説明

ユーザの感情や体調の安定化を図る感情・体調の安定化装置

【課題】ユーザの体温変化等に基づいてユーザの感情や体調を判断し、積極的に感情・体調の安定化を図る情報演算処理装置を提供する。
【解決手段】CPU110は、ユーザの手の温度に応じて、ユーザの感情変化・体調変化を安定化させる香料を自動選択し、香料噴霧装置50により噴霧し、あるいは体調維持のための対策メッセージを表示部40に表示する。このことにより、積極的にユーザの感情・体調の安定化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの感情や体調の安定化を図る感情・体調安定化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キーボードなどの入力装置に温度センサを備え、ユーザの体温変化を検知する手段を含む情報演算処理装置が提案されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、温度センサが検知したユーザの体温変化に基づいてユーザの感情変化を捉え、当該感情変化に応じて適切な文章を出力する感情移入型ワードプロセッサが開示されている。
【特許文献1】特開2002−366276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザの体温変化等に基づいてユーザの感情や体調を判断し、積極的に感情・体調の安定化の対策を講じるものは提供されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、ユーザの感情・体調の安定化を図る情報演算処理装置を提供することを目的とする。具体的には、以下のものを提供する。
【0006】
(1) ユーザによる入力操作を受け付ける入力部(キーボード・マウス)を少なくとも備えた情報演算処理装置(PC)であって、
前記入力部は、入力時の前記ユーザの手の接触に応じて、当該手の温度を測定する温度センサを備えるとともに、
前記情報演算処理装置の本体の内部又は前記入力部の内部、或いは、前記情報演算処理装置の本体の外部又は前記入力部の外部には、香料を収納する収納容器と前記収納容器に連通する流路及び前記流路に連通するノズルとを含む香料噴霧部と、前記温度センサにインターフェスを介して接続され当該温度センサから受信する温度信号に応じて前記香料噴霧部を制御する香料噴霧制御部と、を設けてなり、
前記香料噴霧制御部は、前記温度センサが測定した温度信号を受信し、当該温度信号が示す温度が予め定められた所定温度に至った場合に、前記香料噴霧部に対して、該香料噴霧部のノズルから香料の噴霧を実行させるための香料噴霧開始信号を出力する情報演算処理装置。
【0007】
(1)の発明によれば、当該情報演算処理装置は、ユーザの手の接触に応じて当該手の温度を測定し、前記ユーザの手の温度を検知したことに応じて香料を霧状に噴霧することができる。このことにより、例えば、アロマテラピー効果によりユーザの感情・体調の安定を図ることができる。
【0008】
(2) 前記香料噴霧部の収納容器は、互いに異なる複数種類の香料を収納可能なように構成するとともに(例えば、複数の容器群から構成されていたり、一つの容器が仕切り板で区画されていたりするようなもの)、
前記ノズルはそれぞれ異なる香料を噴霧可能なように複数備えてなり、
前記香料噴霧制御部は、前記温度センサから受信する温度信号に応じて、前記香料噴霧部に対し、適宜種類の香料の噴霧を実行させる香料噴霧開始信号を出力することを特徴とする(1)に記載の情報演算処理装置。
【0009】
(2)の発明によれば、当該情報演算処理装置は、互いに異なる複数種類の香料を収納し、ユーザの指の温度を検知したことに応じて、当該複数種類の香料から適宜種類の香料を選択して霧状に噴霧することができる。このことにより、例えば、検知したユーザの指の温度に応じて異なる香料を噴霧することができる。
【0010】
より具体的には、手の温度が急に低下した場合に、ある香料を噴霧したり、逆に手の温度が急に上昇した場合に別の香料を噴霧したりすることができる。また、異なる香料を複数混ぜて噴霧することもできる。その結果、例えば、適切な香料を選択することによって、より適切にユーザの感情・体調の安定を図ることができる。
【0011】
(3) 前記香料噴霧部は、前記情報演算処理装置の本体の外部に設けられてなる(1)または(2)に記載の情報演算処理装置。
【0012】
(3)の発明によれば、前記香料噴霧部は、前記情報演算処理装置本体の外部に設けられている。このことにより、該香料噴霧部は、前記情報演算処理装置の本体から独立して配置可能である。このことにより、ユーザは、香料がより適切に噴霧されるよう、前記香料噴霧部を適切な位置に配置することができる。その結果、例えば、当該本体はデスクの下に配置しつつ、香料噴霧部をユーザの鼻に近い机の上等に配置することができる。
