説明

ユーザと対話するためのグラフィック・ユーザ・インタフェース、システム、方法及びコンピュータプログラム

本発明は、ユーザと対話するための対話領域を有するグラフィック・ユーザ・インタフェースに関する。そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、対話領域内でカーソルを配置するよう整えられる。そこでは、前述の配置を可能にするために精密な対話点がカーソルに割り当てられ、前述の精密な対話点が、ユーザが規定可能な固定対話点11とユーザが規定可能な移動可能な対話点13との間の距離のプリセットされた割合として規定される。好ましくは、両方の点11、13は、視覚的なフィードバックのため、精密な対話点17の実際の位置と共に、精密な対話点17を設定する手続の間ユーザに示される。ユーザがその精密な対話点17の現在の位置に満足しない場合、移動可能な対話点13を更に動かし、従って、満足がいくまで精密な対話点を配置し直す。通常、ユーザの利便性のために、割合の値は点11、13間の中点で精密な対話点を生み出す0.5に設定される。また、固定対話点11により近い精密な対話点17を配置するため、その割合は0.5より小さい値に設定されることができる。更にまた、移動可能な対話点13により近い精密な対話点を配置するため、その割合は0.5より大きいが1.0より小さい値に設定されることができる。更にまた、その割合の値は、距離bの実質的な拡大を生み出す2より大きい値に設定される。好ましくは、精密な対話点は点11、13を結ぶ線15上に配置される。また、精密な対話点の位置は、割合に対応する距離の位置に設定される垂線と基準対象物との交差点で規定されることができる。本発明は更に、カスタマイズ可能なデバイスとグラフィック・ユーザ・インタフェースとを有するシステムにも関する。本発明は更に、精密な対話点を規定する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザと対話するための対話領域を有するグラフィック・ユーザ・インタフェースに関し、そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、その対話領域内にカーソルを置くよう配置される。
【0002】
本発明は更に、カスタマイズ可能なデバイスとグラフィック・ユーザ・インタフェースとを有するシステムに関する。
【0003】
本発明は更に、精密な対話点を規定する方法にも関する。
【0004】
本発明は更に、表示手段における移動可能なカーソルを配置するためのコンピュータプログラムにも関する。
【背景技術】
【0005】
冒頭に述べられるようなグラフィック・ユーザ・インタフェースの実施形態は、米国特許第5,872,559号より知られる。その知られたグラフィック・ユーザ・インタフェースは、ユーザとの対話を可能にするよう配置される、適切なタッチスクリーンのタッチパッドのような対話領域を有する。斯かる対話のために、ユーザは、タッチパッドの領域上に適切なポインティングデバイスを置かなければならない。それにより、グラフィック・ユーザ・インタフェースについての予めプログラムされた反応が作動する。知られたグラフィック・ユーザ・インタフェースにおける特定の実施形態において、タッチパッドは、ポインティングデバイスの動き、例えばユーザの指に追随するよう整えられる。この目的のため、その知られたグラフィック・ユーザ・インタフェースに関連付けられるコンピュータの適切なオペレーティングシステムは、まず、ユーザが動かす指の下のタッチスクリーンピクセル座標を検出し、それに応じて、タッチパッドの新しい領域が、タッチスクリーン上のその新しい位置で指の下にあるタッチスクリーン領域であると規定し直すよう整えられる。ユーザの指の領域は、実際は、増加された寸法を持つカーソル(cursor with increased dimensions)である。新たなタッチパッドが規定されるとき、ユーザは、指を実質的にタッチパッドの領域の上に完全に置くことによりグラフィック・ユーザ・インタフェースと対話することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
知られたグラフィック・ユーザ・インタフェースの不利な点は、ユーザとの対話を可能にするために、グラフィック・ユーザ・インタフェースが、ポインティングデバイスにより作動されることになるタッチスクリーン上のピクセル領域を必要とすることである。指がポインティングデバイスとして選択される場合、スクリーン上で最も作動可能な可能性のあるアイテムの数は、結果として生じるカーソルの面積が大きいことから減少する。また、指を用いてアイテムを作動させるとき、スクリーン情報の表示が指により邪魔され、そこで、可能性として(possibly)対話点の不正確な配置をもたらす。この問題は、描画アプリケーションにおいて特に顕著である。
【0007】
