説明

ラセミのアミノプテリンを含む医薬組成物

ラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を開示する。さらに、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩を投与することを含む、患者における障害を処置する方法を開示する。より具体的には、少なくともジヒドロ葉酸還元酵素活性によって調節される障害、例えば癌および炎症性障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。本発明は、さらに、患者において障害を処置する方法であって、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。より具体的には、本発明は、少なくともジヒドロ葉酸還元酵素活性によって調節される障害、例えば癌および炎症性障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0002】
本発明は、国立衛生研究所によって授与された承認番号1R43AI068282、3R43AI068282-01S1、3R43AI068282-S2、5R43AR056547に基づいて政府の助成を受けた。合衆国政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
背景
エナンチオマーは、ヒトの左手と右手が鏡像であるが重ね合わせられないのと同様に、互いに重ね合わせられない鏡像である2つの立体異性体の1つである。エナンチオマーは、本質的に同一の物理学的性質(平面偏光を同量であるが反対方向に回転させる能力がある以外)、および、化学的性質(キラル環境以外)を有する。等量の光学活性な異性体とそのエナンチオマーの混合物はラセミ体であり、その正味の平面偏光の回転はゼロである。
【0004】
多くの薬物分子は、キラルであり、その製造に関与する合成化学反応は、しばしばラセミ体を生成する。しかし、多くの生体分子がキラルであるため、ヒトを含む生体に対するラセミ体中の2つのエナンチオマーの効果は、著しい差異があるかもしれない。あるにしても、ラセミ体中の複数のエナンチオマー間または個別のエナンチオマーとそのラセミ体の間の生物学的効果の差異は、事前に予測することが極めて難しく、全く差異がない場合、異なる薬物動態を有する場合、量的または質的に異なる薬理学的または毒物学的効果となる場合を含み得る。
【0005】
例えば、ラセミ体中の両方のエナンチオマーが同様の生物学的活性を有する事例は、正の変力物質であるドブタミンの両方のエナンチオマー;抗炎症剤であるイブプロフェンの両方のエナンチオマー;抗凝血剤であるワルファリンおよびフェンプロクモンの両方のエナンチオマー;および局所感覚消失を起こすブピバカインの両方のエナンチオマーを含む。
【0006】
あるいは、ラセミ体中の一方のエナンチオマーが生物学的活性を有し、他方が活性のない事例は、キノロン類(例えばL−プロプラノロールはβ−ブロッカーであり、D−プロプラノロールはそうでない)や、β−ラクタム系抗生物質のエナンチオマーを含む。
【0007】
また、他の例において、ラセミ体中の各エナンチオマーが完全に異なる活性を有する事例は、D−ソタロールが3型抗不整脈剤であり、L−ソタロールがβ−ブロッカーである、ラセミのソタロールを含む。これらの事例では、毒性が、ラセミ体の望ましい活性を担わないエナンチオマーに関連している例さえある。例えば、顆粒球減少症はレボドパのD−異性体に関連しており;嘔吐はレバミゾールのD−異性体によって引き起こされ;D−異性体をラセミのカルニチンから回収した場合、もはや重症筋無力症症状は観察されなかった。
【0008】
ラセミ体中のエナンチオマーが生体に対して異なる薬理学的効果を有する可能性により、一般的に、実質的に1種のみのエナンチオマーを製造する薬物製造工程を開発することが望ましい。このアプローチの欠点は、ラセミ体を製造する工程と比較して、実質的に1種のエナンチオマーを製造する工程に関連するコストが高いことである。
【0009】
一方、ラセミ体として薬物を開発することを選択することは、実質的に純粋な形態の1種のエナンチオマーを製造するのに比べて、承認後の製造コストを減少させ得る。これは、承認前のフェーズにおいて、ラセミ体を開発する規制の重荷に関連する高いコストによって相殺される。ラセミ体の規制の重荷は、生産管理、薬理学的および毒物学的評価、代謝や分配の特性決定、および臨床学的評価におけるさらなる試験および開発要件により生じる。
【0010】
“アミノプテリン [54-62-6] N−[4−[[(2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)メチル]アミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸”(page 83, The Merck Index, 13th Edition, Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, NJ 2001)が記載され、L−エナンチオマーとして当技術分野で用いられる。The Merck Indexに従って、アミノプテリンは、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン スルフェート、2,3−ジブロモプロピオンアルデヒドおよびp−アミノベンゾイルグルタミン酸から製造されるか:Seeger et al., J.Am. Chem. Soc. 69, 2567 (1947);あるいは、6−(ブロモメチル)−2,4−ジアミノプテリジン臭化水素酸塩から製造される:Piper, Montgomery, J. Heterocycl. Chem. 11, 279 (1974)。従って、当技術分野において、用語“アミノプテリン”の使用は、L−エナンチオマーを言う。
【0011】
従って、1種のエナンチオマーとして開発するのに比べて多い付加的な試験や開発コストを回避しながら薬物をラセミ体として開発できるならば、そのことは、著しい利点となる。ラセミ体(すなわち複数のエナンチオマーの組み合わせ)が、望ましい生物学的効果の大部分を担うエナンチオマーと比較して、追加的な好ましい生物学的性質を有するならば、それは、さらなる利点となる。アミノプテリン、あるいは、N−4−[[2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)−メチル]アミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸は、ヒトおよび動物の多様な疾患の処置に有用な強力な葉酸代謝拮抗剤である。それは、光学活性であり、1個のキラル中心を有する。
【発明の概要】
【0012】
概要
本発明は、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。好ましくは、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩は、D−アミノプテリンおよびL−アミノプテリンを含み、ラセミのアミノプテリン中に15%〜85%のD−アミノプテリンが存在する。より好ましくは、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩中に25%〜75%のD−アミノプテリンが存在する。より好ましくは、ラセミのアミノプテリン中に35%〜65%のD−アミノプテリンが存在する。最も好ましくは、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩中に45%〜55%のD−アミノプテリンが存在する。好ましくは、本医薬組成物は、経口投与に適合している。より好ましくは、本医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤の投与形であり、さらに、薬学的賦形剤を含む。好ましくは、ラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩は、二ナトリウム塩である。好ましくは、医薬組成物中のラセミのアミノプテリンは、0.01mgから4mgの量で存在する。好ましくは、医薬組成物は、さらに、L−アミノプテリンを含む。
