説明

モリンダ・シトリフォリアベースの5−LOXおよび15−LOXの製剤

本発明は、アラキドン酸をその中間体ロイコトリエン成分へ生合成または代謝するよう機能するリポキシゲナーゼ酵素を阻害するための方法および製剤、ならびに炎症性疾患をはじめとする疾患、およびこのような疾患に伴う症状を治療および予防するための方法および製剤を対象とする。本発明方法および製剤が、1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア製品を用いて製剤した、または1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア製品を含む天然医薬組成物であって、加工モリンダ・シトリフォリア製品が1種以上の単離された有効成分を含み得る組成物の安全な所定の投与量を、安全な所定の期間身体に導入する(例えば、経口摂取する)ことによって、加工モリンダ・シトリフォリア製品がそのようなものとして効果的に機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)および15−リポキシゲナーゼ(15−LOX)の阻害剤として製剤された組成物であって、ヤエヤマアオキ植物体に由来する1種以上の加工または未加工モリンダ・シトリフォリア成分または製品を用いて製剤された組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エイコサノイドは、膜において、少なくとも3つの二重結合を含む20炭素の脂肪酸鎖から連続合成されている。4つの主要なクラスのエイコサノイド、すなわち、プロスタグランジン、プロスタサイクリン、トロンボキサンおよびロイコトリエンがあり、それらはすべて主にアラキドン酸から作られる。ロイコトリエンを除くすべての合成は酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)を必要とし、ロイコトリエンの合成は酵素リポキシゲナーゼ(LOX)を必要とする。エイコサノイドは疼痛、発熱および炎症において重要な役割を果たすので、これらの合成経路は多数の治療薬の標的となっている。例えば、示されるエイコサノイド合成経路の第1ステップにおいてホスホリパーゼの活性を阻害するコルチゾンなどの副腎皮質ステロイドホルモンが、非感染性炎症性疾患、例えば、関節炎のいくつかの形を治療するために臨床上広く用いられている。アスピリンおよびイブプロフェンなどの非ステロイド抗炎症薬は、対照的に、シクロオキシゲナーゼによって触媒される第1の酸化ステップをブロックする。分娩時に子宮において多量に産生され、子宮平滑筋細胞の収縮を刺激する特定のプロスタグランジンは、中絶を導くための薬理学的物質として広く用いられている。
【0003】
5−LOXおよび15−LOX経路の酵素は、炎症を引き起こすアラキドン酸から活性代謝物を生成する。これは、ロイコトリエンを組織培養に添加した場合の炎症の初期徴候という証拠に加えて、急性および慢性炎症性病変の双方における高レベルのロイコトリエンの同定という双方によって示されている。ロイコトリエンは、急性および慢性炎症ならびにアレルギー反応疾患に関与している脂質性メディエーターのファミリーである。それらはアラキドン酸の生物学的に活性な代謝物であり、喘息、関節炎、乾癬および炎症性腸疾患をはじめとする炎症性疾患の病理学的徴候に関係している。ロイコトリエン(LTまたはLT類)の生合成は、酵素5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)による、アラキドン酸の、LTA4(ロイコトリエンの形成の中核をなす中間体)として知られる不安定なエポキシドへの酸化で始まる。LTA4は、酵素LTA4加水分解酵素によって強力な化学誘引物質LTB4にさらに変換される場合もあるし、またはLTC4シンセターゼ(LTC4S)として知られる特異的ミクロソームGSH S−トランスフェラーゼ(MGST)によってグルタチオン(GSH)と結合してLTC4を生成する場合もある。LTC4は、LTC4、LTD4およびLTE4をはじめとするシステイニル−ロイコトリエン(cys−LT)の親化合物である。これら3種のシステイニル−ロイコトリエンは、特に、呼吸器系および循環器系における強力な平滑筋収縮剤である。これらは少なくとも2種の細胞受容体、CysLT1およびCysLT2を介して媒介される。CysLT1受容体は、7回膜貫通領域を含むG−タンパク質共役受容体である。CysLT類が炎症性疾患およびアレルギー反応疾患、特に、喘息において極めて重要な役割を果たすことを明確に実証する、集められた多量のデータがある。
【0004】
これらの脂質性メディエーターは冠動脈血管を収縮させ、心拍出量効率の低減をもたらす、深刻な血行力学作用を有することも確立されている。さらに、CysLT類は、培養HUVECにおいてフォンウィルブランド因子の分泌およびP−セレクチンの表面発現を誘導することもわかっている。フォンウィルブランドは遺伝病である。最も一般的な種類および人々に最もよく知られているものは、血友病である。5−LOX経路のこれらの酵素は、炎症を引き起こすアラキドン酸から活性代謝物を生成する。これは、ロイコトリエンを組織培養に添加した場合の炎症の初期徴候という証拠に加えて、急性および慢性炎症性病変の双方における高レベルのロイコトリエンの同定という双方によって示されている。
【0005】
さらに、システイニルLT類は、好酸球、肥満細胞およびマクロファージによって主に分泌され、これらが血管拡張を引き起こし、後毛細管細静脈透過性を高め、気管支収縮および粘液分泌を刺激する。さらに、慢性骨髄性白血病(CML)の患者から得た末梢血顆粒球懸濁液およびヒト骨髄由来骨髄系前駆細胞において、ロイコトリエンLTC4シンターゼ活性の上昇が観察されたことが観察されている。喘息では、システイニルロイコトリエンが患者の肺胞洗浄液中に存在する。したがって、5−LOXおよびロイコトリエンシンターゼの存在は、気管支喘息の患者の診断において臨床上重要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)、15−リポキシゲナーゼ(15−LOX)、およびロイコトリエンとして知られ、炎症性疾患、すなわち、喘息、関節炎、乾癬および炎症性腸疾患の病理学的徴候と関係している脂質性メディエーターを阻害することにより、アラキドン酸のそのロイコトリエン合成中間体への酸素化および代謝を阻害する方法および製剤、ならびに1種以上の加工または未加工モリンダ・シトリフォリア成分または製品を用いて製剤された、またはそれらを含む、安全な、所定の投与量の組成物を、安全な、所定の期間、身体へ導入することにより、これらの疾患を治療および予防することに関する。
【0007】
本発明の天然医薬(naturaceutical)組成物は、必要に応じて、天然または人工いずれかのその他の成分とともに製剤された、またはそれらを含まずに製剤された、少なくとも1種の加工モリンダ・シトリフォリア製品を、そのいくつかの形のうちの1種(好ましくは、果汁)で含む。目下のところ好ましい一実施形態では、一定量の加工モリンダ・シトリフォリア製品を、以下に記載したプロセスを用いて、果汁、ピューレジュースまたはジュースピューレ、果肉、シードオイルおよび/または食物繊維の形で得る。続いて、これらのうちいずれか1種またはこれらの組合せの一定量を、その他の成分とともに製剤し、5−LOXおよび15−LOXの阻害によって、大きな健康上の利点を提供するよう、および炎症性疾患の治療を補助するよう、および炎症性疾患の予防効果を提供するよう製剤された天然医薬組成物を作製する。もう1つの好ましい実施形態では、天然医薬組成物は、経口投与または静脈注射によって投与でき、有効成分、すなわち、モリンダ・シトリフォリアが組織に吸収され、リポキシゲナーゼを阻害し、かつロイコトリエン生成を低減/調節することを可能にする液体である。
【0008】
本発明は、有効成分として少なくとも1種の加工モリンダ・シトリフォリア製品を含む天然医薬組成物を予防的に投与することによって、5−LOXおよび15−LOXを阻害する方法ならびに炎症性疾患を治療、阻害、予防および逆転させる方法をさらに特徴とする。
【0009】
本発明のこれらおよびその他の特徴ならびに利点は、以下の説明において、および添付の請求の範囲において示されるか、より十分に明らかとなろう。特徴および利点は、添付の請求の範囲において特に指摘された機器および組み合わせによって実現され、得ることができる。さらに、本発明の特徴および利点は、本発明を実施することによって分かるか、以下に示されるような説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の成分は、本明細書に一般的に記載したように、様々な異なる構成で準備し、設計できることは容易に理解されよう。したがって、本発明の系および方法の実施形態についての以下のより詳細な説明は、請求される本発明の範囲を制限しようとするものではなく、単に、本発明の現在好ましい実施形態を代表するものである。したがって、本発明の範囲は以下の説明によってではなく添付の請求の範囲によって示される。請求の範囲の等価物の意味および範囲内に入るすべての変形は、その範囲内に包含される。
【0011】
