説明

ユーザと認可手段とのバイオリンク付け

認可を必要とする装置(140)をユーザ(111)が使用することを認可するシステム(100)に係る。このシステムは、ユーザを識別するよう構成される識別手段(130)と、認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可するよう構成される認可手段(120、320)と、ユーザと認可手段との間にバイオリンクを確立し且つ該バイオリンクをモニタリングするよう構成される少なくとも1つのリンク付け手段(110)とを含み、少なくとも1つのリンク付け手段は更に、識別手段による有効ユーザ識別に応答して、認可手段をアクティブにするよう構成される。認可手段は、バイオリンクが有効である間のみアクティブである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可するシステムであって、このシステムは、その装置をユーザが使用することを認可するよう構成される認可手段を有するシステムと、その装置をユーザが使用することを認可する方法に係る。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,461,812号は、例えば、銃といった武器が認可されていない人により使用されることを防御する方法を開示する。システムは、武器の所有者の指に着用しなければならない指輪を特徴とする。指輪が指に付けられると常に、安全な場所に保管された有効化装置が、武器と指輪の両方に信号を送信するよう使用されなければならない。使用時には、指輪内に格納された信号が武器に伝送され、伝送された信号は武器内に格納された信号と比較され、それにより、指輪を付けた人が武器を操作することを可能にする。指輪を付けた人が、その武器を使用可能である。指輪は、スイッチクロージャを与えることによりユーザの指に指輪が着用されているか否かを検出するスイッチ機構を有する。
【0003】
しかし、例えば、何かを指輪に詰め込むことにより、スイッチを開くことなく指輪を外すことができる。このようにすると、認可されていない人が、指輪、即ち、認可手段を使用して、その武器を使用することが認可されていると見せかけることが可能である。従来技術において周知であるこの方法は、十分に安全ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術のシステムの欠点を回避することと、より安全な認可のための方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可するシステムが、ユーザを識別するよう構成される識別手段と、認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可するよう構成される認可手段と、ユーザと認可手段との間にバイオリンクを確立し且つ該バイオリンクをモニタリングするよう構成される少なくとも1つのリンク付け手段とを含み、少なくとも1つのリンク付け手段は更に、識別手段による有効ユーザ識別に応答して、認可手段をアクティブにするよう構成され、認可手段は、バイオリンクが有効である間のみアクティブであることにより実現される。
【0006】
少なくとも1つのリンク付け手段が、ユーザと認可手段との間にバイオリンクを確立した後、このバイオリンクは、そのバイオリンクが有効である、例えば、認可手段はユーザに取り付けられていることを確認するようモニタリングされる。認可手段は、識別手段を用いることによってユーザが自分の本人性を証明した場合にアクティブにされ得る。認可手段は、バイオリンクが有効である限りアクティブであり得る。認可手段は、アクティブとなると、ユーザから直接入力を求めるのではなく少なくとも1つの、認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可するために使用可能となる。
【0007】
本発明のシステムは、ユーザと認可手段との間のバイオリンクの存在を特徴とする。バイオリンクは、認可手段が認可されたユーザにより所有されているか否かを信頼度が高く決定することを可能にする。そうでない場合は、誰でも認可手段を使用できてしまう。バイオリンクは、例えば、呼吸音、心拍等の連続リンクを中断することなく偽ることが非常に困難である、例えば、バイオメトリックパラメータであるユーザに関連するパラメータの連続測定に基づいている。
【0008】
このようにして、本発明は、認可を必要とする装置を使用したいときに常にその装置に対し自分の本人性を証明する手順を、安全に回避することをユーザに可能にする。本発明は、妨害的又は侵略的になることなく認可を繰り返す必要性を阻止する非常に安全な方法を提供する。
