説明

ユニット鉄筋

【課題】鉄筋コンクリートの施工に際して溶接作業を必要とすることなく鉄筋同士の相対的な位置ずれを防止できると共に、施工性の良い高強度のユニット鉄筋を提供する。
【解決手段】鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋であって、ユニット鉄筋の延在方向に互いに等間隔で延在する2本の主筋11と、主筋に交差して配置される少なくとも2本のスタラップ10と、スタラップに交差して配置される腹筋12と、主筋とスタラップと腹筋との何れかの接触部において互いの相対位置を保持するために結束する結束線13と、を有する鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋1において、スタラップは、隣り合う2本のスタラップ毎にスタラップ同士を連結する連結部を有し、スタラップ10と主筋11との相対的な位置関係のずれを防止するようにスタラップが結束線13で結束される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリートの施工に使用するユニット鉄筋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建造物の耐久年数の向上や耐震性の向上の観点から、建造物の構造体である鉄筋コンクリートの強度を高めることが求められている。ここで、コンクリート自体は引張り応力に弱いため、引っ張り応力に強い鉄筋をコンクリートの内部に配し鉄筋コンクリートとすることで強度のある構造体としている。そのため、鉄筋がコンクリートの中で設計通りに配置される必要がある。また、更に引っ張り強度を高めるために鉄筋の両端をJ字状に曲げたフックにしたり、節(リブ)のある異形鉄筋を用いたりすることが良く知られている。
【0003】
ここで、鉄筋コンクリート工事の施工手順としては、鉄筋を配筋(配置)し、コンクリートを打設する(流し込む)ことにより最終的な形状とする。そして、鉄筋を配筋するにあたって、作業者が施工現場で鉄筋の組立をしているが、施工時間の問題や施工現場でのスペースの有無による施工性の問題が生じている。そこで、予め工場等で鉄筋を組立てユニット化したユニット鉄筋を施工現場に搬入し使用することで上記問題の解決を図ることも従来から良く知られている。
【0004】
一方、ユニット鉄筋自体の剛性を向上させたユニット鉄筋も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−305415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図31は、従来のユニット鉄筋における不具合の状態を示す斜視図である。従来のユニット鉄筋5は、鉄筋同士の接触部に結束線13を用いることで鉄筋同士を連結していたが、工場等で予め鉄筋を組んでユニット化したユニット鉄筋5を施工現場へ輸送機等で搬送する際やユニット鉄筋を施工現場で配置する際に、図31(a)や図31(b)に示すような鉄筋同士の相対的な位置ずれを招いていた。これは、ユニット鉄筋組付け時や搬送時に起因する予期せぬ外的要因による外的によって、鉄筋の延在方向に垂直の断面が円形状をしている鉄筋がその軸線廻りに回転してベース部が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりすることに起因する。そのため、鉄筋の組み直しが鉄筋コンクリートの施工現場で発生していた。
【0007】
また、鉄筋がコンクリートの中で設計通りに配置された状態でコンクリートを打設した場合にも、流動性に優れない物性を有したコンクリートの流動力により鉄筋同士の相対的な位置ずれが生じ、鉄筋同士の相対的な位置関係を設計通りに保持できない問題があった。そのため、鉄筋コンクリートの強度低下を招いていた。また、一旦コンクリートを打設してしまうと、不透明の物性を有するコンクリートの中に配置された鉄筋の状態は視認できないため、鉄筋が設計通りに配置されているか確認できない問題があった。そのため、設計通りに配置されない鉄筋に起因する耐震性や耐久性等の低下を未然に防止することが困難であった。
【0008】
そこで、結束線を使用する代わりに鉄筋同士の接触部を溶接し鉄筋同士の相対的な位置ずれを防止することが知られている。ここで、鉄筋コンクリートに配される筋状の鉄筋は引張力に作用する。そして、その引張力に対する鉄筋の許容応力は、鉄筋の太さや本数によって構造計算上の数値として算出される。そのため、鉄筋の断面形状を均一に保つことや鉄筋の品質等を保つことが重要であることは周知である。また、溶接を鉄筋自体に用いてしまうと、結果的に溶接によって鉄筋に損傷を与えることになると共に、鉄筋の断面形状が不均一となってしまい、鉄筋の品質や強度を100パーセントの構造計算通りに保てなくなる。その結果、その溶接部の強度が低下する。更に、鉄筋の溶接部分が多数ある場合には、大幅な強度低下を招き構造計算上の強度を保てない。そのため、溶接を鉄筋に用いることは好ましくないことも知られている。
【0009】
なお、様々な溶接工法が確立されてはいるが、いかなる優れた溶接工法によっても溶接によって生じる鉄筋への損傷は避けられない。そのため、結局のところ品質や強度を100パーセントの構造計算通りに保てるとは考え難い。
【0010】
また、多数ある鉄筋の接触部を作業者が1箇所毎に溶接する面倒な作業が発生している。また、溶接をする作業者は熟練を要するため、熟練していない作業者による溶接は、その溶接品質にバラツキを生じさせ、鉄筋コンクリートの強度低下を招く虞がある。また、熟練した作業者によって鉄筋を溶接した場合でも、鉄筋コンクリートは構造物として使用されるため、地震等の予期せぬ外的要因による外的によってその溶接した部分に応力集中を起こし、溶接部分の破断を生じさせて鉄筋コンクリートの強度低下を招く虞がある。
【0011】
一方、特許文献1に記載のユニット鉄筋は、結束線や溶接を使用する代わりに複数の孔部が形成されたメッシュ状の金属板を用いて鉄筋を組み立てている。しかし、その構造上複雑な金属板を製造し、かつその大掛りな金属板に鉄筋に組付ける大変面倒な作業が発生している。また、メッシュ状の金属板を特別に使用するため余計なコストもかかる。また、スラリー状のコンクリートは流動性に優れないため、複数のコンクリート通過部を画成するいわゆるメッシュ状の金属板は打設の際のコンクリート流動時における障害物となり、隅々までコンクリートが行渡らない問題や、コンクリート内に巣が発生して鉄筋コンクリートの強度低下の問題を招く虞がある。
【0012】
以上のことから、溶接することなく、かつ上述した特許文献1に記載された問題点も同時に解決可能な、施工性に優れかつ鉄筋同士の相対的な位置ずれを防止できるユニット鉄筋が要望されていた。
【0013】
本発明の目的は、溶接をしないで鉄筋同士の相対的な位置ずれを防止できると共に、施工性に優れた高強度のユニット鉄筋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に係るユニット鉄筋は、
鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋であって、
前記ユニット鉄筋の延在方向に互いに等間隔で延在する2本の主筋と、
前記主筋に交差して配置され、当該主筋の相対的な配置状態を維持する少なくとも2本のスタラップと、
前記スタラップに交差して配置され、当該スタラップの変形を防止する腹筋と、
前記主筋と前記スタラップと前記腹筋との何れかの接触部において互いの相対位置を保持するために結束する結束線と、を有する鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋において、
前記スタラップは、隣り合う2本のスタラップ毎に当該スタラップ同士を連結する連結部を有し、前記スタラップと前記主筋との相対的な位置関係のずれを防止するように前記スタラップが前記結束線で結束されることを特徴としている。
【0015】
本発明の請求項1に係るユニット鉄筋によると、隣り合う2本のスタラップ(せん断補強筋)毎にスタラップを連結する連結部を有しているため、結束線を介してスタラップを主筋に取り付けてユニット鉄筋とした状態において、スタラップの立ち上り部がその軸線廻りに回転してベース部が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりせず固定状態を保つようになっている。
【0016】
そのため、ユニット鉄筋の搬送時や施工現場でのユニット鉄筋の配置時に鉄筋同士の相対的な位置ずれが生じることはなく、鉄筋コンクリートの施工現場での鉄筋の組み直し等の余分な作業を発生させずに済む。また、打設時に流動性の良くない物性を有したコンクリートの流動力によって鉄筋同士の相対的な位置ずれを起こすこともなく、鉄筋コンクリート自体の強度低下も招かない。
【0017】
また、結束線を用いて鉄筋同士を結束するため、溶接する必要はない。そのため、鉄筋の不均一や品質低下による鉄筋の強度低下を招く虞は生じない。また、多数の鉄筋同士の接触部を作業者が1箇所毎に溶接する面倒な溶接作業も発生しない。また、熟練していない作業者による溶接に起因したユニット鉄筋全体の品質のバラツキも生じない。即ち、構造計算で掲げられる品質や強度に関する数値に対して、100パーセント以上の強度や品質を保つことができる。また、鉄筋コンクリートを構造体として使用する際に地震等の予期せぬ外的要因による鉄筋同士の結束部への応力集中を回避でき、鉄筋コンクリートの強度低下を防止できる。
【0018】
また、特許文献1に示すようなメッシュ状の金属板を用いる必要もないため、鉄筋に組付ける大変面倒な作業が発生しない。また、余計な部品を使用しないためコスト低下を図れる。また、打設時にコンクリートの流れの障害とならないため、コンクリートが隅々まで行渡らないこともなく、コンクリート内の好ましくない巣の発生も防止できる。
