説明

モータースポーツ競技用深部体温連続計測装置

【課題】レーシングマシンによるモータースポーツ競技のドライバーの深部体温を継続的に監視することのできるモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置を提供すること。
【解決手段】モータースポーツ競技用深部体温連続計測装置は、レーシングマシンによるモータースポーツ競技のドライバーに装着されてドライバーの深部体温を検知する温度センサと、前記温度センサよりの検知信号に基づいて深部体温情報を表示する体温情報表示部とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーシングマシンによるモータースポーツ競技のドライバーの深部体温を測定するためのモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば四輪自動車などのレーシングマシンによるモータースポーツ競技においては、走行中の車内が密閉状態であるために車内温度は極めて高く、また、安全性を確保するためにドライバーにはレーシングスーツ、シューズ、グローブおよびフルフェイスヘルメットの装着が義務化されており、肌の露出がほぼ皆無であることから、レーシングスーツ内の湿度も極めて高いものとなる。このような高温高湿状況下において、ドライバーには高い運動量が強いられる上に、皮膚表面からの放熱による体温調節ができないことにより、ドライバーの深部体温が不可避的に上昇する。
【0003】
このような深部体温の上昇に起因して、ドライバーは熱中症や熱射病などの暑熱障害に陥る可能性が高く、具体的には、深部体温が38℃程度まで上昇すると、中等度の暑熱障害に陥るとされ、その症状としては、例えばめまいや吐き気などが挙げられ、また、深部体温が40℃を超えると重度の暑熱障害に陥るとされ、その症状としては、例えば意識消失やけいれんなどが挙げられ、最悪の場合は死に至る。また、このような症状は、暑熱障害自体による健康被害のみならず、モータースポーツ競技の特性上、意識消失などに起因して事故を引き起こす可能性も高い。
【0004】
図1は、四輪自動車によるモータースポーツ競技のドライバーの深部体温(鼓膜温)の推移の一例を示す。図1によれば、ドライバーの深部体温である鼓膜温は、走行開始から数十分間後には、38℃程度となることが確認される。このように、ドライバーの深部体温は、極めて短時間の間に上昇し、また、競技時間が長時間にわたると、このような深部体温の高い状態が継続することとなるため、暑熱障害に陥る可能性がより高くなる。
【0005】
このような暑熱障害は、早期に発見して水分補給などの適宜の対処を施すことにより、回避されることが多いが、現状においては、暑熱障害に対する具体的な対策はなされておらず、ドライバーの自己管理に一任されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、レーシングマシンによるモータースポーツ競技のドライバーの深部体温を継続的に監視することのできるモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置は、レーシングマシンによるモータースポーツ競技のドライバーに装着されてドライバーの深部体温を検知する温度センサと、
前記温度センサよりの検知信号に基づいて深部体温情報を表示する体温情報表示部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置においては、前記温度センサが、ドライバーの耳に装着される音声イヤホンにおける、当該音声イヤホンが装着された状態においてドライバーの鼓膜と対向することとなる位置に設けられる構成とすることが好ましい。
【0009】
本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置においては、前記体温情報表示部が、レーシングマシンの外部および内部の少なくとも一方より視認可能な状態で当該レーシングマシンに設けられる構成とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置によれば、ドライバーに装着されてドライバーの深部体温を検知する温度センサよりの深部体温情報が体温情報表示部に表示されることにより、その表示をレーシングマシンの外部または内部において認識することによってドライバーの深部体温を継続的に監視することができ、その結果、暑熱障害の発症の危険性を早期に察知することができ、暑熱障害の発症を回避することができる。
【0011】
