説明

ラッカーを消泡するための消泡剤

本発明は、水性媒体を消泡するための材料に関する。当該材料は、式(I)の尿素誘導体を固体粒子の形態で消泡剤として含む。式(I)において、Rは、4〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、4〜24個の炭素原子および1つの窒素原子を有する炭化水素基、または4〜30個の炭素原子および1つのカルボニル基を有する炭化水素基であり、Rは、水素原子、または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Rは、水素原子、または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Rは、2〜30個の炭素原子を有する有機基であり、nは0〜5である。当該尿素誘導体は、キャリア媒体中でのイソシアネートとアミンとの反応によって得られる。本願発明は、前記反応が、式(VI)R−OH(式中、R=6〜10個の炭素原子を有する線状または分枝状のアルキル基である)の一価アルコールの存在下で行われることを特徴とする。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング材料、好ましくは堆積コーティング材料として使用されるようなコーティング材料を消泡するための消泡剤に関する。本発明の消泡剤は、尿素誘導体をベースとした固体を含む。
【背景技術】
【0002】
多数の産業プロセスにおいて、特に水性媒体中で作業される場合、製造または処理作業中に望ましくない発泡を抑制または完全に防止する必要がある。これは、消泡すべき媒体に、泡止め剤または消泡剤として知られているものを混合することによって行うことができ、それらは、約0.001重量%以上の非常に低濃度で使用した場合でさえも、望ましくない泡を防止または破壊することができる。このような従来技術の消泡剤の例には、シリコーン油、鉱油、疎水性ポリオキシアルキレン、長鎖アルコール、およびこれらの製品の互いの混合物、ならびにそれらのエマルジョンが含まれる。活性を増強するために、いわゆる疎水性固体を0.1重量%〜15重量%の量で加えることが一般的であり、これによって有効消泡成分の泡の薄層への浸透率が特に高くなり、したがって泡の崩壊を活発に促進する。好適な疎水性固体は、好適な粒度の対応するシリカ、金属ステアリン酸塩、ポリオレフィン、およびワックスである。
【0003】
消泡剤配合物への添加剤としての尿素および尿素誘導体の使用も、それ自体公知である。
【0004】
欧州特許出願公開A−0 115 585号(独国特許第32 45 582号)には、有機キャリア媒体中に比較的低温でその場で(in situ)調製され、水性媒体に対して消泡特性を有する尿素が記載されている。これらは、好ましくは同量のイソシアネートとアミンとを対応する有機キャリア媒体中において反応生成物の融点よりも低温で混合することによって得られる。
【0005】
これによって、一般式
【化1】


(R=アルキルC〜C30
R’=単化学結合;アルキレンC〜C12、アリール基上にさらなるアルキル基C〜Cを有する単核から二核のアリール基、シクロアルキレン;
R’’=H、アルキルC〜C24
R’’’=H、−CH−;
x=0〜5である)の尿素誘導体が生成される。
【0006】
これの欠点は、欧州特許出願公開A−0 115 585号に記載される手順によりその場で尿素誘導体を形成する結果として、アミン、および特にイソシアネートとのいずれかとは反応できないキャリア媒体を使用する必要があることである。
【0007】
独国特許第19917186号には、尿素誘導体を疎水性固体として使用する消泡性配合物の製造方法が記載されており、そのような尿素誘導体を、欧州特許出願公開A−0 115 585号に記載されるようなそれらの融点より低温でその場で調製することは必要でも有利でもなく、その代わりに、実際には、特定の溶融および再結晶手順によって、改善された性質を有する消泡剤配合物を製造することができ、実際には、溶融および再結晶の条件の方法論的に変動させることによって、性質の特徴を調節することができる。さらに、必要であれば、尿素誘導体を別に調製することによって、アミンおよび/またはイソシアネートの起こり得る反応性にもかかわらず、上記の二次反応に起因して欧州特許出願公開A−0 115 585号に記載の経路による沈殿結晶化が起こらないキャリア媒体のみを使用することもできる。
【0008】
公知の方法およびそれによって得られる消泡剤の欠点の1つは、得られる消泡剤の濾過性(filterability)が悪いことであり、たとえば消泡剤を含む堆積コーティング材料(deposition coating materials)の濾過においてフィルターが比較的短時間で目詰まりする結果となる。公知の方法およびそれによって得られる消泡剤のさらなる欠点の1つは、保管中に固体が完全又は部分的に沈降することである。固体の分散が不均一になることで、消泡剤として使用する前に、望ましくなくかつ時間のかかる均質化が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的の1つは、従来技術の消泡剤よりも優れた濾過性、および保管後の固体のより均一な分布を有する消泡剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、分枝状一価アルコールの存在下で製造すると、尿素誘導体を含む消泡剤は改善された濾過性を示すことが見出された。
【0011】
したがって、本発明は、水性媒体を消泡するための組成物であって、消泡剤として、式I
【化2】


