指8がタッチした場合に相当する。このような場合、タッチパネル40は反応しないが、人体通信の送信信号は送受信電極62から表示面38全体に印加されているので、指8が表示面38のどこにタッチしていても人体通信そのものは可能な状態にある。
【0042】
ステップS28で所定時間の経過が検知されなかったときはステップS24に戻り、ステップS24とステップS28を繰り返し、この間に終了ボタンタッチが検知されれば上記のようにステップS26に移行する。一方、終了ボタンタッチが検知されないまま所定時間が経過したときはステップS30に移行し、電源供給が断たれたかどうかチェックする。そして電源供給が継続していればステップS2に戻る。このようにして電源供給が継続している限り、ステップS2からステップS30が繰り返され、種々の状況に対応する。
【0043】
なお、上記のように終了ボタンタッチによりステップS2に戻った時は記憶部55の楽曲選択記憶がクリアされるが、所定時間経過によりステップS2に戻った時は楽曲選択状態が維持される。従って、終了ボタン114にタッチせずに図2(A)の試聴画面に自動復帰したときはサイド購入ボタン112にタッチすることで図2(B)の購入画面に再移行することができる。一方、ステップS30で電源供給が断たれたことが検知されるとフローは終了する。なお、電源供給が立たれた後の所定の終了処理のため、楽曲データ販売装置12には、少なくともステップS28の所定時間以上の動作を保証する電力を蓄えるためのコンデンサが設けられている。
【0044】
図4は、図3のステップS12における試聴処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS32で、検出されたタッチ位置に対応する楽曲の認識が行われるととともに、認識した楽曲のジャケット表示104の周りの選択カーソル108の表示が行われる。次いでステップS34で既選択楽曲の記憶が記憶部55に保持されているかどうかチェックし、記憶があればステップS36に進んでこれを消去してステップS38に進む。一方、ステップS34で既選択楽曲記憶が検知されない場合は、直接ステップS38に進む。
【0045】
ステップS38では、今回のタッチにより新たに認識された楽曲を記憶部55に記憶し、ステップS40でこの新規認識楽曲のデータを呼出す。さらに、ステップS42に進み、呼出したデータをオーディオ信号に変換する指示を行う。そしてステップS44で、ヘッドフォン6からの人体通信プロトコルに基づく応答の有無をチェックする。応答があればステップS46でその旨を表示する。これによって、図2(A)のヘッドフォンアイコン110が表示される。
【0046】
このようにして楽曲データ販売装置12とヘッドフォン6との間での人体通信が確立されると、ステップS48でオーディオ信号を人体通信用の送信信号に変調する指示が出され、変調されたオーディオ信号はステップS50の指示により送受信電極62に印加される。以上を経て、ステップS52では、選択した試聴用楽曲が終わりになり、オーディオ信号の出力が終了したかどうかチェックする。そして終了でなければステップS54でタッチパネルへのタッチが継続しているかどうかチェックする。この結果、タッチ継続が検知されるとステップS52に戻り、以下オーディオ信号が終了するかまたは指8が表示面38から離れるかしない限りステップS52およびステップS54が繰り返される。
【0047】
ステップS54でタッチ継続が検知されなくなるとステップS56に進み、終了ボタン114にタッチしたかどうかチェックする。終了ボタン114のタッチがなければステップS58に進み、ヘッドフォンが人体通信による試聴を行っていたのかどうかチェックする。そして人体通信試聴であった場合はステップS60に進み、選択楽曲の試聴終了を指示するとともにその旨の表示を指示してフローを終了する。この表示は、例えば次の操作を示唆するために図2(A)の購入ボタン112の表示を点滅させることなどによって行う。このように人体通信による楽曲試聴の場合は、楽曲途中でオーディオ信号が終了していない場合でも、指8を話すことによってこれがステップS54で検知され、ステップS60に至って楽曲の試聴を終了させる。
【0048】
一方、ステップS58で人体通信による試聴であることが検知されない場合は、接続部64に有線でヘッドフォンを接続して行う試聴であることを意味するので、指6がタッチパネルを離れた場合であってもステップS52に戻り、オーディオ信号が継続する限りタッチによって選択された楽曲の試聴を継続する。なお、人体通信か否かにかかわらず、ステップS52でオーディオ信号の終了が検知されたとき、またはステップS56で終了ボタン114へのタッチが検出されたときは直ちにステップS50に移行する。
【0049】
また、ステップS44でヘッドフォン6からの人体通信応答がないときは、ステップS62に進み、ヘッドフォンアイコン110の表示を行わない。そしてさらにステップS64では接続部64へのオーディオ出力を指示してステップS52に至る。これは、接続部64に有線でヘッドフォンを接続して行う試聴に対応するためである。この場合は、上記で述べたように、指8のタッチによって楽曲が認識されれば、以後指8のタッチを継続しなくても、オーディオ信号が終了するか終了ボタンへのタッチが行われるかしないかぎり、優先のヘッドフォン試聴を継続できる。
【0050】
図5は、図3のステップS22における購入処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、まずステップS70で図2(B)の購入画面が表示されてから所定時間内に認証操作が行われたかどうかチェックする。そして所定時間内の操作が検地されなければ直ちにフローを終了し、図3のステップS24に移行する。これによって、既に説明したように、図2(B)の購入画面が表示されてから所定時間の間に認証/ダウンロード/決済ボタン122にタッチしない場合は、選択記憶を維持またはクリアして、図2(A)の試聴画面に戻ることになる。言うまでもないが、選択記憶が維持されるのは、ステップS28で所定時間がさらに経過したことが検知された場合であり、選択記憶がクリアされるのは、ステップS24で終了ボタンタッチが検知された場合である。
【0051】
これに対し、ステップS70で所定時間内に認証操作が検知されるとステップS72に移行する。認証操作の検知とは、上記でも言及したが、認証/ダウンロード/決済ボタン122へのタッチの検知である。ステップS72では、タッチした指8を通じて携帯電話4から人体通信プロトコルに基づく応答があったかどうかチェックする。ステップS72の段階では、既に図3のステップS20により購入用人体通信周波数が設定済みであり、楽曲データ販売装置12は携帯電話4と人体通信可能な状態となっている。ステップS72で携帯電話4からの応答が検知され楽曲データ販売装置12と携帯電話4との人体通信が確立されるとステップS74に進み、人体通信応答表示を行うとともに、ステップS76では携帯電話応答表示を行う。これらはそれぞれ、図2(B)において、人体通信アイコン120および携帯電話アイコン118を表示することに該当する。
【0052】
次いでステップS78では、人体通信による取引を行ってよいかどうかの認証処理を行う。これは予め楽曲データ販売装置12を管理する業者と携帯電話4を所有するユーザ2との間の契約によって取り決めたIDおよびパスワードの認証作業に該当する。この認証方法は他の方法も可能であり、後述する実施例におけるような生体認証等も可能である。ステップS78における人体通信認証処理が完了するとステップS80に進み、認証がOKであったかどうかチェックする。そしてオーケーであれば、ステップS82で選択された楽曲の購入用データを呼出すとともにこれを人体通信用の送信信号に変調する指示が出され、変調された楽曲データの送信信号はステップS84の指示により送受信電極62に印加される。これによって指8を通じ、携帯電話に楽曲データが送信される。但し、この段階での楽曲データは仮送信状態にあり、後述する有効化信号を受信しない限り再生できないものである。
【0053】
