説明

モータ

【課題】本発明の目的は、回転子若しくは固定子に配設される永久磁石としてセグメント磁石に多極着磁させたものを使用するにあたり、磁束波形に歪みを無くすことにより、誘起電圧の歪みを是正し、好適な磁気的バランスを有するモータを提供することにある。
【解決手段】固定子1と回転子2を有するモータMに関する。
固定子1又は回転子2には、界磁部を構成する2n(nは2以上の整数)の着磁がなされたn枚の永久磁石22が固定され、永久磁石22は、固定子1又は回転子2に固定される固定面22bと、回転子1又は固定子2と対向する対向面22aを有して形成されるとともに、永久磁石22の回転子1回転方向両端部における固定面22bと対向面22aとの距離は、他の部分の固定面22bと対向面22aとの距離よりも大きくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転子若しくは固定子に配設される界磁としての永久磁石をセグメント磁石として構成するとともに、このセグメント磁石に多極の着磁を施したモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、直流モータなどでは、界磁を形成するために、固定子に永久磁石等が固定されており、この永久磁石は、外部電源から電流を供給されて誘磁される回転子と対向するように一定のギャップ(間隙)をもって配設されている。
このように構成されているため、外部電源から供給される電流の向きを切替えることにより回転子の磁界の向きが変わり、固定子に配設された永久磁石との相互作用(斥力及び引力)によって回転子が回転することとなる。
このように使用される永久磁石は、セグメント化されて配設される場合が多いが、部品数低減及びコストダウンのため、1枚の永久磁石に多極の着磁がなされることがある。
つまり、2枚の永久磁石により、4極を実現するようなことが行われている。
【0003】
しかし、このように1枚のセグメント永久磁石に多極着磁すると、磁気的なバランスが崩れ、磁束波形が歪む。
そして、これに伴い、ブラシ寿命が短くなるとともに、騒音及び振動の発生に良くない影響を及ぼすという問題点があった。
【0004】
この様な問題点に対する対策として、着磁をスキューすることによって、磁束波形及び誘起電圧波形の歪みを是正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1は、永久磁石形モータに関する技術が開示されている。
特許文献1に記載の永久磁石には、スキュー着磁が施されており、これにより、突極と永久磁石との間の幾何学的位置関係を平均化している。
つまり、この永久磁石セグメントに形成されたスキューは、回転軸方向に対して所定のスキュー角度を持つよう形成されるとともに、その磁極境界線が永久磁石セグメント間の境界と交差するものとしないものとで、そのスキュー角度が異なるよう構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−136886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、特許文献1に記載されたような永久磁石セグメントを使用したモータによれば、スキュー角度に応じて磁極境界線部分における磁束密度の大きさを調整することが可能となるため、永久磁石セグメント内の磁気特性の違いや、永久磁石セグメント間の隙間部分における磁束密度の低下による各磁極への影響を補償することができる。
また、スキューの作用により、正弦波着磁が成されていないことに基づく本来的なコギングトルクを低減することができる。
しかし、このようなスキュー着磁によれば、磁束量が落ちてしまうという問題点があった。
このような背景下、磁束量を落とすことなく、磁気的なバランスを整えて磁束波形の歪みを是正することが可能な技術が求められていた。
【0008】
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、回転子若しくは固定子に配設される永久磁石としてセグメント磁石に多極着磁させたものを使用するにあたり、磁束波形に歪みを無くすことにより、誘起電圧の歪みを是正し、好適な磁気的バランスを有するモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明に係るモータによれば、固定子と回転子を有するモータであって、前記固定子又は前記回転子には、界磁部を構成する2n(nは2以上の整数)の着磁がなされたn枚の永久磁石が固定され、前記固定子又は前記回転子と、これと対向して配設された永久磁石との相互関係において磁束波形が是正されるものであり、前記永久磁石は、前記固定子又は前記回転子に固定される固定面と、前記回転子又は前記固定子と対向する対向面を有して形成されるとともに、前記永久磁石の前記回転子回転方向両端部における前記固定面と前記対向面との距離は、他の部分の前記固定面と前記対向面との距離よりも大きくなるように構成されることにより解決される。