また、温度センサが音声イヤホンに設けられることにより、ドライバーに必要とされる運動範囲における可動性を阻害することなく、目的とする深部体温の測定を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】四輪自動車によるモータースポーツ競技のドライバーの深部体温(鼓膜温)の推移の一例を示すグラフである。
【図2】本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置の全体の構成例を概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置における音声イヤホンの一構成例を示す概略図である。
【図4】本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置における音声イヤホンのイヤホン本体の一構成例を示す説明用断面図である。
【図5】本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置における信号処理部の一構成例を示す正面図である。
【図6】本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置における体温情報表示部を構成する外部表示部の一構成例を示す正面図である。
【図7】本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置における体温情報表示部を構成する内部表示部の一構成例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置について、レーシングマシンが四輪自動車である場合について詳細に説明する。
【0014】
図2に示すように、本発明のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置(以下、単に「深部体温連続計測装置」という。)10は、四輪自動車によるモータースポーツ競技のドライバーの深部体温を測定するための装置であって、ドライバーの耳に装着される、ピットクルーなどの外部者との交信に用いられる音声イヤホン11に設けられたドライバーの深部体温を検知する深部体温用温度センサ13と、この深部体温用温度センサ13により検知された検知信号を増幅させるアンプ部15と、このアンプ部15により増幅された検知信号を処理して深部体温値を算出する信号処理部16と、この深部体温値に応じた深部体温情報を表示する体温情報表示部17とから構成されている。
【0015】
音声イヤホン11は、図3および図4に示すように、イヤホン本体12を備え、このイヤホン本体12は、例えばシリコーンゴムなどの弾性材料による成型体によりドライバーの外耳道の形状に適合した形状に形成されている。
【0016】
イヤホン本体12には、深部体温用温度センサ13が、音声イヤホン11における、当該音声イヤホン11が装着された状態でドライバーの鼓膜と対向することとなる位置に固定して設けられている。この深部体温用温度センサ13は、ドライバーの外耳道に挿入される耳栓部12aの先端に、耳栓部12aにおける筒状のセンサ保持部12cにおいて、保持・固定されている。
【0017】
深部体温用温度センサ13は、具体的にはサーモパイルよりなるものである。このサーモパイルは鼓膜から放射される赤外線を検知する非接触式の温度センサであり、この深部体温用温度センサ13の検知可能な深部体温の温度範囲は、具体的には30.00〜45.00℃(精度:±0.10℃)である。
【0018】
深部体温用温度センサ13には、リード線13aを介してピン端子13bが設けられており、このピン端子13bは、アンプ部15に設けられたピン端子挿入用孔(図示せず)に挿入されることにより、電気的に接続される。
【0019】
リード線13aは、イヤホン本体12から伸びる第1のリード線131aと、ピン端子13bを先端に有する第2のリード線131bとから構成され、第1のリード線131aおよび第2のリード線131bは、挿入接続型コネクタ部131を介して、リード線13aの方向に離脱可能に接続されている。
【0020】
また、イヤホン本体12には、車内に搭載された通信機器(図示せず)により、無線受信された音声信号を音声として出力するマイクロスピーカー14が内蔵されている。そして、このイヤホン本体12の内部空間に面する周壁には、音響ガイド溝12bが設けられている。
【0021】
マイクロスピーカー14には、リード線14aを介してピン端子14bが設けられており、このピン端子14bは、通信機器(図示せず)に設けられたピン端子挿入用孔(図示せず)に挿入されることにより、電気的に接続される。
【0022】
アンプ部15には、車内温度を検知する車内温用温度センサ15aおよび車内湿度を検知する湿度センサ15bが設けられている。この車内温用温度センサ15aおよび湿度センサ15bにより検知された検知信号は信号処理部16に入力される。