【0013】
本発明は、さらに、少なくともジヒドロ葉酸還元酵素活性によって調節される障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。ラセミのアミノプテリンは、好ましくは経口で投与される。
【0014】
好ましくは、少なくともジヒドロ葉酸還元酵素活性によって調節される障害は、癌および炎症性障害からなる群から選択される。より好ましくは、癌は、白血病、リンパ腫、乳癌、頭頚部の扁平上皮細胞腫瘍、絨毛癌および子宮内膜癌からなる群から選択される。より好ましくは、炎症性障害は、喘息、多発性硬化症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、再狭窄、乾癬、乾癬性関節炎、関節炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、肺線維症、多発性嚢胞腎疾患、気管支肺異形成症、塵肺、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、移植片対宿主病、移植拒絶反応、ウシの急性肺炎性パスツレラ症およびイヌのアトピー性皮膚炎からなる群から選択される。
【0015】
好ましくは、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩は、D−アミノプテリンおよびL−アミノプテリンを含み、ラセミのアミノプテリン中に15%〜85%のD−アミノプテリンが存在する。より好ましくは、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩中に、25%〜75%のD−アミノプテリンが存在する。より好ましくは、ラセミのアミノプテリン中に35%〜65%のD−アミノプテリンが存在する。最も好ましくは、ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩中に、45%〜55%のD−アミノプテリンが存在する。
【0016】
本発明のラセミのアミノプテリンの医薬組成物は、(i)エナンチオピュアな薬物に比べて生産コストが低いこと;(ii)他のラセミ薬物と比べて規制の重荷が軽減されていること;そして(iii)L−異性体のみの医薬組成物と比べて活性なL−異性体の全身曝露が増大していることを含む、商業的および生物学的利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施例4に記載された10匹のビーグル犬にL−アミノプテリンを経口投与した後のL−異性体の平均血漿レベルを図示したものである。
【図2】図2は、実施例4に記載された10匹のビーグル犬にD−アミノプテリンを経口投与した後のD−異性体の平均血漿レベルを図示したものである。
【図3】図3は、実施例4に記載された10匹のビーグル犬にラセミのアミノプテリンを経口投与した後のL−異性体およびD−異性体の平均血漿レベルを図示したものである。
【図4】図4は、実施例4に記載された10匹のビーグル犬にそれぞれL−アミノプテリンおよびラセミのアミノプテリンを経口投与した後のCmax、AUC(0-12時間)およびAUC値を図示したものである。
【図5】図5は、実施例5に記載された6人の対象にそれぞれL−アミノプテリンおよびラセミのアミノプテリンを経口投与した後のCmax、AUC(0-12時間)およびAUC値を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
本発明は、ラセミのアミノプテリンおよびその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。予想外なことに、経口投与されたラセミのアミノプテリンの吸収は、L−異性体について選択的であり、実質的に循環においてD−異性体は検出不可能であることが見出された。L−異性体についての新しく見出された選択性により、D−異性体は薬理学的評価および毒物学的評価、代謝および分配の特性決定、ならびに臨床学的評価において考慮する必要がないため、ラセミ体の多くの追加的試験、開発コストおよび規制の重荷が回避される。このことは、著しい商業的利点を意味する。さらに、予想外なことに、経口投与されたラセミのアミノプテリンからのL−異性体の全身曝露は、純粋なL−異性体の経口投与に対して増大していることが見出された。
【0019】
本明細書で用いられるとき、‘L−アミノプテリン’または‘L−異性体’は、N−4−[[2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)−メチル]アミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸の遊離酸形を意味する。L−異性体は、平面偏光において正側の回転を起こす;[α]D25=+18°±2°(c=0.1, 水中, 二ナトリウム塩)。本明細書で用いられるとき、‘D−アミノプテリン’または‘D−異性体’は、N−4−[[2,4−ジアミノ−6−プテリジニル)−メチル]アミノ]ベンゾイル]−D−グルタミン酸の遊離酸形を意味する。D−異性体は、平面偏光において負側の回転を起こす;[α]D25=−18°±2°(c=0.1, 水中, 二ナトリウム塩)。本明細書で用いられるとき、‘ラセミのアミノプテリン’、‘アミノプテリンのラセミ体’、‘rac−アミノプテリン’または‘L/D−アミノプテリン’は、L−アミノプテリンおよびD−アミノプテリンの実質的に等しい混合物を意味する。ラセミのアミノプテリンは、平面偏光において検出可能な回転を起こさない。ラセミのアミノプテリンは、種々の無機酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基と塩を形成してもよく、該塩は、慣用の方法によって製造され得る。二ナトリウム塩が好ましい。
【0020】
rac−アミノプテリンは、間接的にアデノシンの細胞外放出を起こす、ジヒドロ葉酸還元酵素を含むプリンおよびピリミジン代謝に関与する酵素を阻害する。アデノシンは、先天的免疫を制御し(reviewed by Hasko and Cronstein, (2004) “Adenosine: an endogenous regulator of innate immunity” Trends Immunol., 25/1:33-39)、抗原刺激細胞の活性化を抑え、接着分子の発現を減少させ、恐らくT細胞アポトーシスを誘発する、強力な抗炎症性オータコイドである(Cronstein et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1991), 88: 2441; Cronstein et al., J. Clin. Invest. (1993), 92/6:2675; Genesteir et al., J. Clin. Invest. (1998), 102:322-328; Morabito et al., J. Clin. Invest. (1998), 101:295-300; Paillot et al., Transplant Proc. (1998), 30/5:2348-50; および Johnston et al., Clin. Immunol. (2005), 114/2:154-63)。
