説明

モータ制御装置及び異常検出方法

【課題】モータ制御の異常を短時間で検出し、モータの暴走を防止する。
【解決手段】異常検出器10は、微分器106から速度ωを入力すると共に、速度制御器103からトルク指令T*を入力し、速度ωを時間微分して加速度ω’(回転加速度)を算出し、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値を算出し、差分の絶対値が定格トルクの100%の値以上の場合に異常を検出し、異常信号をインバータ104に出力する。これにより、モータ113が暴走する状態を判定することができ、異常信号により、インバータ104の運転を停止することができる。異常は、モータ113が高速回転する前の低速回転の状態で検出され、短時間でインバータ104の運転が停止されるから、モータ113が暴走することによって生じるモータ113及び制御対象である機械への悪影響を軽減することができ、安全性を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置及び異常検出方法に関し、特に、モータの暴走を防止するための異常を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータを所定の速度で駆動し、制御対象を制御するモータ制御装置として、速度指令とモータフィードバックによる回転速度との間の速度偏差を算出し、この速度偏差からトルク指令を算出し、トルク指令に基づいてインバータによりモータを駆動するものが知られている。
【0003】
図11は、従来のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。この従来のモータ制御装置100は、速度指令生成器101、減算器102、速度制御器103、インバータ104、カウンタ105、微分器106及び異常検出器120を備えている。モータ制御装置100は、速度指令生成器101により生成された速度指令ω*にてモータ113を回転制御するために、インバータ104により生成された交流電力をモータ113へ供給する。また、モータ制御装置100は、パルスジェネレータ114から、モータ113の回転に伴うパルス信号をフィードバック信号として入力し、カウンタ105においてフィードバック信号をカウントして回転位置を示す位相角θを算出し、微分器106において位相角θからモータ113の速度ωを算出する。
【0004】
異常検出器120は、比較器107〜109、AND回路110及び遅延器111,112を備えている。異常検出器120は、フィードバック信号から算出されたモータ113の速度ωに基づいて、フィードバック信号の異常及びモータ113の回転数オーバーの異常を検出し、モータ113の暴走を判定する。そして、異常検出器120は、異常信号をインバータ104に出力する。インバータ104は、異常検出器120から異常信号を入力すると、運転を停止し、モータ113への交流電力の供給を停止する。
【0005】
ここで、暴走とは、モータ113がオペレータの意図しない速度または方向で回転する状態をいい、具体的には、モータ制御装置100が交流電力をモータ113へ供給しているにもかかわらず、モータ113が回転しない状態、または、モータ制御装置100がモータ113へ供給する交流電力とは逆の極性にてモータ113が回転する状態をいう。後者は、例えば、モータ制御装置100が正転方向の交流電力を供給しているのに対し、モータ113が逆転方向に回転する状態をいい、または、モータ制御装置100が逆転方向の交流電力を供給しているのに対し、モータ113が正転方向に回転する状態をいう。このような暴走は、特に、オペレータによりモータ制御装置100に設定されるパラメータの誤り、モータ制御装置100とモータ113との間の配線ミス等が原因であり、モータ制御装置100のスタートアップ時に発生する。後述するモータ制御装置1においても同様である。
【0006】
また、異常信号を入力することによってインバータ104の運転を停止し、モータ113への交流電力の供給を停止するとは、例えば、インバータRUNの信号をOFFにすることにより、モータ113をフリーランの状態にする、または回生停止状態にすることをいう。これらの運転停止の形態は、インバータ104に対するパラメータの設定によって、予め決められる。後述するモータ制御装置1においても同様である。
【0007】
以下、異常検出器120について詳細に説明する。異常検出器120の比較器107は、速度指令生成器101により生成された速度指令ω*を入力すると共に、予め設定された、モータ113における定格回転速度の10%の値を入力する。そして、比較器107は、速度指令ω*と定格回転速度の10%の値とを比較し、速度指令ω*が定格回転速度の10%の値以上であると判定した場合、判定結果ONの信号をAND回路110に出力する。一方、比較器107は、速度指令ω*が定格回転速度の10%の値以上でないと判定した場合、判定結果OFFの信号をAND回路110に出力する。
【0008】
比較器108は、微分器106からモータ113の速度ωを入力すると共に、予め設定された定格回転速度の5%の値を入力する。そして、比較器108は、速度ωと定格回転速度の5%の値とを比較し、速度ωが定格回転速度の5%の値以下であると判定した場合、判定結果ONの信号をAND回路110に出力する。一方、比較器108は、速度ωが定格回転速度の5%の値以下でないと判定した場合、判定結果OFFの信号をAND回路110に出力する。