当業者には理解されることであるが、本発明の目的は過度の実験の負担をかけずに、本明細書に記載される方法および技術の周知の変法、改変または等価物を用いて達成できる。また、当業者ならば、具体的に説明されたもの以外の代替手段も、本明細書に記載された分子の機能的特徴を達成するために当技術分野において利用できること、およびそれらの代替物を用いて本発明の分子の機能的等価物を達成する方法も理解されよう。本発明は、当業者に理解され、本開示内容の趣旨および範囲によって包含される、それらの変法、改変、代替物および等価物を含む。
【0012】
本発明は、少なくとも1種の加工形態のモリンダ・シトリフォリア製品を含む天然医薬製剤を投与することにより、5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)、15−リポキシゲナーゼ(15−LOX)を阻害する方法および製剤、ならびに哺乳動物の炎症性疾患を治療および予防する方法および製剤を記載し、特徴とする。
【0013】
以下のより詳細な説明を項に分けることによって、本発明の現在好ましい実施形態が最も理解され、その利益および利点がより明確に指摘される。詳細な説明の第1部は、モリンダ・シトリフォリアに関する一般的な考察であり、その起源、加工技術および健康上の利益が含まれる。詳細な説明の第2部では、加工モリンダ・シトリフォリア製品を作製および製造するために用いたいくつかの方法を論じる。詳細な説明の第3部には、5−LOX、15−LOXを阻害するために、ならびに炎症性疾患をはじめとする疾患を治療および予防するために用いられる、モリンダ・シトリフォリア製品を含む天然医薬製剤および組成物に関する考察、ならびに前記モリンダ・シトリフォリア製品の投与方法の説明が含まれる。最後に、第4項では、加工モリンダ・シトリフォリア製品の、5−LOX、15−LOXに対する予防効果および治療効果、ならびにモリンダ・シトリフォリアの、炎症性疾患をはじめとする疾患に対する予防効果および治療効果を論じる。実験研究の実施例および得られた結果も提供する。
【0014】
モリンダ・シトリフォリアの一般的な説明
本発明の実施形態は、少なくとも1種の加工形態のモリンダ・シトリフォリア製品を含む天然医薬製剤を投与することによる、5−リポキシゲナーゼ(5−LOX)、15−リポキシゲナーゼ(15−LOX)を阻害するための、ならびに哺乳動物の炎症性疾患を治療および予防するための、1種以上の形の加工モリンダ・シトリフォリアを含む製剤を含む。したがって、以下はモリンダ・シトリフォリアの一般的な説明であり、その起源、加工技術および健康上の利益を含む。実験研究の実施例および得られた結果をはじめとする、哺乳動物の炎症性疾患を治療するために用いられるモリンダ・シトリフォリアベースの製剤および組成物ならびにこれらを被験体に投与するために用いられる方法についてのより詳細な説明を以下に提供する。
【0015】
科学的にはモリンダ・シトリフォリアL.(「モリンダ・シトリフォリア」)として知られる、ヤエヤマアオキまたはノニの木は、高さが最高10mまでの潅木または低木である。葉は向かい合って配置しており、楕円形から卵形である。小さな白い花が、多肉質の、球形の、頭のような塊に含まれている。果実は大きく、多肉質で、卵形である。成熟すると、乳白色になり、食べられるが、不快な風味と匂いがある。この植物は南東アジア原産であり、遠い昔にインドから東ポリネシアまでの広い範囲に広がった。世界中で不規則的に成長しており、大農場や小さな個人の栽培地で栽培されてきた。モリンダ・シトリフォリアの花は、小さく、白色で、3〜5浅裂し、管状で、香りが高く、約1.25cmの長さである。花は、卵形、楕円体または丸みを帯び、でこぼこした塊に融合している、多数の小さな小核果からなる複果となり、蝋様で、白色または緑がかった白色または黄色がかった、半透明の皮がついている。この果実には、ジャガイモと同様、その表面に「目」がある。この果実は、果汁が多く、苦く、くすんだ黄色または黄色がかった白色をしており、多数の赤茶色の、硬い、長円−三角形の、翼状の2つに分かれた核を含んでおり、その各々に4個の種が含まれている。
【0016】
果実は、完熟すると腐ったチーズのような強い匂いを放つ。果実は、いくつかの国の人々には食品として食されてきたが、モリンダ・シトリフォリア植物体の最も一般的な用途は、赤色と黄色の染料の供給源としてであった。近年、モリンダ・シトリフォリア植物体の栄養上および健康上の利点が注目されるようになり、以下にさらに論じる。
【0017】
モリンダ・シトリフォリアの果実は、事実上は食べるのに適さないので、人が消費するためにおいしくなるよう果実を加工し、5−LOXを阻害するために、および関節炎、喘息などの種々の炎症性疾患を治療するために用いられる天然医薬に含めなければならない。加工モリンダ・シトリフォリア果汁は、熟したモリンダ・シトリフォリア果実の種と皮をジュースと果肉から分離すること、ジュースから果肉を濾過すること、およびジュースをパッケージングすることによって調製できる。あるいは、ジュースをパッケージングするのではなく、ジュースを、凍結された、または低温殺菌された成分として別の食品に直ちに含めることもできる。いくつかの実施形態では、ジュースと果肉を裏ごしして均質な混合物とし、その他の成分と混合する場合もある。その他のプロセスとしては、果実およびジュースを凍結乾燥することが挙げられる。果実およびジュースは、最終ジュース製品の製造の際に再構成することができる。さらにその他のプロセスとしては、果実およびジュースを、咀嚼される前に風乾することが挙げられる。
【0018】
本発明は、モリンダ・シトリフォリア植物体から抽出した果汁およびオイルを利用する。目下のところ好ましい、モリンダ・シトリフォリア果汁の製造プロセスでは、果実を手作業で摘み取るか機械設備で摘み取るのいずれかである。果実は、直径が少なくとも1インチ(2〜3cm)最大12インチ(24〜36cm)で収穫できる。果実の色は濃緑色から黄緑色、白色まで、およびその間の色のグラデーションの範囲であることが好ましい。収穫後、果実を十分に洗浄し、その後任意に加工を行う。
【0019】
果実は0〜14日で完熟するか熟成するが、ほとんどの果実は2〜3日とどめられる。果実は、設備上に置かれ、地面と接触しないことによって完熟するか熟成する。熟成の間、布または網素材で覆うことが好ましいが、覆わなくても熟成させることができる。さらなる加工に向けて準備が整うと、果実の色が、薄緑、薄黄色、白色または透明感のある色に明るくなる。果実を損傷について、または過度の緑色および硬い硬度について調べる。許容できる果実と損傷した果実および硬く緑色の果実を分ける。
【0020】
完熟し、熟成した果実は、さらなる加工および輸送のためにプラスチックの内張りをした容器に入れることが好ましい。熟成した果実の容器は0〜30日とどめおくことができる。ほとんどの果実容器は、加工の前に7〜14日間とどめおかれる。場合によっては、容器をさらなる加工の前に冷蔵条件で保存することができる。果実を保存容器から取り出し、手作業によるか、機械による分離器を通して処理する。ジュースと果肉から種子と皮を分離する。
【0021】
ジュースと果肉は保存および輸送用容器にパッケージングしてもよい。あるいは、ジュースと果肉を直ちに加工して完成ジュース製品にすることもできる。容器は冷蔵、凍結または室温条件で保存できる。モリンダ・シトリフォリアジュースおよび果肉はブレンドして均質な混合物にすることが好ましく、その後その他の成分、例えば、矯味剤、甘味料、栄養成分、植物成分および着色料と混合してもよい。完成ジュース製品は加熱し、181°F(83℃)の最低温度またはより高温の最高212°F(100℃)で低温殺菌することが好ましい。もう1つの加工製品は、濃縮物または希釈形のいずれかのモリンダシトリフォリアピューレおよびピューレジュースである。ピューレは本質的には、種子から分離した果肉であり、本明細書に記載される果汁製品とは異なる。
【0022】
各製品を、プラスチック製、ガラス製、または加工温度に耐えられる他の適した材料の最終容器に詰め、密閉する。この容器を充填温度で維持し、または迅速に冷却し、次いで、運送用容器に入れることができる。運送用容器は、最終容器中の製品の温度を維持または制御する材料で、そのように包むことが好ましい。
【0023】
ジュースおよび果肉は、濾過設備によってジュースと果肉を分離することによってさらに加工することができる。濾過設備は、それだけには限らないが、遠心デカンター、サイズが1ミクロンから最大2000ミクロンの、より好ましくは500ミクロン未満のスクリーンフィルター、フィルタープレス、逆浸透濾過、およびその他のいずれかの標準的な市販の濾過装置からなることが好ましい。作動フィルター圧は、0.1psig〜最大約1000psigの範囲であることが好ましい。流速は0.1g.p.m.〜最大1000g.p.m.の範囲であることが好ましく、5と50g.p.m.の間がより好ましい。湿潤果肉を洗浄し、少なくとも1回、最大10回濾過し、果肉からあらゆるジュースを回収する。通常、湿潤果肉の繊維含量は10〜40重量パーセントである。湿潤果肉は、最低181°F(83℃)の温度で低温殺菌し、次いで、さらなる加工のためにドラムにつめるか、高繊維製品にすることが好ましい。
【0024】