次にステップS86でタッチパネルへの指80タッチが継続しているかどうかチェックする。この結果、タッチ継続が検知されるとステップS88に進み、楽曲データの仮送信が完了したかどうかチェックする。そして仮送信が完了していなければステップS86に戻り、以下、仮送信が完了するか指8が表示面38から離れるかしない限りステップS86およびステップS88を繰り返して楽曲データの仮送信を継続する。そしてステップS88で仮送信完了が検知されるとステップS90の人体通信決済処理に入る。これは予め取り決めた楽曲データ販売装置12を管理する業者の銀行口座と携帯電話4を所有するユーザ2の銀行口座との間で所定の手続きにより電子決済を実行する処理である。
【0054】
ステップS90の人体通信決済処理が完了するとステップS92で決済がOKかどうかのチェックが行われる。口座が実在しなかったり預金額が不足していたりするとステップS92でのチェックはOKとならない。そしてステップS92で決済OKが確認されるとステップS94に進み仮データを有効化し再生可能とするための有効化信号が送信される。以上を経てステップS98では、全ての処理がOKかどうかの再確認が行われ、OKであればフローを終了する。これに対しステップS98で全処理OKが確認されなかった場合はステップS86に進み、ステップS86からステップS98のやり直しを可能とする。これは何らかの予期せぬ通信トラブルがあったときへの対応である。このやり直しはステップS86からステップS98のループから抜けない限り何回でも可能である。
【0055】
これに対し、ステップS86でタッチ継続が検知できなかったときはステップS100に移行する。これは、指8を介した人体通信路が断たれたことを意味するのでし、ステップS100では、図2(B)の人体通信アイコン120を点滅させることにより指8が離れていることを警告し、この警告を維持しながら、次のステップS102において再認証を行う時間的猶予を与えるため、所定時間フローの進行を待機状態とする。この再認証とは、指8を認証/ダウンロード/決済ボタン122に再度タッチさせる動作である。そしてこの待機時間が経過するとステップS104でステップS98でのNG検知が3回目に至っているかどうかチェックし、該当すれば直ちにフローを終了する。一方、ステップS104でNGが3回目に至っていることが検知されない場合はステップS70に戻り、図5のフローを最初からやり直すことを可能とする。ステップS70に戻るのは、ステップS102の待機にかかわらず指が再タッチされなかったときに直ちにフローを終了するためである。これに対し、ステップS70に戻った時に指8が認証/ダウンロード/決済ボタン122に再度タッチされていればステップS72に移行するので、図5のフローを人体通信確立からやり直すことが可能となる。
【0056】
一方、ステップS72で携帯電話4からの人体通信応答が検知されなかったときはステップS106に移行し、楽曲データ販売装置12の近距離通信部66と携帯電話4の近距離通信部20との間の近距離通信プロトコルに基づく携帯電話4からの応答があるかどうかチェックする。そしてこの応答もなければ通信による楽曲データの購入はできないので直ちにフローを終了する。一方、ステップS106で携帯電話4からの近距離通信応答が検知されればステップS108に進み、携帯電話応答表示を行う。これは図2(B)において携帯電話アイコン118のみを表示することに該当する。そしてフローはステップS110の近距離通信処理に移行し、所定の近距離通信手続きにより楽曲データ購入のための認証/ダウンロード/決済処理を実行してフローを終了する。
【0057】
以上のような実施例1において、ヘッドフォン6はユーザ2の個人持ちとして構成しているが、楽曲データ販売装置12の設置されたオーディオショップに備えられた試聴専用ヘッドフォンとして構成することもできる。この場合、試聴のための人体通信の送信信号はオーディオショップ専用のものを設定できるので外部に公表する必要がなく、オーディオショップ備え付けのヘッドフォン以外の手段で盗聴されることもない。
【0058】
また、ユーザ2の個人持ちの試聴手段としては、ヘッドフォン6でなく携帯電話4自身の電話機能部16が有する受話器を用いることもできる。この場合、携帯電話4の人体通信の送信信号の周波数が試聴用の周波数に設定されている必要がある。これによって、ユーザ2の指定した楽曲のオーディオ信号が試聴用周波数の送信信号に変調されて楽曲データ販売装置12から出力されると、楽曲指定のためにタッチしているユーザ2の指8を通じた矢印50に示す人体通信により、これが携帯電話4の送受信電極26に伝えられる。受信された送信信号は、変調/復調部24で復調されるとともに不図示のオーディオ信号として不図示の信号ラインによって電話機能部16に伝えられるので、ユーザ2はタッチパネル40上で指8により選択した楽曲を携帯電話4の受話器で試聴することができる。
【実施例2】
【0059】
図6は、本発明の実施の形態に係る情報入出力装置の実施例2に関するデータ販売装置のタッチパネルの表示面における表示を示す表示画面図である。実施例2はイベント会場に入場するための電子チケットデータを販売する装置として構成されたものである。その構成は、ヘッドフォン6がないことを除くと図1の実施例1と共通のブロック構成となる。但し、実施例2を理解する場合、図1における「楽曲データ」を「電子チケットデータ」と読替えるものとする。また、実施例2の場合、電子チケットデータ販売装置12においてオーディオ信号出力部58は不要である。
【0060】
一方携帯電話4については、受信するデータのコンテンツが異なるだけなので、実施例2におけるハード構成は実施例1と共通である。すなわち、携帯電話4は、楽曲のダウンロードにおいても電子チケットデータのダウンロードにおいても共通の構成を有する。実施例2において実施例1と事情が異なるのは楽曲データに比べて電子チケットデータの情報量が極めて小さいことであり、通信にかかる時間も短いので、実施例1におけるように通信中に指8が離れることについての配慮はさして必要でなく、データの選択のためにタッチパネルにタッチした瞬間、必要なデータが人体通信により携帯電話にダウンロードされるものと考えてよい。
【0061】
図6の実施例2の表示画面図においては、図2の実施例1と対応する部分には200番台の番号を付し、十の位および一の位については同一の番号を付す。そして実施例1と同様にして理解できる部分については、実施例1での説明を援用し、実施例2における説明を簡略化することがある。図6(A)は実施例1と同様の購入データ選択用画面であり、野球アイコン202などで示されるスポーツイベント、小型バスアイコン203などで示される旅行イベント、演目アイコン204等で示される音楽コンサートイベントなどのイベントスケジュールが、日付などのコメント206とともに日付順に表示されている。この表示はイベントカテゴリー順とすることもできる。
【0062】
ユーザ2は指8によりいずれかのアイコンをタッチすることにより、イベントの選択をすることができる。図6(A)は、演目アイコン204にユーザ2の指8がタッチしている状態を示し、タッチパネル38のタッチ位置検知部54の機能によりそれが検知されて選択カーソル208が演目アイコン204の周囲に表示され、イベントの選択がタッチパネル40に認識されていることをユーザ2に通知している。実施例1と異なり、図2(A)の状態はタッチパネル機能によるタッチ位置検知だけが行われ、人体通信は行われない。
【0063】
なお、イベントの選択が電子チケットデータ販売装置12によって一度認識されると、指8が表示面38から離れても、演目アイコン204に対応するイベントが選択されたことは電子チケットデータ販売装置12により記憶保持され、選択カーソル208の表示も継続される。この状態でユーザ2の指8が購入ボタン212にタッチすると選択したイベントの購入処理に入り、図6(B)の購入用画面が表示される。一方、ユーザ2の指8が終了ボタン214にタッチすると選択したイベントの記憶がクリアされるとともに選択カーソル208の表示も消える。
【0064】