【0009】
AND回路110は、比較器107,108から判定結果ONまたはOFFの信号を入力し、比較器107から入力した信号が判定結果ONであり、かつ比較器108から入力した信号が判定結果ONである場合、ONの信号を遅延器111に出力する。一方、AND回路110は、比較器107,108から入力した信号の少なくとも一方の信号が判定結果OFFである場合、OFFの信号を遅延器111に出力する。すなわち、AND回路110は、速度指令ω*が定格回転速度の10%の値以上であり、かつ速度ωが定格回転速度の5%の値以下である場合、ONの信号を遅延器111に出力し、前記以外の場合(すなわち、速度指令ω*が定格回転速度の10%の値以上でない場合、または速度ωが定格回転速度の5%の値以下でない場合)、OFFの信号を遅延器111に出力する。
【0010】
遅延器111は、AND回路110からONまたはOFFの信号を入力し、ONの信号を入力している時間と、予め設定された時間(例えば100〜200msec、後述する図4の遅延時間(ONディレイ時間)Dに相当する。)とを比較し、ONの信号を入力している時間が予め設定された時間以上であると判定した場合、異常を検出してモータ113は暴走していると判定し、異常信号をインバータ104に出力する。一方、遅延器111は、OFFの信号を入力した場合、または、ONの信号を入力している時間が予め設定された時間よりも短いと判定した場合、異常は発生しておらず、モータ113は暴走していないと判定して、異常信号を出力しない。この遅延器111は、速度指令ω*による交流電力がモータ113へ供給され、供給された交流電力によってモータ113が回転してフィードバック信号が出力されるまでの応答遅れを吸収し誤動作を防止するために、遅延処理を行う。
【0011】
比較器109は、微分器106からモータ113の速度ωを入力すると共に、予め設定された定格回転速度の110%の値を入力する。そして、比較器109は、速度ωと定格回転速度の110%の値とを比較し、速度ωが定格回転速度の110%の値以上であると判定した場合、判定結果ONの信号を遅延器112に出力する。一方、比較器109は、速度ωが定格回転速度の110%の値以上でないと判定した場合、判定結果OFFの信号を遅延器112に出力する。
【0012】
遅延器112は、比較器109から判定結果ONまたはOFFの信号を入力し、判定結果ONの信号を入力している時間と、予め設定された時間(例えば100〜200msec、後述する図6の遅延時間Dに相当する。)とを比較し、ONの信号を入力している時間が予め設定された時間以上であると判定した場合、異常を検出してモータ113は暴走していると判定し、異常信号をインバータ104に出力する。一方、遅延器112は、OFFの信号を入力した場合、または、ONの信号を入力している時間が予め設定された時間よりも短いと判定した場合、異常は発生しておらず、モータ113は暴走していないとして、異常信号を出力しない。この遅延器112は、遅延器111と同様の理由により、誤動作を防止するために遅延処理を行う。
【0013】
このように、モータ制御装置100によれば、異常検出器120は、速度指令ω*が予め設定された値(定格回転速度の10%の値)以上であり、かつ速度ωが予め設定された値(定格回転速度の5%の値)以下であると判定した場合、異常信号をインバータ104に出力するようにした。これにより、速度指令ω*に応じた交流電力をモータ113へ供給しているにもかかわらず、モータ113が十分に回転していない場合は、フィードバック信号の異常によってモータ113が暴走していると判定し、インバータ104の運転を停止させることができる。
【0014】
また、異常検出器120は、速度ωが予め設定された値(定格回転速度の110%の値)以上であると判定した場合、異常信号をインバータ104に出力するようにした。これにより、モータ113が高速回転している場合は逆極性にて回転しているとして、モータ113の回転数オーバーの異常によってモータ113が暴走していると判定することができ、インバータ104の運転を停止させることができる。
【0015】
ところで、モータ113の暴走判定手法には、図11に示した、モータ113の速度ωに基づいて暴走を判定する手法だけでなく、様々な手法が知られている。例えば、特許文献1には、モータの位置偏差に基づいて検出する手法が記載されており、特許文献2には、モータの速度偏差に基づいて検出する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2009−201210号公報
【特許文献2】特開平11−215873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、図11に示したモータ制御装置100では、モータ113の速度指令ω*及び速度ωに基づいてモータ制御の異常を検出するから、遅延器111,112により誤動作防止のための遅延処理が行われ、しかも、モータ113の回転数オーバーの異常を検出するためには、速度ωが定格回転速度の110%の値になるまで待つ必要がある。このため、モータ113の暴走を判定するのに時間がかかるという問題があった。暴走を判定するまでに長時間を要する場合は、モータ113及び制御対象である機械に対して不要な負荷を与えてしまう恐れがある。