このとき、具体的には、前記固定面と前記対向面との距離は、前記永久磁石の前記回転子回転方向中央部分から前記回転子回転方向両端部に向けて漸進的に大きくなっているよう構成されていると好適である。
【0010】
このように構成されていることにより、スキュー着磁がなされた従来技術のように磁束量を低下させることなく、磁気的なバランスを整えて、磁束波形の歪みを是正することができる。
このように磁束波形の歪みを是正することにより、誘起電圧の歪みが無くなり、モータ特性が低下することを防止することができる。
【0011】
更に、請求項1に記載のモータにおいて、前記固定面と前記対向面との距離は、前記永久磁石の回転方向中央部分から前記回転子回転方向両端部に向けて漸進的に大きくなるよう構成されているとともに、前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離は、前記永久磁石の回転子回転方向両端部における前記固定子又は回転子と前記永久磁石との距離よりも、他の部分の前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離が小さくなるように構成されていると好適である。
【0012】
このように構成されていると、磁束量を低下させることなく、磁気的なバランスを整えて、磁束波形の歪みを是正することができるとともに、永久磁石の厚さ(固定面と対向面との距離)を漸進的に変化させるため、急激な磁束波形の乱れを防止でき、振動及び騒音を抑制することができる。
また、ブラシ付きモータにおいては、ブラシ寿命を長くすることができる。
【0013】
また、上記課題は、本発明に係るモータによれば、固定子と回転子を有するモータであって、前記固定子又は前記回転子には、界磁部を構成する2n(nは2以上の整数)の着磁がなされたn枚の永久磁石が固定され、前記固定子又は前記回転子と、これと対向して配設された永久磁石との相互関係において磁束波形が是正されるものであり、前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離は、前記永久磁石の前記回転子回転方向両端部における前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離が、他の部分の前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離よりも小さくなるように構成されていることにより解決される。
【0014】
このように構成されていると、固定子又は回転子と永久磁石との距離は、永久磁石の回転子回転方向両端部における固定子又は回転子と永久磁石との距離が、他の部分の固定子又は回転子と永久磁石との距離よりも小さくなるように構成されているため、磁束波形の歪みを有効に是正することができる。
よって、誘起電圧の歪みが無くなり、モータ特性が低下することを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回転子若しくは固定子に配設される永久磁石として、セグメント磁石に多極着磁させたものを使用するにあたり、永久磁石の厚さ(固定子又は回転子に固定される面と、回転子又は固定子と対向する面との距離)を変化させることにより、磁束波形に歪みを無くすことにより、誘起電圧の歪みを是正し、好適な磁気的バランス実現することができる。
つまり、永久磁石に厚さを、回転子回転方向中央部分から両端部に向けて漸進的に大きくなるように構成することにより、好適な磁気的バランスを実現することができる。
【0016】
また、本発明によれば、固定子又は回転子と永久磁石との距離(以下、「ギャップ」と記す)は、永久磁石の回転子回転方向両端部におけるギャップが、他の部分のギャップよりも小さくなるように構成されているため、磁束波形の歪みを更に有効に抑制することができる。
以上のように、本発明においては、固定子又は回転子と、これと対向して配設された永久磁石との相互関係において磁束波形が是正され、これにより、音、振動に影響を与えることを防止することができるとともに、ブラシ付モータに適用する場合においては、ブラシ寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るモータの概略構成を示す軸方向平面での断面説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るモータの軸方向の面と直交する平面での断面説明図である。