【0009】
多数のリンク付け手段がある場合、認可手段は、バイオリンクが有効であり且つ識別手段によって認可されたユーザであるとしてユーザが識別されると、それらの複数のリンク付け手段のうちのいずれかによってアクティブにされ得る。
【0010】
認可を必要とする装置は、その装置をユーザが使用することを許可するために、アクセスコード、即ち、識別データを求めるよう構成され得る。本発明のシステムは、認可手段は有効ユーザ識別後に識別手段からそのコードを得、また、当然ながら、バイオリンクが有効である場合に、認可手段は得たコードを、認可を必要とする装置に供給し得るよう構成され得る。
【0011】
リンク付け手段によって得られるパラメータのバイオメトリック測定値は、1つ以上の値を格納された識別データと比較することによって、ユーザ識別のために識別手段によって使用され得る。従って、本発明のシステムは、例えば、人間に対して虹彩走査、指紋といった使用するバイオメトリックデータが一意である場合は、常にユーザを正しく認識する。
【0012】
或いは、認可手段は、アクセスコードの代わりにリンク付け手段によって得たバイオメトリック測定値を使用するよう構成され得る。アクセスコードは、基本的に、認可を必要とする装置を使用するためのユーザの正しい認可を妨げない暗号化技術を使用して伝送され得る。
【0013】
本発明の目的は更に、認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可する方法が、ユーザを識別する段階と、ユーザと、認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可するよう構成される認可手段との間にバイオリンクを確立し且つ該バイオリンクをモニタリングする段階と、有効ユーザ識別に応答して、認可手段をアクティブにする段階とを有し、認可手段は、バイオリンクが有効である間のみアクティブであることにより実現される。
【0014】
本発明の方法の段階は、上述したシステムの動作を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の上述及び他の面は、添付図面を参照しながら更に説明及び記載する。
【0016】
図1は、本発明のシステム100の実施例を示し、このシステムは、バイオセンサとも称する、少なくとも1つのリンク付け手段110と、認可手段120と、識別手段130と、認可を必要とする装置140を有する。バイオセンサ110、即ち、リンク付け手段は、ユーザ111と認可手段120(又は認可ユニット)との間にバイオリンクを確立しそのバイオリンクをモニタリングするよう構成される。認可ユニット120は、認可を必要とする装置140をユーザ111が使用することを認可するよう構成される。識別手段130(又は識別ユニット)は、ユーザ111を識別するよう構成される。認可を必要とする装置140は、その装置を使用するためには認可を必要とする装置であり得る。
【0017】
バイオリンクがユーザと認可ユニットとの間に確立され、また、ユーザが識別ユニットにより有効に識別されると、バイオセンサは、バイオリンクが有効である限り認可を必要とする装置をユーザが使用可能であるよう認可ユニットをアクティブにし得る。当然ながら、ユーザが本物である、即ち、識別され、また、認可ユニットがユーザに「取り付けられる」、即ち、バイオリンクが有効であると確認された後に認可ユニットをアクティブにするのがより安全である。しかし、認可ユニットは、例えば、システムが、ユーザは室内で1人であり、部屋から出ることがなかったことによりユーザは同じ人であると判断する場合、ユーザ識別なしでもバイオリンクが確立されるとアクティブにされ得る。上述したシステムからの他の変形も可能である。
【0018】
バイオセンサ110は、ユーザと認可ユニット間のバイオリンクをモニタリングすることにより、ユーザが認可ユニットを所有しているか否かを決定可能である。バイオリンクを用いることにより、システムは、他の誰でもなく識別された、即ち、意図するユーザだけが、認可ユニットを使用することを正真正銘に決定可能であり、そして、認可を必要とする装置をユーザが使用することを可能にする。
【0019】
バイオセンサによって確立される、ユーザと認可ユニット間のバイオリンクは、生物としてのユーザに関係する一部の生物学的機能に関連し得る。この生物学的特徴は、ユーザが正常な物理状態にある限り連続的である、即ち、実質的に同じであるか又は僅かに変化し得る。バイオセンサは、例えば、そのような特徴のうちの少なくとも1つを感知するようモニタリングするよう構成され得る。感知された特徴が感知可能である、及び/又は、ある範囲内で変化する限り、バイオリンクは中断されておらず、有効であると考えられる。バイオリンクが幾らかの時間の間途絶えると、認可ユニットは、認可されているユーザにもはや取り付けられていないことを意味し得る。