【0013】
(4) ユーザによる入力操作を受け付ける入力部(キーボード・マウス)を少なくとも備えた情報演算処理装置であって、
前記入力部は、入力時の前記ユーザの手の接触に応じて、当該手の温度を測定する温度センサを備えるとともに、
前記情報演算処理装置の本体の内部には、前記温度センサにインターフェスを介して接続され、当該温度センサから受信する温度信号に応じて、当該温度信号が示す温度が予め定められた所定温度に至った場合に、予め記憶部(バルクメモリ・HDD等)に記憶された対策メッセージを表す対策メッセージデータを、当該記憶部から読み出して、表示部(LCD等)に対して、当該対策メッセージを表示させるための表示信号を送信する制御部を含む情報演算処理装置。
【0014】
(4)の発明によれば、当該情報演算処理装置は、ユーザの手の温度に応じて、対策メッセージを表示部に表示することができる。このことにより、当該手の温度に応じて、例えば、休憩を促したり、食事を勧めたりするメッセージを表示させることができる。その結果、ユーザが当該対策メッセージに応じた対策を適宜実施することによって、ユーザの感情や体調の維持を図ることができる。
【0015】
(5) 前記入力部は、マウスまたはキーボードである(1)から(4)のいずれかに記載の情報演算処理装置。
【0016】
(5)の発明によれば、当該情報演算処理装置は、マウスまたはキーボードに温度センサを備えている。このことにより、ユーザのマウスまたはキーボードへの接触に応じてユーザの手の温度を検知し、それぞれ(1)から(4)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの手の温度に応じて、ユーザの感情変化・体調変化を安定化させる香料を自動選択し、適切な場所に噴霧でき、あるいは体調維持のための対策メッセージを表示することができ、積極的にユーザの感情・体調の安定化を図ることのできる情報演算処理装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1として、デスクトップ型PCとして構成した例を示す。情報演算処理装置1は、香料噴霧装置50と、温度検知部30a、30bをそれぞれ含む入力部20a、20bと、表示部40と、本体10と、で構成される。なお、温度検知部30a、30bの数は、これに限られない。
【0020】
香料噴霧装置50は、図1に示した例のように、本体10の外部、入力部20a、20bの外部に配置することができる。あるいは、香料噴霧装置50は、入力部20a、20bの内部に配置(内蔵)してもよく、この場合の香料噴霧装置50の配置例を図2、図3に示す。また、香料噴霧装置50は、本体10の内部に配置(内蔵)してもよく、この場合の香料噴霧装置50の配置例を図4に示す。
【0021】
なお、情報演算処理装置1は、上記の例の様なデスクトップ型PCの他、例えばノート型PC、PDA、ゲーム機等、ユーザからの入力を定常的に受け付ける情報演算処理装置として構成してもよい。
【0022】
このように、香料噴霧装置50は、上述の様な様々な情報演算処理装置1の表示部40、又は本体10、又は入力部20a、20b等の前面又は側面に配置することとしてもよい。
【0023】
入力部20a、20bは、例えばマウス、タッチバッド、ジョイスティック等のポインティングデバイス、又は、キーボード、操作ボタン等、ユーザの指や掌等の皮膚に頻繁に触れ、ユーザからの入力を受け付ける部位、又はそれを支持する部位によって構成してもよい。
【0024】
温度検知部30a、30bは、より好適にユーザの体温を測定するために、例えば情報演算処理装置1の入力部20a、20bの表面で、ユーザの指または掌等の皮膚が頻繁に接触する部分に配置するのが良い。
【0025】
図5は、情報演算処理装置1における香料噴霧装置50の構成例を示す。香料噴霧装置50は、香料噴霧部51、及び香料噴霧制御部52によって構成されている。また、香料噴霧部51は、当該香料の収納容器としての香料タンク54a、54b、54c、香料タンクポンプ530a、530b、530c、コンプレッサ510、ノズル550a、550b、550cにより構成されている。
【0026】
複数の香料が収納可能な香料タンク54a、54b、54cと、ノズル550a、550b、550cとは、流路及び香料タンクポンプ530a、530b、530cを介して接続される。
【0027】
また、香料噴霧制御部52は、香料タンクポンプ530a、530b、530cと、コンプレッサ510と、ノズル550a、550b、550cと、を制御し、温度検知部30a、30bから受信する温度信号に応じて、1つまたは複数の香料を選択し、当該ノズルから香料の噴霧を実行させるための香料噴霧開始信号を出力する。
【0028】