【0021】
ヒトの炎症性障害、例えば関節リウマチおよび乾癬において、アデノシンの中心的役割が現在認識されている。アデノシンは、関節リウマチを有する患者から集められた滑液において直接測定され得る(Ottonello et al., Rheumatology (2002), 41:1249-1260)。
【0022】
本明細書で用いられるとき、用語“ジヒドロ葉酸還元酵素活性を調節することによって処置される障害”は、ジヒドロ葉酸還元酵素活性を調節することが、障害または疾患もしくは障害の1つ以上の生物学的徴候を軽減する;あるいは、障害をもたらすまたは基礎障害の一因である生物学的カスケードにおける1点以上を妨げる;あるいは、障害の1つ以上の症状を軽減する有効な手段である障害、疾患または状態を言う。従って、ジヒドロ葉酸還元酵素活性を調節する対象の障害は、次のものを含む:
(a) 感染、刺激状態(irritation)、内部刺激因子(internal stimulus)または幾つかの他の原因により、活性が遺伝的に変化したかどうかにかかわらず、ジヒドロ葉酸還元酵素活性の不足が障害または1つ以上の生物学的徴候の原因であるもの;
(b) ジヒドロ葉酸還元酵素活性を低下させることによって、疾患もしくは障害、または、疾患または障害の観察可能な徴候(複数の場合を含む)が軽減されるもの。ジヒドロ葉酸還元酵素活性の存在は、必ずしも原因として疾患もしくは障害またはその観察可能な徴候に関連していない;あるいは
(c) ジヒドロ葉酸還元酵素活性が、疾患または障害を生じるかまたはそれに関係する生化学的または細胞のカスケードの一部を妨げるもの。この点において、ジヒドロ葉酸還元酵素活性は、当該カスケードを変化させ、従って疾患、状態または障害を制御する。
【0023】
rac−アミノプテリンでジヒドロ葉酸還元酵素活性を調節することによって処置される障害は、癌、例えば白血病、リンパ腫、乳癌、頭頚部の扁平上皮細胞腫瘍、絨毛癌および子宮内膜癌;ならびに炎症性障害、例えば喘息、多発性硬化症、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、再狭窄、乾癬、乾癬性関節炎、関節炎、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、炎症性腸疾患、肺線維症、多発性嚢胞腎疾患、気管支肺異形成症、塵肺、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、移植片対宿主病、移植拒絶反応、ウシの急性肺炎性パスツレラ症およびイヌのアトピー性皮膚炎を含む。
【0024】
好ましい態様において、本発明は、少なくともジヒドロ葉酸還元酵素活性によって調節される障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。阻害%が5%から100%の範囲を含むならば、ジヒドロ葉酸還元酵素は、患者において、阻害されていると言える。
【0025】
用語“患者”は、動物またはヒトである。用語“治療上有効量”は、炎症性障害、例えば病因不明の関節炎、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、気管支肺異形成症、炎症性腸疾患、乾癬性関節炎および乾癬に苦しめられているヒトまたは他の哺乳動物において、または、例えばイヌのアトピー性皮膚炎またはウシの急性肺炎性パスツレラ症を有する動物において、直接的または間接的に炎症細胞を殺し、炎症細胞の蓄積を阻止し、または炎症細胞の蓄積を軽減するrac−アミノプテリンの投与量(用量または量および頻度)を意味する。用語“治療上有効量”はまた、その量の葉酸代謝拮抗剤が、炎症性障害に関連する病理学的炎症の程度を抑え、軽減し、または完全に無くすために、ヒトまたは哺乳動物において、炎症性障害に関係する炎症性および/または非炎症性細胞によって分泌される分子の活性を、直接的または間接的に低下させるまたは上昇させるrac−アミノプテリンの投与量を意味する。典型的には、治療有効量はまた、1つ以上の疾患の徴候を無くし、軽減し、またはその進行を予防する。医師は、多くの場合において、rac−アミノプテリンが、治癒をもたらさないかもしれず、部分的な利益しかもたらさないかもしれないことを認めるであろう。さらに、医師は、個々の患者および疾病状態が多様であり得るため、ほとんど利益のない患者や、全く利益のない患者もいるかもしれないことを認めるであろう。少なくとも幾分かの患者において、上記の通り“殺す”、“減少させる”または“無くす”rac−アミノプテリンの投与量は、治療有効量であると考えられる。急性時または慢性時の炎症性障害の管理における、rac−アミノプテリンの治療有効量の投与量は、処置されるべき炎症性障害の重症度および投与経路により変化する。
【0026】
rac−アミノプテリンの投与量と時間当たりの投与量(dose rate)は、患者の体重および計算された表面積、用いられる具体的な医薬組成物、処置の対象、すなわち治療であるかまたは予防であるか、処置されるべき疾患の性質、処置を行う医師の判断および個々の患者の応答などの多様な要因に依存する。ロイコボリン救援療法を用いて、大用量のrac−アミノプテリンも可能である。
【0027】
一般的に、治療有効量のrac−アミノプテリンは、ロイコボリン救援療法なしで、炎症の適応において、0.001〜0.5mg/kg、0.001〜0.27mg/kg、0.005〜0.06mg/kg、最も好ましくは0.010〜0.06mg/kgのrac−アミノプテリンの投与であり、腫瘍の適応において、0.13〜0.27mg/kgであり、1回投与または分割された投与として投与される。
【0028】
患者において、疾患の徴候の満足のいく制御に至るまで、これらの投与量範囲内で、低用量から増加方向へタイトレーションしてもよい。一旦患者の状態の改善が起これば、必要に応じて、本発明の組成物の維持投与量を投与する。続いて、症状の関数として投与用量または頻度またはその両方を組み合わせて減少させることによって、改善された状態が維持されるレベルまで、時間あたりの投与量を減少させてもよい。症状が望ましいレベルまで緩和したとき、医師は、処置を止めることを選択し得る。しかし、患者は、何らかの疾患の症状の再発後に、断続的な処置を必要とするかもしれず、あるいは、必要に応じた予防的な計画的処置を必要とするかもしれない。治療有効量のrac−アミノプテリンは、所望により、少なくとも1つの治療有効量のロイコボリンまたは葉酸の前に、それと同時に、またはそれの後に投与され得る。
【0029】
本発明は、さらに、連続したサイクルのrac−アミノプテリン投与で患者の炎症性障害を処置する方法であって、該投与が治療有効量のrac−アミノプテリンを含む方法を提供する。連続した、とは、rac−アミノプテリン投与量が、少なくとも4サイクル、12サイクル、24サイクル、最も好ましくは52サイクルより多く、患者に繰り返して投与され、サイクルの周期が一定であり、1つのサイクルの最後の投与から次のサイクルの第1回目の投与までの時間の最大は、21日を越えず、14日を越えず、最も好ましくは7日を越えないことを意味する。この定義の範囲内で、“サイクルの周期が一定である”とは、連続的なサイクルにおける対応する投与間の時間が、一定から12時間の範囲内であることを意味する。例えば、周期が7日間(すなわち168時間)を表すならば、フレーズ“サイクルの周期は一定である”は、連続的なサイクルにおける対応する投与間の時間が162〜174時間の範囲であり得ることを意味すると解釈される。さらに、この定義の範囲内で、各サイクルにおいてrac−アミノプテリンの投与回数は1〜5回の範囲であり、個々の投与はそれぞれ1個または複数個の個々の投与形を摂取することを含む。