本発明の目的は、ユーザが高い精度で対話点を配置する(position)ことが可能にされるグラフィック・ユーザ・インタフェースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースにおいては、精密な対話点が、前述の配置を可能にするためカーソルに割り当てられ、前述の精密な対話点は、ユーザが規定可能な固定対話点とユーザが規定可能な移動可能対話点との間の距離のプリセットされた割合(fraction)において規定される。
【0009】
本発明の技術的な手段は、カーソル又はポインティングデバイスの実際の大きさが、スクリーンにおけるカーソルセッティングの動作には不要であるようなポインティングシステムを作成することが可能であるという洞察に基づかれる。従って、精密な対話点が配置されるべきスクリーンにおける2点と、それらの間の距離についての割合とを規定すれば十分である。第2の点は移動可能であるので、第1の対話点をどこに配置するかも重要ではない。なぜなら、精密な対話点の結果として生じる位置は、その移動可能な点を再度適切に配置することにより、対話的かつリアルタイムに容易に修正されることができるからである。有利には、精密な対話点がセットされることになるターゲット領域は、固定及び移動可能な対話点により邪魔されることはない。更に、グラフィック・ユーザ・インタフェースでの対話のためにどのポインティングデバイスが選択されるかも重要ではない。従来の矢印又はクロスバーのような小さなカーソルに対して、結果として生じるそのカーソルのスクリーン位置に対応するピクセル位置は、矢印の先端、又は画像における幾何学的な中心、又はスクリーンにおけるカーソル表現に関連付けられる任意の他の座標に割り当てられることができる。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いれば、従来の矢印のような小型のカーソルでさえ、その配置に関する精度が実質的に増加される。なぜなら、ユーザは矢印の先端を観測する必要も、ユーザが選択したい対象へ矢印を向ける必要もないので、ターゲットとなる対象又はスクリーン領域の近くのどこかへカーソルを置けば十分だからである。十分な寸法のカーソル、例えば、タッチスクリーンに対する指の先端にとっては、例えばその指の先端領域の中心に対応する単一の基準ピクセルを規定すれば十分である。全体のカーソル位置を規定する他の可能性は、当業者の技術スキルに含まれるものであり、同様に予期される。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースは、タッチスクリーンと、指、ペン及び光線ビームなどの実質的な寸法のカーソルとを用いるアプリケーションに対して特に有利である。なぜなら、そのカーソルは、ユーザが対話するスクリーン領域を邪魔することがないからである。本発明は、パーソナルコンピュータ、携帯電話及び電子スケジュール帳(electronic agenda)を含む携帯型電子装置に備えられる小さな画面に対して特に有利である。実質的な寸法のディスプレイを通常具備する固定デバイスに対して、斯かるディスプレイの対話領域内に配置される選択可能なアイテムの量は増加されることができる。なぜなら、そのアイテムの選択は、そのアイテムの領域のどこかに配置される単一のピクセルにより可能にされるからである。そのアイテムは、タッチパッド、市街地の地図における対象物、小さなアイコンなどとすることができる。そのアイテムは、例えば、領域を描く又は基準点を配置する等のために用意される画像のような、ユーザにより編集されることが予想される画像の一部とすることもできる。これらの特徴を処理する精度は、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いて有利に改善される。固定対話点と移動可能な対話点との間の距離の割合を設定する様々な可能性が考えられる(possible)。精密な対話点が、固定対話点と移動可能な対話点との間に位置されることになる場合には、その割合を1より小さい数に設定することが可能である。本実施形態においては、その割合を0.5距離で規定することが可能であり、従って、精密な対話点が正確に中点に位置することを確実にする。この設定は、ユーザが選択したい対象物の側に固定対話点を設定し、そして、移動可能な対話点をその対象物の反対側に配置するような選択処理に対して有利である。この特徴は、数ピクセルの対象物に対して特によく機能する。描画処理に対しては、その割合を1よりずっと少なく、例えば0.1といったオーダーで設定すると有利であろう。結果として生じる精密な対話点は、固定対話点の近くに存在することになり、それは第1の推定(guess)として使用される。また、その割合を1より大きな数に設定することも可能である。この場合、精密な対話点は、ユーザが規定する2つの対話点を結ぶ線の外側に存在することになる。その精密な対話点は、固定対話点と移動可能な対話点とを結ぶ線の外側に代替的に位置されることもできることに留意されなければならない。この場合、例えば、追加的な基準対象物が使用され、その精密な対話点の位置は、この基準対象物と、その固定対話点及び移動可能な対話点を結ぶ線に垂直な線との交差点として規定される。