【0019】
また、本発明の請求項2に係るユニット鉄筋は、請求項1に記載のユニット鉄筋において、
前記隣り合うスタラップ同士を連結する前記連結部を有する代わりに、前記主筋の延在方向に沿接しながら延在可能な延在部を前記スタラップがそれぞれ有していることを特徴としている。
【0020】
本発明の請求項2に係るユニット鉄筋によると、主筋の延在方向に沿接しながら延在可能な延在部を有するので、主筋と結束線で固定されてユニット鉄筋とした状態においてスタラップの立ち上り部が軸線方向に回転することはない。そのため、ユニット鉄筋の搬送時や施工現場でのユニット鉄筋の配置時に鉄筋同士の相対的な位置ずれが生じることはなく、施工現場での鉄筋の組み直し等の余分な作業を発生させずに済む。また、打設時に流動性の良くない物性を有したコンクリートの流動力によって鉄筋同士の相対的な位置ずれを起こすこともなく、鉄筋コンクリート自体の強度低下も招かない。また、請求項1に記載のユニット鉄筋と比較して、連結部より長さの短い延在部を有しているため、材料費の削減が図れる。
【0021】
また、結束線を用いて鉄筋同士を結束するため、溶接する必要はない。そのため、鉄筋の形状の不均一や品質低下による鉄筋の強度低下を招く虞は生じない。また、多数の鉄筋同士の接触部を作業者が1箇所毎に溶接する面倒な溶接作業も発生しない。また、熟練していない作業者による溶接に起因した鉄筋接合時における溶接強度(品質)のバラツキも生じない。即ち、構造計算で掲げられる品質や強度に関する数値に対して、100パーセント以上の強度や品質を保つことができる。また、鉄筋コンクリートを構造体として使用する際に地震等の予期せぬ外的要因による外力によって鉄筋同士の結束部分に応力集中が生じるのを回避でき、鉄筋コンクリートの強度低下を防止できる。
【0022】
また、特許文献1に示すようなメッシュ状の金属板を用いる必要もないため、鉄筋に組付ける大変面倒な作業は発生しない。また、余計な部品を使用しないためコスト低下を図れる。また、打設時にユニット鉄筋がコンクリートの流れの障害とならないため、コンクリートが隅々まで行渡らないこともなく、鉄筋コンクリート内の好ましくない巣の発生も防止できる。
【0023】
また、本発明の請求項3に係るユニット鉄筋は、
鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋であって、
ユニット鉄筋の延在方向に延在して配置する主筋と、
前記主筋の位置を固定するスタラップと、
前記主筋と前記スタラップ筋との何れかの交差部を互いの相対位置を保持するために結束する結束線と、を有する鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋であって、
前記スタラップ筋は、隣り合うスタラップ筋を連結する連結部を有し、前記スタラップと前記主筋との相対的な位置関係のずれを防止するように前記スタラップが前記結束線で結束されることを特徴としている。
【0024】
本発明の請求項3に係るユニット鉄筋によると、隣り合うスタラップを連結する連結部を有するので、ユニット鉄筋とした状態においてスタラップがその軸線廻りに回転してベース部が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりせず固定状態を保つようになっている。
【0025】
そのため、ユニット鉄筋の搬送時や施工現場でのユニット鉄筋の配置時に鉄筋同士の相対的な位置ずれが生じることはなく、施工現場での鉄筋の組み直し等の余分な作業を発生させずに済む。また、打設時に流動性の良くない物性を有したコンクリートの流動力によって鉄筋同士の相対的な位置ずれを起こすこともなく、鉄筋コンクリート自体の強度低下も招かない。
【0026】
また、結束線を用いて鉄筋同士を結束するため、溶接する必要はない。そのため、鉄筋の形状の不均一や品質低下による鉄筋の強度低下を招く虞は生じない。また、多数の鉄筋同士の接触部を作業者が1箇所毎に溶接する面倒な溶接作業も発生しない。また、熟練していない作業者による溶接に起因した鉄筋接合時における溶接強度(品質)のバラツキも生じない。即ち、構造計算で掲げられる品質や強度に関する数値に対して、100パーセント以上の強度や品質を保つことができる。また、鉄筋コンクリートを構造体として使用する際に地震等の予期せぬ外的要因による外力によって鉄筋同士の結束部分に応力集中が生じるのを回避でき、鉄筋コンクリートの強度低下を防止できる。
【0027】
また、特許文献1に示すようなメッシュ状の金属板を用いる必要もないため、鉄筋に組付ける大変面倒な作業は発生しない。また、余計な部品を使用しないためコスト低下を図れる。また、打設時に鉄筋がコンクリートの流れの障害とならないため、コンクリートが隅々まで行渡らないこともなく、鉄筋コンクリート内の好ましくない巣の発生も防止できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、鉄筋コンクリートの施工に際して溶接をすることなく鉄筋同士の相対的な位置ずれを防止できると共に、施工性の良い高強度のユニット鉄筋を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るユニット鉄筋を示す斜視図である。
【図2】図1に示したユニット鉄筋に使用されるスタラップユニットを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るユニット鉄筋同士の連結方法を説明する説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る第1変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る第2変形例、第3変形例、及び第4変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る第5変形例、第6変形例、及び第7変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る第8変形例、第9変形例、及び第10変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る第11変形例、第12変形例、及び第13変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る第14変形例、第15変形例、及び第16変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る第17変形例、第18変形例、及び第19変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る第20変形例、第21変形例、及び第22変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る第23変形例、第24変形例、及び第25変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るユニット鉄筋を示す斜視図である。
【図14】図13に示したユニット鉄筋に使用されるスタラップユニットを示す斜視図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る第1変形例を示す、図14に対応した斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る第2変形例、第3変形例、及び第4変形例を示す、図14に対応した斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係る第5変形例、第6変形例、及び第7変形例を示す、図14に対応した斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施形態に係る第8変形例、第9変形例、及び第10変形例を示す、図14に対応した斜視図である。
【図19】本発明の第2の実施形態に係る第11変形例、第12変形例、及び第13変形例を示す、図14に対応した斜視図である。
【図20】本発明の第2の実施形態に係る第14変形例及び第15変形例を示す、図14に対応した斜視図である。
【図21】本発明の第2の実施形態に係る第16変形例を示す、図13に対応した斜視図である。
【図22】本発明の第2の実施形態に係る第16変形例及び第17変形例で、図21に示したユニット鉄筋に使用されるスタラップを示す斜視図である。
【図23】本発明の第3の実施形態に係るユニット鉄筋を示す斜視図である。
【図24】図23に示したユニット鉄筋に使用されるスタラップユニットを示す斜視図である。
【図25】本発明の第3の実施形態に係るユニット鉄筋同士の連結方法を説明する説明図である。
【図26】本発明の第3の実施形態に係る第1変形例、第2変形例、及び第3変形例を示す、図24に対応した斜視図である。
【図27】本発明の第3の実施形態に係る第4変形例を示す斜視図である。
【図28】本発明の第3の実施形態に係る第4変形例、第5変形例、及び第6変形例で、図27に示したユニット鉄筋に使用されるスタラップユニットを示す斜視図である。
【図29】本発明の第3の実施形態に係る第7変形例を示す、図28に対応した斜視図である。
【図30】本発明のフック形状に関する態様を説明する説明図であり、図30(a)は鉄筋コンクリートのかぶり厚さが不足した場合の主筋の軸線方向の断面図であり、図30(b)は図30(a)を右側面から見た側面図であり、図30(c)は鉄筋コンクリートのかぶり厚さが充足した場合の主筋の軸線方向の断面図であり、図30(d)は図30(c)を右側面から見た側面図である。