【0018】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モータ制御の異常を短時間で検出し、モータの暴走を防止することが可能なモータ制御装置及び異常検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明によるモータ制御装置は、モータの回転速度が所定の速度になるように、フィードバック制御してトルク指令を算出し、前記トルク指令に応じてインバータから前記モータへ交流電力を供給するモータ制御装置において、前記モータを所定の速度で回転させるための速度指令を生成する速度指令生成器と、前記速度指令生成器により生成された速度指令と、前記モータからのフィードバック信号に基づいて算出された前記モータの回転速度との間の速度偏差を算出する減算器と、前記減算器により算出された速度偏差がゼロになるように、トルク指令を算出する速度制御器と、前記速度制御器により算出されたトルク指令に応じて、交流電力を前記モータへ供給するインバータと、異常を検出した場合、前記インバータからモータへのトルク指令に応じた交流電力の供給を停止させる異常検出器と、を備え、前記異常検出器が、前記モータの回転速度から回転加速度を算出し、前記速度制御器により算出されたトルク指令及び前記回転加速度に基づいて異常を検出することを特徴とする。
【0020】
また、本発明によるモータ制御装置は、前記異常検出器が、前記モータからのフィードバック信号に基づいて算出された前記モータの回転速度を時間微分し、前記モータの回転加速度を算出する微分器、前記微分器により算出された回転加速度に、予め設定された値を乗算する乗算器、前記速度制御器により算出されたトルク指令と、前記乗算器による乗算結果との間の差分の絶対値を算出する差分検出器、及び、前記差分検出器により算出された差分の絶対値と、前記モータの定格トルクに応じて予め設定された値とを比較し、前記差分の絶対値が前記予め設定された値以上のときに前記異常を検出する比較器を備えたことを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明による異常検出方法は、モータの回転速度が所定の速度になるように、フィードバック制御してトルク指令を算出し、前記トルク指令に応じてインバータから前記モータへ交流電力を供給するモータ制御装置における異常検出方法において、前記モータを所定の速度で回転させるための速度指令を生成するステップと、前記速度指令と前記モータの回転速度との間の速度偏差を算出するステップと、前記速度偏差がゼロになるように、トルク指令を算出するステップと、前記トルク指令に応じて、交流電力を前記モータへ供給するステップと、前記交流電力によるモータの回転に伴うパルス信号を、フィードバック信号として入力し、前記フィードバック信号に基づいて前記モータの回転速度を算出するステップと、前記一連のステップによるモータ制御の異常を検出するステップと、前記異常を検出した場合、前記インバータからモータへのトルク指令に応じた交流電力の供給を停止するステップと、を有し、前記異常を検出するステップが、前記モータの回転速度を時間微分して回転加速度を算出し、前記回転加速度に予め設定された値を乗算し、前記トルク指令と前記乗算結果との間の差分の絶対値を算出し、前記差分の絶対値が前記モータの定格トルクに応じて予め設定された値以上のときに、前記異常を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によれば、トルク指令及びモータの回転加速度に基づいて、モータ制御の異常を検出するようにした。これにより、モータの速度指令及び回転速度に基づいて異常を検出する場合に比べ、短時間で異常を検出することができ、モータの暴走を防止することができる。例えば、モータが低速回転しているときに異常を検出することができるから、この異常検出に伴って、モータが高速回転する前にモータ制御を停止することができ、安全にモータの暴走を防止することができる。また、モータが暴走することによって生じるモータ及び制御対象である機械への悪影響を軽減することができ、安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態によるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】異常検出器の構成を示すブロック図である。
【図3】異常検出器の動作を説明するフローチャートである。
【図4】従来技術において、モータが回転しない場合の異常検出器の動作を説明するタイムチャートである。
【図5】本発明の実施形態において、モータが回転しない場合の異常検出器の動作を説明するタイムチャートである。
【図6】従来技術において、モータが逆極性にて回転する場合の異常検出器の動作を説明するタイムチャートである。
【図7】本発明の実施形態において、モータが逆極性にて回転する場合の異常検出器の動作を説明するタイムチャートである。
【図8】正常運転時の各信号のタイミングを説明する波形である。
【図9】モータが回転しない場合の各信号のタイミングを説明する波形である。
【図10】モータが逆極性にて回転する場合の各信号のタイミングを説明する波形である。
