説明

ラジコン模型用の送信機

【課題】本発明の課題は、ラジコン模型自動車などをはじめとする各種のラジコン模型に制御信号を送信する送信機(コントローラー)に関し、さらに詳しくはアクセル操作用スイッチとブレーキ操作用スイッチとを別体に構成し、各スイッチを自由に独立して操作できるようにしたラジコン模型用の送信機を提供することである。
【解決手段】グリップ部とステアリングユニットを備えてなるラジコン模型用の送信機において、グリップ部を握る側の手の指が届く範囲内の位置にアクセルスイッチとブレーキスイッチをそれぞれ別個に設置し、両スイッチは独立して操作可能となるように取り付けられていることを特徴とするラジコン模型用の送信機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジコン模型自動車などをはじめとする各種のラジコン模型に制御信号を送信する送信機(コントローラー)に関し、さらに詳しくはアクセル操作用スイッチとブレーキ操作用スイッチとを別体に構成し、各スイッチを自由に独立して操作できるようにしたラジコン模型用の送信機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の送信機は、拳銃の引き金の形状を呈する二股状のトリガーユニットを備えており、このトリガーユニットはアクセル操作用スイッチとブレーキ作用スイッチを兼用しており、通常は左手の手のひらで送信機のグリップ部を握り、人指し指をトリガーユニットの二股部に引っ掛け、この人指し指をグリップ部方向に引き寄せたり、あるいは反対方向に押し込んだりしてラジコン模型のスピード調整を行っていた。例えば、人指し指をグリップ部方向に引き寄せると、トリガーユニットがアクセルスイッチを強める機能を発揮し、また反対方向に人指し指を押し込むと、トリガーユニットがブレーキスイッチを強める機能を発揮するようになっていた。また各スイッチの強弱のレベルは、トリガーユニットの引き寄せ又は押し込みの移動幅で調整されるようになっていた。
【0003】
上記のように、トリガーユニットでラジコン模型のスピードをコントロールするのであるが、上記構成のトリガーユニットではアクセルスイッチを働かせるとブレーキスイッチは全く働かず、反対にブレーキスイッチを働かせるとアクセルスイッチが全く働かなくなるという相関関係があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−62160号公報
【特許文献2】特開2006−325708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、アクセルスイッチとブレーキスイッチとが一体構成のスイッチで形成されている場合には、アクセルスイッチとブレーキスイッチは二者択一の関係で操作可能となるが、アクセルスイッチをON状態にしながら、ブレーキスイッチもON状態にするという操作はできない。
【0006】
このため、実車の運転テクニックのひとつにヒールアンドトゥと呼ばれるものがあるが、この運転テクニックをラジコン模型の操縦に応用するためには、アクセルスイッチとブレーキスイッチとをそれぞれ同時にON状態にする必要がある。
従来のラジコン模型用の送信機では、このアクセルスイッチとブレーキスイッチとをそれぞれ同時にON状態にすることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、アクセルスイッチとブレーキスイッチとを別個独立の構成にして、上記の全ての課題を解決したラジコン模型用の送信機を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るラジコン模型用の送信機の請求項1のものは、グリップ部とステアリングユニットを備えてなるラジコン模型用の送信機において、グリップ部を握る側の手の指が届く範囲内の位置にアクセルスイッチとブレーキスイッチをそれぞれ別個に設置し、両スイッチは独立して操作可能となるように取り付けられていることを特徴とするラジコン模型用の送信機である。
【0009】
また請求項2は、アクセルスイッチとブレーキスイッチは、スライド式、揺動式、押し込み式、転動式のいずれかの方式で構成されていることを特徴とする請求項1記載のラジコン模型用の送信機である。
【0010】
また請求項3は、アクセルスイッチとブレーキスイッチは、グリップ部の指掛け部位の上方、又は/及びグリップ部の手のひら当て部位の上方に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のラジコン模型用の送信機である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るラジコン模型用の送信機は、アクセルスイッチとブレーキスイッチとを別個に設置したため、それぞれのスイッチを他のスイッチの状態如何にかかわらず、両スイッチを同時にON状態としたり、同時にOFF状態としたり、あるいは互いに異なる状態にしたりなど、自由にきめ細かくその状態並びにそのレベルの強弱の程度も好みの状況に選択できるという優れた効果を発揮する。
このため、ラジコン模型の操縦に際し、ヒールアンドトゥのテクニックを駆使して、周回コーナーでのスピードの立ち上がりを自由にコントロールするなどして微妙で楽しみにあふれた操縦を可能にできるという効果を発揮する。
【0012】