【図31】従来のユニット鉄筋における不具合の状態を説明する説明図である。
【図32】本発明の第1の実施形態に係る第26変形例、第27変形例、及び第28変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図33】本発明の第1の実施形態に係る第29変形例及び第30変形例を示す、図2に対応した斜視図である。
【図34】本発明の第2の実施形態に係る第18変形例、第19変形例、及び第20変形例を示す、図14に対応した斜視図である。
【図35】本発明の第2の実施形態に係る第21変形例及び第22変形例を示す、図22に対応した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の第1の実施形態に係る鉄筋コンクリート用鉄筋仮組み付け具について、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るユニット鉄筋の状態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示したユニット鉄筋に使用されるスタラップを示す斜視図である。
【0031】
本実施形態に係るユニット鉄筋1は、例えば住宅の布基礎に使用する。そして、ユニット鉄筋1は、鉄筋コンクリートの曲げモーメントに作用する鉄筋からなる主筋11と、主筋11と交差しこの主筋の相対位置を固定する鉄筋からなるスタラップ10と、スタラップ10の変形を防止する鉄筋からなる腹筋12と、それぞれの鉄筋同士の接触部を固定するための金属製の針金からなる結束線13から構成されている。また、布基礎(図示せず)は、ベースとなるフーチング部(図示せず)と、そのフーチング部から垂直に起立する垂直起立部(図示せず)からなり、フーチング部は、垂直起立部から受ける荷重を分散させる役目を果たしている。
【0032】
主筋11は、鉄筋コンクリートの構造に対応して延在した第1の主筋11a(11)と第2の主筋11b(11)からなり、これらの主筋11は所定の間隔を隔てて並列に配置されている。
【0033】
スタラップ10は、図2に示すように、垂直起立部に配置される立ち上り部21と、フーチング部に配される2本のベース部22を備えている。そして、ベース部22は、第2の主筋11b(11)と接触している接触部から第1の主筋11a(11)と第2の主筋11b(11)の延在方向によって形成される平面の垂線方向において同方向に所定の距離だけ延在して形成されている。なお、この方向は同方向に限定されず、互い違いの方向に所定の距離だけ延在して形成されていても良い。また、立ち上り部21は、第1の主筋11a(11)と第2の主筋11b(11)のそれぞれに直交して配置されると共に、第1の主筋11a(11)と第2の主筋11b(11)との交差部が各主筋とそれぞれ接触するようにベース部22から折り曲げられて所定距離だけ延在している。また、スタラップ10は主筋11の延在方向に所定の間隔を隔てて配置され、隣り合うスタラップ同士を連結する連結部23を第1の主筋11a(11)と沿接する位置に設けることで図2のような1つのスタラップユニット20を形成している。即ち、連結部23は、その連結部23の両端がスタラップ10のベース部22と反対側端部同士を連結するように設けられ、第1の主筋11a(11)に沿って第1の主筋11a(11)と接触しながら延在している。そして、そのスタラップユニット20が図1に示すように主筋11の延在方向に所定の間隔で複数配置されている。
【0034】
腹筋12は、図1に示すように、第1の主筋11a(11)及び第2の主筋11b(11)と並列にかつこれらの主筋11に挟まれた位置に所定の間隔を隔ててスタラップユニット20の各スタラップ10に直交した状態で2本配置されている。なお、腹筋12の本数は、本実施形態のように2本に限定されるものではない。
【0035】
結束線13は、主筋11とスタラップ10と腹筋12との何れかの接触部でそれぞれの鉄筋の相対位置を維持するよう締結されている。本実施形態の場合は、主筋11と連結部23の接触部の両端部、主筋11と腹筋12の交差部、スタラップ10と腹筋12の交差部のそれぞれにおいて結束されている。これによって、スタラップ10がユニット鉄筋組付け時や搬送時に起因する予期せぬ外的要因による外力によって立ち上り部21の軸線方向に回転してベース部22が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりせず固定状態を保つようになっている。なお、結束線13による結束箇所は、スタラップ10の立ち上り部21がその軸線廻りに回転してベース部22が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりせず主筋11に対する固定状態を保つように結束されていれば、これに限定されないことは言うまでもない。このようにして、1つのユニット鉄筋1を構成している。
【0036】
次に、本実施形態に係るユニット鉄筋1を使用して布基礎を施工する施工方法を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係るユニット鉄筋同士の連結方法を説明する説明図である。
【0037】
まず、ユニット鉄筋の製造方法を説明する。所定の長さに切断した主筋用の鉄筋とスタラップ用の鉄筋と腹筋用の鉄筋を用意する。そして、スタラップ用の鉄筋を本実施形態では曲げ加工機によりベース部22と立ち上り部21と連結部23を有する形状に加工し、スタラップユニット20を形成する。そして、加工した主筋11と切断された腹筋12とスタラップユニット20を治具に配置し、それぞれの鉄筋の接触部を結束線13で固定してユニット鉄筋1を形成する。
【0038】
次に、ユニット鉄筋1を施工現場に搬入する方法を説明する。工場等で製造したユニット鉄筋1を、トラック等の輸送手段に複数ユニット搭載し、施工現場へ搬入する。そして、複数のユニット鉄筋1を施工現場の所定のスペースに仮置きしてユニット鉄筋1の搬入を完了する。
【0039】
次に、搬入したユニット鉄筋1を住宅の布基礎として施工する方法を説明する。基礎を敷くために整地された敷地に砕石された石を敷き、その石の上にユニット鉄筋1を配置してユニット鉄筋同士を図3に示すように連結する。ここで、図3においては、例えば左側の実線で示すユニット鉄筋の主筋11の右側端部に更にスタラップユニット20を延設し、そのスタラップユニット20を破線で示すユニット鉄筋の主筋11の左側端部に連結する。なお、場合によってはユニット鉄筋同士を連結する際に各主筋同士を連結する棒状の連結材(図示せず)を使用しても良い。
【0040】
次いで、フーチング(基礎のベースとなる部分)を形成するための型枠をそのユニット鉄筋1の周囲に配置する。次いで、その型枠内にコンクリートを流し込んでフーチングを形成する。次いで、立ち上り部21の周囲に型枠を配置して、その型枠内にコンクリートを流し込んで立ち上り部21を形成する。そして、コンクリートを一定期間養生させた後に型枠を外すことで布基礎を形成する。
【0041】
次に、このようなユニット鉄筋1を使用して布基礎を形成したときの作用について説明する。スタラップ10は、隣り合う2本のスタラップ毎にスタラップ10を連結する連結部23を有している。その結果、結束線13を介してスタラップ10を主筋11に取り付けてユニット鉄筋1とした状態においてスタラップ10が図31(a)に示す従来例のように、ユニット鉄筋組付け時や搬送時に起因する予期せぬ外的要因による外力によってスタラップ10の立ち上り部21がその軸線方向に回転してベース部22が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりせず、ユニット鉄筋組付け時や搬送固定状態を保つ。そのため、鉄筋同士の相対的な位置ずれを気にしないでユニット鉄筋の組付け作業や搬送作業ができる。また、鉄筋コンクリートの施工現場での鉄筋の組み直しが発生しない。また、型枠内にコンクリートを流し込む際に、例えば特許文献1のようなコンクリートの型枠内に充填する際の障害となるような構造となっていないため、コンクリートが隅々まで行渡らないといった不具合や、コンクリート内の好ましくない巣の発生も防止できる。
【0042】
また、結束線13を用いて鉄筋同士を結束するため、溶接する必要はない。そのため、鉄筋の形状の不均一や品質低下による鉄筋の強度低下を招く虞は生じない。また、作業者が鉄筋同士の接触部を1箇所毎に溶接する面倒な溶接作業も発生せず、熟練していない作業者による溶接品質のバラツキに起因する不具合も生じない。即ち、構造計算で掲げられる品質や強度に関する数値に対して、100パーセント以上の強度や品質を保つことができる。また、構造体としての鉄筋コンクリートとして使用する際の地震等の予期せぬ外的要因による鉄筋同士の結束部への応力集中を回避でき、鉄筋コンクリートの強度低下を防止できる。
【0043】
なお、スタラップ10のベース部22にはフーチング部に作用するベース筋(図示せず)を設けることで、ユニット鉄筋1の長手方向から見て逆T字状の鉄筋ユニットを構成するようになるのでより強度が増す。
【0044】
本発明は、上述した実施形態にその範囲を限定されることなく、様々な形態に適用可能である。そこで、これら本発明の範囲に含まれる様々な形態を各種変形例として以下に説明する。以下、第1実施形態の変形例について説明する。
【0045】
図4に示す第1実施形態の第1変形例に係るスタラップユニット20−1のように、或る角度をなして斜め上方に延在する傾斜部33を図2に示した本実施形態におけるスタラップユニット20のベース部22の途中に設けてベース部22の基部よりも端部側が設置状態で若干上方に位置するようにしても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋1とすることができ、ベタ基礎においても本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0046】