【図11】従来のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。本発明によるモータ制御装置の特徴は、モータが暴走する状態を、トルク指令、及びモータフィードバック速度を微分した加速度に基づいて判定することにある。これにより、モータの速度指令及び回転速度に基づいて判定する従来技術に比べ、モータが暴走する状態を短時間に判定してモータ制御を停止することができる。例えば、モータが高速回転する前の低速回転しているときに異常を検出し、モータ制御を停止することができる。したがって、モータ及び制御対象である機械への悪影響を軽減することができ、安全性を確保することができる。
【0025】
〔モータ制御装置の構成〕
まず、本発明の実施形態によるモータ制御装置の構成について説明する。図1は、モータ制御装置の構成を示すブロック図である。このモータ制御装置1は、速度指令生成器101、減算器102、速度制御器103、インバータ104、カウンタ105、微分器106及び異常検出器10を備えている。
【0026】
モータ制御装置1は、図示しない電源から3相交流電力の供給を受け、モータ113が所定の速度で回転するように、モータ駆動のための交流電力を供給する。また、モータ制御装置1は、パルスジェネレータ114から、モータ113の回転に伴うパルス信号をフィードバック信号として入力する。モータ113は、例えば永久磁石同期モータである。
【0027】
速度指令生成器101は、制御対象である機械の動作パターンが反映された速度指令ω*を生成し、減算器102に出力する。尚、速度指令ω*は、予め設定されていてもよい。カウンタ105は、パルスジェネレータ114から、モータ113の回転に伴うパルス信号を入力し、パルス信号をカウントし、カウント値からモータ113の回転位置を示す位相角θを算出し、位相角θを微分器106に出力する。微分器106は、カウンタ105から、モータ113の回転位置を示す位相角θを入力し、位相角θを時間微分して速度(回転速度)ωを算出し、速度ωを減算器102及び異常検出器10に出力する。
【0028】
減算器102は、速度指令生成器101から速度指令ω*を入力すると共に、微分器106から速度ωを入力し、速度指令ω*から速度ωを減算し、減算結果を速度偏差Δωとして速度制御器103に出力する。
【0029】
速度制御器103は、減算器102から速度偏差Δωを入力し、速度偏差Δωが0(ゼロになるように、P制御またはPI制御によりトルク指令T*を算出し、トルク指令T*をインバータ104及び異常検出器10に出力する。ここで、PI制御におけるPは比例要素を示すパラメータであり、Iは積分要素を示すパラメータである。
【0030】
インバータ104は、速度制御器103からトルク指令T*を入力すると共に、異常検出器10から後述する異常信号を入力し、異常信号を入力していない場合、トルク指令T*に応じたq軸電流指令iq*を、例えば比例関係になるように算出し、インバータ104の出力電圧が所定の値以下になるようにd軸電流指令id*を算出する。そして、インバータ104は、q軸電流指令iq*及びd軸電流指令id*等に基づいて出力電圧指令信号を算出し、出力電圧指令信号に応じてPWM(Pulse Width Modulation)制御により出力電圧及び出力周波数を制御し、交流電力をモータ113へ供給する。これにより、モータ113の速度ωが、速度指令生成器101により生成された速度指令ω*に合致するように、モータ113の速度制御が行われる。また、インバータ104は、異常検出器10から異常信号を入力すると、モータ113への交流電力の供給を停止する。
【0031】
異常検出器10は、微分器106から速度ωを入力すると共に、速度制御器103からトルク指令T*を入力し、速度ωを時間微分して加速度ω’(回転加速度)を算出し、加速度ω’に乗算パラメータJBARを乗算し、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分を算出し、差分が予め設定された値以上の場合に異常を検出し、異常信号をインバータ104に出力する。これにより、モータ113が暴走する状態であると判定し、異常信号によりインバータ104を停止させることができる。
【0032】
〔異常検出器の構成及び動作〕
次に、図1に示した異常検出器10の構成及び動作について詳細に説明する。図2は、異常検出器10の構成を示すブロック図である。図3は、異常検出器10の動作を説明するフローチャートである。この異常検出器10は、一次遅れ回路11、微分器12、一次遅れ回路13、乗算器16、差分検出器14及び比較器15を備えている。
【0033】
一次遅れ回路11は、速度制御器103からトルク指令T*を入力し(ステップS31)、入力したトルク指令T*が変化した場合、一次遅れ処理により滑らかに変化するような新たなトルク指令T*を算出し、新たなトルク指令T*を差分検出器14に出力する(ステップS32)。これにより、トルク指令T*に対するノイズが除去される。
【0034】