【0023】
この例における車内温用温度センサ15aの検知可能な車内温度の温度範囲は、具体的には00.0〜99.0℃(精度:25℃において±0.5℃)である。
【0024】
信号処理部16は、図5に示すように、全体が箱状の形状を有するケーシング16aを備えている。符号16bは緩衝部材であり、信号処理部16はこの緩衝部材16bを介して車内に設置される。
【0025】
ケーシング16aの内部には、深部体温用温度センサ13、車内温用温度センサ15aおよび湿度センサ15bにより検知された検知信号を処理する回路基板、および例えばリチウム電池により構成される駆動用電源(図示せず)が設けられており、また、深部体温用温度センサ13により検知された検知信号を処理して算出された深部体温値と共に、車内温用温度センサ15aおよび湿度センサ15bにより検知された検知信号を処理して算出された車内温度値および車内湿度値、並びに、日付および時刻などの付属情報をメモリカードなどの記憶媒体に記憶する記憶手段(図示せず)が設けられている。
なお、符号20aは主電源スイッチ、20bはデジタル表示部、20cは操作用ボタンである。
【0026】
信号処理部16においては、アンプ部15よりの検知信号が例えば10秒間間隔毎に取得され、これを処理して深部体温値が算出されると共に、暑熱障害の発症の危険性の指標となる基準値として予め設定された閾値と比較して、深部体温値が閾値以上となったときには暑熱障害の発症の危険性が高い深部体温情報として警戒信号が体温情報表示部17へ出力される。
信号処理部16においては、複数の閾値が設定された構成とすることもできる。
【0027】
この例における体温情報表示部17は、外部表示部17aと内部表示部17bとにより構成されている。
外部表示部17aは、図6に示すように、例えば複数の赤色のLED素子よりなる第1の表示パネル171aを有し、例えば車内におけるフロントウィンドウの右上端部に第1の表示パネル171aのパネル面が車外に向いた状態で配置されている。
【0028】
体温情報表示部17において表示される深部体温情報は、外部表示部17aにおける第1の表示パネル171aを構成する赤色のLED素子により表示される。
具体的には、例えば中等度の暑熱障害に陥る危険性が高い基準値として第1の閾値、および、重度の暑熱障害に陥る危険性が高い基準値として第1の閾値よりも高い値の第2の閾値が信号処理部16において設定され、信号処理部16において算出された深部体温値が第1の閾値未満であるときには、第1の表示パネル171aを構成する赤色のLED素子が「消灯状態」で表示され、深部体温値が第1の閾値以上で第2の閾値未満となったときには、信号処理部16より警戒信号が出力されて赤色のLED素子が「点滅状態」となり、さらに、深部体温値が第2の閾値以上となったときには、信号処理部16より、警戒信号よりもさらに厳重な警戒が必要な信号として厳重警戒信号が出力されて、赤色のLED素子が「点灯状態」で表示される構成とされる。この場合における第1の閾値は例えば38.00℃であり、また、第2の閾値は例えば40.00℃である。
【0029】
内部表示部17bは、図7に示すように、例えば複数の赤色のLED素子よりなる第2の表示パネル171bと、例えば複数の緑色のLED素子よりなるセンサ稼働表示パネル18とを有し、例えば車内におけるフロントウィンドウの右下端部に第2の表示パネル171bおよびセンサ稼働表示パネル18のパネル面が車内に向いた状態で配置されている。
【0030】
第2の表示パネル171bは、上述した外部表示部17aにおける第1の表示パネル171aと全く同様の表示が表示される構成とされる。
なお、センサ稼働表示パネル18においては、深部体温用温度センサ13の稼働状態、具体的には、深部体温用温度センサ13が正常に稼働している場合においては、緑色のLED素子は点灯状態となり、深部体温用温度センサ13が正常に稼働していない場合においては、緑色のLED素子は消灯状態となる構成とされる。
なお、この例における体温情報表示部17は車載12Vバッテリーにより駆動される。
【0031】
本発明の深部体温連続計測装置10における各構成部の寸法例を示すと、例えば、リード線13aの長さが500mmであり、信号処理部16の高さ(図5における紙面に対して垂直方向)が115mm、横幅(図5における左右方向)が330mm、奥行き(図5における上下方向)が235mmであり、外部表示部17aにおける第1の表示パネル171aの横幅(図6における左右方向)が50mm、縦幅(図6における上下方向)が53mmであり、内部表示部17bにおける第2の表示パネル171bの横幅(図7における左右方向)が50mm、縦幅(図7における上下方向)が25mmであり、センサ稼働表示パネル18の横幅(図7における左右方向)が50mm、縦幅(図7における上下方向)が25mmであり、全質量は約1.5kg以下と軽量なものとすることができる。