(式中、
は、2〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、3〜24個の炭素原子および1つの窒素原子を有する炭化水素基、または2〜30個の炭素原子および1つのカルボニル基を有する炭化水素基であり、
は、水素原子または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素原子または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、2〜30個の炭素原子を有する有機基であり、
nは、0〜5である)
の少なくとも1種の尿素誘導体を固体粒子の形態で含み、該尿素誘導体は、キャリア媒体中での少なくとも1種のイソシアネートと少なくとも1種のアミンとの反応によって得られ、該反応は、式VI
−OH
(式中、R=線状または分枝状のアルキル基である)
の一価アルコールの存在下で行われることを特徴とする、組成物を提供する。
【0012】
本発明のさらなる対象は、特許請求の範囲において規定される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の組成物は、固体粒子が良好な濾過性を示し、したがって、堆積コーティング材料中の消泡剤として使用する場合に、その濾過の際にフィルターの目詰まりまたは詰まりが発生しないという利点を有する。本発明の組成物は、比較的低い粘度、特に従来技術により製造された組成物よりも低い粘度を有することができ、したがって、消泡剤が使用される媒体の濾過品質および圧送性(pumpability)が向上するというさらなる利点を有する。
【0014】
本発明の組成物、およびその製造方法、およびその使用を、例として以下に説明するがこれらの代表的な実施形態に本発明が限定されるべきであると意図するものでは全くない。以下において、化合物の範囲、一般式、または種類に言及する場合、これらは、明確に言及される対応する化合物の範囲または群だけを含むのではなく、個別の値(範囲)または化合物を抽出することによって得ることができる化合物のすべての部分的範囲および下位群をも含むものと解釈すべきである。本明細書の説明で文献を引用する場合、それらの内容が全体的に本発明の開示内容に属すると解釈すべきである。本発明が、たとえば、複数のベースで異なる単位を有することができるポリエーテルなどの化合物を記載する場合、これらの単位はこれらの化合物中で不規則に存在する場合もあるし(ランダムオリゴマーまたはポリマー)、規則的に存在する場合もある(ブロックオリゴマーまたはブロックポリマー)。このような化合物中の単位の数を示す数値は、すべてのこのような化合物にわたって平均された平均値であると理解されたい。
【0015】
本発明の組成物は、水性媒体を消泡するための組成物であって、消泡剤として、式I
【化3】