微分器12は、微分器106から速度ωを入力し(ステップS33)、速度ωを時間微分して加速度ω’を算出し、加速度ω’を一次遅れ回路13に出力する(ステップS34)。一次遅れ回路13は、微分器12から加速度ω’を入力し、入力した加速度ω’が変化した場合、一次遅れ処理により滑らかに変化するような新たな加速度ω’を算出し、新たな加速度ω’を乗算器16に出力する(ステップS35)。乗算器16は、一次遅れ回路13から新たな加速度ω’を入力し、予め設定された乗算パラメータJBARを乗算し、差分検出器14に出力する(ステップS35)。乗算パラメータJBARは、トルク指令T*に対する加速度ω’の応答遅れを吸収するためのパラメータである。これにより、加速度ω’×JBARは、トルク指令T*に対応する値になるから、トルク指令T*に基づいて交流電力がインバータ104からモータ113へ供給され、供給された交流電力によってモータ113が回転し、フィードバック信号が出力されて加速度ω’が算出されるまでの応答遅れを吸収することができ、誤動作を防止することができる。
【0035】
差分検出器14は、一次遅れ回路11からトルク指令T*を入力すると共に、乗算器16から加速度ω’×JBARを入力し、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値を算出し、差分の絶対値を比較器15に出力する(ステップS36)。
【0036】
比較器15は、差分検出器14から、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値を入力すると共に、予め設定された、モータ113における定格トルクの100%の値を入力する。そして、比較器15は、差分の絶対値と定格トルクの100%の値とを比較し(ステップS37)、差分の絶対値が定格トルクの100%の値以上であると判定した場合(ステップS37:Y)、異常を検出してモータ113は暴走していると判定し、異常信号をインバータ104に出力する(ステップS38)。一方、比較器15は、差分の絶対値が定格トルクの100%の値以上でないと判定した場合(ステップS37:N)、異常は発生しておらず、モータ113は暴走していないと判定し、異常信号を出力しない。尚、差分の絶対値と比較する値を定格トルクの100%としたが、これは例示であり、モータ113の容量、制御対象である機械、速度指令ω*のパターン等に応じて適切に設定される。
【0037】
〔異常検出器の動作タイミング〕
次に、図1及び図2に示した異常検出器10の動作タイミングについて、モータ113が回転しない場合及びモータ113が逆極性にて回転する場合を、図11に示した従来のモータ制御装置100における異常検出器120と比較して詳細に説明する。
【0038】
(モータが回転しない場合)
まず、モータ制御装置1,100が交流電力をモータ113へ供給しているにもかかわらず、モータ113が回転しない場合の動作タイミングについて詳細に説明する。インバータ104の運転が開始し、速度指令ω*から算出されたトルク指令T*に応じて交流電力がモータ113へ供給されても、モータ113が回転しない場合を想定する。モータ113が回転しないから、フィードバック信号から算出された速度ωは0(ゼロ)を維持する。
【0039】
図4は、従来のモータ制御装置100において、モータ113が回転しない場合の異常検出器120の動作を説明するタイムチャートである。従来のモータ制御装置100では、モータ113が回転しない場合、速度ω(=0)が定格回転速度の5%の値以下であるから、図11に示した比較器108の出力信号はONの状態を維持する。そして、速度指令ω*が定格回転速度の10%の値に到達したタイミング(a’)で、比較器107の出力信号がONし(b’)、比較器108の出力信号はONであるから、AND回路110の出力信号もONする(c’)。そして、遅延器111による遅延処理により、AND回路110の出力信号がONしてから遅延時間D後に、異常信号がインバータ104に出力され(d’)、インバータ104の運転が停止する(e’)。
【0040】
このように、モータ制御装置100のスタートアップ時において、運転が開始してから時間t1後に、モータ113が回転しないという暴走が判定され、インバータ104の運転が停止する。暴走判定時間t1は、モータ113の速度ωが5%以下の状態で、速度指令ω*が定格回転速度の10%の値に到達するまでの時間(すなわち、速度指令生成器101により生成される速度指令ω*のパターン)、及び遅延器111における遅延時間D(例えば100〜200msec)に依存する。尚、遅延器111における遅延時間Dは、前述したとおり、誤動作防止のために必要な時間である。
【0041】
図5は、本発明の実施形態によるモータ制御装置1において、モータ113が回転しない場合の異常検出器10の動作を説明するタイムチャートである。モータ制御装置1では、モータ113が回転しない場合、モータ113の速度ωは0(ゼロ)であり、加速度ω’及び加速度ω’×JBARも0(ゼロ)であり、速度ω(=0)及び増加する速度指令ω*の値が速度偏差Δω及びトルク指令T*に反映され、トルク指令T*の値が増加する。そして、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が増加し、定格トルクの100%の値に到達したタイミング(a)で、異常信号がインバータ104に出力され(b)、インバータ104の運転が停止する(c)。
【0042】
このように、モータ制御装置1のスタートアップ時において、運転が開始してから時間t2後に、モータ113が回転しないという暴走が判定され、インバータ104の運転が停止する。暴走判定時間t2は、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が定格トルクの100%の値に到達するまでの時間(すなわち、速度制御器103において速度偏差Δωから算出されるトルク指令T*)に依存する。