ここで、ノズル550a、550b、550cは香料の数分用意しているが、1つに集約してもよい。その場合には、香料タンク54a、54b、54cから連通する流路は、1つのノズルに連通し、複数香料の混合液を当該ノズルより噴霧する。
【0029】
また、香料タンク54a、54b、54cは、一体成形として、仕切り板によって三つの領域に区画された一の香料タンクとして構成してもよい。また、香料タンクの数及び区画の数は任意に設計してよい。
【0030】
図6は、本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の香料噴霧動作を制御するCPU110と、CPU110に電気的に接続する周辺装置とを含む回路構成を示す。
【0031】
CPU110が制御信号により動作を制御する主要な周辺装置としては、記憶部120と、香料噴霧装置50と、表示部40と、がある。
【0032】
また、CPU110が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主要な入力信号発生手段としては、温度検知部30a、30bと、入力部20a、20bと、タイマー130と、がある。
【0033】
上記制御信号及び入力信号は、伝送路150を経由して各部に伝わる。CPU110は、情報演算処理装置1の外部と、通信接続部140を経由して通信を行う。
【0034】
このように、CPU110は、記憶部120に記憶されたプログラムを、適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェア(周辺装置)と協働し、本発明に係る各種手段を実現している。
【0035】
記憶部120は、各種制御指令、および、詳しくは後述する一連の噴霧動作にて使用する各種テーブル群と、その他例えば、噴霧中の香料データ、噴霧開始時刻等を格納する。
【0036】
香料噴霧制御部52は、コンプレッサ510を駆動制御するコンプレッサ駆動回路520と、香料タンクポンプ530a、530b、530cを駆動制御する香料タンクポンプ駆動回路540と、ノズル550a、550b、550cから香料を圧出するための圧力制御回路560と、香料選択回路570と、で構成される。香料噴霧制御部52は、CPU110に伝送路150を介して接続されており、CPU110から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、上記各装置の動作を制御する。
【0037】
温度検知部30a、30bは、温度センサ310と、信号処理回路320と、A/Dコンバータ330と、で構成される。温度センサ310からの温度信号を、信号処理回路320を介してA/Dコンバータ330でデジタル信号に変換し、記憶部120に格納する。
【0038】
温度センサ310からの温度信号値は、ユーザの興奮や緊張等の感情・体調変化により、通常時に比べ大きく変動する。詳しくは後述するが、CPU110は、デジタル化された当該温度信号を受信し、その変動幅を監視することで、ユーザの感情・体調を判別し、あるいはユーザの感情・体調を落ち着かせる効果のある香料、あるいはユーザの感情・体調を落ち着かせるための対策メッセージ等を選択する。
【0039】
ここで、上記温度センサ310は、指を接触することによって当該ユーザの脈拍を測定し、電気信号として送信する脈拍センサ(図示しない)に置き換えることもでき、以下、「温度」を「脈拍」と読み替えて情報演算処理装置1を構成することができる。この場合、脈拍センサの設置場所は温度センサ310の場合と同様であり、温度の変動幅の代わりに、脈拍の変動幅を用いて、感情・体調、あるいは香料、あるいは対策メッセージの判別を行う。さらに、温度センサ310および脈拍センサを共に設置し、両センサからの入力値の組み合わせにて、感情・体調、あるいは香料、あるいは対策メッセージの選択を行ってもよい。
【0040】
[メインフローA]
図7は、情報演算処理装置1の噴霧処理を示すメインのフローチャートである。以下、噴霧処理のメインの処理を説明する。
【0041】
ステップS100では、CPU110及び周辺装置が、情報演算処理装置1の電源の投入を契機として動作を開始する。あるいは、CPU110及び周辺装置の動作を開始させる専用の電源スイッチを用意してもよい。
【0042】
また、ステップS100では、CPU110は、後述の処理にて使用するための設定テーブル一組を読み込む。ここで、設定テーブル一組は、図15〜20のテーブル70、72、74、76、80、82に示した構成を持ち、既定データ、もしくは前回動作時に保存されたデータを記憶している。なお、設定テーブルは複数組管理することが可能であり、ユーザごとにデータ設定したものを、カスタムテーブルとして保存することができ、詳しくは後述するカスタムテーブル読み込み処理(図10)にて、それらを入れ替えて使用することができる。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