図6(B)では、選択したイベントに対応する演目アイコン204が拡大表示されるとともに、コンサートプログラム、イベント日時、会場などの詳細コメント216が表示される。実施例2では、このような図6(B)の状態になって、公開されている購入専用の人体通信送信信号の周波数が設定され人体通信が可能となる。実施例1と同様にして、図6(B)の画面において認証/ダウンロード/決済ボタン222をタッチすると、指8を通じ電子チケットデータ販売装置12と携帯電話4との間に人体通信経路が形成され、人体通信プロトコルに従って携帯電話4から応答があると携帯電話アイコン218および人体通信アイコン220が表示される。同時に、タッチ位置検知部54が認証/ダウンロード/決済ボタン222へのタッチを検知し、携帯電話4の認証を始めとし、電子チケットデータ販売装置12から携帯電話4への電子チケットデータの送信を経て電子チケットデータ販売装置12と携帯電話4との間の料金支払に関する電子決済処理に至る一連の処理を行う。
【0065】
なお、実施例1と同様にして、図6(B)の状態においても、認証/ダウンロード/決済ボタン222にタッチせず、終了ボタン214にタッチすると、電子チケット購入に入ることなく処理がキャンセルされる。また、電子チケットデータ販売装置12は、近距離通信部66によっても携帯電話4との間で電子チケット販売取引が可能であり、人体通信によらず近距離通信によって電子チケットデータの購入決済が可能なことも実施例1と同様である。そして、実施例1と同様、近距離通信プロトコルにより携帯電話4から通信応答があったときは、携帯電話アイコン218のみが表示され、人体通信アイコン220が消されることについても実施例1と同様である。
【0066】
実施例2における販売装置制御部46の機能の詳細は、基本的には実施例1のフローチャートにおいて「楽曲」を「イベント」と読替えて援用することにより理解できる。また、実施例2では、「試聴」がないため、「試聴」単に「選択」と読替えて理解する。また、実施例2では、図3のステップS6、および図4のステップS40以降は不要となる。
【実施例3】
【0067】
図7は、本発明の実施の形態に係る情報入出力装置の実施例3に関するデータ販売装置のタッチパネルの表示面における表示を示す表示画面図である。実施例3は画像データ販売装置として構成されたものである。その構成は、ヘッドフォン6がないことを除くと図1の実施例1と共通のブロック構成となる。但し、実施例3を理解する場合、図1における「楽曲データ」を「画像データ」と読替えるものとする。
【0068】
また、実施例3の場合、画像データ販売装置12における「オーディオ信号出力部58」は、「サンプル画像提供部58」と読替えるものとする。このサンプル画像提供部58は画像データ記憶部56の本画像データからデータ量を落とした小さな情報量のサンプル画像を作成するものである。このようなサンプル画像は、転送にかかる時間は小さいが画質の劣るものであって、必要に応じ無償で配布される。なお、サンプル画像提供部58は、画像データ記憶部56のデータに基づいて新たにサンプル画像を作成する場合に限らず、画像データ記憶部56において同一画像について画像サイズの異なる複数の画像データを予め用意して記憶している場合は、その中からサンプル画像として適当なものを抽出する機能であってもよい。このように予め用意されているサンプル画像の好適な例はいわゆるサムネイル画像である。
【0069】
一方、実施例3の携帯電話4については、受信するデータのコンテンツが異なるだけなので、ハード構成は実施例1と共通である。すなわち、携帯電話4は、楽曲データのダウンロードにおいても画像データのダウンロードにおいても共通の構成を有する。なお、実施例3においてサンプル画像はデータ量が少ないことから通信にかかる時間も短く、データの選択のためにタッチパネルにタッチした瞬間、必要なデータが人体通信により携帯電話4にダウンロードされるものと考えてよい。
【0070】
図7の実施例3の表示画面図においては、図2の実施例1と対応する部分には300番台の番号を付し、十の位および一の位については同一の番号を付す。そして実施例1と同様にして理解できる部分については、実施例1での説明を援用し、実施例3における説明を簡略化することがある。図6(A)は実施例1と同様の購入データ選択用画面であり、サンプル画像302、304などが表示されている。この表示は日付順やカテゴリー順など適宜の順にソートできる。
【0071】
ユーザ2は指8によりいずれかのサンプル画像をタッチすることにより、購入しようとする画像の選択をすることができる。図7(A)は、サンプル画像304にユーザ2の指8がタッチしている状態を示し、タッチパネル38のタッチ位置検知部54の機能によりそれが検知されて選択カーソル308がサンプル画像304の周囲に表示され、画像の選択がタッチパネル40に認識されていることをユーザ2に通知している。
【0072】
一方、図7(A)における携帯電話アイコン311および人体通信アイコン313は、携帯電話4がユーザ2の指8を通じて人体通信状態にあり、人体通信プロトコルに従って携帯電話4から応答があるときに表示される。これによってユーザは人体通信が可能になっていることを知ることができる。また、携帯電話アイコン311および人体通信アイコン313が表示され、かつ携帯電話4がサンプル画像無料取得モード設定されているときは、所望のサンプル画像にタッチすれば、タッチしたサンプル画像(例えばサンプル画像304)に対応してサンプル画像提供部58から提供されるサンプル画像データがタッチした指8を通じた人体通信により携帯電話4に送られ記憶部18に無償で記憶される。このようにして携帯電話4に記憶したサンプル画像データは、あとで本画像データを購入する際のアクセス情報となる。
【0073】
なお、画像の選択が画像データ販売装置12によって一度認識されると、指8が表示面38から離れても、サンプル画像304に対応する画像が選択されたことは画像データ販売装置12により記憶保持され、選択カーソル308の表示も継続される。この状態でユーザ2の指8が購入ボタン312にタッチすると選択したサンプル画像に対応する本画像データの購入処理に入り、図7(B)の購入用画面が表示される。一方、ユーザ2の指8が終了ボタン314にタッチすると選択した画像の記憶がクリアされるとともに選択カーソル308の表示も消える。
【0074】
図7(B)では、選択した画像に対応するサンプル画像304が拡大表示される。ここで、認証/ダウンロード/決済ボタン322をタッチすると、実施例1と同様にして指8を通じ画像データ販売装置12と携帯電話4との間に再び人体通信経路が形成され、人体通信プロトコルに従って携帯電話4から応答があると携帯電話アイコン318および人体通信アイコン320が表示される。同時に、タッチ位置検知部54が認証/ダウンロード/決済ボタン322へのタッチを検知し、携帯電話4の認証を始めとし、画像データ販売装置12から携帯電話4への本画像データの送信を経て画像データ販売装置12と携帯電話4との間の料金支払に関する電子決済処理に至る一連の処理を行う。なお、実施例3では、図7(A)および図7(B)のいずれの状態でも人体通信の送信信号の周波数は公開された共通の周波数が設定される。実施例3において画像データ販売装置12から提供されるのは画像データであり提供先も携帯電話4に限られるので、実施例1のように送信信号の周波数を変える必要がないからである。
【0075】
なお、実施例1と同様にして、図7(B)の状態においても、認証/ダウンロード/決済ボタン322にタッチせず、終了ボタン314にタッチすると、本画像データの購入に入ることなく処理がキャンセルされる。また、画像データ販売装置12は、近距離通信部66によっても携帯電話4との間で画像販売取引が可能であり、人体通信によらず近距離通信によって画像データの購入決済が可能なことも実施例1と同様である。そして、実施例1と同様、近距離通信プロトコルにより携帯電話4から通信応答があったときは、携帯電話アイコン318のみが表示され、人体通信アイコン320が消されることについても実施例1と同様である。
【0076】
実施例3における販売装置制御部46の機能の詳細は、基本的には実施例1のフローチャートにおいて「楽曲」を「画像」に、「オーディオ信号」を「サンプル画像データ」に、「試聴」を「サンプルデータ無料取得」に、「ヘッドフォン」を「携帯電話」に、「楽曲データ」を「本画像データ」に、それぞれ読替えて援用することにより理解できる。また実施例3において図をでは、「試聴」がないため、「試聴」単に「選択」と読替えて理解する。また、図3のステップS6、およびステップ20はいずれも「人体通信用周波数設定」と読替えて理解する。
【0077】