【0010】
本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの実施形態において、精密な対話点の正確な位置は、移動可能な対話点の操作の間ユーザに対して連続的に表示されている。本発明を実行するためには、原理上は、距離の割合をユーザに対して推測的(a-priori)に開示すれば十分である。その距離の割合は、それから、単一のステップで精密な対話点を設定するのに使用される。しかしながら、あるアプリケーションにおいては、例えば描画においては、その精密な対話点の位置を連続的に表示することを可能にし、従って、この位置のリアルタイムな修正を可能にすることが有利である。ユーザが、その精密な対話点の配置に満足できない場合には、移動可能な対話点を変位することができ、こうして精密な対話点の位置を満足行くまで規定し直すことができる。
【0011】
本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの追加的な実施形態においては、そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、更に、画像を表示し、複数の相互接続された精密な対話点を用いて画像領域における等高線を規定することを可能にするよう整えられる。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの本実施形態は、例えば患者の画像における注目領域を高い精度で描画することが求められるような、医療データを処理する分野において特に有益である。特に、斯かる描画が手術中に実行されるとき、施術者が着用しなければならない無菌グローブにより指の感度が減少しても、注目領域の規定における品質が低くなることはない。
【0012】
本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの追加的な実施形態によれば、複数の精密な対話点が規定可能であり、そのグラフィック・ユーザ・インタフェースは、少なくとも2つの精密な対話点間の幾何的な測定を可能にするよう更に整えられる。画像における高精度の平面的な(planometry)測定を実行することを目的とするアプリケーションに対して、精密な対話点を与えることが特に有利であることが分かった。様々な平面的な測定が予想され、それは距離、角度、その精密な対話点により規定される対象物間の一致係数などを含むがこれらに限定されない。この特徴は、インプラントの計画のような術前分析のための画像データに関する測定を実行するのに特に有利である。
【0013】
本発明によるシステムにおいて、そのデバイスの設定は、精密な対話点を用いて実行される選択に基づきカスタマイズされることになる。様々な計算システムが、コンピュータ補助(added)制御の分野で知られている。本発明によるシステムは、有利には、精密な対話点を用いてカーソルを配置するよう整えられるグラフィック・ユーザ・インタフェースを具備し、グラフィック・ユーザ・インタフェースに関して上述されたような、精密な対話点を伴い動作することの利点を全て含む。
【0014】
本発明によるシステムの実施形態においては、カスタマイズ可能なデバイスが、放射される放射線の空間的な範囲を設定に基づき決定するよう整えられる制御手段を有する放射線放出器を有し、その設定は、画像データにおける複数の相互接続された精密な対話点を用いて規定される等高線により規定可能であり、その画像データは、グラフィック・ユーザ・インタフェース上に与えられる。
【0015】
放出される放射線の空間的な範囲を画像データに描画された等高線に基づき規定するよう整えられるシステムの実施形態は、同出願人による米国特許出願公開第2002/0051516A1号により知られる。そこでは、X線装置が考慮される。知られたX線装置は、実際の送信画像を示すグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いて描画される注目領域に基づき、結果として生じるX線ビームを規定するコリメータを設定するよう整えられる。画像におけるある領域が遮へいされる場合、施術者は、実際の画像上に等高線を描く。その知られたX線装置の制御手段は、描画済み注目領域に基づき所定のアルゴリズムを用いてコリメータ設定を推定するよう整えられる。知られたカスタマイズ可能なデバイスの問題は、コリメータ設定の精度が、等高線描画の精度に必然的に依存することである。等高線が手術中の設定下で描画されることになる場合には、その精度は非常に減少する。なぜなら、施術者は通常無菌グローブをはめており、タッチスクリーンも無菌プラスチックの層で保護されているからである。指を用いて描画するとき、ポインティングデバイス(グローブ内の指又はカバー内のペン)とタッチスクリーンとの間に少なくとも2つの素材層が存在することが原因で、結果としてカーソルの配置の精度は減少する。更に、ポインティングデバイスは、その下の画像領域を直接に邪魔し、カーソルを配置する精度を減少させる。