【0030】
従って、例えば、rac−アミノプテリンの1回投与を、患者に、7日間毎に、少なくとも4サイクル、最も好ましくは少なくとも52サイクル(すなわち1年)行う。この場合において、サイクル当たりの投与回数は1回のみであり、周期は7日間であり、1つのサイクルの最後の投与から次のサイクルの1回目の投与までの時間の最大は6日である。他の例において、rac−アミノプテリンの1回投与を月曜日に、さらに1回投与を火曜日に、少なくとも52サイクル行う。この場合において、サイクル当たりの投与回数は2回であり、周期は7日間であり、1つのサイクルの最後の投与から次のサイクルの1回目の投与までの時間の最大は5日(すなわち水曜日から日曜日まで)である。また、他の例において、rac−アミノプテリンの1回投与を、特定の曜日の朝に、他の1回を夜に行い、各投与では2個の錠剤を摂取し、このサイクルを少なくとも52サイクル行う。この例において、サイクル当たりの投与回数は2であり、各投与は2個の投与形の摂取を含み、周期は7日間であり、1つのサイクルの最後の投与から次のサイクルの1回目の投与までの時間の最大は6日(すなわち投与を行った曜日間の日数)である。他のスケジュールおよび例が、本発明の範囲内であると理解されるだろう。例えば、一つの態様において、rac−アミノプテリンの1回投与を月曜日に、さらに1回投与を水曜日に、少なくとも52サイクル行う。この場合において、サイクル当たりの投与回数は2回であり、周期は7日間であり、1つのサイクルの最後の投与から次のサイクルの1回目の投与までの時間の最大は4日(すなわち木曜日から日曜日)である。最も好ましくは、周期は週毎(すなわち7日間)である。
【0031】
また、さらなる例において、1週間の投与は、0.001〜0.14mg/kg、0.010〜0.06mg/kg、最も好ましくは0.020〜0.06mg/kgの範囲のrac−アミノプテリンの累積投与を含む。例えば、0.25kgの対象(例えばラット)には、0.00025mgから0.035mgのrac−アミノプテリン、0.0025mgから0.015mgのrac−アミノプテリン、0.005mgから0.015mgのrac−アミノプテリンを投与し;一方、1.0kgの対象には、0.001mgから0.14mgのrac−アミノプテリン、0.010mgから0.06mgのrac−アミノプテリン、0.02mgから0.06mgのrac−アミノプテリンを投与し;一方、100kgの対象には、0.1mgから14.0mgのrac−アミノプテリン、1.0mgから6.0mgのrac−アミノプテリン、2.0mgから6.0mgのrac−アミノプテリンを投与する。典型的な60kgの成人について、1週間の投与は、0.06〜8.4mg、0.6〜3.6mg、最も好ましくは1.2〜3.6mgの範囲のrac−アミノプテリンの累積投与を含む。
【0032】
本発明は、さらに、併用治療を用いて、患者における障害を処置する方法であって、当該患者に、治療有効量のrac−アミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与すること、ならびに、少なくとも1種の他の治療薬をプロトコルに従って投与することを含む方法を提供する。当該少なくとも1種の他の治療薬は、rac−アミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与する前に、それと同時に、またはそれの後に投与され得る。当該少なくとも1種の他の治療薬はまた、rac−アミノプテリンおよび少なくとも1種の他の治療薬を含む単一投与形、rac−アミノプテリンおよび少なくとも1種の他の治療薬を別個にしかし同時に投与する複数投与形、あるいは、2成分を別個にしかし連続的に投与する複数投与形を含む。
【0033】
少なくとも1種の他の治療薬は、例えば葉酸、L−アミノプテリン、ロイコボリン、デキストロメトルファン、メマンチン、プレドニゾン、cox−2阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤、ビンクリスチン、デキサメタゾン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、メルカプトプリン、エトポシド、シタラビン、ドキソルビシン、シスプラチン、イホスファミド、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、ジアニドロガラシトール(dianydrogalacitol)、タモキシフェン、ピペラジンジオン、ミトキサントロン、ジアジクオン(diaziquone)、アミノチアジアゾール、メトトレキサート、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、エキノマイシン、6−メルカプトプリン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、可溶性TNF受容体、抗TNF抗体および抗TNFヒト化抗体であってもよい。一つの態様において、rac−アミノプテリンは、L−アミノプテリンが約10%から約90%、20%から80%、より好ましくは30%から70%(全アミノプテリンの重量による)であるL−アミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩と共に投与される。
【0034】
好ましい態様において、0.001〜0.3mg/kg、0.010〜0.06mg/kg、最も好ましくは0.020〜0.06mg/kgのrac−アミノプテリンの投与は、併用治療の際に用いられる治療プロトコルにおける使用に適当である。好ましくは、rac−アミノプテリンは、メトトレキサートを用いる治療プロトコルにおいて、当該プロトコルにおけるメトトレキサートの投与量の約8〜16%でrac−アミノプテリンを投与することによって、メトトレキサートの直接の代用となる。
【0035】
他の好ましい態様において、rac−アミノプテリンは、成人関節リウマチの処置において、他の非ステロイド性抗炎症剤を用いる治療プロトコルで、週1回の7〜25mgのメトトレキサートの投与に代えて1〜4mgのrac−アミノプテリンを週1回経口で投与することによって、メトトレキサートの代用となる。
【0036】
他の態様において、rac−アミノプテリンは、若年性関節リウマチの処置において、他の非ステロイド性抗炎症剤を用いる治療プロトコルで、週1回の4〜13mg/m2のメトトレキサートの投与に代えて、0.5〜2.2mg/m2のrac−アミノプテリンを週1回経口で投与することによって、メトトレキサートの代用となる。また、他の態様において、週1回の15〜25mgのメトトレキサートの投与に代えて、1〜4mgのrac−アミノプテリンを週1回経口で投与することによる治療プロトコルで、成人の乾癬が処置される。
【0037】