【図3】本発明の実施例1に係るモータと従来例のモータの比較を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例1に係るモータの詳細説明図である。
【図5】本発明の実施例2に係るモータの詳細説明図である。
【図6】本発明の実施例3に係るモータの詳細説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るモータの機械角に対する磁束量を示すグラフである。
【図8】図7に係るグラフの要部拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、固定子又は回転子と、これと対向して配設された永久磁石との相互関係において磁束波形を是正されるモータに関するものである。
具体的には、回転子若しくは固定子に配設される永久磁石としてセグメント磁石に多極着磁させたものを使用するにあたり、磁束波形に歪みを無くすことにより、誘起電圧の歪みが是正され、好適な磁気的バランスが実現されたモータに関するものである。
【0019】
図1乃至図8は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はモータの概略構成を示す軸方向平面での断面説明図、図2はモータの軸方向の面と直交する平面での断面説明図、図3は実施例1に係るモータと従来例のモータの比較を示す説明図、図4は実施例1に係るモータの詳細説明図、図5は実施例2に係るモータの詳細説明図、図6は実施例3に係るモータの詳細説明図、図7は機械角に対する磁束量を示すグラフ、図8は図7に係るグラフの要部拡大説明図である。
【0020】
図1及び図2により、本実施形態に係るモータMの構成の一例について説明する。
本実施形態に係るモータMは、マグネットの形状又は/及びマグネットと回転子とのギャップを除いて、公知の直流モータの構成を採用したものである。
本実施形態に係るモータMは、図1に示すように、固定子1、回転子2、シャフト3を主たる構成要素として構成されている。
【0021】
なお、本実施形態においては、モータMとしてアウターロータ型のブラシレスモータを例示したが、これに限られるものではなく、インナーロータ型のブラシレスモータにおいても、本発明は有効に適用可能である。
また、ブラシ付モータにおいても、もちろん本発明は有効に適用可能であり、本実施形態においては、回転子2にマグネット22が配設されているが、例えば、インナーロータ型のブラシ付モータに適用する場合には、固定子1側にマグネット22が配設されることとなる。
【0022】
本実施形態に係る固定子1は、複数枚の鋼板を積層することにより構成され、周囲にスロットが形成された鉄心11と、この鉄心11に巻き収められた巻線12を有して形成されている。
【0023】
本実施形態に係る回転子2は、有底略円柱形状つまり略カップ形状のヨーク21と、界磁部を形成する複数のマグネット22とで構成されている。
ヨーク21は、一定の間隙(ギャップG)を有して固定子1を囲むように配設されている。
更に、ヨーク21の円筒部内壁面には、鉄心11の外側面を囲んで対向するように、複数の永久磁石であるマグネット22が配設されている。
このマグネット22は、多極着磁された永久磁石であって、本実施形態においては、2枚使用されているので、4極となる。
つまり、本発明に係るモータにおいては、n枚(n≧2の整数)のマグネット22で、2n極の着磁がなされることとなる。
なお、この複数のマグネット22の形状、及び固定子1との位置関係(特に、ギャップGに関して)は、本発明の主要構成であるため、後に詳述する。
【0024】
本実施形態に係るシャフト3は、ヨーク21の底面略中央部にその出力側が固定されるとともに、出力側と反対方向端部が固定子1の中心部に軸受を介して支承されている。
また、図示は省略するが、回転子2の回転位置を検出するためのホール素子が、磁界域に配設されている。
回転子2は、このホール素子により回転位置が検出され、この情報により、固定子1に供給される電流の方向が回路によって切り替わり(引力と斥力が切り替わり続け)、回転を続けることとなる。
【0025】
(実施例1)
実施例1を、図3及び図4により説明する。
本実施例に係るマグネット22は、厚さが一定ではない。
図3(a)に対比のために、従来のマグネットと固定子1との関係を示し、図3(b)に本実施例に係るマグネット22と固定子1との関係を示す。
本実施例に係るマグネット22は、その周方向(モータMの回転方向に沿う方向)端部の厚みd2が、N極とS極の境界部分の厚みd1(中央付近の厚み)よりも大きくなるように、つまり、厚みd2>厚みd1となるよう構成されている。