(式中、
は、2〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、3〜24個の炭素原子および1つの窒素原子を有する炭化水素基、または2〜30個の炭素原子および1つのカルボニル基を有する炭化水素基であり、
は、水素原子または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素原子または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、2〜30個の炭素原子を有する有機基であり、
nは、0〜5である)
の少なくとも1種の尿素誘導体を固体粒子の形態で含み、該尿素誘導体は、キャリア媒体中での少なくとも1種のイソシアネートと少なくとも1種のアミンとの反応によって得られ、該反応は、式VI
−OH
(式中、R=6〜10個、好ましくは7〜9個、より好ましくは8個の炭素原子を有する直鎖または分枝状、好ましくは分枝状のアルキル基である)
の一価アルコールの存在下で行われることを特徴とする。使用される式VIのアルコールが、1つのみの分枝を有するアルコールである場合に有利となりうる。式VIのアルコールとして、2−エチルヘキサノールを使用することが特に好ましい。
【0016】
反応中の反応混合物の割合としてのアミンの分率(fraction)は、式VIのアルコールの質量を基準にして、好ましくは500質量%〜20質量%、より好ましくは200質量%〜50質量%である。
【0017】
反応によって得られた固体粒子が、少なくとも1種の分散剤の存在下で少なくとも1回分散されると有利となりうる。この目的のために、好ましくは、反応で得られた反応混合物を分散助剤と混合し、分散に好適な装置中で処理する。使用される好適な装置は、たとえば、実験室用溶解機、セラミックボールミル、または製造用溶解機であってよい。
【0018】
分散剤としては、非極性媒体中での使用に適したすべての公知の分散剤を使用することができる。分散剤としては、ポリエーテルおよび/またはポリエステルまたはソルビタンエステルの使用が好ましい。スチレンオキシド単位を有するポリエーテルおよび/またはポリエステルを使用することが好ましい。この種のポリエーテルおよびポリエステルは、たとえば米国特許公開第2006−0183815号に記載されている。特に好ましいスチレン単位を有するポリエーテルエステルの例は、
A)1種以上のアミノ官能性ポリマーと、
B)一般式(VII)/(VIIa)
T−C(O)−[O−A−C(O)]−OH(VII)
T−O−[C(O)−A−O−]−Z (VIIa)
の1種以上のポリエステル、
および
C)一般式(VIII)/(VIIIa)
T−C(O)−B−Z(VIII)
T−O−B−Z (VIIIa)
の1種以上のポリエーテルとの部分的または完全な反応によって得ることができるポリエーテルエステルであり、
式中、
Tは、水素基、および/または任意選択により置換された、1〜24個の炭素原子を有する線状または分枝状のアリール基、アリールアルキル基、アルキル基、またはアルケニル基であり、
Aは、線状、分枝状、環状、および芳香族の炭化水素からなる群から選択される少なくとも1つの二価の基であり、
Zは、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、カルボン酸、イソシアネート、エポキシド、特に、リン酸および(メタ)アクリル酸からなる群から選択される少なくとも1つの基であり、
Bは、一般式(IX)
−(C2lO)−(C2mO)−(C2nO)−(SO)−(IX)
の基であり、
SO=−CH−CH(Ph)−O−であり、Ph=フェニル基であり、
a、b、およびcは、互いに独立して、0〜100の値であり、
但し、a+b+cの合計は、≧0、好ましくは5〜35、特に10〜20であり、但しa+b+c+dの合計が>0であり、
dは、≧0、好ましくは1〜5であり、
l、m、およびnは、互いに独立して≧2、好ましくは2〜4であり、
xおよびyは、互いに独立して≧2である。
【0019】
反応生成物は、アミドの形態および/または対応する塩の形態で存在してもよい。たとえば、アルコールから出発して調製されるポリエーテルおよびポリエステルであって、末端OH基が(メタ)アクリル酸などの不飽和酸でエステル化されている場合などのように、分子中の部分「Z」が多重結合を有する場合、NH官能基の二重結合へのマイケル付加により結合が行われる。
【0020】
アミノ官能性ポリマーの例は、Aldrich Chemical Co.のポリリジンなどのアミノ官能性ポリアミノ酸;Degussa AGより商品名Tegomer(登録商標) ASi 2122で入手可能なアミノ官能性シリコーン;商品名Polypox(登録商標)、Aradur(登録商標)、またはAldrich Chemical Co.の「Starburst(登録商標)」デンドリマーで入手可能なポリアミドアミン;日東紡より商品名PAAで入手可能なポリアリルアミンおよびポリ(N−アルキル)アリルアミン;BASF AGより商品名Lupamin(登録商標)で入手可能なポリビニルアミン;商品名Epomin(登録商標)(日本触媒)、Lupasol(登録商標)(BASF AG)で入手可能な、たとえばポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミン;DSM AGより商品名Astramol(登録商標)で入手可能なポリプロピレンイミンである。アミノ官能性ポリマーのさらなる例は、上記の系をアミン反応性基と架橋させることによって生成される。この架橋反応は、たとえば、多官能性イソシアネート、カルボン酸、(メタ)アクリレート、およびエポキシドを介して行われる。さらなる例は、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド(Degussa AG)または(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル(Degussa AG)をモノマーとして含むポリ(メタ)アクリレートポリマーである。