【0043】
以上のように、異常信号は、従来のモータ制御装置100では、モータ113の速度情報(速度指令ω*及び速度ω)に基づいた条件を満たし、かつ、遅延時間D後に出力されるのに対し、本発明の実施形態によるモータ制御装置1では、モータ113の加速度情報(トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値)に基づいた条件を満たしたときに出力される。つまり、モータ制御装置1では、異常信号は、遅延時間D待たされることなく、条件が満たされたときに直ちに出力される。したがって、図4及び図5において、暴走判定時間t1>t2となるから、モータ制御装置1は、モータ113が回転しないという異常を、従来よりも短時間で検出し、モータ113の暴走を防止することができる。これにより、モータ113が暴走することによって生じるモータ113及び制御対象である機械への悪影響を軽減することができ、安全性を確保することができる。
【0044】
(モータが逆極性にて回転する場合)
次に、モータ制御装置1,100が交流電力をモータ113へ供給しているときに、モータ113が逆極性にて回転する場合の動作タイミングについて詳細に説明する。インバータ104の運転が開始し、速度指令ω*から算出されたトルク指令T*に応じて交流電力がモータ113へ供給され、モータ113が逆極性にて回転する場合を想定する。モータ113は逆極性にて回転するから、フィードバック信号である速度ωはマイナスになる。また、図1に示した速度制御器103は、速度偏差Δωが0(ゼロ)になるように制御することができず、トルク指令T*の値の増加に伴って、速度ωがマイナス方向に増加すると共に速度偏差Δωも増加する。
【0045】
図6は、従来のモータ制御装置100において、モータ113が逆極性にて回転する場合の異常検出器120の動作を説明するタイムチャートである。従来のモータ制御装置100では、モータ113が逆極性にて回転する場合、トルク指令T*の値の増加に伴って速度ωがマイナス方向に増加し、速度ωが定格回転速度の110%の値に到達したタイミング(a’)で、比較器109の出力信号がONする(b’)。そして、遅延器112による遅延処理により、比較器109の出力信号がONしてから遅延時間D後に、異常信号がインバータ104に出力され(c’)、インバータ104の運転が停止する(d’)。
【0046】
このように、モータ制御装置100のスタートアップ時において、運転が開始してから時間t3後に、モータ113が高速で運転している状態において、モータ113が逆極性にて回転しているという暴走が判定され、インバータ104の運転が停止する。暴走判定時間t3は、速度ωが定格回転速度の110%の値に到達するまでの時間、及び遅延器112における遅延時間D(例えば100〜200msec)に依存する。尚、遅延器112における遅延時間Dは、前述したとおり、誤動作防止のために必要な時間である。
【0047】
図7は、本発明の実施形態によるモータ制御装置1において、モータ113が逆極性にて回転する場合の異常検出器10の動作を説明するタイムチャートである。モータ制御装置1では、モータ113が逆極性にて回転する場合、トルク指令T*の値の増加に伴って速度ωがマイナス方向に増加し、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が増加し、定格トルクの100%の値に到達したタイミング(a)で、異常信号がインバータ104に出力され(b)、インバータ104の運転が停止する(c)。
【0048】
このように、モータ制御装置1のスタートアップ時において、運転が開始してから時間t4後に、モータ113が逆極性にて回転しているという暴走が判定され、インバータ104の運転が停止する。暴走判定時間t4は、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が定格トルクの100%の値に到達するまでの時間(すなわち、速度制御器103において速度偏差Δωから算出されるトルク指令T*)に依存する。
【0049】
以上のように、異常信号は、従来のモータ制御装置100では、モータ113の速度情報(速度ω)に基づいた条件を満たし、かつ、遅延時間D後に出力されるのに対し、本発明の実施形態によるモータ制御装置1では、モータ113の加速度情報(トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値)に基づいた条件を満たしたときに出力される。つまり、モータ制御装置1では、異常信号は、遅延時間D待たされることなく、また、速度ωが110%の値に到達するまで待たされることなく、条件が満たされたときに直ちに出力される。したがって、図6及び図7において、暴走判定時間t3>t4となるから、モータ制御装置1は、モータ113が逆極性にて回転するという異常を、従来よりも短時間で検出し、モータ113の暴走を防止することができる。また、モータ制御装置1は、モータ113が高速回転する前の低速回転しているときに、異常を検出することができる。これにより、モータ113が高速回転することを防止し、モータ113が暴走することによって生じるモータ113及び制御対象である機械への悪影響を軽減することができ、優れた安全性を確保することができる。