【0043】
ステップS105では、割り込み処理の選択の受付を開始し、以降、任意のタイミングで割り込み処理を行う。具体的には、例えば、表示部40に、カスタムテーブル読み込み処理、香料選択処理、時間設定処理、噴霧終了処理、データ保存処理の選択を受け付ける表示を表示部40に行い、ユーザからの選択を受け付けることで、当該処理を行う。割り込み処理の詳細は後述する(図9)。
【0044】
ステップS110では、温度センサ310によるユーザの指または掌等の温度検知処理を行う。この処理の詳細については後述する(図8)。当該温度検知処理は、温度検知部30a、30bからの温度信号に基づいて、ユーザの感情・体調を判別し、これを安定させるために適した香料及び噴霧時間・噴霧間隔を選択する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS115に処理を移す。
【0045】
ステップS115では、ステップS110のセンサ検知処理によって選択された香料の噴霧を開始または継続、あるいは、選択される香料が設定されていない場合には噴霧を停止する。ただし、後述する図9のステップS235において噴霧を終了している場合には、同一香料の噴霧を再開することはしない。具体的には、CPU110は、圧力制御回路560に制御信号を送り、コンプレッサ510からの圧縮空気を送り込み、ノズル550a、550b、550cから香料を噴霧する。さらに、タイマー130により、噴霧時間の計測を行う。この処理が終了した場合には、ステップS120に処理を移す。
【0046】
ステップS120では、CPU110は、ステップS110において噴霧時間・噴霧間隔が選択されたか否かを判別する。
【0047】
ステップS125では、噴霧時間及び噴霧間隔の判別処理を行う。この処理において、噴霧時間・噴霧間隔設定データに基づいて、噴霧時間の経過判断や設定された噴霧間隔で噴霧を行うか否かの判別を行う。この処理の詳細については後述する(図12)。この処理が終了した場合には、ステップS130に処理を移す。
【0048】
ステップS130では、CPU110は、CPU110及び周辺装置の動作を終了するか否かの判別を行う。具体的には、CPU110は、電源スイッチのオフを受け付けることにより、CPU110及び周辺装置の動作を終了する。または、ステップS105において、表示部40に動作終了の選択肢を表示しておき、この選択を受け付けることにより、CPU110及び周辺装置の動作を終了するとしてもよい。これにより、メインフローは終了する。CPU110及び周辺装置の動作を終了する旨の選択を受け付けない場合は、ステップS110に処理を戻し、再びセンサ検知処理Aを行う。
【0049】
[センサ検知処理A]
図7のステップS110において実行されるセンサ検知処理Aのサブルーチンについて、図8を用いて説明する。
【0050】
ステップS500では、CPU110は、温度センサ310からの温度信号の受付を開始する。具体的には、信号処理回路320において、信号処理を開始することにより行う。この処理が終了した場合には、ステップS505に処理を移す。
【0051】
ステップS505では、CPU110は、基準データの収集を行う。具体的には、温度センサ310からの温度信号の受付を開始したときの各センサの温度信号値を記憶部120に記憶する。この始動時の温度信号値は、ユーザの感情・体調が安定した状態であることが望ましく、ユーザの指や掌が温度センサへ接触した時の温度信号値の規定回数の平均値等を採用することが好ましい。もしくは、あらかじめ記憶部120に所定の温度信号値を、基準信号値データとして記憶しておき、CPU110はステップS505において、この基準信号値データを記憶部120から読み込むことにより行ってもよい。この処理が終了した場合には、CPU110は、ステップS510に処理を移す。
【0052】
ステップS510では、CPU110は、温度センサ310により、ユーザの指等の温度の検知を開始する。具体的には、温度センサ310からのリアルタイムの温度信号を信号処理回路320が受け付け、CPU110が入力信号のモニターを開始する。この処理が終了した場合には、ステップS515に処理を移す。
【0053】
ステップS515では、CPU110は、温度センサ310からの温度信号がしきい値を超えたか否かの判別を行う。具体的には、例えば、CPU110は、記憶部120に記憶している感情・体調判別テーブル70(図15)を参照し、各センサにおける入力信号の基準信号に対する変動値、あるいは変動してからの経過時間等が、しきい値フィールド702の値を超えているか否かを判別する。CPU110がしきい値を超えていると判別した場合には、ステップS520に処理を移し、CPU110がしきい値を超えていないと判別した場合には、センサ検知処理Aを終了する。