【0021】
400g/mol〜600,000g/molの分子量を有するアミノ官能性ポリマーを使用することが好ましい。
【0022】
T基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、およびオクタデシル基などの1〜24個の炭素原子を有するアルキル基である。最大24個の炭素原子を有する任意選択により置換されたアリール基またはアリールアルキル基の例は、フェニル基、ベンジル基、トリル基、またはフェネチル基である。
【0023】
ポリエステル基−[O−A−C(O)]−および−[C(O)−A−O−]−は、好ましくは平均で2個を超えるエステル基を含有し、100〜5000g/molの平均分子量Mを有する。M=200〜2000g/molの値が特に好ましい。
【0024】
分散剤の特に好ましい一実施形態は、T−CH−OHまたはT−COOHなどの出発分子、ならびに1種以上のラクトン、たとえば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、2−メチルカプロラクトン、5−ヒドロキシドデカノラクトン、12−ヒドロキシドデカノラクトン、12−ヒドロキシ−9−オクタデセン酸、および12−ヒドロキシオクタデカン酸などの出発分子を使用する開環重合の従来方法によってポリエステル基を生成することによって得ることができる。
【0025】
T−COOH−などの出発分子、およびそれらより調製可能な脂肪アルコールT−CH−OHは、好ましくは、当分野において一般的で公知である一塩基脂肪酸であり、これらは、6〜24個の炭素原子、特に12〜18個の炭素原子を有する天然植物または動物の油脂、たとえばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ペトロセリン酸、エライジン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ガドレイン酸、菜種油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、トール油脂肪酸をベースとし、これらは、単独あるいは混合物で、それらのグリセリド、メチルエステル、またはエチルエステルの形態であるいは遊離酸として、また、加圧による開裂によって得られる技術的混合物で使用することもできる。基本的には、類似する鎖分布を有するすべての脂肪酸が好適である。
【0026】
これらの脂肪酸および/または脂肪酸エステルの不飽和分率の量は、必要である限りにおいて、公知の接触水素化技術によって所望のヨウ素価に調整されるか、または完全水素化脂肪成分を非水素化脂肪成分とブレンドすることによって得られる。
【0027】
脂肪酸の平均飽和度の尺度の1つであるヨウ素価は、二重結合を飽和させるために化合物100gによって必要となるヨウ素の量である。
【0028】
脂肪酸および得られるアルコールの両方は、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシドおよび/またはスチレンオキシドとの付加反応によって変性することができる。
【0029】
Bのポリエーテル単位の例は、以下のものなどのアルキレンオキシド:エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、ドデセンオキシド、テトラデセンオキシド、2,3−ジメチルオキシラン、シクロペンテンオキシド、1,2−エポキシペンタン、2−イソプロピルオキシラン、グリシジルメチルエステル、グリシジルイソプロピルエステル、エピクロロヒドリン、3−メトキシ−2,2−ジメチルオキシラン、8−オキサビシクロ[5.1.0]オクタン、2−ペンチルオキシラン、2−メチル−3−フェニルオキシラン、2,3−エポキシプロピルベンゼン、2−(4−フルオロフェニル)オキシラン、テトラヒドロフラン、ならびにそれらの純粋な鏡像異性体対または鏡像異性体混合物である。
【0030】
Z基は、たとえば、無水コハク酸、無水マレイン酸、または無水フタル酸などのカルボン酸無水物の付加生成物から構成されてよい。
【0031】
好ましい分散剤中のポリエステルとポリエーテルとの重量比は、好ましくは50:1〜1:9の間、より好ましくは40:1〜1:5の間、非常に好ましくは30:1〜1:1の間である。
【0032】
使用されることが好ましい分散剤のさらなる詳細は、たとえば、米国特許公開第2006−0183815号に見ることができ、この内容全体が参照され、この開示が本発明の開示内容に含まれることが意図される。
【0033】
本発明の組成物は、好ましくは、Rが、2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個、より好ましくは12〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、式II
【化4】