また、図5(a)に示す第1実施形態の第2変形例に係るスタラップユニット20−2のように、端部が立ち上り部側に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を図2に示す本実施形態におけるスタラップユニット20のベース部22の先端に設けても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの引っ張りに作用する応力への耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0047】
また、図5(b)に示す第1実施形態の第3変形例に係るスタラップユニット20−3のように、端部が互いに対向しかつその端面がベース部22同士の間隔より狭まるようにL字状に折り曲げられた折り曲げ部32を本実施形態のスタラップユニット20のベース部22の先端に設けても良い。そして、各折り曲げ部32と例えば主筋とを結束線等で結束することでスタラップユニット20−3が1つの閉じた領域を形成する。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0048】
また、図5(c)に示す第1実施形態の第4変形例に係るスタラップユニット20−4のように、端部が立ち上り部側に向かって折り返されたJ字状のフック部31を図4に示した第1変形例におけるスタラップユニット20−1のベース部22の先端に設けても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0049】
また、図6(a)に示す第1実施形態の第5変形例に係るスタラップユニット20−5のように、端部が互いに対向するようにL字状に折り曲げられた折り曲げ部32を図4に示した第1変形例におけるスタラップユニット20−1のベース部22の先端に設けても良い。そして、各折り曲げ部32と例えば主筋とを結束線等で結束することでスタラップユニット20−5が1つの閉じた領域を形成する。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0050】
また、図6(b)に示す第1実施形態の第6変形例に係るスタラップユニット20−6のように、ユニット鉄筋1の設置状態で主筋11と直交すると共に傾斜して上方に延在する傾斜ベース部34を図2に示した本実施形態におけるスタラップユニット20のベース部22の代わりに設けても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋1とすることができ、ベタ基礎においても本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0051】
また、図6(c)に示す第1実施形態の第7変形例に係るスタラップユニット20−7のように、端部が立ち上り部側に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を図6(b)に示した第6変形例におけるスタラップユニット20−6の傾斜ベース部34の先端に設けても良い。これによって、第6変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0052】
また、図7(a)に示す第1実施形態の第8変形例に係るスタラップユニット20−8のように、本実施形態におけるスタラップユニット20のベース部22を設けないようにしても良い。これによって、様々な態様においても柔軟に対応可能なユニット鉄筋1とすることができ、本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0053】
また、図7(b)に示す第1実施形態の第9変形例に係るスタラップユニット20−9のように、端部が立ち上り部21の上方に向って折り返された側面視J字状のフック部31を第8変形例におけるスタラップユニット20−8の立ち上り部21の先端に設けても良い。これによって、第8変形例と同様の効果作用を発揮とすることに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0054】
また、図7(c)に示す第1実施形態の第10変形例に係るスタラップユニット20−10のように、連結部23を本実施形態おけるスタラップユニット20の立ち上り部21の端部に設ける代わりにベース部22の端部同士を連結するよう設けても良い。この場合、連結部23が鉄筋ユニット1のフーチング部の存する側かつ主筋11と離れた位置に形成されている。そのため、このような変形例の場合であっても本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、ユニット鉄筋自体の重心を低くすることができ、ユニット鉄筋1の仮置き時の安定性が増し、施工性も向上する。また、地震等の横揺れ時に布基礎の垂直起立部の支点に作用する応力への耐久強度が増す。
【0055】
また、図8(a)に示す第1実施形態の第11変形例に係るスタラップユニット20−11のように、端部がベース部22に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を第10変形例におけるスタラップユニット20−10の立ち上り部21の先端に設けても良い。これによって、第10変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0056】
また、図8(b)に示す第1実施形態の第12変形例に係るスタラップユニット20−12のように、端部が互いに対向しかつその端面同士がベース部22同士の間隔より狭まるようにL字状に折り曲げられた折り曲げ部32を図7(c)に示した第10変形例におけるスタラップユニット20−10の立ち上り部21の先端に設けても良い。そして、各折り曲げ部32と例えば主筋とを結束線等で結束することでスタラップユニット20−12が1つの閉じた領域を形成する。これによって、第10変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0057】
また、図8(c)に示す第1実施形態の第13変形例に係るスタラップユニット20−13のように、或る角度をなして斜め上方に延在する傾斜部33を図7(c)に示した第10変形例におけるスタラップユニット20−10のベース部22の途中に設けてベース部22の基部(立ち上り部21側)よりも端部側が設置状態で若干上方に位置するようにしても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋1とすることができ、ベタ基礎においても第10変形例と同様の作用効果を発揮できる。
【0058】
また、図9(a)に示す第1実施形態の第14変形例に係るスタラップユニット20−14のように、端部がベース部22に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を図8(c)に示した第13変形例におけるスタラップユニット20−13の立ち上り部21の先端に設けても良い。これによって、第13変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度その軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0059】
また、図9(b)に示す第1実施形態の第15変形例のように、端部が互いに対向するようにかつ各端面が立ち上がり部21同士の間隔よりも狭い間隔となるようにL字状に折り曲げられた折り曲げ部32を第13変形例におけるスタラップユニット20−13の立ち上り部21の先端に設けたスタラップユニット20−15としても良い。そして、各折り曲げ部32と例えば主筋とを結束線等で結束することでスタラップユニット20−15が1つの閉じた領域を形成する。これによって、第13変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0060】
また、図9(c)に示す第1実施形態の第16変形例に係るスタラップユニット20−16のように、ユニット鉄筋1の設置状態で主筋11と直交すると共に或る角度をなして斜め上方に延在する傾斜ベース部34を第10変形例におけるスタラップユニット20−10のベース部22の代わりに設けても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋1とすることができ、ベタ基礎においても第10変形例と同様の作用効果を発揮できる。
【0061】
また、図10(a)に示す第1実施形態の第17変形例に係るスタラップユニット20−17のように、端部が傾斜ベース部34に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を図9(c)に示した第16変形例におけるスタラップユニット20−16の立ち上り部21の先端に設けても良い。これによって、第16変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0062】
また、図10(b)に示す第1実施形態の第18変形例に係るスタラップユニット20−18のように、図7(c)に示した第10変形例におけるスタラップユニット20−10のベース部22を設けないようにしても良い。これによって、様々な態様においても柔軟に使用可能なユニット鉄筋とすることができ、第10変形例と同様の作用効果を発揮できる。
【0063】