オイルを抽出および加工する方法は、本明細書に参照により組み込まれる、1999年8月27日に出願された同時係属の米国特許出願第09/384,785号に記載されている。通常、モリンダ・シトリフォリアオイルには、トリグリセリドのようないくつかの異なる脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノール脂肪酸など、ならびにより少量で存在するその他の脂肪酸の混合物が含まれている。さらに、オイルに、オイルの損傷を阻害する抗酸化剤を含めることが好ましい。従来の食品用抗酸化剤を用いることが好ましい。
【0025】
モリンダ・シトリフォリア植物体は天然成分が豊富である。発見されている成分としては、葉に由来する、アラニン、アントラキノン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、カルシウム、β−カロテン、システイン、シスチン、グリシン、グルタミン酸、グリコシド、ヒスチジン、鉄、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、ナイアシン、フェニルアラニン、リン、プロリン、樹脂、リボフラビン、セリン、β−シトステロール、チアミン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、ウルソル酸およびバリン;花に由来する、アカセチン−7−o−β−d(+)−グルコピラノシド、5,7−ジメチル−アピゲニン−4’−o−β−d(+)−ガラクトピラノシドおよび6,8−ジメトキシ−3−メチルアントラキノン−1−o−β−ラムノシル−グルコピラノシド;果実に由来する、酢酸、アスペルロサイド、ブタン酸、安息香酸、ベンジルアルコール、1−ブタノール、カプリル酸、デカン酸、(E)−6−ドデセノ−γ−ラクトン、(Z,Z,Z)−8,11,14−エイコサトリエン酸、エライジン酸、エチルデカノエート、エチルヘキサノエート、エチルオクタノエート、エチルパルミテート、(Z)−6−(エチルチオメチル)ベンゼン、オイゲノール、グルコース、ヘプタン酸、2−ヘプタノン、ヘキサナル、ヘキサンアミド、ヘキサン二酸、ヘキサン酸(hexanoic acid)(ヘキサン酸(hexoic acid))、1−ヘキサノール、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、ラウリン酸、リモネン、リノレン酸、2−メチルブタン酸、3−メチル−2−ブテン−1−オル、3−メチル−3−ブテン−1−オル、メチルデカノエート、メチルエライデート、メチルヘキサノエート、メチル3−メチルチオ−プロパノエート、メチルオクタノエート、メチルオレエート、メチルパルミテート、2−メチルプロパン酸、3−メチルチオプロパン酸、ミリスチン酸、ノナン酸、オクタン酸(octanoic acid)(オクタン酸(octoic acid))、オレイン酸、パルミチン酸、カリウム、スコポレチン、ウンデカン酸、(Z,Z)−2,5−ウンデカジエン−1−オルおよびボミフォル(vomifol);根に由来する、アントラキノン、アスペルロサイド(ルビクロリック・アシッド(rubichloric acid))、ダムナカンサル、グリコシド、モリンダジオール、モリンジン、モリンドン、粘着性物質、ノル-ダムナカンサル、ルビアジン、ルビアジンモノメチルエーテル、樹脂、ソランジジオール、ステロールおよびトリヒドロキシメチルアントラキノン-モノメチルエーテル;根皮に由来する、アリザリン、クロロルビン、グリコシド(ペントース、ヘキソース)、モリンダジオール、モリンダニグリン、モリンジン、モリンドン、樹脂性物質、ルビアジンモノメチルエーテルおよびソランジジオール;木部に由来する、アントラガロール−2,3−ジメチルエーテル;組織培養物に由来する、ダムナカンサル、ルシジン、ルシジン−3−プリメベロシドおよびモリンドン−6β−プリメベロシド;苗に由来する、アリザリン、アリザリン−α−メチルエーテル、アントラキノン、 アスペルロサイド、ヘキサン酸、モリンダジオール、モリンドン、モリンドゲニン(morindogenin)、オクタン酸およびウルソル酸が挙げられる。
【0026】
近年、モリンダ・シトリフォリアを含有する製品の使用から生じる多数の健康上の利益が発見されている。モリンダ・シトリフォリアの1つの利益が、身体内で生理学的に活性な比較的小さなアルカロイドであるキセロニンを単離し、生成するその能力に見出されている。キセロニンは植物、動物および微生物の実質的にすべての健常な細胞で生じる。モリンダ・シトリフォリアには遊離キセロニンは極わずかな量しか含まれないが、相当量の、プロキセロニンと呼ばれるキセロニンの前駆体が含まれている。さらに、モリンダ・シトリフォリアには、プロキセロニンからキセロニンを放出する酵素プロキセロナーゼの不活性型が含まれている。ハワイ大学のR.M.ハイニンヒェン(Hienicke)による「ザ・ファーマコロジカリー・アクティブ・イングレディエント・オブ・モリンダ・シトリフォリア(The Pharmacologically ative ingredient of Morinda citrifolia)」と題された論文は、モリンダ・シトリフォリアは、プロキセロニンおよびプロキセロナーゼという基礎的要素のため「キセロニンの単離に用いるための最良の原料」であると示している。これらの基礎的要素は、体内でのキセロニンの単離および生成を助ける。
【0027】
必須栄養素キセロニンの機能は4部分からなる。第1に、キセロニンは、小腸に見られる休止中の酵素を活性化するのに役立つ。これらの酵素は効率的な消化、落ち着いた神経ならびに肉体的および精神的エネルギー全般にとって極めて重要である。第2に、キセロニンは、タンパク質分子が細胞壁を通過し、健常な組織を形成するために用いられることが可能となり得るように、その形および柔軟性を保護および維持する。これらの栄養素が細胞に入らなければ、細胞はその仕事を効率的に実施することができない。キセロニンを生成するプロキセロニンがなければ、我々の細胞、続いて身体は苦しむこととなる。第3に、キセロニンは、細胞の膜孔の拡大を補助する。この拡大によって大きな鎖のペプチド(アミノ酸またはタンパク質)が細胞内に許可されるようになる。これらの鎖は用いられなければ、廃棄物となる。第4に、プロキセロニンから製造されるキセロニンは、孔の拡大を補助し栄養素の吸収の向上を可能にする。
【0028】
各組織は、キセロニンの吸収のための受容体部位を含む、タンパク質を含む、細胞を含む。これらのタンパク質のうち特定のものは、活性になるのに吸収されたキセロニンを必要とする不活性型の酵素である。したがって、キセロニンは、身体のプロコラゲナーゼ系を特定のプロテアーゼに変換することによって、迅速かつ安全に皮膚から死細胞を除去する。その他のタンパク質には、キセロニンと反応した後にホルモンの可能性ある受容体部位となるものもある。したがって、モリンダ・シトリフォリアの、人に調子がよいと感じさせる作用は、おそらくは、キセロニンが特定の脳受容体タンパク質をエンドルフィン、幸福ホルモンの吸収に対する活性部位に変換することによって引き起こされる。その他のタンパク質には、腸、血管およびその他の身体器官において膜を貫通する孔を形成するものもある。これらのタンパク質でキセロニンを吸収することで、孔の形が変化し、したがって、膜を通る分子の通過に影響を及ぼす。
【0029】
その多数の利益のため、モリンダ・シトリフォリアは、癌、関節炎、頭痛、消化不良、悪性腫瘍、骨折、高血圧症、糖尿病、疼痛、感染症、喘息、歯痛、傷、免疫系不全などをわずらっている個体において、いくつかの逸話的作用を提供すると知られている。
【0030】
モリンダ・シトリフォリアはまた、多数の健康上の利点に加え、皮膚に対しても相当な利点を提供する。モリンダ・シトリフォリアは、日光およびその他の環境条件および環境要素の変更によって引き起こされるフリーラジカル損傷と戦うのに役立つ抗酸化物質を多く含む。皮膚は、健康を維持するために、これらの要素および条件に対処し、同時に、引き起こされた損傷を修復しなければならない。皮膚は、表面で死細胞を脱落させ、下層を補充するので、恒常的な修復状態にある。モリンダ・シトリフォリアはまた、皮膚の健康を育む特別な能力を有する必須脂肪酸であるリノール酸が特に豊富である。
【0031】
加工モリンダ・シトリフォリア製品を製造するために用いられる方法
加工モリンダ・シトリフォリア製品を製造するために用いられる方法は、本明細書に参照により組み込まれる、1999年8月27日に出願された同時係属の米国特許出願第09/384,785号に記載されている。モリンダ・シトリフォリアを含有する組成物は、経口使用、全身投与、注射などに適した形であり得る。経口組成物に関しては、このような組成物は、例えば、錠剤、またはトローチ剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性散剤または顆粒剤、エマルション、シロップまたはエリキシルとして存在し得る。経口使用を対象とする組成物は、モリンダ・シトリフォリア組成物を製造するための当技術分野で公知のいずれかの方法にしたがって調製でき、このような組成物には、甘味料、矯味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含めてもよい。錠剤には、モリンダ・シトリフォリアが、錠剤の製造に適している非毒性の製薬上許容される賦形剤との混合物で含まれる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、造粒および崩壊剤、結合剤および滑沢剤であり得る。錠剤はコーティングを施してなくてもよいし、消化管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたって持続作用を提供するために、既知の技術によってコーティングを施してもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用できる。