rac−アミノプテリンおよびその二ナトリウム塩は、葉酸、最も好ましくはラセミの葉酸を原料として出発して、米国特許第7,235,660号(これは、言及することによって本明細書に組み込まれる)に記載された手順を用いて製造される。あるいは、rac−アミノプテリンおよびその二ナトリウム塩は、ラセミのN−(p−アミノベンゾイル)−グルタミン酸を用いて、Piper and Montgomeryの方法を用いて製造される(Piper and Montgomery, J. Org. Chem. 42:208, 1977;米国特許第4,077,957号;第4,079,056号;および第4,224,446号(これらの開示は、言及することによって本明細書に組み込まれる))。例えば、容易に入手可能な出発物質で開始して、スキーム1に従って、rac−アミノプテリンを合成し得る。
【0038】
スキーム1
【化1】

【0039】
上で説明した通り、市販の2,4,5,6−テトラアミノピリミジンである化合物1を、β−ブロモピルバルドキシム(pyruvaldoxime)と縮合して、2,4−ジアミノ−6−(ブロモメチル)プテリジンである化合物2を提供する(Taghavi-Moghadam and Pfleiderer, Tet. Lett. 38:6835, 1997 and Taylor and Portnoy, J. Org. Chem. 38:806, 1973)。あるいは、化合物1を1,3−ジヒドロキシアセトンと反応させ、2,4−ジアミノ−6−プテリジンメタノールである化合物5を提供する(Baugh and Shaw, J. Org. Chem. 29:3610, 1964)。化合物5を精製して、ジメチルアセトアミド中でHBrおよびジブロモトリフェニルホスホラン(PhPBr)と反応させ、化合物2を得る(Piper and Montgomery, J. Org. Chem. 42:208, 1977; Piper and Montgomery, J. Heterocycl. Chem. 11:279, 1974; Piper and Montgomery, 米国特許第4,077,957号;および Piper and Montgomery, 米国特許第4,079,056号)。また、他の態様において、化合物1と1,1−ジクロロアセトンと反応させて、2,4−ジアミノ−6−(メチル)プテリジンを形成し、次いでこれを臭化物と反応させる工程を介して、化合物2を得ることができる(Catalucci, 米国特許第4,224,446号)。
【0040】
その合成経路にかかわらず、化合物2を、ジメチルアセトアミド中で、N−(p−アミノベンゾイル)−L/D−グルタミン酸(すなわちラセミのN−(p−アミノベンゾイル)−グルタミン酸)である化合物3と縮合し、rac−アミノプテリンである化合物4を得る(Piper and Montgomery, J. Org. Chem. 42:208, 1977; Piper and Montgomery, 米国特許第4,077,957号;Piper and Montgomery, 米国特許第4,079,056号;およびCatalucci, 米国特許第4,224,446号)。化合物3は、Hutchings et al, J. Biol. Chem. 1947, pg. 343に記載された方法で合成され得る。簡単に言えば、塩化 p−ニトロベンゾイルをNaOH水溶液中のラセミのグルタミン酸と縮合する。次いで、得られたp−ニトロベンゾイル−rac−Gluを接触還元(H, パラジウム/活性炭)によって還元し、化合物3を得る。芳香族性ニトロ基をアミンに還元する多くの他の方法が存在し、それは当業者に既知である。
【0041】
rac−アミノプテリンに加えて、開示された医薬組成物は、1種以上の薬学的に許容される担体、および所望により他の治療成分を含んでもよい。医薬組成物は、最も容易には、慣用の調剤技術に従って、1種以上の薬学的担体とrac−アミノプテリンを緊密な混合物に合わせることによって製造される。Rac−アミノプテリンは、典型的に、全医薬組成物のほんの少しのパーセンテージのみを構成する。
【0042】
薬学的担体は、投与、例えば経口または非経腸投与(静脈内注射または注入を含む)に望ましい医薬組成物の形態(すなわち“製剤”または“形”)に依存して、広範囲の形態をとり得る。経口投与形の医薬組成物を製造する際、通常の薬学的担体の何れを用いてもよい。通常の薬学的担体は、例えば、経口液体製剤(例えば懸濁液剤、溶液剤およびエリキシル)の場合は、水、グリコール類、油脂、アルコール類、風味剤、保存料、着色剤など;エアゾール;または、経口固体製剤(例えば散剤、カプセル剤および錠剤)の場合は、担体、例えば澱粉、糖類(例えば乳糖)、微晶性セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを含み、一般的に、経口固体製剤は、経口液体製剤より好ましい。小児の患者においては、しかしながら、良い味の経口液体製剤が好ましい。
【0043】
投与が容易であるため、成人において、錠剤およびカプセル剤は、最も好都合な経口投与形であり、その場合、固体の薬学的担体が用いられる。望ましいならば、錠剤は、標準的な水性または非水性法によって被覆され得る。非経腸投与形は、生理学的緩衝液または滅菌水中の、遊離形または塩形の何れかの有効成分の滅菌処理された溶液からなり得る。さらに、非経腸溶液剤は、塩化ベンザルコニウム、メチル−またはプロピル−パラベンおよびクロロブタノールなどの保存料を含み得る。適当な薬学的担体は、この分野の標準的な参考文献であるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
【0044】
また、上記の一般的な投与形に加えて、本発明の医薬組成物は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第3,536,809号;第3,598,123号;第3,630,200号;第4,008,719号;第4,687,660号および第4,769,207号(これらの開示は、言及することによって本明細書に組み込まれる)に記載されたものである、制御放出手段および/または送達デバイスによって投与されてもよい。
【0045】
所望により、医薬組成物は、他の治療成分を含む。このような治療成分は、特定の副作用、特にrac−アミノプテリンの副作用を寛解するために、あるいは、摂取しなければならない投与形の数を減らすことによって患者の利便性を追加するために添加される。医薬組成物と組み合わせるのに適当な治療成分は、例えば葉酸、ロイコボリン、プレドニゾン、cox−2阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤、ビンクリスチン、デキサメタゾン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、メルカプトプリン、エトポシド、シタラビン、ドキソルビシン、シスプラチン、イホスファミド、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、ジアニドロガラシトール、タモキシフェン、ピペラジンジオン、ミトキサントロン、ジアジクオン、アミノチアジアゾール、メトトレキサート、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、エキノマイシン、6−メルカプトプリン、デキサメタゾン、シクロホスファミド、可溶性TNF受容体、抗体、ヒト化抗体を含み得る。
【0046】
本発明の方法および組成物に用いられるとき、用語“薬学的に許容される塩”は、無機酸および無機塩基ならびに有機酸および有機塩基を含む、薬学的に許容される非毒性の酸または塩基から製造される塩を言う。アミノプテリンのナトリウム塩または二ナトリウム塩は、rac−アミノプテリンの薬学的に許容される塩である。
【0047】
