説明

モバイル無線サブスクライバの探索方法及び装置

【課題】モバイル無線ネットワークにて少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する。
【解決手段】プリセット可能な地理的領域の地理的単位に応じて系統化されており、各地理的単位に対して箇条書きとなった表を提供する(110)。各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、測定レポートで送信ステーションを体系化する(120)。各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、送信ステーションも各地理的単位に対して体系化する(130)。ステップ120及び130の体系化の結果を比較する(140)。少なくとも1つのプリセット可能な基準に応じて対応を判断することにより、モバイル無線サブスクライバの場所を地理的単位に割り当てる(150)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル無線ネットワークにて少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバ(移動通信端末)を探索する方法に関し、アクティブなモバイル無線リンクのあるなしにかかわらず、少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバがモバイル無線ネットワーク内で少なくとも1回の測定レポートを送信し、測定レポートが箇条書きであり、この測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を送信ステーションの各々に割り当てる。また、本発明は、この方法を実施するための対応する探索装置及びコンピュータ・プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高精度のモバイル無線サブスクライバの位置は、種々の理由で非常に重要である。モバイル無線サブスクライバは、領域内で、ほとんど相関なく移動するが、モバイル無線プロバイダのサービスを利用することができる。リンクの問題、例えば、コールの終了が生じると、プロバイダにとって、問題の生じた位置を探索することは非常に重要である。例えば、かかる問題は、期間適用範囲の問題に含まれる。
【0003】
従来技術によるアプローチでは、モバイル無線装置によりモバイル無線ネットワークにレポートされたある測定値を評価することにより、IuBインタフェースで受動的なモニタにおけるモバイル無線サブスクライバの位置を決定する。UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、これは、CPICH(Common Pilot Channel)RSCP(Received Signal Code Power)測定値である。ここでは、CPICHは、共通パイロット・チャネル(Common Pilot Channel)、即ち、ベース・ステーション(基地局)、実際にはノードB(NodeB)から一定パワーで、特に2Wで放射された信号を意味する。RSCPは、受信信号コード・パワー(Received Signal Code Power)を意味し、CPICHがモバイル無線装置に受信されるレベルを示す。代わりに、RSCP値をノイズに対して測定し、ベース・ステーションに送信する。この結果の値は、Ec/Noの名称で知られており、この省略形は、ノイズの上のチップ・エネルギー(Chip Energy Over Noise)を意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−088937号公報
【特許文献2】特開平10−268021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CPICH RSCP又はEc/No値のために、波動伝搬モデル(wave propagation models)によって、場合毎に、モバイル無線サブスクライバの位置を計算できる。既知の波動伝搬モデルは、表示COST HATAとして知られている。かかる波動伝搬モデルは、東京の中心や、ベルリンの中心などの例のように、精巧な方法によりある環境に対して形成される。かかる波動伝搬モデルにより、そうでなければ、距離によってほぼ指数的に減少するRSCP又はEc/Noの測定値のレベルを少しは正確に特定できるので、少なくともかかるモデルが存在する環境にて、モバイル無線サブスクライバの位置の大雑把な見積りが可能である。それ程でもないが、モバイル無線サブスクライバの可能性のある場所は、不確定が大きくなる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する方法及び探索装置と、この方法を実行する対応コンピュータ・プログラムの提供にあり、できるだけ少ない努力で、できるだけ正確にモバイル無線サブスクライバを探索するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の本発明の目的は、次のようにして、解決できる。