(Rは、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する炭化水素基である)の有機基、または式III
【化5】


(Rは、2〜30個の炭素原子、好ましくは2〜20個の炭素原子を有する有機基である)の有機基であり、R基が、水素原子であり、R基が、水素原子であり、R基が、1〜30個、好ましくは1〜12個、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有する炭化水素基であるような尿素誘導体を有する。
【0034】
同様の好ましい組成物は、好ましくは、Rが、2〜30個、好ましくは2〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、RおよびRが、水素原子であり、Rが、有機基
【化6】


(Rは、1〜30個、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基である)
であるような尿素誘導体を有する。
【0035】
本発明の組成物は、任意のモノイソシアネートまたはポリイソシアネートと任意のモノ−またはポリアミン化合物とを反応させることによって得ることができる。使用可能なモノイソシアネートの例としては、ホスゲン化反応によって公知のモノアミンから得ることができるすべてのイソシアネートが含まれる。特に、使用されるモノイソシアネートは、2−エチルヘキシルイソシアネート、イソトリデシルイソシアネート、パルミチル−ステアリルイソシアネート、またはC18〜C24アルキルイソシアネートである。使用される好ましいイソシアネートは、ラウリルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ステアリルイソシアネートおよび/またはパルミチルイソシアネート、またはそれらの混合物である。
【0036】
アミンとしては、単官能性または多官能性アミンを使用することができる。使用が好ましいアミンとしては、オクチルアミン、ジエチルトリアミン、オレイルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン、ステアリルアミンとヘキサメチレンジアミンおよびトリレンジイソシアネートとの反応生成物、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、またはヒドラジン、ならびにこれらのアミンの2種以上の混合物が含まれる。
【0037】
ステアリルイソシアネートをイソシアネートとして使用し、プロパンジアミンをアミンとして使用することが好ましい。
【0038】
キャリア媒体としては、少なくとも1種の有機油および/または少なくとも1種の鉱油を使用することができる。このような油は、たとえば、大豆油またはヒマワリ油などの天然油、あるいはパラフィンベースのスピンドル油、あるいはナフテンベースまたは芳香族の鉱油であってよい。キャリア媒体としては、少なくとも1種のシロキサンおよび/または少なくとも1種の有機変性シロキサンを使用することが好ましい。キャリア媒体として同様に好適なものは、たとえば、ベンジン、キシレン、トルエン、医療用ホワイト油、ステアリン酸イソブチルまたはステアリン酸イソオクチルなどの長鎖脂肪酸のエステル(4個を超える炭素原子を有する鎖)、たとえば、ポリアルキレングリコール、ならびにこれらの製品と上記の油またはシロキサンとの組み合わせである。
【0039】
本発明の組成物は、好ましくは尿素誘導体とキャリア媒体との質量比が0.002:1〜1:1、より好ましくは0.01:1〜0.20:1である。
【0040】
乳化剤を加えることによって、本発明の消泡のための組成物を水性エマルジョンに変換することもできる。使用可能な乳化剤には、たとえばHLBが4〜18である乳化剤が含まれる(HLBは、W.C. Griffin, ”Classification of surface active agents by HLB”, J.Soc. Cosmetic Chemists 1, 311 (1950)による)。非イオン性乳化剤の使用が好ましい。より好ましくは使用される乳化剤は、たとえば、脂肪アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ソルビタンエステル、および脂肪酸エトキシレートである。本発明の消泡用組成物中の乳化剤の分率は、キャリア媒体を基準にして好ましくは1質量%〜10質量%である。
【0041】
好ましい一変形においては、水性媒体を消泡するための本発明の組成物は、
a.少なくとも1種および好ましくはすべての消泡剤が、固体粒子の形態の上記定義の式Iの尿素誘導体である消泡剤、
b.上記の1種以上のキャリア媒体、
c.上記の式VIの1種以上の一価アルコール、
d.任意選択により1種以上の分散剤、
e.任意選択により1種以上の乳化剤、および
f.任意選択により水、
から構成される。
【0042】
特に好ましい一形態においては、水性媒体を消泡するための本発明の組成物は、
a.少なくとも1種および好ましくはすべての消泡剤が、固体粒子の形態の上記の定義の式Iの尿素誘導体である消泡剤、
b.上記の1種以上のキャリア媒体、
c.上記の式VIの1種以上の一価アルコール、および
d.1種以上の分散剤、
から構成される。
【0043】
好ましくは、成分aの質量分率は5〜40であり、成分bの質量分率は25〜75、であり成分cの質量分率は1〜10である。特に好ましくは、成分aの質量分率は10〜30であり、成分bの質量分率は40〜60であり、成分cの質量分率は2〜5である。1種以上の分散剤が本発明の組成物中に存在する場合、それらは好ましくはaを基準にして0.75:1〜1.25:1、より好ましくは約1:1の質量分率で存在する。
【0044】
本発明の組成物は、イソシアネート化合物とアミン化合物との反応が式VIの一価アルコールの存在下で行われるとの条件の下、任意の公知の尿素誘導体の製造方法によって得ることができる。この反応は、好ましくは、独国特許第32 45 482号に記載の方法に沿って行われる。
【0045】
本発明の消泡用組成物は、より好ましくは後述の本発明の方法によって製造される。
【0046】
水性媒体を消泡するための消泡剤または組成物を製造するための本発明の方法において、上記のキャリア媒体の1つの中で、式VIのアルコールの存在下で、得られる式Iの尿素誘導体の溶融温度よりも低温において、イソシアネートをアミンと反応させることで、式Iの尿素誘導体が得られる。アルコールとしては、上記のアルコールのうちの1つ、好ましくは2−エチルヘキサノールを使用することが好ましい。アルコールは、好ましくは、質量分率が上記の好ましい範囲内となる量で反応混合物に加えられる。
【0047】