上記実施例3は、画像データ販売装置として構成されているが、上記に説明した画像データ販売装置の構成は、ビジネスとしての画像販売だけでなく、私人間の無償の画像データ交換装置として構成することも可能である。この場合、画像データ交換装置としての構成は、私人の所有する携帯電話、デジタルカメラ、画像表示装置などに組み込んで構成するのが好適である。これらの実施の際は、携帯電話、デジタルカメラ、画像表示装置などの表示部を、図1のような表示機能部、タッチパネル機能部および人体通信用接触部として構成することになる。
【0078】
具体的には、例えば携帯電話としての実施の場合、図1の携帯電話4の表示部15をタッチパネルとして構成するとともに送受信電極26による送信信号をこのようなタッチパネルに印加するようにすればよい。このような構成により、例えば携帯電話同士の場合は、自分の携帯電話を持ちながら相手の携帯電話の表示部に表示されている画像にタッチすればタッチした指を通じた人体通信により相手の携帯電話の画像データが自分の携帯電話に転送される。また相手の携帯電話の画像へのタッチは相手にさせ、自分は相手の体を触ることによって同様の画像データ転送を受けることもできる。
【0079】
一方、自分の携帯電話を右手に持ちながら表示されている画像の一つを自分の右手親指でタッチし、左手で人体通信機能を備えた電子フォトフレームなどの画像表示装置にタッチすれば、選択のために画像にタッチした右手指を通じた人体通信により、自分の携帯電話から画像表示装置に選択した画像を転送して表示させることもできる。この場合、画像表示装置の表示面が実施例3のような表示機能部、タッチパネル機能部および人体通信用接触部として構成されていれば、左手の指でタッチすることにより指定した画面上の所望の位置に、転送した画像を表示させることもできる。
【実施例4】
【0080】
図8は、本発明の実施の形態に係る情報入出力装置の実施例4に関するデータ販売装置のタッチパネルの表示面における表示を示す表示画面図である。実施例4は公共交通機関に乗車するための電子乗車券データ販売装置として構成されたものである。その構成は、ヘッドフォン6がないことを除くと図1の実施例1と共通のブロック構成となる。但し、実施例4を理解する場合、図1における「楽曲データ」を「電子乗車券データ」と読替えるものとする。また、実施例4の場合、電子乗車券データ販売装置12においてオーディオ信号出力部58は不要である。
【0081】
一方携帯電話4については、受信するデータのコンテンツが異なるだけなので、実施例4におけるハード構成は実施例1と共通である。すなわち、携帯電話4は、楽曲のダウンロードにおいても電子乗車券データのダウンロードにおいても共通の構成を有する。実施例4において実施例1と事情が異なるのは、実施例2の場合と同様、楽曲データに比べて電子乗車券データの情報量が極めて小さいことである。
【0082】
図8の実施例4の表示画面図においては、図2の実施例1と対応する部分には400番台の番号を付し、十の位および一の位については同一の番号を付す。図8は実施例1と同様の購入データ選択用画面であり、表示面438には、料金表示402、404などの乗車券アイコン、回数券アイコン403、3ヶ月定期券405表示で示される定期券アイコンなどが、参考表示情報としての乗車料金を付記した路線図406とともに表示される。但し、初期画面では、路線図406および認証ボタン422だけが表示されており、他の表示はなされない。この状態において、表示面438には、公開されている周波数の送信信号が印加されており、人体通信のための待機状態にある。また、携帯電話4側も同じ周波数に設定されていて人体通信待機状態にある。なお、実施例4の電子乗車券データ販売装置12は通常の券売機としても機能可能であり、貨幣/紙幣投入部407に相当額のお金を投入すると、投入された金額で購入可能な乗車券のアイコン等が表示され、その一つにタッチすると、該当する紙の乗車券が通常乗車券排出部409から排出される。
【0083】
図8の表示面438において電子乗車券を購入する場合、ユーザ2は、指8によりまず認証ボタン422にタッチする。これによって指8を通じ電子乗車券データ販売装置12と携帯電話4との間に人体通信経路が形成され、人体通信プロトコルに従って携帯電話4から応答があると携帯電話アイコン418および人体通信アイコン420が表示される。そしてタッチしている認証ボタン422を通じた人体通信により携帯電話4に決済資格があるかどうかの認証がなされ、OKであれば、支払可能な金額までの乗車券アイコン402等、回数券アイコン403、および定期券アイコン405される。このような認証結果は、指8を認証ボタン422から離しても電子乗車券データ販売装置12に記憶される。なおこの記憶は取り消しボタン414へのタッチにより取消し可能であり、取消ボタン414へのタッチがあれば乗車券アイコン402等は消えて初期画面に戻る。
【0084】
認証結果が記憶されている状態で乗車券アイコン402等のいずれかにタッチすることで、購入すべき乗車券データを選択することができる。図8は、乗車券アイコン404にユーザ2の指8がタッチした状態を示し、タッチパネル38のタッチ位置検知部54の機能によりそれが検知されて選択カーソル408が演目アイコン204の周囲に表示されている。同時に、乗車券アイコン404にタッチしているユーザ2の指8を通じた人体通信により、該当する金額の電子乗車券データが携帯電話4に提供されて記憶されるとともに、携帯電話4と電子乗車券データ販売装置12との間で決済が行われる。従って選択アイコン408の表示はこのような電子乗車券データの取得と決済の完了をユーザ2に知らせる表示ともなっている。携帯電話4に記憶された電子乗車券データは、改札通過時、携帯電話の近距離通信部20と改札に設けられた近距離通信部の間の近距離通信により認証され、ユーザ2が改札を通過するのを許可する。この近距離通信機能は既に改札で普及している通常の構成である。なお、改札に人体通信機能が備えられる場合には、送受信電極26を通じた人体通信による改札を行うことも可能である。この場合、ユーザは改札の所定部分にタッチして改札を通過することになる。
【0085】
実施例4における販売装置制御部46の機能における種々の要素の詳細は、対応する要素を実施例1に関するフローチャートに求めることにより理解できる。実施例4では、認証のためのタッチと電子乗車券取得および電子決済のためのタッチが分けて行われることに注意する必要がある。しかしながら、実施例1における「試聴」(但し、試聴が携帯電話4で行われる場合を準用)のための人体通信を実施例4における「認証」のための人体通信に、実施例1における「楽曲データ購入」のための人体通信を実施例4における「電子乗車券データ購入」のための人体通信に、それぞれ当てはめて理解することができる。なお、実施例4では、携帯電話4と電子乗車券データ販売装置12との間の人体通信において用いられる送信信号の周波数は、「認証」においても「電子乗車券データ購入」においても同じであるものと読替えてフローチャートを理解するものとする。
【実施例5】
【0086】
図9は、本発明の実施の形態に係る情報入出力装置の実施例5に関するタッチパネルの表示面における表示を示す表示画面図である。実施例5は銀行の自動出納機として構成されたものである。その構成は、ヘッドフォン6がないことを除くと図1の実施例1と共通のブロック構成となる。但し、実施例5を理解する場合、図1における「楽曲データ販売装置」または「販売装置」を「自動出納機」として理解するとともに「楽曲データ」を「出納データ」と読替えるものとする。また、実施例5の場合、電子乗車券データ販売装置12においてオーディオ信号出力部58は不要である。
【0087】
一方携帯電話4については、受信するデータのコンテンツが異なるだけなので、実施例5におけるハード構成は実施例1と共通である。すなわち、携帯電話4は、楽曲のダウンロードにおいても銀行との間の出納データのやりとりにおいても共通の構成を有する。実施例5において実施例1と事情が異なるのは、実施例2や実施例4の場合と同様、楽曲データに比べて出納データの情報量が極めて小さいことである。
【0088】