【0032】
水性懸濁液には、モリンダ・シトリフォリアが、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物で含まれる。このような賦形剤としては、カルボキシメチル−セルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムなどの沈殿防止剤があり、分散剤または湿潤剤としては、天然リン脂質、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトールとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと脂肪酸由来の部分エステルと無水ヘキシトールとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。
【0033】
本発明は、胃のまたはその他の不都合な副作用を引き起こす有意な傾向を何ら伴わずに、モリンダ・シトリフォリアベースの天然医薬製剤を用いて5−LOXおよび15−LOXを阻害する方法を有利に提供する。
【0034】
5−LOXおよび15−LOXを阻害するためのモリンダ・シトリフォリアベースの天然医薬製剤および投与方法
本発明は、炎症性疾患の治療および予防を目的として、5−LOXおよび15−LOXを阻害する体内組成物または製剤およびアラキドン酸のそのロイコトリエン中間体成分への酸素化を阻害する体内組成物または製剤を導入する方法を特徴とする。これらの方法は、体内組成物を、このような疾患の1種を患う哺乳動物の身体に導入することを本質的に含む。種々の異なる成分を含む体内組成物のいくつかの実施形態が本明細書における使用のために企図されており、各実施形態は、本明細書に教示され、説明される1種以上の形の加工モリンダ・シトリフォリア製品を、任意の担体物質または媒質とともに含む。
【0035】
5−LOXを阻害するための、モリンダ・シトリフォリアベースの天然医薬製剤および投与方法は、本明細書に参照により組み込まれる、1999年8月27日に出願された同時係属の米国特許出願第09/384,785号に記載されている。本発明は、アラキドン酸の5−LOXおよび15−LOX代謝物を阻害する、ヤエヤマアオキ植物体由来の1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア製品を用いて製剤された天然医薬組成物を提供することによって炎症性疾患の治療を前進させる。モリンダ・シトリフォリアを、インビボの治療に適した種々の担体または天然医薬組成物に組み込む。例えば、阻害剤は経口摂取、注射、静脈内に導入することができ、あるいは別の方法により適切かつ目的にかなうように内在化される。
【0036】
例示的一実施形態では、本発明の天然医薬組成物は、約0.01と100重量パーセントの間、好ましくは0.01と95重量パーセントの間の重量で存在する、1種以上の加工モリンダ・シトリフォリア製品を含む。製剤のいくつかの実施形態は、本明細書に参照により組み込まれる、1999年8月27日に出願された同時係属の米国特許出願第09/384,785号に含まれる。しかし、当業者は、加工モリンダ・シトリフォリア製品を含むその他の製剤または組成物を認識することができるため、これらの製剤は、単に例示的であることが意図される。
【0037】
加工モリンダ・シトリフォリア製品は、5−LOX、15−LOXの阻害を達成するために、ならびに炎症性疾患を治療および予防するために、天然医薬中に少なくとも1種の有効成分を含むか、またはケルセチンおよびルチンなどといった1種以上の有効成分を含む。モリンダ・シトリフォリア製品は特異的に機能して、アラキドン酸のロイコトリエン合成中間体または成分への酸素化および代謝を阻害する。
【0038】
加工モリンダ・シトリフォリア製品内の有効成分は、種々のアルコールまたはアルコールベースの溶液を用い、当技術分野で公知のいずれかの方法を用いて抽出できる。アルコールまたはアルコールベースの溶液の中には、メタノール、エタノール、および酢酸エチルが含まれる。ケルセチンおよびルチンは、加工または未加工モリンダ・シトリフォリア製品内に存在し得る有効成分である。
【0039】
加工モリンダ・シトリフォリア製品は、種々の他の成分とともに製剤し、種々の組成物、例えば、天然医薬組成物、局所経皮組成物、またはその他のものを製造できる。天然医薬組成物に利用される成分としては、哺乳動物、特にヒトの身体に導入するのに安全であるいずれのものであってもよく、種々の形、例えば、液体、錠剤、トローチ剤、水性または油性溶液、分散性散剤または顆粒剤、エマルション、シロップ、エリキシルなどで存在し得る。さらに、天然医薬組成物は、経口によって消費されることが好ましいので、甘味料、矯味剤、着色剤、保存剤、および指示されるその他の薬剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含み得る。
【0040】
局所経皮組成物に利用される成分はまた、哺乳動物の身体に内在化させるのに安全ないずれのものであってもよく、各々1種以上の担体物質を含むゲル、ローション、クリーム、軟膏などといった種々の形で存在し得る。全身(例えば、静脈内)投与製剤のための成分はまた、当技術分野で公知のいずれのものを含んでいてもよい。
【0041】
本発明は、天然医薬組成物を哺乳動物に投与して5−LOXおよび15−LOXを阻害し、そのようにしてロイコトリエンの生合成を阻害する方法、ならびに炎症性疾患を治療および予防する方法をさらに特徴とする。例示的一実施形態では、本方法は(a)加工モリンダ・シトリフォリア製品を一部含み、水または精製水などの担体も場合により含み、また、その他の天然または人工成分も含み得る天然医薬組成物を製剤し、(b)天然医薬組成物を、加工モリンダ・シトリフォリア製品がうまく内在化されるように哺乳動物の身体に投与し、(c)上記ステップを、加工モリンダ・シトリフォリア製品の有効量を提供するのに必要なだけ反復して、その中で5−LOXおよび15−LOXを阻害する、の各ステップを含む。
【0042】
天然医薬組成物を身体に投与するステップは、いくつかの手段のうちの1つによって組成物を経口摂取することを含むことが好ましい。具体的には、天然医薬組成物は、液体、ゲル、固体、またはその他の形であって、組成物が迅速に消化され、結腸内に濃縮されることを可能にする形として製剤できる。天然医薬組成物を投与するステップは、最大濃度の天然医薬組成物が組織および細胞に吸収されるのが可能となるような効果的な方法で実施すべきであることに留意することが重要である。天然医薬組成物が効くには、十分に内在化されなければならない。十分に内在化されると、5−LOXおよび15−LOXをうまく阻害し始めるか、阻害を達成することができ、そのようにしてアラキドン酸が代謝されてそのロイコトリエン成分または炎症病態生理学中で有害なように機能する活性代謝物が生成することが阻害される。
【0043】
もう1つの実施形態では、天然医薬組成物を投与するステップは、静脈ポンプを用いて組成物を身体に注射することを含み得る。この技術は、組成物が、最大の効果を有する領域か、または最大濃度の天然医薬組成物を提供する領域に局在化されることを可能にするので有利である。
【0044】
例示的一実施形態では、ティースプーン1杯と2オンスの間の、好ましくは2オンスの天然医薬組成物を、毎日2時間毎にまたは少なくとも1日2回継続ベースで摂取することによって天然医薬組成物が投与される。また、天然医薬組成物は、何らかの食物または飲料を消費する少なくとも2時間前の期間を意味する空腹時に摂取されるべきである。これに続いて、天然医薬組成物は5−LOXおよび15−LOXを阻害するよう機能する。もちろん、当業者ならば認識するであろうが、組成物の量および使用頻度は個体毎に異なり得る。
【0045】
製剤のいくつかの実施形態は、本明細書に参照により組み込まれる、1999年8月27日に出願された同時係属の米国特許出願第09/384,785号に含まれる。本発明によって企図される好ましい組成物のいくつかは、以下のものの種々の組み合わせからなる:モリンダ・シトリフォリアピューレジュースまたは果汁、水、モリンダ・シトリフォリアベースでない果汁、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアオイルおよびオイル抽出物、担体媒質、モリンダ・シトリフォリア製品、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物または果汁濃縮物。示したように、これらは単に例示的実施形態として意図され、決して制限するものと解釈されるべきではない。
【0046】