【0050】
〔実験結果〕
次に、計算機シミュレーションによる実験結果について説明する。図8は、本発明の実施形態によるモータ制御装置1において、正常運転時の各信号のタイミングを説明する波形である。図8から、速度指令ω*の増加に伴って、トルク指令T*は急峻に増加し、モータ113の速度ωも増加する。加速度ω’×JBARはトルク指令T*に対応した波形になり、速度制御器103において、速度指令ω*=速度ω(速度偏差Δω=0)になるように制御され、トルク指令T*、加速度ω’、加速度ω’×JBAR及び差分(|T*−ω’×JBAR|)が0(ゼロ)になって安定する。トルク指令T*は急峻に増加するが、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値はさほど変化せず、定格トルクの100%の値に到達しないから、異常信号は出力されない。
【0051】
図9は、モータ113が回転しない場合の各信号のタイミングを説明する波形である。図9において、暴走判定時間t1,t2、及び時点a,b,a’,d’は、図4及び図5に対応している。従来のモータ制御装置100では、異常信号は、モータ113の速度情報(速度指令ω*及び速度ω)に基づいた条件を満たし(a’)、かつ、遅延時間D後に出力される(d’)。これに対し、本発明の実施形態によるモータ制御装置1では、異常信号は、モータ113の加速度情報(トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値)に基づいた条件を満たしたときに(a)出力される(b)。つまり、図9から、暴走判定時間t1>t2となることがわかる。したがって、モータ制御装置1は、モータ113が回転しないという異常を、従来よりも短時間で検出し、モータ113の暴走を防止することができる。
【0052】
図10は、モータ113が逆極性にて回転する場合の各信号のタイミングを説明する波形である。図10において、暴走判定時間t3,t4、及び時点a,b,a’,c’は、図6及び図7に対応している。従来のモータ制御装置100では、異常信号は、モータ113の速度情報(速度ω)に基づいた条件を満たし(a’)、かつ、遅延時間D後に出力される(c’)。これに対し、本発明の実施形態によるモータ制御装置1では、異常信号は、モータ113の加速度情報(トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値)に基づいた条件を満たしたときに(a)出力される(b)。つまり、図10から、暴走判定時間t3>t4となることがわかる。したがって、モータ制御装置1は、モータ113が逆極性にて回転するという異常を、従来よりも短時間で、モータ113が高速回転する前の低速回転しているときに検出し、モータ113の暴走を防止することができる。
【0053】
尚、図5、図7、図9及び図10に示した本発明の実施形態によるモータ制御装置1の動作タイミングにおいて、暴走判定時間t2,t4は、異常検出器10の比較器15において予め設定される定格トルクに応じた値に依存する。オペレータは、比較器15において定格トルクの値を100%よりも小さい値に設定することにより、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が定格トルクの値に到達する時間を一層短くすることができ、暴走判定時間t2,t4を一層短くすることができる。これに対し、オペレータは、比較器15において定格トルクの値を100%よりも大きい値に設定することにより、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が定格トルクの値に到達する時間を一層長くすることができ、暴走判定時間t2,t4を一層長くすることができる。つまり、異常検出器10の比較器15において定格トルクに応じた値を設定することにより、暴走判定時間t2,t4を調整することができる。
【0054】
また、暴走判定時間t2,t4は、モータ制御装置1の速度制御器103において予め設定される比例要素Pのパラメータの値に依存する。オペレータは、モータ制御による実運転に影響を与えない範囲において、比例要素Pを大きい値に設定することにより、速度制御器103により算出されるトルク指令T*の傾きを大きくし、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値の傾きも大きくすることができる。この場合、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が定格トルクの100%の値に到達する時間を一層短くすることができ、暴走判定時間t2,t4を一層短くすることができる。これに対し、オペレータは、モータ制御による実運転に影響を与えない範囲において、比例要素Pを小さい値に設定することにより、速度制御器103により算出されるトルク指令T*の傾きを小さくし、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値の傾きも小さくすることができる。この場合、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値が定格トルクの100%の値に到達する時間を一層長くすることができ、暴走判定時間t2,t4を一層長くすることができる。つまり、モータ制御による実運転に影響を与えない範囲において、速度制御器103の比例要素Pのパラメータの値を設定することにより、暴走判定時間t2,t4を調整することができる。