請求項2及び3記載のラジコン模型用の送信機によれば、アクセルスイッチとブレーキスイッチとを操作し易い形態のものにして、操作し易い位置に設置することで、上記した効果をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のラジコン模型用の送信機の正面図である。
【図2】本発明のラジコン模型用の送信機の右側面図である。
【図3】本発明のラジコン模型用の送信機の左側面図である。
【図4】他の実施例にかかるラジコン模型用の送信機の正面図である。
【図5】他の実施例にかかるラジコン模型用の送信機の正面図である。
【図6】他の実施例にかかるラジコン模型用の送信機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明のラジコン模型用の送信機の実施の形態を説明する。
図1〜図4に示す本発明に係るラジコン模型用の送信機1は、グリップ部2とステアリングユニット3を備えており、グリップ部2を片側の手で握って保持する。
【0015】
グリップ部2には、その側面の一方に指掛け部位4を、他の側面に手のひら当て部位5が形成されており、この指掛け部位4又は/及び手のひら当て部位5の上方位置にはアクセルスイッチ6やブレーキスイッチ7が設けられている。
図1〜図3の実施例のものは、指掛け部位4の上方位置にアクセルスイッチ6を、手のひら当て部位5の上方位置にはブレーキスイッチ7を設けるようにした例を示しているが、アクセルスイッチ6とブレーキスイッチ7の位置は相互にチェンジすることは可能であり、使用者の好みで自由に選択するべき内容である。
【0016】
また図4の実施例のものは、指掛け部位4の上方位置にアクセルスイッチ6とブレーキスイッチ7とを併存させた例を示しているが、併存させる位置を指掛け部位4の上方位置から手のひら当て部位5の上方位置にチェンジすることももちろん可能である。本発明では、アクセルスイッチ6とブレーキスイッチ7の設置位置はグリップ部2を握る側の手の指が届く範囲内であれば、その位置は自由に選択でき、特定されることはない。
【0017】
図5の実施例のものは、アクセルスイッチ6を指掛け部位4の上方位置に設置して拳銃のトリガータイプとした例であり、ブレーキスイッチ7をグリップ部2の側面の上方位置に設置した例を示し、図6のものは、ブレーキスイッチ7をグリップ部2の手のひら当て部位5の情報位置に設置した例を示したものである。
【0018】
また本発明に於けるアクセルスイッチ6やブレーキスイッチ7は、独立して操作可能になるため、他のスイッチの状況如何にかかわらず各スイッチをいつでもON状態としたり、OFF状態とすることができ、またその強弱の程度も自由に選択できるように構成されている。
【0019】
このため、アクセルスイッチ6をON状態としたまま、ブレーキスイッチ7をON状態にするようなことも自由に選択でき、その結果ヒールアンドトゥのテクニックを駆使して、周回コーナーでのスピードの立ち上がりを自由にコントロールするなどして微妙で楽しみにあふれたラジコン模型の操縦をすることができる。
【0020】
またアクセルスイッチ6やブレーキスイッチ7は、前後、左右、上下のいずれかの方向にスライドさせることでON,OFFの切り替えやレベル調整を行うようにしたスライド式のものであっても、あるいはいずれかの方向に揺動させることでON,OFFの切り替えやレベル調整を行うようにした揺動式のものであっても、あるいはいずれかの方向に押し込むことでON,OFFの切り替えやレベル調整を行うようにした押し込み式のものであっても、あるいはいずれかの方向に転動させることでON,OFFの切り替えやレベル調整を行うようにした転動式のものであってもよく、またこれらに類する他の方式のものであっても良いことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明によれば、ラジコン模型用の送信機を製造する現場、それを販売する現場、それを利用する現場で幅広く利用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 ラジコン模型用の送信機
2 グリップ部
3 ステアリングユニット
4 指掛け部位
5 手のひら当て部位
6 アクセルスイッチ
7 ブレーキスイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ部とステアリングユニットを備えてなるラジコン模型用の送信機において、グリップ部を握る側の手の指が届く範囲内の位置にアクセルスイッチとブレーキスイッチをそれぞれ別個に設置し、両スイッチは独立して操作可能となるように取り付けられていることを特徴とするラジコン模型用の送信機。
【請求項2】
アクセルスイッチとブレーキスイッチは、スライド式、揺動式、押し込み式、転動式のいずれかの方式で構成されていることを特徴とする請求項1記載のラジコン模型用の送信機。
【請求項3】
アクセルスイッチとブレーキスイッチは、グリップ部の指掛け部位の上方、又は/及びグリップ部の手のひら当て部位の上方に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のラジコン模型用の送信機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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