(1)モバイル無線ネットワークにて少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する方法であって、アクティブなモバイル無線リンクのあるなしにかかわらず、少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバがモバイル無線ネットワーク内で少なくとも1回の測定レポートを送信し、測定レポートが箇条書きであり、測定レポートが少なくとも2つの送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を含み、送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)からの信号の受信フィールド強度に相関した値を送信ステーションの各々(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)に割り当てる。この方法は、(a)プリセット可能な地理的領域の地理的単位(BIN1〜BIN6)に応じて体系化された表を提供し、各地理的単位(BIN1〜BIN6)に対して箇条書きを提供し、各地理的単位が少なくとも2つの送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を含み、各地理的単位(BIN1〜BIN6)内の送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)からの信号の受信フィールド強度に相関して予め計算した値を各送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)に割り当て(ステップ110);(b)各送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)からの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、送信ステーションを測定レポート内に体系化し(ステップ120);(c)各送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)からの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を各地理的単位(BIN1〜BIN6)に対して体系化し(ステップ130);(d)ステップc及びステップdの体系化結果を比較し(ステップ140);(e)モバイル無線サブスクライバの位置を地理的単位(BIN1〜BIN6)に割り当て、ステップdによる比較が少なくとも1つのプリセット可能な基準に応じた対応となる(ステップ150)ことを特徴とする。
(2)受信フィールド強度により体系化され、最高の受信フィールド強度を有する送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)から開始する送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)の順序が、送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)のプリセット可能な数に対して、特に、送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)の数に対してできるだけ等しいように、プリセット可能な基準が体系化されている上記(1)の方法。
(3)モバイル無線ネットワークが、UMTSネットワークであって、受信フィールド強度に相関した値がRSCP値又はEc/No値であるか;又は、GSMネットワークであって、受信フィールド強度に相関した値がGSMRSSI値であるか;又は、LTEネットワークであって、受信フィールド強度に相関した値がRSRP値又はRSRQ値である上記(1)又は(2)の方法。
(4)表の値の予めの計算において、その領域の地形上の特徴、送信ステーションの高さ、その領域の発展性のパラメータの内の少なくとも1つを考慮する上記(1)〜(3)の方法。
(5)予め計算した値が無線ネットワーク・プランニング・データを表す上記(1)〜(4)の方法。
(6)地理的単位が矩形で、プリセット可能なエッジ長が20及び550mの間であり、好ましくは100mである上記(1)〜(5)の方法。
(7)上述の方法を、IuBインタフェース又はモバイル無線ネットワークの上位インタフェースにて、特に、ベース・ステーション、NodeB、eNodeB、RNC又はMMEにて実行する上記(1)〜(6)の方法。
(8)測定レポートは、モバイル無線サブスクライバの実際の位置にて受信可能な全てのステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を含み、提供した表は、各地理的単位(BIN1〜BIN6)にて夫々受信可能な全ての送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を含む上記(1)〜(7)の方法。
(9)モバイル無線ネットワークにて少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する探索装置であって、アクティブなモバイル無線リンクのあるなしにかかわらず少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバがモバイル無線ネットワーク内で少なくとも1回の測定レポートを送信し、測定レポートが箇条書きであり、測定レポートが少なくとも2つの送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を含み、送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)からの信号の受信フィールド強度に相関した値を送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)の各々に割り当て;探索装置は、この探索装置に関連し、表が蓄積される蓄積装置を具え、表がプリセット可能な地理的領域の地理的単位(BIN1〜BIN6)に応じて体系化され、各地理的単位(BIN1〜BIN6)に対して箇条書きを提供し、各地理的単位(BIN1〜BIN6)が少なくとも2つの送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