また、図10(c)に示す第1実施形態の第19変形例に係るスタラップユニット20−19のように、端部が折り返されたJ字状のフック部31を図10(b)に示した第18変形例におけるスタラップユニット20−18の立ち上り部21の先端に設けても良い。これによって、第18変形例と同様の効果作用を発揮とすることに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0064】
また、図11(a)に示す第1実施形態の第20変形例に係るスタラップユニット20−20のように、端部がベース部22に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を本実施形態におけるスタラップユニット20の立ち上り部21の上端部に形成し、そのフック部31の端部を連結部23で連結し、フック部31が第1の主筋11aに係止すると共に連結部23がこの第1の主筋に関して立ち上り部21と反対側に位置するようにしても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0065】
また、図11(b)に示す第1実施形態の第21変形例に係るスタラップユニット20−21のように、端部がベース部22に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を第1変形例におけるスタラップユニット20−1の立ち上り部21の上端部に形成し、そのフック部31の端部を連結部23で連結し、フック部31が第1の主筋11aに係止すると共に連結部23がこの第1の主筋に関して立ち上り部21と反対側に位置するようにしても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0066】
また、図11(c)に示す第1実施形態の第22変形例に係るスタラップユニット20−22のように、図2に示した本実施形態におけるスタラップユニット20の連結部23の代わりに本実施形態におけるスタラップユニット20が有する2本の立ち上り部21を含む平面上に配置されたJ字状のフック部31を形成し、その各端部を連結部23で連結しても良い。なお、フック部31の数や設置場所は本変形例に制限されることはなく、連結部23の何れの場所に設けても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。
【0067】
また、図12(a)に示す第1実施形態の第23変形例に係るスタラップユニット20−23のように、図4に示した第1変形例におけるスタラップユニット20−1の連結部23の代わりに第1変形例におけるスタラップユニット20−1が有する2本の立ち上り部21が含まれる平面上に配置されたJ字状のフック部31を形成し、その各端部を連結部23で連結しても良い。なお、フック部31の数や設置場所は本変形例に制限されることはなく、連結部23の何れの場所に設けても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。
【0068】
また、図12(b)に示す第1実施形態の第24変形例に係るスタラップユニット20−24のように、ベース部22を図6(b)に示した第6変形例におけるスタラップユニット20−6の傾斜ベース部34の先端に設けても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋1とすることができ、ベタ基礎においても第6変形例と同様の作用効果を発揮できる。
【0069】
また、図12(c)に示す第1実施形態の第25変形例に係るスタラップユニット20−25のように、ベース部22を図6(b)に示した第6変形例におけるスタラップユニット20−6のユニット鉄筋1の設置状態で主筋11と直交すると共に或る角度をなして斜め上方に延在する傾斜ベース部34の先端に設けても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋1とすることができ、ベタ基礎においても第6変形例と同様の作用効果を発揮できる。
【0070】
また、図32(a)に示す第1実施形態の26変形例に係るスタラップユニット20−26のように、端部が傾斜ベース部34に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を第6変形例におけるスタラップユニット20−6の立ち上り部21の上端部に形成し、そのフック部31の端部を連結部23で連結し、フック部31が第1の主筋11aに係止すると共に連結部23がこの第1の主筋に関して立ち上り部21と反対側に位置するようにしても良い。これによって、第6変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0071】
また、図32(b)に示す第1実施形態の第27変形例に係るスタラップユニット20−27のように、端部が傾斜ベース部34に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を図12(b)に示した第24変形例におけるスタラップユニット20−24の立ち上り部21の上端部に形成し、そのフック部31の端部を連結部23で連結し、フック部31が第1の主筋11aに係止すると共に連結部23がこの第1の主筋に関して立ち上り部21と反対側に位置するようにしても良い。これによって、第24変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0072】
また、図32(c)に示す第1実施形態の第28変形例に係るスタラップユニット20−28のように、図6(b)に示した第6変形例におけるスタラップユニット20−6の連結部23の代わりに第6変形例におけるスタラップユニット20−6が有する2本の立ち上り部21から形成される平面上に配置されたJ字状のフック部31を形成し、その各端部を連結部23で連結しても良い。なお、フック部31の数や設置場所は本変形例に制限されることはなく、連結部23の何れの場所に設けても良い。これによって、第6変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。
【0073】
また、図33(a)に示す第1実施形態の第29変形例に係るスタラップユニット20−29のように、図12(b)に示した第24変形例におけるスタラップユニット20−24の連結部23の代わりに第24変形例におけるスタラップユニット20−24が有する2本の立ち上り部21を含む平面上に配置されたJ字状のフック部31を形成し、その各端部を連結部23で連結しても良い。なお、フック部31の数や設置場所は本変形例に制限されることはなく、連結部23の何れの場所に設けても良い。これによって、第24変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。
【0074】
また、図33(b)に示す第1実施形態の第30変形例に係るスタラップユニット20−30のように、端部が傾斜ベース部34に向かって折り返された側面視J字状のフック部31を第25変形例におけるスタラップユニット20−25の立ち上り部21の先端に設けても良い。これによって、第25変形例と同様の効果作用を発揮とすることに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部31の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0075】
更には、本発明の作用を発揮しうる範囲内であれば、上述の変形例に加えて図面に示した形態に限定せずに様々な変形例が適用可能であることは言うまでもない。
【0076】
また、本発明は本実施形態に限定されることなく、ベタ基礎や独立基礎、バルコニー等の片持ちスラブ、塀等の鉄筋コンクリートの構造体全般に使用できることは言うまでもない。
【0077】
次に、本発明の第2の実施形態に係るユニット鉄筋2について、図面に基づいて詳細に説明する。図13は、本発明の第2の実施形態に係るユニット鉄筋を示す斜視図である。また、図14は、図13に示したユニット鉄筋に使用されるスタラップを示す斜視図である。
【0078】
この本発明の第2の実施形態に係るユニット鉄筋2は、例えば住宅の布基礎に使用する。そして、ユニット鉄筋2は鉄筋コンクリートの曲げモーメントに作用する鉄筋からなる主筋11と、主筋11と交差しこの主筋11の相対位置を固定する鉄筋からなるスタラップ10と、スタラップ10の変形を防止する鉄筋からなる腹筋12と、それぞれの鉄筋同士の接触部を固定するための金属製の針金からなる結束線13から構成されている。また、布基礎は、ベースとなるフーチング部と、そのフーチング部から垂直に起立する垂直起立部からなり、フーチング部は、垂直起立部から受ける荷重を分散させる役目を果たしている。
【0079】
主筋11は、鉄筋コンクリートの構造に対応して延在した第1の主筋11aと第2の主筋11bからなり、これらの主筋11は所定の間隔を隔てて並列に配置されている。
【0080】
スタラップ10は、図14に示すように、垂直起立部に配置される立ち上り部121と、フーチング部に配されるベース部122とから形成されている。そして、ベース部122は、図13に示すように、第2の主筋11b(11)と接触している接触部から第1の主筋11a(11)と第2の主筋11b(11)の延在方向によって形成される平面の垂線方向において同方向に所定の距離だけ延在して形成されている。なお、この方向は同方向に限定されず、互い違いの方向に所定の距離だけ延在して形成されていても良い。
【0081】