rac−アミノプテリンは塩基性かつ酸性であるため、塩は、無機酸および有機酸または無機塩基および有機塩基を含む薬学的に許容される非毒性の酸または塩基から製造される。このような塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、臭化水素酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、マンデル酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸などの何れかのアニオンを含み得る。このような塩はまた、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、ベンザチン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミンおよびプロカインの何れかのカチオンを含み得る。
【0048】
何れの適当な投与経路も、患者に、治療有効量のrac−アミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を提供するために用いられ得る。例えば、適切ならば、経口、直腸、非経腸、経皮、皮下、筋肉内などが用いられ得る。投与形は、錠剤、被覆錠剤、トローチ剤、分散液剤、懸濁液剤、溶液剤、カプレット剤、カプセル剤、パッチ剤などを含む。医薬組成物は、経口、直腸および非経腸(皮下、筋肉内および静脈内を含む)投与に適当なものを含むが、全ての場合において最も適当な経路は、処置される障害の性質および重症度に依存する。最も好ましい経路は、経口経路である。医薬組成物は、好都合には、単位投与形で提供され、製薬業界で周知の何れかの方法によって製造され得る。
【0049】
経口投与に適当な本発明の医薬組成物は、別個の単位として、例えばカプセル剤、カシェ剤または錠剤として、あるいはエアゾールスプレー剤として与えられてもよく、それぞれは、予め定められた量の薬学的に有効な成分を、粉末または顆粒として、または水性液体または非水性液体中の溶液または懸濁液として、または、水中油型エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして含む。このような医薬組成物は、薬剤学の何れかの方法によって製造され得るが、全ての方法は、少なくとも1種の薬学的担体と薬学的に有効な成分を合わせる工程を含む。一般的に、医薬組成物は、薬学的に有効な成分を薬学的液体担体または微細化された薬学的固体担体またはその両方と均一かつ緊密に混合し、必要であれば望ましい形態に製品を成形することによって製造される。
【0050】
例えば、錠剤は、打錠または成形によって、所望により1種以上の補助成分と共に製造され得る。打錠された錠剤は、所望により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合した自由流動形、例えば粉末または顆粒の薬学的に有効な成分を、適当な機械で打錠することによって製造され得る。成形された錠剤は、適当な機械で、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することによって製造され得る。
【0051】
望ましいならば、各錠剤は、約0.25mgから約4mgのrac−アミノプテリンまたはその治療上許容される塩を含み、各カシェ剤はまたはカプセル剤は、約0.25mgから約4mgのrac−アミノプテリンまたはその治療上許容される塩を含む。最も好ましくは、錠剤、カシェ剤またはカプセル剤は、約0.25mgまたは約1mgの2つの投与量の何れか一方のrac−アミノプテリンまたはその治療上許容される塩を含む。
【0052】
他の好ましい態様において、投与形は、0.05mg、0.75mg、0.1mg、0.15mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.35mg、0.4mg、0.45mg、0.5mg、0.55mg、0.6mg、0.65mg、0.7mg、0.75mg、0.8mg、0.85mg、0.9mg、0.95mgまたは1.0mgのrac−アミノプテリンまたはその治療上許容される塩を含む。また、他の態様において、投与形は錠剤である。他の態様において、1週間の投与は、その何れかの投与量の組み合わせによって、1〜3個の投与形を摂取することを含む。上記のrac−アミノプテリンの1週間の累積投与は、特定の時間で1日1回投与で、または、1日の間に複数回の投与で、または数日間にわたり複数回の投与の何れで行われてもよい。本発明の方法を用いて、rac−アミノプテリンを、毒性の徴候を示すことなく、最も好ましい態様において中断することなく、炎症性障害を有する患者に与えられ得ることが見出された。他の好ましい態様において、1個の投与形内のrac−アミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩の量は、0.00025mgから7.0mgの間のrac−アミノプテリン、より好ましくは0.00025mgから0.5mgのrac−アミノプテリン、より好ましくは0.00025mgから0.4mgのrac−アミノプテリン、より好ましくは0.00025mgから0.3mgのrac−アミノプテリン、より好ましくは0.00025mgから0.2mgのrac−アミノプテリン、より好ましくは0.00025mgから0.1mgのrac−アミノプテリンである。好ましい態様において、投与形は錠剤である。
【実施例】
【0053】
実施例1
医薬組成物
0.25mg(バッチ 157I0907)および1.0mg(バッチ 387I1100およびバッチ 116I0604)の投与量の、エナンチオマーとして純粋なおよびラセミの割線の入った即時放出(IR)錠剤を表1の通りに製造した。
【表1】

* 全ての場合において錠剤中の薬物は二ナトリウム塩であるが、記載された錠剤の投与量は、L−異性体、または、L−異性体+D−異性体の遊離酸(すなわち二酸)の当量で記載している。
【0054】
実施例2
錠剤製剤中のL−およびD−異性体の分析
キラル移動相での定組成逆相HPLC法を用いて、純粋なL−異性体錠剤製剤(バッチ 387I1100およびバッチ 116I0604)のエナンチオマー純度を確認し、ラセミの錠剤製剤(バッチ 157I0907)中のL−およびD−異性体の相対量を測定する。本方法は、下記の工程を含む。
【0055】
工程1:分析的HPLCのためのキラル移動相。L−プロリン(1.86g, 16mmol, Sigma Aldrich product P-0380)および硝酸銅(II)水和物(1.86g, 8mmol, Sigma Aldrich product 229636)を、1.0Lの濾過して脱気したHPLC等級水(J.T. Baker product 4218-03)に溶解した。pHメーターを使用し、5N NaOH(約2.5ml)を用いて溶液のpHを6.00にした。
【0056】
工程2:L−アミノプテリン標準調製液。L−アミノプテリン(Sigma Aldrich product A1784)の1.0mg/ml溶液をジメチルアセトアミドで調製した。100μlのこの溶液を900μlの移動相(16mM L−Proおよび8mM Cu(II))に添加することによって、これを10倍希釈し、分析用L−アミノプテリン標準調製液0.1mg/ml溶液を得た。
【0057】
工程3:D−アミノプテリン標準調製液。D−アミノプテリン(社内で合成)の1.0mg/ml溶液をジメチルアセトアミドで調製した。100μlのこの溶液を900μlの移動相(16mM L−Proおよび8mM Cu(II))に添加することによって、これを10倍希釈し、分析用D−アミノプテリン標準調製液0.1mg/ml溶液を得た。
【0058】