例示的一実施形態では、体内組成物は以下の成分を含む:約10〜80パーセントの間の重量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア製品と、約20〜90パーセントの間の重量で存在する担体媒質。
【0047】
この実施形態では、加工モリンダ・シトリフォリア製品は加工モリンダ・シトリフォリア果汁、加工モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、加工モリンダ・シトリフォリア食物繊維および/または加工モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物製品のうちの1種以上を含み得る。
【0048】
もう1つの例示的実施形態では、体内組成物は以下の成分を含む:約0.1〜80パーセントの間の重量で存在する加工モリンダ・シトリフォリア果汁またはピューレジュース、約0.1〜20パーセントの間の重量で存在する加工モリンダ・シトリフォリアオイル、および約20〜90パーセントの間の重量で存在する担体媒質。モリンダ・シトリフォリアピューレジュースまたは果汁はまた、同様の濃度で存在する加工モリンダシトリフォリア食物繊維製品とともに製剤できる。
【0049】
本発明によれば、体内組成物を導入する個々の方法は、本明細書に同定される目的のために体内組成物を哺乳動物の身体に実際に導入するいずれの方法も含み得る。個々の方法としては多数あるが、本発明は、体内組成物は静脈内、経皮的、経口、または全身に導入することができることを認識する。どのような方法を用いようとも、体内組成物、特に、モリンダ・シトリフォリアおよびその他の有効成分が5−LOXおよび15−LOXを効率的に阻害し、何れかの炎症性疾患を治療できるよう、組成物を完全に内在化することが重要である。
【0050】
上記の製剤において同定される担体媒質は、加工モリンダ・シトリフォリア製品に担持媒質を提供できるものであり、哺乳動物の身体に導入することができる任意の成分を含み得る。具体的な担体媒質製剤は当技術分野ではよく知られており、本明細書では詳細には記載しない。記載したように、担体媒質の目的は、身体に導入することができる体内組成物中に加工モリンダ・シトリフォリア製品を具体化する手段を提供することである。
【0051】
モリンダ・シトリフォリアベースの天然医薬
投与、予防および疾患の治療
以下の実施例は、加工モリンダ・シトリフォリア製品の5−LOX、15−LOXに対する予防および治療効果、ならびにモリンダ・シトリフォリアの炎症性疾患に対する予防および治療効果を説明し、示す。これらの実施例は決して制限しようとするものではなく、単に、モリンダ・シトリフォリア製品の利益および利点、ならびに治療効果を例示するものである。
【0052】
炎症および薬物代謝に影響を及ぼすアラキドン酸カスケードにはいくつかの主要な分岐部がある。具体的には、アラキドン酸カスケードの第1の分岐部は、いくつかのシトクロム(CYP)酵素、すなわち、CYP450、CYP2D6、CYP2C19、CYP3A4、CYP2C9およびCYP1A2による合成をもたらす。第2の分岐部はシクロオキシゲナーゼ−1および2(COX1およびCOX2)へのアラキドン酸カスケードである。アラキドン酸カスケードの第3の分岐部は、5−リポキシゲナーゼ経路およびその酵素、例えば、ロイコトリエンA4(LTA4)加水分解酵素およびロイコトリエンC4(LTC4)シンセターゼを含む。
【0053】
リポキシゲナーゼは、植物では、老化の進行および抗菌化合物の産生に必要である。哺乳動物では、リポキシゲナーゼはアラキドン酸のエイコサン酸(5、12および15)への酸化を触媒する。リポキシゲナーゼは、非ヘム鉄を含み、アラキドン酸の代謝において分子酸素を用い、また、哺乳動物において広範囲な生理学的効果を有する強力なメディエーターであるロイコトリエンの生合成をも促進する酵素である。
【0054】
炎症反応およびアレルギー反応は、種々の相互に関連しあう機構を介しアラキドン酸代謝物によって調節される。炎症およびアレルギー条件の種々の経路では、重要なシグナル分子(LT類、PG類)が皮膚、関節、胃腸および特定の喘息では呼吸器系に影響を及ぼす。アラキドン酸は種々の活性ロイコトリエン、すなわち、LTD4、LTB4などに代謝される。これらは粘膜産生の増加、気管支収縮および好酸球浸潤に寄与する強力な炎症性メディエーターである。5−LOX活性の産物はミクログリアの相当なアクチベーターであることもわかっている。
【0055】
中枢神経系にはニューロンとグリア細胞が含まれる。グリア細胞は、栄養素および酸素を提供し、あるニューロンを他のものから遮断し、ニューロンを取り囲み、適当な位置に支え、死滅したニューロンを破壊し、除去する支持細胞である。ミクログリアはグリア細胞のうちで最小ものものである。ミクログリアは、炎症に寄与する、感染性病原体、ウイルス、真菌などの貯蔵所となる。ミクログリアは、中枢神経系の感染細胞として、おそらくは感染に続く有毒因子の産生によって、またはより直接的にニューロンに正常な代謝支援を提供しないことによって、種々の疾患の進行において重要な役割を果たす。さらに、神経炎症および酸化的ストレスが、正常な加齢における、およびAD、PD、ALSおよび変形性関節症などの加齢に関連した神経疾患における神経変性の要因であると考えられている。反応性ミクログリアは、正常組織と比較して数が増加して見出される。インビトロでは、刺激されたミクログリアまたはミクログリア様細胞が神経毒物質を分泌し、それらは呼吸バースト系によるフリーラジカルの発生器である。これは、これらの細胞の活性化は、病気の脳組織において観察されるニューロン細胞の死に寄与し得るという仮説をもたらした。反応性ミクログリアは加齢脳では数が増加して円形である。それらは多量の毒性酸素フリーラジカルを生成する。ミクログリア活性化を抑制するいずれの物質も、ニューロンの保護のための良好な候補である。
【実施例1】
【0056】
モリンダ・シトリフォリア 5−LOXの阻害
本実験にはシクロオキシゲナーゼ−2と5−リポキシゲナーゼ双方の二重阻害を含めた。COX経路は炎症性PG類を生成するのに対し、5−リポキシゲナーゼはアラキドン酸の5−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(5−HETE)への酸化的代謝を触媒し、最初の反応がロイコトリエンの形成をもたらす。両経路の阻害剤は神経毒性を用量依存的に抑制した。両経路の阻害剤は、単一の経路の阻害剤よりも有効である。
【0057】
この実施例では、生化学アッセイを実施し、結果を活性の阻害パーセントとして示す。この実施例に用いた方法は、信頼性および再現性を最大にするよう科学文献から適応させた。G.W.カーター(Carter)ら、5−リポキシゲナーゼ・インヒビトリー・アクティビティー・オブ・ジレウトン(5-Lipoxygenase inhibitory activity of zileuton)、256(3)ジャーナル・オブ・ファルマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティクス(Journal of Pharmacology Experimental Therapeutics)929〜37頁(1991)、H.サファイヒ(Safayhi)ら、コンセントレーション−ディペンデント・ポテンシエーティング・アンド・インヒビトリー・エフェクツ・オブ・ボスヴェリア・エクストラクツ・オン・5−リポキシゲナーゼ・プロダクト・フォーメーション・イン・スティミュレイテッド・PMNL(Concentration-dependent potentiating and inhibitory effects of Boswellia extracts on 5-Lipoxygenase product formation in stimulated PMNL)、66プランタ・メディカ(Planta Medica)、110〜13頁(2000)参照。参照標準は各アッセイの一体部分として実施し、得られる結果の妥当性を確実にした。
【0058】
この研究では、5−LOX供給源はヒト末梢血単核細胞(PBMNC)であり、基質は以下の一般反応を有するアラキドン酸とした:アラキドン酸→5−LOX→5−HPETE→LTB4。ヒト末梢血単核白血球(PBML)はフィコール−パーク(Ficoll-Paque)密度勾配によって単離した。阻害物質は加工モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物とした。モリンダ・シトリフォリアはPBML(5×106個細胞/ml)とともに、HBSSバッファーpH7.4中、37℃で15分間プレインキュベートした。反応は30μM A23187を添加することによって開始し、さらに15分間インキュベートし、次いで、1N HClによって終結させる。NaOHを用いて中和し、遠心分離した後、EIAキットを用いて上清LTB4を測定する。研究の結果から、本明細書に記載され、教示される加工モリンダ・シトリフォリアピューレ製品は有意な阻害剤として機能することが示された。
【0059】