【0032】
以上のような深部体温連続計測装置10においては、まず、音声イヤホン11がドライバーの耳に装着されて、信号処理部16における主電源スイッチ20aがON状態とされ、ピン端子13bがアンプ部15に設けられたピン端子挿入用孔(図示せず)に挿入されることにより深部体温の測定が開始される。このとき、センサ稼働表示パネル18には、深部体温用温度センサ13の稼働状態が表示される。
その後、深部体温用温度センサ13において例えば10秒間間隔毎に検知された検知信号はアンプ部15を介して信号処理部16に入力され、信号処理部16においてこの検知信号が処理されて深部体温値が算出され、当該深部体温値と予め設定された閾値とに応じた深部体温情報が体温情報表示部17を構成する外部表示部17aにおける第1の表示パネル171a、および、内部表示部17bにおける第2の表示パネル171bにおいて表示される。
そして、競技終了時またはドライバー交代時などにおいて、音声イヤホン11がドライバーの耳から外され、信号処理部16における主電源スイッチ20aがOFF状態とされ、または、ピン端子13bが挿入されたピン端子挿入用孔(図示せず)から外されることにより深部体温の測定が終了される。
【0033】
このように、ドライバーおよびピットクルーなどの外部者は、競技開始前に深部体温連続計測装置10の稼働準備を行い、深部体温用温度センサ13の稼働状態をセンサ稼働表示パネル18により確認する。その後、競技が開始され、ドライバーの深部体温値が上昇して第1の閾値以上で第2の閾値未満となったときには、第1の表示パネル171aおよび第2の表示パネル171bの赤色のLED素子が消灯状態から点滅状態に切り替わり、ドライバーおよびピットクルーなどの外部者は、この第1の表示パネル171aおよび第2の表示パネル171bを視認することにより、ドライバーが中等度の暑熱障害に陥る危険性が高くなったことを認識する。さらに深部体温値が上昇を続け、第2の閾値以上となったときには、第1の表示パネル171aおよび第2の表示パネル171bの赤色のLED素子が点滅状態から点灯状態に切り替わり、ドライバーおよびピットクルーなどの外部者は、この第1の表示パネル171aおよび第2の表示パネル171bを視認することにより、ドライバーが重度の暑熱障害に陥る危険性が高くなったことを認識する。
そして、ピットクルーなどの外部者は、第1の表示パネル171aの赤色のLED素子の点灯の状態に基づいて、例えば音声イヤホン11を通じて適宜の対処を指示し、継続的に監視する。
また、ドライバーは第2の表示パネル171bの赤色のLED素子の点灯の状態に基づいて、自ら水分補給などの適宜の対処を施す。
【0034】
而して、本発明においては、体温情報表示部17を構成する外部表示部17aが設けられていることにより、レーシングマシンがコントロールラインを通過する時やモニター映像を介して視認することにより、ピットクルーなどの外部者がドライバーの深部体温の推移を監視することができるので、ドライバーに暑熱障害が発症する危険性が高くなる前に、適宜の対処を施すことができる。
また、体温情報表示部17を構成する第2の表示パネル171bが設けられていることにより、ドライバーはその深部体温情報を視認することにより、その推移を客観的に認識することができるので、暑熱障害の発症の危険性が高くなる前に、自ら適宜の対処を施すことができる。
【0035】
また、この深部体温連続計測装置10においては、イヤホン本体12が弾性材料による成型体により成型されると共に、その形状がドライバーの外耳道の形状に適合したものであることにより、外耳道に対して高い密着性が得られて、周囲の騒音に対して高い遮音性が得られると共に、音響ガイド溝12bが設けられていることにより、マイクロスピーカー14よりの音声が鼓膜に伝達される経路が得られるため、交信用音声の可聴性を確保することができる。
【0036】
さらに、この深部体温連続計測装置10においては、第1のリード線131aと第2のリード線131bとが挿入接続型コネクタ部131において離脱可能な構成とされていることにより、第1のリード線131a側から、または第2のリード線131b側から大きな引張力が作用されると、第1のリード線131aと第2のリード線131bとが挿入接続型コネクタ部131において分離される。従って、例えば競技終了時またはドライバー交代時などにおいて、ピン端子13bがピン端子挿入用孔(図示せず)に挿入された状態でドライバーが降車するような場合においても、ドライバーがリード線13aに絡まることが防止され、また、リード線13a自体の損傷を防止することもできる。