【0016】
本発明の技術的な手段によれば、従来技術のすべての欠点は緩和される。なぜなら、カーソルを配置することは、精密な対話点に基づき可能にされるからであり、その利点は、前述されたグラフィック・ユーザ・インタフェースを参照して説明される。
【0017】
本発明による精密な対話点を規定する方法は、
−移動可能なカーソルを表示するよう整えられるディスプレイ手段を与えるステップと、
−前述の移動可能なカーソルを用いて前述のディスプレイ手段における第1の対話点を規定するステップと、
−前述の第1の対話点に対応する第1のピクセル位置を計算するステップと、
−前述の移動可能なカーソルを用いて前述のディスプレイ手段における第2の対話点を規定するステップと、
−前述の第2の対話点に対応する第2のピクセル位置を計算するステップと、
−前述の第1のピクセル位置と前述の第2のピクセル位置とから前述の精密な対話点のピクセル位置を計算するステップと、
−前記計算されたピクセル位置に前述の精密な対話点を表示するステップとを有する。
【0018】
本発明のコンピュータプログラムによるコンピュータプログラムは、
−ディスプレイ手段における移動可能なカーソルを動作させることに対する指示と、
−前述の移動可能なカーソルを用いて前述のディスプレイ手段における規定可能な第1の対話点に対応する第1のピクセル位置を計算することに対する指示と、
−前述の移動可能なカーソルを用いて前述のディスプレイ手段における規定可能な第2の対話点に対応する第2のピクセル位置を計算することに対する指示と、
−前述の第1のピクセル位置と前述の第2のピクセル位置とから前述のカーソルに対する精密なピクセル位置を計算することに対する指示と、
−前述の精密なピクセル位置で前述のカーソルを配置することに対する指示とを含む。
【0019】
精密なピクセル位置を用いてディスプレイ手段における移動可能なカーソルを配置するよう整えられる専用のコンピュータプログラムを与えることが有利であることが分かった。本発明によるコンピュータプログラムは、従来のカーソル配置ソフトウェアの更新として、適切なコンピュータ手段にロードされることができる。好ましくは、本発明によるコンピュータプログラムは、CD-ROMのようなポータブルメディアに格納される。また、本発明によるコンピュータプログラムは、インターネットサイトからダウンロードされることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のこれら及び他の側面は、図面を参照して一層詳細に説明されることになる。そこでは、同じ参照符号は同じアイテムを表している。
【0021】
図1は、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの概略図を表す。グラフィック・ユーザ・インタフェース9は、ユーザとの対話を可能にするよう整えられる適切なコンピュータプログラムである。そのコンピュータプログラムは好ましくは、プロセッサ6によりアクセス可能なデータベース8における実行可能なコードとして格納される。グラフィック・ユーザ・インタフェース9は、適切なディスプレイ手段3上に視覚化されることができる。適切なディスプレイ手段の例示は、モニタ又はタッチスクリーンである。グラフィック・ユーザ・インタフェース9は、有利には、対話ウィンドウ5に示される、タイプ5aの操作可能アイテムを具備する。タイプ5aのアイテムの絶対寸法は、数ピクセル程度の小さいものとすることができる点に留意されなければならない。アイテム5aは、プロセッサ6の特定の機能を作動させるよう整えられ、例えば、プロセッサの所定の事前プログラムされた機能に対応するコンピュータコードを実行する。当業者は、本発明から逸脱することなく複数の機能を実践できることを理解されるであろう。ユーザとの対話を可能にするために、グラフィック・ユーザ・インタフェース9は、所望のアイテムを作動させるべくユーザにより操作される(図示省略された)移動可能なカーソルを具備する。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースにおけるカーソルを配置することは、精密な対話点を用いて可能にされるので、アイテム5aの絶対的な大きさは最小化されることができ、従って、できるだけ多くのアイテム5aがスクリーン上に存在することを可能にする。更に、グラフィック・ユーザ・インタフェース9は、ユーザがその中に対象物7aを描くことを可能にするグラフィックウィンドウ7を有することができる。本発明によれば、描画処理もまた、精密な対話点を用いて実行され、従って、描画処理の精度を増加させる。精密な対話点を設定する手順は、図2aから図2dを参照して一層詳細に説明されることになる。カーソルを操作するために、グラフィック・ユーザ・インタフェースは、従来のマウスデバイス4又はキーボード2のようなカーソル配置手段を具備することができる。ディスプレイ手段3がタッチスクリーンである場合、ユーザはカーソルを配置するために特殊なポインティングデバイス(図示省略)又は指を用いることができる。最終的なカーソル位置が精密な対話点に基づき設定されるという事実により、ユーザは、ターゲット領域がそのポインティングデバイス又は指により邪魔されないよう、高精度でカーソルを設定することを可能にされる。