【0020】
認可ユニットは、認可を必要とする装置に対してユーザを識別するよう構成されるので、ユーザは、ユーザを認可するためのこの装置からのリクエストにより煩わされることがない。このようにして、システムは、認可を必要とする装置に対しユーザを繰り返し認可する非常に安全な方法を提供する。
【0021】
バイオセンサは、温度、呼吸音、心拍、電位等の少なくとも1つのバイオメトリックパラメータを測定するよう構成され得る。
【0022】
幾つかのバイオセンサの例を、図2に示す。バイオセンサは、耳たぶに通されたピンの両端の電位210を測定するよう構成され得る。バイオセンサは、1つ又はたくさんの測定されたパラメータが少なくとも1つの所定閾値を超えると、認可ユニットを非アクティブにするよう構成され得る。電位が特定の値内で連続的に維持される限り、イヤリングは、耳に付けられていると考えられる。バイオセンサは、例えば、アラームの形で、バイオリンクが切断したことをユーザに通知するよう構成され得る。
【0023】
バイオセンサは、指における心拍を測定するよう構成される指輪220であり得る。心拍が、深刻な不連続性を示さない限り、指輪は、ユーザの指の周りにあると考えられる。
【0024】
別の例では、バイオセンサは、腕時計/手首界面における温度を測定するよう構成される腕時計230であり得る。更なる例では、装置240、例えば、ベリーボタンは、呼吸の音を感知するよう構成され得る。更なる例では、裾に位置付けられる装置250は、温度と光レベルの組み合わせを測定するよう構成され得る。更なる例では、バイオセンサ260は、皮膚の抵抗力を測定するよう構成されるパッチであり得る。更なる例では、バイオセンサ270は、靴の中の湿度を測定するよう構成され得る。更なる例では、バイオセンサは、接触電流を測定するよう構成される携帯情報端末(PDA)といったウェラブル計算装置であり得る。更なる例では、バイオセンサは、ユーザの舌に通されることにより舌に取り付けられるか、又は、バイオセンサは、飲み込まれるカプセルであるか、又は、ベルトのバックル等であり得る。
【0025】
尚、認可ユニット及び/又はバイオセンサは、ユーザの体に物理的に接触している必要は必ずしもない。
【0026】
システム100は、1つ以上のバイオセンサを有してもよい。システムは、同じバイオメトリック特徴を感知するよう構成される1つ以上のバイオセンサを有してもよい。特徴の測定値は、例えば、平均化することにより更に関連付けられるか、又は、バイオリンクは、少なくとも1つの測定値が容認可能である限り有効であると考えられ得る。
【0027】
識別ユニットによるユーザの識別と、認可ユニットのアクティブ化は、様々な方法で行われ得る。識別ユニットは、ユーザからユーザデータを獲得し、それを、システム内に格納される識別データと比較し得る。ユーザは、識別ユニットにより、ユーザデータを入力するよう要求されるか、又は、ユーザは、自分自身で入力を始めてもよい。本発明の1つの実施例では、識別ユニットは、鏡台の後ろのカメラを有し得、鏡台の前に立つ人、即ち、ユーザの顔の特徴を捕捉し得る。検出されたユーザの特徴は、次に、システム内に格納された特徴と照らし合わされる。別の例では、識別ユニットは、識別パスワードの入力を必要とする端末であり得る。更なる例では、識別ユニットは、例えば、腕時計といった装置の上面を覆うタッチセンシティブカバーを有し得る。カバーは、指紋を感知するよう構成される。更なる例では、識別ユニットは、ユーザが、例えば、玄関である入口を通り抜けるとユーザの体を走査することによりユーザデータを捕捉する走査装置を有し得る。更なる例では、ユーザは、虹彩走査のためにカメラを直接じっと見る必要がある。
【0028】
1つの実施例では、識別ユニットは、ユーザを識別するためにユーザとインタラクティブに通信するよう構成される入力/出力手段を有し得る。識別ユニットは、指紋又は声紋といったユーザに関連する特定のバイオメトリック測定値を得るよう構成され得る。1つの例では、識別ユニットは、ユーザが、ユーザN.N.であることを確認するリクエストをユーザに通信し得る。ユーザが、肯定返答を入力すると、識別ユニットは、ユーザの得たバイオメトリック測定値を、システム内に格納されたデータベース内にあるユーザ識別データと比較し得る。測定値とユーザ識別データが異なる場合、識別ユニットは、ユーザがユーザN.N.であることを認証することを拒絶し得、よりロバスト又は安全な識別手続きが開始され得る。