【0054】
ステップS520では、CPU110は、感情・体調を判別する。具体的には、例えば、記憶部120に記憶している感情・体調判別テーブル70(図15)を参照し、ステップS515において判別されたしきい値について、体調判断フィールド704上で対応付けられている感情・体調の種類を参照し、これを当該ユーザの現在の感情・体調であると判断する。この処理が終了した場合には、ステップS525に処理を移す。
【0055】
ステップS525では、CPU110は、ステップS520で判別した感情・体調を安定化させるための香料の選択処理を行う。具体的には、例えば、記憶部120に記憶している体調判断による香料選択テーブル72(図16)を参照し、ステップS520で判別した感情・体調の種類に対応付けている香料を、香料フィールド724から選択する。なお、各香料は、それぞれを収納しているタンク名に関連付けており、香料フィールドには、香料名ではなく、直接タンク名と関連付けてもよい。この処理が終了した場合には、ステップS530に処理を移す。
【0056】
ステップS530では、CPU110は、ステップS525で選択した香料の噴霧時間及び噴霧間隔の選択処理を行う。具体的には、例えば、記憶部120に記憶している体調判断による噴霧時間選択テーブル74(図17)を参照し、ステップS520で判別した感情・体調の種類に対応付けている時間及び間隔を、それぞれ時間フィールド744及び間隔フィールド746から選択する。この処理が終了した場合には、センサ検知処理Aを終了する。
【0057】
ここで、ステップS525とステップS530との処理順序は任意であり、また、図16の体調判断による香料選択テーブル72と、図17の体調判断による噴霧時間選択テーブル74とは、ひとつのテーブルとして、同一処理にて、香料、噴霧時間、噴霧間隔を選択するようにしてもよい。
【0058】
また、ステップS520の体調判別処理は行わず、例えば、記憶部120に記憶しているセンサ値による香料・噴霧時間選択テーブル80(図19)を参照し、ステップS515において判別されたしきい値に対応付けた香料、噴霧時間・噴霧間隔を、それぞれ香料フィールド804、時間フィールド806、間隔フィールド808から選択することとしてもよい。
【0059】
[割込処理フロー]
図7のステップS105において受付開始された割り込み処理について、図9を用いて説明する。
【0060】
ステップS200、ステップS210、ステップS220、ステップS230、ステップS240では、ユーザが選択した割り込み処理の種類を判別する。選択した割り込み処理がカスタムテーブル読み込み処理の場合、ステップS205に処理を移し、選択した割り込み処理が香料選択処理の場合、ステップS215に処理を移し、選択した割り込み処理が時間設定処理の場合、ステップS225に処理を移し、選択した割り込み処理が噴霧終了処理の場合、ステップS235に処理を移し、選択した割り込み処理がデータ保存処理の場合、ステップS245に処理を移す。
【0061】
ステップS205では、ユーザが予めカスタマイズした各種テーブル(図15〜図20)を記憶部120に読み込む。処理の詳細については後述する(図10)。この処理が終了した場合は、CPU110は割り込み処理を終了する。
【0062】
ステップS215では、ユーザの好みに応じて、噴霧する香料の選択の受付を行う。この処理の詳細については後述する(図11)。この処理が終了した場合は、CPU110は割り込み処理を終了する。
【0063】
ステップS225では、CPU110は、噴霧時間もしくは噴霧する時間間隔の設定の受付を行う。具体的には、CPU110は、表示部40に図23のような設定画面を表示する。例えば、噴霧時間と噴霧する時間間隔の入力を受け付ける入力ボックスを表示し、キーボード、ソフトウェアキーボード、タッチパネル等の入力手段により、入力を受け付け、これ以降に実行される処理では、テーブル中の時間及び間隔データを置換するものとして使用する。この処理が終了した場合には、CPU110は割り込み処理を終了する。
【0064】
ステップS225では、体調判断による噴霧時間選択テーブル74や、センサ値による香料・噴霧時間選択テーブル80の時間及び間隔データ全体を変更できるように、表示部40にテーブル形式の表示を追加し(図示しない)、任意の噴霧時間・噴霧間隔データを選択して変更できるとしても良い。
【0065】
ステップS235では、香料の噴霧動作を終了する。具体的には、香料の噴霧を継続している場合は、CPU110は、圧力制御回路560に停止信号を送り、ノズル550a、550b、550cからの噴霧を停止する。この処理が終了した場合には、CPU110は割り込み処理を終了する。
【0066】