反応は、最初に、キャリア媒体を式VIのアルコールと混合し、好ましくは撹拌を続けながら、この混合物を、最初にアミンと混合し、次にイソシアネートと混合するように行うことが好ましい。
【0048】
イソシアネートとして、単官能性または多官能性のイソシアネートを使用することができる。モノイソシアネートとしては、たとえば、ホスゲン化反応によって公知のモノアミンから得ることができる任意のイソシアネート、特に2−エチルヘキシルイソシアネート、イソトリデシルイソシアネート、パルミチル−ステアリルイソシアネート、またはC18〜C24アルキルイソシアネートを使用することができる。イソシアネートとしては、ステアリルイソシアネートおよび/またはパルミチルイソシアネート、あるいはそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0049】
アミンとしては、単官能性または多官能性のアミンを使用することができる。使用が好ましいアミンとしては、オレイルアミン、ステアリルアミン、ジステアリルアミン、ステアリルアミンとヘキサメチレンジアミンおよびトリレンジイソシアネートとの反応生成物、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、p−キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、またはヒドラジン、ならびにこれらアミンの2種以上の混合物が含まれる。
【0050】
イソシアネート官能基とアミン官能基との当量比が0.5:1〜1:0.2、好ましくは1:1.2〜1:0.8となるのに十分なイソシアネートおよびアミンを使用することが好ましい。
【0051】
プロパンジアミンをアミンとして使用し、ステアリルイソシアネートをイソシアネートとして使用することが特に好ましい。これらの反応物を使用する場合、反応は、20〜60℃の温度において、反応混合物を50〜1000回転/分で混合する撹拌機を使用して行うことが好ましい。
【0052】
得られた反応混合物は、水性媒体を消泡するための組成物として直接使用することができる。
【0053】
好ましくは、水性媒体を消泡するための組成物として使用する前に、上記の分散剤の1つを加えた後に、得られた反応混合物を分散させる。この目的のために、好ましくは、反応中に得られた反応混合物に分散助剤を加え、混合した反応混合物を分散に好適な装置中で処理する。使用される好適な装置は、たとえば、実験室用溶解機、セラミックボールミル、または製造用溶解機であってよい。
【0054】
得られた反応混合物を直接濾過したり、分散させた反応混合物を使用前に濾過したりすると有利となりうる。これは、好ましくは25μmのフィルターを使用して行うことができる。
【0055】
本発明の組成物、および本発明の方法によって得られた組成物(消泡剤)は、たとえば、冷却潤滑剤、ポリマー分散物、コーティング材料、および/または印刷用インクの消泡に使用することができる。したがって、本発明は、本発明の消泡のための組成物を含む水性媒体、特に冷却潤滑剤、ポリマー分散物、コーティング材料、好ましくは堆積コーティング材料、または印刷用インクも提供する。
【0056】
実施例を参照することによって本発明を以下に説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されることを意図するものでは決してない。
【実施例】
【0057】
実施例1〜12:本発明の消泡組成物の調製
撹拌容器中で、50gのキャリア材料(表1に記載)を投入し、温度Yまで加熱し、5gのアミンおよび1gのアルコールと混合し、完全に均一になるまでこの混合物を撹拌した。撹拌速度Zで等モル量のイソシアネートISOを加えた後、反応時間(after-reaction time)tを設けた。この後、任意選択により、撹拌速度Zで分散剤を加え、加えた分散剤の量は、分散剤と、使用したアミンおよびイソシアネートの合計との質量比が1:1となるようにした。
【0058】
比較例13〜17:比較例の消泡剤の調製
本発明のアルコールを使用せず分散剤も使用せずに、同じ方法で、本発明のものではない消泡剤を調製した。
【0059】
使用したキャリア材料は以下の通りであった:
T1=Ecolane 100(Total Deutschland GmbH)
T2=80重量%のEcolane 100(Total Deutschland GmbH)および20重量%のPolyo1 110(Evonik Goldschmidt GmbH)DDの混合物
T3=10重量%のIndopol H 2100(Innovene)および90重量%のポリ−1−デセン(50Mpas)(Aldrich Deutschland GmbH)の混合物
T4=Nynas T 22(Nynas Petroleum(Stockholm、Sweden))
T5=TEGO STAB 8932(BP 18100)(Evonik Goldschmidt GmbH)
T6=50重量%のlithene PM(Sartomer)および50重量%のPolyol 110(Evonik Goldschmidt GmbH)
【0060】
使用したアミンは以下の通りであった:
A1=プロパンジアミン
A2=オクチルアミン
A3=ジエチルトリアミン
【0061】
使用したアルコールは以下の通りであった:
ROH 1=2−エチルヘキサノール
ROH 2=3,5,5−トリメチルヘキサノール
【0062】
使用した分散剤は以下の通りであった:
DA1=TEGO Dispers 685
DA2=TEGO Dispers 650
DA3=TEGO SMOV(すべてEvonik Goldschmidt GmbH)
【0063】
使用したイソシアネートは以下の通りであった:
ISO 1=ラウリルイソシアネート
ISO 2=オクタデシルイソシアネート
ISO 3=1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
【0064】
試験例18:沈降挙動の評価:
消泡剤中の固体の沈降を評価するために、実施例1〜17の消泡剤を室温で1週間保管後、相分離が存在するかに基づき沈降挙動を目視で評価した。
【0065】
試験例19:濾過性の評価:
濾過性を評価するために、実施例1〜17の消泡剤それぞれ30gを、Erich Drehkopf GmbH, Lerchenberg 35, 22359 Hamburgの80マイクロメートルのメッシュサイズの急速E-D-Schnellsiebシーブで濾過した。15分後、濾液を秤量して、生成物の濾過性を確認した。濾過残留物が0.5g未満である場合、その生成物は濾過可能であると定義した。濾過残留物が1gを超える場合、その生成物は濾過不可能であると分類した。
【0066】
試験例18および19の結果を表1に示している。
【0067】
【表1】