工程4:系適合性調製液。移動相において、500μlの上記の工程2および3による各0.1mg/ml標準液を混合することによって、L−アミノプテリンおよびD−アミノプテリンの50:50混合物を調製した。それぞれ0.05mg/mlのL−およびD−アミノプテリンの混合物を得た。
【0059】
工程5:クロマトグラフィー系。液体クロマトグラフは、370nmでモニターするための可変波長検出器(VWD)セットおよび2.0mm×50mmカラム(例えばPhenomenex Gemini, 110Å, 5μm, C18)を備えている。定組成移動相条件は、100% 溶媒A(16mM L−Proおよび8mM Cu(II), pH 6.0)、流速0.6ml/分であった。カラム温度をカラムオーブンの使用によって分析の間60℃で維持した。
【0060】
工程6:手順
6a:ブランクのベースライン。5μlの希釈液サンプル(10% 水性ジメチルアセトアミド)をクロマトグラフに注入し、クロマトグラムとピーク応答を記録した。得られたピークを、ブランク注入に存在するものとして定義し、その面積を記録した。これらをその後の面積計算値全てから引いた。
【0061】
6b:標準液および適合性調製液。5μl等量のL−アミノプテリン標準調製液、D−アミノプテリン標準調製液および系適合性調製溶液をクロマトグラフに別個に注入し、クロマトグラムとピーク応答を記録した。クロマトグラムにおいて、ブランクに存在しないピーク面積を記録した。(1)互いに分割されたL−およびD−アミノプテリンは1.5以上のピーク間分解能Rを有し、(2)純粋なD−標準液およびL−標準液中では、それぞれL−ピークおよびD−ピークが認められず;そして(3)50:50混合物において、6回注入のピーク面積RSDは1.0%以下であり、6回注入におけるL−ピーク面積対D−ピーク面積の比が0.98〜1.02であったときに、系適合性を満たした。
【0062】
6c:サンプル。錠剤製剤を水に浸漬して1mg/ml溶液を得て、次にそれを水で10倍に希釈して試験サンプルを得た。5μl等量の試験サンプルを3回注入した。L−およびD−ピークについての平均ピーク面積を計算した。各パーセンテージを平均値から計算した。L−またはD−ピークが認められなかった場合は、0%と記録した。
【0063】
【表2】

【0064】
この方法を用いて、表2に要約したとおり、純粋なL−異性体錠剤製剤(バッチ 387I1100およびバッチ 116I0604)のエナンチオマー純度を確認し、ラセミ錠剤製剤(バッチ 157I0907)中のL−およびD−異性体の相対量を測定した。
【0065】
実施例3
錠剤製剤中の全アミノプテリン異性体の定量
逆相HPLC濃度勾配法を用いて、純粋なL−異性体錠剤製剤(バッチ 387I1100およびバッチ 116I0604)およびラセミの錠剤製剤(バッチ 157I0907)のアミノプテリン異性体の全量をアッセイした。本方法は、下記の工程を含んだ。
【0066】
工程1:移動相調製。溶媒Aとして100mlの1.0M 酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(1.0M TEAAC, Fluka product 90357)を、900mlのHPLC等級の水に溶解することによって、濾過し脱気した0.1M 酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液の1Lの溶液を調製し、1Lの濾過し脱気したアセトニトリルを溶媒Bとして調製した。
【0067】
工程2:L−アミノプテリン標準液。L−アミノプテリン標準(二ナトリウム塩)の量(50mg×565.2/440.4)を秤量した(すなわち50mgの遊離酸と等量)。L−アミノプテリン標準を50ml容量フラスコに移し、溶媒Aに溶解して容積を50mlにして、1.0mg/mlの溶液(遊離酸当量)を得た。次いで、100μlのこの溶液を900μlの溶媒Aに添加して、0.1mg/mlの溶液とすることによって、10倍に希釈した。
【0068】
工程3:クロマトグラフィー系。液体クロマトグラフは、260nmでの可変波長検出器(VWD)セットおよび2.0mm×50mm カラム(例えばPhenomenex Gemini 110Å, 5μm, C18)を備えたものである。移動相条件は、95% 溶媒A(0.1M TEAAC):5% 溶媒B(アセトニトリル)から5% 溶媒A(0.1M TEAAC):95% 溶媒Bへ30分かけて、95% 溶媒Bで10分間維持し、95% 溶媒A:5% 溶媒Bで15分間再度平衡化した。流速は0.200ml/分であった。
【0069】
工程4:手順。
4a:ベースライン応答。5μl等量の溶媒Aをクロマトグラフに注入し、クロマトグラムと平均ピーク応答を記録した。得られたピークをブランク注入液中に存在しているものと定義し、この面積を記録した。これをその後の面積計算値全てから引いた。
【0070】
4b:標準応答。5μl等量のL−アミノプテリン標準液をクロマトグラフに3回注入し、クロマトグラムと平均ピーク面積応答を記録した。標準液は約7分で溶出し、L−およびD−異性体は非キラル法で共溶出する。
【0071】
4c:サンプル応答。錠剤製剤を下記の通りに溶媒Aに溶解した:バッチ 157I0907を5mlの水当たり10錠(0.5mg/ml);バッチ 387I1100およびバッチ 116I0604を20mlの水当たり5錠(0.25mg/ml)。遠心分離後、各製剤からの5μl等量の上清を3回注入した。アミノプテリンについてのピーク面積の平均値および標準偏差(SD)を各錠剤について計算し、各錠剤中のアミノプテリン量を得るために、標準液の平均ピーク面積で割った。
【0072】
この方法を用いて、純粋なL−異性体錠剤製剤(バッチ 387I1100およびバッチ 116I0604)およびラセミの錠剤製剤(バッチ 157I0907)中の全アミノプテリンを定量し、表3に要約した。
【表3】

【0073】
実施例4
ビーグル犬における薬物動態および吸収
純粋なL−異性体錠剤製剤(バッチ 116I0604)、99mgの微晶性セルロースと混合した1mgのD−異性体、および4錠のラセミの錠剤製剤(バッチ 157I0907)の経口吸収を調べるために、10匹(N=10)のビーグル犬について薬理試験を行った。各製剤は、硬ゼラチンカプセル剤に入れられ、直接胃に入れることによって投与された。各製剤の投与を、7日間の休薬期間によって隔てた。10匹のイヌの平均体重は11.3±1.7(SD)kgであった。
【0074】
薬物動態分析のために、抗凝血剤としてのEDTAと共に、静脈血サンプルをそれぞれ、投与前および投与後0.5、1、1.5、2、3、6、9および12時間で採取した。サンプルを遠心分離し、血漿を集め、分析のために凍結した。この試験において、尿はサンプリングしなかった。血漿サンプル中のアミノプテリンを、アキラルなLC/MSアッセイ(Advion Biosciences, Ithaca, New York)によって定量化した。本アッセイの定量下限(LLOQ)は0.5ng/mlまたは1.2nMであった。ラセミ体を投与した動物由来の血漿サンプル中のL−異性体およびD−異性体の量を、キラルLC/MSアッセイを用いて測定した。
【0075】
投与された製剤それぞれについての各異性体の平均血漿濃度(N=10, 各製剤について)を表4に要約し、図1、図2および図3にグラフとして示す。これらのデータにより、別個に与えた場合には、L−異性体およびD−異性体の両方が有効に吸収されるが、D−異性体の全身曝露は、L−異性体の約30%であった(AUC比)ことが示された。予想外なことに、L−およびD−異性体をラセミの組み合わせとして一緒に与えた場合には、D−異性体の全身曝露は全く見られず、L−異性体について立体選択的な吸収と合致した。