図9の実施例5の表示画面図においては、500番台の番号を付す。図9は自動出納機における操作画面であり、表示面538には、一例として送金画面を図示している。具体的には、取引依頼データ表示部550には送金人および受取人の氏名、銀行名、支店名、口座番号ならびに送金金額などが表示される。受取人の銀行や支店のコード番号および口座蛮行および送金金額等の入力は、適宜テンキー552にタッチすることによって行う。この状態において、表示面538には公開されている周波数の送信信号が印加されており、人体通信のための待機状態にある。また、携帯電話4側も同じ周波数に設定されていて人体通信待機状態にある。
【0089】
図9の表示面538を使って出納を行う場合、ユーザ2は、まず指8または掌で静脈認証部522に触れる。これによって指8または掌を通じ自動出納機12と携帯電話4との間に人体通信経路が形成され、人体通信プロトコルに従って携帯電話4から応答があると携帯電話アイコン518および人体通信アイコン520が表示される。そしてタッチしている静脈認証部522を通じた人体通信により携帯電話4に格納されているユーザ2(送金人)の氏名、銀行名、支店名、ならびに送金金額などが自動出納機12に送信される。
【0090】
自動出納機12は、人体通信によって携帯電話4から送信されるユーザ2の口座などの電子データおよび静脈人勝負522で検出した静脈データによりユーザ2およびその口座を認証する。その際、自動出納機12側から携帯電話4側への人体通信によるデータ送信も行われ、双方向の人体通信によって認証が実行される。そして認証がOKであると、携帯電話4からの情報に基づき、取引依頼データ表示部に送金人の氏名、銀行名、支店名、口座番号を取引依頼データ表示部550に表示する。この表示を見ることによって、ユーザ2は認証がOKとなったのを知ることができる。このような認証結果および取引データは、指8または掌を静脈認証部522から離しても自動出納機12に記憶される。なおこの記憶は取り消しボタン514へのタッチにより取消し可能であり、取消ボタン514へのタッチがあれば取引依頼データ表示部550の表示は消えて初期画面に戻る。
【0091】
取引を実行する場合には、認証結果および取引データが記憶されている状態で取引ボタン554にタッチする。これがタッチパネルによって検出されると、まず、自動出納機12側で実行処理が行われ、取引が成立する。そしてその旨が取引依頼データ表示部550に所定時間表示される。同時に、実効ボタン554にタッチしているユーザ2の指8を通じた人体通信により、該当する取引データおよび取引結果の口座残金データ等が自動出納機12から携帯電話4に提供され、携帯電話4の記憶部18に格納されている電子通帳に記帳される。以上のように、実施例5では、静脈認証などの生体認証等のためにタッチした指や掌等を通じた人体通信により認証の目的である口座データなどの送信や認証情報の送受信が行われるとともに、取引実行のためにタッチした指などを通じた人体通信により取引結果の受信が行われる。なお、実施例5における自動出納機制御部46の機能における種々の要素の詳細は、実施例5と同様にして、実施例1に関するフローチャートに準じて理解することができる。
【0092】
以上に説明した本発明の種々の特徴は、上記の実施例による実施に限るものではなく、広く応用可能である。例えば、ポスターなどの掲示物を人体通信可能なよう構成し、上記に説明したような構成を有する携帯電話を所有する人との間での人体通信が可能となるようにする。このように構成すれば、携帯電話の所有者が指でタッチした掲示物の特定部分からその部分に関する電子情報を人体通信で携帯電話に自動入力することも可能である。この場合、人体通信によって取得するのに好適な電子情報の例は、タッチした特定部分に関する詳細情報を提供するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)などである。
【実施例6】
【0093】
図10は、本発明の実施の形態に係る情報入出力装置の実施例6に関するタッチパネルの表示面における表示を示す表示画面図である。実施例6はテレビと携帯電話が連携した通信販売装置して構成されたものである。実施例6の構成は、ヘッドフォン6がないことを除くと図1の実施例1と共通のブロック構成となる。但し、実施例6を理解する場合、図1における「楽曲データ販売装置」または「販売装置」を「テレビ」として理解するとともに「楽曲データ」を「商品データ」と読替えるものとする。また、実施例6の場合、テレビ12においてオーディオ信号出力部58は不要である。
【0094】
一方携帯電話4については、送受信するデータが異なるだけなので、実施例6におけるハード構成は実施例1と共通である。すなわち、携帯電話4は、楽曲のダウンロードにおいても通信販売において連携する通信販売表示装置12とのデータのやりとりにおいても共通の構成を有する。実施例6において実施例1と事情が異なるのは、実施例2、実施例4および実施例5の場合と同様、楽曲データに比べて交換するデータの情報量が極めて小さいことである。図1では図示が省略されているがテレビ12にはチューナーやスピーカーなどテレビの通常構成が全て備えられているものとする。
【0095】
図10の実施例6におけるテレビ12の表示画面においては、その表示内容各部に600番台の番号を付す。なお、図2と同様にしてテレビ12の表示面638には、タッチパネル40が設けられて指8のタッチ位置が検知可能となっているとともに、送受信電極62により表示面38にタッチする指8を介した人体通信が可能となっている。そして放送が「テレビショッピング」等と称される通信販売番組における商品選択画面表示となったとき、表示面638には登録設定されている周波数の送信信号が自動的に印加され、人体通信のための待機状態となる。このとき、表示面638のタッチパネル機能もオンとなる。なお、携帯電話4側も、近距離通信部20と近距離通信部66との相互認証によって登録済みのテレビ12が近傍にあることが確認された状態で手動により通信販売モードを選択することによって、同じ周波数に設定され人体通信待機状態となる。なお、近距離通信部20が登録済みのテレビ12を確認しないときは手動で通信販売モードを選択しても人体通信待機状態とはならず、意図しないものへのタッチによる悪意の情報侵入が防止される。
【0096】
テレビ放送される通信販売番組では、商品説明の要所において図10(A)のような商品選択画面が番組進行に沿った所定時間だけ表示面638に静止画表示される。図10(A)に示すように商品選択画面では複数の商品アイコン602が選択可能な商品メニューアイコンとして表示される。そして、商品選択画面が表示面638に表示されている間に閲覧ボタン612にタッチするとテレビ制御部46はチューナーにより受信されている静止画面内の全商品に関連する商品データを商品データ記憶部56に記憶させる。さらに番組進行にかかわらず商品選画面表示が継続する。そして終了ボタン614にタッチすれば表示面638の表示は番組進行どおりの表示に戻る。なお、図10(A)において閲覧ボタン612がタッチされてから終了ボタン614がタッチされるまでの間、現在「閲覧」状態にあることを示すために閲覧ボタン612が図10(A)のように太枠で囲まれた表示状態となる。一方、閲覧ボタン612がタッチされない場合は、番組進行に従い、商品選択画面が次の表示に移行する。
【0097】
なお、上記のようにして商品データ記憶部56の記憶データは、所定の再生操作により任意の時点で表示面638に呼出すことができ、この再生操作により、放送番組表示が図10(A)の表示に置き換わる。再生の場合も、終了ボタン614にタッチすれば表示面638の表示は番組進行どおりの表示に戻る。
【0098】
ここで、図10(A)のように「閲覧」状態において商品メニューアイコン表示がなされているときにいずれかの商品アイコンを指608でタッチすると、その周囲にアイコンに選択カーソル609が表示されて選択操作に対する反応表示となるとともに、その直後に表示は図10(B)における商品詳細情報画面に切換わる。なお、図10(A)、(B)では、商品としての顕微鏡が選択された場合を図示している。図10(B)では、選択した商品アイコンに対応する商品の拡大画像604が表示されるとともに、メーカー、価格、仕様など商品の詳細コメント616が表示される。詳細コメント情報616は、指608でタッチすることにより人体通信を通じて携帯電話4の記憶部18に取り込むことができる。
【0099】