【0029】
本発明の認可ユニットは、様々な方法で具現化され得る。認可ユニットは、認可を必要とする装置に識別データを通信するためのワイヤレス通信ユニットを有し得る。識別データとは、認可を必要とする装置に対してユーザを認可するのに必要なデータであり得る。識別データは、周知の「ブルートゥース」技術を用いて認可を必要とする装置に供給され得る。別の例では、有線接続といった直接接触が、識別データを供給するのに用いられ得る。
【0030】
認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可する方法は多くある。例えば、識別ユニットは、認可を必要とする対応装置に対するユーザの認可のために必要な識別データを格納し得る。認可ユニットは、認可を必要とする装置に識別データを供給し得る。別の例では、認可ユニットがバイオセンサによりアクティブにされる場合は、認可ユニット自体が、認可を必要とする対応装置に対しユーザを識別するために使用され得る。
【0031】
本発明の1つの実施例では、識別ユニットと認可ユニットは、1つの装置に含まれてもよく、従って、識別データの伝送は必要でなくなる。
【0032】
本発明の1つの実施例では、認可ユニットとバイオセンサは、1つの装置に実装され得る。その場合、認可ユニットのアクティブ化は、単純な方法で実現され得る。認可ユニットとバイオセンサが1つの装置内に組み込まれない場合は、バイオセンサから認可ユニットへ、例えば、認可ユニットをアクティブにするためのアクティブ化コードを符号化する符号化技術を用いて、アクティブ化信号を安全に伝送する必要があり得る。
【0033】
更なる実施例では、システムは、多くのバイオセンサを有し得、各バイオセンサは、有効なバイオリンクを確立しまた有効なユーザ識別後に認可ユニットをアクティブにすることが可能である。
【0034】
更なる実施例では、システムは、1つ以上の認可ユニットを有し得る。各認可ユニットは、特定の認可ユニットとユーザとの間に、バイオセンサにより確立されモニタリングされる有効バイオリンクを得る必要があり得る。複数の認可ユニットのうちの1つの認可ユニットが、ユーザが識別ユニットにより識別されたという情報を受信すると、有効バイオリンクを有する全ての認可ユニットは、アクティブにされ得る。
【0035】
有効バイオリンクを有する任意の認可ユニットは、有効バイオリンクを有し、識別ユニットから識別データを既に得た認可ユニットから識別データを入手してもよい。このようにして有効バイオリンクを有する任意の次の認可ユニットは、必ずしも別個の識別を必要とせず、その識別データを、識別データを既に受信したバイオリンクを有する認可ユニットから得ることが可能である。従って、認可ユニットのうちの1つの認可ユニットとユーザとの間のバイオリンクが、例えば、数秒といった短い時間の間、一時的に失われても、ユーザは、識別ユニットによって再度識別される必要はない。
【0036】
1つの実施例では、幾つかの認可ユニットは、1つのバイオセンサだけ、従って、1つのバイオリンクだけを必要とし得る。同じバイオリンクを有するこれらの認可ユニットは、認可を必要とする様々な装置をユーザが使用することを認可するよう構成され得る。これらの認可ユニットは、対応して、認可を必要とする各装置に対し様々な識別データを入手する必要があり得る。識別ユニットは、認可を必要とする各装置に対応するそのような様々な識別データを格納し得る。
【0037】
識別データが認可を必要とする装置に供給された後、その装置は、識別データを、認可を必要とする装置内に格納される認可データと比較する。データが同一である場合は、ユーザは、その装置を使用することが許可され得る。認可を必要とする装置は、その装置をユーザが使用することを許可するよう認可ユニットによってその装置に供給された識別データを確認可能な任意の装置であり得る。このような認可を必要とする装置は、PDA、PC、テレビ受像機等の消費者電子装置、自動車、及び他の装置内に組み込まれ得る。当然ながら、1つ以上の、認可を必要とする装置が認可されたユーザにより使用されてもよい。
【0038】
図3は、ユーザ310を識別するよう構成される識別ユニット330と、腕時計320の形で構成される認可ユニット及びバイオセンサを示す。
【0039】