を含み、各地理的単位(BIN1〜BIN6)内の送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関して予め計算した値を各送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)に割り当て;探索装置は;各送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)からの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を測定レポート内に体系化し;各送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)からの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、送信ステーション(PSC20、PSC386、PSC361、PSC385、PSC280、PSC19)を各地理的単位(BIN1〜BIN6)に対して体系化し;体系化の各結果を比較し;モバイル無線サブスクライバの位置に地理的単位(BIN1〜BIN6)を割り当て、比較が少なくとも1つのプリセット可能な基準に応じた対応となることを特徴とするモバイル無線サブスクライバの探索装置。
(10)上記(1)〜(8)の1つに応じた方法を実行するコンピュータ・プログラム。
【0008】
本発明は、期待すべき測定結果を使用すれば、上述の目的を適切に解決することに基づいている。この測定結果は、従来から知られている無線ネットワーク・プランニング・ツールにより予め計算される。例えば、フランスのブラニャックのカンパニー・フォスク(Forsk)のプログラムであるアトル(Atoll)の如き無線ネットワーク・プランニング・ツールにより、プリセット可能な地理的領域の地理的単位(部分)に対して、プロバイダは、地理的単位にて受信されるべき送信ステーションの期待すべき受信フィールド強度を前もって計算して、できるだけギャップがないように供給を確実にする。ここで、その領域の地形上の特徴であるベース・ステーションの高さ、その領域の発展性などであり、波動伝搬の計算のために重要であるパラメータを考慮する。上述のプログラムの例では、測定結果の分解能に24m×24mが期待される。
【0009】
本願において、地理的単位を「ビン(BIN)」で示す。また、無線ネットワーク・プランニング・ツールにより供給されるデータは、ネーム・マルチ・サーバー・マップで指定される。かかるマルチ・サーバー・マップにおいて、互いに重なる6個までのセルの期待信号レベルをある無線ネットワークの各地理的単位用に蓄積する。ここで、後述において、最小のアドレス可能なユニットは、モバイル無線ドメイン内にてこの条件に割り当てられた独立のセルを指す。UMTSネットワークにおいて、例えば、ノードB(NodeB)で参照されるベース・ステーションの完全な放射環境、即ち、360度は、6つまでの分離地域に分割される。ある識別は、これら地域の各々に関連するので、各地域に割り当てられた送信ステーションが同じであるが、これら地域の各々は、以下の説明における意味の範囲内で、最小のアドレス可能なユニットとして理解される。これは、他のネットワーク標準、例えば、GSMネットワークにも適用される。後述において、BINはセルに対応できるが、これは事例とすべきではない。通常、セルは、BINよりも多数倍も大きい。
【0010】
よって、かかるマルチ・サーバー・マップは、本発明の探索装置により導入され、基準ラスタとして利用可能である。これは、各任意事象に、例えば、接続強制終了、又は、モバイル無線サブスクライバの位置へのコールの過程で行われる測定値に割り当てられ、その後、図形的に表される。これが良好な理由は、複数の送信ステーションからの信号の受信フィールド強度、特に実際の強度が測定レポートに含まれているためである。測定レポート内の送信ステーション及びマルチ・サーバー・マップの送信ステーションの両方が体系化されて、これら体系化結果が比較されると、モバイル無線サブスクライバを、ある地理的単位に、即ち、少なくとも1つのプリセット可能な基準によって対応される1つに割り当てることができる。ここで、位置決定の精度は、従来から知られている方法よりもかなり高い。これは、その領域の地形的特徴やベース・ステーションの高さ、その領域の発展性などのパラメータを予めの計算に入れるためである。さらに、複雑な式によって位置を計算するコンピュータの負荷が低減できる。これは、データ処理を大幅に促進し、無線ネットワークの最適化を目的とする大量のデータ分析が可能となる。
【0011】
好適実施例において、プリセット可能な基準では、最大受信フィールド強度の送信ステーションから開始する受信フィールド強度に応じて体系化された送信ステーションの順序は、プリセット可能な数の送信ステーションに対して、特に、多くの送信ステーションに対して、できるだけ同じである。よって、マルチ・サーバー・マップ及び測定レポートにおける受信フィールド強度に応じて、送信ステーションを体系化する。簡単な比較により、調和をチェックできるので、モバイル無線サブスクライバの場所を地理的単位に割り当てることができる。
【0012】
好ましくは、モバイル無線ネットワークは、UMTSネットワークであり、受信フィールド強度に相関した値は、RSCP値又はEc/No値である。この代わりに、GSMネットワークでもよく、受信フィールド強度に相関した値はGSM(Global System for Mobile Communications)RSSI(Receive Signal Strength Indication)値である。最後に、本発明は、特に、LTE(Long Term Evolution)ネットワークにて考慮されており、受信フィールド強度に相関した値は、RSRP(Reference Signal Received Power)又はRSRQ(Reference Signal Received Quality)値である。