また、図10(B)の状態において商品の拡大画像604の所望部分に指608でタッチすると、その部分拡大画像605が表示されるとともに、その部分の説明情報607が表示される。説明情報は、所望部分にタッチしている指608を介した人体通信を通じて携帯電話4の記憶部18に取り込むことができる。なお、図10(B)において指608で「戻る」ボタン611にタッチすると図(A)の表示に復帰する。
【0100】
一方、図10(A)の商品選択画面表示状態においてURLボタン615にタッチするとURL取得モードとなりURLボタン615が太枠で囲まれた表示状態となるとともに番組進行にかかわらず商品選画面表示が継続する。URLモードは、通信販売において購入を決定した商品を選択し、その購入手続きを行うWEBサイトに接続するためのURLを取得するためのモードである。RLモードにおいていずれかの商品アイコンを指608でタッチすると、その周囲にアイコンに選択カーソル609が表示されて選択操作に対する反応表示となるとともに、タッチした指608を介した人体通信を通じて携帯電話4の記憶部18に商品購入のためのURLを取り込むことができる。そして、購入手続きそのものは、取り込んだURLを用いて携帯電話4からインターネットを通じWEBサイトにアクセスすることにより行うことができる。このアクセスには電話機能部16の通信機能が取り扱う電話回線を通じて行われる。これによってURLを手で入力することなくアクセスが可能となる。URL取得モードにおいて終了ボタン614にタッチすれば表示面638の表示は番組進行どおりの表示に戻る。
【0101】
また、図10(A)の商品選択画面表示状態においてTELボタン617にタッチすると電話番号取得モードとなりTELボタン617が太枠で囲まれた表示状態となるとともに番組進行にかかわらず商品選画面表示が継続する。電話番号取得モードは、通信販売において購入を決定した商品を選択し、その購入手続きを行うための電話番号を取得するためのモードである。電話番号取得モードにおいていずれかの商品アイコンを指608でタッチすると、その周囲にアイコンに選択カーソル609が表示されて選択操作に対する反応表示となるとともに、タッチした指608を介した人体通信を通じて携帯電話4の記憶部18に商品購入のための電話番号を取り込むことができる。そして、購入手続きそのものは、取り込んだ電話番号を用いて携帯電話4から電話機能部16の通信機能を用いて通信販売会社に電話をかけることにより行うことができる。これによって電話番号を手で入力することなく電話をかけることが可能となる。電話番号取得モードにおいて終了ボタン614にタッチすれば表示面638の表示は番組進行どおりの表示に戻る。
【0102】
図11は、実施例6におけるテレビ12のテレビ制御部46の基本フローである。フローは主スイッチがオンされてテレビ12に電源が供給されることによりスタートする。フローがスタートするとステップS122でチューナーが受信する放送中のテレビ番組画面が表示される。次いで、ステップS124では通信販売番組が放送中であるかどうかチェックし、放送中であればステップS126で商品選択画面が表示中であるかどうかチェックし、該当しなければステップS128に移行する。
【0103】
ステップS128では、以前の通信販売番組にて記憶された商品選択画面を再生する操作がテレビリモコン等によって指示されている状態かどうかチェックし、再生指示中であることが検知されるとステップS130に進む。ステップS130では、表示面38の表示をチューナーが受信した放送画面から記憶情報に基づく商品選択画面に切換え、ステップS132に移行する。一方、ステップS126で、放送中の商品選択画面が表示中であるときもステップS132に移行する。いずれの場合もステップS132で、タッチパネル機能がオン状態とされ、ステップS134に移行する。
【0104】
ステップS134では、表示面638が商品選択画面表示となったことに連動して、公開されている周波数の送信信号を表示面638に自動的に印加し、人体通信のための待機状態とする。そしてステップS136において表示面38のタッチパネル40へのタッチの有無をチェックする。タッチパネルへのタッチが検知されるとステップS138でタッチ位置検知処理が行わる。次いでステップS140で選択表示画面が放送中のものかどうかチェックする。そして放送中のものであればステップS142に進み、チューナーにより受信されている選択表示用の静止画面内の全商品に関連する商品データを商品データ記憶部56に記憶させる。さらに、ステップS144では、この記憶データに基づき、番組進行にかかわらず商品選画面表示を継続させてステップS146に移行する。一方、ステップS140で選択表示画面が放送中のものであることが検知されない場合は、記憶情報に基づいて選択表示画面が表示されていることを意味するから直接ステップS146に移行する。
【0105】
ステップS146では、では、ステップS138において検知されたタッチ位置に基づくタッチ対応処理が行われる。その詳細は後述する。さらにステップS146では、パネルへのタッチが終了ボタンへのタッチであるかどうかがチェックされ、終了ボタンがタッチされた時はステップS150に移行する。ステップS150では、主スイッチがオフになってテレビ12への電源供給が断たれたかどうかをチェックし、電源供給が断たれたことが検知されればフローを終了する。一方、ステップS150で電源供給が断たれたことが検知されない場合、フローはステップS122に戻り、表示面638ではチューナーにより受信される放送中のテレビ番組画面の表示が再開される。
【0106】
また、ステップS136でパネルへのタッチが全く検知されない場合はステップS152に移行し、表示されている選択表示画面が放送中のものかどうかチェックする。放送中のものであればフローはステップS124に戻り、番組進行に基づく商品選択画面以外への表示変化に対応できるようにする。一方、ステップS152で表示されている選択表示画面が放送中のものであることが検知されない場合は記憶に基づく表示であることを意味するからステップS136に戻る。そしてパネルへのタッチが検知されるまではステップS136とステップS152を繰り返し、タッチを待つ。また、ステップS148で終了ボタンのタッチが検知されない場合もステップS152に移行するが、この場合は、記憶に基づく表示の場合しかないからステップS136に移行し、以下、ステップS148で終了ボタンのタッチが検知されない限り、ステップS136からステップS148およびステップS152が繰り返され、記憶に基づく選択表示画面の表示を継続しながら、パネルへの種々のタッチに対応する。
【0107】
ところで、ステップS128で選択画面再生指示中であることが検知されない場合は、番組進行および再生のいずれによっても商品選択画面が表示されていない通常のテレビ番組の表示状態であることを意味するから、ステップS154に移行し、タッチパネル機能をオフとするとともに、ステップS156で送受信電極62への送信信号の印加を自動的に停止し、人体通信が行われないようにする。このようにしてステップS132とステップS154の組合せにより、表示面の638の表示状態に応じて自動的にタッチパネル機能のオンオフを行うとともに、ステップS134とステップS156の組合せにより、表示面の638の表示状態に応じて自動的に人体通信機能のオンオフを行う。
【0108】
図12は、図11のステップS146におけるタッチ対応処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS162で表示面638が図10(B)のような商品詳細表示画面の表示状態にかるかどうかがチェックされる。そして商品詳細表示画面でなければ、図10(A)のような商品選択画面表示状態であることを意味するので、ステップS164に進み、閲覧ボタンがタッチされたかどうかチェックする。タッチが検知されるとステップS166で閲覧モードが設定されたことを示す表示を行ってステップS168に移行する。一方、ステップS164で閲覧ボタンのタッチが検知されないときは直接ステップS168に移行する。
【0109】
ステップS164では、URLボタンがタッチされたかどうかチェックする。タッチが検知されるとステップS170でURL取得モードが設定されたことを示す表示を行ってステップS172に移行する。一方、ステップS168でURLボタンのタッチが検知されないときは直接ステップS172に移行する。ステップS172では、TELボタンがタッチされたかどうかチェックする。タッチが検知されるとステップS174で電話番号取得Lモードが設定されたことを示す表示を行ってステップS176に移行する。一方、ステップS172でTELボタンのタッチが検知されないときは直接ステップS176に移行する。