図3は、認可ユニット320のアクティブ化を示す。ユーザ310は、本発明の認可ユニットを有する腕時計320を身につける。この認可ユニットは、温度に反応する。認可ユニット320は、腕時計/手首界面における温度に基づいて連続的なリンク、即ち、バイオリンクを確立することによりバイオセンサを用いてユーザ310に関係付けられる。ユーザ310は外出する前に、髪を確認し得る。そうすることによって、ユーザは、自分の顔を、カメラを有する識別ユニット330に提供し得る。カメラは、次なる認識ユニットによる認識332のためにユーザの顔の画像331を獲得するよう構成され得る。ユーザが認識ユニットにより認識されると、識別ユニットは、認可ユニットをアクティブにするためのアクティブ化信号を、腕時計320内に含まれるバイオセンサに送信し得る。
【0040】
識別ユニットは、特定のユーザに関連付けられるコード335を含む識別データを格納し、また、上述の認識332の際にユーザに対応する識別データを取り出しするよう構成される。更に、識別ユニットは、識別情報335を、認可ユニットに伝送するよう構成され得る。認可ユニット320は、ユーザと認可ユニット320間のバイオリンクが消滅した場合には消去され得る識別情報を格納するメモリを有し得る。識別情報が消去されると、認可ユニットは、再びアクティブ化される必要があり得る。
【0041】
認可ユニットは、識別情報335を、認可を必要とする装置に供給することによって、その装置に対してユーザを識別するよう使用され得る。本発明は、認可ユニット320がアクティブにされる後、その手段320が、ユーザからの直接入力を要求する代わりに使用され得るという利点を有する。
【0042】
図4は、認可を必要とする装置470をユーザ310が使用することを認可する様子を示し、認可ユニット320は、アクティブにされていると想定する。ユーザ310は、車470、即ち、認可を必要とする装置に近付く。温度感性であるユーザの腕時計320を用いて、自動車470に対してユーザを識別し得る。認可ユニット320は、図3を参照して言及した識別情報335と同じであるか又は関連し得る識別コード430を自動車に送信し得る。次に、自動車は、扉のロックを解除し、運転手の座席をユーザの好みに合わせ、自動車のラジオをユーザの好みの局に切り換える等し得る。
【0043】
図5は、本発明の方法の実施例を示す。段階510において、バイオセンサ110は、ユーザ111と認可ユニット120間にバイオリンクを確立し得る。段階520において、識別ユニット130は、ユーザ111を識別し得る。ユーザが識別され、有効なバイオリンクが得られると、バイオセンサは、段階530において、認可ユニット120をアクティブにする。段階540において、バイオセンサは、確立されたバイオリンクが有効であるか否かをモニタリングする。アクティブ化後、認可ユニットは、段階550において、バイオリンクが有効である場合は、認可を必要とする装置140をユーザが使用することを認可するよう使用され得る。バイオリンクが有効でない場合は、識別及び/又はバイオリンクの再確立が必要となり得る。本発明の方法は、上述したシステムの動作を記述する。上述した本発明のシステムの実施例に対応する方法の更なる実施例も考えられ得る。
【0044】
本発明の1つの実施例では、テレビ受像機、ビデオレコーダ、又は、他の消費者電子装置は、それらを使用するために認可を必要とするよう構成され得る。遠隔制御ユニット、キーボード、トラックボール、マウス、又はそのような消費者電子装置を制御するよう構成される他のユーザ入力装置は、上述したような認可ユニット及び/又はバイオセンサを組み込み得る。更なる実施例では、ユーザ入力装置は、更に、識別ユニットも有し得る。例えば、遠隔制御ユニットには、ユーザを識別するためのユーザの指紋を得るよう適応されるタッチスクリーンが設けられ得る。遠隔制御ユニットには更に、ユーザが遠隔制御ユニットの付近にいるか否かを感知するセンサが設けられてもよい。それにより、遠隔制御ユニットは、特定のユーザに対してパーソナライズ化されることが可能であり得る。このような遠隔制御ユニットは、例えば、ブレスレットの形で、非常に使用するのが簡単であるように設計され得る。
【0045】
様々なプログラムプロダクトが、本発明の装置及び方法の機能を実施し得、また、ハードウェアと共に様々な方法で組み合わされるか、様々な他の装置内に入れられ得る。記述した実施例の変形及び変更は、発明の概念の範囲内で可能である。従って、例えば、「有する」という動詞及びその活用形は、請求項に記載される素子又は段階以外の素子又は段階の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの別個の素子を有するハードウェア、好適にプログラムされたコンピュータにより実施可能である。幾つかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段のうちの幾つかは、同じハードウェアアイテムにより具現化可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を実施するのに適したシステムを示す機能ブロック図である。