【0037】
さらに、この深部体温連続計測装置10においては、深部体温値と共に、車内温度値などの付属情報を記憶する記憶手段(図示せず)が信号処理部16に設けられていることにより、これらをドライバーの生体特性などの分析や解析に用いることができる。
さらに、信号処理部16においては、記憶手段(図示せず)により記憶された深部体温値および付属情報を例えばパーソナルコンピュータなどの外部通信機器へ随時無線送信する構成とすることができ、これにより、外部者は別の場所においても所期の情報を随時取得することができる。
【0038】
以上のように、本発明の深部体温連続計測装置10によれば、ドライバーに装着されてドライバーの深部体温を検知する深部体温用温度センサ13と、深部体温情報を表示する体温情報表示部17とを有することにより、その表示を認識することによってドライバーの深部体温を継続的に監視することができ、その結果、暑熱障害の発症の危険性を早期に察知することができ、暑熱障害の発症を回避することができる。
また、深部体温用温度センサ13が音声イヤホン11に設けられることにより、ドライバーに必要とされる運動範囲における可動性を阻害することなく、目的とする深部体温の測定を実施することができる。
【0039】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、体温情報表示部には、レーシングマシンの車体に配置することに限定されず、信号処理部よりの深部体温情報を体温情報表示部に無線送信することができ、これにより、体温情報表示部をピットなどの任意の場所に配置する構成とすることができる。また、体温情報表示部においては、深部体温情報として深部体温値をデジタル表示により表示する構成とすることもできる。必要に応じて、深部体温用温度センサ13は両耳のイヤホンに設ける構成とすることもできる。
また例えば、イヤホン本体12に三軸合成加速度センサ(G)などの加速度センサを内蔵する構成とすることもできる。
【0040】
本発明の深部体温連続計測装置は、種々のレーシングマシンによるモータースポーツ競技のドライバーの深部体温測定に利用することができ、例えば二輪自動車やボート、航空機などのレーシングマシンによるモータースポーツ競技においても利用することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 深部体温連続計測装置
11 音声イヤホン
12 イヤホン本体
12a 耳栓部
12b 音響ガイド溝
12c センサ保持部
13 深部体温用温度センサ
13a リード線
131 挿入接続型コネクタ部
131a 第1のリード線
131b 第2のリード線
13b ピン端子
14 マイクロスピーカー
14a リード線
14b ピン端子
15 アンプ部
15a 車内温用温度センサ
15b 湿度センサ
16 信号処理部
16a ケーシング
16b 緩衝部材
17 体温情報表示部
17a 外部表示部
171a 第1の表示パネル
17b 内部表示部
171b 第2の表示パネル
18 センサ稼働表示パネル
20a 主電源スイッチ
20b デジタル表示部
20c 操作用ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーシングマシンによるモータースポーツ競技のドライバーに装着されてドライバーの深部体温を検知する温度センサと、
前記温度センサよりの検知信号に基づいて深部体温情報を表示する体温情報表示部とを有することを特徴とするモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置。
【請求項2】
前記温度センサが、ドライバーの耳に装着される音声イヤホンにおける、当該音声イヤホンが装着された状態でドライバーの鼓膜と対向することとなる位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置。
【請求項3】
前記体温情報表示部が、レーシングマシンの外部および内部の少なくとも一方より視認可能な状態で当該レーシングマシンに設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータースポーツ競技用深部体温連続計測装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−34731(P2012−34731A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175161(P2010−175161)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(308017722)株式会社ユーシス (2)
【Fターム(参考)】