【0110】
ステップS176では、終了ボタンがタッチされたかどうかチェックする。終了ボタンタッチの検知がなければステップS178に進み、商品アイコンのいずれかがタッチされたかどうかチェックする。商品アイコンのタッチが検知された場合はステップS180に進み、閲覧モードが設定されているかどうかチェックする。閲覧モードであればステップS184に進み、表示を図10(A)における商品選択画面表示を図10(B)における商品詳細表示画面としてステップS186に移行する。一方、ステップS180で閲覧モード設定が検知されないときは直接ステップS186に移行する。
【0111】
ステップS186では、URL取得モードが設定されているかどうかチェックする。そしてURL取得モードであればステップS188に進み、タッチしている指を通じた人体通信によりURLのデータを携帯電話4に出力してステップS190に移行する。一方、ステップS186でURL取得モード設定が検知されないときは直接ステップS190に移行する。ステップS190では、電話番号取得モードが設定されているかどうかチェックする。そして電話番号取得モードであればステップS192に進み、タッチしている指を通じた人体通信により電話番号のデータを携帯電話4に出力してフローを終了する。一方、ステップS190でURL取得モード設定が検知されないときは直ちにフローを終了する。また、ステップS178でいずれの商品アイコンへのタッチも検知されない時も直ちにフローを終了する。
【0112】
一方、ステップS162で表示面638が商品詳細表示画面の表示状態であることが検知されたときはステップS194に移行し、ステップS194において商品詳細表示画面における商品情報表示部分へのタッチが行われたかどうかチェックする。そしてタッチが検知されるとステップS196に進み、タッチしている指を通じた人体通信により商品の詳細データを携帯電話4に出力してステップS198に移行する。ステップS198では、タッチしている位置が商品自体の部分かどうかをチェックし、該当すればステップS20に進んでタッチ中の部分を拡大した画像をオーバーラップ表示してステップS202に移行する。一方ステップS198でタッチしている位置が商品の部分であることが検知できない時は情報部分へのタッチなので直接ステップS202に移行する。さらに、ステップS194で商品情報表示部分へのタッチが検知されないときも、直接ステップS202に移行する。
【0113】
ステップS202では、商品詳細表示画面における「戻る」ボタンへのタッチが行われたかどうかがチェックされ、該当すればステップS204に進んで表示を図10(B)における商品詳細表示画から面図10(A)における商品選択画面表示に復帰させてフローを終了する。なお、ステップS204ではさらに商品選択画面表示を閲覧モードとする。なお、図12のステップS176は、終了ボタンがタッチされたことを検知したとき速やかにタッチ対応処理を終了させるために設けられているものである。図11では、タッチ対応処理のあとにさらにステップS148で終了ボタンのタッチが検知されているが、この場合、同じことを二度検知してもフローの流れに支障はない。
【0114】
図13は、実施例6における携帯電話4の携帯電話制御部14におけるテレビ12との連携に関連する基本フローである。図13では、携帯電話本来の通常の音声通話やメールなどの機能は省略しており、通話やインターネットの機能はテレビ12との連携に関する場合のみ図示している。フローは主スイッチがオンされて携帯電話に電源が供給されることによりスタートする。フローがスタートするとステップS212で携帯電話の立ち上げ処理が行われる。次いで、ステップS214で人体通信機能の能動化を設定する操作が行われたかどうかをチェックする。人体通信設定操作が検知されなければフローはステップS250に移行し、ここで主スイッチによる電源オフが検知されない場合はステップS214に戻る。このようにしてステップS214で人体通信設定操作が行われない限りステップS214とステップS250が繰り返されることになるが、この間携帯電話の通常の操作があればその操作に関するフローが実行されることになる。図13ではこれらに関するステップの図示と説明を省略している。
【0115】
さて、ステップS214で人体通信設定操作が検知されるとステップS216に進み、登録されたテレビ12との間の人体通信用周波数の設定を行う。さらにステップS218で近距離通信によりテレビ12の認証を行い、認証がOKであればステップS220で送受信電極26に人体通信用の信号を印加して人体通信の待機状態に入る。次いでステップS224でURLが人体通信を通じて取得されたかどうかチェックし、URL取得が確認できるとステップS226に進んでインターネットモードを自動設定する。さらにステップS228で取得したURLをアクセス先として自動設定し、通信販売のWEBサイトへの接続を準備する。なお、ステップS218でテレビ12の認証がNGだったときはステップS252に移行し、人体通信設定が禁止状態であることを表示した上でステップS250に移行する。このようにして、人体通信に当たっては情報提供元を認証して不用意な人体の接触により携帯電話4に悪意のデータを取り込むことのないようにする。
【0116】
ステップS218でテレビ12の認証がOKになり、上記のようにしてステップS228までで通信販売のWEBサイトへの接続を準備ができると、ステップS230で、所定時間内にWEBサイトへの接続操作が行われたかどうかをチェックする。そして、接続操作が検知されるとステップS232に進み、WEBサイトの案内に従った通信販売による商品の購入処理を行ってステップS234に移行する。一方、ステップS230で所定時間内の接続操作が検知されないときはステップS236に移行してURLを自動的に記憶し、ステップS234に移行する。これによって、後日再検討の上で購入処理を行うことができる。なお、ステップS224でURLの取得が検知されないときは直接ステップS234に移行する。
【0117】
ステップS234では、電話番号が人体通信を通じて取得されたかどうかチェックし、電話番号取得が確認できるとステップS238に進んで取得した電話番号に基づいて通信販売による商品購入のためのダイヤルの自動設定をおこなう。そして、ステップS240で、設定された電話番号に基づいて所定時間内に発呼操作が行われたかどうかをチェックし、発呼操作が行われるとステップS242に進む。ステップS242では通信販売のための通話を行い、ステップS244に移行する。一方、ステップS240で所定時間内の発呼操作が検知されないときはステップS246に移行して電話番号を携帯電話4の電話帳に自動的に記憶し、ステップS244に移行する。これによって、後日再検討の上で購入のための電話をかけることができる。なお、ステップS234で電話番号の取得が検知されないときは直接ステップS244に移行する。
【0118】
ステップS244では、人体通信終了操作が行われたかどうかチェックが行われる。人体通信終了操作が検知された場合はステップS248に移行し、電極への人体通信用信号の印加を停止してステップS250に移行する。一方、ステップS244で人体通信終了操作が検知されなかった場合はステップS224に戻り、以下ステップS244で人体通信終了操作が検知されない限りステップS224からステップS244が繰り返されて人体通信による情報取得に対応する。
【実施例7】
【0119】
実施例7は、街頭表示装置と携帯電話が連携した通信販売装置して構成されたものである。なお、実施例7における街頭表示装置は、具体的には街頭のショーウインドウに付属する大画面表示装置、または街頭に掲示される電子ペーパー広告などとして構成することができる。その構成は、表示装置がテレビから街頭表示装置に代わったことを除き、実施例6と共通なので、図1および図10を援用して説明を行う。但し、実施例7を理解する場合、図1における「楽曲データ販売装置」または「販売装置」を「街頭表示装置」として理解するとともに「楽曲データ」を「商品データ」と読替えるものとする。また、実施例7の場合も、街頭表示装置12においてオーディオ信号出力部58は不要である。なお、街頭表示装置12においては、図1の近距離通信部66または図1に図示しない適宜の無線/有線の通信手段によって通信販売商品の表示データが受信されるものとする。また、街頭表示装置は商品情報表示専用なので、図10(A)においてテレビの番組進行どおりの表示に戻るために設けられていた終了ボタン614は不要である。