5−LOX経路に関しては、モリンダ・シトリフォリアピューレは5−LOX酵素を阻害するよう機能し、アラキドン酸のその中間体ロイコトリエン成分、例えば、LTA4加水分解酵素、LTA4およびLTC4シンセターゼへの酸素化の阻害をもたらした。ある具体的な研究では、1パーセント(1%)モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物を導入することによって、5−LOX酵素の103パーセント(103%)の阻害が提供された。
【0060】
これらの結果に基づいて、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品を用いる5−LOXの相乗阻害は、炎症性メディエーター、例えば、LTA4、LTB4、LTC4などの産生を低下させるか阻害することにより、胃刺激作用がほとんどないか全くない、炎症性疾患をはじめとする疾患を治療および予防するための見込みのある方法を提供すると思われる。そのようなものとして、本明細書に記載されるモリンダ・シトリフォリア製品は有意な抗炎症特性を有することが提案される。
【実施例2】
【0061】
モリンダ・シトリフォリアアルコール上清 5−LOXの阻害
別の実施例では、1リットルの加工モリンダ・シトリフォリアピューレジュースを、1リットルの200プルーフエタノールと約20分間十分に混合し、遠心分離し、上清を保持し、沈殿物を廃棄した。再度、第1の上清を、同容積の200プルーフエタノールと20分間十分に混合し、遠心分離し、上清(第2の上清)を保持し、沈殿物を廃棄した。ロトバップ(RotoVap)を用い減圧して、褐色のシロップ様物質が得られるまで第2の上清からアルコールを除去した。HPLCを用いてサンプルがアルコールを含まないことを確認した。
【0062】
上清サンプルを、上記の実施例1に概説したものと同様のアッセイおよびプロトコールに利用し、ただし、得られた褐色の物質をモリンダ・シトリフォリアピューレジュースの代わりに用いた。アルコール上清画分は、5−LOXの活性の102パーセント(102%)阻害を引き起こした(以下の表参照)。
【0063】
【表1】

【0064】
これらの結果に基づいて、1種以上のモリンダ・シトリフォリアアルコール上清製品を用いる5−LOXの相乗阻害は、炎症性メディエーター、例えば、LTA4、LTB4、LTC4などの産生を低下させるか阻害することにより、胃刺激作用がほとんどないか全くない、炎症性疾患を治療および予防するための見込みのある方法を提供すると思われる。したがって、本明細書に記載されるモリンダ・シトリフォリア製品は有意な抗炎症特性を有することが提案される。
【実施例3】
【0065】
モリンダ・シトリフォリアピューレジュースおよびアルコール上清 15−LOXの阻害
別の実施例では、生化学アッセイを実施し、結果をモリンダ・シトリフォリアピューレジュースおよびアルコール上清による15−LOXの活性の阻害パーセントとして示す。この実施例に用いた方法は、信頼性および再現性を最大にするよう科学文献から適応させた。B.J.アウアーバッハ(Auerbach)ら、ア・スペクトフォトメトリック・マイクロタイター−ベースド・アッセイ・フォー・ザ・ディテクション・オブ・ヒドロペルオキシ・デリバティブ・オブ・リノレイック・アシッド(A spectrophotometric mictrotiter-based assay for the detection of hydroperoxy derivative of linoleic acid)、201 アナリティカル・バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、375〜380頁(1992)参照。
【0066】
15−リポキシゲナーゼは代謝経路を開始し、アラキドン酸を15−ヒドロキシペルオキシ−エイコサテトラエン酸(15−HPETE)へ変換することによってリポキシンの形成をもたらす。リポキシンはロイコトリエンと関連する生物活性をいくらか共有し得る。ウサギ網状赤血球から得た15−リポキシゲナーゼを用いた。試験化合物は、167U/mlの15−LOXとともにリン酸バッファーpH7.4中、4℃で15分間プレインキュベートした。この反応は256μMのリノール酸を添加することによって開始し、さらに10分間インキュベートし、次いで、N−ベンゾイルロイコメチレンブルー(LMB)を添加することによって終結させ、660nmの吸光度を測定することによって、15−HETEのレベルを求めた。結果は以下の表に示す。1パーセント(1%)のモリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物を導入することによって、15−LOXの平均283パーセント(283%)阻害が提供された。以下の表を参照。
【0067】
【表2】

【0068】
これらの結果に基づいて、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品を用いる15−LOXの相乗阻害は、炎症性メディエーター、例えば、LTA4、LTB4、LTC4などの産生を低下させるか阻害することにより、胃刺激作用がほとんどないか全くない、炎症性疾患をはじめとする疾患を治療および予防するための見込みのある方法を提供すると思われる。したがって、本明細書に記載されるモリンダ・シトリフォリア製品は有意な抗炎症特性を有することが提案される。
【0069】
本発明は、必須の特徴のその趣旨から逸脱することなく、その他の具体的な形で実施できる。記載した実施形態は、あらゆる点で、単に例示的なものであって制限するものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、上述の説明によってではなく添付の請求の範囲によって示される。請求の範囲の等価の意味および範囲内からおこるすべての変更は、その範囲内に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のリポキシゲナーゼ酵素の阻害を含む、アラキドン酸からのロイコトリエンの合成を阻害する方法であって、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品の使用を含む方法。
【請求項2】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物、のうち1種以上からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、および/または全身投与することによって、のうち1以上を含むプロセスによって投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リポキシゲナーゼの阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
有効成分ケルセチンAを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するさらなる有効成分としてルチンをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
5−リポキシゲナーゼを阻害する方法であって、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品の使用を含む方法。
【請求項10】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が、以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物のうち1種以上からなる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、以下の方法:経口によって、感染部位に経皮的に、感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによって、のうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記リポキシゲナーゼの阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
有効成分ケルセチンAを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するさらなる有効成分としてルチンをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
15−リポキシゲナーゼを阻害する方法であって、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品の使用を含む方法。
【請求項18】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物、のうち1種以上からなる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、以下の方法:経口によって、感染部位に経皮的に、感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによって、のうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記リポキシゲナーゼの阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