また、立ち上り部121は、第1の主筋11a(11)と第2の主筋11b(11)のそれぞれに直交して配置されると共に、第1の主筋11a(11)と第2の主筋11b(11)との交差部が各主筋とそれぞれ接触するようにベース部122から折り曲げられて所定距離だけ延在している。なお、この方向は上述の方向に限定されず、互い違いの方向に所定の距離だけ延在して形成されていても良い。
【0082】
また、スタラップ10の立ち上り部121においてベース部122と反対側端部(図13における上端部)に形成され、第1の主筋11aと沿接して第1の主筋11aの軸線方向において同方向に所定の距離だけ延在した延在部123(図14参照)を設けることで、図14のような1つのスタラップユニット120を形成している。なお、この方向は上述の方向に限定されず、互い違いの方向に所定の距離だけ延在して形成されていても良い。また、スタラップユニット120は、図13に示すように主筋11の延在方向に所定の間隔を隔てて複数配置されている。
【0083】
腹筋12は、図13に示すように、第1の主筋11a及び第2の主筋11bと並列にかつこれらの主筋11に挟まれた位置に所定の間隔を隔ててそれぞれのスタラップ10に直交した状態で2本配置されている。なお、腹筋12の本数は、本実施形態のように2本に限定されるものではない。
【0084】
結束線13は、主筋11とスタラップ10と腹筋12との何れかの接触部でそれぞれの鉄筋同士の相対位置を維持するよう締結されている。これによって、スタラップ10がユニット鉄筋組付け時や搬送時に起因する予期せぬ外的要因による外力によってスタラップ10の立ち上り部121の軸線方向に回転してベース部122が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりせず各鉄筋の配置状態を保つようになっている。なお、結束線13による結束箇所は、スタラップ10が立ち上り部121の軸線方向に回転したり隣接するスタラップ同士のスパンが不均一になったりしないように結束されていれば、上述の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0085】
以上のような第2の実施形態の構成であっても、本発明の第1の実施形態と同等の作用効果を発揮する。なお、この作用効果に加えて、第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、連結部23より長さの短い延在部123(図14参照)を有しているため材料費の削減が図れる。また、軽量化が図れるためユニット鉄筋2を組付ける際の施工性が向上する。
【0086】
本発明は、上述した実施形態にその範囲を限定されることなく、様々な形態に適用可能である。そこで、これら本発明の範囲に含まれる様々な形態を各種変形例として以下に説明する。以下、第2実施形態の変形例について説明する。
【0087】
図15に示す第2実施形態の第1変形例に係るスタラップユニット120−1のように、或る角度をなして斜め上方に延在する傾斜部133を本実施形態におけるスタラップユニット120のベース部122の途中に設けてベース部122の基部よりも端部側が設置状態で若干上方に位置するようにしても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋とすることができ、ベタ基礎においても本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0088】
また、図16(a)に示す第2実施形態の第2変形例に係るスタラップユニット120−2のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を本実施形態におけるスタラップユニット120の延在部123の先端に設けても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をスタラップ10の軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0089】
また、図16(b)に示す第2実施形態の第3変形例に係るスタラップユニット120−3のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を本実施形態におけるスタラップユニット120のベース部122の先端に設けても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をスタラップ10の軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0090】
また、図16(c)に示す第2実施形態の第4変形例に係るスタラップユニット120−4のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を本実施形態におけるスタラップユニット120の延在部123の先端に設けると共に、ベース部122の先端に設けても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0091】
また、図17(a)に示す第2実施形態の第5変形例に係るスタラップユニット120−5のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図15に示した第1変形例におけるスタラップユニット120−1の延在部123の先端に設けても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0092】
また、図17(b)に示す第2実施形態の第6変形例に係るスタラップユニット120−6のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図15に示した第1変形例におけるスタラップユニット120−1の傾斜部133を有するベース部122の先端に設けても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0093】
また、図17(c)に示す第2実施形態の第7変形例に係るスタラップユニット120−7のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図15に示した第1変形例におけるスタラップユニット120−1の延在部123とベース部122の先端に設けても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0094】
また、図18(a)に示す第2実施形態の第8変形例に係るスタラップユニット120−8のように、ユニット鉄筋2の設置状態で主筋11と直交すると共に或る角度をなして斜め上方に延在する傾斜ベース部134を本実施形態におけるスタラップユニット120のベース部122の代わりに設けても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋2とすることができ、ベタ基礎においても本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0095】
また、図18(b)に示す第2実施形態の第9変形例に係るスタラップユニット120−9のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を第8変形例におけるスタラップユニット120−8の延在部123の先端に設けても良い。これによって、第8変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0096】
また、図18(c)に示す第2実施形態の第10変形例に係るスタラップユニット120−10のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図18(a)に示した第8変形例におけるスタラップユニット120−8の傾斜部134を有するベース部122の先端に設けても良い。これによって、第8変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0097】
また、図19(a)に示す第2実施形態の第11変形例に係るスタラップユニット120−11のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図18(a)に示した第8変形例におけるスタラップユニット120−8の延在部123と傾斜ベース部134の先端に設けても良い。これによって、第8変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0098】
また、図19(b)に示す第2実施形態の第12変形例に係るスタラップユニット120−12のように、本実施形態におけるスタラップユニット120のベース部122を設けないようにしても良い。これによって、様々な態様においても柔軟に使用可能なユニット鉄筋2とすることができ、本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0099】
また、図19(c)に示す第2実施形態の第13変形例に係るスタラップユニット120−13のように、端部が立ち上り部121に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図19(b)に示した第12変形例におけるスタラップユニット120−12の延在部123の先端に設けても良い。これによって、図19(b)に示した第12変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0100】