【0120】
実施例7では、深夜を除く人の通行時間帯において、街頭表示装置12の表示面638には公開されている周波数の送信信号が印加されており、人体通信のための待機状態にある。このような時間に基づく制御は時計機能を内蔵している街頭表示装置制御部46が行う。一方、携帯電話4側は、通信販売モードとすることによって同じ周波数に設定され人体通信待機状態にある。両者が待機状態にあるとき、メニューアイコンが表示面638に表示されている間に閲覧ボタン612にタッチすると、現在「閲覧」状態にあることを示すために閲覧ボタン612が図10(A)のように太枠で囲まれた表示状態となる。以下、「閲覧」状態の動作は実施例6と同様なので説明を省略する。また、URLボタン615にタッチした時の動作、およびTELボタンにタッチした時の動作も実施例6と同様なので説明を省略する。
【0121】
実施例7において、街頭表示装置12がショーウインドウに付属する大画面表示装置として構成される場合、表示面638に表示される商品は、実際にショーウインドウに展示されている商品と対応させ、ショーウインドウの商品と同じ商品番号が付されるか、またはショーウインドウの展示配置に対応したレイアウトで表示面638の商品アイコンを配列することができる。一方、街頭表示装置12が電子ペーパー広告として構成される場合は、より簡単な構成をとり、図10(B)のような拡大画像や詳細説明への画像変化をなくし、図10(A)の商品アイコン602のみの表示とすることができる。この場合の機能は人体通信を通じたURLまたは電話番号の取得に特化されるので、終了ボタン614だけでなく閲覧ボタン612の表示も不要となる。また商品アイコン602はシンボルではなく、実際の商品写真とすることができ、この場合、携帯電話4の表示部15のみを用いた通信販売に較べ、電子ペーパー広告の大画面表示によりおおきな商品写真に基づく購入検討が可能となる。なお、実施例7における電子ペーパー広告へのタッチに基づくURLや電話番号取得の特徴は、通信販売だけでなく、一般に電子ペーパー広告を見てWEBにアクセスして詳細情報を取得する場合や電話による問い合わせを行う場合、メモまたは手入力の手間を省くのに有用である。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、携帯電話等のモバイル機器におけるURLや電話番号の取得手段、およびテレビや街頭表示装置のような商品表示装置との人体通信による情報授受等に利用できる。
【符号の説明】
【0123】
16 通信手段
18 記憶部
24、26 人体通信部
14 認証手段
14 制御部
38 表示画面
66 受信部
60、62 人体通信部
46 制御部
54 検知部
55 記憶部
46 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段と、前記通信手段による通信先を決定する通信先決定情報を記憶する記憶部と、前記通信先決定情報を入力するための人体通信手段とを有することを特徴とするモバイル機器。
【請求項2】
前記通信手段はインターネットであるとともに前記通信先決定情報はURL(Uniform Resource Locator)であることを特徴とする請求項1記載のモバイル機器。
【請求項3】
前記通信手段は電話回線であるとともに前記通信先決定情報は電話番号であることを特徴とする請求項1記載のモバイル機器。
【請求項4】
前記通信先は通信販売商品提供元であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモバイル機器。
【請求項5】
人体通信のために接触する通信先決定情報供給元の認証を行う認証手段を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモバイル機器。
【請求項6】
前記人体通信手段は、通信先決定情報供給元としてのテレビとの間の人体通信を可能とする通信周波数が設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモバイル機器。
【請求項7】
前記人体通信手段は、通信先決定情報供給元としての街頭表示装置との間の人体通信を可能とする通信周波数が設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモバイル機器。
【請求項8】
表示画面と、前記表示画面に表示する表示情報を受信する受信部と、人体通信部と、前記受信部が受信する表示情報に応じて前記人体通信部を制御する制御部とを有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、受信する表示情報に応じて前記人体通信部による人体通信の可否を制御することを特徴とする請求項8記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、受信する表示情報が静止画画像であるとき前記人体通信部による人体通信を可とすることを特徴とする請求項9記載の情報表示装置。
【請求項11】
表示画面と、前記表示画面に表示する表示情報を受信する受信部と、前記表示情報を記憶する記憶部と、人体通信部と、前記記憶部に記憶された表示情報が前記表示画面に再生されるとき前記人体通信部による人体通信を可能とする制御部とを有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された表示情報の再生が停止されるとき前記人体通信部による人体通信を停止させることを特徴とする請求項11記載の情報表示装置。
【請求項13】
表示画面と、前記表示画面に表示する表示情報を受信する受信部と、前記表示画面へのタッチ位置を検知する検知部と、前記受信部が受信する表示情報に応じて前記検知部を制御する制御部とを有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項14】
前記制御部は、受信する表示情報に応じて前記検知部によるタッチ位置検知の可否を制御することを特徴とする請求項13記載の情報表示装置。
【請求項15】
前記制御部は、受信する表示情報が静止画画像であるとき前記検知部によるタッチ位置検知を可とすることを特徴とする請求項14記載の情報表示装置。
【請求項16】
前記表示情報を記憶する記憶部を有し、前記制御部は前記記憶部に記憶された表示情報が前記表示画面に再生されるとき前記検知部によるタッチ位置検知を可とすることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された表示情報の再生が停止されるとき前記検知部によるタッチ位置検知を停止させることを特徴とする請求項16記載の情報表示装置。
【請求項18】
前記受信部は、テレビ放送を受信することを特徴とする請求項8から17のいずれかに記載の情報表示装置。
【請求項19】
表示画面と、前記表示画面との接触による人体通信を行う人体通信部と、計時部と、前記計時部が計時する時間に応じ前記人体通信部を制御する制御部とを有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項20】
表示画面と、前記表示画面へのタッチ位置を検知する検知部と、計時部と、前記計時部が計時する時間に応じ前記検知部を制御する制御部とを有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項21】
前記表示画面は街頭表示画面であることを特徴とする請求項19または20記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−124912(P2011−124912A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282781(P2009−282781)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】