【図2】バイオリンクを確立しそのバイオリンクをモニタリングするよう構成されるリンク付け手段の例が与えられた本発明のシステムの実施例を示す図である。
【図3】識別手段、認可手段、及びリンク付け手段が図示される本発明のシステムの実施例を示す図である。
【図4】認可手段によって認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可する本発明のシステムの実施例を示す図である。
【図5】本発明の方法の実施例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可するシステムであって、
前記ユーザを識別するよう構成される識別手段と、
前記認可を必要とする装置を前記ユーザが使用することを認可するよう構成される認可手段と、
前記ユーザと前記認可手段との間にバイオリンクを確立し且つ該バイオリンクをモニタリングするよう構成される少なくとも1つのリンク付け手段と、
を含み、
前記少なくとも1つのリンク付け手段は更に、前記識別手段による有効ユーザ識別に応答して、前記認可手段をアクティブにするよう構成され、
前記認可手段は、前記バイオリンクが有効である間のみアクティブである、システム。
【請求項2】
前記認可手段は、複数の前記リンク付け手段のうちのいずれかによってアクティブにされるよう構成される請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記認可手段は、前記識別手段から識別データを得、該識別データを、前記認可を必要とする装置に供給するよう構成される請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記リンク付け手段は、前記ユーザに関連する少なくとも1つのバイオメトリックパラメータを測定するよう構成される請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記リンク付け手段は、少なくとも1つのパラメータが少なくとも1つの所定閾値を超えると、前記認可手段を非アクティブにするよう構成される請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記識別手段は、前記リンク付け手段によって測定される少なくとも1つのパラメータの値を得、該値を前記システム内に格納された識別データと比較するよう構成される請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記ユーザに関連する前記バイオメトリックパラメータは、温度、呼吸音、心拍、電位からなる群から選択される請求項4記載のシステム。
【請求項8】
複数の前記認可手段を有する請求項1記載のシステム。
【請求項9】
第1の認可手段は、識別データを得ている第2の認可手段から該識別データを得るよう構成され、
前記識別データは、前記認可を必要とする装置を前記ユーザが使用することを認可するために使用される請求項8記載のシステム。
【請求項10】
認可を必要とする装置をユーザが使用することを認可する方法であって、
前記ユーザを識別する段階と、
前記ユーザと、前記認可を必要とする装置を前記ユーザが使用することを認可するよう構成される認可手段との間にバイオリンクを確立し且つ該バイオリンクをモニタリングする段階と、
有効ユーザ識別に応答して、前記認可手段をアクティブにする段階と、
を有し、
前記認可手段は、前記バイオリンクが有効である間のみアクティブである、方法。
【請求項11】
実行した場合にプログラマブル装置が請求項1に記載のシステムとして機能することを可能にするコンピュータプログラムプロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−507866(P2006−507866A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554742(P2004−554742)
【出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004910
【国際公開番号】WO2004/049241
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】