【0013】
表の値の予めの計算において、その領域の地形的特徴、ベース・ステーションの高さ、その領域の発展性であるパラメータの少なくとも1つを考慮する。これらパラメータを更に考慮して、理論を更に正確にする。マルチ・サーバー・マップの予め計算した値は、測定レポートに記載された実際の測定値に対応する。そこで、モバイル無線サブスクライバの全てのより正確な探索が可能となる。
【0014】
上述の説明で、予め計算した値が無線ネットワーク・プランニング・データを表すと仮定したが、通常、他の原因もこの考慮に入れることができる。しかし、無線ネットワーク・プランニング・データは特に有利である。その理由は、かかるデータが非常に正確で、他の目的で何かによって既に取り込まれており、電気的に処理できるフォーマットで表せるためである。
【0015】
地形的ユニットは、好ましくは矩形であり、プリセット可能なエッジの長さは、特に、20m及び550mの間であり、好ましくは100mである。
【0016】
好ましくは、この方法は、IuBインタフェース又はモバイル無線ネットワークの上位インタフェースにて、特に、ベース・ステーション、ノードB(NodeB)、eNodeB、RNC又はMMEにて実施される。
【0017】
好ましくは、送信レポートは、モバイル無線サブスクライバの実際の場所にて受信可能な全ての送信ステーションを含んでおり、提供された表は、各理知的ユニットにて夫々受信可能な全ての送信ステーションを含んでいる。送信レポート又は表により、より多くの送信ステーションが含まれると、一層独自に割当を行え、モバイル無線サブスクライバの場所を一層正確に決定できる。
【0018】
本発明の方法による好適実施例及びその利点は、可能ならば、本発明の探索装置と、本発明によるコンピュータ・プログラムとに適用できる。
【0019】
後述において、添付図を参照して本発明の方法の実施例を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】モバイル無線装置により送信され、IuBインタフェースで示された測定レポートを示す図である。
【図2】例として6つの地理的単位を有するマルチ・サーバー・マップを示す図であり、地理的単位が経度及び緯度により配置されている。
【図3】コールの終了に関する統計を重ねたマップを示す図である。
【図4】本発明の方法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、測定レポートを示す図であり、この測定レポートは、モバイル無線装置がベース・ステーションに送信し、IuBインタフェースに現れる測定レポートである。この測定レポートは、6つのセル(プライマリ・スクランブル・コード=PSC)20、386、361、385、280、19に対するEc/No信号の受信フィールド強度24、24、23、20、14、8と、RSCP信号の受信フィールド強度11、11、10、8、6、3とを夫々含んでいる。この測定レポートから判るように、最高受信フィールド強度のセルから最低受信フィールド強度のセルまでの受信フィールド強度の順序で、セルが既に体系化されている。Ec/No値の体系化の結果である順序は、RSCP値による体系化の結果の順序と異なることができるが、これは実際には事例ではないので、対応するマルチ・サーバー・マップを用い、対応する信号、即ち、Ec/No又はRSCP用に計算する。
【0022】
図2は、上述のマルチ・サーバー・マップを示す。ここでは、実際には、6つのBIN1〜6の概要が示され、これらの空間的配列により配列されており、即ち、経度及び緯度に応じて蓄積されている。各BINにて受信可能な送信ステーションは、カンパニー・フォスクの製品Atollである無線ネットワーク・プランニング・ツールによりBIN1〜6の各々に登録され、最高受信フィールド強度の送信ステーションから最低受信フィールド強度の送信ステーションにまで体系化されている。ここから明瞭に判るように、送信ステーションの順序は、BINからBINまでとは異なっている。図1の測定レポートにおける順序との比較により、黒い影で示したBINが同じ順序であることが判る。よって、モバイル無線サブスクライバがこのBIN内に探索される。これは、緯度及び経度により認識される。
【0023】
図3は、本発明による探索装置の表示器のスクリーン部分を示す。ビン(BIN)は、本発明による探索方法に基づいて矩形で表示されている。ここでは、接続強制終了の数に応じて矩形が色づけされるが、図3では斜線が色づけを意味する。接続強制終了は、ビンにてプリセット可能な期間内に検出される。よって、矩形10において、12時間の期間中に、30以上の接続強制終了が検出されている。一方、矩形12a、12b、12cにおいて、同じ期間中に、10及び20の間の接続強制終了が夫々検出されている。矩形14a、14bにおける接続強制終了の数は、12時間において10未満である。
【0024】
さらに本発明の探索装置は、次のように構成されている。すなわち、矩形10、12i、14iの1つでカーソルにより移動があると、各ビンに関する詳細な情報が更に得られる。これら情報は、例えば、総合でいくつのセルが追跡されたか、いくつのセルが強制終了となったか、それらのコールは何かである。対応するリストのコールをクリックすることにより、コール及び個別のエラーの情報を問い合わせることができる。これらは、例えば、開始時点、終了時点、コール期間、モバイル無線サブスクライバの番号、コール番号、ハンドセット形式、接続強制終了の理由などである。
【0025】