【0055】
また、モータ制御による実運転に影響を与えない範囲において、速度制御器103の積分要素Iのパラメータの値を設定することによっても、暴走判定時間t2,t4を調整することができる。すなわち、オペレータは、モータ制御による実運転に影響を与えない範囲において、積分要素Iを小さい値に設定することにより、速度制御器103により算出されるトルク指令T*の傾きを大きくし、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値の傾きも大きくすることができ、暴走判定時間t2,t4を一層短くすることができる。また、オペレータは、モータ制御による実運転に影響を与えない範囲において、積分要素Iを大きい値に設定することにより、速度制御器103により算出されるトルク指令T*の傾きを小さくし、トルク指令T*と加速度ω’×JBARとの間の差分の絶対値の傾きも小さくすることができ、暴走判定時間t2,t4を一層長くすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1,100 モータ制御装置
10,120 異常検出器
11,13 一次遅れ回路
12,106 微分器
14 差分検出器
15,107,108,109 比較器
16 乗算器
101 速度指令生成器
102 減算器
103 速度制御器
104 インバータ
105 カウンタ
110 AND回路
111,112 遅延器
113 モータ
114 パルスジェネレータ
ω* 速度指令
ω 速度(回転速度)
ω’ 加速度(回転加速度)
Δω 速度偏差
T* トルク指令
θ 位相角
JBAR 乗算パラメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転速度が所定の速度になるように、フィードバック制御してトルク指令を算出し、前記トルク指令に応じてインバータから前記モータへ交流電力を供給するモータ制御装置において、
前記モータを所定の速度で回転させるための速度指令を生成する速度指令生成器と、
前記速度指令生成器により生成された速度指令と、前記モータからのフィードバック信号に基づいて算出された前記モータの回転速度との間の速度偏差を算出する減算器と、
前記減算器により算出された速度偏差がゼロになるように、トルク指令を算出する速度制御器と、
前記速度制御器により算出されたトルク指令に応じて、交流電力を前記モータへ供給するインバータと、
異常を検出した場合、前記インバータからモータへのトルク指令に応じた交流電力の供給を停止させる異常検出器と、を備え、
前記異常検出器は、
前記モータの回転速度から回転加速度を算出し、前記速度制御器により算出されたトルク指令及び前記回転加速度に基づいて異常を検出することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のモータ制御装置において、
前記異常検出器は、
前記モータからのフィードバック信号に基づいて算出された前記モータの回転速度を時間微分し、前記モータの回転加速度を算出する微分器、
前記微分器により算出された回転加速度に、予め設定された値を乗算する乗算器、
前記速度制御器により算出されたトルク指令と、前記乗算器による乗算結果との間の差分の絶対値を算出する差分検出器、及び、
前記差分検出器により算出された差分の絶対値と、前記モータの定格トルクに応じて予め設定された値とを比較し、前記差分の絶対値が前記予め設定された値以上のときに前記異常を検出する比較器を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
【請求項3】
モータの回転速度が所定の速度になるように、フィードバック制御してトルク指令を算出し、前記トルク指令に応じてインバータから前記モータへ交流電力を供給するモータ制御装置における異常検出方法において、
前記モータを所定の速度で回転させるための速度指令を生成するステップと、
前記速度指令と前記モータの回転速度との間の速度偏差を算出するステップと、
前記速度偏差がゼロになるように、トルク指令を算出するステップと、
前記トルク指令に応じて、交流電力を前記モータへ供給するステップと、
前記交流電力によるモータの回転に伴うパルス信号を、フィードバック信号として入力し、前記フィードバック信号に基づいて前記モータの回転速度を算出するステップと、
前記一連のステップによるモータ制御の異常を検出するステップと、
前記異常を検出した場合、前記インバータからモータへのトルク指令に応じた交流電力の供給を停止するステップと、を有し、
前記異常を検出するステップは、
前記モータの回転速度を時間微分して回転加速度を算出し、前記回転加速度に予め設定された値を乗算し、前記トルク指令と前記乗算結果との間の差分の絶対値を算出し、前記差分の絶対値が前記モータの定格トルクに応じて予め設定された値以上のときに、前記異常を検出することを特徴とする異常検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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