有効成分ケルセチンAを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するさらなる有効成分としてルチンをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
アラキドン酸のその中間体成分への酸素化を阻害する方法であって、
アルコールベースの溶液にモリンダ・シトリフォリア製品を添加するステップと、
前記溶液から前記加工モリンダ・シトリフォリア製品の有効成分を単離および抽出して画分を得るステップと、
前記抽出した有効成分を前記哺乳動物内に、または前記哺乳動物上に導入するステップであって、前記抽出した有効成分がアラキドン酸のその中間体成分への酸素化を阻害するステップと
を含む方法。
【請求項26】
アラキドン酸の酸素化の阻害が5−リポキシゲナーゼの阻害によって影響を受ける、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
アラキドン酸の酸素化の阻害が15−リポキシゲナーゼの阻害によって影響を受ける、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
アラキドン酸のその中間体成分への酸素化の阻害が、胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が、以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物、のうち1種以上からなる、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによって、のうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記アルコールベースの溶液が、本質的にメタノール、エタノールおよび酢酸エチル、ならびにその他のアルコールベースの誘導体からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記有効成分が可溶性アルコール上清画分である、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
前記有効成分がケルセチンである、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記有効成分が、前記ケルセチンと相乗的に働いてアラキドン酸の前記酸素化を阻害するルチンである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
アラキドン酸のその中間体成分への酸素化を阻害する方法であって、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品の使用を含む方法。
【請求項38】
前記炎症性疾患が5−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記炎症性疾患が15−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
アラキドン酸のその中間体成分への酸素化の阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物、のうち1種以上からなる、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによって、のうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
有効成分ケルセチンAを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、前記ケルセチンと相乗的に働いてアラキドン酸の前記酸素化を阻害するさらなる有効成分としてルチンをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
リポキシゲナーゼを阻害することによって哺乳動物内で疾患を予防および/または治療する方法であって、
アルコールベースの溶液に加工モリンダ・シトリフォリア製品を添加するステップと、
前記溶液から前記加工モリンダ・シトリフォリア製品の有効成分を単離および抽出して画分を得るステップと、
前記抽出した有効成分を前記哺乳動物内に、および/または前記哺乳動物上に導入するステップであって、前記抽出した有効成分が前記疾患の作用を阻害し、防ぎ、低減し、逆転させるステップと
を含む方法。
【請求項48】
前記疾患が炎症を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記疾患を5−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療する、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記疾患を15−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療する、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物、のうち1種以上からなる、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによってのうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
前記アルコールベースの溶液が、本質的にメタノール、エタノールおよび酢酸エチル、ならびにその他のアルコールベースの誘導体からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項55】
前記有効成分が可溶性アルコール上清画分である、請求項47に記載の方法。
【請求項56】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項47に記載の方法。
【請求項57】
前記リポキシゲナーゼの阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項47に記載の方法。
【請求項58】
前記有効成分がケルセチンである、請求項47に記載の方法。
【請求項59】
前記有効成分が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するルチンである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
1種以上のリポキシゲナーゼ酵素を阻害することによって哺乳動物の疾患を予防および/または治療する方法であって、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品および/または抽出した成分を、前記哺乳動物内に、および/または前記哺乳動物上に導入するステップを含み、前記製品または抽出物が前記疾患の作用を阻害し、防ぎ、低減し、逆転させる方法。
【請求項61】
前記疾患が炎症を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記疾患が、リポキシゲナーゼによるアラキドン酸の酸素化を阻害することによって治療または予防される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記疾患が、5−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療される、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記疾患が、15−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療される、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記リポキシゲナーゼの阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
前記モリンダ・シトリフォリア製品、が以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物、のうち1種以上からなる、請求項60に記載の方法。
【請求項68】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによってのうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項60に記載の方法。
【請求項70】
前記有効成分がケルセチンである、請求項60に記載の方法。
【請求項71】
前記有効成分が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するルチンである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
1種以上のリポキシゲナーゼ酵素を阻害することによって哺乳動物の炎症性疾患を予防および/または治療する方法であって、
1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品および/または抽出した成分を、前記哺乳動物内に、および/または前記哺乳動物上に導入するステップを含み、前記製品または抽出物が前記炎症性疾患の作用を阻害し、防ぎ、低減し、および/または逆転させる方法。