【0022】
図2aは、精密な対話点を配置する第1の実施形態を概略的な態様で表す。この目的のため、指先操作されるタッチスクリーンを用いる例が示される。グラフィック・ユーザ・インタフェース9aは、ユーザが規定可能な固定対話点11とユーザが規定可能な移動可能な対話点13とを用いて精密な対話点17をユーザが設定することを可能にする。その精密な対話点は、固定対話点11と移動可能な対話点13とを通る線15上の、それらの点11、13間の距離bについての所定の割合aの位置に設定される。従って、指先の実質的な領域は、単一のピクセルカーソルへ減らされ、そして、配置精度を改善する。好ましくは、両方の点11、13は、視覚的なフィードバックのため精密な対話点17の実際の位置と共に、精密な対話点17を設定する手順の間、ユーザに示される。ユーザが精密な対話点17の現在の位置に満足しない場合、移動可能な対話点13を更に動かし、こうして、満足できるまで精密な対話点を配置し直す。通常、ユーザの利便性のために、割合の値は、点11、13間の中点での精密な対話点を生み出す0.5に設定される。また、その割合は、固定の対話点11により近い精密な対話点を配置するため、0.5より少ない値に設定されることができる。更にまた、その割合は、移動可能な対話点13により近い精密な対話点を配置するため、0.5より大きいが1.0より少ない値に設定されることができる。
【0023】
図2bは、精密な対話点を配置する第2の実施形態を概略的な態様で表す。本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェース9bのこの特定の実施形態において、割合の値は、1より大きい値に設定され、結果として精密な対話点17の配置が、固定対話点11と移動可能な対話点13との間の線15の外側に存在することをもたらす。
【0024】
図2cは、精密な対話点を配置する第3の実施形態を概略的な態様で表す。この実施例におけるグラフィック・ユーザ・インタフェース9cは、タッチ感応(touch-sensitive)領域9c''と、非タッチ感応領域9c'とを有する。割合の値を1より大きい値、それは例えば2と5との間の値であり、好ましくは2.5に設定することにより、タッチ感応領域を超えて精密な対話点を配置する(seed)ことを可能にする。この特徴によれば、グラフィック・ユーザ・インタフェースの非タッチ感応領域に位置する選択可能な対象物Oに届くことが可能である。タッチ感応領域を提供することは、洗練された技術を必要とするので、斯かるスクリーンの価格を増大させるが、本発明の技術的な手段によれば、スクリーン上でのタッチ感応領域の必要数を最小限にすることができ、従って、グラフィック・ユーザ・インタフェースにおける任意の位置で対話点を見ることができる可能性を残す。
【0025】
図2dは、精密な対話点を配置する第4の実施形態を概略的な態様で表す。この場合、精密な対話点17の位置は、所定の曲線L3と、固定対話点11及び移動可能な対話点13の間の線15に垂直に伝播する割合線(fraction line)cとの交差点により規定される。この実施形態は、有利には、曲線上、例えば血管Vの中間線にある対話点を配置することが必要とされるような、描画アプリケーションに適用可能である。この場合、好ましくは適切なセグメント化技術を用いて、血管Vの中線L3が規定される。この実施形態において、まず、固定対話点11が血管上のどこかに配置される。それから、移動可能な対話点13が配置され、結果として生じる精密な対話点は、割合線cと基準線L3との間の交差点において幾何学的に得られる。好ましくは、精密な対話点17を配置する前に、グラフィック・ユーザ・インタフェースは、その現在の位置をユーザにフィードバックする。ユーザは、必要であれば精密な対話点を配置し直すことができる。
【0026】
図3は、本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いる描画アプリケーションの実施形態を概略的な態様で表す。この実施形態もまた、ユーザが指21を用いて処理し、タッチスクリーンと対話する状況に対して説明される。描画アプリケーションの例は、画像、例えば医療画像7aを編集することである。技術的な描画又はデジタル写真の編集を含むがこれらに限定されない、適切な描画アプリケーションの他の実施形態が同様に予期される。医療画像7aに対して、調査対象のターゲット領域又は器官の等高線を描くことが望ましい場合がある。この例においては、血管18が使用される。血管18の配列を描くためには、ユーザはまず指21で固定対話点11を配置(seed)する。スクリーンピクセルに対話点を割り当てる手順は、それ自体は知られており、ここでは詳述されることはない。