図4は、本発明の方法を説明する流れ図を示す。ステップ100にて開始する。まず、ステップ110において、表を提供する。この表は、プリセット可能な地理的領域の地理的単位に応じて系統化されており、各地理的単位に対して箇条書きとする。この箇条書きは、少なくとも2つの送信ステーションを含む。各送信ステーションに対して、各地理的単位内にて、この送信ステップからの信号の受信フィールド強度に相関し予め計算した値を割り当てる。ステップ120にて、各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、測定レポートで送信ステーションを体系化する。ステップ130にて、各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、送信ステーションも各地理的単位に対して体系化する。次にステップ140にて、ステップ120及び130の体系化の結果を比較する。ステップ150にて、少なくとも1つのプリセット可能な基準に応じて対応を判断することにより、モバイル無線サブスクライバの場所を地理的単位に割り当てる。この方法は、ステップ160にて終了する。
【符号の説明】
【0026】
10、12、14 矩形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル無線ネットワークにて少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する方法であって、アクティブなモバイル無線リンクのあるなしにかかわらず上記少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバが上記モバイル無線ネットワーク内で少なくとも1回の測定レポートを送信し、上記測定レポートが箇条書きであり、上記測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、上記送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を上記送信ステーションの各々に割り当て、
上記方法は、
a)プリセット可能な地理的領域の地理的単位に応じて体系化された表を提供し、各地理的単位に対して箇条書きを提供し、上記各地理的単位が少なくとも2つの送信ステーションを含み、上記各地理的単位内の送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関して予め計算した値を各送信ステーションに割り当て、
b)上記各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、上記送信ステーションを上記測定レポート内に体系化し、
c)上記各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、上記送信ステーションを各地理的単位に対して体系化し、
d)ステップc及びステップdの体系化結果を比較し、
e)上記モバイル無線サブスクライバの位置を上記地理的単位に割り当て、上記ステップdによる比較が少なくとも1つのプリセット可能な基準に応じた対応となることを特徴とするモバイル無線サブスクライバの探索方法。
【請求項2】
モバイル無線ネットワークにて少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバを探索する探索装置であって、アクティブなモバイル無線リンクのあるなしにかかわらず上記少なくとも1つのモバイル無線サブスクライバが上記モバイル無線ネットワーク内で少なくとも1回の測定レポートを送信し、上記測定レポートが箇条書きであり、上記測定レポートが少なくとも2つの送信ステーションを含み、上記送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値を上記送信ステーションの各々に割り当て、
上記探索装置は、該探索装置に関連し、表が蓄積される蓄積装置を具え、上記表がプリセット可能な地理的領域の地理的単位に応じて体系化され、各地理的単位に対して箇条書きを提供し、上記各地理的単位が少なくとも2つの送信ステーションを含み、上記各地理的単位内の送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関して予め計算した値を各送信ステーションに割り当て、
上記探索装置は、
上記各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、上記送信ステーションを上記測定レポート内に体系化し、
上記各送信ステーションからの信号の受信フィールド強度に相関した値に応じて、上記送信ステーションを各地理的単位に対して体系化し、
上記体系化の各結果を比較し、
上記モバイル無線サブスクライバの位置に上記地理的単位を割り当て、上記比較が少なくとも1つのプリセット可能な基準に応じた対応となることを特徴とするモバイル無線サブスクライバの探索装置。

【図1】
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【図4】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−57178(P2010−57178A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190461(P2009−190461)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503050951)テクトロニクス・インターナショナル・セールス・ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】