【請求項73】
前記炎症性疾患を、5−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療する、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記炎症性疾患を、15−リポキシゲナーゼを阻害することによって治療する、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記リポキシゲナーゼの阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項72に記載の方法。
【請求項77】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が、以下:モリンダ・シトリフォリア果汁、モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物、モリンダ・シトリフォリア食物繊維、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、モリンダ・シトリフォリアピューレ、モリンダ・シトリフォリア果汁濃縮物、モリンダ・シトリフォリアピューレジュース濃縮物、のうち1種以上からなる、請求項72に記載の方法。
【請求項78】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項72に記載の方法。
【請求項79】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによってのうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項72に記載の方法。
【請求項80】
前記有効成分がケルセチンである、請求項72に記載の方法。
【請求項81】
前記有効成分が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するルチンである、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
少なくとも1種の加工モリンダ・シトリフォリア製品を含む天然医薬組成物を含む、哺乳動物において疾患および症状を治療するためのリポキシゲナーゼ阻害剤。
【請求項83】
前記疾患が炎症を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、加工モリンダ・シトリフォリア果汁、加工モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、加工モリンダ・シトリフォリア食物繊維、加工モリンダ・シトリフォリアオイルおよび加工モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物からなる群から選択される、請求項82に記載のリポキシゲナーゼ阻害剤。
【請求項85】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによって、のうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項82に記載の阻害剤。
【請求項87】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項82に記載の阻害剤。
【請求項88】
前記疾患の治療が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項82に記載の阻害剤。
【請求項89】
有効成分ケルセチンAを含む、請求項82に記載の阻害剤。
【請求項90】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するさらなる有効成分としてルチンをさらに含む、請求項89に記載の阻害剤。
【請求項91】
炎症性疾患の治療のために、哺乳動物の身体内でアラキドン酸の酸化を調節する方法であって、モリンダ・シトリフォリア製品を含む組成物を前記哺乳動物内にまたは前記哺乳動物上に導入するステップを含む方法。
【請求項92】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、加工モリンダ・シトリフォリア果汁、加工モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、加工モリンダ・シトリフォリア食物繊維、加工モリンダ・シトリフォリアオイルおよび加工モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物からなる群から選択される、請求項91に記載のリポキシゲナーゼ。
【請求項93】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによってのうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項91に記載の阻害剤。
【請求項95】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記アラキドン酸の酸化を調節する方法が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
有効成分ケルセチンAを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するさらなる有効成分としてルチンをさらに含む、請求項97に記載の阻害剤。
【請求項99】
1種以上のリポキシゲナーゼ酵素を阻害することによって哺乳動物細胞の機能を調節する方法であって、1種以上のモリンダ・シトリフォリア製品および/または抽出成分を前記哺乳動物内に、および/または前記哺乳動物上に導入するステップを含む方法。
【請求項100】
前記細胞調節がアポトーシスに影響を及ぼすことを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記細胞調節が細胞分裂に影響を及ぼすことを含む、請求項99に記載の方法。
【請求項102】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が、加工モリンダ・シトリフォリア果汁、加工モリンダ・シトリフォリアピューレジュース、加工モリンダ・シトリフォリア食物繊維、加工モリンダ・シトリフォリアオイルおよび加工モリンダ・シトリフォリアオイル抽出物からなる群から選択される、請求項99に記載のリポキシゲナーゼ阻害剤。
【請求項103】
前記モリンダ・シトリフォリア製品が担体媒質とともに用いられる、請求項99に記載の方法。
【請求項104】
前記組成物が、以下の方法:前記感染部位に経口によって、経皮的に、前記感染部位内に注射によって、静脈内に、組成物を局所的に塗布することによって、または全身投与することによって、のうち1以上からなるプロセスによって投与される、請求項99に記載の方法。
【請求項105】
シクロオキシゲナーゼ−2もまた選択的に阻害される、請求項99に記載の方法。
【請求項106】
前記リポキシゲナーゼの阻害が胃粘膜の完全性を維持しながら達成される、請求項99に記載の方法。
【請求項107】
有効成分ケルセチンAを含む、請求項99に記載の阻害剤。
【請求項108】
前記加工モリンダ・シトリフォリア製品が、前記ケルセチンと相乗的に働いて前記リポキシゲナーゼを阻害するさらなる有効成分としてルチンをさらに含む、請求項107に記載の阻害剤。
【請求項109】
加工モリンダ・シトリフォリア製品中の有効成分を単離し、前記有効成分を用いてリポキシゲナーゼを阻害する方法であって、
一定量の加工モリンダ・シトリフォリアピューレを得るステップと、
一定量のエタノールアルコールを得るステップと、
遠心機中で、前記モリンダ・シトリフォリアピューレを前記エタノールアルコールと示される時間の間、混合するステップと、
前記アルコール可溶性画分を回収するステップと、
前記アルコール可溶性画分から残存するアルコールを除去してアルコール可溶性画分有効成分を得るステップと、
前記有効成分を混合して天然医薬製剤とするステップと、
前記天然医薬製剤を前記哺乳動物に導入するステップであって、炎症性疾患およびそれに伴う症状の治療および予防を目的として、前記有効成分がリポキシゲナーゼおよびアラキドン酸の代謝および合成を阻害するよう機能するステップと
を含む方法。

【公表番号】特表2008−501793(P2008−501793A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527168(P2007−527168)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019781
【国際公開番号】WO2005/120538
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(504279337)タヒチアン ノニ インターナショナル インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】