ステップS245では、ステップS215およびステップS225にて設定した香料データ、あるいは時間データ、あるいは間隔データを含む設定テーブルを、カスタムテーブルとして保存する。この処理が終了した場合には、CPU110は割り込み処理を終了する。次回、CPU110及び周辺装置が動作を開始した際には、ステップS100(図7)にて、当該カスタムテーブルを読み込む。
【0067】
[カスタムテーブル読み込み処理]
図9のステップS205において実行されるカスタムテーブル読み込み処理について、図10を用いて説明する。
【0068】
ここで、カスタムテーブルは、ステップS100(図7)にて読み込んだデフォルトの設定テーブル(図15〜20のテーブル70、72、74、76、80、82)と同様の構成を持つが、ステップS245にて保存された、ユーザによる既定データからの変更を受け付けたものである。カスタムテーブル読み込み処理では、CPU110は、ステップS100にて読み込んだデフォルトの設定テーブルに代えて、カスタムテーブルを読み込む。これ以降に実行される処理においては、カスタムテーブルのデータを、デフォルトの設定テーブルのデータに代えて使用する。
【0069】
ステップS300では、CPU110は、上記カスタムテーブルを読み込み、既定データの置換を行うか否かを判別する。具体的には、CPU110は、表示部40に図21のような選択画面を表示する。例えば、上記カスタムテーブルを記憶したファイル名のリストを表示し、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル等の入力手段により、入力を受け付ける。なお、上記カスタムテーブルは、記憶部120、あるいは外部記憶装置を接続している場合には、外部記憶装置に記憶してあるとしてもよい。
【0070】
ステップS300において、CPU110は、ファイル名の選択を受け付けた場合には、ステップS305に処理を移し、キャンセルの選択等によりファイル名の選択を受け付けなかった場合には、カスタムテーブル読み込み処理を終了する。
【0071】
ステップS305では、CPU110は、ステップS300にて受け付けたカスタムテーブルを、記憶部120から読み込み、デフォルトの設定テーブルのデータを置換する。この処理が終了した場合には、CPU110は、カスタムテーブル読み込み処理を終了する。
【0072】
なお、カスタムテーブル読み込み処理においては、テーブル70、72、74、76、80、82に、IDフィールドを設け、ステップS300の選択画面において、ID選択を受け付けることで、当該IDに応じた行のデータを、これ以降に実行する処理にて使用するとしてもよい。
【0073】
[香料選択処理]
図9のステップS215において実行される香料選択処理について、図11を用いて説明する。
【0074】
ステップS400では、CPU110は、噴霧する香料の選択を行うか否かを判別する。具体的には、CPU110は、表示部40に図22のような選択画面を表示する。例えば、香料タンク54a、54b、54cにセットされている香料名、または香料タンク名、または両方のリストを表示し、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル等の入力手段により、入力を受け付ける。ここで、噴霧する香料の選択は、1つのみとは限らず、同時に複数の香料名もしくは香料タンク名の選択を受け付けてもよい。
【0075】
ステップS400において、CPU110は、香料の選択を受け付けた場合には、ステップS405に処理を移し、キャンセルの選択等によりファイル名の選択を受け付けなかった場合には、香料選択処理を終了する。
【0076】
ステップS400では、体調判断による香料選択テーブル72や、センサ値による香料・噴霧時間選択テーブル80の香料データ全体を変更できるように、表示部40にテーブル形式の表示を追加し(図示しない)、任意の香料データを選択して変更できるとしてもよい。
【0077】
ステップS405では、CPU110は、ステップS400にて受け付けた香料データを記憶し、これ以降に実行される処理では、テーブル中の香料データを置換するものとして使用する。この処理が終了した場合には、CPU110は香料選択処理を終了する。
【0078】
[噴霧時間・噴霧間隔判別処理]
図7のステップS125において実行される噴霧時間・噴霧間隔判別処理について、図12を用いて説明する。
【0079】
ステップS600では、CPU110は、ステップS110(図7)にて選択された噴霧時間が経過したか否かを判別する。具体的には、現在、香料を噴霧中であり、ステップS115(図7)において、タイマー130により計測を開始した噴霧時間が、ステップS110において選択された噴霧時間を経過したか否かを判別する。CPU110は、噴霧停止中、または噴霧時間が経過していないと判断した場合は、ステップS610に処理を移す。噴霧中であり、かつ噴霧時間が経過したと判断した場合には、ステップS605に処理を移す。