また、図20(a)に示す第2実施形態の第14変形例に係るスタラップユニット120−14のように、端部が延在部123に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図19(b)に示した第12変形例におけるスタラップユニット120−12の立ち上り部121の先端(図中下端)に設けても良い。これによって、第12変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0101】
また、図20(b)に示す第2実施形態の第15変形例に係るスタラップユニット120−15のように、延在部123の端部が立ち上り部121に向かって折り返されると共に立ち上り部121の端部が延在部123に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図19(b)に示した第12変形例におけるスタラップユニット120−12の延在部123と立ち上り部121の先端(図中下端)に設けても良い。これによって、第12変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0102】
また、図21及び図22(a)に示す第2実施形態の第16変形例に係るスタラップユニット120−16のように、本実施形態におけるスタラップユニット120の延在部123をその延在部123の途中から立ち上り部121(図22(a)参照)と平行になるように第2の主筋11bに向かって折り曲げたフック部131を設けても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、この延在部123の延在方向は、図21に記載の方向に限定されず、互い違いの方向に所定の距離だけ延在して形成されていても良い。
【0103】
また、図22(b)に示す第2実施形態の第17変形例に係るスタラップユニット120−17のように、図15に示した第1変形例におけるスタラップユニット120−1の延在部123をその延在部123の途中から立ち上り部121と平行になるように第2の主筋11bに向かって折り曲げたフック部131を設けても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。なお、この延在部123の延在方向は図21に記載の方向に限定されず、互い違いの方向に所定の距離だけ延在して形成されていても良い。
【0104】
また、図34(a)に示す第2実施形態の第18変形例に係るスタラップユニット120−18のように、ベース部122を図18(a)に示した第8変形例におけるスタラップユニット120−8の傾斜ベース部134の先端に設けても良い。これによって、ベタ基礎に使用可能なユニット鉄筋2とすることができ、ベタ基礎においても第8変形例と同様の作用効果を発揮できる。
【0105】
また、図34(b)に示す第2実施形態の第19変形例に係るスタラップユニット120−19のように、端部が傾斜ベース部134に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図18(a)に示した第8変形例におけるスタラップユニット120−8の立ち上り部121の上端部に形成し、そのフック部131の端部から主筋11の軸線方向に延在した延在部123を有し、フック部131が第1の主筋11aに係止すると共に延在部123がこの第1の主筋に関して立ち上り部121と反対側に位置するようにしても良い。これによって、第8変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0106】
また、図34(c)に示す第2実施形態の第20変形例に係るスタラップユニット120−20のように、端部が傾斜ベース部134に向かって折り返されたJ字状のフック部131を図34(a)に示した第18変形例におけるスタラップユニット120−18の立ち上り部121の上端部に形成し、そのフック部131の端部から主筋11の軸線方向に延在した延在部123を有し、フック部131が第1の主筋11aに係止すると共に延在部123がこの第1の主筋に関して立ち上り部121と反対側に位置するようにしても良い。これによって、第18変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部131の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0107】
また、図35(a)に示す第2実施形態の第21変形例に係るスタラップユニット120−21のように、図18(a)に示した第8変形例におけるスタラップユニット120−8の延在部123をその延在部123の途中から立ち上り部121と平行になるように第2の主筋11bに向かって折り曲げたフック部131を設けても良い。これによって、第8変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0108】
また、図35(b)に示す第2実施形態の第22変形例に係るスタラップユニット120−22のように、第18変形例におけるスタラップユニット120−18の延在部123をその延在部の途中から立ち上り部121と平行になるように第2の主筋11bに向かって折り曲げたフック部131を設けても良い。これによって、第18変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0109】
次に、本発明の第3の実施形態に係るユニット鉄筋3について、図面に基づいて詳細に説明する。図23は、本発明の第3の実施形態に係るユニット鉄筋3の状態を示す斜視図である。また、図24は、図23に示したユニット鉄筋3に使用されるスタラップユニット220を示す斜視図である。また、図25は、本発明の第3の実施形態に係るユニット鉄筋同士の連結方法を説明する説明図である。
【0110】
本実施形態に係るユニット鉄筋3は、例えば布基礎が受ける負荷の高い場所に使用する。そして、ユニット鉄筋3は鉄筋コンクリートの曲げモーメントに作用する鉄筋からなる主筋11と、主筋同士の相対位置を固定する鉄筋からなるスタラップ10と、それぞれの鉄筋同士の接触部を固定するための金属製の針金からなる結束線13から構成されている。
【0111】
主筋11は、第1の主筋11c、第2の主筋11d、及び第3の主筋11eがその主筋の軸線方向から見て逆三角形となるように所定の間隔を隔ててその軸線方向に並列に配置されている。
【0112】
スタラップ10は、図23及び図24に示すように、第1の主筋11cと第2の主筋11dに直交して延在し、交差部が各主筋11に接触する第1の傾斜部222aと、第2の主筋11dと第3の主筋11eに直交して延在し、交差部が各主筋に接触する第2の傾斜部222bと、第1の主筋11cとの交差部から所定の距離だけ延在している第1の延在部221aと、第2の主筋11dとの交差部から所定の距離だけ延在している第2の延在部221bから形成されている。また、スタラップ10は主筋11の延在方向に所定の間隔を隔てて配置され、その隣り合うスタラップ同士を連結する連結部23を第2の延在部221bの端部において有し、図24のような1つのスタラップユニット220を形成している。そして、そのスタラップユニット220が主筋11の延在方向に所定の間隔を隔てて複数配置されている(図23参照)。
【0113】
結束線13は、図23に示すように、主筋11とスタラップ10との接触部でそれぞれの鉄筋の相対位置を維持するよう締結されている。以上の主筋11、スタラップ10、及び結束線13の組み合わせから第3の実施形態に係る1つのユニット鉄筋3を構成している。
【0114】
次に、本実施形態に係るユニット鉄筋3を使用してベタ基礎を施工する施工方法を説明する。まず、ユニット鉄筋3の製造方法を説明する。所定の長さに切断された主筋用の鉄筋とスタラップ用の異形鉄筋を用意する。そして、スタラップ用の鉄筋は本実施形態では、曲げ加工機により延在部221と傾斜部222と連結部23を有する形状に加工し、スタラップユニット220を形成する。そして、加工された主筋11とスタラップユニット220を治具に配置し、それぞれの鉄筋の接触部を結束線13で固定してユニット鉄筋3を形成する。
【0115】
次に、ユニット鉄筋3を施工現場に搬入する方法を説明する。工場等で製造したユニット鉄筋3を、トラック等の輸送手段に複数ユニット搭載し、施工現場へ搬入する。そして、複数のユニット鉄筋3を施工現場の所定のスペースに仮置きしてユニット鉄筋3の搬入を完了する。
【0116】
次に、搬入されたユニット鉄筋3を住宅のベタ基礎として施工する方法を説明する。基礎を敷くために整地された敷地に砕石された石を敷き、その石の上にユニット鉄筋3を配置してユニット鉄筋同士を連結する。ユニット鉄筋3を互いに連結する前の状態では、図25に示すように、例えば左側の実線で示すユニット鉄筋の主筋11の右側端部に更にスタラップユニット220を延設し、そのスタラップユニット220を破線で示すユニット鉄筋3の主筋11の左側端部に連結する。なお、場合によってはユニット鉄筋同士を連結する際に各主筋同士を連結する棒状の連結材(図示せず)を使用しても良い。
【0117】
次いで、ベース部(基礎のベースとなる部分)を形成するための型枠を配置する。次いで、その型枠内に生コンクリートを流し込んでベース部を形成する。そして、養生期間を経て型枠を外すことでべた基礎を形成する。
【0118】
次に、このようなユニット鉄筋3を使用してベタ基礎を形成したときの作用について説明する。結束線13を介してスタラップ10を主筋11に取り付けられてユニット鉄筋220とした状態において、ユニット鉄筋組付け時や搬送時に起因する予期せぬ外的要因による外力によってスタラップ10が図31(b)に示す従来例のようにその軸線方向に回転してスタラップ10のベース部が規定の方向と異なる方向に向いたり、隣接するスタラップ同士の間隔(スパン)が不均一になったりせず固定状態を保つ。そのため、鉄筋同士の相対的な位置ずれを気にしないで作業できる。また、鉄筋コンクリートの施工現場での鉄筋の組み直しが発生しない。また、コンクリートが流し込まれた状態でコンクリートの上面を平滑化する作業時に、組み付けられた鉄筋を誤って踏んでしまっても、鉄筋同士の上述したような相対的な位置ずれを起こすことはない。また、型枠内にコンクリートを流し込む際に、例えば特許文献1のようなコンクリートの型枠内に充填する際の障害となるような構造となっていないため、コンクリートが隅々まで行渡らないといった不具合や、コンクリート内の好ましくない巣の発生も防止できる。