そして、本実施例においては、厚みは漸進的に変化する。
よって、急激な磁束波形の乱れを防止でき、振動及び騒音を抑制することができる。
また、ブラシ付きモータにおいては、ブラシ寿命を長くすることができる。
なお、本明細書において「厚み」とは、周方向断面において固定子1と対向する側面(以下、「対向面22a」と記す)とヨーク21に接している側面(以下、「固定面22b」と記す)との距離を指す。
【0026】
つまり、図4に示すように、マグネット22の外周(ヨーク21の内壁面と接する側)は、点Pを中心とした半径r2の円弧となり、内周(固定子1の外壁面と対向する側)のは、点Qを中心とした半径r1となる。
換言すれば、マグネット22の外周と内周とでは中心が異なり、つまり、本例に係るマグネット22は、その周方向端部の厚みd2が、N極とS極の境界部分の厚みd1(中央付近の厚み)よりも大きくなるようにその中心がΔr分だけ偏心した形状を有する。
なお、本実施例においては、マグネット22の対向面22aと固定子1外側面との距離であるギャップGは、ギャップG=g1で、一定である。
【0027】
このように構成されているため、磁束量が増加し、更に、磁束波形が歪むことを有効に抑制することができる。
そして、磁束波形の歪みが是正されることにより、誘起電圧の歪みが無くなり、モータ特性が低下することを有効に防止することができる。
【0028】
(実施例2)
次いで、実施例2を、図5により説明する。
モータMの基本構成としては、前述と同様であるので、異なる部分を中心に説明する。
図5に示すように、本実施例に係るマグネット22は、実施例1と同様に、その周方向(モータMの回転方向に沿う方向)端部の厚みd2が、N極とS極の境界部分の厚みd1(中央付近の厚み)よりも大きくなるように構成されている。
つまり、マグネット22の外周(ヨーク21の内壁面と接する側)の中心点Pは、内周(固定子1の外壁面と対向する側)の中心点Qとは異なるよう構成されている(つまり、偏心している:図4参照)。
【0029】
本実施例においては、マグネット22の対向面22aと固定子1外側面との距離であるギャップGは、一定ではない。
つまり、図5に示すように、その周方向(モータMの回転方向に沿う方向)端部における対向面22aと固定子1とのギャップG(=g2)は、N極とS極の境界部分(中央付近)のギャップG(=g1)よりも小さくなるように、換言すれば、g2<g1となるように構成されている。
【0030】
このように、永久磁石であるマグネット22の径方向の厚さが漸進的に変化するとともに、ギャップGの幅も漸進的に変化する。このため、急速な磁束波形の乱れがなくなり、振動、騒音を抑制できるとともに、ブラシ付モータに適用した場合においては、ブラシ寿命を延ばすことが可能となる。
【0031】
(実施例3)
次いで、実施例3を、図6により説明する。
モータMの基本構成としては、前述と同様であるので、異なる部分を中心に説明する。
図6に示すように、本実施例に係るマグネット22は、厚み(対向面22aと固定面22bとの距離)は一定(=d1)である。
【0032】
また、本実施例においては、マグネット22の対向面22aと固定子1外側面との距離であるギャップGは、一定ではない。
つまり、図5に示すように、その周方向(モータMの回転方向に沿う方向)端部における対向面22aと固定子1とのギャップG(=g2)は、N極とS極の境界部分(中央付近)のギャップG(=g1)よりも小さくなるように、換言すれば、g2<g1となるように構成されている。
【0033】
このように構成されていることで、マグネット22の周方向両端部のギャップGが小さくなり、磁束波形の歪みを抑制することが可能となる。
【0034】
ここで、磁束波形の変化について説明する。
図7において、点線で示す正弦波形が、通常のマグネットと通常のギャップを有する従来のモータ(図3(a)参照)における波形である。
図3(a)に示す、N極とS極との切替部A、切替部B、切替部B´との3箇所において、切替部Aにはマグネット22が存在しているが、切替部B及び切替部B´には、マグネット22が存在しない。
このため、磁束波形が歪み、この歪みにより誘起電圧が歪むこととなる。
そして、誘起電圧が歪むと、音及び振動に悪影響を及ぼすとともに、ブラシ付モータにおいてはブラシの寿命が短くなるという悪影響が生じる。
【0035】
図7において点線で示す波形がこの通常のマグネットと通常のギャップを有する従来のモータにおける、機械角と磁束量を示すグラフである。
図8は、波形比較を行うに際し、差異が明確にわかるように正方向に現れるピーク部分を拡大した図である。