次に、ユーザが移動可能な対話点13を規定するとすぐ、精密な対話点17がユーザに対して表示される。この例においては、精密な対話点のグラフィック表現が明確さのために際立たせて描かれている。従って、そのグラフィック表現は、精密な対話点の実際の位置に対応するピクセルの位置をユーザに対して示すためのクロスワイヤ17aを有することができる。ユーザが精密な対話点の現在の位置に満足できない場合、満足がいくまで指21を配置し直すことができる。精密な対話点の対応する位置は、リアルタイムに更新される。精密な対話点を処理するとき、構造を高精度で配列させることが可能である。斯かる構造の例は、血管壁19の描画により与えられる。更に、複数の精密な対話点17がグラフィックスウィンドウ7内に規定されるとき、こうした点を用いて平面的な測定を実行することが可能である。結果として生じる測定は、増加された精度を持つ。この例においては、配列線19を用いて、血管18の直径23の測定が示される。
【0027】
図4は、本発明によるシステムの実施形態を概略的な態様で表す。この特定の実施形態において、X線デバイス41は本発明によるカスタマイズ可能なデバイスとして選択される。X線デバイス41は、X線源40から拡散するX線のビーム42を放出するよう整えられる。ビーム42は、コリメータ(図示省略)のセットを用いてカットオフされる。検査される患者(図示省略)は、X線源40とX線検出器44との間に配置される。斜位表示を可能にするために、X線源40とX線検出器44とはガントリ46を用いて回動可能にマウントされ、ガントリはスタンド48に対して回動される。患者データDが制御手段37に与えられ、それは表示手段6にフォワードされることになる画像データを再構築するよう整えられる。表示手段6は、結果として生じる画像データ7を視覚化し、ユーザの選択に基づきX線デバイスの設定を修正するようユーザ対話を可能にするグラフィック・ユーザ・インタフェース9を有する。複数の可能性が考えられる。まず、ユーザは、コントロールパネル(図示省略)を作動し、適切なコントロールボタンを用いてそのデバイス41の電気的設定の変更を選択することができる。例えば、ガントリスタンド及び/又は患者支持台のスタンドが、ユーザの望みに基づき変化されることができる。この次に、本発明によるシステムは、画像7上にユーザにより描画された等高線7aに基づきデバイスの設定を修正するよう整えられる。等高線7aは、図2aから図2dを参照して説明される精密な対話点を用いて描画される。等高線描画が終わると、制御手段37は、好ましくは所定のルックアップテーブル33を用いて、等高線の画像ピクセル位置をコリメータ設定へと変換する。対応するコリメータ設定が決定されると、結果として生じるX線ビーム42を等高線7aに自動的に適合させるよう、適切な制御信号伝達手段35が制御信号Sをコリメータブロック又はコリメータ薄板(lamella)を駆動するモータに適用する。好ましくは、等高線7aは、X線ビーム42に従うと考えられる注目領域を決定する。X線源40が、画像フィールドをイネーブルにするマルチリーフ・コリメータを伴って整えられていない場合、コンピューティング手段31は、長方形又は正方形のフィールドを用いて等高線7aへの最適な適合を計算する。X線デバイスの設定がカスタマイズされるとき、患者処理の手順が続行され、新たな画像データDが表示手段6に与えられる。非常に特殊な実施形態がこの図において示されるという事実にも関わらず、当業者は本発明の教示を逸脱することなく、この実施形態の複数の修正が可能であることを容易に理解するであろうことは理解されなければならない。例えば、X線ユニットは、精密な対話点を用いて動作するグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いて、ユーザがその装置の設定をカスタマイズすることができるような、磁気共鳴画像化装置により置き換えられることができる。X線ユニットに関して言えば、ユーザは、複数の精密な対話点、グラジエントコイルの設定、及びこうして規定された注目領域の表示を可能にするようそれに従って設定される励起パルスを用いて、注目領域を規定することができる。本発明によるシステムが超音波画像化装置を用いて動作する場合、周波数及び/又はアレイにおける作動されたトランスデューサの数は、選択に基づき、又はグラフィック・ユーザ・インタフェースの精密な対話点を用いてユーザにより規定される等高線に基づきカスタマイズされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースの概略的な表示を表す図である。
【図2a】精密な対話点の配置の第1の実施形態を概略的な態様で表す図である。
【図2b】精密な対話点の配置の第2の実施形態を概略的な態様で表す図である。
【図2c】精密な対話点の配置の第3の実施形態を概略的な態様で表す図である。
【図2d】精密な対話点の配置の第4の実施形態を概略的な態様で表す図である。
【図3】本発明によるグラフィック・ユーザ・インタフェースを用いる描画アプリケーションの実施形態を概略的な態様で表す図である。