【0119】
また、結束線13を用いて鉄筋同士を結束するため、溶接する必要はない。そのため、鉄筋の形状の不均一や品質低下による鉄筋の強度低下を招く虞は生じない。また、そのため、作業者が鉄筋同士の接触部を1箇所毎に溶接する面倒な溶接作業も発生しなく、熟練していない作業者による溶接の品質のバラツキによる不具合も生じない。即ち、構造計算で掲げられる品質や強度に関する数値に対して、100パーセント以上の強度や品質を保つことができる。また、構造体としての鉄筋コンクリートとして使用する際の地震等の予期せぬ外的要因による外力によって鉄筋同士の結束部に応力集中が生ずるのを回避でき、鉄筋コンクリートの強度低下を防止できる。
【0120】
本発明は、上述した実施形態にその範囲を限定されることなく、様々な形態に適用可能である。そこで、これら本発明の範囲に含まれる様々な形態を各種変形例として以下に説明する。以下、第3実施形態の変形例について説明する。
【0121】
図26(a)に示す第3実施形態の第1変形例に係るスタラップユニット220−1のように、延在部221の端部が折り返された側面視J字状のフック部231を本実施形態におけるスタラップユニット220の第1の延在部221aの先端に設けても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部231の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0122】
また、図26(b)に示す第3実施形態の第2変形例に係るスタラップユニット220−2のように、端部が互いに対向しかつその端面が第1の延在部221a同士の間隔より狭まるようにL字状に折り曲げられた折り曲げ部232を本実施形態におけるスタラップユニット220の第1の延在部221aの先端に設けても良い。そして、各折り曲げ部232と例えば主筋とを結束線等で結束することでスタラップユニット220が1つの閉じた領域を形成する。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0123】
また、図26(c)に示す第3実施形態の第3変形例に係るスタラップユニット220−3のように、第2の延在部221bの連結部側端部が折り返されたJ字状のフック部231を本実施形態におけるスタラップユニット220の第2の延在部221bの先端に設け、そのフック部231の端部を連結した連結部23を有しても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部231の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0124】
また、図27及び図28(a)に示す第3実施形態の第4変形例に係るスタラップユニット220−4のように、図24に示した本実施形態におけるスタラップユニット220の第1の傾斜部222aと第2の傾斜部222bの間に延在部221に平行した第3の延在部222cを設けて(図28参照)、主筋11の軸線方向から見て逆台形形状にしても良い。これによって、本実施形態と同様の作用効果を発揮する。なお、図27においては図24に示した本実施形態に対して第4の主筋11fが新たに加わっている。
【0125】
また、図28(b)に示す第3実施形態の第5変形例に係るスタラップユニット220−5のように、第1の延在部の連結部側端部が折り返されたJ字状のフック部231を図26(a)に示した第1変形例におけるスタラップユニット220−1の第1の延在部221aの先端に設けても良い。これによって、第1変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部231の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0126】
また、図28(c)に示す第3実施形態の第6変形例に係るスタラップユニット220−6のように、端部が互いに対向しかつその端面が第1の延在部221a同士の間隔より狭まるようにL字状に折り曲げられた折り曲げ部232を図28(a)に示した第4変形例におけるスタラップユニット220−4の第1の延在部221aの先端に設けても良い。そして、その折り曲げ部232と例えば主筋とを結束線等で結束することでスタラップユニット220−6が1つの閉じた領域を形成する。これによって、第4変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートの耐久強度が増す。
【0127】
また、図29(a)に示す第3実施形態の第7変形例に係るスタラップユニット220−7のように、第2の延在部221bの連結部側端部が折り返されたJ字状のフック部231を図28(a)に示した第4変形例におけるスタラップユニット220−4の第2の延在部221bの先端に設け、そのフック部231の端部を連結した連結部23を有しても良い。これによって、第4変形例と同様の作用効果を発揮することに加えて、鉄筋コンクリートに引っ張り力が作用した場合の鉄筋コンクリート自体の耐久強度が増す。なお、図30(a)中のA寸法で示すようにかぶり厚さが不足するような場合には、図30(c)、図30(d)に示すようにフック部231の角度をその軸線方向に回転させ、図30(c)中のB寸法で示すように十分なかぶり厚さを確保するようにしても良い。
【0128】
更には、本発明の作用を発揮しうる範囲内であれば、上述の変形例に加えて図面に示した形態に限定せずに様々な変形例が適用可能であることは言うまでもない。更に、鉄筋コンクリート製の大掛かりな建造物に限らず、例えば戸建住宅の駐車スペースやブロック塀等の外構工事にも適用可能であることは言うまでもない。
【0129】
また、本発明は以上説明した実施形態の適用範囲に限定されることなく、階段等の鉄筋コンクリートの構造体全般に使用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0130】
1 ユニット鉄筋(1,2,3)
1 第1の実施形態のユニット鉄筋
2 第2の実施形態のユニット鉄筋
3 第3の実施形態のユニット鉄筋
5 従来のユニット鉄筋
10 スタラップ
11 主筋(11a,11b,11c,11d)
11a 第1の主筋
11b 第2の主筋
11c 第1の主筋
11d 第2の主筋
11e 第3の主筋
11f 第4の主筋
12 腹筋
13 結束線
20 スタラップユニット(120,220)
21 立ち上り部(121)
22 ベース部(122)
23 連結部
31 フック部(131,231)
32 折り曲げ部(232)
33 傾斜部(133)
34 傾斜ベース部(134)
123 延在部
221 延在部(221a,221b)
221a 第1の延在部
221b 第2の延在部
222 傾斜部(222a,222b)
222a 第1の傾斜部
222b 第2の傾斜部
222c 第3の延在部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋であって、
前記ユニット鉄筋の延在方向に互いに等間隔で延在する2本の主筋と、
前記主筋に交差して配置され、当該主筋の相対的な配置状態を維持する少なくとも2本のスタラップと、
前記スタラップに交差して配置され、当該スタラップの変形を防止する腹筋と、
前記主筋と前記スタラップと前記腹筋との何れかの接触部において互いの相対位置を保持するために結束する結束線と、を有する鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋において、
前記スタラップは、隣り合う2本のスタラップ毎に当該スタラップ同士を連結する連結部を有し、前記スタラップと前記主筋との相対的な位置関係のずれを防止するように前記スタラップが前記結束線で結束されることを特徴とするユニット鉄筋。
【請求項2】
前記隣り合うスタラップ同士を連結する前記連結部を有する代わりに、前記主筋の延在方向に沿接しながら延在可能な延在部を前記スタラップがそれぞれ有していることを特徴とする請求項1に記載のユニット鉄筋。
【請求項3】
鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋であって、
ユニット鉄筋の延在方向に延在して配置する主筋と、
前記主筋の位置を固定するスタラップと、
前記主筋と前記スタラップ筋との何れかの交差部を互いの相対位置を保持するために結束する結束線と、を有する鉄筋コンクリートに使用するユニット鉄筋であって、
前記スタラップ筋は、隣り合うスタラップ筋を連結する連結部を有し、前記スタラップと前記主筋との相対的な位置関係のずれを防止するように前記スタラップが前記結束線で結束されることを特徴とするユニット鉄筋。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−14923(P2013−14923A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147789(P2011−147789)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(510198413)株式会社新永建設 (3)
【Fターム(参考)】