図7及び図8に示すように、従来のモータによれば、ピーク部分において、ピーク検出位置がずれるとともに、ピーク位置での磁束量が減少していることがわかる。
これに対し、例えば、本実施例2に係るモータMのように、マグネット22と固定子1との関係性を変えた場合(マグネット22の形状を改変する及びギャップGを改変する)、図7の実線に示す通り、ピーク検出位置が本来の位置に是正されるとともに、磁束量の減少も防止することが可能となる。
【0036】
図8に示すように、従来技術のモータにおいては、ピーク位置が機械角約47°付近に現れるのに対し、本実施例に係るモータMにおいては、ピーク位置が機械角s°ずれて、本来のピーク位置である機械角約45°付近に是正されている。
また、従来のモータにおいては、ピーク時の磁束量(の絶対値)が減少しているのに対し、本実施例に係るモータMにおいては、ピーク時の磁束量(の絶対値)はtμWb分増加していることがわかる。
よって、本実施例に係るモータMの磁束波形は、本来の正弦波に近づき、磁束量も本来の磁束量に近づく。
つまり、磁束波形の歪みが是正され、本来の磁束量を得ることができることとなる。
【0037】
以上のように、本実施形態においては、マグネット22の形状を変化させる、若しくは/及びマグネット22の対向面22aと固定子1との間の距離(ギャップG)を変化させることにより、磁束波形の歪みを是正することが可能になり、これにより誘起電圧の歪みを是正することができる。
よって、音及び振動に悪影響を及ぼすことが回避できるとともに、ブラシ付モータにおいてはブラシの寿命を長くすることができる。
【符号の説明】
【0038】
1‥固定子、2‥回転子、3‥シャフト、
11‥鉄心、12‥巻線、
21‥ヨーク、22‥マグネット、22a‥対向面、22b‥固定面、
G‥ギャップ、M‥モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子と回転子を有するモータであって、
前記固定子又は前記回転子には、界磁部を構成する2n(nは2以上の整数)の着磁がなされたn枚の永久磁石が固定され、前記固定子又は前記回転子と、これと対向して配設された永久磁石との相互関係において磁束波形が是正されるものであり、
前記永久磁石は、前記固定子又は前記回転子に固定される固定面と、前記回転子又は前記固定子と対向する対向面を有して形成されるとともに、前記永久磁石の前記回転子回転方向両端部における前記固定面と前記対向面との距離は、他の部分の前記固定面と前記対向面との距離よりも大きくなるように構成されることを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記固定面と前記対向面との距離は、前記永久磁石の前記回転子回転方向中央部分から前記回転子回転方向両端部に向けて漸進的に大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記固定面と前記対向面との距離は、前記永久磁石の回転方向中央部分から前記回転子回転方向両端部に向けて漸進的に大きくなるよう構成されているとともに、
前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離は、前記永久磁石の回転子回転方向両端部における前記固定子又は回転子と前記永久磁石との距離よりも、他の部分の前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
固定子と回転子を有するモータであって、
前記固定子又は前記回転子には、界磁部を構成する2n(nは2以上の整数)の着磁がなされたn枚の永久磁石が固定され、前記固定子又は前記回転子と、これと対向して配設された永久磁石との相互関係において磁束波形が是正されるものであり、
前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離は、前記永久磁石の前記回転子回転方向両端部における前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離が、他の部分の前記固定子又は前記回転子と前記永久磁石との距離よりも小さくなるように構成されていることを特徴とするモータ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−222909(P2012−222909A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84817(P2011−84817)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】