【図4】本発明によるシステムの実施形態を概略的に表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと対話するための対話領域を有するグラフィック・ユーザ・インタフェースであって、前記グラフィック・ユーザ・インタフェースは、前記対話領域内のカーソルを配置するようにされ、前記配置を可能にするよう、精密な対話点が前記カーソルに割り当てられ、前記精密な対話点は、ユーザが規定可能な固定対話点とユーザが規定可能な移動可能対話点との間の距離に関するプリセットされた割合で規定される、グラフィック・ユーザ・インタフェース。
【請求項2】
前記精密な対話点の実際の位置が、前記移動可能対話点の操作の間前記ユーザに連続して表示される、請求項1に記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
【請求項3】
前記グラフィック・ユーザ・インタフェースが更に、画像を表示し、かつ複数の相互接続された精密な対話点を用いて、画像領域内の等高線の規定を可能にするようにされる、請求項2に記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
【請求項4】
複数の精密な対話点が規定可能であり、前記グラフィック・ユーザ・インタフェースは更に、少なくとも2つの精密な対話点間の幾何学的な測定を可能にするようにされる、請求項2に記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
【請求項5】
前記グラフィック・ユーザ・インタフェースが、コンピュータコードに割り当てられる制御ボタンの領域に前記カーソルを配置するイベントに応じて、前記コンピュータコードを処理するようにされる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のグラフィック・ユーザ・インタフェース。
【請求項6】
カスタマイズ可能なデバイスと請求項1乃至5のいずれか一項に記載のグラフィック・ユーザ・インタフェースとを有するシステムであって、前記デバイスの設定が、精密な対話点を用いて実行される選択に基づきカスタマイズされる、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、請求項3に従属させるとき、前記カスタマイズ可能なデバイスが、制御手段を有する放射線放出器を有し、放出される放射線の空間的範囲は、前記制御手段の設定に基づき決定され、前記設定が、等高線により規定可能である、システム。
【請求項8】
精密な対話点を規定する方法において、
−移動可能なカーソルを表示するようにされるディスプレイ手段を与えるステップと、
−前記移動可能なカーソルを用いて、前記ディスプレイ手段における第1の対話点を規定するステップと、
−前記第1の対話点に対応する第1のピクセル位置を計算するステップと、
−前記移動可能なカーソルを用いて前記ディスプレイ手段における第2の対話点を規定するステップと、
−前記第2の対話点に対応する第2のピクセル位置を計算するステップと、
−前記第1のピクセル位置と第2のピクセル位置とから前記精密な対話点のピクセル位置を計算するステップと、
−前記計算されたピクセル位置に前記精密な対話点を表示するステップとを有する方法。
【請求項9】
前記第1の対話点が固定であり、前記第2の対話点は移動可能であり、前記方法が、連続的に前記ピクセル位置を表示するステップを更に有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ディスプレイ手段における移動可能なカーソルを配置するためのコンピュータプログラムであって、
−ディスプレイ手段における前記移動可能なカーソルを動作させることに対する指示と、
−前記移動可能なカーソルを用いて前記ディスプレイ手段における規定可能な第1の対話点に対応する第1のピクセル位置を計算することに対する指示と、
−前記移動可能なカーソルを用いて前記ディスプレイ手段における規定可能な第2の対話点に対応する第2のピクセル位置を計算することに対する指示と、
−前記第1のピクセル位置と前記第2のピクセル位置とから前記カーソルに対する精密なピクセル位置を計算することに対する指示と、
−前記精密なピクセル位置に前記カーソルを配置することに対する指示とを含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−536666(P2007−536666A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512616(P2007−512616)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051385
【国際公開番号】WO2005/106636
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】