【0076】
【表4】

【0077】
L−異性体を含む製剤についてのこの試験から得た薬物動態学的パラメーター(投与されたL−異性体の量について投与量正規化された値)を表5に要約した。Cmax、AUC(0-12時間)およびAUCの値を、図4にプロットした。また、予想外なことに、データにより、L−異性体のみを含む製剤からの吸収と比較して、ラセミの製剤からのL−異性体の全身曝露が、著しく増大される(Cmax、AUC(0-12時間)およびAUCによって測定)ことが示された(全ての3種の薬物動態学的パラメーターにおいてP<0.05, 対応のあるt検定)。
【0078】
【表5】

【0079】
実施例5
ヒトにおける薬物動態および吸収
中程度から重度の乾癬を有する21才以上の男性および女性の対象について、0.25mgのrac−アミノプテリン錠剤(D−およびL−アミノプテリン, バッチ 157I0907)の経口薬物動態および安全性を1.0mgの対照L−アミノプテリン錠剤(バッチ 387I1100)と比較するために、無作為化単一用量2期間クロスオーバー試験を行った。rac−アミノプテリン錠剤(4×0.25mg錠剤)または対照L−アミノプテリン錠剤(1×1.0mg錠剤)の何れかの1.0mg単回投与を行うために、2つの平行アームで対象を無作為化し(それぞれN=6)、各対象から10時間血液検体を得た。7日後、両方のアームの対象を試験の他のアームとクロスオーバー試験して、他の製剤の1.0mg経口単回投与を行い、再度血液検体を10時間に亘って採取した。
【0080】
エンドポイント解析は、血漿中のAUC(0-12時間)、AUCおよびCmaxのアミノプテリンを含む。さらに、L−およびD−異性体が異なって吸収された程度を決定するために、血漿についてキラル分析を行った。血漿サンプル中のアミノプテリンを、アキラルLC/MS分析(Advion Biosciences, Ithaca, New York)によって定量した。アッセイの定量化の低限(LLOQ)は0.5ng/mlまたは1.2nMであった。ラセミ体を投与された動物由来の血漿サンプル中のL−異性体およびD−異性体の量を、キラルLC/MS分析を用いて決定した。
【0081】
イヌの種の場合では、両方の製剤から、血漿中でL−異性体のみを検出し、L−異性体について立体選択的であるラセミ体の腸吸収と一致している。2種の製剤について、この試験から得た薬物動態学的パラメーター(投与されたL−異性体量について投与量正規化された値)を、表6に要約している。
【0082】
【表6】

【0083】
max、AUC(0-12時間)およびAUCの値を図5にプロットしている。また、予想外なことに、イヌと同様にヒトにおいても、データにより、L−異性体のみを含む製剤からの吸収と比較してラセミ製剤からのL−異性体の全身曝露が増大したことが示された(Cmax、AUC(0-12時間)およびAUCによって測定した)。
【0084】
本明細書は、その特定の態様について特に記載しているが、特許請求の範囲の範囲および精神の範囲内で、当業者により変更および修飾が行われ得ると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項2】
医薬組成物が経口投与に適合させたものである、請求項1に記載された医薬組成物。
【請求項3】
ラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩が二ナトリウム塩である、請求項1に記載された医薬組成物。
【請求項4】
ラセミのアミノプテリンの量が0.01mgから4mgである、請求項1に記載された医薬組成物。
【請求項5】
錠剤またはカプセル剤の形態である、請求項1に記載された医薬組成物。
【請求項6】
約10%から約90%(重量%)のL−アミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩をさらに含む、請求項1に記載された医薬組成物。
【請求項7】
ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩がD−アミノプテリンおよびL−アミノプテリンを含み、ラセミのアミノプテリン中に15%から85%のD−アミノプテリンが存在している、請求項1に記載された医薬組成物。
【請求項8】
ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩中に、25%から75%のD−アミノプテリンが存在している、請求項7に記載された医薬組成物。
【請求項9】
ラセミのアミノプテリン中に35%から65%のD−アミノプテリンが存在している、請求項8に記載された医薬組成物。
【請求項10】
ラセミのアミノプテリンまたはラセミのアミノプテリンの薬学的に許容される塩中に、45%から55%のD−アミノプテリンが存在している、請求項9に記載された医薬組成物。
【請求項11】
患者において障害を処置する方法であって、患者に、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項12】
治療有効量のラセミのアミノプテリンが経口投与される、請求項11に記載された方法。
【請求項13】
該障害が、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、関節炎、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、気管支肺異形成症およびイヌのアトピー性皮膚炎からなる群から選択される、請求項11に記載された方法。
【請求項14】
併用治療において第2薬物の使用をさらに含む、請求項11に記載された方法。
【請求項15】
第2薬物が葉酸である、請求項14に記載された方法。
【請求項16】
治療有効量のラセミのアミノプテリンが、患者のkg体重当たり0.3mg未満のアミノプテリンである、請求項11に記載された方法。
【請求項17】
少なくともジヒドロ葉酸還元酵素活性によって調節される障害を処置する方法であって、処置を必要とする患者に、治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法。
【請求項18】
治療有効量のラセミのアミノプテリンまたはその薬学的に許容される塩が経口投与される、請求項17に記載された方法。
【請求項19】
該障害が、白血病、リンパ腫、乳癌、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎、関節炎、アトピー性皮膚炎、炎症性腸疾患、気管支肺異形成症およびイヌのアトピー性皮膚炎からなる群から選択される、請求項17に記載された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−515796(P2012−515796A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548163(P2011−548163)
【出願日】平成22年1月23日(2010.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/021899
【国際公開番号】WO2010/085717
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511178887)アミノプテリン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】Aminopterin LLC
【Fターム(参考)】