【0068】
表1に示す結果から明らかなように、本発明の実施例(実施例1〜12)は、本発明ではない例(比較例13〜17)よりも、沈降挙動および濾過性に関してはるかに優れている。
【0069】
使用例20:2成分コーティング材料中の使用
消泡組成物または消泡剤の脱気活性を試験するために、以下の配合により試験媒体を調製し評価を行った:
【0070】
【表2】

【0071】
直径3cmの撹拌ディスクを均質化する混合物中に途中まで浸漬して、Dispermatを3000rpmで3分間用いて、上記の成分50gを均質化した。この作業中、規定の方法で分散させることによって空気を取り込ませた。この手順で使用した円筒形の均質化容器は直径が6.5cmであった。得られたコーティング材料48gをペトリ皿(直径14cm)中に注ぎ、室温で7日間硬化させた。
【0072】
試験系の表面上の不規則性(たとえば閉じ込められた気泡など)の目視評価に基づき、硬化後の性能特性を確認した。直径0.5mm/cm2以上の不規則性と直径0.5mm/cm2未満の不規則性との間で区別した。結果を表3にまとめている。
【0073】
【表3】

【0074】
報告される試験例から明らかなように、本発明の実施例(実施例2、4、7、8、11、12)は、本発明ではない例(比較例13〜15および17)よりも消泡活性に関してはるかに優れている。
【0075】
試験例21:市販のポリマー分散物中の消泡活性の試験
BASFのスチレン−アクリレート分散物Acronal(登録商標)290 DおよびBASFの直鎖アクリレート分散物Acronal(登録商標)A603で試験を行った。
【0076】
本発明および本発明ではない消泡剤のそれぞれを分散物中に1000rpmで1分間で混入した。
【0077】
タービン撹拌機(直径4cm)を2500rpmで1分間使用して、消泡剤を加えたポリマー分散物中に空気を分散させた。撹拌機を停止した直後に、このように処理した分散物をメスシリンダー中に50mlの標線まで入れて秤量した。この重量は、撹拌で導入された空気の量の影響を受けており、消泡剤の有効性の尺度となる。実施例21の結果を表4および5にまとめている。
【0078】
【表4】

【0079】
【表5】

【0080】
報告される試験例から明らかなように、本発明の実施例(実施例10および11)は、本発明ではない例(比較例15および16)に対して消泡活性に関してはるかに優れている。
【0081】
使用例22:1成分コーティング材料中の使用
添加剤の脱気活性を試験するために、以下の配合により試験系を製造し評価を行う。
【0082】
1成分PUトップコートの調製:
溶解機を2000rpmで15分間使用して、表6に記載の成分を均質化させた。次に直径3mmのガラスビーズ50gを加え、3350rpmで45分間分散させた。
【0083】
【表6】