【0080】
ステップS605では、CPU110は、香料の噴霧を停止する。
【0081】
ステップS610では、CPU110は、噴霧間隔の設定の有無を判別する。具体的には、ステップS110(図7)において噴霧間隔の設定を選択したか否かを判別する。CPU110は、噴霧間隔の設定がある場合には、ステップS615に処理を移し、噴霧間隔の設定がない場合には、噴霧時間・噴霧間隔判別処理を終了する。
【0082】
ステップS615では、CPU110は、噴霧間隔時間が経過したか否かを判別する。具体的には、ステップS605において、タイマー130により計測を開始した噴霧間隔時間が、ステップS110(図7)において選択された噴霧間隔時間を経過したか否かを判別する。CPU110は、噴霧中、または噴霧間隔時間が経過していないと判断した場合は、噴霧時間・噴霧間隔判別処理を終了する。噴霧停止中であり、かつ噴霧間隔時間が経過したと判断した場合には、ステップS620に処理を移す。
【0083】
ステップS620では、CPU110は、香料の噴霧を再開する。
【0084】
[メインフローB]
メインフローA(図7)では、感情・体調を安定化させるために香料の噴霧を行うが、香料噴霧に代えて、対策メッセージの表示を行う例を、図13に示す。
【0085】
ステップS705のセンサ検知処理Bは、メインフローAのセンサ検知処理Aと異なり、香料・噴霧時間・噴霧間隔の選択ではなく、CPU110は対策メッセージの選択を行う。この処理の詳細については後述する(図14)。
【0086】
ステップS710では、メインフローAの香料噴霧処理に代えて、CPU110は、対策メッセージの表示を行う。具体的には、表示部40に、例えば図24のように、ステップS705で選択した対策メッセージの表示を行う。
【0087】
[センサ検知処理B]
センサ検知処理A(図8)では、香料・噴霧時間・噴霧間隔の選択を行うが、これに代えてメッセージの選択を行う例を、図14に示す。
【0088】
ステップS825では、CPU110は、ステップS820で判別した感情・体調の種類に対応するメッセージの選択処理を行う。具体的には、例えば、記憶部120に記憶している体調判断によるメッセージ選択テーブル76(図18)を参照し、ステップS820で判別した感情・体調の種類に対応付けているメッセージを、メッセージフィールド764から選択する。
【0089】
あるいは、ステップS820の体調判別処理は行わず、例えば、記憶部120に記憶しているセンサ値によるメッセージ選択テーブル82(図20)を参照し、ステップS815において判別されたしきい値に対応付けたメッセージを、メッセージフィールド824から選択するとしてもよい。
【0090】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定しない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載された効果に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の物理的な概略構成を示した図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における香料噴霧装置50の配置例を示した図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における香料噴霧装置50の配置例を示した図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における香料噴霧装置50の配置例を示した図である。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における香料噴霧装置50の概略構成を示した図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の電気的な概略構成を示したブロック図である。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における感情・体調判別テーブル70を示す図である。
【図16】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における体調判断による香料選択テーブル72を示す図である。
【図17】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における体調判断による噴霧時間選択テーブル74を示す図である。
【図18】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における体調判断によるメッセージ選択テーブル76を示す図である。