【0084】
ガラスビーズをふるいにかけて除去した後、得られたミルベースを表7に示されるようにさらに処理した。
【0085】
【表7】

【0086】
表8に報告される本発明および本発明ではない消泡剤のそれぞれを、トップコート中に1000rpmで1分間加えた。
【0087】
タービン撹拌機(直径4cm)を3000rpmで3分間使用して、消泡剤を加えたポリマー分散物中に空気を分散させた。撹拌機を停止した直後に、このように処理した分散物を100mlのメスシリンダー中に45gの量で入れ、体積を読み取った。体積は撹拌で導入された空気量の影響を受けており、消泡剤の有効性の尺度となる。使用例22の結果を表8に報告する。
【0088】
【表8】

【0089】
表8から明らかなように、実施例10または11で得た本発明の消泡剤を加えたトップコートは、比較例15および16で得た本発明でない消泡剤を加えたトップコートよりも、脱泡に関してはるかに優れている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性媒体を消泡するための組成物であって、消泡剤として、式I
【化1】


(式中、
は、4〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、または4〜24個の炭素原子および1つの窒素原子を有する炭化水素基、または4〜30個の炭素原子および1つのカルボニル基を有する炭化水素基であり、
は、水素原子、または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、水素原子、または1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
は、2〜30個の炭素原子を有する有機基であり、
nは0〜5である)
の少なくとも1種の尿素誘導体を固体粒子の形態で含み、
前記尿素誘導体は、キャリア媒体中での少なくとも1種のイソシアネートと少なくとも1種のアミンとの反応によって得られ、前記反応が、式VI
−OH
(式中、R=6〜10個の炭素原子を有する線状または分枝状のアルキル基である)
の一価アルコールの存在下で行われることを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記反応で得られる前記固体粒子が、少なくとも1種の分散剤の存在下で少なくとも1回分散されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリエーテルまたはポリエステルが分散剤として使用されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
スチレンオキシド単位を有するポリエーテルまたはポリエステルが分散剤として使用されることを特徴とする、請求項2または3に記載の組成物。
【請求項5】
が、4〜24個の炭素原子を有する炭化水素基、式II
【化2】


(Rは、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基である)
の有機基、または式III
【化3】


(Rは、2〜30個の炭素原子を有する有機基である)
の有機基であり、
が水素原子であり、
が水素原子であり、
が2〜24個の炭素原子を有する炭化水素基である
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
が2〜24個の炭素原子を有する炭化水素基であり、
およびRが水素原子であり、
が有機基
【化4】


(Rは、2〜20個の炭素原子を有する炭化水素基である)
である
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
ステアリルイソシアネートがイソシアネートとして使用され、プロパンジアミンがアミンとして使用されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の有機油および/または少なくとも1種の鉱油がキャリア媒体として使用されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種のシロキサンおよび/または少なくとも1種の有機変性シロキサンがキャリア媒体として使用されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
冷却潤滑剤、ポリマー分散物、コーティング材料、または印刷用インクを消泡するための請求項1から9のいずれか1項に記載の消泡用組成物の使用。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか1項に記載の消泡用組成物を含む水性媒体。
【請求項12】
冷却潤滑剤、ポリマー分散物、コーティング材料、または印刷用インクであることを特徴とする、請求項11に記載の水性媒体。
【請求項13】
堆積コーティング材料であることを特徴とする、請求項11または12に記載の水性媒体。
【請求項14】
請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物を製造する方法であって、
前記式Iの尿素誘導体が、キャリア媒体中の少なくとも1種のイソシアネートと少なくとも1種のアミンとの反応によって得られ、前記反応が、式VI
−OH
(式中、R8=6〜10個の炭素原子を有する線状または分枝状のアルキル基である)
の一価アルコールの存在下、得られる尿素誘導体の溶融温度より低温で行われる
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記反応で得られた反応混合物が直接濾過されるか、または、分散剤を加えて分散させた後、分散させた反応混合物が濾過されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2012−506307(P2012−506307A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532556(P2011−532556)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061838
【国際公開番号】WO2010/046181
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(507375465)エヴォニク ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (100)
【Fターム(参考)】