【図19】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1におけるセンサ値による香料・噴霧時間選択テーブル80を示す図である。
【図20】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1におけるセンサ値によるメッセージ選択テーブル82を示す図である。
【図21】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1におけるカスタムテーブル選択処理時の表示例を示す図である。
【図22】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における香料選択処理時の表示例を示す図である。
【図23】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における噴霧時間・噴霧間隔設定処理時の表示例を示す図である。
【図24】本発明の好適な実施形態の一例に係る情報演算処理装置1における対策メッセージの表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
1 情報演算処理装置
10 本体
110 CPU
120 記憶部
130 タイマー
140 通信接続部
150 伝送路
20a、20b 入力部
30a、30b 温度検知部
310 温度センサ
320 信号処理回路
330 A/Dコンバータ
40 表示部
50 香料噴霧装置
51 香料噴霧部
52 香料噴霧制御部
54a、54b、54c 香料タンク
510 コンプレッサ
520 コンプレッサ駆動回路
530a、530b、530c 香料タンクポンプ
540 香料タンクポンプ駆動回路
550a、550b、550c ノズル
560 圧力制御回路
570 香料選択回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる入力操作を受け付ける入力部を少なくとも備えた情報演算処理装置であって、
前記入力部は、入力時の前記ユーザの手の接触に応じて、当該手の温度を測定する温度センサを備えるとともに、
前記情報演算処理装置の本体の内部又は前記入力部の内部、或いは、前記情報演算処理装置の本体の外部又は前記入力部の外部には、香料を収納する収納容器と前記収納容器に連通する流路及び前記流路に連通するノズルとを含む香料噴霧部と、前記温度センサにインターフェスを介して接続され当該温度センサから受信する温度信号に応じて前記香料噴霧部を制御する香料噴霧制御部と、を設けてなり、
前記香料噴霧制御部は、前記温度センサが測定した温度信号を受信し、当該温度信号が示す温度が予め定められた所定温度に至った場合に、前記香料噴霧部に対して、該香料噴霧部のノズルから香料の噴霧を実行させるための香料噴霧開始信号を出力する情報演算処理装置。
【請求項2】
前記香料噴霧部の収納容器は、互いに異なる複数種類の香料を収納可能なように構成するとともに、
前記ノズルはそれぞれ異なる香料を噴霧可能なように複数備えてなり、
前記香料噴霧制御部は、前記温度センサから受信する温度信号に応じて、前記香料噴霧部に対し、適宜種類の香料の噴霧を実行させる香料噴霧開始信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報演算処理装置。
【請求項3】
前記香料噴霧部は、前記情報演算処理装置の本体の外部に設けられてなる請求項1または請求項2に記載の情報演算処理装置。
【請求項4】
ユーザによる入力操作を受け付ける入力部を少なくとも備えた情報演算処理装置であって、
前記入力部は、入力時の前記ユーザの手の接触に応じて、当該手の温度を測定する温度センサを備えるとともに、
前記情報演算処理装置の本体の内部には、前記温度センサにインターフェスを介して接続され、当該温度センサから受信する温度信号に応じて、当該温度信号が示す温度が予め定められた所定温度に至った場合に、予め記憶部に記憶された対策メッセージを表す対策メッセージデータを、当該記憶部から読み出して、表示部に対して、当該対策メッセージを表示させるための表示信号を送信する制御部を含む情報演算処理装置。
【請求項5】
前記入力部は、マウスまたはキーボードである請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報演算処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−115147(P2007−115147A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307896(P2005−307896)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】